この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
[実施の形態1]
(湿式画像形成装置の全体構成および動作の説明)
図1は、この発明の実施の形態1における湿式現像装置および湿式画像形成装置を模式的に表す図である。図1を参照して、湿式画像形成装置100は、トナー像を作成するための湿式現像装置10と、湿式現像装置10で作成されたトナー像を、記録媒体(用紙)90に転写するための転写装置12と、トナー像を記録媒体に定着するための定着装置(不図示)とを有する。
湿式現像装置10は、像担持体としての感光体21と、帯電装置28と、露光装置29と、クリーニングブレード26と、イレーサランプ27とを有する。
感光体21は、円筒形状を有し、その表面21aには図示しない感光体層が形成されている。感光体21は、矢印101に示す方向に回転可能に設けられている。感光体21の外周上には、その回転方向に沿って、帯電装置28、露光装置29、後述する現像ローラ31、後述する転写ローラ71、クリーニングブレード26およびイレーサランプ27が順に設けられている。
帯電装置28は、感光体21の表面21aを所定電位に帯電させる。露光装置29は、感光体21の表面21aに光を照射することによって、照射領域内の帯電レベルを低下させ、静電潜像を形成する。
湿式現像装置10は、感光体21の表面21aに液体現像剤を供給するための現像剤供給部として、現像剤担持体としての現像ローラ31と、供給ローラ51と、現像剤槽52と、帯電装置36と、交流電界形成部61と、クリーニングブレード41と、規制ブレード56とを有する。
現像剤槽52には、液体現像剤50が貯留されている。液体現像剤50は、主に、着色剤および樹脂からなるトナー粒子と、トナー粒子を分散させる分散媒(キャリア液)とから構成されている。
供給ローラ51は、円筒形状を有し、その表面を現像剤槽52内の液体現像剤50と接触させるように設けられている。供給ローラ51は、矢印103に示す方向に回転可能に設けられている。供給ローラ51としては、たとえば、ウレタンまたはNBR製のゴムローラや、表面に凹部が設けられたアニロックスローラを用いることができる。供給ローラ51は、回転に伴って、現像剤槽52内の液体現像剤50を汲み上げ、現像ローラ31に向けて搬送する。規制ブレード56は、供給ローラ51の表面に当接して設けられている。規制ブレード56は、供給ローラ51によって搬送される液体現像剤50を一定の膜厚に規制する。
現像ローラ31は、円筒形状を有し、矢印102に示す方向に回転可能に設けられている。現像ローラ31としては、たとえば、ウレタンまたはNBR製のゴムローラを用いることができる。現像ローラ31の外周上には、その回転方向に沿って、供給ローラ51、帯電装置36、感光体21、交流電界形成部61およびクリーニングブレード41が順に設けられている。
現像ローラ31は、回転に伴って、その表面31aに液体現像剤50を担持し、感光体21に向けて搬送する。帯電装置36は、たとえばコロトロンチャージャーや帯電ローラなどにより構成され、液体現像剤50中のトナー粒子に対して電荷を付与する。クリーニングブレード41は、現像ローラ31の表面31a上に残存する液体現像剤50を、現像ローラ31から回収する。交流電界形成部61の構造および機能については、後で詳細に説明する。
現像ローラ31は、感光体21の表面21aに形成された静電潜像を現像する。すなわち、現像ローラ31は、感光体21に対して液体現像剤50を供給し、その液体現像剤50に含まれるトナー粒子を静電潜像に付着させることによってトナー像を形成する。
クリーニングブレード26は、記録媒体90への転写後に感光体21の表面21aに残存する液体現像剤50を、感光体21から回収する。イレーサランプ27は、感光体21の表面21aに残留する荷電を消去する。
転写装置12は、転写ローラ71を有する。転写ローラ71は、円筒形状を有し、矢印104に示す方向に回転可能に設けられている。転写ローラ71は、記録媒体90を介して感光体21と対向して設けられている。転写ローラ71の回転に伴って、記録媒体90が矢印105に示す方向に搬送され、感光体21から記録媒体90の表面にトナー像が転写される。定着装置(不図示)は、記録媒体90を加圧し、加熱することにより、トナー像を記録媒体90に定着させる。
続いて、湿式画像形成装置100の動作について説明する。まず、帯電装置28により感光体21の表面21aを所定の表面電位に一様に帯電する。次に、露光装置29により画像情報の露光を行ない、感光体21の表面21aに静電潜像を形成する。
一方、回転する供給ローラ51により、現像剤槽52に貯留された液体現像剤50を汲み上げる。規制ブレード56により一定の膜厚に規制された液体現像剤50を、供給ローラ51から現像ローラ31に受け渡す。
回転する現像ローラ31の表面31aに、液体現像剤50を担持させ、感光体21に向けて搬送する。この際、帯電装置36により、感光体21に向けて搬送される液体現像剤50中のトナー粒子を帯電させる。
次に、現像ローラ31および感光体21が対向する対向部(現像部)にて、液体現像剤を感光体21の表面21aに供給し、感光体21上の静電潜像を現像する。トナー粒子は、感光体21上の印字部では感光体21側に移動し、感光体21上の背景部では現像ローラ31側に移動する。感光体21上に現像されたトナー粒子は、感光体21および転写ローラ71が対向する対向部(転写部)に運ばれる。
現像に使用されず現像ローラ31上に残存する液体現像剤50を、クリーニングブレード41により回収する。なお、回収された液体現像剤50は、元の液体現像剤50とトナー濃度が異なるため、現像剤槽52とは別のタンク(不図示)に回収され、トナー濃度を調整後、再び現像剤槽52に戻される。
転写装置12において、記録媒体90を矢印105に示す方向に搬送する。転写ローラ71に印加されたトナー粒子と逆極性の電圧により、感光体21上のトナー像を記録媒体90に転写する。トナー粒子が転写された記録媒体90を定着装置(不図示)に搬送し、トナー像を記録媒体90に定着する。感光体21においては、トナー像が記録媒体90に転写されると、クリーニングブレード26により感光体21上の残存トナーを除去し、次の画像形成を行なう。
これらの工程を繰り返し行なうことによって、記録媒体90に対して画像を連続的に形成する。
(湿式現像装置の構造の詳細な説明)
図2は、図1中の湿式現像装置を模式的に表す図である。図2を参照して、本実施の形態における湿式現像装置10は、交流電界形成部61を有する。
現像ローラ31の回転に伴って、表面31aに担持された液体現像剤は、矢印102に示す方向に搬送される(以下、この方向を液体現像剤の搬送方向ともいう)。交流電界形成部61は、感光体21に対して液体現像剤の搬送方向における下流側に位置して設けられている。交流電界形成部61は、クリーニングブレード41に対して液体現像剤の搬送方向における上流側に位置して設けられている。
交流電界形成部61は、交流バイアス印加用フィルム63と、固定部材62と、交流電源68とを有する。交流電界形成部61は、交流バイアス印加用フィルム63と、感光体21に液体現像剤を供給した後の現像ローラ31との間に交流電界を形成する。
交流バイアス印加用フィルム63は、フィルム(薄膜)状のシート材からなり、可撓性を有する。交流バイアス印加用フィルム63は、現像ローラ31の表面31aと接触して設けられている。交流バイアス印加用フィルム63が表面31aに沿って湾曲状に変形することによって、交流バイアス印加用フィルム63および現像ローラ31が接触するニップ部70が形成されている。本実施の形態では、交流バイアス印加用フィルム63に現像ローラ31上の液体現像剤の表面張力が作用することによって、交流バイアス印加用フィルム63が現像ローラ31の表面31aに沿って変形している。
図3は、図2中の2点鎖線IIIで囲まれた範囲を拡大して示す断面図である。図2および図3を参照して、交流バイアス印加用フィルム63は、導電層63sおよび絶縁層63tの積層体からなる。
導電層63sは、現像ローラ31の表面31aに接触する側に設けられている。導電層63sは、導電性を有する。絶縁層63tは、導電層63sに対して現像ローラ31の反対側に設けられている。絶縁層63tは、導電層63sを支持する絶縁性の基材として設けられている。
一例として、交流バイアス印加用フィルム63として、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の片面にアルミニウムを蒸着させたメタルミ(東レフィルム加工株式会社製)を用いることができる。
交流電源68は、交流バイアス印加用フィルム63(導電層63s)に交流バイアスを印加する。これにより、交流バイアス印加用フィルム63および現像ローラ31の間に交流電界が形成される。交流バイアス印加用フィルム63に印加する交流バイアスとしては、矩形波、サイン波、三角波、のこぎり波またはブランク波などの波形を用いることができる。
なお、本実施の形態では、可撓性を有する交流バイアス印加用フィルム63として、導電層63sおよび絶縁層63tの積層体を用いる場合を説明したが、これに限定されず、抵抗調整を行なった単層シートを用いてもよい。交流バイアス印加用フィルム63に用いる材質としては、PET以外にも可撓性を有する様々な材料を用いることができる。
また、導電層63sおよび絶縁層63tの積層順を入れ替えて、絶縁層63tを現像ローラ31に接触するように設けてもよい。この場合、交流バイアス印加用フィルム63および現像ローラ31間に交流電界が形成されるように、絶縁層63tの材質および厚みを選択する必要がある。現像ローラ31と導電層63sとの間に絶縁層63tを介挿することにより、交流バイアス印加用フィルム63および現像ローラ31間における電流のリークを抑制することができる。
図4は、交流バイアス印加用フィルムおよび現像ローラを示す分解組み立て図である。図5は、交流バイアス印加用フィルムおよび現像ローラを示す組み立て図である。
図4および図5を参照して、交流バイアス印加用フィルム63は、一方端63pおよび他方端63qを有する。交流バイアス印加用フィルム63は、一方端63pが液体現像剤の搬送方向における上流側に位置し、他方端63qが液体現像剤の搬送方向における下流側に位置するように設けられている。
本実施の形態では、交流バイアス印加用フィルム63の一方端63pが固定端として設けられ、交流バイアス印加用フィルム63の他方端63qが自由端として設けられている。
より具体的には、固定部材62が、現像ローラ31の表面31aの直上に設けられている。交流バイアス印加用フィルム63の一方端63pは、表面31aから距離を隔てた位置で固定部材62に固定されている。交流バイアス印加用フィルム63の他方端63qは、現像ローラ31の表面31aに載置されている。交流バイアス印加用フィルム63は、他方端63qから所定の長さの範囲に渡って現像ローラ31と接触することにより、ニップ部70を形成している。
図4および図5中では、交流バイアス印加用フィルム63として、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の片面にアルミニウムを蒸着させたメタルミ(東レフィルム加工株式会社製)が用いられている。たとえば、交流バイアス印加用フィルム63を固定部材62から15mm突き出すように固定し、交流バイアス印加用フィルム63の他方端63qから6mm離れた位置を現像ローラ31に接触させた場合、その接触位置から他方端63q側の交流バイアス印加用フィルム63が現像ローラ31に接触し、6mm幅のニップ部70が形成される。
また、交流バイアス印加用フィルム63の全長を長くし、現像ローラ31と交流バイアス印加用フィルム63の接触位置から他方端63qまでの距離を変化させることにより、ニップ部70の幅を調整することができる。
図6は、絶縁層の厚みと、ニップ部の幅との関係を示す表である。図6を参照して、図4および図5中の交流バイアス印加用フィルム63および現像ローラ31において、現像ローラ31上に液体現像剤の液膜(4g/m2)を形成した場合に、絶縁層63t(アルミニウム薄膜)の厚みと、交流バイアス印加用フィルム63に付着した液体現像剤の幅(ニップ部70の幅)との関係が示されている。
図6に示す関係から分かるように、絶縁層63tの厚みが100μmになると交流バイアス印加用フィルム63が撓み難くなり、交流バイアス印加用フィルム63および現像ローラ31が接触するニップ部70の幅が小さくなる。図4および図5中の交流バイアス印加用フィルム63では、絶縁層63tの厚みを75μm以下とすることが好ましい。
交流バイアス印加用フィルム63の材質によって撓み量が異なるため、適当な幅のニップ部70が形成されるように、材質に応じた厚みに設定することが必要である。
(湿式現像装置によって奏される作用効果の説明)
図7は、比較のための第1の湿式現像装置を模式的に表す図である。図8は、図7中の比較のための第1の湿式現像装置において、帯電装置を通過する前の現像ローラ上の液体現像剤の状態を模式的に表す図である。図9は、図7中の比較のための第1の湿式現像装置において、現像部を通過した後の現像ローラ上の液体現像剤の状態を模式的に表す図である。図10は、図7中の比較のための第1の湿式現像装置において、クリーニングブレードにおける液体現像剤の状態を模式的に表す図である。
図7から図10を参照して、図7中の比較のための第1の湿式現像装置では、図2中の本実施の形態における湿式現像装置10と比較して、交流電界形成部61が設けられていない。
現像剤槽52に貯蔵され、供給ローラ51を介して現像ローラ31に供給された湿式現像剤は、図8中に示すように、トナー粒子82がキャリア液81中に均一に分散した状態で存在している。
その状態から帯電装置36により荷電を付与されることや、現像部での電界(背景部に印加される電界)により、トナー粒子82は、現像ローラ31側に押し付けられる力を受ける。その結果、現像部を通過した画像の背景部に対応する場所に存在するトナー粒子82は、図9中に示すように、現像ローラ31の表面31a近傍に偏在した状態となり、その一部は、現像ローラ31の表面31aに付着する。
この状態で現像ローラ31上の液体現像剤がクリーニングブレード41に侵入すると、図10中に示すように、クリーニングブレード41と現像ローラ31が当接する楔部86(クリーニングブレード41の端面41cと、現像ローラ31の表面31aとに挟まれた部分)に、トナー粒子82が堆積する。液体現像剤層の表面近傍はキャリア液81がリッチな状態となっており、クリーニングブレード41上ではキャリア液81がより多く流下していく。その結果、楔部86にトナー濃度が高いトナー堆積物が発生する。さらに時間の経過とともにトナー堆積物が増加し、クリーニングブレード41の上部にまで到達する。トナー堆積物は、トナー濃度が高くなっているため流動性が悪く、クリーニングブレード41上を流下し難く、クリーニングブレード41上にもトナー堆積物が発生する。
このようにトナー粒子の堆積が生じると、高濃度化したトナー堆積物を現像剤槽に搬送することが困難となり、堆積しているトナー粒子は、清掃時に回収、廃棄される。その結果、トナーの消費量が増え、コストアップに繋がる。また、装置停止時に、トナー堆積物を清掃せずに放置すると、トナー堆積物中のキャリア液が乾燥してトナーの固形物が形成されてしまう。
そこで、クリーニングブレード41に到達するまでに現像ローラ31の表面31a近傍に偏在したトナー粒子82を剥離し、キャリア液81中に分散させることが求められる。トナー粒子82を剥離する手段として、交流バイアスを印加するためのローラを現像部およびクリーニングブレード41の間で現像ローラ31に接触させて設ける方法がある。
図11は、比較のための第2の湿式現像装置を模式的に表す図である。図12は、図11中の比較のための第2の湿式現像装置において、ローラ間の圧接力と、ニップ幅との関係を示すグラフである。
図11および図12を参照して、図11中の比較のための第2の湿式現像装置では、図2中の交流バイアス印加用フィルム63に替えて、交流バイアス印加用の導電性ローラ201が用いられている。導電性ローラ201の材質としては、アルミニウムや鉄、ステンレス等の金属を用いることができる。また、それら金属の基体の表面に、導電性の樹脂や弾性部材を設置したもの、さらには、それらの表面に電界形成可能な程度に薄く絶縁性材料をコーティングしたものまで、電子写真装置においてバイアス電界形成に使われる各種材料を用いることができる。
交流バイアス印加部材として導電性ローラ201を用いた場合、現像ローラ31と導電性ローラ201との間に形成されるニップ部の幅(ニップ幅)は、ローラ径、ローラの硬度、圧接力によって決まる。たとえば、現像ローラ31として、φ40mm、ゴム硬度30度、ゴム厚10mmの導電性のゴムローラを用い、導電性ローラ201として、φ40mmのアルミローラを用いた場合、圧接力30N/mでのニップ幅は、2mmとなる。
この条件で、システム速度400mm/secで装置を動作させると、液体現像剤がニップ部を通過する時間は、5msecとなる。このとき、導電性ローラ201に周波数500Hzの交流バイアスを印加すると、クリーニングブレード41上にトナー堆積物は発生しないが、システム速度を1000mm/secにするとトナー堆積物が発生する。これは、システム速度が速くなることで液体現像剤がニップ部を通過する時間が短くなり、ニップ部においてトナー粒子82が現像ローラ31および導電性ローラ201間を往復移動する回数が低下して、トナー粒子が分散し難くなったためと考えられる。ニップ部におけるトナー粒子82の往復回数は、システム速度400mm/sec時で2.5回、システム速度1000mm/sec時で1回と算出される。
交流バイアスの周波数を大きくし、トナー粒子の往復回数を増やすと、トナー粒子の分散性を確保でき、トナー堆積物の発生も抑制される。たとえば、交流バイアスの周波数を5kHzとするとシステム速度1000mm/secでも、トナー粒子の往復回数は10回となり、トナー堆積物が発生しない。しかしながら、交流バイアスを印加するために必要な電源容量が大きくなることや、交流バイアスの印加時に流れる電流が大きくなり、リーク等の発生確率が高くなるといった理由から、交流バイアスの周波数を大きくすることは、好ましくない。
また、図12に示すように、現像ローラ31に対する導電性ローラ201の圧接力を大きくすることによっても、ニップ幅を広くすることができる。
しかしながら、この場合、現像ローラ31上の液体現像剤がニップ部に侵入できずに、ニップ部の入り口で液体現像剤の一部が堰き止められる液絞り現象が発生する(図12中に示す圧接力200N/m以上の範囲)。液絞り現象が発生すると、溢れた液体現像剤が周りに流れ出し、様々な問題を引き起こす。したがって、液絞り現象が発生しない圧接力で導電性ローラ201を現像ローラ31に当接させる必要があり、圧接力には上限がある。
また、現像ローラ31や導電性ローラ201の直径を大きくすることでも、ニップ幅を広くすることは可能である。しかしながら、この場合、ローラが大径となることで装置の大型化に繋がるため、好ましくない。
図13は、図2中の本実施の形態における湿式現像装置において、クリーニングブレードにおける液体現像剤の状態を模式的に表す図である。
図2および図13を参照して、これに対して、本実施の形態における湿式現像装置10では、可撓性を有する交流バイアス印加用フィルム63を現像ローラ31の表面31aに沿って変形させることにより、交流バイアス印加用フィルム63および現像ローラ31を密着させ、ニップ部70を形成する。
このような構成により、交流バイアス印加用フィルム63および現像ローラ31間の圧接力が小さく抑えられるため、現像ローラ31における液絞り現象を防止できる。また、幅広のニップ部70を形成することで、現像ローラ31上の液体現像剤がニップ部70を通過する時間を十分に確保する。たとえば、図4および図5中に示す例では、ニップ幅が6mmと長いため、システム速度1000mm/secで装置を駆動させても、液体現像剤がニップ部70を通過する時間を6msec確保することができる。これにより、クリーニングブレード41に到達するまでに現像ローラ31の表面31a近傍に偏在したトナー粒子82を剥離し、キャリア液81中に分散させることができる。結果、図13中に示すように、トナー粒子82を、クリーニングブレード41で堆積させることなく回収することができる。
以上に説明した、この発明の実施の形態1における湿式現像装置10の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態における湿式現像装置10は、トナー粒子を含む液体現像剤を用いた湿式現像装置である。湿式現像装置10は、液体現像剤を担持する表面31aを有し、その液体現像剤を、静電潜像を担持する像担持体としての感光体21に供給する現像剤担持体としての現像ローラ31と、導電層63sを含むフィルム状の可撓性部材としての交流バイアス印加用フィルム63を有し、交流バイアス印加用フィルム63と、感光体21に液体現像剤を供給した後の現像ローラ31との間に交流電界を形成する交流電界形成部61と、交流電界形成部61により交流電界が形成された後の現像ローラ31に対向して設けられ、現像ローラ31上に残留する液体現像剤を現像ローラ31から除去するクリーニング部材としてのクリーニングブレード41とを備える。交流バイアス印加用フィルム63が表面31aに沿って変形することによって、現像ローラ31および交流バイアス印加用フィルム63が接触するニップ部70が形成される。
このように構成された、この発明の実施の形態1における湿式現像装置10によれば、交流バイアス印加用フィルム63の使用により、低圧接力で十分なニップ幅を確保することができる。これにより、液絞り現象を生じさせることなく、トナー堆積物の発生を抑制することができる。その結果、コストの低減、メンテナンス性の向上および画像ノイズの発生の防止を図ることができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、実施の形態1における湿式現像装置10の各種変形例について説明する。本実施の形態において説明する湿式現像装置は、実施の形態1における湿式現像装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図14は、図2中の湿式現像装置の第1変形例を模式的に表す図である。図15は、図2中の湿式現像装置の第2変形例を模式的に表す図である。図16は、図2中の湿式現像装置の第3変形例を模式的に表す図である。
図14から図16中に示す変形例では、交流バイアス印加用フィルム63が、接触領域(第1領域)64および非接触領域(第2領域)65を有する。
接触領域64は、現像ローラ31と接触して設けられている。接触領域64は、ニップ部70を形成している。非接触領域65は、現像ローラ31と非接触に設けられている。非接触領域65は、接触領域64よりもクリーニングブレード41に近い側で現像ローラ31の表面31aと対面している。接触領域64および非接触領域65は、液体現像剤の搬送方向において連続して設けられている。非接触領域65は、接触領域64よりも液体現像剤の搬送方向における下流側に設けられている。非接触領域65において、現像ローラ31および交流バイアス印加用フィルム63間の隙間の広さは、液体現像剤の搬送方向における上流側から下流側に向かうほど大きくなる。
図14を参照して、本変形例では、交流バイアス印加用フィルム63の他方端63q側の表面(現像ローラ31に面する側とは反対側の表面)に、交流バイアス印加用フィルム63の変形を規制する変形規制部材66が設けられている。変形規制部材66は、交流バイアス印加用フィルム63の変形を規制する程度の剛性を有するシート材からなる。
一例として、変形規制部材66として100μmのPETシートを用いることができる。変形規制部材66を張り付けた部分の交流バイアス印加用フィルム63は変形し難くなるため、ニップ幅を確保するためには、交流バイアス印加用フィルム63の全長を長くし、ニップ部70を形成する接触領域64より他方端63q側に変形規制部材66を張り付けることが必要である。
このような変形規制部材66を設けることによって、必要なニップ幅を確保しながら、ニップ部70における液体現像剤の搬送方向の下流側で交流バイアス印加用フィルム63が現像ローラ31から徐々に離れる構成を実現できる。
図5中に示すように、ニップ部70の下流端まで交流バイアス印加用フィルム63が現像ローラ31に密着する場合、交流電界が強い状態で液体現像剤がニップ部70を通過するため、ニップ部70を通過した後の液体現像剤において、現像ローラ31や交流バイアス印加用フィルム63の表面に付着したトナー粒子がわずかに存在する。これらのトナー粒子は、クリーニングブレード41におけるトナー粒子の堆積には影響しないものの、液体現像剤中にトナー粒子の軟凝集物を形成する場合があり、特に交流バイアスの周波数が低い場合に軟凝集物の形成が顕著となる。この軟凝集物は、沈降速度が速いため、現像剤槽に戻された後に堆積する。
これに対して、本変形例では、ニップ部70における液体現像剤の搬送方向の下流側で交流バイアス印加用フィルム63が現像ローラ31から徐々に離れる構成によって、交流バイアス印加用フィルム63および現像ローラ31間に形成される交流電界が、下流に向かうほど徐々に弱まっていく。これにより、トナー粒子が徐々に移動しなくなり、現像ローラ31や交流バイアス印加用フィルム63の表面に付着した状態でニップ部70から排出されるトナー粒子が少なくなる。その結果、トナー粒子は、キャリア液中でより分散し易くなり、トナー粒子の軟凝集体の発生を抑制することができる。
また、ニップ部70における液体現像剤の搬送方向の下流側で交流バイアス印加用フィルム63が現像ローラ31から徐々に離れる構成によって、ニップ部70の出口側で液体現像剤が横方向(現像ローラ31の回転軸方向)に乱れるリブが発生する。このようなリブが発生すると、液体現像剤の流れとともにトナー粒子も移動するため、トナー粒子の分散効果を高めることができる。
したがって、本変形例によれば、交流バイアスの周波数が低い場合であっても、トナー粒子の分散および軟凝集体の発生抑制の効果が奏される。結果、容量の大きい交流電源68が不要となり、コストの低減を図ることができる。また、電流リークの発生確率が低下して、電流リークに起因するローラダメージを低減できる。
図15を参照して、クリーニングブレード41は、頂面41aおよび底面41bを有する。底面41bは、現像ローラ31の表面31aと対面して設けられている。頂面41aは、底面41bの裏側に配置されている。
本変形例では、自由端としても設けられた交流バイアス印加用フィルム63の他方端63qが、クリーニングブレード41の頂面41aに重なる位置まで延設されている。このような構成により、ニップ部70における液体現像剤の搬送方向の下流側で交流バイアス印加用フィルム63が現像ローラ31から徐々に離れる構成を実現して、図14における第1変形例で説明した作用効果を同様に奏することができる。
さらに本変形例では、別部材を設けることなく、交流バイアス印加用フィルム63の形状を制御することができる。また、交流バイアス印加用フィルム63とクリーニングブレード41の頂面41aとが重なる位置では、液体現像剤にせん断力が付与されるため、クリーニングブレード41上でのトナー堆積物の発生をさらに効果的に抑制することができる。また、ISOPAR G(エクソンモービル社製)等の揮発性の高いキャリア液を用いる場合であっても、クリーニングブレード41が交流バイアス印加用フィルム63により覆われるため、キャリア液の揮発が起こり難くなる。これにより、キャリア液の揮発によるトナー粒子の凝集・固化が発生せず、それを予防するための清掃機構や清掃動作が不要となる。
図16を参照して、本変形例では、交流バイアス印加用フィルム63の一方端63pおよび他方端63qが、固定端として設けられている。
より具体的には、現像ローラ31の表面31aの直上に、固定部材67がさらに設けられている。固定部材67は、液体現像剤の搬送方向において、固定部材62およびクリーニングブレード41の間に設けられている。交流バイアス印加用フィルム63の他方端63qは、固定部材67に固定されている。なお、固定部材62および固定部材67として、1つの部材が共用されてもよい。
このような構成により、ニップ部70における液体現像剤の搬送方向の下流側で交流バイアス印加用フィルム63が現像ローラ31から徐々に離れる構成を実現して、図14における第1変形例で説明した作用効果を同様に奏することができる。
図17は、図2中の湿式現像装置の第4変形例を模式的に表す図である。図17を参照して、本変形例における湿式現像装置は、帯電装置(電荷付与部)91をさらに有する。帯電装置91は、液体現像剤の搬送方向において、感光体21および交流電界形成部61の間に設けられている。帯電装置91は、液体現像剤に含まれるトナー粒子に、トナー粒子の帯電と逆極性の電荷を与える。
帯電装置91としては、たとえば、コロトロンチャージャを用いることができる。帯電装置91からトナー粒子にトナー帯電極性と逆極性の電荷が付与されることにより、トナー粒子の帯電量を減少させる。帯電装置91は、現像ローラ31上のトナー粒子の帯電量を減少させる除電手段として設けられている。
湿式現像では、トナー粒子の帯電量が高いと、細線の再現性やベタの均一性等の画像特性が良好となる一方、背景部では現像ローラ31とトナー粒子との付着力が大きくなり、クリーニングが難しくなったり、トナー堆積物の発生が顕著となったりする。このため、トナー粒子の帯電量は、クリーニングやトナー粒子の堆積も考慮して決めることが必要である。
クリーニング前に現像ローラ31および交流バイアス印加用フィルム63間に交流電界を形成する場合であっても、トナー粒子の帯電量が高く、トナー粒子と現像ローラ31との付着力が大きくなると、電界による力でトナー粒子を現像ローラ31の表面31aから十分に剥離できないことがある。
本変形例では、帯電装置91を設けることによって、クリーニング前のトナー粒子の帯電量を調整することが可能となり、帯電装置36の出力によらずクリーニング前のトナー粒子の帯電量を一定値に設定することができる。その結果、帯電装置36の出力を高くしても、クリーニング前のトナー粒子と現像ローラ31との付着力を一定にでき、現像ローラ31および交流バイアス印加用フィルム63間における交流電界の形成によって、トナー粒子を現像ローラ31の表面31aから十分に剥離することが可能となる。
したがって、帯電装置36の出力を大きくすることが可能となり、より優れた画像を出力することが可能となる。また、帯電装置36の出力を大きくすることなく、本変形例における帯電装置91が設けられると、トナー粒子の帯電量が小さくなり、トナー粒子と現像ローラ31の付着力が小さくなる。このため、交流電界形成部61において、より小さい交流バイアス(振幅)でトナー粒子を剥離することができる。
なお、帯電装置36として、導電性ローラを設けてもよい。この場合、導電性ローラを現像ローラ31に対して接触または近接させて配置し、高電圧を印加することによって、導電性ローラおよび現像ローラ31間で放電を発生させる。
図17中には、図14中に示す態様の交流バイアス印加用フィルム63が設けられているが、本変形例に適用される交流バイアス印加用フィルム63は、図15または図16中に示す態様を有してもよい。
[実施例]
図18は、実施例1〜3および比較例1〜5における各種条件と、トナー堆積物および液絞り現象の評価結果とを示す表である。
図18を参照して、本実施例および比較例では、現像ローラ31として、φ20mmのステンレス製の芯金に厚み10mmの導電性を付与したウレタン層を設けたゴムローラを用いた。供給ローラ51として、φ40mmのアニロックスローラを用いた。現像ローラ31および供給ローラ51の全長は、250mmである。現像ローラ31および供給ローラ51は、接地電位に接続されている。現像ローラ31を400mm/secおよび1000mm/secの速度で回転させ、供給ローラ51を現像ローラ31に従動させた。
帯電装置36として、コロトロンチャージャを用い、現像ローラ31に流れ込む電流が0.04mA/m(400mm/sec時)および0.1mA/m(1000mm/sec時)水準となる出力で評価した。
交流バイアスとして、NF回路設計ブロック社製のファンクションジェネレータ(WAVEFACTORY WF1944)で波形を形成し、トレック社製の交直両用高圧アンプリファイア(Model609E-6)で増幅させた。そして、振幅300V、オフセット0Vのサイン波を、交流バイアス印加用フィルム63に印加した。
液体現像剤の作成において、まず、粗粉砕トナーを製造した。具体的には、ポリエステル樹脂100質量部と、銅フタロシアニン15質量部とをヘンシェルミキサーで十分混合し、そのあと、同方向回転の2軸押出し機を用いて、ロール内の加熱温度100℃の条件で溶融混練を行なった。得られた混合物を、冷却、粗粉砕することにより粗粉砕トナーを得た。
続いて、IPS2028(出光興産社製)75質量部と、粗粉砕トナー25質量部と、分散剤としてのV216(ISP社製)0.8質量部とを混合し、サンドミルにより4日間湿式粉砕して、液体現像剤を作成した。作成された液体現像剤におけるトナー粒子の粒径は、2.0μmであった。粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD-2200(島津製作所社製)にて測定した。
上記条件により装置を1時間駆動させた。駆動後のクリーニングブレード41および現像ローラ31の当接部近傍や、クリーニングブレード41上のトナー堆積状態を観察した。トナーの堆積物および軟凝集物がともに観察されなかった場合を「A」とし、トナー堆積物は観察されないが、クリーニングブレード41上の液体現像剤中にトナーの軟凝集物が存在する場合を「B」とし、トナー堆積物が観察された場合を「C」として、評価結果を示した。
比較例1〜5は、図11中に示す湿式現像装置に態様に対応する。これら比較例では、図11中の導電性ローラ201として、φ40mmのアルミローラを用いた。導電性ローラ201を現像ローラ31と同じ速度で回転させた(図11中の矢印で示す方向)。
比較例1および比較例2は、上記の導電性ローラ201を現像ローラ31に30N/mで当接した場合であり、形成されるニップ部70の幅は2mmであった。システム速度400mm/secの駆動において、液体現像剤がニップ部70を通過する時間(ニップ通過時間)は5msecであった。比較例1では、周波数500Hzの交流バイアスを用い、比較例2では、5kHzの交流バイアスを用いた。
図18中に示すように、このシステム速度では、周波数500Hz、5kHzともにトナー堆積物は発生しなかった。ニップ部70におけるトナー粒子の往復回数は、比較例1および比較例2において、それぞれ、2.5回および25回と算出された。
比較例3および比較例4は、それぞれ、比較例1および比較例2における条件から、システム速度を1000mm/secに変更したものである。この場合、比較例1および比較例2とニップ幅が同じでも、ニップ通過時間は2msecと短くなる。この状態で周波数500Hzの交流バイアスを印加した比較例3では、トナー堆積物が発生した。これは、ニップ部70におけるトナー粒子の往復回数が少なくなったためと考えられる(計算上1回)。
一方、5kHzの交流バイアスを印加した比較例4では、トナー堆積物は発生しなかった。これは、ニップ通過時間は短いが、交流バイアスの周波数が高いことで、ニップ部70におけるトナー粒子の往復回数が確保されたためと考えられる(計算上10回)。
比較例5は、比較例3における条件から、ニップ幅を広げるために現像ローラ31に対する導電性ローラ201の圧接力を200N/mに変更したものである。この場合、ニップ幅は4mmとなり、トナー堆積物は発生しなかった。しかしながら、現像ローラ31と導電性ローラ201との間のニップ部を通過できる液体現像剤が少なくなり、ニップ部の手前で液体現像剤の一部が堰き止められる液絞り現象が発生した。
実施例1における交流バイアス印加用フィルム63は、図4および図5に示す態様に対応する。交流バイアス印加用フィルム63として、メタルミーS(#25)(東レフィルム加工株式会社製)を用いた。交流バイアス印加用フィルム63の全長を15mmとし、現像ローラ31とニップ幅6mmで接触するように構成した。
システム速度を1000mm/secとし、交流バイアスの周波数を500Hzとした。その結果、液絞り現象やトナー堆積物は発生しないものの、わずかにトナーの軟凝集体が確認された。
システム速度が1000mm/secと速いが、ニップ幅が6mmであるため、ニップ通過時間は6msecだけ確保することができている。このため、交流バイアスの周波数が500Hzでもニップ部70におけるトナー粒子の往復回数は3回と確保されており、トナー堆積物が発生しなかったと考えれる。但し、ニップ後端の形状により、現像ローラ31表面に付着した状態で排出されるトナー粒子がわずかに存在するため、トナー軟凝集体が発生した。
また、交流バイアス印加用フィルム63が主に液体現像剤の表面張力により現像ローラ31に付着しているため、現像ローラ31および交流バイアス印加用フィルム63間に圧力がほとんど作用しない。このため、液絞り現象も発生しなかった。
この構成において、交流バイアスの周波数を5kHzにした実施例2では、軟凝集体の発生もなくなった。これは、現像ローラ31に付着するトナー粒子が少なくなったためと考えられる。
実施例3における交流バイアス印加用フィルム63は、図14に示す態様に対応する。交流バイアス印加用フィルム63として、メタルミーS(#25)(東レフィルム加工株式会社製)を用いた。交流バイアス印加用フィルム63の全長を20mmとし、現像ローラ31とニップ幅6mmで接触し、さらに、その先端の現像ローラ31と当接する面の反対面に厚み100μmのPETフィルムを張り付ける構成とした。
システム速度を1000mm/secとし、交流バイアスの周波数を500Hzとした。その結果、液絞り現象やトナー堆積物、軟凝集体は発生しなかった。なお、図15およ図16に示す態様の交流バイアス印加用フィルム63を用いた場合にも、液絞り現象やトナー堆積物、軟凝集体は発生しなかった。
図19は、実施例4における各種条件と、トナー堆積物および液絞り現象の評価結果とを示す表である。
図19を参照して、実施例4における湿式現像装置は、図17に示す態様に対応する。実施例4では、実施例3における条件から、帯電装置36から現像ローラ31に流れ込む電流を0.3mA/mに変更した。帯電装置91として、帯電装置36と同様のコロトロンチャージャを用い、帯電装置36と逆極性の負電圧を印加して、現像ローラ31に流れ込む電流が−0.15mA/mとなるように調整した。
現像ローラ31への流れ込み電流が大きいと、トナー粒子と現像ローラ31との付着力が強くなり、交流バイアスを印加してもトナー粒子が分散され難くなる。しかしながら、実施例4では、帯電装置91の設置によって、トナー堆積物は発生しなかった。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。