JP2016116405A - インバータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストアップすることなく簡素な構成でモータの消費電流を検出することが可能なインバータ装置を提供する。【解決手段】インバータ装置1は、直流電源Bから出力される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給する周波数変換部10と、直流電源Bと周波数変換部10とを接続する電源ライン200に直列に設けられたインダクタL、及び当該インダクタLの一対の端子La,Lbの夫々と接地電位Gとの間に設けられた一対のコンデンサC1,C2を有するフィルタ部20と、インダクタLの等価直列抵抗に基づいて、モータMの消費電流を推定する消費電流推定部30と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスモータを駆動するインバータ装置に関する。
従来、様々な装置の動力源としてブラシレスモータが利用されてきた。このブラシレスモータの駆動にはインバータ装置が用いられる。インバータ装置は、例えば電流センサ等によるブラシレスモータに流れる電流(所謂「モータ電流」)の検出結果に基づき、ブラシレスモータの駆動を制御する。このようなモータ電流を検出するのに利用できる技術として非特許文献1に記載のものがある。
非特許文献1に記載のハイサイド電流センス・アンプは、反転増幅端子と非反転増幅端子との夫々に、電源ラインに設けられたシャント抵抗の両端が接続され、シャント抵抗の端子間の電位差に応じた電流を出力する。この電流に基づいて電源ラインに流れる電流を検出している。
LINEAR TECHNOLOGY社、LT6107、[平成26年11月14日検索]、インターネット<URL:http://cds.linear.com/docs/en/datasheet/6107fb.pdf>
シャント抵抗は流れる電流に応じてジュール熱を発生する。このジュール熱を小さくするには、シャント抵抗の抵抗値が小さい程良い。一方、電流の検出精度を高めるためには、所期値(設計値)に対して抵抗値のバラツキが小さいものを用いる必要がある。このような高精度の低抵抗値のシャント抵抗は高価であるので、コストアップの要因となる。また、例えばインバータ装置のローサイドで電流検出を行う場合において、電流検出を精度良く行うためには、シャント抵抗を介してリターン電流が流れるプリント基板のグランドパターンと、他のグランドパターンとを分離する必要があり、基板サイズが大きくなってしまう。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、コストアップすることなく簡素な構成でモータの消費電流を検出することが可能なインバータ装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るインバータ装置の特徴構成は、直流電源から出力される直流電力を交流電力に変換してモータに供給する周波数変換部と、前記直流電源と前記周波数変換部とを接続する電源ラインに直列に設けられたインダクタ、及び前記インダクタの一対の端子の夫々と接地電位との間に設けられた一対のコンデンサを有するフィルタ部と、前記インダクタの等価直列抵抗に基づいて、前記モータの消費電流を推定する消費電流推定部と、を備えている点にある。
このような特徴構成とすれば、電流検出用のシャント抵抗を用いる必要がないので、低コストでモータの消費電流の検出を行うことができる。また、電流検出用に設けられるシャント抵抗での発熱をなくすことができるので、電力損失を低減できる。更には、シャント抵抗を実装するスペースを基板内に確保する必要がないので、基板も小型化できる。このように本特徴構成であれば、コストアップすることなく簡素な構成でモータの消費電流を検出することが可能なインバータ装置を実現できる。
また、直列に接続された抵抗器とコンデンサとからなる検出回路が前記インダクタと並列に接続され、前記検出回路の抵抗器及びコンデンサの夫々の定数は、前記検出回路の抵抗器及びコンデンサにより演算される時定数が前記インダクタのインダクタンス値及び前記等価直列抵抗の抵抗値により演算される時定数と一致するように設定され、前記消費電流推定部は、前記検出回路のコンデンサの端子間電圧に基づいて前記モータの消費電流を推定すると好適である。
このような構成とすれば、検出回路のコンデンサの端子間電圧を、インダクタの等価直列抵抗の両端に係る電位差と同じにすることができる。したがって、検出回路のコンデンサの端子間電圧を検出し、等価直列抵抗の抵抗値で除することにより、インバータの入力電流を検出することが可能となる。
また、前記検出回路のコンデンサは、前記検出回路の抵抗器よりも前記周波数変換部の側に配置されていると好適である。
このような構成とすれば、ノーマルモードノイズ除去に対する効果を大きくすることができるので、精度良くコンデンサの両端の電位差を検出することが可能となる。したがって、インバータ装置の入力電流を精度良く検出することが可能となる。
また、前記周波数変換部は複数のスイッチング素子を備えて構成され、前記消費電流推定部により推定された前記消費電流と、前記スイッチング素子の動作状態が切り替えられた際のサージ電流が流れる時間に基づいて演算された前記モータのコイルに流れていた電流との双方で前記消費電流を監視する監視部を備えると好適である。
スイッチング素子が導通状態の時にはモータのコイルにエネルギーが蓄えられ、スイッチング素子が遮断状態に切り替えられた時には、コイルに蓄えられたエネルギーがサージ電流として放出される。したがって、このサージ電流が流れる時間は、コイルに蓄えられたエネルギーに比例する。そこで、監視部は、サージ電流が流れる時間に基づいてモータのコイルからの電流を演算し、この演算結果と消費電流推定部により推定された消費電流とが合致していなければ、インバータ装置が異常な状態であることを特定することができる。また、例えばこのような異常な状態が発生していることを明示するようにすれば、ユーザにインバータ装置が異常であることを報知することも可能である。
インバータ装置を模式的に示した構成図である。 図1に示すインダクタを等価回路で表したフィルタ部の電気回路図である。 モータの各部(U相、V相、W相)の電圧、電流及びサージ電流を示すグラフである。
本発明に係るインバータ装置は、簡素な構成でモータの消費電流を測定する機能を備えて構成される。以下、本実施形態のインバータ装置1について説明する。本実施形態では、インバータ装置1は、例えば、車両に搭載されるポンプPを駆動するモータMの運転を制御するのに利用される。ポンプPは、油圧で制御される油圧駆動装置にオイルを流通させるオイルポンプや、車両に搭載される装置(例えばハイブリッド車両の駆動用モータの運転を制御するインバータ装置)を冷却する冷媒を流通させるウォーターポンプが相当する。
図1は、本実施形態に係るインバータ装置1を模式的に示した構成図である。図1に示されるように、インバータ装置1は、周波数変換部10、フィルタ部20、消費電流推定部30、監視部40、検出回路50を備えて構成される。特に、消費電流推定部30及び監視部40は、モータMの消費電流の測定に係る種々の処理を行うために、CPUを中核部材としてハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
周波数変換部10は、直流電源Bから出力される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給する。直流電源Bは、直流電圧及び直流電流からなる直流電力を出力し、車両に搭載される所謂バッテリが相当する。周波数変換部10は、直流電源BとポンプPを駆動するモータMとの間に接続される。モータMは、本実施形態では3相モータが用いられ、永久磁石を備えるロータと、当該ロータに回転力を与えるための磁界を発生させるステータとを備えて構成される。ステータは、U相、V相、W相の3相のコイル(以下「ステータコイル」とする)SCを備える。各ステータコイルSCは、スター結線であってもデルタ結線であっても良い。図1にはデルタ結線の例が示される。周波数変換部10はこのようなモータMを制御対象とする。
周波数変換部10は、複数のスイッチング素子Qを備えて構成される。本実施形態では、スイッチング素子Qとして、直流電源Bの正端子側に接続されたハイサイドのトランジスタQ1、Q3、Q5と、直流電源Bの負端子側に接続されたローサイドのトランジスタQ2、Q4、Q6と、の合計6つのトランジスタQ1〜Q6が用いられる。特に限定されるわけではないが、図1ではハイサイドのトランジスタQ1、Q3、Q5にはP型MOS−FET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)が用いられ、ローサイドのトランジスタQ2、Q4、Q6にはN型MOS−FETが用いられる。
例えば、トランジスタQ1及びトランジスタQ4のみを同時にオンさせると、直流電源BからトランジスタQ1、モータMのステータコイルSCのうちのステータコイルSC1、トランジスタQ4に電流が流れる。一方、トランジスタQ3及びトランジスタQ2のみを同時にオンさせると、直流電源BからトランジスタQ3、前記ステータコイルSC1、トランジスタQ2に電流が流れる。このように、周波数変換部10は、スイッチング素子Qを順次、切り替えて駆動することにより、直流電源Bの直流電力を交流電力に変換する。
また、トランジスタQ1及びトランジスタQ4のみをオンさせた場合と、トランジスタQ3及びトランジスタQ2のみをオンさせた場合とでは、ステータコイルSC1に流れる電流の方向が異なる。このため、夫々の場合でステータコイルSC1に働く電磁力の方向が異なることになり、当該電磁力とロータが備える永久磁石との間で引力又は斥力が発生することとなる。このように、トランジスタQ1〜Q6の中から選択されたハイサイドのトランジスタとローサイドのトランジスタとで形成される上下対トランジスタを順次オンさせることにより、ロータが回転力を得ることができる。トランジスタQ1〜Q6は、PWM制御部15により所定のデューティ比でPWM制御される。PWM制御とは、公知のパルス幅変調(pulse width modulation)制御であるので説明は省略する。
尚、トランジスタQ1、Q3、Q5には、ソース端子にカソード端子が接続され、ドレイン端子にアノード端子が接続されるように夫々ダイオードD1、D3、D5が配設されている。また、トランジスタQ2、Q4、Q6には、ドレイン端子にカソード端子が接続され、ソース端子にアノード端子が接続されるように夫々ダイオードD2、D4、D6が配設されている。ここで、各ステータコイルSCには、通電中にエネルギーが蓄えられるが、これらのダイオードD1〜D6は各ステータコイルSCの通電を停止した際に当該エネルギーに起因して発生する逆起電力によって周辺部品に悪影響を及ぼさないようにするために配設されるものである。
フィルタ部20は、インダクタLと一対のコンデンサC1,C2とを備えて構成される。インダクタLは、直流電源Bと周波数変換部10とを接続する電源ライン200に直列に設けられる。すなわち、インダクタLは、直流電源Bの正端子と、トランジスタQ1,Q3,Q5のソース端子との間に設けられる。したがって、周波数変換部10には、直流電源Bからの直流電力がインダクタLを介して供給される。
一対のコンデンサC1,C2の夫々は、インダクタLの一対の端子La,Lbの夫々と接地電位Gとの間に設けられる。すなわち、インダクタLが有する端子La,Lbのうち、直流電源Bに接続される側の端子Laと、接地電位Gとの間に一対のコンデンサC1,C2のうちの一方のコンデンサC1が配置され、インダクタLが有する端子La,Lbのうち、周波数変換部10に接続される側の端子Lbと、接地電位Gとの間に一対のコンデンサC1,C2のうちの他方のコンデンサC2が配置される。したがって、フィルタ部20は、所謂π型フィルタとして構成される。
消費電流推定部30は、インダクタLの等価直列抵抗に基づいて、モータMの消費電流を推定する。インダクタLは電線を巻き回して形成されるので、所定の抵抗値を有する。このようなインダクタLは、抵抗分がゼロである純インダクタと、巻線の抵抗分からなる抵抗との直列回路と等価となる。この巻線の抵抗分からなる抵抗が、上述した等価直列抵抗に相当する。
図2には、このようなインダクタLを等価回路で表した電気回路図が示される。図2に示されるように、インダクタLは、純インダクタL1と、等価直列抵抗R1とで示すことができる。また、コンデンサC1,C2も夫々、等価直列抵抗を有するので、図2において示されている。
ここで、モータMの消費電流は、各部品における損失を無視すると直流電源Bの出力電流に略一致する。そこで本実施形態では、消費電流推定部30はフィルタ部20のインダクタLに流れる電流により消費電流を測定する。しかしながら、インダクタLに流れる電流や等価直列抵抗R1の端子間電圧は直接測定することができない。そこで、図2に示されるように、インダクタLに対して並列に接続して検出回路50が設けられる。
検出回路50は、抵抗器R2とコンデンサC3とが直列に接続して構成される。検出回路50の抵抗器R2及びコンデンサC3の夫々の定数は、検出回路50の抵抗器R2及びコンデンサC3により演算される時定数が、インダクタLのインダクタンス値及び等価直列抵抗R1の抵抗値により演算される時定数と一致するように設定される。検出回路50の抵抗器R2及びコンデンサC3により演算される時定数とは、コンデンサC3の定数と抵抗器R2の定数の積である。また、インダクタLのインダクタンス値及び等価直列抵抗R1の抵抗値により演算される時定数とは、インダクタL(純インダクタL1)の定数を等価直列抵抗R1の定数で除した値である。したがって、抵抗器R2及びコンデンサC3の夫々の定数は、C3×R2=L1/R1が成立するように設定される。
以下、その理由について説明する。
上述したように、インダクタLの等価直列抵抗R1の端子間電圧は直接計測することができない。このため、インダクタLを伝達関数化し、更に逆伝達関数を求めれば電流推定が可能となる。しかしながら、例えば制御部(図示しない)に、このような演算を行わせるには搬送周波数の100倍程度(0.1μ秒程度)でのサンプリングが必要となる。このような計器を車両に搭載することはコスト面から現実的ではないので、逆伝達関数となる検出回路50を付加して実現するようにした。
インダクタLの端子間電圧eは、以下の(1)式で示される。
Figure 2016116405
(1)式より、インダクタLに流れる電流iは、(2)式で示される。
Figure 2016116405
入力をe、出力をiとして伝達関数G1(s)は、(3)式となる。
Figure 2016116405
(3)式の分子及び分母をR1で除すると、(4)式が得られる。
Figure 2016116405
一方、CR積分回路ではインダクタLの端子間電圧e(「e1」とする)を入力とし、コンデンサC3の端子間電圧をe2とすると、伝達関数G2(s)は、(5)式を得る。
Figure 2016116405
(4)式と(5)式とで時定数を等しくするには、(6)式を具備する必要がある。
Figure 2016116405
例えば、インダクタL(純インダクタL1)のインダクタンス値が15μH、等価直列抵抗R1の抵抗値が10mΩの場合、(6)式の左辺は0.0015となる。よって、(6)の右辺も0.0015とすれば良い。インダクタLに対して検出回路50に流れる電流を十分小さくするために、抵抗器R2の抵抗値が等価直列抵抗R1の抵抗値の10万倍程度にすると、抵抗器R2の抵抗値は1kΩとなる。よって、コンデンサC3の容量は1.5μFとなる。
インダクタLに流れる電流を10Aとすると、インダクタLでの電圧降下は0.1Vとなる。インダクタLの等価直列抵抗R1と検出回路50の抵抗器R2との抵抗比が1:100000であるので、インダクタLに流れる電流と検出回路50に流れる電流の電流比は100000:1になり、検出回路50に流れる電流は0.1mAとなる。この電流によりコンデンサC3が充電されると、コンデンサC3の端子間電圧は等価直列抵抗R1の端子間電圧と等しくなる。よって、消費電流推定部30は検出回路50のコンデンサC3の端子間電圧に基づいて等価直列抵抗R1の端子間電圧を測定することができ、これを等価直列抵抗R1で除すれば、モータMの消費電流を推定することが可能となる。
なお、検出回路50に流れる電流はインダクタLに流れる電流よりも十分小さければ良いので、インダクタLの等価直列抵抗R1と検出回路50の抵抗器R2との抵抗比を1:1000000としても良く、この場合には抵抗器R2の抵抗値は10kΩとなり、コンデンサC3の定数は0.15μFとなる。もちろん、抵抗器R2とコンデンサC3との夫々の定数は他の値で設定することは可能である。
ここで、抵抗率をρ、導体の長さをl、断面積をSとすると、抵抗値Rは(7)式で示される。
Figure 2016116405
抵抗率ρは(8)式のように温度依存性を示す。ただし、ρ0は0℃での抵抗率であり、αは温度係数、tは温度である。
Figure 2016116405
温度係数αが正の値である材料を用いて抵抗器を設定すれば、温度が上昇すれば抵抗値も大きくなる。車両への搭載を考慮した場合、エンジン等の運転に応じて環境温度の上昇が考えられるので、過電流を検出する場合には、高温時に抵抗が大きくなるので検出し易くできる。
ここで、検出回路50のコンデンサC3は、検出回路50の抵抗器R2よりも周波数変換部10の側に配置すると良い。このような構成とすれば、同相ノイズ除去に対する効果を大きくすることができるので、精度良くコンデンサC3の両端の電位差を検出することが可能となる。したがって、インバータ装置1の入力電流を精度良く算出することが可能となる。
図1に戻り、監視部40は、消費電流推定部30により推定された消費電流と、スイッチング素子Qの動作状態が切り替えられた際のサージ電流が流れる時間に基づいて演算されたモータMのステータコイルSCに流れていた電流との双方で消費電流を監視する。消費電流推定部30により推定された消費電流とは、本実施形態では上述の検出回路50に基づいて検出された消費電流である。スイッチング素子Qの動作状態とは、スイッチング素子QがPWM制御により駆動され、相切り替えが行われた状態である。今回の回路ではローサイドのスイッチング素子Qが切り替えられ際には、モータMのステータコイルSCに蓄えられたエネルギーが放出される。この時に生じる電流がサージ電流にあたる。
図3に示されるように、スイッチング素子Qがオン状態からオフ状態に切り替わった後には、サージ電流が生じる。この時、ダイオードDに順方向電流が流れる。この時、電圧波形はダイオードDの順方向電圧Vfだけ基準電圧より低下する。よって、監視部40は、このモータ電圧が基準電圧よりも順方向電圧Vfだけ低下している時間Tdonを検出する。
インダクタLに生じる電圧Vbと電流Iは、(9)式の関係がある。
Figure 2016116405
ここで、Vbは直流電源Bの出力電圧であり、LはモータMのステータコイルSCのインダクタンス値である。また、Tdonは上述の通り監視部40により検出される。(9)式より(19)式が得られる。
Figure 2016116405
図3の例では、Vbが12V、Tdonが0.364m秒である。また、この時用いられたモータMのステータコイルSCのインダクタンス値は445μHである。これらを(10)式に代入して演算すると、電流Iは9.8Aとなる。監視部40は、このように得られた電流Iと、消費電流推定部30により推定された電流とを比較する。本実施形態では、消費電流推定部30により推定された電流が10Aだったので、両者は略一致する。よって、監視部40は、インバータ装置1に故障が発生していないと判断することが可能となる。両者の差異が著しく大きい場合(例えば±10%以上の差異がある場合)には、監視部40はインバータ装置1が故障していると判定する。監視部40は、このようにしてインバータ装置1の状態を監視する。
ここで、消費電流推定部30により推定された電流(10A)と、(10)式により演算して求めた電流(9.8A)とが正しいか否かを確認するために、本発明者によりインバータ装置1への入力電流が測定された。その結果が、図3の最下段にサージ電流として示される。この図に示されるように、サージ電流が生じた後の電流は10.5A程度である。よって、消費電流推定部30により推定された電流(10A)と、(10)式により演算して求めた電流(9.8A)とが正しいことが確認された。
なお、上述した消費電流推定部30により消費電流の推定を行う場合や、監視部40によりサージ電流が流れている時の時間に基づき電流の推定を行う場合には、推定結果の精度を向上するために、PWM制御におけるDUTYを100%に設定して行うと良い。
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、検出回路50のコンデンサC3は、検出回路50の抵抗器R2よりも周波数変換部10の側に配置されているとして説明したが、検出回路50のコンデンサC3は、検出回路50の抵抗器R2よりも直流電源Bの側に配置しても良い。
上記実施形態では、監視部40が消費電流推定部30により推定された消費電流と、スイッチング素子Qの動作状態が切り替えられた際に生じるサージ電流との双方で消費電流を監視するとして説明したが、監視部40を備えずにインバータ装置1を構成することも可能である。
上記実施形態では、トランジスタQ1〜Q6がMOS−FETを用いて構成されるとして説明したが、バイポーラトランジスタを用いて構成することも可能であるし、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いて構成することも可能である。また、トランジスタQ1〜Q6を、全てN型のものを用いて構成しても良いし、全てP型のものを用いて構成しても良い。
本発明は、ブラシレスモータを駆動するインバータ装置に用いることが可能である。
1:インバータ装置
10:周波数変換部
20:フィルタ部
30:消費電流推定部
40:監視部
50:検出回路
200:電源ライン
B:直流電源
C1:コンデンサ
C2:コンデンサ
C3:コンデンサ
G:接地電位
L:インダクタ
La:端子
Lb:端子
M:モータ
Q:スイッチング素子
R1:等価直列抵抗
R2:抵抗器
SC:ステータコイル(モータのコイル)

Claims (4)

  1. 直流電源から出力される直流電力を交流電力に変換してモータに供給する周波数変換部と、
    前記直流電源と前記周波数変換部とを接続する電源ラインに直列に設けられたインダクタ、及び前記インダクタの一対の端子の夫々と接地電位との間に設けられた一対のコンデンサを有するフィルタ部と、
    前記インダクタの等価直列抵抗に基づいて、前記モータの消費電流を推定する消費電流推定部と、
    を備えたインバータ装置。
  2. 直列に接続された抵抗器とコンデンサとからなる検出回路が前記インダクタと並列に接続され、
    前記検出回路の抵抗器及びコンデンサの夫々の定数は、前記検出回路の抵抗器及びコンデンサにより演算される時定数が前記インダクタのインダクタンス値及び前記等価直列抵抗の抵抗値により演算される時定数と一致するように設定され、
    前記消費電流推定部は、前記検出回路のコンデンサの端子間電圧に基づいて前記モータの消費電流を推定する請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記検出回路のコンデンサは、前記検出回路の抵抗器よりも前記周波数変換部の側に配置されている請求項2に記載のインバータ装置。
  4. 前記周波数変換部は複数のスイッチング素子を備えて構成され、
    前記消費電流推定部により推定された前記消費電流と、前記スイッチング素子の動作状態が切り替えられた際のサージ電流が流れる時間に基づいて演算された前記モータのコイルに流れていた電流との双方で前記消費電流を監視する監視部を備える請求項1から3のいずれか一項に記載のインバータ装置。
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