JP2016120613A - 液体供給システム及び液体供給システムの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】メインタンク3及びサブタンク4をヘッド部2のノズル2aよりも高い位置に設置する必要がなく、装置の全体構成を容易とする。【解決手段】本発明の液体供給システム1は、ノズル2a、ノズル2aに連通する圧力室2b、圧力室2bに連通する供給ポート2c及び排出ポート2dを有するヘッド部2と、液体を貯留するメインタンク3と、気体層5aと液体層5bを有し、メインタンク3から液体を流入し、供給ポート2cに液体を流出するサブタンク4と、気体層5aの圧力を調整する圧力調整部7と、排出ポート2dから液体を吸引する液体ポンプ8と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、被記録媒体に液滴を噴射して記録するヘッド部に液体を供給する液体供給システム及び液体供給システムの駆動方法に関する。
近年、記録紙等にインク滴を吐出して文字や図形を記録する、或いは素子基板の表面に液体材料を吐出して機能性薄膜を形成するインクジェット方式の液体噴射ヘッドが利用されている。この方式は、インクや液体材料などの液体を液体タンクから供給管を介して液体噴射ヘッドのチャンネルに供給し、チャンネルの液体に圧力を印加してチャンネルに連通するノズルから液滴として吐出する。液滴の吐出の際には、液体噴射ヘッドや被記録媒体を移動させて文字や図形を記録する、或いは所定形状の機能性薄膜や三次元構造を形成する。
この種の液体噴射ヘッドは、液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給システムを備える。例えば特許文献1には、液滴を吐出する液体噴射ヘッドの上流側に位置する上流側タンクと、液体噴射ヘッドの下流側に位置する下流側タンクと、下流側タンクの液体を上流側タンクに戻す循環ポンプと、これらを接続する導管を備える液体供給システムが記載される。この液体供給システムでは、液体を循環させないときは、ノズル位置での液体圧力が上流側タンクの液面の高さと下流側タンクの液面の高さにより定まる。液体ポンプを駆動して液体を循環させるときは、下流側タンクを電磁バルブにより大気から遮断するので、ノズル位置での液体圧力は、ノズル位置に対する上流側タンクの液面の高さと液体ポンプによる液体の循環量により定まる。具体的には、上流側タンクの液面の高さを基準として、上流側タンクと液体噴射ヘッドの間の流路抵抗と、液体噴射ヘッドと下流側タンクの間の流路抵抗と、液体ポンプによる液体の循環量と、により、ノズル位置での液体圧力が定まる。この際、下流側タンクは内部が負圧となり大気から遮断されるので、下流側タンクの高さの制約が緩和され、構造上有利な場所に配置することができる。
しかしながら、特許文献1の液体供給システムは、ノズル位置の高さに対する上流側タンクの液面の高さが制限される。そのため、上流側タンクの設置場所がノズル位置によって制限され、液体噴射装置を構成する際の大きな制約となる。また、上流側タンクの他に下流側タンクを必要とする。更に、導管の流路抵抗の設定、下流側タンク用の液面センサや大気解放用電磁バルブの設置等が必要となり、装置全体の構造が複雑となる。
本発明の液体供給システムは、ノズル、前記ノズルに連通する圧力室、前記圧力室に連通する供給ポート及び排出ポートを有するヘッド部と、液体を貯留するメインタンクと、気体層と液体層を有し、前記メインタンクから液体を流入し、前記供給ポートに液体を流出するサブタンクと、前記気体層の圧力を調整する圧力調整部と、前記排出ポートから液体を吸引する液体ポンプと、を備えることとした。
また、前記液体ポンプは前記サブタンクに液体を戻すこととした。
また、前記排出ポートの液体の圧力を検出する第一圧力センサを備えることとした。
また、前記気体層の圧力を検出する第二圧力センサを備えることとした。
また、前記圧力調整部は前記気体層を大気圧、又は、大気圧に対して正圧に維持することとした。
また、前記液体ポンプは前記排出ポートの液体を大気圧に対して負圧に維持することとした。
また、前記メインタンクから前記サブタンクに液体の供給を制御する液体供給制御部と、前記液体層の液面の位置を検出する液面センサと、を備えることとした。
また、前記メインタンクと前記サブタンクを連通する第一チューブと、前記サブタンクと前記供給ポートを連通する第二チューブと、前記液体ポンプと前記サブタンクを連通する第三チューブと、を備え、前記第一〜第三チューブは前記サブタンクの前記液体層に開口し、前記サブタンクにおいて、前記第二チューブの開口位置は前記第一及び第三チューブの開口位置よりも低いこととした。
また、前記ヘッド部、前記メインタンク、前記サブタンク及び前記液体ポンプからなるヘッドユニットを複数備え、複数の前記ヘッドユニットの複数の前記気体層に連通する気体タンクを備え、前記圧力調整部は前記気体タンクの圧力を調整することにより複数の前記気体層の圧力を調整することとした。
本発明の液体供給システムの駆動方法は、ノズル、前記ノズルに連通する圧力室、前記圧力室に連通する供給ポート及び排出ポートを有するヘッド部と、気体層と液体層を有し前記供給ポートに液体を流出するサブタンクと、前記気体層の圧力を調整する圧力調整部と、前記排出ポートから液体を吸引する液体ポンプと、前記排出ポートの液体の圧力を検出する第一圧力センサと、を備え、前記第一圧力センサから圧力情報を取得する排出側圧力検出工程と、前記圧力情報に基づいて前記液体ポンプを駆動して前記排出ポートの液体を吸引して循環させる液体循環工程と、を備えることとした。
また、前記圧力調整部は、前記気体層の圧力を昇圧する昇圧手段と、前記気体層の圧力を減圧する減圧手段と、前記気体層の圧力を検出する第二圧力センサと、を備え、前記第二圧力センサから取得する圧力情報に基づいて前記昇圧手段又は前記減圧手段を駆動して前記気体層の圧力を制御する供給側圧力制御工程と、を備えることとした。
また、前記サブタンクに液体を供給するメインタンクを備え、前記メインタンクから前記サブタンクに供給する液量を制御する液体供給制御部と、前記液体層の液面の位置を検出する液面センサと、を備え、前記液面センサから取得する液面位置情報に基づいて前記液体供給制御部を駆動して液面の位置を制御する液体供給工程を備えることとした。
また、前記ヘッド部に供給する液体の温度を検出する温度センサと、前記ヘッド部に供給する液体を加熱する加熱部と、を備え、前記温度センサから取得する温度情報に基づいて前記加熱部を駆動する加熱工程を備えることとした。
本発明の液体供給システムは、ノズル、ノズルに連通する圧力室、圧力室に連通する供給ポート及び排出ポートを有するヘッド部と、液体を貯留するメインタンクと、気体層と液体層を有し、メインタンクから液体を流入し、供給ポートに液体を流出するサブタンクと、気体層の圧力を調整する圧力調整部と、排出ポートから液体を吸引する液体ポンプと、を備える。これにより、メインタンク及びサブタンクをヘッド部のノズルよりも高い位置に設置する必要がなくなり、装置の全体構成が容易となる。また、ヘッド部よりも下流側に下流側タンクを設ける必要がなく、部品点数を減少させて構造を簡単化することができる。
(第一実施形態)
図1は本発明の第一実施形態に係る液体供給システム1のブロック図である。液体供給システム1は、供給ポート2cと排出ポート2dを備えるヘッド部2と、液体を貯留するメインタンク3と、メインタンク3から液体を流入し供給ポート2cに液体を流出するサブタンク4と、メインタンク3からサブタンク4に供給する液量を制御する液体供給制御部14と、サブタンク4の気体層5aの圧力を調整する圧力調整部7と、排出ポート2dから液体を吸引する液体ポンプ8と、を備える。以下、具体的に説明する。
図1は本発明の第一実施形態に係る液体供給システム1のブロック図である。液体供給システム1は、供給ポート2cと排出ポート2dを備えるヘッド部2と、液体を貯留するメインタンク3と、メインタンク3から液体を流入し供給ポート2cに液体を流出するサブタンク4と、メインタンク3からサブタンク4に供給する液量を制御する液体供給制御部14と、サブタンク4の気体層5aの圧力を調整する圧力調整部7と、排出ポート2dから液体を吸引する液体ポンプ8と、を備える。以下、具体的に説明する。
ヘッド部2は、液滴を吐出するノズル2aと、液体に圧力を印加する圧力室2bと、圧力室2bに連通し、外部から液体を流入する供給ポート2cと、圧力室2bに連通し、圧力室2bの液体を外部に排出する排出ポート2dとを備える。液体は、吐出して記録するインクや、機能性薄膜を形成する機能性液体材料を使用することができる。圧力室2bは、圧電体を使用しピエゾ効果を利用して圧力を生成する方式や、液体を加熱して気泡を発生させて圧力を生成する方式を利用することができる。
サブタンク4は、メインタンク3と液体供給制御部14としての電磁バルブ11を介して連通する。サブタンク4は、ヘッド部2の供給ポート2cと連通し、供給ポート2cに液体を流出する。サブタンク4は、内部に気体層5aと液体層5bを有する。気体層5aとして空気や不活性ガスを使用し、液体層5bとしてインクや機能性液体材料を使用することができる。サブタンク4に、気体層5aと液体層5bの境界の液面を検出する液面センサを設置すれば、メインタンク3からサブタンク4に供給する液量を制御することができる。
圧力調整部7はサブタンク4の気体層5aに連通し、気体層5aを一定の圧力に調整する。圧力調整部7はコンプレッサー7aとレギュレータ7bを備え、コンプレッサー7aから供給される高圧気体をレギュレータ7bにより所定圧力に減圧して気体層5aに送出し、気体層5aを一定圧力に維持する。なお、メインタンク3や液体ポンプ8から液体層5bに流入すると気体層5aの圧力が変動するが、サブタンク4はこの圧力変動が無視できる程度の容量を有する。
液体ポンプ8は、入力側が排出ポート2dに連通し、出力側がサブタンク4に連通し、排出ポート2dから吸引した液体をサブタンク4に戻して循環させる。液体ポンプ8と排出ポート2dの間には、排出ポート2dの液体の圧力を検出する第一圧力センサ6を備える。液体ポンプ8は、第一圧力センサ6の圧力情報に基づいて排出ポート2dから液体を吸引しサブタンク4に液体を戻して循環させる。液体ポンプ8としてチューブポンプやダイヤフラムポンプを使用することができる。
ここで、圧力調整部7はサブタンク4の気体層5aを大気圧、又は、大気圧に対して正圧に維持する。従って、サブタンク4は大気から遮断され、密閉される。圧力調整部7により気体層5aの圧力を調整することにより、供給ポート2cの液体の圧力Pinを0kPa〜15kPaに調整することができる。また、液体ポンプ8は排出ポート2dの液体の圧力を大気圧に対して負圧に維持する。このようにすることによって、ヘッド部2のノズル2aに形成されるメニスカスを所定形状に維持し、液滴を安定して吐出することができる。
圧力調整部7は液体ポンプ8の駆動とは独立して気体層5aの圧力制御を行う。液体ポンプ8は圧力調整部7の駆動とは独立して排出ポート2dの液体の圧力制御を行う。そのために、ノズル2a近傍の液体の圧力設定が容易となる。また、気体層5aは大気圧に依存しない。そのため、サブタンク4やメインタンク3の設置場所がノズル2aの位置による制限を受けず、液体噴射装置の任意の場所に設置することができる。つまり、サブタンク4の液面とノズル2aの液面の間の水頭の変化を圧力調整部7により調整することができる。また、液体供給制御部14として液体供給ポンプを使用し、メインタンク3からサブタンク4に液体を汲み上げるようにすれば、メインタンク3を任意の場所に設置することができる。サブタンク4の気体層5aは液体層5bの圧力変動を緩衝する。例えば、液体ポンプ8から流入する液体に脈動が含まれる場合でも、この脈動は気体層5aによって緩衝され、ヘッド部2には伝達されない。また、排出ポート2dから排出する液体を貯留する液体タンクを必要としないので、部品点数を減らすことができる。
なお、本実施形態においては、液体ポンプ8はサブタンク4に液体を循環させるが、これに代えて、液体ポンプ8からメインタンク3に液体を戻して循環させてもよいし、液体ポンプ8から液体をサブタンク4又はメインタンク3に戻さないで外部に排出してもよい。また、液体の温度を制御するために、供給ポート2c又はヘッド部2の内部の液体の温度を検出する温度センサと、サブタンク4又はサブタンク4と供給ポート2cとの間の液体を加熱する加熱部を設置することができる。
また、電磁バルブ11を用いた場合には、メインタンク3はサブタンク4よりも重力方向に上に配置しなければ液体が流れて行かないが、メインタンク2にコンプレッサーなどの液体への加圧手段を設けることでメインタンク3をサブタンク4よりも下部に配置することは可能である。
(第二実施形態)
図2は、本発明の第二実施形態に係る液体供給システム1のブロック図である。第一実施形態と異なる点は、圧力調整部7と液体供給制御部14の構成であり、その他は第一実施形態と同様である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図2は、本発明の第二実施形態に係る液体供給システム1のブロック図である。第一実施形態と異なる点は、圧力調整部7と液体供給制御部14の構成であり、その他は第一実施形態と同様である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
液体供給システム1は、供給ポート2cと排出ポート2dを備えるヘッド部2と、液体を貯留するメインタンク3と、メインタンク3から液体を流入し供給ポート2cに液体を流出するサブタンク4と、サブタンク4の気体層5aの圧力を調整する圧力調整部7と、排出ポート2dから液体を吸引する液体ポンプ8と、を備える。ここで、メインタンク3、サブタンク4、ヘッド部2、液体ポンプ8及び第一圧力センサ6は、第一実施形態と同様なので、説明を省略する。
メインタンク3とサブタンク4の間に液体供給制御部14としての液体供給ポンプ13を備える。液体供給ポンプ13は、メインタンク3の液体をサブタンク4に汲み上げることができるので、メインタンク3をサブタンク4よりも下方の位置に設置することができる。そのため、メインタンク3やサブタンク4の設置自由度が大きくなり液体噴射装置の構成が容易となる。液面センサ12は液体層5bの液面位置を検出する。液面位置が所定の高さに達しないことを液面センサ12が検出すると、液体供給ポンプ13はメインタンク3からサブタンク4に液体を供給する。液面位置が所定の高さに達することを液面センサ12が検出すると、液体供給ポンプ13は停止して、液体の供給を止める。液体供給ポンプ13として、チューブポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ等を使用することができる。これらのポンプは、停止時に流入側と流出側の連通が閉止するので液体漏れを防ぐことができる。
圧力調整部7は、サブタンク4の気体層5aに吸気する昇圧手段7cと、サブタンク4の気体層5aから排気する減圧手段7dと、サブタンク4の気体層5aの圧力を検出する第二圧力センサ7eとを備える。第二圧力センサ7eの圧力情報に基づいて、気体層5aの圧力が設定圧力よりも低い場合は昇圧手段7cを駆動して気体層5aに吸気して気体層5aの圧力を上昇させ、気体層5aの圧力が設定値に達するときに昇圧手段7cを停止する。また、第二圧力センサ7eの圧力情報に基づいて、気体層5aの圧力が設定圧力よりも高い場合は減圧手段7dを駆動して気体層5aから排気し気体層5aの圧力が設定値に達するときに減圧手段7dを停止する。これにより、気体層5aの圧力が設定値よりも高いときに、気体層5aの圧力を迅速に設定値に戻すことができる。なお、ヘッド部2、液体ポンプ8、第一圧力センサ6の構成や駆動は第一実施形態と同様なので、説明を省略する。
また、第一実施形態では圧力調整部7においてコンプレッサー7aとレギュレータ7bを用いているが、ここに第二実施形態で使用している圧力調整部7を使用してもよいし、逆に第二実施形態に第一実施形態の圧力調整部7を用いてもよいことは言うまでもない。
(第三実施形態)
図3は、本発明の第三実施形態に係る液体供給システム1のサブタンク4における各チューブの開口位置を説明するための図である。同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図3は、本発明の第三実施形態に係る液体供給システム1のサブタンク4における各チューブの開口位置を説明するための図である。同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
液体供給システム1は、供給ポート2cと排出ポート2dを備えるヘッド部2と、液体を貯留するメインタンク3と、メインタンク3から液体を流入し供給ポート2cに液体を流出するサブタンク4と、サブタンク4の気体層5aの圧力を調整する圧力調整部7と、排出ポート2dから液体を吸引する液体ポンプ8と、を備える。液体供給システム1は、更に、メインタンク3とサブタンク4を連通する第一チューブ9aと、サブタンク4と供給ポート2cを連通する第二チューブ9bと、液体ポンプ8とサブタンク4を連通する第三チューブ9cとを備える。従って、サブタンク4は第一チューブ9aを介してメインタンク3から液体を流入する。供給ポート2cは第二チューブ9bを介してサブタンク4から液体を流入する。サブタンク4は第三チューブ9cを介して液体ポンプ8から液体を流入する。
そして、第一〜第三チューブ9a〜9cはサブタンク4の液面より下方の液体層5bに開口し、圧力調整部7との間の連通部は液面より上方の気体層5aに開口する。第二チューブ9bの開口位置は第一及び第三チューブ9a、9cの開口位置よりも低い。つまり、第一〜第三チューブ9a〜9cの開口位置は、液面センサ12の液面検出位置よりも低い。これにより、圧力調整部7は気体層5aに確実に連通し、第一〜第三チューブ9a〜9cに気体層5aの気体が進入すること防ぐ。また、第二チューブ9bの開口位置が最も低いので、ヘッド部2の記録動作の終了後にサブタンク4内の液体をヘッド部2に容易に排出することができる。液面センサ12としては、静電容量式、フロート式のものが考えられるが、液面の高さを検出できるものであればどのようなものでもよい。
(第四実施形態)
図4は、本発明の第四実施形態に係る液体供給システム1の構成図である。同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図4は、本発明の第四実施形態に係る液体供給システム1の構成図である。同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
液体供給システム1は、ヘッド部2、メインタンク3、サブタンク4及び液体ポンプ8からなるヘッドユニットHを複数備え、更に、複数のヘッドユニットHの複数の気体層5aに連通する気体タンク10を備える。そして、圧力調整部7は気体タンク10の圧力を調整することにより、複数のヘッドユニットHの複数の気体層5aの圧力を調整する。以下、図4を用いて具体的に説明する。
液体供給システム1はヘッドユニットH1〜ヘッドユニットHnのn個(nは2以上の整数)のヘッドユニットHを備える。各ヘッドユニットHは、供給ポート2c及び排出ポート2dを備えるヘッド部2と、液体を貯留するメインタンク3と、メインタンク3から液体を流入し供給ポート2cに液体を流出するサブタンク4と、排出ポート2dから液体を吸引しサブタンク4に液体を戻す液体ポンプ8と、を備える。更に、各ヘッドユニットHは、メインタンク3からサブタンク4に供給する液量を制御する液体供給制御部14と、排出ポート2dの液体の圧力を検出する第一圧力センサ6と、サブタンク4の液体層5bの液面の位置を検出する液面センサ12を備える。
各ヘッドユニットHのメインタンク3は、互いに同一色のインクを貯留し、各ヘッド部2から同一色のインクを吐出するものであってもよいし、互いに異なる色のインクを貯留し、各ヘッド部2から異なる色のインクを吐出するものであってもよい。各ヘッド部2から同一色を吐出する場合は、各ヘッドユニットHのメインタンク3を共通化し、単一のメインタンク3とすることができる。各ヘッドユニットHは、液面センサ12によりサブタンク4の液体層5bの液面位置を検出し、この液面位置情報に基づいて、液体供給制御部14を駆動してメインタンク3からサブタンク4に液体を供給する。また、液体ポンプ8は、第一圧力センサ6の圧力情報に基づいて排出ポート2dから液体を吸引しサブタンク4に液体を戻して循環させる。
圧力調整部7は、気体タンク10に連通し、例えば第一実施形態のコンプレッサー7aとレギュレータ7bを備え、気体タンク10の気体を一定圧力に維持する。気体タンク10は各ヘッドユニットHの各気体層5aと連通するので、各ヘッドユニットHの気体層5aを迅速に一定圧力に設定することができる。なお、圧力調整部7は第二実施形態の構成としてもよい。この場合、圧力調整部7は、昇圧手段7c、減圧手段7d及び第二圧力センサ7eを備える。いずれかの気体層5aが設定値よりも高圧になれば、その気体層5aは、気体タンク10に排気して減圧される。従って、気体タンク10は各気体層5aの圧力変動を緩衝させるバッファタンクとして機能する。気体タンク10が設定圧力の範囲を超えると第二圧力センサ7eが圧力情報を生成し、この圧力情報に基づいて昇圧手段7c又は減圧手段7dが駆動し気体タンク10の圧力を設定範囲まで昇圧又は減圧する。これにより、各ヘッドユニットHの各気体層5aが設定値に復帰する。
このように、各ヘッドユニットHの各気体層5aを気体タンク10に連通させることにより、気体層5aの圧力を一括して迅速に制御することができる。気体タンク10の圧力は、大気圧、又は、大気圧に対して正圧に維持することができる。例えば、圧力調整部7により気体タンク10の圧力を調整することにより、各ヘッドユニットHの供給ポート2cの液体の圧力Pinを0kPa〜15kPaに調整することができる。各ヘッドユニットHにおいて、液体ポンプ8は、第一圧力センサ6の圧力情報に基づいて排出ポート2dから液体を吸引しサブタンク4に液体を戻して循環させる。液体ポンプ8は排出ポート2dの液体の圧力を大気圧に対して負圧に維持する。このようにすることによって、ヘッド部2のノズル2aに形成されるメニスカスを所定形状に維持し、液滴を安定して吐出することができる。これにより、部品点数の増加を防いで、高速で大面積の記録が可能となる。
(第五実施形態)
図5は、本発明の第五実施形態に係る液体供給システム1の構成図である。図6は、本発明の第五実施形態に係る液体供給システム1の駆動方法を説明するためのフロー図である。本発明の液体供給システム1の基本的な駆動方法は、ヘッド部2の排出ポート2dから排出する液体の圧力情報を第一圧力センサ6から取得する排出側圧力検出工程S5と、この圧力情報に基づいて液体ポンプ8を駆動して排出ポート2dの液体を吸引し循環させる液体循環工程S4とを備える。以下、具体的に説明する。
図5は、本発明の第五実施形態に係る液体供給システム1の構成図である。図6は、本発明の第五実施形態に係る液体供給システム1の駆動方法を説明するためのフロー図である。本発明の液体供給システム1の基本的な駆動方法は、ヘッド部2の排出ポート2dから排出する液体の圧力情報を第一圧力センサ6から取得する排出側圧力検出工程S5と、この圧力情報に基づいて液体ポンプ8を駆動して排出ポート2dの液体を吸引し循環させる液体循環工程S4とを備える。以下、具体的に説明する。
液体供給システム1は、演算処理を実行するCPU、プログラムの作業領域として使用するRAM、プログラムや設定値等を格納するROM等を含む制御部15と、供給ポート2c及び排出ポート2dを備え、制御部15から画像信号を入力して液滴を吐出するヘッド部2とを備える。液体供給システム1は、更に、メインタンク3からサブタンク4に供給する液量を制御する液体供給制御部14と、サブタンク4の液体層5bの液面の位置を検出する液面センサ12と、サブタンク4の気体層5aの圧力調整を行う圧力調整部7と、排出ポート2dの液体の圧力を検出する第一圧力センサ6と、排出ポート2dから液体を吸引する液体ポンプ8と、供給ポート2c又はヘッド部2の内部の液体の温度を検出する温度センサ16と、サブタンク4又はサブタンク4と供給ポート2cとの間の液体を加熱する加熱部17と、を備える。圧力調整部7は、気体層5aの圧力を昇圧する昇圧手段7cと、気体層5aの圧力を減圧する減圧手段7dと、気体層5aの気体の圧力を検出する第二圧力センサ7eとを含む。
図6を参照して、液体供給システム1の駆動方法を説明する。本実施形態は、メインタンク3からサブタンク4を経由してヘッド部2の圧力室2bに液体を充填する初期充填動作を含む。まず、制御部15は、液体供給工程S1において、液体供給制御部14を駆動してメインタンク3からサブタンク4に液体を供給する。液体供給制御部14として、液体供給ポンプや電磁バルブを使用する。次に、制御部15は、液面センサ12からの液面位置情報に基づいて、液体層5bが設定した高さに達するかどうかを判定する。制御部15が、液体層5bの液面が設定値に達していないと判定すると(液面検出工程S2においてNo)、液体供給ポンプ13を持続して駆動し、液面が設定する高さに達すると判定するときは(液面検出工程S2にYES)、液体供給ポンプ13を停止する。つまり、制御部15は、液面センサ12から取得する液面位置情報に基づいて液体供給制御部14を駆動して液面の位置を制御する。
次に、供給側圧力制御工程S3において、制御部15は、第二圧力センサ7eからの圧力情報に基づいて気体層5aの圧力が設定圧力に達しないと判断するときは、昇圧手段7cを駆動して気体層5aの圧力を上昇させる。更に、制御部15は、気体層5aの圧力が設定圧力を超えていると判断するときは、減圧手段7dを駆動して気体層5aから排気し、気体層5aの圧力を設定値に設定する。つまり、制御部15は、第二圧力センサ7eから取得する圧力情報に基づいて昇圧手段7c又は減圧手段7dを駆動して気体層5aの圧力を設定値の範囲に制御する。昇圧手段7cとして気体層5aに吸気する気体ポンプを使用し、減圧手段7dとして気体層5aから排気する電磁バルブや気体ポンプを使用する。制御部15は、圧力調整部7を介して気体層5aの圧力を大気圧、又は、大気圧に対して正圧に維持する。例えば、圧力調整部7は、気体層5aの圧力を制御して、供給ポート2cの液体の圧力Pinを0kPa≦Pin≦15kPaの範囲に設定する。
次に、液体循環工程S4において、制御部15は液体ポンプ8を駆動して排出ポート2dから液体を吸引し、サブタンク4に液体を戻す。次に、制御部15は、排出側圧力検出工程S5において、第一圧力センサ6の圧力情報を取得し、この圧力情報に基づいて排出ポート2dの液体の圧力が設定値の範囲内であるか否かを判定する。制御部15は、液体圧力が設定値の範囲を超えていると判定するときは(排出側圧力検出工程S5においてNo)、液体ポンプ8の回転数を増加又は減少させる。例えば、排出ポート2dの圧力が設定範囲に達していないときは、液体ポンプ8の回転数を増加させて吸引液量を増加させ、設定範囲を超えているときは、液体ポンプ8の回転数を減少させる。制御部15は、液体圧力が設定値の範囲内であると判定するときは(排出側圧力検出工程S5においてYes)、加熱工程S6に進む。つまり、制御部15は、第一圧力センサ6からの圧力情報に基づいて液体ポンプ8を駆動して排出ポート2dの液体の圧力を制御する。
制御部15は、加熱工程S6において、加熱部17を駆動して供給ポート2c側の液体を加熱する。次に、制御部15は、温度検出工程S7において、温度センサ16から取得する温度情報に基づいて加熱部17を駆動する。具体的には、制御部15は、温度センサ16から取得する温度情報に基づいて、供給ポート2cの液体温度が設定範囲に達しているか否かを判定する。制御部15は、液体の温度が設定範囲に達していないと判断するときは(温度検出工程S7のNo)、加熱工程S6において加熱部17を駆動して液体を加熱する、又は、加熱部17の駆動を停止する。制御部15は、液体の温度が設定値の範囲内であると判断するときは(温度検出工程S7においてYes)、次の液滴吐出工程S8に進む。液滴吐出工程S8において、制御部15はヘッド部2に画像信号を供給して記録動作を行う。
次に、終了判定工程S9において、制御部15は、ヘッド部2の記録動作が終了しないと判定するときは(終了判定工程S9においてNo)、液体供給工程S1から繰り返す。また、液滴吐出工程が完了し比較的短時間で次液滴吐出工程に入るならば液体供給システム1の駆動を止めずに液体を循環させておくことも可能である。こうすることで液体に含まれる沈殿性の成分を沈殿させることなく待機することができ、液滴吐出装置の安定性・信頼性を確保することができる。制御部15は、終了判定工程S9において、終了すると判定し、その後長時間液滴吐出を行わない場合には(終了判定工程S9においてYes)、制御部15は液体供給システム1の駆動を終了させる。
なお、液体供給工程S1と液面検出工程S2、液体循環工程S4と排出側圧力検出工程S5、加熱工程S6と温度検出工程S7はそれぞれセットになっているが、各セットの順番は任意であり、図5の順序に限定されない。また、供給側圧力制御工程S3は、圧力調整部7にコンプレッサーとレギュレータを使用し、気体層5aの圧力を一定値に設定する場合には、制御部15により制御しなくてもよい。
1 液体供給システム
2 ヘッド部、2a ノズル、2b 圧力室、2c 供給ポート、2d 排出ポート
3 メインタンク
4 サブタンク
5a 気体層、5b 液体層
6 第一圧力センサ
7 圧力調整部、7a コンプレッサー、7b レギュレータ、7c 昇圧手段、7d 減圧手段、7e 第二圧力センサ
8 液体ポンプ
9a 第一チューブ、9b 第二チューブ、9c 第三チューブ
10 気体タンク
11 電磁バルブ
12 液面センサ
14 液体供給制御部
15 制御部
16 温度センサ、17 加熱部
2 ヘッド部、2a ノズル、2b 圧力室、2c 供給ポート、2d 排出ポート
3 メインタンク
4 サブタンク
5a 気体層、5b 液体層
6 第一圧力センサ
7 圧力調整部、7a コンプレッサー、7b レギュレータ、7c 昇圧手段、7d 減圧手段、7e 第二圧力センサ
8 液体ポンプ
9a 第一チューブ、9b 第二チューブ、9c 第三チューブ
10 気体タンク
11 電磁バルブ
12 液面センサ
14 液体供給制御部
15 制御部
16 温度センサ、17 加熱部
Claims (13)
- ノズル、前記ノズルに連通する圧力室、前記圧力室に連通する供給ポート及び排出ポートを有するヘッド部と、
液体を貯留するメインタンクと、
気体層と液体層を有し、前記メインタンクから液体を流入し、前記供給ポートに液体を流出するサブタンクと、
前記気体層の圧力を調整する圧力調整部と、
前記排出ポートから液体を吸引する液体ポンプと、を備える液体供給システム。 - 前記液体ポンプは前記サブタンクに液体を戻す請求項1に記載の液体供給システム。
- 前記排出ポートの液体の圧力を検出する第一圧力センサを備える請求項1又は2に記載の液体供給システム。
- 前記気体層の圧力を検出する第二圧力センサを備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体供給システム。
- 前記圧力調整部は前記気体層を大気圧、又は、大気圧に対して正圧に維持する請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体供給システム。
- 前記液体ポンプは前記排出ポートの液体を大気圧に対して負圧に維持する請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体供給システム。
- 前記メインタンクから前記サブタンクに供給する液量を制御する液体供給制御部と、
前記液体層の液面の位置を検出する液面センサと、を備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体供給システム。 - 前記メインタンクと前記サブタンクを連通する第一チューブと、
前記サブタンクと前記供給ポートを連通する第二チューブと、
前記液体ポンプと前記サブタンクを連通する第三チューブと、を備え、
前記第一〜第三チューブは前記サブタンクの前記液体層に開口し、
前記サブタンクにおいて、前記第二チューブの開口位置は前記第一及び第三チューブの開口位置よりも低い請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体供給システム。 - 前記ヘッド部、前記メインタンク、前記サブタンク及び前記液体ポンプからなるヘッドユニットを複数備え、
複数の前記ヘッドユニットの複数の前記気体層に連通する気体タンクを備え、
前記圧力調整部は前記気体タンクの圧力を調整することにより複数の前記気体層の圧力を調整する請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体供給システム。 - ノズル、前記ノズルに連通する圧力室、前記圧力室に連通する供給ポート及び排出ポートを有するヘッド部と、気体層と液体層を有し前記供給ポートに液体を流出するサブタンクと、前記気体層の圧力を調整する圧力調整部と、前記排出ポートから液体を吸引する液体ポンプと、前記排出ポートの液体の圧力を検出する第一圧力センサと、を備え、
前記第一圧力センサから圧力情報を取得する排出側圧力検出工程と、
前記圧力情報に基づいて前記液体ポンプを駆動して前記排出ポートの液体を吸引して循環させる液体循環工程と、を備える液体供給システムの駆動方法。 - 前記圧力調整部は、前記気体層の圧力を昇圧する昇圧手段と、前記気体層の圧力を減圧する減圧手段と、前記気体層の圧力を検出する第二圧力センサと、を備え、
前記第二圧力センサから取得する圧力情報に基づいて前記昇圧手段又は前記減圧手段を駆動して前記気体層の圧力を制御する供給側圧力制御工程と、を備える請求項10に記載の液体供給システムの駆動方法。 - 前記サブタンクに液体を供給するメインタンクを備え、
前記メインタンクから前記サブタンクに供給する液量を制御する液体供給制御部と、前記液体層の液面の位置を検出する液面センサと、を備え、
前記液面センサから取得する液面位置情報に基づいて前記液体供給制御部を駆動して液面の位置を制御する液体供給工程を備える請求項10又は11に記載の液体供給システムの駆動方法。 - 前記ヘッド部に供給する液体の温度を検出する温度センサと、
前記ヘッド部に供給する液体を加熱する加熱部と、を備え、
前記温度センサから取得する温度情報に基づいて前記加熱部を駆動する加熱工程を備える請求項10〜12のいずれか一項に記載の液体供給システムの駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014260729A JP2016120613A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | 液体供給システム及び液体供給システムの駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=56327953
Family Applications (1)
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JP2014260729A Pending JP2016120613A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | 液体供給システム及び液体供給システムの駆動方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180035677A (ko) * | 2016-09-29 | 2018-04-06 | 캐논 가부시끼가이샤 | 액체 토출 장치, 임프린트 장치 및 방법 |
JP2019059046A (ja) * | 2017-09-25 | 2019-04-18 | 東芝テック株式会社 | 液体循環装置、液体吐出装置 |
JP2019059146A (ja) * | 2017-09-27 | 2019-04-18 | 株式会社沖データ | インクジェットプリンタ |
-
2014
- 2014-12-24 JP JP2014260729A patent/JP2016120613A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180035677A (ko) * | 2016-09-29 | 2018-04-06 | 캐논 가부시끼가이샤 | 액체 토출 장치, 임프린트 장치 및 방법 |
KR102266118B1 (ko) * | 2016-09-29 | 2021-06-17 | 캐논 가부시끼가이샤 | 액체 토출 장치, 임프린트 장치 및 방법 |
JP2019059046A (ja) * | 2017-09-25 | 2019-04-18 | 東芝テック株式会社 | 液体循環装置、液体吐出装置 |
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