JP2016120172A - 浴槽蓋装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】浴槽の蓋閉じ動作を迅速かつ適切に行なうことが可能な浴槽蓋装置を提供する。【解決手段】浴槽蓋Cが上向き起立姿勢とされた蓋開き状態と、浴槽蓋Cが浴槽3上に倒されて略水平の姿勢とされた蓋閉じ状態とを切り替え設定可能なように、浴槽蓋Cを回転可能に支持する回転支持部Sと、前記蓋開き状態から前記蓋閉じ状態への蓋閉じ動作時において、浴槽蓋Cが回転支持部Sを中心として回転する際の回転速度を下げるダンパ機能を発揮するダンパ4と、を備えている、浴槽蓋装置Aであって、ダンパ4として、前記蓋閉じ動作時におけるダンパ機能の発揮時期が相違する少なくとも2種類のダンパ4A,4Bを備えている。【選択図】 図1
Description
本発明は、浴槽の上面開口部を開閉するための浴槽蓋装置に関する。
この種の浴槽蓋装置の一例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載の浴槽蓋装置は、浴槽蓋と、この浴槽蓋を回転可能に支持するための回転支持部とを備えている。浴槽蓋は、ヒンジを介して一端部どうしが相対回転可能に連結された第1および第2の蓋体部に分割されており、第1の蓋体部の他端部は、前記回転支持部に連結されている。このことにより、前記浴槽蓋装置においては、第1および第2の蓋体部が重なり合って上向き起立姿勢とされた蓋開き状態と、第1および第2の蓋体部が浴槽上に倒されて横並び略水平状の姿勢とされた蓋閉じ状態とを切り替え設定可能とされている。
前記した蓋開き状態から蓋閉じ状態への蓋閉じ動作時において、浴槽蓋(第1および第2の蓋体部)の回転速度が高速であると、浴槽蓋が浴槽の上面部に当たった際の衝撃が大きくなる。そこで、特許文献1においては、トーションバー方式のダンパを利用し、蓋閉じ動作時における浴槽蓋の回転速度を下げる手段を採用している。
同文献に記載の浴槽蓋装置は、浴槽蓋と、この浴槽蓋を回転可能に支持するための回転支持部とを備えている。浴槽蓋は、ヒンジを介して一端部どうしが相対回転可能に連結された第1および第2の蓋体部に分割されており、第1の蓋体部の他端部は、前記回転支持部に連結されている。このことにより、前記浴槽蓋装置においては、第1および第2の蓋体部が重なり合って上向き起立姿勢とされた蓋開き状態と、第1および第2の蓋体部が浴槽上に倒されて横並び略水平状の姿勢とされた蓋閉じ状態とを切り替え設定可能とされている。
前記した蓋開き状態から蓋閉じ状態への蓋閉じ動作時において、浴槽蓋(第1および第2の蓋体部)の回転速度が高速であると、浴槽蓋が浴槽の上面部に当たった際の衝撃が大きくなる。そこで、特許文献1においては、トーションバー方式のダンパを利用し、蓋閉じ動作時における浴槽蓋の回転速度を下げる手段を採用している。
しかしながら、前記従来技術においては、ダンパとして1種類のダンパを用いているに過ぎないため、次のような不具合がある。
すなわち、ダンパとして、エネルギ減衰作用が弱いものを用いた場合には、蓋閉じ動作時における浴槽蓋の回転速度を十分に遅くすることができず、浴槽蓋が浴槽の上面部に当たった際の衝撃は大きいものとなる。一方、ダンパとして、エネルギ減衰作用が強いものを用いた場合には、浴槽蓋の回転速度を十分に遅くし、浴槽蓋が浴槽の上面部に当たった際の衝撃を小さくすることは可能である。ところが、この後者の場合には、蓋閉じ動作の所要時間が長くなる不具合を生じてしまう。したがって、このような不具合を適切に解消することが望まれる。
すなわち、ダンパとして、エネルギ減衰作用が弱いものを用いた場合には、蓋閉じ動作時における浴槽蓋の回転速度を十分に遅くすることができず、浴槽蓋が浴槽の上面部に当たった際の衝撃は大きいものとなる。一方、ダンパとして、エネルギ減衰作用が強いものを用いた場合には、浴槽蓋の回転速度を十分に遅くし、浴槽蓋が浴槽の上面部に当たった際の衝撃を小さくすることは可能である。ところが、この後者の場合には、蓋閉じ動作の所要時間が長くなる不具合を生じてしまう。したがって、このような不具合を適切に解消することが望まれる。
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、浴槽の蓋閉じ動作を迅速かつ適切に行なうことが可能な浴槽蓋装置を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供される浴槽蓋装置は、浴槽蓋が上向き起立姿勢とされた蓋開き状態と、前記浴槽蓋が浴槽上に倒されて略水平の姿勢とされた蓋閉じ状態とを切り替え設定可能なように、前記浴槽蓋を回転可能に支持する回転支持部と、前記蓋開き状態から前記蓋閉じ状態への蓋閉じ動作時において、前記浴槽蓋が前記回転支持部を中心として回転する際の回転速度を下げるダンパ機能を発揮するダンパと、を備えている、浴槽蓋装置であって、前記ダンパとして、前記蓋閉じ動作時におけるダンパ機能の発揮時期(減衰力を生じさせる時期)が相違する少なくとも2種類のダンパを備えていることを特徴としている。
好ましくは、少なくとも2種類のダンパ蝶番を備えており、これらのダンパ蝶番は、前
記回転支持部と前記2種類のダンパを兼用した構成とされている。
好ましくは、少なくとも2種類のダンパ蝶番を備えており、これらのダンパ蝶番は、前
記回転支持部と前記2種類のダンパを兼用した構成とされている。
このような構成によれば、1種類のダンパのみを用いていた従来技術とは異なり、少なくとも2種類のダンパを組み合わせて作用させることにより、蓋閉じ動作時における浴槽蓋に対して作用する減衰力を、少なくとも2段階に調整し、浴槽蓋の回転速度が十分に低速にされた期間と、これよりも浴槽蓋の回転速度が速くされた期間とを設定することが可能となる。その結果、蓋閉じ動作時間の短縮化を図りつつ、蓋閉じ時において浴槽蓋が浴槽に当たる際の衝撃を弱めるといったことを好適に達成することができる。
本発明において、好ましくは、前記2種類のダンパのうち、一方のダンパは、前記蓋閉じ動作の初期からダンパ機能を発揮し、かつ他方のダンパは、前記一方のダンパよりも遅れたタイミングでダンパ機能を発揮し、前記他方のダンパがダンパ機能を発揮する期間中は、それ以前の期間よりも前記浴槽蓋に作用するダンパ強さが大きくなるように構成されている。
このような構成によれば、蓋閉じ動作初期の所定期間中は、浴槽蓋の回転速度を速くし、蓋閉じ動作の所要時間を短くすることができる。一方、前記所定期間経過後においては、浴槽蓋の回転速度を遅くすることが確実化されるため、浴槽蓋が浴槽に当たる際の衝撃を適切に緩和する上で、より好ましいものとなる。
浴槽蓋が起立状態から略水平状態に倒れるように回転する場合、回転初期には回転速度が遅めであり、かつ倒れ角度が大きくなるにしたがって回転速度が速くなっていくのが通常であるが、前記構成は、そのような速度変化に好適に対応しており、蓋閉じ時における浴槽蓋の回転速度を衝撃の少ない適切な速度に設定することが容易に実現できる。
浴槽蓋が起立状態から略水平状態に倒れるように回転する場合、回転初期には回転速度が遅めであり、かつ倒れ角度が大きくなるにしたがって回転速度が速くなっていくのが通常であるが、前記構成は、そのような速度変化に好適に対応しており、蓋閉じ時における浴槽蓋の回転速度を衝撃の少ない適切な速度に設定することが容易に実現できる。
本発明において、好ましくは、前記浴槽蓋は、前記回転支持部に基端部が回転可能に支持された第1の蓋体部と、この第1の蓋体部の先端部に連結部を介して基端部が回転可能に連結された第2の蓋体部とを有しており、前記蓋開き状態においては、前記第1の蓋体部が上向きに起立した回転姿勢とされ、かつ前記第2の蓋体部が前記連結部から下向きに垂れ下がった姿勢で前記第1の蓋体部の浴槽側片面に重なった状態に設定可能であるとともに、前記蓋閉じ状態においては、前記第1の蓋体部が浴槽上に倒された姿勢とされ、かつ前記第2の蓋体部が前記第1の蓋体部と横並びの姿勢とされた状態に設定可能とされており、前記2種類のダンパは、前記蓋閉じ動作時における前記第1の蓋体部の回転速度を下げるように設けられている。
このような構成によれば、浴槽蓋を構成する第1および第2の蓋体部を利用して、浴槽を蓋閉じ状態に適切に設定し得ることは勿論のこと、蓋開き状態の際には、第1および第2の蓋体部を重ねた状態で起立姿勢とし、浴槽蓋の全体が大きく嵩張ることを適切に抑制することが可能である。蓋開き状態から蓋閉じ状態への移行時には、2種類のダンパを利用して第1の蓋体部に作用する減衰力を少なくとも2段階で調整することができるために、やはり蓋閉じ動作の所要時間を短くしつつ、第1および第2の蓋体部が浴槽に当たる際の衝撃を弱めることが可能である。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2に示す浴槽蓋装置Aは、浴槽3の上面開口部を塞ぐための浴槽蓋C、この浴槽蓋C用の回転支持部S、およびストッパ装置5を備えている。
浴槽蓋Cは、互いに別体に形成された第1および第2の蓋体部1,2を相対回転可能に連結したものであり、その連結には、1または複数のバネ付き蝶番6が用いられている。
浴槽蓋Cは、互いに別体に形成された第1および第2の蓋体部1,2を相対回転可能に連結したものであり、その連結には、1または複数のバネ付き蝶番6が用いられている。
回転支持部Sは、回転ダンパ機能を備えた複数のダンパ蝶番4(4A,4B)を用いて構成されており、第1の蓋体部1の基端部1aは、これら複数のダンパ蝶番4を介してたとえば浴室壁部90に連結されている。ダンパ蝶番4は、本発明でいう回転支持部とダンパとの双方を兼用するものである。第1の蓋体部1は、各ダンパ蝶番4の中心軸周りに回転可能であり、上向きに起立した姿勢と、浴槽3上に倒された略水平な姿勢とに設定可能である。好ましくは、図2(a)の実線で示すように、第1の蓋体部1が上向きに起立した際の起立角度(最大角度)は、水平に対して略90°となるように構成されている(たとえば、ダンパ蝶番4がそれ以上には回転しないことにより規制されている)。より厳密には、前記起立角度は、第1の蓋体部1の重心が、ダンパ蝶番4の中心軸を通過する鉛直線よりも浴室壁部90側に位置しない角度である。このような構成によれば、後述するように、第2の蓋体部2が回転してその先端部2bが上昇する動作に基づき、第1の蓋体部1を浴槽3側に自動的に倒すことが可能となる。複数のダンパ蝶番4の詳細については、後述する。
バネ付き蝶番6は、たとえば図3に示すように、中心軸60周りにバネ62が外嵌され、かつ相対回転可能な一対の取付板61がバネ62によって一定の回転方向に弾発付勢された構成である。図2(b)によく表われているように、このバネ付き蝶番6を利用して、第1の蓋体部1の先端部1bと第2の蓋体部2の基端部2aとが連結されている。このため、図2(a)に示すように、第1の蓋体部1を上向きに起立させた際には、第2の蓋体部2を第1の蓋体部1の先端部1bから垂れ下がらせて第1の蓋体部1の浴槽側片面(浴室壁部90とは反対側の片面)に重ね合わせた蓋開き状態を設定可能である。一方、図2(b)および図1(b)に示すように、第1の蓋体部1を浴槽3上に倒した際には、第2の蓋体部2をそれと横並びの略水平な姿勢とした蓋閉じ状態を設定可能である。
バネ付き蝶番6は、第1および第2の蓋体部1,2の夾角が拡大する方向にバネ力(バネ62による弾発付勢力)を発揮するものである。このバネ力の強さは、図2(a)の蓋開き状態において、ストッパ50による後述の位置規制を受けない際に、第2の蓋体部2を適当な角度(たとえば、10〜45°程度)だけ回転させ得る強さとされている。
ストッパ装置5は、第1および第2の蓋体部1,2の回転規制手段に相当するものである。図1において、ストッパ装置5は、水平方向に往復動可能な可動式のストッパ50が筐体51に組み込まれた構成であり、浴室壁部91に取り付けられている。ただし、これに代えて、ストッパ装置5を浴室壁部90に取り付けてもよい。ストッパ50は、筐体51の前方に突出した前進状態と、筐体51の前方に突出せず、または突出寸法が小さい後退状態とに切り替え変更可能とされている。図2(a)に示す蓋開き状態において、ストッパ50が前進状態にある場合には、ストッパ50が第2の蓋体部2の浴槽側片面に当接するようになっている(第2の蓋体部2のうち、浴室壁部91に対面する側面部に凹部を形成しておき、この凹部にストッパ50が嵌入する構成とすることも可能)。このことに
より、第2の蓋体部2がバネ付き蝶番6のバネ力によって回転することは阻止される。また、第1の蓋体部1が浴槽3側へ倒れることも阻止される。ストッパ50の前進は、たとえば筐体51に組み込まれたバネ(不図示)の弾発力を利用して行なわれる。
より、第2の蓋体部2がバネ付き蝶番6のバネ力によって回転することは阻止される。また、第1の蓋体部1が浴槽3側へ倒れることも阻止される。ストッパ50の前進は、たとえば筐体51に組み込まれたバネ(不図示)の弾発力を利用して行なわれる。
一方、ストッパ50が後退状態とされた場合には、ストッパ50と第2の蓋体部2との当接(干渉)は回避されるとともに、ストッパ50と第1の蓋体部1との干渉も回避される状態となる。この状態においては、蓋開き状態から蓋閉じ状態への移行が可能となる。ストッパ50の後退は、たとえば筐体51に設けられたレバー52をユーザが操作することにより行なわれるようになっている。
好ましくは、図2(b)の蓋閉じ状態から同図(a)の蓋開き状態に変更される場合において、第1および第2の蓋体部1,2がストッパ50に当たる際にもストッパ50が後退するように構成されている。このような構成は、たとえば家屋などに設置される一般的なドアのラッチ機構と同様な構成とすることにより実現することが可能である。具体的には、ストッパ50の先端部のうち、浴槽3側の片側に傾斜面50aを設けておき、この傾斜面50aに第1および第2の蓋体部1,2が当たると、ストッパ50が筐体51側へ押し込まれるように構成することができる。このような構成によれば、蓋閉じ状態から蓋開き状態に変更する際に、ストッパ50を後退させるためのレバー操作を行なう必要が無くなる。
第1および第2の蓋体部1,2は、たとえばともに樹脂製のパネル体であり、その内部に断熱部材が配された構成である。好ましくは、第1および第2の蓋体部1,2のサイズは相違しており、第2の蓋体部2の長さL2は、第1の蓋体部1の長さL1よりも短くされている(図1(b)を参照)。本実施形態においては、第1および第2の蓋体部1,2は矩形状ではなく、一部分が切り欠かれた形状とされているが、これは浴槽3のフランジ部30に設けられた操作部39a,39bを覆わないようにするためである。操作部39a,39bは、たとえば浴槽排水栓の開閉用スイッチ、および浴槽洗浄装置の洗剤補充口である。
図2(b)の要部拡大断面図1によく表われているように、第1の蓋体部1の先端部1bおよび第2の蓋体部2の基端部2aの端面10,20の少なくとも一部は、平面状または曲面状の傾斜面とされている。このことにより、同図に示す蓋閉じ状態において、端面10,20の相互間には、上拡がり状の隙間98が形成されている。このような構成は、隙間98にユーザの指などが挟み込まれないようにする上で好ましい。
図2(b)の要部拡大断面図2によく表われているように、第2の蓋体部2の先端部2bには、第2の蓋体部2の他の部分よりも摩擦係数が小さい低摩擦部分21が設けられている。蓋閉じ動作時の後期、および蓋開き動作時の前期には、第2の蓋体部2の先端部2bが浴槽3の上面部31に摺接するが、その際には低摩擦部分21が上面部31に接触するようになっている。このような構成によれば、第2の蓋体部2の滑りをよくし、浴槽蓋Cの開閉操作性をよくする上で好ましい。低摩擦部分21は、たとえば第2の蓋体部2に別部材を接合する手段、あるいは第2の蓋体部2に樹脂材をコーティングする手段などにより設けられている。
好ましくは、図1(b)において、第1および第2の蓋体部1,2の表面部(同図の上面部)は、傾斜面とされている。具体的には、たとえば同図の符号P1,P2で示す部分など、第1および第2の蓋体部1,2のそれぞれの一部分は、高さが最も高く、かつこれ以外の部分おいては、第1および第2の蓋体部1,2の外周縁に近づくほど高さが徐々に低くなるように傾斜している。このような構成によれば、第1および第2の蓋体部1,2の表面部上に湯水が溜まらないようにすることができる。第1および第2の蓋体部1,2
上に湯水が溜まっていると、蓋開閉動作時に第1および第2の蓋体部1,2から湯水が流れ落ち、ユーザに掛かる虞がある。これに対し、前記構成によれば、そのような虞を適切に解消することが可能である。
上に湯水が溜まっていると、蓋開閉動作時に第1および第2の蓋体部1,2から湯水が流れ落ち、ユーザに掛かる虞がある。これに対し、前記構成によれば、そのような虞を適切に解消することが可能である。
ダンパ蝶番4としては、たとえば力を受けた際に所定の流体がオリフィスを流れ、その際の抵抗力を利用して減衰力を発生させる原理を利用した従来既知の構造のものを用いることができる(たとえば、特開2004−316202号公報、特開昭56−119086号公報、特開2009−92086号公報などに記載の構造)。ダンパ蝶番4は、第1の蓋体部1が起立状態から略水平状に倒れるように回転する際に、ダンパ機能(エネルギ減衰による速度低減機能)を発揮し、第1の蓋体部1の回転速度を下げるものであり、第1の蓋体部1が前記とは反対方向へ回転する際には、ダンパ機能を発揮しない。
複数のダンパ蝶番4として、2種類のダンパ蝶番4A,4Bが設けられている。一方のダンパ蝶番4Aは、第1の蓋体部1が上向き起立状態から略水平状態に倒れるまでの略全期間にわたってダンパ機能を発揮する。これに対し、他方のダンパ蝶番4Bは、第1の蓋体部1が所定角度α1だけ浴槽3側に傾いた時点から略水平状態に倒れるまでの期間(角度α2の範囲に相当)のみにおいてダンパ機能を発揮し、それ以外の期間においてはダンパ機能を発揮しない。本実施形態の浴槽蓋装置Aにおいては、蓋閉じ動作時には、第1の蓋体部1よりも第2の蓋体部2の方が先に浴槽3の上面部31に当たる。このため、前記所定角度α1は、少なくとも第2の蓋体部2が浴槽3の上面部31に当たらない角度であり、たとえば30〜45°程度とされる。ダンパ蝶番4Bは、ダンパ蝶番4Aよりもダンパ強さが大である。
次に、前記した浴槽蓋装置Aの作用について説明する。
まず、入浴時には、図2(a)に示すように、浴槽蓋Cを2つ折りした状態で浴室壁部90に沿わせて起立させた蓋開き状態に設定しておくことができる。一方、非入浴時には、同図(b)に示すように、浴槽蓋Cによって浴槽3の上面開口部を適切に覆った蓋閉じ状態に設定することが可能である。第2の蓋体部2は、第1の蓋体部1よりも長さが短いため、同図(a)の状態においては、第1の蓋体部1よりも浴槽3側の領域のうち、第2の蓋体部2の下方に空間部96が形成される。この空間部96は、入浴者に対する圧迫感を和らげる余裕空間となる。また、たとえば浴槽3の湯に浸かった入浴者が頭を配置するためのスペースの一部として利用するといったことも可能となる。
前記した蓋開き状態から蓋閉じ状態に移行するには、ストッパ装置5のレバー52を操作するなどして、ストッパ50を後退させればよい。このことにより、第2の蓋体部2は、バネ付き蝶番6のバネ力に基づき、その先端部2bが浴槽3側に変位しつつ上昇する方向へ回転する。すると、この第2の蓋体部2の重心の移動に基づき、第1の蓋体部1は、浴槽3側へ倒れるように回転を開始する。その後は、同図(a)の符号N1,N2に示すように、第1および第2の蓋体部1,2の姿勢が変化していく結果、前記した蓋閉じ状態となる。このような蓋閉じ動作に際し、ユーザはストッパ装置5のレバー操作を行なうだけでよく、第2の蓋体部2を持ち上げて回転させるような必要はない、したがって、ユーザにとって便利である。第2の蓋体部2は、既述したように、第1の蓋体部1よりも短い長さとされており、その軽量化が図られているために、第2の蓋体部2を回転させるためのバネ付き蝶番6のバネ力をさほど強くする必要はない。これは、バネ付き蝶番6のコストを低減する上で好ましいものとなる。
前記した蓋閉じ動作時においては、ダンパ蝶番4によるダンパ機能が発揮され、第1の蓋体部1の回転速度が遅くされるため、蓋閉じ時において、第1および第2の蓋体部1,2が浴槽3の上面部に強く当たることが回避される。とくに本実施形態においては、第1
の蓋体部1の傾斜角度がα1に達する迄の期間中は、ダンパ蝶番4Aのダンパ機能のみが発揮されて、第1の蓋体部1の倒れ速度が過度に低速にならないようにすることができる。その一方、傾斜角度α1に達した後の期間中(角度α2の範囲)は、2種類のダンパ蝶番4A,4Bの双方のダンパ機能が発揮されるため、第1および第2の蓋体部1,2が浴槽3の上面部31に当たる際の速度を十分に遅くすることができる。したがって、蓋閉じ動作の所要時間の短縮化を図りつつ、蓋閉じ時の衝撃を適切に緩和する効果が得られる。
の蓋体部1の傾斜角度がα1に達する迄の期間中は、ダンパ蝶番4Aのダンパ機能のみが発揮されて、第1の蓋体部1の倒れ速度が過度に低速にならないようにすることができる。その一方、傾斜角度α1に達した後の期間中(角度α2の範囲)は、2種類のダンパ蝶番4A,4Bの双方のダンパ機能が発揮されるため、第1および第2の蓋体部1,2が浴槽3の上面部31に当たる際の速度を十分に遅くすることができる。したがって、蓋閉じ動作の所要時間の短縮化を図りつつ、蓋閉じ時の衝撃を適切に緩和する効果が得られる。
蓋閉じ状態から蓋開状態に復帰させる場合、ダンパ蝶番4はその際の抵抗力を発生させないため、ユーザは、比較的弱い力で第1および第2の蓋体部1,2を回転させて元の起立状態に設定することが可能である。蓋閉じ動作時には、バネ付き蝶番6のバネ力に抗して第2の蓋体部2を回転させる必要があるが、既述したように、第2の蓋体部2の短寸化によってバネ付き蝶番6のバネ力を比較的弱くしておけば、その分だけ蓋閉じ動作時における第2の蓋体部2の回転操作が容易となる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る浴槽蓋装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
たとえば、ダンパ蝶番4Bがダンパ蝶番4Aよりもダンパ強度が大きい場合には、ダンパ蝶番4Aは、角度α1の範囲においてのみダンパ機能を発揮し、かつ角度α2の範囲においては、ダンパ蝶番4Bのみがダンパ機能を発揮するように構成した場合においても、上述した実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
また、2種類のダンパ蝶番4A,4Bは、少なくともダンパ機能を発揮するタイミングが相違するように構成されていればよく、必ずしもそれらのダンパ強度は相違していなくてもよい。たとえば、ダンパ蝶番4A,4Bのダンパ強度が同一であったとしても、角度α1の範囲ではダンパ蝶番4A,4Bの一方のみがダンパ機能を発揮し、かつ角度α2の範囲では2種類のダンパ蝶番4A,4Bの双方がダンパ機能を発揮すれば、浴槽蓋の回転に対する減衰力を2段階に変化させ、本発明の意図する効果を得ることが可能である。
また、2種類のダンパ蝶番4A,4Bは、少なくともダンパ機能を発揮するタイミングが相違するように構成されていればよく、必ずしもそれらのダンパ強度は相違していなくてもよい。たとえば、ダンパ蝶番4A,4Bのダンパ強度が同一であったとしても、角度α1の範囲ではダンパ蝶番4A,4Bの一方のみがダンパ機能を発揮し、かつ角度α2の範囲では2種類のダンパ蝶番4A,4Bの双方がダンパ機能を発揮すれば、浴槽蓋の回転に対する減衰力を2段階に変化させ、本発明の意図する効果を得ることが可能である。
上述の実施形態においては、浴槽蓋の回転支持に利用されているダンパ蝶番が、本発明でいう浴槽蓋用の回転支持部と、ダンパとを兼用しているため、装置構成を簡素にする上で好ましいが、やはり本発明はこれに限定されない。浴槽蓋用の回転支持部とダンパとが分離したかたちで設けられていてもよい。ダンパの具体的な種類、構造、数などは問わない。ダンパを3種類以上用いることもできる。
浴槽蓋は、必ずしも相対回転可能に連結された第1および第2の蓋体部を有するものでなくてもよい。浴槽蓋として、1枚のパネル状に形成された浴槽蓋を用いることも可能である。
A,Aa 浴槽蓋装置
C 浴槽蓋
S 回転支持部
1 第1の蓋体部
1a 基端部(第1の蓋体部の)
1b 先端部(第1の蓋体部の)
2 第2の蓋体部
2a 基端部(第2の蓋体部の)
2b 先端部(第2の蓋体部の)
3 浴槽
4(4A,4B) ダンパ蝶番(ダンパ,回転支持部)
C 浴槽蓋
S 回転支持部
1 第1の蓋体部
1a 基端部(第1の蓋体部の)
1b 先端部(第1の蓋体部の)
2 第2の蓋体部
2a 基端部(第2の蓋体部の)
2b 先端部(第2の蓋体部の)
3 浴槽
4(4A,4B) ダンパ蝶番(ダンパ,回転支持部)
Claims (3)
- 浴槽蓋が上向き起立姿勢とされた蓋開き状態と、前記浴槽蓋が浴槽上に倒されて略水平の姿勢とされた蓋閉じ状態とを切り替え設定可能なように、前記浴槽蓋を回転可能に支持する回転支持部と、
前記蓋開き状態から前記蓋閉じ状態への蓋閉じ動作時において、前記浴槽蓋が前記回転支持部を中心として回転する際の回転速度を下げるダンパ機能を発揮するダンパと、
を備えている、浴槽蓋装置であって、
前記ダンパとして、前記蓋閉じ動作時におけるダンパ機能の発揮時期が相違する少なくとも2種類のダンパを備えていることを特徴とする、浴槽蓋装置。 - 請求項1に記載の浴槽蓋装置であって、
前記2種類のダンパのうち、一方のダンパは、前記蓋閉じ動作の初期からダンパ機能を発揮し、かつ他方のダンパは、前記一方のダンパよりも遅れたタイミングでダンパ機能を発揮し、前記他方のダンパがダンパ機能を発揮する期間中は、それ以前の期間よりも前記浴槽蓋に作用するダンパ強さが大きくなるように構成されている、浴槽蓋装置。 - 請求項1または2に記載の浴槽蓋装置であって、
前記浴槽蓋は、前記回転支持部に基端部が回転可能に支持された第1の蓋体部と、この第1の蓋体部の先端部に連結部を介して基端部が回転可能に連結された第2の蓋体部とを有しており、
前記蓋開き状態においては、前記第1の蓋体部が上向きに起立した回転姿勢とされ、かつ前記第2の蓋体部が前記連結部から下向きに垂れ下がった姿勢で前記第1の蓋体部の浴槽側片面に重なった状態に設定可能であるとともに、
前記蓋閉じ状態においては、前記第1の蓋体部が浴槽上に倒された姿勢とされ、かつ前記第2の蓋体部が前記第1の蓋体部と横並びの姿勢とされた状態に設定可能とされており、
前記2種類のダンパは、前記蓋閉じ動作時における前記第1の蓋体部の回転速度を下げるように設けられている、浴槽蓋装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014263090A JP2016120172A (ja) | 2014-12-25 | 2014-12-25 | 浴槽蓋装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2014263090A JP2016120172A (ja) | 2014-12-25 | 2014-12-25 | 浴槽蓋装置 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2016120172A (ja) |
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2014
- 2014-12-25 JP JP2014263090A patent/JP2016120172A/ja active Pending
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