JP2016114533A - 磁気センサー付配管及び非破壊検査装置 - Google Patents

磁気センサー付配管及び非破壊検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査配管の欠陥を非破壊検査する磁気を用いた非破壊検査において、磁気センサーを外装板内の被検査配管に対して容易に位置精度よく長期間使用できるように設置する。【解決手段】磁気センサー12がシート基材11に支持されてなるシート状ユニット10が構成される。シート状ユニットは外装版9cの内側に配置され、シート基材11が被検査配管9aを覆うように設置されていることでシート状ユニットが被検査配管に取り付けられる。これにより、磁気センサー付配管が構成される。シート状ユニットの電気コネクタ10aを介して磁気センサー等に制御用コンピューター等を接続する。【選択図】図5

Description

本発明は、磁気センサー付配管及び非破壊検査装置に関する。
従来、鋼材の欠陥を検査する方法として、磁気を用いた渦電流探傷方法や漏洩磁束探傷方法がある。渦電流探傷方法は、測定対象に交流の磁場を印加させて、測定対象に発生する渦電流の変化をみるものである。すなわち、測定対象に交流の磁場を印加した場合、測定対象の欠陥のない部分に対して欠陥がある部分は渦電流の分布が変化するので、渦電流が作る磁場も変化することになる。この渦電流の変化をサーチコイルや、磁気抵抗素子(MR)等の磁気センサーで検出することで欠陥検査が行われている。一方、漏洩磁束探傷法は、測定対象に直流あるいは交流の磁場を印加させ、欠陥部から漏れ出る磁束をサーチコイルあるいは磁気センサーで検出するものである。
特許文献1には、パルス磁気を用いた非破壊検査装置が記載されている。
詳しくは特許文献1には、被検査配管の欠陥を非破壊検査するパルス磁気を用いた非破壊検査装置であって、被検査配管を挿通し、当該被検査配管に対して任意の位置に配置可能な一対の励磁コイルと、当該一対の励磁コイルの少なくとも一つにパルス電圧を印加するパルス電源と、被検査配管の外周面上で、一対の励磁コイルの間に配置され、被検査配管の中心軸方向に平行な磁場を検出する磁気センサーと、一対の励磁コイルの少なくとも一つをパルス電源で駆動した際に発生するパルス磁場を磁気センサーにより検出し、当該磁気センサーにより検出したパルス磁場の応答を解析する手段と、を備えたことを特徴とするパルス磁気を用いた非破壊検査装置が開示されている。
かかる非破壊検査装置によれば、被検査配管を挿通する一対の励磁コイルにより被検査配管の所定の場所に被検査配管の中心軸方向の磁場を印加することができる。また、被検査配管の外周面上において、一対の励磁コイルの間に配置した磁気センサーを備えることより、被検査配管中心軸方向に平行な磁場を検出することができる。励磁コイルによって発生した磁場は被検査配管を伝わって磁気センサーのところまで伝わっていく。その途中では被検査配管の中心軸方向の磁場が外部に漏れるが、腐食や欠陥によって伝搬される磁場が異なってくる。ここで、励磁コイルをパルス電源で駆動し発生する磁場をパルス磁場とすることにより、パルス磁場の立ち上がり時およびその後一定磁場を印加している時間帯で、磁気センサーで検出した立ち上がり磁気信号が時間とともに減衰する。この検出したパルス磁気信号のピーク値や減衰特性を解析することにより配管の腐食や亀裂等の欠陥をより精度よく検知することができる。
また特許文献1の段落0046には、一対の励磁コイルのから等距離の中央部に複数の磁気センサーを円周方向に配置し、この磁気センサーの個数が多いほど空間分解能を向上させることができることが述べられるとともに、さらに励磁コイル及び磁気センサーを搭載した検査部を被検査配管が挿入された状態で動かして多点計測することにより面データを得てマッピングができることが述べられる。
石油化学系プラントでは、高温の油やガスなどを輸送するために、断熱配管が用いられており、断熱配管は、鋼管、断熱材、外装板で構成されている。特許文献1には、断熱配管検査の適用について記載されている。
磁気を利用した一般的な非破壊検査システムを用いて、例えば保温材下腐食(CUI)等に代表される配管に生じる腐食を検査する場合、検査対象となる配管の外周に設置された外装板によって、検査時に印加する磁場を阻害する、及び、磁気センサーの配置位置が配管から遠くなってしまうことで、検出したい信号が劇的に減衰して検査の性能を悪化させてしまう問題がある(例えば、特許文献1)。
かかる問題に関して、検出する信号の感度を上げる為には、検査対象となる配管に可能な限りセンサーを近づけることが望ましく、例えば、予め配管表面に信号検査用のセンサーを接触させた状態で、配管とセンサーの周囲に断熱材や外装板を組付けるといった構成(例えば磁気センサーの例ではないが、特許文献2,3)が考えられる。
特開2014−044087号公報 特開2009−41763号公報 特開平10−48173号公報
しかしながら、検査対象となる配管に直接センサーを接触させることは、配管の腐食がセンサーの直下で生じて配管表面に変位が生じた場合に、腐食の進行と平行してセンサーも取り付け位置から動いてしまうことで検査性能に影響が出る可能性や、腐食部に発生する異物等がセンサーに接触してセンサー自体も腐食してしまう可能性があり、また、配管から伝わる熱や振動がセンサーを破壊してしまう可能性がある為、望ましい構成であるとは言えない。
さらには、外装板の表面であれ配管表面であれ、多数のセンサーを配置するには手間がかかる上に、形状が安定的でない外装板や配管の表面に精度良くセンサーを取り付けることは非常に困難であることが、検査性能とコスト対効果を悪化させる原因となっている。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、被検査配管の欠陥を非破壊検査する磁気を用いた非破壊検査において、磁気センサーを外装板で囲まれた被検査配管に対して容易に位置精度よく長期間使用できるように設置することを課題とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、外装板で囲まれた被検査配管の欠陥を非破壊検査する磁気を用いた非破壊検査方法に適用するための磁気センサーが付属した磁気センサー付配管であって、
磁気センサーがシート基材に支持されてなるシート状ユニットが構成され、
前記シート状ユニットは前記外装版の内側に配置され、前記シート基材が被検査配管を覆うように設置されていることで前記シート状ユニットが被検査配管に取り付けられてなる磁気センサー付配管である。
請求項2記載の発明は、前記シート状ユニットは、前記被検査配管及び前記磁気センサーの外周を覆う磁気シールド層を有する請求項1に記載の磁気センサー付配管である。
請求項3記載の発明は、前記シート状ユニットに、前記磁気センサーの検出信号を出力するための電気コネクタが付設された請求項1又は請求項2に記載の磁気センサー付配管である。
請求項4記載の発明は、前記シート基材は、その透磁率が1.1より小さい材料からなる請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管である。
請求項5記載の発明は、前記シート基材は、その融点が200℃以上の樹脂材料からなる請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管である。
請求項6記載の発明は、前記シート基材の被検査配管への取付面に粘着剤層が形成され、当該粘着層による粘着により前記シート状ユニットが被検査配管に取り付けられた請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管である。
請求項7記載の発明は、前記シート状ユニットは、被検査配管の中心軸からの距離が互いに異なる複数の磁気センサーを含む請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管である。
請求項8記載の発明は、前記シート状ユニットは、被検査配管に非破壊検査用の磁場を印加するための励磁用導線を有し、当該励磁用導線は前記シート基材に支持され励磁コイルを構成している請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管である。
請求項9記載の発明は、前記シート状ユニットは、前記被検査配管、前記磁気センサー及び前記励磁用導線の外周を覆う磁気シールド層を有する請求項8に記載の磁気センサー付配管である。
請求項10記載の発明は、前記シート状ユニットに、前記励磁用導線に電圧を印加し、前記磁気センサーの検出信号を出力するための電気コネクタが付設された請求項8又は請求項9に記載の磁気センサー付配管である。
請求項11記載の発明は、請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管に接続されてなる非破壊検査装置であって、
外装板の外側から被検査配管に非破壊検査用の磁場を印加するための励磁コイルユニットと、
前記励磁コイルユニット及び前記シート状ユニットと接続され、前記励磁コイルユニットに印加する電圧を制御し、当該電圧印加時の前記磁気センサーの検出信号を取得する制御手段と、を備える非破壊検査装置である。
請求項12記載の発明は、請求項8から請求項10のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管に接続されなる非破壊検査装置であって、
前記シート状ユニットと接続され、前記励磁用導線に印加する電圧を制御し、当該電圧印加時の前記磁気センサーの検出信号を取得する制御手段を備える非破壊検査装置である。
本発明によれば、被検査配管の欠陥を非破壊検査する磁気を用いた非破壊検査において、磁気センサーがシート基材に支持されてなるシート状ユニットを、外装版の内側において被検査配管を覆うように設置すれば、磁気センサーを外装板内の被検査配管に対して容易に位置精度よく設置することができる。
また、磁気センサーは、シート基材によって支持されているので、配管の腐食がセンサーの直下で生じて配管表面に変位が生じても、磁気センサーの位置を維持することができ、長期に亘り配置精度を保持することができる。
さらに、シート基材によって磁気センサーが保護されるので、配管の腐食部に発生する異物等が磁気センサーに接触することを回避して磁気センサーを腐食から護ること、すなわち、長期間使用できるように磁気センサーを設置することができる。
本発明の一実施形態に係る非破壊検査装置の基本構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るシート状ユニットの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシート状ユニットに含まれる励磁用導線とその両端のコネクタを抜き出して描いた斜視図である。 図3に示した励磁用導線の両端のコネクタを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る磁気センサー付配管を示す軸方向上半身断面図(外装板及び断熱材無し(a)、外装板及び断熱材有り(b))である。 本発明の一実施形態に係る磁気センサー付配管を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシート状ユニットの断面図を示し、磁気センサーを異なる層にそれぞれ配置した場合に係る。 本発明の一実施形態に係り、ストレートアレイ型の励磁用導線を採用するシート状ユニットを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係り、ストレートアレイ型の励磁用導線を採用する磁気センサー付配管の縦断面図(a)及びA1−A1断面図(b)である(外装板及び断熱材無し)。 本発明の一実施形態に係り、リップル(波紋)型の励磁用導線を採用するシート状ユニットを示す斜視図(a)及び励磁コイル詳細図(b)である。 本発明の他の一実施形態に係るシート状ユニットの斜視図である。 図11に示すシート状ユニットを適用した場合の磁気センサー付配管及び励磁コイルユニットを示す斜視図である。
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態であるパルス磁気を用いた非破壊検査装置1の基本構成を示すブロック図である。
非破壊検査装置1は、被検査配管に磁場を印加して、被検査配管に流れる磁場の変化を検出することにより被検査配管の欠陥を探傷する非破壊検査装置であり、制御手段の中枢部及び解析手段として機能するコンピューター2と、励磁用電源3と、磁気センサー用回路4と、シート状ユニット10とを備えて構成される。
被検査配管は、断熱配管9の鋼管9aであり、断熱材9b、さらにその外側を外装板9cで囲まれている。
図2に示すようにシート状ユニット10は、シート基材11と、シート基材11に支持された磁気センサー12及び励磁用導線13とを備えて構成されている。シート基材11は、ポリイミドフィルムなどの柔軟な素材からなる。シート基材11上に磁気センサー12の配線が形成され、磁気センサー12が実装されている。磁気センサー12は、複数がシート基材11上で規則的に配列するセンサーアレイを構成する。励磁用導線13がシート基材11上において一方向に直線状に1組又は複数組設けられる(図2では3組)。励磁用導線13,13の間のスペースに磁気センサー12によるセンサーアレイが構成されている。
励磁用導線13は、励磁コイルを構成する複数本の電線で構成され、励磁コイルを構成するために両端部に電気コネクタ13a,13bを有する。電気コネクタ13a,13bは互いに接続するコネクタである。図3に示すように励磁用導線13は、励磁コイルを構成するために電気コネクタ13aと,電気コネクタ13bとによって螺旋状に接続する。より詳しくは図4を参照して説明する。電気コネクタ13a端子Aには電源の一方の電極からの電線が繋がり、電気コネクタ13aの端子Aは電気コネクタ13bの端子Bと接続し、電気コネクタ13bの端子Bは電気コネクタ13aの端子Bに電線で繋がれている。電気コネクタ13aの端子Bは電気コネクタ13bの端子Cと接続し、電気コネクタ13bの端子Cは電気コネクタ13aの端子Cに電線で繋がれている。電気コネクタ13aの端子Cは電気コネクタ13bの端子Dと接続する。以下同様に、電気コネクタ13bにある符号D〜Hが付された端子は、同符号が付された電気コネクタ13aにある端子D〜Hに電線で繋がれており、電気コネクタ13aの端子Hと接続する電気コネクタ13bの端子Iは、電源の他方の電極からの電線に繋がる。励磁コイルを構成する電線は、必要とする起電力と鋼管9aの径や入力波の周波数に合わせて、適切な巻き数や線径が設定される。
図2に示すように磁気センサー12の信号線及び励磁用導線13の電源線が電気コネクタ10aまで引き出されている。電気コネクタ10aは、励磁用導線13に電圧を印加し、磁気センサー12の検出信号を出力するために、シート状ユニット10に付設された電気コネクタである。
図5に示すようにシート状ユニット10は、外装版9cの内側に配置される。シート基材11が鋼管9aを覆うように設置されている。これによりシート状ユニット10はが鋼管9aに取り付けられる。その取付は粘着等により行われる。そのために、シート基材11の鋼管9aへの取付面11aに粘着剤層が形成されたものを予め作製しておくことが好ましい。その粘着剤層による粘着によりシート状ユニット10が鋼管9aに取り付けられる。
シート状ユニット10を鋼管9aに巻きつけ固定しつつ、電気コネクタ13aと電気コネクタ13bとを互いに接続して励磁用導線13により励磁コイルを構成し、図5及び図6に示すように電気コネクタ10aを外装板9cの外へ引き出した状態に施工する。この施工により断熱配管9は磁気センサー付配管となる。なお、断熱材9bはシート状ユニット10に外側に充填される。この磁気センサー付配管を、パイプライン等の一部品として長期間使用することとなる。
図5に示す状態においてシート状ユニット10は、鋼管9a、磁気センサー12及び励磁用導線13の外周を覆う被覆保護層14に、磁気シールド層を有する。外部環境から発生するノイズ要因を被覆保護層14に含まれる磁気シールド層で防ぐことができ、検査精度が向上する。磁気シールド層は、金属インク層や金属めっき層などで形成され、その材質には、鉄混合系であって一般的に透磁率の高い材質を用いる。具体的には、比透磁率が600程度のニッケル含有の材料(パーマロイなど)や、透磁率が2000程度の軟鉄、透磁率が5000程度の鉄、若しくはそれ以上の透磁率を備えた材料等を挙げることができる。
一方、シート基材11は、検査用磁場への影響を抑えるため、その透磁率が1.1より小さい材料からなる。また、シート基材11は、耐熱性のためにその融点が200℃以上の樹脂材料からなる。
上述した磁気センサー12によるセンサーアレイは、多数の磁気センサーがシート基材11の表面で規則的に配列されてたものであり、各磁気センサー12、12・・・は近傍の磁場を検出して、磁気センサー用回路4に検出信号を送信する。磁気センサー12に接続した磁気センサー用回路4は、磁気センサー12を駆動させる為の電力を供給し、磁気センサー12からの検出信号をコンピューター2へ送信する。
使用する磁気センサー12は、ホール素子、AMR、GMR、TMRなど、一般的に磁気センサーとして知られているもの何れかである。磁気センサー12近傍の磁場情報を正確に検出する為には、3次元軸で測定ができ且つ高解像度でダイナミックレンジの広いセンサーを使用するのが理想であるが、コスト面・解像度・ダイナミックレンジ等の必要用途に合わせて選定する。
シート状ユニット10は、薄いシート状であり、フレキシブルで耐久性の高い材質で且つ磁場に影響しにくい材質であることが望ましい。具体的には、ポリイミドやテフロン(登録商標)等といった樹脂材料で出来たシート、若しくは、アルミニウムや銅で出来たシートが挙げられる。これらの樹脂は耐熱性及び絶縁性に優れており、厚み精度の高い薄くフレキシブルな特性がある為、被検査配管に巻き付けるのに適している。特にポリイミド樹脂は、電気回路の絶縁層としても利用されており、粘着剤付きの絶縁シールとしても利用されていることから、本発明に適した材料である。
また、ポリイミド樹脂の透磁率は0.005程度であり、磁気センサー12での測定に悪影響を与えにくい材料でもある。テフロン樹脂の透磁率は0.0002以下と、さらに磁気に対しての影響が小さい材料である。
ポリイミド樹脂およびテフロン樹脂は、共に200℃以上の環境下でも利用可能な材料である為、鋼管9aが高温になる用途に使用される場合でも適用可能である。
また、シート状ユニット10を介して被検査配管に励磁用導線13による励磁コイルや磁気センサー12によるセンサーアレイを固定する本方法は、高精度且つ経時変化に対して強い位置決めができる優位な方法である。例えば、被検査配管表面に直接励磁コイルや磁気センサーを取り付けた場合、被検査配管表面の形状が経時劣化によって変化した時に、被検査配管に取り付けた励磁コイルや磁気センサーも初期位置から動いてしまうと、検査の精度が低下してしまう可能性がある。シート状ユニット10は、シート基材11のしなやかさにより、被検査配管表面の一部が変形しても、全体的に本来の取付位置を維持することができる為、シート状ユニット10による取付方法は被検査配管の変形に対して強い位置維持性が達成できる方法である。
透磁率が空気や真空に近い若しくはより小さい材質であれば、測定に悪影響は与えない為、アルミニウムや銅と行った汎用性や加工性の良い金属材料をシート状に加工してシート基材11として利用しても良い。
以上のように断熱配管9に取り付けられたシート状ユニット10を用いた鋼管9aの非破壊検査方法が次のように実施される。
まず、電気コネクタ10aを介して励磁用電源3及び磁気センサー用回路4をシート状ユニット10に接続する。
コンピューター2からの指令に基づき励磁用電源3から電気コネクタ10aを介して電力を励磁用導線13からなる励磁コイルに供給し、非破壊検査手法に適した入力波形、例えば矩形波、定周波、パルス波、直流などを、同励磁コイルから発生させる。この磁場成分の多くは鋼管9a内部を通って鋼管9aの長手方向に進む。この時、鋼管9a中に異物や劣化部位または傷等が存在すると、鋼管9aから磁場が漏れ出して、鋼管9a周囲の磁場の状態を変化させる。その変化の状態の分布を、磁気センサー12によるセンサーアレイで鋼管9a表面全域に渡って測定し、検出信号を磁気センサー用回路4を介してコンピューター2に転送して、コンピューター2が鋼管9aの状態を分析し、結果を表示装置などに出力する。
コンピューター2は、励磁用導線13を励磁用電源3で駆動した際に発生する磁場を磁気センサー12により検出し、当該磁気センサー12により検出した磁場の応答を解析することで鋼管9aの欠陥を特定する解析手段として機能する。
なお、コンピューター2に入力された検出信号波形のデータを、無線通信やデータ記録媒体の移動によって他のコンピューターに入力し、磁場応答の解析を当該他のコンピューターにより実施してもよい。すなわち、当該解析手段を他のコンピューターに構成することができ、必ずしも検出信号波形のデータを取得するコンピューター2に解析手段を搭載する必要はない。
鋼管9a全体を高精度に検査するには、高密度に磁気センサー12を配置したセンサーアレイを鋼管9a表面全てに設置するのが理想であるが、励磁コイルを設置する場所や各磁気センサー12の配線のスペース、および、必要とする検査精度に適したコストパフォーマンスを考慮して、適切な密度で磁気センサー12を配置すれば良い。
図7に示すようにシート状ユニット10を、鋼管9aの中心軸9mからの距離が互いに異なる複数の磁気センサー12,12,・・・を含むように構成してもよい。具体的な構造は、図7に示すようにシート基材11を何枚か重ね、各シート基材11上に磁気センサー12を固定した構造が挙げられる。
シート基材11の厚みは高精度に設定できる為、各層の磁気センサー12の鋼管9aの中心軸9mからの距離を高精度に決定することができる。この構成によるメリットは、鋼管9a周囲の磁場の状態変化を生じさせる原因部位を空間的にとらえることができるところにある。鋼管9a内から漏れ出した磁場の強度は、鋼管9a外の空間において鋼管9aから離れるにつれ指数関数的に減衰する為、多層に配置した磁気センサー12を用いると、漏れ磁場の発生位置を推定することができる。
〔励磁コイルと磁気センサーアレイの配置バリエーション〕
必要とする被検査配管に与える磁場の入力方向に応じて、励磁用導線13による励磁コイルの形状は様々である為、それぞれの構造と機能について説明する。
・基本型およびヘルムホルツコイル型(図5)
図5等に示した上述して構成がこれにあたる。励磁用導線13による励磁コイルと鋼管9aは、いわゆる誘導コイルの構成になっている。基本型の励磁コイルより発生する磁場は、鋼管9a内部を通って鋼管9aの長手方向に進む。また、励磁用導線13による励磁コイルを複数組設けた場合、ヘルムホルツコイルと類似した構成になり、励磁コイル内側により均一な磁場を発生させることができる為、検査精度の向上が期待できる。
・ストレートアレイ型(図8、図9)
図8及び図9に示すように複数の電線からなる励磁用導線13が鋼管9aの長手方向に延び、鋼管9aの外周方向に均等に配列して励磁コイルを構成する構成がこれにあたる。励磁コイルは、励磁用導線13と、電気コネクタ10aを介して励磁用導線13に接続される外部の配線とにより構成されれば足りる。励磁コイルから発生する磁場はローレンツ力の向きに従った方向に発生する為、鋼管9aの外周方向に進む磁場が発生する。
・リップル(波紋)型(図10)
図10に示すように励磁用導線13を螺旋状に巻いた励磁コイル13cを鋼管9aの表面上で磁気センサー12を囲むように配列した構成がこれにあたる。励磁コイル13cの軸方向が鋼管9aの半径方向になるように配置される。このような励磁コイル13cから発生する磁場の方向は、先に説明した基本型やヘルムホルツコイル型に対して励磁コイル13cの向きが90度異なる為、鋼管9aの半径方向に進む。磁気センサー12の配置は、高い検査感度を得る為に励磁コイル13cの中心に配置することを基本とするが、鋼管9a全体の状態を検出する為に、励磁コイル13cの中心以外の位置を含めて鋼管9a表面の全域に亘るように配置しても良い。
〔励磁コイルを別体で設ける構造(図11、図12)〕
以上説明した実施形態では、シート状ユニット10に励磁用導線13及び磁気センサー12を保持した構造について説明したが、図11に示すようにシート状ユニット10に、励磁用導線13を配置せず磁気センサー12だけを配置する構成であっても構わない。この場合、図2等に示した形態において励磁用導線13を配置したスペースにも磁気センサー12を配置できる為、磁気変化の分布を最も高精度に測定することができる。この場合、測定の為の磁場は、図12に示すように励磁用電源3に接続した励磁コイルユニット16を外装版9cの外側に設置して、この励磁コイルユニット16から鋼管9a内に磁場を発生させることで実施する。図12には、ヘルムホルツコイル型を用いた場合の検査装置の外観である。励磁コイルユニット16に構成するコイル型やコイル数な適宜選択する。この場合、電気コネクタ10aは磁気センサー12との接続のために用いられる。
以上説明した実施形態によれば、鋼管9aの欠陥を非破壊検査する磁気を用いた非破壊検査において、磁気センサー12がシート基材11に支持されてなるシート状ユニット10を、外装版9cの内側において鋼管9aを覆うように設置すれば、磁気センサー12を外装板9c内の鋼管9aに対して容易に位置精度よく設置することができる。
また、磁気センサー12は、シート基材11によって支持されているので、鋼管9aの腐食がセンサー12の直下で生じて鋼管9aの表面に変位が生じても、磁気センサー12の位置を維持することができ、長期に亘り配置精度を保持することができる。
さらに、シート基材11によって磁気センサー12が保護されるので、鋼管9aの腐食部に発生する異物等が磁気センサー12に接触することを回避して磁気センサー12を腐食から護ること、すなわち、長期間使用できるように磁気センサー12を設置することができる。
1 非破壊検査装置
2 コンピューター(制御手段)
3 励磁用電源
4 磁気センサー用回路
9 断熱配管
9a 鋼管
9b 断熱材
9c 外装板
9m 中心軸
10 シート状ユニット
10a 電気コネクタ
11 シート基材
11a 取付面
12 磁気センサー
13 励磁用導線
13a,13b 電気コネクタ
14 被覆保護層

Claims (12)

  1. 外装板で囲まれた被検査配管の欠陥を非破壊検査する磁気を用いた非破壊検査方法に適用するための磁気センサーが付属した磁気センサー付配管であって、
    磁気センサーがシート基材に支持されてなるシート状ユニットが構成され、
    前記シート状ユニットは前記外装版の内側に配置され、前記シート基材が被検査配管を覆うように設置されていることで前記シート状ユニットが被検査配管に取り付けられてなる磁気センサー付配管。
  2. 前記シート状ユニットは、前記被検査配管及び前記磁気センサーの外周を覆う磁気シールド層を有する請求項1に記載の磁気センサー付配管。
  3. 前記シート状ユニットに、前記磁気センサーの検出信号を出力するための電気コネクタが付設された請求項1又は請求項2に記載の磁気センサー付配管。
  4. 前記シート基材は、その透磁率が1.1より小さい材料からなる請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管。
  5. 前記シート基材は、その融点が200℃以上の樹脂材料からなる請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管。
  6. 前記シート基材の被検査配管への取付面に粘着剤層が形成され、当該粘着層による粘着により前記シート状ユニットが被検査配管に取り付けられた請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管。
  7. 前記シート状ユニットは、被検査配管の中心軸からの距離が互いに異なる複数の磁気センサーを含む請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管。
  8. 前記シート状ユニットは、被検査配管に非破壊検査用の磁場を印加するための励磁用導線を有し、当該励磁用導線は前記シート基材に支持され励磁コイルを構成している請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管。
  9. 前記シート状ユニットは、前記被検査配管、前記磁気センサー及び前記励磁用導線の外周を覆う磁気シールド層を有する請求項8に記載の磁気センサー付配管。
  10. 前記シート状ユニットに、前記励磁用導線に電圧を印加し、前記磁気センサーの検出信号を出力するための電気コネクタが付設された請求項8又は請求項9に記載の磁気センサー付配管。
  11. 請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管に接続されてなる非破壊検査装置であって、
    外装板の外側から被検査配管に非破壊検査用の磁場を印加するための励磁コイルユニットと、
    前記励磁コイルユニット及び前記シート状ユニットと接続され、前記励磁コイルユニットに印加する電圧を制御し、当該電圧印加時の前記磁気センサーの検出信号を取得する制御手段と、を備える非破壊検査装置。
  12. 請求項8から請求項10のうちいずれか一に記載の磁気センサー付配管に接続されなる非破壊検査装置であって、
    前記シート状ユニットと接続され、前記励磁用導線に印加する電圧を制御し、当該電圧印加時の前記磁気センサーの検出信号を取得する制御手段を備える非破壊検査装置。
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