JP2016118475A - 識別装置及び識別方法 - Google Patents

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【課題】鉄スクラップの破砕片から炭素鋼由来の破砕片と特殊鋼由来の破砕片とを、高精度で効率良く且つ簡便に識別可能な識別装置等を提供すること。【解決手段】本発明の識別装置は、少なくとも鉄スクラップの破砕片の3次元形状を測定する測定部と、前記測定部で測定された前記3次元形状の測定値の入力に基づき、前記破砕片ごとの前記3次元形状の変数値として少なくとも前記破砕片表面の凹凸形状を指標する表面微分パラメータ値を算出する変数算出手段、及び、前記変数値に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別する識別アルゴリズムが予め設定され、前記変数算出手段で算出された識別対象の前記破砕片の前記変数値の入力に基づき、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力する識別手段を有する演算処理部と、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄スクラップの破砕片から炭素鋼由来の破砕片と特殊鋼由来の破砕片とを識別する識別装置及び識別方法に関する。
廃自動車シュレッダー処理施設等において磁力選別によって回収される鉄スクラップには炭素鋼(普通鋼)と特殊鋼とが混在している。
前記炭素鋼とは、鉄の中にC、Si、Mn、P、Sの5元素を含んでいる鋼であり、自動車のボディ等に用いられる圧延鋼板が前記鉄スクラップの大部分を占めている。一方、前記特殊鋼とは、前記炭素鋼にCr、Ni、Moなど各種元素を加え耐食性や耐熱性などを向上させた鋼であり、エンジン、サスペンション、トランスミッションなどの部品として使用されるクロムモリブデン鋼、ステンレス鋼、工具鋼、ばね鋼、軸受鋼、耐熱鋼などの多種多様な鋼材が前記鉄スクラップ中に含まれる。
自動車のボディ等に用いられる圧延鋼板は、圧延性を向上させるために、CやMnといった鋼の強度を向上させる元素の含有率が低く抑えられており、基準値は、概ねC:0.12wt%以下、Mn:0.50wt%以下となっている。上述のように、前記特殊鋼は、前記圧延鋼板と化学組成が異なっており、前記特殊鋼の種類ごとに主な相違点を挙げると、前記クロムモリブデン鋼(Cr:0.85wt%〜1.25wt%、Mo:0.15wt%〜0.45wt%)、前記ステンレス鋼(Cr:12wt%以上)、前記工具鋼(C:0.60wt%〜1.50wt%)、前記ばね鋼(Mn:0.6wt%〜1.00wt%、Cr:0.60wt%〜1.10wt%)、前記軸受鋼(Cr:0.90wt%〜1.60wt%)、前記耐熱鋼(Cr:7.50wt%〜27.00wt%)などとなる。
前記鉄スクラップは、電炉・高炉メーカの精錬所に運ばれて再資源化されるが、それが前記炭素鋼であるか前記特殊鋼を含むものかで大きく利用価値を異にする。高純度な前記炭素鋼からなる前記圧延鋼板等は、前記炭素鋼及び前記特殊鋼の二次原料となり得るために利用価値が高いが、これに雑多な前記特殊鋼が多量に含まれていると、成分調整のための希釈配合にコストを要することから利用価値が低くなる。したがって、スクラップの状態で前記炭素鋼と前記特殊鋼とを選別しておくことが重要となるが、このような選別は、現在行われていない状況にある。
前記炭素鋼と特殊鋼を選別する方法としては、例えば、人手や画像処理によって外観の違いによって選別する方法や、蛍光X線分析やレーザー誘起プラズマ分光分析によってスクラップの化学組成を同定して選別する方法が考えられる(非特許文献1参照)。
前記人手による選別方法は、破砕片の形状の違いを目視で認識することで特殊鋼スクラップを識別して除去するものであり、炭素鋼の純度を一定程度向上させることが可能である。しかし、前記人手による選別方法では、騒音や汚れなどの作業環境上の問題や、作業員一人当たりの作業効率には限界があり大量に処理するにはコスト高となる問題がある。
また、前記画像処理による選別方法では、前記鉄スクラップの破砕片に含まれる前記炭素鋼と前記特殊鋼の色調が似通っており、その形状も多岐にわたることから、選別精度が不十分となる問題がある。
また、前記蛍光X線分析や前記レーザー誘起プラズマ分光分析を用いた選別方法では、物体表面近傍の情報を得る分析手法であるため、廃棄物を対象にした場合、表層不純物(土、油、塗装、めっき等)の影響によって、主材である前記炭素鋼及び前記特殊鋼の正確な分析ができず、選別精度が不十分となる問題がある。また、前記表層不純物を洗浄等により予め取り除いた後に選別を実施することも考えられるが、こうした選別は、効率的でない問題がある。即ち、一般の処理施設で処理される前記鉄スクラップの量は膨大であることから前記鉄スクラップの処理に選別が間に合わない問題がある。
ところで、本発明者らは、先に、物体の重量値と1台のレーザー3次元計測器による3次元形状測定によって得られる見掛け密度、体積、面積、縦長、横長、最大高、及び重心点高の7通りの測定値とを用いて算出される13〜14種類の変数を用いた演算処理工程(ニューラルネットワークや判別関数による)の結果に基づいて、物体の材質や形状を自動的に識別する方法を提案している(特許文献1〜3参照)。
しかし、この方法を前記炭素鋼と前記特殊鋼の識別に適用する場合、前記炭素鋼と前記特殊鋼の真比重には殆ど差がなく見掛け密度値にも大きな差が生じにくいこと、前記廃自動車シュレッダー処理施設等で回収される前記特殊鋼のスクラップには湾曲したパイプやばね状の部品など前記7通りの測定値を用いた変数では前記圧延鋼板との違いを抽出しにくい破砕片が見られることなどから、十分な識別精度を得るためには事前に大量の形状データを取得しなければならず、また、前記形状データに基づく前記演算処理工程が煩雑となる問題がある。
特許第5263776号公報 特許第5311376号公報 特開2014− 24048号公報
「粉体精製と湿式処理−基礎と応用−」p.108〜p.111、環境資源工学会(2012年)
本発明は、従来技術における前記諸問題を解決し、前記鉄スクラップの破砕片から前記炭素鋼由来の破砕片と前記特殊鋼由来の破砕片とを、高精度で効率良く且つ簡便に識別可能な識別装置及び識別方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的のため鋭意検討を行い、以下の知見を得た。
即ち、前記圧延鋼板では、板厚が比較的薄いため(例えば、0.15mm〜3.2mm)、シュレッダー破砕すると、破断・屈曲する際に表面に波状の凹凸形状が生じ易いのに対して、前記特殊鋼で形成される各種部品では、このような凹凸形状が殆ど見られない。
したがって、前記圧延鋼板と前記部品の破砕片が混在した鉄スクラップに対し、前記破砕片の凹凸形状の差異を抽出するパラメータを導入した自動識別を実施すれば、前記圧延鋼板の破砕片と前記部品の破砕片とを高精度で効率良く且つ簡便に識別することができ、延いては、前記圧延鋼板の形成材料である前記炭素鋼と、前記部品の形成材料である前記特殊鋼とを高精度で効率良く且つ簡便に識別することができることの知見を得た。
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも鉄スクラップの破砕片の3次元形状を測定する測定部と、前記測定部で測定された前記3次元形状の測定値の入力に基づき、前記破砕片ごとの前記3次元形状の変数値として少なくとも前記破砕片表面の凹凸形状を指標する表面微分パラメータ値を算出する変数算出手段、及び、前記変数値に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別する識別アルゴリズムが予め設定され、前記変数算出手段で算出された識別対象の前記破砕片の前記変数値の入力に基づき、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力する識別手段を有する演算処理部と、を有することを特徴とする識別装置。
<2> 識別アルゴリズムが、破砕片ごとに算出された変数値で構成される個々のケースデータ及びその演算用情報を一群のデータとして記録可能なデータベースと、前記データベースに記録された前記データを入力して得られた識別結果に基づき、演算内容を再設定可能なニューラルネットワークとを有して構成される前記<1>に記載の識別装置。
<3> 変数算出手段が、3次元形状の測定値から下記式(1)で表される破砕片の断面プロファイルzを算出する断面プロファイル算出手段と、下記式(2)に基づき前記断面プロファイルzの移動平均データを算出する移動平均データ算出手段と、下記式(3)に基づき前記移動平均データの微分データを算出する微分データ算出手段と、前記微分データに対して下記式(4)の条件を満たす場合に前記破砕片表面の凹凸形状の数を計数し、これを表面微分パラメータ値とする表面微分パラメータ値算出手段とを有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の識別装置。
ただし、前記式(1)中、z及びyは、前記3次元形状として測定された前記破砕片のx方向、y方向、z方向の直交座標の数値データ(x,y,z)のうち、xの数値を特定したときのz及びyの数値を示し、添え字のiは、前記3次元形状の特定に関与する座標範囲として前記破砕片を内包する直方体を決定し、この直方体の各辺がx−y平面上においてx〜xmx、y〜ymyの範囲にあるものとしたとき、前記yにおける画素を0番目の画素として順番付けされる前記ymyまでの前記y方向における前記画素の並び順、及び、前記並び順で特定される前記画素の前記z方向における並び順であり、0以上かつmy以下の整数を示す。また、前記式(2)中、kは、前記断面プロファイルの移動平均データを算出する際に考慮する画素数に関係する変数であり、前記iの数値範囲から選択される任意の整数を示し、z は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における移動平均値を意味し、iがk以上の場合に算出される。また、前記式(3)中、lは、差分を取る画素の間隔を表す変数であり、前記iの数値範囲から選択されるl以上の整数を示し、z−’ は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における微分値を意味し、iがl以上の場合に算出される。また、前記式(4)中、pは、前記破砕片表面の凹凸形状の計数を制御するための設定値であり、0以上の任意の値から選択される数値を示す。
<4> k及びlが、相互に独立して、3〜9の数値範囲から選択される整数であり、pが0.1〜3.0の数値範囲から選択される数値であり、断面プロファイルzを取得するx方向における間隔を示すΔxが、xにおける画素を0番目の画素として順番付けされるxmxまでのx方向における画素の並び順であり、0以上かつmx以下の整数を示すnの数値範囲から選択され、かつ、2〜10の数値範囲から選択される整数である前記<3>に記載の識別装置。
<5> 測定部が積載される破砕片の重量を測定可能なベルトコンベアと、前記ベルトコンベア上で搬送される前記破砕片の3次元形状を測定可能なレーザー計測器とで構成され、変数算出手段が変数値として更に前記破砕片ごとの重量値を算出する手段として構成され、識別手段が前記重量値を含む前記破砕片ごとの前記変数値の組み合わせ情報に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別する識別アルゴリズムが予め設定され、前記変数算出手段で算出された識別対象の前記破砕片の前記組み合わせ情報の入力に基づき、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力する手段として構成される前記<1>から<4>のいずれかに記載の識別装置。
<6> 少なくとも鉄スクラップの破砕片の3次元形状を測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定される前記3次元形状の測定値の入力に基づき、前記破砕片ごとの前記3次元形状の変数値として少なくとも前記破砕片表面の凹凸形状を指標する表面微分パラメータ値を算出する変数算出ステップと、前記変数値に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別可能な識別アルゴリズムに対して、前記変数算出ステップで算出された識別対象の前記破砕片の前記変数値を入力し、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力させる識別ステップと、を有することを特徴とする識別方法。
<7> 変数算出ステップが、3次元形状の測定値から下記式(1)で表される破砕片の断面プロファイルzを算出する断面プロファイル算出ステップと、下記式(2)に基づき前記断面プロファイルzの移動平均データを算出する移動平均データ算出ステップと、下記式(3)に基づき前記移動平均データの微分データを算出する微分データ算出ステップと、前記微分データに対して下記式(4)の条件を満たす場合に前記破砕片表面の凹凸形状の数を計数し、これを表面微分パラメータ値とする表面微分パラメータ値算出ステップとを有する前記<6>に記載の識別方法。
ただし、前記式(1)中、z及びyは、前記3次元形状として測定された前記破砕片のx方向、y方向、z方向の直交座標の数値データ(x,y,z)のうち、xの数値を特定したときのz及びyの数値を示し、添え字のiは、前記3次元形状の特定に関与する座標範囲として前記破砕片を内包する直方体を決定し、この直方体の各辺がx−y平面上においてx〜xmx、y〜ymyの範囲にあるものとしたとき、前記yにおける画素を0番目の画素として順番付けされる前記ymyまでの前記y方向における前記画素の並び順、及び、前記並び順で特定される前記画素の前記z方向における並び順であり、0以上かつmy以下の整数を示す。また、前記式(2)中、kは、前記断面プロファイルの移動平均データを算出する際に考慮する画素数に関係する変数であり、前記iの数値範囲から選択される任意の整数を示し、z は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における移動平均値を意味し、iがk以上の場合に算出される。また、前記式(3)中、lは、差分を取る画素の間隔を表す変数であり、前記iの数値範囲から選択されるl以上の整数を示し、z−’ は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における微分値を意味し、iがl以上の場合に算出される。また、前記式(4)中、pは、前記破砕片表面の凹凸形状の計数を制御するための設定値であり、0以上の任意の値から選択される数値を示す。
<8> k及びlが、相互に独立して、3〜9の数値範囲から選択される整数であり、pが0.1〜3.0の数値範囲から選択される数値であり、断面プロファイルzを取得するx方向における間隔を示すΔxが、xにおける画素を0番目の画素として順番付けされるxmxまでのx方向における画素の並び順であり、0以上かつmx以下の整数を示すnの数値範囲から選択され、かつ、2〜10の数値範囲から選択される整数である前記<7>に記載の識別方法。
<9> 変数算出ステップが変数値として更に破砕片ごとの重量値を算出するステップを有し、識別ステップが前記重量値を含む前記変数値の組み合わせ情報に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別する識別アルゴリズムに対して、前記変数算出ステップで算出された識別対象の前記破砕片の前記組み合わせ情報を入力し、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力するステップである前記<6>から<8>のいずれかに記載の識別方法。
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決することができ、前記鉄スクラップの破砕片から前記炭素鋼由来の破砕片と前記特殊鋼由来の破砕片とを、高精度で効率良く且つ簡便に識別可能な識別装置及び識別方法を提供することができる。
測定部の構成例及び測定状況を説明する説明図である。 破砕片の断面プロファイルの概念例を示す図である。 破砕片の断面プロファイルの一例を示す図である。 k=1で平滑化させた計算例を示す図である。 k=5で平滑化させた計算例を示す図である。 k=10で平滑化させた計算例を示す図である。 平滑化後の断面プロファイルの一例を示す図である。 l=1で微分値を計算した計算例を示す図である。 l=5で微分値を計算した計算例を示す図である。 l=10で微分値を計算した計算例を示す図である。 破砕片を「鋼板」と「部品」の2種に識別するためのニューラルネットワークの構成例を示す概念図である。 識別アルゴリズムの設定例を示す図である。 鋼板に対し、k=5,l=5,p=3,Δx=5の設定で表面微分パラメータ値を計算した計算例を示す図である。 部品に対し、k=5,l=5,p=3,Δx=5の設定で表面微分パラメータ値を計算した計算例を示す図である。 鋼板に対し、k=10,l=10,p=5,Δx=10の設定で表面微分パラメータ値を計算した計算例を示す図である。 部品に対し、k=10,l=10,p=5,Δx=10の設定で表面微分パラメータ値を計算した計算例を示す図である。
(識別装置)
本発明の識別装置は、少なくとも測定部と演算処理部とを有する。
<測定部>
前記測定部は、少なくとも鉄スクラップの破砕片の3次元形状を測定する部である。
前記3次元形状を測定する手段としては、特に制限はなく、公知の光学的手段が挙げられ、例えば、公知のレーザー計測器等が挙げられる。
また、前記破砕片の重量を変数として用いて識別を行う場合、前記破砕片の重量を測定する手段を有する。
中でも、膨大な量の前記鉄スクラップに対して効率的に識別を行う観点から、積載される破砕片の重量を測定可能なベルトコンベアと、前記ベルトコンベア上で搬送される前記破砕片の3次元形状を測定可能なレーザー計測器とで構成されることが好ましい。
前記測定部の構成例を図1を参照しつつ説明する。なお、図1は、測定部の構成例及び測定状況を説明する説明図である。
この測定部は、前記ベルトコンベア、3Dカメラ(レーザー3次元計測器)、線状レーザー及び近接センサで構成され、前記ベルトコンベア上に前記破砕片を積載して前記破砕片の重量が測定可能とされる。また、前記線状レーザーでは、前記ベルトコンベアの積載面(水平面)に対して鉛直下向きの線状レーザー光を照射し、その反射光に基づき、前記ベルトコンベアの搬送方向と逆方向にx、ベルト幅方向にy、高さ方向にzの直交座標系を設定して、前記破砕片の前記3次元形状に関する数値データ(x,y,z)を取得可能とされる。また、前記近接センサでは、前記ベルトコンベア上を移動する前記破砕片の通過を検出し、その検出信号を前記3Dカメラに出力可能とされる。前記3Dカメラでは、前記検出信号を受信すると瞬時に撮像を開始し、x方向に対して所定数の断面プロファイルを取得可能とされる。前記3Dカメラの撮像範囲は、x方向及びy方向に対して所定数の画素群で充足される範囲とされ、例えば、図1の長方形OABC内の範囲が撮像範囲に相当する。前記3Dカメラの分解能(1画素当たりの長さ)としては、測定対象とする前記破砕片の平均的な大きさに応じて、例えば、x方向に0.1mm〜10mm、y方向に0.01mm〜1mmの範囲で設定する。z方向については、前記破砕片表面の形状に応じて上下に従動する線状レーザーの反射光ラインの動きを前記ベルコンベア搬送先の前方斜め上に配置した前記3Dカメラで一定の時間間隔で検知することで、前記断面プロファイル上の各画素における高さ方向のz値を取得する。なお、より詳細な構成としては、前記特許文献1を参照することができ、前記3Dカメラとしては、ジック(株)製、Ranger 3Dカメラ、前記線状レーザーとしては、竹中オプトニック(株)製、LDC90660HFLW−A又はこれに相当する製品を用いることができる。
<演算処理部>
前記演算処理部は、変数算出手段と識別手段とを有する。
前記演算処理部としては、特に制限はなく、例えば、前記変数算出手段と前記識別手段とが実行可能に設定された公知のコンピュータ等の演算処理装置を挙げることができる。
−変数算出手段−
前記変数算出手段は、前記測定部で測定された前記3次元形状の測定値の入力に基づき、前記破砕片ごとの前記3次元形状の変数値として少なくとも前記破砕片表面の凹凸形状を指標する表面微分パラメータ値を算出する手段である。
また、識別に用いる前記破砕片として、前記表面微分パラメータとそれ以外の変数値とを用いる場合、前記破砕片ごとにこれらの変数値の組み合わせ情報を算出する手段として構成される。
前記表面微分パラメータ以外の変数値としては、前記測定部の測定値から公知の方法で算出される、重量、体積、面積、縦長、横長、最大高、重心高の一次変数値に加え、前記一次変数値から公知の方法で算出される、見掛け密度(重量/体積)、体積/面積といった二次変数値から適宜選択することができ、中でも、理由は後述するが、前記表面微分パラメータ以外の変数値として前記重量が特に有効である。
なお、重量計を兼ねたベルトコンベアに複数の前記破砕片を積載させる場合、前記ベルトコンベアで測定される重量の変化から、先に積載させた前記破砕片の重量と次に積載させた前記破砕片の重量との差分を取る形で、個々の前記破砕片の重量値を算出することができる。
前記表面微分パラメータ値の具体的な算出手法を、再び図1に示した例を参照しつつ説明する。なお、この前記表面微分パラメータ値及びその算出手法は、一例として説明するものであり、前記表面微分パラメータ値及びその算出手法としては、前記破砕片表面の前記凹凸形状を指標して算出するものであれば、特に制限はない。
先ず、前記変数算出手段では、前記測定部で測定された前記破砕片の前記3次元形状に関する数値データ(x,y,z)と、x方向、y方向及びz方向の実値が前記分解能(1画素当たりの長さ)で特定され、x方向に対して所定数取得された前記破砕片の断面プロファイルとを取得した後、z値が一定の閾値以上にある範囲を抽出し、前記破砕片の前記3次元形状の特定に関与する座標範囲(前記破砕片を内包する直方体)を決定する。今、この直方体の各辺がx−y平面上においてx〜xmx、y〜ymyの範囲にあるものとする。
図2に、前記破砕片の前記断面プロファイルの概念例を示す。この概念例は、前記破砕片の断面を図1に示す前記ベルトコンベア搬送先である前方から見た状態を示している。
この状態に関し、x=x(図1参照)における前記破砕片の前記断面プロファイルは、次式で示される。ここで、添え字のnは、前記xにおける画素を0番目の画素として順番付けされる前記xmxまでの前記x方向における前記画素の並び順であり、0以上かつmx以下の整数を示す。
ただし、前記一般式(1)中、z及びyは、前記3次元形状として測定された前記破砕片のx、y、zの直交座標の数値データ(x,y,z)のうち、xの数値を特定したときのz及びyの数値を示し、添え字のiは、前記yにおける画素を0番目の画素として順番付けされる前記ymyまでの前記y方向における前記画素の並び順、及び、前記並び順で特定される前記画素の前記z方向における並び順であり、0以上かつmy以下の整数を示す。
前記変数算出手段では、先ず、この断面プロファイルを下記式(2)で算出される移動平均値の集合データである移動平均データに変換し、平滑化させる。
ただし、前記式(2)中、kは、前記断面プロファイルの移動平均データを算出する際に考慮する画素数に関係する変数であり、前記iの数値範囲から選択される任意の整数を示す。また、z は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における移動平均値を意味し、iがk以上の場合に算出可能である。
前記式(2)による平滑化の計算例を図3(a)〜(d)に示す。なお、図3(a)は、破砕片の断面プロファイルの一例を示す図であり、図3(b)は、k=1で平滑化させた計算例を示す図であり、図3(c)は、k=5で平滑化させた計算例を示す図であり、図3(d)は、k=10で平滑化させた計算例を示す図である。即ち、図3(a)に示すような断面プロファイル(y方向(ベルト幅方向)の31箇所の画素に対応する各z方向の値)が得られたとき、このデータをk=1、5、10の条件下で平滑化すると、それぞれ図3(b)〜(d)の計算結果が得られる。
これらの計算結果から、kの値が増加するのに伴い平滑化処理が強調されることが分かる。前記3Dカメラにおける前記断面プロファイルの高さ方向zの分解能は、通常0.05mm程度であるので、目視では確認できない極めて微小な前記凹凸形状も測定可能とされる。これに加え、測定データには微弱なノイズが含まれる。これらの影響を前記式(2)による平滑化により低減させることができる。
次に、この平滑化した断面プロファイルデータ使って、前記移動平均値から下記式(3)で算出される微分値の集合データとして微分データを取得する。
ただし、前記式(3)中、lは、差分を取る画素の間隔を表す変数であり、前記iの数値範囲から選択される1以上の整数を示す。また、z−’ は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における微分値を意味し、iがl以上の場合に算出可能である。
前記(3)式による前記微分データの計算例を図4(a)〜(d)に示す。なお、図4(a)は、平滑化後の断面プロファイルの一例を示す図であり、図4(b)は、l=1で前記微分データを計算した計算例を示す図であり、図4(c)は、l=5で前記微分データを計算した計算例を示す図であり、図4(d)は、l=10で前記微分データを計算した計算例を示す図である。即ち、前記平滑化後の断面プロファイルが、図4(a)に示される特性を有するとき、この特性に対してl=1、5、10の各条件下で前記微分データを計算すると図4(b)〜(d)の結果が得られる。
図4(a)において、前記平滑化後の断面プロファイルでは、6箇所の凸部(P1〜P6)と5箇所の凹部(V1〜V5)が存在する。l=1の条件下で得られた微分計算後の断面プロファイルと(図4(b))、前記平滑化後の断面プロファイル(図4(a)とを比較すると、前記平滑化後の断面プロファイルにおける減少過程(P→V)では、前記微分値が負の値を取り、増加過程(V→P)では、前記微分値が正の値を取ることが分かる。また、前記微分計算後の断面プロファイル(図4(b))では、前記微分値が正から負に変化するポイントと負から正に変化するポイントが合計11箇所存在し、この値が前記平滑化後の断面プロファイルの前記凸部(P1〜P6)と前記凹部(V1〜V5)の総数に一致することが分かる。
一方、l=5の条件下で計算した場合(図4(c))は、前記微分値が正から負に変化するポイントと負から正に変化するポイントが合計6箇所となる。これは差分の間隔を5画素に拡大したことによって、差分計算ができないy=0〜5の範囲の情報が失われ、前記平滑化後の断面プロファイルにおけるP1が計数されないこと、並びに、P3とP4、及び、P5とP6をそれぞれ同一の凸部と認識したことによって、V3とV5が計数されなかったことによる。
また、l=10の条件下で計算した場合(図4(d))は、こうした傾向が更に顕著になり、前記微分値が正から負に変化するポイントと負から正に変化するポイントが合計2箇所となる。このように、lの値を変化させることによって、前記破砕片表面において認識する凹部、凸部の幅(周期)を選択することができる。
このように前記変数算出手段では、前記微分値z の符号が正から負に変化する回数と負から正に変化する回数の総数jを計数する。このとき、隣り合う微分値の積の絶対値が設定値pを下回る場合は計数しない。即ち、下記式(4)の条件を満たす場合に、j=j+1(jの初期値は0)とする。なお、pは、jの計数を制御するための設定値であり、0以上の任意の値から選択される数値を示す。
逆に、下記式(4)の条件を満たさず、下記式(5)の条件に該当する場合には、j=j(jの加算なし)とする。
図4(b)〜(d)に示す前記各微分データ計算後の断面プロファイルにおける前記式(4)及び前記式(5)の計算状況を下記表1(a)及び表1(b)に示す。
ここで、前記表1(a)では、隣り合う前記微分値の積が負となる場合の積の絶対値を示している。図4(b)に示すように、l=1の場合、隣り合う前記微分値の積が負となるポイントは11箇所存在するが、各ポイントにおける積の絶対値は、0〜19の値を取る。この値は、微分値が正から負、または、負から正への変化する際の鋭さに対応しており、大きな値となる程、断面プロファイルの凹凸部の形状が鋭いことを意味する。
また、前記表1(b)では、前記式(4)及び(5)の設定値pの違いによる計数値jの変化を示している。pの値を大きく設定すると、形状の滑らかな凹凸部が計数から除外されることが分かる。
このように前記変数算出手段では、識別対象となる前記破砕片間の表面形状の違いに応じてk、l、pを適宜設定することで、前記凹凸形状の計数値jに顕著な違いを与えることができる。
前記変数算出手段では、以上の計算過程によって破砕片の位置x=xにおける前記断面プロファイルの凸部(山)と凹部(谷)の個数を抽出するが、こうした計算を前記3Dカメラで測定されるx〜xmxの範囲にある前記破砕片を横切る全ての断面プロファイル(L本とする)対して行うのではなく、一定間隔Δxごとに前記断面プロファイルを抽出して取得して前記式(1)〜(5)に基づく演算処理を行うことで、前記演算処理に要する時間を短縮して選別処理効率の低下を防止する。即ち、前記Δxは、前記断面プロファイルを取得する前記x方向における間隔を示し、前記nの数値範囲から選択される1以上かつmx以下の整数である(図1参照)。例えば、前記3Dカメラ測定時のx方向分解能が1mmのとき、x方向に長さ150mmの物体に対しては、前記分解能に応じて151本(L本:x方向分解能に応じて取得可能な断面プロファイル数)の前記断面プロファイルが取得可能とされる。このとき、Δx=10と設定すると、10mm間隔で16本の断面プロファイルを抽出して、前記演算処理を行うこととなる。
このように前記変数算出手段では、演算対象とする前記断面プロファイル総数を、断面プロファイルの位置をx=x(n=0,Δx,2Δx,3Δx,・・・)とすることで、(L−1+Δx)/Δx本に制限して前記演算処理を行い、最終的に加算される計数値jを前記破砕片の表面微分パラメータ値とする。
−識別手段−
前記識別手段は、前記変数値に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別する識別アルゴリズムが予め設定され、前記変数算出手段で算出された識別対象の前記破砕片の前記変数値の入力に基づき、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力する手段である。
−−識別アルゴリズムの設定−−
以下に、前記識別手段に用いられる前記識別アルゴリズムの設定方法の一例を説明する。前記圧延鋼板の破砕片と前記特殊鋼部品の破砕片の識別を行うにあたっては、先ず、予め前記圧延鋼板に由来するものか、前記特殊鋼部品に由来するものかが既知である代表的な複数のサンプルを抽出し、これらサンプルの重量及び3次元形状を前記測定部で繰り返し測定する。これらの測定値から、ここでは、1例として、重量、体積、面積、縦長、横長、最大高、重心高、表面微分パラメータの一次変数値と、前記一次変数値を用いて算出される下記表2に示す二次変数値との合計15通りの変数値X〜X15を前記変数算出手段で算出し、その算出結果のデータベースを作成する。このとき、ある破砕片を測定したときに得られる15個の変数値の組み合わせ情報を1つのケースデータとし、前記ケースデータを一群のデータとして前記データベースに登録する。重量値を除く変数値X〜X15は、前記破砕片の前記3次元形状の他に、前記ベルトコンベアの搬送方向に対する前記破砕片の配置にも依存し、同一の破砕片でも配置が異なる場合は異なる値を取るので、前記破砕片1個当たり少なくとも、裏表、前後方向の異なる4通り(望ましくは各2回ずつ計8通り)の前記ケースデータを登録する。
次に、前記データベースに登録した全ての前記ケースデータを重量Xの大きさ順でソートし、Xについて適当な閾値を設定して複数の第1ケースデータ群にグループ分けする。続いて、グループ分けした各ケース群を更にX〜X15のいずれかの変数Xの大きさ順でソートし、Xについて適当な閾値を設定して複数の第2ケースデータ群に再度グループ分けする。最終的に得られた前記各第2ケースデータ群に対し、ニューラルネットワークを適用して、あるケースデータとして測定される前記破砕片が、前記圧延鋼板に由来するもの(以下、単に「鋼板」と表記することがある)なのか、あるいは前記特殊鋼部品に由来するもの(以下、単に「部品」と表記することがある)なのかを識別する識別アルゴリズムを決定する。
前記ニューラルネットワークとしては、例えば「ニューロコンピュータ工学p31〜p75、工業調査会(1992)」に示されているが、その概要は、次の通りである。
即ち、『ニューラルネットワークは、人間の脳の構造を真似て作った情報処理の手法である。ニューラルネットワークを用いる場合は、変数間の関係を見つけるためのデータ(本発明における「ケースデータ群」に相当)を用意して、このデータを用いてニューラルネットワークに学習させ、その後、変数データを入力してニューラルネットワークの出力から結果を解釈するという手順を取る。ニューラルネットワークの優れた点として、任意の関数関係のモデル化が可能であり、一度の計算で2つ以上のグループに識別できる点が挙げられる。また、いったん学習が終了したニューラルネットワークでも学習データを追加して再学習させると、識別性能を向上させることができる。』
前記ニューラルネットワークとしては、いくつかのモデルが存在し、いずれのモデルを用いても識別は可能であるが、ここでは最も一般的な階層型モデルを用いた例について図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、破砕片を「鋼板」と「部品」の2種に識別するためのニューラルネットワークの構成例を示す概念図である。
図5に示す構成のニューラルネットワークでは、入力層に変数値X〜X15に対応する15個のユニットを設定し、出力層に「鋼板」と「部品」に対応する2個のユニットを設定する。また、識別する前記ケースデータ群の特性に応じて複数個のユニットを中間層に設定する。これらユニット間を適当に重み付けされたネットワークを介して結合させる。
ここで、前記入力層の前記各ユニットには、下記式(6)を用いて0〜1の間に正規化した変数値X〜X15を入力する。また、前記中間層の前記各ユニットでは、前記入力層の前記各ユニットからの入力値に重みを掛けて総和を取り、閾値との差をS字状の非線形関数(シグモイド関数)に入力し、その出力値(0〜1の間の値となる)を前記出力層の前記各ユニットに出力する。前記出力層の前記各ユニットにおいても、これと同様の計算によって0〜1の間の値を出力する。
正規化後の値=(正規化前の値−最小値)/(最大値−最小値) (6)
ただし、前記式(6)中、前記最大値と前記最小値とは、それぞれ、前記全ケースデータ群を前記変数値の大きさごとにグループ分けしたときの前記各グループ内における前記変数値の最大値と最小値を示す。
前記ニューラルネットワークの学習は、前記式(6)を用いて変数値X〜X15を正規化した前記各ケースデータに、「鋼板」の場合は(1,0)、「部品」の場合は(0,1)の2つの整数値(教師信号)を追加した全17個の前記変数値を用いて、誤差逆伝播法により、前記ユニット間の結合の重みと各ユニットの閾値を修正し、前記ニューラルネットワークを最適化させることで行うことができる。前記誤差逆伝播法の詳細については、「学習とニューラルネットワークp51〜p75、森北出版(1998)」に示されている。なお、前記誤差逆伝播法における学習回数、許容誤差等の条件設定としては、識別対象となる前記破砕片の前記ケースデータ群の性質に応じて適宜決定することができる。
学習済みの前記ニューラルネットワークに対して、前記式(6)を用いて正規化した変数値X〜X15を前記入力層に入力して計算を実行したとき、前記出力層に(Y、Y)の2つの値が得られる。このときYの値とYの値を比較して、Yの値の方が大きい場合には「鋼板」、Yの値の方が大きい場合には「部品」といった手順で識別を行う。このように、前記ニューラルネットワークを用いると前記出力層に出力される2つの数値から直ちに前記破砕片の種別を決定することができる。
識別の対象となる前記破砕片の前記ケースデータ数が少数の場合には、1個の前記ニューラルネットワークによっても前記破砕片の種別の識別が可能である。しかし、前記ケースデータが大量に存在する場合、1個の前記ニューラルネットワークでは正確な識別が困難となる。この場合、前記ニューラルネットワークを複数個設定することで精度を高めることが可能である。以下、その設定方法について、図6を参照しつつ説明する。なお、図6は、識別アルゴリズムの設定例を示す図である。
図6に示す識別アルゴリズムでは、前記全ケースデータ群を重量Xの大きさ順に9つのグループ(区間)に分割後、両端の区間1と区間9については直ちに「鋼板」と判定する。また、ケース数の比較的少ない区間2についてはそのまま1個のニューラルネットワーク2−1(NN2−1)によって識別処理を行う。前記ニューラルネットワークに対する説明に従って、前記階層型モデルを設定し、識別対象の前記ケースデータ群での学習を行うことで、最適なニューラルネットワーク構造(中間層ユニット数、ユニット間の結合の重み、各ユニット閾値)を決定する。
その他の区間3〜区間8については、更に最大高Xの大きさ順に2つのグループに分割する。例えば、区間3においては、最大高Xが閾値2.74cm以上のグループに移行した前記ケースデータ群については、ニューラルネットワーク3−1(NN3−1)によって識別処理を行う。前記ニューラルネットワークに対する説明に従って、前記階層型モデルを設定し、対象ケース群を学習させることで、最適なニューラルネットワーク構造(中間層ユニット数、ユニット間の結合の重み、各ユニット閾値)を決定する。最大高Xが閾値2.74cmより小さなグループに移行したケースデータ群についても、ニューラルネットワーク3−2(NN3−2)において、これと同様の計算処理を行う。このように、ニューラルネットワーク3−1とニューラルネットワーク3−2では、解析の対象となるケースデータの“メンバー”が異なるので、これらを分離するためのニューラルネットワーク構造も当然異なることになる。区間4〜区間8に属するケース群ついても、まったく同様の手順で最大高Xの閾値及び最適なニューラルネットワーク構造を設定し、前記破砕片の識別に至る識別アルゴリズムを決定する。
なお、前記ケースデータ群をグループ分けする際の重量や最大高の境界値や分割後のグループ数は、必ずしも図6と同一にする必要はなく、取り扱う母集団の規模、性質に応じて任意に設定可能である。
このように決定した重量Xと最大高Xの閾値、及び全てのニューラルネットワーク構造を前記識別アルゴリズムとして前記識別手段に設定する。
以上の準備が終了後、種別が未知の試料を搬送して識別を行う。
−−識別−−
下記表3及び4を参照しつつ、種別が未知の前記破砕片に対する前記識別アルゴリズムに基づく識別過程をより具体的に説明する。先ず、下記表3は、「鋼板」と識別される破砕片の変数値(正規化前)、変数値(正規化後)、ニューラルネットワーク出力値の例を示す表である。
前記破砕片に対する前記測定部の測定値が前記演算処理部に入力されると、前記変数算出部で、前記表2に示した定義に基づき、前記表3に示したX〜X15の「変数値(正規化前)」が直ちに算出される。前記破砕片の重量Xが81.53gなので、このケースデータは図6における区間4に属しており、最大高Xが2.78cmなので、ニューラルネットワーク4−1(NN4−1)を用いて識別を行うことになる。即ち、前記式(6)によって正規化した各変数値(前記表3参照)をニューラルネットワーク4−1に入力すると、前述の方法で予め最適化された前記ニューラルネットワークの演算により、出力値Y=1.0、Y=0.0が得られる。Yの値がYの値よりも大きいので、最終的に識別対象の前記破砕片を「鋼板」と識別することができる。
次に、下記表4は、「部品」と識別される破砕片の変数値(正規化前)、変数値(正規化後)、ニューラルネットワーク出力値の例を示す表であり、この破砕片に対して「鋼板」の場合と同様の演算を行った結果、Yの値がYの値よりも小さいので、前記破砕片を「部品」と識別する。
前記識別アルゴリズムを用いた前記演算処理部の演算によって、前記圧延鋼板(炭素鋼)に由来する破砕片と前記特殊鋼部品(特殊鋼)に由来する破砕片の効果的な識別が可能となる理由を図7(a),(b)及び図8(a),(b)を参照しつつ補足説明する。なお、図7(a)は、鋼板に対し、k=5,l=5,p=3,Δx=5の設定で表面微分パラメータ値を計算した計算例を示す図であり、図7(b)は、部品に対し、k=5,l=5,p=3,Δx=5の設定で表面微分パラメータ値を計算した計算例を示す図である。また、図8(a)は、鋼板に対し、k=10,l=10,p=5,Δx=10の設定で表面微分パラメータ値を計算した計算例を示す図であり、図8(b)は、部品に対し、k=10,l=10,p=5,Δx=10の設定で表面微分パラメータ値を計算した計算例を示す図である。
これら図7(a),(b)及び図8(a),(b)に示す表面微分パラメータ値は、前記3Dカメラの分解能を、x方向に0.96mm、y方向に0.3mm、z方向に0.03mmとして得たものである。測定試料は、後述の実施例で用いた鉄スクラップであり、「鋼板」330個、「部品」112個について、測定した表面微分パラメータXを縦長Xに対してプロットしている。
図7(a),(b)に示すグラフでは、「鋼板」と「部品」の破砕片の表面微分パラメータ値に違いが見られ、特に縦長が7.5cm以上となる比較的大きな破砕片において、両者の表面の凹凸形状の違いが顕著となることが分る。一方、図8(a),(b)のグラフでは、このような違いが明確ではなく、破砕片表面の性状に応じてk、l、p,Δxを適切に設定することが重要なことを示している。
前記表面微分パラメータ値を用いて「鋼板」と「部品」を高精度に識別するには、k値、l値については、相互に独立して、概ね3〜9の範囲にある整数値を、p値については、概ね0.1〜3の範囲にある数値を、Δx値については、概ね2〜10の範囲にある整数値をそれぞれ設定すればよい。
下記表5に、前記鉄スクラップの「鋼板」330個、「部品」112個について測定した変数X〜Xの平均値と標準偏差(かっこ内の数値)を示す。この表から、表面微分パラメータXは、他の変数と比較して「鋼板」と「部品」の違いが最も反映されやすい変数であることが分かる。このことは、前記表面微分パラメータ値を算出して変数X及びX15(上記表2参照)等として前記ニューラルネットワークに入力することが、前記圧延鋼板と前記特殊鋼部品の識別に極めて有利に作用することを示している。
前記識別手段の例として、前記データベースと前記ニューラルネットワークとを有して構成される前記識別アルゴリズムを挙げて、これを説明したが、前記識別手段としては、これら前記データベースと前記ニューラルネットワーク自体で構成される必要は、必ずしもなく、例えば、前記データベースと学習により最適化された状態の前記ニューラルネットワークが有する識別特性とを公知の判別関数で表現した識別アルゴリズムを有して構成することもできる。
また、前記演算処理部の例では、前記変数値として重量を用いて説明している。
これに対して、前記特許文献1に示される識別方法では、物体の見掛け密度値(重量値/3D測定で得られる体積値)を識別用の変数として採用している。しかしながら、3D測定で得られる体積値は、本発明の識別装置が識別対象とする前記圧延鋼板と前記特殊鋼部品の前記破砕片のように非対称の形状を持つ物体の場合、同じ物体でも前記ベルトコンベア上での配置によって異なる値を取る。一方、重量値にはこうした配置による違いがなく、再現性が見掛け密度値よりも確実に優れる。従って、同じ物体の測定データが同じグループの前記データベースに所属する確率が高くなり、特に見掛け密度値の違いが比較的小さな前記破砕片を識別する際には前記ケースデータ数の削減に有利に作用することになる。
なお、前記識別装置では、測定値が前記測定部から前記演算処理部に入力されると、瞬時に前記破砕片の識別結果を出力可能であるため、例えば、前記識別結果の入力を受けて、前記ベルトコンベアの搬出先に設けた前記圧延鋼板の回収部及び前記特殊鋼部品の回収部に前記圧延鋼板と識別された破砕片と前記特殊鋼部品と識別された破砕片とを選別して回収させる選別手段を設けてもよい。
(識別方法)
本発明の識別方法は、少なくとも前記鉄スクラップの前記破砕片の前記3次元形状を測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定される前記3次元形状の測定値の入力に基づき、前記破砕片ごとの前記3次元形状の変数値として少なくとも前記破砕片表面の凹凸形状を指標する表面微分パラメータ値を算出する変数算出ステップと、前記変数値に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別可能な識別アルゴリズムに対して、前記変数算出ステップで算出された識別対象の前記破砕片の前記変数値を入力し、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力させる識別ステップと、を有することを特徴とする方法である。
なお、前記各ステップの詳細は、前記識別装置で説明した識別手法と同じ方法であるため、重複した説明を省略する。
(実施例)
廃自動車シュレッダー処理施設において磁力選別で回収された鉄スクラップ(674個、約42kg)を入手し、それらを前記圧延鋼板由来の破砕片と前記特殊鋼部品由来の破砕片とに識別する試験を行った。
先ず、個々の破砕片の形状の違いと蛍光X線分析計による化学組成の測定結果に従って、「鋼板」と「部品」に手作業で分別した。前記形状の評価においては、表面に波状の凹凸形状が確認できるものを「鋼板」と判断し、それ以外を「部品」と判断した。前記化学組成の評価においては、前記破砕片の表面を手作業で研磨して表層不純物を除き、下地に含まれるMnの含有率が0.6wt%以下であり、かつ、Cr、Ni、Mo等の特殊鋼に使用される元素が検出されないものを「鋼板」と判断し、これ以外を「部品」と判断した。こうした形状と化学組成に関する判断基準の両方で「鋼板」と判断されたものを最終的に「鋼板」として分類し、どちらか一方でも「部品」と判断されたものを最終的に「部品」として分類することで、前記鉄スクラップ中に「鋼板」が562個、「部品」が112個存在すると判断した。このうち、「鋼板」から330個、「部品」から72個を抽出してデータベース登録用の試料とした。
図1に示す測定部の構成で、前記破砕物に対しベルトコンベア上での配置を変えながら各4回測定を繰り返し、前記表2に示した15の変数についてのデータベースを作成し、重量X及び最大高Xを使ってグーループ分けを行った。識別アルゴリズムは、図6に示す構成と同様に、重量Xの大きさで9区間にグループ分割し、両端の区間(区間1,9)を除く各区間において、最大高Xの閾値を1.90〜2.74cmの範囲内に設定して更に2つのグループに分割し、各グループに属するケースデータに対してニューラルネットワーク2−1〜8−2を適用することによって識別する構成とした。
次に、データベースに登録した破砕片を試料として識別を行い、前記形状と化学組成に関する判断基準で判断された「鋼板」、「部品」の分類結果と照らした識別の的中率が「鋼板」と「部品」共に90%以上になるまで、ニューラルネットワーク2−1〜8−2の再学習を繰り返した。この再学習においては、選別に失敗したケースデータのみを抽出して前記データベースに追加し、各ニューラルネットワークを修正した。その後、前記データベースに未登録の破砕片272個(「鋼板」232個、「部品」40個)に対して、配置を変えながら各2回測定を行い、前記識別の的中率を調べた。結果を下記表6に示す。
2回の再学習を経ることで、前記データベースに未登録であった「鋼板」と「部品」の破砕片が共に90%以上の精度で識別が可能であった。このとき使用した前記ニューラルネットワークの総数は、14個であり、最終的に要した前記ケースデータの総数は、2,131個であった。
一方、破砕片の重量の代わりに見掛け密度を変数値として使用し、見掛け密度値の大きさに従ってグループ分けしたデータベースを作成してニューラルネットッワークを設定する方式によって同様の識別試験を行った場合、上記の「鋼板」562個と「部品」112個を90%以上の精度で識別するためには、重量を変数値として使用した場合と比較して、前記データベースの分割区間数と前記ニューラルネットワーク数を増やす必要があり、最終的に要した前記ニューラルネットワークの総数は、52個であり、前記ケースデータの総数は、8,860個であった。このように、重量を変数値として使用すると、前記ケースデータ数と前記ニューラルネットワーク数を大幅に削減できる。
また、上述の蛍光X線分析による破砕片の化学組成分析の結果から、実験に用いた全破砕片674個の平均の元素含有率は、Mn:0.62±0.03wt%、Cr:0.11±0.06wt%、Ni:0.16±0.02wt%、Mo:0.02±0.01wt%であった。これを前記表6に示す3回目の識別試験で「鋼板」と識別された破砕片に対して、同様の化学組成分析を行ったところ、平均の元素含有率は、Mn:0.28±0.01wt%、Cr:0.05±0.01wt%、Ni:測定不能(<0.01wt%)、Mo:測定不能(<0.01wt%)となり、炭素鋼の成分基準値をほぼ満足した。このように本発明の手法による識別を行うことで、廃自動車シュレッダー施設等において、回収した鉄スクラップの中から利用価値の高い炭素鋼を選別して回収することが可能となる。
本発明の識別装置及び識別方法は、鉄スクラップの再資源化分野において広く用いることができる。

Claims (9)

  1. 少なくとも鉄スクラップの破砕片の3次元形状を測定する測定部と、
    前記測定部で測定された前記3次元形状の測定値の入力に基づき、前記破砕片ごとの前記3次元形状の変数値として少なくとも前記破砕片表面の凹凸形状を指標する表面微分パラメータ値を算出する変数算出手段、及び、前記変数値に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別する識別アルゴリズムが予め設定され、前記変数算出手段で算出された識別対象の前記破砕片の前記変数値の入力に基づき、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力する識別手段を有する演算処理部と、
    を有することを特徴とする識別装置。
  2. 識別アルゴリズムが、破砕片ごとに算出された変数値で構成される個々のケースデータ及びその演算用情報を一群のデータとして記録可能なデータベースと、前記データベースに記録された前記データを入力して得られた識別結果に基づき、演算内容を再設定可能なニューラルネットワークとを有して構成される請求項1に記載の識別装置。
  3. 変数算出手段が、3次元形状の測定値から下記式(1)で表される破砕片の断面プロファイルzを算出する断面プロファイル算出手段と、下記式(2)に基づき前記断面プロファイルzの移動平均データを算出する移動平均データ算出手段と、下記式(3)に基づき前記移動平均データの微分データを算出する微分データ算出手段と、前記微分データに対して下記式(4)の条件を満たす場合に前記破砕片表面の凹凸形状の数を計数し、これを表面微分パラメータ値とする表面微分パラメータ値算出手段とを有する請求項1から2のいずれかに記載の識別装置。
    ただし、前記式(1)中、z及びyは、前記3次元形状として測定された前記破砕片のx方向、y方向、z方向の直交座標の数値データ(x,y,z)のうち、xの数値を特定したときのz及びyの数値を示し、添え字のiは、前記3次元形状の特定に関与する座標範囲として前記破砕片を内包する直方体を決定し、この直方体の各辺がx−y平面上においてx〜xmx、y〜ymyの範囲にあるものとしたとき、前記yにおける画素を0番目の画素として順番付けされる前記ymyまでの前記y方向における前記画素の並び順、及び、前記並び順で特定される前記画素の前記z方向における並び順であり、0以上かつmy以下の整数を示す。また、前記式(2)中、kは、前記断面プロファイルの移動平均データを算出する際に考慮する画素数に関係する変数であり、前記iの数値範囲から選択される任意の整数を示し、z は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における移動平均値を意味し、iがk以上の場合に算出される。また、前記式(3)中、lは、差分を取る画素の間隔を表す変数であり、前記iの数値範囲から選択されるl以上の整数を示し、z−’ は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における微分値を意味し、iがl以上の場合に算出される。また、前記式(4)中、pは、前記破砕片表面の凹凸形状の計数を制御するための設定値であり、0以上の任意の値から選択される数値を示す。
  4. k及びlが、相互に独立して、3〜9の数値範囲から選択される整数であり、pが0.1〜3.0の数値範囲から選択される数値であり、断面プロファイルzを取得するx方向における間隔を示すΔxが、xにおける画素を0番目の画素として順番付けされるxmxまでのx方向における画素の並び順であり、0以上かつmx以下の整数を示すnの数値範囲から選択され、かつ、2〜10の数値範囲から選択される整数である請求項3に記載の識別装置。
  5. 測定部が積載される破砕片の重量を測定可能なベルトコンベアと、前記ベルトコンベア上で搬送される前記破砕片の3次元形状を測定可能なレーザー計測器とで構成され、
    変数算出手段が変数値として更に前記破砕片ごとの重量値を算出する手段として構成され、識別手段が前記重量値を含む前記破砕片ごとの前記変数値の組み合わせ情報に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別する識別アルゴリズムが予め設定され、前記変数算出手段で算出された識別対象の前記破砕片の前記組み合わせ情報の入力に基づき、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力する手段として構成される請求項1から4のいずれかに記載の識別装置。
  6. 少なくとも鉄スクラップの破砕片の3次元形状を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップで測定される前記3次元形状の測定値の入力に基づき、前記破砕片ごとの前記3次元形状の変数値として少なくとも前記破砕片表面の凹凸形状を指標する表面微分パラメータ値を算出する変数算出ステップと、
    前記変数値に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別可能な識別アルゴリズムに対して、前記変数算出ステップで算出された識別対象の前記破砕片の前記変数値を入力し、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力させる識別ステップと、
    を有することを特徴とする識別方法。
  7. 変数算出ステップが、3次元形状の測定値から下記式(1)で表される破砕片の断面プロファイルzを算出する断面プロファイル算出ステップと、下記式(2)に基づき前記断面プロファイルzの移動平均データを算出する移動平均データ算出ステップと、下記式(3)に基づき前記移動平均データの微分データを算出する微分データ算出ステップと、前記微分データに対して下記式(4)の条件を満たす場合に前記破砕片表面の凹凸形状の数を計数し、これを表面微分パラメータ値とする表面微分パラメータ値算出ステップとを有する請求項6に記載の識別方法。
    ただし、前記式(1)中、z及びyは、前記3次元形状として測定された前記破砕片のx方向、y方向、z方向の直交座標の数値データ(x,y,z)のうち、xの数値を特定したときのz及びyの数値を示し、添え字のiは、前記3次元形状の特定に関与する座標範囲として前記破砕片を内包する直方体を決定し、この直方体の各辺がx−y平面上においてx〜xmx、y〜ymyの範囲にあるものとしたとき、前記yにおける画素を0番目の画素として順番付けされる前記ymyまでの前記y方向における前記画素の並び順、及び、前記並び順で特定される前記画素の前記z方向における並び順であり、0以上かつmy以下の整数を示す。また、前記式(2)中、kは、前記断面プロファイルの移動平均データを算出する際に考慮する画素数に関係する変数であり、前記iの数値範囲から選択される任意の整数を示し、z は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における移動平均値を意味し、iがk以上の場合に算出される。また、前記式(3)中、lは、差分を取る画素の間隔を表す変数であり、前記iの数値範囲から選択されるl以上の整数を示し、z−’ は、前記断面プロファイル中のi番目の画素における微分値を意味し、iがl以上の場合に算出される。また、前記式(4)中、pは、前記破砕片表面の凹凸形状の計数を制御するための設定値であり、0以上の任意の値から選択される数値を示す。
  8. k及びlが、相互に独立して、3〜9の数値範囲から選択される整数であり、pが0.1〜3.0の数値範囲から選択される数値であり、断面プロファイルzを取得するx方向における間隔を示すΔxが、xにおける画素を0番目の画素として順番付けされるxmxまでのx方向における画素の並び順であり、0以上かつmx以下の整数を示すnの数値範囲から選択され、かつ、2〜10の数値範囲から選択される整数である請求項7に記載の識別方法。
  9. 変数算出ステップが変数値として更に破砕片ごとの重量値を算出するステップを有し、識別ステップが前記重量値を含む前記変数値の組み合わせ情報に基づいて前記破砕片が炭素鋼由来の破砕片か特殊鋼由来の破砕片であるかを識別する識別アルゴリズムに対して、前記変数算出ステップで算出された識別対象の前記破砕片の前記組み合わせ情報を入力し、前記識別アルゴリズムに応じた識別結果を出力するステップである請求項6から8のいずれかに記載の識別方法。
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