JP2016111196A - 超伝導高周波装置 - Google Patents

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熊本 剛
Takeshi Kumamoto
剛 熊本
充良 篠永
Mitsuyoshi Shinonaga
充良 篠永
山崎 六月
Mutsuki Yamazaki
六月 山崎
浩平 中山
Kohei Nakayama
浩平 中山
教次 塩川
Noritsugu Shiokawa
教次 塩川
民雄 河口
Tamio Kawaguchi
民雄 河口
裕章 池内
Hiroaki Ikeuchi
裕章 池内
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Abstract

【課題】冷却能力の増大を抑制して所望の性能を確保することができる超伝導高周波装置を提供することである。【解決手段】実施形態の超伝導高周波装置は、超伝導素子と、冷却装置と、容器と、部材とを持つ。超伝導素子は、少なくとも超伝導体により形成される高周波回路を備える。冷却装置は、超電導素子を冷却する。容器は、超電導素子を収容して気密状態になる。部材は、容器の内部において、導電性材料から形成されて超電導素子に接続される複数の薄膜配線を有する。部材は、容器の内部において、容器の内面から超電導素子への熱輻射を抑制する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、超伝導高周波装置に関する。
従来、超伝導フィルタおよび移相器などの高周波回路と低雑音増幅器とを組み合わせた超伝導素子を断熱容器内に収容する超伝導高周波装置がある。この超伝導高周波装置においては、断熱容器外の電源から低雑音増幅器にバイアス電圧を印加するために、低雑音増幅器のコネクタと断熱容器に取り付けられるコネクタとが接続される。しかしながら低雑音増幅器のコネクタと断熱容器のコネクタとをケーブルによって接続すると、断熱容器内でのケーブル取り回し作業が煩雑になる可能性があった。さらに、所望の作業性を確保するため必要なケーブルの太さに起因して、外部から断熱容器内への熱伝達が増大する可能性があった。
特開2007−295522号公報
本発明が解決しようとする課題は、冷却能力の増大を抑制して所望の性能を確保することができる超伝導高周波装置を提供することである。
実施形態の超伝導高周波装置は、超伝導素子と、冷却装置と、容器と、部材とを持つ。超伝導素子は、少なくとも超伝導体により形成される高周波回路を備える。冷却装置は、超電導素子を冷却する。容器は、超電導素子を収容して気密状態になる。部材は、容器の内部において、導電性材料から形成されて超電導素子に接続される複数の薄膜配線を有する。部材は、容器の内部において、容器の内面から超電導素子への熱輻射を抑制する。
実施形態の超伝導高周波装置の構成を模式的に示す断面図。 実施形態の超伝導高周波装置の配線基板を示す平面図。 実施形態の第1の変形例の超伝導高周波装置の構成を模式的に示す断面図。 実施形態の第2の変形例の超伝導高周波装置の配線基板を示す平面図。 実施形態の第3の変形例の超伝導高周波装置の第1配線基板を示す平面図。 実施形態の第3の変形例の超伝導高周波装置の第2配線基板を示す平面図。 実施形態の第3の変形例の超伝導高周波装置の第1配線基板および第2配線基板を示す断面図。 実施形態の第4の変形例の超伝導高周波装置の第1配線基板および第2配線基板を示す断面図。 実施形態の第5の変形例の超伝導高周波装置の構成を模式的に示す平面図。 実施形態の第5の変形例の超伝導高周波装置の入力配線基板を示す平面図。 実施形態の第5の変形例の超伝導高周波装置の出力配線基板を示す平面図。 実施形態の第5の変形例の超伝導高周波装置の一部の構成を模式的に示す短辺方向に対する断面図。 実施形態の第5の変形例の超伝導高周波装置の一部の構成を模式的に示す長辺方向に対する断面図。 実施形態の第6の変形例の超伝導高周波装置の一部の構成を模式的に示す長辺方向に対する断面図。 実施形態の第7の変形例の超伝導高周波装置を模式的に示す断面図。 実施形態の第7の変形例の超伝導高周波装置の制御配線基板を示す平面図。
以下、実施形態の超伝導高周波装置を、図面を参照して説明する。
実施形態の超伝導高周波装置10は、図1に示すように、気密容器11と、複数の超伝導素子12と、入力コネクタ13と、出力コネクタ14と、冷却板15と、コールドヘッド16と、冷凍機17と、配線基板18と、基板固定治具19と、接続ピン20と、電源コネクタ21と、輻射遮蔽板22と、を備えている。
気密容器11は、例えばポンプ(図示略)による排気などによって内部を真空断熱状態に密封する真空容器などである。気密容器11は、例えばステンレス鋼などの金属材料により形成されている。
複数の超伝導素子12の各々は、基材31と、超伝導フィルタ32および低雑音増幅器33(LNA:Low Noise Amplifier)などの高周波回路と、を備えている。
基材31は、銅などの熱伝導率が高い導電性材料により形成されている。
超伝導フィルタ32は、基材31に実装されている。超伝導フィルタ32は、少なくとも超伝導体により形成された帯域通過(バンドパス)フィルタである。超伝導フィルタ32の入力端(図示略)は、入力ケーブル13aによって入力コネクタ13に接続されている。入力コネクタ13は、気密性を保持しながら気密容器11の壁部を貫通して取り付けられている。入力コネクタ13には、気密容器11の外部から高周波信号が入力される。超伝導フィルタ32は、入力端に入力される高周波信号の所定周波数帯域成分を通過させる帯域通過動作を行ない、所定周波数帯域成分の信号を出力端(図示略)から出力する。
低雑音増幅器33は、基材31に実装されている。低雑音増幅器33の入力端(図示略)は、超伝導フィルタ32の出力端に接続されている。低雑音増幅器33は、超伝導フィルタ32から出力される信号を低雑音で増幅し、増幅後の信号を出力端(図示略)から出力する。低雑音増幅器33の出力端は、出力ケーブル14aによって出力コネクタ14に接続されている。出力コネクタ14は、気密性を保持しながら気密容器11の壁部を貫通して取り付けられている。出力コネクタ14は、気密容器11の外部の信号処理系(図示略)に信号を出力する。低雑音増幅器33の正極端子(図示略)および負極端子(図示略)は、基材31に設けられる一対のバイアスコネクタ34に一対のバイアスケーブル34aによって接続されている。
なお、基材31、低雑音増幅器33の接地端(図示略)、および気密容器11は、同電位になるように接地されている。
冷却板15は、相互に所定間隔を置いて冷却板15の表面上に配置される複数の超伝導素子12を超伝導状態に冷却する。冷却板15は、コールドヘッド16に接続されている。コールドヘッド16は、気密性を保持しながら気密容器11の壁部を貫通する連結部16aによって、気密容器11の外部の冷凍機17に接続されている。
配線基板18は、基板固定治具19によって冷却板15に取り付けられている。配線基板18および基板固定治具19は、ガラスエポキシ樹脂などの熱伝導率が低い材料(例えば、熱伝導率が1W/m・K以下の材料など)により形成されている。配線基板18の基板面のうち冷却板15に対向する表面には、銅または金などの所定の導電性材料により形成される薄膜が設けられている。配線基板18の基板面のうち冷却板15に対向する表面の反対側の裏面には、図2に示すように、複数の超伝導素子12の各々に対して一対の正極薄膜配線41および負極薄膜配線42が設けられている。正極薄膜配線41および負極薄膜配線42は、銅または金などの所定の導電性材料により形成されている。所定の導電性材料は、例えば、後述する輻射遮蔽板22を形成する材料(例えば、ステンレス鋼)とは異なる輻射スペクトルを有し、所定波長(例えば、1μmなど)以上の波長を有する光(長波長光)の反射率が輻射遮蔽板22の材料よりも高く、導電性が高い材料である。正極薄膜配線41および負極薄膜配線42は、例えばリソグラフィまたは印刷などによって、配線基板18の基板面の裏面上に設けられている。正極薄膜配線41および負極薄膜配線42の外形は、例えば、所定厚さ(例えば、1μmなど)および所定幅(例えば、2mmなど)を有する線状配線が蛇行する形状に形成されている。正極薄膜配線41および負極薄膜配線42は、配線基板18の基板面における裏面の面積の所定値以上(例えば、80%以上)を覆う。なお、配線基板18は、コールドヘッド16が厚さ方向に貫通する貫通孔または切り欠き(図示略)を備えている。配線基板18の基板面の表面および裏面に設けられる薄膜、並びに正極薄膜配線41および負極薄膜配線42は、貫通孔または切り欠きを避けるように設けられている。
正極薄膜配線41は、配線基板18の基板面の裏面上に設けられる正極素子側接続部41aおよび正極電源側接続部41bに半田などによって接続されている。負極薄膜配線42は、配線基板18の基板面の裏面上に設けられる負極素子側接続部42aおよび負極電源側接続部42bに半田などによって接続されている。正極素子側接続部41aおよび負極素子側接続部42aは、冷却板15および配線基板18を厚さ方向に貫通する一対の接続ピン20によって超伝導素子12の一対のバイアスコネクタ34に接続されている。正極電源側接続部41bおよび負極電源側接続部42bは、配線基板18の基板面における裏面上の端部(例えば、配線基板18の第1方向、例えば長辺方向の端部)に設けられ、冷却板15から所定距離以上離れて配置されている。所定距離は、少なくとも5mm以上であり、より好ましくは1cm以上である。正極電源側接続部41bおよび負極電源側接続部42bは、一対の電源ケーブル21aによって電源コネクタ21に接続されている。電源コネクタ21は、気密性を保持しながら気密容器11の壁部を貫通して取り付けられている。電源コネクタ21には、気密容器11の外部の電源(図示略)から極性が異なる正負のバイアス電圧が印加される。電源コネクタ21の接地端(図示略)は、気密容器11と同電位になるように接地されている。
正極素子側接続部41aおよび正極電源側接続部41bは、配線基板18の第2方向(例えば、短辺方向)の第1領域側に設けられている。負極素子側接続部42aおよび負極電源側接続部42bは、配線基板18の第2方向(例えば、短辺方向)の第2領域側に設けられている。これにより正極薄膜配線41は、配線基板18の短辺方向の中央部から第1領域側において蛇行するように設けられている。負極薄膜配線42は、配線基板18の短辺方向の中央部から第2領域側において蛇行するように設けられている。
なお、図1および図2に示す実施形態において、1つの配線基板18は4個の超伝導素子12に対する4対の正極薄膜配線41および負極薄膜配線42を備えている。これにより超伝導高周波装置10は、4個よりも多い個数の超伝導素子12に対して複数の配線基板18を備える。超伝導高周波装置10は、例えば、16個の超伝導素子12に対して4つの配線基板18を備える。
輻射遮蔽板22は、例えば、ステンレス鋼などの材料により形成される複数枚の板材(図示略)と、複数枚の板材を所定間隔を置いて積層配置するスペーサ(図示略)と、を備えている。複数枚の板材の各々は、鏡面仕上げされた表面を有している。
以上説明した実施形態によれば、気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制する配線基板18に超伝導素子12に接続される正極薄膜配線41および負極薄膜配線42を持つことにより、冷却能力の増大を抑制して所望の性能を確保することができる。超伝導素子12に接続される伝送線として正極薄膜配線41および負極薄膜配線42を持つことにより、伝送線の断面積を必要最低限にすることができ、伝送線からの熱侵入を低減することができる。配線基板18の基板面において蛇行する形状によって配線長が長くされる正極薄膜配線41および負極薄膜配線42を持つことにより、熱侵入を抑制することができる。配線基板18の基板面における被覆率が高くされた正極薄膜配線41および負極薄膜配線42を持つことにより、気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制することができる。配線基板18に気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制する薄膜、並びに正極薄膜配線41および負極薄膜配線42を持つことにより、輻射遮蔽板22が大型化することを抑制し、超伝導高周波装置10を小型化することができる。
以下、第1の変形例について説明する。
上述した実施形態では、配線基板18は、基板固定治具19によって冷却板15に取り付けられているとしたが、これに限定されない。
配線基板18は、図3に示すように、冷却板15に接触してもよい。配線基板18は、基板固定治具19によって気密容器11に取り付けられてもよい。
以下、第2の変形例について説明する。
上述した実施形態では、正極薄膜配線41および負極薄膜配線42の外形は、線状配線が蛇行する形状に形成され、正極薄膜配線41および負極薄膜配線42は、基板面の裏面での被覆率が所定値以上(例えば、80%以上)であるとしたが、これに限定されない。
正極薄膜配線41および負極薄膜配線42の外形は、図4に示すように、直線状に形成されてもよい。配線基板18の基板面の裏面上に所定の導電性材料により形成される接地薄膜配線43を備えてもよい。接地薄膜配線43は、例えばリソグラフィまたは印刷などによって、配線基板18の基板面の裏面上に設けられている。接地薄膜配線43は、配線基板18の短辺方向において正極薄膜配線41および負極薄膜配線42の間に配置されている。正極薄膜配線41および負極薄膜配線42、並びに接地薄膜配線43は、配線基板18の基板面における裏面での被覆率が所定値以上(例えば、80%以上)である。
第2の変形例によれば、正極薄膜配線41および負極薄膜配線42の間で接地される導電性の接地薄膜配線43を持つことにより、正極薄膜配線41および負極薄膜配線42間のカップリングの発生を抑制し、低雑音増幅器33で発振が生じることを防ぐことができる。
以下、第3の変形例について説明する。
上述した実施形態では、1つの配線基板18に正極薄膜配線41および負極薄膜配線42を設けるとしたが、これに限定されない。
超伝導高周波装置10は、図5、図6、および図7に示すように、極性が異なる2つの配線基板18(第1配線基板18aおよび第2配線基板18b)を備えてもよい。第1配線基板18aおよび第2配線基板18bは、所定間隔を置いて積層配置された状態で支持部材50によって支持されている。第1配線基板18aは、冷却板15側の基板面に所定の導電性材料により形成される薄膜51を備えている。第1配線基板18aは、冷却板15側の反対側の基板面に複数の超伝導素子12の各々に対して正極薄膜配線41を備えている。第2配線基板18bは、冷却板15側の基板面に所定の導電性材料により形成される薄膜52を備えている。第2配線基板18bは、冷却板15側の反対側の基板面に複数の超伝導素子12の各々に対して負極薄膜配線42を備えている。正極薄膜配線41および負極薄膜配線42は、第1配線基板18aおよび第2配線基板18bの積層方向において互いに重なり合わないように配置されている。正極薄膜配線41に接続される正極素子側接続部41aと、負極薄膜配線42に接続される負極素子側接続部42aとは、第1配線基板18aおよび第2配線基板18bの積層方向において互いに重なり合わないように配置されている。正極薄膜配線41に接続される正極電源側接続部41bと、負極薄膜配線42に接続される負極電源側接続部42bとは、第1配線基板18aおよび第2配線基板18bの積層方向において互いに重なり合わないように配置されている。
なお、図5、図6、および図7に示す第3の変形例において、第1配線基板18aおよび第2配線基板18bの各々は16個の超伝導素子12に対する各16個の正極薄膜配線41および負極薄膜配線42を備えている。
第3の変形例によれば、正極薄膜配線41を有する第1配線基板18aと、負極薄膜配線42を有する第2配線基板18bとを持つことにより、正極薄膜配線41および負極薄膜配線42間のカップリングの発生を抑制し、低雑音増幅器33で発振が生じることを防ぐことができる。
以下、第4の変形例について説明する。
上述した第3の変形例では、第1配線基板18aおよび第2配線基板18bの各々は、薄膜51,52を備えるとしたが、これに限定されない。
第1配線基板18aおよび第2配線基板18bは、図8に示すように、正極薄膜配線41に積層される絶縁材53および負極薄膜配線42に積層される絶縁材54と、導電性の被覆材55と、を備えてもよい。被覆材55は、絶縁材53を備える第1配線基板18aと絶縁材54を備える第2配線基板18bとの間に配置されるとともに、絶縁材53を備える第1配線基板18aと絶縁材54を備える第2配線基板18bとの積層体の全体を被覆する。
第4の変形例によれば、絶縁材53を備える第1配線基板18aと絶縁材54を備える第2配線基板18bとの各々を被覆する被覆材55を持つことにより、正極薄膜配線41および負極薄膜配線42間のカップリングの発生を抑制し、低雑音増幅器33で発振が生じることを防ぐことができる。
以下、第5の変形例について説明する。
上述した実施形態では、超伝導フィルタ32の入力端(つまり超伝導素子12の入力端)に入力ケーブル13aを接続し、低雑音増幅器33の出力端(つまり超伝導素子12の出力端)に出力ケーブル14aを接続するとしたが、これに限定されない。
超伝導高周波装置10は、図9、図10、図11、図12、および図13に示すように、超伝導素子12の入力端12aに接続される入力配線基板61と、超伝導素子12の出力端12bに接続される出力配線基板62と、を備えてもよい。
入力配線基板61および出力配線基板62は、積層配置されている。入力配線基板61は冷却板15に取り付けられている。出力配線基板62は熱伝達治具63によってコールドヘッド16に取り付けられている。
入力配線基板61および出力配線基板62は、サファイア、MgO、LaAlOなどのように、誘電損失が小さく、超伝導薄膜形成に適した材料により形成されている。入力配線基板61および出力配線基板62は、例えば、低温での熱伝導率が高いサファイア基板により形成されている。入力配線基板61および出力配線基板62の各々の基板面のうち冷却板15側の基板面には、所定薄膜(図示略)が設けられている。入力配線基板61および出力配線基板62の各々の基板面のうち冷却板15側の反対側の基板面には、複数の超伝導素子12の各々に対して入力薄膜配線71および出力薄膜配線72が設けられている。所定薄膜、並びに入力薄膜配線71および出力薄膜配線72は、サファイア基板の基板面の両面において、順次積層して設けられるCeOバッファー層(図示略)およびYBaCu6+α超伝導膜(図示略)を備えている。CeOバッファー層は、所定厚さ(例えば、100nmなど)に形成されている。YBaCu6+α超伝導膜は、例えば、レーザーアブレーション法によって所定厚さ(例えば、500nm以上など)に形成されている。入力薄膜配線71および出力薄膜配線72は、CeOバッファー層およびYBaCu6+α超伝導膜に対するエッチング加工によって、入力配線基板61および出力配線基板62の各々の基板面上に設けられている。なお、入力配線基板61および出力配線基板62の各々において、入力薄膜配線71および出力薄膜配線72以外におけるYBaCu6+α超伝導膜には、銅または金などの所定の導電性材料により形成される膜(図示略)が積層されている。所定の導電性材料は、例えば、所定波長(例えば、1μmなど)以上の波長を有する光(長波長光)の反射率が高い材料である。入力薄膜配線71および出力薄膜配線72の外形は、適宜に屈曲する直線状に形成されている。
なお、出力配線基板62をコールドヘッド16に取り付ける熱伝達治具63は、出力薄膜配線72を避けるようにして、出力薄膜配線72以外の部位で出力配線基板62に接続されている。
入力薄膜配線71は、入力配線基板61の基板面上に設けられる信号入力部71aおよび素子側入力部71bに接続されている。出力薄膜配線72は、出力配線基板62の基板面上に設けられる信号出力部72aおよび素子側出力部72bに接続されている。信号入力部71aは、入力ケーブル13aによって入力コネクタ13に接続されている。信号出力部72aは、出力ケーブル14aによって出力コネクタ14に接続されている。素子側入力部71bは、冷却板15および入力配線基板61を厚さ方向に貫通する貫通孔73内に挿入される入力接続ピン74によって超伝導素子12の入力端12aに接続されている。素子側出力部72bは、冷却板15、入力配線基板61、および出力配線基板62を厚さ方向に貫通する貫通孔75内に挿入される出力接続ピン76によって超伝導素子12の出力端12bに接続されている。
入力コネクタ13および出力コネクタ14の各々は、複数の超伝導素子12に対向する気密容器11の壁部において所定方向(例えば、長手方向)の第1端部および第2端部の各々に配置されている。
信号入力部71aは、入力コネクタ13が気密容器11の壁部の所定方向(例えば、長手方向)の第1端部に配置されていることに対応して、入力配線基板61の基板面における所定方向(例えば、長手方向)の第1端部に配置されている。信号出力部72aは、出力コネクタ14が気密容器11の壁部の所定方向(例えば、長手方向)の第2端部に配置されていることに対応して、出力配線基板62の基板面における所定方向(例えば、長手方向)の第2端部に配置されている。
なお、入力配線基板61および出力配線基板62の各々において、入力薄膜配線71および出力薄膜配線72の各々と電気的に導通の無い薄膜は、ねじまたは導線などによって冷却板15または気密容器11と電気的に導通が有る部位に電気的に接続されている。
第5の変形例によれば、気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制する入力配線基板61および出力配線基板62の各々に超伝導素子12に接続される入力薄膜配線71および出力薄膜配線72を持つことにより、冷却能力の増大を抑制して所望の性能を確保することができる。超伝導素子12に接続される伝送線として入力薄膜配線71および出力薄膜配線72を持つことにより、伝送線の断面積を必要最低限にすることができ、信号伝送の損失を低減しながら伝送線からの熱侵入を低減することができる。超伝導素子12に接続される伝送線として入力薄膜配線71および出力薄膜配線72を持つことにより、熱侵入を抑制するために入力ケーブル13aおよび出力ケーブル14aを長くする必要を無くし、超伝導高周波装置10を小型化することができる。入力配線基板61および出力配線基板62の各々に気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制する薄膜を持つことにより、輻射遮蔽板22が大型化することを抑制し、超伝導高周波装置10を小型化することができる。気密容器11の所定方向(例えば、長手方向)の第1端部に配置される入力コネクタ13および信号入力部71aを持つことにより、入力ケーブル13aの接続作業が煩雑になることを防ぐことができる。気密容器11の所定方向(例えば、長手方向)の第2端部に配置される出力コネクタ14および信号出力部72aを持つことにより、出力ケーブル14aの接続作業が煩雑になることを防ぐことができる。
以下、第6の変形例について説明する。
上述した第5の変形例では、出力配線基板62をコールドヘッド16に取り付ける熱伝達治具63を備えるとしたが、これに限定されない。
出力配線基板62は、図14に示すように、絶縁板78を介してコールドヘッド16に取り付けられてもよい。絶縁板78は、例えば、熱伝導率が高く、絶縁性を有する材料により形成されている。絶縁板78は、コールドヘッド16側の表面上に、銅または金などの所定の導電性材料により形成される膜(図示略)が積層されている。所定の導電性材料は、例えば、所定波長(例えば、1μmなど)以上の波長を有する光(長波長光)の反射率が高い材料である。
第6の変形例によれば、出力配線基板62とコールドヘッド16との間に長波長光の反射率が高い絶縁板78を持つことにより、気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制することができる。
以下、第7の変形例について説明する。
上述した実施形態において、複数の超伝導素子12の各々は、低雑音増幅器33を備えるとしたが、これに限定されない。
複数の超伝導素子12の各々は、図15に示すように、基材31と、超伝導フィルタ32および移相器80などの高周波回路と、を備えてもよい。
移相器80は、基材31に実装されている。移相器80は、少なくとも超伝導体により形成されている。移相器80の入力端(図示略)は、超伝導フィルタ32の出力端に接続されている。移相器80は、超伝導フィルタ32から出力される信号の位相を変化させて、位相変更後の信号を出力端(図示略)から出力する。移相器80の出力端は、出力ケーブル14aによって出力コネクタ14に接続されている。出力コネクタ14に接続される気密容器11の外部の信号処理系(図示略)は、複数の超伝導素子12から出力される信号を合成し、合成後の信号を低雑音増幅器により増幅する。移相器80の制御端子(図示略)は、基材31に設けられる制御コネクタ81に制御ケーブル81aによって接続されている。移相器80は、例えば4ビットの制御信号によって制御される場合、4つの制御端子(図示略)を有している。これに伴い4つの制御端子は、基材31に設けられる4つの制御コネクタ81に接続されている。
超伝導高周波装置10は、基板固定治具19によって冷却板15に取り付けられる制御配線基板82を備えている。制御配線基板82は、ガラスエポキシ樹脂などの熱伝導率が低い材料(例えば、熱伝導率が1W/m・K以下の材料など)により形成されている。制御配線基板82の基板面のうち冷却板15に対向する表面には、銅または金などの所定の導電性材料により形成される薄膜が設けられている。制御配線基板82の基板面のうち冷却板15に対向する表面の反対側の裏面には、図16に示すように、複数の超伝導素子12の各々に対して4つの薄膜配線83が設けられている。薄膜配線83は、銅または金などの所定の導電性材料により形成されている。所定の導電性材料は、例えば、輻射遮蔽板22を形成する材料(例えば、ステンレス鋼)とは異なる輻射スペクトルを有し、所定波長(例えば、1μmなど)以上の波長を有する光(長波長光)の反射率が輻射遮蔽板22の材料よりも高く、導電性が高い材料である。薄膜配線83は、例えばリソグラフィまたは印刷などによって、制御配線基板82の基板面の裏面上に設けられている。なお、制御配線基板82は、コールドヘッド16が厚さ方向に貫通する貫通孔または切り欠き(図示略)を備えている。制御配線基板82の基板面の表面および裏面に設けられる薄膜および薄膜配線83は、貫通孔または切り欠きを避けるように設けられている。
薄膜配線83は、制御配線基板82の基板面の裏面上に設けられる素子側接続部83aおよび制御入力側接続部83bに半田などによって接続されている。素子側接続部83aは、冷却板15および制御配線基板82を厚さ方向に貫通する接続ピン84によって超伝導素子12の制御コネクタ81に接続されている。制御入力側接続部83bは、制御配線基板82の基板面における裏面上の端部(例えば、制御配線基板82の第1方向、例えば長辺方向の端部)に設けられている。制御入力側接続部83bは、制御ケーブル85aによって制御コネクタ85に接続されている。制御コネクタ85は、気密性を保持しながら気密容器11の壁部を貫通して取り付けられている。制御コネクタ85には、気密容器11の外部の制御装置(図示略)から移相器80に対する制御信号が入力される。
制御配線基板82の基板面の裏面上において、薄膜配線83以外の領域には、所定の導電性材料により形成される接地薄膜配線86が設けられている。接地薄膜配線86は、例えばリソグラフィまたは印刷などによって、制御配線基板82の基板面の裏面上に設けられている。薄膜配線83および接地薄膜配線86は、制御配線基板82の基板面における裏面での被覆率が所定値以上(例えば、80%以上)である。
なお、図15および図16に示す第7の変形例において、1つの制御配線基板82は4個の超伝導素子12に対する各4つの薄膜配線83を備えている。これにより超伝導高周波装置10は、例えば、16個の超伝導素子12に対して4つの制御配線基板82を備える。
第7の変形例によれば、気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制する制御配線基板82に超伝導素子12に接続される薄膜配線83を持つことにより、冷却能力の増大を抑制して所望の性能を確保することができる。超伝導素子12に接続される伝送線として薄膜配線83を持つことにより、伝送線の断面積を必要最低限にすることができ、信号伝送の損失を低減しながら伝送線からの熱侵入を低減することができる。制御配線基板82の基板面における被覆率が高くされた薄膜配線83および接地薄膜配線86を持つことにより、気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制することができる。制御配線基板82に気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制する薄膜、並びに薄膜配線83および接地薄膜配線86を持つことにより、輻射遮蔽板22が大型化することを抑制し、超伝導高周波装置10を小型化することができる。
超伝導体により形成される移相器80を持つことにより、超伝導高周波装置10の損失を低減することができ、NF(Noise Figure:雑音指数)特性を良好に向上させることができる。
以下、他の変形例について説明する。
上述した実施形態では、配線基板18の基板面のうち冷却板15に対向する表面に所定の導電性材料により形成される薄膜を設けるとしたが、これに限定されず、この薄膜は省略されてもよい。
上述した実施形態では、配線基板18の基板面のうち冷却板15に対向する表面の反対側の裏面に薄膜配線31を設けるとしたが、これに限定されない。
配線基板18の基板面のうち冷却板15に対向する表面に冷却板15から離間して(つまり冷却板15に接触しないように)薄膜配線31を設けてもよい。
さらに、配線基板18の基板面のうち冷却板15に対向する表面の反対側の裏面に所定の導電性材料により形成される薄膜を設けてもよい。
上述した実施形態では、輻射遮蔽板22を備えるとしたが、これに限定されず、輻射遮蔽板22は省略されてもよい。
上述した実施形態、および第1〜第7の変形例においては、配線基板18並びに正極薄膜配線41および負極薄膜配線42と、入力配線基板61および出力配線基板62並びに入力薄膜配線71および出力薄膜配線72と、制御配線基板82および薄膜配線83とのうち、少なくとも何れかの組み合わせを備えてもよい。
上述した実施形態、および第1〜第7の変形例においては、各基板の異なる面上に設けられる薄膜配線の組み合わせによって、超電導素子12を動作させるための電力の供給と、超電導素子12の動作を制御する制御信号の供給と、超電導素子12に対する高周波信号の入力および出力と、の少なくとも何れか1つを行なってもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、気密容器11の内面から超電導素子12への熱輻射を抑制する配線基板に超伝導素子12に接続される薄膜配線を持つことにより、冷却能力の増大を抑制して所望の性能を確保することができる。超伝導素子12に接続される伝送線として薄膜配線を持つことにより、伝送線の断面積を必要最低限にすることができ、伝送線からの熱侵入を低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…超伝導高周波装置、11…気密容器、12…超伝導素子、13…入力コネクタ、14…出力コネクタ、15…冷却板、16…コールドヘッド、17…冷凍機、18…配線基板、19…基板固定治具、20…接続ピン、21…電源コネクタ、22…輻射遮蔽板、31…基材、32…超伝導フィルタ、33…低雑音増幅器、34…バイアスケーブル、41…正極薄膜配線、42…負極薄膜配線、61…入力配線基板、62…出力配線基板、71…入力薄膜配線、72…出力薄膜配線、80…移相器、82…制御配線基板、83…薄膜配線

Claims (6)

  1. 少なくとも超伝導体により形成される高周波回路を備える超伝導素子と、
    前記超電導素子を冷却する冷却装置と、
    前記超電導素子を収容して気密状態になる容器と、
    前記容器の内部において、導電性材料から形成されて前記超電導素子に接続される複数の薄膜配線を有するとともに、前記容器の内面から前記超電導素子への熱輻射を抑制する部材と、
    を備える、
    超伝導高周波装置。
  2. 前記複数の薄膜配線は、
    前記超電導素子を動作させるための電力を供給する、
    請求項1に記載の超伝導高周波装置。
  3. 前記複数の薄膜配線は、
    前記超電導素子の動作を制御する制御信号を供給する、
    請求項1または請求項2に記載の超伝導高周波装置。
  4. 前記複数の薄膜配線は、
    前記超電導素子に対して高周波信号の入力および出力を行なう、
    請求項1から請求項3の何れか1つに記載の超伝導高周波装置。
  5. 前記複数の薄膜配線は、
    前記部材の異なる面上に設けられる薄膜配線の組み合わせによって、
    前記超電導素子を動作させるための電力の供給と、前記超電導素子の動作を制御する制御信号の供給と、前記超電導素子に対する高周波信号の入力および出力と、の少なくとも何れか1つを行なう、
    請求項1に記載の超伝導高周波装置。
  6. 前記複数の薄膜配線の少なくとも一部は超伝導体により形成される、
    請求項1から請求項5の何れか1つに記載の超伝導高周波装置。
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