JP2016121725A - 転動装置 - Google Patents

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克 菅原
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【課題】これまでよりも低発塵性の転動装置を提供する。
【解決手段】脂肪族ウレア化合物または脂環式ウレア化合物と、ウレタン化合物とを、前記ウレタン化合物が増ちょう剤全量の5質量%以上の割合となるように混合した増ちょう剤を、グリース全量の33.9〜50.5質量%の割合で含有するグリース組成物をシール部材で封入した転動装置。
【選択図】図1

Description

本発明は転動装置に関し、より詳細には低発塵化を図った転動装置に関する。
一般に、転がり軸受や直動装置等の転動装置では、鉱油や合成炭化水素油(例えば、ポリαオレフィン油)等の潤滑油やグリース等の潤滑剤を循環させたり、軸受内部に封入することにより潤滑を行っている。このような転動装置は、通常の使用条件下では問題無く使用されるが、高温、真空、高速等の環境下では転動装置の作動に伴って潤滑油やグリースが装置外部に飛散する。また、蒸発によりガスを放出する等して装置外部を汚染してしまう。特に、半導体製造装置や液晶パネル製造装置、電子部品機器のように、空気中の浮遊微小粒子数が規定の清浄度レベル以下に管理されたクリーンルームで使用される転動装置には、潤滑グリースからの飛沫が発生しないように低飛散性のグリースを使用した低発塵性の転動装置が使用されている。また、半導体製造装置や液晶パネル製造装置では、封入グリースの増ちょう剤として金属石けんを使用すると、この石けん中の金属元素が製品に転移してその品質を大きく低下させる。
そこで、半導体製造装置や液晶パネル製造装置等のクリーン環境下で使用される転動装置の潤滑には、揮発性が低く、発塵量も比較的少ないという理由からフッ素系グリースが広く使用されている。このフッ素系グリースは、パーフルオロポリエーテル(PFPE)からなる基油に、増ちょう剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を配合したものが一般的である。しかし、フッ素系グリースは、一般的に高粘度のPFPEが使用されるためトルクが大きく、また、鉱油や合成炭化水素油等を基油としたグリースに比べると流動性に乏しく、潤滑性能に劣る傾向にある。トルク低減のために封入量を減らすことも行われているが、今度は潤滑不良による転送面の摩耗が起こりやすくなる。直動装置は半導体製造装置や液晶パネル製造装置等の位置決め用に使用されることが多いが、転送面の摩耗は位置決め精度の低下につながる。また、直動装置は高速回転で作動される傾向にあり、それに伴って摩耗や摩擦、トルクが更に増大して発熱やモータ過負荷等のトラブルが発生しやすくなっている。半導体製造装置や液晶パネル製造装置では位置決め精度は極めて重要な因子であり、このような潤滑不良による位置決め精度の低下は、製品の品質や歩留まりに大きな損失を与える。
また、同じく金属元素を含まないことから、ウレア系グリースも使用されている。例えば、特許文献1では、エーテル油を基油とし、増ちょう剤としてジウレア化合物またはポリウレア化合物を配合したグリースを、特許文献2では、エステル油を基油とし、増ちょう剤として脂肪族ジウレア化合物を配合したグリースを提案している。一般にウレア系グリースは、フッ素系グリースに比べて流動性や潤滑性能に優れ、低トルクを実現することができる。しかも、ウレア系グリースはグリースの高温特性を改善する効果も有することから、清浄で、かつ、高温に晒されるような環境下での使用に特に効果的である。しかし、ウレア系グリースでは、各種の添加剤が添加される場合が殆どであり、添加剤由来の発塵が問題になる。特に、添加剤が金属化合物である場合には、金属元素が製品に付着して品質を低下させる。
上記のように、金属石けん系グリース、フッ素系グリース及びウレア系グリースには種々の長所や短所があり、必要用途に合わせてクリーン用グリースとして使用されている。
特開2000−192973号公報 特開2005−272764号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、これまでよりも低発塵性の転動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、下記の転動装置を提供する。
(1)内方部材と、外方部材との間に複数の転動体を転動自在に保持してなり、グリース組成物を封入してシール部材で密封した転動装置において、
前記グリース組成物が、脂肪族ウレア化合物または脂環式ウレア化合物と、ウレタン化合物とを、前記ウレタン化合物が増ちょう剤全量の5質量%以上の割合となるように混合した増ちょう剤を、グリース全量の33.9〜50.5質量%の割合で含有することを特徴とする転動装置。
(2)前記ウレタン化合物の割合が、増ちょう剤全量の30質量%以下であることを特徴とする上記(1)記載の転動装置。
(3)前記グリース組成物の混和ちょう度が200〜320であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の転動装置。
本発明の転動装置では、封入グリースの増ちょう剤としてウレア化合物とウレタン化合物とを特定割合で混合して使用することにより、グリースが硬くなることなく増ちょう剤量を多くすることができ、低発塵となる。そのため、クリーン環境下でも好適に使用できる。
グリース組成物中の増ちょう剤量と発塵量との関係を示すグラフである。 増ちょう剤中のウレタン化合物の割合と発塵量との関係を示すグラフである。 式1の値と発塵量との関係を示すグラフである。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明の転動装置は、後述するグリース組成物を封入する限り、その種類や構造に制限はなく、低発塵性であることから、半導体製造装置や液晶パネル製造装置等に使用されている各種の転がり軸受や直動装置を対象とすることができる。また、グリース組成物の外部への飛散を防ぐためにシール部材で密封されている。
グリース組成物の基油には制限はなく、鉱油や合成油を使用することができる。鉱油としては、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油が挙げられ、特に減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものが好ましい。
合成油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油が挙げられる。炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンオリゴマー等のポリα−オレフィンまたはこれらの水素化物が挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼンやジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、モノアルキルナフタレンやジアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、トリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール、モノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。これらの基油はそれぞれ単独でも、2種以上を混合して使用することもできる。
尚、基油は、低温から高温までの流動性を考慮して、40℃における動粘度が15〜395mm/sであることが好ましく、50〜100mm/sであることがより好ましい。上記の潤滑油を混合使用する場合は、この動粘度になるように調整する。
増ちょう剤には、脂肪族ウレア化合物または脂環式のウレア化合物と、ウレタン化合物との混合物を用いる。脂肪族ウレア化合物及び脂環式ウレア化合物には制限はなく、ジウレア、トリウレア、テトラウレア及びポリウレアでかまわないが、下記一般式(I)で表わされるジウレア化合物が特に好ましい。
R1−NH(C=O)NH−R2−NH(C=O)NH−R3 ・・・(I)
式中、R2は炭素数6〜15の芳香族炭化水素基を表す。また、R1,R3は炭素数6〜24、好ましくは8〜18の脂肪族炭化水素基または炭素数3〜8、好ましくは6の脂環式炭化水素基を表し、R1とR3は同一でも異なっていてもよい。
また、脂環式ウレア化合物よりも脂肪族ウレア化合物の方が、より低発塵性で好ましい。
また、一般式(I)で表されるジウレア化合物は、基油中で、R2を骨格中に含むジイソシアネート1モルに対して、R1またはR3を骨格中に含むモノアミンを合計で2モルの割合で反応させることにより得られる。
ウレタン化合物にも制限はないが、下記一般式(II)で表されるジウレタン化合物が好ましい。
R4−O(C=O)NH−R5−NH(C=O)O−R6 ・・・(II)
式中、R5は炭素数6〜15の芳香族炭化水素基を表す。また、R4,R6はアルコールに由来する基であり、R4とR6は同一でも異なっていてもよい。
また、一般式(II)で表されるジウレタン化合物は、基油中で、R5を骨格中に含むジイソシアネート1モルに対して、R4またはR6を骨格中に含むアルコールを合計で2モルの割合で反応させることにより得られる。
アルコールの中では多価アルコールが好ましく、グリセリンが特に好ましい。多価アルコールは、構造が複雑であり、ウレア化合物の網目の中に入ってウレア化合物の網目を弱くできるため好ましい。尚、多価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂肪族ウレア化合物または脂環式ウレア化合物と、ウレタン化合物との増ちょう剤中での割合は、増ちょう剤全量に対してウレタン化合物を5質量%以上にする。ウレタン化合物により、グリースを硬くすることなく増ちょう剤量を増やすことができるが、ウレタン化合物の割合が5質量%未満ではその効果が十分に得られない。但し、ウレタン化合物の割合が30質量%を超えるとウレア化合物による効果が少なくなり、潤滑性能等に劣るようになる。ウレタン化合物の好ましい割合は、増ちょう剤全量の5〜20質量%である。
そして、増ちょう剤がウレタン化合物を含むことにより、本発明では増ちょう剤量をグリース全量の33.9〜50.5質量%に高めることができる。増ちょう剤量が増えることにより、基油の保持能力が高まり、基油に由来する外部汚染を防ぐことができる。また、一般に増ちょう剤量が増えるとグリースが硬くなるが、ウレタン化合物によりグリースが硬くならず、トルク増を招くこともない。好ましくは、増ちょう剤量をグリース全量の38.5〜43質量%(ウレタン化合物10質量%配合)とする。
尚、グリース組成物は上記した基油と増ちょう剤とを基本成分とするが、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。何れも公知のもので構わないが、本発明で使用するグリース組成物は低発塵性であるものの外部を汚染したときを考慮すると、金属化合物からなる添加剤は好ましくない。
グリース組成物を調製するには、従来のウレア系グリースやウレタン系グリースの調製方法に準じることができる。即ち、基油中でジイソシアネート成分とアミン成分とを反応させてウレア化合物を合成したウレア系グリースと、基油中でジイソシアネート成分とアルコール成分とを合成したウレタン系グリースとを、ウレア化合物とウレタン化合物とが上記割合になるように混合すればよい。
あるいは、ウレア化合物のアミン成分とウレタン化合物のアルコール成分とを、上記割合になるようにそれぞれの量を調整して基油中でジイソシアネート成分と反応させることにより、ウレア化合物とウレタン化合物とを同時に合成することもできる。具体的には、モノアミンとジイソシアネートとを反応させる際に、ジイソシアネートを過剰に添加下ものにアルコールを反応させることにより、一般式(I)のように両末端がウレアであるウレア化合物と一般式(II)のように両末端がウレタンであるウレタン化合物との混合物が得られる。または、下記一般式(III)で表される一方の末端がウレアで、他方の末端がウレタンであるウレア・ウレタン化合物と、一般式(I)のようなウレア化合物と、一般式(II)のようなウレタン化合物との3者の混合物が得られる。
Ra−O(C=O)NH−Rb−NH(C=O)NH−Rc ・・・(III)
尚、同時合成の場合、増ちょう剤中のウレたん化合物の含有率は、ウレア化合物とウレタン化合物との混合である場合は、アルコールと、アルコールと反応したジイソシアネートの量から算出することができる。
また、得られるグリース組成物の混和ちょう度を、流動性及び低発塵性を考慮すると180〜320とすることが好ましい。混和ちょう度が320を超えると、遠心力によりグリースが飛散して外部を汚染しやすくなる。また、混和ちょう度が180未満では、グリースの圧送性が悪くなる。より好ましい混和ちょう度は、200〜290であり、混和ちょう度が200より硬いグリースの方が低発塵になる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(試験グリースの調製)
表1に示すように、基油及び増ちょう剤、更には添加剤(酸化防止剤、防錆剤または極圧剤)からなる試験グリースを調製した。即ち、実施例では、増ちょう剤として脂肪族ウレア化合物または脂環式ウレア化合物と、ウレタン化合物とを混合して使用した。これに対し、比較例では脂肪族ウレア化合物単独、脂環式ウレア化合物単独、ウレタン化合物単独、金属石けん(ステアリン酸リチウム;表中「St−Li」)、もしくはウレア化合物として芳香族ウレア化合物を用いた。
(軸受発塵量評価試験)
試験グリースをシール付き深溝玉軸受(608T1XZZ1MC4ER)に封入して試験軸受とし、下記条件で回転させたときの発塵量を測定した。試験装置は、密封ハウジング内で一対の試験軸受によりモータの回転軸を支持し、ハウジング内に清浄空気を供給しながら試験軸受を回転させ、試験軸受から発生した塵芥を外部の粒子カウンターに送って計数する構成になっている。そして、粒子カウンターでは、20nm以上の塵芥の数(発塵量)を計数する。試験条件は以下の通りであり、結果を表1に示す。また、増ちょう剤量と発塵量との関係を図1に、増ちょう剤中のウレタン化合物の割合と発塵量との関係を図2にそれぞれグラフ化して示す。
・試験軸受:シール付き深溝玉軸受(608T1XZZ1MC4ER)
・回転数:3000min−1
・試験環境:25℃一定
・グリース封入量:160mg
・粒子カウンター:20nm以上の塵芥を検出
Figure 2016121725
Figure 2016121725
Figure 2016121725
表1及び図1から、実施例(図1のプロット●)及び比較例(図1のプロット▲)ともに、増ちょう剤量が多くなるほど発塵量が少なく傾向にある。そして、実施例のように脂肪族ウレア化合物または脂環式ウレア化合物と、ウレタン化合物とを混合して用い、増ちょう剤量をグリース全量の33.9質量%以上にすることにより、比較例に比べて発塵量を格段に少なくすることができる。特に、ウレア化合物として脂環式ウレア化合物を用いた場合よりも脂肪族ウレア化合物を用いた場合の方が総じて低発塵であり、増ちょう剤量40質量%以上で発塵量が1L当たり120個以下、41質量%以上で1L当たり100個以下にまで少なくなっている。また、増ちょう剤量が50.5質量%以下であれば、低発塵性になることが確認された。
これに対し、比較例のように、ウレア化合物単独、ウレタン化合物単独、金属石けんを用いた場合は発塵量が多くなっている。また、ウレア化合物として芳香族ウレア化合物を使用した場合は、ウレタン化合物を混合しても低発塵にはならない。
また、表1及び図2から、増ちょう剤中のウレタン化合物の割合を5質量%以上にすることにより低発塵性が得られることがわかる。また、増ちょう剤中のウレタン化合物の上限については、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましいといえる。
更に、実施例の試験グリースは、混和ちょう度が何れも200〜320の範囲であるが、脂環式ウレア化合物:ウレタン化合物=90:10の場合について発塵量を比較すると、混和ちょう度320(試験No.20)や混和ちょう度300(試験No.27)に比べて、混和ちょう度が290以下では総じて発塵量が低くなっている。そのため、混和ちょう度としては200〜320が好ましく、200〜290がより好ましいといえる。
以上に加えて、実施例となる試験No.19〜39、41〜49から、グリース組成物中の増ちょう剤量と、増ちょう剤中のウレタン化合物の割合及び脂環式ウレア化合物の各割合と、発塵量との間に相関関係があり、式1で表される値が72.1以下であるときに発塵量を少なくでき、特に65.5以下であるときに発塵量をより少なくできることを見出した。表1に式1の値を記載するとともに、図3に式1の値と発塵量との関係をグラフ化して示す。
式1=グリース組成物中の増ちょう剤量(質量%)+
増ちょう剤中のウレタン化合物の割合(質量%)×1.1+
増ちょう剤中の脂環式ウレア化合物の割合(質量%)×0.2

Claims (3)

  1. 内方部材と、外方部材との間に複数の転動体を転動自在に保持してなり、グリース組成物を封入してシール部材で密封した転動装置において、
    前記グリース組成物が、脂肪族ウレア化合物または脂環式ウレア化合物と、ウレタン化合物とを、前記ウレタン化合物が増ちょう剤全量の5質量%以上の割合となるように混合した増ちょう剤を、グリース全量の33.9〜50.5質量%の割合で含有することを特徴とする転動装置。
  2. 前記ウレタン化合物の割合が、増ちょう剤全量の30質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の転動装置。
  3. 前記グリース組成物の混和ちょう度が200〜320であることを特徴とする請求項1または2記載の転動装置。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018043744A1 (ja) * 2016-09-05 2018-03-08 出光興産株式会社 グリース

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