JP2016114199A - ドラム型変速機構 - Google Patents

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道雄 塚本
Michio Tsukamoto
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Abstract

【課題】ディテント機構によるディテント作用を有しつつ、追加部材を要すること無く、中立位置から変速位置へ至る変速中途状態のスライダーを変速位置へ向けて押動する押動力を発生し得るドラム型変速機構を提供する。【解決手段】ディテント機構の変速位置用凹部は、ティテント凸状部材を操作軸の径方向に関し最内方に位置させる最深部と、周方向に関し前記最深部より中立位置用凹部に近接する側に位置し、前記最深部から前記中立位置用凹部へ近接するに従って浅くなる傾斜面とを含み、前記傾斜面は、スライダーが軸線方向に関し中立位置から変速位置までの間の変速中途位置に位置する際に前記ディテント凸状部材と係合するように形成されている。【選択図】図15

Description

本発明は、ドラム型変速機構に関する。
例えば、下記特許文献1には、軸線回りに回転される操作軸と、前記操作軸に相対回転不能に支持され、外周面に高低速切換用の第1案内溝及び前後進切換用の第2案内溝が形成されたドラムと、前記第1案内溝に係入される第1係合ピンを有する第1シフトフォークと、前記第2案内溝に係入される第2係合ピンを有する第2シフトフォークと、前記第1及び第2シフトフォークを軸線方向移動自在に支持するフォーク軸と、伝動回転軸に相対回転自在に支持された前進高速段用ギヤ、前進低速段用ギヤ及びパーキング・後進兼用ギヤと、前記前進高速段用ギヤ及び前記前進低速段用ギヤの間において前記伝動回転軸に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持され、前記第1シフトフォークによって軸線方向に移動されて、前記前進高速段用ギヤに凹凸係合される前進高速段位置、前記両ギヤの何れとも凹凸係合されない中立位置、及び、前記前進低速段用ギヤに凹凸係合される前進低速段位置をとり得る第1スライダーと、前記パーキング・後進兼用ギヤと対向する状態で前記伝動回転軸に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持され、前記第2シフトフォークによって軸線方向に移動されて、前記パーキング・後進兼用ギヤに凹凸係合されるパーキング・後進位置、及び、前記パーキング・後進兼用ギヤに凹凸係合されない中立位置をとり得る第2スライダーとを備えたドラム型変速機構が開示されている。
前記特許文献1に記載の従来のドラム型変速機構は、さらに、人為操作に応じて軸線回りに回転し且つ前記操作軸に作動連結されたシフトスピンドルと、前記シフトスピンドルに作動連結されたパーキング機構とを有している。
前記シフトスピンドルは、軸線回りに、順に、前進高速位置、前進低速位置、パーキング位置及び後進位置を取り、前記パーキング機構は、前記シフトスピンドルがパーキング位置へ操作された場合にのみ前記パーキング・後進兼用ギヤを回転停止状態とするようになっている。
前記第1及び第2案内溝は、前記シフトスピンドルの前進高速位置への操作に応じて前記操作軸が軸線回り前進高速位置に位置されると前記第2スライダーを中立位置に位置させつつ前記第1スライダーを前進高速段位置に位置させて前記前進高速段用ギヤに凹凸係合させる前進高速段状態を現出させ、前記シフトスピンドルの前進低速位置への操作に応じて前記操作軸が軸線回り前進低速位置に位置されると前記第2スライダーを中立位置に位置させつつ前記第1スライダーを前進低速段位置に位置させて前記前進低速段用ギヤに凹凸係合させる前進低速段状態を現出させ、前記シフトスピンドルのパーキング位置への操作に応じて前記操作軸が軸線回りパーキング・後進位置に位置されると前記第1スライダーを中立位置に位置させつつ、前記第2スライダーをパーキング・後進位置に位置させて前記パーキング・後進兼用ギヤに凹凸係合させるパーキング・後進状態を現出させるように構成されている。
なお、前記シフトスピンドルがパーキング位置から後進位置へ操作されても前記操作軸はパーキング・後進位置に保持されたままであるが、前記パーキング機構は、前記シフトスピンドルがパーキング位置に位置されている際には前記後進・パーキング兼用ギヤの回転が強制的に停止させるパーキング状態を現出させ、前記シフトスピンドルがパーキング位置から後進位置へ操作されると前記後進・パーキング兼用ギヤの強制回転停止を解除させて後進状態を現出させる。
前記ドラム型変速機構においては、前記操作軸又は前記シフトスピンドルに対する人為操作力を解除しても、前記操作軸又は前記シフトスピンドルがその時点での操作位置に係止される必要があり、かかる要望は、ディテント機構を備えることによって達成され得る。
ところで、前記ドラム型変速機構においては、所望変速状態を直ちに現出させることができない事態が生じ得る。
即ち、前記操作軸が所望変速位置(例えば前進低速位置)へ向けて操作されると、前記第1係合ピンが前記ドラムの第1案内溝によって案内されて、前記第1シフトフォークが前記第1スライダーを所望変速位置(この場合には前進低速段位置)へ向けて押動する。
この際、前記第1スライダーの凹凸係合部が前記前進低速段用ギヤの凹凸係合部に直ちに係合されれば、所望変速状態が直ちに現出されることになるが、前記第1スライダーの凹凸係合部の凸部と前記前進低速段用ギヤの凹凸係合部の凸部とが対向する場合には、前記第1スライダーが前記前進低速段用ギヤに凹凸係合できない事態が生じ得る。
このような事態が生じると、操縦者は、前記第1スライダーの凹凸係合部が前記前進低速段用ギヤの凹凸係合部に凹凸係合するまで、前記操作軸を軸線回り所望変速位置へ向けて操作し続け無ければならない。
特開2014−070650号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、ドラムを相対回転不能に支持する操作軸の軸線回りの回転操作に応じて、前記ドラムに形成された案内溝によってシフトフォーク及びスライダーを軸線方向へ移動させて、前記スライダーを対応する変速部材に凹凸係合させることで所望変速状態を現出させるドラム型変速機構において、ディテント機構によって前記操作軸を軸線回りの所望操作位置に係止するディテント作用を奏することができ、さらに、追加部材を要すること無く、中立位置から変速位置へ向かう変速中途状態の前記スライダーに対して変速位置へ向けて押動する押動力を作用させ得るドラム型変速機構の提供を目的とする。
本発明は、前記目的を達成する為に、伝動回転軸に対して相対回転自在とされた変速部材と、前記伝動回転軸に相対回転不能且つ軸線方向移動可能とされ、軸線方向に関し前記変速部材に凹凸係合しない中立位置及び前記変速部材に凹凸係合する変速位置を選択的に取り得るスライダーと、フォーク軸に軸線方向移動可能に支持され、前記スライダーを軸線方向に移動させるシフトフォークと、前記シフトフォークの係合ピンが係入される案内溝が形成されたドラムと、前記ドラムを軸線回り相対回転不能に支持し、軸線回り中立位置及び前記軸線回り中立位置から軸線回りに回転された変速位置を含む操作位置を取り得る操作軸とを備え、前記案内溝は、前記操作軸の中立位置から変速位置への操作に応じて前記スライダーが中立位置から変速位置へ向かう方向へ押動されるように前記係合ピンを案内するドラム型変速機構であって、前記操作軸を前記操作位置のそれぞれに係止可能なディテント機構を備え、前記ディテント機構は、ディテント凸状部材と、前記ディテント凸状部材を前記操作軸の外表面の所定部位に向けて付勢するディテント付勢部材と、前記操作軸が軸線回り中立位置及び変速位置に位置された際に前記ディテント付勢部材によって付勢された前記ディテント凸状部材が係入されるように前記操作軸の外表面に形成された中立位置用凹部及び変速位置用凹部を含むディテント凹部とを有し、前記変速位置用凹部は、前記ティテント凸状部材を前記操作軸の径方向に関し最内方に位置させる最深部と、周方向に関し前記最深部より前記中立位置用凹部に近接する側に位置し、前記最深部から前記中立位置用凹部へ近接するに従って浅くなる傾斜面とを含み、前記傾斜面は、前記スライダーが軸線方向に関し中立位置から変速位置までの間の変速中途位置に位置する際に前記ディテント凸状部材と係合するように形成されているドラム型変速機構を提供する。
好ましくは、前記ドラムは前記操作軸に軸線方向移動可能に支持されると共に、前記ドラム型変速機構に、前記スライダーが前記変速部材から離間する方向である軸線方向一方側へ前記ドラムを付勢するドラムばねと、前記ドラムの軸線方向一方側への移動端を画するドラム用第1ストッパー部材と、前記ドラムの軸線方向他方側の移動端を画するドラム用第2ストッパー部材であって、前記ドラムが前記ドラム用第1ストッパー部材に当接されている状態において前記ドラムとの間に間隙が存するように配置されたドラム用第2ストッパー部材とを備え得る。
本発明に係る前記ドラム型変速機構は、好ましくは、前記スライダーが前記変速部材に近接する方向である軸線方向他方側へ前記シフトフォークを付勢するフォークばねを備え得る。
一形態においては、本発明に係る前記ドラム型変速機構は、さらに、前記スライダーを挟んで前記変速部材とは反対側の配置され、前記伝動回転軸に対して相対回転自在とされた他の変速部材を備え得る。
前記一形態においては、前記スライダーは、軸線方向に関し、前記中立位置及び前記変速位置に加えて、前記中立位置から軸線方向一方側へ変位され、前記他の変速部材と凹凸係合する他の変速位置を取り得るように構成され、前記操作軸は、前記操作位置として、前記中立位置及び前記変速位置に加えて、前記中立位置から軸線回りに前記変速位置とは反対側へ回転された際に位置する他の変速位置を取り得るように構成され、前記ディテント凹部は、前記操作軸が前記他の変速位置に位置された際に前記ディテント付勢部材によって付勢された前記ディテント凸状部材が係入される他の変速位置用凹部を含み得る。
さらに、前記一形態においては、前記ドラムは前記操作軸に軸線方向移動可能に支持されると共に、前記ドラム型変速機構には、さらに、前記スライダーが前記変速部材から離間し且つ前記他の変速部材に近接する方向である軸線方向一方側へ前記ドラムを付勢するドラムばねと、前記ドラムの軸線方向一方側への移動端を画するドラム用第1ストッパー部材とが備えられる。
前記一形態に係るドラム型変速機構は、好ましくは、前記ドラムの軸線方向他方側の移動端を画するドラム用第2ストッパー部材であって、前記ドラムが前記ドラム用第1ストッパー部材に当接されている状態において前記ドラムとの間に間隙が存するように配置されたドラム用第2ストッパー部材を備え得る。
前記一形態に係るドラム型変速機構は、好ましくは、前記スライダーが前記変速部材に近接する方向である軸線方向他方側へ前記シフトフォークを付勢するフォークばねを備え得る。
前記種々の構成において、例えば、前記変速部材は、回転不能に固定され、前記スライダーと凹凸係合された際にパーキング状態を現出させる固定部材とされ得る。
本発明に係るドラム型変速機構によれば、ディテント凸状部材と、前記ディテント凸状部材を操作軸の外表面の所定部位に向けて付勢するディテント付勢部材と、前記操作軸が軸線回り中立位置及び変速位置に位置された際に前記ディテント付勢部材によって付勢された前記ディテント凸状部材が係入されるように前記操作軸の外表面に形成された中立位置用凹部及び変速位置用凹部を含むディテント凹部とを有するディテント機構が備えられているので、前記操作軸を所定操作位置に確実に係止することができる。
さらに、前記変速位置用凹部が、前記ティテント凸状部材を前記操作軸の径方向に関し最内方に位置させる最深部と、周方向に関し前記最深部より前記中立位置用凹部に近接する側に位置し、前記最深部から前記中立位置用凹部へ近接するに従って浅くなる傾斜面とを有しており、前記傾斜面は、前記スライダーが軸線方向に関し中立位置から変速位置までの間の変速中途位置に位置する際に前記ディテント凸状部材と係合するように形成されているので、前記操作軸の中立位置から変速位置への回転操作に応じてドラムの案内溝及びシフトフォークの係合ピンを介して中立位置から変速位置へ移動している変速中途状態のスライダーに対して、前記ディテント付勢部材による付勢力を変速位置へ向けて押動する押動力として作用させることができる。
従って、前記スライダーを変速位置へ移動させる際に前記スライダーの凹凸係合部が対応する変速部材の凹凸係合部に干渉して前記スライダーを変速位置まで移動させることができない事態が生じた場合であっても、その後に前記操作軸に対して人為操作を行うこと無く、又は、その後に前記操作軸を人為操作する為に必要とされる操作力を可及的に低減させつつ、前記ディテント付勢部材による付勢力によって前記スライダーを変速位置まで移動させて所望変速状態を現出させることができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るドラム型変速機構が適用された作業車輌の伝動模式図である。 図2は、前記ドラム型変速機構の斜視図である。 図3は、中立状態とされている前記ドラム型変速機構の部分縦断斜視図である。 図4は、第1変速状態とされている前記ドラム型変速機構の部分縦断斜視図である。 図5は、第2変速状態とされている前記ドラム型変速機構の部分縦断斜視図である。 図6は、第3変速状態とされている前記ドラム型変速機構の部分縦断斜視図である。 図7は、第4変速状態とされている前記ドラム型変速機構の部分縦断斜視図である。 図8は、中立状態とされている前記ドラム型変速機構の部分縦断正面図である。 図9は、前記ドラム型変速機構における操作軸、第1及び第2ドラム、第1及び第2ドラムばね並びに第1及び第2スライダーを含む操作軸アッセンブリの底面図である。 図10は、前記第1及び第2ドラムに設けられた第1及び第2案内溝の展開図である。 図11は、前記第1及び第2案内溝の変形例の展開図であり、図10のA部に対応した変形例を示している。 図12は、図8におけるXII-XII線に沿った前記ドラム型変速機構におけるディテント機構の端面図である。 図13は、前記ドラム型変速機構の部分縦断斜視図であり、前記ドラム型変速機構における第2スライダー及び第4変速部材の凹凸係合部が互いに対して干渉している為に前記第2スライダーを第4変速位置に位置させることができない変速中途状態を示している。 図14は、前記操作軸アッセンブリの拡大底面図であり、前記変速中途状態の際の第2案内溝に対する第2係合ピンの係合位置を示している。 図15は、前記変速中途状態における前記ディテント機構の端面図である。
以下、本発明に係るドラム型変速機構の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施の形態に係るドラム型変速機構100が適用された作業車輌1の伝動模式図を示す。
まず、図1を参照しつつ、前記作業車輌1の概略構成について説明する。
図1に示すように、前記作業車輌1は、車体10と、前記車体10に支持されたエンジン20と、前記車体10に支持された前輪30F及び後輪30Rと、前記エンジン20から前記前輪30F及び後輪30Rのうち駆動輪として作用する車輪へ至る走行系伝動経路に介挿された前記ドラム型変速機構100とを備えている。
本実施の形態においては、図1に示すように、前記作業車輌1においては、前記前輪30F及び後輪30Rの双方が駆動輪として作用している。
詳しくは、前記作業車輌1は、主駆動輪として作用する左右一対の後輪30Rと、副駆動輪として作用し且つ操舵輪としても作用する左右一対の前輪30Fとを有しており、前記ドラム型変速機構100によって変速された回転動力が前記左右一対の後輪30R及び前記左右一対の前輪30Fに作動伝達されるようになっている。
なお、前記ドラム型変速機構100から前記左右一対の後輪30Rへは後輪側デファレンシャルギヤ機構40を介して動力が差動伝達され、前記ドラム型変速機構100から前記左右一対の前輪30Fへは前輪側デファレンシャルギヤ機構(図示せず)を介して動力が差動伝達される。
図2に、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100の斜視図を示す。
図1及び図2に示すように、前記ドラム型変速機構100は、前記走行系伝動経路に介挿された伝動回転軸110と、前記伝動回転軸110に対して軸線回り相対回転自在とされた第1及び第2変速部材120(1)、120(2)と、前記第1及び第2変速部材120(1)、120(2)の間において前記伝動回転軸110に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された第1スライダー130(1)と、前記伝動回転軸110に平行に配置されたフォーク軸140と、前記フォーク軸140に軸線方向移動可能に支持された第1シフトフォーク150(1)と、前記フォーク軸140に平行に配置され、人為操作に応じて軸線回りに回転される操作軸160と、前記操作軸160に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された第1ドラム170(1)とを備えている。
なお、本実施の形態においては、前記操作軸160は、人為操作される操作ユニット500を介して軸線回りに回転されるようになっている。
図2に示すように、前記操作ユニット500は、前記操作軸160に平行に配置された操作伝達軸520と、前記操作伝達軸520に相対回転不能に支持された駆動側操作ギヤ530と、前記操作軸160に相対回転不能に支持され且つ前記駆動側操作ギヤ530に噛合された従動側操作ギヤ540と、基端部が前記操作伝達軸520に相対回転不能に支持された操作アーム510とを有している。
本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、4段階の変速状態を現出させ得るように構成されている。
詳しくは、図1及び図2に示すように、前記ドラム型変速機構100は、さらに、前記伝動回転軸110に対して軸線回り相対回転自在とされた第3及び第4変速部材120(3)、120(4)と、前記第3及び第4変速部材120(3)、120(4)の間において前記伝動回転軸110に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された第2スライダー130(2)と、前記フォーク軸140に軸線方向移動可能に支持された第2シフトフォーク150(2)と、前記操作軸160に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された第2ドラム170(2)とを備えている。
なお、図1に示すように、本実施の形態においては、前記伝動回転軸110は、伝動方向下流側に位置する変速従動軸とされている。
即ち、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、図1に示すように、前記伝動回転軸110に平行に配設され且つ前記エンジン20から回転動力が作動伝達される変速駆動軸105を備え、前記操作軸160への人為操作に応じて、前記変速従動軸として作用する前記伝動回転軸110に前記第1〜第4変速部材120(1)〜120(4)に対応した回転速度を現出させ得るように構成されている。
詳しくは、図1に示すように、前記変速駆動軸105には、駆動側第1〜第3変速ギヤ106(1)〜106(3)が相対回転不能に支持されている。
そして、前記第1〜第3変速部材120(1)〜120(3)は、それぞれ、前記変速従動軸として作用する前記伝動回転軸110に相対回転自在に支持された従動側第1〜第3変速ギヤとされている。
即ち、前記第1変速部材120(1)は、前記駆動側第1変速ギヤ106(1)に直接的に噛合されており、前記駆動側第1変速ギヤ106(1)と共に前進高速ギヤ列を形成している。
前記第2変速部材120(2)は、アイドルギヤ107を介して前記駆動側第2変速ギヤ106(2)に連結されており、前記駆動側第2変速ギヤ106(2)と共に後進ギヤ列を形成している。
前記第3変速部材120(3)は、前記駆動側第3変速ギヤ106(3)に直接的に噛合されており、前記駆動側第3変速ギヤ106(3)と共に前進低速ギヤ列を形成している。
本実施の形態においては、図1に示すように、前記第4変速部材120(4)は、回転不能に固定された固定部材とされている。
即ち、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、第4変速状態として、前記伝動回転軸110の強制的な回転停止状態を現出させるように構成されている。
前記第1スライダー130(1)は、前記第1変速部材120(1)と対向する軸線方向一方側の端面に第1変速部材用凹凸係合部131(1)(下記図3等参照)を有し、前記第2変速部材120(2)と対向する軸線方向他方側の端面に第2変速部材用凹凸係合部131(2)(図2参照)を有している。
前記第1変速部材120(1)は、前記第1変速部材用凹凸係合部131(1)に対応した凹凸係合部121(1)(下記図3等参照)を有し、前記第2変速部材120(2)は、前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)に対応した凹凸係合部121(2)(図2参照)を有している。
前記第1スライダー130(1)は、軸線方向に関し、前記第1変速部材用凹凸係合部131(1)が前記第1変速部材120(1)の凹凸係合部121(1)に係合される第1変速位置(下記図4参照)と、前記第1及び第2変速部材120(1)、120(2)の何れにも係合されない中立位置(下記図3等参照)と、前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)が前記第2変速部材120(2)の凹凸係合部121(2)に係合される第2変速位置(下記図5参照)とを選択的に取り得る。
即ち、前記第1及び第2変速部材の何れとも係合しない前記第1スライダーの軸線方向基準位置(非係合位置)が前記中立位置を意味し、前記基準位置から前記第1変速部材に近接する軸線方向一方側へ所定距離だけ変位された第1変位位置が前記第1変速位置を意味し、前記基準位置から前記第2変速部材に近接する軸線方向他方側へ所定距離だけ変位された第2変位位置が前記第2変速位置を意味する。
同様に、前記第2スライダー130(2)は、前記第3変速部材120(3)と対向する軸線方向一方側の端面に第3変速部材用凹凸係合部131(3)(下記図3参照)を有し、前記第4変速部材120(4)と対向する軸線方向他方側の端面に第4変速部材用凹凸係合部131(4)(図2参照)を有している。
前記第3変速部材120(3)は、前記第3変速部材用凹凸係合部131(3)に対応した凹凸係合部121(3)(下記図3参照)を有し、前記第4変速部材120(4)は、前記第4変速部材用凹凸係合部131(4)に対応した凹凸係合部121(4)(図2参照)を有している。
前記第2スライダー130(2)は、軸線方向に関し、前記第3変速部材用凹凸係合部131(3)が前記第3変速部材120(3)の凹凸係合部121(3)に係合される第3変速位置(下記図6参照)と、前記第3及び第4変速部材120(3)、120(4)の何れにも係合されない中立位置(下記図3等参照)と、前記第4変速部材用凹凸係合部131(4)が前記第4変速部材120(4)の凹凸係合部121(4)に係合される第4変速位置(下記図7参照)とを選択的に取り得る。
即ち、前記第3及び第4変速部材の何れとも係合しない前記第2スライダーの軸線方向基準位置(非係合位置)が前記中立位置を意味し、前記基準位置から前記第3変速部材に近接する軸線方向一方側へ所定距離だけ変位された第1変位位置が前記第3変速位置を意味し、前記基準位置から前記第4変速部材に近接する軸線方向他方側へ所定距離だけ変位された第2変位位置が前記第4変速位置を意味する。
前記ドラム型変速機構100においては、前記第1及び第2スライダー130(1)、130(2)の軸線方向位置に応じて、変速状態が変化される。
即ち、前記第1及び第2スライダー130(1)、130(2)が共に中立位置(基準位置)に位置されると、前記伝動回転軸110が軸線回り回転自在な状態とされた中立状態が現出される。
図3に、中立状態の前記ドラム型変速機構100の部分断面斜視図を示す。
なお、図3においては、前記操作ユニット500の図示を省略している。
前記第2スライダー130(2)が中立位置(基準位置)に位置されつつ前記第1スライダー130(1)が第1変速位置(軸線方向一方側の第1変位位置)に位置されると、前記伝動回転軸110が前記第1変速部材120(1)に連結された第1変速状態が現出される。
図4に、第1変速状態の前記ドラム型変速機構100の部分縦断斜視図を示す。
なお、図4においては、前記操作ユニット500の図示を省略している。
本実施の形態においては、前述の通り、前記第1変速部材120(1)は前進高速ギヤ列を形成しており、前記第1変速状態は前進高速状態とされる。
前記第2スライダー130(2)が中立位置(基準位置)に位置されつつ前記第1スライダー130(1)が第2変速位置(軸線方向他方側の第2変位位置)に位置されると、前記伝動回転軸110が前記第2変速部材120(2)に連結された第2変速状態が現出される。
図5に、第2変速状態の前記ドラム型変速機構100の部分縦断斜視図を示す。
なお、図5においては、前記操作ユニット500の図示を省略している。
本実施の形態においては、前述の通り、前記第2変速部材120(2)は後進ギヤ列を形成しており、前記第2変速状態は後進状態とされる。
前記第1スライダー130(1)が中立位置(基準位置)に位置されつつ前記第2スライダー130(2)が第3変速位置(軸線方向一方側の第1変位位置)に位置されると、前記伝動回転軸110が前記第3変速部材120(3)に連結された第3変速状態が現出される。
図6に、第3変速状態の前記ドラム型変速機構の部分縦断斜視図を示す。
なお、図6においては、前記操作ユニット500の図示を省略している。
本実施の形態においては、前述の通り、前記第3変速部材120(3)は前進低速ギヤ列を形成しており、前記第3変速状態は前進低速状態とされる。
前記第1スライダー130(1)が中立位置(基準位置)に位置されつつ前記第2スライダー130(2)が第4変速位置(軸線方向他方側の第2変位位置)に位置されると、前記伝動回転軸110が前記第4変速部材120(4)に連結された第4変速状態が現出される。
図7に、第4変速状態の前記ドラム型変速機構100の部分縦断斜視図を示す。
なお、図7においては、前記操作ユニット500の図示を省略している。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記第4変速部材120(4)は固定部材とされており、従って、前記第4変速状態は、前記エンジン20から前記伝動回転軸110への動力伝達が遮断され且つ前記伝動回転軸110の軸線回りの回転が強制的に停止されたパーキング状態とされる。
前記第1及び第2スライダー130(1)、130(2)は、それぞれ、前記第1及び第2シフトフォーク150(1)、150(2)によって軸線方向に移動される。
図8に、中立状態の前記ドラム型変速機構100の部分縦断正面図を示す。
図2〜図8に示すように、前記第1シフトフォーク150(1)は、前記フォーク軸140に軸線方向移動自在に支持された基端部151(1)と、前記第1スライダー130(1)に係合された第1スライダー係合部152(1)と、前記第1ドラム170(1)に形成された第1案内溝181に係入される第1係合ピン153(1)とを有している。
同様に、前記第2シフトフォーク150(2)は、前記フォーク軸140に軸線方向移動自在に支持された基端部151(2)と、前記第2スライダー130(2)に係合された第2スライダー係合部152(2)と、前記第2ドラム170(2)に形成された第2案内溝182に係入される第2係合ピン153(2)とを有している。
前記第1及び第2案内溝181、182は、前記操作軸160の軸線回り位置に応じて、前記第1及び第2シフトフォーク150(1)、150(2)を対応する前記第1及び第2ドラム170(1)、170(2)に対して軸線方向に相対移動させるように構成されている。
なお、前記第1及び第2案内溝181、182の詳細構成については後述する。
本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、さらに、前記操作軸160に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持されているドラムを軸線方向第1側へ付勢するドラムばねと、前記ドラムばねよりも弱い付勢力でシフトフォークを軸線方向第1側とは反対側の軸線方向第2側へ付勢するフォークばねと、前記ドラムの軸線方向第1側への移動端を画する第1ストッパー部材とを備えている。
前述の通り、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、前記ドラムとして前記第1及び第2ドラム170(1)、170(2)を有し、前記シフトフォークとして前記第1及び第2シフトフォーク150(1)、150(2)を有している。
従って、前記ドラム型変速機構100は、図2〜図8に示すように、前記ドラムばねとして、前記第1ドラム170(1)を軸線方向第1側へ付勢する第1ドラムばね200(1)及び前記第2ドラム170(2)を軸線方向第1側へ付勢する第2ドラムばね200(2)を有し、前記フォークばねとして、前記第1ドラム200(1)ばねよりも弱い付勢力で前記第1シフトフォーク150(1)を軸線方向第2側へ付勢する第1フォークばね220(1)及び前記第2ドラムばね200(2)よりも弱い付勢力で前記第2シフトフォーク150(2)を軸線方向第2側へ付勢する第2フォークばね220(2)を有し、且つ、前記第1ストッパー部材として、前記第1ドラム170(1)の軸線方向第1側への移動端を画する第1ドラム用第1ストッパー部材210(1)及び前記第2ドラム170(2)の軸線方向第1側への移動端を画する第2ドラム用第1ストッパー部材210(2)を有している。
なお、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、前記操作軸160を操作位置に係止する為の後述するディテント機構300を備えており、前記ディテント機構300の付勢力が前記第2フォークばね220(2)と実質的に同一作用を奏するように構成されている。
この場合には、前記第2フォークばね220(2)を不要とすることができる。
本実施の形態においては、前記第2フォークばね220(2)は、バックアップ又はアシスト用として備えられている。
前記ディテント機構300の詳細については後述する。
本実施の形態においては、軸線方向第1側とは、前記第1及び第2スライダー130(1)、130(2)がそれぞれ前記第1及び第3変速部材120(1)、120(3)に近接する方向であり、軸線方向第2側とは前記第1及び第2スライダー130(1)、130(2)がそれぞれ前記第2及び第4変速部材120(2)、120(4)に近接する方向である。
このように、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100においては、前記第1係合ピン153(1)が前記第1案内溝181に係入されてなる前記第1ドラム170(1)及び前記第1シフトフォーク150(1)の連結体が、前記第1ドラムばね200(1)によって軸線方向第1側へ付勢され且つ前記第1フォークばね220(1)によって軸線方向第2側へ付勢されている。
斯かる構成によれば、前記操作軸160を軸線回りに中立位置から第1変速位置へ操作する際に前記第1スライダー130(1)の前記第1変速部材用凹凸係合部131(1)と前記第1変速部材120(1)の前記凹凸係合部121(1)とが周方向に関し位置ズレして前記第1スライダー130(1)を第1変速位置(軸線方向一方側の第1変位位置)へ移動できない場合、並びに、前記操作軸160を軸線回りに中立位置から第2変速位置へ操作する際に前記第1スライダー130(1)の前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)と前記第2変速部材120(2)の前記凹凸係合部121(2)とが周方向に関し位置ズレして前記第1スライダー130(1)を第2変速位置(軸線方向他方側の第2変位位置)へ移動できない場合の何れにおいても、前記操作軸160を所望変速位置(第1変速位置又は第2変速位置)へ向けて軸線回りに操作可能な位置まで操作し、その状態で前記操作軸160への人為操作を解除しても、その後に所望変速状態を現出させることができる。
この点に関し、まず、前記操作軸160を軸線回りに中立位置から第1変速位置へ操作する場合について説明する。
図9に、前記操作軸160、前記第1及び第2ドラム170(1)、170(2)、前記第1及び第2ドラムばね200(1)、200(2)並びに前記第1及び第2ストッパー210(1)、210(2)を含む操作軸アッセンブリの底面図を示す。
又、図10に、前記第1及び第2案内溝181、182の展開図を示す。
図9及び図10に示すように、本実施の形態においては、前記第1案内溝181は、前記操作軸160の軸線回り中立位置から第1変速位置への回転操作によって前記第1係合ピン153(1)を軸線方向第1側へ押圧するように形成されている。
これに応じて、前記第1スライダー130(1)は、前記操作軸160の軸線回り中立位置から第1変速位置への回転操作によって前記第1変速部材120(1)へ向けて軸線方向第1側へ押圧される。
この際に、前記第1スライダー130(1)の前記第1変速部材用凹凸係合部131(1)が前記第1変速部材120(1)の凹凸係合部121(1)に周方向に関し位置ズレしていると、前記凹凸係合部同士が衝突して前記第1スライダー130(1)は軸線方向第1側の第1変速位置(軸線方向一方側の第1変位位置)まで移動できない事態が生じる。
この状態において前記操作軸160を、さらに、第1変速位置へ向けて軸線回りに操作すると、前記第1案内溝181によって前記第1係合ピン153(1)が軸線方向第2側へ押圧され、前記第1ドラム170(1)は前記第1ドラムばね200(1)を圧縮させつつ軸線方向第2側へ移動する。
この状態は、前記第1ドラムばね200(1)の保有弾性によって前記第1スライダー130(1)が前記第1変速部材120(1)へ向けて付勢されている第1変速待機状態となる。
従って、前記第1変速部材用凹凸係合部131(1)及び前記第1変速部材120(1)の凹凸係合部121(1)の周方向位置が一致した時点で、前記第1ドラムばね200(1)の保有弾性によって、前記第1スライダー130(1)が前記第1変速部材120(1)に凹凸係合する第1変速位置(軸線方向一方側の第1変位位置)に位置するまで、前記第1ドラム170(1)、第1シフトフォーク150(1)及び前記第1スライダー130(1)が軸線方向第1側へ押動され、第1変速状態が現出される。
次に、前記操作軸160を軸線回り中立位置から第2変速位置へ操作する場合について説明する。
図9及び図10に示すように、本実施の形態においては、前記第1案内溝181は、前記操作軸160の軸線回り中立位置から第2変速位置への回転操作によっては前記第1係合ピン153(1)を軸線方向へ押圧せず、且つ、前記操作軸160が第2変速位置に位置された際には前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して基準位置及び前記基準位置から軸線方向第2側へ変位された第2変位位置の間で相対移動することを許容するように形成されている。
従って、前記操作軸160を軸線回り中立位置から第2変速位置へ操作する際に、仮に、前記第1スライダー130(1)の前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)と前記第2変速部材120(2)の凹凸係合部121(2)とが周方向に関し位置ズレしていたとしても、前記操作軸は、前記第1シフトフォーク150(1)及び前記第1スライダー130(1)の軸線方向位置とは関係無く、自由に軸線回り第2変速位置に位置され得る。
この状態、即ち、前記第1スライダー130(1)は、前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)と前記第2変速部材120(2)の凹凸係合部121(2)との干渉によって第2変速位置(軸線方向他方の第2変位位置)まで移動できないが、前記操作軸160だけは軸線回り第2変速位置に位置されている状態においては、前記第1係合ピン153(1)が前記第1案内溝181による規制を受けること無く、前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1フォークばね220(1)の付勢力によって基準位置から第2変位位置まで移動可能な第2変速待機状態となる。
従って、前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)及び前記第2変速部材120(2)の凹凸係合部121(2)の周方向位置が一致した時点で、前記第1フォークばね220(1)の保有弾性によって、前記第1スライダー130(1)が前記第2変速部材120(2)に凹凸係合する第2変速位置(軸線方向他方の第2変位位置)まで、前記第1シフトフォーク150(1)及び前記第1スライダー130(1)が軸線方向第2側へ押動され、第2変速状態が現出される。
なお、前記第1案内溝181を、前記操作軸160の軸線回り中立位置から第2変速位置への回転操作によって、前記第1係合ピン153(1)を軸線方向第2側へ押圧するように形成することも可能である(図示せず)。
この変形例において、前記操作軸160を軸線回り中立位置から第2変速位置へ操作する際に、前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)及び前記第2変速部材120(2)の凹凸係合部121(2)が周方向に位置ズレしている為に前記第1スライダー130(1)が第2変速位置(軸線方向他方の第2変位位置)まで移動できない場合には、前記操作軸160は軸線回り中立位置から第2変速位置までの間の中途位置に位置された状態となる。
そして、前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)及び前記第2変速部材120(2)の凹凸係合部121(2)の周方向位置が一致した時点で、前記第1フォークばね220(1)の付勢力によって、前記第1スライダー130(1)が前記第2変速部材120(2)に凹凸係合する第2変速位置(軸線方向他方の第2変位位置)に位置するまで、第1シフトフォーク150(1)及び前記第1スライダー130(1)が軸線方向第2側へ押動され、第2変速状態が現出される。
なお、この際に、変形された第1案内溝及び第1係合ピン153(1)によるカム作用によって前記操作軸160は軸線回り第2変速位置まで回転される。
このように、本実施の形態においては、前記操作軸160を軸線回り所望変速位置へ操作する際に、前記第1スライダー130(1)が対応する前記第1及び第2変速部材120(1)、120(2)に直ちに凹凸係合するか否かに拘わらず、前記操作軸160を軸線回りに操作可能な範囲まで操作しさえすれば、その時点で前記操作軸160への操作を解除しても、その後に、前記第1ドラムばね200(1)又は前記第1フォークばね220(1)の付勢力によって所望変速状態が現出される。
さらに、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、前記第1ドラムばね200(1)によって前記第1ドラム170(1)を軸線方向第1側へ付勢し且つ前記第1フォークばね220(1)によって前記第1シフトフォーク150(1)を軸線方向第2側へ付勢すると共に、前記第1ドラムばね200(1)の付勢力を前記第1フォークばね220(1)の付勢力より大とし、前記第1ドラム用第1ストッパー部材210(1)によって前記第1ドラム170(1)の軸線方向第1側への移動端を画するように構成されている。
斯かる構成によれば、軸線方向両側への前記第1スライダー130(1)の変速待機状態(第1変速待機状態及び第2変速待機状態)を得つつ、前記第1スライダー130(1)を正確に中立位置(基準位置)に位置させることが可能となる。
即ち、理論上においては、軸線方向両側への前記第1スライダー130(1)の変速待機状態は、前記第1ドラム170(1)の軸線方向両側に付勢力の等しい一対のドラムばねを配置させる構成(以下、比較例という)によっても得ることができる。
しかしながら、前記比較例においては、前記一対のドラムばねの付勢力の釣り合いによって前記第1ドラム170(1)(並びに、前記第1シフトフォーク150(1)及び前記第1スライダー130(1))の中立位置(基準位置)が画されることになり、前記第1スライダー130(1)を正確に中立位置(基準位置)に位置させること、及び、前記第1スライダー130(1)を中立位置(基準位置)に安定的に保持することが困難となる。
これに対し、本実施の形態の構成においては、前記第1ドラムばね200(1)の付勢力が前記第1フォークばね220(1)の付勢力より大とされ、外力が付加されていない状態においては、前記第1ドラム170(1)が前記第1ドラム用第1ストッパー部材210(1)によって画される軸線位置(初期位置)に保持されるようになっている。
従って、前記第1案内溝181によって前記第1係合ピン150(1)の軸線方向位置を規制することによって、前記第1シフトフォーク150(1)及び前記第1スライダー130(1)を正確に中立位置(基準位置)に位置させることでき、且つ、中立位置(基準位置)に安定的に保持することができる。
本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、前記操作軸160を中立位置又は第3変速位置から第1変速位置へ操作させる際には前記第1変速待機状態を有効に現出させつつ、第2変速状態から中立状態又は第4変速状態へ移行させる際(即ち、前記操作軸160を第2変速位置から中立位置又は第4変速位置へ操作させる際)に前記第1スライダー130(1)の前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)及び前記第2変速部材120(2)の前記凹凸係合部121(2)の間にトルクの閉じ込みが生じていたとしても、前記操作軸160への操作によって前記第1スライダー130(1)を第2変速位置から軸線方向第1側へ移動させて、前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)を前記凹凸係合部121(2)から確実に解除させ得るように、下記構成を備えている。
詳しくは、図8等に示すように、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、前記第1ドラム170(1)の軸線方向第2側への移動端を画する第1ドラム用第2ストッパー部材211(1)を有している。
図8に示すように、前記第1ドラム用第2ストッパー部材211(1)は、前記第1ドラム170(1)が前記第1ドラム用第1ストッパー部材210(1)に当接されている状態において前記第1ドラム170(1)の対向面(即ち、前記第1ドラム170(1)における軸線方向第2側を向く端面)との間に所定距離L1の間隙が存するように配置されている。
前記第1ドラム用第2ストッパー部材211(1)は以下の作用を奏する。
即ち、第2変速状態から中立状態又は第4変速状態へ移行させる為に前記操作軸160を第2変速位置から中立位置又は第4変速位置へ操作すると、前記第1係合ピン153(1)には前記第2変速時係合部位180(2)につながっている前記第1案内溝181の傾斜面によるカム作用によって軸線方向第1側への押圧力が作用する。
通常状態(前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)及び前記凹凸係合部121(2)の間にトルクの閉じ込みが生じていない状態)においては、前記押圧力によって前記第1シフトフォーク150(1)及び前記第1スライダー130(1)が軸線方向第1側へ移動して、前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)及び前記凹凸係合部121(2)の係合が解除される。
しかしながら、前記第2変速部材用凹凸係合部131(2)及び前記凹凸係合部121(2)の間にトルクの閉じ込みが生じている場合には、前記第1シフトフォーク150(1)及び前記第1スライダー130(1)が軸線方向移動不能となっており、従って、前記操作軸160の第2変速位置から中立位置又は第4変速位置への操作に応じて前記第1ドラム170(1)が軸線回りに回転されると、前記第2変速時係合部位180(2)につながっている前記第1案内溝181の傾斜面のカム作用によって前記第1ドラム170(1)が前記第1ドラムばね200(1)の付勢力に抗して軸線方向第2側へ移動する。
この際に、前記第1ドラム用第2ストッパー部材211(1)が前記第1ドラム170(1)の軸線方向第2側への移動を防止し、これにより、前記操作軸160の第2変速位置から中立位置又は第4変速位置への操作に応じて前記第1案内溝181の傾斜面のカム作用によって前記第1係合ピン153に推力が付与され前記第1シフトフォーク150(1)及び前記第1スライダー130(1)が軸線方向第1側へ移動される。
前記所定距離L1は、前記操作軸160を第2変速位置から中立位置又は第4変速位置へ向けて操作した際に前記トルクの閉じ込みによって前記第1ドラム170(1)が軸線方向第2側へ移動して前記第1ドラム用第2ストッパー部材211(1)に当接した際に、前記係合ピン153(1)が前記第2変速時係合部位180(2)につながっている前記第1案内溝181の傾斜面に依然として係合しているように設定される。
図8に示すように、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、同様に、前記第2ドラム170(2)の軸線方向第2側への移動端を画する第2ドラム用第2ストッパー部材211(2)を有している。
図8に示すように、前記第2ドラム用第2ストッパー部材211(2)は、前記第2ドラム170(2)が前記第2ドラム用第1ストッパー部材210(2)に当接されている状態において前記第2ドラム170(2)の対向面(即ち、前記第2ドラム170(2)における軸線方向第2側を向く端面)との間に所定距離L2の間隙が存するように配置されている。
前記第2ドラム用第2ストッパー部材211(2)は、前記第1ドラム用第2ストッパー部材211(1)の前記第1ドラム170(1)に対する作用と同じ作用を前記第2ドラム170(2)に対して奏する。
前記所定距離L2は、前記操作軸を第4変速位置から中立位置へ向けて操作した際にトルクの閉じ込みによって前記第2ドラムが軸線方向第2側へ移動して前記第2ドラム用第2ストッパー部材に当接した際に、前記係合ピンが前記第4変速時係合部位180(4)につながっている前記第2案内溝182の傾斜面に係合するように設定される。
なお、本実施の形態においては、図8に示すように、前記第1ドラム用第2ストッパー部材211(1)は前記第1ドラムばね200(1)の径方向内方において前記操作軸160に外挿され、前記第2ドラム用第2ストッパー部材211(2)は前記第2ドラムばね200(2)の径方向内方において前記操作軸160に外挿されている。
ここで、前記第1及び第2案内溝181、182の詳細構成について説明する。
前記第1及び第2案内溝181、182は、単一の前記操作軸160の軸線回りの操作位置に応じて、第1変速状態(前進高速状態)、第2変速状態(後進状態)、中立状態、第3変速状態(前進低速状態)及び第4変速状態(パーキング状態)を選択的に現出させ得るように、形成されている。
詳しくは、前記操作軸160は、軸線回りに関し、中立位置Nと、前記中立位置Nから軸線回り一方側へ回転された際に位置する第1変速位置(本実施の形態においては前進高速位置H)と、前記第1変速位置からさらに軸線回り一方側へ回転された際に位置する第3変速位置(本実施の形態においては前進低速位置L)と、中立位置Nから軸線回り他方側へ回転された際に位置する第2変速位置(本実施の形態においては後進位置R)と、前記第2変速位置からさらに軸線回り他方側へ回転された際に位置する第4変速位置(本実施の形態においては強制回転停止位置又はパーキング位置P)とを取り得るように構成されている。
図9及び図10に示すように、前記第1及び第2案内溝181、182の各々は、前記操作軸160が中立位置N、第1変速位置、第2変速位置、第3変速位置及び第4変速位置に位置された際に、対応する前記係合ピン153(1)、153(2)がそれぞれ係合する中立時係合部位180(N)、第1変速時係合部位180(1)、第2変速時係合部位180(2)、第3変速時係合部位180(3)及び第4変速時係合部位180(4)を有している。
まず、前記第1案内溝181について説明する。
前記第1案内溝181は、前記操作軸160が前記第1スライダー130(1)を変速位置(即ち、第1変速位置(軸線方向一方側の第1変位位置)又は第2変速位置(軸線方向他方側の第2変位位置))以外に位置させるような軸線回り位置に位置される際、即ち、前記操作軸160が中立位置N、第3変速位置及び第4変速位置に位置される際には、前記第1シフトフォーク150(1)の前記第1ドラム170(1)に対する軸線方向相対位置が基準位置となるように前記第1係合ピン153(1)の軸線方向移動を規制する。
即ち、前記第1案内溝181のうち、前記操作軸160が中立位置N、第3変速位置及び第4変速位置に位置される際に前記第1係合ピン153(1)が係合する前記中立時係合部位180(N)、前記第3変速時係合部位180(3)及び前記第4変速時係合部位180(4)は、前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して基準位置に保持されるように前記第1係合ピン153(1)と係合する。
これに対し、前記第1案内溝181における前記第1変速時係合部位180(1)は、前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して基準位置から軸線方向第1側へ変位された第1変位位置に保持されるように前記第1係合ピン153(1)と係合する。
即ち、前記操作軸160が第1変速位置に位置された際には、前記第1係合ピン153(1)及び前記第1案内溝181の係合によって、前記第1シフトフォーク150(1)の前記第1ドラム170(1)に対する軸線方向相対位置が第1変位位置に保持される。
そして、前記第1案内溝181における前記中立時係合部位180(N)及び前記第1変速時係合部位180(1)の間の移行領域は、前記操作軸160が中立位置Nから第1変速位置へ回転されるに従って前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して基準位置から第1変位位置へ軸線方向に関し相対移動し且つ前記操作軸160が第1変速位置から中立位置Nへ回転されるに従って前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して第1変位位置から基準位置へ軸線方向に関し相対移動するように前記第1係合ピン153(1)を案内する。
前記第3変速時係合部位180(3)は、前記第1変速時係合部位180(1)を挟んで前記中立時係合部位180(N)とは反対側に配置されており、前述の通り、前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して基準位置に保持されるように前記第1係合ピン153(1)と係合する。
そして、前記第1案内溝181における前記第1変速時係合部位180(1)及び前記第3変速時係合部位180(3)の間の移行領域は、前記操作軸160が第1変速位置から第3変速位置へ回転されるに従って前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して第1変位位置から基準位置へ軸線方向に関し相対移動し且つ前記操作軸160が第3変速位置から第1変速位置へ回転されるに従って前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して基準位置から第1変位位置へ軸線方向に関し相対移動するように前記第1係合ピン153(1)を案内する。
一方、前記第1案内溝181における前記第2変速時係合部位180(2)は、前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して基準位置と前記基準位置から軸線方向他方側に変位された第2変位位置との間で軸線方向に関し相対移動し得るように前記第1係合ピン153(1)と係合する。
即ち、前記操作軸160が第2変速位置に位置された際には、前記第1シフトフォーク150(1)の前記第1ドラム170(1)に対する軸線方向相対位置は基準位置と第2変位位置との間で変動可能とされている。
そして、前記第1案内溝181における前記中立時係合部位180(N)及び前記第2変速時係合部位180(2)の間の移行領域は、前記第1シフトフォーク150(1)の前記第1ドラム170(1)に対する軸線方向一方側への相対移動終端位置が前記操作軸160の回転位置に拘わらず基準位置で一定となり且つ軸線方向他方側への相対移動終端位置が前記操作軸160の中立位置から第2変速位置への回転に応じて基準位置から第2変位位置へ変化するように前記第1係合ピン153(1)と係合する。
前記第4変速時係合部位180(4)は、前記第2変速時係合部位180(2)を挟んで前記中立時係合部位180(N)とは反対側に配置されており、前述の通り、前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して基準位置に保持されるように前記第1係合ピン153(1)と係合する。
そして、前記第1案内溝181における前記2変速時係合部位180(2)及び前記第4変速時係合部位180(4)の間の移行領域は、前記第1シフトフォーク150(1)の前記第1ドラム170(1)に対する軸線方向一方側への相対移動終端位置が前記操作軸160の回転位置に拘わらず基準位置で一定となり且つ軸線方向他方側への相対移動終端位置が前記操作軸160の第2変速位置から第4変速位置への回転に応じて第2変位位置から基準位置へ変化するように前記第1係合ピン153(1)と係合する。
次に、前記第2案内溝182について説明する。
前記第2案内溝182は、前記操作軸160が前記第2スライダー130(2)を変速位置(即ち、第3変速位置(軸線方向一方側の第1変位位置)又は第4変速位置(軸線方向他方側の第2変位位置))以外に位置させるような軸線回り位置に位置される際、即ち、前記操作軸160が中立位置N、第1変速位置及び第2変速位置に位置される際には、前記第2シフトフォーク150(2)の前記第2ドラム170(2)に対する軸線方向相対位置が基準位置となるように前記第2係合ピン153(2)と係合する。
即ち、前記第2案内溝182のうち、前記操作軸160が中立位置N、第1変速位置及び第2変速位置に位置される際に前記第2係合ピン153(2)が係合する前記中立時係合部位180(N)、前記第1変速時係合部位180(1)及び前記第2変速時係合部位180(2)は、前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して基準位置に保持されるように前記第2係合ピン153(2)と係合する。
前記第2案内溝182における前記第3変速時係合部位180(3)は、前記第1変速時係合部位180(1)を挟んで前記中立時係合部位180(N)とは反対側に配置されており、前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して基準位置から軸線方向第1側へ変位された第1変位位置に保持されるように前記第2係合ピン153(2)と係合する。
即ち、前記操作軸160が第3変速位置に位置された際には、前記第2係合ピン153(2)及び前記第2案内溝182の係合によって、前記第2シフトフォーク150(2)の前記第2ドラム170(2)に対する軸線方向相対位置が第1変位位置に保持される。
そして、前記第2案内溝182における前記第1変速時係合部位180(1)及び前記第3変速時係合部位180(3)の間の移行領域は、前記操作軸160が第1変速位置から第3変速位置へ回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して基準位置から第1変位位置へ軸線方向に関し相対移動し且つ前記操作軸160が第3変速位置から第1変速位置へ回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して第1変位位置から基準位置へ軸線方向に関し相対移動するように前記第2係合ピン153(2)を案内する。
前記第2案内溝182における前記第4変速時係合部位180(4)は、前記第2変速時係合部位180(2)を挟んで前記中立時係合部位180(N)とは反対側に配置されており、前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して基準位置から軸線方向第2側へ変位された第2変位位置に保持されるように前記第2係合ピン153(2)と係合する。
即ち、前記操作軸160が第4変速位置に位置された際には、前記第2係合ピン153(2)及び前記第2案内溝182の係合によって、前記第2シフトフォーク150(2)の前記第2ドラム170(2)に対する軸線方向相対位置が第2変位位置に保持される。
そして、前記第2案内溝182における前記第2変速時係合部位180(2)及び前記第4変速時係合部位180(4)の間の移行領域は、前記操作軸160が第2変速位置から第4変速位置へ回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して基準位置から第2変位位置へ軸線方向に関し相対移動し且つ前記操作軸160が第4変速位置から第2変速位置へ回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して第2変位位置から基準位置へ軸線方向に関し相対移動するように前記第2係合ピン153(2)を案内する。
このように、本実施の形態においては、前記第1案内溝181における前記第2変速時係合部位180(2)は、前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1ドラム170(1)に対して前記基準位置と前記第2変位位置との間で軸線方向に関し相対移動し得るように前記第1係合ピン153(1)と係合するように構成されている。
斯かる構成によれば、前記第1スライダー130(1)を実際に第2変速位置に位置させること無く、前記操作軸160を中立位置Nから第2変速位置を介して第4変速位置へ、及び、第4変速位置から第2変速位置を介して中立位置Nへ回転操作させることができる。
即ち、前記操作軸160が軸線回り中立位置Nに位置されることで前記第1及び第2スライダー130(1)、130(2)が基準位置に位置されている状態から、前記操作軸160を中立位置Nから第2変速位置を介して第4変速位置へ回転操作させる際には、前記第1シフトフォーク150(1)は前記第1案内溝181及び前記第1係合ピン153(1)によるカム作用を受けない。
なお、この際に、前記第2シフトフォーク150(2)は前記第2案内溝182及び前記第2係合ピン153(2)によるカム作用を受けて前記第2ドラム170(2)に対して基準位置から第2変位位置へ移動する。
従って、前記第1及び第2スライダー130(1)、130(2)が共に基準位置に位置されている中立状態と前記第2スライダー130(29)が第4変速位置(軸線方向他方側の第2変位位置)に位置されて前記第4変速部材120(4)に連結されている第4変速状態との間の変速動作を、前記第1スライダー130(1)を実際に第2変速位置(軸線方向他方側の第2変位位置)に位置させること無く、行うことができる。
本実施の形態においては、前述の通り、第1変速状態、第2変速状態、中立状態、第3変速状態及び第4変速状態が、それぞれ、前進高速状態、後進状態、中立状態、前進低速状態及びパーキング状態(強制回転停止状態)とされている。
従って、前記構成によれば、中立状態から、後進状態を生じさせること無く、パーキング状態へ移行させ、また、パーキング状態から、後進状態を生じさせること無く、中立状態へ移行させることが可能となる。
このように、本実施の形態においては、前記操作軸160(即ち、ドラム部材、本実施の形態においては前記第1及び第2ドラム170(1)、170(2))が、少なくとも、軸線回り所定の基準回転位置(本実施の形態においては前記第2変速位置又は後進位置)、前記基準回転位置から軸線回り一方側へ所定角度回転された際に位置する軸線回り一方側第1回転位置(本実施の形態においては中立位置N)及び前記基準回転位置から軸線回り他方側へ所定角度回転された際に位置する軸線回り他方側第1回転位置(本実施の形態においては第4変速位置又はパーキング位置P)を取り得るように構成され、前記操作軸160が前記基準回転位置、前記軸線回り一方側第1回転位置及び前記軸線回り他方側第1回転位置に位置された際には、それぞれ、基準回転位置操作時変速状態(本実施の形態においては後進状態)、軸線回り一方側第1回転位置操作時変速状態(本実施の形態においては中立状態)及び軸線回り他方側第1回転位置操作時変速状態(本実施の形態においてはパーキング状態)が現出されるように構成されたドラム型変速機構において、前記軸線回り一方側第1回転位置操作時変速状態及び前記軸線回り他方側第1回転位置操作時変速状態から前記基準回転位置操作時変速状態へ移行させる通常の変速動作に加えて、前記基準回転位置操作時変速状態を現出させること無く、前記軸線回り一方側第1回転位置操作時変速状態及び前記軸線回り他方側第1回転位置操作時変速状態の間で移行を行わせる変速動作を行えるようになっている。
この点に関し詳述する。
図10のA部に示されるように、前記第1案内溝181は、前記操作軸160(ドラム部材)が前記基準回転位置(本実施の形態においては第2変速位置又は後進位置R)に位置された際には前記第1シフトフォーク150(1)の基準位置及び変位位置(図10における第2変位位置)間での軸線方向移動を許容する溝幅を有する一方で、前記操作軸160(ドラム部材)が前記基準回転位置の軸線回り一方側に隣接する軸線回り一方側第1回転位置(本実施の形態においては中立位置N)に位置された際及び前記基準回転位置の軸線回り他方側に隣接する軸線回り他方側第1回転位置(本実施の形態においては第4変速位置又はパーキング位置P)に位置された際には前記第1シフトフォーク150(1)を基準位置に保持する溝幅を有している。
ここで、前述の通り、前記第1シフトフォーク150(1)は、前記第1フォークばね220(1)によって前記基準位置から前記第2変位位置へ向かう軸線方向第2側へ付勢されている。
従って、前記操作軸160(ドラム部材)が 前記基準回転位置(本実施の形態においては第2変速位置又は後進位置R)に位置されると、前記第1シフトフォーク150(1)は前記第1フォークばね220(1)の付勢力によって前記変位位置(図10における第2変位位置)に位置される。
一方、前記第1案内溝181のうち、前記操作軸160(ドラム部材)が前記軸線回り一方側第1回転位置(本実施の形態においては中立位置N)に位置された際及び前記軸線回り他方側第1回転位置(本実施の形態においては第4変速位置又はパーキング位置P)に位置された際に前記第1係合ピン153(1)が係合する部位は、前記第1シフトフォーク150(1)を基準位置に保持する溝幅とされている。
従って、前記操作軸160(ドラム部材)が前記軸線回り一方側第1回転位置(本実施の形態においては中立位置N)に位置された際及び前記軸線回り他方側第1回転位置(本実施の形態においては第4変速位置又はパーキング位置P)に位置された際には、前記第1シフトフォーク150(1)は、前記第1フォークばね220(1)の付勢力に抗して、前記第1案内溝181及び前記第1係合ピン153(1)の係合によって前記基準位置に保持される。
さらに、前記第1案内溝181は、前記操作軸160(ドラム部材)が基準回転位置(本実施の形態においては前記第2変速位置又は後進位置)から前記軸線回り一方側第1回転位置(本実施の形態においては中立位置N)及び前記軸線回り他方側第1回転位置(本実施の形態においては第4変速位置又はパーキング位置P)へ回転されるに従って前記第1シフトフォーク150(1)を前記第1フォークばね220(1)の付勢力に抗して基準位置へ向けて移動させるように、前記第1係合ピン153(1)と係合する溝形状を有している。
一方、前記第2案内溝182は、前記操作軸160(ドラム部材)が基準回転位置(本実施の形態においては前記第2変速位置又は後進位置)に位置された際には前記第2シフトフォーク150(2)を基準位置に保持し、前記第1及び第2ドラム170(1)、170(2)が基準回転位置から軸線回り一方側第1回転位置又は軸線回り他方側第1回転位置の何れか一方の回転位置(本実施の形態においては、軸線回り他方側第1回転位置であり、図10における第2変速位置又はパーキング位置P)に位置された際には前記第2シフトフォーク150(2)を変位位置(図10においては第2変位位置)に保持し、前記第1及び第2ドラム170(1)、170(2)が前記基準回転位置(本実施の形態においては前記第2変速位置又は後進位置)から前記一方の回転位置へ回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)を基準位置から対応する変位位置へ移動させ且つ前記第1及び第2ドラム170(1)、170(2)が前記一方の回転位置から前記基準回転位置(本実施の形態においては前記第2変速位置又は後進位置)へ回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)を対応する変位位置から基準位置へ移動させるように、前記第2係合ピン153(2)と係合する溝形状を有している。
なお、本実施の形態においては、図10のA部に示されるように、前記第2案内溝182は、さらに、前記第1及び第2ドラム170(1)、170(2)が基準回転位置及び軸線回り一方側第1回転位置間で回転される際には前記第2シフトフォーク150(2)を基準位置に保持するように、前記第2係合ピン153(2)と係合する溝形状を有している。
斯かる構成によれば、前記操作軸160(ドラム部材)が基準回転位置(本実施の形態においては前記第2変速位置又は後進位置)に位置される際には、前記第2シフトフォーク150(2)が基準位置に位置されて前記第2スライダー130(2)は対応する変速部材(本実施の形態においては第4変速部材120(4))とは非係合とされつつ、前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1フォークばね220(1)の付勢力によって変位位置に位置されて前記第1スライダー130(1)は対応する変速部材(本実施の形態においては前記第2変速部材120(2))に係合され、これにより、対応する第2変速状態が現出される。
また、前記操作軸160(ドラム部材)が前記軸線方向他方側第1回転位置(本実施の形態においては、第2変速位置又はパーキング位置P)に位置される際には、前記第1シフトフォーク150(1)は前記第1案内溝181によって基準位置に保持されて前記第1スライダー130(1)が非係合状態とされる一方で、前記第2シフトフォーク150(2)は前記第2案内溝182によって第2変位位置に保持されて前記第2スライダー130(2)が対応する変速部材(本実施の形態においては前記第4変速部材120(4))に係合され、これにより、対応する第4変速状態(パーキング状態)が現出される。
また、前記操作軸160(ドラム部材)が前記軸線方向一方側第1回転位置(本実施の形態においては、中立位置N)に位置される際には、前記第1シフトフォーク150(1)は前記第1案内溝181によって基準位置に保持されて前記第1スライダー130(1)が非係合状態とされ、且つ、前記第2シフトフォーク150(2)も前記第2案内溝182によって基準位置に保持されて前記第2スライダー130(2)も非係合状態とされ、これにより、対応する変速状態(中立状態又は伝動遮断状態)が現出される。
ここで、前記操作軸160(ドラム部材)を前記軸線方向一方側第1回転位置(本実施の形態においては、中立位置N)及び前記軸線方向他方側第1回転位置(本実施の形態においては、第2変速位置又はパーキング位置P)の一方から他方へ回転操作させる際に、前記操作軸160は前記両回転位置の間に位置する前記基準回転位置を通過することになる。
しかしながら、前記第1シフトフォーク150(1)が前記第1フォークばね220(1)の付勢力によって基準位置から第2変位位置へ移動する際の所要時間よりも短い時間で前記操作軸160が前記基準回転位置を通過するように回転操作されると、前記操作軸160が基準回転位置に位置された際に現出される変速状態(本実施の形態においては第2変速状態又は後進状態)が実際に現出されること無く、前記操作軸160(ドラム部材)が前記軸線方向一方側第1回転位置(本実施の形態においては、中立位置N)に位置された際に現出される変速状態(本実施の形態においては中立状態)と前記軸線方向他方側第1回転位置(本実施の形態においては、第2変速位置又はパーキング位置P)に位置された際に現出される変速状態(本実施の形態においては第4変速状態又はパーキング状態)との間で変速動作を行うことができる。
前述の通り、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、前記第1スライダー130(1)が係合可能な第1スライダー用変速部材として、前記第1スライダー130(1)の一方側及び他方側に配置された軸線方向一方側第1スライダー用変速部材(前記第1変速部材120(1))及び軸線方向他方側第1スライダー用変速部材(前記第2変速部材120(2))を有しており、前記第2スライダー130(2)が係合可能な第2スライダー用変速部材として、前記第2スライダーの一方側及び他方側に配置された軸線方向一方側第2スライダー用変速部材(前記第3変速部材120(3))及び軸線方向他方側第2スライダー用変速部材(前記第4変速部材120(4))を有している。
前記第1シフトフォーク150(1)は、前記基準位置に位置された際には前記第1スライダー130(1)を前記軸線方向一方側第1スライダー用変速部材(前記第1変速部材120(1))及び前記軸線方向他方側第1スライダー用変速部材(前記第2変速部材120(2))の双方に対して非係合とさせると共に、前記変位位置として、前記第1スライダー130(1)を前記軸線方向一方側第1スライダー用変速部材(前記第1変速部材120(1))に凹凸係合させて両者を一体回転させる第1変位位置及び前記第1スライダー130(1)を前記軸線方向他方側第1スライダー用変速部材(前記第2変速部材120(2))に凹凸係合させて両者を一体回転させる第2変位位置を取り得るように構成されている。
前記第2シフトフォーク150(2)は、前記基準位置に位置された際には前記第2スライダー130(2)を前記軸線方向一方側第2スライダー用変速部材(前記第3変速部材120(3))及び前記軸線方向他方側第2スライダー用変速部材(前記第4変速部材120(4))の双方に対して非係合とさせると共に、前記変位位置として、前記第2スライダー130(2)を前記軸線方向一方側第2スライダー用変速部材(前記第3変速部材120(3))に凹凸係合させて両者を一体回転させる第1変位位置及び前記第2スライダー130(2)を前記軸線方向他方側第2スライダー用変速部材(前記第4変速部材120(4))に凹凸係合させて両者を一体回転させる第2変位位置を取り得るように構成されている。
そして、前記操作軸160(ドラム部材)は、前記基準回転位置(本実施の形態においては前記第2変速位置又は後進位置)、前記軸線回り他方側第1回転位置(本実施の形態においては第4変速位置又はパーキング位置P)及び前記軸線回り一方側第1回転位置(本実施の形態においては中立位置N)に加えて、さらに、前記軸線回り一方側第1回転位置から軸線回り一方側へ所定角度回転された際に位置する軸線回り一方側第2回転位置(本実施の形態においては前記第1変速位置)と、前記軸線回り一方側第2回転位置から軸線回り一方側へ所定角度回転された際に位置する軸線回り一方側第3回転位置(本実施の形態においては前記第3変速位置)とを取り得るように構成されている。
斯かる構成において、図10に示すように、前記第1案内溝181は、さらに、前記操作軸160(ドラム部材)が軸線方向一方側第2回転位置及び軸線方向一方側第3回転位置に位置された際には前記第1シフトフォーク150(1)をそれぞれ第1変位位置及び基準位置に保持し、前記操作軸160(ドラム部材)が軸線方向一方側第1回転位置から軸線方向一方側第2回転位置に回転されるに従って前記第1シフトフォーク150(1)を基準位置から第1変位位置へ移動させ且つ前記ドラム部材が逆向きに回転されるに従って前記第1シフトフォーク150(1)を逆方向へ移動させ、前記操作軸160(ドラム部材)が軸線方向一方側第2回転位置から軸線方向一方側第3回転位置に回転されるに従って前記第1シフトフォーク150(1)を第1変位位置から基準位置へ移動させ且つ前記ドラム部材が逆向きに回転されるに従って前記第1シフトフォーク150(1)を逆方向へ移動させるように、前記第1係合ピン153(1)と係合する溝形状を有している。
前記第2案内溝182は、前記操作軸160(ドラム部材)が軸線回り一方側第1回転位置及び軸線回り一方側第2回転位置の間で回転される際には前記第2シフトフォーク150(2)を基準位置に保持し、前記操作軸160(ドラム部材)が軸線方向一方側第3回転位置に位置された際には前記第2シフトフォーク150(2)を第1変位位置に保持し、前記操作軸160(ドラム部材)が軸線方向一方側第2回転位置から軸線方向一方側第3回転位置に回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)を基準位置から第1変位位置へ移動させ且つ前記ドラム部材が逆向きに回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)を逆方向へ移動させるように、前記第2係合ピン153(2)と係合する溝形状を有している。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記第2案内溝182のうち、前記操作軸160(ドラム部材)が軸線回り一方側回転位置に位置された際に前記第2係合ピン153(2)が係合する部位は、前記第2シフトフォーク150(2)を基準位置に保持するように形成されている(図10のA部参照)。
これに代えて、図11に示すように、前記第2案内溝182が、前記操作軸160(ドラム部材)の基準回転位置から軸線回り一方側第1回転位置への回転に従って前記第2シフトフォーク150(2)を基準位置から第1変位位置へ移動させ、前記操作軸160(ドラム部材)の軸線回り一方側第1回転位置への操作時には前記第2シフトフォーク150(2)を第1変位位置に保持し、前記操作軸(ドラム部材)の軸線回り一方側第1回転位置から基準回転位置への回転に従って前記第2シフトフォーク150(2)を第1変位位置から基準位置へ移動させるように、前記第2係合ピン153(2)と係合する溝形状を有することも可能である。
図2〜図9に示すように、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、さらに、前記操作軸160を所定の操作位置に係止するディテント機構300を備えている。
図12に、図8におけるXI-XI線に沿った前記ドラム型変速機構100の端面図を示す。
図12に示すように、前記ディテント機構300は、ディテント凸状部材310と、前記ディテント凸状部材310を前記操作軸160の外表面の所定部位に向けて付勢する付勢部材320と、前記操作軸160の外周面に形成されたディテント凹部330とを有している。
本実施の形態においては、図12に示すように、前記ディテント凸状部材310として転動体(ボール)が用いられている。
また、前述の通り、前記操作軸160は、軸線回りに、中立位置N、前記中立位置Nから軸線回り一方側に回転された第1変速位置、前記第1変速位置から軸線回り一方側に回転された第3変速位置、前記中立位置から軸線回り他方側に回転された第2変速位置及び前記第2変速位置から軸線回り他方側に回転された第4変速位置をとるように構成されている。
従って、図12に示すように、前記ディテント凹部330は、前記操作軸160が中立位置N、第1変速位置、第3変速位置、第2変速位置及び第4変速位置に位置された際に、それぞれ、前記ディテント凸状部材310が係入される中立位置用凹部330(N)、第1変速位置用凹部330(1)、第3変速位置用凹部330(3)、第2変速位置用凹部330(2)及び第4変速位置用凹部330(4)を含んでいる。
ところで、前記ディテント凸状部材310及び前記ディテント凹部330の係合によって、前記操作軸160を軸線回りに関し所望操作位置に係止することが可能であるが、斯かる係合のみによって前記操作軸160に対する操作性を良好に維持しつつ、変速状態(変速位置)を確実に維持することは困難である。
即ち、前記ディテント付勢部材320の付勢力を大きくすれば、前記ディテント機構300による係止力を上げることができ、意に反した大きな外力が付加されても変速状態を維持することが可能になるが、その一方で、前記操作軸160を軸線回りに操作する際には大きな操作力が必要になる。
逆に、前記ディテント付勢部材320の付勢力を小さくすれば、前記操作軸160を軸線回りに容易に操作できるが、ディテント係止力が小さくなる。
この点に関し、本実施の形態においては、下記構成を備えることにより、前記操作軸160の軸線回りの操作性を良好に維持しつつ、変速状態の確実な維持を図っている。
即ち、図10に示すように、前記第2案内溝182は、前記第2シフトフォーク150(2)を前記第2ドラム170(2)に対して軸線方向に関し基準位置に保持するように前記第2係合ピン153(2)と係合する周方向中央部位185A(前記第1変速時係合部位180(1)から前記第2変速時係合部位180(2)までの領域)と、前記中央部位185Aに隣接配置され、前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して基準位置から軸線方向一方側へ変位された第1変位位置に保持されるように前記第2係合ピン153(2)と係合する一方側変速時係合部位185B(前記第3変速時係合部位180(3))と、前記一方側変速係合部位185Bとは反対側において前記中央部位185Aに隣接配置され、前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して基準位置から軸線方向他方側へ変位された第2変位位置に保持されるように前記第2係合ピン153(2)と係合する他方側変速時係合部位185C(前記第4変速時係合部位180(4))とを有している。
図10に示すように、前記中央部位185A及び前記一方側変速時係合部位185Bの間の移行領域(即ち、前記第1変速時係合部位180(1)及び前記第3変速時係合部位180(3)の間の移行領域)は、前記操作軸160が中立位置Nを含む周方向中央操作位置(即ち、前記第1操作位置、前記中立位置及び前記第2操作位置を含む操作位置)から一方側変速位置(即ち、前記第3変速位置)へ向けて回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して基準位置から第1変位位置へ向けて軸線方向に相対移動し且つ前記操作軸160が逆向き回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して第2変位位置から基準位置へ向けて軸線方向に相対移動するように前記第2ドラム170(2)の周方向及び軸線方向に対して傾斜された一方側傾斜部分186Bを有している。
前記中央部位185A及び前記他方側変速時係合部位185Cの間の移行領域(即ち、前記第2変速時係合部位180(2)及び前記第4変速時係合部位180(4)の間の移行領域)は、前記操作軸160が中立位置Nを含む周方向中央操作位置(即ち、前記第1操作位置、前記中立位置及び前記第2操作位置を含む操作位置)から他方側変速位置(即ち、前記第4変速位置)へ向けて回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して基準位置から第2変位位置へ軸線方向に相対移動し且つ前記操作軸160が逆向きに回転されるに従って前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して第2変位位置から基準位置へ軸線方向に相対移動するように前記第2ドラム170(2)の周方向及び軸線方向に対して傾斜された他方側傾斜部分186Cと、前記他方側傾斜部分186Cにおける前記他方側変速時係合部位185Cに近接する側の端部及び前記他方側変速時係合部位185Cの間に位置し、前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して軸線方向に関し第2変位位置に保持されるように前記第2ドラム170(2)の周方向に延びるポケット部187Cとを有している。
そして、図12に示すように、前記ディテント凹部330のうち、前記第2係合ピン153(2)が前記他方側変速係合部位185Cと係合する際に前記ディテント凸部310が係合する他方側変速位置用凹部(本実施の形態においては前記第4変速位置用凹部330(4))は、前記第2係合ピン153(2)が前記周方向中央部位185Aと係合する際に前記ディテント凸部310が係合する中央位置用凹部(本実施の形態においては、第1変速位置用凹部330(1)、中立位置用凹部330(N)及び第2変速位置用凹部330(2))との間の境界領域に隣接する傾斜面331と、前記傾斜面331に連なる最深部332とを有している。
前記傾斜面331は、周方向に関し前記中央位置用凹部(本実施の形態においては、第1変速位置用凹部330(1)、中立位置用凹部330(N)及び第2変速位置用凹部330(2))から離間する方向へ行くに従って深くなるように傾斜されている。
図13に、前記操作軸160を軸線回り周方向中央操作位置から他方側変速位置へ向けて回転させて前記第2スライダーを中立位置から他方側変速位置へ移動させる際に前記第2スライダー130(2)及び他方の変速部材(本実施の形態においては前記第4変速部材120(4))の凹凸係合部が互いに対して衝突し、前記第2スライダー130(2)が直ちには前記他方の変速部材に凹凸係合できない変速中途状態の前記ドラム型変速機構100の部分縦断斜視図を示す。
また、図14に、前記変速中途状態における前記第2係合ピン153(2)の前記第2案内溝182に対する相対位置を示す。
さらに、図15に、前記変速中途状態における前記ディテント機構500の端面図を示す。
図13及び図14に示すように、本実施の形態においては、前記変速中途状態において、前記第2係合ピン153(2)が前記他方側傾斜部分186Cに係合し且つ前記ディテント凸状部材310が前記傾斜面331の中途部分に係合している。
斯かる構成によれば、前記ディテント付勢部材320による前記ディテント凸状部材310を前記傾斜面331へ押し付ける付勢力によって前記操作軸160が軸線回り他方側変速位置へ向けて回転付勢されているので、前記変速中途状態において前記操作軸160に対する人為操作力を解除したとしても、前記第2スライダー130(2)及び他方の変速部材の凹凸係合部の周方向位置が一致した時点で前記第2スライダー130(2)が対応する変速位置に位置するまで移動される。
さらに、前記第2スライダー130(2)が他方の変速部材に凹凸係合された後に、前記ディテント付勢部材320の付勢力によって前記操作軸160が引き続き軸線回り他方側へ回転され、前記第2係合ピン153(2)が前記ポケット部186Cに係入される状態が現出される。
この際、前記第2係合ピン153(2)は、前記第2案内溝182とのカム作用によって、前記操作軸160を他方側変速位置へ向けて軸線回りに回転させつつ、前記他方側傾斜部分186Cの終端位置(前記ポケット部187Cに隣接する側の端部位置)まで移動する。
ここで、前記第2係合ピン153(2)及び前記第2案内溝182によるカム作用のみによっては、前記第2係合ピン153(2)を前記第2ドラム170(2)の周方向に沿った前記ポケット部187Cに係入させることは困難であるが、本実施の形態においては、前述の通り、変速中途状態において前記ディテント凸状部材310が前記傾斜面331の中途部分に係合しており、前記ディテント付勢部材320の付勢力によって前記操作軸160には軸線回り他方側への回転力が付与されている。従って、前記第2係合ピン153(2)が前記ポケット部187Cを介して前記他方側変速時係合部位185Cに係入される。
前記第2係合ピン153(2)が、前記ポケット部187Cが隣接されている前記他方側変速時係合部位185Cに係入されている構成においては、前記第2スライダー130(29)及び前記第2シフトフォーク150(2)に対して軸線方向一方側への意に反した外力が付加されたとしても、前記操作軸160には、当該操作軸160を軸線回りに回転させる力は付加されない。
従って、前記ディテント付勢部材320の付勢力を上げること無く、前記第2スライダー130(2)が前記他方の変速部材に係合している状態を良好に維持することができる。
好ましくは、図10に示すように、前記中央部位185A及び前記一方側変速時係合部位185Bの間の移行領域に、前記一方側傾斜部分186Bにおける前記一方側変速時係合部位185Bに近接する側の端部及び前記一方側変速時係合部位185Bの間に位置し、前記第2シフトフォーク150(2)が前記第2ドラム170(2)に対して軸線方向に関し第1変位位置に保持されるように前記第2ドラム170(2)の周方向に延びるポケット部187Bを設けることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記ディテント付勢部材320の付勢力を上げること無く、前記第2スライダー130(2)が前記一方の変速部材に係合している状態を有効に維持することができる。
なお、前記第2係合ピン153(2)の前記中央部位185Aから前記ポケット部187Bを介しての前記一方側変速時係合部位185Bへの係入は、前記操作軸160への人為操作によって行われる。
即ち、前記操作軸160を軸線回り周方向中央操作位置(本実施の形態においては、前記第1操作位置、前記中立位置及び前記第2操作位置を含む操作位置)から一方側変速位置(本実施の形態においては、前記第3変速位置)へ向けて回転させて前記第2スライダー130(2)を中立位置から一方側変速位置へ移動させる際に前記第2スライダー130(2)及び一方の変速部材(本実施の形態においては、前記第3変速部材120(3))の凹凸係合部が互いに対して衝突し、前記第2スライダー130(2)が前記一方の変速部材に凹凸係合できない変速中途状態が生じた場合であっても、前記操作軸160だけを先に一方側変速位置まで軸線回りに回転操作させることができる。
この際、前記第2スライダー130(2)及び前記第2シフトフォーク150(2)は軸線方向他方側への移動ができない為、前記第2ドラム170(2)は、前記第2ドラムばね200(2)を圧縮させつつ、軸線方向他方側へ移動し、これにより、前記第2ドラムばね200(2)は、前記第2ドラム170(2)を軸線方向一方側へ付勢する保有弾性力が上昇した状態となる。
従って、前記第2スライダー130(2)及び一方の変速部材の凹凸係合部の周方向位置が一致した時点で、前記第2ドラムばね200(2)の付勢力によって前記第2シフトフォーク150(2)及び前記第2スライダー130(2)が一方側変速位置まで押動される。
なお、前記第2フォークばね220(2)を設けた本実施の態様においては、前記ディテント付勢部材320の付勢力によって前記操作軸160に軸線回り他方側への回転力が付与されていることに加えて、前記第2フォークばね220(2)によって前記第2シフトフォーク150(2)を軸線方向他方側へ押圧する付勢力が付与されており、従って、前記第2スライダー130(2)及び他方の変速部材の凹凸係合部の周方向位置が一致した時点で、前記ディテント付勢部材320の付勢力及び前記第2フォークばね220(2)の付勢力によって前記第2スライダー130(2)が他方側変速位置へ確実に押動される。
なお、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、2つのドラム(前記第1及び第2ドラム170(1)、170(2))を有しているが、本発明は斯かる形態に限定されるものでは無く、例えば、単一のドラムのみを有するように変形することも可能である。
斯かる変形例においては、前記第1及び第2案内溝181、182が前記単一のドラムに形成され、前記第1及び第2ドラムばね200(1)、200(2)に代えて単一のドラムばねが備えられ、前記第1及び第2ストッパー210(1)、210(2)に代えて単一のストッパーが備えられる。
この場合、前記第1及び第2フォークばね220(1)、220(2)の付勢力の合計が単一の前記ドラムばねの付勢力よりも小となるように構成される。
前述の通り、本実施の形態においては、スライダーの凹凸係合部及び変速部材の凹凸係合部が周方向に位置ズレしている為に、前記スライダーが所定変速位置まで到達できない変速中途状態時に、ディテント機構による付勢力が前記スライダーを前記所定変速位置へ向けて押動する押動力として作用するようになっている。
以下に、斯かる作用について詳述する。
本実施の形態においては、前記第2スライダー130(2)が中立位置から第4変速位置へ向かう変速中途状態の際に、前記ディテント機構300の付勢力が前記第2スライダー130(2)を第4変速位置へ向けて押動する押動力として作用するように構成されている。
即ち、前記第4変速部材120(4)は、前記伝動回転軸に対して相対回転自在とされている。
なお、前述の通り、本実施の形態においては、前記第4変速部材120(4)は回転不能な固定部材とされており、前記第2スライダー130(2)が前記第4変速部材120(4)に凹凸係合された際にはパーキング状態が現出される。
前記第2スライダー130(4)は、前記伝動回転軸110に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持されており、軸線方向に関し、前記第4変速部材120(4)を含む変速部材に凹凸係合しない中立位置及び前記第4変速部材120(4)に凹凸係合する変速位置(本実施の形態においては第4変速位置)を取り得るようになっている。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記第2スライダー130(2)は、前記変速部材(前記第4変速部材120(4))とは異なる他の変速部材(前記第3変速部材120(3)又は前進低速ギヤ)にも凹凸係合可能とされている。
即ち、前記他の変速部材(前記第3変速部材120(3))は、前記第2スライダー130(2)を挟んで前記変速部材(前記第4変速部材120(4))とは反対側において、前記伝動回転軸110に対して相対回転自在とされている。
そして、前記第2スライダー130(2)は、軸線方向に関し、前記中立位置及び前記変速位置(前記第4変速位置)に加えて、前記他の変速部材(前記第3変速部材120(3))に凹凸係合する他の変速位置(第3変速位置)を取り得るようになっている。
前記第2スライダー130(2)を軸線方向に移動させるシフトフォーク(本実施の形態においては前記第2シフトフォーク150(2))の係合ピン153(2)は、対応するドラム(前記第2ドラム170(2))に形成された案内溝(前記第2案内溝182)に係入されており、前記ドラム(前記第2ドラム170(2))を軸線回り相対回転不能に支持する前記操作軸160を軸線回りに回転させる操作に応じて、前記係合ピン153(2)が前記案内溝182によって案内されて前記シフトフォーク(前記第2シフトフォーク150(2))が軸線方向へ移動され、前記第2スライダー130(2)が軸線方向へ移動される。
詳しくは、前記操作軸160は、軸線回りに、中立位置と、前記中立位置から軸線回り一方側へ回転された際に位置する変速位置(第4変速位置)と、前記中立位置から軸線回り他方側へ回転された際に位置する他の変速位置(第3変速位置)とを取り得るように構成されている。
そして、前記案内溝(前記第2案内溝182)は、前記操作軸160が中立位置に位置された際には前記シフトフォーク(前記第2シフトフォーク150(2))を中立位置に保持し、前記操作軸160が中立位置から変速位置(第4変速位置)へ回転操作されると、前記スライダー(前記第2スライダー130(2))が前記変速部材(前記第4変速部材120(4))に近接する方向へ前記シフトフォーク(前記第2シフトフォーク150(2))を押動し、前記操作軸160が中立位置から他の変速位置(第3変速位置)へ回転操作されると、前記スライダー(前記第2スライダー130(2))が前記他の変速部材(前記第3変速部材120(3))に近接する方向へ前記シフトフォーク(前記第2シフトフォーク150(2))を押動するように、前記係合ピン(前記第2係合ピン153(2))を案内する。
前述の通り、前記ディテント機構300は、前記ディテント凸状部材310と、前記ディテント付勢部材320と、前記複数のディテント凹部330とを有している。
図12等に示すように、前記複数のディテント凹部330は、前記操作軸160が中立位置に位置された際に前記ディテント凸部310が係入される中立位置用凹部330(N)と、前記操作軸160が変速位置(第4変速位置)に位置された際に前記ディテント凸部310が係入される変速位置用凹部(前記第4変速位置用凹部330(4))と、前記操作軸160が他の変速位置(前記第3変速位置)に位置された際に前記ディテント凸部310が係入される他の変速位置用凹部(前記第3変速位置用凹部330(3))とを含んでいる。
なお、前述の通り、本実施の形態に係る前記ドラム型変速機構100は、前記第2スライダー130(2)に加えて、前記第1変速部材120(1)及び前記第2変速部材120(2)に凹凸係合可能な前記第1スライダー130(1)と、前記第1スライダー130(1)を軸線方向に移動させる前記第1シフトフォーク150(1)と、前記第1シフトフォーク150(1)の前記第1係合ピン153(1)が係入される第1案内溝181を有し、前記操作軸160に軸線回り相対回転不能に支持された前記第1ドラム170(1)とを有している。
斯かる構成において、前記操作軸160は、軸線回りの操作位置に関し、前記中立位置、前記変速位置(前記第4変速位置)及び前記他の変速位置(前記第3変速位置)に加えて、前記中立位置及び前記変速位置(前記第4変速位置)の間に位置する前記第2変速位置と、前記中立位置及び前記他の変速位置(前記第3変速位置)の間に位置する前記第1変速位置とを取り得るようになっている。
従って、図12等に示すように、前記複数のディテント凹部130は、前記中立位置用凹部330(N)、前記変速位置用凹部(前記第4変速位置用凹部330(4))及び前記他の変速位置用凹部(前記第3変速部材用凹部330(3))に加えて、前記操作軸160が第1変速位置に位置された際に前記ディテント凸部310が係入するように周方向に関し前記中立位置用凹部330(N)及び前記他の変速位置用凹部(前記第3変速部材用凹部330(3))の間に設けられた前記第1変速位置用凹部330(1)と、前記操作軸160が第2変速位置に位置された際に前記ディテント凸部310が係入するように周方向に関し前記中立位置用凹部330(N)及び前記変速位置用凹部(前記第4変速部材用凹部330(4))の間に設けられた前記第2変速位置用凹部330(2)とを含んでいる。
ここで、前記変速位置用凹部(前記第4変速位置用凹部330(4))以外のディテント凹部は、実質的に、前記ディテント凸部310が最深部に係入される係止状態と前記ディテント凸部310の係入が解除される解除状態とを選択的に現出させ得る一般的なディテント凹部とされている。
これに対し、前記変速位置用凹部(前記第4変速位置用凹部330(4))は、前記スライダー(前記第2スライダー130(2))が軸線方向に関し中立位置から変速位置(前記第4変速位置)へ到達するまでの変速中途状態において、前記操作軸160を軸線回り対応する操作位置(前記第4変速位置)へ向けて付勢する付勢力を発生するように構成されている。
詳しくは、前記変速位置用凹部(前記第4変速位置用凹部330(4))は、前述の通り、前記ティテント凸状部材310を前記操作軸160の径方向に関し最内方に位置させる前記最深部332と、周方向に関し前記最深部332より前記中立位置用凹部330(N)に近接する側に位置し、前記最深部332から前記中立位置用凹部330(N)へ近接するに従って浅くなる前記傾斜面331とを有している。
そして、図15に示すように、前記傾斜面331は、前記スライダー(前記第2スライダー130(2))が軸線方向に関し中立位置から変速位置(前記第4変速位置)までの間の変速中途位置に位置する際に前記ディテント凸状部材310と係合するように、他のディテント凹部に比して緩やかな傾斜角を有している。
かかる構成によれば、前記操作軸160を軸線回り中立位置から変速位置(前記第4変速位置)へ向けて回転させて前記スライダー(前記第2スライダー130(2))を軸線方向に関し中立位置から変速位置(前記第4変速位置)へ移動させる際に前記スライダー(前記第2スライダー130(2))及び前記変速部材(前記第4変速部材120(4))の凹凸係合部が互いに対して衝突し、前記スライダー(前記第2スライダー130(2))が直ちには前記変速部材(前記第4変速部材120(4))に凹凸係合できない変速中途状態(図13の状態)において、前記ディテント付勢部材320及び前記変速位置用凹部(前記第4変速位置用凹部330(4))によって前記操作軸160は軸線回りに変速位置(前記第4変速位置)へ付勢されることになる。
従って、前記スライダー(前記第2スライダー130(2))及び前記変速部材(前記第4変速部材120(4))の凹凸係合部の周方向位置が一致した時点で、前記スライダー(前記第2スライダー130(2))は、前記ディテント付勢部材320の付勢力によって、その後の前記操作軸160に対する人為操作を要すること無く、又は、その後に前記操作軸160を変速位置へ向けて回転操作する為に要する人為操作力を可及的に低減させつつ、変速位置(前記第4変速位置)まで移動される。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記第2フォークばね220(2)が、前記第2シフトフォーク150(2)を介して前記スライダー(前記第2スライダー130(2))を前記変速部材(前記第4変速部材120(4))へ向けて付勢しており、前記ディテント機構300に加えて、前記第2フォークばね220(2)も前記スライダー(前記第2スライダー130(2))を変速位置(前記第4変速位置)へ向けて押動している。
110 伝動回転軸
120(3) 第3変速部材(他の変速部材)
120(4) 第4変速部材(変速部材)
130(2) 第2スライダー(スライダー)
140 フォーク軸
150(2) 第2シフトフォーク(シフトフォーク)
153(2) 第2係合ピン(係合ピン)
160 操作軸
170(2) 第2ドラム(ドラム)
182 第2案内溝(案内溝)
200(2) 第2ドラムばね(ドラムばね)
210(2) 第2ドラム用第1ストッパー部材(ドラム用第1ストッパー部材)
211(2) 第2ドラム用第2ストッパー部材(ドラム用第2ストッパー部材)
220(2) 第2フォークばね(フォークばね)
300 ディテント機構
310 ディテント凸状部材
320 ディテント付勢部材
330(N) 中立位置用凹部
330(3) 第3変速位置用凹部(他の変速位置用凹部)
330(4) 第4変速位置用凹部(変速位置用凹部)
331 傾斜面
332 最深部

Claims (7)

  1. 伝動回転軸に対して相対回転自在とされた変速部材と、前記伝動回転軸に相対回転不能且つ軸線方向移動可能とされ、軸線方向に関し前記変速部材に凹凸係合しない中立位置及び前記変速部材に凹凸係合する変速位置を選択的に取り得るスライダーと、フォーク軸に軸線方向移動可能に支持され、前記スライダーを軸線方向に移動させるシフトフォークと、前記シフトフォークの係合ピンが係入される案内溝が形成されたドラムと、前記ドラムを軸線回り相対回転不能に支持し、軸線回り中立位置及び前記軸線回り中立位置から軸線回りに回転された変速位置を含む操作位置を取り得る操作軸とを備え、前記案内溝は、前記操作軸の中立位置から変速位置への操作に応じて前記スライダーが中立位置から変速位置へ向かう方向へ押動されるように前記係合ピンを案内するドラム型変速機構であって、
    前記操作軸を前記操作位置のそれぞれに係止可能なディテント機構を備え、
    前記ディテント機構は、ディテント凸状部材と、前記ディテント凸状部材を前記操作軸の外表面の所定部位に向けて付勢するディテント付勢部材と、前記操作軸が軸線回り中立位置及び変速位置に位置された際に前記ディテント付勢部材によって付勢された前記ディテント凸状部材が係入されるように前記操作軸の外表面に形成された中立位置用凹部及び変速位置用凹部を含むディテント凹部とを有し、
    前記変速位置用凹部は、前記ティテント凸状部材を前記操作軸の径方向に関し最内方に位置させる最深部と、周方向に関し前記最深部より前記中立位置用凹部に近接する側に位置し、前記最深部から前記中立位置用凹部へ近接するに従って浅くなる傾斜面とを含み、
    前記傾斜面は、前記スライダーが軸線方向に関し中立位置から変速位置までの間の変速中途位置に位置する際に前記ディテント凸状部材と係合するように形成されていることを特徴とするドラム型変速機構。
  2. 前記ドラムは前記操作軸に軸線方向移動可能に支持されており、
    前記スライダーが前記変速部材から離間する方向である軸線方向一方側へ前記ドラムを付勢するドラムばねと、
    前記ドラムの軸線方向一方側への移動端を画するドラム用第1ストッパー部材と、
    前記ドラムの軸線方向他方側の移動端を画するドラム用第2ストッパー部材であって、前記ドラムが前記ドラム用第1ストッパー部材に当接されている状態において前記ドラムとの間に間隙が存するように配置されたドラム用第2ストッパー部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載のドラム型変速機構。
  3. 前記スライダーが前記変速部材に近接する方向である軸線方向他方側へ前記シフトフォークを付勢するフォークばねを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のドラム型変速機構。
  4. 前記スライダーを挟んで前記変速部材とは反対側の配置され、前記伝動回転軸に対して相対回転自在とされた他の変速部材を備え、
    前記スライダーは、軸線方向に関し、前記中立位置及び前記変速位置に加えて、前記中立位置から軸線方向一方側へ変位され、前記他の変速部材と凹凸係合する他の変速位置を取り得るように構成され、
    前記操作軸は、前記操作位置として、前記中立位置及び前記変速位置に加えて、前記中立位置から軸線回りに前記変速位置とは反対側へ回転された際に位置する他の変速位置を取り得るように構成され、
    前記ディテント凹部は、前記操作軸が前記他の変速位置に位置された際に前記ディテント付勢部材によって付勢された前記ディテント凸状部材が係入される他の変速位置用凹部を含み、
    前記ドラムは前記操作軸に軸線方向移動可能に支持されており、
    前記スライダーが前記変速部材から離間し且つ前記他の変速部材に近接する方向である軸線方向一方側へ前記ドラムを付勢するドラムばねと、前記ドラムの軸線方向一方側への移動端を画するドラム用第1ストッパー部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のドラム型変速機構。
  5. 前記ドラムの軸線方向他方側の移動端を画するドラム用第2ストッパー部材であって、前記ドラムが前記ドラム用第1ストッパー部材に当接されている状態において前記ドラムとの間に間隙が存するように配置されたドラム用第2ストッパー部材を備えることを特徴とする請求項4に記載のドラム型変速機構。
  6. 前記スライダーが前記変速部材に近接する方向である軸線方向他方側へ前記シフトフォークを付勢するフォークばねを備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のドラム型変速機構。
  7. 前記変速部材は、回転不能に固定され、前記スライダーと凹凸係合された際にパーキング状態を現出させる固定部材とされていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のドラム型変速機構。
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