JP2016112604A - 砂中子の除去方法 - Google Patents

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Kazuya Matsuura
一也 松浦
中村 信弘
Nobuhiro Nakamura
信弘 中村
亨介 案納
Kyosuke Anno
亨介 案納
将明 永延
Masaaki Naganobu
将明 永延
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Abstract

【課題】鋳造品から砂中子を短時間で効率良く除去できるとともに、除去崩壊した廃砂をそのまま再使用できる除去方法を提供する。【解決手段】砂中子1が鋳込まれている鋳造品2から砂中子1を除去する方法であって、砂中子1の保形用樹脂が燃焼可能な温度に加熱した加熱気体を砂中子1に吹き込んで、砂中子1の保形用樹脂を燃焼させること。【選択図】図1

Description

本発明は、砂中子が鋳込まれている鋳造品から砂中子を除去する方法に関するものである。
例えばエンジンのシリンダヘッドは鋳造によって製造される。このシリンダヘッドには冷却水通路が必要とされ、しかして冷却水通路である中空部を形成する鋳造品を鋳造するために砂中子を用いる。砂中子を用いて鋳造すると、砂中子が鋳込まれている鋳造品から砂中子を除去することにより、冷却水通路を内部に形成した鋳造品が得られる。
砂中子は、鋳型に金属溶湯を充填する間、形状を維持している必要がある。そのため、砂中子を形成するケイ砂(Si2が主成分)等の砂粒子がフェノール樹脂等の保形用樹脂(バインダー)によって結合され、更に砂中子の表面が同じくフェノール樹脂等の保形用樹脂によってコーティングされ、そのような保形用樹脂によって砂粒子と砂粒子との結合力を高める技術が汎用されている。保形用樹脂によって保形力が高められた砂中子は強固で、鋳型に金属溶湯を充填する間に形状が崩れることがない。しかしながら、砂中子は、鋳造品から除去する必要があるが、砂中子は保形用樹脂によって保形力が高められており、非常に強固であり、容易なことでは除去することができない。
従来の砂中子除去方法としては、例えば、下記の特許文献1に記載されているように、砂中子が鋳込まれている鋳造品に対し、チッピングハンマー装置によって打撃を与えながら、エア噴出装置から鋳造品の砂中子に対し圧縮エアを吹き込むようにしたものである。この方法は、打撃によるショックで砂中子にクラックを発生させ、圧縮空気のエアブローによって砂中子の崩壊を促進するとういものである。
また、従来の砂中子除去方法として、下記の特許文献2に記載されているものがある。これは、砂中子が充填され排砂口を有する鋳造品を所定の衝撃力で打撃する砂中子崩壊工程と、この砂中子崩壊工程の衝撃力よりも小さい衝撃力で打撃する排砂工程とを有する砂中子除去方法である。
特開昭61−9962号公報 特開平07−314125号公報
特許文献1の方法では、打撃によって砂中子にクラックを発生させ、圧縮空気で砂粒子を吹き飛ばすだけでは、砂粒子を十分に除去しきれないことがあり、その場合には、鋳造品から砂を完全に除去するための更なる工程が必要となり、結局、砂中子の除去に相当な時間がかかる。また、特許文献2の方法では、鋳造強度よりも強い衝撃力を与えた場合には砂除去作業中に鋳物が破損してしまうという問題がある。又、砂中子が鋳込まれている鋳造品に打撃力や衝撃力を負荷させる前に、該鋳造品を加熱炉に導入し、かなりの熱処理時間をかけなければならないから、それだけ砂中子除去費用が高くつき、又、砂中子除去に長時間必要とするからそれだけ作業能率が悪いという難点がある。
本発明は、上記の事情に鑑み、鋳造品から砂中子を短時間で効率良く除去できると共に、除去崩壊した廃砂をそのまま再生(再使用)することができる除去方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、砂中子1が鋳込まれている鋳造品2から砂中子1を除去する方法であって、
砂中子1の保形用樹脂が燃焼可能な温度に加熱した加熱気体を前記砂中子1に吹き込んで、この砂中子1の保形用樹脂を燃焼させることを特徴とする。
請求項2は、請求項1に記載の砂中子の除去方法において、前記加熱気体は、圧縮気体が供給される加熱気体生成装置3によって生成されてなることを特徴とする。
請求項3は、請求項2に記載の砂中子の除去方法において、前記加熱気体生成装置3によって生成された加熱気体の該装置からの出口温度は、650℃〜850℃であることを特徴とする。
請求項4は、請求項2又は3に記載の砂中子の除去方法において、前記加熱気体生成装置3によって生成され該装置から砂中子に吹き込まれる加熱気体の吹き込み温度は、350℃〜850℃であることを特徴とする。
請求項5は、請求項2〜4の何れかに記載の砂中子の除去方法において、前記加熱気体生成装置3によって生成され該装置から砂中子に吹き込まれる加熱気体の吹き込み圧力は、0.3MPa〜0.5Mpaであることを特徴とする。
請求項6は、請求項1〜5の何れかに記載の砂中子の除去方法において、前記鋳造品に打撃及び/又は振動を与える工程を有することを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の砂中子の除去方法によれば、砂中子1の保形用樹脂が燃焼可能な所要温度に加熱した加熱気体を砂中子1に吹き込むと、砂中子1の保形用樹脂、例えばフェノール樹脂が燃焼して気化し、砂中子1の保形力が低下する。即ち、加熱気体生成装置3によって生成された加熱気体の出口温度が最大値850℃、例えば780℃という高温の加熱気体であって、これが加熱気体供給配管部5を通って、砂中子1に最大値850℃、例えば400℃の加熱気体を砂中子1に吹き込むことによって、保形用樹脂であるフェノール樹脂は、酸化反応により、実験の結果約1200℃前後という高温に昇温した燃焼ガスとなって燃焼され、CO2 とH2 Oとに分解し、大気中に放出される。このような保形用樹脂の燃焼分解によって、砂中子1は、巨視的に多孔状となって砂密度が減少し、砂中子1の保形力が短時間で急激に低下するから、鋳造品2からの砂中子1を短時間に除去でき、鋳造品2を効率よく製造することができる。また砂中子1の保形用樹脂が完全燃焼して分解することにより、残存する廃砂を砂粒子として、そのまま再使用することができる。
特に、本発明によれば、砂中子を鋳込んだ鋳造品の製造において、従来のアルミ低圧鋳造法に変えて高圧アルミ鋳造法であるアルミダイガストを可能としたことを特徴とする。アルミダイガストは、高圧鋳造のため、砂中子を鋳込んだ鋳造品の製造が困難で、従来では、低圧鋳造法によらざるを得なかった。このため鋳造効率が悪く、しかも低圧鋳造法であっても、鋳造品に鋳込まれた砂中子を除去するためには、一旦、加熱炉によって約6時間程度の熱処理を行って、砂中子保形用樹脂を軟化させる必要があった。
これに対し、本発明によれば、高温の加熱気体によって鋳造品中の砂中子を燃焼させるようにしたから、鋳造品に鋳込まれる砂中子は、高強度の例えば1100Nの保形用樹脂で結合されたレジンコーテッドサンド(RCS)の使用が可能となった。これがために、本発明によれば、砂中子が鋳込まれた鋳造品の鋳造に高精度で生産性の高いアルミダイガストを可能にした。
請求項2よれば、本件出願人は、種々実験の結果、従来、過熱水蒸気を生成するための過熱水蒸気生成装置として使用していた装置を、そのまま加熱気体を生成するための加熱気体生成装置3として利用することを可能であることを見い出したもので、これがために加熱気体生成装置3を、比較的に安価に製作することができ、その結果、安価な砂中子除去方法を提供することが可能となった。
請求項3によれば、前記加熱気体生成装置3によって生成され該装置からの加熱気体の出口温度は、種々実験の結果、650℃〜850℃である。650℃以下であれば、実験の結果、加熱気体を鋳造品中の砂中子に吹き込んでも、砂中子が崩壊しないことが判明した。又、加熱気体の加熱気体生成装置からの出口温度が850℃以上となれば、加熱気体生成装置を作動させるためのエネルギーコストが必要以上に負担することになり、加熱気体を生成するためのコストが高価になり実用的でない。
請求項4によれば、前記加熱気体生成装置によって生成され該装置から砂中子に吹き込まれる加熱気体の吹き込み温度は、350℃〜850℃である。350℃以下であれば、実験の結果、加熱気体を鋳造品中の砂中子に吹き込んでも、砂中子が崩壊しないことが判明した。又、850℃以上となれば、請求項3と同じように、加熱気体生成装置を作動させるためのエネルギーコストが必要以上に負担することになり、加熱気体を生成するためのコストが高価になり実用的でない。
請求項5によれば、前記加熱気体生成装置によって生成され該装置から砂中子に吹き込まれる加熱気体の吹き込み圧力は、大気圧の0.1MPaより高圧であることが必要で、実験の結果、0.2MPaでは、加熱気体が鋳造品中の砂中子の内部まで十分に浸透しないことが判明し、0.3MPa以上必要であり、又、0.5Mpa以上の吹き込み圧力は必要としないことが判明した。
請求項6に記載のように、砂中子1に加熱気体の吹き込みを行なう工程の後の段階で、鋳造品2に打撃及び/又は振動を与えてもよく、また加熱気体の吹き込みを行なう工程の前の段階で、鋳造品2に打撃及び/又は振動を与えてもよいし、更には加熱気体の吹き込みを行なう工程と平行して、鋳造品2に打撃及び/又は振動を与えるようにしてもよい。いずれにしても、鋳造品2に打撃及び/又は振動を与える工程を有することにより、砂中子1にクラックを発生させて、砂中子1の崩壊を一層容易にすることができる。そして、砂中子1に対する加熱気体の吹き込み工程と、鋳造品2に打撃及び/又は振動を与える工程とを併用することにより、鋳造品2からの砂中子1の除去・排出をより短時間で確実に行なうことができる。
本発明に係る砂中子の除去方法を実施するための砂中子除去装置の一実施形態を示す説明図である。 図1の砂中子除去装置の一部を示すもので、砂中子が鋳込まれている鋳造品部分の拡大図である。 砂中子が鋳込まれた鋳造品のテストピースを示す縦断面図である。 図3に示すテストピースの砂中子の時間的温度変化を示すグラフである。
以下に本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1には、本発明に係る砂中子除去方法を実施するための砂中子除去装置6を示している。この砂中子除去装置6は、砂中子1が鋳込まれている鋳造品2から砂中子1を除去する装置で、加熱気体を発生させる加熱気体生成装置3と、この加熱気体生成装置3に圧縮気体(圧縮エアー)を供給するための圧縮気体供給装置4(エアーコンプレッサー)と、この加熱気体生成装置3で生成された加熱気体を鋳造品2に鋳込まれた砂中子1に吹き込むように配管された加熱気体供給配管部5とを備えている。
加熱気体発生装置3は、高周波誘導加熱装置からなり、高周波電源装置より発熱体である加熱コイルを誘導加熱し、該加熱コイル中に圧縮気体を通過させることによって圧縮気体を加熱して加熱気体を生成するものであり、高電力密度で効率よく加熱することができ、しかも化石エネルギーを使用するものでないからクリーンで環境上有効である。図1において、V1及び V2は開閉操作弁を示す。
ここに示される鋳造品2は、エンジンのシリンダヘッドの一部を例示したもので、内部に冷却水通路を成形するために、冷却水通路の形状を有する砂中子1を鋳込んだ状態で鋳造される。この砂中子1を除去することによって、この鋳造品2を上下に貫通する冷却水通路である開口7(図2参照)が形成される。
砂中子1は、ケイ砂(Si2が主成分)等からなる砂粒子の表面に保形用樹脂(バインダー、例えばフェノール樹脂がコーティングされたレジンコーテッドサンド(RCS)によって形成され、更に砂中子1の表面が同じフェノール樹脂等の保形用樹脂でコーティングされ、その保形用樹脂によって砂粒子と砂粒子との結合力が高められ、砂中子1全体の保形力が高められている。保形用樹脂として、フェノール樹脂の他にはウレタン樹脂が使用される。
砂中子除去装置6の一部を示す図2において、砂中子1が鋳込まれているアルミニウム製の鋳造品2は、鋳造品取付台9に取り付けられている。また、この砂中子除去装置6は、鋳造品2に打撃を与える打撃手段としてのエアハンマー8、及び鋳造品取付台9を介して鋳造品2に振動を与える振動手段としての起振機10とを備えている。尚、この実施形態では、エアハンマー8(打撃手段)と起振機10(振動手段)との両方を備えているが、打撃手段のみでもよいし、振動手段のみでもよい。
鋳造品2を取り付け固定する鋳造品取付台9は、ベース11上にダンパー12を介して載設されたもので、その一側面側に鋳造品2をセットしてクランプ13で固定するようになっている。また、鋳造品取付台9は、ベース11上に立設された支持フレーム14に設けてある起振機10によって振動され、この鋳造品取付台9の振動が鋳造品2に与えられるようになっている。
また、鋳造品2に打撃を与える打撃手段としてのエアハンマー8は、図2に簡略図示するように、鋳造品取付台9に取付け固定される鋳造品2の上方に昇降自在に設けられたもので、鋳造品2の上面に近接する所定位置まで降下して、鋳造品2の上面に打撃を与えるようになっている。エアハンマー8の打撃力は適宜に調整可能である。
尚、この実施形態の砂中子除去方法に使用する加熱気体を生成させる加熱気体生成装置3は、圧縮気体供給装置4から供給される圧縮気体を該加熱気体生成装置3に供給されることによって生成されるものである。
次に、上記した図1及び図2に示すような砂中子除去装置6を使用して、鋳造品2に鋳込まれている砂中子1を除去する方法について説明する。
鋳型から取り出された直後の鋳造品2は、まだ高温であり、砂中子1を鋳込んでいる。この状態の鋳造品2を、図2示すように鋳造品取付台9にセットして固定し、加熱気体供給配管部5の先端部5aを砂中子1側に接続する。この時、図1に示す開閉操作弁V1及びV2は閉じている。それから、開閉操作弁V1及びV2を開放操作し、圧縮気体供給装置4(エアーコンプレッサー)及び加熱気体発生装置3(高周波誘導加熱装置)を作動させて加熱気体を生成し、この加熱気体を加熱気体供給配管部5の先端部5aから砂中子1の上端部に供給して、砂中子1への加熱気体の吹き込みを開始する。この時、加熱気体供給配管部5の先端部5aから供給される加熱気体の圧力は、大気圧(0.1MPa)より高く、又、0.2MPaでは不十分で、0.3MPaとされ、また前記加熱気体生成装置によって生成された加熱気体の該装置からの出口温度は、780℃で、砂中子に吹き込まれる加熱気体の吹き込み温度は、400℃である。
上記のように圧力及び温度の加熱気体からなる高温ガスSを0.3MPaの圧力で砂中子1に例えば5分間吹き込むと、砂中子1の保形用樹脂である例えばフェノール樹脂は、高温ガスS中の酸素に触れることにより燃焼して気化し、砂中子1の保形力が低下する。即ち、砂中子1には、上記のような高温の加熱気体が十分に吹き込まれるために、保形用樹脂であるフェノール樹脂は、酸素との化合により、実験の結果約1200℃前後という高温の燃焼ガスにより完全燃焼してCO2 とH2 Oとに分解し、大気中に放出される。このようなフェノール樹脂の燃焼分解によって、砂中子1は、巨視的に見て多孔状となって砂密度が減少し、砂中子1の保形力が短時間で急激に低下する。一例を挙げると重量比2.5%のフェノール樹脂が混合されている砂中子1に最大値850℃、具体的には約400℃の上記燃焼ガスを吹き込むことによって約1200℃に昇温しフェノール樹脂をほぼ完全燃焼して、砂中子1中に残存する保形用樹脂(フェノール樹脂)の残存比率を示すイグロス値(砂中子1中の残存樹脂量が低いほどイグロス値が低くなる。)は−0.07%という完全に除去された数値を示し、又、他の一例を挙げると、重量比2.7%のフェノール樹脂が混合されている砂中子1中に同様の条件で混合燃焼ガスを吹き込むことによってフェノール樹脂のイグロス値が0.04%というほぼ完全に除去された数値を示した。これにより、砂中子1は鋳造品2中で完全崩壊されて廃砂状態で取り出され、従来のように鋳造品2中に砂中子1が残存することはなく、又、取り出された廃砂は樹脂成分が残存しないから新砂として再使用することが可能である。また、大気中に放出されるCO2 とH2 Oは無害であるから、環境にも優しい。
従って、図1及び図2に示すように、鋳造品2に鋳込まれている砂中子1に対し、その上方から、上記のような特性を有する加熱気体からなる高温ガスSを、その圧力が約0.3MPa、加熱気体発生装置3からの出口温度が780℃、砂中子1の吹き込み温度が約400℃の条件下で、例えば5分間吹き込むと、砂中子1中は例えば1200℃前後の高温の燃焼ガスに昇温されることになり、これによって砂中子1中の保形用樹脂が完全に燃焼して気化し、砂密度が減少し、砂中子1の保形力が急激に低下して、容易に崩落可能な状態となり、図2に示す開口7の下端部7aから自重によって自然落下し、砂中子1が鋳造品2から除去排出される。
また上述した砂中子除去方法の説明では、砂中子1の保形用樹脂の保形力が燃焼可能な所要温度に加熱された加熱気体が砂中子1の保形用樹脂に触れることにより、その保形用樹脂を燃焼させ、それにより砂中子1の保形力を低下させるようにしているが、このような工程だけでは、砂中子1を鋳造品2から完全に除去排出させることができない場合には、加熱気体の吹き込み工程の後の段階で、エアハンマー8による打撃又は起振機10による振動の何れか、あるいはその打撃及び振動の両方を鋳造品2に与えることによって、砂中子1を鋳造品2から確実に除去排出することができる。
また、打撃及び/又は振動を鋳造品2に与える工程は、砂中子1の材質、容量、形状等により、上記のように加熱気体の吹き込み工程の後に行なってもよいし、この吹き込み工程の前に行なってもよく、あるいは加熱気体の吹き込み工程と同時に平行して行なってもよい。何れにしても、鋳造品2に打撃を与えることにより砂中子1にクラックを発生させて、砂中子1の崩壊を容易にすることができるし、また鋳造品2に振動を与えることにより、砂中子1の全体に振動による衝撃を与えて砂中子1の崩壊を容易にすることができる。
上述した本発明の砂中子除去方法を実施するにあたり、加熱気体の温度は、加熱気体を砂中子に吹き込んだ時に砂中子の保形用樹脂が燃焼可能な温度であればよく、好ましくは350℃〜850°とされる。このときの加熱気体発生装置3からの出口温度は650℃〜850℃とされる。また、加熱気体の圧力は、大気圧である0.1MPaより高く、又、0.2MPaでは不十分で、例えば0.3〜0.5MPaの範囲が好ましい。
図3は、実際の鋳造品2に対応する円筒状のアルミニウム製のパイプ材からなるテストピース15を示すもので、このテストピース15の上端部に、図1に示す砂中子除去装置6の加熱気体供給配管部5の出口である先端部5aが接続される。このテストピース15であるアルミニウム製のパイプ材17は、長さを260mmで、内径を22mm、外径を24mmとし、パイプ材の内部には実際の砂中子1と同じように、加熱して硬化したレジンコーテッドサンド(RCS)からなる砂中子16を充填している。なお、このRCSは高強度のRWC9K人口砂を用いた。
又、図3において、19〜21は、熱電対からなる温度センサーで、図示のように熱電対の先端部は砂中子16の中心部まで侵入させている。19は、テストピース20の入り口18から、aに示すように、20mmの位置Aで砂中子16の温度を計測する温度センサーである。20は、テストピース15の入り口18から、bに示すように、100mmの位置Bで砂中子16の温度を計測する温度センサーである。21は、テストピース15の入り口18から、cに示すように、200mmの位置Cで砂中子16の温度を計測する温度センサーである。
図4は、砂中子16が鋳込まれているテストピース15、即ち、円筒状の鋳造品15から砂中子16を除去する際に、前記計測位置A〜Cでの時間的な温度経過を示す折れ線グラフであり、図中、実線Aで示す折れ線は、計測位置Aでの時間的温度経過を、一点鎖線Bで示す折れ線は、計測位置Bでの時間的温度経過を、二点鎖線Cで示す折れ線は、計測位置Cでの時間的温度経過を、それぞれ示す軌跡である。
図4のグラフを参照して砂中子16の時間的温度経過を見ると、加熱気体がテストピース15に送り込まれて20秒程度で、口元から20mmの計測位置AでRCSのフェノール樹脂に引火して1200℃前後まで急上昇し、燃焼している間高温となり、燃焼終了で温度が低下し、400℃程度の加熱気体の流れによって、テストピース15内の燃焼がその先端方向に連続的に伝搬していくことを推測することができる。即ち、この燃焼により、フェノール樹脂はCO2 とH2 Oとに分解し、燃焼が終了すると、砂中子は約400℃まで降下してテストピース15の先端側に推移していることが分かる。
又、砂中子16が口元から100mmの計測位置Bでの温度は、テストピース15に高温ガス(加熱気体)が吹き込まれてから約1分14秒経過して、やはり1200℃前後まで急上昇しており、計測位置Aと同じように、RCSのフェノール樹脂に引火して燃焼したことを示し、燃焼が終われば、温度降下していることが分かる。又、砂中子16が口元から200mmの計測位置Cでの温度は、テストピース15に高温ガス(加熱気体)が吹き込まれてから約2分52秒経過後に、やはり1200℃前後まで急上昇しており、計測位置AやBと同じように、RCSのフェノール樹脂に引火して燃焼したことを示し、燃焼が終われば、温度降下していることが読み取れる。
上述したような図3及び図4によって説明した鋳造品2のテストピース15による砂中子16の除去テストによれば、砂中子16は、この砂中子16が鋳込まれている円筒状鋳造品(テストピース15)の下端から自重により自然落下するが、自然落下しない場合は、テストピース15に若干の打撃力をかけることによって、砂中子16が鋳造品であるテストピース15から完全に除去排出させることができた。
1 砂中子
2 鋳造品
3 加熱気体生成装置
4 圧縮気体供給装置
5 加熱気体供給配管部
6 砂中子除去装置
7 鋳造品の開口
8 エアハンマー
9 鋳造品取付台
10 起振機
15 テストピース
16 テストピーの砂中子
17 テストピーの鋳造品
19 温度センサー(熱電対)
20 温度センサー(熱電対)
21 温度センサー(熱電対)

Claims (6)

  1. 砂中子が鋳込まれている鋳造品から砂中子を除去する方法であって、
    砂中子の保形用樹脂が燃焼可能な温度に加熱した加熱気体を前記砂中子に吹き込んで、この砂中子の保形用樹脂を燃焼させることを特徴とする砂中子の除去方法。
  2. 前記加熱気体は、圧縮気体が導入される加熱気体生成装置によって生成されてなることを特徴とする請求項1に記載の砂中子の除去方法。
  3. 前記加熱気体生成装置によって生成された加熱気体の該装置からの出口温度は、650℃〜850℃であることを特徴とする請求項2に記載の砂中子の除去方法。
  4. 前記加熱気体生成装置によって生成され該装置から砂中子に吹き込まれる加熱気体の吹き込み温度は、350℃〜850℃であることを特徴とする請求項2又は3に記載の砂中子の除去方法。
  5. 前記加熱気体生成装置によって生成され該装置から砂中子に吹き込まれる加熱気体の吹き込み圧力は、0.3MPa〜0.5Mpaであることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の砂中子の除去方法。
  6. 前記鋳造品に打撃及び/又は振動を与える工程を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の砂中子の除去方法。
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