JP2016108973A - ロータリピストンエンジンの冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータリピストンエンジンの暖機を促進すると共に、エンジンの効果的な冷却を達成しつつ、ターボ過給機等の作動装置の冷却性を高めることができるようにする。【解決手段】エンジン1の冷却装置は、ウォータポンプ20aからエンジンハウジングのウォータジャケット12へ冷却液を循環させる循環経路を備えている。ウォータジャケット12は、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンHと吸気行程に対応するコールドゾーンCとに区画されている。エンジン1には冷却液を循環させて冷却される作動装置(ターボ過給機23)が設けられている。エンジン1の暖機時において、ウォータジャケット12のホットゾーンHでは冷却液の流れを停止する一方、コールドゾーンCには冷却液を流して作動装置に冷却液を循環させる流量制御弁20b〜20dを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、ロータリピストンエンジンの冷却装置に関する。
下記の特許文献1に記載されているように、ロータリピストンエンジンのサイドハウジングの上部に冷却液の導入通路及び排出通路を設け、導入通路から点火プラグの周辺領域及び排気通路の周辺領域のいわゆるホットゾーンを循環させ、さらに、吸気行程のいわゆるコールドゾーンを循環させて排出通路から排出させる構造が知られている。
特開2003−247424号公報
ロータリピストンエンジンの冷却装置において、エンジンの暖機促進と、冷却の適正化のために、エンジンハウジングをホットゾーンとコールドゾーンとに区画して、それぞれの冷却液の流量を調整する2系統冷却システムが考えられる。
ところで、エンジンの高出力化を達成するためにターボ過給機を装備する場合があり、冷間始動後の早い段階においても、該ターボ過給機の耐久性を高めるために、冷却液を循環させて適切に冷却する必要がある。また、ターボ過給機に限らず、EGR関連機器等、始動後に時間を置かずに冷却が必要な作動装置も搭載される場合がある。
従って、エンジンにおいては、燃費効率及びエンジンの構成部材の耐久性等の観点から、冷間始動後には暖機の促進を図るために冷却を行わないのが好ましく、他方、冷間始動時から冷却を行うのが好ましい作動装置が存在する。
本発明は、上記の課題を解決するためになされ、ロータリピストンエンジンの暖機を促進すると共に、エンジンの効果的な冷却を達成しつつ、ターボ過給機等の作動装置の冷却性を高めることができる技術を提供するものである。
上記の課題を解決するため、本発明は、エンジンハウジングのウォータジャケットを、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンと吸気行程に対応するコールドゾーンとに区画し、暖機時には、ホットゾーンの冷却を止める一方、冷却が必要な作動装置をコールドゾーンを経由して冷却することを特徴とする。
具体的には、本発明は、ロータリピストンエンジンの冷却装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、ウォータポンプからエンジンハウジングのウォータジャケットへ冷却液を循環させる循環経路を備えたロータリピストンエンジンの冷却装置であって、ウォータジャケットは、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンと、吸気行程に対応するコールドゾーンとに区画されており、エンジンには冷却液を循環させて冷却される作動装置が設けられ、エンジンの暖機時において、ウォータジャケットのホットゾーンでは冷却液の流れを停止する一方、ウォータジャケットのコールドゾーンには冷却液を流して作動装置に冷却液を循環させる流量制御弁を備えているものである。
これによれば、エンジン暖機時においても、冷却が必要な作動装置(例えば、ターボ過給機又はEGRクーラバイパスバルブ等)へ吸気行程のコールドゾーンから冷却液を流すため、少量の冷却液でも冷却効果を確保することができる。その上、ホットゾーンでは冷却液の流れを停止するため、暖機の促進を図ることができるので、燃費を向上することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、作動装置は車両に搭載されエンジンの上方側に配設されたターボ過給機である。
これによれば、暖機時においても、高負荷時に作動する上方配置で走行風冷却が困難となりやすいターボ過給機の回転軸受の周囲の冷却性を確保することができる。
本発明によれば、ロータリピストンエンジンの暖機が促進されると共に、エンジンの効果的な冷却を達成しつつ、ターボ過給機等を少量の冷却液でもその冷却性を高めることができる。
図1(a)は一実施形態に係るロータリピストンエンジンを示す模式断面図であり、図1(b)は従来のロータリピストンエンジンを示す模式断面図である。 図2は一実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置を示す模式的な構成図である。 図3は一実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置が冷却対象とする各作動装置の配置及び構成を示す模式図である。 図4は一実施形態に係る各作動装置における冷間始動時から暖機完了後までの冷却液の流通の有無の一例を表わす一覧表である。 図5(a)〜図5(c)は一実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置における冷間始動後の実機による評価結果であり、図5(a)はホットゾーンにおける壁面の温度の時間依存性を冷却液の流通の有無で表すグラフであり、図5(b)はコールドゾーンにおける壁面の温度の時間依存性を冷却液の流通の有無で表すグラフであり、図5(c)はホットゾーンにおける冷却液の流通の有無と燃料消費率との関係を表すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物又はその用途を制限することを意図しない。
(一実施形態)
図1(a)は本実施形態に係るロータリピストンエンジンの断面構成を模式的に表し、図1(b)は従来のロータリピストンエンジンの断面構成を模式的に表している。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ロータリピストンエンジン(以下、単にエンジンと呼ぶ。)1は、ロータハウジング11を有し、該ロータハウジング11におけるトロコイド内周面(ロータの摺動面)の近傍には、冷却液を流通させるウォータジャケット12が配設されている。
ウォータジャケット12は、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンHと、吸気行程に対応するコールドゾーンCとに区画することができる。
例えば、図1(a)に示す本実施形態のウォータジャケット12においては、ロータハウジング11と隣接するインタミディエイトハウジング(図示せず)又はサイドハウジング(図示せず)の上部に設けられる排気口11aの下端部とトレーリング点火プラグTの下端部とを結ぶ仮想線の上側の領域がホットゾーンHとなり、該仮想線から下側で且つ吸気口11bを含む領域がコールドゾーンCとなる。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るエンジン1において、トレーリング点火プラグTの近傍には、例えば、機械式のウォータポンプW/Pが配設されている。ウォータジャケット12は、ウォータポンプW/Pからロータハウジング11の上部を通過する第1経路12aと、ウォータポンプW/Pからロータハウジング11の下部を通過する第2経路12bとの2つの経路に分割されて形成されている。従って、第1経路12aは、ホットゾーンHを通過し、第2経路12bは、コールドゾーンCを通過する。
一方、図1(b)に示す従来のウォータジャケット12においては、インタミディエイトハウジング等の下部に設けられる排気口11aの上端部とトレーリング点火プラグTの上端部とを結ぶ仮想線の下側の領域がホットゾーンHとなり、該仮想線から上側で且つ吸気口11bを含む領域がコールドゾーンCとなる。機械式のウォータポンプW/Pはエンジン1の上部に配設されており、ウォータジャケット12は、ウォータポンプW/Pからトロコイド内周面の周囲を1つの経路として設けられる。従って、従来のウォータジャケット12を流通する冷却液は、ウォータポンプW/Pが作動している間は、常にホットゾーンHとコールドゾーンCとを流通する。
ここで、本実施形態に係るエンジン1と従来のエンジン1とで、ホットゾーンHとコールドゾーンCとの位置が逆になっている。本実施形態に係るエンジン1の場合は、一例として、エンジン1にターボ過給機を搭載する構成であることから、従来のエンジン1に配設される排気口11aが下側となる構成では、排気を受けるターボ過給機がエンジン1の下部に位置することとなる。従って、例えばエンジンフードの位置を低く設定しようとすると、ターボ過給機がフレームと干渉する事態が生じる場合があり、本実施形態においては、ホットゾーンHを上側に設定して、ターボ過給機をエンジン1の上方に配置している。従って、ホットゾーンHを上側に設定し、コールドゾーンCをその下側に設定するという構成は、本発明とは無関係である(本発明に必須の要件ではない)。
ところで、図1(b)に示す従来のエンジン1において、ウォータジャケット12に冷却液を流すと、ホットゾーンH及びコールドゾーンCのいずれにも冷却液が常時流れることになる。従って、従来のエンジン1においては、暖機運転(昇温)時でも、ホットゾーンHが冷却液により冷却されてしまい、燃費効果を得られにくい。
これに対し、図1(a)に示す本実施形態に係るエンジン1においては、ウォータジャケット12を第1経路12aと第2経路12bと分けることにより、いずれか一方の経路に冷却液を選択的に流通させることができる。例えば、暖機運転(昇温)時において、コールドゾーンCにのみ冷却液を流し、ホットゾーンHには冷却液を流さないようにすると、ホットゾーンHの昇温を促進することができ、燃費の低減効果を得ることができる。
図2は本実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置の模式的な構成を表している。図2に示すように、エンジン1に循環経路13を介して冷却液を送出する機械式ウォータポンプ20aと、該冷却液の流量調整を行う複数の流量制御バルブ20b、20c及び20dとを含む水流制御装置20と、流入口がエンジン1に設けられたバルブ30と接続され、流出口が水流制御装置20のバルブ20bと接続されたラジエータ21と、流入口がバルブ30と接続され、流出口がラジエータ21の流入口及びバルブ20bと接続されたEGRクーラ(EGR/C)22とを備えている。ここで、図2においては、水流制御装置20に含まれる流量制御バルブ20b、20c及び20dは、個別の3個のバルブから構成されているように図示しているが、これは、便宜上に過ぎず、ロータリバルブ等によって構成することができる。
また、エンジン1のバルブ30からの冷却液を受けるターボ過給機(T/C)用冷却器23と、その下流に位置し流出口がバルブ20cと接続されたEGRクーラバイパスバルブ用冷却器24と、バルブ30からの冷却液を受け、流出口がバルブ20cと接続された電子スロットルバルブ用温調器25と、バルブ30からの冷却液を受け、流出口がバルブ20cと接続された車両空調用ヒータ26と、バルブ30からの冷却液を受ける水冷オイルクーラ(O/C)27と、その下流に位置し流出口がバルブ20dと接続された、例えば自動変速器ウォーマ(ATF/W)用冷却器28とを備えている。
ここで、EGRとは、排気の一部を吸気に添加する手法である排気再循環をいう。また、自動変速器ウォーマ(ATF/W)用冷却器28は、手動変速器ウォーマ(MTF/W)用冷却器であってもよい。
以上の構成により、本実施形態に係る冷却装置は、ウォータジャケット12を第1経路12aと第2経路12bとに分割すると共に、バルブ30の開度を適当に調節することにより、冷却液を第1経路12a及び第2経路12bの両方又はいずれか一方の経路に選択的に流通させることができる。
さらに、水流制御装置20のバルブ20b〜20dの開度を適当に調節することにより、冷却液をターボ過給機用冷却器23、電子スロットルバルブ用温調器25、車両空調用ヒータ26又は水冷オイルクーラ27等々に選択的に流通させることができる。
図3は本実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置が冷却対象とする、車両に搭載される主な作動装置(デバイス)の配置及び構成を模式的に表している。図3に示すように、EGRクーラ22は、エンジン1からの排気管と分岐され、吸気管41におけるインタクーラ42の下流部分と接続されたEGR管40に配設された水冷式の冷却器である。また、EGRクーラバイパスバルブ24Aは、EGRクーラ22の上流側で分岐し、EGR管40における吸気管41との接続部の近傍に接続されるEGRバイパス管40aの下流側に設けられる。なお、EGRクーラバイパスバルブ24Aは、エンジン1の低負荷時に開状態とされる。ターボ過給機23Aは、エンジン1からの排気を受けるタービンと、該タービンと同軸上に設けられ、吸気を圧縮するコンプレッサとを有し、インタクーラ42の上流側に配設される。また、電子スロットルバルブ25Aは、吸気管41におけるインタクーラ42の下流側に設けられる。ここで、上述したように、実機においては、ターボ過給機23Aは、例えば、エンジン1のホットゾーンHの上方に搭載される。
図4は本実施形態に係る各デバイスにおける冷間始動時から暖機完了後までの冷却液の流通の有無の一例を表している。図4において、矢印(→)が付与された欄は冷却液が流通する状態を表し、斜線(/)が付与された欄は冷却液が流通しない状態を表している。
図1(a)に示したように、エンジン1においては、冷間始動時は、ウォータジャケット12に設けた第1経路12aには冷却液を流したくない。しかしながら、図2に示すグループAのデバイス、すなわち、電子スロットルバルブ用温調器25、ターボ過給機用冷却器23、EGRクーラバイパスバルブ用冷却器24及びオン状態の車両空調用ヒータ26は、冷間始動時であっても、冷却液を流通させるのが好ましい。なぜなら、図3に示したように、ターボ過給機23A及びEGRクーラバイパスバルブ24Aは、エンジン1の始動の直後から排気を直接に受けることから温度上昇が激しく、また、電子スロットルバルブ25Aは、氷結防止等のために冷却水を流して温度調節を行うからである。また、車両空調用ヒータ26は、手動又は自動でオン状態となれば、冷却液を流す必要がある。
このように、冷間始動時には、エンジン1のウォータジャケット12におけるホットゾーンHを通る第1経路12aは、バルブ30によって閉状態とするものの、コールドゾーンCを通る第2経路12bを適当に開状態とすることにより、図4に示すように、グループAのデバイスには所定の流量の冷却液を流通させることが可能となる。なお、図2に示すように、グループAのデバイスは、水流制御装置20のバルブ20cの開度の調節により、冷却液の流量を調整することができる。同様に、ラジエータ21及びEGRクーラ22はバルブ20bの開度の調節により、水冷オイルクーラ27及び自動変速器ウォーマ用冷却器28はバルブ20dの開度の調節により、それぞれ、冷却液の流量を調整することができる。
図4をさらに説明すると、暖機判定において、冷却液の温度が所定の温度に達していると判定された場合には、バルブ30の開度の調節により、コールドゾーンCに加え、ホットゾーンHに対しても、すなわちウォータジャケット12の第1経路12aに対しても冷却液を流し始める。さらに、水流制御装置20の流量制御バルブ20bを適当な開状態とすることにより、ラジエータ21及びEGRクーラ22に冷却液を流す。暖機判定で冷却液の温度が所定の温度未満と判定された場合の「半暖機」状態においては、水流制御装置20の流量制御バルブ20dを適当な開状態とすることにより、水冷オイルクーラ27及び自動変速器ウォーマ用冷却器28に冷却液を流す。
また、各流量制御バルブ20b〜20dによる流量の調整は適宜行うことができ、例えば、冷間始動時及び低負荷時の流量は少量でもよく、また、暖機完了後の高負荷運転時にはその流量を増量してもよい。
以上説明したように、エンジン1の冷間始動時には、該エンジン1のウォータジャケット12におけるホットゾーンHには冷却液を流さず、コールドゾーンCにのみ冷却液を流す。これにより、燃費の改善効果だけでなく、エンジン1の構成部材に対する不具合の発生を防止することができる。具体的には、エンジン1の動作中において、ホットゾーンHは、燃焼ガスの温度が高いため、エンジン1のハウジングの壁面の温度が高いほど、燃焼の損失の低減効果が大きい。また、ホットゾーンHは、燃焼ガスの圧力が高いため、ロータの摺動面の温度が高いほど、ロータとその摺動面との間に介在する油膜の粘度が適切となり、且つ、その膜厚も適切となる。これにより、アペックスシール、サイドシール及びコーナシールを含むガスシールの摩擦損失の低減効果が大きくなる。
これに対し、コールドゾーンCには燃焼熱が伝わりにくいため、冷却液を冷間始動時から流しても、その損失は小さい。
図5(a)〜図5(c)に本実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置における冷間始動後の実機による評価結果であり、図5(a)はホットゾーンHにおける壁面の温度の時間依存性を冷却液の流通の有無で表し、図5(b)はコールドゾーンCにおける壁面の温度の時間依存性を冷却液の流通の有無で表し、図5(c)はホットゾーンHにおける冷却液の流通の有無と燃料消費率との関係を表している。
図5(a)からは、冷却液をホットゾーンHに流す場合(水流あり)は、冷間始動時から所定時間後の壁面の温度は約70℃であり、冷却液をホットゾーンHに流通させない場合(水流停止)は、始動時から所定時間後の壁面の温度は約130℃にまで上昇していることが分かる。
これに対し、図5(b)からは、冷却液をコールドゾーンCに流通させる場合(水流あり)は、冷間始動時から所定時間後の壁面の温度は約45℃であり、冷却液をホットゾーンHに流通させない場合(水流停止)は、始動時から所定時間後の壁面の温度は約62℃である。
これらのことから、冷間始動時からホットゾーンHに冷却液を流すと暖機が遅れ、これとは逆に、冷間始動中にホットゾーンHに冷却液を流さないことにより暖機が速くなることが分かる。従って、上述した壁面の温度が高いほど、燃焼の損失の低減効果が大きいこと、また、壁面の温度が高いほど、ガスシールの摩擦損失の低減効果が大きくなることの効果を得られることが実証される。
また、図5(c)からは、冷間始動中にホットゾーンHに冷却液を流通させないことにより、燃料消費率が低下していることが分かる。
なお、上記の実施形態は、図1(a)に示すロータリピストンエンジン1に適応した例を示したが、図1(b)に示す従来のエンジン1においても、ホットゾーンHとコールドゾーンCとに区画し、ウォータジャケット12を、ホットゾーンHを通過する第1経路と、コールドゾーンCを通過する第2経路との2つの経路に分割して形成し、本発明を適応するようにしてもよい。
−効果−
以上より、本実施形態によれば、ロータリピストンエンジンの主に冷間始動時において、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンには、冷却液を流通させないようにすることによりエンジンの暖機が促進されて、燃費を改善することができる。その上、冷間始動時において、吸気行程に対応するコールドゾーンには、冷却液を流通させるようにすることにより、例えばターボ過給機の回転軸受等を少量の冷却液でもその冷却性を高めることができる。
本発明に係るロータリピストンエンジンの冷却装置は、冷間始動時の燃費の改善と迅速な冷却との両立が必要な用途等に適用することができる。
1 ロータリピストンエンジン(エンジン)
11 ロータハウジング(エンジンハウジング)
11a 排気口
11b 吸気口
12 ウォータジャケット
12a 第1経路
12b 第2経路
13 循環経路
20 水流制御装置
20a 機械式ウォータポンプ(ウォータポンプ)
20b、20c、20d 流量制御バルブ(流量制御弁)
21 ラジエータ
22 EGRクーラ
23 ターボ過給機用冷却器
23A ターボ過給機
24 EGRクーラバイパスバルブ用冷却器
24A EGRクーラバイパスバルブ
25 電子スロットルバルブ用温調器
25A 電子スロットルバルブ
26 車両空調用ヒータ
27 水冷オイルクーラ
28 自動変速器ウォーマ用冷却器
30 バルブ

Claims (2)

  1. ウォータポンプからエンジンハウジングのウォータジャケットへ冷却液を循環させる循環経路を備えたロータリピストンエンジンの冷却装置であって、
    前記ウォータジャケットは、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンと、吸気行程に対応するコールドゾーンとに区画されており、
    エンジンには、冷却液を循環させて冷却される作動装置が設けられ、
    前記エンジンの暖機時において、前記ウォータジャケットのホットゾーンでは冷却液の流れを停止する一方、前記ウォータジャケットのコールドゾーンには冷却液を流して前記作動装置に冷却液を循環させる流量制御弁を備えている、ロータリピストンエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1において、
    前記作動装置は、車両に搭載され、前記エンジンの上方側に配設されたターボ過給機である、ロータリピストンエンジンの冷却装置。
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