以下、図面に基づいて、本願の開示する伝送経路設計装置および伝送経路設計方法の実施例を詳細に説明する。なお、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下の実施例は、矛盾しない範囲で適宜組みあわせてもよい。
図1は、実施例1の伝送経路設計システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示す伝送経路設計システム1は、端末装置10と、ネットワーク管理装置100と、伝送経路設計装置200とを有する。端末装置10、ネットワーク管理装置100および伝送経路設計装置200の間は、ネットワークN1を介して相互に通信可能に接続される。かかるネットワークN1には、有線または無線を問わず、インターネット(Internet)を始め、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。また、ネットワーク管理装置100は、ネットワークN2のリソースを管理する。ここで、ネットワークN2は、例えば、時間予約型のSDN(Software Defined Network)である。
図1に示す伝送経路設計システム1は、例えば、ネットワークN2に複数の新規パスを予約するために、管理者により端末装置10からネットワーク管理装置100に対して、新規パスの経路を要求する複数の新規デマンドを送信する。ネットワーク管理装置100は、新規デマンドを受け付けると、受け付けた新規デマンド全体の開始および終了日時の期間をスロットに分割し、スロットごとに既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量を算出する。ネットワーク管理装置100は、算出したスロットごとのネットワークの各リンクの最大負荷量を表すように生成した中間データと、新規デマンドとを伝送経路設計装置200に送信する。伝送経路設計装置200は、中間データと新規デマンドとを受信すると、受信した中間データと新規デマンドとに基づいて、新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する。伝送経路設計装置200は、決定したパスの経路をネットワーク管理装置100に送信する。ネットワーク管理装置100は、パスの経路をネットワークN2に設定する。これにより、伝送経路設計システム1は、既設パスの最大負荷量を考慮して新規パスの経路を決定するので、新規パスに対して効率的に帯域割り当てを行うことができる。
端末装置10は、例えば、ネットワークN2の管理者が用いるコンピュータである。端末装置10は、例えば、新規パスを予約するための新規デマンド等の、ネットワークN2の管理情報をネットワーク管理装置100に送信する。かかる端末装置10の一例としては、可搬型のパーソナルコンピュータを採用できる。端末装置10には、上記のパーソナルコンピュータ等の可搬型の端末のみならず、据置型のパーソナルコンピュータを端末装置10として採用することもできる。また、端末装置10は、可搬型の端末としては、上記のパーソナルコンピュータの他にも、例えば、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末等を採用することもできる。
次に、ネットワーク管理装置100の構成について説明する。図1に示すように、ネットワーク管理装置100は、第1通信部110と、第2通信部111と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、ネットワーク管理装置100は、図1に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイス等の機能部を有することとしてもかまわない。
第1通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。第1通信部110は、ネットワークN1を介して端末装置10および伝送経路設計装置200と有線または無線で接続され、端末装置10および伝送経路設計装置200との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。第1通信部110は、端末装置10から新規デマンドを受信し、伝送経路設計装置200からパスの経路情報を受信する。第1通信部110は、受信した新規デマンドおよびパスの経路情報を制御部130に出力する。また、第1通信部110は、制御部130から入力された新規デマンド、中間データおよびネットワーク情報を伝送経路設計装置200に送信する。なお、ネットワーク管理装置100と伝送経路設計装置200との間の通信には、例えば、REST(Representational State Transfer)等のプロトコルを用いるAPI(Application Programming Interface)を用いることができる。
第2通信部111は、例えば、NIC等によって実現される。第2通信部111は、ネットワークN2の図示しない各ノードと有線または無線で接続され、ネットワークN2の各ノードとの間で情報の通信を司る通信インタフェースである。第2通信部111は、各ノードの情報等を受信し、受信した各ノードの情報を制御部130に出力する。また、第2通信部111は、制御部130から入力されたパスの経路情報をネットワークN2の各ノードに送信する。
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、NW(Network)データ記憶部121と、中間データ記憶部122とを有する。また、記憶部120は、制御部130での処理に用いる情報を記憶する。
NWデータ記憶部121は、ネットワークN2のリソースの利用状態を記憶する。図2は、NWデータ記憶部の一例を示す図である。図2に示すように、NWデータ記憶部121は、「パスNo」、「開始日時」、「終了日時」、「パスの経路」、「帯域」といった項目を有する。NWデータ記憶部121は、例えば、1つのパスごとに1レコードとして記憶する。
「パスNo」は、ネットワークN2に設定済、つまり予約済のパスを識別する。「開始日時」は、パスの開始日時を示す。「終了日時」は、パスの終了日時を示す。「パスの経路」は、例えば、ネットワークN2における当該パスが経由するノードを示す。「帯域」は、パスが要求する帯域を示す。図2の1行目の例では、パスP1は、「2014年11月1日0時0分」から「2015年1月1日0時0分」まで、ノードM1、M2、M4およびM6を経由する経路について、1Gbpsの帯域を設定済であることを示す。
図1の説明に戻って、中間データ記憶部122は、スロットごとの各リンクにおける最大負荷量を表す中間データを記憶する。ここで、スロットは、複数の新規デマンド全体の開始および終了日時の期間について、各新規デマンドの開始または終了日時を区切りとして分割したそれぞれの時間を示す。図3は、中間データ記憶部の一例を示す図である。図3に示すように、中間データ記憶部122は、「スロットNo」、「リンク」といった項目を有する。中間データ記憶部122は、例えば、1つのスロットごとに1レコードとして記憶する。
「スロットNo」は、スロットを識別する。「リンク」は、各時間のスロットにおける、既設パスによる各リンクの使用帯域を示す。図3の1行目の例では、スロットT1では、既設パスにより、リンクL1が1Gbps、リンクL3が1Gbps、リンクL4が1.5Gbps、リンクL7が1Gbps、リンクL2,L5,L6,L8が0bps使用される。
図1の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御部130は、受付部131と、生成部132と、配信部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図1に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
受付部131は、ネットワークN1および第1通信部110を介して、端末装置10から新規デマンドを受け付ける。ここで、新規デマンドは、例えば、パスの起終点ノード情報、開始および終了日時、要求する帯域等の情報を有する。受付部131は、受け付けた新規デマンドを生成部132に出力する。
生成部132は、受付部131から新規デマンドが入力されると、NWデータ記憶部121を参照して、中間データを生成する。生成部132は、複数の新規デマンド全体の開始および終了日時の期間RT1に対応する既設パスを、NWデータ記憶部121から取得する。すなわち、生成部132は、全新規デマンドの先頭と末尾の日時に対応する既設パスを、NWデータ記憶部121から取得する。ここで、既設パスが設定されているネットワークN2の構成の一例を図4に示す。図4は、ネットワークN2の構成の一例を示す図である。図4に示すように、ネットワークN2は、ノードM1〜M6がリンクL1〜L8によって接続された構成となっている。
図5は、既設パスの予約と新規デマンドとの関係の一例を示す図である。図5に示すように、ネットワークN2には、既設パスP1〜P5が設定されている。ここで、既設パスP3およびP5は、既に使用中であり、既設パスP1、P2およびP4は、未使用の予約済のパスであるとする。このとき、生成部132は、新規デマンドD1〜D3が入力されると、新規デマンドD1の開始日時と、新規デマンドD2の終了日時との期間RT1を、新規デマンドD1〜D3の開始または終了日時で区切られた期間、つまりスロットに分割する。すなわち、生成部132は、全新規デマンドの先頭と末尾の日時で区切られた期間RT1をスロットT1〜T4に分割する。言い換えると、生成部132は、スロットを設定する設定部である。ここで、スロットT1は、新規デマンドD1の開始日時と新規デマンドD2の開始日時とで区切られた期間であり、スロットT2は、新規デマンドD2の開始日時と新規デマンドD3の開始日時とで区切られた期間である。また、スロットT3は、新規デマンドD3の開始日時と新規デマンドD1およびD3の終了日時とで区切られた期間であり、スロットT4は、新規デマンドD1およびD3の終了日時と新規デマンドD2の終了日時とで区切られた期間である。
次に、生成部132は、分割した各スロットについて、既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量を算出する。すなわち、生成部132は、スロットごとの既設パスの最大負荷量を算出する算出部である。ここで、一例としてスロットT2における各リンクの最大負荷量の算出について説明する。生成部132は、スロットT2を既設パスの帯域が変化する時点でさらに分割する。生成部132は、図5の例では、スロットT2を、スロットT2A、スロットT2BおよびスロットT2Cに分割する。スロットT2Aは、スロットT2の開始日時と既設パスP4の開始日時との期間である。スロットT2Bは、既設パスP4の開始日時と既設パスP2の開始日時との期間である。スロットT2Cは、既設パスP2の開始日時とスロットT2の終了日時との期間である。
生成部132は、分割したスロットT2A〜T2Cについて、各リンクの負荷量、つまり使用帯域を抽出する。図6は、スロットT2の各リンクの最大負荷量の算出の一例を示す図である。図6(a)は、スロットT2Aにおける既設パスの負荷量を示す。図6(a)に示すように、スロットT2Aでは、既設パスP1がリンクL1,L4,L7を経由し、既設パスP3がリンクL3を経由し、既設パスP5がリンクL3,L4を経由する。各既設パスの使用帯域は、既設パスP1が1Gbps、既設パスP3が500Mbps、および、既設パスP5が500Mbpsであるとする。このときの各リンクの負荷量は、リンクL1が1Gbps、リンクL3が1Gbps、リンクL4が1.5Gbps、および、リンクL7が1Gbpsとなる。また、既設パスが経由しないリンクL2,L5,L6,L8は、0bpsである。
図6(b)は、スロットT2Bにおける既設パスの負荷量を示す。図6(b)に示すように、スロットT2Bでは、既設パスP1がリンクL1,L4,L7を経由し、既設パスP3がリンクL3を経由し、既設パスP4がリンクL1を経由し、既設パスP5がリンクL3,L4を経由する。ここで、既設パスP4の使用帯域は、500Mbpsであるとする。このとき、各リンクの負荷量は、リンクL1がスロットT2Aと比較して1.5Gbpsに増加し、他のリンクはスロットT2Aと同一である。
図6(c)は、スロットT2Cにおける既設パスの負荷量を示す。図6(c)に示すように、スロットT2Cでは、既設パスP1がリンクL1,L4,L7を経由し、既設パスP2がリンクL4を経由し、既設パスP3がリンクL3を経由し、既設パスP4がリンクL1を経由し、既設パスP5がリンクL3,L4を経由する。ここで、既設パスP2の使用帯域は、1Gbpsであるとする。このとき、各リンクの負荷量は、リンクL4がスロットT2Bと比較して2.5Gbpsに増加し、他のリンクはスロットT2Bと同一である。
図6(d)は、スロットT2A〜T2Cにおける既設パスの各リンクの最大負荷量を示す。生成部132は、各リンクについて、スロットT2A〜T2Cのうち、使用帯域の最大値を、スロットT2における当該リンクの最大負荷量とする。図6(d)の例では、リンクL1の使用帯域は、スロットT2B,T2Cの1.5Gbpsが最大値であるので、スロットT2におけるリンクL1の最大負荷量は1.5Gbpsとする。生成部132は、リンクL2〜L8についても同様にスロットT2における最大負荷量を算出する。スロットT2におけるリンクL2〜L8の最大負荷量は、リンクL3が1Gbps、リンクL4が2.5Gbps、リンクL7が1Gbps、リンクL2,L5,L6,L8が0bpsとなる。
生成部132は、スロットT1,T3,T4についても同様に各リンクの最大負荷量を算出する。図7は、各スロットにおける各リンクの既設パスによる最大負荷量の一例を示す図である。図7(a)は、スロットT1における各リンクの既設パスによる最大負荷量の一例を示す。なお、図7では、各リンクの帯域幅に対する使用率で表現している。図7(b)は、スロットT2における各リンクの既設パスによる最大負荷量の一例を示す。図7(c)は、スロットT3における各リンクの既設パスによる最大負荷量の一例を示す。図7(d)は、スロットT4における各リンクの既設パスによる最大負荷量の一例を示す。
生成部132は、スロットT1〜T4における各リンクの最大負荷量を算出すると、算出結果を中間データとして中間データ記憶部122に記憶する。また、生成部132は、NWデータ記憶部121を参照して、ネットワークトポロジおよび各リンク帯域を示すネットワーク情報を生成する。生成部132は、新規デマンドと、中間データと、ネットワーク情報とを、第1通信部110およびネットワークN1を介して伝送経路設計装置200に送信する。
図1の説明に戻って、配信部133は、ネットワークN1および第1通信部110を介して伝送経路設計装置200からパスの経路情報を受信する。配信部133は、受信したパスの経路情報に基づいてNWデータ記憶部121を更新する。また、配信部133は、受信したパスの経路情報を第2通信部111を介してネットワークN2の各ノードに送信することで、ネットワークN2にパスの経路情報を配信する。
次に、伝送経路設計装置200の構成について説明する。図1に示すように、伝送経路設計装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。なお、伝送経路設計装置200は、図1に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイス等の機能部を有することとしてもかまわない。
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。通信部210は、ネットワークN1を介して端末装置10およびネットワーク管理装置100と有線または無線で接続され、端末装置10およびネットワーク管理装置100との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。通信部210は、ネットワーク管理装置100から新規デマンド、中間データおよびネットワーク情報を受信する。通信部210は、受信した新規デマンド、中間データおよびネットワーク情報を制御部230に出力する。また、通信部210は、制御部230から入力されたパスの経路情報をネットワーク管理装置100に送信する。
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部220は、中間データ記憶部221を有する。また、記憶部220は、制御部230での処理に用いる情報を記憶する。
中間データ記憶部221は、ネットワーク管理装置100から受信した中間データを記憶する。なお、中間データ記憶部221の構成は、ネットワーク管理装置100の中間データ記憶部122と同一であるので、その説明を省略する。
制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御部230は、取得部231と、抽出部232と、決定部233とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、図1に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
取得部231は、ネットワークN1および通信部210を介して、ネットワーク管理装置100から新規デマンド、中間データおよびネットワーク情報を取得する。取得部231は、取得した中間データを中間データ記憶部221に記憶する。また、取得部231は、取得した新規デマンドおよびネットワーク情報を抽出部232に出力する。
抽出部232は、取得部231から新規デマンドおよびネットワーク情報が入力されると、ネットワーク情報に基づいて、新規デマンドの経路候補を抽出する。抽出部232は、例えば、複数の新規デマンドがある場合に、それぞれの新規デマンドに対する経路候補を抽出し、さらに、抽出した経路候補の組み合わせパターンを抽出する。抽出部232は、抽出した経路候補の組み合わせパターンを決定部233に出力する。また、抽出部232は、決定部233から新規デマンドの経路候補を再度抽出するように指示されると、例えば、抽出条件を変更して経路候補の組み合わせパターンを抽出し、決定部233に出力する。
決定部233は、抽出部232から経路候補の組み合わせパターンが入力されると、中間データ記憶部221を参照して、組み合わせパターンごとに、各経路候補と中間データとに基づいて、各リンクの帯域超過の有無をチェックする。すなわち、決定部233は、ネットワークN2の各リンクについて、組み合わせパターンごとに、帯域超過無しの経路候補があるか否かを判定する。
ここで、図8および図9を用いて、経路候補の各リンクの帯域超過の有無のチェックについて説明する。図8は、経路のチェックの一例を示す図である。また、図9は、経路のチェックの他の一例を示す図である。ここで、図8および図9の説明では、各リンクの使用帯域および新規デマンドが要求する要求帯域をパーセントで表示する。なお、使用帯域および要求帯域は、それぞれ、使用中または予約済のリンクの負荷量(帯域)、および、新規デマンドが要求する負荷量とも表すことができる。また、図8および図9の説明では、新規デマンドD1の負荷量を20%、新規デマンドD2の負荷量を10%、新規デマンドD3の負荷量を30%とし、各リンクの既設パスによる負荷量は、スロットT1〜T4で変化するものとする。さらに、図8および図9は、経路候補の組み合わせパターンが異なる例を示している。具体的には、図8および図9は、新規デマンドD1のパスの経路が異なる。
図8(a)は、スロットT1における帯域超過判定の一例を示す。スロットT1では、新規デマンドD1のパスが、リンクL1−L4−L7の経路を通るパターンである。スロットT1の各リンクの既設パスによる負荷量は、リンクL1が20%、リンクL2が60%、リンクL3が75%、リンクL4が55%、リンクL5が55%、リンクL6が25%、リンクL7が50%、および、リンクL8が45%であるとする。
当該パターンのときの各リンクの負荷量は、リンクL1が20+20=40%、リンクL4が55+20=75%、リンクL7が50+20=70%となる。なお、他のリンクは、新規デマンドD1によって負荷量は変化せず、既設パスによる負荷量のままとなる。従って、スロットT1では、帯域超過するリンクはないので、帯域超過判定はOKとなる。
図8(b)は、スロットT2における帯域超過判定の一例を示す。スロットT2では、新規デマンドD1のパスが、リンクL1−L4−L7の経路を通り、新規デマンドD2のパスが、リンクL6の経路を通るパターンである。スロットT2の各リンクの既設パスによる負荷量は、リンクL1が20%、リンクL2が60%、リンクL3が45%、リンクL4が85%、リンクL5が25%、リンクL6が75%、リンクL7が20%、および、リンクL8が45%であるとする。
当該パターンのときの各リンクの負荷量は、リンクL1が20+20=40%、リンクL4が85+20=105%、リンクL6が75+10=85%、リンクL7が20+20=40%となる。なお、他のリンクは、新規デマンドD1,D2によって負荷量は変化せず、既設パスによる負荷量のままとなる。このとき、スロットT2では、リンクL4が105%となるので、帯域超過判定はNGとなる。
図8(c)は、スロットT3における帯域超過判定の一例を示す。スロットT3では、新規デマンドD1のパスが、リンクL1−L4−L7の経路を通り、新規デマンドD2のパスが、リンクL6の経路を通り、新規デマンドD3のパスが、リンクL5−L8を通るパターンである。スロットT3の各リンクの既設パスによる負荷量は、リンクL1が20%、リンクL2が60%、リンクL3が45%、リンクL4が35%、リンクL5が35%、リンクL6が55%、リンクL7が30%、および、リンクL8が45%であるとする。
当該パターンのときの各リンクの負荷量は、リンクL1が20+20=40%、リンクL4が35+20=55%、リンクL5が35+30=65%、リンクL6が55+10=65%、リンクL7が30+20=50%、リンクL8が45+30=75%となる。なお、他のリンクは、新規デマンドD1〜D3によって負荷量は変化せず、既設パスによる負荷量のままとなる。このとき、スロットT3では、帯域超過するリンクはないので、帯域超過判定はOKとなる。
図8(d)は、スロットT4における帯域超過判定の一例を示す。スロットT4では、新規デマンドD2のパスが、リンクL6の経路を通るパターンである。スロットT4の各リンクの既設パスによる負荷量は、リンクL1が20%、リンクL2が60%、リンクL3が45%、リンクL4が35%、リンクL5が35%、リンクL6が25%、リンクL7が20%、および、リンクL8が45%であるとする。
当該パターンのときの各リンクの負荷量は、リンクL6が25+10=35%となる。なお、他のリンクは、新規デマンドD2によって負荷量は変化せず、既設パスによる負荷量のままとなる。このとき、スロットT4では、帯域超過するリンクはないので、帯域超過判定はOKとなる。このように、図8の経路候補の組み合わせパターンでは、帯域超過判定がNGとなるスロットがあるので、当該経路候補の組み合わせパターンはチェック結果がNGとなる。
次に、図9の経路候補の組み合わせパターンのチェックについて説明する。図9(a)は、スロットT1における帯域超過判定の一例を示す。スロットT1では、新規デマンドD1のパスが、リンクL2−L5−L8の経路を通るパターンである。スロットT1の各リンクの既設パスによる負荷量は、リンクL1が20%、リンクL2が60%、リンクL3が75%、リンクL4が55%、リンクL5が55%、リンクL6が25%、リンクL7が50%、および、リンクL8が45%であるとする。
当該パターンのときの各リンクの負荷量は、リンクL2が60+20=80%、リンクL5が55+20=75%、リンクL8が45+20=65%となる。なお、他のリンクは、新規デマンドD1によって負荷量は変化せず、既設パスによる負荷量のままとなる。従って、スロットT1では、帯域超過するリンクはないので、帯域超過判定はOKとなる。
図9(b)は、スロットT2における帯域超過判定の一例を示す。スロットT2では、新規デマンドD1のパスが、リンクL2−L5−L8の経路を通り、新規デマンドD2のパスが、リンクL6の経路を通るパターンである。スロットT2の各リンクの既設パスによる負荷量は、リンクL1が20%、リンクL2が60%、リンクL3が45%、リンクL4が85%、リンクL5が25%、リンクL6が75%、リンクL7が20%、および、リンクL8が45%であるとする。
当該パターンのときの各リンクの負荷量は、リンクL2が60+20=80%、リンクL5が25+20=45%、リンクL6が75+10=85%、リンクL8が45+20=65%となる。なお、他のリンクは、新規デマンドD1,D2によって負荷量は変化せず、既設パスによる負荷量のままとなる。このとき、スロットT2では、帯域超過するリンクはないので、帯域超過判定はOKとなる。
図9(c)は、スロットT3における帯域超過判定の一例を示す。スロットT3では、新規デマンドD1のパスが、リンクL2−L5−L8の経路を通り、新規デマンドD2のパスが、リンクL6の経路を通り、新規デマンドD3のパスが、リンクL5−L8を通るパターンである。スロットT3の各リンクの既設パスによる負荷量は、リンクL1が20%、リンクL2が60%、リンクL3が45%、リンクL4が35%、リンクL5が35%、リンクL6が55%、リンクL7が30%、および、リンクL8が45%であるとする。
当該パターンのときの各リンクの負荷量は、リンクL2が60+20=80%、リンクL5が35+20+30=85%、リンクL6が55+10=65%、リンクL8が45+20+30=95%となる。なお、他のリンクは、新規デマンドD1〜D3によって負荷量は変化せず、既設パスによる負荷量のままとなる。このとき、スロットT3では、帯域超過するリンクはないので、帯域超過判定はOKとなる。
図9(d)は、スロットT4における帯域超過判定の一例を示す。スロットT4では、新規デマンドD2のパスが、リンクL6の経路を通るパターンである。スロットT4の各リンクの既設パスによる負荷量は、リンクL1が20%、リンクL2が60%、リンクL3が45%、リンクL4が35%、リンクL5が35%、リンクL6が25%、リンクL7が20%、および、リンクL8が45%であるとする。
当該パターンのときの各リンクの負荷量は、リンクL6が25+10=35%となる。なお、他のリンクは、新規デマンドD2によって負荷量は変化せず、既設パスによる負荷量のままとなる。このとき、スロットT4では、帯域超過するリンクはないので、帯域超過判定はOKとなる。このように、図9の経路候補の組み合わせパターンでは、帯域超過判定が全てOKであるので、当該経路候補の組み合わせパターンはチェック結果がOKとなる。
図1の説明に戻って、決定部233は、帯域超過無しの経路候補がない場合には、抽出部232に対して、例えば、新規デマンドの経路候補の抽出条件を変更して再度抽出するように指示する。決定部233は、帯域超過無しの経路候補がある場合には、帯域超過無しの経路候補から、ネットワークN2に配信するパスの経路を決定する。決定部233は、決定したパスの経路をパスの経路情報として通信部210およびネットワークN1を介してネットワーク管理装置100に送信する。
ここで、帯域超過無しの経路候補が複数ある場合におけるパスの経路の決定について説明する。決定部233は、帯域超過無しの経路候補が複数ある場合には、例えば、負荷分散ポリシー、省電力ポリシーおよび最小遅延ポリシーを満たす最良の経路候補の組み合わせパターンを、ネットワークN2に配信するパスの経路に決定する。負荷分散ポリシーは、ネットワークN2の新規デマンドD1〜D3の期間の最大負荷量の評価値が最小となる経路候補の組み合わせを選択する。省電力ポリシーは、ネットワークN2の新規デマンドD1〜D3の期間の総消費電力の評価値が最小となる経路候補の組み合わせを選択する。最小遅延ポリシーは、新規デマンドD1〜D3に対する推定遅延が遅延要件を満たし、かつ、各新規デマンドに対する遅延要件と推定値との比率(推定値/要件値)の最大値を評価値とし、当該評価値が最小となる経路候補の組み合わせを選択する。
新規デマンドD1〜D3に対する遅延の推定値は、例えば、経路候補の組み合わせパターンにおける各リンク負荷状態から推定されるリンク遅延の和等で算出することができる。図10は、ある経路候補における推定遅延の算出の一例を示す図である。図10の例では、新規デマンドD1〜D3に基づいて、スロットT1〜T3が算出されているものとする。また、新規デマンドD1〜D3に対する遅延要件は、新規デマンドD1が10ms、新規デマンドD2が1ms、新規デマンドD3が5msと定義されているものとする。さらに、予約済の既設パスの負荷量は、予め与えられているものとする。なお、図10での負荷量は、各リンクの帯域を100Gbpsとし、100%=100Gbpsとして説明する。
ここで、各リンクのリンク遅延は、例えば、リンク遅延の推定関数で表わすことができ、推定関数の一例を下記の式(1)に示す。
リンク遅延=f(リンク負荷)=0.01×リンク負荷+0.01 …(1)
図10(a)は、スロットT1における推定遅延の一例を示す。図10(a)の例では、新規デマンドD1のパスの経路は、リンクL1−L4−L7を通り、各リンクにおける負荷量は既設パスの負荷量と合わせて、リンクL1が40%、リンクL4が75%、リンクL7が70%となっている。このとき、新規デマンドD1の推定遅延は、下記の式(2)となる。
f(40)+f(75)+f(70)=1.88ms …(2)
図10(b)は、スロットT2における推定遅延の一例を示す。図10(b)の例では、新規デマンドD1のパスの経路は、リンクL1−L4−L7を通り、新規デマンドD2のパスの経路は、リンクL6を通る。新規デマンドD1,D2が通る各リンクにおける負荷量は、既設パスの負荷量と合わせて、リンクL1が40%、リンクL4が55%、リンクL6が85%、リンクL7が40%となっている。このとき、新規デマンドD1の推定遅延は、下記の式(3)となり、新規デマンドD2の推定遅延は、下記の式(4)となる。
f(40)+f(55)+f(40)=1.38ms …(3)
f(85)=0.86ms …(4)
図10(c)は、スロットT3における推定遅延の一例を示す。図10(c)の例では、新規デマンドD1のパスの経路は、リンクL1−L4−L7を通り、新規デマンドD2のパスの経路は、リンクL6を通り、新規デマンドD3のパスの経路は、リンクL5−L8を通る。新規デマンドD1〜D3が通る各リンクにおける負荷量は、既設パスの負荷量と合わせて、リンクL1が40%、リンクL4が55%、リンクL5が65%、リンクL6が65%、リンクL7が50%、リンクL8が75%となっている。このとき、新規デマンドD1の推定遅延は、下記の式(5)となり、新規デマンドD2の推定遅延は、下記の式(6)となり、新規デマンドD3の推定遅延は、下記の式(7)となる。
f(40)+f(55)+f(50)=1.48ms …(5)
f(65)=0.66ms …(6)
f(65)+f(75)=1.42ms …(7)
決定部233は、式(2)〜(7)より、新規デマンドD1の最大遅延は1.88ms、新規デマンドD2の最大遅延は0.86ms、新規デマンドD3の最大遅延は1.42msと算出する。また、決定部233は、遅延要件と推定値との比率(遅延比率)を算出する。新規デマンドD1の遅延比率は、下記の式(8)で示す。新規デマンドD2の遅延比率は、下記の式(9)で示す。新規デマンドD3の遅延比率は、下記の式(10)で示す。
1.88/10=0.188 …(8)
0.86/1 =0.86 …(9)
1.42/5 =0.284 …(10)
決定部233は、式(8)〜(10)より、当該経路候補の組み合わせパターンの評価値は、0.86msであると算出する。決定部233は、上述のように、経路候補の組み合わせパターンごとに評価値を算出し、評価値が最小となる経路候補をパスの経路に決定する。
また、決定部233は、下記の式(11)に示すように、負荷分散ポリシー、省電力ポリシーおよび最小遅延ポリシーの優先度に応じて重み変数p,q,rを付加して評価値を算出し、評価値が最小となる経路候補の組み合わせパターンを採用してもよい。
評価値=(重みp×負荷)+(重みq×電力)+(重みr×遅延比率) …(11)
次に、実施例1の伝送経路設計システム1の動作について説明する。図11は、実施例1の伝送経路設計処理の一例を示すフローチャートである。
ネットワーク管理装置100の受付部131は、ネットワークN1および第1通信部110を介して、端末装置10から新規デマンドを受け付ける(ステップS1)。受付部131は、受け付けた新規デマンドを生成部132に出力する。生成部132は、全新規デマンドの先頭と末尾の日時に対応する既設パスを取得する(ステップS2)。生成部132は、新規デマンドが入力されると、全新規デマンドの先頭と末尾の日時で区切られた期間を時間軸でのスロットに分割する(ステップS3)。
生成部132は、スロットごとに既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量を算出する。生成部132は、スロットごとの既設パスの経路の各リンクの最大負荷量を算出すると、算出結果を中間データとして中間データ記憶部122に記憶する。すなわち、生成部132は、算出結果から中間データを生成する(ステップS4)。また、生成部132は、NWデータ記憶部121を参照して、ネットワークトポロジおよび各リンク帯域を示すネットワーク情報を生成する。生成部132は、新規デマンドと、中間データと、ネットワーク情報とを、第1通信部110およびネットワークN1を介して伝送経路設計装置200に送信する(ステップS5)。
伝送経路設計装置200の取得部231は、ネットワークN1および通信部210を介して、ネットワーク管理装置100から新規デマンド、中間データおよびネットワーク情報を取得する。取得部231は、取得した中間データを中間データ記憶部221に記憶する。また、取得部231は、取得した新規デマンドおよびネットワーク情報を抽出部232に出力する。
抽出部232は、取得部231から新規デマンドおよびネットワーク情報が入力されると、ネットワーク情報に基づいて、新規デマンドの経路候補を抽出する(ステップS6)。抽出部232は、抽出した経路候補の組み合わせパターンを決定部233に出力する。
決定部233は、抽出部232から経路候補の組み合わせパターンが入力されると、中間データ記憶部221を参照して、組み合わせパターンごとに、各経路候補と中間データとに基づいて、各リンクの帯域超過の有無をチェックする(ステップS7)。決定部233は、チェックの結果、帯域超過無しの経路候補があるか否かを判定する(ステップS8)。決定部233は、帯域超過無しの経路候補がない場合には(ステップS8:否定)、ステップS6に戻り、抽出部232に対して、新規デマンドの経路候補を再度抽出するように指示する。
決定部233は、帯域超過無しの経路候補がある場合には(ステップS8:肯定)、帯域超過無しの経路候補から、ネットワークN2に配信するパスの経路を決定する(ステップS9)。決定部233は、決定したパスの経路をパスの経路情報として通信部210およびネットワークN1を介してネットワーク管理装置100に送信する(ステップS10)。
ネットワーク管理装置100の配信部133は、ネットワークN1および第1通信部110を介して伝送経路設計装置200からパスの経路情報を受信する。配信部133は、受信したパスの経路情報に基づいてNWデータ記憶部121を更新する。また、配信部133は、受信したパスの経路情報をネットワークN2に配信する(ステップS11)。これにより、伝送経路設計システム1は、既設パスの最大負荷量を考慮して新規パスの経路を決定するので、新規デマンドに対応する新規パスに対して効率的に帯域割り当てを行うことができる。また、伝送経路設計システム1は、既存パスの帯域の変化を判定するチェックポイントのステートを削減することができる。
なお、上記実施例1では、時間軸におけるスロットの分割、すなわちスロットの設定と、スロットごとの既設パスの最大負荷量の算出とをネットワーク管理装置100で実行したが、これに限定されない。例えば、伝送経路設計装置200が、ネットワーク管理装置100からネットワークデータを受信して、記憶部220に設けた図示しないNWデータ記憶部に記憶し、NWデータ記憶部を参照してスロットの分割および最大負荷量の算出を実行してもよい。
このように、伝送経路設計装置200は、開始および終了日時を有するパスの経路要求である新規デマンドの期間における時間軸でのスロットを設定し、スロットごとの既設パスの最大負荷量を算出する。また、伝送経路設計装置200は、最大負荷量に応じて、新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する。その結果、効率的に帯域割り当てを行うことができる。
また、伝送経路設計装置200は、開始および終了日時を有するパスの経路要求である新規デマンドの期間における時間軸で指定されたスロットごとの既設パスの最大負荷量をネットワーク管理装置100から受信する。また、伝送経路設計装置200は、受信した最大負荷量に応じて、新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する。その結果、効率的に帯域割り当てを行うことができる。また、ネットワーク管理装置から取得するネットワークリソース情報を削減することができる。
また、伝送経路設計装置200は、中間データと、新規デマンドとをネットワーク管理装置100から受信する。中間データは、スロットごとのネットワークの各リンクの最大負荷量が算出されて生成される。各リンクにおける最大負荷量は、ネットワーク管理装置100が新規デマンドを受け付けて、受け付けられた新規デマンド全体の開始および終了日時の期間がスロットに分割され、スロットごとに既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量が算出される。また、伝送経路設計装置200は、受信した中間データと、新規デマンドとに基づいて、新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する。その結果、既設パスの最大負荷量を考慮して新規パスの経路を決定するので、新規デマンドに対応する新規パスに対して効率的に帯域割り当てを行うことができる。
また、伝送経路設計装置200は、ネットワークの各リンクの負荷が当該各リンクの帯域を超えないように、新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する。その結果、各リンクの帯域を考慮して、新規パスに対して効率的に帯域割り当てを行うことができる。
また、伝送経路設計装置200は、複数の新規デマンド全体の開始および終了日時の期間を、各新規デマンドの開始または終了日時ごとに、スロットに分割して生成された中間データを受信する。その結果、既設パスにおける帯域変化を全て取得および管理することなく、新規パスに対して効率的に帯域割り当てを行うことができる。
また、伝送経路設計装置200は、ネットワークの各リンクの負荷、消費電力および遅延のうち1つ以上の評価値が最小となるように、新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する。その結果、ネットワークの各リンクの負荷、消費電力および遅延のうち1つ以上を考慮して、新規パスに対して効率的に帯域割り当てを行うことができる。
また、上記実施例1では、新規デマンドについて経路候補を抽出し、新規デマンドに対応する新規パスについてパスの経路を決定したが、これに限定されない。例えば、既設パスのうち、未運用の既設パスを含めてパスの経路を決定してもよく、この場合の実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。
図12は、実施例2の伝送経路設計システムの構成の一例を示すブロック図である。なお、実施例1の伝送経路設計システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成および動作の説明については省略する。実施例2の伝送経路設計システム2が実施例1の伝送経路設計システム1と異なるところは、未運用の既設パスを再設計デマンドに設定し、新規デマンドおよび再設計デマンドのパスの経路を決定する点にある。
実施例2の伝送経路設計システム2は、端末装置10と、ネットワーク管理装置300と、伝送経路設計装置400とを有する。端末装置10、ネットワーク管理装置300および伝送経路設計装置400の間は、ネットワークN1を介して相互に通信可能に接続される。ネットワーク管理装置300は、ネットワークN2のリソースを管理する。
ネットワーク管理装置300は、ネットワーク管理装置100と比べ、生成部132に代えて、生成部332を有する点が異なる。また、伝送経路設計装置400は、伝送経路設計装置200と比べ、取得部231、抽出部232および決定部233に代えて、取得部431、抽出部432および決定部433を有する点が異なる。
ネットワーク管理装置300の生成部332は、受付部131から新規デマンドが入力されると、NWデータ記憶部121を参照して、中間データを生成する。生成部332は、複数の新規デマンド全体の開始および終了日時の期間RT1に対応する既設パスを、NWデータ記憶部121から取得する。すなわち、生成部332は、全新規デマンドの先頭と末尾の日時に対応する既設パスを、NWデータ記憶部121から取得する。生成部332は、取得した既設パスのうち、未運用の既設パスを再設計デマンドに設定する。なお、生成部332は、未運用の既設パスのうち任意の既設パスを再設計デマンドに設定せず、既設パスとして扱うようにしてもよい。生成部332は、全新規デマンドおよび再設計デマンドの先頭と末尾の日時で区切られた期間をスロットに分割する。
生成部332は、分割した各スロットについて、再設計デマンドに設定していない既設パス、つまり運用中のパスの経路の各リンクにおける最大負荷量を算出する。生成部332は、各スロットにおける各リンクの最大負荷量を算出すると、算出結果を中間データとして中間データ記憶部122に記憶する。また、生成部332は、NWデータ記憶部121を参照して、ネットワークトポロジおよび各リンク帯域を示すネットワーク情報を生成する。生成部332は、新規デマンドおよび再設計デマンドと、中間データと、ネットワーク情報とを、第1通信部110およびネットワークN1を介して伝送経路設計装置400に送信する。
伝送経路設計装置400の取得部431は、ネットワークN1および通信部210を介して、ネットワーク管理装置300から新規デマンド、再設計デマンド、中間データおよびネットワーク情報を取得する。取得部431は、取得した中間データを中間データ記憶部221に記憶する。また、取得部431は、取得した新規デマンド、再設計デマンドおよびネットワーク情報を抽出部432に出力する。
抽出部432は、取得部431から新規デマンド、再設計デマンドおよびネットワーク情報が入力されると、ネットワーク情報に基づいて、新規デマンドおよび再設計デマンドの経路候補を抽出する。抽出部432は、例えば、複数の新規デマンドおよび再設計デマンドがある場合に、それぞれの新規デマンドおよび再設計デマンドに対する経路候補を抽出し、さらに、抽出した経路候補の組み合わせパターンを抽出する。抽出部432は、抽出した経路候補の組み合わせパターンを決定部433に出力する。また、抽出部432は、決定部433から新規デマンドおよび再設計デマンドの経路候補を再度抽出するように指示されると、例えば、抽出条件を変更して経路候補の組み合わせパターンを抽出し、決定部433に出力する。
決定部433は、抽出部432から経路候補の組み合わせパターンが入力されると、中間データ記憶部221を参照して、組み合わせパターンごとに、各経路候補と中間データとに基づいて、各リンクの帯域超過の有無をチェックする。すなわち、決定部433は、ネットワークN2の各リンクについて、組み合わせパターンごとに、帯域超過無しの経路候補があるか否かを判定する。
決定部433は、帯域超過無しの経路候補がない場合には、抽出部432に対して、例えば、新規デマンドおよび再設計デマンドの経路候補の抽出条件を変更して再度抽出するように指示する。決定部433は、帯域超過無しの経路候補がある場合には、帯域超過無しの経路候補から、ネットワークN2に配信するパスの経路を決定する。決定部433は、決定したパスの経路をパスの経路情報として通信部210およびネットワークN1を介してネットワーク管理装置300に送信する。なお、決定部433は、帯域超過無しの経路候補が複数ある場合には、実施例1と同様にパスの経路を決定できる。
次に、実施例2の伝送経路設計システム2の動作について説明する。図13は、実施例2の伝送経路設計処理の一例を示すフローチャートである。
ネットワーク管理装置300の受付部131は、ネットワークN1および第1通信部110を介して、端末装置10から新規デマンドを受け付ける(ステップS1)。受付部131は、受け付けた新規デマンドを生成部332に出力する。生成部332は、全新規デマンドの先頭と末尾の日時に対応する既設パスを取得する(ステップS2)。生成部332は、取得した既設パスのうち、未運用の既設パスを再設計デマンドに設定する(ステップS21)。
生成部332は、全新規デマンドおよび再設計デマンドの先頭と末尾の日時で区切られた期間をスロットに分割する(ステップS22)。生成部332は、分割した各スロットについて、再設計デマンドに設定していない既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量を算出する。生成部332は、各スロットにおける各リンクの最大負荷量を算出すると、算出結果を中間データとして中間データ記憶部122に記憶する。すなわち、生成部132は、算出結果から中間データを生成する(ステップS4)。また、生成部332は、NWデータ記憶部121を参照して、ネットワークトポロジおよび各リンク帯域を示すネットワーク情報を生成する。生成部332は、新規デマンドおよび再設計デマンドと、中間データと、ネットワーク情報とを、第1通信部110およびネットワークN1を介して伝送経路設計装置400に送信する(ステップS23)。
伝送経路設計装置400の取得部431は、ネットワークN1および通信部210を介して、ネットワーク管理装置300から新規デマンド、再設計デマンド、中間データおよびネットワーク情報を取得する。取得部431は、取得した中間データを中間データ記憶部221に記憶する。また、取得部431は、取得した新規デマンド、再設計デマンドおよびネットワーク情報を抽出部432に出力する。
抽出部432は、取得部431から新規デマンド、再設計デマンドおよびネットワーク情報が入力されると、ネットワーク情報に基づいて、新規デマンドおよび再設計デマンドの経路候補を抽出する(ステップS24)。抽出部432は、抽出した経路候補の組み合わせパターンを決定部433に出力する。
決定部433は、抽出部432から経路候補の組み合わせパターンが入力されると、中間データ記憶部221を参照して、組み合わせパターンごとに、各経路候補と中間データとに基づいて、各リンクの帯域超過の有無をチェックする(ステップS25)。決定部433は、チェックの結果、帯域超過無しの経路候補があるか否かを判定する(ステップS26)。決定部433は、帯域超過無しの経路候補がない場合には(ステップS26:否定)、ステップS24に戻り、抽出部432に対して、新規デマンドおよび再設計デマンドの経路候補を再度抽出するように指示する。
決定部433は、帯域超過無しの経路候補がある場合には(ステップS26:肯定)、帯域超過無しの経路候補から、ネットワークN2に配信するパスの経路を決定する(ステップS27)。決定部433は、決定したパスの経路をパスの経路情報として通信部210およびネットワークN1を介してネットワーク管理装置300に送信する(ステップS10)。
ネットワーク管理装置300の配信部133は、ネットワークN1および第1通信部110を介して伝送経路設計装置400からパスの経路情報を受信する。配信部133は、受信したパスの経路情報に基づいてNWデータ記憶部121を更新する。また、配信部133は、受信したパスの経路情報をネットワークN2に配信する(ステップS11)。これにより、伝送経路設計システム2は、既設パスのうち未運用の既設パスを再設計デマンドとして新規デマンドとともに経路を割り当てるので、より効率的に帯域割り当てを行うことができる。
このように、伝送経路設計装置400は、中間データと、新規デマンドおよび再設計デマンドとをネットワーク管理装置300から受信する。中間データは、スロットごとのネットワークの各リンクの最大負荷量が算出されて生成される。各リンクにおける最大負荷量は、スロットごとに運用中の既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量が算出される。スロットは、ネットワーク管理装置300が未運用の既設パスを再設計デマンドに設定し、新規デマンドおよび再設計デマンド全体の開始および終了日時の期間がスロットに分割される。また、伝送経路設計装置400は、受信した中間データと、新規デマンドおよび再設計デマンドとに基づいて、新規デマンドおよび再設計デマンドのパスに割り当てる経路を決定する。その結果、より効率的に帯域割り当てを行うことができる。
また、上記実施例1では、新規デマンド、中間データおよびネットワーク情報から、経路候補の組み合わせパターンごとに各リンクの帯域超過の有無をチェックしてネットワークN2に配信するパスの経路を決定したが、これに限定されない。例えば、新規デマンド、中間データおよびネットワーク情報に基づいて、数理計画問題を用いてネットワークN2に配信するパスの経路を決定してもよく、この場合の実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
図14は、実施例3の伝送経路設計システムの構成の一例を示すブロック図である。なお、実施例1の伝送経路設計システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成および動作の説明については省略する。実施例3の伝送経路設計システム3が実施例1の伝送経路設計システム1と異なるところは、パスの経路を数理計画問題を用いて決定する点にある。
実施例3の伝送経路設計システム3は、端末装置10と、ネットワーク管理装置100と、伝送経路設計装置500とを有する。端末装置10、ネットワーク管理装置100および伝送経路設計装置500の間は、ネットワークN1を介して相互に通信可能に接続される。ネットワーク管理装置100は、ネットワークN2のリソースを管理する。
伝送経路設計装置500は、伝送経路設計装置200と比べ、制御部230に代えて、制御部530を有する点が異なる。制御部530は、制御部230と比べ、抽出部232を有せず、決定部233に代えて決定部533を有する点が異なる。また、制御部530の取得部231は、取得した新規デマンドおよびネットワーク情報を決定部533に出力する点が異なる。
決定部533は、取得部231から新規デマンドおよびネットワーク情報が入力されると、中間データ記憶部221を参照して、数理計画問題を用いてネットワークN2に配信するパスの経路を決定する。図15は、既設パスの予約と新規デマンドとの関係の他の一例を示す図である。図15の例では、決定部533は、既設パスP11〜P15が予約されているネットワークN2に対して、新規デマンドD11〜D13のパスの経路を決定する。
決定部533は、新規デマンドD11の開始日時と、新規デマンドD12の終了日時との期間RT2を、新規デマンドD11〜D13の開始または終了日時で区切られた期間、つまりスロットに分割する。すなわち、決定部533は、全新規デマンドの先頭と末尾の日時で区切られた期間RT2をスロットτ1〜τ5に分割する。ここで、スロットτ1は、新規デマンドD11の開始日時と新規デマンドD12の開始日時とで区切られた期間であり、スロットτ2は、新規デマンドD12の開始日時と新規デマンドD11の終了日時とで区切られた期間である。また、スロットτ3は、新規デマンドD11の終了日時と新規デマンドD13の開始日時とで区切られた期間であり、スロットτ4は、新規デマンドD13の開始日時と新規デマンドD13の終了日時とで区切られた期間である。また、スロットτ5は、新規デマンドD13の終了日時と新規デマンドD12の終了日時とで区切られた期間である。なお、決定部533は、中間データ記憶部221を参照して、各スロットの情報を取得するようにしてもよい。
決定部533は、スロットτ1〜τ5ごとのトラフィック制約条件を生成し、中間データ記憶部221を参照して数理計画法に基づいて経路設計を行う。ここで、数理計画法、すなわち数理計画問題に帰着して解く場合について説明する。まず、入力パラメータについて説明する。B
(s,d)は、新規デマンドの始点(s)終点(d)間の要求帯域を示し、単位はbpsである。E
mは、ノードmの電力特性を示し、単位はW/bpsである。RD
(s,d)は、新規デマンドの始点(s)終点(d)間の要求遅延を示し、単位はmsである。f()は、遅延推定関数を示し、例えば、実施例1の式(1)に示す関数を用いることができる。
[文字1]
は、スロットτ内の(m,n)リンクに対する最大トラフィック量を示し、単位はbpsである。なお、m,nは、リンクの両端のノードを示す。
次に、図16を用いて新規デマンドごとの変数定義について説明する。図16は、新規デマンドごとの変数定義の一例を示す図である。図16の例は、新規デマンドD(A)および新規デマンドD(B)を、ノードM11〜M14およびリンクL11〜L14を有するネットワークに割り当てる場合である。新規デマンドD(A)は、始点ノードがM11、終点ノードがM13であり、ノードM11からM13までの要求帯域が10Gbpsであるとする。新規デマンドD(B)は、始点ノードがM12、終点ノードがM14であり、ノードM12からM14までの要求帯域が5Gbpsであるとする。
ここで、図16では、新規デマンドが各ノードM11〜M14を経由するか否かを、下記の式(12)で示す。また、図16では、新規デマンドが各リンクL11〜L14のそれぞれの間のリンクを利用するか否かを、下記の式(13)で示す。また、スロットτ内でのリンク負荷最大値Trτは、下記の式(14)で示す条件とする。同様に、設計対象区間、つまり新規デマンドの始終点間でのリンク負荷最大値Trは、下記の式(15)で示す条件とする。さらに、スロットτ内での遅延比率最大値Dτは、下記の式(16)で示す条件とする。同様に、設計対象区間、つまり新規デマンドの始終点間での遅延比率最大値Dは、下記の式(17)の条件とする。
図16の例では、新規デマンドD(A)の変数定義は、例えば、ノードM11〜M14は、それぞれ、定義M11A,M12A,M13A,M14Aで表すことができる。また、例えば、リンクL11〜L14は、それぞれ、定義L11A,L12A,L13A,L14Aで表すことができる。同様に、新規デマンドD(B)の変数定義は、例えば、ノードM11〜M14は、それぞれ、定義M11B,M12B,M13B,M14Bで表すことができる。また、例えば、リンクL11〜L14は、それぞれ、定義L11B,L12B,L13B,L14Bで表すことができる。
決定部533は、負荷分散ポリシーの目的関数を下記の式(18)とし、消費電力ポリシーの目的関数を下記の式(19)とし、遅延最小化ポリシーの目的関数を下記の式(20)とする。
決定部533は、経路生成制約の制約条件を下記の式(21)〜(23)とし、スロットτごと最大利用帯域の制約条件を下記の式(24)とし、ネットワーク全体の最大トラフィック量の制約条件を下記の式(25)とする。なお、TrτおよびTrは、中間データに基づいて算出できる。また、決定部533は、スロットτごとの最大遅延比率の制約条件を下記の式(26)とし、最大遅延比率の制約条件を下記の式(27)とする。
決定部533は、これらの条件のもとに数理計画問題を解くことで、複数の新規デマンドに対して、指定したポリシーを最適化する経路解を一意に導出することができる。決定部533は、導出した経路解をパスの経路に決定する。決定部533は、決定したパスの経路をパスの経路情報として通信部210およびネットワークN1を介してネットワーク管理装置100に送信する。
次に、実施例3の伝送経路設計システム3の動作について説明する。図17は、実施例3の伝送経路設計処理の一例を示すフローチャートである。
ネットワーク管理装置100の受付部131は、ネットワークN1および第1通信部110を介して、端末装置10から新規デマンドを受け付ける(ステップS1)。受付部131は、受け付けた新規デマンドを生成部132に出力する。生成部132は、全新規デマンドの先頭と末尾の日時に対応する既設パスを取得する(ステップS2)。生成部132は、新規デマンドが入力されると、全新規デマンドの先頭と末尾の日時で区切られた期間を時間軸でのスロットに分割する(ステップS3)。
生成部132は、スロットごとに既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量を算出する。生成部132は、スロットごとの既設パスの経路の各リンクの最大負荷量を算出すると、算出結果を中間データとして中間データ記憶部122に記憶する。すなわち、生成部132は、算出結果から中間データを生成する(ステップS4)。また、生成部132は、NWデータ記憶部121を参照して、ネットワークトポロジおよび各リンク帯域を示すネットワーク情報を生成する。生成部132は、新規デマンドと、中間データと、ネットワーク情報とを、第1通信部110およびネットワークN1を介して伝送経路設計装置500に送信する(ステップS5)。
伝送経路設計装置500の取得部231は、ネットワークN1および通信部210を介して、ネットワーク管理装置100から新規デマンド、中間データおよびネットワーク情報を取得する。取得部231は、取得した中間データを中間データ記憶部221に記憶する。また、取得部231は、取得した新規デマンドおよびネットワーク情報を決定部533に出力する。
決定部533は、取得部231から新規デマンドおよびネットワーク情報が入力されると、中間データ記憶部221を参照して、数理計画問題を用いてネットワークN2に配信するパスの経路を決定する(ステップS31)。決定部533は、決定したパスの経路をパスの経路情報として通信部210およびネットワークN1を介してネットワーク管理装置100に送信する(ステップS10)。
ネットワーク管理装置100の配信部133は、ネットワークN1および第1通信部110を介して伝送経路設計装置500からパスの経路情報を受信する。配信部133は、受信したパスの経路情報に基づいてNWデータ記憶部121を更新する。また、配信部133は、受信したパスの経路情報をネットワークN2に配信する(ステップS11)。これにより、伝送経路設計システム3は、数理計画問題を解くことで指定したポリシーを最適化する経路解を一意に導出することができるので、新規デマンドに対応する新規パスに対して効率的に帯域割り当てを行うことができる。
このように、伝送経路設計装置500は、新規デマンドのパスに割り当てる経路を、数理計画問題を解くことにより決定する。その結果、指定されたポリシーに応じて効率的に帯域割り当てを行うことができる。
また、上記実施例1〜3では、ネットワークN2に統計多重化、例えばパケット通信を行うネットワークを用いたが、これに限定されない。例えば、時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)ネットワークを用いてもよく、この場合の実施の形態につき、実施例4として以下に説明する。
図18は、実施例4の伝送経路設計システムの構成の一例を示すブロック図である。なお、実施例1の伝送経路設計システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成および動作の説明については省略する。実施例4の伝送経路設計システム4が実施例1の伝送経路設計システム1と異なるところは、TDMネットワークに対して適用する点にある。
実施例4の伝送経路設計システム4は、端末装置10と、ネットワーク管理装置600と、伝送経路設計装置700とを有する。端末装置10、ネットワーク管理装置600および伝送経路設計装置700の間は、ネットワークN1を介して相互に通信可能に接続される。ネットワーク管理装置600は、ネットワークN3のリソースを管理する。ここで、ネットワークN3は、例えば、TDMネットワークである。
ネットワーク管理装置600は、ネットワーク管理装置100と比べ、第2通信部111、生成部132および配信部133に代えて、第2通信部611、生成部632および配信部633を有する点が異なる。また、ネットワーク管理装置600は、ネットワーク管理装置100と比べ、NWデータ記憶部121および中間データ記憶部122に代えて、NWデータ記憶部621および中間データ記憶部622を有する点が異なる。
伝送経路設計装置700は、伝送経路設計装置200と比べ、抽出部232および決定部233に代えて、抽出部732および決定部733を有する点が異なる。また、伝送経路設計装置700は、伝送経路設計装置200と比べ、中間データ記憶部221に代えて、中間データ記憶部721を有する点が異なる。
ネットワーク管理装置600の第2通信部611は、例えば、NIC等によって実現される。第2通信部611は、ネットワークN3の図示しない各ノードと有線または無線で接続され、ネットワークN3の各ノードとの間で情報の通信を司る通信インタフェースである。第2通信部611は、各ノードの情報等を受信し、受信した各ノードの情報を制御部130に出力する。また、第2通信部611は、制御部130から入力されたパスの経路情報をネットワークN3の各ノードに送信する。
NWデータ記憶部621は、ネットワークN3のリソースの利用状態を記憶する。NWデータ記憶部621は、実施例1のNWデータ記憶部121と同様の構成であるが、ネットワークN3のTDMの時間が等分された時間スロットの情報も記憶する。なお、以下の説明では、TDMの時間スロットと区別するために、実施例1〜3のスロットに対応する新規デマンドの期間を分割したスロットを設計区間スロットと表す。
中間データ記憶部622は、TDMの時間スロットを連続して利用可能な数を表す中間データを記憶する。すなわち、中間データ記憶部622は、新規デマンド全体の開始および終了日時の期間を分割した設計区間スロットごとに、各リンクの時間スロットを連続して使用可能な空き容量(帯域)の数を記憶する。時間スロットを連続して利用可能な数は、例えば、設計区間スロットを24時間とした場合に、24時間連続して使用できる分割された帯域の数となる。ここで、例えば、リンクの全帯域は、2.4Gbpsであり、50Mbpsごとに分割された帯域が1番から48番まで48個あるとする。このとき、時間スロットを連続して利用可能な数、すなわち、0〜24時間まで連続して空いている帯域の数は、例えば、既存パスにより0〜3時間までは1〜21番までの21個が割り当て済、20〜24時間までは40〜48番までの9個が割り当て済であるとすると、22〜39番の18個となる。つまり、TDMの時間スロットを連続して利用可能な数は18個となり、24時間連続して使用できる帯域は、900Mbpsとなる。
生成部632は、受付部131から新規デマンドが入力されると、NWデータ記憶部621を参照して、中間データを生成する。生成部632は、全新規デマンドの先頭と末尾の日時に対応する既設パスを、NWデータ記憶部621から取得する。生成部632は、NWデータ記憶部621を参照して、全新規デマンドの先頭と末尾の日時で区切られた期間において、TDMの時間スロットを連続して利用可能な数を表す中間データを生成する。生成部632は、生成した中間データを中間データ記憶部622に記憶する。また、生成部632は、NWデータ記憶部621を参照して、ネットワークトポロジおよび各リンクの時間スロットを示すネットワーク情報を生成する。生成部632は、新規デマンドと、中間データと、ネットワーク情報とを、第1通信部110およびネットワークN1を介して伝送経路設計装置700に送信する。
配信部633は、ネットワークN1および第1通信部110を介して伝送経路設計装置700からパスの経路情報を受信する。配信部633は、受信したパスの経路情報に基づいてNWデータ記憶部621を更新する。また、配信部633は、受信したパスの経路情報を第2通信部611を介してネットワークN3の各ノードに送信することで、ネットワークN3にパスの経路情報を配信する。
伝送経路設計装置700の中間データ記憶部721は、ネットワーク管理装置600から受信した中間データを記憶する。なお、中間データ記憶部721の構成は、ネットワーク管理装置600の中間データ記憶部622と同一であるので、その説明を省略する。
抽出部732は、取得部231から新規デマンドおよびネットワーク情報が入力されると、ネットワーク情報に基づいて、新規デマンドの経路候補を抽出する。抽出部732は、例えば、複数の新規デマンドがある場合に、それぞれの新規デマンドに対する経路候補を抽出し、さらに、抽出した経路候補の組み合わせパターンを抽出する。抽出部732は、抽出した経路候補の組み合わせパターンを決定部733に出力する。また、抽出部732は、決定部733から新規デマンドの経路候補を再度抽出するように指示されると、例えば、抽出条件を変更して経路候補の組み合わせパターンを抽出し、決定部733に出力する。
決定部733は、抽出部732から経路候補の組み合わせパターンが入力されると、中間データ記憶部721を参照して、組み合わせパターンごとに、各経路候補と中間データとに基づいて、各リンクの時間スロットに経路候補が収まるか否かをチェックする。すなわち、決定部733は、ネットワークN3の各リンクについて、組み合わせパターンごとに、各リンクの時間スロットに収まる経路候補があるか否かを判定する。
決定部733は、各リンクの時間スロットに収まる経路候補がない場合には、抽出部732に対して、例えば、新規デマンドの経路候補の抽出条件を変更して再度抽出するように指示する。決定部733は、各リンクの時間スロットに収まる経路候補がある場合には、各リンクの時間スロットに収まる経路候補から、ネットワークN3に配信するパスの経路を決定する。なお、決定部733は、例えば、実施例1と同様に、負荷分散ポリシー、省電力ポリシーおよび最小遅延ポリシーを満たす経路候補を、ネットワークN3に配信するパスの経路に決定する。決定部733は、決定したパスの経路をパスの経路情報として通信部210およびネットワークN1を介してネットワーク管理装置600に送信する。
次に、実施例4の伝送経路設計システム4の動作について説明する。図19は、実施例4の伝送経路設計処理の一例を示すフローチャートである。
ネットワーク管理装置600の受付部131は、ネットワークN1および第1通信部110を介して、端末装置10から新規デマンドを受け付ける(ステップS1)。受付部131は、受け付けた新規デマンドを生成部632に出力する。生成部632は、全新規デマンドの先頭と末尾の日時に対応する既設パスを取得する(ステップS2)。生成部632は、新規デマンドが入力されると、全新規デマンドの先頭と末尾の日時で区切られた期間において、TDMの時間スロットを連続して利用可能な数を表す中間データを生成する(ステップS41)。
生成部632は、生成した中間データを中間データ記憶部622に記憶する。また、生成部632は、NWデータ記憶部621を参照して、ネットワークトポロジおよび各リンクの時間スロットを示すネットワーク情報を生成する。生成部632は、新規デマンドと、中間データと、ネットワーク情報とを、第1通信部110およびネットワークN1を介して伝送経路設計装置700に送信する(ステップS42)。
伝送経路設計装置700の取得部231は、ネットワークN1および通信部210を介して、ネットワーク管理装置600から新規デマンド、中間データおよびネットワーク情報を取得する。取得部231は、取得した中間データを中間データ記憶部721に記憶する。また、取得部231は、取得した新規デマンドおよびネットワーク情報を抽出部732に出力する。
抽出部732は、取得部231から新規デマンドおよびネットワーク情報が入力されると、ネットワーク情報に基づいて、新規デマンドの経路候補を抽出する(ステップS43)。抽出部732は、抽出した経路候補の組み合わせパターンを決定部733に出力する。
決定部733は、抽出部732から経路候補の組み合わせパターンが入力される。決定部733は、中間データ記憶部721を参照して、組み合わせパターンごとに、各経路候補と中間データとに基づいて、各リンクの時間スロットに経路候補が収まるか否かをチェックする(ステップS44)。決定部733は、チェックの結果、各リンクの時間スロットに収まる経路候補があるか否かを判定する(ステップS45)。決定部733は、各リンクの時間スロットに収まる経路候補がない場合には(ステップS45:否定)、ステップS43に戻り、抽出部732に対して、新規デマンドの経路候補を再度抽出するように指示する。
決定部733は、各リンクの時間スロットに収まる経路候補がある場合には(ステップS45:肯定)、各リンクの時間スロットに収まる経路候補から、ネットワークN3に配信するパスの経路を決定する(ステップS46)。決定部733は、決定したパスの経路をパスの経路情報として通信部210およびネットワークN1を介してネットワーク管理装置600に送信する(ステップS10)。
ネットワーク管理装置600の配信部633は、ネットワークN1および第1通信部110を介して伝送経路設計装置700からパスの経路情報を受信する。配信部633は、受信したパスの経路情報に基づいてNWデータ記憶部621を更新する。また、配信部633は、受信したパスの経路情報をネットワークN3に配信する(ステップS11)。これにより、伝送経路設計システム4は、各リンクの時間スロットの空き状況を考慮して新規パスの経路を決定するので、TDMネットワークの新規デマンドに対応する新規パスに対して、効率的に帯域割り当てを行うことができる。
このように、伝送経路設計装置700は、中間データと、新規デマンドとをネットワーク管理装置600から受信する。ネットワーク管理装置600は、開始および終了日時を有するパスの経路要求として新規デマンドを受け付ける。中間データは、受け付けられた新規デマンド全体の開始および終了日時の期間において、TDMの時間が等分された時間スロットを連続して利用可能な数が算出されて生成される。また、伝送経路設計装置700は、受信した中間データと、新規デマンドとに基づいて、新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する。その結果、TDMネットワークの新規デマンドに対応する新規パスに対して、効率的に帯域割り当てを行うことができる。
なお、上記実施例1〜3では、予約済の利用帯域や利用率を用いて中間データを生成したが、これに限定されない。例えば、各リンクの残り帯域や残りの利用率を用いて中間データを生成してもよい。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、抽出部232と、決定部233とを統合してもよい。
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図20は、伝送経路設計プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
図20が示すように、コンピュータ800は、各種演算処理を実行するCPU801と、データ入力を受け付ける入力装置802と、モニタ803とを有する。また、コンピュータ800は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置804と、各種装置と接続するためのインタフェース装置805と、他の情報処理装置等と有線または無線により接続するための通信装置806とを有する。また、コンピュータ800は、各種情報を一時記憶するRAM807と、ハードディスク装置808とを有する。また、各装置801〜808は、バス809に接続される。
ハードディスク装置808には、図1に示した取得部231、抽出部232および決定部233の各処理部と同様の機能を有する伝送経路設計プログラムが記憶される。また、ハードディスク装置808には、中間データ記憶部221、および、伝送経路設計プログラムを実現するための各種データが記憶される。入力装置802は、例えば、コンピュータ800の管理者から管理情報等の各種情報の入力を受け付ける。モニタ803は、例えば、コンピュータ800の管理者に対して管理情報の画面や各種画面を表示する。インタフェース装置805は、例えば、印刷装置等が接続される。通信装置806は、例えば、図1に示した通信部210と同様の機能を有しネットワークN1と接続され、端末装置10、ネットワーク管理装置100や他の装置と各種情報をやりとりする。
CPU801は、ハードディスク装置808に記憶された各プログラムを読み出して、RAM807に展開して実行することで、各種の処理を行う。また、これらのプログラムは、コンピュータ800を図1に示した取得部231、抽出部232および決定部233として機能させることができる。
なお、上記の伝送経路設計プログラムは、必ずしもハードディスク装置808に記憶されている必要はない。例えば、コンピュータ800が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラムを、コンピュータ800が読み出して実行するようにしてもよい。コンピュータ800が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD−ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこの伝送経路設計プログラムを記憶させておき、コンピュータ800がこれらから伝送経路設計プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)開始および終了日時を有するパスの経路要求である新規デマンドの期間における時間軸でのスロットを設定する設定部と、
前記スロットごとの既設パスの最大負荷量を算出する算出部と、
前記最大負荷量に応じて、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する決定部と
を有することを特徴とする伝送経路設計装置。
(付記2)開始および終了日時を有するパスの経路要求である新規デマンドの期間における時間軸で指定されたスロットごとの既設パスの最大負荷量をネットワーク管理装置から受信する通信部と、
受信した前記最大負荷量に応じて、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する決定部と
を有することを特徴とする伝送経路設計装置。
(付記3)前記通信部は、ネットワーク管理装置が前記新規デマンドを受け付けて、受け付けられた前記新規デマンド全体の開始および終了日時の期間が前記スロットに分割され、前記スロットごとに既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量が算出され、前記スロットごとのネットワークの各リンクの最大負荷量が算出されて生成された中間データと、前記新規デマンドとを前記ネットワーク管理装置から受信し、
前記決定部は、受信した前記中間データと、前記新規デマンドとに基づいて、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する
ことを特徴とする付記2に記載の伝送経路設計装置。
(付記4)前記決定部は、前記ネットワークの各リンクの負荷が当該各リンクの帯域を超えないように、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定することを特徴とする付記3に記載の伝送経路設計装置。
(付記5)前記通信部は、複数の前記新規デマンド全体の開始および終了日時の期間を、前記各新規デマンドの開始または終了日時ごとに、前記スロットに分割して生成された中間データを受信することを特徴とする付記3または4に記載の伝送経路設計装置。
(付記6)前記決定部は、前記ネットワークの各リンクの負荷、消費電力および遅延のうち1つ以上の評価値が最小となるように、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定することを特徴とする付記3〜5のいずれか1つに記載の伝送経路設計装置。
(付記7)前記通信部は、前記ネットワーク管理装置が未運用の前記既設パスを再設計デマンドに設定し、前記新規デマンドおよび前記再設計デマンド全体の開始および終了日時の期間がスロットに分割され、前記スロットごとに運用中の前記既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量が算出され、前記スロットごとの前記ネットワークの各リンクの最大負荷量が算出されて生成された中間データと、前記新規デマンドおよび前記再設計デマンドとを前記ネットワーク管理装置から受信し、
前記決定部は、前記中間データと、前記新規デマンドおよび前記再設計デマンドとに基づいて、前記新規デマンドおよび前記再設計デマンドのパスに割り当てる経路を決定することを特徴とする付記3に記載の伝送経路設計装置。
(付記8)前記決定部は、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を、数理計画問題を解くことにより決定することを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載の伝送経路設計装置。
(付記9)開始および終了日時を有するパスの経路要求である新規デマンドの期間における時間軸でのスロットを指定し、
前記スロットごとの既設パスの最大負荷量を算出し、
前記最大負荷量に応じて、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする伝送経路設計方法。
(付記10)開始および終了日時を有するパスの経路要求である新規デマンドの期間における時間軸で指定されたスロットごとの既設パスの最大負荷量をネットワーク管理装置から受信し、
受信した前記最大負荷量に応じて、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする伝送経路設計方法。
(付記11)前記受信する処理は、ネットワーク管理装置が前記新規デマンドを受け付けて、受け付けられた前記新規デマンド全体の開始および終了日時の期間が前記スロットに分割され、前記スロットごとに既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量が算出され、前記スロットごとのネットワークの各リンクの最大負荷量が算出されて生成された中間データと、前記新規デマンドとを前記ネットワーク管理装置から受信し、
前記決定する処理は、受信した前記中間データと、前記新規デマンドとに基づいて、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする付記10に記載の伝送経路設計方法。
(付記12)前記決定する処理は、前記ネットワークの各リンクの負荷が当該各リンクの帯域を超えないように、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定することを特徴とする付記11に記載の伝送経路設計方法。
(付記13)前記受信する処理は、複数の前記新規デマンド全体の開始および終了日時の期間を、前記各新規デマンドの開始または終了日時ごとに、前記スロットに分割して生成された中間データを受信することを特徴とする付記11または12に記載の伝送経路設計方法。
(付記14)前記決定する処理は、前記ネットワークの各リンクの負荷、消費電力および遅延のうち1つ以上の評価値が最小となるように、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定することを特徴とする付記11〜13のいずれか1つに記載の伝送経路設計方法。
(付記15)前記受信する処理は、前記ネットワーク管理装置が未運用の前記既設パスを再設計デマンドに設定し、前記新規デマンドおよび前記再設計デマンド全体の開始および終了日時の期間がスロットに分割され、前記スロットごとに運用中の前記既設パスの経路の各リンクにおける最大負荷量が算出され、前記スロットごとの前記ネットワークの各リンクの最大負荷量が算出されて生成された中間データと、前記新規デマンドおよび前記再設計デマンドとを前記ネットワーク管理装置から受信し、
前記決定する処理は、前記中間データと、前記新規デマンドおよび前記再設計デマンドとに基づいて、前記新規デマンドおよび前記再設計デマンドのパスに割り当てる経路を決定することを特徴とする付記11に記載の伝送経路設計方法。
(付記16)前記決定する処理は、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を、数理計画問題を解くことにより決定することを特徴とする付記9〜11のいずれか1つに記載の伝送経路設計方法。
(付記17)ネットワーク管理装置が開始および終了日時を有するパスの経路要求である新規デマンドを受け付けて、受け付けられた前記新規デマンド全体の開始および終了日時の期間において、TDMの時間が等分された時間スロットを連続して利用可能な数が算出されて生成された中間データと、前記新規デマンドとを前記ネットワーク管理装置から受信し、
受信した前記中間データと、前記新規デマンドとに基づいて、前記新規デマンドのパスに割り当てる経路を決定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする伝送経路設計方法。