JP2016114701A - 映写用スクリーン - Google Patents

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Masaru Kanazawa
勝 金澤
吉藏 東田
Yoshizo Higashida
吉藏 東田
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Abstract

【課題】超高精細映像システムに適した映写用スクリーンを提供する。【解決手段】音響透過用の穴11bが形成されている音響透過型の映写用スクリーンであって、繊維を経編した経編生地からなり、音響透過用の穴11bのピッチh1,h2がスーパーハイビジョンで使用されるプロジェクタの画素サイズ以下である。ここで、前記繊維は、フィラメント糸を合成したマルチフィラメント糸であるのが好ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、スーパーハイビジョン対応のプロジェクタから照射された映像を映し出す映写用スクリーンに関し、特に、背面に設置されたスピーカから出力される音を透過する音響透過型の映写用スクリーンに関する。
従来、スピーカから出力される音の透過率を高めた音響透過型の映写用スクリーンが知られている。この技術を使えば、スクリーンの背後にスピーカを配置することができるので、居住空間の混雑を解消することが可能である。音の透過率を高める手段として、レーザー加工によりスクリーンに微小の穴をあけたものや、平織物などのようにスクリーンの組織(パターン形状)を工夫したものが知られている(特許文献1参照)。
一方、スーパーハイビジョンや4Kデジタルシネマなどの超高精細映像システムの進展に伴い、この超高精細映像をスクリーンに表示するプロジェクタの開発が進められている。このスーパーハイビジョンなどに対応するプロジェクタを用いた場合、スクリーン表面には微細な画素映像(微細な画素構造)が投影されることになる。
例えば、パブリックビューイングなどで多く用いられる「300インチスクリーン(6641×3736)」を想定する。スーパーハイビジョンの映像(「7680×4320」画素)を300インチスクリーンに投影した場合、スクリーン上での画素サイズは「0.86mm」となる。なお、現在使用されているプロジェクタは、e-shift方式(特許文献2参照)を採用している場合がある。このe-shift方式は、1フレーム期間単位で投影する画素の位置を0.5画素分だけ斜め方向に動かすことにより、画素数4K(「3840×2160」画素)でありながら等価的に8K解像度を実現できる。この場合、スクリーン上での画素サイズは「1.73mm」となる。また、番組制作現場(映像の編集室や音響のダビングスタジオなど)などで用いられる「200インチスクリーン」を想定すると、同様にe-shift方式のプロジェクタを用いることで、スクリーン上での画素サイズは「1.15mm」となる。
特開2000−010193号公報 特許第5538093号公報
金澤勝など、「超高精細音響透過スクリーン開発とモアレ評価」、映像情報メディア学会技術報告、映像情報メディア学会、2014年2月、Vol38,No.6、p.17-p.20
しかしながら、スーパーハイビジョンなどの超高精細映像システムに対応するプロジェクタを用いて音響透過型の映写用スクリーンに映像を投影した場合に、微細な画素構造と音響透過用の穴とが干渉することによるモアレ(木目模様)が発生するという問題があった。モアレが発生すると画質が劣化するので、映写用スクリーンとしては望ましくない。
この点について、音響透過用の穴のピッチ(穴と穴の間隔)が画素サイズの80%よりも小さければ、モアレが目立ちにくいという報告がある(非特許文献1参照)。この報告によれば、前記説明した200インチスクリーンを想定した場合、音響透過用の穴のピッチを「0.92mm」以下にする必要がある。しかし、現状では音響透過用の穴のピッチが「2〜3mm」と大きく、この様に小さな穴のピッチを持つスクリーンは未だ開発されていない。
一方、スクリーンの組織(パターン形状)を工夫することで、音響透過用の穴のピッチをモアレの影響が少ない値にすることが考えられている。現在、スクリーンとして、ポリエステル繊維またはガラス繊維からなる平織組織の織物に、塩化ビニルフィルムをラミネートしたものが使用されている。また、その光学的性能を向上させるため、その反射面にアルミニウム粉末、その他の金属粉末、又は様々な粒径のガラスビーズを吹き付け等で塗装し、又、裏面からの光の透過を遮る目的で裏面に黒色塩化ビニルフィルムをラミネートしたもの等も知られている。
しかし、前記した平織組織のスクリーンには、別の問題がある。すなわち、平織組織のスクリーンでは、経糸及び緯糸が一本交互に浮き沈みして交差し、経糸と緯糸の交差点が密にかつ規則的に織目模様として織物表面に現われる。この規則的な織目模様は、上記のラミネート後も織物表面に浮き出てしまう。そして、この平織組織のスクリーンに映像を投影した場合に、この織目模様が投射された画像と干渉してモアレが発生するという問題があった。
このように、現状では、レーザー加工によって音響透過用の穴を作成したスクリーンや平織組織のスクリーンでは、超高精細映像システムによる鮮明な映像を維持することが難しかった。なお、平織組織以外のスクリーンの開発も進められているが、超高精細映像システムによる優れた映像特性と音響特性とを高い次元で両立するものは未だに存在していない。その為、超高精細映像システムに適した音響透過型の映写用スクリーンの開発が強く望まれている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであって、超高精細映像システムに適した映写用スクリーンを提供することを課題とする。
本発明者は、経編生地を用いることで精細でしかも均一なピッチの穴を実現可能であることを見出し、超高精細映像システムに適した映写用スクリーンを発明するに至った。
前記課題を解決するために本発明の一態様による映写用スクリーンは、音響透過用の穴が形成されている音響透過型の映写用スクリーンであって、繊維を経編した経編生地からなり、前記穴のピッチがスーパーハイビジョンで使用されるプロジェクタの画素サイズ以下である。
このような構成を備える映写用スクリーンには、スーパーハイビジョンで使用されるプロジェクタの画素サイズ(前記した「200インチスクリーン」であれば「1.15mm」)以下の高精細なピッチ(例えば、「0.92mm」以下)で音響透過用の穴が形成されている。また、この映写用スクリーンは、経編生地からなるので、経糸及び緯糸が一本交互に浮き沈みして交差していないので、織目模様が表面に現われることがない。
また、本発明の一態様による映写用スクリーンは、前記繊維が、フィラメント糸を合成したマルチフィラメント糸である。
このような構成を備える映写用スクリーンは、マルチフィラメント糸により表面に微妙な凹凸面が形成されるので、映写用スクリーンに投影された光が観視者の方向(前方)に乱反射する。
また、本発明の一態様による映写用スクリーンは、前記経編生地の裏面に微小金属が付着している。
このような構成を備える映写用スクリーンは、投影された光が経編生地(音響透過用の穴)を通じて裏側に抜けた後に遮蔽物に当たって返ってくる光を、この微小金属で再反射することができる。また、この微小金属でスクリーンの裏面を覆うことで、その摩擦抵抗が小さくなり、音響の通過性が良くなる。
また、本発明の一態様による映写用スクリーンは、前記繊維に前記経編生地の重量に対して0.5〜10パーセントの白色顔料が付着している。
このような構成を備える映写用スクリーンは、光の透過が防がれるので反射光が増す。
本発明の一態様によれば、高精細なピッチ(例えば、「0.92mm」以下)で音響透過用の穴が形成されているので、微細な画素構造と干渉することがない。その為、モアレの発生を抑制することができる。また、織目模様が表面に現われることがないので、スクリーンの組織とプロジェクタから投射された画像とが干渉してモアレを発生することもない。
また、本発明の一態様によれば、映写用スクリーンに投影された光が観視者の方向(前方)に乱反射するので、広い視野角が得られる。
また、本発明の一態様によれば、裏側に抜けた後に遮蔽物に当たって返ってくる光を、微小金属で再反射することができる。その為、このスクリーン裏面から反射した光とプロジェクタから投影された光とが干渉しあうことにより発生するモアレを防止することができる。また、その摩擦抵抗が小さくなり音響の通過性が良くなるので、スクリーンの背面に設置したスピーカから出る音が効果的に音響透過用の穴から表面に出る。その為、非常に音響効果が高い。
また、本発明の一態様によれば、反射光が増すので、より鮮明な映像になる。
本発明の実施形態に係る映写用スクリーンを用いた音響映像システムの全体構成を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る映写用スクリーンの概略縦断面図である。 実施例に係る経編生地の拡大図である。 実施例に係る映写用スクリーンの反射効果を示すグラフである。 実施例に係る映写用スクリーンの音響透過損失を示すグラフである。 実施例に係る映写用スクリーンの斜め測定での音圧レベルを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、参照する図面における寸法は、説明を明確にするために誇張して表現されている場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
≪実施形態に係る映写用スクリーンを用いた音響映像システムの構成≫
図1を参照して、本実施形態に係る映写用スクリーンを用いた音響映像システムの構成を説明する。音響映像システムSは、スクリーン装置1と、スクリーン装置1から一定の距離をおいた前方に配置されるプロジェクタ2と、スクリーン装置1の背後(後方すぐ近く)に配置されるスピーカ3とを備えて構成されている。
プロジェクタ2は、超高精細映像をスクリーン装置1に投影する装置である。ここでのプロジェクタ2は、e-shift方式を採用したものを想定しているので、1フレーム期間単位で投影する画素の位置を0.5画素分だけ斜め方向に動かすことにより、画素数4K(「3840×2160」画素)でありながら等価的に8K解像度を実現できる。その為、200インチスクリーンに投影した場合に、スクリーン上での画素サイズは「1.15mm」となる。
スピーカ3は、音を発生させる装置である。スピーカ3から発生した音は、スクリーン装置1を通過して、スクリーン装置1の前方にいる観視者に到達する。
スクリーン装置1は、プロジェクタ2から照射された映像を映し出すものである。スクリーン装置1は、プロジェクタ2からの映像が投影される映写用スクリーン10と、映写用スクリーン10を収容可能な収容部20とを備えている。収容部20は、部屋の天井に固定されており、映写用スクリーン10を巻回する図示しないローラパイプを内部に収容している。駆動機構を用いてこのローラパイプ回転させることで、映写用スクリーン10を巻き下したり巻き上げたりする。
映写用スクリーン10は、プロジェクタ2から照射される光を前方へ散乱させるものである。図2を参照して、映写用スクリーン10の構成について説明する。映写用スクリーン10は、フィラメント糸(繊維糸)を編み込んだスクリーン生地11と、スクリーン生地11の表面に形成される表面部12と、スクリーン生地11の裏面に形成される裏面部13とからなる。
スクリーン生地11は、経編生地からなる。ここで、スクリーン生地11の組織は、微細な画素映像を投影することができる仕上密度を実現可能なものであれば特に限定されるものではない。スクリーン生地11は、経編生地からなることで、編地としての縦と横の強伸な特性に優れ、またドレープ性に優れているので形態安定性がある。
また、スクリーン生地11は、経編生地からなることで、各繊維の間に音響透過用の穴が形成されている。音響透過用の穴のピッチ(穴と穴の間隔)は、スーパーハイビジョンで使用されるプロジェクタの画素サイズ以下でなければならない。例えば、200インチスクリーンの場合には、スーパーハイビジョンで使用されるプロジェクタの画素サイズ「1.15mm」以下の高精細なピッチ(例えば、「0.92mm」以下)で音響透過用の穴が形成され、全体では「4800×2700」個以上の穴を設置する必要がある。
スクリーン生地11の厚さは、組織、使用繊維の太さ、編機のゲージなどによって異なってくるが、厚さを「0.55mm」程度にするとよい。厚さが過大になると、プロジェクタ2からの光の吸収損失が増大するので好ましくない。
スクリーン生地11に使用される繊維は、光沢と透明感がセミダル以上、好ましくはフルダル相当のダル繊維を用いるのがよい。このダル繊維は、例えば、熱可塑性合成繊維の紡糸原液に酸化チタンを混入することによって得られ、酸化チタンの添加量によってセミダル系ないしフルダル系を得ることができる。また、スクリーン生地11に使用される繊維は、フィラメント糸の集合体であるマルチフィラメント糸(合成繊維)を用いることが好ましい。これにより、スクリーン生地11の表面に微妙な凹凸面が形成されるので、映写用スクリーン10に投影された光が観視者の方向(前方)に乱反射する。
表面部12は、画像投射面(反射面)の光沢度を抑え、光の拡散反射率を向上し、透過損失を一層少なくするためのものである。表面部12は、フルダル系の繊維を用いた場合でも、まだ光沢があり、画像投射面にギラツキが発生する場合に形成するのがよい。表面部12は、例えば、繊維表面を更にダル化するために、スクリーン生地11を白色顔料で後処理することによって、繊維表面に粒子の異なる白色顔料が付着することで形成される。表面部12によって光の透過が防がれ、その結果どの位置からも同じ映像が見える。その為、広い視野角が得られ、また、反射光が増すことでゲインが高められるので、シャープな映像を全方向から見ることが可能となる。
表面部12に使用する白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、カオリン等の白色無機物を用いることができるが、特に酸化チタンが最適である。通常、これらの白色顔料は、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の樹脂液中に固型分として20%〜40%配合した上でスクリーン生地11に付着される。
白色顔料の供給方法としては、一般にコーティング及び含浸方法が用いられるが、コーティングによる方法では繊維表面に樹脂皮膜層が形成されるため、光の拡散性が少なくなり、テリやギラツキが発生し易い。また、音響を遮る点で不適である。これに対して、含浸加工による方法は、酸化チタンやその他の白色顔料を均一に付与することができるので、編地表面に形成する樹脂皮膜も少なく、テリやギラツキ感も無い。更に、スクリーン後方に設置されるスピーカ3からの音響に対する遮音性も少ない。なお、上記白色顔料の付着量は、0.5%〜10%程度が好ましく、0.4%以下ではダル化効果が不足し、反対に11%以上では効果が飽和するので不経済である。
裏面部13は、映写用スクリーン10を通過し、映写用スクリーン10の裏側にある遮蔽物(スピーカ3や図示しない壁部)に当って反射してきた光を、表面に出さずに遮蔽物側に再反射するものである。裏面部13は、スクリーン生地11の裏面を光沢性のある微小金属で覆うことにより形成されている。この微小金属の付与方法としては、蒸着による方法、または、スパッタリングによる方法が適している。使用される金属としては、アルミニウム、ステンレス等の光沢のある金属がより効果的である。
プロジェクタ2から照射された光は、映写用スクリーン10の表面(反射面)に当たり、映写用スクリーン10の微細な凹凸面によって、観視者の方向(前方)に乱反射する。また、プロジェクタ2から照射された光の一部は、スクリーン生地11に形成された微小な穴を通過して、映写用スクリーン10の裏側に到達する。穴を通過したこの光は、裏側にある遮蔽物(スピーカ3や図示しない壁部)に当り、再び穴を通過してスクリーン表面に戻ることがある。このスクリーン裏面から反射した光と、プロジェクタ2から投影された光が干渉しあうと、モアレが発生して画質が劣化する。このモアレの発生は、プロジェクタ2からの光と、それがスクリーン裏で反射する成分との干渉であり、映写用スクリーン10の穴のピッチには関係しない。つまり、前記説明した映写用スクリーン10の穴のピッチに関連するモアレの発生とはことなる原因で発生するモアレである。裏面部13が形成されることで、スクリーン裏で反射する成分との干渉によるモアレによる画質の劣化を防止することができる。さらに、この微小金属でスクリーン裏面を覆うことで、その摩擦抵抗が小さくなり、音響の通過性が良くなる。その為、裏面部13が形成されることで、スクリーン裏側に設置したスピーカ2から出る音が非常に効果的にスクリーン表面から出て来ることが確かめられている。
≪実施形態に係る映写用スクリーンの製造方法≫
以下、映写用スクリーン10の製造方法について図1および図2を参照して説明する。
最初に、ダル系のマルチフィラメント糸(繊維)を経編することで、スクリーン生地11を形成する。このスクリーン生地11は、各繊維の隙間に音響透過用の穴が形成されている。この音響透過用の穴のピッチは、スーパーハイビジョンで使用されるプロジェクタの画素サイズ以下でなければならない。
続いて、このスクリーン生地11を精錬して不純物を除き、ヒートセットした後に、スパッタリング機を用いて、このスクリーン生地11の裏面をステンレスの微小金属で被覆する。これにより、裏面部13が形成される。
その後、白色顔料の酸化チタンを含む液の中にスクリーン生地11を浸漬した後、マングルで絞り、乾燥機で乾燥セットする。なお、同時に防炎加工等を実施することも可能である。これにより、表面部12が形成され、映写用スクリーン10が完成する。
この工程により得られた映写用スクリーン10は、経編されていることで、その表面に音響透過用の穴が均一に並んでいる。また、マルチフィラメント糸を使用しているので、生地の表面が微妙な凹凸感を呈している。また、ダル繊維を使い顔料加工されたスクリーン生地11の表面は光沢がなく、落ちついたダル感の強い表面を持ったスクリーンとなる。なお、裏面はその表面がステンレス金属で覆われている為、グレーの光沢のある面を持っている。この金属の色相が表面迄影響しない様な組織と厚さを持ったスクリーン生地11とすることが重要である。
実施例に係る映写用スクリーンについて説明する。実施例に係る映写用スクリーン10は、筬数3Bの経編機(28ゲージ)を用いて、ポリエステルのフルダルマルチフィラメント(110T/48 フィラメント)をクインズ組織(クインズ編)してスクリーン生地11(編地)を編成した。出来上がったスクリーン生地11(編地)は、表1に示すものであった。なお、表1の幅密度30とは図3の縦方向の糸が1インチ当たり30本の密度であることを意味し、縦密度40とは図3の横方向の糸が1インチ当たり40本の密度であることを意味する。
出来上がったスクリーン生地11(編地)の拡大図を図3に示す。図3に示すスクリーン生地11は、各繊維11aの間に音響透過用の穴11bが縦方向および横方向に対して均一に並んで形成されている。音響透過用の穴11bのサイズは、どれもほぼ同じ大きさであり、狭い場所の幅は「0.15mm」程度であり、広い場所の幅は「0.25mm」程度であった。また、音響透過用の穴11bの横方向のピッチh1が「0.8mm」程度であり、縦方向のピッチh2が「0.75mm」程度であった。この音響透過用の穴11bのピッチh1,h2は、200インチの音響透過型の映写スクリーンを想定した場合に、モアレを目立たなくするために必要なピッチ「0.92mm」以下であるのが分かる。
このスクリーン生地11を精錬し不純物を除いた後、ヒートセットした。その後、スクリーン生地11の裏面にスパッタリング機を用いて、ステンレス金属をスパッタリング加工した。出来上がったスクリーン生地11は、裏面がステンレスの微小金属で覆われたシート状物であった。
さらに、白色ペースト状顔料を含む処理液で出来上がったスクリーン生地11の含浸加工を実施した。具体的には、白色ペースト状顔料として、酸化チタンおよびポリエステル樹脂の20/80の混合物を用意し、溶媒に水を用い、この白色ペースト状顔料20%、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂5%、メラミン樹脂3%、からなる処理液を作成した。そして、この処理液中に出来上がったスクリーン生地11を浸漬し、マングルで絞り率80%に絞り、乾燥、熱処理することで、白色顔料(酸化チタン)付着量が4%である映写用スクリーン10を製造した。
この工程により作成した実施例に係る映写用スクリーン10に対し、プロジェクタ2からスーパーハイビジョンの映像を投影したところ、モアレの発生もなく、従来の織物を使用した映写用スクリーンに比べて映像が鮮明であった。
また、上記実施例の映写用スクリーン10について、ピークゲイン及び視野角の関係を測定し、反射光の「gin(ゲイン、投射光量に対する反射光量の関係値)」を縦軸にとり、「Viewing angle(反射角、視野角)」を横軸にとって反射特性曲線を作成したところ、図4に示す結果が得られた。すなわち、実施例の映写用スクリーン10は、反射光が広い角度に拡散し、どの位置からも映像が均一に見ることができるのが分かる。その為、映写用スクリーンとして優れたものであった。
また、音響効果を調べる為、スクリーン音響透過特性および斜め測定での音圧レベルを測定した。測定方法としては、以下の通りである。
・音響無響室に標準的なスピーカとその正面にマイクロホンを設置した。
・スピーカから基準となるノイズ信号を再生した。
・マイクロホンで各周波数の集音レベルを測定した。
・このとき、マイクロホンとスピーカの間に測定するスクリーンを置いた場合、何もない場合の2通りについて測定し、その差をスクリーンの特性とした。
・スピーカを正面ではなく斜め方向にした場合についても、上記と同じ測定を行った。
測定結果を図5および図6に示す。
図5は実施例に係る映写用スクリーン10の音響透過損失を示すグラフ(測定値のパワー平均)である。損失は高音域の最大値で2dB程度と小さい値である。
図6は実施例に係る映写用スクリーン10の斜め測定での音圧レベルを示すグラフである。測定における角度の違いの影響はほとんどなく、音響効果に優れたものであった。
なお、実際に人間が耳で確認したところ、実施例に係る映写用スクリーン10は、従来の織物を使用したスクリーンに比べて音響効果が優れていた。
1 スクリーン装置
2 プロジェクタ
3 スピーカ
10 映写用スクリーン
11 スクリーン生地(経編生地)
11a 繊維(マルチフィラメント糸)
11b 響透過用の穴
12 表面部
13 裏面部
h1,h2 ピッチ

Claims (4)

  1. 音響透過用の穴が形成されている音響透過型の映写用スクリーンであって、
    繊維を経編した経編生地からなり、前記穴のピッチがスーパーハイビジョンで使用されるプロジェクタの画素サイズ以下である、
    ことを特徴とする映写用スクリーン。
  2. 前記繊維は、フィラメント糸を合成したマルチフィラメント糸である、ことを特徴とする請求項1に記載の映写用スクリーン。
  3. 前記経編生地の裏面には微小金属が付着している、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映写用スクリーン。
  4. 前記繊維には、前記経編生地の重量に対して0.5〜10パーセントの白色顔料が付着している、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の映写用スクリーン。
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