JP2016121043A - 2相共連続型シリカ−炭素複合構造体および2相共連続型炭素構造体、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

2相共連続型シリカ−炭素複合構造体および2相共連続型炭素構造体、並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の多孔構造を2相共連続型構造に制御することで、一定の電池容量を有するとともに、バイオ燃料電池、バイオセンサー等の用途に好適に適用することができる。しかしながら、その膜厚が厚く、十分な電池性能や導電性が得られない場合があることが判明した。そこで、本発明は、多孔構造を制御しつつ薄膜化できる多孔質炭素材料、およびその製造のための中間体を提供することを目的とする。
【解決手段】 シリカおよび炭素を含む複合相と空気相とを有する2相共連続型シリカ−炭素複合構造体であって、前記炭素が、前記シリカの表面の少なくとも一部に層状に配置される、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体および2相共連続型炭素構造体、並びにこれらの製造方法に関する。
炭素材料は、その構造を適宜制御することによって高機能化できることが知られている。
例えば、多数の細孔を有する炭素材料、すなわち多孔質炭素材料は、細孔内に種々の分子やイオン等を保持できることから、電極、触媒担体、機能性フィラー、吸着剤や濾過材などの幅広い工業領域で利用されている。
一例として、多孔質炭素材料は、その細孔のイオンの保持機能を利用して、電気二重層キャパシタ(EDLC)電極の用途で使用することができる。この場合、多孔質炭素材料が有する細孔はイオンの保持量に関与するため、電気容量に影響を与える要因の1つとなりうる。
したがって、多孔質炭素材料を種々の用途に適用するに当たり、多孔質炭素材料の細孔等の構造を制御することが重要となる。
このような構造が制御された多孔質炭素材料について、近年、種々の報告がある。例えば、特許文献1には、多孔質電気化学的電極であって、該電極が、1μm〜100μmの平均径dを有するマクロ孔と、0.5〜2nmの平均径dを有するミクロ孔とを備え、該マクロ孔と該ミクロ孔とが相互に連結した、メソ孔のない階層的多孔質ネットワークを有する半黒鉛化炭素モノリスの形で与えられるセル固体材料からなること、及び、該マクロ孔が、該マクロ孔の表面を構成する半黒鉛化炭素と直接接触した少なくとも1つの電気活性部分を含むことを特徴とする電極に係る発明が記載されている。特許文献1に記載の電極を構成する多孔質炭素材料(半黒鉛化炭素モノリス)は、モノリス形態、すなわち2相共連続型構造を有することから、多くのイオンを保持することができ、優れた電池容量を有しうる。
なお、特許文献1には、前記半黒鉛化炭素モノリスが、メソ孔がない多孔性ネットワークを有すると同時に大きな比表面積を有するように構造を制御することで、酸化還元メディエーターの使用を必要としない電極とすることができることが記載されている。
また、特許文献1には、半黒鉛化炭素モノリスのマクロ孔の壁は0.5〜40μmであることが記載されている。
特表2013−517492号公報
特許文献1に記載の多孔質炭素材料は、多孔構造を2相共連続型構造に制御することで、一定の電池容量を有するとともに、バイオ燃料電池、バイオセンサー等の用途に好適に適用することができる。しかしながら、特許文献1に記載の多孔質炭素材料は、その膜厚(マクロ孔の壁)が厚いことから、十分な電池性能や導電性が得られない場合があることが判明した。
そこで、本発明は、多孔構造を制御しつつ薄膜化できる多孔質炭素材料、およびその製造のための中間体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、所定の中間体を用いて多孔質炭素材料を製造することにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態は、シリカおよび炭素を含む複合相と空気相とを有する2相共連続型シリカ−炭素複合構造体であって、前記炭素が、前記シリカの表面の少なくとも一部に層状に配置される、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体に関する。
また、本発明の別の一形態は、前記2相共連続型シリカ−炭素複合構造体のシリカを除去して得られる、2相共連続型炭素構造体(多孔質炭素材料)に関する。
本発明によれば、多孔構造を制御しつつ薄膜化できる2相共連続型炭素構造体を得ることができる。
また、本発明によれば、上記2相共連続型炭素構造体を合成するための中間体を得ることができる。
実施例1で得た2相共連続型シリカ構造体の走査型電子顕微鏡写真(a,b)である。 実施例1で得た2相共連続型シリカ−有機高分子複合構造体の走査型電子顕微鏡の写真(a,b)である。 実施例1で得た2相共連続型炭素構造体の走査型電子顕微鏡の写真(a,b)である。 実施例1で得た2相共連続型炭素構造体の透過型電子顕微鏡写真(a,b)である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
<2相共連続型シリカ−炭素複合構造体>
2相共連続型シリカ−炭素複合構造体は、シリカおよび炭素を含む複合相と空気相とを有する。この際、前記炭素が、前記シリカの表面の少なくとも一部に層状に配置されることを特徴とする。
2相共連続型シリカ−炭素複合構造体は、後述する2相共連続型炭素構造体の前駆体となる。当該2相共連続型シリカ−炭素複合構造体を前駆体とすることにより、得られる2相共連続型炭素構造体は、多孔構造を制御しつつ薄膜化することができる。
なお、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体それ自体についても、例えば、分離材、触媒、ガスの貯蔵/吸蔵等の用途に適用することができる。
2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の比表面積は、0.01〜150m/gであることが好ましく、0.01〜100m/gであることがより好ましい。2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の比表面積が0.01m/g以上であると、好適な空気相を有しうることから好ましい。一方、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の比表面積が150m/g以下であると、機械的強度に優れることから好ましい。なお、本明細書において、「比表面積」の値は、BET法により測定された値を採用するものとする。
[複合相]
複合相は、シリカおよび炭素を含む。
(シリカ)
シリカとしては、2相共連続型構造を有するものであれば特に制限されず、公知のものが使用されうる。ただし、「シリカ」は、2相共連続型構造を有することから、その構造中に少なくとも1つのシロキサン構造「−Si−O−Si−」を有する。
シリカの具体例としては、1つの酸素原子および3つの水酸基が結合したケイ素原子(Q1構造)から構成されるシリカ、2つの酸素原子および2つの水酸基が結合したケイ素原子(Q2構造)から構成されるシリカ、3つの酸素原子および1つの水酸基が結合したケイ素原子(Q3構造)から構成されるシリカ、4つの酸素原子が結合したケイ素原子(Q4構造)から構成されるシリカ、およびこれらの組み合わせからなるシリカ(例えば、Q3構造のケイ素原子およびQ4構造のケイ素原子から構成されるシリカ等)、並びにこれらの誘導体が挙げられる。
シリカの誘導体としては、特に制限されないが、Q1構造のケイ素原子、Q2構造のケイ素原子、Q3構造のケイ素原子が有するシラノール基の少なくとも1つを修飾基で修飾したシリカ誘導体が挙げられる。
前記修飾基としては、特に制限されないが、メチル基、ジメチル基、トリメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、トリフルオロプロピル基、ビニル基、3−グリシトキシプロピル基、3−アミノプロピル、3−メルカプトプロピル、フェニル基、3−メタクリルオキシプロピル、アセチル基、等が挙げられる。これらのうち、修飾基は、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、トリフルオロプロピル基、ビニル基であることが好ましく、ヘキシル基、オクチル基、デシル基であることがより好ましい。なお、上記修飾基は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述のシリカのうち、後述する有機高分子をシリカ表面に容易に配置できる観点から、Q4構造のケイ素原子を含むシリカ、シリカ誘導体であることが好ましく、実質的にQ4構造のケイ素原子からなるシリカであることがより好ましく、Q4構造のケイ素原子からなるシリカであることがさらに好ましい。
上述のシリカは、複合相中に単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
なお、シリカを構成するケイ素原子の構造は、29Si−CP/MAS NMR測定により確認することができる。
シリカ中のシラノール基の含有率は、シリカに対して、20mol%以下であることが好ましく、5mol%以下であることがより好ましい。シリカ中のシラノール基の含有率が20mol%以下であると、水蒸気の吸着が非常に低く、後述する有機高分子がシリカ表面に容易に配置できることから好ましい。なお、本明細書において、「シリカ中のシラノール基の含有率」の値は、29Si−CP/MAS NMR測定で得られるQ4と、Q3およびQ2との比率により計算された値を採用するものとする。本明細書では、「シリカ中のシラノール基の含有率」が5mol%以下のシリカを、「実質的にQ4構造のケイ素からなるシリカ」とも称することがある。
シリカの形状は、2相共連続型構造を有するものであれば特に制限されない。シリカは、通常、三次元ネットワークの形状を有する。
前記三次元ネットワークを構成するシリカ骨格の厚みは、5〜1000nmであることが好ましく、30〜500nmであることがより好ましい。シリカ骨格の厚みが5nm以上であると、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の機械的強度に優れることから好ましい。一方、シリカ骨格の厚みが1000nm以下であると、好適な空気相が得られうることから好ましい。なお、本明細書において、「シリカ骨格の厚み」は、シリカ骨格の垂直断面のうち最も長い径を意味し、その値は走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定された値を採用するものとする。
シリカの比表面積は、0.01〜100m/gであることが好ましく、0.01〜50m/gであることがより好ましい。シリカの比表面積が0.01m/g以上であると、好適な空気相が得られうることから好ましい。一方、シリカの比表面積が100m/g以下であると、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の機械的強度に優れることから好ましい。
(炭素)
炭素は、上述のシリカ表面の少なくとも一部に層状に配置される。
なお、後述するように、得られた2相共連続型シリカ−有機高分子複合構造体からシリカを除去することにより、層状に配置された炭素(炭素層)が残存し、2相共連続型炭素構造体を得ることができる。
炭素は、特に制限されないが、有機高分子の炭化物が挙げられる。得られる炭化物としては、特に制限されないが、きちんとした結晶構造を持たない無定形炭素と結晶質のグラファイト、グラフェン、フラーレンまたはダイアモンドが挙げられる。この際、炭化物の構造は、炭化物のもととなる有機高分子の種類、炭化条件等によって制御することができる。例えば、炭化の温度を800℃以上とすることにより、得られる炭化物は、結晶構造を有する炭素となりうる。
炭素前駆体である有機高分子としては、特に制限されないが、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、フッ化樹脂、液晶ポリマー、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体等が挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、特に制限されないが、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;脂肪鎖変性ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、ポリアルキレングルコール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ビスマレイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ジアリルフタレート樹脂;シリコーン樹脂;ベンゾオキサジン環を有する樹脂;シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
上述の有機高分子のうち、シリカ表面に容易に有機高分子の層を形成することができる観点から、ポリメタクリル酸メチル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂を用いることが好ましく、残炭率が高い観点から、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フェノールノボラック樹脂を用いることがより好ましい。
なお、上述の有機高分子は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(炭素層)
上述の炭素は、シリカ表面の少なくとも一部に層状に配置され、炭素層を構成する。この際、「シリカ表面の少なくとも一部」とは、炭素層が、シリカの外表面全体の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90以上%を占めることを意味する。炭素層が2以上ある場合には、これらの炭素層のシリカを占める面積の総和が上記範囲にあればよい。
前記炭素層は、上述の炭素を含む。その他場合により、有機高分子、有機高分子炭化残存物、硬化剤、酸化防止剤、難燃剤、光安定剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、着色剤等が含まれうる。
前記有機高分子としては、炭化による炭素への変換の際に未反応であった有機高分子が挙げられる。当該有機高分子としては上述したものが挙げられる。
前記有機高分子炭化残存物としては、有機高分子の炭化による炭素への変換の際に生じた副生物、および有機高分子の部分炭化物が挙げられる。
前記硬化剤は、通常、有機高分子として熱硬化性樹脂を用いた場合に炭素層に含まれうる。使用されうる硬化剤としては、特に制限はなく、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物が挙げられる。
炭素層の膜厚は、2〜100nmであることが好ましく、5〜80nmであることがより好ましい。炭素層が2nm以上であると、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の機械的強度に優れることから好ましい。一方、炭素層が100nm以下であると、好適な空気相が得られうることから好ましい。なお、炭素層は、積層されたものであってもよい。この場合の炭素層の膜厚は、積層された炭素層の膜厚の和を意味するものとする。
(モリブデン)
2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の複合相のシリカは、モリブデンを含んでいてもよい。
当該モリブデンとしては、モリブデン金属の他、三酸化モリブデン、後述するモリブデン化合物の部分還元体等が含まれる。
モリブデンの含有形態は、特に制限されず、シリカの表面に付着する形態で含まれていても、シリカの構造のシリコンの一部に置換された形態で含まれていてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
2相共連続型シリカ−炭素複合構造体中のシリカ中のモリブデンの含有量は、シリカの製造条件によっても異なるが、通常、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の質量に対して、5質量%以下であることが好ましく、1〜0.001質量%であることがより好ましい。モリブデンの含有量が5質量%以下であると、シリカのQ4結合率が向上することから好ましい。
[空気相]
空気相は、上記三次元ネットワーク骨格を有する複合相の貫通孔からなる相である。したがって、空気相は、複合相と互いに連続相を形成し、得られるシリカ−炭素複合構造体は、2相共連続構造体となる。
空気相の直径は、10〜1000nmであることが好ましく、50〜1000nmであることがより好ましい。空気相の直径が10nm以上であると、例えば、分離材として好適に使用できることから好ましい。一方、空気相の直径が1000nm以下であると、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の機械的強度に優れることから好ましい。なお、本明細書において、「空気相の直径」とは構造体の断面においてネットワーク骨格と骨格との間のスペースの径を意味し、その値は構造体断面の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像より計測された値を採用するものとする。
<2相共連続型有機炭素構造体>
本発明の一形態によれば、2相共連続型炭素構造体が提供される。当該2相共連続型炭素構造体は、上述の2相共連続型シリカ−炭素複合構造体のシリカを除去して得ることができる。
この際、2相共連続型炭素構造体の構造は、そのもととなる2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の構造が反映されたものとなり、一義的に規定することは困難である。例えば、一実施形態において、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体のシリカ表面の一部において、シリカ骨格の外周面すべてを炭素層が被覆している場合には、シリカを除去して得られる2相共連続型炭素構造体の炭素骨格は、中空構造の炭素を含むこととなる。また、別の一実施形態において、シリカ表面の一部において、例えば、シリカ骨格の外周面の一部を炭素層が被覆している場合(外周面の一部が被覆され、対向面は被覆されていない等の場合)には、シリカを除去して得られる2相共連続型炭素構造体の炭素骨格は、椀状構造の炭素を含むこととなる。
すなわち、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体は、2相共連続型炭素構造体の中間体として使用することができる。この際、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の構造を制御することにより、得られる2相共連続型炭素構造体の孔構造を制御することができる。
また、上述のように、2相共連続型炭素構造体は多様な構造をとりうるが、このうち、2相共連続型炭素構造体は、中空構造の炭素骨格を含むことが好ましく、中空構造の炭素骨格からなることがより好ましい。かような構造を有する場合には、2相共連続型炭素構造体は、中空構造に由来する空気相をさらに有することとなり、例えば、電池特性、物質拡散特性、輸送特性に優れる等の機能を有しうる。
2相共連続型炭素構造体の炭素骨格の膜厚は、2〜100nmであることが好ましく、5〜80nmであることがより好ましい。2相共連続型有機高分子構造体の炭素骨格の膜厚が2nm以上であると、2相共連続型炭素構造体の機械的強度が優れることから好ましい。一方、2相共連続型炭素構造体の炭素骨格の膜厚が100nm以下であると、好適な空気相が得られうることから好ましい。
上述のように2相共連続型炭素構造体は、特許文献1に記載された膜厚(半黒鉛化炭素モノリスのマクロ孔の壁)0.5〜40μm(500〜40000nm)と対比して、炭素骨格の膜厚の優位な薄膜化が可能である。これにより、本形態に係る2相共連続型炭素構造体を、例えば電極等の用途に使用する場合、得られる電極は電池性能や導電性に優れることが理解される。
2相共連続型炭素構造体の比表面積は、0.01〜5000m/gであることが好ましく、0.01〜3000m/gであることがより好ましい。2相共連続型炭素構造体の比表面積が0.01m/g以上であると、物質拡散特性、輸送特性等に優れることから好ましい。一方、2相共連続型炭素構造体の比表面積が5000m/g以下であると、機械的強度が優れることから好ましい。
<2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の製造方法>
2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の製造方法は、特に制限されず、公知の技術が適宜適用されうる。例えば、公知の方法により2相共連続型シリカ構造体を合成し、次いで、得られた2相共連続型シリカ構造体表面に有機高分子層を形成し、得られた有機高分子層を炭化する方法;公知の方法により2相共連続型シリカ構造体を合成し、次いで、得られた2相共連続型シリカ構造体表面に炭素を蒸着する方法等が挙げられる。この際、前記得られた2相共連続型シリカ構造体がQ1構造のケイ素原子、Q2構造のケイ素原子、およびQ3構造のケイ素原子の少なくとも1つを含む場合には、有機高分子層を形成する前に、シラノール基の少なくとも1つを修飾基で修飾してもよい。
一実施形態において、好ましい製造方法は、シリコン化合物をモリブデン化合物存在下で焼成して2相共連続型シリカ構造体を得る工程(1)と、前記2相共連続型シリカ構造体表面の少なくとも一部に有機高分子層を形成する工程(2)と、前記有機高分子層の有機高分子を炭化して炭素層を形成する工程(3)と、を含む。
[工程(1)]
工程(1)は、シリコン化合物をモリブデン化合物存在下で焼成して2相共連続型シリカ構造体を得る工程である。
(シリコン化合物)
シリコン化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。シリコン化合物の具体例としては、シリカゲル、シリカナノ粒子、メソポーラスシリカ等の人工合成シリコン化合物;バイオシリカ等の天然シリコン化合物等が挙げられる。これらのうち、人工合成シリコン化合物を用いることが好ましく、シリカゲルを用いることがより好ましい。なお、シリコン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコン化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
シリコン化合物の比表面積は、2相共連続型シリカ構造体を形成できるものであれば特に制限されないが、10m/g以上であることが好ましく、50〜2000m/gであることがより好ましい。シリコン化合物の比表面積が10m/g以上であると、好適に貫通孔を有する2相共連続型シリカ構造体を合成できることから好ましい。
また、シリコン化合物の形状は特に制限されず、例えば、粒子状、バルク状のものを好適に使用することができる。
シリコン化合物の形状が粒子状である場合、シリコン化合物の平均粒径は、1000nm以上であることが好ましく、5000〜100000nmであることがより好ましい。シリコン化合物の平均粒径が1000nm以上であると、好適に貫通孔をすることができることから好ましい。なお、本明細書において、「平均粒径」の値は、任意の100個の粒子の粒径を透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)により得られたイメージから測定、算出された値を意味する。この際、「粒径」とは、粒子の輪郭線上の2点間の距離のうち、最大の長さを意味する。
(モリブデン化合物)
モリブデン化合物は、後述するように、シラノール基の脱水反応触媒としての機能を有する。
モリブデン化合物としては、特に制限されないが、酸化モリブデン、モリブデン金属が酸素との結合からなる酸根アニオン(MoO n−)を含有する化合物が挙げられる。
前記酸根アニオン(MoO n−)を含有する化合物としては、特に制限されないが、モリブデン酸、HPMo1240、HSiMo1240、NHMo12等が挙げられる。
上述のモリブデン化合物のうち、コストの観点から、酸化モリブデンを用いることが好ましい。また、上述のモリブデン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モリブデン化合物の使用量は、特に制限されないが、シリコン化合物の質量に対して、5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。モリブデン化合物の使用量が5質量%以上であると、シラノール基の少ないシリカが得られうることから好ましい。一方、モリブデン化合物の使用量が70質量%以下であると、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の機械的強度に優れることから好ましい。
(焼成)
シリコン化合物をモリブデン化合物存在下で焼成することにより、2相共連続型シリカ構造体を得ることができる。この際、得られるシリカ構造体は、好ましくはQ4構造のケイ素原子を含むシリカであり、より好ましくは実質的にQ4構造のケイ素原子からなるシリカであり、さらに好ましくはQ4構造のケイ素原子からなるシリカである。
モリブデン化合物の存在下でシリコン化合物を焼成すると、得られるシリカの孔の表面にモリブデン化合物が付着膜を形成する。そして、このような付着膜を有するシリカをさらに高温で焼成すると、モリブデン化合物が昇華すると共に、シリカ中のシラノールの脱水反応が生じ、シラノール基の少ない、または存在しない2相共連続型シリカ構造体を合成することができる(フラックス法)。これにより、例えば、Q4構造のケイ素原子は疎水性に優れることからシリカ表面に好適に有機高分子の層を形成することができ、また、形成されたシリカおよび有機高分子は高い密着力を有しうる。また、Q4構造のケイ素原子に変換するために長時間での高温焼成が不要となるため、生産性、コスト性に優れる。
焼成における雰囲気は、特に制限されず、空気雰囲気、酸素雰囲気、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気等が挙げられる。これらのうち、コストの観点から空気雰囲気であることが好ましい。
焼成温度は特に制限されないが、750℃以上であることが好ましく、800〜1200℃であることがより好ましく、900〜1100℃であることがさらに好ましい。焼成温度が750℃以上であると、モリブデン化合物の昇華を伴いながら好適に2相共連続型シリカ構造体を形成できることから好ましい。
焼成温度までの昇温にかける時間は、1〜10時間であることが好ましい。また、焼成温度における保持時間は、5分〜24時間であることが好ましい。
焼成方法としても特に制限されず、例えば、焼成炉等を使用することができる。
(2相共連続型シリカ構造体)
シリコン化合物をモリブデン化合物存在下で焼成して得られるシリカは、2相共連続構造を有する。なお、2相共連続構造(シリカ中のシラノール基の含有率、比表面積、シリカ骨格の厚み等)については、使用するシリコン化合物およびモリブデン化合物の種類、これらの使用量、焼成温度、焼成時間等を適宜調整することで、制御することができる。
なお、得られた2相共連続型シリカ構造体をアンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄することにより、2相共連続型シリカ構造体の表面のモリブデンを除去することができ、これによりモリブデン含有量を制御することができる。
なお、シリカ中のシラノール基が少ないほど疎水性に優れることから、後述する有機高分子層を好適に形成することができる。
[工程(2)]
工程(2)は、工程(1)で得られた2相共連続型シリカ構造体表面の少なくとも一部に有機高分子層を形成する工程である。
(有機高分子層の形成)
有機高分子層の形成方法については、特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。
例えば、一実施形態において、工程(1)で得られた2相共連続型シリカ構造体と熱可塑性樹脂の溶液とを混合した溶媒を調製し、次いで溶媒を除去することで、2相共連続型シリカ構造体表面に有機高分子層を形成することができる。
また、一実施形態において、工程(1)で得られた2相共連続型シリカ構造体に、硬化性樹脂を溶媒に溶解した溶液を塗布、乾燥し、紫外線等で硬化することで、2相共連続型シリカ構造体表面に有機高分子層を形成することができる。
[工程(3)]
工程(3)は、工程(2)で形成した有機高分子層の有機高分子を炭化して、炭素層を形成する工程である。
(炭化)
有機高分子層に含まれる有機高分子を炭化することにより、有機高分子が炭素に変換され炭素層が形成される。
炭化における雰囲気は、特に制限されないが、非酸素雰囲気であることが好ましく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気であることがより好ましい。
炭化の温度は特に制限されないが、500〜1500℃であることが好ましく、800〜1200℃であることがより好ましい。炭化の温度が500℃以上であると、有機高分子の未炭化を防止または抑制できることから好ましい、一方、炭化の温度が1500℃以下であると、得られる炭素とシリカとの副反応を防止または抑制できることから好ましい。
<2相共連続型炭素構造体の製造方法>
[工程(4)]
工程(4)は、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体、好ましくは上述の工程(3)で得られた2相共連続型シリカ−炭素複合構造体からシリカを除去する工程である。
(シリカの除去方法)
シリカの除去方法としては、特に制限されず、シリカを溶解する公知の方法を適宜採用することができる。例えば、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体をフッ化水素、フッ化水素の水溶液、水酸化ナトリウムなどアルカリ水溶液と接触させる方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の製造>
[実施例1]
(工程(1))
フラックス法により2相共連続型シリカ構造体を合成した。
より詳細には、シリコン化合物であるシリカゲル(シリカゲル60、球状、平均粒径40〜50μm、関東化学株式会社製)8gと、モリブデン化合物である酸化モリブデン(和光純薬工業株式会社製)2gとを乳鉢で混合し、混合物10gを得た。得られた混合物10gを焼成装置として、セラミック電気炉ARF−100K型(AMF−2P型温度コントローラ付)(株式会社アサヒ理化製作所製)にて1000℃で1時間焼成した。酸化モリブデンが殆ど昇華し、7.6gのシリカ構造体の粉末を得た。
形態観察装置VE−9800(株式会社キーエンス製)を用いてSEM観察を行ったところ、得られたシリカ構造体は外表面から内部全体までに空洞トンネルが貫通し、シリカと空気の2相が互いに連続相となる2相共連続型構造であることを確認した(図1)。
また、2相共連続型シリカ構造体のケイ素原子の構造を評価した。より詳細には、JNM−ECA600(日本電子株式会社製)を用いて、29Si CP/MAS NMR測定を行った。この際、ケミカルシフトのリファレンスは別途CP/MAS法でポリジメチルシランを測定し、得られたピークを−33.8ppmとした。その結果、80〜120ppmまでの範囲内にQ2、Q3、Q4由来のピークは観察されなかった。このことは、得られた2相共連続型シリカ構造体がQ4構造のケイ素原子からなることを示す。より詳細には、29Si CP/MAS NMR測定においては、シリカがQ2、Q3構造に基づくケイ素原子を含む場合、すなわち、シラノール基を有する場合、シラノール基のプロトンのスピン転移によりシグナルが観測される。しかしながら、シリカがシラノール基を有さない場合、シラノール基のプロトンのスピン転移が起こらないため、Q4構造を含めてシグナルは観測されなくなる。つまり、シラノール基を有さないQ4結合からなるシリカは、29Si CP/MAS NMR測定ではピークが観察されないのである。なお、上述のシリコン化合物(シリカゲル)を用いて29Si CP/MAS NMR測定を行ったところ、得られたデータから、Q3を主結合とするシリカゲルであることが確認された。
さらに、得られた2相共連続型シリカ構造体の比表面積を測定した。比表面積はTris star 3000型装置(マイクロメリティクス社製)を用い、BET法(窒素ガス吸着/脱着法)により測定した。また、ポアサイズ分布はポア体積分率対ポアサイズのプロットから見積もった。その結果、2相共連続型シリカ構造体のBET表面積は19m/gであった。上述のシリコン化合物(シリカゲル)のBET表面積は797m/gであったことから、2相共連続型シリカ構造体は緻密な構成を有し、シリカ中にはミクロポアが存在しないことが示唆された。
また、得られた2相共連続型シリカ構造体の表面極性を水蒸気吸着測定試験により評価した。具体的には、BELSORP−18PLUS HT(日本ベル株式会社製)を用い、2相共連続型シリカ構造体の水蒸気吸着測定を行った。その結果、2相共連続型シリカ構造体は水をほとんど吸着せず、表面極性が非常に低いことが確認された。なお、シリコン化合物(シリカゲル)について同様の試験を行ったところ、大量の水を吸着した。
さらに、得られた2相共連続型シリカ構造体中のモリブデンの分析を行った。エネルギー分散型X線分析(TEM−EDS分析)を行ったところ、モリブデンは2相共連続型シリカ構造体のシリカ表面およびシリカ内部に同時に存在していることが分かった。
また、得られた2相共連続型シリカ構造体中のモリブデンの含有量を測定した。より詳細には、蛍光X線測定装置ZSX100e(株式会社リガク製)を用いて蛍光X線定量評価を行った。得られたデータから、2相共連続型シリカ構造体中のモリブデン含有量は1.0質量%であった。
(工程(2))
工程(1)で得られた2相共連続型シリカ構造体に有機高分子層を形成した。
より詳細には、1.0gのポリアクリロニトリル樹脂(Mw15000、和光純薬工業株式会社製)を10mLのジメチルスルホキシド(DMSO)に分散し、分散液を80℃で3時間撹拌した。撹拌しながら加熱によりDMSOを除去することで、2相共連続型シリカ構造体の表面にポリアクリロニトリル樹脂の層を有する2相共連続型シリカ−有機高分子複合構造体2gを得た。
(工程(3))
工程(2)で得られた2相共連続型シリカ−有機高分子複合構造体において、有機高分子を炭化することで、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体を得た。
より詳細には、2相共連続型シリカ−有機高分子複合体を、VMF−165−P型真空/不活性ガス雰囲炉(山田電気株式会社製)を用いて、窒素雰囲気下、1000℃で加熱することで有機高分子層のポリアクリルニトリル樹脂を炭素に転化(炭化)させ、黒色の2相共連続型シリカ−炭素複合構造体1.3gを得た。
得られた2相共連続型シリカ−炭素複合構造体中の炭素含有率を測定した。より詳細には、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体を秤量した後、示差走査熱量分析測定装置であるTG−DTA6300(エスアイアイ・ ナノテクノロジー株式会社製)を用い、大気中の環境下、昇温速度を10℃/分、温度範囲を20〜1000℃の条件で測定を行った。その結果、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体中の炭素含有率は、25%であった。
また、工程(1)と同様の方法で、SEM観察を行ったところ、得られた2相共連続型シリカ−炭素複合構造体は複合相および空気相を有する2相共連続型構造であることを確認した(図2)。
(工程(4))
工程(3)で得られた2相共連続型シリカ−炭素複合構造体のシリカを除去することで、2相共連続型炭素構造体を得た。
より詳細には、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体1.0gを、20%のフッ化水素の水溶液中に5時間浸漬した。次いで、水洗浄を行い、乾燥することで、0.24gの2相共連続型炭素構造体を得た。
実施例1と同様の方法でSEM観察、およびEM−002B、VOYAGER M3055(株式会社トプコン、ノーランインスツルメント社製)を用いてTEM観察を行ったところ、空気相の直径は1000nm以下であること、炭素構造体が中空構造を有すること、2相共連続型炭素構造体の膜厚が20〜30nmであることを確認した。なお、SEM写真を図2に、TEM写真を図3に、それぞれ示す。
また、2相共連続型炭素構造体について、ラマン吸収測定分析によりラマン測定を行った。より詳細には、反射型ラマン測定装置RAMASCOPE(レニショー(RENISHAW)社製)を用いてスペクトルを測定した。その結果、1570cm−1および1340cm−1に、それぞれグラファイト結晶の炭素(Gバンド)およびアモルファス炭素(Dバンド)に由来するピークが検出された。
[合成例]
フラックス法により2相共連続型シリカ構造体を合成し、その構成を確認した。
より詳細には、2gのモリブデン化合物であるリンモリブデン酸(HPMo1240、和光純薬工業株式会社製)をエタノール100mLに溶解した。得られた溶液に、シリコン化合物であるシリカゲル(無定形、平均粒径40〜50μm、メルク株式会社製)8gを分散させ、混合物10g(固形分)を得た。得られた混合物10gを焼成装置として、セラミック電気炉ARF−100K型(AMF−2P型温度コントローラ付)(株式会社アサヒ理化製作所製)にて1000℃で1時間焼成した。酸化モリブデンが殆ど昇華し、7.8gのシリカ構造体の粉末を得た。
得られたシリカ構造体を、実施例1と同様の方法でSEM観察したところ、得られたシリカ構造体は外表面から内部全体までに空洞トンネルが貫通し、シリカと空気の2相が互いに連続相となる2相共連続型構造であることを確認した。
また、2相共連続型シリカ構造体の化学結合を実施例1と同様の方法で評価したところ、Q4結合からなる2相共連続型シリカ構造体であることが確認された。

Claims (8)

  1. シリカおよび炭素を含む複合相と空気相とを有する2相共連続型シリカ−炭素複合構造体であって、
    前記炭素が、前記シリカの表面の少なくとも一部に層状に配置される、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体。
  2. 前記シリカが、Q4構造を有するケイ素からなる、請求項1に記載の2相共連続型シリカ−炭素複合構造体。
  3. 前記複合相が、さらにモリブデンを含む、請求項1または2に記載の2相共連続型シリカ−炭素複合構造体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の2層共連続型シリカ−炭素複合構造体のシリカを除去して得られる、2層共連続型炭素構造体。
  5. 前記2層共連続型炭素構造体の炭素骨格の膜厚が、2〜100nmである、請求項4に記載の2相共連続型炭素構造体。
  6. 前記2層共連続型炭素構造体の炭素骨格が、中空構造を含む、請求項4または5に記載の2相共連続型炭素構造体。
  7. シリコン化合物をモリブデン化合物存在下で焼成して2相共連続型シリカ構造体を得る工程(1)と、
    前記2相共連続型シリカ構造体表面の少なくとも一部に有機高分子層を形成する工程(2)と、
    前記有機高分子層の有機高分子を炭化して炭素層を形成する工程(3)と、
    を含む、2相共連続型シリカ−炭素複合構造体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の方法で得られた2層共連続型シリカ−炭素複合構造体からシリカを除去する工程(4)を含む、2層共連続型炭素構造体の製造方法。
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