JP2016116747A - 血管穿刺用補助装置、及びこれを用いた血管穿刺装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波の送受信により得た画像を利用して、手技の難易度を下げられるようにした血管穿刺用補助装置、及びこれを利用した血管穿刺装置を提供すること。【解決手段】穿刺手段で穿刺しようとする被術者の血管周辺領域BBとの間で超音波を送受信する超音波プローブ31と、超音波プローブ31の送受信に基づいた血管周辺領域BBに関する画像を表示する画像形成手段40と、を備えた血管穿刺用補助装置であって、超音波プローブ31は、被術者の身体に対して位置決め可能とされており、画像形成手段40は、穿刺する深さ方向Zと略直交する方向(XY方向)の血管周辺領域の断面画像である横断面画像を、身体に少なくとも隣接させて穿刺方向を案内するように表示することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、血管に穿刺をする際に用いられる血管穿刺用補助装置、及びこれを利用した体外循環装置用の血管穿刺装置に関するものである。
従来より、経皮的心肺補助(以下「PCPS」という)や人工透析などでは、留置針や穿刺針などを経皮的に挿入する手技が行われている。
例えば、PCPSは、ポンプと人工肺を用いた閉鎖回路の人工心肺装置(体外循環装置)により心肺補助を行うものであり、大腿静脈に挿入された静脈側カニューレ、及び大腿動脈に挿入された動脈側カニューレを介して、人工心肺装置と身体とをつなぐようになっている(例えば、特許文献1参照)。
これらカニューレと呼ばれる管は経皮的に挿入されるため、X線透視下で、先ず留置針を患者の大腿動静脈に穿刺するのが好ましく、そして、この穿刺した留置針を利用しながらカニューレを大腿動静脈に挿入するようにしている。このような手技を有するPCPS等については、留置針をいかに正確かつ迅速に血管に挿入できるかが成功の鍵となっている。
特開平7−67954号公報
ところで、救急場面における患者については、X線透視下で手技をしたくても、例えば救急処置室やドクターカー等における放射線管理区外ではX線透視を利用できずに、留置針の穿刺などの手技を余儀なくされている。
そこで、昨今、超音波エコー装置を用いて血管に穿刺をする手法の実現が望まれている。即ち、留置針などを穿刺する血管周辺に超音波プローブを押し当てて、超音波を送受信して血管周辺の断層画像を見ながら、血管に穿刺する手法の実現である。
しかし、超音波エコー装置についてはX線装置に比べて画像解像度が低いなど、血管穿刺の手技の難易度を相当に下げるには未だ問題があり、スタンダードになっていないのが現状である。
本発明は、超音波の送受信により得た画像を利用して、手技の難易度を下げられるようにした血管穿刺用補助装置、及びこれを利用した血管穿刺装置を提供することを目的とする。
上記課題は、穿刺手段で穿刺しようとする被術者の血管周辺領域との間で超音波を送受信する超音波プローブと、前記超音波プローブの前記送受信に基づいた前記血管周辺領域に関する画像を表示する画像形成手段と、を備えた血管穿刺用補助装置であって、前記超音波プローブは、前記被術者の身体に対して位置決め可能とされており、前記画像形成手段は、前記穿刺する深さ方向と略直交する方向の前記血管周辺領域の断面画像である横断面画像を、前記身体に少なくとも隣接させて前記穿刺方向を案内するように表示する血管穿刺用補助装置により達成される。
前記構成によれば、血管穿刺用補助装置は、穿刺手段で穿刺しようとする被術者の血管周辺領域との間で超音波を送受信する超音波プローブと、超音波プローブの送受信に基づいた血管周辺領域に関する画像を表示する画像形成手段とを有している。従って、血管周辺領域の画像を見ながら、留置針などの穿刺手段を穿刺することができる。
そして、超音波プローブは、被術者の身体に対して位置決め可能とされている。従って、超音波プローブを身体に固定して、安定した画像を得ることができる。また、一人で手技を行う場合は、両手を自由に使えることで、手技の確実性を増すことができる。また、二人以上で手技を行う場合であっても、プローブを扱う者と穿刺をする者との難しいコミュニケーションを図る必要がなく、手技が容易になる。
さらに、画像形成手段は、穿刺する深さ方向と略直交する方向の血管周辺領域の断面画像である横断面画像(即ち、血管の横断面の画像、及びその血管周辺の当該横断面で切断した画像)を、身体に少なくとも隣接させて穿刺方向を案内するように表示する。
そうすると、血管周辺領域の断面画像が身体に少なくとも隣接して表示されるため、穿刺する際、手技者は手元に近い画像を視認しながら、手元に集中して穿刺をすることができ、手技の難易度を下げることができる。しかも、穿刺する深さ方向と略直交する方向の血管周辺領域の断面画像である横断面画像が穿刺方向を案内するように表示されるため、手技者は、この横断面画像が案内する穿刺方向に従って穿刺をすれば、穿刺手段を血管に正確・迅速に穿刺できる。
また、好ましくは、前記画像形成手段は、前記横断面画像が表示された領域以外の領域である余剰領域を有するディスプレイであることを特徴とする。従って、このディスプレイの余剰領域に、手技の確実・迅速性に資する他の情報(好ましくは、穿刺する深さ方向の断層画像である縦断層画像)を表示するなどして、手技の正確・迅速性をより増すことができる。
また、好ましくは、前記余剰領域は、前記超音波プローブの上に配置されておらず、かつ、前記横断面画像の血管の位置および血管が延びる方向に略対応して、長孔状の切り欠き部が形成されていることを特徴とする。従って、穿刺方向と余剰領域における切り欠き部の方向が概ね対応することになり、手技者は、切り欠き部に沿って穿刺手段を押し進めれば、穿刺手段が血管に到達し易くなり、手技の難易度をより下げられる。
また、好ましくは、前記超音波プローブと前記画像形成手段とは着脱自在であることを特徴とする。従って、穿刺をする際に出血した血液が画像形成手段に付着したとしても、画像形成手段だけを取り換えることができる。
また、好ましくは、前記切り欠き部は、前記横断面画像の血管の位置に合わせるように移動可能であることを特徴とする。このため、横断面画像の血管の位置と切り欠き部の位置とが合わない場合であっても、装置全体を身体に取り付け直すことなく、切り欠き部を移動させて、画像形成手段の血管の位置と切り欠き部の位置とを合わせることができる。従って、迅速に手技を終わらせることができる。
また、好ましくは、前記画像形成手段は、前記穿刺手段に穿刺される生体適合性を有するシート部材に前記横断面画像を投影する投影装置からなることを特徴とする。そうすると、この投影装置によりシート部材に横断面画像が投影されるため、上述したように、手技者は、シート部材上の横断面画像が案内する穿刺方向に従って穿刺をすれば、穿刺手段を血管に正確・迅速に穿刺できる。そして、この横断面画像が投影されるシート部材は、穿刺手段による穿刺が可能であり、かつ、生体適合性を有する。従って、血管がシート部材上のどの位置に投影されていても、投影された血管の位置及び方向に合わせて、シート部材の上から穿刺できる。この際、この穿刺でシート部材に孔を開けた際に穿刺手段の先端にシート部材の欠片が身体に入ったとしても、シート部材は生体適合性を有するため問題はない。なお、このようなシート部材は、超音波プローブに対して着脱自在であることが好ましく、これにより、シート部材を身体に対して位置決め固定できると共に、血液等で汚れたシート部材を交換できる。
また、上記課題は、前記血管穿刺用補助装置と、体外循環装置のカニューレを挿入するための前記穿刺手段としての留置針と、を有し、前記画像形成手段は、カラードプラにより血流の方向情報が表示されるようになっており、前記留置針は、前記穿刺方向を示す標識部を有する血管穿刺装置により、より好ましく解決される。
このため、体外循環装置用の留置針を血管に穿刺する際、血流と留置針の穿刺方向の双方を把握できる。従って、被術者の静脈側に血流の方向に沿って穿刺される脱血側の留置針と、動脈側に血流と反対方向に沿って穿刺される送血側の留置針とを間違えることなく、適切に動脈と静脈に留置針を穿刺できる。また、留置針の穿刺方向が分かるため、徐々に身体に穿刺していく様子が分かり易く、手技がより容易になる。
以上説明したように、本発明によれば、超音波の送受信により得た画像を利用して、手技の難易度を下げられるようにした血管穿刺用補助装置、及びこれを利用した血管穿刺装置を提供することができる。
体外循環装置、及びこれに用いられる本発明の第1実施形態に係る血管穿刺装置の主な構成を示す概略図。 図1の血管穿刺装置に用いられる血管穿刺用補助装置を被術者に装着した図であり、図2(A)はその正面図、図2(B)はその側面図。 図2の血管穿刺用補助装置の部分正背面図であり、図3(A)はその部分正面図、図3(B)はその部分背面図。 図2の血管穿刺用補助装置の画像形成手段に画像を表示した使用状態図。 切り欠き部の変形例に係る正面図。 図4の血管穿刺用補助装置の画像形成手段を他のモードに切り替えた図。 図2の血管穿刺用補助装置の特徴的な部分を示す概略ブロック図。 本発明の第1実施形態の第1変形例に係る血管穿刺用補助装置であり、超音波プローブと画像形成手段とを分離した状態の斜視図。 図8の超音波プローブと画像形成手段とを接続して、図8のA−A線の位置で切断した場合の概略断面図。 図8及び図9の血管穿刺用補助装置の使用状態を説明する図であり、図10(A)が画像形成手段に血管を表示した図、図10(B)が図10(A)の画像形成手段を視認した後に、画像形成手段を移動させた図。 本発明の第1実施形態の第2変形例に係る血管穿刺用補助装置の正面図。 図11の内部機構を省略したB−B断面図。 本発明の第2実施形態に係る血管穿刺用補助装置を被術者に装着して、画像形成手段で画像を投射している図。 図13の血管穿刺用補助装置のシート部材に画像を表示した使用状態図。 図13の血管穿刺用補助装置の概略ブロック図。
以下、この発明の好適な実施の形態を、添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の図において、同一の符号を付した箇所は同様の構成である。
〔第1実施形態〕
図1は、体外循環装置1、及びこれに利用される本発明の第1実施形態に係る血管穿刺装置20の主な構成を示す概略図である。
図1に示す体外循環装置1は、患者Pの血液の体外循環を行う装置であり、この「体外循環」には「体外循環動作」と「補助循環動作」が含まれる。
「体外循環動作」は、体外循環装置1の適用対象である患者(被術者)Pの心臓に血液が循環しないため患者Pの体内でガス交換ができない場合に、この体外循環装置1により、血液の循環動作と、この血液に対するガス交換動作(酸素付加及び/又は二酸化炭素除去)を行うことである。
また、「補助循環動作」とは、体外循環装置1の適用対象である患者(被術者)Pの心臓に血液が循環し、患者Pの肺でガス交換を行える場合で、体外循環装置1によっても血液の循環動作の補助を行うことである。装置によっては血液に対するガス交換動作を行う機能を持つものもある。
図の場合の体外循環装置1は、経皮的心肺補助(percutaneous cardiopulmonary support)に用いられる装置(以下、「PCPS」という)を例示しており、このPCPSは、比較的早く装着できる即応性を備えているため、病院の救急処置室やドクターカー等の救急場面、また、補助循環動作を行う場面などにおいて好適に用いることができる。
具体的に、PCPSは、静脈(大腿静脈)に挿入された静脈側カニューレ(脱血側カニューレ)5で体外に静脈血を引き出して、人工肺(好ましくは中空糸膜型人工肺)2でガス交換を行い、酸素加された血液を、動脈(大腿動脈)に挿入された動脈側カニューレ(送血側カニューレ)6で患者Pに戻す構成となっている。この回路における血液の循環動作は、人工肺2より上流側にあるポンプ(好ましくは遠心ポンプ)3で行われ、脱血チューブ11内の血液はV方向に流れ、送血チューブ12内の血液はW方向に流れる。なお、PCPSの全体的な制御はコントローラ10で行われる。
そして、PCPSでは上述した脱血側カニューレ5及び送血側カニューレ6は、経皮的に患者の血管内に挿入され、この挿入の際に使用されるのが血管穿刺装置20である。
血管穿刺装置20は血管穿刺セットとも言え、血管穿刺用補助装置30と留置針21,22(本発明の穿刺手段の一例)とを備えている。
留置針21,22は、脱血及び送血側カニューレ5,6を血管内に挿入するための導入針である。即ち、留置針21,22を穿刺して血管内に挿入させ、その外套管23,24を残して内針25を抜き取り、次いで、不図示のガイドワイヤーを外套管23,24の中に通した後に外套管23,24を抜き取り、次いで、ガイドワイヤーに沿って脱血及び送血側カニューレ5,6を血管内に挿入するようになっている。図の留置針21は脱血側カニューレ5を挿入するための脱血側留置針21であり、留置針22は送血側カニューレ6を挿入するための送血側留置針22である。
ここで、図示するように、脱血側留置針21及び送血側留置針22の外套管23,24には、それぞれ、標識部である例えば、略円形のマーカーMが複数配置されている。
脱血側留置針21は、その外套管23の基端側(把持部26側)に2つのマーカーMが連接(又は連続)して配置されている。また、この2つのマーカーMと所定間隔を開けて、先端側に1つのマーカーMが配置されている。
一方、送血側留置針22は、外套管24の基端側(把持部27側)に4つのマーカーMが連接等して配置されている。また、この4つのマーカーMと所定間隔を開けて、先端側に1つのマーカーMが配置されている。
これらのマーカーMは、好ましくはレーザーにより、外套管23,24の表面の極浅い部分にマーキングでき、生体への適合性が損なわれることがない。
このように、脱血側留置針21と送血側留置針22のマーカーMは、互いに外観上区別し得るようにして、手技者等は、外観上から一見して直ちに、いずれの留置針であるかを判断できる構成としている。なお、本実施形態では、マーカーMの数・配置により外観上区別しているが、本発明はこれに限られず、マーカーMを異なる形状にしてもよい。
そして、マーカーMは、穿刺方向も直ちに把握できる標識部ともなる。即ち、図の場合、脱血側留置針21では、連接している2つマーカーMから所定間隔を設けて配置される1つのマーカーMに向かう方向が穿刺方向となる。また、送血側留置針22では、連接している4つのマーカーMから所定間隔を設けて配置される1つのマーカーMに向かう方向が穿刺方向となる。
このように、脱血及び送血側カニューレ5,6の挿入に先立って、先ず留置針21,22を血管に穿刺して挿入するようにしており、そこで、留置針21,22を正確・迅速に挿入するための装置として、血管穿刺用補助装置30がある。血管穿刺用補助装置30は、超音波エコーにより血管周辺領域(血管及びその周辺領域)の画像を映し出して、その画像を視認しながら留置針21,22を穿刺するための装置であり、血管探査装置、血管撮像装置、或いは超音波画像装置とも言える。
以下、この血管穿刺用補助装置30について、図2乃至図4を用いて説明する。
図2は血管穿刺用補助装置30を患者Pの大腿部に装着した図であり、図2(A)はその正面図、図2(B)はその側面図である。図3は図2の血管穿刺用補助装置30の部分正背面図であり、図3(A)はその部分正面図、図3(B)はその部分背面図である。図4は図2の血管穿刺用補助装置30の画像形成手段31に画像を表示した使用状態図である。なお、図3では図2(B)に示すベルト32を省略して図示している。
図2に示すように、血管穿刺用補助装置30は、人手だけで搬送可能な大きさで、全体的にタブレット状をしており、留置針で穿刺しようとする患者Pの血管周辺領域BBとの間で超音波を送受信する超音波プローブ31と、超音波プローブ31で得られた血管周辺領域BBに関する画像を表示する画像形成手段40とを有している。
超音波プローブ31は、図3(B)に示す裏面に、超音波プローブ31の一部31dが露出しつつ、不図示の電源部や集積回路を搭載した基板などの部品と同じハウジング37内に配設されて、これら部品と一体とされている。換言すれば、超音波プローブ31の中に上記部品が収容されていると言える。そこで、以下、特に言及がない限り、上記部品及びハウジング37を含めて超音波プローブ31と言う。
本実施形態の超音波プローブ31は三次元(3D)画像用のプローブであり、超音波を送受信する複数の圧電振動子(不図示)を図3(B)に示すようにn1〜nX個だけライン状に配列し、この複数の圧電振動子を図3(A)の幅方向W1に走査するようにしている。なお、本発明の三次元画像用プローブはこれに限られず、圧電振動子を図3の幅方向W1に配列して、高さ方向H1に走査させてもよい。或いは、圧電振動子をマトリックス状に配列した公知の2Dアレイプローブであっても構わない。
圧電振動子から送信した超音波は、図2(B)に示す穿刺しようとする血管周辺領域BBで反射し(血管壁では比較的強く反射される)、その反射波を受信して電気信号に変換したデータに基づいて、血管周辺領域BBに関する所定の画像が画像形成手段40に表示される。なお、超音波プローブ31は、リニア走査型やコンベックス走査型のいずれを用いることもできるが、本実施形態では、直線的に超音波を送信して接地表面付近を大きく視認でき、かつ、身体との接触面が略平坦なリニア型プローブが用いられている。
このような超音波プローブ31は、被術者Pの身体に対して位置決め可能とされている。具体的には、超音波プローブ31は、図3(B)の通し孔34に挿通された図2(B)に示すベルト32で身体に着脱可能とされ、バックル33を利用してベルト32を締付けて身体に固定できる。また、ベルト32を緩めて、身体に固定する超音波プローブ31の位置を調整可能とされている。なお、このように超音波プローブ31の位置を固定し、また、位置を調整する手段はベルト32に限られるものではなく、環状のゴム等のその他の位置決め調整手段を用いることができる。
この超音波プローブ31は図2(B)に示すように階段状になっており、装着状態において、裏面側の身体に密着する密着部31aと、表面側(図2(B)の場合は上側)の表面部31bとを有している。密着部31aは、図3に示すように、高さ寸法(大腿部に装着した際の脚部の長手方向の寸法)H1は表面部31bの高さ寸法H2に比べて大きく、図2(B)に示すように段部31cが形成されている。なお、圧電振動子が配置されて超音波を送受信する領域ARは密着部31aの方に配置され、この超音波を送信する領域ARは、留置針で穿刺し始める部位PR(本実施形態の場合、後述する切り欠き部50)に近接するのが好ましい。
画像形成手段40は、超音波プローブ31の走査により得た画像データをもとに、リアルタイムに画像を表示するものである。本実施形態の画像形成手段40は全体的に略平板状であり、患者Pの身体に少なくとも隣接するように配置可能となっている(密着しても構わない)。具体的には、画像形成手段40は、図2及び図4に示すように、留置針で穿刺し始める部位PRに隣接して配置される。なお、画像形成手段40は可及的に薄いものが好ましく、例えば液晶ディスプレイを用いることができ、また、大腿部の外形に略沿って湾曲した有機ELディスプレイを用いてもよい。
この画像形成手段40は、超音波プローブ31に接続され、好ましくは少なくとも超音波プローブ31の上に配置されている。
本実施形態の場合、画像形成手段40は、密着部31aの上に配置された第1の画像形成手段41と、さらに、超音波プローブ31からはみ出た(密着部31aの上に載置されていない)第2の画像形成手段42とを有している。
第1の画像形成手段41には、図2及び図4に示すように、留置針が穿刺する深さ方向(図のZ方向)と略直交する方向の血管周辺領域BBの断面画像である横断面画像が表示され、この横断面画像は穿刺方向(図4の血管が延びる方向DR)を案内するように表示される。例えば、仰向けに寝た患者Pの大腿動静脈BVに留置針21,22を挿入しようとする図4の状態では、第1の画像形成手段41には大腿動静脈BVが存在する領域の略水平断面(図の略XY面で切断した断面)が表示され、この表示された大腿動静脈BVの画像が実際の大腿動静脈BVの位置及び方向に沿って表示される。これにより手技者は、第1の画像形成手段41の縁41aに近接すると共に、第1の画像形成手段41に映しだされた大腿動静脈BVの位置に対応した位置PRから穿刺して、表示された大腿動静脈BVが向かう方向DRに向けて留置針21,22を押し進めて、大腿動静脈BVに留置針21,22を正確かつ迅速に穿刺及び挿入させることができる。
第2の画像形成手段42は、画像形成手段40の内、上述した横断面画像が表示された領域以外の領域である余剰領域にあり、手技の確実・迅速性に資する第1の画像形成手段41とは異なる種々の情報を表示するようにしており、好ましくは、図4に示すように、穿刺する深さ方向Zの血管周辺領域の断層画像である縦断層画像を表示するとよい。これにより、手技者は、穿刺方向における深さ方向と、それに直交する方向の双方をもって血管位置を把握することができ、手技の確実性をさらに増すことができる。
なお、図の第1の画像形成手段41と第2の画像形成手段42とは、物理的に分離して形成されているが、本発明はこれに限られず、物理的に分離せずに同じ表示画面の中で画面を分割するようにして構成してもよい。
そして、この画像形成手段40については、横断面画像が表示された領域以外の余剰領域には、横断面画像の血管BVの位置および血管BVが延びる方向に略対応して、長孔状の切り欠き部50が形成されている。本実施形態の場合、画像形成手段40の筐体45に、第1の画像形成手段41に表示された血管BVの位置に対応させて、長孔状の切り欠き部50を形成し、上述した穿刺し始める位置PRをこの切り欠き部50の中に存在させている。即ち、大腿動静脈に留置針21,22を挿入しようとする図4において、筐体45は、足側の端部45aから、第1の画像形成手段41の下の大腿動静脈が存在する可能性の高い付近に向けて切り欠かれている。これにより手技者は、この切り欠き部50の長孔状に沿って留置針21,22を押し進めれば、留置針21,22が血管に到達し易くなる。このように、第1の画像形成手段41に表示された穿刺方向(図4のDR方向)の画像が穿刺をガイドする第1の案内手段、切り欠き部50が穿刺をガイドする第2の案内手段であると言える。
この点、切り欠き部50は、その変形例である図5に示すように、超音波プローブ31の上に配置された第1の画像形成手段41側の幅W2に比べて端部45a側の幅W3が広いのが好ましく、これにより穿刺をする際、手が筐体45や第2の画像形成手段42に当たることを有効に防止できる。さらに切り欠き部50は、第1の画像形成手段41から端部45aに向うに従って幅が大きくなるのがより好ましく、これにより、血管の穿刺方向DRと切り欠き部50の延びる方向Yとが合っていなくても、留置針を押し進め易くなる。
なお、リニア型プローブが用いられている本実施形態において、第1の画像形成手段41は、図3の超音波を送信する領域ARと同様の面積及び位置であるのが好ましい。
また、第1の画像形成手段41は、本実施形態のように大腿部に装着される場合、高さ寸法H3に比べて、幅方向の寸法W1が大きいのが好ましく、これにより、図4に示すように、大腿動静脈BVの横方向(図4のX方向)の位置が分かり易くなる。
また、血管周辺領域の縦断層画像を表示する第2の画像形成手段42は、切り欠き部50に隣接して配置され、そして、該縦断層画像の血管BVは、長孔状の切り欠き部50の長手方向Yとは異なる方向に沿って、好ましくは、長手方向Yと略直交する方向Xに沿って表示可能としている。これにより、切り欠き部50の長手方向Yに沿って穿刺を進めていく手技者は、第2の画像形成手段42を見た場合であっても、穿刺すべき方向DRを混乱して間違えないようにしている。
なお、画像形成手段40の内、横断面画像が表示された領域以外の余剰領域には、切り欠き部50を挟んで、第2の画像形成手段42の反対側に、各種の操作を行うタッチセンサー式のメニュー表示エリア46が設けられている。緊急用のPCPSに用いられる図4の血管穿刺用補助装置30の場合、メニュー表示エリア46には画面切替ボタン47〜49が設けられている。ボタン47は、血管周辺領域の横断面画像および縦断層画像を所謂Bモードで表示するためのものである。ボタン48は、三次元(3D)画像用の超音波プローブ31で取得した画像を三次元で表示するモードに切替えるためのものである。ボタン49は、カラードプラにより血流の方向情報を表示するモードに切替えるためのものである。
図6は、この血流の方向情報を表示するモードに切り替えた時の図である。このモードでは、反射した超音波の周波数が変化するドプラ効果を利用して、血流が超音波プローブに近づいているのか遠ざかっているのかを判別可能なモードであり、本実施形態では、Bモード画像上に流速変化を色分けするカラードプラモードにしている。この「色分け」は、例えば、プローブ31に近づいて来る血流を「赤色R」で示し、プローブ31から遠ざかる血流は「青色B」で示す構成となっている。
これにより、手技者は、穿刺しようとしている血流の方向を判断でき、さらに、本実施形態では、図1に示す脱血側留置針21と送血側留置針22については既に述べたマーカーMを有している。従って、静脈側に血流の方向に沿って穿刺すべき脱血側留置針21と、動脈側に血流と反対方向に沿って穿刺すべき送血側留置針22とを間違えることなく、適切に動脈と静脈に留置針を穿刺できる。例えば、図6の場合、血流は赤色Rから青色Bの方向であることが分かる。また、把持部側に連接した複数のマーカーMと先端側の一つマーカーMにより、留置針は矢印の方向GSに向かって進んでいるのが分かり、これで血流の方向に沿って穿刺していることが分かる。さらに、図1に示す脱血側留置針21と送血側留置針22のマーカーMは互いに外観上区別されており、このため、例えば図6では連接した複数のマーカーMは2つであり、脱血側留置針21であることが分かる。このように、血流の方向、留置針を穿刺している方向、留置針の種類の3つを把握して、緊急時等であっても留置針の適切かつ迅速な穿刺が可能となる。
次に、図2〜図6で説明した血管穿刺用補助装置30のシステム構成を、図7を用いて説明する。図7は血管穿刺用補助装置30の特徴的な部分を示す概略ブロック図の一例である。
図7の血管穿刺用補助装置30は、超音波プローブ31と、処理された画像データに基づいて血管周辺領域の画像を表示する画像形成手段40とを有している。
超音波プローブ31のハウジング37には、公知の送受信部50・コントローラ56・信号処理部51・画像生成部52が格納されている。
超音波プローブ31は上述した通りであり、圧電振動子がライン状又はマトリックス状に配置され、走査することによって3次元的に超音波を送信し、また、反射してきた超音波を受信する探触子である。
送受信部50は、超音波プローブ31に駆動信号を供給して超音波を発生させる送信部と、超音波プローブ31からの信号を受信する受信部とを備えている。なお、送受信部50の送信部は、走査を行うための遅延回路を有する。送受信部50の受信部は、超音波プローブ31から出力される信号を増幅するプリアンプ回路、増幅された信号をA/D変換するA/D変換回路、その他、受信遅延や加算回路などを有している。
信号処理部51は、送受信部50の受信部から入力された反射波データを信号処理するため回路であり、本実施形態の場合、信号強度を輝度で表現するBモードデータを生成するためのBモード処理部53と、カラードプラで必要なFTF解析を行い、ドプラ信号を処理するドプラ処理部54を有している。
画像生成部52は、画像データを生成する回路であり、信号処理部51から出力された生データを読み込んで、これを表示用のデータに変換(スキャンコンバージョン処理)し、また、MPR(Multi Planar Reconstruction)等のレタリング処理を行う。具体的には、Bモード処理部53からデータを受けてスキャンコンバージョン処理がなされると、Bモード断層像データが生成される。また、複数位置のBモード断層像データに対して座標変換を行うことで三次元画像データを生成する。また、ドプラ処理部54からデータを受けてスキャンコンバージョン処理がなされると、血流の速度情報などのドプラデータが生成される。また、本実施形態の画像生成部52では、三次元画像データから血管壁の位置を特定している。特定方法としては、例えば、血管壁からは強い反射波が取得されるため、Bモード断層像データでは他の部分よりも明るい輝度であり、この明るい輝度の一部分を操作者がマウスパッド等(不図示)で特定すると、公知の輪郭追跡処理などを行って血管壁の位置を特定するようになっている。そして、この特定した血管壁の横断面画像に係るBモード断層像データを生成可能とされている。
なお、これら送受信部50、信号処理部51、画像生成部52はコントローラ56により処理全体が制御されている。また、これら送受信部50、信号処理部51、画像生成部52は、集積回路などのハードウェアで構成されているが、ソフトウェア的に構成されてもよい。即ち、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなるコンピュータのプログラムにより上記各部50,51,52の処理をモジュール的に行ってもよい。
このようにして画像生成部52で処理された画像データは表示制御部55に出力され、表示制御部55は第1の画像形成手段41と第2の画像形成手段42に画像を振り分けて表示させる。具体的には、操作部(タッチセンサー)46の操作により、各モードに応じた表示がなされる。例えば、Bモードのボタン47(図4参照)を選択すると、Bモード断層画像が表示され、本実施形態では、好ましい形態として、第1の画像形成手段41に血管周辺領域の横断面画像が、第2の画像形成手段42には血管周辺領域の縦断層画像が表示される。また、カラードプラモードのボタン49(図4参照)を選択すると、カラードプラのデータが表示される。三次元モードのボタン48(図4参照)を選択すると、三次元画像データからなる三次元画像が表示される。
本発明の第1実施形態は以上のように構成され、超音波プローブ31は、身体に位置決め可能とされているので、安定した画像を得ることができ、また、両手を自由に使えるなど、手技の確実性を増すことができる。さらに、画像形成手段40は、穿刺し始める位置PRに隣接して配置されるため、手技者は手元に近い画像形成手段を視認可能であり、手元に集中しながら穿刺して、手技の難易度を下げることができる。しかも、超音波プローブ31上にある第1の画像形成手段41は、図4に示すように、穿刺する深さ方向と直交するXY面方向の血管周辺領域の断面画像である横断面画像を、穿刺方向を案内するように表示するため、手技者は、この表示された血管の位置及び延びる方向に従って穿刺をすれば、留置針を血管に正確かつ迅速に穿刺できる。
なお、第1実施形態の超音波プローブ31は直線的に超音波を送信するリニア型プローブであるため、図3に示すように、横断面画像を表示する第1の画像形成手段41の概ねの部分は、超音波プローブ31の領域ARの上に配置されているが、本発明はこのような態様に限られない。例えば、超音波プローブ31に円弧状に揺動するコンベックス型プローブを用いた場合、圧電振動子を図3の幅方向W1に並べて高さ方向H1に揺動させれば、第1の画像形成手段41を超音波プローブ31の上からはみ出した部分を有するように接続してもよい。或いは、各種の超音波プローブ31において、超音波の送信角度によっては、第1の画像形成手段41が超音波プローブ31の上に全く配置されていなくてもよい。
〔第1実施形態の第1変形例〕
図8〜図10は本発明の第1実施形態の第1変形例に係る血管穿刺用補助装置60であり、図8はその超音波プローブ31と画像形成手段40とを分離した状態の斜視図、図9は図8の超音波プローブ31と画像形成手段40とを接続して、図8のA−A線の位置で切断した場合の概略断面図、図10(A)はその画像形成手段40に血管を表示した図、図10(B)は図10(A)の画像形成手段40を視認した後に、画像形成手段40を移動させた図である。なお、これらの図では図2で示したベルトは省略して図示している。また、図9では内部機構を省略して図示している。
これらの図において、図1ないし図7の血管穿刺用補助装置30と同一の符号を付した箇所は同様の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本第1変形例に係る血管穿刺用補助装置60が上述した実施形態と異なるのは、超音波プローブ31と画像形成手段40との接続構造についてである。
すなわち、血管穿刺用補助装置60は、図8及び図9に示すように、超音波プローブ31と画像形成手段40とが着脱自在になっている。
具体的には、段部31cを有する階段状の超音波プローブ31側については、身体に密着する密着部31aの上に、上側に突出したコネクタ62が設けられている。これに対して、画像形成手段40側については、第1の画像形成手段41の裏側の筐体45の部分に、凹部64が形成され、この凹部64の中に図示しない端子が配設されている。そして、コネクタ62と凹部64とが嵌合して、超音波プローブ31と筐体45が機械的に接続され、また、コネクタ62の中のピン(不図示)と凹部64の中の端子(不図示)が接触して電気的に接続され、図7の画像生成部52と表示制御部55とが接続される。従って、穿刺をする際に出血した血液が付着し易い画像形成手段40の方だけを取り換えることができる。
この点、コネクタ62は切り欠き部50が延びる方向Yと直交する方向Xにスライド可能となっている。図の場合、密着部31aの上部には図のX方向に長い溝部65が形成されており、コネクタ62はこの溝部65に係合しながら、X方向にスライドする構成となっている。このコネクタ62のスライドは、可動許可スイッチ67を押す等の操作により初めて可能とされている。具体的には、可動許可スイッチ67を押すと、押す前に筐体45の有底の穴59に嵌合するように入り込んでいた密着部31aの上に突出したピン68が引っ込んで、画像形成手段40がX方向にスライド可能となる。
これにより、横断面画像(患者の図のXY面の断面画像)が表示された領域以外の余剰領域に形成された切り欠き部50は、第1の画像形成手段41の横断面画像に表示された血管BVの位置に合わせるように移動できる。従って、例えば図10(A)に示すように、第1の画像形成手段41に表示された血管BVの例えば中心線CLが切り欠き部50にかかっておらず、穿刺し難くい状態であったとしても、図10(B)に示すように、切り欠き部50を含む筐体45をスライドさせて、血管BVの位置と切り欠き部50の位置とを合わせることができる。即ち、切り欠き部50と血管の中心線CLとがX方向に相違した距離SL分だけ、筐体45をX方向にスライドさせればよい。なお、血管BVの中心線CLは第1の画像形成手段41に表示されると、スライドすべき距離を把握し易いので好ましい。さらに好ましくは、図10(B)に示すように、筐体45をスライドさせた際、第1の画像形成手段41に表示された血管BVは、筐体45がスライドした距離SL分だけ、当該移動した方向と反対側に第1の画像形成手段41の画像の中で移動(図の一点鎖線の位置から実線の位置に移動)するとよい。
〔第1実施形態の第2変形例〕
図11及び図12は本発明の第1実施形態の第2変形例に係る血管穿刺用補助装置70であり、図11はその正面図、図12は図11の内部機構を省略したB−B断面図である。なお、これらの図では図2で示したベルトは省略して図示している。
これらの図において、図1ないし図10の血管穿刺用補助装置30,60と同一の符号を付した箇所は同様の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本第2変形例に係る血管穿刺用補助装置70が上述した実施形態及びその変形例に係る血管穿刺用補助装置30,60と異なるのは、主に筐体45の構造である。
すなわち、本第2変形例の筐体45は、第1の画像形成手段41が配置されている第1の筐体73と、切り欠き部50が形成されている第2の筐体74とを有し、第2の筐体74は第1の筐体73に対して、切り欠き部50が延びる方向Yと直交する方向Xにスライド可能となっている。具体的には、図12に示すように、第2の筐体74は第1の筐体73側の端面にX方向に長い溝部75を有している。また、第1の筐体73は第2の筐体74側の端面にX方向に長いレール76が突設されている。そして、溝部75の中でレール76がスライド可能に係合している。また、図11に示すように、表示制御部55(図7も参照)は第2の筐体74の中に収容されており、この表示制御部55と第1の画像形成手段41とは図のようにケーブル72を介して電気的に接続されるか、或いはWi−Fi Direct等の公知の無線通信技術を用いて無線での接続が可能となっている。
これにより、切り欠き部50は、第1の画像形成手段41に表示された血管BVの位置に合わせるように移動することができ、また、その移動の際、第1の画像形成手段41に表示された血管BVを画像的に移動させる必要もない。
〔第2実施形態〕
図13〜図15は本発明の第2実施形態に係る血管穿刺用補助装置80であり、図13は血管穿刺用補助装置80を患者(被術者)Pに装着して、シート部材82に画像を投射している図、図14はそのシート部材82に画像を表示した使用状態図、図15は血管穿刺用補助装置80の概略ブロック図である。なお、図13では投影装置83を支持するための脚部が省略して図示してある。
これらの図において、図1ないし図12の血管穿刺用補助装置30,60,70と同一の符号を付した箇所は同様の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本第2実施形態に係る血管穿刺用補助装置80が上述した実施形態及びその変形例に係る血管穿刺用補助装置30,60,70と異なるのは、主に画像形成手段の構成についてである。
すなわち、画像形成手段は、身体に隣接又は密着しているシート部材82に画像を直接投影する投影装置83からなる。
具体的には、図13及び図14に示すように、超音波プローブ31は縦断面形状が階段上ではなく、略矩形のパネル状になっている。そして、この超音波プローブ31の上面の略全面にシート部材82などが剥離自在な接着剤で貼付され、超音波プローブ31とシート部材82とは着脱自在になっている。
シート部材82は、薄いシート状の部材であり、投影装置83の画像が鮮明に投影される素材が好ましい。
そして、このシート部材82は穿刺手段である留置針21で穿刺して孔を開けることができ、かつ、生体適合性を有する素材から形成されている。生体適合性のある素材としては、生物医学用分解性ポリマーを利用することができ、例えば、天然ポリマー(セルロース、デンプン等)や、合成ポリマー(ポリグリコール酸又はその共重合体、ポリ乳酸又はその共重合体等)が利用できる。
投影装置83としては、所謂プロジェクターを利用でき、この際、シート部材82をカメラ(不図示)で撮像して3次元立体物データとして取り入れ、この3次元立体物データの形状に合うように血管の画像データを補正処理するプロジェクションマッピングを行ってもよい。これにより、シート部材82に可撓性を有する素材を用いて、患者の体形に密着させても、血管の形状を正確に投影することができる。また、このプロジェクションマッピングについては、複数のプロジェクターを用いて立体的表示を行うこともできる。なお、本実施形態の場合、図15に示すように、表示制御部55は超音波プローブ31のハウジング37に収容されており、表示制御部55と投影装置83とはインターフェースを介して(好ましくは、無線通信で)電気的に接続される。また、操作部46も超音波プローブ31側に配設されている。
本第2実施形態は以上のように構成されており、シート部材82は投影装置83により画像が投影されるため、第1実施形態と同様、手技者は、シート部材82の横断面画像の血管BVの位置及び延びる方向に従って穿刺をすれば、留置針21を血管BVに正確かつ迅速に穿刺できる。そして、このシート部材82は、留置針21による穿刺が可能な部材であるため、血管BVの画像がシート部材82上のどの位置に投影されていても、投影された血管BVの位置及び方向に合わせて、シート部材82の上から穿刺できる。しかも、この穿刺の際にシート部材82の欠片が身体に入ったとしても、シート部材82は生体適合性を有するため問題はない。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施形態では、超音波プローブ31は、電源部や集積回路が搭載された基板などの部品と同じハウジング37内に配設されて、これら部品と一体とされているが、本発明はこれに限られず、超音波プローブ31とその他の部品とを分離しても構わない。
また、上記実施形態では、画像形成手段40は超音波プローブ31からはみ出した余剰領域(上記実施形態では第2の画像形成手段42など)を有しているが、本発明では、画像形成手段40は超音波プローブ31の上だけに配置されていてもよい。
また、超音波プローブ31の上に配置された画像形成手段(上記実施形態では第1の画像形成手段41)には、横断面画像(穿刺する深さ方向と直交する方向の血管周辺領域の断面画像)が表示可能であれば、その他の画像が表示される構成でも構わず、例えば、横断面画像と縦断層画像(穿刺する深さ方向の血管周辺領域の断層画像)とを操作者の任意に切り替えられるようにしてもよい。
また、本第2実施形態では、画像形成手段である投影装置83によって画像を投影する媒体として、シート部材82を挙げたが、本実施形態はこれに限定されず、投影装置83により投影の可能なものあればよく、例えば、公知のプロジェクションマッピングの処理を行って、シート部材82を設けずに、直接、被術者の脚などに画像を投影しても良い。
1・・・体外循環装置、20・・・血管穿刺装置、21,22・・・穿刺手段(留置針)、30,60,70,80・・・血管穿刺用補助装置、31・・・超音波プローブ、40、83・・・画像形成手段、41・・・第1の画像形成手段、42・・・第2の画像形成手段(余剰領域)、46・・・メニュー表示エリア(余剰領域)、50・・・切り欠き部

Claims (8)

  1. 穿刺手段で穿刺しようとする被術者の血管周辺領域との間で超音波を送受信する超音波プローブと、前記超音波プローブの前記送受信に基づいた前記血管周辺領域に関する画像を表示する画像形成手段と、を備えた血管穿刺用補助装置であって、
    前記超音波プローブは、前記被術者の身体に対して位置決め可能とされており、
    前記画像形成手段は、前記穿刺する深さ方向と略直交する方向の前記血管周辺領域の断面画像である横断面画像を、前記身体に少なくとも隣接させて前記穿刺方向を案内するように表示する
    ことを特徴とする血管穿刺用補助装置。
  2. 前記画像形成手段は、前記横断面画像が表示された領域以外の領域である余剰領域を有するディスプレイであることを特徴とする請求項1に記載の血管穿刺用補助装置。
  3. 前記余剰領域は、前記超音波プローブの上に配置されておらず、かつ、前記横断面画像の血管の位置および血管が延びる方向に略対応して、長孔状の切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の血管穿刺用補助装置。
  4. 前記切り欠き部は、前記横断面画像の血管の位置に合わせるように移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の血管穿刺用補助装置。
  5. 前記超音波プローブと前記画像形成手段とは着脱自在であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の血管穿刺用補助装置。
  6. 前記画像形成手段は、前記穿刺手段に穿刺される生体適合性を有するシート部材に前記横断面画像を投影する投影装置からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の血管穿刺用補助装置。
  7. 前記超音波プローブと前記シート部材とは着脱自在であることを特徴とする請求項6に記載の血管穿刺用補助装置。
  8. 前記請求項1乃至7のいずれかの血管穿刺用補助装置と、
    体外循環装置のカニューレを挿入するための前記穿刺手段としての留置針と、
    を有し、
    前記画像形成手段は、カラードプラにより血流の方向情報を表示するようになっており、
    前記留置針は、前記穿刺方向を示す標識部を有する
    ことを特徴とする体外循環装置用の血管穿刺装置。

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