JP2016107417A - インクパック、インクジェットプリンタ、印刷方法、及びインクパックの製造方法 - Google Patents

インクパック、インクジェットプリンタ、印刷方法、及びインクパックの製造方法 Download PDF

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修子 宮内
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Abstract

【課題】インクジェットプリンタで使用するインクパックに関し、より好ましい構成のインクパックを適切に提供する。【解決手段】インクジェットプリンタで使用するインクを収容するインクパック202であって、フィルム210により形成された袋状の部分であり、内部にインクを収容する袋状部302を備え、フィルム210は、袋状部の内面側の層となる樹脂の層である内面樹脂層と、内面樹脂層を補強する補強層とが少なくとも積層された薄膜である。【選択図】図2

Description

本発明は、インクパック、インクジェットプリンタ、印刷方法、及びインクパックの製造方法に関する。
従来、インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタが広く用いられている。また、インクジェットプリンタにおいて印刷を実行するインクジェットヘッドへインクに対し、可撓性の袋であるインクパックからインクを供給する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、インクジェットを保持するキャリッジ以外の場所にインクカートリッジを搭載するオフキャリッジタイプのインク供給システムが開示されている。また、インクカートリッジの構成として、インクパックにインクを充填し、プラスチック内のケースに収容した構成が開示されている。
特開2006−35432号公報
インクジェットプリンタおいて、例えばインク中に多く空気が含まれている場合、インクジェットヘッドのノズルからの吐出特性が不安定になる場合がある。また、インクが空気と触れると、空気中の成分とインクとが反応し、インクの性質が変化する場合もある。そのため、インクジェットプリンタ用のインクについては、できるだけ空気と触れない状態に保つことが望まれる場合がある。
これに対し、インクパックを用いる場合、例えば、中のインクの量に応じてインクパックの形状を変化させることにより、インクパック中に余分な空気が入りにくい構成を実現できる。また、これにより、インク中に余分な空気が含まれることを防ぎ、吐出特性をより安定化することができる。また、空気による変質を防ぐことにより、インクの保存性を高めることもできる。
ここで、インクパックは、通常、薄いフィルム等により形成された袋状のパックである。そのため、外部からの衝撃に弱くなりやすい。また、その結果、例えば運搬時等に、衝撃による割れや破裂等の破損が生じやすくなる。
これに対し、運搬時等において、インクパックの破損を防ぐためには、例えば多くの緩衝材を使用することや、多くの緩衝領域を確保すること等も考えられる。しかし、この場合、運搬時のサイズが一回り大きくなり、運搬効率が低下することになる。
また、例えば運搬時等にインクパックが破損した場合、インクが漏れることで周囲に大きな影響が生じるおそれがある。例えば、インクの色が周囲に付着し、周囲を汚染するおそれがある。また、インクが有害物質を含む場合、有害物質が漏れ出すことによる影響が問題になるおそれもある。
そのため、従来、インクパックの構成に関し、より適切な構成が望まれていた。より具体的には、例えば、運搬効率を低下させることなくインクパックの破損をより適切に防ぐことが可能な構成等が望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できるインクパック、インクジェットプリンタ、印刷方法、及びインクパックの製造方法を提供することを目的とする。
インクパックの構成としては、例えば、樹脂層等を有するフィルムを用いること等が考えられる。これに対し、本願の発明者は、鋭意研究により、単に樹脂層等を用いるのではなく、この層を補強する補強層を更に用いることを考えた。上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)インクジェットプリンタで使用するインクを収容するインクパックであって、フィルムにより形成された袋状の部分であり、内部にインクを収容する袋状部を備え、フィルムは、袋状部の内面側の層となる樹脂の層である内面樹脂層と、内面樹脂層を補強する補強層とが少なくとも積層された薄膜である。
このように構成した場合、例えば、内面樹脂層を含むフィルムで形成された袋状部を用いることにより、袋状部の内部と外部との間を適切に遮断することができる。より具体的には、例えば、内面樹脂層により、インクパック中のインクに対して外部の環境による影響が生じることを適切に防ぐことができる。また、例えば、インクの成分が外部の環境に影響を及ぼすことも適切に防ぐことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクパックにインクを適切に収容できる。
また、このように構成した場合、更に、補強層を形成することにより、インクパックの強度を適切に高めることができる。これにより、例えば運搬時等において、インクパックの破損をより生じにくくすることができる。そのため、このように構成すれば、より好ましい構成のインクパックをより適切に提供できる。
ここで、内面樹脂層としては、例えば、ポリエチレン(PE)の層を好適に用いることができる。また、使用するインクの特性に応じて、その他の樹脂の層を用いてもよい。また、補強層としては、例えば紙の層を好適に用いることができる。
インクパックは、袋状部の他に、インクの供給口であるスパウトを更に備えることが好ましい。このスパウトは、例えば、袋状部の一方の端に配設される。また、インクパックの袋状部は、例えば、筒状に加工されたフィルムの一端側及び他端側の開口部を封止することで形成される。この場合、スパウトが配設される側の端部については、例えば、スパウトの一部を挟んだ状態で封止される。
(構成2)補強層は、内面樹脂層よりも曲がりにくい素材で形成された層である。このように構成すれば、例えば、内面樹脂層をより適切に補強できる。また、これにより、例えば、インクパックの強度をより適切に高めることができる。
(構成3)補強層は、紙の層である。このように構成すれば、例えば、内面樹脂層をより適切に補強できる。また、これにより、例えば、インクパックの強度をより適切に高めることができる。
(構成4)フィルムは、金属の薄膜で形成された金属薄膜層が更に積層された薄膜である。金属薄膜層としては、例えばアルミニウム(Al)の薄膜を好適に用いることができる。
このように構成した場合、例えば、金属薄膜層により、酸素、におい、及び光の影響等を適切に遮断できる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクパック中のインクに対して外部の環境による影響が生じることや、インクの成分が外部の環境に影響を及ぼすこと等をよりも適切に防ぐことができる。
(構成5)フィルムは、袋状部の外面側の層となる樹脂の層である外面樹脂層が更に積層された薄膜である。このように構成した場合、インクパックについて、例えば、外面側の耐水性を適切に高めることができる。また、これにより、例えば、インクパックの強度をより適切に高めることができる。
(構成6)袋状部は、フィルムにより形成された筒状体の一端側の開口部、及び他端側の開口部のそれぞれを、圧着接合により封止することで形成されている。このように構成すれば、例えば、インクパックの袋状部を適切に形成できる。
また、この構成のインクパックにおいて、フィルムの補強層としては、例えば紙の層等の、内面樹脂層よりも断熱性の高い素材の層を用いる場合がある。そして、この場合、例えば熱によりフィルムを溶融させて圧着する方法(ヒート・シール)等で封止を行おうとしても、フィルムの全体に熱が伝わりにくくなり、適切に封止を行えなくなるおそれがある。これに対し、このように構成すれば、例えば、断熱性の高い補強層を用いる場合にも、袋状部の封止をより適切に行うことができる。また、これにより、上記のように、インクパックの袋状部をより適切に形成できる。
(構成7)袋状部は、フィルムにより形成された筒状体の一端側の開口部、及び他端側の開口部のそれぞれを、超音波融着により封止することで形成されている。このように構成すれば、例えば、断熱性の高い補強層を用いる場合にも、袋状部の封止をより適切に行うことができる。また、これにより、インクパックをより適切に形成できる。
(構成8)袋状部は、インクジェットプリンタでのインクパックの使用時用の形状である使用時形状と、インクパックを保管する保管時用の形状である保管時形状とに変形可能であり、使用時形状は、予め設定された厚さ方向における袋状部の厚さが内部のインクの量に応じて変化する形状であり、保管時形状は、袋状体の一端側に厚さ方向と平行な面である一端側面が形成された形状であり、一端側面は、少なくとも袋状体の一端側において、厚さ方向における袋状体の厚さの変化を抑える。
この場合、インクパックの保管時とは、例えば、インクパックの使用前における保管時である。また、インクパックの袋状部について、保管時形状は、例えば、インクパックの運搬時の形状であってよい。
このように構成した場合、例えば、インクパックの使用時において、袋状部の形状を使用時形状にすることで、インクの消費量に応じて袋状部の厚さを徐々に変化させることができる。また、これにより、例えば、インクパックの袋状部内に余分な空気が入り込むことを適切に防ぐことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクパックをより適切に使用することができる。
また、運搬時等を含む保管時においては、袋状部の厚さの変化を抑える面(一端側面)を形成することにより、インクパックの形状について、一定の形状でより適切に安定させることができる。この場合、袋状部の厚さの変化を抑えるとは、例えば、一端側における袋状部の厚さを一端側面の大きさに対応する厚さに保つことである。このように構成すれば、例えば、衝撃等に対するインクパックの耐性をより適切に高めることができる。また、これにより、例えば、インクパックの強度をより適切に高めることができる。
また、この場合、保管時の形状を一定の形状に保つことにより、例えば、多数のインクパックをまとめて運搬する運搬時等に、インクパックをより効率的に積載することができる。そのため、このように構成すれば、インクパックの運搬等をより適切に行うことができる。
尚、インクパックの袋状部について、保管時形状は、例えば、一端側面を底面とする柱状又は錐状とすることが考えられる。また、より具体的に、保管時形状は、例えば多角柱状又は多角錐状であってよい。
(構成9)一端側面は、袋状部の一部を折って袋状部の形状を変化させることで形成された面である。このように構成すれば、例えば、袋状部の形状を適切に変化させることができる。
(構成10)保管時形状は、袋状体の他端側に一端側面と平行な面である他端側面が更に形成された形状であり、他端側面は、袋状体の他端側において、厚さ方向における袋状体の厚さの変化を抑える。
このように構成すれば、インクパックの保管時において、インクパックの形状について、一定の形状でより適切に安定させることができる。これにより、例えば、インクパックの強度をより適切に高めることができる。また、インクパックの運搬等をより適切に行うことができる。
尚、インクパックの袋状部における他端側面は、例えば、一端側面と対向する位置に形成される。また、他方側面は、一端側面と実質的に同一の形状を有する面であってよい。この場合、袋状部の保管時形状は、例えば、上面及び底面の一方及び他方を一端側面及び他端側面とする柱状であってよい。
(構成11)保管時形状は、直方体状である。このように構成すれば、インクパックの保管時において、インクパックの形状について、一定の形状でより適切に安定させることができる。
(構成12)揮発性有機溶剤を主成分とするインクを収容する。この場合、揮発性有機溶剤を主成分とするとは、例えば、インクの成分のうち、重量比で最大の成分が揮発性有機溶剤(VOC)であることである。また、より具体的に、揮発性有機溶剤を主成分とするとは、例えば、揮発性有機溶剤を重量比で50%以上含むことであってよい。
揮発性有機溶剤は、環境や人体に対して有害性が大きい。そのため、揮発性有機溶剤を含むインクを用いる場合、インクパックの破損等を防ぐことが特に望まれる。また、揮発性有機溶剤を含むインクを用いる場合、例えばインクパックの袋状部を構成するフィルムにおける樹脂の層の一部が揮発性有機溶剤により浸食され、インクパックが破損しやすくなるおそれもある。
これに対し、このように構成した場合、例えば補強層を用いることにより、インクパックの強度を適切に保つことができる。また、例えば内面樹脂層の一部が揮発性有機溶剤により浸食されたとしても、インクパックの破損にまで至ることはない。そのため、このように構成すれば、例えば、揮発性有機溶剤を含むインクを用いる場合について、より好ましい構成のインクパックをより適切に提供できる。
尚、揮発性有機溶剤を主成分とするインクとは、例えば、ソルベントインク又はソルベントUVインクである。また、ソルベントUVインクとは、例えば、紫外線の照射に応じて硬化する樹脂と、揮発性有機溶剤とを含むインクである。
(構成13)紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型のインクを収容する。紫外線硬化型のインクとは、例えば、紫外線の照射により重合する重合性物質(モノマー等)を含むインクである。また、この場合、紫外線硬化型のインクとは、紫外線の照射のみで媒体に定着するインク(いわゆるUVインク)以外に、例えばソルベントUVインク等であってもよい。
紫外線硬化型のインクが含むモノマー等は、環境や人体に対して有害性が大きい。そのため、紫外線硬化型のインクを用いる場合、インクパックの破損等を防ぐことが特に望まれる。これに対し、このように構成した場合、例えば補強層を用いることにより、インクパックの強度を適切に保つことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、紫外線硬化型のインクを用いる場合について、より好ましい構成のインクパックをより適切に提供できる。
(構成14)インクジェットプリンタで使用するインクを収容するインクパックであって、内部にインクを収容する袋状部を備え、袋状部は、インクジェットプリンタでのインクパックの使用時用の形状である使用時形状と、インクパックを保管する保管時用の形状である保管時形状とに変形可能であり、使用時形状は、予め設定された厚さ方向における袋状部の厚さが内部のインクの量に応じて変化する形状であり、保管時形状は、袋状体の一端側に厚さ方向と平行な面である一端側面が形成された形状であり、一端側面は、少なくとも袋状体の一端側において、厚さ方向における袋状体の厚さの変化を抑える。
このように構成した場合、例えば、インクパックの使用時において、袋状部の形状を使用時形状にすることで、インクの消費量に応じて袋状部の厚さを徐々に変化させることができる。また、これにより、例えば、インクパックの袋状部内に余分な空気が入り込むことを適切に防ぐことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクパックをより適切に使用することができる。
また、運搬時等を含む保管時においては、袋状部の厚さの変化を抑える面(一端側面)を形成することにより、インクパックの形状について、一定の形状でより適切に安定させることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、衝撃等に対するインクパックの耐性をより適切に高めることができる。また、これにより、例えば、インクパックの強度をより適切に高めることができる。
また、この場合、保管時の形状を一定の形状に保つことにより、例えば、多数のインクパックをまとめて運搬する運搬時等に、インクパックをより効率的に積載することができる。そのため、このように構成すれば、インクパックの運搬等をより適切に行うことができる。
(構成15)インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであって、構成1から14のいずれかに記載のインクパックから供給されるインクを用いて印刷を行う。このように構成すれば、例えば、構成1から14と同様の効果を得ることができる。
(構成16)インクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、構成1から14のいずれかに記載のインクパックから供給されるインクを用いて印刷を行う。このように構成すれば、例えば、構成1から14と同様の効果を得ることができる。
(構成17)構成1から14のいずれかに記載のインクパックを製造するインクパックの製造方法であって、フィルムにより筒状体を形成する筒状体形成工程と、筒状体の一端側及び他端側の開口部を封止する封止工程とを備える。このように構成すれば、例えば、インクパックを適切に製造できる。また、これにより、例えば、構成1から14と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、例えば、より好ましい構成のインクパックを適切に提供できる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の一例を示す図である。図1(a)は、インクジェットプリンタ10の要部の構成の一例を示す。図1(b)は、各色インク貯留部102の構成の一例を示す。 インクパック202の構成の一例を示す図である。図2(a)は、インクパック202の上面図である。図2(b)、(c)は、一点鎖線AA及びBBにおけるインクパック202の断面図である 袋状部302のより詳細な構成の一例を示す図である。図3(a)は、インクパック202における袋状部302を形成するフィルム210の構成の一例を示す。図3(b)は、袋状部302の端部を封止する方法の一例を示す。 インクパック202の製造方法の一例を示す図である。図4(a)は、フィルム準備工程の一例を示す。図4(b)は、筒状体形成工程の一例を示す。図4(c)は、切断工程の一例を示す。図4(d)は、封止工程の一例を示す。 袋状部302を保管時形状に変形させた状態でのインクパック202の形状の一例を示す図である。 袋状部302の折り畳み方の一例を示す図である。図6(a)〜(c)は、袋状部302の折り畳み方を順番に示す図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の一例を示す。図1(a)は、インクジェットプリンタ10の要部の構成の一例を示す。
本例において、インクジェットプリンタ10は、インクジェット方式で印刷を行う印刷装置であり、複数のインクジェットヘッド12、インク供給部14、キャリッジ16、走査駆動部18、台部20、及び制御部22を備える。複数のインクジェットヘッド12は、インク滴を吐出するノズルを有する印刷ヘッドであり、印刷の対象物である媒体(メディア)50に対してインク滴を吐出することにより、媒体50に対する印刷を行う。また、本例において、複数のインクジェットヘッド12のそれぞれは、互いに異なる色のインク滴を吐出する。それぞれのインクジェットヘッド12には、インクジェットヘッド12の外部に配設されたインク供給部14から、各色のインクが供給される。
また、より具体的に、複数のインクジェットヘッド12のそれぞれは、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の各色のインク滴を吐出する。インクジェットプリンタ10は、他の色のインク滴を吐出するインクジェットヘッドを更に備えてもよい。
インク供給部14は、複数のインクジェットヘッド12のそれぞれに各色のインクを供給する供給部である。また、本例において、インク供給部14は、複数の各色インク貯留部102を有する。複数の各色インク貯留部102のそれぞれは、各色のインクを貯留する部分であり、例えば印刷の動作の進行に応じて、貯留するインクを、それぞれのインクジェットヘッド12へ供給する。各色インク貯留部102の構成については、後に、更に詳しく説明をする。
キャリッジ16は、複数のインクジェットヘッド12を保持する保持部材であり、媒体50と対向させた状態で、複数のインクジェットヘッド12を保持する。走査駆動部18は、媒体50に対して相対的に移動する走査動作を複数のインクジェットヘッド12に行わせる駆動部である。本例において、走査駆動部18は、複数のインクジェットヘッド12に、例えば、主走査動作及び副走査動作を行わせる。この場合、主走査動作とは、例えば、インク滴を吐出させつつ、予め設定された主走査方向(例えば、図中のY方向)へ複数のインクジェットヘッド12を移動させる動作である。本例において、走査駆動部18は、主走査方向へキャリッジ16を移動させることにより、キャリッジ16に保持された複数のインクジェットヘッド12を主走査方向へ移動させる。
また、副走査動作とは、例えば、主走査方向と直交する副走査方向(例えば、X方向)へ、媒体50に対して相対的に複数のインクジェットヘッド12を移動させる動作である。本例において、走査駆動部18は、例えば媒体50を搬送することにより、媒体50に対して相対的に、複数のインクジェットヘッド12を移動させる。また、走査駆動部18は、例えば複数のインクジェットヘッド12の側を移動させることにより、複数のインクジェットヘッド12に副走査動作を行わせてもよい。
台部20は、媒体50を保持する台状部材であり、複数のインクジェットヘッド12と対向させた状態で、媒体50を上面に保持する。台部20は、例えばインクジェットヘッド12のプラテンであってよい。
制御部22は、例えばインクジェットヘッド12のCPUであり、インクジェットヘッド12の各部の動作を制御することにより、インクジェットプリンタ10の印刷の動作を実行させる。本例によれば、インクジェットプリンタ10により適切に印刷を行うことができる。
尚、上記及び以下に説明をする点を除き、インクジェットプリンタ10は、公知のインクジェットプリンタと、同一又は同様の特徴を有してよい。例えば、以下に説明をする構成以外に、インクジェットプリンタ10は、印刷の動作等に必要な各種の構成を更に備えてよい。例えば、インクジェットプリンタ10は、インク供給部14と複数のインクジェットヘッド12とを結ぶインクの供給路等を更に備える。
また、インクジェットプリンタ10は、例えば、媒体50にインクを定着させるための構成を更に備えてよい。より具体的に、インクジェットプリンタ10においては、ソルベントインク等の、乾燥により媒体50に定着するインクを用いることが考えられる。この場合、インクジェットプリンタ10は、例えば、媒体50を加熱するヒータ等を更に備えてよい。また、インクジェットプリンタ10においては、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型インク等を用いることも考えられる、この場合、インクジェットプリンタ10は、例えば、紫外線を照射する光源を更に備えてよい。
続いて、インク供給部14における各色インク貯留部102の構成について、更に詳しく説明をする。図1(b)は、各色インク貯留部102の構成の一例を示す。
本例において、それぞれの各色インク貯留部102は、インクパック202及びケース204を有する。インクパック202は、インクジェットプリンタ10において使用する各色のインクを収容するパック状の容器である。以下に説明をする点を除き、インクパック202は、公知のインクパックと同一又は同様の特徴を有する。また、インクパック202のより具体的な構成については、後に更に詳しく説明をする。
ケース204は、インクパック202を収容するケースである。ケース204は、例えば、取り外し可能な蓋と本体部との間にインクパック202を収容する容器であってよい。また、ケース204としては、例えばプラスチックのケース等を好適に用いることができる。
以上の構成により、本例において、それぞれの各色インク貯留部102は、インクパック202を交換可能な形態で、インクジェットプリンタ10に取り付けられる。各色インク貯留部102は、例えば、インクパック202を交換可能なインクカートリッジであってよい。
続いて、本例において使用するインクパック202について、更に詳しく説明をする。図2は、インクパック202の構成の一例を示す図であり、インクジェットプリンタ10(図1参照)において使用中のインクパック202の状態の一例を示す。
図2(a)は、インクパック202の上面図であり、所定の方向から見たインクパック202の状態の一例を示す。図2(b)、(c)は、図2(a)に示した一点鎖線AA及びBBにおけるインクパック202の断面図である。
本例において、インクパック202は、袋状部302及びスパウト304を有する。袋状部302は、フィルム210により形成された袋状の部分であり、内部にインクを収容する。スパウト304は、袋状部302からのインクの供給口であり、袋状部302の一方の端に配設される。スパウト304としては、例えばプラスチックの筒状体等を好適に用いることができる。
また、本例において、袋状部302は、筒状に加工されたフィルム210の一端側及び他端側(図中の左端側及び右端側)の開口部を封止することで形成されている。そのため、袋状部302は、一端側及び他端側のそれぞれに、フィルム210の接合により形成された封止部310を有する。また、この場合、袋状部302においてスパウト304が配設される側の端部については、例えば図2(b)に示すように、スパウト304の一部を挟んだ状態で封止される。また、この場合も、スパウト304が挟まれる部分以外の箇所については、例えば図2(c)に示すように、フィルム210が直接重なった状態で封止される。
ここで、上記のように、図2においては、インクジェットプリンタ10において使用中のインクパック202の状態の一例を示している。そのため、以下、図2に示した状態のインクパック202における袋状部302の形状について、使用時形状という。袋状部302のその他の形状については、後に詳しく説明をする。
また、図からわかるように、本例において、使用時形状は、袋状部302の厚さDが内部のインクの量に応じて変化する形状である。この場合、袋状部302の厚さDとは、例えば、予め設定された厚さ方向における袋状部302の厚さである。また、本例において、袋状部302の厚さDは、封止部310が延伸する方向と垂直な方向における袋状部302の厚さである。この場合、封止部310が延伸する方向とは、例えば、図2(a)における図中の上下方向である。また、袋状部302の厚さとは、厚さ方向において袋状部302が最も厚くなっている部分の厚さであってよい。
このように構成した場合、例えば、インクパック202の使用時において、インクの消費量に応じて袋状部302の厚さを徐々に変化させることができる。また、これにより、例えば、袋状部302内に余分な空気が入り込むことを適切に防ぐことができる。そのため、本例によれば、例えば、インクパック202をより適切に使用することができる。
続いて、インクパック202における袋状部302の構成について、更に詳しく説明をする。図3は、袋状部302のより詳細な構成の一例を示す図である。図3(a)は、インクパック202における袋状部302(図2参照)を形成するフィルム210の構成の一例を示す。
本例において、フィルム210は、複数の層が積層された積層フィルムである。また、本例のフィルム210においては、袋状部302において内側になる面から、内面樹脂層322、金属薄膜層324、補強層326、及び外面樹脂層328が、この順番で積層されている。
内面樹脂層322は、袋状部302の内面側の層となる樹脂の層である。本例において、内面樹脂層322は、例えば、ポリエチレン(PE)の層である。金属薄膜層324は、金属の薄膜で形成された層である。本例において、金属薄膜層324は、例えばアルミニウム(Al)の薄膜の層である。
補強層326は、内面樹脂層322、金属薄膜層324、及び補強層326を補強するための層であり、例えば、フィルム210における他の層よりも曲がりにくい素材で形成されている。この場合、曲がりにくいとは、例えば、曲げ応力やせん断応力がより大きいことである。また、補強層326は、金属薄膜層324よりも外面側に形成されることが好ましい。
より具体的に、本例において、補強層326は、紙の層である。このように構成すれば、例えば、内面樹脂層322、金属薄膜層324、及び補強層326を適切に補強できる。また、これにより、例えば、インクパック202の強度を適切に高めることができる。
外面樹脂層328は、袋状部302の外面側の層となる樹脂の層である。本例において、外面樹脂層328は、例えば、ポリエチレン(PE)の層である。
本例によれば、例えば、内面樹脂層322及び金属薄膜層324等により、例えば、インクパック202中のインクに対して外部の環境による影響が生じることを適切に防ぐことができる。また、例えば、インクの成分が外部の環境に影響を及ぼすことも適切に防ぐことができる。より具体的には、例えば、内面樹脂層322により、湿気等の水分の影響を適切に遮断できる。また、金属薄膜層324により、例えば、酸素、におい、及び光の影響等を適切に遮断できる。
また、本例においては、更に、補強層326を形成することにより、インクパック202の強度を適切に高めることができる。また、これにより、例えば運搬時等において、インクパックの破損をより生じにくくすることができる。また、紙の補強層326を用いることにより、例えば、樹脂に対する浸食性が強いインクを用いる場合にも、フィルム210に対するインクの浸食を適切に抑えることができる。
また、外面樹脂層328を更に形成することにより、例えば、インクパック202の外面側の耐水性をより適切に高めることもできる。また、フィルム210の強度をより高めることもできる。そのため、本例によれば、例えば、高い強度を有するインクパック202を適切に提供できる。
ここで、フィルム210のおける各層は、例えば接着等の公知の方法により、上又は下の他の層と密着している。また、例えば金属薄膜層324については、内面樹脂層322上への蒸着等により形成することも考えられる。
また、フィルム210の各層については、例えば使用するインクの特性やインクパック202の用途等に応じて、上記と異なる素材の層を用いてもよい。例えば、内面樹脂層322や外面樹脂層328について、使用するインクの特性等に応じて、ポリエチレン以外の樹脂の層を用いてもよい。より具体的には、例えば、ポリエチレン以外の樹脂として、ブチレン(PB)や、PET等を用いること等が考えられる。また、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)等を用いることも考えられる。
また、本例において、外面樹脂層328とインクとの間には、金属薄膜層324及び補強層326が形成されている。そのため、例えば樹脂に対する浸食性が強いインクを用いる場合にも、インクが外面樹脂層328に到達することはない。そのため、外面樹脂層328としては、インクの特性によらず、様々な種類の樹脂を用いることも考えられる。そして、この場合、例えば、外面樹脂層328として、表面への印刷が行いやすい樹脂(例えばPET等)を用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、インクパック202の表面に対する様々な情報等の印刷等がより容易になる。
また、金属薄膜層324として、アルミニウム以外の金属の薄膜層を用いること等も考えられる。また、インクパック202に求められる仕様等によっては、例えば、金属薄膜層324を省略すること等も考えられる。この場合、補強層326として、例えば、樹脂(ポリエチレン等)を含浸させた紙の層を用いること等も考えられる。このように構成すれば、金属薄膜層324を用いない場合においても、インクパック202の内部と外部との間の遮断をより適切に行うことができる。
また、インクパック202に求められる仕様等によっては、例えば、外面樹脂層328を省略してもよい。この場合も、補強層326等を形成することにより、インクパック202の強度を適切に高めることができる。
続いて、袋状部302の端部を封止する方法について、説明をする。図3(b)は、袋状部302の端部を封止する方法の一例を示す。
従来、フィルムで形成された筒状体を封止する簡易な方法として、例えば、熱によりフィルムを溶融させて圧着することで封止する方法(ヒート・シール)が知られている。しかし、本例において、フィルム210は、樹脂等と比べて断熱性が高い紙の層である補強層326を有している。そして、この場合、ヒート・シールを行おうとしても、フィルム210の全体に熱が伝わりにくくなり、適切に封止を行えなくなるおそれがある。
そのため、本例においては、ヒート・シール以外の方法で封止を行うことが好ましい。この場合、例えば、袋状部302の製造工程において、フィルム210により形成された筒状体の一端側及び他端側の開口部について、圧着接合により封止することが考えられる。この場合、圧着接合とは、例えば、重ねたフィルム210に対して圧力を加えることでフィルム210を接合する方法である。また、この場合、より具体的には、例えば、図3(b)に示すように、超音波を発生するホーン352を用いて、超音波融着により封止を行うことが考えられる。このように構成すれば、例えば、断熱性の高い補強層326を用いる場合にも、袋状部302の封止をより適切に行うことができる。
続いて、本例のインクパック202を製造する製造方法について、更に詳しく説明をする。図4は、インクパック202の製造方法の一例を示す。本例において、インクパック202の製造方法、フィルム準備工程、筒状体形成工程、切断工程、及び封止工程を備える。
図4(a)は、フィルム準備工程の一例を示す。本例において、フィルム準備工程では、インクパック202における袋状部302の材料として、図3(a)に示した積層構造のフィルム210を準備する。この場合、フィルム210としては、図中に示すように、主表面が長方形状のフィルムを好適に用いることができる。
図4(b)は、筒状体形成工程の一例を示す。本例において、筒状体形成工程では、フィルム準備工程で準備したフィルム210を筒状に丸めた筒状体を形成する。この場合、例えば、長方形状のフィルム210において対向する一組の辺に沿った領域を接合することにより、筒状体を形成する。フィルム210の辺の接合は、公知の各種の方法で行ってよい。例えば、図3(b)に関連して説明した場合と同様に、超音波融着により接合すること等が考えられる。
図4(c)は、切断工程の一例を示す。本例において、切断工程より前に行うフィルム準備工程では、複数の袋状部302分の大きさのフィルム210を準備する。また、筒状体形成工程では、そのままの大きさのフィルム210により、長尺状の筒状体を形成する。そのため、切断工程では、筒状体になったフィルム210を、それぞれの袋状部302に対応する部分に切り分ける。
図4(d)は、封止工程の一例を示す。本例において、封止工程では、切断後に形成された1個の袋状部302分の筒状体に対し、例えば図3(b)に関連して説明をした封止方法により、一端側及び他端側の開口部の封止を行う。これにより、袋状部302を形成する。
また、この場合、一方の側の開口部においては、スパウト304を所定の位置に設置し、スパウト304の一部を挟んだ状態で、封止を行う。これにより、封止工程において、スパウト304の取り付けを更に行う。本例によれば、例えば、インクパック202を適切に製造できる。
続いて、インクパック202における袋状部302の形状について、更に詳しく説明をする。上記においては、図2等を用いて、袋状部302の使用時形状について説明をした。
また、本例において、袋状部302は、使用時形状の他に、インクパック202を保管する保管時用の形状である保管時形状にも変形可能である。この場合、インクパック202の保管時とは、例えば、インクパック202の使用前における保管時である。また、より具体的に、本例において、袋状部302の保管時形状は、例えば、インクパック202の運搬時の形状である。
図5は、袋状部302を保管時形状に変形させた状態でのインクパック202の形状の一例を示す。図示のように、本例において、保管時形状は、直方体状である。より具体的に、保管時形状に変形させた状態において、袋状部302は、上面402、底面404、複数の側面406、及び複数の折畳部410を有する形状になる。
上面402及び底面404の一方及び他方は、一端側面及び他端側面のそれぞれの一例である。この場合、一端側面とは、袋状部302の一端側に形成された面のことである。他端側面とは、袋状部302の他端側に形成される、一端側面と平行な面のことである。他端側面は、一端側面と対向する位置に形成される面であってよい。また、他方側面は、一端側面と実質的に同一の形状を有する面であることが好ましい。本例において、上面402及び底面404は、袋状部302の厚さ方向と平行な面であり、袋状部302の一端側及び他端側に形成されることにより、それぞれの位置において、袋状部302の厚さの変化を抑える機能を有する。
複数の側面406は、上面402と底面404とを繋ぐ平面である。また、本例において、複数の側面406は、上面402及び底面404と直交する面である。複数の折畳部410は、袋状部302の折り曲げにより生じる部分である。
尚、本例において、袋状部302における各面は、袋状部302の一部を折って袋状部302の形状を変化させることで形成される。そして、この場合、袋状部302の折り方に応じて、袋状部302の一部が余ることになる。複数の折畳部410は、このようにして生じた余剰部分である。また、本例において、複数の折畳部410は、頂点408a〜dを有する部分である。袋状部302の折り畳み方については、後に、更に詳しく説明をする。
また、袋状部302の上面402及び底面404とは、例えば、スパウト304が取り付けられる側を上面とした便宜上の区別である。そのため、実際の保管時においては、底面404以外の面を下側にして、インクパック202を配置してもよい。また、袋状部302において、面とは、例えば、インクパック202の折り曲げにより形成される稜線に囲まれた領域のことである。この場合、稜線とは、例えば、多角形状の面の辺となる折り目のことである。
また、袋状部302の各面とは、例えば、袋状部302の形状を多面体近似した場合にその多面体の各面に対応する領域のことであってよい。また、袋状部302の上面402及び底面404について、袋状部302の厚さ方向と平行であるとは、袋状部302の厚さの変化を抑える機能を発揮できる範囲で、実質的に平行なことであってよい。
また、図5に示した保管時形状において、上面402及び底面404上の封止部310は、上面402及び底面404に沿って寝かせた状態に折られる。また、封止部310に一部が挟まれているスパウト304も、封止部310と共に、上面402に沿うように寝かされる。
図6は、袋状部302の折り畳み方の一例を示す。図6(a)〜(c)は、保管時形状への変形をさせる場合について、袋状部302の折り畳み方を順番に示す図である。また、図6においては、図示を簡略化するため、スパウト304(図2参照)や封止部310(同)を省略して、袋状部302の形状を示している。
図6(a)は、図4を用いて説明をした製造方法により製造された直後の袋状部302を示す。この時点において、袋状部302は、使用時形状への変形時と同様に、上面402及び底面404等が形成されていない状態である。そして、この場合、例えば図2(a)に示した場合と同じ方向から見た袋状部302の形状は、4つの頂点408a〜dを有する4角形状になる。
図6(b)は、折り曲げによって上面402及び底面404を形成した状態を示す。図示のように袋状部302を折り曲げ、各面の辺となる稜線を形成することにより、上面402、底面404、及び複数の側面406が形成される。また、この折り曲げに伴い、これらの各面の他に、頂点408a〜dを含む領域が、複数の折畳部410となる。
図6(c)は、保管時形状に折り畳んだ状態の袋状部302を示す。図6(b)に示した状態の後、複数の折畳部410を側面406に沿うように折ることで、保管時形状への変形が完了する。
以上のように袋状部302を変形させることにより、例えば、保管時形状への変形を適切に行うことができる。また、例えば、上記とは逆に、図6(c)に示した状態から、図6(b)の状態を経て図6(a)の状態へ変形させることにより、保管時形状から使用時形状への変化についても、適切に行うことができる。そのため、本例によれば、袋状部302の形状を適切に変化させることができる。
続いて、以下、本例のインクパック202(図2参照)を用いることで得られる効果等について、更に詳しく、補足説明等を行う。図3(a)等に関連して説明をしたように、本例においては、補強層326を含むフィルム210を用いることにより、インクパック202(図2参照)の強度を適切に高めている。
また、その上で、更に、運搬時等を含む保管時において、袋状部302を保管時形状に変形させることで、インクパック202の強度をより高めることができる。より具体的に、例えば、袋状部302を保管時形状に変形させた場合、上面402及び底面404が袋状部302の厚さの変化を抑える面として機能するため、インクパック202の形状について、一定の形状でより適切に安定させることができる。そのため、本例によれば、例えば、衝撃等に対するインクパック202の耐性をより適切に高めることができる。また、これにより、例えば、インクパック202の強度をより適切に高めることができる。
また、この場合、保管時の形状を一定の形状に保つことにより、例えば、多数のインクパックをまとめて運搬する運搬時等に、インクパックをより効率的に積載することができる。また、例えばインクパック202を包装する場合等においても、余分なスペース等を生じさせることなく、コンパクトな包装(シュリンク包装)を行うことができる。そのため、本例によれば、例えば、インクパック202の運搬等をより適切に行うことができる。
ここで、例えば袋状部302が使用時形状になっている状態でインクパック202を運搬しようとする場合、個々のインクパック202を安定して立てること等が難しいため、装具等で保持することが必要になる。また、使用時形状の場合、圧力により変形しやすい形状であるため、衝撃等の影響も受けやすくなる。そのため、使用時形状のままインクパック202を運搬しようとすると、インクパック202を保持する装具に加え、多くの緩衝材又は緩衝領域等も必要になる。また、その結果、運搬の効率が大きく低下することになる。
また、インクパック202を安定した状態で運搬するためには、例えばケース204(図1参照)等の容器にいれた状態で、インクパック202を運搬することも考えられる。しかし、この場合、容器の分だけサイズが大きくなるため、運搬効率が低下することになる。また、この場合も、使用時形状のまま運搬を行うことになるため、保管時形状への変形をさせる場合と比べ、インクパック202の耐衝撃性等は低下する。そのため、この場合も、多くの緩衝材又は緩衝領域が必要になると考えられる。
また、インクジェットプリンタにおいてインクを供給する方法としては、インクパックを用いる方法以外に、例えば、ボトル型のインクタンクを用いる方法等も知られている。そして、このようなインクタンクは、通常、インクパックと比べ、頑丈な構成を有している。そのため、この場合、通常、多くの緩衝材や緩衝領域等は不要である。しかし、この場合、インクタンクの容器の形状の影響により、通常、運搬時において、余計なスペースが多くなる。また、その結果、この場合も、運搬効率が大きく低下することになる。
これに対し、本例においては、上記のように、インクパック202の袋状部302について、運搬に適した形状に適切に変化させることができる。また、補強層326を有するフィルム210を使用することにより、インクパック202の強度をより適切に高めることが可能になる。より具体的には、例えば、このようなフィルム210を用いることにより、袋状部302の保管時形状をより適切に維持すること等が可能になる。
そのため、本例においては、例えば、個々のインクパック202を収容する箱又はケースや、インクパック202を保持する装具等を用いない場合でも、インクパック202を安定かつ適切に運搬することができる。そのため、本例によれば、例えば、インクパック202の運搬効率を適切に高めることができる。
また、上記においても説明をしたように、インクジェットプリンタ10においては、例えばソルベントインク等を用いることが考えられる。この場合、ソルベントインクは、揮発性有機溶剤(VOC)を主成分とするインクの一例である。また、揮発性有機溶剤(VOC)を主成分とするインクとして、ソルベントインク以外にも、例えばソルベントUVインク等を用いることも考えられる。
そして、この場合、揮発性有機溶剤は、環境や人体に対して有害性が大きい。そのため、揮発性有機溶剤を含むインクを用いる場合、インクパック202の破損等を防ぐことが特に望まれる。また、揮発性有機溶剤を含むインクを用いる場合、例えばインクパック202の袋状部302を構成するフィルムにおける樹脂の層の一部が揮発性有機溶剤により浸食され、インクパックが破損しやすくなるおそれもある。
これに対し、本例においては、例えば補強層326を有するフィルム210(図3参照)を用いることや、保管時にインクパック202の袋状部302の形状を変化させること等により、インクパック202の強度を適切に保つことができる。また、例えば内面樹脂層322(図3参照)の一部が揮発性有機溶剤により浸食されたとしても、インクパック202の破損にまで至ることはない。そのため、本例によれば、例えば、揮発性有機溶剤を含むインクを用いる場合について、より好ましい構成のインクパック202をより適切に提供できる。
また、インクジェットプリンタ10においては、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型のインクを用いることも考えられる。この場合、紫外線硬化型のインクとは、例えば、いわゆるUVインクや、ソルベントUVインク等の、紫外線の照射により重合する重合性物質(モノマー等)を含むインクである。
そして、この場合、モノマー等は、環境や人体に対して有害性が大きい。そのため、紫外線硬化型のインクを用いる場合においても、インクパック202の破損等を防ぐことが特に望まれる。
これに対し、本例においては、上記のとおり、インクパック202の強度を適切に保つことができる。そのため、本例によれば、例えば、紫外線硬化型にインクを用いる場合についても、より好ましい構成のインクパック202をより適切に提供できる。
以上のように、本例によれば、強度が高く、かつ、高い運送効率での運搬が可能なインクパック202を適切に提供できる。また、インクパック202の具体的な特徴については、上記において説明をした具体的な構成に限らず、様々な変形を行うこと等も考えられる。
例えば、上記においては、袋状部302の保管時形状の一例として、直方体状への変形を行う場合について、説明をした。しかし、インクパック202の構成の変形例においては、直方体状以外の保管時形状への変形を行うことも考えられる。例えば、袋状部302の保管時形状について、上面及び底面の一方及び他方を一端側面及び他端側面とする様々な柱状の形状とすること等も考えられる。また、より一般化して考えた場合、例えば、保管時形状について、一端側面を底面とする柱状又は錐状(例えば多角柱状又は多角錐状)とすること等も考えられる。これらのように構成した場合も、例えば、運搬時等において、インクパック202の強度を適切に高めることができる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えばインクパックに好適に用いることができる。
10・・・インクジェットプリンタ、12・・・インクジェットヘッド、14・・・インク供給部、16・・・キャリッジ、18・・・走査駆動部、20・・・台部、22・・・制御部、50・・・媒体、102・・・各色インク貯留部、202・・・インクパック、204・・・ケース、210・・・フィルム、302・・・袋状部、304・・・スパウト、310・・・封止部、322・・・内面樹脂層、324・・・金属薄膜層、326・・・補強層、328・・・外面樹脂層、352・・・ホーン、402・・・上面、404・・・底面、406・・・側面、408・・・頂点、410・・・折畳部

Claims (17)

  1. インクジェットプリンタで使用するインクを収容するインクパックであって、
    フィルムにより形成された袋状の部分であり、内部に前記インクを収容する袋状部を備え、
    前記フィルムは、
    前記袋状部の内面側の層となる樹脂の層である内面樹脂層と、
    前記内面樹脂層を補強する補強層と
    が少なくとも積層された薄膜であることを特徴とするインクパック。
  2. 前記補強層は、前記内面樹脂層よりも曲がりにくい素材で形成された層であることを特徴とする請求項1に記載のインクパック。
  3. 前記補強層は、紙の層であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクパック。
  4. 前記フィルムは、金属の薄膜で形成された金属薄膜層が更に積層された薄膜であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクパック。
  5. 前記フィルムは、前記袋状部の外面側の層となる樹脂の層である外面樹脂層が更に積層された薄膜であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクパック。
  6. 前記袋状部は、前記フィルムにより形成された筒状体の一端側の開口部、及び他端側の開口部のそれぞれを、圧着接合により封止することで形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクパック。
  7. 前記袋状部は、前記フィルムにより形成された筒状体の一端側の開口部、及び他端側の開口部のそれぞれを、超音波融着により封止することで形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクパック。
  8. 前記袋状部は、
    前記インクジェットプリンタでの前記インクパックの使用時用の形状である使用時形状と、
    前記インクパックを保管する保管時用の形状である保管時形状と
    に変形可能であり、
    前記使用時形状は、予め設定された厚さ方向における前記袋状部の厚さが内部の前記インクの量に応じて変化する形状であり、
    前記保管時形状は、前記袋状体の一端側に前記厚さ方向と平行な面である一端側面が形成された形状であり、
    前記一端側面は、少なくとも前記袋状体の一端側において、前記厚さ方向における前記袋状体の厚さの変化を抑えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のインクパック。
  9. 前記一端側面は、前記袋状部の一部を折って前記袋状部の形状を変化させることで形成された面であることを特徴とする請求項8に記載のインクパック。
  10. 前記保管時形状は、前記袋状体の他端側に前記一端側面と平行な面である他端側面が更に形成された形状であり、
    前記他端側面は、前記袋状体の他端側において、前記厚さ方向における前記袋状体の厚さの変化を抑えることを特徴とする請求項8又は9に記載のインクパック。
  11. 前記保管時形状は、直方体状であることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のインクパック。
  12. 揮発性有機溶剤を主成分とするインクを収容することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のインクパック。
  13. 紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型のインクを収容することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のインクパック。
  14. インクジェットプリンタで使用するインクを収容するインクパックであって、
    内部に前記インクを収容する袋状部を備え、
    前記袋状部は、
    前記インクジェットプリンタでの前記インクパックの使用時用の形状である使用時形状と、
    前記インクパックを保管する保管時用の形状である保管時形状と
    に変形可能であり、
    前記使用時形状は、予め設定された厚さ方向における前記袋状部の厚さが内部の前記インクの量に応じて変化する形状であり、
    前記保管時形状は、前記袋状体の一端側に前記厚さ方向と平行な面である一端側面が形成された形状であり、
    前記一端側面は、少なくとも前記袋状体の一端側において、前記厚さ方向における前記袋状体の厚さの変化を抑えることを特徴とするインクパック。
  15. インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであって、
    請求項1から14のいずれかに記載のインクパックから供給される前記インクを用いて印刷を行うことと特徴とするインクジェットプリンタ。
  16. インクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、
    請求項1から14のいずれかに記載のインクパックから供給される前記インクを用いて印刷を行うことと特徴とする印刷方法。
  17. 請求項1から14のいずれかに記載のインクパックを製造するインクパックの製造方法であって、
    フィルムにより筒状体を形成する筒状体形成工程と、
    前記筒状体の一端側及び他端側の開口部を封止する封止工程と
    を備えることを特徴とするインクパックの製造方法。
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