JP2016108323A - 新規な機能性ペプチド - Google Patents

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Abstract

【課題】生体組織同士の接着を促進、又は投与されたグルコサミノグリカンと生体組織との接着を促進するグルコサミノグリカンに対し、高い結合親和性を有するペプチド、該ペプチドを含有する医薬及び化粧品の提供。【解決手段】特定のアミノ酸配列で表されるグルコサミノグリカンと生体組織との接着を促進する機能性ペプチド又はその誘導体ペプチド、及び、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物並びに該ペプチドなどを含有する医薬及び化粧品。【選択図】なし

Description

本発明は新規な機能性ペプチド又はその誘導体に関する。また、本発明は、前記機能性ペプチドを含む医薬又は化粧品に関する。
グルコサミノグリカンは、分子内にアミノ糖を有する多糖であって、ウロン酸とグルコサミン又はガラクトサミンとからなる二糖の繰り返し構造を基本骨格とするものである。グルコサミノグリカンは、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸、ヘパラン硫酸などに分けることができ、例えば、ヒアルロン酸は、関節、硝子体、皮膚、脳など広く生体内の細胞外マトリックスに存在し、コンドロイチン硫酸は軟骨の細胞外マトリックスや、皮膚などの結合組織をはじめとするあらゆる組織に存在することが知られている。
これらグルコサミノグリカンは、様々な細胞増殖因子や細胞外マトリックス成分と相互作用し、細胞接着、移動、増殖、分化、形態形成といった細胞活動を制御したり、炎症や癌細胞の転移などの病的な現象にも関わっていることが知られていることから、グルコサミノグリカンが、生体に与える影響とそのメカニズムについて様々な研究がなされている。また、グルコサミノグリカンは、極めて高い保水能力や粘弾性を示すことが知られており、この性質を利用して、眼科領域や皮膚科領域をはじめとする様々な分野において、各種疾患に対する治療薬や予防薬として臨床応用されている。
例えば、眼科領域においては、近年、コンタクトレンズの使用や、パソコン、ゲームなどモニターを見る機会が著しく増加したことに伴い、涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の組成が変化したりすることによって、目の表面を潤す力が低下した状態にある目の乾きの症状を持つ人が増えている(非特許文献1)。このような目の乾きを緩和する薬剤として、グルコサミノグリカンの一種であるヒアルロン酸ナトリウムを有効成分とする点眼剤が知られている。医療用医薬品としてのヒアルロン酸ナトリウム製剤は、シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼球乾燥症候群(ドライアイ)などの内因性疾患及び、術後、薬剤性、外傷、コンタクトレンズ装用などによる外因性疾患のいずれの疾患に伴う角結膜上皮障害を効能・効果としている。このようにヒアルロン酸ナトリウム製剤は適用範囲が広く、有用な医薬品であるが、点眼された薬剤が涙液によって角膜上から流れ落ちてしまうことから、1日あたり5〜6回の点眼を要するといった課題が残されている。
また、皮膚科領域においては、例えば、グルコサミノグリカンの一種であるヘパリン類似物質を有効成分とする外用剤が知られており、皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症又はアトピー性皮膚炎などの治療に使用されている。また、化粧品の分野においても、グルコサミノグリカンの一種であるヒアルロン酸が配合された化粧水などが市販されている。これらの外用剤や化粧品においても、有効成分が皮膚中に滞留する時間が長ければ、それだけ効果が持続することから、このような性質を有するものが望ましい。
また、上記のとおり、グルコサミノグリカンは、生体内の細胞外マトリックスや皮膚などの結合組織などに広く存在するものであることから、治療薬としてのみならず、既に生体に存在するグルコサミノグリカンを利用した疾患の治療への応用も期待される。このような疾患の一つとして、例えば、網膜剥離が挙げられる。網膜剥離とは、神経網膜が網膜色素上皮から剥がれた状態をいう。治療法としては、まずはレーザー光凝固法がある。網膜裂孔が生じただけならば、瞳孔から網膜裂孔周囲にレーザーを照射し、裂孔周囲の網膜
接着を強固にすることで、将来的に発症しうる網膜剥離を予防できる。既に網膜剥離が発症している場合は、硝子体中に手術器具を挿入し、眼の中から網膜を復位する硝子体手術を行う。しかしながら、難治症例においては、硝子体手術後でも網膜が再剥離する。この場合は網膜と網膜色素上皮との間の接着性を良好にすることで再剥離の防止が期待できる。神経網膜と網膜色素上皮の間隙に存在する視細胞外マトリックス、なかでもグルコサミノグリカンであるヒアルロン酸は豊富に存在する。この視細胞外マトリックスを利用して、網膜の接着を促進する作用があれば、硝子体手術の成功率の上昇に寄与するものと考えられる。
他方、ヒアルロン酸(HA)はN−アセチルグルコサミンとグルクロン酸の二糖の繰返しから成る単純な構造体である。生体内でヒアルロン酸と結合するタンパク質(HABP:ヒアルロン酸結合タンパク質)については何種類も報告されているが、ヒアルロン酸との結合様式は大きく2つに分けることができる。すなわち、HABPのうち、アグリカン(aggrecan)、バーシカン(versican、PG−Mとも呼ばれる)、ニューロカン(neurocan)、ブレビカン(brevican、BEHABとも呼ばれる)などのHABPは、そのN末端領域の約100アミノ酸からなる球状の立体構造(G1ドメイン)がヒアルロン酸結合活性を示す。一方、SPACR(Sialoprotein Associated with Cones and Rods)、SPACRCAN(Sialoproteoglycan Associated with Cones and Rods)などのHABPは、B(X7)Bと呼ばれる9つのアミノ酸から構成されるペプチドがヒアルロン酸結合活性を示している(非特許文献2)。近年、バーシカンのG1ドメインを基に創製されたペプチドがヒアルロン酸−角膜間の結合を補助し、新規な医用素材となりうることが報告されたが(特許文献1)、B(X7)Bを基に創製されたペプチドについてはそのような報告はない。
特開2004−154038号公報
厚生労働省、「医療用医薬品の有効成分のうち一般用医薬品としての利用も可能と考えられる候補成分検討調査報告書」、2011年、pp87-95 米田雅彦ら、細胞工学、2001年、第20巻、第8号、pp1114-1121
本発明は、生体組織同士の接着を促進するか、又は有効成分として投与されたグルコサミノグリカンと生体組織との接着を促進する機能性ペプチド又はその誘導体を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような解題を解決するために鋭意検討した結果、下記のアミノ酸からなるペプチドが生体由来のペプチドを遥かに凌ぐグルコサミノグリカン結合能、特にヒアルロン酸結合能、ヒアルロン酸−角膜間及び網膜−網膜上皮間の結合補助作用を示すことを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、以下の発明に関する。
[1]次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物(ただし、配列番号3〜6で表されるアミノ酸配列からなるペプチドを除くものとする)。
1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
(1)
1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
(2)
[式中、
1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
[2]上記[1]に記載の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、塩基性アミノ酸が、Arg、His又はLysであり、酸性アミノ酸が、Asp又はGluであり、分岐アミノ酸が、Leu、Ile又はValであり、含アミドアミノ酸が、Asn又はGlnであり、含ヒドロキシアミノ酸が、Ser又はThrであり、脂肪族アミノ酸が、Ala又はGlyであり、芳香族アミノ酸が、Phe、Trp又はTyrであり、そして含硫アミノ酸が、Cys又はMetである、前記ペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[3]上記[1]又は[2]に記載の一般式(1)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
前記一般式(1)において、
1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
前記ペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[4]上記[1]又は[2]に記載の一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
前記一般式(2)において、
1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時にCysを示すか、又は、
1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
前記ペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[5]アミノ酸配列が配列番号7〜38で表される、上記[1]又は[2]に記載のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[6]アミノ酸配列が配列番号15、27又は28で表される、上記[1]又は[2]
に記載のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[7]次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬。
1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
(1)
1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
(2)
[式中、
1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
[8]上記[7]に記載の医薬であって、塩基性アミノ酸が、Arg、His又はLysであり、酸性アミノ酸が、Asp又はGluであり、分岐アミノ酸が、Leu、Ile又はValであり、含アミドアミノ酸が、Asn又はGlnであり、含ヒドロキシアミノ酸が、Ser又はThrであり、脂肪族アミノ酸が、Ala又はGlyであり、芳香族アミノ酸が、Phe、Trp又はTyrであり、そして含硫アミノ酸が、Cys又はMetである、前記医薬。
[9]上記[7]又は[8]に記載の一般式(1)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬であって、
前記一般式(1)において、
1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
上記[7]又は[8]に記載の医薬。
[10]上記[7]又は[8]に記載の一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬であって、
前記一般式(2)において、
1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時にCysを示すか、又は、
1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
上記[7]又は[8]に記載の医薬。
[11]配列番号3〜38で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する、上記[7]又は[8]に記載の医薬。
[12]配列番号15、27又は28で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する、上記[7]又は[8]に記載の医薬。
[13]眼疾患の予防及び/又は治療用の、上記[7]〜[12]のいずれかに記載の医薬。
[14]眼疾患が、網膜剥離である、上記[13]に記載の医薬。
[15]網膜疾患が、網膜剥離、糖尿病性網膜症又は黄斑変性である、上記[14]に記載の医薬。
[16]次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物の治療有効量を必要とする患者に投与する工程を含む、眼疾患の予防及び/又は治療方法。
1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
(1)
1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
(2)
[式中、
1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
[17]眼疾患の予防及び/又は治療のための医薬の製造のための、次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物の使用。
1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
(1)
1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
(2)
[式中、
1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
[18](A)次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物と、
(B)グルコサミノグリカン又はその塩とを含有する医薬。
1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
(1)
1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
(2)
[式中、
1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
[19]上記[18]に記載の医薬であって、塩基性アミノ酸が、Arg、His又はLysであり、酸性アミノ酸が、Asp又はGluであり、分岐アミノ酸が、Leu、Ile又はValであり、含アミドアミノ酸が、Asn又はGlnであり、含ヒドロキシアミノ酸が、Ser又はThrであり、脂肪族アミノ酸が、Ala又はGlyであり、芳香族アミノ酸が、Phe、Trp又はTyrであり、そして含硫アミノ酸が、Cys又はMetである、前記医薬。
[20]成分(A)が、上記[18]又は[19]に記載の一般式(1)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
前記一般式(1)において、
1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
上記[18]又は[19]に記載の医薬。
[21]成分(A)が、[18]又は[19]に記載の一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
前記一般式(2)において、
1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時にCysを示すか、又は、
1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成す
る、
上記[18]又は[19]に記載の医薬。
[22]成分(A)が配列番号3〜38で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物である、上記[18]又は[19]に記載の医薬。
[23]成分(A)が配列番号15、27又は28で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物である、上記[18]又は[19]に記載の医薬。
[24]成分(B)がヒアルロン酸又はその塩である、上記[18]〜[23]のいずれかに記載の医薬。
[25]眼疾患又は皮膚疾患の予防及び/又は治療用の、上記[18]〜[24]のいずれかに記載の医薬。
[26]眼疾患が、角結膜上皮障害である、上記[25]に記載の医薬。
[27]角結膜上皮障害が、ドライアイ、乾性角結膜炎、点状表層角膜症、角膜びらん又は角膜潰瘍である、上記[26]に記載の医薬。
[28]皮膚疾患が、皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症又はアトピー性皮膚炎である、上記[25]に記載の医薬。
[29]成分(A)と成分(B)を同一の製剤中に含む医薬組成物の形態である、上記[18]〜[28]のいずれかに記載の医薬。
[30]成分(A)と成分(B)を別個の製剤中に含むキット製剤の形態である、上記[18]〜[28]のいずれかに記載の医薬。
[31](A)次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物の治療有効量と、
(B)グルコサミノグリカン又はその塩の治療有効量とを必要とする患者に同時に又は時間を変えて別々に投与する工程を含む、眼疾患又は皮膚疾患の予防及び/又は治療方法。
1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
(1)
1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
(2)
[式中、
1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
[32]眼疾患又は皮膚疾患の予防及び/又は治療のための医薬の製造のための、(A)次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物と、(B)グルコサミノグリカン又はその塩の組み合わせの使用。
1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
(1)
1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
(2)
[式中、
1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
[33](A)次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物と、
(B)グルコサミノグリカン又はその塩とを含有する化粧品。
1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
(1)
1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
(2)
[式中、
1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
[34]上記[33]に記載の化粧品であって、塩基性アミノ酸が、Arg、His又はLysであり、酸性アミノ酸が、Asp又はGluであり、分岐アミノ酸が、Leu、Ile又はValであり、含アミドアミノ酸が、Asn又はGlnであり、含ヒドロキシアミノ酸が、Ser又はThrであり、脂肪族アミノ酸が、Ala又はGlyであり、芳香族アミノ酸が、Phe、Trp又はTyrであり、そして含硫アミノ酸が、Cys又はMetである、前記化粧品。
[35]成分(A)が、上記[33]又は[34]に記載の一般式(1)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
前記一般式(1)において、
1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
上記[33]又は[34]に記載の化粧品。
[36]成分(A)が、[33]又は[34]に記載の一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
前記一般式(2)において、
1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時にCysを示すか、又は、
1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
上記[33]又は[34]に記載の化粧品。
[37]成分(A)が配列番号3〜38で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物である、上記[33]又は[34]に記載の化粧品。
[38]成分(A)が配列番号15、27又は28で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物である、上記[33]〜[37]のいずれかに記載の化粧品。
[39]成分(B)がヒアルロン酸又はその塩である、上記[33]又は[34]に記載の化粧品。
[40]成分(A)と成分(B)を同一の製剤中に含む組成物の形態である、上記[33]〜[39]のいずれかに記載の化粧品。
[41]成分(A)と成分(B)を別個の製剤中に含むキットの形態である、上記[33]〜[39]のいずれかに記載の化粧品。
本発明のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物は、グルコサミノグリカンに対し、生体由来のペプチドをはるかに凌ぐ結合能を有する。そして、グルコサミノグリカンは、生体のあらゆる結合組織に存在することとから、本発明のペプチドは、生体組織間の結合性の改善により治療可能な疾患、例えば、網膜剥離などの治療や予防に使用することができる。
また、本発明のペプチドとグルコサミノグリカンとを併用投与した場合、有効成分であるグルコサミノグリカンは、投与部位において、本発明のペプチドを介して生体組織に存在するグルコサミノグリカンと強く結合する。したがって、有効成分として投与されたグルコサミノグリカンは、適用部位において長期間にわたり滞留し、その結果、前記グルコサミノグリカンの薬理効果は、従来のものと比較して有意に持続する。特に、本発明のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物は、角膜からのヒアルロン酸の流出を抑制、さらにはヒアルロン酸−角膜間の結合を補助することができ、持続性の高い薬剤を提供することができる。
また、本発明のペプチドは、ヒアルロン酸以外のグルコサミノグリカン、例えば、コンドロイチン(chn)、コンドロイチン硫酸A(CSA)、コンドロイチン硫酸C(CSC)、デルマタン硫酸(DS)、ヘパラン硫酸(HS)、ヘパリン(hep)などに対し
ても、生体由来のペプチドと比べて遥かに高い結合能を示すため、本発明のペプチドは、ヒアルロン酸を有効成分として含有するものに限られず、これ以外のグルコサミノグリカンを有効成分とする薬剤にも適用することが可能である。
さらに、本発明のペプチドは、生体組織に存在するグルコサミノグリカンを介して結合することから、本発明のペプチドの適用は網膜や角膜に限定されず、例えば皮膚表面など、グルコサミノグリカンが存在するあらゆる生体組織に適用可能である。
図1は試験1の結果(ビオチン化ヒアルロン酸と各ペプチドとの結合活性比較試験)を示すグラフである。 図2は試験2の結果(ビオチン化ヘパラン硫酸と各ペプチドとの結合活性比較試験)を示すグラフである。 図3は試験3の結果(ビオチン化コンドロイチン硫酸Aと各ペプチドとの結合活性比較試験)を示すグラフである。 図4は試験4の結果(ビオチン化コンドロイチン硫酸Cと各ペプチドとの結合活性比較試験)を示すグラフである。 図5は試験5(ペプチド+ヒアルロン酸の角膜への塗布)後のブタ角膜表面の様子を示す写真である。 図6は試験6(ペプチド+コンドロイチン硫酸の角膜への塗布)後のブタ角膜表面の様子を示す写真である。 図7は試験7の結果(本発明のペプチドの剥離網膜接着能)を示すグラフである。
本明細書において使用される用語は、特に言及する場合を除いて、当該分野で通常用いられる意味で使用される。以下に本発明についてさらに詳細に説明する。
「塩基性アミノ酸」とは、塩基性側鎖を有するアミノ酸を意味し、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(His)、リシン(Lys)などを挙げることができる。
「酸性アミノ酸」とは、酸性側鎖を有するアミノ酸を意味し、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)などを挙げることができる。
「分岐アミノ酸」とは、分岐アルキル側鎖を有するアミノ酸を意味し、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、バリン(Val)などを挙げることができる。
「含アミドアミノ酸」とは、アミド又はカルバモイル基を側鎖に有するアミノ酸を意味し、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)などを挙げることができる。
「含ヒドロキシアミノ酸」とは、水酸基を側鎖に有するアミノ酸を意味し、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)などを挙げることができる。
「脂肪族アミノ酸」としては、アラニン(Ala)、グリシン(Gly)などを挙げることができる。
「芳香族アミノ酸」としては、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)などを挙げることができる。
「含硫アミノ酸」とは、硫黄原子を側鎖に有するアミノ酸を意味し、システイン(Cys)、メチオニン(Met)などを挙げることができる。
「グルコサミノグリカン」としては、ヒアルロン酸(HA)、コンドロイチン(chn)、コンドロイチン硫酸A(CSA)、コンドロイチン硫酸C(CSC)、デルマタン硫酸(DS)、ヘパラン硫酸(HS)、ヘパリン(hep)、ヘパリン類似物質などを挙げることができる。
「ペプチドの誘導体」とは、実質的に本発明のポリペプチドと同じ生物学的機能又は活性を有するポリペプチドを意味する。該ポリペプチドの誘導体のN末端をアセチル基など
のアシル基やその他の修飾基で修飾した修飾ポリペプチド、該ポリペプチドの誘導体のC末端のカルボキシキル基をカルボキシレート、アミド又はエステルなどに変換したポリペプチドも発明に包含される。さらに、血中半減期の延長を狙ってPEG化されたポリペプチドや、糖鎖が付加されたポリペプチドも本発明に包含される。
「製薬上許容される塩」としては、酸又は塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、ペプチドの製薬上許容される塩としては、とりわけ酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸などの無機酸との塩、又は酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との塩などが用いられる。また、グルコサミノグリカンの塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩などが挙げられる。
「溶媒和物」としては、本発明のペプチドに対し、任意の数の溶媒和物と配位していてもよい。好ましくは水和物が挙げられる。
「医薬組成物」とは、少なくとも、本発明のペプチド、その製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有していればよい。
「眼疾患」としては、網膜疾患、角結膜上皮障害などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。網膜疾患としては、網膜剥離、糖尿病性網膜症、黄斑変性などが挙げられる。また、角結膜上皮障害としては、ドライアイ、乾性角結膜炎、点状表層角膜症、角膜びらん、又は角膜潰瘍などが挙げられる。
「皮膚疾患」としては、皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症、又はアトピー性皮膚炎などが挙げられる。
本発明のペプチドのX1、X2及びX9における塩基性アミノ酸としては、アルギニン(Arg)及びリシン(Lys)が好ましい。
本発明のペプチドのX1及びX4における酸性アミノ酸としては、グルタミン酸(Glu)が好ましい。
本発明のペプチドのX1、X3、X4及びX5における分岐アミノ酸としては、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)及びバリン(Val)が好ましい。
本発明のペプチドのX2、X4及びX7における含アミドアミノ酸としては、アスパラギン(Asn)及びグルタミン(Gln)が好ましい。
本発明のペプチドのX3及びX6における含ヒドロキシアミノ酸としては、セリン(Ser)及びトレオニン(Thr)が好ましい。
本発明のペプチドのX4及びX7における脂肪族アミノ酸としては、アラニン(Ala)及びグリシン(Gly)が好ましい。
本発明のペプチドのX8における芳香族アミノ酸としては、フェニルアラニン(Phe)が好ましい。
本発明のペプチドのY1及びY2における含硫アミノ酸としては、システイン(Cys)が好ましい。
本発明のペプチドのY1とY2における分子内結合としては、ペプチド結合、ジスルフィド結合などが挙げられ、ジスルフィド結合が好ましい。
本発明のペプチドのX1としては、アルギニン(Arg)、リシン(Lys)、グルタミン酸(Glu)、ロイシン(Leu)が好ましく、特に、アルギニン(Arg)、リシン(Lys)が望ましい。
本発明のペプチドのX2としては、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)が好ましく、特に、アルギニン(Arg)、グルタミン(Gln)が望ましい。
本発明のペプチドのX3としては、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、バリン(Val)、セリン(Ser)が好ましく、特に、ロイシン(Leu)、セリン(Ser)が望ましい。
本発明のペプチドのX4としては、グルタミン酸(Glu)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、バリン(Val)、アスパラギン(Asn)、アラニン(Ala)が好ましく、特に、グルタミン酸(Glu)、バリン(Val)、アスパラギン(Asn)、アラニン(Ala)が望ましい。
本発明のペプチドのX5としては、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、バリン(Val)が好ましく、特に、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)が望ましい。
本発明のペプチドのX6としては、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、バリン(Val)、トレオニン(Thr)が好ましく、特に、ロイシン(Leu)、トレオニン(Thr)が望ましい。
本発明のペプチドのX7としては、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、グリシン(Gly)が好ましく、特に、アスパラギン(Asn)、グリシン(Gly)が望ましい。
本発明のペプチドのX8としては、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)が好ましく、特に、フェニルアラニン(Phe)が望ましい。
本発明のペプチドのX9としては、アルギニン(Arg)、リシン(Lys)が好ましい。
本発明で好ましく用いられるペプチドは、配列番号3〜38で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であり、具体的には以下の表1に示す構造を有するものである。
Figure 2016108323
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本発明のペプチドの製造方法については特に制限なく、そのアミノ酸配列を基に公知のペプチド合成法に従って製造することができる。ペプチド合成法は、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれであってもよい。例えば固相合成法では、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)などのペプチド化合物を構成し得るペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合し、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的とするペプチド化合物を製造することができる。固相合成法のために、APEX396(アドバンストケムテック社製)、433A(アプライドバイオシステムズ社製)、PS3(プロテインテクノロジーズ社製)、9050(パーセプティブ社製)、PSSM−8(島津製作所製)などのペプチド合成機器が市販されている。固相合成法において用いるレジンについては特に制限なく、例えばRink amide AM Resin、Fmoc−AA−Wang Resin、AA−2−Cl−Trt Resinを用いることができる。また、液相合成法の場合は、N−保護アミノ酸誘導体を一残基ずつ段階的に縮合していく方法でペプチド化合物を製造することができる。保護基の有無などによってジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)法、活性エステル法、混合酸無水物法などが使用できる。また、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)、(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)試薬、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)などの縮合剤を用いる方法によっても、目的とするペプチド化合物を製造することができる。
本発明のペプチドの誘導体の製造方法については特に制限なく、当該技術分野で通常用いられている方法により製造することができる。例えば、ペプチドのアミノ基に対する無水酢酸又はアセチルクロリドとのアシル化反応や、ペプチドのカルボキシル基に対するアンモニアによるアミド化反応などにより誘導体を製造することができる。また、ポリペプチドの構成アミノ酸であるシステインの保護基を除去した後、空気酸化やヨウ素酸化といった手法を用いることで、ジスルフィド結合をもつ環状化ペプチドを製造することもできる。また、システインに含まれるチオール基の保護基がアセトアミドメチル基の場合は、ヨウ素を用いることで脱保護とジスルフィド結合の生成を同時に行うことができる。
また、本発明ペプチドのアミノ酸配列に対応するポリヌクレオチド(DNAあるいはRNA)を製造し、当該ポリヌクレオチドを用いた遺伝子工学的手法により、本発明のペプチドを製造することもできる。
製造した本発明ペプチドは、タンパク質化学の分野において一般に知られているタンパ
ク質の単離、精製方法によって精製することができる。具体的には、例えば抽出、再結晶、硫酸アンモニウムや硫酸ナトリウムなどによる塩析、遠心分離、透析、限外濾過法、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過法、ゲル浸透クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動法、向流分配などや、これらの組合せなどの処理操作が挙げられる。
本発明のペプチドは、後記する実験例において確認されたように、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸などのグルコサミノグリカンに対して強い結合能を有するものである。したがって、本発明のペプチドは、生体組織間の結合性の改善により治療可能な疾患、例えば、網膜剥離などの予防又は治療において、有効成分として使用することができる。また、本発明のペプチドは、従来、グルコサミノグリカンにより治療されていた疾患の予防又は治療において、グルコサミノグリカンの持続性を向上させる補助剤として使用することができる。このような疾患としては、上述したとおり、角結膜上皮障害、例えば、ドライアイ、乾性角結膜炎、点状表層角膜症、角膜びらん、又は角膜潰瘍などや、皮膚疾患、例えば、皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症、又はアトピー性皮膚炎などが挙げられる。
本発明のペプチドを有効成分として使用する場合、各種疾患の予防又は治療に使用する医薬としては、本発明のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物が含有されていればよい。例えば上記の医薬は、本発明のポリペプチドのみから構成されてもよく、また、本発明のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物、及び医薬担体からなる組成物の形態であってもよい。
また、本発明のペプチドを補助剤として使用する場合には、医薬としては、(A)本発明のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物と(B)グルコサミノグリカン又はその塩とが含有されていればよい。例えば上記の医薬は、本発明のポリペプチドとグルコサミノグリカンのみから構成されてもよく、また、本発明のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物、グルコサミノグリカン又はその塩、及び医薬担体からなる組成物の形態であってもよい。また、上記の医薬は、本発明のペプチドとグルコサミノグリカンとを別々の製剤に含んでなるキット製剤の形態であってもよい。
本発明の上記の医薬に用いることができる医薬担体は特に制限されず、製薬上許容される賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、崩壊剤、緩衝剤、等張化剤、溶解補助剤、キレート剤、安定化剤、防腐剤、抗酸化剤、基剤、乳化剤などを用いることができる。
賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軟質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ、ポリエチレングリコール6000などが挙げられる。
着色剤の好適な例としては、食用赤色2号及び3号、食用黄色4号及び5号、食用青色1号及び2号などの食用色素などの水溶性着色タール色素、それらのアルミニウム塩である不溶性レーキ色素、β-カロチン、クロロフィル、ベンガラなどの天然色素などが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、軟質無水ケイ酸、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖、キシリトール、果糖などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
キレート剤の好適な例としては、エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エデト酸カルシウムなどのエデト酸塩類、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸又はその塩、ヘキサメタリン酸ソーダ、クエン酸などが挙げられる。
安定化剤の好適な例としては、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムなどの第4級アンモニウム塩、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロロブタノール、ポリクォード、ポリヘキサメチレンビグアニド、クロルヘキシジンなどが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸水素ナトリウム、乾燥亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、濃縮混合トコフェロールなどが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、安息香酸ナトリウム、グリセリン、D−ソルビトール、ブドウ糖、プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、D−マンニトールなどが挙げられる。
基剤の好適な例としては、ワセリン、流動パラフィン、スクワランなどの炭化水素類、ミツロウ、ホホバ油、カルナウバワックスなどのエステル類、オレイン酸トリグリセリド以外のトリグリセリド類、オリーブ油、牛脂などの油脂類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸類、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、水などが挙げられる。
乳化剤の好適な例としては、脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのノニオン界面活性剤、高級脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸エステルなどのアニオン界面活性剤、4級アルキルアミン塩などのカチオン界面活性剤、アルキルベタインなどの両性界面活性剤などが挙げられる。
投与経路は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口製剤、注射剤、経皮製剤又は点眼剤などで投与可能であるが、特に、経皮製剤や点眼剤とすることが好ましい。また、本発明のペプチドは、治療対象となる生体組織に直接適用することも可能
である。このような態様として、例えば、網膜剥離のための硝子体手術時において、網膜に直接塗布することが挙げられる。経口製剤としては、錠剤(舌下錠、口腔内崩壊剤を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などが挙げられる。また、注射剤としては、皮内注射、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、脊髄腔内注射、硬膜外注射、局所注射、眼内注射などが挙げられる。また、経皮製剤としては、貼付剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、散布剤などが挙げられる。これらの製剤は、速放性製剤又は徐放性製剤などの放出制御製剤(徐放性マイクロカプセルを含む)であってもよい。また、点眼剤としては、水性点眼剤、非水性点眼剤、懸濁性点眼剤、乳濁性点眼剤、眼軟膏などのいずれでもよい。また、生体組織に直接適用するための製剤としては、水性点眼剤と同様の組成を有する液剤などが挙げられる。
経口製剤を製造する場合は、本発明のペプチドに、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤又は滑沢剤などを添加して圧縮形成することにより製造される。さらに、味のマスキング、腸溶化あるいは徐放化を目的として、自体公知の方法により、経口製剤にコーティングを行ってもよい。また、注射剤を製造する場合は、本発明のペプチドを分散剤、保存剤、等張化剤などと共に、水性溶剤あるいは油性溶剤などに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造される。この際、必要に応じて溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤、無痛化剤、防腐剤などの添加剤を用いてもよい。さらに、経皮製剤を製造する場合は、本発明のペプチドを固状、半固状又は液状の組成物とすることにより製造される。例えば固状の組成物は、活性成分をそのまま、あるいは賦形剤、増粘剤などを添加、混合して粉状とすることにより製造される。液状の組成物は、注射剤の場合とほとんど同様にして製造される。半固状の組成物は、例えば、上記の基剤に対して、本発明のペプチドを添加し混合することにより製造され、必要に応じて基剤に乳化剤及び上記のその他の成分を配合させてもよい。また、これらの組成物は、いずれもpH調整剤、防腐剤などを含んでいてもよい。さらに点眼剤は、例えば、所望の上記成分を滅菌精製水、生理食塩水などの水性溶剤、又は綿実油、大豆油、ゴマ油、落花生油などの植物油などの非水性溶剤に溶解又は懸濁させ、所定の浸透圧に調整し、濾過滅菌などの滅菌処理を施すことにより製造することができる。また、直接塗布用の製剤は、例えば、所望の上記成分を滅菌精製水、生理食塩水などの水性溶剤に溶解又は懸濁させ、所定の浸透圧に調整し、濾過滅菌などの滅菌処理を施すことにより製造することができる。
本発明の医薬の投与量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度により異なるが、例えば、本発明のペプチドを有効成分として、生体組織に直接塗布する場合には、通常、成人一人当たり本発明のペプチドが約0.01μg〜5mgとなるよう一日一回ないし数回投与し、より好ましくは、成人一人当たり本発明のペプチドが約0.1μg〜3mgとなるよう一日1〜2回投与する。特に、網膜剥離のための硝子体手術時において、網膜に直接塗布する場合には、約0.5μg〜50μgの本発明のペプチドを網膜に塗布する。
また、本発明のペプチドを補助剤として点眼する場合、通常、成人一人当たり本発明のペプチドが約0.01μg〜1000mg、グルコサ ミノグリカンが約0.1mg〜1000mgとなるよう一日一回ないし数回投与し、より好ましくは、成人一人当たり本発明のペプチドが約0.01μg〜1000mg、グルコサミノグリカンが0.1mg〜30mgとなるよう一日1〜4回投与する。さらに、本発明のペプチドを補助剤として経皮
投与する場合には、通常、成人一人当たり本発明のペプチドが約0.01μg〜1000mg、グルコサミノグリカンが約0.1mg〜1000mgとなるよう一日一回ないし数回投与し、より好ましくは、成人一人当たり本発明のペプチドが約0.01μg〜1000mg、グルコサミノグリカンが1mg〜300mgとなるよう一日1〜2回投与する。
さらに、上記したとおり、グルコサミノグリカンは極めて高い保水能力を有することから、皮膚に適用した場合、肌に潤いを与え、肌のツヤやハリを改善又は維持することができる。したがって、本発明は、(A)ペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物と(B)グルコサミノグリカン又はその塩とを含有する化粧品にも関する。本発明の化粧品は、上述した医薬と同様に、例えば、本発明のポリペプチドとグルコサミノグリカンのみから構成されてもよく、また、本発明のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物、グルコサミノグリカン又はその塩、及び化粧品において使用される担体からなる組成物の形態であってもよい。また、本発明の化粧品は、本発明のペプチドとグルコサミノグリカンとを別々の製剤に含んでなるキットの形態であってもよい。なお、上記において、「化粧品において使用される担体」としては、上記の経皮製剤において使用される医薬担体と同様のものが挙げられ、その製造方法・適用方法も上記の経皮製剤と同様である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。これらの実施例は例示のために提供されたものであり、本発明の実施形態を限定するものではない。
<製造例1>各種ペプチドの製造
特表2005−538961号公報の実施例1に記載の方法と同様にして、下記実施例1〜9を固相合成法(Fmoc法)により製造した。各実施例のペプチドの製造においては、カップリング試薬として1,3−ジイソプロピルカルボジイミド/HOBtを使用した。また、各々の段階の脱保護反応及びペプチド鎖の伸長反応の終了は、ニンヒドリン試験により確認した。
各実施例で製造したペプチドの検定は、高速液体クロマトグラフィー(条件については各実施例に詳述)による純度の算出と分子量分析により行った。その結果、各実施例で製造した部分ペプチドの純度はいずれも95%以上であり、分子量分析の結果も理論値とよく一致した。これらの結果から、各ペプチドが正しく製造されたことが確認された。
[実施例1]Leu Gln Ser Asn Leu Thr Gly Phe Lys (配列番号3又はC1W)
・HPLC[カラム:YMC−Pack ODS−AM(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、10%B 10分;流速:0.6mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:6.9分(純度98.9%)
・MS(m/z)[ESI−MS]:1007.8(理論値:1007.1)
[実施例2]Arg Gln Ser Asn Leu Thr Gly Phe Lys (配列番号4又はC1M(L/R))
・HPLC[カラム:YMC−C18(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、10%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:7.2分(純度98.0%)
・MS(m/z)[MALDI−TOF−MS]:1050.8(理論値:1050.2)
[実施例3]Lys Gln Leu Glu Ile Leu Asn Phe Arg (配列番号5又はC2W)
・HPLC[カラム:YMC−C18(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、15%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:11.6分(純度99.2%)
・MS(m/z)[MALDI−TOF−MS]:1159.7(理論値:1160.4
[実施例4]Lys Gln Leu Val Ile Leu Asn Phe Arg (配列番号6又はC2M(E/V))
・HPLC[カラム:YMC−C18(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、20%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:6.9分(純度98.7%)
・MS(m/z)[MALDI−TOF−MS]:1130.6(理論値:1130.4)
[実施例5]Arg Arg Ser Asn Leu Thr Gly Phe Lys (配列番号7又はH1M(L/R))
・HPLCカラム:YMC−C18(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、10%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:6.5分(純度96.4%)
・MS(m/z)[ESI−MS]:1078.8(理論値:1078.2)
[実施例6]Leu Arg Ser Asn Leu Thr Gly Phe Lys (配列番号8又はH1W)
・HPLC[カラム:YMC−Pack ODS−AM(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、10%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:8.6分(純度98.1%)
・MS(m/z)[ESI−MS]:1035.2(理論値:1035.2)
[実施例7]Glu Gln Leu Glu Ile Leu Asn Phe Arg (配列番号9又はC2M(K/E))
・HPLC[カラム:YMC−C18(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、20%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:9.2分(純度98.5%)
・MS(m/z)[MALDI−TOF−MS]:1162.0(理論値:1161.3)
[実施例8]Lys Gln Leu Ala Ile Leu Asn Phe Arg (配列番号10又はC2M(E/A))
・HPLC[カラム:YMC−C18(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、15%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:11.0分(純度99.6%)
・MS(m/z)[MALDI−TOF−MS]:1102.3(理論値1103.0)
[実施例9]Lys Gln Leu Val Ile Leu Asn Phe Arg Lys Gln Leu Val Ile Leu Asn Phe Arg (配列番号15又はC2M(E/V)2)
・HPLC[カラム:YMC−C18(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、20%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:10.8分(純度98.7%)
・MS(m/z)[MALDI−TOF−MS]:2243.2(理論値:2242.8)
<製造例2>各種環状ペプチドの製造
特表2005−538961号公報の実施例1に記載の方法と同様にして、下記実施例
10〜11を固相合成法(Fmoc法)により製造した。各実施例のペプチドの製造においては、カップリング試薬として1,3−ジイソプロピルカルボジイミド/HOBtを使用した。また、各々の段階の脱保護反応及びペプチド鎖の伸長反応の終了は、ニンヒドリン試験により確認した。ペプチド中のCysには、Fmoc−Cys(Acm)−OH(N-α-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)-S-アセトアミノメチル-L-システイン)を使用
し、ヨウ素を用いてペプチドを樹脂から切り出すことで、ペプチド中のチオール基の脱保護とジスルフィド結合の生成を行った。
各実施例で製造したペプチドの検定は、高速液体クロマトグラフィー(条件については各実施例に詳述)による純度の算出と分子量分析により行った。その結果、各実施例で製造した部分ペプチドの純度はいずれも高く、分子量分析の結果も理論値とよく一致した。これらの結果から、各ペプチドが正しく製造されたことが確認された。
[実施例10]
Figure 2016108323
・HPLC[カラム:YMC−C18(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、20%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:9.7分(純度82.1%)
・MS(m/z)[MALDI−TOF−MS]:1335.6(理論値1334.7)
[実施例11]
Figure 2016108323
・HPLC[カラム:YMC−C18(150 X 4.6 mm);溶媒系A(0.02% TFA/H2O)、B(0.02% TFA/CH3CN)、20%B 20分;流速:1mL/分;検出214nmのUV]
保持時間:10.3分(純度75.2%)
・MS(m/z)[MALDI−TOF−MS]:2448.7(理論値2447.0)試験例1:ビオチン化ヒアルロン酸と各ペプチドとの結合活性比較実験
各ペプチド5 nmolをニトロセルロース膜にImmunoBlot(商標、Hoefer社製)を用いてイムノブロットした。10% nonfat milk in phosphate-buffered saline (PBS) containing0.1% Tween 20 (PBS-Tween)溶液にてブロッキングを42℃にて1時間実施した。ヒアルロン酸(ニワトリ鶏冠由来:生化学工業株式会社製)はビオチン化して、2 mg/mLの濃度で準備した。ビオチン化の行程は井上らの報告(Inoue Y, Yoneda M, Zhao J, Miyaishi O, Ohno-Jinno A, Kataoka T, Isogai Z, Kimata K, Iwaki M, Zako M. Molecular cloning and characterization of chick SPACRCAN. J Biol Chem. 2006;281:10381-8.)に従った。ヒアルロン酸をPBS-Tween溶液にて500倍希釈して室温にて30分間インキュベーションし、膜上のペプチドと結合させた。PBS-Tween溶液にて室温にて30分間washした。HRP-conjugated streptavidin (GE Healthcare Bio-Sciences Corp., Piscataway, NJ)に
て室温にて30分間インキュベーションした。PBS-Tween溶液にて室温にて30分間washした。WESTERN LIGHTNING (商標、PerkinElmer Life Sciences Inc., Boston, MA) にて発光させ、X線フィルムに感光させて検出した。
C1Wにおける発光強度を1として実施例2〜11で合成したペプチド又は環状ペプチドにおける発光強度と比較した結果を図1に示す。C2M(E/V)2、Cycle C2M(E/V)、Cycle C2M(E/V)2がそれぞれ67.7、58.1、62.7を示し、C1Wと比べて非常に高いヒアルロン酸結合能が認められた。
試験例2:ビオチン化ヘパラン硫酸と各ペプチドとの結合活性比較実験
ヒアルロン酸の替わりにヘパラン硫酸(ウシ腎臓由来:生化学工業株式会社製)を用いて試験例1と同様の操作を行った。
C1Wにおける発光強度を1として実施例2〜11で合成したペプチド又は環状ペプチドにおける発光強度と比較した結果を図2に示す。C2M(E/V)2、Cycle C2M(E/V)、Cycle C2M(E/V)2がそれぞれ13.9、4.9、25.8を示し、C1Wと比べて非常に高いヘパラン硫酸結合能が認められた。
試験例3:ビオチン化コンドロイチン硫酸Aと各ペプチドとの結合活性比較実験
ヒアルロン酸の替わりにコンドロイチン硫酸A(クジラ軟骨由来:生化学工業株式会社製)を用いて試験例1と同様の操作を行った。
C1Wにおける発光強度を1として実施例2〜11で合成したペプチド又は環状ペプチドにおける発光強度と比較した結果を図3に示す。C2M(E/V)2、Cycle C2M(E/V)、Cycle C2M(E/V)2がそれぞれ105.3、57.6、41.3を示し、C1Wと比べて非常に高いコンドロイチン硫酸A結合能が認められた。
試験例4:ビオチン化コンドロイチン硫酸Cと各ペプチドとの結合活性比較実験
ヒアルロン酸の替わりにコンドロイチン硫酸C(サメ軟骨由来:生化学工業株式会社製)を用いて試験例1と同様の操作を行った。
C1Wにおける発光強度を1として実施例2〜11で合成したペプチド又は環状ペプチドにおける発光強度と比較した結果を図4に示す。C2M(E/V)2、Cycle C2M(E/V)、Cycle C2M(E/V)2がそれぞれ171.7、142.9、154.2を示し、C1Wと比べて非常に高いコンドロイチン硫酸C結合能が認められた。
試験例5:ヒアルロン酸流出抑制能の比較実験
1μg/mLに調整したCycle C2M(E/V)2水溶液を用いて、豚眼(丸尚食品から購入)の角膜に毛筆で「H」と書き、10μg/mLFluorescein-HAを豚眼に点眼した。3分経過後、豚眼を生理食塩水の滴下による洗浄を3分毎に行った。10回の洗浄後、SFA-RB(BEX社製)による光照射条件下、豚眼の蛍光状態を撮影(カメラ:Nikon D5100(ニコン社製)、レンズ:AF-S Micro NIKKOR 40mm 1:2.8G(ニコン社製))した。また、Cycle C2M(E/V)2水溶液の替わりに生理食塩水を用いて別の豚眼の角膜に毛筆で「H」と書き、同様の操作を行ったものをコントロールとした。
コントロールの写真を図5(a)、試験例の写真を図5(b)に示す。コントロールでは文字が認識できないが、試験例の豚眼からは、「H」の文字が認識でき、Cycle C2M(E/V)2による角膜からのヒアルロン酸流出抑制作用が認められた。
試験例6:コンドロイチン硫酸C流出抑制能の比較実験
1μg/mLに調整したCycle C2M(E/V)2水溶液を用いて、豚眼(丸尚食品から購入)の角膜に毛筆で「C」と書き、10μg/mLFluorescein-CSを豚眼に点眼した。3分経過後、豚眼を生理食塩水の滴下による洗浄を3分毎に行った。10回の洗浄後、SFA-RB(BEX社製)による光照射条件下、豚眼の蛍光状態を撮影(カメラ:Nikon D5100(ニコン社製)、レンズ:AF-S Micro NIKKOR 40mm 1:2.8G(ニコン社製))した。また、Cycle C2M
(E/V)2水溶液の替わりに生理食塩水を用いて別の豚眼の角膜に毛筆で「C」と書き、同様の操作を行ったものをコントロールとした。
コントロールの写真を図6(a)、試験例の写真を図6(b)に示す。コントロールでは文字が認識できないが、試験例の豚眼からは、「C」の文字が認識でき、Cycle C2M(E/V)2による角膜からのコンドロイチン硫酸C流出抑制作用が認められた。
試験例7:剥離網膜接着能の比較実験
(1)豚眼の準備
豚眼(丸尚食品から購入)を毛様体に沿って眼球に切開を加え、前眼部及び硝子体を除去した。その後、眼球の後極側を1cm x 1.5cmサイズの楕円形に眼組織を切り取った。さらに、眼組織から網膜を剥離し、生じた水分をキムワイプで拭き取った。
(2)剥離網膜接着能の比較
1μg/mLに調整したCycleC2M(E/V)2溶液を用いて、試験例7で剥離させた網膜に塗布し、元の眼組織に網膜を接着させた。1分経過後、上記の眼組織を木材(20cm x 2cm x
5mm)長辺の片端から1cm離れた位置に針で固定した。また、木材の眼組織を固定した位置から中心に向かって1cm離れた位置および17cm離れた位置に、文鎮(132mm x 12mm x 12mm)を木材と垂直の向きに置いた。このとき、文鎮がその中心で木材と交差するようにした。さらに木材と2本の文鎮をそれぞれ輪ゴムで固定した。眼組織と2本の文鎮が固定された木材をPBS(-)溶液2L入りの10Lビーカーに沈め、ビーカー中のPBS(-)溶液をマグネティックスターラー(600rpmに設定)とスターラーバーを用いて水流を生じさせ、網膜が眼組織から3/4以上が剥離する又は水流で流れ去るまでの時間(網膜剥離に要する時間)を計測した。また、ペプチド水溶液の替わりに生理食塩水を用いて別の眼細胞と剥離した網膜を接着させ、同様の操作を行ったものをコントロールとした。
ペプチド水溶液およびコントロールを用いた際の網膜剥離に要する時間を図7に示す。ペプチド水溶液によって、網膜剥離に要する時間の有意な延長が認められた。
本発明によりグルコサミノグリカン類に対して高い結合能を有するペプチドが提供される。本発明のペプチドは、各種疾患を予防又は治療するための有効成分として、あるいは、有効成分として投与されたグルコサミノグリカンの持続性を向上させる補助剤として極めて有用であり、産業上利用可能性を有している。

Claims (37)

  1. 次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物(ただし、配列番号3〜6で表されるアミノ酸配列からなるペプチドを除くものとする)。
    1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
    (1)
    1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
    (2)
    [式中、
    1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
    2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
    3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
    4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
    5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
    7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
    8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
    9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
    1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
    1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
  2. 請求項1に記載の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、塩基性アミノ酸が、Arg、His又はLysであり、酸性アミノ酸が、Asp又はGluであり、分岐アミノ酸が、Leu、Ile又はValであり、含アミドアミノ酸が、Asn又はGlnであり、含ヒドロキシアミノ酸が、Ser又はThrであり、脂肪族アミノ酸が、Ala又はGlyであり、芳香族アミノ酸が、Phe、Trp又はTyrであり、そして含硫アミノ酸が、Cys又はMetである、前記ペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  3. 請求項1又は2に記載の一般式(1)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
    前記一般式(1)において、
    1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
    2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
    3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
    8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
    1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
    前記ペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  4. 請求項1又は2に記載の一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
    前記一般式(2)において、
    1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
    2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
    3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
    8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
    1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時にCysを示すか、又は、
    1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
    前記ペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  5. アミノ酸配列が配列番号7〜38で表される、請求項1又は2に記載のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  6. アミノ酸配列が配列番号15、27又は28で表される、請求項1又は2に記載のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  7. 次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬。
    1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
    (1)
    1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
    (2)
    [式中、
    1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
    2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
    3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
    4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
    5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
    7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
    8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
    9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
    1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
    1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
  8. 請求項7に記載の医薬であって、塩基性アミノ酸が、Arg、His又はLysであり、酸性アミノ酸が、Asp又はGluであり、分岐アミノ酸が、Leu、Ile又はValであり、含アミドアミノ酸が、Asn又はGlnであり、含ヒドロキシアミノ酸が、Ser又はThrであり、脂肪族アミノ酸が、Ala又はGlyであり、芳香族アミノ酸が、Phe、Trp又はTyrであり、そして含硫アミノ酸が、Cys又はMetである、前記医薬。
  9. 請求項7又は8に記載の一般式(1)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬であって、
    前記一般式(1)において、
    1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
    2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
    3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
    8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
    1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
    請求項7又は8に記載の医薬。
  10. 請求項7又は8に記載の一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬
    上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬であって、
    前記一般式(2)において、
    1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
    2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
    3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
    8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
    1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時にCysを示すか、又は、
    1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
    請求項7又は8に記載の医薬。
  11. 配列番号3〜38で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する、請求項7又は8に記載の医薬。
  12. 配列番号15、27又は28で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する、請求項7又は8に記載の医薬。
  13. 眼疾患の予防及び/又は治療用の、請求項7〜12のいずれか一項に記載の医薬。
  14. 眼疾患が、網膜疾患である、請求項13に記載の医薬。
  15. 網膜疾患が、網膜剥離、糖尿病性網膜症又は黄斑変性である、請求項14に記載の医薬。
  16. (A)次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物と、
    (B)グルコサミノグリカン又はその塩とを含有する医薬。
    1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
    (1)
    1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
    (2)
    [式中、
    1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
    2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
    3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
    4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
    5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
    7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
    8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
    9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
    1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
    1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
  17. 請求項16に記載の医薬であって、塩基性アミノ酸が、Arg、His又はLysであり、酸性アミノ酸が、Asp又はGluであり、分岐アミノ酸が、Leu、Ile又はValであり、含アミドアミノ酸が、Asn又はGlnであり、含ヒドロキシアミノ酸が、
    Ser又はThrであり、脂肪族アミノ酸が、Ala又はGlyであり、芳香族アミノ酸が、Phe、Trp又はTyrであり、そして含硫アミノ酸が、Cys又はMetである、前記医薬。
  18. 成分(A)が、請求項16又は17に記載の一般式(1)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
    前記一般式(1)において、
    1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
    2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
    3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
    8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
    1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
    請求項16又は17に記載の医薬。
  19. 成分(A)が、請求項16又は17に記載の一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
    前記一般式(2)において、
    1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
    2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
    3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
    8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
    1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時にCysを示すか、又は、
    1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
    請求項16又は17に記載の医薬。
  20. 成分(A)が配列番号3〜38で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物である、請求項16又は17に記載の医薬。
  21. 成分(A)が配列番号15、27又は28で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物である、請求項16又は17に記載の医薬。
  22. 成分(B)がヒアルロン酸又はその塩である、請求項16〜21のいずれか一項に記載の医薬。
  23. 眼疾患又は皮膚疾患の予防及び/又は治療用の、請求項16〜22のいずれか一項に記載の医薬。
  24. 眼疾患が、角結膜上皮障害である、請求項23に記載の医薬。
  25. 角結膜上皮障害が、ドライアイ、乾性角結膜炎、点状表層角膜症、角膜びらん又は角膜潰瘍である、請求項24に記載の医薬。
  26. 皮膚疾患が、皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症又はアトピー性皮膚炎である、請求項23に記載の医薬。
  27. 成分(A)と成分(B)を同一の製剤中に含む医薬組成物の形態である、請求項16〜
    26のいずれか一項に記載の医薬。
  28. 成分(A)と成分(B)を別個の製剤中に含むキット製剤の形態である、請求項16〜26のいずれか一項に記載の医薬。
  29. (A)次の一般式(1)又は一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物と、
    (B)グルコサミノグリカン又はその塩とを含有する化粧品。
    1−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−Y2(配列番号1)
    (1)
    1−(X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X92−Y2(配列番号2)
    (2)
    [式中、
    1は、独立して、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は分岐アミノ酸を示し、
    2は、独立して、含アミドアミノ酸又は塩基性アミノ酸を示し、
    3及びX6は、互いに独立して、分岐アミノ酸又は含ヒドロキシアミノ酸を示し、
    4は、独立して、分岐アミノ酸、脂肪族アミノ酸、含アミドアミノ酸又は酸性アミノ酸を示し、
    5は、独立して、分岐アミノ酸を示し、
    7は、独立して、脂肪族アミノ酸又は含アミドアミノ酸を示し、
    8は、独立して、芳香族アミノ酸を示し、
    9は、独立して、塩基性アミノ酸を示し、
    1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時に含硫アミノ酸を示すか、又は、
    1及びY2は、同時に含硫アミノ酸を示し、かつ、前記Y1とY2のアミノ酸が分子内結合を形成する]
  30. 請求項29に記載の化粧品であって、塩基性アミノ酸が、Arg、His又はLysであり、酸性アミノ酸が、Asp又はGluであり、分岐アミノ酸が、Leu、Ile又はValであり、含アミドアミノ酸が、Asn又はGlnであり、含ヒドロキシアミノ酸が、Ser又はThrであり、脂肪族アミノ酸が、Ala又はGlyであり、芳香族アミノ酸が、Phe、Trp又はTyrであり、そして含硫アミノ酸が、Cys又はMetである、前記化粧品。
  31. 成分(A)が、請求項29又は30に記載の一般式(1)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
    前記一般式(1)において、
    1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
    2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
    3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
    8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
    1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
    請求項29又は30に記載の化粧品。
  32. 成分(A)が、請求項29又は30に記載の一般式(2)で表されるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物であって、
    前記一般式(2)において、
    1及びX9が、互いに独立して、Arg又はLysを示し、
    2及びX7が、互いに独立して、Asn又はGlnを示し、
    3、X4、X5及びX6が、互いに独立して、Leu、Ile又はValを示し、
    8が、Phe、Trp又はTyrを示し、
    1及びY2は、同時に存在しないか、又は同時にCysを示すか、又は、
    1及びY2が、同時にCysを示し、そして前記アミノ酸がジスルフィド結合を形成する、
    請求項29又は30に記載の化粧品。
  33. 成分(A)が配列番号3〜38で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物である、請求項29又は30に記載の化粧品。
  34. 成分(A)が配列番号15、27又は28で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物である、請求項29又は30に記載の化粧品。
  35. 成分(B)がヒアルロン酸又はその塩である、請求項29〜34のいずれか一項に記載の化粧品。
  36. 成分(A)と成分(B)を同一の製剤中に含む組成物の形態である、請求項29〜35のいずれか一項に記載の化粧品。
  37. 成分(A)と成分(B)を別個の製剤中に含むキットの形態である、請求項29〜35のいずれか一項に記載の化粧品。
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