JP2016111670A - 放射線計数装置、および、放射線計数装置の制御方法 - Google Patents

放射線計数装置、および、放射線計数装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線計数を正確に行う放射線計数装置及び放射線計数装置の制御方法を提供する。【解決手段】放射線計数装置100は、シンチレータ120、画素回路220及びアナログデジタル変換回路を具備する。放射線計数装置においてシンチレータ120は、放射線が入射されると光子を生成する。放射線計数装置において画素回路220は、光子を電荷に変換して所定の期間に亘って蓄積して、蓄積した電荷の量に応じたアナログ電圧を生成する。放射線計数装置においてアナログデジタル変換回路が、1つの光子から生成されたアナログ電圧より小さい所定の量子化単位によりアナログ電圧をデジタル信号に変換する。【選択図】図1

Description

本技術は、放射線計数装置、および、放射線計数装置の制御方法に関する。詳しくは、アナログデジタル変換を行う放射線計数装置、および、放射線計数装置の制御方法に関する。
検出器に入射された放射線の線量を、入射光子単位で個々のエネルギー分別を行いつつカウントする放射線計数(フォトンカウント)は、線量計やガンマカメラ等、現在さまざまな分野に応用されている。その代表的な一例は、サーベイメータに代表される広義の線量計である。検出器としては通常、シンチレータおよび光電子増倍管が使用され、その検出器に入射した放射線のエネルギーと個数が計数される。シンチレータに放射線の光子が1個以上入射すると、シンチレータは発光し、放射線のエネルギーに比例した光量の可視光のパルスを放つ。このような発光パルスは、放射線光子が入射するごとに発せられ、光電子増倍管によって検知される。ここで、シンチレータは、光電子増倍管に向けられた面のみを開口状態にした隔壁に覆われている。この隔壁は外部からの可視光の侵入を遮断するとともに、望ましくは内部から生じた光を反射して、その全てを光電子増倍管に入射させる。
この線量計において、光電子増倍管は発光パルスを電子に変換し、それを増幅することでアナログ電気パルスを発生させる。このアナログ電気パルスのパルス高はシンチレータの発光光量、即ち放射線のエネルギーに比例する。そして、放射線光子が1個入射するごとに独立したパルスが出力されるため、線量計は、パルス数を数えることによって、入射した放射線光子の個数を求めることができる。
上述の線量計において検出回路は、例えばアンプ、積分器およびAD(Analog to Digital)変換機よりなり、アンプは出力されたアナログ信号をさらに増幅し、積分器はパルスを積分してAD変換器がAD変換を実施する。これによって、線量計は、入射した放射線光子ごとのエネルギーをデジタル値で導出することができる。線量計内のデジタル処理回路は所定期間における検出回路の出力結果を集積し、放射線光子のエネルギースペクトルを導出する。これは線量計が捉えた放射線光子の、エネルギーごとの存在比率を示す。これによって、線量計は、放射線源を特定することができる。さらにシンチレータが捕捉する放射線は、エネルギーごとに透過確率或いは捕捉確率が異なる。従って、デジタル処理回路がエネルギーごとの捕捉光子数を捕捉確率で割り戻せば、入射光子数が得られる。このようにして、G関数やDBM(Dyson Boson Mapping)法等による線量補正が行われる(例えば、特許文献1参照。)。
上述のような放射線のフォトンカウンティングは、シンチレータおよび光電子増倍管を用いたものが主流である。しかし、光電子増倍管は高価である上、小型軽量化に適さない。また、磁場の影響を受けやすい問題もある。光電子増倍管の代わりに、APD(Avalanche PhotoDiode)やSiPM(Silicon PhotoMultipliers)のアレイを用いたものも提案されている。しかし、前者は出力信号が極めて微弱な上に温度による出力変動が激しく、外部環境の影響を受けやすい。また、後者は、高電界を要するために暗電流が大きく、アフタパルスやクロストーク等によりフロアノイズが大きいという問題がある。さらに、APDおよびSiPMのいずれも高電圧を使うため、別途電源回路が必要であり、出力もアナログ信号である。このため、別途アンプや積分回路、AD変換回路を外付けする必要があり、信号伝達の過程で外部ノイズの影響を受けやすいという問題がある。
一方、特許文献2には、CMOS(Complementary MOS)イメージャーの回路構成を踏襲しつつ、時分割及び複数画素による面分割を併用してダイナミックレンジを上げた、フォトンカウンティングによる新しい撮像素子が提案されている。このようなデバイスはチップ内の画素アレイ全体を1受光面としたフォトンカウンティング用デバイスとして使用することも可能である。左記撮像素子にはAD変換回路がオンチップで搭載され、画素信号を受けて、各画素への光子入射の有無を、閾値を設けてバイナリ判定する。
特開2004−108796号公報 特開2011−97581号公報
上述の構成において、AD変換回路は、1光子入射時の画素からの出力電圧を量子化単位としてAD変換を行っていた。しかし画素内のトランジスタなどにおいて、その量子化単位の半分以上のノイズが生じることがあるため、デジタル信号の誤差が大きくなる。これにより、放射線計数を正確に行うことが困難になる。
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、放射線計数を正確に行うことを目的とする。
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、放射線が入射されると光子を生成するシンチレータと、上記光子を電荷に変換して所定の期間に亘って蓄積して当該蓄積した電荷の量に応じたアナログ電圧を生成する画素回路と、1つの上記光子から生成された上記アナログ電圧より小さい所定の量子化単位により上記アナログ電圧をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路とを具備する放射線計数装置、および、その制御方法である。これにより、1つの光子から生成されたアナログ電圧より小さい所定の量子化単位によりアナログ電圧がデジタル信号に変換されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記アナログデジタル変換回路は、1つの上記光子から生成された上記アナログ電圧の半分を超えない上記量子化単位により上記アナログ電圧をデジタル信号に変換してもよい。これにより、1つの光子から生成されたアナログ電圧の半分を超えない量子化単位によりアナログ電圧がデジタル信号に変換されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記アナログデジタル変換回路は、1つの上記光子から生成された上記アナログ電圧の1/4を超えない上記量子化単位により上記入力電圧をデジタル信号に変換してもよい。これにより、1つの光子から生成されたアナログ電圧の1/4を超えない量子化単位によりアナログ電圧がデジタル信号に変換されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記画素回路は、上記光子を電荷に変換する光電変換部と、上記電荷を蓄積して当該電荷の量に応じた電圧を上記アナログ電圧として生成する電荷蓄積部と、上記アナログ電圧を増幅して上記アナログデジタル変換回路へ出力するアンプ素子とを備えてもよい。これにより、アナログ電圧が増幅して出力されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記シンチレータを複数具備し、上記画素回路は、上記シンチレータごとに所定数設けられていてもよい。これにより、複数のシンチレータにより光子が生成されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記画素回路は、第1の基板に設けられ、上記検出回路は、上記第1の基板に積層された第2の基板に設けられてもよい。これにより、画素回路が設けられた基板に積層された基板上の検出回路によりアナログ電圧がデジタル信号に変換されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記画素回路は、上記光子を電荷に変換する光電変換部と、上記電荷を保持する中間ノードと、上記電荷を上記光電変換部から上記中間ノードへ転送する第1の転送部と、上記電荷を蓄積して当該電荷の量に応じた電圧を上記アナログ電圧として生成する電荷蓄積部と、上記保持された電荷を上記中間ノードから上記電荷蓄積部へ転送する第2の転送部とを備えてもよい。これにより、光電変換部から中間ノードへ電荷が転送され、中間ノードから電荷蓄積部へ電荷が転送されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記デジタル信号を処理して上記放射線の入射数を計数するデータ処理部をさらに具備してもよい。これにより、放射線の入射数が計数されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、所定数の上記画素回路が、基板に二次元格子状に配置され、上記データ処理部は、一定数の上記デジタル信号の値の合計を上記シンチレータの発光量の値として算出してもよい。これにより、二次元格子状に配置された画素回路からのデジタル信号の値の合計が算出されるという作用をもたらす。
本技術によれば、放射線計数を正確に行うことができるという優れた効果を奏し得る。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
第1の実施の形態における放射線計数装置の一構成例を示す全体図である。 第1の実施の形態における光検出器の一構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態における放射線計数結果の一例を示す図である。 第1の実施の形態における画素回路の一構成例を示す回路図である。 第1の実施の形態における画素回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。 本技術の第1の実施の形態の画素回路のレイアウトの一例を模式的に示す図である。 第1の実施の形態における検出回路の機能構成例と検出回路の動作例とを示す図である。 第1の実施の形態における量子化単位ごとの誤差の総計の一例を示すグラフである。 第1の実施の形態における光検出器の動作の一例を示すタイミングチャートである。 第1の実施の形態における量子化単位を説明するための図である。 第2の実施の形態における放射線計数装置の一構成例を示す全体図である。 第3の実施の形態における放射線計数装置の一構成例を示す全体図である。 第3の実施の形態における光検出器の一構成例を示すブロック図である。 第4の実施の形態における画素回路の一構成例を示す回路図である。 第4の実施の形態における中間ノードへの電荷転送を説明するためのポテンシャル図である。 第4の実施の形態における検出ノードへの電荷転送を説明するための図である。 第4の実施の形態における画素回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。 第4の実施の形態における放射線計数結果の一例を示す図である。 第5の実施の形態における光検出器の一構成例を示すブロック図である。 第6の実施の形態における光検出器の一構成例を示すブロック図である。 第6の実施の形態におけるサーベイメータ、SPECT、CTおよびFPDの一例を示す図である。
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(1光子信号より小さい量子化単位でAD変換する例)
2.第2の実施の形態(マルチヘッド化して1光子信号より小さい量子化単位でAD変換する例)
3.第3の実施の形態(積層化した光検出器において1光子信号より小さい量子化単位でAD変換する例)
4.第4の実施の形態(全行を同時に露光して1光子信号より小さい量子化単位でAD変換する例)
5.第5の実施の形態(1チップに複数の画素アレイ部をマトリクス配置し、同時動作させる第1の例)
6.第6の実施の形態(1チップに複数の画素アレイ部をマトリクス配置し、同時動作させる第2の例)
<1.第1の実施の形態>
[放射線計数装置の構成例]
図1は、第1の実施の形態における放射線計数装置100の一構成例を示す全体図である。同図におけるaは、放射線計数装置100の断面図である。同図におけるbは、放射線計数装置100の斜視図である。この放射線計数装置100は、受光部110およびデータ処理部140を備える。この受光部110は、シンチレータ120、隔壁130および光検出器200を備える。
シンチレータ120は、放射線が入射されると光子を生成するものである。このシンチレータ120は、例えば、ヨウ化ナトリウム(NaI)を含み、4ミリメートル(mm)角に柱状加工されている。
隔壁130は、シンチレータ120を覆い、可視光を遮断するものである。ただし、この隔壁130は、光検出器200に対向する面のみが開口されている。また、隔壁130は、光を反射する反射性物質(例えば、アルミニウム)により構成されることが望ましい。これにより、シンチレータ120で発生した光子の殆どが光検出器200に入射される。
光検出器200は、光を検出してデジタル信号を生成するものである。この光検出器200は、シンチレータ120と対向する受光面を有し、その受光面には、二次元格子状に複数(例えば、520×520)の画素回路220が設けられる。画素回路220の詳細については後述する。光検出器200は、生成したデジタル信号を信号線119を介してデータ処理部140に供給する。
データ処理部140は、デジタル信号を処理して放射線計数を行うものである。また、データ処理部140は、放射線から生成された1光子のエネルギー判定を行う。
なお、シンチレータ120と光検出器200とは、適切な屈折率をもつ光学接着剤により接着されるのが望ましく、あるいは、それらの中間にファイバーガラス等によるライトガイドを挿入しても良い。
[光検出器の構成例]
図2は、第1の実施の形態における光検出器200の一構成例を示すブロック図である。この光検出器200は、画素アレイ部210と、検出回路240および260と、スイッチ250および270と、参照電圧生成回路275と、行駆動回路280と、タイミング制御回路285と、出力回路290とを備える。これらの回路は、1つのチップに設けられる。
画素アレイ部210には、二次元格子状に複数の画素回路220が設けられる。以下、所定方向に配列された複数の画素回路220を「行」と称し、その行と直交する方向に配列された複数の画素回路220を「列」と称する。
検出回路240、スイッチ250、検出回路260およびスイッチ270は、列ごとに設けられる。また、奇数行の画素回路220は、検出回路240に垂直信号線219を介して接続され、偶数行の画素回路220は、検出回路260に垂直信号線217を介して接続される。また、画素回路220のそれぞれは、制御線218を介して行駆動回路280に接続される。
行駆動回路280は、タイミング制御回路285の制御に従って画素回路220のそれぞれを制御するものである。この行駆動回路280は、列方向において隣り合う一対の行を選択して露光させ、それらの行内の画素回路220にアナログの電気信号を生成させる。この電気信号は、検出回路240および260により読み出されてデジタル信号に変換される。読出しが完了すると、行駆動回路280は、次の一対の行を選択し、同様の制御を行う。全ての行の読出しが完了すると、1フレーム分の画像データが出力される。520×520の画素回路220が設けられ、一対の行の処理のそれぞれに16マイクロ秒(μs)を要する場合、1フレームの出力には、260回の処理を要し、約4.2ミリ秒(ms)を要する。
検出回路240は、タイミング制御回路285の制御に従って奇数行の画素回路220からの電気信号をデジタル信号に変換するものである。この検出回路240は、変換したデジタル信号をスイッチ250に供給する。一方、検出回路260は、タイミング制御回路285の制御に従って偶数行の画素回路220からの電気信号をデジタル信号に変換して光を検出するものである。この検出回路260は、変換したデジタル信号をスイッチ270に供給する。
スイッチ250は、対応する検出回路240と出力回路290との間の経路を開閉するものである。各列のスイッチ250は、列を順に選択する列駆動回路(不図示)の制御に従って、順にデジタル信号を出力回路290に供給する。スイッチ270は、対応する検出回路260と出力回路290との間の経路を開閉するものである。各列のスイッチ270も、スイッチ250と同様に、列駆動回路の制御に従って、順にデジタル信号を出力回路290に供給する。出力回路290は、画像処理装置などにデジタル信号を出力するものである。
タイミング制御回路285は、行駆動回路280、参照電圧生成回路275、検出回路240および検出回路260の動作タイミングを制御するものである。このタイミング制御回路285は、例えば、行の走査タイミングを示すタイミング制御信号を生成して行駆動回路280に供給する。また、タイミング制御回路285は、参照電圧の供給動作を制御するDAC(Digital to Analog)制御信号を生成して参照電圧生成回路275に供給する。また、タイミング制御回路285は、検出回路240および260の動作を制御する検出制御信号を検出回路240および260へ供給する。DAC制御信号や検出制御信号の詳細については後述する。
参照電圧生成回路275は、DAC制御信号に従って参照電圧Vrefを生成して検出回路240および260のそれぞれに供給するものである。
図3は、第1の実施の形態における放射線計数結果の一例を示す図である。同図の縦軸は、一対の行内の各画素回路220からの出力合計値であり、横軸は時間である。この出力合計値は、データ処理部140により算出される。前述したように、光検出器200では、2行単位の読み出しが同一の間隔で循環的に繰り返される。発光の瞬間、シンチレーション光は、ほぼ均一的に各画素回路220に受光されるため、発光直後の単位読み出しから信号が出力し始める。そこから1周して1フレーム分が読み出されるまで信号出力は継続され、その後は再度シンチレータが発光するまでダーク出力となる。同図に例示したようなプロットは1フレーム分の時間幅を持ったパルスに似た出力形状となり、パルスごとの出力値合計がシンチレータの発光量に相当する。
[画素回路の構成例]
図4は、第1の実施の形態における画素回路220の一構成例を示す回路図である。この画素回路220は、フォトダイオード221、蓄積ノード222、転送トランジスタ223、検出ノード224、リセットトランジスタ225、増幅トランジスタ226および選択トランジスタ227を備える。転送トランジスタ223、リセットトランジスタ225、増幅トランジスタ226および選択トランジスタ227として、例えば、n型のMOS(Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタが用いられる。
フォトダイオード221は、光子を電荷に変換するものである。このフォトダイオード221は、蓄積ノード222を介して転送トランジスタ223に接続される。フォトダイオード221は、画素回路220のシリコン基板に入射した光子から、電子とホールのペアを発生させ、そのうちの電子を蓄積ノード222に蓄積する。なお、フォトダイオード221は、特許請求の範囲に記載の光電変換部の一例である。該フォトダイオード221は、リセットによる電荷排出時には完全空乏化される、埋め込み型であるのが望ましい。
転送トランジスタ223は、行駆動回路280の制御に従って、蓄積ノード222から検出ノード224へ電荷を転送するものである。
検出ノード224は、転送トランジスタ223からの電荷を蓄積して、その蓄積した電荷の量に応じたアナログの電圧を生成するものである。この電圧は、増幅トランジスタ226のゲートに印加される。
リセットトランジスタ225は、蓄積ノード222や検出ノード224に蓄積された電荷を電源に引き抜いて初期化するものである。このリセットトランジスタ225のゲートは行駆動回路280に接続され、ドレインは電源に接続され、ソースは検出ノード224に接続される。
行駆動回路280は、例えば、リセットトランジスタ225を転送トランジスタ223と同時にオン状態に制御することで蓄積ノード222に蓄積された電子を電源に引き抜き、画素を蓄積前の暗状態、即ち光が未入射の状態に初期化する。また、行駆動回路280は、転送トランジスタ223のみをオン状態に制御することにより、検出ノード224に蓄積された電荷を電源に引き抜き、その電荷量を初期化する。
増幅トランジスタ226は、ゲートの電圧を増幅するものである。この増幅トランジスタ226のゲートは検出ノード224に接続され、ドレインは電源に接続され、ソースは選択トランジスタ227に接続される。この増幅トランジスタ226と定電流回路230とは、ソースフォロワを形成しており、検出ノード224の電圧は、1弱のゲインで垂直信号線219に出力される。その電圧の電気信号は検出回路240により取得される。
選択トランジスタ227は、行駆動回路280の制御に従って、電気信号を出力するものである。この選択トランジスタ227のゲートは行駆動回路280に接続され、ドレインは増幅トランジスタ226に接続され、ソースは垂直信号線219に接続される。行駆動回路280は、一対の行を択一的に選択して選択した行内の全選択トランジスタ227をオンにすることにより、それらの行内の画素回路220に電気信号を出力させる。
また、定電流回路230は、例えば、MOSトランジスタ231を備える。このMOSトランジスタ231のゲートには所定の電圧(例えば、3ボルト)が印加され、ドレインは垂直信号線219に接続され、ソースは接地される。この定電流回路230は、列内の各画素回路220に垂直信号線219を介して接続される。
図5は、第1の実施の形態における画素回路220の動作の一例を示すタイミングチャートである。
行駆動回路280は、露光期間直前のタイミングT1において、転送トランジスタ223およびリセットトランジスタ225をともにオン状態に制御する。この制御により、フォトダイオード221および転送トランジスタ223の間の蓄積ノード222に蓄積された電荷が全て電源へ排出される。この制御を以下、「PD(Photo Diode)リセット」と称する。その後、行駆動回路280は、転送トランジスタ223をオフ状態に制御する。この制御により、蓄積ノード222は浮遊状態となって、新たな電荷蓄積が開始される。また、行駆動回路280は、PDリセット後において、リセットトランジスタ225をオフ状態に制御する。なお、電荷蓄積中、リセットトランジスタ225はオン状態のままであってもよい。一方、選択トランジスタ227は、垂直信号線219に接続された他の画素回路220へのアクセスを可能にするために、オフ状態に制御される。
そして、露光期間終了前のタイミングT2において、行駆動回路280は、リセットトランジスタ225および選択トランジスタ227をオン状態に制御する。選択トランジスタ227の制御により、選択された画素回路220が垂直信号線219に接続される。また、リセットトランジスタ225の制御により、増幅トランジスタ226の入力である検出ノード224と電源とが短絡される。これにより、選択された画素回路220に基準電位が生成される。
タイミングT2からパルス期間が経過したときに、行駆動回路280は、リセットトランジスタ225をオフ状態に制御する。この制御により、検出ノード224の電位は、リセットトランジスタ225のゲートとのカップリングを受けて基準電位から幾分低下し、浮遊状態となる。さらに、この際に検出ノード224には、有意なkTCノイズが発生する。検出ノード224として、一般に、浮遊拡散層(Floating Diffusion)が用いられるため、この制御を以下、「FDリセット」と称する。
FDリセットから露光期間の終了までの間に、検出回路240は、複数回(例えば、4回)のサンプリングを行う。これらのサンプリングにおいて、垂直信号線219の電位の信号が、リセット信号として検出回路240によりデジタル信号Ds1に変換される。リセット信号の多重サンプリングは、相関二重サンプリングにおいて1回目の読出しとして扱われる。
そして、露光期間が終了する直前のタイミングT4において行駆動回路280は、転送トランジスタ223をオン状態に制御する。この制御により、蓄積ノード222に蓄積された電荷が検出ノード224へ転送される。この際に、検出ノード224のポテンシャルが十分に深ければ、蓄積ノード222に蓄積されていた電子は、検出ノード224に全て転送され、蓄積ノード222は完全空乏状態になる。タイミングT4からパルス期間が経過したときに行駆動回路280は、転送トランジスタ223をオフ状態に制御する。この制御により、検出ノード224の電位は、転送トランジスタ223の駆動前に比較して、蓄積電荷量の分だけ下降する(すなわち、ポテンシャルが浅くなる)。この下降分の電圧が増幅トランジスタ226により増幅されて垂直信号線219へ出力される。
転送トランジスタ223がオフ状態に制御されたときからタイミングT6までの間に、検出回路240は、複数回(例えば、4回)のサンプリングを行う。これらのサンプリングにおいて、垂直信号線219の電位の信号が、蓄積信号として検出回路240によりデジタル信号Ds2に変換される。この蓄積信号の多重サンプリングは、相関二重サンプリングにおいて2回目の読出しとして扱われる。
検出回路240は、サンプリングした蓄積信号(すなわち、デジタル信号Ds2)およびリセット信号(すなわち、デジタル信号Ds1)を比較して、その比較結果に基づいて入射光子量を判定する。複数のデジタル信号Ds1は、全て加算され、必要に応じて、それらの平均値が算出される。同様に、デジタル信号Ds2も全て加算され、必要に応じて平均化される。検出回路240は、デジタル信号Ds1の加算値(または平均値)と、デジタル信号Ds2の加算値(または平均値)との差分を正味の蓄積信号として求める。FDリセットの際に生じるkTCノイズは、デジタル信号Ds1およびDs2の差分を正味の蓄積信号とすることにより相殺される。
各画素回路220の露光期間は、上述のリセット動作と読み出し動作との間の期間であり、正確には転送トランジスタ223がリセット後にオフしてから、読み出しでオンするまでの期間である。この露光期間にフォトダイオード221に光子が入射し電荷が発生すると、それはリセット信号および蓄積信号の間の差分となり、上述の手順に従って検出回路240により導出される。放射線計数に使用する場合、露光が終了して次の露光が開始されるまでの時間は不感期間となるため、読み出した行は即座にPDリセットを行うのが望ましく、或いはPDリセットを省略しても良い。PDリセットを省略すると、露光完了となる電荷転送直後にフォトダイオードへの次の電荷蓄積が開始される。即ち放射線計数の不感期間はゼロとなる。また、蓄積時間はフレームレートによって決定される。
図6は、本技術の第1の実施の形態の画素回路のレイアウトの一例を模式的に示す図である。上述した画素回路220の基本回路や動作機構は通常のCMOS(Complementary MOS)イメージャーにおける画素と同様であり、さまざまなバリエーションが存在し得る。但し本発明で想定されている画素は、比較的、変換効率が著しく高くなるように設計される。具体的には、変換効率を上げるために、ソースフォロアを構成するアンプの入力側の蓄積ノード222の寄生容量が極限まで小さくなるように、レイアウトを工夫する。例えば、蓄積ノード222を構成する拡散層や配線の占有面積を出来る限り微細化する。
その一方でフォトダイオード221は出来る限り面積を拡大させている。それらはポテンシャルがフォトダイオード221の周辺から転送トランジスタに向けてなだらかに深まるように注意深く不純物設計がなされている。これによってフォトダイオード221で生じた1電子単位の微小信号が、速やかに検出ノード224に向けて転送される。即ち完全空乏型の埋め込み型画素に適切なポテンシャル設計を施すことで、信号電荷は検出ノード224へ完全転送される。
例えば、変換効率を200マイクロボルト(μV)/eまで引き上げる一方で、増幅トランジスタ226のランダムノイズや周辺回路のランダムノイズを、多重サンプリング等を用いて総計100μVrmsに抑制する。この結果、各画素回路220のノイズは0.5e以下にまで抑制される。
[検出回路の構成例]
図7は、第1の実施の形態における検出回路240の機能構成例と検出回路の動作例とを示す図である。この検出回路240は、AD変換回路241、および、除算回路246を備える。
AD変換回路241は、タイミング制御回路285の制御に従って、リセット信号および蓄積信号のそれぞれを順にデジタル信号に変換(すなわち、サンプリング)するものである。このAD変換回路241は、キャパシタ242および243と、コンパレータ244と、カウンタ245とを備える。なお、AD変換回路241は、特許請求の範囲に記載のアナログデジタル変換回路の一例である。
キャパシタ242は、垂直信号線219とコンパレータ244の2つの入力端子の一方とに接続され、キャパシタ243は、コンパレータ244の2つの入力端子の他方と参照信号線279とに接続される。また、これらのキャパシタ242および243の容量は、略同一であり、これらのキャパシタはカップリングキャパシタとも呼ばれる。
コンパレータ244は、垂直信号線219の出力電圧Vpと参照信号線279の参照電圧Vrefとを比較するものである。リセット信号の多重サンプリングではリセット信号のリセット電位が出力電圧Vpとして出力され、蓄積信号の多重サンプリングでは蓄積信号の信号電位が出力電圧Vpとして出力される。コンパレータ244は、比較結果COMPをカウンタ245に供給する。例えば、出力電圧Vpが参照電圧Vrefより高い場合に、ハイレベルの比較結果COMPが出力され、そうでない場合にローレベルの比較結果COMPが出力される。また、コンパレータ244は、二つの入力端子を内部ノードとショートさせて均衡状態とするオートゼロ機能を有する。
カウンタ245は、コンパレータ244の比較結果COMPに基づいて計数値を計数するものである。このカウンタ245は、例えば、計数値を増加するアップカウントと、計数値を減少させるダウンカウントとのいずれかを切り替えて実行することができる。
タイミング制御回路285からの検出制御信号は、カウンタ245の計数値を初期値にリセットする初期化指示信号RSTと、アップカウントおよびダウンカウントの一方から他方への切り替えを指示する切替指示信号SWとを含む。また、検出制御信号は、所定の周波数のクロック信号CLKを含む。
カウンタ245は、初期化指示信号RSTが供給されると、計数値を初期値にする。また、カウンタ245は、切替指示信号SWに従ってアップカウントおよびダウンカウントのいずれかを行う。また、カウンタ245は、出力電圧Vpが参照電圧Vrefより高い(すなわち、比較結果COMPがハイレベルである)場合に、クロック信号CLKに同期してアップカウントまたはダウンカウントを行う。カウンタ245は、計数値CNTを除算回路246に供給する。
ここで、1つの光子から生成された正味の蓄積信号を「1光子信号」と定義すると、アナログのリセット信号および蓄積信号は、1光子信号の電圧より小さい量子化単位によりデジタル信号に変換される。
SiPMのようなガイガー増幅を行わず、変換効率等の調整によって低ノイズ化を施した画素回路220の場合には、特に増幅トランジスタ226の1/fノイズに起因して、画素ごとに0.5e−rms前後の有意なノイズが、その出力に乗ってくる。この構成において、仮に、1光子信号を量子化単位として、AD変換回路241が量子化を行うと、実際の光子数と、デジタル信号の示す光子数との間の誤差が大きくなってしまう。
そこで、AD変換回路241は、1光子信号より小さい量子化単位によりリセット信号および蓄積信号の量子化を行っている。量子化単位は、1光子信号の半分以下にするのが望ましく、1光子信号の1/4以下にするのが、さらに望ましい。
[検出回路の動作例]
図7におけるbは、第1の実施の形態における検出回路240の動作例を示す図である。選択された画素回路220は、行駆動回路280の制御に従ってリセット信号を垂直信号線219に出力する(ステップS901)。
また、コンパレータ244のオートゼロ機能により、コンパレータ244への二つの入力が内部ノードとショートして均衡状態となり、キャパシタ242および243の電荷量がそれに従って調整される。これによって垂直信号線219および参照信号線279は実効的な均衡状態となる(ステップS902)。
参照電圧生成回路275は、一定の速度で、参照電圧Vrefを変化(例えば、減少)させるスイープ信号を参照信号線279に複数回に亘って供給する。コンパレータ244は、そのスイープ信号の電圧(Vref)とリセット信号のリセット電位とを比較する。タイミング制御回路285は、カウンタ245を制御して計数値を初期化させる。カウンタ245は、比較結果COMPの反転タイミングに基づいて計数を行う。これにより、リセット信号をデジタル信号Ds1に変換するAD変換が行われる(ステップS903)。
ステップS902のオートゼロ動作により、垂直信号線219の電圧Vpと、参照信号線219の電圧Vrefとは実効的な均衡状態に制御されている。このため、ステップS903において、AD変換される電圧は、事実上、コンパレータ244の内部で生ずるオフセットである。このようなAD変換は、複数回行われ、AD変換においては、例えば、ダウンカウントにより計数値が加算される。
そして、画素回路220は、行駆動回路280の制御に従って蓄積信号を垂直信号線219に出力する(ステップS904)。
参照電圧生成回路275は、再度スイープ信号を複数回に亘って供給し、コンパレータ244は、そのスイープ信号の電圧(Vref)と蓄積信号の信号電位とを比較する。タイミング制御回路285は、カウンタ245を制御して、ダウンカウントからアップカウントへ切り替えさせる。カウンタ245は、比較結果COMPの反転タイミングに基づいて計数を行う。これにより、蓄積信号をデジタル信号Ds2に変換するAD変換が行われる(ステップS905)。
ステップS905で、カウンタ245は、ダウンカウントからアップカウントに切り替えたため、ステップS905では、アップカウントの計数値と、ダウンカウントの計数値との差分が出力される。コンパレータのオフセット電圧や、リセット時のkTCノイズは、デジタル信号Ds1およびDs2の差分を取ることにより除去される。
除算回路246は、その差分(CNT)の平均値を正味の画素信号として算出する(ステップS906)。ステップS906の後、検出回路240および260は、検出動作を終了する。
図8は、第1の実施の形態における量子化単位ごとの誤差の総計の一例を示すグラフである。この誤差の総計は暗状態において画素アレイ部210が発生するフロアノイズに相当する。例えば、次式により画素回路220からの出力電圧Vpの値を表す実数Pを所定数(例えば、10000個)生成する。
P=NORMINV(RAND(),Av,s)
上式において、RAND()は、乱数を生成する関数である。また、NORMINV()は、第1項に累積分布関数を設定すると、平均値Avおよび標準偏差sに対する正規分布の累積分布関数の逆関数の値を返す関数である。累積分布関数としてRAND()を設定することにより、平均値Avおよび標準偏差sの正規分布に従う乱数が生成される。標準偏差sには、ノイズ量に応じた値が設定される。例えば、1光子信号の半分のレベルのノイズが生じる際には、sに0.5が設定される。
そして、生成した実数Pごとに、対応するアナログの出力電圧Vpを量子化したデジタル信号DOUTの値を次式により求める。
DOUT=ROUND(P/LSB,0)×LSB
上式において、ROUND()は、()内の第1項を第2項の桁数で四捨五入する関数である。小数点第一位で四捨五入する際には、例えば、第2項に「1」が設定される。また、LSBは、量子化単位を表す。量子化単位を1光子信号の半分とする場合、例えば、LSBに「0.5」が設定される。
実数Pごとに求められたデジタル値DOUTの誤差の総計は、例えば、DOUTの二乗平均平方根により表される。図8における縦軸は、この二乗平均平方根を表す。また、同図における横軸は、量子化単位を表す。
図8に示すように、画素回路220ごとのノイズのレベルが高いほど、誤差は大きくなる。さらにノイズが量子化単位の0.3倍を超えた場合、このノイズに量子化に伴う量子化誤差が追加されるため、量子化単位が大きいほど誤差が大きくなる。
一方、1光子信号の1倍の量子化単位での検出は、SiPMや特許文献2で用いられている、所謂フォトンカウンティングに相当する。ノイズ平均が十分小さい場合、残存ノイズはフォトンカウンティングによってフィルタリングされ、まるめられてほぼゼロになる。しかし、その効果が顕れるのはノイズが1光子信号の0.2倍以下の時である。一方、アバランシェ増幅しない光電変換素子を用いた光検出器において、ノイズをそのレベルに抑えるのは容易ではなく、通常は1光子信号の0.3倍を超えるノイズが発生してしまう。この場合フォトンカウンティングでは、ノイズを光子入力と誤判定するケースが多発して、むしろ誤差が悪化してしまう。即ち量子化誤差が顕れて、それがフィルタリング効果を上回る。
本発明は、このようなフォトンカウンティングによるフィルタリング効果を使うことなく、ノイズを一定の理論値範囲に抑えることで、超微小光の高精度な検出が可能であるという認識に基づいている。誤差の理論値は、量子化単位を無限小に取った場合(即ち量子化誤差が0の場合)、ノイズ量の二乗総計の平方根であり、例えば1.0ermsの10000回のサンプルでは100ermsである。本発明ではこの理論値を基準に検出精度を保証するので、量子化単位は一定以下に設定するのが望ましい。
ここに見られるように、量子化単位を1光子信号の半分以下とすれば、誤差を十分に理論値に近づけることができる。特に、量子化単位を1光子信号の1/4以下とすると、誤差の総計は理論値の10%以下となり、量子化によるばらつきの悪化はほぼ抑制されている。
したがって、量子化単位は、1光子信号の半分以下にするのが望ましく、1光子信号の1/4以下にするのが、さらに望ましい。
図9におけるaは、第1の実施の形態における光検出器200の動作の一例を示すタイミングチャートである。
タイミングT2において、行駆動回路280は、FDリセットを行う。タイミングT2からパルス期間が経過したタイミングT2'において、画素回路220は、垂直信号線219を介してリセット信号を出力する。また、タイミングT2において、タイミング制御回路285は、初期化指示信号RSTをカウンタ245に供給して、計数値を初期化させる
ここで、コンパレータ244のオートゼロ機能により、垂直信号線219および参照信号線279のそれぞれの電圧は、タイミングT2'において、ほぼ実効的に均衡した状態になっている。同図におけるaの一点鎖線は、均衡状態となった垂直信号線219の、参照信号線279に対する相対的な電圧の変動を示す。
タイミングT2において一定のオフセット電圧が参照信号線279に生じる。参照電圧生成回路275は、リセット信号に対する複数のサンプリングタイミングのそれぞれから一定期間に亘って、スイープ信号を供給する。リセット信号のサンプリングを4回行う際には、リセット信号のサンプリングタイミングT31、T33、T35およびT37のそれぞれにおいてスイープ信号の供給が開始される。そして、それらのサンプリングタイミングから一定期間が経過したタイミングT32、T34、T36およびT38において、参照電圧生成回路275は、スイープ信号の供給を停止する。
また、タイミング制御回路285は、スイープ信号が供給される期間(T31乃至T32など)に亘って、カウンタ245にクロック信号CLKを供給して計数値を計数させ、それ以外の期間ではクロック信号CLKの供給を停止する。
カウンタ245は、スイープ信号が供給される期間(T31乃至T32など)のうち参照電圧Vrefが垂直信号線219の電圧Vpよりも高い期間に亘ってダウンカウントを行う。これはコンパレータ出力の反転に伴ってカウンタへのクロック供給を遮断する等の手段によって実施される。例えば、タイミングT31とT32との間のタイミングT31'において、参照電圧Vrefが垂直信号線219の電圧以下になる場合には、タイミングT31からT31'までの間、ダウンカウントが実行される。タイミングT31'からT32までの間は、参照電圧Vrefが垂直信号線219の電圧以下であるため、ダウンカウントが行われず、計数値が保持される。また、タイミングT32から、次のサンプリングタイミングT33までの間はクロック信号CLKが供給されないため、同様に、ダウンカウントが行われずに計数値が保持される。
タイミングT33乃至T34と、タイミングT35乃至T36と、タイミングT37乃至T38とのそれぞれにおいても、同様に、参照電圧Vrefが垂直信号線219の電圧よりも高い期間に亘ってダウンカウントが行われる。
また、画素回路220は、電荷が検出ノード224へ転送されたタイミングT4において、蓄積信号を出力する。また、このタイミングT4において、タイミング制御回路285は、切替指示信号SWにより、カウンタ245のカウント動作をダウンカウントからアップカウントへ切り替えさせる。
参照電圧生成回路275は、蓄積信号に対する複数のサンプリングタイミングのそれぞれから一定期間に亘って、スイープ信号を供給する。蓄積信号のサンプリングを4回行う際には、蓄積信号のサンプリングタイミングT51、T53、T55およびT57においてスイープ信号の供給が開始される。そして、それらのサンプリングタイミングから一定期間が経過したタイミングT52、T54、T56およびT58において、参照電圧生成回路275は、スイープ信号の供給を停止する。
ここで、スイープ信号の変化量をスイープ量とすると、蓄積信号のサンプリングのときのスイープ量は、リセット信号のサンプリングのときよりも大きな値に設定される。
カウンタ245は、蓄積信号に対応するスイープ信号が供給される期間(T51乃至T52など)のうち参照電圧Vrefが垂直信号線219の電圧Vpよりも高い期間に亘ってアップカウントを行う。
リセット信号に対する最後のサンプリングが終了したタイミングT38において、計数値CNTは、複数のダウンカウントの計数値全ての積算値となる。例えば、リセット信号に対する1、2、3および4回目のサンプリングにおける計数値の絶対値をそれぞれDs1-1、Ds1-2、Ds1-3およびDs1-4とする。この場合、タイミングT38における計数値CNTは、初期値−Ds1-1−Ds1-2−Ds1-3−Ds1-4となる。
また、タイミングT4以降は、アップカウントに切り替わるため、蓄積信号に対する最後のサンプリングが終了したタイミングT58において、計数値CNTは、ダウンカウントの積算値とアップカウントの積算値との差分となる。例えば、蓄積信号に対する1、2、3および4回目のサンプリングにおける絶対値をそれぞれDs2-1、Ds2-2、Ds2-3およびDs2-4とする。この場合、タイミングT58における計数値CNTは、初期値−Ds1-1−Ds1-2−Ds1-3−Ds1-4+Ds2-1+Ds2-2+Ds2-3+Ds2-4となる。
同図におけるbは、リセット信号のリセット電位と、蓄積信号の信号電位と、量子化単位との関係を示す図である。リセット電位と1光子入射時の信号電位との間の電位差、すなわち、1光子信号の電圧は、例えば図4の画素回路において1電子電荷の注入に対応する検出ノード224の電位変動分にアンプのゲインを乗じた値となる。説明を簡易にするために、そのゲインを1とすると、1光子信号の電圧は1電子電荷の注入に対応する検出ノード224の電位変動分である。尚画素出力(219)からAD変換回路241に到達する経路でさらにゲインがかけられた場合は、さらにそのゲイン倍となる。AD変換回路241において量子化単位は、上記1光子信号の半分以下に設定される。
図10は、第1の実施の形態における量子化単位を説明するための図である。上述したように、カウンタ245は、クロック信号CLKに同期してカウンタ値を計数し、参照電圧生成回路275は、計数中にスイープ信号を供給する。クロック信号CLKの周期内のスイープ信号の変化量が、量子化単位に相当する。
続いて、上述の放射線計数装置100を用いてサーベイメータを構築した際の性能を見積もってみる。一般に放射線のシンチレーション検出におけるエネルギー分解能Rは、次式により表される。ここで、エネルギー分解能は、例えば、FWHM(Full Width at Half Maximum)により表される。
(E)=Rs(E)+Rp(E)
上式において、Rsは、シンチレータ120による分散要因であり、Rpは、光検出器200による分散要因である。この分散要因Rpは、次式により表される。
Rp(E)=5.56×{1/(N×r)+s/(N×r)
上式において、Nは、受光面に入射される光子数の平均値であり、rは、量子化効率であり、sは、ランダムノイズに応じた標準偏差である。また、係数5.56はrms値から半値幅への変換係数である。
画素ごとのノイズを0.5ermsとした場合、520×520のアレイにおけるノイズ総計の理論値は、次式より、260ermsである。
(0.5×520×520)1/2=260
この理論値は、AD変換の量子化単位を1光子信号の半分(0.5e/lsb)以下、望ましくは1/4以下にすることにより保証される。セシウム(Cs)137から放射される主なる662eVのガンマ線を、例えば、ヨウ化ナトリウム(NaI):ヨウ化チタン(TI)よりなるシンチレータ120で受けると約24,500個の光子が発生する。その光量ばらつきには、シンチレータ120固有の要因分として6.5%FWHM程度が含まれる。
これに対してセンサ側のノイズは十分小さいものとなっており、光センサとして光電子増倍管を使用した場合に対し、遜色の無い測定精度が得られることが見込まれる。この見積もりの詳細を以下にまとめる。
単画素ノイズ:0.5e-rms
受光面のサイズ:4(mm)×4(mm)
画素サイズ:8(μm)×8(μm)
センサノイズ:260erms
光子当たりのエネルギー:37keV
ガンマ線のエネルギー:662leV
入射光子数平均値N:24494
量子効率r:0.8
標準偏差s:260
光検出器の分散要因Rp:3.55%
シンチレータの分散要因Rs:6.5%
エネルギー分解能R:7.41%
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、AD変換回路241は、1光子から生成された電圧より小さい量子化単位により、画素からの電圧をAD変換するため、画素においてノイズが生じる場合であっても正確にAD変換することができる。これにより、放射線計数装置100は、放射線計数を正確に行うことができる。
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、シンチレータおよび光検出器200からなる受光部110を1つ設けていた。この受光部110はヘッドとも呼ばれる。放射線計数装置100を単体でサーベイメータに使用した場合、発光量の測定精度は高いものの、感度がやや低いという課題がある。即ち光検出器200の受光面に対応する4mm角の底面からなるシンチレータ120は、体積がやや小さく、その分放射線が入射する確率が低くなって検出感度がやや低い。
しかし、シンチレータ120の底面を拡げて感度を向上させようとすると、光検出器200の受光面を拡げて駆動画素数を増加させる必要があり、光検出器200の総計ノイズとフレームレートが悪化する。一方、シンチレータ120の高さを高くして感度を向上させる場合、検出器(サーベイメータ)の形状に著しい制約が加わる上、今度は線量が高い場合に対して検出器のフレームレートがやや不足となる。このような状況を鑑みると、サーベイメータの検出感度を上げたい場合は、シンチレータ120の底面や光検出器200の受光面拡大ではなく、複数のヘッド(すなわち、受光部110)を放射線計数装置100に設けてマルチヘッドの構成とするのが望ましい。この第2の実施の形態の放射線計数装置100は、複数のヘッドを設けた点において第1の実施の形態と異なる。
図11は、第2の実施の形態における放射線計数装置100の一構成例を示す全体図である。第2の実施の形態の放射線計数装置100は、シンチレータ120および光検出器200の代わりに、シンチレータ121、122、123および124と光検出器201、202、203および204とを備える点において第1の実施の形態と異なる。
シンチレータ121は光検出器201と接続され、シンチレータ122は光検出器202と接続される。また、シンチレータ123は光検出器203と接続され、シンチレータ124は光検出器204と接続される。光検出器201乃至204は、データ処理部140に共通に接続される。個々のヘッドの出力はデジタル化されているため、このようなマルチヘッド化は容易に実現することができる。放射線計数装置100は、必要とされる感度に応じてヘッドを追加できる構造にしても良い。これらの4個の光検出器(201乃至204)は、別々のチップに設けられるものとする。なお、これらの光検出器は、一つのチップに集積してもよく、その場合チップ上に配置された4個の画素アレイ部は全て並列に同時動作させても良い。
第1の実施の形態の放射線計数装置100において単純にシンチレータの底面を8ミリメートル(mm)角として感度を4倍化し、それに応じて受光面を拡げて駆動画素数を4倍にすると、シンチレーション光に対する画素ノイズは2倍となり、フレームレートは半分に低下する。即ちカウントレートも半分となって、線量が高いケースへの対応が困難になる。一方、第1の実施の形態のマルチヘッド構成では、画素ノイズもフレームレートも変わらない上、各々のヘッドが独立に放射線を計数するため、放射線のカウントレートは実質4倍になる。
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、複数のシンチレータおよび光検出器を設けたため、光の検出感度を向上させることができる。
<3.第3の実施の形態>
上述の第2の実施の形態では、放射線計数装置100をサーベイメータとして用いることを想定していたが、医療機器に用いてもよい。医療機器として、例えば、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)やPET(Positron Emission Tomogoraphy)などが挙げられる。また、透過X線撮像装置に応用することもできる。これらの医療機器は、被写体内で散乱して位置情報を失った放射線を、そのエネルギーから分別し、フィルタリングする。従って、サーベイメータと同様にエネルギー分解能も重要となる。
これらの医療機器では、第2の実施の形態と同様に受光部110が複数設けられる。そして、シンチレータ120の底面のサイズは、ほぼ光検出器200のサイズに合わせられ、複数の受光部が約2.5mmのピッチでアレイ状に敷き詰められる。このような敷き詰め構造において注意すべき点は、受光面の光検出器200に対する比率(開口率)である。各シンチレータ120で発生した光子は、この開口率に相当する割合でしか受光面に入射してこない。例えば、光検出器200が2.5ミリメートル(mm)角に対して受光面は2ミリメートル(mm)とすると、開口率は64パーセント(%)となる。この開口率が大きいほど、入射光子数の平均値Nが大きくなり、エネルギー分解能が向上する。
このような理由から、光検出器200においては、周辺回路でもっとも面積の大きいAD変換回路241を、異なるシリコン層を用いて受光面の下層に積層させるのが望ましい。この第3の実施の形態の放射線計数装置100は、画素回路220とAD変換回路241とを別々の基板に設けて積層した点において第2の実施の形態と異なる。
図12は、第3の実施の形態における放射線計数装置100の一構成例を示す全体図である。第3の実施の形態における放射線計数装置100は、第2の実施の形態と同様にシンチレータ121、122、123および124と光検出器201、202、203および204とを備える。ただし、第3の実施の形態における放射線計数装置100は、各シンチレータの底面のサイズが、ほぼ光検出器のサイズに合わせられている点において第2の実施の形態と異なる。これらの受光部が約2.5ミリメートル(mm)のピッチでアレイ状に敷き詰められる。
なお、受光部の放射線入射面には、例えば垂直に入射した放射線しかシンチレータに届かないように、鉛等のコリメータ(不図示)が配置される。また、各受光部間には、互いにシンチレーション光が隣の受光部に漏れないように、低折率または反射性の隔壁が設けられているのが望ましい。
放射線がシンチレータ121乃至124のいずれかに入射すると、そのシンチレータが発光し、対応する光検出器に有意な出力が発生する。データ処理部140は、各受光部からのデジタル信号を処理することにより、アレイ状に敷き詰められた受光部の受光面上における放射線の入射位置を特定することができる。この場合、放射線計数装置100固有の空間分解能は検出モジュールのピッチに相当する2.5ミリメートル(mm)である。これは光電子増倍管を用いた従来のSPECTと比較しても、良好な空間分解能といえる。なお、これらの光検出器200は、複数を一つのチップに集積してもよく、その場合チップ上に配置された例えば4個の画素アレイ部210は全て並列に同時動作させても良い。
図13は、第3の実施の形態における光検出器201の一構成例を示すブロック図である。この光検出器201は、上側基板205および下側基板206を備える。上側基板205には、画素アレイ部210および行駆動回路280が設けられる。また、下側基板206には、検出回路240、参照電圧生成回路275、タイミング制御回路285および出力回路290などが設けられる。これらの基板は、シリコンウエファーの張り合わせ等のシリコン積層技術を用いて積層される。光検出器202乃至204の構成は、光検出器201と同様である。なお、上側基板205は、特許請求の範囲に記載の第1の基板の一例であり、下側基板206は、特許請求の範囲に記載の第2の基板の一例である。
続いて、第3の実施の形態の放射線計数装置100を適用したSPECT装置のエネルギー分解能を見積もってみる。見積手順は第1の実施の形態と同じだが、放射線源はテクネチウム(Tc)を想定し、ガンマ線のエネルギーは140eVとする。シンチレータにNaI:TIを用いた場合、発生するシンチレーション光は放射線のエネルギーに比例して、5180光子程度となる。本実施例ではさらに上述のごとく、シンチレータの底面に対し光検出器の受光面が小さくなるため、Nの数値がシンチレータの発光量の64%、即ち3315光子に低下している。
これらの要因によるノイズ悪化を補うため、画素回路220のサイズを倍の16マイクロメートル(μm)とする。この画素サイズはフォトダイオード221のさらなる拡大によって得られるが、ダイオード内をスムースに電子がドリフトするように注意深いポテンシャル設計が必要である。これによって画素回路220内のフォトダイオード221の割合である開口率も向上する。画素アレイ部210には、125×125の画素回路220が設けられる。各画素のランダムノイズを0.5ermsとした場合、ノイズによる誤差の総計は62.5ermsである。この見積もりの詳細を以下にまとめる。
単画素ノイズ:0.5e-rms
受光面のサイズ:2(mm)×2(mm)
画素サイズ:16(μm)×16(μm)
センサノイズ:62.5erms
光子当たりのエネルギー:37keV
ガンマ線のエネルギー:140leV
入射光子数平均値N:3315
量子効率r:0.9
標準偏差s:62.5
光検出器の分散要因Rp:6.56%
シンチレータの分散要因Rs:6.00%
エネルギー分解能R:8.89%
このように画素サイズを拡大し、回路を積層して受光面の開口率を向上させることにより、SPECTのエネルギー分解能は光電子増倍管に匹敵するものとなる。このような半導体光検出器は市販のCMOSイメージャーと同じ製造ラインで、同様の製造プロセスをもって量産することができる。このようにして製造した放射線計数装置100は小型軽量となり、環境変動にも強く、特性も安定しており、メンテナンスも容易である。また、その出力はデジタル信号であるため、後段の回路もデジタル信号の処理のみで良く、周囲からの雑音の影響も受けにくく、多数の受光部から出力されたデータを容易に処理することができる。
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、画素回路220と検出回路240とを別々の基板に設けて積層したため、光検出器200における画素アレイ部210の割合(開口率)を高くして、エネルギー分解能を向上させることができる。
<4.第4の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、光検出器200は、一対の行を順に選択して露光させていたが、全行を同時に選択して露光させてもよい。このような制御は、グローバルシャッター方式と呼ばれる。この第4の実施の形態の光検出器200は、全行を同時に露光させる点において第1の実施の形態と異なる。
図14は、第4の実施の形態における画素回路220の一構成例を示す回路図である。この第4の実施の形態の画素回路220は、転送トランジスタ223の代わりに、転送トランジスタ235、中間ノード236および転送トランジスタ237を備える点において第1の実施の形態と異なる。
転送トランジスタ235、中間ノード236および転送トランジスタ237は、それぞれのチャンネル間に導電型の拡散層を挟まない一体化された直列FET(Field effect transistor)構造の3段のトランジスタである。転送トランジスタ235のソースはフォトダイオード221に接続され、ゲートは、中間ノード236のゲートと行駆動回路280とに接続される。転送トランジスタ237のゲートは行駆動回路280に接続され、ドレインは検出ノード224に接続される。
これらのトランジスタのうち、転送トランジスタ235は、行駆動回路280の制御に従って、フォトダイオード221から中間ノード236へ電荷を転送する。なお、転送トランジスタ235は、特許請求の範囲に記載の第1の転送部の一例である。
中間ノード236は、チャネルに電荷を一時的に蓄積して保持するMOSトランジスタである。グローバルシャッター方式においては、この中間ノード236はアナログメモリとして用いられる。転送トランジスタ235および中間ノード236のそれぞれのゲートは一括で駆動される。ただし、駆動時に電荷が逆流することなく、フォトダイオード221から中間ノード236へ電荷が転送されるように、転送トランジスタ235のチャネルポテンシャルは、中間ノード236より浅くなるように閾値制御されている。
転送トランジスタ237は、行駆動回路280の制御に従って中間ノード236から検出ノード224へ電荷を転送するものである。なお、転送トランジスタ237は、特許請求の範囲に記載の第2の転送部の一例である。
図15は、第1の実施の形態における中間ノード236への電荷転送を説明するためのポテンシャル図である。同図におけるaは、中間ノード236(アナログメモリ)への転送前のポテンシャル図の一例である。フォトダイオード221の蓄積ノード222には電荷が蓄積されている。また、中間ノード236および検出ノード224はいずれもリセットされており、浮遊状態となっている。
図15におけるbは、中間ノード236への転送後のポテンシャル図の一例である。露光期間の終了時に、行駆動回路280は、転送トランジスタ235および中間ノード236をいずれもオン状態に制御する。この制御により、信号電荷が中間ノード236のチャネルに転送される。
図16は、第4の実施の形態における検出ノード224への電荷転送を説明するための図である。同図におけるaは、検出ノード224への転送前のポテンシャル図の一例である。中間ノード236への転送が終わると、行駆動回路280は、転送トランジスタ235および中間ノード236をいずれもオフ状態に制御する。この状態では、転送トランジスタ235および中間ノード236の間に設けられたポテンシャル差により、信号電荷の蓄積ノード222への逆流が防止される。そして、リセット信号が読み出される。
図16におけるbは、検出ノード224への転送後のポテンシャル図の一例である。リセット信号が読み出されると、行駆動回路280は、転送トランジスタ237をオン状態に制御する。この制御により、中間ノード236の電荷が検出ノード224へ転送される。
図17は、第4の実施の形態における画素回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。行駆動回路280は、露光開始時のタイミングT1において、転送トランジスタ235および中間ノード236のゲートにパルスを印加する。この動作は、画素アレイ部210内の全画素回路220について同時に一括して行われ、このタイミングT1で、フォトダイオード221に蓄積されていた各画素回路220の信号電荷は、中間ノード236に完全転送される。さらに、この後、フォトダイオード221では、次の露光蓄積が開始される。すなわち、この制御はグローバルシャッター方式である。画素回路220の不感時間は、ゼロであり、蓄積時間は、フレームレートにより決定される。
ここで、中間ノード236に一括転送された各画素の電荷は、以降選択された行内の画素回路220ごとに、順次以下の手順で読みだされる。
行駆動回路280は、タイミングT2で一対の行を選択し、それらの行内のリセットトランジスタ225をオンにしたままで、選択トランジスタ227をオンにして、選択した画素回路220を垂直信号線219に接続する。リセットトランジスタ225のオン制御により、増幅トランジスタ226のゲートに接続された検出ノード224と、ソースに接続された電源とがショートされている。これによって、選択した画素回路220に基準のリセット電位が生成される。
続いて、タイミングT3において、行駆動回路280は、リセットトランジスタ225をオフに制御してFDリセットを行う。このとき、検出ノード224の電位は、リセットトランジスタ225のゲートとのカップリングを受けて、基準電位から幾分低下して浮遊状態となる。さらに、この際、検出ノード224には、有意なkTCノイズが発生する。
ここで、1回目の読み出しが検出回路240により実施される。読み出しは、例えば4回のサンプリングによって実施される。すなわち、垂直信号線219に現れた電位が検出ノード224のリセット信号として、検出回路240によって4回取得される。
次に行駆動回路280は、タイミングT4において転送トランジスタ237をオンにする。この制御により、中間ノード236に蓄積された電子が検出ノード224に流れ込む。この際、検出ノード224のポテンシャルが十分深ければ、中間ノード236に蓄積されていた電子は全て検出ノード224に流出する。パルス期間経過後に、行駆動回路280は、転送トランジスタ237をオフする。この結果、検出ノード224の電位は転送前に比べて蓄積電荷分だけ下降する(すなわち、ポテンシャルは浅くなる)。この低下分が、増幅トランジスタ226により増倍されて垂直信号線219に出力される。
ここで、2回目の読み出し、すなわち蓄積信号読み出しが、再度、複数回(例えば、4回)のサンプリングによって実施される。蓄積信号を取得した検出回路240は、先ほどのリセット信号と今回の蓄積信号を比較して、入射光子量を判定する。4回のサンプリング結果は、リセット信号と蓄積信号の各々で加算或いは平均化される。この平均化作業は熱雑音起因のランダムノイズを約1/2に低減する。さらにFDリセットの際に生じたkTCノイズは、蓄積信号とリセット信号の差分を正味の蓄積信号とすることで相殺される。
図18は、第4の実施の形態における放射線計数結果の一例を示す図である。同図における縦軸は一対の行内の各画素回路220からの出力合計値であり、横軸は時間である。ここで、想定される光検出器200の回路構成は、第1の実施の形態と同様であるが、画素回路220と行駆動回路280との間の制御線218は、3本から4本になる。
第4の実施の形態では、2行分の出力合計値のプロットは1フレーム分の時間幅を持ったパルスに似た出力形状となり、パルスごとの出力値合計がシンチレータの発光量に相当する。第1の実施の形態との最大の違いは、シンチレータ120の発光タイミングに関わらず、パルス出力がフレーム出力と同期していることである。
循環的なグローバルシャッターで受光された光の信号は、該当するフレーム期間中、フォトダイオード221に蓄積される。その期間の終わりには中間ノード236に一斉転送されて、次のフレーム期間に先頭アドレスから順次出力される。
第1の実施の形態ではどのタイミングで開始されるか予想できない出力の形状を有意なパルスとして判別する何らかのアルゴリズムが必要であった。しかし、第4の実施の形態では、そのようなアルゴリズムは必要ない。また、タイミングT81およびT82では、近接したタイミングで発光しているが、それらが互いに異なるフレーム期間に発光していれば、放射線計数装置100は、異なる発光として判別して正しく計数することが可能である。即ち、グローバルシャッター方式の採用によって、放射線計数における光検出器200の出力のデータ処理は容易かつ正確となり、実効的なカウントレートも向上が見込まれる。
このように第4の実施の形態によれば、露光終了の際に電荷を中間ノード236に転送し、読出しの際に中間ノード236から検出ノード224へ電荷を転送するため、行駆動回路280は、グローバルシャッター方式で各画素を露光させることができる。
<5.第5の実施の形態>
ところで、複数の小型の画素アレイ部をマトリクス状に配置して同時動作を可能にしてもよい。このようなチップでは、パッドや制御回路の共有化によってチップの開口率をさらに上げることができ、かつ実装も容易となる上、そのチップを複数の用途に使用することも可能である。この第5の実施の形態の光検出器202は、複数の画素アレイ部をマトリクス状に配置して、それらの同時動作を可能にした点において第1の実施の形態と異なる。
図19は、第5の実施の形態における光検出器202の一構成例を示すブロック図である。略1cm角のシリコンチップ(上側基板205)上に2.5mmピッチで4x4で均等に画素アレイ部210がマトリクス配置される。各画素アレイ部210には16μm角の画素が130x150でアレイ状に配置され、その開口部分のサイズは各々2.08mmx2.25mmである。即ちチップ全体の開口率は約75%となっている。各画素アレイ部210のそれぞれの下層には検出回路群261が配置される。この検出回路群261は、例えば10画素ごとに1つの検出回路240を備え、順次画素を選択して読み出しを実施する。
各画素アレイ部210は各々独立した光検出器に対応するが、4x4の画素アレイ部210は同時並列に動作するので、タイミング制御回路285を始め各種制御回路を複数の光検出器で共有できる。画素アレイ部210と検出回路群261とからなる回路を1つの光検出器207とすると、本実施の形態では行駆動回路280を2つの光検出器207で共有し、参照電圧発生回路275と出力回路290を4つの光検出器207で共有している。また、全ての光検出器207で1つのタイミング制御回路285を共有している。また電源やタイミング信号などボンディングパッド211も複数の光検出器207で共有でき、その分開口率を上げ、かつチップの実装を容易にすることができる。
このようなチップは単独で使うこともできるし、複数チップを敷き詰めてSPECT等の大型検出器に使うこともできる。チップ上の各光検出器は、SPECTに対応するため大面積画素を用いて非常に低ノイズになっている。従って、例えば単独チップに略1cm角のシンチレータを組み合わせて、サーベイメータとしても使用できる。この場合チップ上の4x4の光検出器207は一体化した単独の光検出器202として使用され、入射光量の合計値がデータ処理部140により導出される。
<6.第6の実施の形態>
同様の考えで受光単位となる画素アレイ部210をさらに小型化し、CTやFPDにも対応させることもできる。この第5の実施の形態の光検出器202は、複数の画素アレイ部210をさらに小型化した点において第5の実施の形態と異なる。
図20は、第6の実施の形態における光検出器202の一構成例を示すブロック図である。本実施の形態においては、各画素アレイ部210は400μmのピッチで均等にマトリクス配置されている。画素アレイ部210と検出回路群261とからなる回路を1つの光検出器207とすると、チップ全体に24x24で光検出器207がアレイ状に配置されている。画素アレイ部210には16μm角の画素回路220が20x24でアレイ状に配列され、開口部分のサイズは320μmx384μmである。この場合チップの開口率は77%程度となる。
各画素アレイ部210のそれぞれの下層には検出回路群261が積層配置されている。この検出回路群261は、例えば10画素ごとに1つの検出回路240を備え、順次画素を選択して読み出しを実施する。
これらの画素アレイ部210は各々独立した光検出器207に対応するが、同時並列に動作するので、タイミング制御回路285を始め、各種回路を複数の光検出器で共有できる。例えば行駆動回路280を横に並ぶ6個の光検出器207で共有するとした場合、光検出器207ごとにその回路部品281を分散配置しても良い。同図において、一列に並んだ6個の回路部品281からなる回路は、1つの行駆動回路280として動作する。例えば単位画素4行分の行駆動回路280を一つの光検出器207に割り当てると、6個の光検出器207で全24行の画素アレイを駆動できる。行駆動回路280を共有する光検出器207の個数は6個に限定されず、12個あるいはチップ上の横に並ぶ全光検出器207であってもよい。
同様にタイミング制御回路285、参照電圧発生回路275、出力回路290等も、確保されたスペースに複数の光検出器で共有しながら分散配置することができる。例えば、所定方向に沿って配列された6個の画素アレイ部210からなるライン2つごとに、回路ブロック295が配置され、これらのラインにより回路ブロック295が共有される。この回路ブロック295は、タイミング制御回路285、参照電圧発生回路275および出力回路290を含む。
尚、本実施の形態では光検出器207を狭いピッチでチップ全面に敷き詰めるので、上側チップの受光面にボンディングパッドを形成する場合、その部分の受光器(画素)を削除せざるを得ない。CTやFPDにおける放射線透過撮像の場合、画像処理時にデータ処理部140が周囲の画素から欠損部の画素を補完しても良いが、下側チップ(206)に貫通ビアを設け、パッドをチップの裏側、即ち受光面とは反対面に形成するのがより望ましい。
図20のチップをサーベイメータ、SPECT、CT及びFPDに使用した例を図21に示す。チップには400μmのピッチで24x24の光検出器207がマトリクス配置され、チップサイズは略9.6mm角である。
図22におけるaは、第6の実施の形態におけるサーベイメータの一例を示す図である。このサーベイメータでは、例えばチップ単体と9.5mm角のシンチレータ120を組み合わせて放射線計数を行う。チップ上の光検出器207全体が一体化された一つの光検出器として使用され、検出した光量の合計がデータ処理部140により算出される。
図22におけるbは、第6の実施の形態におけるSPECTまたはガンマカメラの一例を示す図である。これらのSPECTやガンマカメラでは6x6の光検出器207を独立した光検出器グループ208として使用し、それに対応させて隔壁を設けたシンチレータ121等を2.4mmピッチで配置する。光量は上記グループ単位で光量の合計がデータ処理部140により算出される。チップとシンチレータを含む受光モジュールは必要に応じて平面状に敷き詰められる。
図22におけるcは、第6の実施の形態におけるFPDの一例を示す図であり、同図におけるdは、第6の実施の形態におけるCTの一例を示す図である。これらのCTやFPDでは、400μmピッチで並ぶ光検出器207ごとに、独立した光量検出を行う。チップ上の光検出器207とシンチレータ125を含む放射線検出モジュール209は必要に応じてCTでは同図におけるdに例示するように円弧状に、FPDでは同図におけるcに例示するように平面状に敷き詰められる。CTとFPDに関しては現在放射線計数ではなく、積分型の放射線検出が主流であるが、本発明はいずれの方式にも使用できる。本発明における放射線検出モジュールは低ノイズかつ高感度であり、かつSiPM等のフォトンカウンティング型検出器に比べて検出のダイナミックレンジが遥かに広い。従ってそのまま積分型の放射線検出にも転用できる。
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)放射線が入射されると光子を生成するシンチレータと、
前記光子を電荷に変換して所定の期間に亘って蓄積して当該蓄積した電荷の量に応じたアナログ電圧を生成する画素回路と、
1つの前記光子から生成された前記アナログ電圧より小さい所定の量子化単位により前記アナログ電圧をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路と
を具備する放射線計数装置。
(2)前記アナログデジタル変換回路は、1つの前記光子から生成された前記アナログ電圧の半分を超えない前記量子化単位により前記アナログ電圧をデジタル信号に変換する
前記(1)記載の放射線計数装置。
(3)前記アナログデジタル変換回路は、1つの前記光子から生成された前記アナログ電圧の1/4を超えない前記量子化単位により前記入力電圧をデジタル信号に変換する
前記(1)記載の放射線計数装置。
(4)前記画素回路は、
前記光子を電荷に変換する光電変換部と、
前記電荷を蓄積して当該電荷の量に応じた電圧を前記アナログ電圧として生成する電荷蓄積部と、
前記アナログ電圧を増幅して前記アナログデジタル変換回路へ出力するアンプ素子と
を備える前記(1)から(3)のいずれかに記載の放射線計数装置。
(5)前記シンチレータを複数具備し、
前記画素回路は、前記シンチレータごとに所定数設けられる
前記(1)から(4)のいずれかに記載の放射線計数装置。
(6)前記画素回路は、第1の基板に設けられ、
前記検出回路は、前記第1の基板に積層された第2の基板に設けられる
前記(1)から(5)のいずれかに記載の放射線計数装置。
(7)前記画素回路は、
前記光子を電荷に変換する光電変換部と、
前記電荷を保持する中間ノードと、
前記電荷を前記光電変換部から前記中間ノードへ転送する第1の転送部と、
前記電荷を蓄積して当該電荷の量に応じた電圧を前記アナログ電圧として生成する電荷蓄積部と、
前記保持された電荷を前記中間ノードから前記電荷蓄積部へ転送する第2の転送部と
を備える前記(1)から(6)のいずれかに記載の放射線計数装置。
(8)前記デジタル信号を処理して前記放射線の入射数を計数するデータ処理部をさらに具備する
前記(1)から(7)のいずれかに記載の放射線計数装置。
(9)所定数の前記画素回路が、基板に二次元格子状に配置され、
前記データ処理部は、一定数の前記デジタル信号の値の合計を前記シンチレータの発光量の値として算出する
前記(8)記載の放射線計数装置。
(10)シンチレータが、放射線が入射されると光子を生成する光子生成手順と、
画素回路が、前記光子を電荷に変換して所定の期間に亘って蓄積して当該蓄積した電荷の量に応じたアナログ電圧を生成するアナログ電圧生成手順と、
アナログデジタル変換回路が、1つの前記光子から生成された前記アナログ電圧より小さい所定の量子化単位により前記アナログ電圧をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換手順と
を具備する放射線計数装置の制御方法。
100 放射線計数装置
110 受光部
120、121、122、123、124、125 シンチレータ
130 隔壁
140 データ処理部
200、201、202、203、204、207 光検出器
205 上側基板
206 下側基板
208 光検出器グループ
209 放射線検出モジュール
210 画素アレイ部
211 ボンディングパッド
220 画素回路
221 フォトダイオード
222 蓄積ノード
223、235、237 転送トランジスタ
224 検出ノード
225 リセットトランジスタ
226 増幅トランジスタ
227 選択トランジスタ
230 定電流回路
231 MOSトランジスタ
236 中間ノード
240、260 検出回路
241 AD変換回路
242、243 キャパシタ
244 コンパレータ
245 カウンタ
246 除算回路
250、270 スイッチ
261 検出回路群
275 参照電圧生成回路
280 行駆動回路
281 回路部品
285 タイミング制御回路
290 出力回路
295 回路ブロック

Claims (10)

  1. 放射線が入射されると光子を生成するシンチレータと、
    前記光子を電荷に変換して所定の期間に亘って蓄積して当該蓄積した電荷の量に応じたアナログ電圧を生成する画素回路と、
    1つの前記光子から生成された前記アナログ電圧より小さい所定の量子化単位により前記アナログ電圧をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路と
    を具備する放射線計数装置。
  2. 前記アナログデジタル変換回路は、1つの前記光子から生成された前記アナログ電圧の半分を超えない前記量子化単位により前記アナログ電圧をデジタル信号に変換する
    請求項1記載の放射線計数装置。
  3. 前記アナログデジタル変換回路は、1つの前記光子から生成された前記アナログ電圧の1/4を超えない前記量子化単位により前記入力電圧をデジタル信号に変換する
    請求項1記載の放射線計数装置。
  4. 前記画素回路は、
    前記光子を電荷に変換する光電変換部と、
    前記電荷を蓄積して当該電荷の量に応じた電圧を前記アナログ電圧として生成する電荷蓄積部と、
    前記アナログ電圧を増幅して前記アナログデジタル変換回路へ出力するアンプ素子と
    を備える請求項1記載の放射線計数装置。
  5. 前記シンチレータを複数具備し、
    前記画素回路は、前記シンチレータごとに所定数設けられる
    請求項1記載の放射線計数装置。
  6. 前記画素回路は、第1の基板に設けられ、
    前記検出回路は、前記第1の基板に積層された第2の基板に設けられる
    請求項1記載の放射線計数装置。
  7. 前記画素回路は、
    前記光子を電荷に変換する光電変換部と、
    前記電荷を保持する中間ノードと、
    前記電荷を前記光電変換部から前記中間ノードへ転送する第1の転送部と、
    前記電荷を蓄積して当該電荷の量に応じた電圧を前記アナログ電圧として生成する電荷蓄積部と、
    前記保持された電荷を前記中間ノードから前記電荷蓄積部へ転送する第2の転送部と
    を備える請求項1記載の放射線計数装置。
  8. 前記デジタル信号を処理して前記放射線の入射数を計数するデータ処理部をさらに具備する
    請求項1記載の放射線計数装置。
  9. 所定数の前記画素回路が、基板に二次元格子状に配置され、
    前記データ処理部は、一定数の前記デジタル信号の値の合計を前記シンチレータの発光量の値として算出する
    請求項8記載の放射線計数装置。
  10. シンチレータが、放射線が入射されると光子を生成する光子生成手順と、
    画素回路が、前記光子を電荷に変換して所定の期間に亘って蓄積して当該蓄積した電荷の量に応じたアナログ電圧を生成するアナログ電圧生成手順と、
    アナログデジタル変換回路が、1つの前記光子から生成された前記アナログ電圧より小さい所定の量子化単位により前記アナログ電圧をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換手順と
    を具備する放射線計数装置の制御方法。
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