JP2016121931A - 充放電試験システム、充放電試験装置および計測方法 - Google Patents

充放電試験システム、充放電試験装置および計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
従来の充放電試験システムは、計測データの転送速度や取得頻度が制限され、試験の信頼性に問題があった。
【解決手段】
本発明では、二次電池を接続して充放電試験を行う充放電試験装置と、充放電試験装置を制御して試験結果を取得する制御装置とを有する充放電試験システムにおいて、充放電試験装置は、制御装置から制御データを受信し、計測データを制御装置に送信するデジタル入出力部と、デジタル入出力部を介して制御装置から受信する制御データまたは制御装置から直接入力するアナログの制御信号に基づいてコンバータを設定して二次電池の充放電電圧と充放電電流とを制御する計測制御部と、二次電池の特性を計測し、計測結果を計測データに変換してデジタル入出力部から制御装置に出力する第1の計測部と、二次電池の特性を計測し、計測結果をアナログ信号で制御装置に出力する第2の計測部とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、充放電試験システム、充放電試験装置および計測方法に関する。
近年、電気自動車、太陽電池システムの夜間対応、災害時の非常用蓄電池など様々な分野で二次電池が注目されている。二次電池は、充電と放電とを頻繁に繰り返したり、負荷が急激に変動するなどの過酷な条件で使用されるため、製造時に充放電試験装置により充電試験や放電試験(充放電試験と称する)が行われ、品質が厳しく管理されている(例えば特許文献1参照)。
特開2014−163921号公報
充放電試験システムは、試験プログラムの作成や試験結果の蓄積および管理などを行う制御装置を充放電試験ユニットに接続してデジタル信号で制御データや計測データを入出力していたので、転送速度や取得頻度が制限されるなど試験の信頼性に問題があった。また、二次電池の充放電試験は長時間を要する試験であり、充放電試験装置が故障して計測結果が取得されなかった場合、再試験を要するなどの問題があった。
本件開示の充放電試験システム、充放電試験装置および計測方法は、計測頻度を向上すると共に試験の信頼性を向上できる技術を提供することを目的とする。
一つの観点によれば、二次電池を接続して充放電試験を行う充放電試験装置と、充放電試験装置を制御して試験結果を取得する制御装置とを有する充放電試験システムにおいて、充放電試験装置は、制御装置から制御データを受信し、計測データを制御装置に送信するデジタル入出力部と、デジタル入出力部を介して制御装置から受信する制御データまたは制御装置から直接入力するアナログの制御信号に基づいてコンバータを設定して二次電池の充放電電圧と充放電電流とを制御する計測制御部と、二次電池の特性を計測し、計測結果を計測データに変換してデジタル入出力部から制御装置に出力する第1の計測部と、二次電池の特性を計測し、計測結果をアナログ信号で制御装置に出力する第2の計測部とを有することを特徴とする。
一つの観点によれば、制御装置の制御により二次電池の充放電試験を行い、計測結果を制御装置に出力する充放電試験装置において、制御装置から制御データを受信し、計測データを制御装置に送信するデジタル入出力部と、デジタル入出力部を介して制御装置から受信する制御データまたは制御装置から直接入力するアナログの制御信号に基づいてコンバータを設定して二次電池の充放電電圧と充放電電流とを制御する計測制御部と、二次電池の特性を計測し、計測結果を計測データに変換してデジタル入出力部から制御装置に出力する第1の計測部と、二次電池の特性を計測し、計測結果をアナログ信号で制御装置に出力する第2の計測部とを有することを特徴とする。
一つの観点によれば、二次電池を接続して充放電試験を行う充放電試験装置と、充放電試験装置を制御して試験結果を取得する制御装置とを有する充放電試験システムにおける計測方法であって、充放電試験装置は、制御装置から受信する制御データまたは制御装置から直接入力するアナログの制御信号に基づいてコンバータを設定して二次電池の充放電電圧と充放電電流とを制御し、第1の計測部により、二次電池の特性を計測し、計測結果を計測データに変換して制御装置に出力すると共に、第2の計測部により、二次電池の特性を計測し、計測結果をアナログ信号で制御装置に出力することを特徴とする。
本件開示の充放電試験システム、充放電試験装置および計測方法は、計測頻度を向上すると共に試験の信頼性を向上することができる。
充放電試験システムの一例を示す図である。 絶縁変換部の一例を示す図である。 比較例の充放電試験システムの一例を示す図である。 高速計測モードでの制御データ及び計測データの流れの一例を示す図である。 低速計測モードでの制御データ及び計測データの流れの一例を示す図である。 高速計測モードと低速計測モードとの両方で試験を行う時の制御データおよび計測データの流れの一例を示す図である。
以下、図面を用いて実施形態を説明する。
図1は、充放電試験システム100の一例を示す。図1において、充放電試験システム100は、充放電試験装置101と、制御装置102とを有する。尚、制御装置102は、CAN(Controller Area Network)などのインターフェースにより、外部コントローラ103が接続されてもよい。また、充放電試験装置101と制御装置102は、LAN(Local Area Network)と、アナログの制御信号とアナログの計測信号とを入出力するための配線との独立した2種類の線路で接続されている。充放電試験システム100は、パソコン(PC:Personal Computer)などを利用した制御装置102で作成した試験プログラムに従って、二次電池104の充放電特性や温度特性などの特性を計測し、計測結果を制御装置102に出力する。制御装置102は、充放電試験装置101を制御して二次電池の計測結果を蓄積する。
ここで、二次電池104は、Ni(ニッケル)やLi(リチウム)などを素材とする蓄電池である。例えばリチウムイオン型の場合、約3.7Vを起電力とするセルが基本となり、複数のセル(例えば8枚)が積層されてモジュールになっている。さらに、複数のモジュールが束ねられてパックと呼ばれる状態を有する場合もある。充放電試験装置101が試験する二次電池104はモジュールやパックの状態になっている。そして、本実施形態に係る充放電試験システム100は、二次電池104全体の充放電電流や充放電電圧だけでなく、セル毎の充放電電圧やセル毎の温度も計測できる。
充放電試験装置101は、IF(Interface)ボード201と、計測制御ボード202と、コンバータ203と、電流センサ204と、計測部205と、絶縁変換部206とを有する。
IFボード201は、LANを介して制御装置102からデジタルの制御データを受信し、計測制御ボード202に出力する。制御データは、例えば二次電池104の試験プログラムや後述するコンバータ203の電流値や電圧値を設定するデータなどである。
計測制御ボード202は、制御装置102から受信する試験プログラムに従って、コンバータ203の充放電電圧や充放電電流などを設定する。そして、計測制御ボード202は、試験プログラムで決められた試験パターンに応じて、例えば電流、電圧および電力などが一定になるようにコンバータ203を制御したり、定期的に電流や電圧など変化させる制御を行う。また、本実施形態では、制御装置102は、直接、計測制御ボード202にアナログの制御信号を出力して、電流値や電圧値などをコンバータ203を制御することができる。
コンバータ203は、双方向の機能を有し、例えば充電時は、二次電池104に充電電流を出力し、放電時は、二次電池104から入力される放電電流を受けることができる。
電流センサ204は、コンバータ203から二次電池104に出力される電流値を計測するためのセンサである。電流センサ204は、例えばシャント抵抗の両端の電圧を電流値として計測する回路を有してもよいし、非接触で電流を計測可能なホール素子などを用いてもよい。
計測部205は、二次電池104全体の充放電電流や充放電電圧と、セル毎の充放電電圧やセル毎の温度を計測し、計測結果をデジタルデータに変換してIFボード201から制御装置102に出力する。ここで、二次電池104全体の充放電電流は電流センサ204からアナログの計測信号として取得し、二次電池104全体の充放電電圧は二次電池104の端子からアナログの計測信号として取得する。また、セル電圧は二次電池104の内部のセル毎の端子に当てられたプローブからアナログの計測信号として取得する。さらに、セル温度はセル毎に配置された温度センサ(例えば熱電対など)により、温度を電圧値などに変換したアナログの計測信号として取得する。尚、計測部205は、第1の計測部の一例である。
ここで、二次電池104のモジュールやパックは、複数のセルを有するので、セル電圧やセル温度を取得するための配線は、セルの数だけ束ねられている。尚、計測部205の内部のA/D変換器は、セルの数だけあってもよいし、セルの数より少ない場合は、配線を切り替えるスイッチを設けて計測部205が時分割で計測するようにしてもよい。
絶縁変換部206は、計測部205と同様に、二次電池104全体の充放電電流や充放電電圧と、セル毎の充放電電圧およびセル毎の温度を計測し、アナログの計測信号を直接、制御装置102に出力する。ここで、絶縁変換部206は平衡を不平衡に変換して制御装置102に出力する。尚、絶縁変換部206は、第2の計測部の一例である。
図2は、絶縁変換部206の一例を示す。尚、図2において、図1と同符号のブロックは図1と同一又は同様の機能を有する。図2において、二次電池104には、セル104a、セル104bおよびセル104cのように、複数のセルが積層されている。そして、各セルの両端が絶縁変換部206に接続される。絶縁変換部206は、例えば図2の場合、セル104aに対応するオペアンプ206aと、セル104bに対応するオペアンプ206bと、セル104cに対応するオペアンプ206cとをそれぞれ有する。
例えばオペアンプ206aには、セル104aの端子間電圧が正入力端子と負入力端子とに入力される。そして、オペアンプ206aは、平衡信号の電圧を不平衡の電圧に変換して、オペアンプ206aの出力端子と接地間の電圧として出力する。オペアンプ206bおよびオペアンプ206cは、オペアンプ206aと同様に、セル104bおよびセル104cの平衡信号の電圧を不平衡の電圧に変換してそれぞれ出力する。
尚、計測部205は、絶縁変換部206と同様の回路を有するが、アナログの計測信号をデジタルの計測データにAD変換し、計測データをIFボード201に出力する。
次に、図1に示した制御装置102について説明する。制御装置102は、試験制御部301と、D/A変換部302と、A/D変換部303と、記憶部304とを有する。
試験制御部301は、CPU(Central Processing Unit)を有し、内部に記憶されたソフトウェアにより動作する。試験制御部301は、充放電試験装置101を制御して二次電池104の充放電試験を行い、二次電池104の特性を計測して計測結果を保存する。尚、本実施形態に係る充放電試験システム100は、制御装置102が充放電試験装置101から計測結果を取得する間隔が相対的に速い高速計測モードと、計測結果を取得する間隔が高速計測モードと比べて相対的に遅い低速計測モードとを有する。ここで、低速計測モードは第1の計測モードの一例であり、高速計測モードは第2の計測モードの一例である。例えば、高速計測モードは10msec間隔で計測データを取得し、低速計測モードは100msec間隔で計測データを取得する。また、本実施形態に係る充放電試験システム100は、高速計測モードと低速計測モードとの両方で計測データを取得して保存することができる。これにより、例えば高速計測モードの計測回路が故障した場合でも低速計測モードで計測した計測データが保存されるので、試験結果の抜けが無くなり、再試験を行わずに済ませることができる。
D/A変換部302は、デジタルデータをアナログ信号に変換する。尚、D/A変換部302は、充放電試験装置101の計測制御ボード202に出力する制御信号の数に応じて複数のD/A変換回路を有してもよい。そして、D/A変換部302は、試験制御部301が出力する制御データをアナログの制御信号に変換して充放電試験装置101の計測制御ボード202に出力する。試験制御部301は、例えばコンバータ203の制御信号をデジタル信号で出力する。そして、D/A変換部302は、試験制御部301が出力するデジタルの制御信号をアナログの制御信号に変換し、計測制御ボード202にアナログの制御信号を出力する。
A/D変換部303は、充放電試験装置101の絶縁変換部206で変換された不平衡のアナログ信号をデジタルの計測データに変換する。尚、A/D変換部303は、絶縁変換部206が出力するアナログ信号の数に応じて複数のA/D変換回路を有してもよい。或いは、A/D変換部303がアナログ信号の数より少ない数のA/D変換回路を有する場合、A/D変換回路に入力するアナログ信号を切り替えるスイッチをA/D変換部303に設ける。そして、スイッチが時分割でアナログの計測信号の入力元を切り替えてA/D変換回路に信号を入力し、A/D変換回路は、アナログの計測信号をデジタルの計測データに変換する。
記憶部304は、ハードディスクなどが用いられ、計測データが保存される。本実施形態に係る充放電試験システム100において、高速計測モードの場合、試験制御部301はA/D変換部303から出力される計測データを記憶部304に保存する。また、低速計測モードの場合、試験制御部301は、計測部205が出力する計測データをIFボード201からLANを介して受信して記憶部304に保存する。或いは、試験制御部301は、高速計測モードで計測した計測データと、低速計測モードで計測した計測データとの両方を記憶部304に記憶する。
このように、本実施形態に係る充放電試験装置101は、二次電池104全体の充放電電流や充放電電圧だけでなく、セル毎の充放電電圧やセル毎の温度を計測し、計測データを記憶部304に保存することができる。
図3は、比較例の充放電試験システム900の一例を示す。図3において、充放電試験システム900は、充放電試験装置901と、制御装置902とを有する。そして、充放電試験装置901と制御装置902は、LANで接続されている。充放電試験装置901は、制御装置902からLANを介して受信する試験プログラムに従って、二次電池104の充放電特性や温度特性などの特性を計測し、LANを介して計測結果を制御装置902に送信する。比較例の充放電試験システム900と充放電試験システム100との違いは、図1に示した充放電試験装置101の絶縁変換部206、制御装置102のD/A変換部302およびA/D変換部303が充放電試験システム900に無いことである。従って、比較例の充放電試験システム900は、IFボード201を介してLANで制御データや計測データを送受信するので、本実施形態の充放電試験システム100よりも計測データの送受信が遅くなる。
例えば計測部955は、充電電圧の計測データの次に充電電流の計測データ、次にセルの充電電圧の計測データ、セルの充電電流の計測データ、セルの温度の計測データのように制御装置902に送信する。二次電池104は、複数のセルを有するので、セルの充放電電圧や充放電電流、温度の計測データを制御装置902に送信するのに時間がかかるという問題がある。
これに対して、図1で説明した本実施形態に係る充放電試験システム100は、例えばセルの充放電電圧およびセルの温度の計測結果を絶縁変換部206から並列に制御装置102に入力する。これにより、比較例の充放電試験システム900に比べて計測間隔を短くすることができ、急激な特性の変化が生じた場合でも計測が可能である。
図4は、高速計測モードにおける制御データおよび計測データの流れの一例を示す。高速計測モードでは、IFボード201と計測制御部205は使用されず、制御装置102が直接、計測制御ボード202を制御し、絶縁変換部206から直接、計測結果を取得する。
ステップS101において、作業者は、例えば制御装置102の試験プログラム作成用アプリケーションなどにより、二次電池104の充放電試験を行う試験プログラムを作成する。ここで、試験プログラムは、例えば充電電圧を一定の電圧(36Vなど)にして30分間の充電試験を行った後、放電動作に切り替えて放電電流を0Aから1Aずつ2分毎に増加させながら30分間の放電試験を行う一連の動作を100回繰り返すなどの試験内容を示す情報である。尚、試験プログラムは、試験開始前に作成するのではなく、予め作成しておいてもよい。
ステップS102において、制御装置102は、二次電池104の充放電試験の開始を指示する。例えば計測者が充放電試験を開始するボタンを押下すると、制御装置102は、次のステップS103の処理に進む。
ステップS103において、制御装置102は、試験プログラムに従って、充放電試験装置101の計測制御ボード202に直接、アナログの制御信号を出力する。例えば制御装置102は、コンバータ203を定電圧モードの充電動作に切り替え、充電電圧を36Vに設定する制御信号を計測制御ボード202に出力する。
ステップS104において、計測制御ボード202は、制御装置102が出力するアナログの制御信号に応じて、コンバータ203を定電圧モードで充電電圧を36Vに設定する。
ステップS105において、コンバータ203は、例えば定電圧モードで充電動作を開始し、二次電池104に充電電圧(36V)を与える。
ステップS106において、絶縁変換部206は、二次電池104の特性(充放電電圧、充放電電流、セル電圧、セル温度など)を計測し、不平衡のアナログ信号に変換する。
ステップS107において、絶縁変換部206は、二次電池104の特性の計測値を不平衡のアナログ信号で制御装置102に出力する。
ステップS108において、制御装置102は、絶縁変換部206が出力するアナログ信号をA/D変換部303でデジタル値に変換し、記憶部304に保存する。
ここで、制御装置102および充放電試験装置101は、ステップS106からステップS108までの処理を予め設定された計測間隔Ts(例えば10msecや20msecなど)で繰り返す。例えば図4において、Ts=20msecの間隔で30分間の定電圧モードの充電試験を行う場合、ステップS106からステップS108までの処理は約18万回繰り返され、1つの計測項目当たり18万個の計測値が記憶部304に保存される。試験の一例では、1回の計測における項目として、二次電池104全体の充放電電圧および充放電電流の2項目と、セル電圧×セル数の項目数と、セル温度×セル数の項目数との合計の項目数がある。例えばセル数が10セルの場合、1回の計測における項目数は22項目となり、30分間の充電試験で18万個×22項目の396万個の計測値が記憶部304に保存される。
尚、制御装置102は、絶縁変換部206から複数の項目の計測信号を並列に入力して、A/D変換部303でAD変換するので次に説明する低速計測モードよりも速く計測結果を取得できる。ここで、A/D変換部303において、計測項目数よりも少ない数のA/D変換器からの出力を切り替えてデジタルの計測データに変換する場合は、計測部205と同様の変換時間を要する。しかし、低速計測モードの場合、計測制御ボード202が出力する計測データをIFボード201からLANを経由して制御装置102に送信するので、計測データの送信に時間が掛かる。これに対して、高速計測モードの場合、A/D変換部303が出力する計測データを制御装置102内部のシステムバスを介して記憶部304に保存する。従って、アナログの計測信号がAD変換されて記憶部304に計測データが保存されるまでの時間は、低速計測モードよりも高速計測モードの方が速い。
図5は、低速計測モードでの制御データおよび計測データの流れの一例を示す。尚、低速計測モードでは、制御装置102は、LAN経由で充放電試験装置101と制御データおよび計測データの送受信を行う。
ステップS201において、ステップS101と同様に、作業者は、例えば制御装置102の試験プログラム作成用アプリケーションを立ち上げて、二次電池104の充放電試験を行う試験パターンや試験プログラムなどを作成する。
ステップS202において、制御装置102は、二次電池104の充放電試験を開始する。例えば計測者が充放電試験を開始するボタンを押下すると、制御装置102は、次のステップS203の処理に進む。
ステップS203において、制御装置102は、試験プログラムなどの制御データをIFボード201に出力し、IFボード201から計測制御ボード202に制御データが出力される。
ステップS204において、計測制御ボード202は、IFボード201から出力される試験プログラムに従って、例えばコンバータ203を定電圧モードで充電電圧を36Vに設定する。
ステップS205において、コンバータ203は、図4のステップS105と同様に、計測制御ボード202の切替信号や基準電圧に応じて定電圧モードで充電動作を開始し、二次電池104に充電電圧(36V)を与える。
ステップS206において、計測部205は、二次電池104の特性(充放電電圧、充放電電流、セル電圧、セル温度など)を計測し、AD変換してデジタルの計測データに変換する。
ステップS207において、計測部205は、計測データをIFボード201に出力する。そして、IFボード201は、制御装置102に計測データを出力する。ここで、制御装置102とIFボード201は、LANで接続されているので、計測データはシリアルで順番に制御装置102に送信される。例えば、IFボード201は、二次電池104の端子間電圧の計測データを制御装置102に送信後、電流センサ204が計測する充放電電流の計測データを制御装置102に送信する。さらに、IFボード201は、セル電圧の計測値をセル数分だけ順番に制御装置102に送信する。同様に、IFボード201は、セル温度の計測値をセル数分だけ順番に制御装置102に送信する。このように、1回の計測値に複数の項目がある場合、各計測値は、項目毎にシリアルで順番にIFボード201から制御装置102に送信されるので、高速計測モードに比べて計測データの送信時間が長くなる。
ステップS208において、制御装置102は、計測部205がIFボード201を介して出力する計測データを受信し、記憶部304に計測データを保存する。
ここで、制御装置102および充放電試験装置101は、ステップS206からステップS208までの処理を予め設定された計測間隔Td(例えば100msec)で繰り返す。例えば図5において、Td=100msecの間隔で30分間の定電圧モードで充電試験を行う場合、S206からステップS208までの処理は、約1万8千回繰り返される。そして、1つの計測項目当たり1万8千個の計測値が記憶部304に保存される。図4で説明した例では、1回の計測の項目数は22項目なので、1万8千個×22項目の39万6千個の計測値が記憶部304に保存される。
このように、低速計測モードの場合、計測データは、IFボード201からLANを経由して制御装置102に送信される。これに対して、高速計測モードの場合、A/D変換部303が出力する計測データを制御装置102内部のシステムバスを介して記憶部304に保存する。従って、アナログの計測信号がAD変換されて記憶部304に計測データが保存されるまでの時間は、低速計測モードよりも高速計測モードの方が速い。
図6は、高速計測モードと低速計測モードとの両方で試験を行う時の制御データおよび計測データの流れの一例を示す。
ステップS301において、図4のステップS101および図5のステップS201と同様に、作業者は、二次電池104の充放電試験を行う試験プログラムを作成する。
ステップS302において、図4のステップS102および図5のステップS202と同様に、制御装置102は、二次電池104の充放電試験を開始する。例えば計測者が充放電試験を開始するボタンを押下すると、制御装置102は、次のステップS303aまたはステップS303bの処理に進む。
ここで、ステップS303aでは、計測制御ボード202が試験プログラムに従ってコンバータ203を制御する。これに対して、ステップS303bでは、試験制御部301が試験プログラムに従って直接、コンバータ203を制御する。ここで、制御装置102は、ステップS303aまたはステップS303bのいずれか一方の処理を行えばよい。但し、ステップS303bの処理を行った場合、且つ、コンバータ203の設定内容を変化させる試験を行う場合、制御装置102は、試験途中でステップS303bと同様の処理を実行してコンバータ203の設定を変える処理を行う。一方、ステップS303aの処理を行った場合、且つ、コンバータ203の設定内容を変化させる試験を行う場合、試験プログラムは、計測制御ボード202で実行されてコンバータ203の設定内容を変化させるので、制御装置102は、試験結果を取得して保存する処理を行えばよい。
ステップS303aの場合、制御装置102は、ステップS103と同様に、試験プログラムに従って、計測制御ボード202に直接、アナログの制御信号を出力する。例えば制御装置102は、コンバータ203を定電圧モードで充電電圧を36Vに設定する制御信号を計測制御ボード202に出力する。
ステップS303bの場合、制御装置102は、ステップS203と同様に、試験プログラムなどの制御データをLAN経由でIFボード201に出力し、制御データはIFボード201から計測制御ボード202に制御データが出力される。
ステップS304において、計測制御ボード202は、図4のステップS104および図5のステップS204と同様に、例えばコンバータ203を定電圧モードで充電電圧を36Vに設定する。
ステップS305において、コンバータ203は、計測制御ボード202の設定に応じて、例えば定電圧モードで充電動作を開始し、二次電池104に充電電圧(例えば36V)を与える。
次のステップS306aからステップS308aまでの処理は、高速計測モードで実行される処理で、低速計測モードの場合は、ステップS306bからステップS308bまでの処理が実行される。
ステップS306aにおいて、絶縁変換部206は、図4のステップS106と同様に、二次電池104の特性を計測し、不平衡のアナログ信号に変換する。
ステップS307aにおいて、絶縁変換部206は、図4のステップS107と同様に、二次電池104の特性の計測値をアナログ信号で制御装置102に出力する。
ステップS308aにおいて、制御装置102は、図4のステップS108と同様に、絶縁変換部206が出力するアナログ信号をA/D変換部303でデジタル値に変換し、記憶部304に保存する。
次のステップS306bからステップS308bまでの処理は、低速計測モードで実行される処理である。
ステップS306bにおいて、計測部205は、図5のステップS206と同様に、二次電池104の特性を計測し、AD変換してデジタルの計測データに変換する。
ステップS307bにおいて、計測部205は、図5のステップS207と同様に、計測データをIFボード201に出力する。IFボード201は、LANで接続される制御装置102に計測データを出力する。
ステップS308bにおいて、制御装置102は、図5のステップS208と同様に、計測データを受信して記憶部304に計測データを保存する。
ここで、高速計測モードの計測を例えば20msec間隔で行う場合、ステップS306aの処理で計測を行ってから20msec後にステップS309aの計測が実行される。そして、ステップS310aではステップS307aと同様の処理、ステップS311aではステップS308aと同様の処理がそれぞれ実行されて、高速計測モードの2回目の計測結果が記憶部304に記憶される。
一方、低速モードの計測は、100msec間隔で行われるので、ステップS306bの処理で計測を行ってから100msec後のステップS309bで2回目の計測が実行される。そして、ステップS310bではステップS307bと同様の処理、ステップS311bではステップS308bと同様の処理がそれぞれ実行されて、低速計測モードの2回目の計測結果が記憶部304に記憶される。
このように、図6の例では、高速計測モードの場合は、低速計測モードの場合の5倍の計測データを取得することができる。これにより、本実施形態に係る充放電試験システム100は、計測値の細かい変化を捉えて記憶部304に保存することができる。
ここで、図6の例のように、高速計測モードの計測間隔と低速計測モードの計測間隔との比率を整数倍に設定して、低速計測モードの計測タイミングが高速計測モードの計測タイミングの中点位置に中間になるようにしてもよい。これにより、制御装置102は、5回に1回の割合で高速計測モードの計測値の中間の計測値を取得することができる。例えば図6において、高速計測モードの計測間隔の20msec間に、20msecよりも短い変動が充放電電流に生じた場合、高速計測モードだけの計測結果では充放電電流の変動を捉えることが難しい。しかし、図6の例のように、高速計測モードと低速計測モードとの両方の計測結果を保存することにより、制御装置102は、高速計測モードの計測間隔の間で生じる変動を捉えることができる。
尚、制御装置102は、高速計測モードの計測結果と低速計測モードの計測結果とを時系列順に並べて同じ記憶領域または1つのファイルとして記憶するのが好ましい。或いは、制御装置102は、高速計測モードの計測結果と低速計測モードの計測結果とを記憶部304の別々の記憶領域または異なるファイルで記憶し、計測結果の解析時に高速計測モードの計測結果と低速計測モードの計測結果とを時系列順に並べ替えてもよい。
このように、本実施形態に係る充放電試験システム100は、計測頻度をより高くすることにより、充放電電圧、充放電電流、温度などの瞬間的な変化を捉えることができ、試験結果の信頼性を向上することができる。また、充放電試験システム100は、高速計測モードと低速計測モードとの両方で試験結果を保存することにより、一方の計測に異常が生じた場合でも他方の試験結果が得られるので、試験内容によっては再試験を不要にすることができる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
100,900・・・充放電試験システム;101,901・・・充放電試験装置;102,902・・・制御装置;103,903・・・外部コントローラ;104,904・・・二次電池;201,951・・・IFボード;202,952・・・計測制御ボード;203,953・・・コンバータ;204,954・・・電流センサ;205,955・・・計測部;206・・・絶縁変換部;301,961・・・試験制御部;302・・・D/A変換部;303・・・A/D変換部;304,962・・・記憶部

Claims (7)

  1. 二次電池を接続して充放電試験を行う充放電試験装置と、前記充放電試験装置を制御して試験結果を取得する制御装置とを有する充放電試験システムにおいて、
    前記充放電試験装置は、
    前記制御装置から制御データを受信し、計測データを前記制御装置に送信するデジタル入出力部と、
    前記デジタル入出力部を介して前記制御装置から受信する制御データまたは前記制御装置から直接入力するアナログの制御信号に基づいてコンバータを設定して前記二次電池の充放電電圧と充放電電流とを制御する計測制御部と、
    前記二次電池の特性を計測し、計測結果を前記計測データに変換して前記デジタル入出力部から前記制御装置に出力する第1の計測部と、
    前記二次電池の特性を計測し、計測結果をアナログ信号で前記制御装置に出力する第2の計測部と
    を有することを特徴とする充放電試験システム。
  2. 請求項1に記載の充放電試験システムにおいて、
    前記制御装置は、
    第1の計測モードと第2の計測モードとの2つの計測モードを有し、
    前記第1の計測モードの場合、前記第1の計測部により前記二次電池の特性を計測し、
    前記第2の計測モードの場合、前記第2の計測部により前記二次電池の特性を計測し、
    前記第2の計測部が計測結果を前記制御装置に出力する間隔は、前記第1の計測部が計測結果を前記制御装置に出力する間隔よりも短い
    ことを特徴とする充放電試験システム。
  3. 請求項2に記載の充放電試験システムにおいて、
    前記制御装置は、
    計測結果を保存する記憶部を更に有し、
    前記第1の計測部の計測結果と前記第2の計測部の計測結果の両方を前記記憶部に記憶する
    ことを特徴とする充放電試験システム。
  4. 制御装置の制御により二次電池の充放電試験を行い、計測結果を前記制御装置に出力する充放電試験装置において、
    前記制御装置から制御データを受信し、計測データを前記制御装置に送信するデジタル入出力部と、
    前記デジタル入出力部を介して前記制御装置から受信する制御データまたは前記制御装置から直接入力するアナログの制御信号に基づいてコンバータを設定して前記二次電池の充放電電圧と充放電電流とを制御する計測制御部と、
    前記二次電池の特性を計測し、計測結果を前記計測データに変換して前記デジタル入出力部から前記制御装置に出力する第1の計測部と、
    前記二次電池の特性を計測し、計測結果をアナログ信号で前記制御装置に出力する第2の計測部と
    を有することを特徴とする充放電試験装置。
  5. 二次電池を接続して充放電試験を行う充放電試験装置と、前記充放電試験装置を制御して試験結果を取得する制御装置とを有する充放電試験システムにおける計測方法であって、
    前記充放電試験装置は、前記制御装置から受信する制御データまたは前記制御装置から直接入力するアナログの制御信号に基づいてコンバータを設定して前記二次電池の充放電電圧と充放電電流とを制御し、第1の計測部により、前記二次電池の特性を計測し、計測結果を計測データに変換して前記制御装置に出力すると共に、第2の計測部により、前記二次電池の特性を計測し、計測結果をアナログ信号で前記制御装置に出力する
    ことを特徴とする計測方法。
  6. 請求項5に記載の計測方法において、
    前記制御装置は、第1の計測モードと第2の計測モードとの2つの計測モードを有し、前記第1の計測モードの場合、前記第1の計測部により前記二次電池の特性を計測し、前記第2の計測モードの場合、前記第2の計測部により前記二次電池の特性を計測し、前記第2の計測部が計測結果を前記制御装置に出力する間隔は、前記第1の計測部が計測結果を前記制御装置に出力する間隔よりも短い
    ことを特徴とする計測方法。
  7. 請求項6に記載の計測方法において、
    前記制御装置は、前記第1の計測部の計測結果と前記第2の計測部の計測結果の両方を記憶部に記憶する
    ことを特徴とする計測方法。
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