JP2016113822A - アンカー施工具及びそれを用いたアンカー施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】躯体表面に形成された孔にねじ込み式アンカーをねじ込んで施工する際、簡単且つ良好に施工することができるアンカー施工具及びそれを用いたアンカー施工方法を提供する。【解決手段】軸方向に沿ってねじ込み部11、ボルト部12及び工具装着部13がこの順に形成されたねじ込み式アンカー10を躯体表面に形成された孔にねじ込んで施工するために使用するアンカー施工具1は、工具装着部13が形成されたねじ込み式アンカー10の端部を挿入し、ボルト部12の外周面を囲繞する筒状部2と、筒状部2の底部に設けられ、工具装着部13と係合する係合部3と、係合部3の端部に形成され、工具を装着するための装着部と、を有する構成である。【選択図】図2
Description
本発明は、躯体表面に形成された孔にねじ込み式アンカーをねじ込んで施工するためのアンカー施工具及びそれを用いたアンカー施工方法に関する。
従来、軸方向に沿ってねじ込み部とボルト部と工具装着部とがこの順に形成されたねじ込み式アンカーが公知である(例えば、特許文献1)。この従来のねじ込み式アンカーは、軸部材の先端側に、大小2つの螺子山から成るねじ込み部が設けられ、軸部材の後端側に、メートル螺子で構成されるボルト部と、ドライバビットなどの工具を装着するための工具装着部とが設けられた構成である。工具装着部は、例えばボルト部の直径よりも小径の六角頭として構成される。そのため、ねじ込み式アンカーを施工する際には、工具装着部に対してドライバビットなどの工具を装着して工具を駆動することにより、ねじ込み式アンカーを躯体表面に形成された孔にねじ込んで施工することができる。そしてねじ込み式アンカーのねじ込み作業が終了すると、ドライバビットなどの工具をねじ込み式アンカーの軸方向に沿って引き抜くことにより、工具を工具装着部から離脱させることができ、その際にねじ込み式アンカーが緩むことはない。
しかしながら、従来のねじ込み式アンカーは、躯体表面に形成された孔がねじ込み部の長さよりも深い場合、良好な状態に施工することが困難である。なぜなら、ねじ込み部とボルト部とがほぼ同径であるため、工具装着部に装着した工具を駆動すると、ねじ込み部の先端が孔の奥底に当たるまでねじ込み式アンカーが孔にねじ込まれていくからである。そのため、ねじ込み式アンカーのねじ込み作業が終了すると、ボルト部の少なくとも一部が孔に埋設された状態となることが多く、躯体表面から十分な長さのボルト部を突出させた状態に施工することができない。
このことは、特に天井スラブなどの天井面に対してねじ込み式アンカーを施工する際に問題となる。すなわち、天井面にねじ込み式アンカーを施工する際には、作業効率の観点から、電動工具に延長ツールなどを装着し、作業者は床面などの比較的低い場所に居ながら、ねじ込み式アンカーをねじ込むための孔を天井面に形成したり、その孔にねじ込み式アンカーをねじ込んだりする作業が行われる。そのような場合、作業者は、天井面に対するドリル先端の埋入量がどの程度の量であるかを床面などの低い場所から目視で確認することができないため、天井面に形成する孔の深さを一定の深さにすることが困難である。それ故、作業者は、ねじ込み式アンカーのねじ込み部の長さよりも深くなるようにして予め天井面に孔を形成する。そして天井面に形成された孔に対してねじ込み式アンカーを施工する際には、延長ツールの先端にねじ込み式アンカーの工具装着部をセットした状態で床面などの低い場所で工具を操作し、ねじ込み式アンカーを深い孔にねじ込んでいく。このときも同様に、作業者は、天井面に形成された孔に対するねじ込み式アンカーの埋入量がどの程度の量であるかを床面などの低い場所から目視で確認することができないため、天井面に形成された孔に対してボルト部の突出量が適量となるタイミングで工具を停止させることが困難であり、孔に対してねじ込み式アンカーが深くねじ込まれてしまい、施工不良となるケースが頻発する。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、躯体表面に形成された孔にねじ込み式アンカーをねじ込んで施工する際、簡単且つ良好に施工することができるようにしたアンカー施工具及びそれを用いたアンカー施工方法を提供することを、その目的とするものである。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、軸方向に沿ってねじ込み部(11)、ボルト部(12)及び工具装着部(13)がこの順に形成されたねじ込み式アンカー(13)を躯体表面に形成された孔にねじ込んで施工するためのアンカー施工具(1)であって、前記工具装着部(13)が形成された前記ねじ込み式アンカー(10)の端部を挿入し、前記ボルト部(12)の外周面を囲繞する筒状部(2)と、前記筒状部(2)の底部に設けられ、前記工具装着部(13)と係合する係合部(3)と、前記係合部(3)の端部に形成され、工具を装着するための装着部(6)と、を有することを特徴とする構成である。このような構成によれば、ねじ込み式アンカー(10)を躯体表面にねじ込むとき、スムーズにねじ込んでいくことができると共に、筒状部(2)の先端(2a)が躯体表面に接触したときに施工が完了したことを把握できるため、簡単且つ良好に施工することができるようになる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のアンカー施工具(1)において、前記係合部(3)が前記工具装着部(13)と係合した状態のとき、前記筒状部(2)の先端(2a)が前記ねじ込み式アンカー(10)の前記ねじ込み部(11)と前記ボルト部(12)との境界近傍に位置することを特徴とする構成である。かかる構成によれば、筒状部(2)の先端(2a)が躯体表面に接触して施工が完了するときには、ねじ込み式アンカー(10)のボルト部(12)が孔(H)に埋入された状態となることを未然に防止でき、躯体表面から十分な長さのボルト部(12)を突出させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のアンカー施工具(1)を用いてねじ込み式アンカー(10)を施工するアンカー施工方法であって、前記ねじ込み式アンカー(10)をねじ込むための孔(H)を躯体表面(S)の所定位置に形成する工程と、前記工具装着部(13)が形成された前記ねじ込み式アンカー(10)の端部を前記アンカー施工具(1)の筒状部(2)に挿入し、前記工具装着部(13)を前記係合部(3)に係合させる工程と、前記装着部(6)に工具を装着した状態で、前記筒状部(2)の先端(2a)から突出する前記ねじ込み部(11)の先端を躯体表面(S)に形成した孔(H)の開口部に接合させる工程と、前記装着部(6)に装着した工具を作動させることで躯体表面(S)に形成した孔(H)に前記ねじ込み部(11)をねじ込んでいく工程と、前記筒状部(2)の先端(2a)が躯体表面(S)に形成した孔(H)の開口部周縁に当接した時点で前記装着部(6)に装着した工具を停止させる工程と、前記工具装着部(13)と前記係合部(3)との係合を解除して前記アンカー施工具(1)を前記ねじ込み式アンカー(10)から離脱させる工程と、を有することを特徴とする構成である。かかる構成によれば、躯体表面(S)に形成された孔(H)にねじ込み式アンカー(10)をねじ込んで施工する際、簡単且つ良好に施工することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のアンカー施工方法において、躯体表面(S)に形成する孔(H)は、前記ねじ込み式アンカー(10)の前記ねじ込み部(11)の長さよりも深い孔であることを特徴とする構成である。かかる構成によれば、孔(H)の深さを細かく調整する必要がないため、躯体表面(S)に孔(H)を形成するときの作業効率が向上する。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載のアンカー施工方法において、前記躯体表面(S)は天井面であることを特徴とする構成である。かかる構成によれば、特に天井スラブなどの天井面に対してねじ込み式アンカー(10)を施工する際の作業効率が向上する。
本発明によれば、躯体表面に形成された孔にねじ込み式アンカーをねじ込んで施工する際、簡単且つ良好に施工することができるようになる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
図1は本発明に係るアンカー施工具1を示す図であり、図1(a)はアンカー施工具1を斜め上方から観た斜視図であり、図1(b)はアンカー施工具1を斜め下方から観た斜視図であり、図1(c)はアンカー施工具1の縦断面図である。また図2及び図3は、アンカー施工具1の使用例を示す図である。
このアンカー施工具1は、図2及び図3に示すようにねじ込み式アンカー10を装着し、そのねじ込み式アンカー10を躯体表面に形成された孔にねじ込むために使用されるものである。アンカー施工具1は、概略円柱状の形態を有しており、上部に形成された筒状部2と、下部に形成された係合部3とを有している。
一方、ねじ込み式アンカー10は、図2に示すように、母材となる軸部材の軸方向に沿って、ねじ込み部11と、ボルト部12と、工具装着部13とがこの順に形成されたアンカーである。このねじ込み式アンカー10は、躯体表面に形成された孔にねじ込まれることにより、ボルト部12を躯体表面から突出させた状態に施工されるアンカーである。ねじ込み部11は、躯体表面に形成された孔にねじ込まれる部分であり、それぞれ高さの異なる大小2つの螺子山11a,11bが形成された構成である。ボルト部12は、ねじ込み式アンカー10が躯体表面の孔に固定された後、躯体表面から突出する部分であり、その外周面に一般的なメートル螺子などの雄螺子が形成されており、躯体表面に固定するためのワークなどをナットで締着固定することが可能である。工具装着部13は、例えばボルト部12よりも小径の六角頭部として構成され、ねじ込み式アンカー10を躯体表面に形成された孔にねじ込み施工する際にソケットレンチなどの工具を装着するための部分である。
また本実施形態のねじ込み式アンカー10は、図2において拡大図Aに示すように、ねじ込み部11の高い螺子山11aの角度αが60度よりも大きく、ボルト部12の螺子山の角度よりも大きくなるように形成されている。これにより、ねじ込み部11が躯体表面の孔にねじ込まれたとき、高い螺子山11aと躯体スラブとの接合面が大きくなるため、より強固にねじ込み式アンカー10を躯体に対して固定することができる。またねじ込み部11における高い螺子山11aは、ボルト部12の螺子山とほぼ同じ高さであるか、若しくは、それよりも高くなるように形成される。尚、図2では、ねじ込み部11の高い螺子山11aは、ボルト部12の螺子山よりも高い螺子山として形成された場合を例示している。
また図2に示す例では、ねじ込み部11の先端11cが縮径したテーパー状に形成される場合を例示している。この先端11cは、図2に示すように平坦な面で構成されても良いし、また尖った先端として構成されても良い。ただし、ねじ込み部11の先端11cは、必ずしもテーバー状に縮径したものに限られない。
また図2に示す例では、ねじ込み部11とボルト部12との間に螺子無し部14を設けた場合を例示している。ただし、これに限られず、ねじ込み部11とボルト部12との間には螺子無し部14が存在しないものであっても良い。
アンカー施工具1は、上記のようなねじ込み式アンカー10の工具装着部13が形成された端部を筒状部2に挿入装着してねじ込み式アンカー10を躯体表面の孔に施工する。すなわち、筒状部2の先端2aには、図1(a)に示すように略円形の開口部4が形成されており、その開口部4より筒状部2の内側にねじ込み式アンカー10を工具装着部13から挿入することが可能である。開口部4の直径及び筒状部2の内径は、ねじ込み式アンカー10のボルト部12の外径よりも若干大きく形成されるため、ねじ込み式アンカー10をスムーズに筒状部2の内側に挿入することができる。
係合部3は、筒状部2の底部に設けられ、図1(c)に示すように筒状部2に挿入されるねじ込み式アンカー10の工具装着部13と係合する係合孔5を有している。この係合孔5は、例えば工具装着部13の突出形状に適合するように構成された六角孔として構成される。そのため、筒状部2に挿入されるねじ込み式アンカー10は、その端部に設けられる工具装着部13を係合孔5に嵌入させた状態に装着される。
また係合部3の端部3aには、図1(b),(c)などに示すようにアンカー施工具1に対して電動工具などの回転工具を装着するための装着部6が形成される。この装着部6は、例えば六角レンチなどの先端部を挿入装着可能なソケット孔として構成される。ただし、装着部6は、ソケット孔として形成されるものに限られず、例えば六角頭部などの多角柱状の頭部として形成されるものであっても構わない。
上記のようなアンカー施工具1に対してねじ込み式アンカー10が正常に装着されると、図3に示すような状態となる。すなわち、ねじ込み式アンカー10の工具装着部13がアンカー施工具1の係合部3に設けられた係合孔5と係合した状態となり、且つ、筒状部2の周壁2bがねじ込み式アンカー10のボルト部12の全体を囲繞した状態となる。このとき、筒状部2の先端2aは、ねじ込み式アンカー10のねじ込み部11とボルト部12との境界近傍(図3の例では螺子無し部14のほぼ中央)に位置するようになる。そのため、ねじ込み式アンカー10をアンカー施工具1に装着したとき、筒状部2の先端2aがねじ込み部11とボルト部12との境界近傍に位置すれば、ねじ込み式アンカー10の装着状態が正常であることを簡単に把握することができる。これに対し、ねじ込み式アンカー10の工具装着部13が係合孔5に対して深く差し込まれていない場合には、筒状部2の先端2aからボルト部12の一部がはみ出した状態となるため、アンカー施工具1に対してねじ込み式アンカー10が正常に装着されていないことを把握することができる。したがって、ねじ込み式アンカー10がアンカー施工具1に対して正常に装着されたときには、筒状部2の先端2aがねじ込み式アンカー10のねじ込み部11とボルト部12との境界近傍に位置するように構成することで、ねじ込み式アンカー10の装着状態を容易に確認することができ、常にねじ込み式アンカー10を正常な状態に装着することができるという利点がある。
次に、上記のようなアンカー施工具1を用いて躯体表面に形成された孔にねじ込み式アンカー10をねじ込んで施工する方法について説明する。図4乃至図6は、ねじ込み式アンカー10の施工過程を示す図である。ここでは、天井スラブSの表面に形成した孔Hに対してねじ込み式アンカー10を施工する場合を例示している。ねじ込み式アンカー10を天井スラブSに施工する際には、まず図4に示すように天井スラブSに対して孔Hを形成する。このとき、作業者は、電動工具に延長ツールを装着すると共に、その延長ツールの先端にドリルビットを取り付け、床面などの比較的低い場所に居ながら天井スラブSに穿孔する。このように床面などの比較的低い場所に居ながら天井スラブSに対する穿孔作業を行うときには、天井スラブSに対するドリル先端の埋入量がどの程度の量であるかを目視で確認することができないため、例えば、作業者はドリルビットによって穿孔可能な最大深度となるまで穿孔作業を継続することにより、孔Hの深さDがねじ込み式アンカー10のねじ込み部11の長さよりも大きくなるようにして天井スラブSに孔Hを形成する。天井スラブSに形成する孔Hの直径は、例えばねじ込み式アンカー10のねじ込み部11に設けられた低い螺子山11bの外径とほぼ同一径である。
続いて図4に示すように、作業者は、電動工具に装着した延長ツール20の先端に、ねじ込み式アンカー10を正常な状態に装着したアンカー施工具1を取り付ける。すなわち、アンカー施工具1の装着部6に対して延長ツール20の先端に設けられた頭部21を嵌入装着して延長ツール20とアンカー施工具1とを連結する。尚、アンカー施工具1の装着部6が六角頭部として構成される場合には、延長ツール20の先端に設けられるソケット部にその六角頭部を挿入装着することにより、延長ツール20とアンカー施工具1とを連結する。尚、延長ツール20の先端にアンカー施工具1を先に連結した後に、そのアンカー施工具1の筒状部2の内側にねじ込み式アンカー10を挿入装着するようにしても良い。
そして図4に示すように、アンカー施工具1の筒状部2の先端2aから突出するねじ込み部11の先端11cを天井スラブSに形成した孔Hの開口部に接合させる。このとき、ねじ込み部11の先端11cがテーパー状に縮径していれば、先端部11cの一部を孔Hの内側に挿入した状態に位置決めできるため、作業効率が良い。その後、作業者は、電動工具を駆動してアンカー施工具1をR方向(右回り方向)へ回転させることにより、ねじ込み式アンカー10のねじ込み部11を孔Hに対してねじ込んでいく。このとき、ねじ込み部11の高い螺子山11aが孔Hの内壁を切り欠きながら孔Hの奥へと進行する。そして高い螺子山11aの角度αが一般的なメートル螺子の螺子山の角度よりも大きいため、孔Hの切り欠いた部分との接触面積を十分に大きくとることができ、螺子山11aの高さをそれ程高く形成しなくても十分な固定強度を確保することができる。また、ねじ込み部11を孔Hにねじ込んでいくとき、低い螺子山11bは、ねじ込み部11を孔Hの内壁に当たることでねじ込み部11を孔Hの奥へ向かって案内するガイドとしての機能を有すると共に、高い螺子山11aによって切り取られたスラブを孔Hの内壁と谷部の隙間に保持する機能を有している。
またねじ込み式アンカー10のねじ込み部11を孔Hにねじ込んでいくとき、アンカー施工具1の筒状部2がボルト部12の外周面を囲繞しているため、ねじ込み式アンカー10が傾倒してしまったり、軸振れしてしまうことを防止することができる。つまり、筒状部2がねじ込み式アンカー10の姿勢を安定させるため、孔Hに対してスムーズにねじ込み式アンカー10をねじ込んでいくことができる。
上記のようにしてねじ込み部11を孔Hにねじ込んでいくと、図5に示すようにアンカー施工具1の筒状部2の先端2aが天井スラブSの表面に当たる状態となり、これ以降、ねじ込み式アンカー10のねじ込み部11を孔Hにねじ込むことができなくなる。すなわち、アンカー施工具1における筒状部2の先端2aがねじ込み式アンカー10を施工する際のストッパーとして機能する。ここで、筒状部2の先端2aは、上述したようにアンカー施工具1に装着されたねじ込み式アンカー10のねじ込み部11とボルト部12との境界近傍に位置している。そのため、筒状部2の先端2aが天井スラブSの表面と接触した状態となるときには、ねじ込み部11とボルト部12との境界部分が天井スラブSの表面とほぼ等しい位置となる。
作業者は、筒状部2の先端2aが天井スラブSに当たったことを確認すると、電動工具を停止させる。そして作業者は、図6に示すように延長ツール20を下方へ引き抜くことにより、工具装着部13と係合孔5との係合状態を解除し、アンカー施工具1をねじ込み式アンカー10から離脱させる。以上で、ねじ込み式アンカー10の施工作業が終了する。
上記のようにアンカー施工具1を用いてねじ込み式アンカー10を施工すると、天井スラブSに形成した孔Hに対してボルト部12の少なくとも一部が埋入されてしまうことを防止することができる。そのため、作業者が床面などの比較的低い場所に居ながら施工作業を行う場合でも、天井スラブSの表面から十分な長さのボルト部12を突出させた状態に施工することができる。
天井スラブSの孔Hに固定されたねじ込み式アンカー10は、天井スラブSの表面から突出するボルト部12に様々な天井構造物を取り付けて固定することができる。図7乃至図9は、その一例として、天井スラブSの表面から突出するボルト部12にブレース34を連結固定する施工例をしている。ブレース34は、天井スラブSに吊り下げた状態で支持される天井パネルや空気調和器、照明器具などの吊下物の振れ止め装置として斜め方向に配設して取り付けられる補強部材である。このブレース34の上端部には、天井スラブSから突出するボルト部12へ固定するための固定部材30が取り付けられる。固定部材30は、ブレース34の上端に対し、回動部材33を介して回動可能に取り付けられる。ただし、回動部材33は、固定部材30とブレース34との間に一定の摩擦力を生じさせるようになっており、その摩擦力によりブレース34に対する固定部材30の角度を保持することができる。固定部材30は、天井スラブSから突出するボルト部12を挿入するための貫通孔32が設けられた天板31を有している。尚、回動部材33は、その軸方向両端が天板31の両端に垂設された一対の側板に軸支される構成である。
天井スラブSの表面から突出するボルト部12に対してブレース34の上端部を固定するとき、図7に示すように、作業者は、まずブレース34と固定部材30との角度を予め一定の角度に調整しておく。この作業は、作業者が床面などの比較的低い場所に居ながら行うことができる。そして作業者は、ブレース34の上端を持ち上げ、天井スラブSから垂下するボルト部12を固定部材30の天板31に設けられた貫通孔32に挿入する。このとき、固定部材30は、回動部材33の摩擦力によりブレース34に対して相対的な回転を行わないため、貫通孔32が形成された天板31を天井スラブSの表面とほぼ平行な状態にしてボルト部12を貫通孔32に挿入することができる。また図7に示すように回動部材33は、貫通孔32の下方空間を横切らない位置に設けられているため、作業者はボルト部12と貫通孔32との位置関係を目視で確認しながら挿入することができる。そのため、作業者は、床面などの比較的低い場所に居ながらボルト部12を貫通孔32に挿入する作業を簡単に行うことができる。
固定部材30の貫通孔32にボルト部12が挿入されると、図8に示すような状態となる。この状態になると、作業者はブレース34の下端部を床スラブなどに接触させて滑らないように手当することにより、ブレース34の姿勢が安定し、固定部材30がボルト部12から離脱しないようになる。そのため、作業者はブレース34から一旦手を離すことができる。そして作業者は、延長ツールの先端にナット40を装着し、床面などの比較的低い場所から電動工具を操作することにより、貫通孔32の下方に突出するボルト部12に対してナット40を装着する。このとき、ねじ込み式アンカー10の工具装着部13はナット40の内径よりも小径であるため、工具装着部13の外側を通してナット40をボルト部12に装着することができる。また固定部材30において回動部材33が貫通孔32から突出するボルト部12の下方空間を横切らない位置に設けられているため、ナット40をボルト部12に装着するときには回動部材33が邪魔になることはない。そして電動工具が回転駆動されることによりナット40がボルト部12に対して螺合進行し、ナット40の締め付けトルクが一定トルクになると、施工が完了する。その結果、図9に示すようにナット40が固定部材30の天板31を天井スラブSの表面に接合させて強く押し付けた状態に固定され、ブレース34の上端部を天井スラブSに固定することができる。
その後、作業者は、ブレース34の下端部を再び持ち上げ、ブレース34の配設角度を調整する。このとき、回動部材33は摩擦力に抗して回動する。そのため、作業者はブレース34の配設角度を簡単に調整可能である。そして適切な配設角度に調整したブレース34の下端部を固定すると、ブレース34の設置作業が完了する。このようにねじ込み式アンカー10を施工後、ブレース34を施工する際にも、作業者は床面などの比較的低い場所に居ながら作業を行うことができる。つまり、天井スラブSの表面近傍での高所作業を行う必要がないため、効率良く施工することができるようになる。
以上のように本実施形態のアンカー施工具1は、軸方向に沿ってねじ込み部11、ボルト部12及び工具装着部13がこの順に形成されたねじ込み式アンカー10を躯体表面に形成された孔Hにねじ込んで固定するために使用されるものである。このアンカー施工具1は、工具装着部13が形成されたねじ込み式アンカー10の端部を挿入し、ボルト部12の外周面を囲繞する筒状部2と、筒状部2の底部に設けられ、工具装着部13と係合する係合部3と、その係合部3の端部に形成され、電動工具などを装着するための装着部6と、を有する構成である。このような構成によれば、ねじ込み式アンカー10を躯体表面にねじ込むとき、スムーズにねじ込んでいくことができると共に、筒状部2の先端2aが躯体表面に接触したときに施工が完了したことを把握できるため、簡単且つ良好に施工することができるようになる。
また本実施形態のアンカー施工具1は、係合部3がねじ込み式アンカー10の工具装着部13と係合した状態のとき、筒状部2の先端2aがねじ込み式アンカー10のねじ込み部11とボルト部12との境界近傍に位置する構成である。そのため、筒状部2の先端2aが躯体表面に接触して施工が完了するときには、ねじ込み式アンカー10のボルト部12が孔Hに埋入された状態となることを未然に防止でき、躯体表面から十分な長さのボルト部12を突出させることができる。
以上、本発明に関するいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、アンカー施工具1を用いて天井スラブSにねじ込み式アンカー10をねじ込む場合を例示したが、これに限られるものではない。すなわち、上述したアンカー施工具1は、ねじ込み式アンカー10を天井スラブS以外の躯体表面(例えば壁面や床面など)に施工する場合であっても使用可能である。
1 アンカー施工具
2 筒状部
3 係合部
6 装着部
10 ねじ込み式アンカー
2 筒状部
3 係合部
6 装着部
10 ねじ込み式アンカー
Claims (5)
- 軸方向に沿ってねじ込み部、ボルト部及び工具装着部がこの順に形成されたねじ込み式アンカーを躯体表面に形成された孔にねじ込んで施工するためのアンカー施工具であって、
前記工具装着部が形成された前記ねじ込み式アンカーの端部を挿入し、前記ボルト部の外周面を囲繞する筒状部と、
前記筒状部の底部に設けられ、前記工具装着部と係合する係合部と、
前記係合部の端部に形成され、工具を装着するための装着部と、
を有することを特徴とするアンカー施工具。 - 前記係合部が前記工具装着部と係合した状態のとき、前記筒状部の先端が前記ねじ込み式アンカーの前記ねじ込み部と前記ボルト部との境界近傍に位置することを特徴とする請求項1に記載のアンカー施工具。
- 請求項1又は2に記載のアンカー施工具を用いてねじ込み式アンカーを施工するアンカー施工方法であって、
前記ねじ込み式アンカーをねじ込むための孔を躯体表面の所定位置に形成する工程と、
前記工具装着部が形成された前記ねじ込み式アンカーの端部を前記アンカー施工具の筒状部に挿入し、前記工具装着部を前記係合部に係合させる工程と、
前記装着部に工具を装着した状態で、前記筒状部の先端から突出する前記ねじ込み部の先端を躯体表面に形成した孔の開口部に接合させる工程と、
前記装着部に装着した工具を作動させることで躯体表面に形成した孔に前記ねじ込み部をねじ込んでいく工程と、
前記筒状部の先端が躯体表面に形成した孔の開口部周縁に当接した時点で前記装着部に装着した工具を停止させる工程と、
前記工具装着部と前記係合部との係合を解除して前記アンカー施工具を前記ねじ込み式アンカーから離脱させる工程と、
を有することを特徴とするアンカー施工方法。 - 躯体表面に形成する孔は、前記ねじ込み式アンカーの前記ねじ込み部の長さよりも深い孔であることを特徴とする請求項3に記載のアンカー施工方法。
- 前記躯体表面は天井面であることを特徴とする請求項3又は4に記載のアンカー施工方法。
Priority Applications (1)
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JP2014253653A JP2016113822A (ja) | 2014-12-16 | 2014-12-16 | アンカー施工具及びそれを用いたアンカー施工方法 |
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JP2004019370A (ja) * | 2002-06-19 | 2004-01-22 | Japan Power Fastening Co Ltd | ねじ込み式アンカー |
JP2007030120A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-02-08 | Jpf Works Kk | ねじ込み式アンカーのねじ込み補助具及びねじ込み式アンカーを石質基材に固定する施工方法 |
US20130161038A1 (en) * | 2011-12-23 | 2013-06-27 | David C. Prunean | Anchor driver |
-
2014
- 2014-12-16 JP JP2014253653A patent/JP2016113822A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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