JP2016109775A - レジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】レジスト性能を高いレベルで維持しつつ、酸発生剤の添加量を大幅に低減可能なレジスト組成物を提供する。【解決手段】レジスト基材を含む固形成分と溶媒とを含有するレジスト組成物であって、該組成物中の固形成分が1〜80質量%、溶媒が20〜99質量%の範囲であり、該レジスト基材が特定構造を有する環状化合物(M)と特定の環状化合物(S)とを含有し、該レジスト基材に占めるMの割合が65〜99質量%であり、かつMに対するSの質量比率が0.01〜0.10であることを特徴とするレジスト組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、レジスト組成物及び該組成物を用いるレジストパターン形成方法に関する。
これまでの一般的なレジスト材料は、アモルファス薄膜を形成可能な高分子系材料である。例えば、ポリメチルメタクリレート、酸解離性反応基を有するポリヒドロキシスチレン又はポリアルキルメタクリレート等の高分子レジスト材料の溶液を基板上に塗布することにより作製したレジスト薄膜に紫外線、遠紫外線、電子線、極端紫外線(EUV)、X線などを照射することにより、45〜100nm程度のラインパターンを形成している。
しかしながら、高分子系レジストは、分子量が1万〜10万程度と大きく、分子量分布も広い。そのため、高分子系レジストを用いるリソグラフィでは、微細パターン表面にラフネスが生じ、パターン寸法を制御することが困難となり、歩留まりが低下する。従って、従来の高分子系レジスト材料を用いるリソグラフィでは微細化に限界があり、より微細なパターンを作製するために、種々の低分子量レジスト材料が提案されている。
T.Nakayama,M.Nomura,K.Haga,M.Ueda:Bull.Chem.Soc.Jpn.,71,2979(1998)
低分子量多核ポリフェノール化合物を主成分として用いるアルカリ現像型のネガ型感放射線性組成物(特許文献1及び特許文献2を参照。)が提案されているが、これらは耐熱性が十分では無く、得られるレジストパターンの形状が悪くなる欠点があった。
低分子量レジスト材料の候補として、低分子量環状ポリフェノール化合物を主成分として用いるアルカリ現像型のネガ型感放射線性組成物(特許文献3及び非特許文献1を参照。)が提案されている。これらの低分子量環状ポリフェノール化合物は、低分子量であるため、分子サイズが小さく、解像性が高く、ラフネスが小さいレジストパターンを与えることが期待される。また低分子量環状ポリフェノール化合物は、その骨格に剛直な環状構造を有することにより、低分子量ながらも高耐熱性を与える。
しかしながら、現在知られている低分子量環状ポリフェノール化合物は、半導体製造プロセスに用いられる安全溶媒に対する溶解性が低い、感度が低い、及び得られるレジストパターン形状が悪い等の問題点があり、低分子量環状ポリフェノール化合物の改良が望まれている。また、特許文献3に示された環状フェノール化合物では、良好なパターンが得られるものの、溶解度特性などの物質特性が若干不安定で、良好なパターン形状が安定的に得られなかった。
また、環状フェノール化合物では、良好なパターンが安定的に得られるものの、酸発生剤の添加量が多く、光照射の際にアウトガスの発生が懸念される。
本発明の目的は、レジスト性能を高いレベルで維持しつつ、酸発生剤の添加量を大幅に低減可能なレジスト組成物を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、レジスト基材の主成分として特定の立体異性体からなる環状化合物を用い、第2成分として特定の環状化合物を用いることで、酸発生剤の添加量を大幅に低減可能であり、かつ、安全溶媒に対する溶解性が高く、高感度で、ラフネスが小さく、良好なレジストパターン形状が安定的に得られることを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明はつぎのとおりである。
[1] レジスト基材を含む固形成分と溶媒とを含有するレジスト組成物であって、該組成物中の固形成分が1〜80質量%、溶媒が20〜99質量%の範囲であり、該レジスト基材が下記式(1)で表される化合物(ctt体)と下記式(3)で表される化合物とを含有し、該レジスト基材に占める下記式(1)で表される化合物(ctt体)の割合が65〜99質量%であり、かつ下記式(1)で表される化合物(ctt体)に対する下記式(3)で表される化合物の質量比率が0.01〜0.10である、レジスト組成物。
(1)
(式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアシル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数7〜30のアリーロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。R12は、無置換の炭素数3〜14の環状脂肪族炭化水素基であり、pは0〜4の整数である。)
(3)
(式(3)中、Yは、独立して、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、これらの基と二価の基合した基、又は水素原子である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。
R’は下記式(2)で表され、
(2)
(式(2)中、R4は、Yが置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である場合には水酸基及び/又は置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、Yが水素原子である場合には置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基又は置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。qは1〜5の整数である。)
Xは、独立して、水素原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアシル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数7〜20のアリーロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。但し、式(3)で表される化合物は、式(1)で表される化合物のctt体及びその立体異性体のいずれとも異なる。)
[2] 前記式(3)中、Yが、無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基と無置換のアルキレン基が結合した基、又は水素原子である第1項に記載のレジスト組成物。
[3] 前記式(3)中、Xが水素原子である第1項又は第2項に記載のレジスト組成物。
[4] 前記式(2)中、R4が、水酸基、又は炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基の水素原子の一つ以上が炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の分岐状脂肪族炭化水素基若しくは炭素数3〜12の環状脂肪族炭化水素基で置換された基である第1項〜第3項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[5] 前記式(2)中、qが1又は2である第1項〜第4項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[6] 前記式(3)で表される化合物が、ctt体又はccc体を70モル%以上有する第1項〜第5項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[7] 前記式(3)で表される化合物が、下記化合物群から選ばれる少なくとも1種である第1項〜第6項のいずれかに記載のレジスト組成物。
(CR−2)
(CR−3)
(CR−4)
(CR−5)
[8] 前記式(1)中、Rが水素原子である第1項〜第7項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[9] 前記式(1)中、pが1である第1項〜第8項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[10] 前記式(1)で表される化合物が、下記式で表される化合物である第1項〜第9項のいずれかに記載のレジスト組成物。
(X)
[11] 可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、極端紫外線(EUV)、X線及びイオンビームからなる群れから選択されるいずれか一種の放射線の照射により、直接的又は間接的に酸を発生する酸発生剤(C)をさらに含む第1項〜第10項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[12] 酸架橋剤(G)をさらに含む第1項〜第11項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[13] 酸拡散制御剤(E)をさらに含む第1項〜第12項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[14] 前記固形成分中の、レジスト基材/酸発生剤(C)/酸架橋剤(G)/酸拡散制御剤(E)/任意成分(F))の割合が、質量%で、20〜99.498/0.001〜16/0.5〜49/0.001〜49/0〜49の範囲である第13項に記載のレジスト組成物。
[15] スピンコートによりアモルファス膜を形成することができる第1項〜第14項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[16] 前記アモルファス膜の23℃における現像液に対する溶解速度が、10Å/sec以上である第15項に記載のレジスト組成物。
[17] KrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線若しくはX線を照射した後の前記アモルファス膜、又は、20〜250℃で加熱した後の前記アモルファス膜の、現像液に対する溶解速度が5Å/sec以下である第15項又は第16項に記載のレジスト組成物。
[18] 第1項〜第17項のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、露光したレジスト膜を現像する工程とを備えるレジストパターン形成方法。
[19] 下記式(CR−2)で表される化合物。
(CR−2)
[20] 下記式(CR−3)で表される化合物。
(CR−3)
[21] 下記式(CR−4)で表される化合物。
(CR−4)
[22] 下記式(CR−5)で表される化合物。
(CR−5)
[1] レジスト基材を含む固形成分と溶媒とを含有するレジスト組成物であって、該組成物中の固形成分が1〜80質量%、溶媒が20〜99質量%の範囲であり、該レジスト基材が下記式(1)で表される化合物(ctt体)と下記式(3)で表される化合物とを含有し、該レジスト基材に占める下記式(1)で表される化合物(ctt体)の割合が65〜99質量%であり、かつ下記式(1)で表される化合物(ctt体)に対する下記式(3)で表される化合物の質量比率が0.01〜0.10である、レジスト組成物。
(式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアシル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数7〜30のアリーロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。R12は、無置換の炭素数3〜14の環状脂肪族炭化水素基であり、pは0〜4の整数である。)
(式(3)中、Yは、独立して、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、これらの基と二価の基合した基、又は水素原子である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。
R’は下記式(2)で表され、
(式(2)中、R4は、Yが置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である場合には水酸基及び/又は置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、Yが水素原子である場合には置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基又は置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。qは1〜5の整数である。)
Xは、独立して、水素原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアシル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数7〜20のアリーロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。但し、式(3)で表される化合物は、式(1)で表される化合物のctt体及びその立体異性体のいずれとも異なる。)
[2] 前記式(3)中、Yが、無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基と無置換のアルキレン基が結合した基、又は水素原子である第1項に記載のレジスト組成物。
[3] 前記式(3)中、Xが水素原子である第1項又は第2項に記載のレジスト組成物。
[4] 前記式(2)中、R4が、水酸基、又は炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基の水素原子の一つ以上が炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の分岐状脂肪族炭化水素基若しくは炭素数3〜12の環状脂肪族炭化水素基で置換された基である第1項〜第3項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[5] 前記式(2)中、qが1又は2である第1項〜第4項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[6] 前記式(3)で表される化合物が、ctt体又はccc体を70モル%以上有する第1項〜第5項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[7] 前記式(3)で表される化合物が、下記化合物群から選ばれる少なくとも1種である第1項〜第6項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[8] 前記式(1)中、Rが水素原子である第1項〜第7項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[9] 前記式(1)中、pが1である第1項〜第8項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[10] 前記式(1)で表される化合物が、下記式で表される化合物である第1項〜第9項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[11] 可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、極端紫外線(EUV)、X線及びイオンビームからなる群れから選択されるいずれか一種の放射線の照射により、直接的又は間接的に酸を発生する酸発生剤(C)をさらに含む第1項〜第10項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[12] 酸架橋剤(G)をさらに含む第1項〜第11項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[13] 酸拡散制御剤(E)をさらに含む第1項〜第12項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[14] 前記固形成分中の、レジスト基材/酸発生剤(C)/酸架橋剤(G)/酸拡散制御剤(E)/任意成分(F))の割合が、質量%で、20〜99.498/0.001〜16/0.5〜49/0.001〜49/0〜49の範囲である第13項に記載のレジスト組成物。
[15] スピンコートによりアモルファス膜を形成することができる第1項〜第14項のいずれかに記載のレジスト組成物。
[16] 前記アモルファス膜の23℃における現像液に対する溶解速度が、10Å/sec以上である第15項に記載のレジスト組成物。
[17] KrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線若しくはX線を照射した後の前記アモルファス膜、又は、20〜250℃で加熱した後の前記アモルファス膜の、現像液に対する溶解速度が5Å/sec以下である第15項又は第16項に記載のレジスト組成物。
[18] 第1項〜第17項のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、露光したレジスト膜を現像する工程とを備えるレジストパターン形成方法。
[19] 下記式(CR−2)で表される化合物。
[20] 下記式(CR−3)で表される化合物。
[21] 下記式(CR−4)で表される化合物。
[22] 下記式(CR−5)で表される化合物。
本発明のレジスト組成物は酸増幅型低分子系レジスト材料として有用である。本発明により、酸発生剤の添加量を大幅に低減可能であり、アウトガスの発生を抑制できる。また、安全溶媒に対する溶解性が高く、高感度で、ラフネスが小さく、かつ、良好なレジストパターン形状を与えるレジスト組成物及び該組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する(以下、本実施の形態と称する)。なお、本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施の形態のみに限定されない。
[レジスト組成物]
本実施形態のレジスト組成物は、レジスト基材を含む固形成分と溶媒とを含有するレジスト組成物であって、該組成物中の固形成分が1〜80質量%、溶媒が20〜99質量%の範囲であり、該レジスト基材が下記式(1)で表される化合物(ctt体)と下記式(3)で表される化合物とを含有し、該レジスト基材に占める下記式(1)で表される化合物(ctt体)の割合が65〜99質量%であり、かつ下記式(1)で表される化合物(ctt体)に対する下記式(3)で表される化合物の質量比率が0.01〜0.10である。
[レジスト組成物]
本実施形態のレジスト組成物は、レジスト基材を含む固形成分と溶媒とを含有するレジスト組成物であって、該組成物中の固形成分が1〜80質量%、溶媒が20〜99質量%の範囲であり、該レジスト基材が下記式(1)で表される化合物(ctt体)と下記式(3)で表される化合物とを含有し、該レジスト基材に占める下記式(1)で表される化合物(ctt体)の割合が65〜99質量%であり、かつ下記式(1)で表される化合物(ctt体)に対する下記式(3)で表される化合物の質量比率が0.01〜0.10である。
(式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアシル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数7〜30のアリーロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。R12は、無置換の炭素数3〜14の環状脂肪族炭化水素基であり、pは0〜4の整数である。)
(式(3)中、Yは、独立して、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、これらの基と二価の基が結合した基、又は水素原子である。ここで、2価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。
R’は下記式(2)で表され、
(式(2)中、R4は、Yが置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である場合には水酸基及び/又は置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、Yが水素原子である場合には置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基又は置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。qは1〜5の整数である。)
Xは、独立して、水素原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアシル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数7〜20のアリーロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。但し、式(3)で表される化合物は、式(1)で表される化合物のctt体及びその立体異性体のいずれとも異なる。)
なお、本明細書での「置換」とは、別途の定義がない限り、官能基中の一つ以上の水素原子が、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、複素環基、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基、炭素数7〜30のアリーロイルオキシ基又は炭素数1〜20のアルキルシリル基で置換されていることを意味する。
無置換の複素環基とは、特に限定されないが、例えば、ピリジル基、ビピリジル基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルフォリル基、チオモルフォリル基、トリアゾール基及びテトラゾール基等が挙げられる。
置換の複素環基とは、特に限定されないが、例えば、N−メチルピリジル基、N−フルオロピリジル基、N−ヒドロキシピリジル基、N−シアノピリジル基、メチルビピリジル基、メチルピロリジル基、メチルピラゾリル基、メチルイミダゾリル基、メチルイソオキサゾリル基、メチルイソチアゾリル基、メチルピペリジル基、メチルピペラジル基、メチルモルフォリル基、メチルチオモルフォリル基、メチルトリアゾール基及びメチルテトラゾール基等が挙げられる。
置換の複素環基とは、特に限定されないが、例えば、N−メチルピリジル基、N−フルオロピリジル基、N−ヒドロキシピリジル基、N−シアノピリジル基、メチルビピリジル基、メチルピロリジル基、メチルピラゾリル基、メチルイミダゾリル基、メチルイソオキサゾリル基、メチルイソチアゾリル基、メチルピペリジル基、メチルピペラジル基、メチルモルフォリル基、メチルチオモルフォリル基、メチルトリアゾール基及びメチルテトラゾール基等が挙げられる。
無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基とは、例えば、フルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−シアノプロピル基、20−ニトロオクタデシル基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基とは、例えば、フルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−シアノプロピル基、20−ニトロオクタデシル基等が挙げられる。
無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基とは、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ネオペンチル基、2−ヘキシル基、2−オクチル基、2−デシル基、2−ドデシル基、2−ヘキサデシル基、2−オクタデシル基等が挙げられる。
置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基とは、例えば、1−フルオロイソプロピル基、1−ヒドロキシ−2−オクタデシル基等が挙げられる。
置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基とは、例えば、1−フルオロイソプロピル基、1−ヒドロキシ−2−オクタデシル基等が挙げられる。
無置換の炭素数3〜14の環状脂肪族炭化水素基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられる。
置換の炭素数3〜14の環状脂肪族炭化水素基とは、例えば、2−フルオロシクロプロピル基、4−シアノシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
置換の炭素数3〜14の環状脂肪族炭化水素基とは、例えば、2−フルオロシクロプロピル基、4−シアノシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
無置換の炭素数6〜20のアリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
置換の炭素数6〜20のアリール基とは、例えば、4−イソプロピルフェニル基、4−メチルフェニル基、6−フルオロナフチル基等が挙げられる。
置換の炭素数6〜20のアリール基とは、例えば、4−イソプロピルフェニル基、4−メチルフェニル基、6−フルオロナフチル基等が挙げられる。
無置換の炭素数7〜30のアラルキル基とは、例えば、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、6−メチルナフチル基、2,6−ジメチルナフチル基等が挙げられる。
置換の炭素数7〜30のアラルキル基とは、例えば、4−フルオロ−3−メチルフェニル基等が挙げられる。
置換の炭素数7〜30のアラルキル基とは、例えば、4−フルオロ−3−メチルフェニル基等が挙げられる。
無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20のアルコキシ基とは、例えば、クロロメトキシ基、ブロモエトキシ基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20のアルコキシ基とは、例えば、クロロメトキシ基、ブロモエトキシ基等が挙げられる。
無置換の炭素数0〜20のアミノ基とは、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等が挙げられる。
置換の炭素数0〜20のアミノ基とは、例えば、クロロメチルアミノ基、ジブロモメチルアミノ基等が挙げられる。
置換の炭素数0〜20のアミノ基とは、例えば、クロロメチルアミノ基、ジブロモメチルアミノ基等が挙げられる。
無置換の炭素数2〜20のアルケニル基とは、例えば、ビニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、オクチニル基、デシニル基、ドデシニル基、ヘキサデシニル基、オクタデシニル基等が挙げられる。
置換の炭素数2〜20のアルケニル基とは、例えば、クロロプロピニル基等が挙げられる。
置換の炭素数2〜20のアルケニル基とは、例えば、クロロプロピニル基等が挙げられる。
無置換の炭素数1〜20のアシル基とは、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20のアシル基とは、例えば、クロロアセチル基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20のアシル基とは、例えば、クロロアセチル基等が挙げられる。
無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基とは、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、ヘキサデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基とは、例えば、クロロメトキシカルボニル基等が挙げられる。
置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基とは、例えば、クロロメトキシカルボニル基等が挙げられる。
無置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基とは、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、プロポキシカルボニルオキシ基、ブトキシカルボニルオキシ基、ペンチルオキシカルボニルオキシ基、ヘキシルオキシカルボニルオキシ基、オクチルオキシカルボニルオキシ基、デシルオキシカルボニルオキシ基、ドデシルオキシカルボニルオキシ基、ヘキサデシルオキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基とは、例えば、クロロメトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基とは、例えば、クロロメトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
無置換の炭素数7〜30のアリーロイルオキシ基とは、例えば、ベンゾイルオキシ基、ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換の炭素数7〜30のアリーロイルオキシ基とは、例えば、クロロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
置換の炭素数7〜30のアリーロイルオキシ基とは、例えば、クロロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
無置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基とは、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基、プロピルシリル基、ブチルシリル基、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、オクチルシリル基、デシルシリル基、ドデシルシリル基、ヘキサデシルシリル基、オクタデシルシリル基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基とは、例えば、クロロメチルシリル基等が挙げられる。
置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基とは、例えば、クロロメチルシリル基等が挙げられる。
無置換のアルキレン基とは、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−へキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基等が挙げられる。
置換のアルキレン基とは、例えば、フルオロメチレン基、1−クロロエチレン基等が挙げられる。
置換のアルキレン基とは、例えば、フルオロメチレン基、1−クロロエチレン基等が挙げられる。
無置換のアリーレン基とは、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
置換のアリーレン基とは、例えば、2−メチル−1,4−フェニレン基、3−メチル−1,4−フェニレン基、3,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、3−メトキシ−1,4−フェニレン基、3−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン基等が挙げられる。
置換のアリーレン基とは、例えば、2−メチル−1,4−フェニレン基、3−メチル−1,4−フェニレン基、3,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、3−メトキシ−1,4−フェニレン基、3−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン基等が挙げられる。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物の分子量は、500〜5000であり、好ましくは800〜2000、より好ましくは1000〜2000である。上記範囲であるとレジストに必要な成膜性を保持しつつ、解像性が向上する傾向がある。
本明細書での「立体異性体」について説明する。
式(1)及び式(3)で表される化合物を構成する立体異性体としては、(ccc)異性体、(ctt)異性体、(cct)異性体、(tct)異性体が挙げられる。具体的には、2つのROをもつ芳香環が、2つのROのパラ位でメチン基を介して、環を巻いた16員環のオリゴマーである。そのため、16員環の平面に対して、4つのメチン基についた置換基は、各々が上向きと下向きの結合があるため、各々にシス・トランス異性体(立体異性体)が存在する。
(ccc)とは、ある1つのメチン基についた置換基に対して、時計回りの順にシス−シス−シスの向きに立体結合した構造をとる化合物である。
(ctt)とは、ある1つのメチン基についた置換基に対して、時計回りの順にシス−トランス−トランスの向きに立体結合した構造をとる化合物である。
(cct)とは、ある1つのメチン基についた置換基に対して、時計回りの順にシス−シス−トランスの向きに立体結合した構造をとる化合物である。
(tct)とは、ある1つのメチン基についた置換基に対して、時計回りの順にトランス−シス−トランスの向きに立体結合した構造をとる化合物である。
式(1)及び式(3)で表される化合物を構成する立体異性体としては、(ccc)異性体、(ctt)異性体、(cct)異性体、(tct)異性体が挙げられる。具体的には、2つのROをもつ芳香環が、2つのROのパラ位でメチン基を介して、環を巻いた16員環のオリゴマーである。そのため、16員環の平面に対して、4つのメチン基についた置換基は、各々が上向きと下向きの結合があるため、各々にシス・トランス異性体(立体異性体)が存在する。
(ccc)とは、ある1つのメチン基についた置換基に対して、時計回りの順にシス−シス−シスの向きに立体結合した構造をとる化合物である。
(ctt)とは、ある1つのメチン基についた置換基に対して、時計回りの順にシス−トランス−トランスの向きに立体結合した構造をとる化合物である。
(cct)とは、ある1つのメチン基についた置換基に対して、時計回りの順にシス−シス−トランスの向きに立体結合した構造をとる化合物である。
(tct)とは、ある1つのメチン基についた置換基に対して、時計回りの順にトランス−シス−トランスの向きに立体結合した構造をとる化合物である。
カリックスアレーンは、非ポリマー性のフェノール性化合物である。カリックスアレーンは、1950年代に発見され、合成法が考案された。感放射線性組成物としてのカリックスアレーンの使用に関しては、酸不安定性基によって部分的に保護されたカリックスアレーンがポジ型レジスト材料を中心に広く評価されてきた。
本発明は、これらのレジスト材料用途において、カリックス[4]レゾルシンアレンの多モードの異性体構造分布を制御することで、上記課題の解決に有効であり、かつ安全溶媒に対する溶解性が高く、高感度で、ラフネスが小さく、かつ、良好なレジストパターン形状を安定的に得ることを可能とするものである。
本発明は、これらのレジスト材料用途において、カリックス[4]レゾルシンアレンの多モードの異性体構造分布を制御することで、上記課題の解決に有効であり、かつ安全溶媒に対する溶解性が高く、高感度で、ラフネスが小さく、かつ、良好なレジストパターン形状を安定的に得ることを可能とするものである。
本実施形態において前記式(1)中、Rは水素原子であることが、アルカリ現像性に適し、良好なレジストパターンが得られる点で好ましい。
本実施形態において前記式(1)中、pは1であることが、ラフネスの小さい良好なレジストパターンが得られる点で好ましい。
前記式(3)中、Yが、無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基と無置換のアルキレン基が結合した基、又は水素原子であることが高感度化とアルカリ現像性に適し、良好なレジストパターンが得られる点で好ましい。
また、前記式(3)中、Xが水素原子であることが高感度化とアルカリ現像性に適し、良好なレジストパターンが得られる点で好ましい。
前記式(2)中、R4が、水酸基、又は置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基であることが高感度化とアルカリ現像性に適し、良好なレジストパターンが得られる点で好ましい。また、R4が、水酸基、又は炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基の水素原子の一つ以上が炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の分岐状脂肪族炭化水素基若しくは炭素数3〜12の環状脂肪族炭化水素基で置換された基であることがより好ましい。
前記式(2)中、qが1又は2であることが高感度化とアルカリ現像性に適し、良好なレジストパターンが得られる点で好ましい。
前記式(3)で表される化合物が、ctt体又はccc体を70モル%以上有することが、レジストパターン形状の観点から好ましい。より好ましくはctt体又はccc体を80モル%以上、さらに好ましくはctt体又はccc体を90モル%以上である。
前記式(3)で表される化合物が、下記化合物群から選ばれる少なくとも1種であることが高感度、高解像度で、ラフネスの小さい良好なレジストパターンが得られる点で好ましい。また、得られたレジストパターンのエッチング耐性が高い点で好ましい。
(CR−2)
(CR−3)
(CR−4)
(CR−5)
前記式(1)及び式(3)で表される化合物は、公知の方法により製造することができる。例えば、原料として対応するアルデヒド性化合物(A1)からなる群より選ばれる1種以上の化合物と対応するフェノール性化合物(A2)からなる群より選ばれる1種以上の化合物との縮合反応により得ることができる。
前記アルデヒド性化合物(A1)は炭素数が6〜59であり、1個のホルミル基を含む一価の基を有し、芳香族アルデヒド性化合物(A1A)から選択される。芳香族アルデヒド性化合物(A1A)は炭素数7〜24のベンズアルデヒド化合物が好ましく、例えば、4−メチルベンズアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒド、4−プロピルベンズアルデヒド、4−ブチルベンズアルデヒド、4−シクロヘキシルベンズアルデヒド、4−(4−メチルヘキシル)ベンズアルデヒド、4−(4−エチルヘキシル)ベンズアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒド、1−(4−ホルミルフェニル)ナフタレン、4−(アダマンタン−1−イル)ベンズアルデヒド、4−ノルボルニルベンズアルデヒド、4−ラクチルベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリン等が挙げられ、4−プロピルベンズアルデヒド、4−シクロヘキシルベンズアルデヒド、4−(4−メチルヘキシル)ベンズアルデヒド、4−(4−エチルヘキシル)ベンズアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリンが好ましく、4−シクロヘキシルベンズアルデヒド、4−(4−エチルヘキシル)ベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、エチルバニリンがより好ましい。芳香族アルデヒド性化合物(A1A)は本発明の効果を損ねない範囲で炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基、シアノ基、水酸基、ハロゲン等を有していてもよい。芳香族アルデヒド性化合物(A1A)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
フェノール性化合物(A2)の炭素数は6〜15であるのが好ましく、1〜3個のフェノール性水酸基やアルコキシ基を有することが好ましい。フェノール性化合物(A2)の例としては、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、3−メトキシフェノール、3−エトキシフェノール、3−シクロヘキシロキシフェノール、1,3−ジメトキシベンゼン、1,3−ジエトキシベンゼン、1,3−ジシクロヘキシロキシベンゼン等が挙げられ、レゾルシノール、ピロガロール、3−メトキシフェノール、3−エトキシフェノール、3−シクロヘキシロキシフェノール、1,3−ジメトキシベンゼン、1,3−ジエトキシベンゼン、1,3−ジシクロヘキシロキシベンゼン、1,3−ジヘプタロキシベンゼン、1,3−ジシクロヘキシルメトキシベンゼンが好ましく、レゾルシノール、1,3−ジシクロヘキシロキシベンゼン、1,3−ジヘプタロキシベンゼン、1,3−ジシクロヘキシルメトキシベンゼンが更に好ましい。フェノール性化合物(A2)は本発明の効果を損ねない範囲で炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基、シアノ基、水酸基、ハロゲン等を有していても良い。フェノール性化合物(A2)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物は、例えば、メタノール、エタノール等の有機溶媒中、酸触媒(塩酸、硫酸又はパラトルエンスルホン酸等)の存在下で、アルデヒド性化合物(A1)1モルに対し、フェノール性化合物(A2)を0.1〜10モルを40〜150℃で0.5〜20時間程度反応させ、次いで、濾過、メタノール等のアルコール類での洗浄、水洗、濾過による分離後、乾燥させることにより得られる。酸触媒の代わりに、塩基性触媒(水酸化ナトリウム、水酸化バリウム又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等)を使用し、同様に反応することによっても得られる。さらに本発明に用いる化合物は、上記アルデヒド性化合物(A1)をハロゲン化水素若しくはハロゲンガスでジハロゲン化物とし、単離したジハロゲン化物とフェノール性化合物(A2)とを反応させて製造することも出来る。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物の純度を向上させること、また残存金属量を低減することを目的として、必要に応じて精製してもよい。また酸触媒及び助触媒が残存すると、一般に、レジスト組成物の保存安定性が低下する、又は塩基性触媒が残存すると、一般に、レジスト組成物の感度が低下するので、その低減を目的とした精製を行ってもよい。
精製方法については、使用する化合物が変性しない限り公知の方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、再結晶を用いる方法、水で洗浄する方法、酸性水溶液で洗浄する方法、塩基性水溶液で洗浄する方法、イオン交換樹脂で処理する方法、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで処理する方法などが挙げられる。これら精製方法は2種以上を組み合わせて行うことがより好ましい。
酸性水溶液、塩基性水溶液、イオン交換樹脂及びシリカゲルカラムクロマトグラフィーは、除去すべき金属、酸性化合物及び塩基性化合物の量や種類、精製する化合物の種類・立体異性体などに応じて、最適なものを適宜選択することが可能である。例えば、酸性水溶液として、濃度が0.01〜10mol/Lの塩酸、硝酸、酢酸水溶液、塩基性水溶液として、濃度が0.01〜10mol/Lのアンモニア水溶液、イオン交換樹脂として、カチオン交換樹脂、例えばオルガノ製Amberlyst 15J−HG Dryなどが挙げられる。
精製後に乾燥を行っても良い。乾燥は公知の方法により行うことができ、特に限定されないが、使用する化合物が変性しない条件で真空乾燥、熱風乾燥、送風乾燥する方法などが挙げられる。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物は、スピンコートによりアモルファス膜を形成することができる。また、一般的な半導体製造プロセスに適用することができる。
上記式(1)及び式(3)で表される化合物は、KrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線を照射することにより、現像液に難溶な化合物となるネガ型レジスト用材料として有用である。前記化合物のブレンドに、KrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線を照射することにより、化合物同士の縮合反応が誘起され、アルカリ現像液に難溶な化合物となるためと考えられる。このようにして得られたレジストパターンは、LERが非常に小さい。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物は、ネガ型レジスト組成物の主成分として用いることができる他、例えば、感度向上や耐エッチング耐性を向上するための添加剤としてレジスト組成物に加えることができる。この場合、前記化合物のブレンドはレジスト組成物の固形成分全重量の1〜49.999質量%用いられる。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物のガラス転移温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上、特に好ましくは150℃以上である。ガラス転移温度が上記範囲内であることにより、半導体リソグラフィープロセスにおいて、パターン形状を維持しうる耐熱性を有し、高解像度などの性能が向上する。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物のガラス転移温度の示差走査熱量分析により求めた結晶化発熱量は、20J/g未満であることが好ましい。また、(結晶化温度)−(ガラス転移温度)は好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは100℃以上、特に好ましくは130℃以上である。結晶化発熱量が20J/g未満、又は(結晶化温度)−(ガラス転移温度)が上記範囲内であると、レジスト組成物をスピンコートすることにより、アモルファス膜を形成しやすく、かつレジストに必要な成膜性が長期に渡り保持でき、解像性を向上することができる。
本発明において、前記結晶化発熱量、結晶化温度及びガラス転移温度は、島津製作所製DSC/TA−50WSを用いた示差走査熱量分析により求めることができる。試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス気流中(50mL/min)昇温速度20℃/minで融点以上まで昇温する。急冷後、再び窒素ガス気流中(30mL/min)昇温速度20℃/minで融点以上まで昇温する。さらに急冷後、再び窒素ガス気流中(30mL/min)昇温速度20℃/minで400℃まで昇温する。ステップ状に変化したベースラインの段差の中点(比熱が半分に変化したところ)の温度をガラス転移温度(Tg)、その後に現れる発熱ピークの温度を結晶化温度とする。発熱ピークとベースラインに囲まれた領域の面積から発熱量を求め、結晶化発熱量とする。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物は、常圧下、100℃以下、好ましくは120℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは140℃以下、特に好ましくは150℃以下において、昇華性が低いことが好ましい。昇華性が低いとは、熱重量分析において、所定温度で10分保持した際の重量減少が10%、好ましくは5%、より好ましくは3%、さらに好ましくは1%、特に好ましくは0.1%以下であることを示す。昇華性が低いことにより、露光時のアウトガスによる露光装置の汚染を防止することができる。また低LERで良好なパターン形状を得ることができる。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物は、好ましくはF<3.0(Fは、全原子数/(全炭素原子数−全酸素原子数)を表す)、より好ましくはF<2.5を満たす。上記条件を満たしていることにより、耐ドライエッチング性が優れる。
前記式(1)及び式(3)で表される化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン(CHN)、シクロペンタノン(CPN)、2−ヘプタノン、アニソール、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル及び乳酸エチルから選ばれ、かつ、前記式(1)及び式(3)で表される化合物のブレンドに対して最も高い溶解能を示す溶媒に、23℃で、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは、PGMEA、PGME、CHNから選ばれ、かつ、前記式(1)及び式(3)で表される化合物に対して最も高い溶解能を示す溶媒に、23℃で、20質量%以上、特に好ましくはPGMEに対して、23℃で、20質量%以上溶解する。上記条件を満たしていることにより、実生産における半導体製造工程での使用が可能となる。
本発明の効果を損ねない範囲で、前記式(1)及び式(3)で表される化合物に対して、窒素原子を導入しても良い。前記式(1)及び式(3)で表される化合物の全構成原子数に対する窒素原子数の割合は、0.1〜40%であることが好ましく、0.1〜20%であることがより好ましく、0.1〜10%であることがさらに好ましく、0.1〜5%であることが特に好ましい。上記範囲内であると、得られるレジストパターンのラインエッジラフネスを減らすことができる。また導入された窒素原子は、二級又は三級窒素原子であることが好ましく、三級窒素原子であることがより好ましい。
本発明の効果を損ねない範囲で、前記式(1)及び式(3)で表される化合物に、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、極端紫外線(EUV)、X線及びイオンビーム照射あるいはこれにより誘起される化学反応により架橋反応を起こす架橋反応性基を導入してもよい。導入は、例えば、前記式(1)及び式(3)で表される化合物と架橋反応性基導入試剤を塩基触媒下で反応させることにより行う。架橋反応性基としては、炭素−炭素多重結合、エポキシ基、アジド基、ハロゲン化フェニル基及びクロロメチル基が挙げられる。架橋反応性基導入試剤としては、このような架橋反応性基を有する酸、酸塩化物、酸無水物、ジカーボネートなどのカルボン酸誘導体やアルキルハライド等が挙げられる。架橋反応性基を有する化合物を含むレジスト組成物も、高解像度、高耐熱性かつ溶媒可溶性の非高分子系レジスト組成物として有用である。
本発明の効果を損ねない範囲で、前記式(1)及び式(3)で表される化合物の少なくとも1つのフェノール性水酸基に、非酸解離性官能基を導入しても良い。非酸解離性官能基とは、酸の存在下で開裂せず、アルカリ可溶性基を生じない特性基をいう。例えば、酸の作用により分解することの無い、C1〜20のアルキル基、C3〜20のシクロアルキル基、C6〜20のアリール基、C1〜20のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、複素環基、ハロゲン、カルボキシル基、C1〜20のアルキルシラン及びこれらの誘導体からなる群から選択される官能基等が挙げられる。
本発明の効果を損ねない範囲で、前記式(1)及び式(3)で表される化合物のフェノール性水酸基に、ナフトキノンジアジドエステル基を導入しても良い。前記式(1)及び式(3)で表される化合物の少なくとも1つのフェノール性水酸基にナフトキノンジアジドエステル基を導入したブレンドは、それ自身を主成分としてネガ型レジスト組成物の主成分として用いることができる他、ポジ型感放射線組成物の主成分として用いることや、酸発生剤や添加剤としてレジスト組成物に加えることができる。
本発明の効果を損ねない範囲で、前記式(1)及び式(3)で表される化合物の少なくとも1つのフェノール性水酸基に、放射線の照射により酸を発生する酸発生性官能基を導入しても良い。前記式(1)及び式(3)で表される化合物の少なくとも1つのフェノール性水酸基に、酸発生性官能基を導入したブレンドは、それ自身を主成分としてネガ型レジスト組成物の主成分として用いることができる他、添加剤としてレジスト組成物に加えることができる。
本発明の効果を損ねない範囲で、前記式(1)及び式(3)で表される化合物の少なくとも1つのフェノール性水酸基に、放射線の照射により解離する酸解離性官能基を導入しても良い。前記式(1)及び式(3)で表される化合物の少なくとも1つのフェノール性水酸基に、酸解離性官能基を導入したブレンドは、後述するケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤、炭化水素系溶剤を現像液として用いる場合、それ自身を主成分としてネガ型レジスト組成物として用いることができる。また、アルカリ現像液を用いる場合、それ自身を主成分としてポジ型レジスト組成物として用いることができる。いずれの場合も、添加剤としてレジスト組成物に加えることができる。
本発明において、酸解離性官能基とは、酸の存在下で開裂して、アルカリ可溶性基を生じる特性基をいう。アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、ヘキサフルオロイソプロパノール基などが挙げられ、フェノール性水酸基及びカルボキシル基が好ましく、フェノール性水酸基が特に好ましい。前記、酸解離性官能基としては、KrFやArF用の化学増幅型レジスト組成物に用いられるヒドロキシスチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂等において提案されているもののなかから適宜選択して用いることができる。例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、アシル基、1−置換アルコキシメチル基、環状エーテル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基などが挙げられる。前記酸解離性官能基は、架橋性官能基を有さないことが好ましい。
置換メチル基としては、通常、炭素数2〜20の置換メチル基であり、炭素数4〜18の置換メチル基が好ましく、炭素数6〜16の置換メチル基がさらに好ましい。例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、2−メチルプロポキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、フェニルオキシメチル基、1−シクロペンチルオキシメチル基、1−シクロヘキシルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、4−ブロモフェナシル基、4−メトキシフェナシル基、ピペロニル基、及び下記式(13−1)で示される置換基等を挙げることができる。なお、下記式(13−1)中のR2としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基等が挙げられる。
1−置換エチル基としては、通常、炭素数3〜20の1−置換エチル基であり、炭素数5〜18の1−置換エチル基が好ましく、炭素数7〜16の置換エチル基がさらに好ましい。例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、t−ブトキシエチル基、2−メチルプロポキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、及び下記式(13−2)で示される置換基等を挙げることができる。
1−置換−n−プロピル基としては、通常、炭素数4〜20の1−置換−n−プロピル基であり、炭素数6〜18の1−置換−n−プロピル基が好ましく、炭素数8〜16の1−置換−n−プロピル基がさらに好ましい。例えば、1−メトキシ−n−プロピル基及び1−エトキシ−n−プロピル基等を挙げることができる。
1−分岐アルキル基としては、通常、炭素数3〜20の1−分岐アルキル基であり、炭素数5〜18の1−分岐アルキル基が好ましく、炭素数7〜16の分岐アルキル基がさらに好ましい。例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−メチルアダマンチル基、及び2−エチルアダマンチル基等を挙げることができる。
1−分岐アルキル基としては、通常、炭素数3〜20の1−分岐アルキル基であり、炭素数5〜18の1−分岐アルキル基が好ましく、炭素数7〜16の分岐アルキル基がさらに好ましい。例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−メチルアダマンチル基、及び2−エチルアダマンチル基等を挙げることができる。
シリル基としては、通常、炭素数1〜20のシリル基であり、炭素数3〜18のシリル基が好ましく、炭素数5〜16のシリル基がさらに好ましい。例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジエチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基及びトリフェニルシリル基等を挙げることができる。
アシル基としては、通常、炭素数2〜20のアシル基であり、炭素数4〜18のアシル基が好ましく、炭素数6〜16のアシル基がさらに好ましい。例えば、アセチル基、フェノキシアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、アダマンチルカルボニル基、ベンゾイル基及びナフトイル基等を挙げることができる。
アシル基としては、通常、炭素数2〜20のアシル基であり、炭素数4〜18のアシル基が好ましく、炭素数6〜16のアシル基がさらに好ましい。例えば、アセチル基、フェノキシアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、アダマンチルカルボニル基、ベンゾイル基及びナフトイル基等を挙げることができる。
1−置換アルコキシメチル基としては、通常、炭素数2〜20の1−置換アルコキシメチル基であり、炭素数4〜18の1−置換アルコキシメチル基が好ましく、炭素数6〜16の1−置換アルコキシメチル基がさらに好ましい。例えば、1−シクロペンチルメトキシメチル基、1−シクロペンチルエトキシメチル基、1−シクロヘキシルメトキシメチル基、1−シクロヘキシルエトキシメチル基、1−シクロオクチルメトキシメチル基及び1−アダマンチルメトキシメチル基等を挙げることができる。
環状エーテル基としては、通常、炭素数2〜20の環状エーテル基であり、炭素数4〜18の環状エーテル基が好ましく、炭素数6〜16の環状エーテル基がさらに好ましい。例えば、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基及び4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基等を挙げることができる。
環状エーテル基としては、通常、炭素数2〜20の環状エーテル基であり、炭素数4〜18の環状エーテル基が好ましく、炭素数6〜16の環状エーテル基がさらに好ましい。例えば、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基及び4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基等を挙げることができる。
アルコキシカルボニル基としては、通常、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基であり、炭素数4〜18のアルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数6〜16のアルコキシカルボニル基がさらに好ましい。例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基又は下記式(13−3)のn=0で示される酸解離性官能基等を挙げることができる。
アルコキシカルボニルアルキル基としては、通常、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアルキル基であり、炭素数4〜18のアルコキシカルボニルアルキル基が好ましく、炭素数6〜16のアルコキシカルボニルアルキル基がさらに好ましい。例えば、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基又は下記式(13−3)のn=1〜4で示される酸解離性官能基等を挙げることができる。
これらの酸解離性官能基のうち、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換アルコキシメチル基、環状エーテル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルアルキル基が好ましく、置換メチル基、1−置換エチル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシカルボニルアルキル基が高感度であるためより好ましく、さらに炭素数3〜12のシクロアルカン、ラクトン及び6〜12の芳香族環から選ばれる構造を有する酸解離性官能基がより好ましい。炭素数3〜12のシクロアルカンとしては、単環でも多環でも良いが、多環であることがより好ましい。具体例には、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等が挙げられ、より具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロデカン等のポリシクロアルカンが挙げられる。これらの中でも、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロデカンが好ましく、特にアダマンタン、トリシクロデカンが好ましい。炭素数3〜12のシクロアルカンは置換基を有しても良い。ラクトンとしては、ブチロラクトン又はラクトン基を有する炭素数3〜12のシクロアルカン基が挙げられる。6〜12の芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環等が挙げられ、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましく、特にナフタレン環が好ましい。
特に下記式(13−4)で示される各基からなる群から選ばれる酸解離性官能基が、解像性が高く好ましい。
特に下記式(13−4)で示される各基からなる群から選ばれる酸解離性官能基が、解像性が高く好ましい。
(式(13−4)中、R5は、水素又は炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基であり、R6は、水素、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基、シアノ基、ニトロ基、複素環基、ハロゲン、カルボキシル基であり、n1は0〜4の整数、n2は1〜5の整数、n0は0〜4の整数である。)
本実施形態のレジスト組成物は、レジスト基材を含む固形成分と溶媒とを含有し、該レジスト基材は式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物とを含有する。また、本実施形態のレジスト組成物は、固形成分1〜80質量%及び溶媒20〜99質量%からなる。より好ましくは固形成分1〜50質量%及び溶媒50〜99質量%、さらに好ましくは固形成分1〜40質量%及び溶媒60〜99質量%、特に好ましくは固形成分1〜10質量%及び溶媒90〜99質量%である。
レジスト基材に占める前記式(1)で表される化合物の割合は、65〜99質量%であり、レジストパターン形状の観点から、好ましくは70〜99質量%、より好ましくは80〜99質量%、特に好ましくは90〜99質量%である。
前記式(1)で表される化合物に対する式(3)で表される化合物の質量比率は、0.01〜0.10であり、レジストパターン形状の観点から、好ましくは0.01〜0.09質量%、より好ましくは0.01〜0.08質量%、特に好ましくは0.01〜0.07質量%である。
本実施形態のレジスト組成物は、スピンコートによりアモルファス膜を形成することができる。本実施形態のレジスト組成物をスピンコートして形成したアモルファス膜の23℃における現像液に対する溶解速度は、10Å/sec以上が好ましく、10〜10000Å/secがより好ましく、100〜1000Å/secがさらに好ましい。10Å/sec以上であると、現像液に溶解し、レジストとすることができる。また10000Å/sec以下の溶解速度を有すると、解像性が向上する場合もある。これは、前記化合物のブレンドの露光前後の溶解性の変化により、現像液に溶解する未露光部と、現像液に溶解しない露光部との界面のコントラストが大きくなるからと推測される。またLERの低減、ディフェクトの低減効果がある。
本実施形態のレジスト組成物をスピンコートして形成したアモルファス膜のKrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線等の放射線により露光した部分の23℃における現像液に対する溶解速度は、5Å/sec以下が好ましく、0.05〜5Å/secがより好ましく、0.0005〜5Å/secがさらに好ましい。5Å/sec以下であると現像液に不溶で、レジストとすることができる。また0.0005Å/sec以上の溶解速度を有すると、解像性が向上する場合もある。これは、前記化合物のブレンドのミクロの表面部位が溶解し、LERを低減するからと推測される。またディフェクトの低減効果がある。
レジスト基材は、固形成分全質量(レジスト基材、酸発生剤(C)、酸架橋剤(G)、酸拡散制御剤(E)及びその他の成分(F)などの任意に使用される固形成分の総和、以下同様)の20〜99.498質量%が好ましい。より好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは40〜85質量%、特に好ましくは50〜80質量%である。上記配合割合であると、高解像度が得られ、ラインエッジラフネスが小さくなる。
本実施形態のレジスト組成物は、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、極端紫外線(EUV)、X線及びイオンビームから選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に酸を発生する酸発生剤(C)を一種以上含むことが好ましい。酸発生剤(C)の使用量は、固形成分全重量の0.001〜16質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましく、5〜10質量%が特に好ましい。上記範囲内で使用することにより、高感度でかつ低エッジラフネスのパターンプロファイルが得られる。本発明では、系内に酸が発生すれば、酸の発生方法は限定されない。g線、i線などの紫外線の代わりにエキシマレーザーを使用すれば、より微細加工が可能であるし、また高エネルギー線として電子線、極端紫外線、X線、イオンビームを使用すれば更に微細加工が可能である。
前記酸発生剤(C)としては、下記式(7−1)〜(7−8)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
(7−1)
(式(7−1)中、R13は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分枝状若しくは環状アルキル基、直鎖状、分枝状若しくは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子であり;X-は、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基若しくはハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオン又はハロゲン化物イオンである。)
(式(7−1)中、R13は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分枝状若しくは環状アルキル基、直鎖状、分枝状若しくは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子であり;X-は、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基若しくはハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオン又はハロゲン化物イオンである。)
前記式(7−1)で示される化合物は、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルトリルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジ−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニル−p−トルエンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルナフチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート及びシクロ(1,3−パーフルオロプロパンジスルホン)イミデートからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
(式(7−2)中、R14は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分枝状若しくは環状アルキル基、直鎖状、分枝状若しくは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子を表す。X-は前記と同様である。)
前記式(7−2)で示される化合物は、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム p−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム p−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムへキサフルオロベンゼンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウム p−トルエンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート及びジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネートからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
前記式(7−3)で表される化合物は、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エンー2,3−ジカルボキシイミド及びN−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミドからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
(式(7−4)中、R16は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分枝若しくは環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基又は任意に置換されたアラルキル基である。)
前記式(7−4)で表される化合物は、ジフェニルジスルフォン、ジ(4−メチルフェニル)ジスルフォン、ジナフチルジスルフォン、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ジスルフォン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフォン、ジ(3−ヒドロキシナフチル)ジスルフォン、ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフォン及びジ(4−トルフルオロメチルフェニル)ジスルフォンからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
(式(7−5)中、R17は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分枝若しくは環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基又は任意に置換されたアラルキル基である。)
前記式(7−5)で表される化合物は、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル及びα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
(式(7−6)中、R18は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、1以上の塩素原子及び1以上の臭素原子を有するハロゲン化アルキル基である。ハロゲン化アルキル基の炭素原子数は1〜5が好ましい。)
式(7−7)及び(7−8)中、R19及びR20はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数1〜3のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子数1〜3のアルコキシル基、又はフェニル基、トルイル基、ナフチル基等アリール基、好ましくは、炭素原子数6〜10のアリール基である。L19及びL20はそれぞれ独立に1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基である。1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基としては、具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基等の1,2−キノンジアジドスルホニル基を好ましいものとして挙げることができる。特に、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基及び1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基が好ましい。pは1〜3の整数、qは0〜4の整数、かつ1≦p+q≦5である。J19は単結合、炭素原子数1〜4のポリメチレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、下記式(7−7−1)で表わされる基、カルボニル基、エステル基、アミド基又はエーテル基であり、Y19は水素原子、アルキル基又はアリール基であり、X20は、それぞれ独立に下記式(7−8−1)で表される基である。
その他の酸発生剤として、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert-ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n-ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n-プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、1、3−ビス(シクロヘキシルスルホニルアゾメチルスルホニル)プロパン、1、4−ビス(フェニルスルホニルアゾメチルスルホニル)ブタン、1、6−ビス(フェニルスルホニルアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1、10−ビス(シクロヘキシルスルホニルアゾメチルスルホニル)デカンなどのビススルホニルジアゾメタン類、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-(ビストリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-(ビストリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン含有トリアジン誘導体等が挙げられる。
上記酸発生剤のうち、芳香環を有する酸発生剤が好ましく、式(7−1)又は(7−2)で表され酸発生剤がより好ましい。式(7−1)又は(7−2)のX−が、アリール基若しくはハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオンを有する酸発生剤がさらに好ましく、アリール基を有するスルホン酸イオンを有する酸発生剤が特に好ましく、ジフェニルトリメチルフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム ノナフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム p−トルエンスルホネート)が特に好ましい。該酸発生剤を用いることで、LERを低減することができる。
上記酸発生剤(C)は、単独で又は2種以上を使用することができる。
上記酸発生剤(C)は、単独で又は2種以上を使用することができる。
本実施形態のレジスト組成物は、酸架橋剤(G)を一種以上含むことが好ましい。酸架橋剤(G)とは、酸発生剤(C)から発生した酸の存在下で、式(1)で表される化合物及び/又は式(3)で表される化合物を分子内又は分子間架橋し得る化合物である。このような酸架橋剤(G)としては、例えば式(1)の立体配置を持つ化合物及び該化合物のブレンドを架橋し得る1種以上の基(以下、「架橋性基」という。)を有する化合物を挙げることができる。
このような架橋性基の具体例としては、例えば(i)ヒドロキシ(C1−C6アルキル基)、C1−C6アルコキシ(C1−C6アルキル基)、アセトキシ(C1−C6アルキル基)等のヒドロキシアルキル基又はそれらから誘導される基;(ii)ホルミル基、カルボキシ(C1−C6アルキル基)等のカルボニル基又はそれらから誘導される基;(iii)ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基等の含窒素基含有基;(iv)グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基等のグリシジル基含有基;(v)ベンジルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基等の、C1−C6アリルオキシ(C1−C6アルキル基)、C1−C6アラルキルオキシ(C1−C6アルキル基)等の芳香族基から誘導される基;(vi)ビニル基、イソプロペニル基等の重合性多重結合含有基等を挙げることができる。本実施形態における酸架橋剤(G)の架橋性基としては、ヒドロキシアルキル基、及びアルコキシアルキル基等が好ましく、特にアルコキシメチル基が好ましい。
前記架橋性基を有する酸架橋剤(G)としては、例えば(i)メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有ウレア化合物、メチロール基含有グリコールウリル化合物、メチロール基含有フェノール化合物等のメチロール基含有化合物;(ii)アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有ウレア化合物、アルコキシアルキル基含有グリコールウリル化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物等のアルコキシアルキル基含有化合物;(iii)カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有ウレア化合物、カルボキシメチル基含有グリコールウリル化合物、カルボキシメチル基含有フェノール化合物等のカルボキシメチル基含有化合物;(iv)ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物等のエポキシ化合物等を挙げることができる。
酸架橋剤(G)としては、さらに、フェノール性水酸基を有する化合物、ならびにアルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基に前記架橋性基を導入し、架橋性を付与した化合物及び樹脂を使用することができる。その場合の架橋性基の導入率は、フェノール性水酸基を有する化合物、及びアルカリ可溶性樹脂中の全酸性官能基に対して、通常、5〜100モル%、好ましくは10〜60モル%、さらに好ましくは15〜40モル%に調節される。上記範囲であると、架橋反応が十分起こり、残膜率の低下、パターンの膨潤現象や蛇行等が避けられるので好ましい。
本実施形態のレジスト組成物において酸架橋剤(G)は、アルコキシアルキル化ウレア化合物若しくはその樹脂、又はアルコキシアルキル化グリコールウリル化合物若しくはその樹脂が好ましい。特に好ましい酸架橋剤(G)としては、下記式(8−1)〜(8−3)で表される化合物及びアルコキシメチル化メラミン化合物を挙げることができる(酸架橋剤(G1))。
R7が表すアルキル基は、炭素数1〜6が好ましく、炭素数1〜3がより好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。R7が表すアシル基は、炭素数2〜6が好ましく、炭素数2〜4がより好ましく、例えばアセチル基、プロピオニル基が挙げられる。R8〜R11が表すアルキル基は、炭素数1〜6が好ましく、炭素数1〜3がより好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。R8〜R11が表すアルコキシル基は、炭素数1〜6が好ましく、炭素数1〜3がより好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が挙げられる。X2は単結合又はメチレン基であるのが好ましい。R7〜R11、X2は、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。複数個のR7、R8〜R11は、各々同一でも異なっていてもよい。
式(8−2)で表される化合物として具体的には、例えば、N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(n−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(イソプロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(n−ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。この中で、特に、N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルが好ましい。
アルコキシメチル化メラミン化合物として具体的には、例えば、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(n−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(イソプロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(n−ブトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(t−ブトキシメチル)メラミン等を挙げることができる。この中で特に、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが好ましい。
前記酸架橋剤(G1)は、例えば尿素化合物又はグリコールウリル化合物、及びホルマリンを縮合反応させてメチロール基を導入した後、さらにメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール類でエーテル化し、次いで反応液を冷却して析出する化合物又はその樹脂を回収することで得られる。また前記酸架橋剤(G1)は、CYMEL(商品名、三井サイアナミッド製)、ニカラック(三和ケミカル(株)製)のような市販品としても入手することができる。
前記酸架橋剤(G1)は、例えば尿素化合物又はグリコールウリル化合物、及びホルマリンを縮合反応させてメチロール基を導入した後、さらにメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール類でエーテル化し、次いで反応液を冷却して析出する化合物又はその樹脂を回収することで得られる。また前記酸架橋剤(G1)は、CYMEL(商品名、三井サイアナミッド製)、ニカラック(三和ケミカル(株)製)のような市販品としても入手することができる。
また、他の特に好ましい酸架橋剤(G)として、分子内にベンゼン環を1〜6有し、ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基を分子内全体に2以上有し、該ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基が前記いずれかのベンゼン環に結合しているフェノール誘導体を挙げることができる(酸架橋剤(G2))。好ましくは、分子量が1500以下、分子内にベンゼン環を1〜6有し、ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基を合わせて2以上有し、該ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基が前記ベンゼン環のいずれか一、又は複数のベンゼン環に結合してなるフェノール誘導体を挙げることができる。
ベンゼン環に結合するヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び2−ヒドロキシ−1−プロピル基などの炭素数1〜6のものが好ましい。ベンゼン環に結合するアルコキシアルキル基としては、炭素数2〜6のものが好ましい。具体的にはメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、2−メトキシエチル基又は2−メトキシ−1−プロピル基が好ましい。
上記式中、L1〜L8は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物(上記式においてL1〜L8が水素原子である化合物)とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具体的には、特開平6−282067号公報、特開平7−64285号公報等に記載されている方法にて合成することができる。
アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。具体的には、EP632003A1等に記載されている方法にて合成することができる。
アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。具体的には、EP632003A1等に記載されている方法にて合成することができる。
このようにして合成されたヒドロキシメチル基及び/又はアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、保存時の安定性の点で好ましいが、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は保存時の安定性の観点から特に好ましい。酸架橋剤(G2)は、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、他の特に好ましい酸架橋剤(G)として、少なくとも一つのα−ヒドロキシイソプロピル基を有する化合物を挙げることができる(酸架橋剤(G3))。α−ヒドロキシイソプロピル基を有する限り、その構造に特に限定はない。また、上記α−ヒドロキシイソプロピル基中のヒドロキシル基の水素原子を1種以上の酸解離性基(R−COO−基、R−SO2−基等、Rは、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の環状炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1−分岐アルキル基及び炭素数6〜12の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる置換基を表す)で置換されていてもよい。上記α−ヒドロキシイソプロピル基を有する化合物としては、例えば、少なくとも1つのα−ヒドロキシイソプロピル基を含有する置換又は非置換の芳香族系化合物、ジフェニル化合物、ナフタレン化合物、フラン化合物等の1種又は2種以上が挙げられる。具体的には、例えば、下記一般式(9−1)で表される化合物(以下、「ベンゼン系化合物(1)」という。)、下記一般式(9−2)で表される化合物(以下、「ジフェニル系化合物(2)」という。)、下記一般式(9−3)で表される化合物(以下、「ナフタレン系化合物(3」という。)、及び下記一般式(9−4)で表される化合物(以下、「フラン系化合物(4)」という。)等が挙げられる。
上記一般式(9−1)〜(9−4)中、各A2は独立にα−ヒドロキシイソプロピル基又は水素原子を示し、かつ少なくとも1のA2がα−ヒドロキシイソプロピル基である。また、一般式(9−1)中、R51は水素原子、ヒドロキシル基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキルカルボニル基又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシカルボニル基を示す。更に、一般式(9−2)中、R52は単結合、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、−O−、−CO−又は−COO−を示す。また、一般式(9−4)中、R53及びR54は、相互に独立に水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。
上記ベンゼン系化合物(1)として具体的には、例えば、α−ヒドロキシイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、1,2,4−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、1,3,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン等のα−ヒドロキシイソプロピルベンゼン類;3−α−ヒドロキシイソプロピルフェノール、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェノール、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェノール、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェノール等のα−ヒドロキシイソプロピルフェノール類;3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・メチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・メチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・エチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・n−プロピルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・イソプロピルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・n−ブチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・t−ブチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・n−ペンチルケトン、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル・メチルケトン、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル・エチルケトン、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル・メチルケトン等のα−ヒドロキシイソプロピルフェニル・アルキルケトン類;3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸メチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸メチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸エチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸n−プロピル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸イソプロピル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸n−ブチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸t−ブチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸n−ペンチル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸メチル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸エチル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸メチル等の4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸アルキル類等が挙げられる。
また、上記ジフェニル系化合物(2)として具体的には、例えば、3−α−ヒドロキシイソプロピルビフェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピルビフェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,3’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、4,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,3’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,4’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,3’,4,6,−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,4,4’,6,−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,3’,4,5’,6−ペンタキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル等のα−ヒドロキシイソプロピルビフェニル類;3−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルメタン、4−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルメタン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−2−フェニルエタン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−2−フェニルプロパン、2−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−2−フェニルプロパン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−3−フェニルプロパン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−4−フェニルブタン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−5−フェニルペンタン、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルメタン、3,3’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、3,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、1,2−ビス(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)エタン、1,2−ビス(4−α−ヒドロキシプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−α−ヒドロキシプロピルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−α−ヒドロキシプロピルフェニル)プロパン、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、3,3’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、3,4’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、2,3’,4,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、2,4,4’,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、2,3’,4,5’,6−ペンタキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン等のα−ヒドロキシイソプロピルジフェニルアルカン類;3−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルエーテル、4−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルエーテル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,3’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,3’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,4’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,3’ ,4,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,4,4’,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,3’,4,5’,6−ペンタキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル等のα−ヒドロキシイソプロピルジフェニルエーテル類;3−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルケトン、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,3’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、4,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,3’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,4’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,3’,4,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,4,4’,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,3’,5,5’−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,3’,4,5’,6−ペンタキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン等のα−ヒドロキシイソプロピルジフェニルケトン類;3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸フェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸フェニル、安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸フェニル、3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸フェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル等のα−ヒドロキシイソプロピル安息香酸フェニル類等が挙げられる。
更に、上記ナフタレン系化合物(3)として具体的には、例えば、1−(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、2−(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,6−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,7−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、2,6−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、2,7−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3,7−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,4,7−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3,5,7−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン等が挙げられる。
また、上記フラン系化合物(4)として具体的には、例えば、3−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−メチル−3−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−メチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−エチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−n−プロピル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−イソプロピル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−n−ブチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−t−ブチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−n−ペンチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2,5−ジメチル−3−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2,5−ジエチル−3−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、3,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2,5−ジメチル−3,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2,5−ジエチル−3,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン等を挙げることができる。
上記酸架橋剤(G3)としては、遊離のα−ヒドロキシイソプロピル基を2以上有する化合物が好ましく、α−ヒドロキシイソプロピル基を2以上有する前記ベンゼン系化合物(1)、α−ヒドロキシイソプロピル基を2以上有する前記ジフェニル系化合物(2)、α−ヒドロキシイソプロピル基を2個以上有する前記ナフタレン系化合物(3)が更に好ましく、α−ヒドロキシイソプロピル基を2個以上有するα−ヒドロキシイソプロピルビフェニル類、α−ヒドロキシイソプロピル基を2個以上有するナフタレン系化合物(3)が特に好ましい。
上記酸架橋剤(G3)は、通常、1,3−ジアセチルベンゼン等のアセチル基含有化合物に、CH3MgBr等のグリニヤール試薬を反応させてメチル化した後、加水分解する方法や、1,3−ジイソプロピルベンゼン等のイソプロピル基含有化合物を酸素等で酸化して過酸化物を生成させた後、還元する方法により得ることができる。
本発明において酸架橋剤(G)の使用量は、固形成分全重量の0.5〜49質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%がさらに好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。上記酸架橋剤(G)の配合割合を0.5質量%以上とすると、レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性の抑制効果を向上させ、残膜率が低下したり、パターンの膨潤や蛇行が生じたりするのを抑制することができるので好ましく、一方、50質量%以下とすると、レジストとしての耐熱性の低下を抑制できることから好ましい。
また、上記酸架橋剤(G)中の上記酸架橋剤(G1)、酸架橋剤(G2)、酸架橋剤(G3)から選ばれる少なくとも1種の化合物の配合割合も特に限定はなく、レジストパターンを形成する際に使用される基板の種類等によって種々の範囲とすることができる。
全酸架橋剤成分において、上記アルコキシメチル化メラミン化合物及び/又は(9−1)〜(9−3)で表される化合物が50〜99質量%、好ましくは60〜99質量%、より好ましくは70〜98質量%、更に好ましくは80〜97質量%であることが好ましい。アルコキシメチル化メラミン化合物及び/又は(9−1)〜(9−3)で表される化合物を全酸架橋剤成分の50質量%以上とすることにより、解像度を向上させることができるので好ましく、99質量%以下とすることにより、パターン断面形状として矩形状の断面形状とし易いので好ましい。
本発明においては、放射線照射により酸発生剤から生じた酸のレジスト膜中における拡散を制御して、未露光領域での好ましくない化学反応を阻止する作用等を有する酸拡散制御剤(E)をレジスト組成物に配合しても良い。この様な酸拡散制御剤(E)を使用することにより、レジスト組成物の貯蔵安定性が向上する。また解像度が向上するとともに、放射線照射前の引き置き時間、放射線照射後の引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。このような酸拡散制御剤(E)としては、窒素原子含有塩基性化合物、塩基性スルホニウム化合物、塩基性ヨードニウム化合物等の放射線分解性塩基性化合物が挙げられる。酸拡散制御剤(E)は、単独で又は2種以上を使用することができる。
上記酸拡散制御剤としては、例えば、含窒素有機化合物や、露光により分解する塩基性化合物等が挙げられる。上記含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(10)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体(以下、「含窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、及び含窒素複素環式化合物等を挙げることができる。尚、酸拡散制御剤(E)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(10)
上記一般式(10)中、R61、R62及びR63は相互に独立に水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、上記アルキル基、アリール基又はアラルキル基は、非置換でもよく、ヒドロキシル基等で置換されていてもよい。ここで、上記直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜15、好ましくは1〜10のものが挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。また、上記アリール基としては、炭素数6〜12のものが挙げられ、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が挙げられる。更に、上記アラルキル基としては、炭素数7〜19、好ましくは7〜13のものが挙げられ、具体的には、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記含窒素化合物(I)として具体的には、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、メチル−n−ドデシルアミン、ジ−n−ドデシルメチル、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、ジメチル−n−ドデシルアミン、ジ−n−ドデシルメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類等を挙げることができる。
上記含窒素化合物(II)として具体的には、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。
上記含窒素化合物(III)として具体的には、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
上記アミド基含有化合物として具体的には、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
上記ウレア化合物として具体的には、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等を挙げることができる。
上記含窒素複素環式化合物として具体的には、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;及び、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
また、上記放射線分解性塩基性化合物としては、例えば、下記一般式(11−1)で表されるスルホニウム化合物、及び下記一般式(11−2)で表されるヨードニウム化合物等を挙げることができる。
上記一般式(11−1)及び(11−2)中、R71、R72、R73、R74及びR75は相互に独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子を示す。Z−はHO−、R−COO−(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜11のアリール基若しくは炭素数7〜12のアルカリール基を示す。)又は下記一般式(11−3):
上記放射線分解性塩基性化合物として具体的には、例えば、トリフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、トリフェニルスルホニウムアセテート、トリフェニルスルホニウムサリチレート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムアセテート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムサリチレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムサリチレート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムハイドロオキサイド、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムアセテート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムサリチレート等が挙げられる。
酸拡散制御剤(E)の配合量は、固形成分全重量の0.001〜49質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.01〜5質量%がさらに好ましく、0.01〜3質量%が特に好ましい。上記範囲内であると、解像度の低下、パターン形状、寸法忠実度等の劣化を防止することができる。さらに、電子線照射から放射線照射後加熱までの引き置き時間が長くなっても、パターン上層部の形状が劣化することがない。また、配合量が10質量%以下であると、感度、未露光部の現像性等の低下を防ぐことができる。またこの様な酸拡散制御剤を使用することにより、レジスト組成物の貯蔵安定性が向上し、また解像度が向上するとともに、放射線照射前の引き置き時間、放射線照射後の引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
本実施形態のレジスト組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、その他の成分(F)として、溶解促進剤、溶解制御剤、増感剤、界面活性剤及び有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体等の各種添加剤を1種又は2種以上添加することができる。
(1)溶解促進剤
低分子量溶解促進剤は、式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の現像液に対する溶解性が低すぎる場合に、その溶解性を高めて、現像時の式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の溶解速度を適度に増大させる作用を有する成分であり、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。前記溶解促進剤としては、例えば、低分子量のフェノール性化合物を挙げることができ、例えば、ビスフェノール類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン等を挙げることができる。これらの溶解促進剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。溶解促進剤の配合量は、使用する
式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
低分子量溶解促進剤は、式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の現像液に対する溶解性が低すぎる場合に、その溶解性を高めて、現像時の式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の溶解速度を適度に増大させる作用を有する成分であり、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。前記溶解促進剤としては、例えば、低分子量のフェノール性化合物を挙げることができ、例えば、ビスフェノール類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン等を挙げることができる。これらの溶解促進剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。溶解促進剤の配合量は、使用する
式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
(2)溶解制御剤
溶解制御剤は、式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物が現像液に対する溶解性が高すぎる場合に、その溶解性を制御して現像時の溶解速度を適度に減少させる作用を有する成分である。このような溶解制御剤としては、レジスト被膜の焼成、放射線照射、現像等の工程において化学変化しないものが好ましい。
溶解制御剤は、式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物が現像液に対する溶解性が高すぎる場合に、その溶解性を制御して現像時の溶解速度を適度に減少させる作用を有する成分である。このような溶解制御剤としては、レジスト被膜の焼成、放射線照射、現像等の工程において化学変化しないものが好ましい。
溶解制御剤としては、例えば、フェナントレン、アントラセン、アセナフテン等の芳香族炭化水素類;アセトフェノン、ベンゾフェノン、フェニルナフチルケトン等のケトン類;メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホン、ジナフチルスルホン等のスルホン類等を挙げることができる。これらの溶解制御剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。
溶解制御剤の配合量は、使用する式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
溶解制御剤の配合量は、使用する式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
(3)増感剤
増感剤は、照射された放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(C)に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を有し、レジストの見掛けの感度を向上させる成分である。このような増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン類、ビアセチル類、ピレン類、フェノチアジン類、フルオレン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの増感剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。増感剤の配合量は、使用する式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
増感剤は、照射された放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(C)に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を有し、レジストの見掛けの感度を向上させる成分である。このような増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン類、ビアセチル類、ピレン類、フェノチアジン類、フルオレン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの増感剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。増感剤の配合量は、使用する式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
(4)界面活性剤
界面活性剤は、本実施形態のレジスト組成物の塗布性やストリエーション、レジストの現像性等を改良する作用を有する成分である。このような界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでもよい。好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。ノニオン系界面活性剤は、レジスト組成物の製造に用いる溶媒との親和性がよく、より効果がある。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等が挙げられるが、特に限定はされない。市販品としては、以下商品名で、エフトップ(ジェムコ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業社製)、フロラード(住友スリーエム社製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子社製)、ペポール(東邦化学工業社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業社製)等を挙げることができる。界面活性剤の配合量は、使用する式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
界面活性剤は、本実施形態のレジスト組成物の塗布性やストリエーション、レジストの現像性等を改良する作用を有する成分である。このような界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでもよい。好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。ノニオン系界面活性剤は、レジスト組成物の製造に用いる溶媒との親和性がよく、より効果がある。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等が挙げられるが、特に限定はされない。市販品としては、以下商品名で、エフトップ(ジェムコ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業社製)、フロラード(住友スリーエム社製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子社製)、ペポール(東邦化学工業社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業社製)等を挙げることができる。界面活性剤の配合量は、使用する式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
(5)有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体
感度劣化防止又はレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。なお、酸拡散制御剤と併用することも出来るし、単独で用いても良い。有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルなどの誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸又はそれらのエステルなどの誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルなどの誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体は、単独で又は2種以上を使用することができる。有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体の配合量は、使用する式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
感度劣化防止又はレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。なお、酸拡散制御剤と併用することも出来るし、単独で用いても良い。有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルなどの誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸又はそれらのエステルなどの誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルなどの誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体は、単独で又は2種以上を使用することができる。有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体の配合量は、使用する式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
(6)上記溶解制御剤、増感剤、界面活性剤、及び有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体以外のその他の添加剤
更に、本実施形態のレジスト組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、上記溶解制御剤、増感剤、及び界面活性剤以外の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、染料、顔料、及び接着助剤等が挙げられる。例えば、染料又は顔料を配合すると、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できるので好ましい。また、接着助剤を配合すると、基板との接着性を改善することができるので好ましい。更に、他の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等を挙げることができる。
更に、本実施形態のレジスト組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、上記溶解制御剤、増感剤、及び界面活性剤以外の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、染料、顔料、及び接着助剤等が挙げられる。例えば、染料又は顔料を配合すると、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できるので好ましい。また、接着助剤を配合すると、基板との接着性を改善することができるので好ましい。更に、他の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等を挙げることができる。
任意成分(F)の合計量は、固形成分全重量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
前記固形成分中の、レジスト基材/酸発生剤(C)/酸架橋剤(G)/酸拡散制御剤(E)/任意成分(F))の割合は、好ましくは、質量%で、20〜99.498/0.001〜16/0.5〜49/0.001〜49/0〜49、より好ましくは、30〜90/0.1〜15/0.5〜40/0.01〜10/0〜5、さらに好ましくは、40〜80/0.1〜10/1〜30/0.01〜5/0〜1、特に好ましくは、50〜70/5〜10/2〜20/0.01〜3/0である。)各成分の配合割合は、その総和が100質量%になるように各範囲から選ばれる。上記配合にすると、感度、解像度、現像性等の性能に優れる。
本実施形態のレジスト組成物は、通常は、使用時に各成分を溶媒に溶解して均一溶液とし、その後、必要に応じて、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより調製される。
本実施形態のレジスト組成物の調製に使用される前記溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等の乳酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルプロピオン酸ブチル、3−メトキシ−3−メチル酪酸ブチル、アセト酢酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ラクトン等のラクトン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を使用することができる。
本実施形態のレジスト組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、樹脂を含むことができる。樹脂としては、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール類、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸樹脂、及びアクリル酸、ビニルアルコール、又はビニルフェノールを単量体単位として含む重合体あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。樹脂の配合量は、使用する式(1)で表される化合物と式(3)で表される化合物のブレンドの種類に応じて適宜調節されるが、前記化合物のブレンド100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下、特に好ましくは0重量部である。
[レジストパターンの形成方法]
本実施形態のレジストパターン形成方法は、上記レジスト組成物を用いて、基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、露光したレジスト膜を現像する工程とを備える。レジストパターンは、多層プロセスにおける上層レジストとして形成することもできる。
本実施形態のレジストパターン形成方法は、上記レジスト組成物を用いて、基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、露光したレジスト膜を現像する工程とを備える。レジストパターンは、多層プロセスにおける上層レジストとして形成することもできる。
レジストパターンを形成するには、まず、従来公知の基板上に前記レジスト組成物を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布手段によって塗布することによりレジスト膜を形成する。従来公知の基板とは、特に限定されず、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェハー、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が挙げられる。また必要に応じて、前述基板上に無機系及び/又は有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。ヘキサメチレンジシラザン等による表面処理を行ってもよい。
次いで、必要に応じ、塗布した基板を加熱する。加熱条件は、レジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは20〜150℃である。加熱することによって、レジストの基板に対する密着性が向上する場合があり好ましい。次いで、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、極端紫外線(EUV)、X線、及びイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線により、レジスト膜を所望のパターンに露光する。露光条件等は、レジスト組成物の配合組成等に応じて適宜選定される。本発明においては、露光における高精度の微細パターンを安定して形成するために、放射線照射後に加熱するのが好ましい。加熱条件は、レジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは20〜150℃である。
次いで、露光されたレジスト膜を現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。前記現像液としては、アルカリ水溶液や、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤又は炭化水素系溶剤を用いることができる。
アルカリ水溶液としては、例えば、モノ−、ジ−あるいはトリアルキルアミン類、モノ−、ジ−あるいはトリアルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等のアルカリ性化合物が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤を用いる場合は、複数混合してもよいし、性能を有する範囲内で、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。
現像液の蒸気圧は、20℃において、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は、現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。パターンの現像を行なう時間には特に制限はないが、好ましくは10秒〜90秒である。
また、現像を行う工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像の後には、有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄する工程を実施してもよい。現像後のリンス工程に用いるリンス液としては、架橋により硬化したレジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液又は水を使用することができる。前記リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。より好ましくは、現像の後に、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。更により好ましくは、現像の後に、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。更により好ましくは、現像の後に、1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。特に好ましくは、現像の後に、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。パターンのリンスを行なう時間には特に制限はないが、好ましくは10秒〜90秒である。
ここで、現像後のリンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
前記各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、より良好な現像特性を得ることができる。
現像後に用いるリンス液の蒸気圧は、20℃において0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性がより向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤がより抑制され、ウェハ面内の寸法均一性がより良化する。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス工程においては、現像を行ったウェハを前記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。
レジストパターンを形成した後、エッチングすることによりパターン配線基板が得られる。エッチングの方法はプラズマガスを使用するドライエッチング及びアルカリ溶液、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液等によるウェットエッチングなど公知の方法で行うことが出来る。
レジストパターンを形成した後、その上にめっきを行うことも出来る。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。
エッチング後の残存レジストパターンは有機溶剤で剥離することが出来る。上記有機溶剤として、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート),PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル),EL(乳酸エチル)等が挙げられる。上記剥離方法としては、例えば、浸漬方法、スプレイ方式等が挙げられる。またレジストパターンが形成された配線基板は、多層配線基板でも良く、小径スルーホールを有していても良い。
本発明で得られる配線基板は、レジストパターン形成後、金属を真空中で蒸着し、その後レジストパターンを溶液で溶かす方法、すなわちリフトオフ法により形成することもできる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定はされない。以下の合成例において、化合物の構造は1H−NMR、13C−NMR、2次元NMR測定で確認した。
参考例1(CR−1´の合成)
温度を制御できる内容積500mlの電磁撹拌装置付オートクレーブ(SUS316L製)に、無水HF 74.3g(3.71モル)、BF3 50.5g(0.744モル)を仕込み、内容物を撹拌し、液温を−30℃に保ったまま一酸化炭素により2MPaまで昇圧した。その後、圧力を2MPa、液温を−30℃に保ったまま、4−シクロヘキシルベンゼン57.0g(0.248モル)とn−ヘプタン50.0gとを混合した原料を供給し、1時間保った後、氷の中に内容物を採取し、ベンゼンで希釈後、中和処理をして得られた油層をガスクロマトグラフィーで分析して反応成績を求めたところ、4−シクロヘキシルベンゼン転化率100%、4−シクロヘキシルベンズアルデヒド選択率97.3%であった。
単蒸留により目的成分を単離し、GC−MSで分析した結果、目的物の4−シクロヘキシルベンズアルデヒド(以下、CHBAL、CR-1´と示す)の分子量188を示した。また、重クロロホルム溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、1.0〜1.6(m,10H)、2.6(m,1H)、7.4(d,2H)、7.8(d,2H)、10.0(s,1H)であった。
温度を制御できる内容積500mlの電磁撹拌装置付オートクレーブ(SUS316L製)に、無水HF 74.3g(3.71モル)、BF3 50.5g(0.744モル)を仕込み、内容物を撹拌し、液温を−30℃に保ったまま一酸化炭素により2MPaまで昇圧した。その後、圧力を2MPa、液温を−30℃に保ったまま、4−シクロヘキシルベンゼン57.0g(0.248モル)とn−ヘプタン50.0gとを混合した原料を供給し、1時間保った後、氷の中に内容物を採取し、ベンゼンで希釈後、中和処理をして得られた油層をガスクロマトグラフィーで分析して反応成績を求めたところ、4−シクロヘキシルベンゼン転化率100%、4−シクロヘキシルベンズアルデヒド選択率97.3%であった。
単蒸留により目的成分を単離し、GC−MSで分析した結果、目的物の4−シクロヘキシルベンズアルデヒド(以下、CHBAL、CR-1´と示す)の分子量188を示した。また、重クロロホルム溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、1.0〜1.6(m,10H)、2.6(m,1H)、7.4(d,2H)、7.8(d,2H)、10.0(s,1H)であった。
合成例1(CR−1tの合成)
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(500ml)に、窒素気流下で、関東化学社製レゾルシノール(17.3g、0.15mol)と、エタノール(128g)と、及び濃硫酸(13.9g、0.15mol)を投入し、エタノール溶液を調製した。この溶液を氷冷し、5〜15℃で冷却撹拌しながら、滴下漏斗によりCHBAL(4−シクロヘキシルベンズアルデヒド、28.2g、0.15mol)とエタノール(30g)を10分かけて滴下した。その後、マントルヒーターで80℃まで加熱、5時間攪拌した。反応終了後、300mlの0.5N水酸化ナトリウム水溶液を添加・放冷し、室温に到達させた後、氷浴で冷却した。1時間静置後、淡黄色の目的粗結晶が生成し、これを濾別した。粗結晶をメタノール500mlで2回、水1Lで5回洗浄し、濾別することにより、含水48%の濾過ケーキ64gの生成物(粗収率78%)を得た。この生成物をHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比が、99.6/0.4/0.0であった。
得られた含水ケーキ64gのうち、32gを650gの70℃CPNに溶解し、70℃で0.3%シュウ酸水150gと、超純水150g(5回)で洗浄した。溶媒留去により、水分を除去するとともに9%CPN溶液になるように濃度調節した。得られた9%CPN溶液を3日間室温放置し、得られた結晶物を濾別、メタノール300mlで2回洗浄した後、40℃にて1週間風乾した。この精製物(以下、CR−1tと示す)をHPLC分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比が、100.0/0.0/0.0で、収量は7.0g(収率32%相当)であった。この精製物の熱分解温度は407℃であった。また、ガラス転移温度は180℃であった。
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(500ml)に、窒素気流下で、関東化学社製レゾルシノール(17.3g、0.15mol)と、エタノール(128g)と、及び濃硫酸(13.9g、0.15mol)を投入し、エタノール溶液を調製した。この溶液を氷冷し、5〜15℃で冷却撹拌しながら、滴下漏斗によりCHBAL(4−シクロヘキシルベンズアルデヒド、28.2g、0.15mol)とエタノール(30g)を10分かけて滴下した。その後、マントルヒーターで80℃まで加熱、5時間攪拌した。反応終了後、300mlの0.5N水酸化ナトリウム水溶液を添加・放冷し、室温に到達させた後、氷浴で冷却した。1時間静置後、淡黄色の目的粗結晶が生成し、これを濾別した。粗結晶をメタノール500mlで2回、水1Lで5回洗浄し、濾別することにより、含水48%の濾過ケーキ64gの生成物(粗収率78%)を得た。この生成物をHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比が、99.6/0.4/0.0であった。
得られた含水ケーキ64gのうち、32gを650gの70℃CPNに溶解し、70℃で0.3%シュウ酸水150gと、超純水150g(5回)で洗浄した。溶媒留去により、水分を除去するとともに9%CPN溶液になるように濃度調節した。得られた9%CPN溶液を3日間室温放置し、得られた結晶物を濾別、メタノール300mlで2回洗浄した後、40℃にて1週間風乾した。この精製物(以下、CR−1tと示す)をHPLC分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比が、100.0/0.0/0.0で、収量は7.0g(収率32%相当)であった。この精製物の熱分解温度は407℃であった。また、ガラス転移温度は180℃であった。
このCR−1の(ctt)異性体の構造は、GPCで分析した結果、スチレン換算の数平均分子量Mn979、重量平均分子量Mw986を示した。また重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は0.8〜1.9(m,44H)、5.5(s,4H)、6.0〜6.4(d,8H)、6.6〜6.7(m,16H)、8.4,8.5(m,8H)であった。また、LC−TOF−MSで分析した結果、m/z=1119.58であった。
これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−1)の(ctt)異性体と同定した。
これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−1)の(ctt)異性体と同定した。
参考例2(CR−2´の合成)
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(500ml)に、窒素気流下で、関東化学社製レゾルシノール(9.1g、0.08mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、120g)と、及び関東化学社製炭酸カリウム(粉末、13.9g、0.21mol)を投入し、DMF溶液を調製した。この溶液を水冷し、25〜30℃で冷却撹拌しながら、滴下漏斗により1−ブロモヘプタン(29.0g、0.16mol)とDMF(20g)を10分かけて滴下した。その後、マントルヒーターで100℃まで加熱、4時間攪拌した。反応終了後、50度以下に冷却した後、100gのヘキサンと200gの水を添加し、有機相を50gの0.1N水酸化ナトリウム水溶液で3回、100gの水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した。その後、溶媒留去し、黄色オイル21.7gを得た。
重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、0.87(m,6H,エーテル−CH3)、1.25〜1.33(m,12H,エーテル−CH2−Me&エーテル−CH2−Et&エーテル−CH2−Pr)、1.38(m,4H,エーテル−CH2−Bu)、1.68(m,4H,エーテル−CH2−Pen)、3.91(m,4H,O−CH2−Hex)、6.43(m,1H,芳香環−CH)、6.46&6.47(d,2H,芳香環−CH、J=9Hz)、7.13(t,1H,芳香環−CH、J=8Hz)であり、13C−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、13.9(エーテル−CH3)、22.0(エーテル−CH2−Me)、25.5(エーテル−CH2−Bu)、26.4(エーテル−CH2−Pr)、28.4(エーテル−CH2−Pen)、31.2(エーテル−CH2−Et)、67.3(O−CH2−Hex)、101.0(芳香環−CH)、106.5(芳香環−CH)、129.8(芳香環−CH)、159.9(芳香環−COR)であった。
(CR−2´)
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(500ml)に、窒素気流下で、関東化学社製レゾルシノール(9.1g、0.08mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、120g)と、及び関東化学社製炭酸カリウム(粉末、13.9g、0.21mol)を投入し、DMF溶液を調製した。この溶液を水冷し、25〜30℃で冷却撹拌しながら、滴下漏斗により1−ブロモヘプタン(29.0g、0.16mol)とDMF(20g)を10分かけて滴下した。その後、マントルヒーターで100℃まで加熱、4時間攪拌した。反応終了後、50度以下に冷却した後、100gのヘキサンと200gの水を添加し、有機相を50gの0.1N水酸化ナトリウム水溶液で3回、100gの水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した。その後、溶媒留去し、黄色オイル21.7gを得た。
重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、0.87(m,6H,エーテル−CH3)、1.25〜1.33(m,12H,エーテル−CH2−Me&エーテル−CH2−Et&エーテル−CH2−Pr)、1.38(m,4H,エーテル−CH2−Bu)、1.68(m,4H,エーテル−CH2−Pen)、3.91(m,4H,O−CH2−Hex)、6.43(m,1H,芳香環−CH)、6.46&6.47(d,2H,芳香環−CH、J=9Hz)、7.13(t,1H,芳香環−CH、J=8Hz)であり、13C−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、13.9(エーテル−CH3)、22.0(エーテル−CH2−Me)、25.5(エーテル−CH2−Bu)、26.4(エーテル−CH2−Pr)、28.4(エーテル−CH2−Pen)、31.2(エーテル−CH2−Et)、67.3(O−CH2−Hex)、101.0(芳香環−CH)、106.5(芳香環−CH)、129.8(芳香環−CH)、159.9(芳香環−COR)であった。
合成例2(CR−2tの合成)
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(100ml)に、窒素気流下で、CR−2´(7.7g、0.03mol)と、エタノール(20g)と、及びp−トルエンスルホン酸(5.0g、0.03mol)を投入し、エタノール溶液を調製した。この溶液を氷冷し、5〜15℃で冷却撹拌しながら、滴下漏斗により3,4−DHBAL(関東化学社製、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、4.1g、0.02mol)とエタノール(10g)を10分かけて添加した。その後、マントルヒーターで80℃まで加熱、4時間攪拌した。反応終了後、200gのシクロヘキサノン(CHN)を加え、100mlの水で5回洗浄した。溶媒留去により、水分とCHNを共沸した。得られた結晶物を濾別、メタノール30mlで2回洗浄した後、40℃にて1週間風乾し、2.4gの精製物(以下、CR−2tと示す)を得た。この精製物をUHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比は、98.2/1.8/0.0であった。
この精製物の熱分解温度は355.1℃であった。また、ガラス転移温度は238.1℃であった。また重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は0.78&0.85(m,24H,エーテル−CH3)、0.99&1.23(m,16H,エーテル−CH2−Et)、1.02&1.25(m,16H,エーテル−CH2−Pr)、1.03&1.23(m,16H,エーテル−CH2−Bu)、1.12&1.24(m,16H,エーテル−CH2−Me)、1.24&1.58(m,16H,エーテル−CH2−Pen、J=8Hz)、3.57&3.71&3.73&3.90(m,16H,O−CH2−Hex、J=8Hz)、5.40(s,4H,CR骨格−CH)、5.86&5.86(d,4H,官能基−CH、J=9Hz)、6.11&6.21(s,4H,CR骨格−CH)、6.20(m,4H,官能基−CH)、6.27&6.45(s,4H,CR骨格−CH)、6.33(d,4H,官能基−CH、J=8Hz)、8.01(br,8H,官能基−OH)で13C−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は13.9(エーテル−CH3)、22.0&22.1(エーテル−CH2−Me)、25.2&25.5(エーテル−CH2−Pr)、28.5&28.8(エーテル−CH2−Bu)、29.0&29.2(エーテル−CH2−Pen)、31.1&31.2(エーテル−CH2−Et)、42.2(CR骨格−CH)、67.7&67.8(O−CH2−Hex)、97.1&97.3(CR骨格−CH)、114.2(官能基−CH)、117.1(官能基−CH)、120.3(官能基−CH)、123.3(CR骨格−C)、126.4&130.5(CR骨格−CH)、133.7(官能基−C)、142.3(官能基−OH)、143.8(官能基−OH)、154.1&154.9(CR骨格−COR)であった。また、LC−TOF−MSで分析した結果、m/z=1704.1であった。これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−2)の(ctt)異性体と同定した。
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(100ml)に、窒素気流下で、CR−2´(7.7g、0.03mol)と、エタノール(20g)と、及びp−トルエンスルホン酸(5.0g、0.03mol)を投入し、エタノール溶液を調製した。この溶液を氷冷し、5〜15℃で冷却撹拌しながら、滴下漏斗により3,4−DHBAL(関東化学社製、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、4.1g、0.02mol)とエタノール(10g)を10分かけて添加した。その後、マントルヒーターで80℃まで加熱、4時間攪拌した。反応終了後、200gのシクロヘキサノン(CHN)を加え、100mlの水で5回洗浄した。溶媒留去により、水分とCHNを共沸した。得られた結晶物を濾別、メタノール30mlで2回洗浄した後、40℃にて1週間風乾し、2.4gの精製物(以下、CR−2tと示す)を得た。この精製物をUHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比は、98.2/1.8/0.0であった。
この精製物の熱分解温度は355.1℃であった。また、ガラス転移温度は238.1℃であった。また重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は0.78&0.85(m,24H,エーテル−CH3)、0.99&1.23(m,16H,エーテル−CH2−Et)、1.02&1.25(m,16H,エーテル−CH2−Pr)、1.03&1.23(m,16H,エーテル−CH2−Bu)、1.12&1.24(m,16H,エーテル−CH2−Me)、1.24&1.58(m,16H,エーテル−CH2−Pen、J=8Hz)、3.57&3.71&3.73&3.90(m,16H,O−CH2−Hex、J=8Hz)、5.40(s,4H,CR骨格−CH)、5.86&5.86(d,4H,官能基−CH、J=9Hz)、6.11&6.21(s,4H,CR骨格−CH)、6.20(m,4H,官能基−CH)、6.27&6.45(s,4H,CR骨格−CH)、6.33(d,4H,官能基−CH、J=8Hz)、8.01(br,8H,官能基−OH)で13C−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は13.9(エーテル−CH3)、22.0&22.1(エーテル−CH2−Me)、25.2&25.5(エーテル−CH2−Pr)、28.5&28.8(エーテル−CH2−Bu)、29.0&29.2(エーテル−CH2−Pen)、31.1&31.2(エーテル−CH2−Et)、42.2(CR骨格−CH)、67.7&67.8(O−CH2−Hex)、97.1&97.3(CR骨格−CH)、114.2(官能基−CH)、117.1(官能基−CH)、120.3(官能基−CH)、123.3(CR骨格−C)、126.4&130.5(CR骨格−CH)、133.7(官能基−C)、142.3(官能基−OH)、143.8(官能基−OH)、154.1&154.9(CR骨格−COR)であった。また、LC−TOF−MSで分析した結果、m/z=1704.1であった。これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−2)の(ctt)異性体と同定した。
参考例3(CR−3´の合成)
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(1000ml)に、窒素気流下で、関東化学社製レゾルシノール(30g、0.27mol)と、テトラヒドロフラン(THF、450ml)を投入し、THF溶液を調製した。この溶液を氷冷し、0〜10℃で冷却撹拌しながら、滴下漏斗によりシクロヘキサノール(82g、0.82mol)とトリフェニルホスフィン(211g、0.81mol)及びアゾジカルボン酸 ジイソプロピル(150g、0.74mol)を10分かけて滴下し、氷冷のまま2時間攪拌した。反応終了後、100gのヘキサンと200gの水を添加し、有機相を50gの0.1N水酸化ナトリウム水溶液で3回、100gの水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した。その後、溶媒留去し、黄色結晶物29.6gを得た。
重クロロホルム溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、0.9〜2.0(m,20H)、4.3(m,2H)、6.4〜6.5(m,3H)、7.1(m,H)であった。
(CR−3´)
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(1000ml)に、窒素気流下で、関東化学社製レゾルシノール(30g、0.27mol)と、テトラヒドロフラン(THF、450ml)を投入し、THF溶液を調製した。この溶液を氷冷し、0〜10℃で冷却撹拌しながら、滴下漏斗によりシクロヘキサノール(82g、0.82mol)とトリフェニルホスフィン(211g、0.81mol)及びアゾジカルボン酸 ジイソプロピル(150g、0.74mol)を10分かけて滴下し、氷冷のまま2時間攪拌した。反応終了後、100gのヘキサンと200gの水を添加し、有機相を50gの0.1N水酸化ナトリウム水溶液で3回、100gの水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した。その後、溶媒留去し、黄色結晶物29.6gを得た。
重クロロホルム溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、0.9〜2.0(m,20H)、4.3(m,2H)、6.4〜6.5(m,3H)、7.1(m,H)であった。
合成例3(CR−3tの合成)
CR−2´と3,4−DHBALの代わりに、CR−3´と4−HBAL(関東化学社製、4−ヒドロキシベンズアルデヒド)を用い、その他は合成例2と同様の操作から、8.0gの精製物(以下、CR−5tと称す)を得た。この精製物をUHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比は、92.5/2.9/4.6であった。
この精製物をGPCで分析した結果、スチレン換算の数平均分子量Mn1089、重量平均分子量Mw1103を示した。熱分解温度は377.0℃であった。また、ガラス転移温度は不明瞭で検出できなかった。また重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は0.94〜1.05&1.12〜1.34&1.70〜1.73(m,32H,cyclo−Hex)、0.96〜1.05&1.43〜1.47(m,32H,cyclo−Hex)、1.03〜1.13&1.30〜1.34&1.77〜1.88(m,16H,cyclo−Hex)、4.06〜4.09(m,8H,エーテル−CH)、5.57(s,4H,CR骨格−CH)、6.16&6.32(s,4H,CR骨格−CH)、6.31(s,8H,官能基−CH、J=9Hz)、6.32&6.47(s,4H,CR骨格−CH)、6.67(d,8H,官能基−CH、J=9Hz)、8.71(s,4H,官能基−OH)であり、13C−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は22.2〜22.7(cyclo−Hex)、25.2&25.3(cyclo−Hex)、30.3〜31.9(cyclo−Hex)、41.9(CR骨格−CH)、73.8&74.5(エーテル−CH−cyclo−Hex)、99.7&100.9(CR骨格−CH)、113.7(官能基−CH)、124.5&127.1(CR骨格−C)、127.6&131.7(CR骨格−CH)、129.9(官能基−CH)、133.4(官能基−C)、152.7&153.2(CR骨格−COR)、154.5(官能基−OH)であった。また、LC−TOF−MSで分析した結果、m/z=1511.9であった。これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−3)の(ctt)異性体と同定した。
CR−2´と3,4−DHBALの代わりに、CR−3´と4−HBAL(関東化学社製、4−ヒドロキシベンズアルデヒド)を用い、その他は合成例2と同様の操作から、8.0gの精製物(以下、CR−5tと称す)を得た。この精製物をUHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比は、92.5/2.9/4.6であった。
この精製物をGPCで分析した結果、スチレン換算の数平均分子量Mn1089、重量平均分子量Mw1103を示した。熱分解温度は377.0℃であった。また、ガラス転移温度は不明瞭で検出できなかった。また重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は0.94〜1.05&1.12〜1.34&1.70〜1.73(m,32H,cyclo−Hex)、0.96〜1.05&1.43〜1.47(m,32H,cyclo−Hex)、1.03〜1.13&1.30〜1.34&1.77〜1.88(m,16H,cyclo−Hex)、4.06〜4.09(m,8H,エーテル−CH)、5.57(s,4H,CR骨格−CH)、6.16&6.32(s,4H,CR骨格−CH)、6.31(s,8H,官能基−CH、J=9Hz)、6.32&6.47(s,4H,CR骨格−CH)、6.67(d,8H,官能基−CH、J=9Hz)、8.71(s,4H,官能基−OH)であり、13C−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は22.2〜22.7(cyclo−Hex)、25.2&25.3(cyclo−Hex)、30.3〜31.9(cyclo−Hex)、41.9(CR骨格−CH)、73.8&74.5(エーテル−CH−cyclo−Hex)、99.7&100.9(CR骨格−CH)、113.7(官能基−CH)、124.5&127.1(CR骨格−C)、127.6&131.7(CR骨格−CH)、129.9(官能基−CH)、133.4(官能基−C)、152.7&153.2(CR骨格−COR)、154.5(官能基−OH)であった。また、LC−TOF−MSで分析した結果、m/z=1511.9であった。これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−3)の(ctt)異性体と同定した。
合成例4´(CR−4´の合成)
1−ブロモヘプタンの代わりにブロモメチルシクロヘキサン(関東化学社製)を用い、その他は参考例2と同様に操作から、黄色オイル21.9gを得た。
重クロロホルム溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、1.11〜1.24(m,16H,cyclo−Hex)、1.66(m,4H,cyclo−Hex)、1.72(m,2H,エーテル−Me−CH)、3.73(m,4H,エーテル−CH2−cyclo−Hex、J=8Hz)、6.43(m,1H,芳香環−CH、J=2Hz)、6.47(t,2H,芳香環−CH、J=9Hz)、7.12(t,1H,芳香環−CH、J=8Hz)であり、1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、25.1〜25.5(cyclo−Hex)、29.2(cyclo−Hex)、37.1(エーテル−CH)、72.6(エーテル−CH2−cyclo−Hex)、101.0(芳香環−CH)、106.5(芳香環−CH)、129.8(芳香環−CH)、160.0(芳香環−COR)であった。
(CR−4´)
1−ブロモヘプタンの代わりにブロモメチルシクロヘキサン(関東化学社製)を用い、その他は参考例2と同様に操作から、黄色オイル21.9gを得た。
重クロロホルム溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、1.11〜1.24(m,16H,cyclo−Hex)、1.66(m,4H,cyclo−Hex)、1.72(m,2H,エーテル−Me−CH)、3.73(m,4H,エーテル−CH2−cyclo−Hex、J=8Hz)、6.43(m,1H,芳香環−CH、J=2Hz)、6.47(t,2H,芳香環−CH、J=9Hz)、7.12(t,1H,芳香環−CH、J=8Hz)であり、1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、25.1〜25.5(cyclo−Hex)、29.2(cyclo−Hex)、37.1(エーテル−CH)、72.6(エーテル−CH2−cyclo−Hex)、101.0(芳香環−CH)、106.5(芳香環−CH)、129.8(芳香環−CH)、160.0(芳香環−COR)であった。
合成例4(CR−4tの合成)
CR−2´と3,4−DHBALの代わりに、CR−3´と4−HBALを用い、その他は合成例2と同様に操作から、2.1gの精製物(以下、CR−4tと称す)を得た。この精製物をUHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比は、93.3/2.5/4.2であった。
この精製物の熱分解温度は380.6℃であった。また、ガラス転移温度は不明瞭で検出できなかった。また重テトラヒドロフラン溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、0.66〜0.95&1.30&1.49〜1.64(m,32H,cyclo−Hex)、0.95〜1.12&1.43〜1.56(m,48H,cyclo−Hex)、1.24〜1.26&1.49〜1.51(m,8H,エーテル−Me−CH)、3.35&3.40&3.53&3.62(m,16H,エーテル−CH2−cyclo−Hex、J=9Hz)、5.54(s,4H,CR骨格−CH)、5.62&6.08(s,4H,CR骨格−CH)、6.19&6.23(s,4H,CR骨格−CH)、6.22(s,8H,官能基−CH、J=9Hz)、6.37(d,8H,官能基−CH、J=9Hz)、7.44(s,4H,官能基−OH)であり、13C−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、25.5(cyclo−Hex)、25.7〜26.5(cyclo−Hex)、29.0〜29.5(cyclo−Hex)、37.9&37.9(エーテル−CH)、42.2(CR骨格−CH)、72.4&73.0(エーテル−CH2−cyclo−Hex)、94.7&95.9(CR骨格−CH)、113.5(官能基−CH)、124.0&125.7(CR骨格−C)、127.8&131.5(CR骨格−CH)、129.7(官能基−CH)、133.7(官能基−C)、154.6(CR骨格−COR)、154.7(官能基−OH)であった。また、LC−TOF−MSで分析した結果、m/z=1624.0であった。これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−3)の(ctt)異性体と同定した。
CR−2´と3,4−DHBALの代わりに、CR−3´と4−HBALを用い、その他は合成例2と同様に操作から、2.1gの精製物(以下、CR−4tと称す)を得た。この精製物をUHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他の異性体の組成比は、93.3/2.5/4.2であった。
この精製物の熱分解温度は380.6℃であった。また、ガラス転移温度は不明瞭で検出できなかった。また重テトラヒドロフラン溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、0.66〜0.95&1.30&1.49〜1.64(m,32H,cyclo−Hex)、0.95〜1.12&1.43〜1.56(m,48H,cyclo−Hex)、1.24〜1.26&1.49〜1.51(m,8H,エーテル−Me−CH)、3.35&3.40&3.53&3.62(m,16H,エーテル−CH2−cyclo−Hex、J=9Hz)、5.54(s,4H,CR骨格−CH)、5.62&6.08(s,4H,CR骨格−CH)、6.19&6.23(s,4H,CR骨格−CH)、6.22(s,8H,官能基−CH、J=9Hz)、6.37(d,8H,官能基−CH、J=9Hz)、7.44(s,4H,官能基−OH)であり、13C−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は、25.5(cyclo−Hex)、25.7〜26.5(cyclo−Hex)、29.0〜29.5(cyclo−Hex)、37.9&37.9(エーテル−CH)、42.2(CR骨格−CH)、72.4&73.0(エーテル−CH2−cyclo−Hex)、94.7&95.9(CR骨格−CH)、113.5(官能基−CH)、124.0&125.7(CR骨格−C)、127.8&131.5(CR骨格−CH)、129.7(官能基−CH)、133.7(官能基−C)、154.6(CR骨格−COR)、154.7(官能基−OH)であった。また、LC−TOF−MSで分析した結果、m/z=1624.0であった。これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−3)の(ctt)異性体と同定した。
合成例5(CR−5tの合成)
シクロヘキシルベンゼンの代わりに(4−エチルシクロヘキシル)ベンゼンを用いて4−(4−エチルシクロヘキシル)ベンズアルデヒドを作製し、その他は合成例1と同様にした。再結晶10.6gの生成物(以下、CR−5tと称す)を得た。この生成物をUHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他異性体の組成比が、97.8/2.2/0.0であった。
この精製物の熱分解温度は407℃であった。また、ガラス転移温度は230℃であった。また重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は0.91(t,12H)、1.05〜1.81(m,36H)、2.28(m,4H)、5.57(s,4H)、6.06&6.45(s,4H)、6.11&6.38(s,4H)、6.63(d,4H)、6.76(d,4H)、8.21&8.23(s,8H)であった。また、LC−TOF−MSで分析した結果、m/z=1231.70であった。これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−5)の(ctt)異性体と同定した。
シクロヘキシルベンゼンの代わりに(4−エチルシクロヘキシル)ベンゼンを用いて4−(4−エチルシクロヘキシル)ベンズアルデヒドを作製し、その他は合成例1と同様にした。再結晶10.6gの生成物(以下、CR−5tと称す)を得た。この生成物をUHPLCで分析した結果、(ctt)異性体/(ccc)異性体/その他異性体の組成比が、97.8/2.2/0.0であった。
この精製物の熱分解温度は407℃であった。また、ガラス転移温度は230℃であった。また重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は0.91(t,12H)、1.05〜1.81(m,36H)、2.28(m,4H)、5.57(s,4H)、6.06&6.45(s,4H)、6.11&6.38(s,4H)、6.63(d,4H)、6.76(d,4H)、8.21&8.23(s,8H)であった。また、LC−TOF−MSで分析した結果、m/z=1231.70であった。これらの結果から、得られた生成物を目的化合物(CR−5)の(ctt)異性体と同定した。
<実施例1〜4及び比較例1〜2>
(1)パターニング試験
第1表記載の成分を調合し、均一溶液としたのち、孔系0.1μmnテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、レジスト組成物を調製し、各々について下記の評価を行った。評価結果を第2表に示す。
(1)パターニング試験
第1表記載の成分を調合し、均一溶液としたのち、孔系0.1μmnテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、レジスト組成物を調製し、各々について下記の評価を行った。評価結果を第2表に示す。
酸発生剤(C)
P−1:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(みどり化学(株))
酸架橋剤(G)
C−1:ニカラックMW−100LM(三和ケミカル(株))
酸拡散制御剤(E)
Q−1:トリオクチルアミン(東京化成工業(株))
溶媒
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業(株))
P−1:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(みどり化学(株))
酸架橋剤(G)
C−1:ニカラックMW−100LM(三和ケミカル(株))
酸拡散制御剤(E)
Q−1:トリオクチルアミン(東京化成工業(株))
溶媒
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業(株))
レジストを清浄なシリコンウェハー上に回転塗布した後、110℃のオーブン中で露光前ベーク(PB)して、厚さ60nmのレジスト膜を形成した。該レジスト膜を電子線描画装置(ELS−7500,(株)エリオニクス社製)を用いて、30nm、25nm、20nm及び間隔の1:1のラインアンドスペース設定の電子線を照射した。照射後に、それぞれ所定の温度で、90秒間加熱し、TMAH2.38wt%アルカリ現像液に60秒間浸漬して現像を行った。その後、超純水で30秒間洗浄し、乾燥して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
得られたラインアンドスペースを走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジー製S−4800)により観察した。またその際のドーズ量(μC/cm2)を感度とした。
1:ドーズ量≦65μC/cm2 (優秀な感度)
2:65μC/cm2<ドーズ量≦80μC/cm2 (良好な感度)
3:80μC/cm2<ドーズ量 (感度不良)
得られたラインアンドスペースを走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジー製S−4800)により観察した。またその際のドーズ量(μC/cm2)を感度とした。
1:ドーズ量≦65μC/cm2 (優秀な感度)
2:65μC/cm2<ドーズ量≦80μC/cm2 (良好な感度)
3:80μC/cm2<ドーズ量 (感度不良)
パターンのラインエッジラフネスは、1:1のラインアンドスペースの長さ方向(0.75μm)の任意の300点において、日立半導体用SEM ターミナルPC V5オフライン測長ソフトウェア((株)日立サイエンスシステムズ製)を用いて、エッジと基準セントの距離を測定した。測定結果から標準偏差(3σ)を算出した。
A:LER≦4.0nm (優秀なLER)
B:4.0nm<LER≦8.0nm (良好なLER)
C:8.0nm<LER (倒れのあるパターンを含む)
D:潰れ
E:パターンなし
A:LER≦4.0nm (優秀なLER)
B:4.0nm<LER≦8.0nm (良好なLER)
C:8.0nm<LER (倒れのあるパターンを含む)
D:潰れ
E:パターンなし
上記のように、本実施形態のレジスト組成物は、酸発生剤の使用量が低減された条件下においても、高感度で、ラフネスが小さく、かつ良好な形状のレジストパターンを与える。本発明の要件を満たす限り、実施例に記載したもの以外のレジスト組成物も同様の効果を示す。
本発明は、有用なレジスト組成物及び該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法に好適に使用される。
Claims (22)
- レジスト基材を含む固形成分と溶媒とを含有するレジスト組成物であって、
該組成物中の固形成分が1〜80質量%、溶媒が20〜99質量%の範囲であり、
該レジスト基材が下記式(1)で表される化合物(ctt体)と下記式(3)で表される化合物とを含有し、
該レジスト基材に占める下記式(1)で表される化合物(ctt体)の割合が65〜99質量%であり、かつ
下記式(1)で表される化合物(ctt体)に対する下記式(3)で表される化合物の質量比率が0.01〜0.10である、
レジスト組成物。
(式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアシル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数7〜30のアリーロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。R12は、無置換の炭素数3〜14の環状脂肪族炭化水素基であり、pは0〜4の整数である。)
(式(3)中、Yは、独立して、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、これらの基と二価の基が結合した基、又は水素原子である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。
R’は下記式(2)で表され、
(式(2)中、R4は、Yが置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である場合には水酸基及び/又は置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、Yが水素原子である場合には置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基又は置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。qは1〜5の整数である。)
Xは、独立して、水素原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアシル基、置換若しくは無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数7〜20のアリーロイルオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキルシリル基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である。ここで、二価の基とは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基である。但し、式(3)で表される化合物は、式(1)で表される化合物のctt体及びその立体異性体のいずれとも異なる。) - 前記式(3)中、Yが、無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基と無置換のアルキレン基が結合した基、又は水素原子である請求項1に記載のレジスト組成物。
- 前記式(3)中、Xが水素原子である請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
- 前記式(2)中、R4が、水酸基、又は炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基の水素原子の一つ以上が炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の分岐状脂肪族炭化水素基若しくは炭素数3〜12の環状脂肪族炭化水素基で置換された基である請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 前記式(2)中、qが1又は2である請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 前記式(3)で表される化合物が、ctt体又はccc体を70モル%以上有する請求項1〜5のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 前記式(1)中、Rが水素原子である請求項1〜7のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 前記式(1)中、pが1である請求項1〜8のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、極端紫外線(EUV)、X線及びイオンビームからなる群れから選択されるいずれか一種の放射線の照射により、直接的又は間接的に酸を発生する酸発生剤(C)をさらに含む請求項1〜10のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 酸架橋剤(G)をさらに含む請求項1〜11のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 酸拡散制御剤(E)をさらに含む請求項1〜12のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 前記固形成分中の、レジスト基材/酸発生剤(C)/酸架橋剤(G)/酸拡散制御剤(E)/任意成分(F))の割合が、質量%で、20〜99.498/0.001〜16/0.5〜49/0.001〜49/0〜49の範囲である請求項13記載のレジスト組成物。
- スピンコートによりアモルファス膜を形成することができる請求項1〜14のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 前記アモルファス膜の23℃における現像液に対する溶解速度が、10Å/sec以上である請求項15に記載のレジスト組成物。
- KrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線若しくはX線を照射した後の前記アモルファス膜、又は、20〜250℃で加熱した後の前記アモルファス膜の、現像液に対する溶解速度が5Å/sec以下である請求項15又は16に記載のレジスト組成物。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、露光したレジスト膜を現像する工程とを備えるレジストパターン形成方法。
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