JP2016104395A - 遊技機 - Google Patents

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大輔 三木
剛 福留
Takeshi Fukutome
剛 福留
慎太郎 松下
Shintaro Matsushita
慎太郎 松下
太佑 祖父江
Tasuke Sofue
太佑 祖父江
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Abstract

【課題】遊技領域を拡大しつつ、下皿の満タン状態を好適に検出することができると共に、それに伴う不具合等が発生しないようにする遊技機を提供すること。【解決手段】満タン検知センサ59の配設位置が遊技領域の下端よりも上方とされるので、満タン検知センサ59の配設スペースを確保し易くでき、その分、下皿通路262を配設する際の自由度が制限されることを抑制できる。満タン検知センサ59の配設位置が、満タン検知スイッチ59が検出状態となってから下皿が満タンであると判定されるまでの間に払出装置から払い出される遊技球を少なくとも下皿通路262及び分流通路263に貯留可能な位置とされるので、満タン検知センサ59から払出装置までの距離を十分に確保することが困難な場合でも、払出装置の破損を防止できる。【選択図】図5

Description

本発明は、パチンコ機等に代表される遊技機に関するものである。
遊技球を使用して遊技を行う遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機は、いわゆる特別遊技状態という大当たり状態が発生すると、短時間に多量の賞球が払い出される場合がある。払い出された賞球は、上皿および下皿に貯留される。
大当たり状態が発生し、多量の賞球が短時間に払い出される場合、上皿および下皿に貯留された遊技球を球箱等に排出しなければ、上皿および下皿に対して賞球を払い出せなくなるため、払出装置が故障するという深刻な事態を招く。
従って、下皿が満タンになったことを検出する検出センサが払出通路の中途に設けられており、この検出センサがオンされると、払出装置の動作を停止させ、それ以上の賞球の払い出しが行われないようにすると共に、下皿から遊技球を球箱等へ排出するように、音声や表示装置への表示により報知するものが一般的である。
特開2003−180924号公報
しかしながら、上記のようなパチンコ機では、近年、遊技領域の拡大が要請されているが、遊技領域の拡大は、検出センサを、従来のように、下皿の近傍に設けることを困難とさせ、検出センサの配設位置を払出装置に近づかせるため、両者の間の距離が短くなる。そのため、下皿が満タンであるかの判定精度を確保することが困難となり、それに伴う不具合が発生するおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技領域を拡大しつつ、下皿の満タン状態を好適に検出することができると共に、それに伴う不具合等が発生することを抑制することができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、遊技に伴い遊技球を払い出す払出装置と、その払出装置から払い出される遊技球を貯留する第1皿と、その第1皿で余剰となった遊技球を貯留する第2皿と、前記第1皿に遊技球を流下させる第1通路と、前記第2皿に遊技球を流下させる第2通路と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記第1通路へ流下させると共に第1通路内に遊技球が貯留された場合に払出装置から払い出された遊技球を前記第2通路へ流下させる分流通路と、前記第2通路の中途に配設されその配設箇所における遊技球により検出状態とされる検出センサと、その検出センサの検出結果に基づいて前記第2皿が満タンになったかを判定する判定手段と、その判定手段により前記第2皿が満タンであると判定された場合に前記払出装置からの遊技球の払い出しを停止させる停止手段と、を備えたものであり、前記判定手段は、前記検出センサが検出状態となってから少なくとも所定の期間の経過後に、前記第2皿が満タンであると判定し、前記検出センサの配設位置は、前記遊技領域の下端よりも上方であって、かつ、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を少なくとも前記第2通路および分流通路に貯留可能な位置とされる。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記検出センサの配設位置は、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を、前記第2通路内に貯留可能な位置とされる。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記検出センサは、前記第2通路の側壁の一部を形成すると共に上流側部分が軸支され前記第2通路側またはその逆側へ向けて揺動可能に形成されるレバー部材と、前記レバー部材を前記第2通路側へ向けて付勢する付勢部材と、その付勢部材の付勢力に抗して前記レバー部材が前記逆方向へ揺動されることで作動されるスイッチ部材とを備える。
請求項4記載の遊技機は、請求項3記載の遊技機において、前記第2通路は、前記レバー部材に対面する側壁である対面側壁を備え、その対面側壁と前記レバー部材との間の対向面間隔が、少なくとも前記レバー部材が初期位置にある状態では、下流側ほど小さくされる。
本発明によれば、遊技領域を拡大しつつ、下皿の満タン状態を好適に検出することができると共に、それに伴う不具合等が発生することを抑制することができる。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 内枠の背面図である。 裏パックユニットの正面図である。 ベース部における払出通路及び遊技球分配部を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。 満タン検知センサの動作を説明するためのベース部の断面図である。 満タン検知センサの動作を説明するためのベース部の断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御基板のCPUによるNMI割込み処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技球の払出に関する電気的構成を示すブロック図である。 第1入力ポートの構成を説明するための説明図である。 (a)は賞球用カウンタエリアを説明するための説明図であり、(b)はコマンド記憶エリアを説明するための説明図である。 (a)は賞球数記憶エリアを説明するための説明図であり、(b)は貸球数記憶エリアを説明するための説明図であり、(c)は払出個数カウンタエリアを説明するための説明図であり、(d)は賞球テーブル記憶エリアを説明するための説明図である。 主制御基板のCPUによる読み込み処理を示すフローチャートである。 読み込み処理の処理内容を説明するための説明図である。 情報判定処理を示すフローチャートである。 入力状態監視処理を示すフローチャートである。 前扉枠開放信号監視処理を示すフローチャートである。 賞球許可信号監視処理を示すフローチャートである。 払出用出力処理を示すフローチャートである。 賞球コマンド出力処理を示すフローチャートである。 払出制御基板のCPUによるメイン処理を示すフローチャートである。 入力時割込み処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 満タン用処理を示すフローチャートである。 球無用処理を示すフローチャートである。 賞球設定処理を示すフローチャートである。 貸球設定処理を示すフローチャートである。 払出個数設定処理を示すフローチャートである。 払出制御処理を示すフローチャートである。 払出状態設定処理を示すフローチャートである。 賞球許可信号設定処理を示すフローチャートである。 賞球許可信号に対する賞球コマンドの出力の様子を説明するためのタイムチャートである。 第2実施の形態における払出通路及び遊技球分配部を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。 第3実施の形態における払出通路及び遊技球分配部を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように前扉枠14は内枠13における前面側のほぼ全域を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述するPEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、上方が円弧状に湾曲し、下方が下窄まりの台形形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。
より詳しくは、前扉枠14は、窓部21を囲むようにして設けられたガラスホルダ27を有している。ガラスホルダ27は、前扉枠14の背面から後方に張り出しており、窓部21の左右の縁部に沿って上下に延びる縦ホルダ部27a,27bとそれら両縦ホルダ部27a,27bの下端部を繋いで左右に延びる横ホルダ部27cとを有してなる。各ホルダ部27a〜27cには、前後に並設された2条の溝部が形成されている。縦ホルダ部27a,27bの溝部は上方及び互いに向き合う側(すなわち窓部21の中央側)に開放されており、横ホルダ部27cの溝部は、上方に開放されているとともに、両縦ホルダ部27a,27bの溝部に対して連なっており、それら各溝部に対してガラス22が嵌まることで、遊技領域PEが内外2重に覆われた状態となっている。
図1に示すように窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部24に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置224より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル40が設けられている。遊技球発射ハンドル40が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部225に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図2右側)には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図2の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤受け部材63が上下方向に複数並設されている。これら鉤受け部材63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図2の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部75が形成されている。遊技盤収容部75は、樹脂ベース70の背面側(後方)に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部75の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口、可変入賞装置、作動口、スルーゲート及び可変表示ユニット等がそれぞれ設けられている。一般入賞口、可変入賞装置及び作動口に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
可変入賞装置は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニットは遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に一対の作動口が配置されている。より詳しくは、作動口は、一方の作動口を上側、他方の作動口を下側として上下に並設されている。可変表示ユニット及び作動口は、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット及び作動口を遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
可変表示ユニットは、作動口への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置を備えている。図柄表示装置は、液晶ディスプレイ(表示画面)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面においては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。なお、表示画面における表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニットは、図柄表示装置を囲むようにして形成されたセンターフレームを備えている。センターフレームの上部には、第1特定ランプ部及び第2特定ランプ部が設けられている。また、センターフレームの上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部が設けられている。下側の保留ランプ部は、図柄表示装置及び第1特定ランプ部に対応しており、遊技球が作動口を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部は、第2特定ランプ部に対応しており、遊技球がスルーゲートを通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
ここで、樹脂ベース70における遊技盤収容部75の下方には、遊技球発射ハンドル40の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。より詳しくは、樹脂ベース70において遊技盤収容部75の下方には遊技球発射機構110を設置する発射機構設置部79が形成されている。なお、遊技球発射ハンドル40は、前扉枠14に設けられる。
発射機構設置部79に設置された遊技球発射機構110は、内枠13の回動先端寄りに位置している。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイドと、同ソレノイドによって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レールと、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送り機構と、それら各種構成が装着されているベースプレートとを主要な構成として備えており、同ベースプレートが樹脂ベース70に対してネジ止めされることで内枠13に対して一体化されている。
遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド)は、後述する電源及び発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源及び発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイドの出力軸が伸縮方向、すなわち発射レールのレール方向に移動し、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域PE、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域区画部材480と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール及び外レールからなり、それら両レールによって挟まれた領域によって遊技球の誘導通路が形成されている。誘導通路は、発射レールの先端側(内枠13の回動先端側)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイドの動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レールの先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レールは、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レールに沿って、すなわち外レールに接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
誘導レール100は、遊技球発射ハンドル40が遊技球を遊技領域PEに到達させることができる程度に操作された場合に、すなわち遊技球発射ハンドル40の操作量が第1の規定量を超えた場合に、発射レールから打ち出された遊技球が当該誘導レール100の入口部分104、詳しくは外レールにおいて発射レールの延長上に位置する特定部位に着地するように形成されている。
外レールは、その特定部位における接線の向きが発射レールのレール方向と略同一となるように形成されている。発射された遊技球の移動方向と、特定部位の接線方向を揃えることにより、遊技球の着地によって生じる衝撃を低減するとともに同遊技球の跳ね返りを抑え、誘導レール100によるそれら遊技球の円滑な誘導を可能としている。
なお、外レールは、当該外レールを遊技盤80に対して固定する固定手段として複数の固定ピンを備えている。固定ピンは外レールに沿って配設されており、それら固定ピンの間に上記特定部位が設定されている。これにより、特定部位での外レールの若干の撓み変形(弾性変形)を許容し、同特定部位に遊技球が着地した際の衝撃を低減することが可能となっている。
誘導レール100及び発射レールは、同誘導レール100の入口部分104と発射レールの先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100は、同誘導レール100の入口部分104(詳しくは特定部位)と発射レールの先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レールとの間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レールの左方には、樹脂ベース70を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有してなり、それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側下皿通路52が配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路からの遊技球の流出を規制するシャッタが設けられている。シャッタは、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース70によって支持されている。また、樹脂ベース70にはシャッタを阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタが阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタが許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図3は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図3の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース70の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
樹脂ベース70における遊技盤収容部75の底部分(後述する対向板部251)には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された中央開口76が形成されており、その中央開口76が遊技盤収容部75に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口76を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニットを遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース70の中央開口76を通じて同樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置と、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース70の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板324を具備しており、音声ランプ制御基板324が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口,可変入賞装置,上作動口,下作動口の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口に入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲートを通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図4に基づき裏パックユニット15について説明する。図4は裏パックユニット15の正面図である。
図4に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニットを囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板256が設けられている。外部端子板256には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214(図4では一方のみを図示)が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた払出通路226を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33又は下皿34に振り分けるための機能を有し、裏パック201の前面側の内側(図4左側)の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、外側(図4右側)の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板322が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板321が収容されており、当該基板321により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル40の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、図示しないRAM消去スイッチを押しながら電源スイッチ247を操作すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次いで、図5を参照して、下皿34の満タンを検出する機構について説明する。図5は、ベース部211における払出通路226及び遊技球分配部225を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。
図5に示すように、遊技球分配部225には、上皿通路261と、その上皿通路261に並設される下皿通路262と、それら上皿通路261及び下皿通路261の上流側開口261a,261bと払出通路226の下流側開口226aとの間を接続する分流通路263とが形成され、下皿通路262の中途には、満タン検知センサ59が配設される。
なお、遊技球分配部225は、その通路厚み(図5紙面垂直方向寸法)が一定寸法とされ、遊技球の直径よりも若干大きくされる。また、上皿通路261の下流側は、内枠13の本体側上皿通路を介して上皿33に通じ、下皿通路262の下流側は、内枠13の本体側下皿通路を介して下皿通路に通じている。
上皿通路261は、鉛直方向(図5上下方向)に延設される第1鉛直側壁271と、その第1鉛直側壁271に平行に延設される第2鉛直側壁272とにより、直線状の通路として形成される。なお、上皿通路261は、その通路幅(図5左右方向寸法)が遊技球の直径の2倍よりも若干大きく形成される。
第1鉛直側壁271の上流側には、円弧状に湾曲すると共にその円弧中心を上皿通路261側に有して形成される湾曲側壁273が連なる。第2鉛直側壁272の上流側には、下流側へ向けて下降傾斜して形成される傾斜側壁274が連なる。これら湾曲側壁273の上流側端部と傾斜側壁274の上流側端部との間に、上皿通路261の上流側開口261aが形成される。
払出通路226は、上皿通路261側へ向けて傾斜して形成されると共に、分流通路263の一方側(上皿通路261側)に偏って位置する。よって、湾曲側壁273及び傾斜側壁274の形状と合わさることで、払出通路226から流下する遊技球を、上皿通路261内へ確実に流下させることができると共に、上皿通路261の上流側開口261aまで遊技球が貯留された場合には、払出通路226から流下する遊技球を、下皿通路262内へスムーズに流下させることができる。
なお、湾曲側壁273の上流側には、鉛直方向(図5上下方向)に延設される第1分流側壁291が連なり、その第1分流側壁291の上流側には、払出通路226の一方(図5左側)の側壁が連なる。
下皿通路262は、逆S字状に湾曲する通路として形成される。即ち、下皿通路262は、一方(図5右側)の側壁が、満タン検知センサ59のレバー部材502と、そのレバー部材502の上流側に位置すると共に下流側へ向けて下降傾斜する上流側壁281と、その上流側壁281の上流側に連なり鉛直方向に延設される第2分流側壁292とから形成され、他方(図5左側)の側壁が、上述した第2鉛直側壁272と、その第2鉛直側壁272の中途から分岐すると共に上流側壁281に対して略平行を保ちつつ上流側へ向けて上昇傾斜する第2上流側壁282と、その第2上流側壁282の上流側を傾斜側壁274の上流側に接続すると共に下流側へ向けて下降傾斜する第3上流側壁283とから形成される。
なお、第3上流側壁283の上流側端部と第2分流側壁292との間に、下皿通路262の上流側開口262aが形成される。上流側壁281と第2上流側壁282との間の対向面間隔は、遊技球の直径の2倍よりも若干大きな寸法に設定される。また、第2分流側壁292は、払出通路226の下流側開口226aよりも上方となる位置まで鉛直に延設される。
分流通路263は、第1分流側壁291と第2分流側壁292とにより、直線状の通路として形成され、上皿通路261及び下皿通路262の上流側開口261a,262aを含んで形成される。よって、上皿通路261の上流側開口261aまで遊技球が貯留された場合には、払出通路226から流下する遊技球は下皿通路262へ分流され、下皿通路262内に貯留される。
満タン検知センサ59は、下皿通路262の中途に配設されその配設箇所における遊技球の有無を検出するためのセンサ装置であり、遊技領域PEの下端よりも上方(図5上側)に配置される。そのため、遊技領域PEが大型化し、また、各種制御基板が多数配設されたパチンコ機10においても、満タン検知センサ59の配設スペースを確保することができる。その結果、前扉側下皿通路52や遊技球分配部225を配設する際の自由度が制限されることを抑制できる。
一方で、このように満タン検知センサ59を遊技領域PEの下端よりも上方に配設すると、払出装置224までの距離を十分に確保することが困難となるが、本実施の形態では、満タン検知センサ59が遊技球の存在を検出してから(満タン検知センサ59が検出状態となってから)下皿33が満タンであると判定されるまでの間に払出装置224から払い出される遊技球を、少なくとも下皿通路262及び分流通路263内に貯留可能とされるので、払出装置224まで遊技球が達して、その払出モータ等が破損することを防止できる。
ここで、本実施の形態では、上皿通路261と下皿通路262とが並設されるので、これら両通路を区画する側壁(第2鉛直側壁272の下流側)を共通化して、部品点数の削減を図ることができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。この場合、下皿通路262を挟んで上皿通路261と反対側に満タン検知センサ59が配設されるので、下皿通路262と上皿通路261との間に満タン検知センサ59を配設する場合と比較して、構造を簡素化することができると共に、限られたスペースを有効に活用することができる。即ち、下皿通路262を逆S字状に形成する場合に、そのデッドスペースとなる箇所を有効に活用できる。
満タン検知センサ59は、軸501と、その軸501に軸支され下皿通路262側またはその逆側へ向けて揺動可能とされるレバー部材502と、そのレバー部材502を下皿通路262側へ向けて付勢する付勢部材503と、その付勢部材503の付勢力に抗してレバー部材502が下皿通路262の逆側へ揺動されることで作動されるスイッチ部材504とを備える。
レバー部材502は、下皿通路262の側壁の一部を形成する板状の基部と、その基部の上流側に位置すると共に基部に交差する方向へ延設され軸502により軸支される上流側部分とを備え、これら基部と上流側部分とから断面L字状に形成される。
なお、レバー部材502の基部は、下皿通路262側の面が断面直線状の平坦面(以下「案内面502a」と称す)として形成され、その案内面502aの幅(図5紙面垂直方向寸法)は、下皿通路262の通路厚み(図5紙面垂直方向寸法)よりも若干小さくされる。
レバー部材502は、案内面502aが第2鉛直側壁272に対面すると共に、図5に示す初期位置においては、下流側部分(軸501による軸支位置と反対側)ほど第2鉛直側壁272に案内面502aが近接する傾斜状態とされる。よって、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔が、図5に示す初期位置において、下流側ほど小さくされるので、下皿通路262に貯留された遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。即ち、レバー部材502の案内面502aが傾斜状態とされることで、レバー部材502の案内面502aに作用する遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502をスイッチ部材504側(図5右側)へ向けて揺動させる力として利用できるので(図6及び図7参照)、レバー部材502を効率的に揺動させることができる。
付勢部材503は、金属製のコイルスプリングとして形成され、レバー部材502における基部の裏面側(案内面502aの反対側の面)とバネ受け505との間に弾性的に圧縮変形された状態で装着される。よって、レバー部材502は、付勢部材503の弾性回復力により、軸501を揺動中心として、下皿通路262側へ向けて付勢される。
ここで、付勢部材503により付勢されたレバー部材502は、その基部の上流側の端面(図5上側面)が、上流側壁281の下流側の端面に当接されることで、下皿通路262側への揺動が規制され、図5に示す初期位置に保持される。
このように、レバー部材502の案内面502aを上流側壁281に連ねることができるので、レバー部材502の上流側(即ち、案内面502aと上流側壁281との間)に段差が形成されることを回避して、遊技球をスムーズに流下させることができる。
また、上流側壁281が、遊技球を案内する壁部としての役割だけでなく、レバー部材502を初期位置に保持するための部材としての役割も兼用することで、レバー部材502を初期位置に保持するための部材を別途設けることを不要とできる。よって、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
なお、付勢部材503は、レバー部材502の裏面側から突出する棒状の突出棒502bに一端側が外嵌されると共に、筒状に形成されたバネ受け505に他端側が内嵌される。これにより、付勢部材503の脱落が防止される。
このように、下皿通路262の側壁の一部を形成するように満タン検知センサ59のレバー部材502を配設する必要がある場合でも、レバー部材502は、上流側部分が軸501により軸支され、下皿通路262側またはその逆側へ向けて揺動可能とされるので、例えば、レバー部材502の下流側部分が軸支される場合や、レバー部材502をスライド移動させる構造とする場合と比較して、遊技球をスムーズに流下させつつ、下皿通路262に貯留された遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。また、例えば、上流側部分を軸501に軸支させる構造上、レバー部材502を重力により垂下させる(即ち、付勢部材503を省略する)構成も考えられるが、レバー部材502を下皿通路262側へ向けて付勢する付勢部材503を備えることで、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材504が作動される或いは作動が解除されることを抑制できる。
付勢部材503の付勢力は、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間に、複数個(本実施の形態では8個)の遊技球が貯留された場合に、レバー部材502を付勢部材503の付勢力に抗してスイッチ部材504側へ揺動させ、スイッチ部材504を作動させる大きさに設定される。よって、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材504が作動される或いは作動が解除されることを抑制できるので、検出精度の向上を図ることができる。
なお、レバー部材502がスイッチ部材504を作動させる位置まで揺動されると、第2鉛直側壁272に対して、レバー部材502の案内面502aが略平行となり、それら第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間に、2個の遊技球が並列に配置可能となる(図7参照)。即ち、対向面間隔が遊技球の直径の略2倍となる。
この場合、レバー部材502の案内面502aは、その長手方向寸法が遊技球の直径の略4倍とされる。即ち、レバー部材502は、付勢部材503の付勢力に抗して揺動する(スイッチ部材504を作動させる)ために必要とされる数(8個)の遊技球が、第2鉛直側壁272と案内面502aとの間に貯留されるように、その案内面502aの長手方向寸法が設定される。よって、所定数(8個)の遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502を揺動させる力として、レバー部材502の案内面502aに効率的に作用させることができるので、所定数の遊技球が貯留された際にレバー部材502を確実に揺動させることができ、その結果、スイッチ部材504を作動させる信頼性の向上を高めることができる。また、案内面502aが断面直線状に形成されるので、各遊技球の重量を、レバー部材502を揺動させるための力成分として有効に利用できる。
スイッチ部材504は、所定間隔を隔てつつ対向して配置される発光部と受光部とを備え(図5では受光部または発光部の一方のみを図示)、発光部からの光が、レバー部材502の裏面側から突出する遮光部502cにより遮られたことを、受光部で検出することによって、レバー部材502の位置を検出するフォトセンサとして構成される。
次いで、図6及び図7を参照して、満タン検知センサ59により下皿34の満タンを検出する動作について説明する。図6及び図7は、満タン検知センサ59の動作を説明するためのベース部211の断面図であり、図5の断面図に対応する。
図6に示すように、上皿33が満タンとなり、上皿通路261の上流側開口261aまで遊技球が貯留された状態で、払出装置224から遊技球が払い出されると、その払い出された遊技球は、分流通路263内で分流され、下皿通路262の上流側開口262aから下皿通路262内へ流下される。下皿34が満タンになると、下皿通路262内に遊技球が次第に貯留され、満タン検知センサ59に達する。
図6に示す状態から更に遊技球が払い出され、図7に示すように、満タン検知センサ59のレバー部材502と第2鉛直側壁272との間に所定数(本実施の形態では8個)の遊技球が貯留されると、その遊技球の重量により押圧されたレバー部材502が、下皿通路262とは逆側(スイッチ部材504側)へ向けて揺動され、スイッチ部材504を作動させる。これにより、後述するように、第1満タンカウンタの加算処理が行われ、この検知状態が約0.5secに亘って継続した場合に、下皿34が満タンであると判定される。
下皿通路262の上流側開口262aには、上皿通路261の上流側開口261aに連なると共に下流側へ向けて下降傾斜する第3上流側壁283が設けられている。よって、上皿通路261内が満タンとなり、払出装置224から払い出された遊技球が、上皿通路261側から下皿通路262の上流側開口262aへ流下する場合には、第3上流側壁283の下降傾斜を利用して、遊技球をスムーズに流下させることができる。
レバー部材502の上流側に連なる上流側壁281は、その案内面(内壁面)が断面直線状に形成されると共に、その直線が下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、下皿通路262の上流側開口262aから流下する遊技球を、上流側壁281によりその上流側壁281の下降傾斜方向へ案内することができる。よって、流下する遊技球がレバー部材502に衝突することを抑制して、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。
この場合、レバー部材502も、少なくとも初期位置にある状態では、下流側へ向けて下降傾斜されるが、上流側壁281の傾斜角度は、レバー部材502の傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度に設定される。即ち、レバー部材502の案内面502aは、上流側壁281の案内面(内壁面)をその下降傾斜方向へ延長した延長線よりも下方に位置する。よって、上流側壁281の案内面に沿って遊技球を転動させることで、上流側壁281の下降傾斜方向へ遊技球を案内して、流下する遊技球をより確実にレバー部材502に衝突し難くすることができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動をより確実に抑制できる。
また、第3上流側壁283は、その案内面(内壁面)が断面直線状に形成されると共に、その直線の延長線上に上流側壁281が位置するので、上皿通路261側から下皿通路262の上流側開口262aへ流下する遊技球を、第3上流側壁283により上流側壁281へ案内することができる。よって、流下する遊技球がレバー部材502に直接衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。更に、第3上流側壁283から上流側壁281へ遊技球が案内されると、次いで、その遊技球を上流側壁281の案内面(内壁面)に沿ってその下降傾斜方向へ案内する(転動させる)ことができるので、上述したように、上流側壁281の傾斜角度がレバー部材502の傾斜角度よりも緩やかとされる効果を利用して、流下する遊技球がレバー部材502に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。
上述したように、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔は、少なくともレバー部材502が図6に示す初期位置にある状態では、2個の遊技球の直径の和よりも小さい。一方、レバー部材502が所定数(8個)の遊技球に押圧され、スイッチ部材504を作動させる図7に示す作動位置まで揺動された状態では、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔が、2個の遊技球の直径の和と同等となるように設定される。
このように、図6に示す初期位置では、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔を2個の遊技球の直径の和よりも狭くしておくことで、所定数(8個)の遊技球が貯留される過程(図6の状態から図7の状態へ遷移する過程)において、レバー部材502を確実に揺動させて、検出精度の向上を図ることができる。一方、図7に示す作動位置(所定数(8個)の遊技球が貯留された状態)では、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間に2個の遊技球が並列に同じ高さ位置で収まるので、遊技球が千鳥状に貯留される場合と比較して、貯留された遊技球の郡の高さを抑制して、スペース効率の向上を図ることができる。
この場合、レバー部材502は、付勢部材503の付勢力に抗してスイッチ部材504側へ揺動されスイッチ部材504を作動させ、図7に示す作動位置(所定数(8個)の遊技球が貯留された状態)に配置された後、更にスイッチ部材504側への可動域を備えるので、遊技球が第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間で付勢部材503の付勢力によりバランスして球詰まりが発生することを抑制することができる。即ち、遊技球が第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間で付勢部材503の付勢力によりバランスしたとしても、レバー部材502が更にスイッチ部材504側(付勢部材503の付勢力に抗する側)への可動域を備えることで、例えば、それらバランスした遊技球へ向けて他の遊技球が流下することをきっかけとして、レバー部材503をスイッチ部材504側へ揺動させ、バランスを解除することができる。
下皿通路262は、上流側壁281と第2上流側壁282とが略平行とされ、それら両側壁281,282の間の対向面間隔が、通路方向に沿って略一定とされると共に、その対向面間隔は、図7に示す作動位置にあるレバー部材502の案内面502aと第2鉛直側壁272との間の対向面間隔と略同一とされる。
よって、レバー部材502の案内面502aと第2鉛直側壁272との対向面に所定数(8個)の遊技球が貯留され、スイッチ部材504が作動されてから(満タン検知センサ59が所定数の遊技球の存在を検出して検出状態となってから)、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(本実施の形態では8個)が、上流側壁281と第2上流側壁282との間に更に貯留され、その後、下皿33から遊技球が排出されることで、かかる区間(上流側壁281及びレバー部材502と第2上流側壁282及び第2鉛直側壁272との間)を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを回避することができる。
ここで、満タン検知センサ59の配設位置は、上述したように、スイッチ部材504が作動されてから、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(本実施の形態では8個)を、少なくとも下皿通路262の上流側開口262aよりも下方に貯留可能な位置とされる。これにより、下皿通路262と上皿通路261との両通路に接続され通路幅が広くなる分流通路263まで遊技球が貯留されることを回避できる。よって、下皿34からの遊技球の排出に伴って、下皿通路262に貯留された遊技球が流下する場合に、通路幅が広い分流通路263に貯留された遊技球が、分流通路263よりも通路幅の狭い下皿通路262に流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避できる。
詳細には、満タン検知センサ59の配設位置は、スイッチ部材504が作動されてから、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(本実施の形態では8個)を、下皿通路262の第3上流側壁283の下流端(即ち、第3上流側壁283と第2上流側壁282との接続部)よりも下方に貯留可能な位置とされる。これにより、第3上流側壁283と第2分流側壁292との間の通路幅を一定とする必要がないので、第2分流側壁292を鉛直に延設させることができる。よって、第2分流側壁292を傾斜させる場合と比較して、構造を簡素化できるので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図8のブロック図に基づいて説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図8では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、CPU311、ROM312及びRAM313の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321から記憶保持用電力が供給されて情報が記憶保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他センサ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御回路302に停電信号を送信する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球などの払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。なお、CPU331、ROM332及びRAM333の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電入時用電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電入時用電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部321aは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル40の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板321には、電断時用電源部321cが搭載されている。電断時用電源部321cはコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部321aから供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部321cから放電され主制御基板301のRAM313に対して記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部321cから記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ちなみに、電断時用電源部321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源部は、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、電源及び発射制御基板321には、上記電断時用電源部321cとは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源及び発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御回路302などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置を制御する。
次に、図柄表示装置の表示内容について、説明する。図柄表示装置には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。そして、図柄表示装置には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。図柄表示装置には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置162内のCPU311は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部の発光色の設定や、図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU311内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM313の所定領域に設定されたカウンタ用エリアに適宜格納される。RAM313には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置の図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、図柄表示装置に関しては、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のエリア値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU311に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM313の前後外れリーチ図柄エリア、前後外れ以外リーチ図柄エリア及び完全外れ図柄エリアの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄エリア、前後外れ以外リーチ図柄エリア及び完全外れ図柄エリアの何れかのエリア値が取得される。
なお、図示は省略するが、第2特定ランプ部の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタが用いられる。第2図柄乱数カウンタは、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプ乱数カウンタは定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲートを通過したことが検知された時に取得される。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される各制御処理を図10〜図14のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグを格納し、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグが格納されていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
次に、タイマ割込み処理について図11のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入賞口センサ152a〜152c、カウントセンサ153、作動口センサ154a,154b及びゲートセンサ155等といった遊技球の入賞に関するセンサからの信号読み込み処理を実行する。信号読み込み処理の詳細については後に説明する。
その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、図12のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、RAM313の作動口フラグ格納エリアに作動口フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口に入賞したと判定すると、続くステップS302において、第1特定ランプ部及び図柄表示装置の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS303に進み、作動保留球数Nを1加算する。なお、ステップS303の処理後に作動口フラグを消去する。続くステップS304では、前記ステップS203で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM313の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(音声ランプ制御基板324等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば500msec程度待機する。
続くステップS402では、ステップS401の立ち上げ処理後から許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。1sec経過していない場合にはステップS402の処理を再度実行する。この時間の測定は、ステップS402の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS402にて否定判定してから再度ステップS402の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が10000回となることで、ステップS401の立ち上げ処理後から1sec経過したと判定する。なお、時間の測定の具体的な構成は任意であり、例えばリアルタイムクロックを用いて時間の測定を行うようにしてもよい。ステップS402にて1sec経過したと判定した場合には、ステップS403に進む。
ステップS403では、RAM313のアクセスを許可する。その後、ステップS404では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS405ではRAM313の停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS406ではRAM判定値を算出し、続くステップS407では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS408〜S409の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS408〜S409の処理に移行する。
ステップS408では、RAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS409ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS410にて払出制御基板322に初期コマンドを出力するとともに、ステップS411にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。払出制御基板322のCPU331では主制御基板301から初期コマンドを入力することで、主制御基板301との通信が正常に行われていることを認識する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS412にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS410にて初期コマンドを出力するとともにステップS411にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S509の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS511,S512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。続くステップS502では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理では、左・中・右図柄列のいずれかの更新時期か否かを判定し、更新時期となった図柄列の外れ図柄カウンタCL,CM,CRを更新する。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、重複することなく1回の通常処理で1つずつ順に更新され、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。そして、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組合せである場合、前後外れ以外リーチ図柄の組合せである場合、リーチとならない完全外れ図柄の組合せである場合には、その組合せがそれぞれに対応したエリア内に格納される。なお、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せである場合には、そのまま更新処理を終了する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後は、ステップS503にて第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定し、さらに大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。なお、この際、第1図柄における大当たり図柄の種類及び大当たり図柄の組合せの停止ラインも決定し、停止図柄コマンドとして設定する。また、大当たりが発生しないと判定された場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて第1図柄における外れ図柄の組合せの態様を決定する。かかる場合に、上記外れ図柄カウンタ更新処理にて更新されエリア内に格納された図柄の組合せを停止図柄コマンドとして設定する。さらに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、第1特定ランプ部に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。さらに、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1図柄におけるリーチ種別やその大まかな図柄変動態様を決定し、変動態様コマンドとして設定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS504にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS505では、第2特定ランプ部に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、既に取得されている第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、下作動口に付随する電動役物が所定時間開放される。
ちなみに、本パチンコ機10では、特別遊技状態の一種として、電動役物が開放状態となる単位時間当たりの頻度が高くなる頻度向上状態が設定されている。頻度向上状態では、下作動口への入賞が発生し易くなる。換言すれば、電動役物が開放状態となる単位時間当たりの頻度を高くする手段を有しており、当該手段により頻度が高められている状態では遊技者は下作動口への入賞が発生し易くなるという利益が得られる。
頻度向上状態の具体的な内容としては、大当たり状態終了後の予め定められた遊技回数(図柄表示装置における図柄の変動表示回数)又は次回の大当たりが発生するまで継続するものであり、頻度向上状態では、電動役物を開放状態とするか否かの抽選間隔が通常遊技状態(頻度向上状態ではない状態)よりも短くなるとともに、抽選において当選となった場合には電動役物が開放状態となる回数が通常遊技状態よりも多くなり、且つ開放状態となった場合の継続時間が通常遊技状態よりも長くなる。なお、頻度向上状態における条件として上記全てのものが成立している必要はなく、いずれか1つの条件又は所定の組合せの条件が成立する構成としてもよい。また、頻度向上状態における開放状態当選とするか否かの確率は、通常遊技状態における確率と同一に設定されているが、通常遊技状態よりも高く設定されていてもよい。
ステップS505の後は、ステップS506にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板321の発射制御部321bから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS506の後は、ステップS507にて入力状態監視処理を実行し、ステップS508にて払出用出力処理を実行する。これらの処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS509にて、RAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS510にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS511では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。また、ステップS512では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。
一方、ステップS509にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS513以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS513では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS514にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS515にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技球の払出に関する電気的構成>
次に、遊技球の払出に関する電気的構成及び処理構成について詳細に説明する。先ず、電気的構成について、図15のブロック図を参照しながら説明する。図15では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御基板301と払出制御基板322とはハーネスなどの電気配線(信号線)を介して電気的に接続されており、主制御基板301から払出制御基板322に指令情報としてのコマンドが出力されるとともに、払出制御基板322から主制御基板301には各種の電気信号が出力される。
主制御基板301のCPU311は第1入力ポート(第1入力部)351と第2入力ポート(第2入力部)352とを備えており、これら入力ポート351,352において払出制御基板322からの電気信号を入力するとともに各種センサ等からの電気信号を入力する。ここで、第1入力ポート351の構成を、図16を用いて説明する。図16は、第1入力ポート351を説明するための説明図である。
第1入力ポート351は、各入力情報を格納するための信号入力用バッファBを備えている。信号入力用バッファBは、1バイトで構成されており、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。これら第0ビットD0〜第7ビットD7は、それぞれ異なる信号出力元との間に信号経路が形成されており、これら信号出力元から入力した信号に基づいて情報が格納される。
詳細には、第0ビットD0は下作動口センサ154bとの間に信号経路が形成されており、第1ビットD1は上作動口センサ154aとの間に信号経路が形成されており、第2ビットD2はカウントセンサ153との間に信号経路が形成されており、第3ビットD3はゲートセンサ155との間に信号経路が形成されており、第4ビットD4は第1入賞口センサ152aとの間に信号経路が形成されており、第5ビットD5は第2入賞口センサ152bとの間に信号経路が形成されており、第6ビットD6は第3入賞口センサ152cとの間に信号経路が形成されており、第7ビットD7は払出制御基板322との間に信号経路が形成されている。なお、この第7ビットD7には、払出制御基板322から出力される賞球許可信号が入力される。この賞球許可信号の詳細については後に説明する。
下作動口センサ154b、上作動口センサ154a、カウントセンサ153、ゲートセンサ155及び各入賞口センサ152a〜152cは、上述したように、遊技領域を流下し下作動口、上作動口、可変入賞装置、一般入賞口及びスルーゲートを通過した遊技球を検知するためのものであり、遊技球を検知していない間はHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している間はLOWレベル信号を出力するよう構成されている。但し、主制御基板301は反転回路を有している。したがって、第0ビットD0〜第6ビットD6には、対応するセンサ154b,154a,153,155,152a〜152cからHIレベル信号が出力されている間は「0」の情報(データ0)が格納され、LOWレベル信号が出力されている間は「1」の情報(データ1)が格納される。
なお、上記センサ152〜155が遊技球を検知していない間はLOWレベル信号を出力するとともに遊技球を検知している間はHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とし、さらには第0ビットD0〜第6ビットD6には、対応するセンサ152〜155からLOWレベル信号が出力されている間は「0」が格納され、HIレベル信号が出力されている間は「1」が格納されるようにする。
一方、賞球許可信号については反転回路の対象となっておらず、賞球許可信号について払出制御基板322からLOWレベル信号が出力されている間は第7ビットD7に「0」が格納され、HIレベル信号(これが、本パチンコ機10において賞球許可信号に相当する)が出力されている間は第7ビットD7に「1」が格納される。
主制御基板301のCPU311では、第1入力ポート351の各ビットD0〜D7に格納された情報に基づいて入賞の有無(遊技領域に設けられ通過検知対象の通過部を遊技球が通過したか否か)などを判定する。また、第2入力ポート352は、図示による説明は省略するが、第1入力ポート351と同様に1バイトで構成されており、各ビットには前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217からの電気信号や払出制御基板322から出力される信号のうち上記賞球許可信号以外の信号などが入力される。つまり、第2入力ポート352の各ビットにはCPU311において処理を実行する上で用いられる何らかの信号が入力される。
なお、前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217から出力された電気信号は、電源及び発射制御基板321と払出制御基板322とに中継された後に主制御基板301に入力される。この場合、払出制御基板322においては、これら前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217からの電気信号を中継するだけであり、払出制御基板322のCPU331には入力されない。これは電源及び発射制御基板321についても同様である。また、第1入力ポート351及び第2入力ポート352に代えて、第1入出力ポート及び第2入出力ポートを備え、CPUにおいて入出力が適宜変更される構成としてもよい。
また、第1入力ポート351及び第2入力ポート352がCPU311ではなく、ドライバICとしてCPU311のチップとは別に主制御基板301に設置された構成としてもよい。この場合、CPU311は、単一の入力ポート又は入出力ポートを有する構成とすればよい。
主制御基板301のRAM313の構成について説明する。なお、以下の説明では、図17を適宜参照する。図17はRAM313の構成を説明するための説明図である。
主制御基板301のRAM313には個別に情報を記憶する手段としての賞球用カウンタエリア361が設けられている。賞球用カウンタエリア361には、図17に示すように、15個賞球用カウンタエリア361aと、10個賞球用カウンタエリア361bと、4個賞球用カウンタエリア361cと、3個賞球用カウンタエリア361dとが設けられている。
ここで、本パチンコ機10には既に説明したように、賞球用入球部(又は賞払出用通過部)として、一般入賞口、可変入賞装置、上作動口及び下作動口が設けられており、各賞球用入球部ごとに入球に対する賞球個数(払い出される遊技球の個数)が異なっている。具体的には、一般入賞口に入球した場合の賞球個数は10個であり、可変入賞装置に入球した場合の賞球個数は15個であり、上作動口に入球した場合の賞球個数は3個であり、下作動口に入球した場合の賞球個数は4個である。
当該構成において、15個賞球用カウンタエリア361aは可変入賞装置への入球に対する15個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(可変入賞装置への入球に対する15個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、10個賞球用カウンタエリア361bは一般入賞口への入球に対する10個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(一般入賞口への入球に対する10個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、4個賞球用カウンタエリア361cは下作動口への入球に対する4個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(下作動口への入球に対する4個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、3個賞球用カウンタエリア361dは上作動口への入球に対する3個賞球をあと何回行うかを記憶するものである(上作動口への入球に対する3個賞球の未実施回数を記憶するものである)。各賞球用カウンタエリア361a〜361dは、それぞれ1バイトで構成されており、賞球の未実施回数を最大で255回まで覚えることができる。
なお、上記賞球個数パターンは一例であり、各個数は任意である。また、賞球数のパターンも上記の4種類に限定されることはなく、2種類、3種類又は5種類以上であってもよい。また、各賞球用カウンタエリア361a〜361dは1バイトに限定されることはなく、2バイト又は3バイト以上であってもよい。さらには各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶可能な賞球の未実施回数は、最大で255回であることは必須ではなく、複数回が記憶可能であれば、255回よりも少なく又は多くてもよい。
主制御基板301のCPU311では、上記各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている情報(賞情報)に基づいて、入賞発生の有無を判定し、入賞発生有りと判定した場合にはその入賞の種類に対応した賞球コマンドを払出制御基板322に出力する。
ここで、賞球コマンドの情報形態について図17(b)を用いて説明する。
賞球コマンドは、主制御基板301のROM312のコマンド記憶エリア312aに予め記憶されている。賞球コマンドとしては、15個賞球コマンドと、10個賞球コマンドと、4個賞球コマンドと、3個賞球コマンドとが設定されている。15個賞球用カウンタエリア361aに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には15個賞球コマンドが出力され、10個賞球用カウンタエリア361bに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には10個賞球コマンドが出力され、4個賞球用カウンタエリア361cに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には4個賞球コマンドが出力され、3個賞球用カウンタエリア361dに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には3個賞球コマンドが出力される。
各賞球コマンドは2バイトで構成されている。すなわち、各賞球コマンドは上位情報と下位情報とを備えており、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。つまり、上位情報と下位情報とは同数のビット数で構成されている。これら上位情報及び下位情報のうち、上位情報には払出制御基板322のCPU331において本コマンドが賞球コマンドであることを特定するための情報が設定されており、下位情報には払出制御基板322のCPU331において本賞球コマンドの賞球数の情報が設定されている。
各賞球コマンドの具体的な情報形態は図17(b)に示すとおりである。この場合に、任意の一の賞球コマンドは、上位情報と下位情報との加算を演算した場合の1バイトからなる情報の形態が16進数で「FF」となるように設定されている。例えば、15個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11110000」となっており、下位情報が「00001111」となっている。そして、これらの加算を演算すると、「11111111」となる。また、3個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11111100」となっており、下位情報が「00000011」となっている。そして、これらの加算を演算すると、「11111111」となる。賞球コマンドが上記のような情報形態となっていることにより、払出制御基板322のCPU331では、主制御基板301から入力した賞球コマンドが正常か否かの判定を行うことができるようになっている。
また、主制御基板301のRAM313には、図15に示すように、前回用エリア362及び前々回用エリア363が設けられている。これらのエリア362,363は、主制御基板301のCPU311において第1入力ポート351に格納された情報に基づいて入賞の有無を判定する場合に用いられる。
その他、主制御基板301のRAM313には、前扉枠カウンタエリア364、賞球許可カウンタエリア365及び各種フラグ格納エリア366が設けられている。前扉枠カウンタエリア364は、主制御基板301のCPU311において前扉枠14の開閉の有無を判定する場合に用いられる。また、賞球許可カウンタエリア365は、主制御基板301のCPU311において賞球許可信号に関する処理を実行する上で用いられる。また、各種フラグ格納エリア366は、主制御基板301のCPU311において各種の制御処理を実行する上で用いられる。
払出制御基板322は払出装置224と電気的に接続されており、払出制御基板322のCPU331は、払出モータ257に駆動信号を出力するとともに、払出球検知センサ258から遊技球の検知の有無を示す電気信号を入力する。また、払出制御基板322は球貸用接続端子板249を介して球貸装置Yと電気的に接続されており、払出制御基板322のCPU331は、球貸装置Yとの間で電気信号の入出力を行うことで貸球の制御を実行する。
また、払出制御基板322のCPU331は、満タン検知センサ59及び球無検知センサ223aから電気信号を入力し、下皿34が満タン状態となっているか否かの特定や、タンク221が球無状態となっているか否かの特定を行う。これら満タン検知センサ59及び球無検知センサ223aのうち満タン検知センサ59から出力された電気信号は、電源及び発射制御基板321に中継された後に払出制御基板322に入力される。なお、払出制御基板322のCPU331は、下皿34が満タン状態となっているか否かの特定結果を主制御基板301のCPU311に出力する。これにより、下皿34が満タン状態となっているか否かを主制御基板301のCPU311において把握することができるようになっている。
払出制御基板322のRAM333の構成について説明する。なお、以下の説明では、図18を適宜参照する。図18はRAM333の構成を説明するための説明図である。
払出制御基板322のRAM333には満タンカウンタエリア371が設けられている。満タンカウンタエリア371は、払出制御基板322のCPU331において下皿34が満タン状態であるか否かを特定する上で用いられる。また、払出制御基板322のRAM333には球無カウンタエリア372が設けられている。球無カウンタエリア372は、払出制御基板322のCPU331においてタンク221が球無状態であるか否かを特定する上で用いられる。また、払出制御基板322のRAM333にはコマンド格納エリア373が設けられている。コマンド格納エリア373は、主制御基板301のCPU311から入力した賞球コマンドを一時的に格納しておく上で用いられる。
また、払出制御基板322のRAM333には賞球数記憶エリア374が設けられている。賞球数記憶エリア374は、図18(a)に示すように複数のビット(8ビット)が列状に並べられてなる1バイトで構成されており、各ビットには「0」(データ0又は無情報)又は「1」(データ1又は有情報)が設定される。そして、賞球数記憶エリア374は、払出制御基板322のCPU331において賞球コマンドを解析することで特定した賞球数の情報を記憶しておくための機能を有している。この場合、賞球数の情報(賞球数情報又は賞払出数情報)は、所定の遊技媒体数の範囲内において各ビットのデータ1の設定パターンと遊技媒体数とが1対1で対応した情報である。具体的には、下位のビット(図18(a)において右端のビット)から上位のビット(図18(a)において左端のビット)に向けて予め定められた順序(右側のビットから左側のビットに向けて)で各ビットに「1」(データ1又は有情報)が設定され、上位側のビットに「1」が設定されているほど対応する賞球数が大きい数となるように2進数で表される情報である。
ここで、賞球コマンドから賞球数の情報を特定する場合には、払出制御基板322のROM332に設けられた賞球テーブル記憶エリア332aが参照される。賞球テーブル記憶エリア332aには、図18(d)に示すように、主制御基板301のCPU311から入力する賞球コマンドと、賞球数との対応関係が記憶されている。
また、払出制御基板322のRAM333には貸球数記憶エリア375が設けられている。貸球数記憶エリア375は、図18(b)に示すように1バイトで構成されており、払出制御基板322のCPU331において球貸装置Yから入力した貸球数の情報を記憶しておくための機能を有している。また、払出制御基板322のRAM333には払出個数カウンタエリア376が設けられている。払出個数カウンタエリア376は、図18(c)に示すように1バイトで構成されており、払出制御基板322のCPU331において遊技球の払出を実行する上での実行エリアとしての機能を有する。
なお、賞球数記憶エリア374、貸球数記憶エリア375及び払出個数カウンタエリア376は、1バイトに限定されることはなく、2バイト又は3バイト以上であってもよい。また、これら各エリア374〜376が同一のバイト数である必要はない。
その他、払出制御基板322のRAM333には各種フラグ格納エリア377が設けられている。各種フラグ格納エリア377は、払出制御基板322のCPU331において各種の制御処理を実行する上で用いられる。
なお、払出制御基板322のRAM333には、上記各エリア371〜377の他に、主制御基板301のCPU311からコマンドを入力した場合にそのコマンドを一時的に格納しておくためのリングバッファが設けられている。リングバッファは複数の記憶領域を備えているとともに、読み込みポインタと読み出しポインタとが設定されている。読み込みポインタに基づき各記憶領域にコマンドが順次読み込まれていくとともに、読み出しポインタに基づき各記憶領域に記憶されたコマンドが順次読み出されていく。
電源及び発射制御基板321の電入時用電源部321aからの電力は、主制御基板301のCPU311のVCC端子、及び払出制御基板322のCPU331のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が行われている状況において、各CPU311,331にて各種制御処理が実行されるとともに、各RAM313,333にて情報の記憶保持が行われる。
また、電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のCPU311のVBB端子に供給される。つまり、電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のRAM313に供給されるが、払出制御基板322のRAM333には供給されない。VBB端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において、主制御基板301のRAM313にて情報の記憶保持が行われる。なお、既に説明したように、電入時用電源部321a及び電断時用電源部321cから主制御基板301のCPU311に供給される電力は、停電監視回路303にて中継される。また、払出制御基板331のVBB端子(図示略)は、アースされている又はいずれの電気配線とも接続されていない。
<遊技球の払出に関する処理構成であって主制御基板301のCPU311における処理構成>
次に、遊技球の払出に関する、主制御基板301のCPU311における処理構成について説明する。なお、以下の説明において、カウンタエリアの値とは、バイト単位で構成されたカウンタエリアの値を仮想的に10進数で表現した値のことをいう。
<読み込み処理>
先ず、タイマ割込み処理(図11)のステップS201にて実行される読み込み処理について、図19のフローチャート及び図20の説明図を参照しながら説明する。
読み込み処理では、先ずステップS601にて、第1入力ポート351の情報を今回入力情報として取得する処理を実行する。当該処理について詳細に説明する。CPU311には今回用レジスタ(演算用の今回記憶手段)381が設けられている(図20参照)。この今回用レジスタ381は、第1入力ポート351と同一のビット数で構成されている。つまり、今回用レジスタ381は1バイトで構成されている。ステップS601の処理では、第1入力ポート351の第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている「0」又は「1」の情報を、今回用レジスタ381における上記第0〜第7ビットD0〜D7に対応する各ビットに格納する。
例えば、下作動口センサ154b、カウントセンサ153、第2入賞口センサ152b及び賞球許可信号がONとなっており、それ以外がOFFとなっている場合には、今回用レジスタ381に記憶されている今回入力情報の情報形態は図20(a)に示すように、「10100101」となる。
続くステップS602では、今回入力情報のマスク処理を実行する。このマスク処理では、主制御基板301のROM312に予め記憶された入力情報用マスクと、今回用レジスト381に記憶されている今回入力情報との論理積を演算(AND処理)し、その演算後の情報を今回用レジスタ381に更新する。具体的には、入力情報用マスクは、「01111111」となっている。つまり、入力情報用マスクは、今回入力情報のうち、入賞の有無の情報を格納するビット以外のビットを「0」クリアするためのマスクである。したがって、ステップS602の処理を実行した後は、入賞の有無の情報とは無関係である賞球許可信号の情報に対応したビット(第7番目のビット)が「0」クリアされる。
例えば、図20の例においては、ステップS602の処理後における今回入力情報の情報形態は図20(b)に示すように、「00100101」となる。
続くステップS603では、RAM313の前回用エリア362に記憶されている情報を前回入力情報として取得するとともに、及びRAM313の前々回用エリア363に記憶されている情報を前々回入力情報として取得する処理を実行する。
ここで、前回入力情報とは、前回の読み込み処理において、第1入力ポート351に格納されていた情報のことをいい、前々回入力情報とは、前々回の読み込み処理において、第1入力ポート351に格納されていた情報のことをいう。但し、上記のとおりステップS602の処理が実行されているため、入賞の有無の情報とは無関係である情報については「0」クリアされている。
ステップS603の処理について詳細に説明する。CPU311には、今回用レジスタの他に、前回用レジスタ(演算用の前回記憶手段)382が設けられているとともに、前々回用レジスタ(演算用の前々回記憶手段)383が設けられている。前回用レジスタ382は、今回用レジスタ381及びRAM313の前回用エリア362と同一のビット数で構成されている。つまり、前回用レジスタ382は1バイトで構成されている。また、前々回用レジスタ383は、今回用レジスタ381、前回用レジスタ382及びRAM313の前々回用エリア363と同一のビット数で構成されている。つまり、前々回用レジスタ383は1バイトで構成されている。ステップS603の処理では、前回用エリア362の各ビットに格納されている「0」又は「1」の情報を、前回用レジスタ382における対応する各ビットに格納する。また、前々回用エリア363の各ビットに格納されている「0」又は「1」の情報を、前々回用レジスタ383における対応する各ビットに格納する。
例えば、前回の読み込み処理において、下作動口センサ154b、カウントセンサ153、第2入賞口センサ152b及び第3入賞口センサ152cがONとなっており、それ以外がOFFとなっていた場合には、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報の情報形態は図20(c)に示すように、「01100101」となる。また、前々回の読み込み処理において、第2入賞口センサ152bがONとなっており、それ以外がOFFとなっていた場合には、前々回用レジスタ383に記憶されている前々回入力情報の情報形態は図20(d)に示すように、「00100000」となる。
続くステップS604では、次回用書き込み処理を実行する。次回用書き込み処理では、次回の読み込み処理のために、RAM313の前回用エリア362及び前々回用エリア363を更新する処理を実行する。つまり、前回用エリア362の情報を、今回用レジスタ381に記憶されている情報に更新するとともに、前々回用エリア363の情報を、前回用レジスタ382に記憶されている情報に更新する。
続くステップS605では、前々回入力情報の反転処理を実行する。具体的には、前々回用レジスタ383の各ビットの値を反転させる。例えば、前々回入力情報が図20(d)に示すように「00100000」である場合には、反転させた情報は図20(e)に示すように「11011111」となる。
続くステップS606では、ステップS605にて反転させた前々回用レジスタ383の情報と、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS605にて反転させた前々回用レジスタ383の情報と、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報との論理積を演算する。そして、その演算結果の情報を、前回用レジスタ382の情報として更新する。
例えば、反転させた情報が図20(e)に示すように「11011111」であり、前回入力情報が図20(c)に示すように「01100101」である場合には、ステップS606にてAND処理した結果の情報は図20(f)に示すように「01000101」となる。
なお、演算結果の情報を、前々回用レジスタ383の情報として更新してもよい。但し、この場合、ステップS607の処理では、前々回用レジスタ383に記憶されている情報を用いる必要がある。
続くステップS607では、ステップS606にてAND処理した結果の情報と、今回用レジスタ381に記憶されているマスク処理後の今回入力情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS606にて得た前回用レジスタ382の情報と、ステップS602にて得た今回用レジスタ381の情報との論理積を演算する。そして、その演算の結果を、今回用レジスタ381の情報として更新する。
例えば、ステップS606にて得た前回用レジスタ382の情報が図20(f)に示すように「01000101」であり、ステップS602にて得た今回用レジスタ381の情報が図20(b)に示すように「00100101」である場合には、ステップS607にてAND処理した結果の情報は図20(g)に示すように「00000101」となる。
続くステップS608では、情報判定処理を実行する。ここで、情報判定処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
情報判定処理では、先ずステップS701にて、今回用レジスタ381の第0ビットW0に入賞情報があるか否か、すなわち、第0ビットW0に「1」が格納されているか否かを判定する。第0ビットW0に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS703に進む。第0ビットW0に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS702にて第1格納処理を実行した後に、ステップS703に進む。第1格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における4個賞球用カウンタエリア361cの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第0ビットW0に入賞情報があるということは、下作動口への入賞が発生したことを意味するからである。
ちなみに、第1格納処理では、RAM313の作動口フラグ格納エリア(抽選契機情報記憶手段)に作動口フラグ(抽選契機情報)を格納する。この作動口フラグは、上述した始動入賞処理(図12)において下作動口への入賞が発生したか否かを判定する上で用いられる。なお、作動口として上作動口及び下作動口の2つが設けられているため、作動口フラグ格納エリアは各作動口に1対1で対応させて設けられている。つまり、抽選契機情報記憶手段として第1抽選契機情報記憶手段と第2抽選契機情報記憶手段とが設けられている。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第0ビットW0に「1」が格納されているため、4個賞球用カウンタエリア361cの値を1加算する。また、作動口フラグを格納する。
続くステップS703では、今回用レジスタ381の第1ビットW1に入賞情報があるか否か、すなわち、第1ビットW1に「1」が格納されているか否かを判定する。第1ビットW1に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS705に進む。第1ビットW1に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS704にて第2格納処理を実行した後に、ステップS705に進む。第2格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における3個賞球用カウンタエリア361dの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第1ビットW1に入賞情報があるということは、上作動口への入賞が発生したことを意味するからである。ちなみに、第2格納処理では、RAM313における上作動口に対応した作動口フラグ格納エリアに作動口フラグを格納する。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第1ビットW1に「0」が格納されているため、3個賞球用カウンタエリア361dの値の加算は行わない。また、作動口フラグの格納は行わない。
続くステップS705では、今回用レジスタ381の第2ビットW2に入賞情報があるか否か、すなわち、第2ビットW2に「1」が格納されているか否かを判定する。第2ビットW2に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS707に進む。第2ビットW2に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS706にて第3格納処理を実行した後に、ステップS707に進む。第3格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における15個賞球用カウンタエリア361aの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第2ビットW2に入賞情報があるということは、可変入賞装置への入賞が発生したことを意味するからである。ちなみに、第3格納処理では、RAM313に設けられた大入賞口フラグ格納エリア(特別入賞情報記憶手段)に大入賞口フラグ(特別入賞情報)を格納する。この大入賞口フラグは、上述した大入賞口開閉処理(図14のステップS504)において可変入賞装置への入賞が発生したか否かを判定する上で用いられる。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第2ビットW2に「1」が格納されているため、15個賞球用カウンタエリア361aの値を1加算する。
続くステップS707では、今回用レジスタ381の第3ビットW3に入賞情報があるか否か、すなわち、第3ビットW3に「1」が格納されているか否かを判定する。第3ビットW3に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS709に進む。第3ビットW3に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS708にて第4格納処理を実行した後に、ステップS709に進む。第4格納処理では、RAM313に設けられたスルーフラグ格納エリアにスルーフラグを格納する。このスルーフラグは、上述した第2特定ランプ部制御処理(図14のステップS505)においてスルーゲートを遊技球が通過したか否かを判定する上で用いられる。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第3ビットW3に入賞情報があるということは、スルーゲートを遊技球が通過したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第3ビットW3に「0」が格納されているため、スルーフラグの格納は行わない。
続くステップS709では、今回用レジスタ381の第4ビットW4に入賞情報があるか否か、すなわち、第4ビットW4に「1」が格納されているか否かを判定する。第4ビットW4に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS711に進む。第4ビットW4に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS710にて第5格納処理を実行した後に、ステップS711に進む。第5格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における10個賞球用カウンタエリア361bの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第4ビットW4に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口のうちの1の一般入賞口への入賞が発生したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第4ビットW4に「0」が格納されているため、10個賞球用カウンタエリア361bの値の加算は行わない。
続くステップS711では、今回用レジスタ381の第5ビットW5に入賞情報があるか否か、すなわち、第5ビットW5に「1」が格納されているか否かを判定する。第5ビットW5に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS713に進む。第5ビットW5に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS712にて第5格納処理を実行した後に、ステップS713に進む。第5格納処理については、既に説明したとおりである。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第5ビットW5に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口のうちの1の一般入賞口への入賞が発生したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第5ビットW5に「0」が格納されているため、10個賞球用カウンタエリア361bの値の加算は行わない。
続くステップS713では、今回用レジスタ381の第6ビットW6に入賞情報があるか否か、すなわち、第6ビットW6に「1」が格納されているか否かを判定する。第6ビットW6に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのまま本情報判定処理を終了する。第6ビットW6に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS714にて第5格納処理を実行した後に、情報判定処理を終了する。第5格納処理については、既に説明したとおりである。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第6ビットW6に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口のうちの1の一般入賞口への入賞が発生したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第6ビットW6に「0」が格納されているため、10個賞球用カウンタエリア361bの値の加算は行わない。
以上のように、本パチンコ機10では、一般入賞口、可変入賞装置、上作動口、下作動口及びスルーゲートといった通過部(遊技領域に設けられた賞球用入球部と非賞球用ゲート部とを含めたもの)における入賞発生の有無の判定は、予め定められた周期(具体的には、2msec)で実行される読み込み処理において第1入力ポート351を確認することにより行われる。
この場合に、入賞発生有りと判定される条件(以下、入賞判定条件ともいう)は、複数回として設定された基準連続回数の範囲内において、球検知センサから遊技球を検知していない旨を示す非検知情報が出力されていることが確認された後に、球検知センサから遊技球を検知している旨を示す検知情報が出力されていることが複数回として設定された入賞基準回数だけ連続して確認された場合となっている。具体的には、図20に示すように、本パチンコ機10では基準連続回数が3回として設定されており、各種演算処理の前の状態で、前々回用レジスタ383の第0ビットに非検知情報である「0」が格納されており、前回用レジスタ382の第0ビットに検知情報である「1」が格納されており、今回用レジスタ381の第0ビットに検知情報である「1」が格納されている場合に、各種演算処理後の今回用レジスタ381の第0ビットW0には入賞情報である「1」が格納されている。
上記入賞判定条件とすることで、CPU311において入賞の発生を正確に把握することができる。つまり、遊技球を検知する各種センサ152〜155が所定の検知範囲を有しているのに対して、CPU311の処理実行タイミングはセンサ152〜155が遊技球の検知を開始してから終了するまでの間に多数回発生するように設定されている。そうすると、1回の入賞の発生に対して既に入賞有りの判定をしたにも関わらず、その後もCPU311において検知情報を確認することで、再度、入賞有りの判定をしてしまうことが懸念される。これに対して、上記入賞判定条件では判定基準数回数の範囲内において非検知情報の後に検知情報を確認する必要があるため、1回の入賞の発生に対して入賞有りの判定を1度行った後に、その入賞について再度、入賞有りの判定をすることがない。
図20の場合を例にとって説明すると、第2入賞口センサ152bの検知結果に対応した各レジスタ381〜383の第5ビットには、各種演算処理の前の状態で全てに「1」が格納されている。この場合、前回及び今回において検知情報を確認することとなるが、前々回においても検知情報を確認しているため、入賞発生有りとは判定されない。ちなみに、これは前々回入力情報の各ビットを反転させた上で、各入力情報の論理積を演算するという比較的負荷の少ない処理にて実現されている。
また、検知情報が入賞基準回数連続して確認されることを入賞判定条件として設定したことにより、ノイズなどによって第1入力ポート351のビットD0〜D7に単発的に検知情報が格納されたとしても、それに対してCPU311が入賞有りと判定しないようにすることができる。
図20の場合を例にとって説明すると、第3入賞口センサ152cの検知結果に対応した前回用レジスタ382の第6ビットには、各種演算処理の前の状態で、「1」が格納されている。しかしながら、今回用レジスタ381及び前々回用レジスタ383の第6ビットには、各種演算処理の前の状態で、「0」が格納されている。この場合、前回用レジスタ382の第6ビットには、ノイズなどの原因で「1」が格納されていることとなり、CPU311において入賞有りとは判定されない。ちなみに、これは前々回入力情報の各ビットを反転させた上で、各入力情報の論理積を演算するという比較的負荷の少ない処理にて実現されている。
また、第1入力ポート351及び各レジスタ381〜383は同一のバイト単位で構成されており、それらには入賞判定用の球検知センサ152〜155からの情報が全て入力される。そして、入賞発生の有無の判定に際しては、各レジスタ381〜383のバイト単位の入力情報について各種演算処理が実行される。これにより、各球検知センサ152〜155について、入賞発生の有無を判定するための入賞情報の生成をまとめて行うことができる。パチンコ機10においては、同一の遊技領域内に一般入賞口、可変入賞装置、上作動口、下作動口及びスルーゲートが設置されているとともに、遊技領域を多数の遊技球が同時に流下することとなるため、各通過部への入賞が同時に発生することがある。この場合に入賞情報の生成を行うための処理を、各球検知センサ152〜155ごとに個別に行わなければならないとすると、その処理負荷は相当過大なものとなってしまう。また、例えば、入賞判定用のカウンタを設け、読み込み処理が実行される度にカウントすることで入賞情報の生成を行う構成を想定すると、上記カウンタを各球検知センサ152〜155ごとに個別に設け、読み込み処理を実行する度に全てのカウンタの加算及びリセット用の処理を実行する必要が生じる。これに対して、本構成によれば、入賞情報の生成をまとめて行うことができるため、CPU311の処理負荷及び記憶容量の増加を抑えつつ、上記優れた効果を得ることができる。
また、第1入力ポート351には、球検知センサ152〜155からの信号だけでなく払出制御基板322からの賞球許可信号も入力するようにした。本パチンコ機10では球検知センサ152〜155の数が7個であるのに対して、第1入力ポート351は8ビットで構成されている。そうすると、第1入力ポート351において1ビット分、入賞判定用以外の領域として使用することが可能であり、当該ビットに対して賞球許可信号を入力することでその領域を有効活用することができる。この場合に、読み込み処理においてはステップS602にて今回入力情報のマスク処理が実行されるため、入賞発生の有無の判定に際してはその賞球許可信号の情報を無視することができる。
<入力状態監視処理>
次に、通常処理(図14)のステップS507にて実行される入力状態監視処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
入力状態監視処理では、先ずステップS801にて、第2入力ポート352から入力情報を取得する。具体的には、CPU311に設けられた1バイト単位の汎用レジスタに、第2入力ポート352の入力情報を格納する。
続くステップS802では、遊技球の払出に関して異常が発生しているか否かを特定するための払出異常信号監視処理を実行する。詳細には、払出異常信号監視処理では、払出制御基板322から異常信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、払出異常の発生を主制御基板301のCPU311において特定する。そして、払出異常の発生を特定した場合には、音声ランプ制御基板324に払出異常コマンド(払出異常情報)を出力し、異常報知を実行させる。この異常報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板256を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に異常信号を出力するようにしてもよい。なお、ここでいう払出異常には、タンク221の球無状態や、払出装置224の故障などが含まれる。
続くステップS803では、下皿34が満タン状態となっているか否かを特定するための満タン信号監視処理を実行する。詳細には、満タン信号監視処理では、払出制御基板322から満タン信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、下皿34が満タン状態であることを主制御基板301のCPU311において特定する。そして、下皿34が満タン状態であることを特定した場合には、音声ランプ制御基板324に満タン状態コマンド(満タン状態情報)を出力し、満タン報知を実行させる。この満タン報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板256を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に満タン信号を出力するようにしてもよい。
続くステップS804では、本体枠13が開放状態となっているか否かを特定するための本体枠開放信号監視処理を実行する。詳細には、本体枠開放信号監視処理では、本体枠開放スイッチ217から本体枠開放信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、本体枠13が開放状態であることを主制御基板301のCPU311において特定する。そして、本体枠13が開放状態であることを特定した場合には、音声ランプ制御基板324に本体枠開放状態コマンド(本体開放報知用情報)を出力し、本体開放報知を実行させる。この本体開放報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板256を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に本体開放信号を出力するようにしてもよい。
その後、ステップS805にて前扉枠開放信号監視処理を実行するとともに、ステップS806にて賞球許可信号監視処理を実行した後に、本入力状態監視処理を終了する。
<前扉枠開放信号監視処理>
次に、上記ステップS805の前扉枠開放信号監視処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、前扉枠開放信号監視処理は、(1)前扉枠14が閉鎖状態であることが特定された後であって当該閉鎖状態が継続されている場合の処理、(2)前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでの処理、(3)前扉枠14が開放状態であることが特定された後であって当該開放状態が継続されている場合の処理、(4)前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態であることが特定されるまでの処理、に大別される。そこで、これら状況の処理を個別に説明する。
先ず、上記(1)の前扉枠14が閉鎖状態であることが特定された後であって当該閉鎖状態が継続されている場合の処理について説明する。
先ずステップS901では、前扉枠14が開放状態であることを示す前扉枠開放信号を入力している旨の前扉枠開放情報が汎用レジスタに格納されているか否かを判定する。今回は前扉枠14が閉鎖状態である場合であるため、ステップS901にて否定判定をし、ステップS902に進む。
ステップS902では、RAM313の前扉枠カウンタエリア364における第1前扉枠カウンタエリア(開放特定契機把握用手段)に、開放特定基準回数を格納する。具体的には、前扉枠カウンタエリア364に「3」を格納する。第1前扉枠カウンタエリアは、閉鎖状態の前扉枠14が開放状態となった場合に、CPU311において前扉枠14が開放状態となったことを特定する場合に用いられるカウンタである。
続くステップS903では、RAM313の前扉枠カウンタエリア364における第2前扉枠カウンタエリア(閉鎖特定契機把握用手段)が「0」となっているか否かを判定する。第2前扉枠カウンタエリアは、開放状態の前扉枠14が閉鎖状態となった場合に、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態となったことを特定する場合に用いられるカウンタである。当該第2前扉枠カウンタエリアは、前扉枠14が閉鎖状態となったことを特定した後は、「0」の状態で維持される。したがって、前扉枠14が閉鎖状態であることが特定された後であって当該閉鎖状態が継続されている場合には、第2前扉枠カウンタエリアは「0」であり、ステップS903にて肯定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
次に、上記(2)の前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでの処理について説明する。
今回は前扉枠14が開放状態である場合であるため、ステップS901に肯定判定をし、ステップS911に進む。ステップS911では、RAM313の第2前扉枠カウンタエリアに、閉鎖特定基準値情報を格納する。具体的には、第2前扉枠カウンタエリアに「250」を格納する。
続くステップS912では、第1前扉枠カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。今回は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでの処理であるため、前扉枠14が閉鎖状態の場合にステップS902にて第1前扉枠カウンタエリアに格納された開放特定基準値情報が未だ「0」となっていない状態である。したがって、ステップS912にて否定判定をし、ステップS913に進む。
ステップS913では、第1前扉枠カウンタエリアの値を1減算する。続くステップS914では、第1前扉枠カウンタエリアの値が「0」か否かを判定する。つまり、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでは、前扉枠開放信号監視処理が実行される度に第1前扉枠カウンタエリアの値が1減算される。また、前扉枠開放信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。また、前扉枠14が閉鎖状態の場合には、ステップS902にて第1前扉枠カウンタエリアに「3」が格納される。したがって、ステップS914では、前扉枠14が開放操作され閉鎖状態から開放状態となった時点(前扉枠開放スイッチ78から前扉枠開放信号が出力された時点)から12msecが経過したか否かを判定していることとなる。
第1前扉枠カウンタエリアの値が「0」でない場合には、ステップS914にて否定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。第1前扉枠カウンタエリアの値が「0」である場合には、ステップS914にて肯定判定をし、ステップS915に進む。ステップS915では、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、ステップS916に進む。

ステップS916では、前扉枠開放フラグ格納エリア(前面体開放情報記憶手段)に前扉枠開放フラグ(前面体開放情報)を格納する。これにより、CPU311において前扉枠14が開放状態であることが特定される。続くステップS917では、RAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグを格納する。これにより、CPU311において前扉枠14が開放状態であることを特定したタイミングであることが特定される。続くステップS918では、前扉枠開放コマンドをセットする。当該前扉枠開放コマンドは、後述する払出用出力処理にて払出制御基板322に出力され、払出制御基板322のCPU331では前扉枠開放コマンドを入力することで、前扉枠14が開放状態であることを特定する。
その後、ステップS910ではサブコマンド設定処理を実行する。サブコマンド設定処理では、音声ランプ制御基板324に前扉枠開放状態コマンド(前面体開放報知用情報)を出力し、前面体開放報知を実行させる。この前面体開放報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板256を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に前面体開放信号を出力するようにしてもよい。その後、本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
以上のように、本パチンコ機10では、CPU311の汎用レジスタに前扉枠開放情報が格納されていたとしても、前扉枠14が開放状態となったと即座に判定することはなく、複数回として設定された開放特定基準回数だけ連続して前扉枠開放情報が確認された場合、すなわち、開放特定基準期間に亘って前扉枠開放情報が確認された場合に、前扉枠14が開放状態となったと判定する。これにより、前扉枠14が開放状態ではないにも関わらず、ノイズなどにより第2入力ポート352又は汎用レジスタに前扉枠開放情報が格納された場合に、CPU311において前扉枠14が開放状態となったと特定してしまうことが防止される。
本パチンコ機10では、前扉枠14に対して窓部21、上皿33及び下皿34が一体化されていることに伴って、前扉枠14が開放された場合には遊技球の払出を停止するようにしている。払出を停止しないと本体枠13の開閉部材124の位置から払出装置224の位置まで遊技球が連なり、払出装置224の故障が懸念されるからである。この場合に、実際には前扉枠14が開放状態となっていないにも関わらず、CPU311において前扉枠14が開放状態であると特定されるのは好ましくない。また、ノイズ等の影響で前扉枠開放コマンドが払出制御基板322に出力されると、それを解除するためのコマンドは出力されない。そうすると遊技球の払出が停止された状態が維持され続けてしまうこととなり、遊技者に不利益を及ぼしてしまうおそれがある。これに対して、本構成によれば、このような不都合が発生する可能性を低減することができる。
次に、上記(3)の前扉枠14が開放状態であることが特定された後であって当該開放状態が継続されている場合の処理について説明する。
今回は前扉枠14が開放状態である場合であるため、ステップS901にて肯定判定をし、ステップS911に進み、RAM313の第2前扉枠カウンタエリアに「250」を格納する。続くステップS912では、第1前扉枠カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。今回は前扉枠14が開放状態であることが特定された後であって当該開放状態が継続されている場合であるため、第1前扉枠カウンタエリアが「0」の状態が維持されている。したがって、ステップS912にて肯定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
次に、上記(4)の前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態であることが特定されるまでの処理について説明する。
今回は前扉枠14が閉鎖状態である場合であるため、ステップS901にて否定判定をし、ステップS902に進み、RAM313の第1前扉枠カウンタエリアに「3」を格納する。
続くステップS903では、RAM313の第2前扉枠カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。今回は、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態が特定されるまでの処理であるため、前扉枠14が開放状態の場合にステップS911にて第2前扉枠カウンタエリアに格納された閉鎖特定基準回数が未だ「0」となっていない状態である。したがって、ステップS903にて否定判定をし、ステップS904に進む。
ステップS904では、第2前扉枠カウンタエリアの値を1減算する。続くステップS905では、第2前扉枠カウンタエリアの値が「0」か否かを判定する。つまり、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態であることが特定されるまでは、前扉枠開放信号監視処理が実行される度に第2前扉枠カウンタエリアの値が1減算される。また、前扉枠開放信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。また、前扉枠14が開放状態の場合には、ステップS911にて第2前扉枠カウンタエリアに「250」が格納される。したがって、ステップS905では、前扉枠14が閉鎖操作され開放状態から閉鎖状態となった時点(前扉枠開放スイッチ78からの前扉枠開放信号の出力が停止された時点)から1secが経過したか否かを判定していることとなる。
第2前扉枠カウンタエリアの値が「0」でない場合には、ステップS905にて否定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。第2前扉枠カウンタエリアの値が「0」である場合には、ステップS905にて肯定判定をし、ステップS906に進む。ステップS906では、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、ステップS907に進む。

ステップS907では、前扉枠開放フラグ格納エリアに格納されている前扉枠開放フラグを消去する。これにより、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態であることが特定される。続くステップS908では、RAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグを格納する。これにより、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態であることを特定したタイミングであることが特定される。続くステップS909では、前扉枠閉鎖コマンドをセットする。当該前扉枠閉鎖コマンドは、後述する払出用出力処理にて払出制御基板322に出力され、払出制御基板322のCPU331では前扉枠閉鎖コマンドを入力することで、前扉枠14が閉鎖状態であることを特定する。
その後、ステップS910ではサブコマンド設定処理を実行する。今回のサブコマンド設定処理では、音声ランプ制御基板324に前扉枠閉鎖状態コマンド(前面体閉鎖報知用情報)を出力し、前面体開放報知を終了させる。その後、本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
以上のように、本パチンコ機10では、CPU311の汎用レジスタから前扉枠開放情報が消去されたとしても、前扉枠14が閉鎖状態となったと即座に判定することはなく、複数回として設定された閉鎖基準連続回数だけ連続して前扉枠開放情報のない状態が確認された場合、すなわち、閉鎖特定基準期間に亘って前扉枠開放情報のない状態が確認された場合に、前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。これにより、前扉枠14が閉鎖状態となっていないにも関わらず、ノイズなどにより第2入力ポート352又は汎用レジスタから前扉枠開放情報が消去された場合に、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態となったと特定してしまうことが防止される。
本パチンコ機10は前扉枠14が開放状態となると遊技球の払出が停止されるとともに前扉枠14が閉鎖状態となると遊技球の払出が再開される構成であるため、実際には前扉枠14が閉鎖状態となっていないにも関わらず、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態であると特定されるのは好ましくない。また、ノイズ等の影響で前扉枠閉鎖コマンドが払出制御基板322に出力されると、前扉枠14が開放状態であるにも関わらず遊技球の払出が再開されてしまうこととなる。そうすると、本体枠13の開閉部材124の位置から払出装置224の位置まで遊技球が連なり、払出装置224の故障が懸念される。これに対して、本構成によれば、このような不都合が発生する可能性が低減される。
また、前扉枠14が閉鎖されたと特定されるまでの期間(具体的には、1sec)は、開放されたと判定されるまでの期間(具体的には、12msec)よりも長くなっている。これは、以下の理由による。つまり、本パチンコ機10では、既に説明したように、前扉枠14に対して窓部21、上皿33及び下皿34が一体化されていることに伴って、上記のとおり前扉枠14が開放された場合には遊技球の払出を停止するようにしている。払出を停止しないと本体枠13に設けられた開閉部材124の位置から払出装置224の位置まで遊技球が連なり、払出装置224の故障が懸念されるからである。したがって、前扉枠14が開放された場合には払出装置224からの遊技球の払出を極力早い段階で停止する必要がある。その一方、前扉枠14を開放状態から閉鎖状態とする場合、例えば、前扉枠14と本体枠13との間に遊技球が挟まった場合などには、前扉枠14の開閉を繰り返し行うことが考えられる。この場合に、前扉枠14が閉鎖されたと特定されるまでの期間が短いと、繰り返し開閉される度に、払出装置224に設けられた払出モータ257の駆動の開始及び停止を繰り返す必要が生じ、球詰まりや払出モータ257の故障の原因となりかねない。これに対して、上記構成とすることにより、このような不都合が発生する可能性が低減される。
また、入賞発生の有無の判定については、図19及び図20に示すように、バイト単位の各入力情報を演算することにより行うようにしたのに対して、前扉枠14が開放状態となったか否かの判定及び閉鎖状態となったか否かの判定に関しては前扉枠カウンタエリア364を用いて開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の経過を判定することにより行うようにした。これは以下の理由による。つまり、本パチンコ機10では、開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の方が入賞発生有りと判定されるまでの期間よりも長く設定されている。この場合に、前扉枠14の開放状態及び閉鎖状態の判定に関して入賞発生有無の判定方法を適用すると、今回用レジスタ381といった判定用の記憶領域を多く設ける必要が生じる。そうすると記憶容量の極端な増大化を招くこととなり、好ましくない。特に、CPU311のレジスタの記憶容量は比較的小さいため、当該レジスタを用いて行うことは困難である。さらには、読み込み処理(図19)のステップS604に示すように情報のシフト処理を行う必要があるため、判定用の記憶領域を多く設けると、それだけシフト処理に際しての処理負荷が増大してしまう。これに対して、開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の経過の判定に関して、前扉枠カウンタエリア364を用いるようにすることで、開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の経過の判定を良好に行うことができる。
なお、ステップS804の本体枠開放信号監視処理では、本体枠13の開放状態及び閉鎖状態の特定を行うための具体的な処理内容の説明を省略したが、基本的に前扉枠開放信号監視処理と同様の処理を実行する。
<賞球許可信号監視処理>
次に、上記ステップS806の賞球許可信号監視処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず賞球許可信号について説明する。
本パチンコ機10では、既に説明したように、電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のRAM313に供給されるが、払出制御基板322のRAM333には供給されない。当該構成とすることにより、電断時用電源部321cの小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からのパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は全て消去されてしまう(破壊されてしまう)。この場合、従来のパチンコ機のように未払出の賞球数の情報を全て払出制御基板322のRAM333に記憶しておく構成とすると、未払出の賞球数がある状況でパチンコ機10への電力供給が停止された場合にはその未払出の賞球数の全てが払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、未払出の賞球情報は基本的に主制御基板301のRAM313の賞球用カウンタエリア361に記憶し、主制御基板301のCPU311は払出制御基板322のCPU331から賞球許可信号を入力している場合に当該CPU331に対して賞球コマンドを出力する。そして、払出制御基板322のCPU331では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶される賞球数の情報が、最大でも、1回の入賞に対する最大賞球数(15個賞球)と、後述する許可基準数との和となるように賞球許可信号の出力開始タイミング及び出力停止タイミングを設定する。なお、この許可基準数は、1回の入賞に対する最小賞球数又はそれ未満となっている。これにより、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電力供給が停止されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。つまり、賞球許可信号とは、主制御基板301のCPU311において賞球コマンドの出力タイミングを特定するために、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に出力される情報である。
さて、賞球許可信号監視処理では先ずステップS1001にて、賞球許可信号を入力している旨の賞球許可情報が第1入力ポート351の第7ビットD7に格納されているか否かを判定する。なお、賞球許可信号監視処理に際して、第1入力ポート351の情報をCPU311の汎用レジスタや専用レジスタに格納する構成としてもよく、この場合、そのレジスタに賞球許可情報が格納されているか否かを判定する構成とする。
賞球許可情報が格納されている場合には、ステップS1002にて、主制御基板301のRAM311の賞球許可カウンタエリア(許可契機把握用手段)365に格納されている値が「5」であるか否かを判定する。賞球許可カウンタエリア365とは、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されている場合に、それが払出制御基板322から実際に賞球許可信号が出力されていることに起因して格納されたものか、ノイズなどの原因により格納されたものかをCPU311において特定するためのものである。
賞球許可カウンタエリア365の値が「5」以上の場合には、ステップS1002にて肯定判定をし、そのまま本賞球許可信号監視処理を終了する。一方、賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、ステップS1002にて否定判定をし、ステップS1003に進む。ステップS1003では、賞球許可カウンタエリア365の値を1加算した後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。
ここで、賞球許可信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。したがって、払出制御基板322から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、約4msec周期で賞球許可カウンタエリア365の値が1加算される。また、ステップS1002の処理が実行されることにより、払出制御基板322からの賞球許可信号の出力が継続されている状況であっても賞球許可カウンタエリア365の値が「5」以上となった場合には、当該賞球許可カウンタエリア365の値の加算処理は実行しない。
また、ステップS1002にて、賞球許可情報が格納されていないと判定した場合には、ステップS1004にて賞球許可カウンタエリア365の値を「0」クリアした後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。つまり、払出制御基板322から賞球許可信号が出力されていない状況では、賞球許可カウンタエリア365の値は「0」に維持される。
<払出用出力処理>
次に、通常処理(図14)のステップS508にて実行される払出用出力処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。払出用出力処理とは、主制御基板301のCPU301から払出制御基板322のCPU332に各種コマンドを出力するための処理である。
払出用出力処理では、先ずステップS1101にて、主制御基板301のRAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠状態変化フラグが格納されている場合には、ステップS1102にて前扉枠状態変化フラグを消去するとともに、ステップS1103にて前扉枠開放コマンド又は前扉枠閉鎖コマンドを払出制御基板322に出力した後に本払出用出力処理を終了する。
一方、ステップS1101において、RAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグが格納されていない場合には否定判定をし、ステップS1104に進む。ステップS1104では、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、そのまま払出用出力処理を終了する。
前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、ステップS1105にて、RAM313の賞球許可カウンタエリア365の値が出力許可基準回数としての「5」となっているか否かを判定する。ここで、上記のとおり、賞球許可カウンタエリア365の値は、払出制御基板322のCPU331から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、約4msec周期で1加算される。また、賞球許可カウンタエリア365の値は、払出制御基板322のCPU331からの賞球許可信号の出力が停止された場合には「0」クリアされる。したがって、ステップS1105では、払出制御基板322のCPU331からの賞球許可信号の出力が継続して出力許可継続期間としての20msecとなったか否かを判定している。
賞球許可カウンタエリア365の値が「5」でない場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。賞球許可カウンタエリア365の値が「5」である場合には、ステップS1106にて、RAM313の賞球用カウンタエリア361における各種カウンタエリア361a〜361dのいずれかに賞球情報が記憶されているか否かを判定する。いずれにも賞球情報が記憶されていない場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。
各種賞球用カウンタエリア361a〜361dのいずれかに賞球情報が記憶されている場合には、ステップS1107にて賞球許可カウンタエリア365の値を「0」クリアする。その後、ステップS1108にて賞球コマンド出力処理を実行し、本払出用出力処理を終了する。
ここで、賞球コマンド出力処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1201では、RAM313の15個賞球用カウンタエリア361aの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、15個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS1202にて、15個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、15個賞球用カウンタエリア361aの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS1201において、15個賞球用カウンタエリア361aの値が「0」である場合には、ステップS1203に進む。ステップS1203では、RAM313の4個賞球用カウンタエリア361cの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、4個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS1204にて、4個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、4個賞球用カウンタエリア361cの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS1203において、4個賞球用カウンタエリア361cの値が「0」である場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では、RAM313の3個賞球用カウンタエリア361dの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、3個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS1206にて、3個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、3個賞球用カウンタエリア361dの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS1205において、3個賞球用カウンタエリア361dの値が「0」である場合には、ステップS1207に進む。ステップS1207では、10個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、10個賞球用カウンタエリア361bの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
以上のように、主制御基板301のCPU311は、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されたとしても、払出制御基板322において賞球コマンドの出力が許可されたと即座に特定することはなく、複数回として設定された出力許可基準回数だけ連続して賞球許可情報が確認された場合、すなわち、出力許可基準期間である20msecに亘って賞球許可信号が出力されている状態が確認された場合に、賞球コマンドの出力が許可されたと特定する(出力許可状態であると特定する)。そして、賞球コマンドの出力が許可されたと特定することで、払出制御基板322のCPU331に1回の入賞に対応した1個の賞球コマンドを出力する。このように出力許可基準期間が設定されていることにより、既に説明したように、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されている場合に、それが払出制御基板322から賞球許可信号が出力されていることに起因して格納されたものか、ノイズなどの原因により格納されたものかをCPU311において特定することができる。よって、ノイズなどの原因で賞球許可情報が格納された場合に、それに対して賞球コマンドが出力されてしまうことを阻止することができる。
特に、後述するように払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374には、予め定められた最大基準数を超える賞球数を記憶することができないようになっている。この場合に、ノイズなどの原因で賞球許可情報が格納され、それに対して賞球コマンドが出力されてしまうと、その賞球コマンドに対応した賞球数は実際に払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に不利益を及ぼすこととなってしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を防止することができる。
ここで、入賞発生の有無の判定については、図19及び図20に示すように、バイト単位の各入力情報を演算することにより行うようにしたのに対して、賞球コマンドを出力するか否かの判定に関しては賞球許可カウンタエリア365を用いて出力許可基準期間の経過を判定することにより行うようにした。これは以下の理由による。つまり、本パチンコ機10では、出力許可基準期間の方が入賞発生有りと判定されるまでの期間よりも長く設定されている。この場合に、賞球許可信号に関して入賞発生有無の判定方法を適用すると、今回用レジスタ381といった判定用の記憶領域を多く設ける必要が生じる。そうすると記憶容量の極端な増大化を招くこととなり、好ましくない。特に、CPU311のレジスタの記憶容量は比較的小さいため、当該レジスタを用いて行うことは困難である。さらには、読み込み処理(図19)のステップS604に示すように情報のシフト処理を行う必要があるため、判定用の記憶領域を多く設けると、それだけシフト処理に際しての処理負荷が増大してしまう。これに対して、出力許可基準期間の経過の判定に際しては、賞球許可カウンタエリア365を用いるようにすることで、出力許可基準期間の経過の判定を良好に行うことができる。
また、払出用出力処理(図25)においてステップS1104の処理が実行されることにより、前扉枠14が開放状態の場合には賞球許可信号を入力している期間が出力許可基準期間に達しているとしても賞球コマンドは出力されない。本パチンコ機10では、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払出は停止される。この場合、前扉枠14が開放状態である場合に賞球コマンドを出力しないようにすることで、遊技球の払出が停止されている状況において新たに賞球コマンドが出力されないようにすることが可能となる。
本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまうため、遊技球の払出が停止されている状況において賞球コマンドが出力されると、前扉枠14を開放状態としたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。なお、前扉枠14が開放状態の場合に賞球コマンドの出力を禁止することは必須の構成ではなく、前扉枠14が開放状態の場合に賞球コマンドを出力するようにしてもよい。
また、賞球コマンド出力処理(図26)においては、複数種類設定された賞球情報についてコマンド出力に関して以下のように優先度を設定した。つまり、(1)15個賞球情報→(2)4個賞球情報→(3)3個賞球情報→(4)10個賞球情報の順序で優先度を設定した((1)が最も優先度が高く、(4)が最も優先度が低い)。
本パチンコ機10では、主制御基板301のRAM313の賞球用カウンタエリア361a〜361dは、1バイトで構成されており、記憶可能な賞球情報の数には上限があり、各上限数は一定となっている。その一方、前扉枠14が開放状態となった場合のように、賞球コマンドの出力が禁止されることがある。これに対して、上記のように賞球コマンドの出力に関して優先度を設定することで、入賞が発生したにも関わらずその入賞に対応した賞球情報が賞球用カウンタエリア361a〜361dに加算されないまま消去されてしまうといった不都合が発生する可能性が低減される。
つまり、一般入賞口、可変入賞装置、上作動口及び下作動口のうち、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高いのは、可変入賞装置→下作動口→上作動口→一般入賞口である(可変入賞装置の可能性が最も高く、一般入賞口の可能性が最も低い)。そして、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高いものほど、上記のような不都合が発生する可能性が高いと言える。これに対して、上記のように優先度を設定することで、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高い入賞に対応した賞球情報から優先して賞球コマンドとして出力されることとなり、上記のような不都合が発生する可能性が低減される。
なお、可変入賞装置は、大当たり状態の場合に開放状態となるものであり、開放状態となると短時間で多数の入賞が発生する。また、下作動口は、頻度向上状態の場合に開放状態となるものであり、開放状態となると短時間で多数の入賞が発生する。但し、開放状態となった場合の単位時間当たりの入賞数は、可変入賞装置の方が多くなっている。また、上作動口は、常に入賞が可能な状態となっているが、可変入賞装置や下作動口のように入賞をサポートする部材は不具備であり、可変入賞装置や下作動口が開放状態となった場合の単位時間当たりの入賞数は、これら可変入賞装置及び下作動口よりも上作動口の方が少なくなっている。さらには、一般入賞口は、常に入賞が可能な状態となっているが、釘により上作動口よりも入賞しづらい状態となっている。
<払出制御基板322のCPU331における処理構成>
次に、払出制御基板322のCPU331における処理構成について説明する。かかるCPU331の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力により起動される入力時割込み処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
メイン処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS1301では、電源投入に伴う初期設定を実行する。続くステップS1302では、初期表示処理を実行する。初期表示処理では、払出制御基板322に設けられた7セグ表示器242aに初期表示として「0」を表示させる。
続くステップS1303では、RAMアクセスを許可すると共に、ステップS1304で外部割込みベクタの設定を行う。その後、ステップS1305にてRAM333の全領域を「0」にクリアし、ステップS1306にてCPU周辺デバイスの初期設定を行う。続くステップS1307では割込みを許可する。以上のステップS1301〜ステップS1307の一連の処理が払出制御基板322のCPU331における立ち上げ処理に該当し、当該立ち上げ処理が完了するまでに、例えば300msecを要する。なお、この立ち上げ処理に要する時間は300msecに限定されることはなく、主制御基板301のCPU311において立ち上げ処理に要する時間よりも短いのであれば任意である。
その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで、ステップS1307の処理を繰り返し実行する。なお、このようにステップS1307の割込み許可の設定処理を繰り返し実行することで、仮にノイズ等の影響で割込み許可の設定が解除されて不許可の設定となったとしても、割込み許可の状態に再度設定しなおすことができる。
<入力時割込み処理>
次に、払出制御基板322のCPU331により実行される入力時割込み処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、入力時割込み処理は、上記のとおり主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力により起動されるものである。この場合に、CPU311から入力したコマンドは、払出制御基板322のRAM333に設けられたリングバッファに一時的に記憶されている。入力時割込み処理では、リングバッファに記憶されているコマンドを読み出し、その読み出したコマンドに対応した処理を実行する。
なお、払出制御基板322は、主制御基板301のCPU311からのコマンド(初期コマンド、賞球コマンド、前扉枠開放コマンド、或いは、前扉枠閉鎖コマンド)の入力前は、コマンド未受信状態に設定されており、主制御基板301のCPU311からコマンドが入力されると、コマンド未受信状態が解除されて、コマンド受信状態に設定される。
さて、入力時割込み処理では、先ずステップS1401にて入力したコマンドが初期コマンドか否かを判定する。初期コマンドである場合には、ステップS1402にて初期表示解除処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。初期表示解除処理では、7セグ表示器242aにおける初期表示を終了させる。
入力したコマンドが初期コマンドでない場合には、ステップS1403にて賞球コマンドか否かを判定する。賞球コマンドである場合には、ステップS1404にてコマンド格納処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。コマンド格納処理では、払出制御基板322のRAM333のコマンド格納エリア373に、今回入力した賞球コマンドを格納する。
入力したコマンドが賞球コマンドでない場合には、ステップS1405にて前扉枠開放コマンドか否かを判定する。前扉枠開放コマンドである場合には、ステップS1406にてRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリア(払出側の前面体開放情報記憶手段)に前扉枠開放フラグ(払出側の前面体開放情報)を格納した後に、本入力時割込み処理を終了する。
入力したコマンドが前扉枠開放コマンドでない場合には、ステップS1407にて前扉枠閉鎖コマンドか否かを判定する。前扉枠閉鎖コマンドである場合には、ステップS1408にてRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリアから前扉枠開放フラグを消去した後に、本入力時割込み処理を終了する。前扉枠開放コマンドでない場合には、そのまま本入力時割込み処理を終了する。
なお、入力時割込み処理の処理内容を、後述するタイマ割込み処理においてコマンド判定処理として実行し、入力時割込み処理ではリングバッファへのコマンドの読み込みのみを行う構成としてもよい。
<タイマ割込み処理>
次に、払出制御基板322のCPU331により例えば2msec毎に起動されるタイマ割込み処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1501にて状態復帰スイッチ245をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。その後、ステップS1502にて下皿34の満タン状態に関する処理として満タン用処理を実行し、ステップS1503にてタンク221の球無状態に関する処理として球無用処理を実行し、ステップS1504にて賞球数の設定に関する処理として賞球設定処理を実行し、ステップS1505にて貸球の設定に関する処理として貸球設定処理を実行し、ステップS1506にて払出個数の設定に関する処理として払出個数設定処理を実行し、ステップS1507にて遊技球の払出に関する処理として払出制御処理を実行し、ステップS1508にて賞球許可信号の設定に関する処理として賞球許可信号設定処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
以下、ステップS1502の満タン用処理、ステップS1503の球無用処理、ステップS1504の賞球設定処理、ステップS1505の貸球設定処理、ステップS1506の払出個数設定処理、ステップS1507の払出制御処理及びステップS1508の賞球許可信号設定処理を詳細に説明する。
<満タン用処理>
先ずステップS1502の満タン用処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。満タン用処理では、遊技球分配部225に設けられた満タン検知センサ59の検知結果に基づいて下皿34が満タン状態か否かが判定され各種処理が実行される。そして、満タン検知センサ59にて遊技球が検知されていない場合にはステップS1602以降の処理が実行され、遊技球が検知されている場合にはステップS1609以降の処理が実行される。以下の説明では、便宜上、ステップS1609以降の処理を説明した後にステップS1602以降の処理を説明する。
満タン用処理において先ずステップS1601では、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、払出制御基板322のCPU331の入力ポートに満タン検知信号を入力している旨を示す満タン検知情報が格納されているか否かを判定する。
満タン検知信号を入力している場合には、ステップS1609にて、払出制御基板322のRAM333の満タンカウンタエリア371における第2満タンカウンタエリアを「0」クリアする。第2満タンカウンタエリアは、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力していない期間を計測するためのカウンタである。その後、ステップS1610にて、満タンカウンタエリア371における第1満タンカウンタエリアの値を1加算する。第1満タンカウンタエリアは、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力している期間を計測するためのカウンタである。
ステップS1610の後は、ステップS1611にてコマンド未受信状態であるか否かを判定する。上述したように、払出制御基板322は、主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力前は、コマンド未受信状態に設定されており、コマンドの入力により、コマンド未受信状態が解除されて、コマンド受信状態に設定される。
よって、コマンド未受信状態ではない場合には、ステップS1612にて第1満タンカウンタエリアが、電源投入時ではない状態に対応したカウント値としての「250」となっているか否かを特定する。
ここで、本満タン用処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、タイマ割込み処理は上記のとおり2msec周期で起動される。よって、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力している場合には第1満タンカウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1612では満タン検知信号を約0.5sec(非電源投入時期間)に亘って継続しているか否かを判定している。
第1満タンカウンタエリアが「250」の場合には、下皿34が満タン状態であると特定しステップS1613に進む。つまり、下皿34が満タン状態である場合には遊技球分配部255内にて遊技球が並ぶため、満タン検知センサ59によって遊技球が継続して検知され満タン検知信号の出力が継続される。そして、この状態で約0.5secが継続することにより、下皿34が満タン状態であると特定される。このように、下皿34が満タン状態であると特定される期間を0.5secと設定したのは、当該期間が極端に長いと払出装置224の位置まで遊技球が連なり払出モータ257などが故障してしまうおそれがあるからであり、当該期間が極端に短いと下皿34が満タン状態でないにも関わらず満タン状態であると特定されるおそれがあるからである。
一方、ステップS1612にて、第1満タンカウンタエリアの値が「250」でない場合には、満タン検知センサ59によって遊技球を継続して検知しているが、下皿34が満タンであると特定すべき期間に達していない状態であるので、そのまま本満タン用処理を終了する。
ステップS1613では、RAM333の各種フラグ格納エリア377における満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定する。満タンフラグが格納されている場合には、そのまま本満タン用処理を終了する。満タンフラグが格納されていない場合には、ステップS1614にて満タンフラグを格納するとともに満タン状態に設定した後に本満タン用処理を終了する。満タン状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に満タン信号の出力が開始されるとともに、満タン状態が設定されている間は満タン信号の出力状態が維持される。
一方、ステップS1611にてコマンド未受信状態である場合には、ステップS1615にて第1満タンカウンタエリアが、電源投入時の状態に対応したカウント値としての「1000」となっているか否かを特定する。
上記の通り、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力している場合、第1満タンカウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1615では満タン検知信号を約2.0sec(電源投入時期間)に亘って継続しているか否かを判定している。
第1満タンカウンタエリアが「1000」の場合には、下皿34が満タン状態であると特定しステップS1616に進む。つまり、下皿34が満タン状態である場合には遊技球分配部255内にて遊技球が並ぶため、満タン検知センサ59によって遊技球が継続して検知され満タン検知信号の出力が継続される。そして、この状態で約2.0secが継続することにより、下皿34が満タン状態であると特定される。このように、下皿34が満タン状態であると特定される期間を2.0secと設定したのは、当該期間が極端に短いと、主制御基板301が立ち上がっていない状態であるにも関わらず、下皿34が満タン状態であると特定されるおそれがあるからである。
一方、ステップS1615にて、第1満タンカウンタエリアの値が「1000」でない場合には、満タン検知センサ59によって遊技球を継続して検知しているが、下皿34が満タンであると特定すべき期間に達していない状態であるので、そのまま本満タン用処理を終了する。
ステップS1616では、RAM333の各種フラグ格納エリア377における満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定する。満タンフラグが格納されている場合には、そのまま本満タン用処理を終了する。満タンフラグが格納されていない場合には、ステップS1614にて満タンフラグを格納するとともに満タン状態に設定し、本満タン用処理を終了する。満タン状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に満タン信号の出力が開始されるとともに、満タン状態が設定されている間は満タン信号の出力状態が維持される。
ステップS1601にて満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない場合には、ステップS1602にて第1満タンカウンタエリアを「0」クリアし、ステップS1605にて第2満タンカウンタエリアを1加算する。その後、ステップS1606にて第2満タンカウンタエリアが「1000」となっているか否かを判定する。ここで、第2満タンカウンタエリアは、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない場合には約2msec周期で1加算される。よって、ステップS1606では満タン検知信号を入力していない状態が継続して約2.0secとなっているか否かを判定している。
第2満タンカウンタエリアが「1000」でない場合にはそのまま本満タン用処理を終了する。一方、第2満タンカウンタエリアが「1000」である場合には、ステップS1607にてRAM333の満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定する。満タンフラグが格納されていない場合にはそのまま本満タン用処理を終了する。満タンフラグが格納されている場合には、ステップS1608にて満タンフラグを消去するとともに満タン解除状態を設定した後に本満タン用処理を終了する。満タン解除状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への満タン信号の出力が停止されるとともに、満タン解除状態が設定されている間は満タン信号の出力停止状態が維持される。
ここで、ステップS1606にて満タン検知センサ59からの満タン検知信号の出力が停止されてから約2.0sec経過するのを待ってステップS1608の処理を実行するようにしたことで、ノイズなどの影響で実際には満タン検知センサ59の検知範囲に遊技球が待機しているのに満タン状態が解除されたと判定されないようにことができる。
なお、ステップS1606、ステップS1612及びステップS1615において、それぞれ判定値以上であるか否かを判定する構成としてもよい。
<球無用処理>
次に、ステップS1503の球無用処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。球無用処理では、ケースレール223に設けられた球無検知センサ223aの検知結果に基づいてタンク221が球無状態か否かが判定され各種処理が実行される。そして、球無検知センサ223aにて遊技球が検知されている場合にはステップS1702以降の処理が実行され、遊技球が検知されていない場合にはステップS1708以降の処理が実行される。以下の説明では、便宜上、ステップS1708以降の処理を説明した後にステップS1702以降の処理を説明する。
球無用処理において先ずステップS1701では、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、払出制御基板322のCPU331の入力ポートに球無検知信号を入力している旨を示す球無検知情報が格納されているか否かを判定する。
球無検知信号を入力している場合には、ステップS1708にて、払出制御基板322のRAM333の球無カウンタエリア372における第2球無カウンタエリアを「0」クリアする。第2球無カウンタエリアは、球無検知センサ223aから球無検知信号を継続して入力していない期間を計測するためのカウンタである。その後、ステップS1709にて、球無カウンタエリア372における第1球無カウンタエリアの値を1加算する。第1球無カウンタエリアは、球無検知センサ223aから球無検知信号を継続して入力している期間を計測するためのカウンタである。
ステップS1709の後は、ステップS1710にて第1球無カウンタエリアが第1球無特定基準期間に対応したカウント値としての「5000」となっているか否かを特定する。ここで、本球無用処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、タイマ割込み処理は上記のとおり2msec周期で起動される。よって、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力している場合には第1球無カウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1710では球無検知信号を約10sec(第1球無特定基準期間)に亘って継続しているか否かを判定している。
第1満球無カウンタエリアが「5000」の場合には、タンク221が球無状態であると特定しステップS1711に進む。つまり、タンク221が球無状態である場合にはケースレール223内にて遊技球が並ばなくなるため、球無検知センサ223aによって遊技球が継続して検知されなくなり球無検知信号の出力が継続される。そして、この状態で約10secが継続することにより、タンク221が球無状態であると特定される。
ステップS1711では、RAM333の球無フラグ格納エリア(球無状態情報記憶手段)に球無フラグ(球無状態情報)が格納されているか否かを判定する。球無フラグが格納されている場合には、そのまま本球無用処理を終了する。球無フラグが格納されていない場合には、ステップS1712にて球無フラグを格納するとともに球無状態に設定した後に本球無用処理を終了する。球無状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に払出異常信号の出力が開始されるとともに、球無状態が設定されている間は払出異常信号の出力状態が維持される。
一方、ステップS1710にて、第1球無カウンタエリアの値が「5000」でない場合には、ステップS1713にて第1球無カウンタエリアが第2球無特定基準期間に対応したカウント値としての「500」となっているか否かを判定する。上述したとおり、第1球無カウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1713では球無検知信号を継続して約1.0sec(第2球無特定基準期間)入力しているか否かを判定している。
第1球無カウンタエリアが「500」でない場合にはそのまま本球無用処理を終了する。第1球無カウンタエリアが「500」である場合には、タンク221が球無状態であるおそれがあると特定し、ステップS1714に進む。ステップS1714では、RAM333の球無低速フラグ格納エリア(球無低速情報記憶手段)に球無低速フラグ(球無低速情報)を格納する。その後、本球無用処理を終了する。
球無低速フラグが格納されることにより、CPU331では後述するように払出モータ257の払出速度の設定を、それまでの通常周期(具体的には、60msec間隔で遊技球を払い出す)から低速周期(具体的には、800msec間隔で遊技球を払い出す)に変更する。
このように払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えるのは以下の理由による。すなわち、タンク221においては球詰まりが発生することがある。これに対して、タンク221には、上記球詰まりが発生した際に当該球詰まりを解消すべく、タンク221を振動させるための振動モータが設けられている。球詰まりが重度のものでなければ、振動モータによりタンク221を振動させることで当該球詰まりは解消する。そして、この球詰まりの解消は10sec以内に完了するものと考えられる。
当該事情において、球無検知センサ223aにて遊技球を検知していない期間が第1球無特定基準期間である約1.0secが経過した時点で、払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えることで、払出装置224の回転体256よりも上流側に待機している遊技球が全てなくなってしまう前のタイミングで球詰まりが解消される可能性が高められる。払出装置224の回転体256よりも上流側に待機している遊技球が全てなくなってしまうと、再度、タンク221側から回転体256に向けて遊技球が補充された際に、その遊技球がケースレール223を通じて落下し回転体256に直接衝突することとなり、回転体256の故障の発生等が懸念される。これに対して、上記のように払出速度を低速周期に切り換えることで、このような不都合が発生する可能性が低減される。
球無用処理の説明に戻り、ステップS1701にて球無検知センサ223aから球無検知信号を入力していない場合には、ステップS1702にて第1球無カウンタエリアを「0」クリアする。その後、ステップS1703にて、第2球無カウンタエリアを1加算する。その後、ステップS1704にて第2球無カウンタエリアが「1500」となっているか否かを判定する。ここで、第2球無カウンタエリアは、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力していない場合には約2msec周期で1加算される。よって、ステップS1704では球無検知信号を入力していない状態が継続して約3.0secとなっているか否かを判定している。
第2球無カウンタエリアが「1500」でない場合にはそのまま本球無用処理を終了する。一方、第2球無カウンタエリアが「1500」である場合には、ステップS1705にてRAM333の球無低速フラグ格納エリアから球無低速フラグを消去する。球無低速フラグが消去されることにより、CPU331では基本的に払出モータ257の払出速度の設定を、低速周期から通常周期に変更する。
続くステップS1706では、RAM333の球無フラグ格納エリアに球無フラグが格納されているか否かを判定する。球無フラグが格納されていない場合にはそのまま本球無用処理を終了する。球無フラグが格納されている場合には、ステップS1707にて球無フラグを消去するとともに球無解除状態を設定した後に本球無用処理を終了する。球無解除状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への払出異常信号の出力が停止されるとともに、球無解除状態が設定されている間は払出異常信号の出力停止状態が維持される。
ここで、ステップS1704にて球無検知センサ223aからの球無検知信号の出力が停止されてから約3.0sec経過するのを待ってステップS1705及びステップS1707の処理を実行するようにしたことで、ノイズなどの影響で実際には球無検知センサ223aの検知範囲に遊技球が待機していないのに球無状態が解除されたと判定されないようにことができる。
<賞球設定処理>
次に、ステップS1504の賞球設定処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。賞球設定処理では、主制御基板301のCPU331から入力した賞球コマンドから賞球数を特定し、その特定した賞球数を払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374に加算する処理が実行される。
賞球設定処理では先ずステップS1801にて、RAM333のコマンド格納エリア373に賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。賞球コマンドが格納されていない場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。賞球コマンドが格納されている場合には、ステップS1802に進む。
ステップS1802では、賞球コマンド用の演算処理を実行する。ここで、既に説明したように賞球コマンドは、3個賞球コマンド、4個賞球コマンド、10個賞球コマンド、15個賞球コマンドの4種類が設定されており、これら各賞球コマンドは、図17(b)に示すように、上位情報と下位情報とからなる2バイトで構成されている。そして、各賞球コマンドは、上位情報と下位情報との加算を演算した場合の1バイトからなる情報の形態が「FF」となるように設定されている。ステップS1802では、RAM333のコマンド格納エリア373に格納されている賞球コマンドについて、上記加算の演算を実行する。なお、加算の演算結果は、CPU331の汎用レジスタに格納される。
続くステップS1803では、コマンド格納エリア373に格納されている賞球コマンドを消去する。続くステップS1804では、ステップS1802にて演算した結果が正常であるか否かを判定する。具体的には、16進数で「FF」となっているか否かを判定する。「FF」となっている場合には、今回の賞球コマンドが正常なものであることを意味するため、ステップS1805に進む。
一方、「FF」となっていない場合には、今回の賞球コマンドは、主制御基板301のCPU311から払出制御基板322のCPU331へのコマンド伝送経路の途中でノイズ等の影響で書き換えられてしまったことを意味するため、そのまま本賞球設定処理を終了する。この場合、今回の賞球コマンドは、賞球数の情報としてRAM333の賞球数記憶エリア374に加算されることなく消去される。これにより、ノイズ等の影響で賞球コマンドが書き換えられてしまった場合に、遊技ホール等が受ける被害を低減することができる。つまり、賞球コマンドは下位情報が賞球数の情報に相当しているが、当該下位情報が書き換えられ、例えば、本来なら賞球数が3個であるはずなのに賞球数が100個となってしまうおそれがある。これに対して、上記のように当該賞球コマンドを賞球数の情報としてRAM333の賞球数記憶エリア374に加算しないようにすることで、上記ノイズ等で書き換えられてしまった情報が加算されなくなり、遊技ホール等が受ける被害が低減される。
ちなみに、上記のように賞球コマンドの加算の演算結果が16進数で「FF」とならなかった場合には、予め定められた補正用賞球数をRAM333の賞球数記憶エリア374に加算するようにしてもよい。この補正用賞球数としては、例えば、入賞に対する賞球数として実際に設定されているもののうちの最大賞球数(本パチンコ機10では15個)とする構成が考えられる。この場合、賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に遊技者が不利益を受けないようにすることができる。また、入賞に対する賞球数として設定されているもののうちの最小賞球数(本パチンコ機10では3個)とする構成が考えられる。この場合、賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に遊技者の不利益に対して、最低限の補償をすることができる。さらには、入賞に対する賞球数として設定されているもののうちの平均賞球数とする構成としてもよく、この平均賞球数とする場合、遊技状態毎に異なる補正用賞球数を設定しておいてもよい。
賞球設定処理の説明に戻り、ステップS1805では、賞球数特定処理を実行する。具体的には、ROM332の賞球テーブル記憶エリア332aに記憶されている情報に基づいて、今回入力した賞球コマンドがいずれの賞球数に対応しているかを特定する。この場合、賞球コマンドの下位情報と賞球テーブル記憶エリア332aとが照らし合わされ、賞球数の特定が行われる。ここで特定された賞球数は、賞球コマンドの情報に代えて、CPU331の汎用レジスタに格納される。
ここで、ノイズ等の影響で賞球コマンドの情報が賞球テーブル記憶エリア332aのいずれの情報とも一致しないことがある。これに対処すべく、賞球数特定処理では、賞球コマンドの下位情報における2進数の情報から賞球数を特定する構成としてもよい。また、本構成において、特定した賞球数が最大遊技媒体数である15個以上である場合には、15個とし、14個〜10個である場合には10個とし、9個〜4個である場合には4個とし、3個〜1個である場合には3個とする構成としてもよい。
続くステップS1806では、加算時マスク処理を実行する。当該加算時マスク処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が予め定められた加算時修正用賞球数以下となるように論理積の演算を実行する。
ここで、後述するように払出制御基板322のCPU331は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数としての3個以下となることで賞球許可信号の出力を開始し、それに対する賞球コマンドを主制御基板301のCPU311から入力して賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が4個以上となることにより賞球許可信号の出力を停止する。したがって、主制御基板301のCPU311から賞球コマンドを入力し、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報を加算する際には、賞球数記憶エリア374に記憶されている許可基準数以下(具体的には、3個以下)となっているはずである。
但し、パチンコ機10においては様々なタイミングでノイズ等が発生する可能性があり、払出制御基板322のCPU331において賞球許可信号の出力を開始してから賞球数の加算処理を実行するまでに賞球数記憶エリア374の情報が書き換えられてしまうおそれがある。そして、例えば、賞球数記憶エリア374の情報が本来は3個であったのに対して、131個などに書き換えられてしまった場合には遊技ホールに多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、ステップS1806の加算時マスク処理では、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が加算時修正用賞球数としての3個以下となるように論理積の演算を実行する。なお、本構成では、加算時修正用賞球数は、許可基準数と一致している。
具体的には、払出制御基板322のROM332には、賞球数記憶エリア374と同一のバイト単位である1バイトで構成された加算時修正用情報が予め記憶されている。加算時修正用情報は、「00000011」となっている。これを10進数で表すと「3」である。加算時マスク処理では、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報をCPU331におけるマスク処理用の専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報について上記加算時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を、賞球数記憶エリア374に記憶させる。
この場合、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が3個に相当する「00000011」である場合には、加算時修正用情報との論理積の演算結果は「000000011」となり3個のままである。また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が2個に相当する「00000010」である場合には、加算時修正用情報との論理積の演算結果は「00000010」となり2個のままである。このように賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持されるのは、1個及び0個の場合も同様である。つまり、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数以下である場合には、加算時マスク処理の前に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持される。
一方、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた3個に相当する賞球数の情報(「00000011」)についてノイズ等の影響で最上位のビットに「1」(データ1)が設定され、131個に相当する「10000011」となることが考えられる。この場合であっても、加算時修正用情報との論理積の演算を行うことで、「00000011」となる。この情報は、ノイズにより書き換えられる前に記憶されていた賞球数の情報と同一である。
以上のように、賞球数の加算を行う場合に、ノイズの影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が許可基準数を超えていたとしても、それを許可基準数以下であってノイズの影響で書き換えられてしまう前の情報に戻すことが可能となる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できるとともに、遊技者が不利益を被ってしまうことも抑制できる。
賞球設定処理の説明に戻り、ステップS1806にて加算時マスク処理を実行した後は、ステップS1807にて加算すべき賞球数の情報、すなわち、ステップS1805にて特定した賞球数の情報が1以上か否かを判定する。加算すべき賞球数の情報が「0」である場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。加算すべき賞球数の情報が「0」でない場合には、ステップS1808に進む。
ステップS1808では、上記加算すべき賞球数の情報が「16」未満であるか否かを判定する。加算すべき賞球数の情報が「16」以上である場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。加算すべき賞球数の情報が「16」未満である場合には、ステップS1809に進む。上記のようにステップS1807及びステップS1808の処理を実行することにより、加算すべき賞球数の情報が異常である場合には、それを無効化することができる。
続くステップS1809では、賞球数の加算処理を実行する。当該加算処理では、ステップS1805にて特定した賞球数の情報を、ステップS1806の加算時マスク処理後の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報に加算する。
続くステップS1810では、ステップS1809にて加算処理を実行した後の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が、払出制御基板322のROM332に予め記憶された賞球数記憶エリア374の上限賞球数を超えているか否かを判定する。具体的には、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が「19」以上であるか否かを判定する。
賞球数の情報が「19」未満である場合には、そのままステップS1812に進む。賞球数の情報が「19」以上である場合には、ステップS1811に進む。ステップS1811では、加算後修正処理を実行する。具体的には、賞球数記憶エリア374の賞球数の情報を「18」に修正する。これにより、ノイズ等の影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が上限賞球数を超えている場合には、それを上限賞球数に修正することができる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、上限賞球数を超えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、上限賞球数に修正することで、遊技者が不利益を被ってしまうこともない。
なお、ステップS1806、ステップS1807、ステップS1808及びステップS1811の各処理を実行することで、賞球数の異常を入念に解消することができる。但し、これら全ての処理を実行することは必須のことではなく、例えば、ステップS1807及びステップS1808の処理を実行しなくともよい。この場合であっても、ステップS1806及びステップS1811の処理が実行されることで、賞球数の異常を解消することができる。
続くステップS1812では、RAM333の賞球低速フラグ格納エリア(賞球低速情報記憶手段)に賞球低速フラグ(賞球低速情報)が格納されているか否かを判定する。賞球低速フラグとは、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が、払出制御基板322のROM332に予め記憶された切換基準数(具体的には、「2」)となった場合に格納され、切換基準数を超えることにより消去されるフラグである。
ここで、本パチンコ機10は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合には、払出モータ257の払出速度の設定をそれまでの通常周期から低速周期に変更するように構成されている。これは以下の理由による。つまり、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されていない状況では、払出モータ257の駆動は停止される。この場合に、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生すると、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止を繰り返し行う必要が生じる。払出モータ257の駆動開始には払出モータ257の駆動状態を維持する場合よりも大きな駆動力を必要とするため、上記のように払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われることは好ましくない。これに対して、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合に、払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えることで、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生したとしても、切換基準数の賞球を低速周期で実行している間に次の入賞が発生する可能性が高まり、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われてしまう可能性が低減される。
なお、払出モータ257の払出速度を常に低速とする構成も考えられるが、この場合、遊技球の払出速度が慢性的に遅くなり、遊技者にとっては入賞が発生したにも関わらずそれに対する賞球を受けるのに相当な時間を要することとなり好ましくない。
ステップS1812にて、賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されていない場合には、そのままステップS1814に進む。一方、賞球低速フラグが格納されている場合には、ステップS1813にて賞球低速フラグ格納エリアから賞球低速フラグを消去した後に、ステップS1814に進む。賞球低速フラグが消去されることで、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となることで低速周期に設定された払出モータ257の払出速度が通常周期に復帰することとなる。
ステップS1814では、エラーフラグの消去処理を実行する。エラーフラグは、例えば、主制御基板301のCPU311から解析不能なコマンドを入力した場合等に格納されるフラグである。当該エラーフラグは、賞球コマンドを正常に入力し、その賞球コマンドに対する賞球設定処理が実行されることで、ステップS1814にて消去される。ステップS1814にてエラーフラグの消去処理を実行した後は本賞球設定処理を終了する。
<貸球設定処理>
次に、ステップS1505の貸球設定処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。貸球設定処理では、球貸用接続端子板249を通じて球貸装置Yから入力した貸球要求信号に基づいて貸球数を特定し、その特定した貸球数を払出制御基板322のRAM333の貸球数記憶エリア375に加算する処理が実行される。
貸球設定処理では先ずステップS1901にて、RAM333の貸球状態フラグ格納エリア(貸球状態情報記憶手段)に貸球状態フラグ(貸球状態情報)が格納されているか否かを判定する。貸球状態フラグは、払出制御基板322のCPU331において、球貸装置Yからの貸球要求信号の入力待機状態であるか否かを特定する上で用いられるフラグであり、入力待機状態となることで格納され、貸球要求信号を受ける必要がなくなった場合に消去される。
貸球状態フラグが格納されていない場合には、ステップS1902〜ステップS1906の貸球状態設定用処理を実行し、貸球状態フラグが格納されている場合には、ステップS1907〜ステップS1911の貸球状態中処理を実行する。
貸球状態設定用処理では、先ずステップS1902にて、球貸装置Yから接続確認用信号及び貸球待機信号を入力しているか否かを判定する。接続確認用信号は、球貸装置Yにおいて払出制御基板322との間で通信可能な状態を示す信号である。また、貸球待機信号は、球貸装置Yに未払出の貸球の情報が保持されている(具体的には、未払出の貸球の情報が記憶保持されたカードが球貸装置Yに挿入されている)状況において、球貸操作装置36の球貸ボタン37が操作されていることを、払出制御基板322にて把握させるための信号である。なお、接続確認用信号を不具備としてもよい。
接続確認用信号及び貸球待機信号のいずれか一方でも入力していない場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。一方、接続確認用信号及び貸球待機信号の両方を入力している場合には、ステップS1903にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態とは、前扉枠開放状態、下皿満タン状態、タンク球無状態又は払出装置異常状態のいずれかに該当している状態のことである。
当該判定は、前扉枠開放状態についてはRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定することで行われ、下皿満タン状態についてはRAM333の満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定することで行われ、タンク球無状態についてはRAM333の球無フラグ格納エリアに球無フラグが格納されているか否かを判定することで行われ、払出装置異常状態についてはRAM333の払出装置異常フラグ格納エリアに払出装置異常フラグが格納されているか否かを判定することで行われる。
払出エラー状態である場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。払出エラー状態でない場合には、ステップS1904にて払出動作中か否かを判定する。具体的には、払出モータ257が停止中か否かを判定する。貸球状態フラグが格納されていない状況であって払出モータ257が動作中である状況は、賞球の払出が実行されている状況であることを意味する。つまり、ステップS1904では賞球動作中であるか否かを判定していると言える。
払出動作中である場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。払出動作中でない場合には、ステップS1905にて貸球許可信号の出力状態を設定する。これにより、払出制御基板322のCPU331から球貸装置Yに貸球許可信号の出力が開始され、球貸装置Yでは貸球許可信号を入力することで、球貸ボタン37の1回の操作に基づく貸球要求信号の出力を行う。その後、ステップS1906にてRAM333の貸球状態フラグ格納エリアに貸球状態フラグを格納した後に、本貸球設定処理を終了する。なお、球貸装置Yは、貸球待機信号を出力した後に所定の期間(例えば、2sec)に亘って貸球許可信号を入力しなかった場合には、球貸ボタン37の操作がなかったものとして扱う。
ステップS1907〜ステップS1911の貸球状態中処理では、先ずステップS1907にて、球貸装置Yから貸球要求信号を入力しているか否かを判定する。貸球要求信号は球貸装置Yから貸球の払出を要求する場合に出力される信号である。貸球要求信号を入力していない場合には、そのままステップS1909に進む。貸球要求信号を入力している場合には、ステップS1908にて、RAM333の貸球数記憶エリア375への加算処理を実行した後に、ステップS1909に進む。当該加算処理では、100円分に相当する25個に相当する貸球数の情報を貸球数記憶エリア375に加算する。つまり、球貸装置Yは、貸球状態においては球貸操作に応じて貸球要求信号を定期的に出力し、払出制御基板322のCPU331は貸球要求信号を入力するごとに予め定められた単位数に相当する貸球数の情報を貸球数記憶エリア375に加算する。
ステップS1909では、球貸装置Yから終了信号を入力しているか否かを判定する。終了信号は、一の球貸操作が行われ貸球要求信号が5回出力された場合に出力される信号であり、一の球貸操作に対する貸球要求信号の出力が終了したことを払出制御基板322のCPU331において認識させるための信号である。終了信号を入力していない場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。終了信号を入力している場合には、ステップS1910にてRAM333の貸球状態フラグ格納エリアから貸球状態フラグを消去するとともに、ステップS1911にて貸球許可信号の出力停止状態を設定した後に、本貸球設定処理を終了する。
以上のように、払出制御基板322のCPU331は、球貸装置Yから貸球待機信号を入力している状況において、払出エラー状態でなく且つ払出動作中でない場合に、貸球状態に設定される。特に、払出動作中においては貸球状態への設定が行われないようにすることで、賞球の払出が実行されている間は仮に球貸操作装置36において球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることができる。
賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われた場合に当該球貸を優先させる構成を想定すると、払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されているにも関わらず、賞球の払出を停止させる必要が生じる。この場合に、パチンコ機10が電源遮断状態となると、既に説明したように払出制御基板322のRAM333に電断時用電力が供給されないことに伴って、賞球数の情報は消去されてしまう。その一方、球貸装置Yは独自に情報の電断時保持機能を有している(すなわち、未払出の貸球の情報はカードにて記憶保持される)ため、賞球の払出が実行されている状況では球貸装置Yから貸球要求信号を入力しないようにすることで、貸球数の情報は球貸装置Yにて保持され、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても貸球数の情報が消去されることはない。上記事情において、賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることで、賞球数の情報が実際に払い出されないまま消去されてしまうことが防止される。
<払出個数設定処理>
次に、ステップS1506の払出個数設定処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。払出個数設定処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374又は貸球数記憶エリア375に記憶されている情報を、遊技球の払出に際しての実行エリアであるRAM333の払出個数カウンタエリアに格納する処理が実行される。
払出個数設定処理では先ずステップS2001にて、払出設定時マスク処理を実行する。当該払出設定時マスク処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が予め定められた払出時修正用賞球数以下となるように論理積の演算を実行する。
ここで、後述するように払出制御基板322のCPU331は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下となることで賞球許可信号の出力を開始し、それに対する賞球コマンドを主制御基板301のCPU311から入力して賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が不許可基準数としての4個以上となることにより賞球許可信号の出力を停止する。また、本パチンコ機10では、1の入賞に対する最大賞球数は15個となっている。上記構成においては、賞球数記憶エリア374の上限賞球数は、許可基準数と入賞対応最大賞球数との和である18個となる。
但し、パチンコ機10においては様々なタイミングでノイズ等が発生する可能性があり、賞球設定処理(図32)にてRAM333の賞球数記憶エリア374に賞球数の情報を設定した後であってその賞球数分の遊技球の払出が完了する前の段階で賞球数記憶エリア374の情報が書き換えられてしまうおそれがある。そして、例えば、賞球数記憶エリア374の情報が本来は10個であったのに対して、131個などに書き換えられてしまった場合には遊技ホールに多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、ステップS2001の払出設定時マスク処理では、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が払出時修正用賞球数としての31個以下となるように論理積の演算を実行する。
具体的には、払出制御基板322のROM332には、賞球数記憶エリア374と同一のバイト単位である1バイトで構成された払出時修正用情報が予め記憶されている。払出時修正用情報は、「00011111」となっている。これを10進数で表すと「31」である。払出設定時マスク処理では、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報をCPU331におけるマスク処理用の専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報について上記払出時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を、賞球数記憶エリア374に記憶させる。
この場合、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が17個に相当する「00010001」である場合には、払出時修正用情報との論理積の演算結果は「00010001」となり17個のままである。また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が5個に相当する「00000101」である場合には、払出時修正用情報との論理積の演算結果は「00000101」となり5個のままである。このように賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持されるのは、上限賞球数である18個以下全てについて同様である。
一方、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がノイズ等の影響で書き換えられ、131個に相当する「10000011」となったとしても、払出時修正用情報との論理積の演算を行うことで「00000011」となる。
以上のように、払出個数カウンタエリア376への設定を行う場合に、ノイズの影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が払出時修正用情報を超えていたとしても、それを払出時修正用情報以下とすることができる。よって、遊技ホールが多大な不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、上限賞球数を超えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、払出時修正用情報と論理積の演算をした数となるため、遊技者が不利益を被ってしまうことも抑制できる。
ちなみに、タイマ割込み処理は払出制御基板322のCPU331により2msec毎に起動され、払出設定時マスク処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行される。したがって、払出設定時マスク処理は、2msec毎に実行されることとなる。つまり、払出設定時マスク処理は、定期的に実行されることとなる。また、遊技球の払出は基本的に60msec周期で実行されるのに対して、払出設定時マスク処理は上記のとおり2msec毎に実行される。したがって、遊技球が払い出される場合、1個の遊技球が払い出されるまでに払出設定時マスク処理は複数回実行されることとなり、ノイズの影響を良好に低減することができる。また、払出設定時マスク処理は、遊技球の払出が実行されている状況か否かに関係なく実行される。
払出個数設定処理の説明に戻り、続くステップS2002では、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作とは、タンク221に貯留されている遊技球をパチンコ機10外部に排出するための動作のことをいう。
ここで、球抜き動作の手順について説明する。先ず島設備からタンク221への補給を止める。その後、前扉枠14を開放状態とし、可変入賞装置内に多数の遊技球を手で入れる。その後、前扉枠14を閉鎖状態とすることで、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に賞球許可信号が出力されるのに応じて主制御基板301のCPU311から払出制御基板322のCPU331に賞球コマンドが出力され、払出装置224による遊技球の払出が実行される。
その後、タンク221に貯留されている遊技球が無くなることで、球無検知センサ223aから球無検知信号が出力され、払出装置224による遊技球の払出が停止される。この場合に、ケースレール223に設けられた球抜き操作スイッチ223bを操作することで、払出制御基板322のCPU331において球抜き状態に設定される。具体的には、RAM333の球抜き状態フラグ格納エリアに球抜き状態フラグを格納する。これにより、球無検知センサ223aから球無検知信号が出力されている状況であっても払出装置224による遊技球の払出が再開され、球抜き操作スイッチ223bよりも下流側であって払出装置224の払出モータ257の位置まで連なっている遊技球の排出が行われる。そして、当該遊技球の排出が行われることで、タンク221の球抜きが完了する。この際、球抜き状態の設定が解除される。すなわち、RAM333の球抜き状態フラグ格納エリアに格納されている球抜き状態フラグが消去される。
ステップS2002では、上記球抜き状態が設定されているか否かを判定する。球抜き状態が設定されていない場合には、ステップS2003にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態については既に説明したとおりである。払出エラー状態である場合には、そのまま本払出個数設定処理を終了する。これにより、払出エラー状態において遊技球の払出が実行されることが阻止される。
払出エラー状態でない場合には、ステップS2004にてリトライ動作中か否かを判定する。リトライ動作とは、払出装置224において遊技球の球詰まりが発生した場合などにおいて回転体256を通常とは逆に回転させたりする処理である。リトライ動作中である場合にはそのまま本払出個数設定処理を終了し、リトライ動作中でない場合にはステップS2005に進む。
ステップS2005では、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中とは、RAM333の貸球状態フラグ格納エリアに貸球状態フラグが格納されている状態、又はRAM333の貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されている状態のことをいう。貸球状態フラグが格納されている又は貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されている場合には、ステップS2006にて、貸球数記憶エリア375の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
一方、貸球状態フラグが格納されておらず且つ貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されていない場合には、ステップS2007にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。また、ステップS2002において、球抜き状態が設定されている場合にも、ステップS2007にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
<払出制御処理>
次に、ステップS1507の払出制御処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。払出制御処理では、RAM333の払出個数カウンタエリア376に記憶されている情報に基づいて遊技球の払出を行う処理が実行される。
払出制御処理では先ずステップS2101にて、払出状態設定処理を実行する。ここで、払出状態設定処理について図36のフローチャートを参照しながら説明する。
払出状態設定処理では、先ずステップS2201にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態については既に説明したとおりである。払出エラー状態である場合には、ステップS2206にて、払出モータ257を停止状態に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。これにより、払出制御基板322のCPU331から払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、払出装置224による遊技球の払出が停止される。なお、既に遊技球の払出が停止されている場合にはその状態が維持される。
ステップS2201にて、払出エラー状態でない場合には、ステップS2202にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値が「0」か否かを判定する。払出個数カウンタエリア376の値が「0」である場合には、払出を実行すべき遊技球が存在しないことを意味するため、ステップS2206にて払出モータ257を停止状態に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。
ステップS2202にて、払出個数カウンタエリア376の値が「0」でない場合には、ステップS2203にて、RAM333のいずれかの低速フラグ格納エリアに低速フラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、満タン低速フラグ格納エリアに満タン低速フラグが格納されているか否かを判定し、球無低速フラグ格納エリアに球無低速フラグが格納されているか否かを判定し、賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されているか否かを判定する。
いずれの低速フラグも格納されていない場合には、ステップS2205にて、払出モータ257の払出速度を通常周期に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。払出モータ257の払出速度が通常周期に設定されることで、払出装置224から60msec毎に1個の遊技球が払い出される。なお、既に通常周期に設定されている場合にはその状態が維持される。
一方、いずれかの低速フラグが格納されている場合には、ステップS2204にて、払出モータ257の払出速度を低速周期に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。払出モータ257の払出速度が低速周期に設定されることで、払出装置224から800msec毎に1個の遊技球が払い出される。なお、既に低速周期に設定されている場合にはその状態が維持される。
払出制御処理(図35)の説明に戻り、ステップS2101にて払出状態設定処理を実行した後は、ステップS2102に進む。ステップS2102では、払出装置224の払出球検知センサ258にて遊技球を検知しているか否かを判定する。具体的には、払出球検知センサ258から払出球検知信号を入力しているか否かを判定する。この判定は、払出球検知信号の入力継続期間が払出検知継続期間に達しているか否かを判定することにより行われる。払出球検知信号を入力していない場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。払出球検知信号を入力している場合には、ステップS2103に進む。
ステップS2103では、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中でない場合には、ステップS2104〜ステップS2108の賞球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。一方、貸球動作中である場合には、ステップS2109〜ステップS2110の貸球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。
賞球用減算処理では、先ずステップS2104にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の値を1減算し、続くステップS2105にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値を1減算する。その後、ステップS2106では、賞球数記憶エリア374の値が「2」以下か否かを判定する。「2」以下でない場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。「2」以下である場合には、ステップS2107にて、RAM333の賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されているか否かを判定する。賞球低速フラグが格納されている場合にはそのまま本払出制御処理を終了し、賞球低速フラグが格納されていない場合にはステップS2108にて賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグを格納した後に本払出制御処理を終了する。
また、貸球用減算処理では、先ずステップS2109にて、RAM333の貸球数記憶エリア375の値を1減算し、続くステップS2110にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値を1減算した後に、本払出制御処理を終了する。
<賞球許可信号設定処理>
次に、ステップS1508の賞球許可信号設定処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。賞球許可信号設定処理では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力停止及び出力開始の設定を行う処理が実行される。
賞球許可信号設定処理では、先ずステップS2301にて、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下か否かを判定する。4個以上である場合には、ステップS2307にて賞球不許可状態(出力不許可状態)の設定をした後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球不許可状態の設定について具体的には、RAM333の賞球許可状態フラグ格納エリア(賞球許可情報記憶手段又は出力許可情報記憶手段)に賞球許可状態フラグ(賞球許可情報又は出力許可情報)が格納されている場合に、その賞球許可状態フラグを消去して、賞球許可信号の出力を停止する(賞球許可信号を出力するための出力手段からの賞球許可信号の出力を停止させる)。賞球許可状態フラグが消去されている状態では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力が停止され、その状態が維持される。
なお、本パチンコ機10では、賞球許可信号が出力されている状態がHIレベル信号の出力状態であるため、賞球許可信号の出力が停止されている状態はLOWレベル信号の出力状態となる。但し、賞球許可信号が出力されている状態がLOWレベル信号の出力状態とした場合には、賞球許可信号の出力が停止されている状態をHIレベル信号の出力状態としてもよい。さらには、賞球許可信号の出力が停止されている状態を、当該信号経路について何ら信号が出力されていない状態としてもよい。
一方、ステップS2301にて、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下である場合には、ステップS2302にて、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作中でない場合には、ステップS2303にて、払出エラー状態か否かを判定する。
払出エラー状態である場合には、ステップS2307にて賞球不許可状態を設定した後に本賞球許可信号設定処理を終了する。このように払出エラー状態である場合に賞球不許可状態を設定することで、払出エラー状態では賞球許可信号の出力が停止され、賞球コマンドの出力が禁止される。
既に説明したように、払出エラー状態では遊技球の払出が停止される。また、本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまう。したがって、払出エラー状態において賞球コマンドが出力されると、払出エラー状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、払出エラー状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
ステップS2303において、払出エラー状態でない場合には、ステップS2304にて、RAM333の満タン低速フラグ格納エリアに満タン低速フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2305では、RAM333の球無低速フラグ格納エリアに球無低速フラグが格納されているか否かを判定する。
満タン低速フラグ又は球無低速フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS2307にて賞球不許可状態を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。このように満タン低速状態又は球無低速状態である場合に賞球不許可状態を設定することで、満タン低速状態又は球無低速状態では賞球許可信号の出力が停止され、賞球コマンドの出力が禁止される。
既に説明したように、満タン低速状態又は球無低速状態は、その後、払出エラー状態となる可能性が高い場合にその前段階として設定される状態である。そして、払出エラー状態では遊技球の払出が停止される。また、本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまう。したがって、払出エラー状態において賞球コマンドが出力されると、払出エラー状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、払出エラー状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成のように、払出エラー状態となる可能性が高いと判定した段階で、賞球許可信号の出力を停止して賞球コマンドの出力を禁止することで、払出エラー状態となる前に賞球コマンドの出力を禁止することができ、上記のような不都合が発生する可能性が飛躍的に低減される。
ステップS2304にて満タン低速フラグが格納されておらず、さらにはステップS2305にて球無低速フラグが格納されていない場合には、ステップS2306にて賞球許可状態(出力許可状態)を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。また、ステップS2303にて球抜き動作中である場合にも、ステップS2306にて賞球許可状態を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球許可状態の設定について具体的には、RAM333の賞球許可状態フラグ格納エリアに賞球許可状態フラグが格納されていない場合に、賞球許可状態フラグを格納し、賞球許可信号の出力を開始する(賞球許可信号を出力するための出力手段からの賞球許可信号の出力を開始させる)。賞球許可状態フラグが格納されている状態では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力が開始され、その状態が維持される。つまり、球抜き動作中でない状態においては、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下であり、さらには払出エラー状態、満タン低速状態及び球無低速状態でない場合に、賞球許可信号の出力が継続される。
<賞球許可信号に対する賞球コマンドの出力の様子について>
次に、賞球許可信号に対する賞球コマンドの出力の様子について、図38のタイムチャートを参照して説明する。なお、以下のタイムチャートを用いた説明では、主制御基板301のCPU311を主側CPU311といい、払出制御基板322のCPU331を払出側CPU331という。また、主制御基板301のRAM313を主側RAM313といい、払出制御基板322のRAM333を払出側RAM333という。また、図38を用いた説明においては、説明の便宜上、複数種ある入賞のうち4個賞球に対応した入賞のみが発生するものとする。
先ず、単発的に入賞が発生する場合について説明する。
払出側CPU331から主側CPU311に既に賞球許可信号が出力されている状況において、t1のタイミングで入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に4個の賞球数の情報が記憶されて許可基準数を超えること(不許可基準数に達すること)により賞球許可信号の出力が停止されるとともに、遊技球の払出が開始される。
その後、t2のタイミングで1個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となる。これにより、賞球許可信号の出力が開始される。その後、t3のタイミングで1個の遊技球の払出がさらに実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は切換基準数の2個となる。これにより、払出モータ257の払出速度がそれまでの通常周期から低速周期に切り換えられる。その後、t4のタイミングまでに2個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は0個となる。これにより、払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、賞球の払出が終了される。
次に、単発的な入賞が発生した後に、払出モータ257の払出速度が低速周期である状況で再度、入賞が発生する場合について説明する。
払出側CPU331から主側CPU311に既に賞球許可信号が出力されている状況において、t5のタイミングで入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に4個の賞球数の情報が記憶されて許可基準数を超えることにより賞球許可信号の出力が停止されるとともに、遊技球の払出が開始される。
その後、t6のタイミングで1個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となる。これにより、賞球許可信号の出力が開始される。その後、t7のタイミングで1個の遊技球の払出がさらに実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は切換基準数の2個となる。これにより、払出モータ257の払出速度がそれまでの通常周期から低速周期に切り換えられる。
その後、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が0個とならない範囲内であるt8のタイミングで、新たな入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に4個の賞球数の情報が記憶されて許可基準数を超えることにより賞球許可信号の出力が停止されるとともに、切換基準数を超えることにより払出モータ257の払出速度が低速周期から通常周期に復帰される。
次に、入賞が連続して発生した場合について説明する。
上記のようにt8のタイミングで、新たな入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は、それまで記憶されていた賞球数に対して新たな賞球数が加算されることで5個となる。
その後、t9のタイミングまでに2個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となる。これにより、賞球許可信号の出力が開始される。この場合に、t9のタイミングまでに入賞が連続して発生しており、主側RAM313には4個賞球の情報が複数記憶されている。その後、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングであるt10のタイミングで、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。また、t11のタイミングで払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。その後、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングであるt12のタイミングで、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。
つまり、主側RAM313に既に賞球情報が記憶されている状況において、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となり賞球許可信号の出力が開始された場合には、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングで主側CPU311から払出側CPU331に賞球コマンドが出力され、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数を超えることとなる。
これは以下の理由による。払出モータ257の通常周期による払出速度は60msec間隔で1個の遊技球の払出が実行されるように設定されている。これに対して、払出側CPU331において、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となり賞球許可信号の出力が開始されるまでに要する時間は、タイマ割込み処理の実行時間の範囲内である2msecの範囲内である。また、主側CPU311において、賞球許可信号の入力に基づいて賞球コマンドの出力が許可されていると特定される賞球コマンドが出力されるまでに要する時間は20msec〜24msecの範囲内である。また、払出側CPU331において、主側CPU311から賞球コマンドを入力し、その賞球コマンドに対応した賞球数の情報が払出側RAM333に加算されるまでに要する時間は、タイマ割込み処理の実行時間の範囲内である2msecの範囲内である。その他、賞球許可信号及び賞球コマンドの伝送に要する時間や処理時間の誤差等を含めても、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となってから、その後の賞球コマンドの入力により払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数を超えるまでに要する時間は最大でも40msec程度である。これは1個の遊技球の払出が実行されるまでに要する時間である60msecよりも短い。すなわち、主側RAM313に既に賞球情報が記憶されている状況において賞球許可信号の出力が開始された場合には、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングで賞球コマンドが出力され払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数を超えるように、主側CPU311及び払出CPU331における賞球に関する処理時間が設定されている。
また、以上のような構成において、払出側CPU331から主側CPU311への賞球許可信号の出力開始契機となる許可基準数は、払出モータ257の払出速度を通常周期から低速周期へ切り換える契機となる切換基準数よりも、遊技球1個分多く設定されている。これにより、主側RAM313に賞球情報が複数記憶されている状況においては、それら賞球情報に対応した各賞球コマンドの出力が全て実行されるまでは、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が切換基準数に達することはない。よって、払出側CPU331から主側CPU311へ賞球許可信号を出力するとともに、それに対して主側CPU311から払出側CPU331へ1回の入賞に対応した1個の賞球コマンドのみを出力するようにした構成において、主側RAM313に賞球情報が記憶されているにも関わらず払出モータ257の払出速度が通常周期から低速周期に切り換えられてしまうことを防止することができ、遊技球の払出を円滑に行うことができる。
図38の説明に戻り、その後、t13のタイミングで払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。また、t14のタイミングで1個の遊技球の払出がさらに実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は切換基準数の2個となり、払出モータ257の払出速度がそれまでの通常周期から低速周期に切り換えられる。その後、t15のタイミングで払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は0個となり、払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、賞球の払出が終了される。
次いで、図39を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、初期位置におけるレバー部材502が傾斜して配置される場合を説明したが、第2実施の形態におけるレバー部材502は、初期位置において鉛直方向に沿って配置される。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図39は、第2実施の形態における払出通路226及び遊技球分配部2225を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。
第2実施の形態では、第1実施の形態の場合と同様に、レバー部材502が上流側壁2281によって、下皿通路2262側への揺動が規制されることで、初期位置に保持される。この場合、上流側壁2281は、第1実施の形態における上流側壁281よりも、下流側の端面が下方に位置する。そのため、付勢部材503により付勢されたレバー部材502は、その基部の上流側の端面(図39上側面)が、上流側壁2281の下流側の端面に当接されることで、案内面502aを鉛直方向(図39上下方向)に沿わせた姿勢となる初期位置に保持される。
下皿通路2262には、レバー部材502の案内面502aに対面して位置すると共に下流側へ向けて下降傾斜する対面傾斜側壁2284と、レバー部材502の下流側に位置すると共に対面傾斜側壁2284と略平行に傾斜する下流側壁2285とが配設される。なお、下流側壁2285は、レバー部材502がスイッチ部材504を作動させる位置まで揺動した場合に、その下流側壁2285の案内面(内壁面)がレバー部材502の案内面502aに対して面一(段差を有さず且つ平行)となるように形成される。
このように、図39に示す初期位置において、レバー部材502を鉛直方向に沿う姿勢で保持する形態であっても、対面傾斜側壁2284を配設することで、かかる対面傾斜側壁2284と案内面502aとの対向面間隔が下流側ほど小さくなる状態とすることができる。よって、対面傾斜側壁2284とレバー部材502との間に所定数(8個)の遊技球が貯留された状態において、それら遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。即ち、対面傾斜側壁2284が傾斜状態とされることで、遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502をスイッチ部材504側(図39右側)へ向けて揺動させる力として、レバー部材502の案内面502aに作用させることができるので、レバー部材502を効率的に揺動させることができる。
なお、レバー部材502が作動位置に配置された状態において、対面傾斜側壁2284と案内面502aとの間の対向面間隔は、上流側壁2281と第2上流側壁284との間の対向面間隔と略同一とされ、対面傾斜側壁2284と下流側壁2285との間の対向面間隔とも略同一とされる。そのため、対面傾斜側壁2284とレバー部材502との間に所定数(8個)の遊技球が貯留され、スイッチ部材504が作動されてから(満タン検知センサ59が所定数の遊技球の存在を検出して検出状態となってから)、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(本実施の形態では8個)が、上流側壁2281と第2上流側壁282との間に更に貯留され、その後、下皿33から遊技球が排出されることで、かかる区間(上流側壁2281及びレバー部材502と第2上流側壁282及び対面傾斜側壁2284との間)を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを回避することができる。
次いで、図40を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、下皿通路262を挟んで上皿通路261の反対側に満タン検知センサ59が配設される場合を説明したが、第3実施の形態における満タン検知センサ59は、上皿通路261と下皿通路3262との間に配設される。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図40は、第3実施の形態における払出通路226及び遊技球分配部3225を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。
第3実施の形態では、下皿通路3262が、略く字状に屈曲する通路として形成される。即ち、下皿通路3262は、一方(図40左側)の側壁が、満タン検知センサ59のレバー部材502と、そのレバー部材502の上流側に位置すると共に下流側へ向けて下降傾斜する上流側壁3281とから形成され、他方(図40右側)の側壁が、鉛直方向に延設される第2分流側壁292と、その第2分流側壁292の中途から分岐すると共に上流側壁3281に対して略平行を保ちつつ上流側へ向けて上昇傾斜する第2上流側壁3282と、その第2上流側壁282の上流側を第2分流側壁292の中途に接続すると共に下流側へ向けて下降傾斜する第3上流側壁3283とから形成される。
なお、第3上流側壁3283の上流側端部と上流側壁3281の上流側端部との間に、下皿通路3262の上流側開口3262aが形成される。上流側壁3281と第2上流側壁3282との間の対向面間隔は、遊技球の直径の2倍よりも若干大きな寸法に設定される。
満タン検知センサ59は、第1実施の形態の場合と同様に、下皿通路3262の中途であって、遊技領域PEの下端よりも上方(図40上側)に配置されることで、遊技領域PEが大型化し、また、各種制御基板が多数配設されたパチンコ機10においても、満タン検知センサ59の配設スペースを確保することができる。その結果、前扉側下皿通路52や遊技球分配部225を配設する際の自由度が制限されることを抑制できる。
また、第1実施の形態の場合と同様に、満タン検知センサ59が遊技球の存在を検出してから(満タン検知センサ59が検出状態となってから)下皿33が満タンであると判定されるまでの間に払出装置224から払い出される遊技球を、少なくとも下皿通路3262及び分流通路263内に貯留可能とされるので、払出装置224まで遊技球が達して、その払出モータ等が破損することを防止できる。
レバー部材502は、その案内面502aが第2分流側壁292に対面すると共に、図40に示す初期位置においては、下流側部分(軸501による軸支位置と反対側)ほど第2分流側壁292に案内面502aが近接する傾斜状態とされる。よって、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔が、図40に示す初期位置において、下流側ほど小さくされるので、下皿通路3262に貯留された遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。即ち、レバー部材502の案内面502aが傾斜状態とされることで、レバー部材502の案内面502aに作用する遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502をスイッチ部材504側(図40左側)へ向けて揺動させる力として利用できるので、レバー部材502を効率的に揺動させることができる。
付勢部材503により付勢されたレバー部材502は、その基部の上流側の端面(図40上側面)が、上流側壁3281の下流側の端面に当接されることで、下皿通路3262側への揺動が規制され、図40に示す初期位置に保持される。
このように、レバー部材502の案内面502aを上流側壁3281に連ねることができるので、レバー部材502の上流側(即ち、案内面502aと上流側壁3281との間)に段差が形成されることを回避して、遊技球をスムーズに流下させることができる。
また、上流側壁3281が、遊技球を案内する壁部としての役割だけでなく、レバー部材502を初期位置に保持するための部材としての役割も兼用することで、レバー部材502を初期位置に保持するための部材を別途設けることを不要とできる。よって、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
本実施の形態のように、上皿通路3261と下皿通路3262との間に満タン検知センサ59を配設する形態において、下皿通路3262の側壁の一部を形成するように満タン検知センサ59のレバー部材502を配設する場合でも、レバー部材502は、上流側部分が軸501により軸支され、下皿通路262側またはその逆側へ向けて揺動可能とされるので、例えば、レバー部材502の下流側部分が軸支される場合や、レバー部材502をスライド移動させる構造とする場合と比較して、遊技球をスムーズに流下させつつ、下皿通路262に貯留された遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。
また、本実施の形態においても、例えば、上流側部分を軸501に軸支させる構造上、レバー部材502を重力により垂下させる(即ち、付勢部材503を省略する)構成も考えられるが、レバー部材502を下皿通路3262側へ向けて付勢する付勢部材503を備えることで、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材504が作動される或いは作動が解除されることを抑制できる。
付勢部材503の付勢力は、第1実施の形態の場合と同様に、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間に、複数個(8個)の遊技球が貯留された場合に、レバー部材502を付勢部材503の付勢力に抗してスイッチ部材504側へ揺動させ、スイッチ部材504を作動させる大きさに設定される。よって、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材504が作動される或いは作動が解除されることを抑制できるので、検出精度の向上を図ることができる。
なお、レバー部材502がスイッチ部材504を作動させる位置まで揺動されると、第2分流側壁292に対して、レバー部材502の案内面502aが略平行となり、それら第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間に、2個の遊技球が並列に配置可能となる。即ち、対向面間隔が遊技球の直径の略2倍となる。
また、レバー部材502の案内面502aは、その長手方向寸法が遊技球の直径の略4倍とされる。よって、第1実施の形態の場合と同様に、所定数(8個)の遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502を揺動させる力として、レバー部材502の案内面502aに効率的に作用させることができるので、所定数の遊技球が貯留された際にレバー部材502を確実に揺動させることができ、その結果、スイッチ部材504を作動させる信頼性の向上を高めることができる。また、案内面502aが断面直線状に形成されるので、各遊技球の重量を、レバー部材502を揺動させるための力成分として有効に利用できる。
上皿33が満タンとなり、上皿通路261の上流側開口261aまで遊技球が貯留された状態で、払出装置224から遊技球が払い出されると、その払い出された遊技球は、分流通路263内で分流され、下皿通路3262の上流側開口3262aから下皿通路3262内へ流下される。下皿34が満タンになると、下皿通路3262内に遊技球が次第に貯留され、満タン検知センサ59に達する。
遊技球が更に払い出され、満タン検知センサ59のレバー部材502と第2分流側壁292との間に所定数(8個)の遊技球が貯留されると、その遊技球の重量により押圧されたレバー部材502が、下皿通路3262とは逆側(スイッチ部材504側)へ向けて揺動され、スイッチ部材504を作動させる。これにより、後述するように、第1満タンカウンタの加算処理が行われ、この検知状態が約0.5secに亘って継続した場合に、下皿34が満タンであると判定される。
下皿通路3262の上流側開口3262aには、上皿通路261の上流側開口261aに連なると共に下流側へ向けて下降傾斜する上流側壁3281が設けられている。よって、上皿通路261内が満タンとなり、払出装置224から払い出された遊技球が、上皿通路261側から下皿通路3262の上流側開口3262aへ流下する場合には、上流側壁3281の下降傾斜を利用して、遊技球をスムーズに流下させることができる。即ち、第3実施の形態では、上流側壁3281が、第1実施の形態における第3上流側壁283と同じ機能を有する。
この場合、上流側壁3281は、その案内面(内壁面)が断面直線状に形成されると共に、その直線が下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、下皿通路3262の上流側開口263aから流下する遊技球を、上流側壁3281によりその上流側壁281の下降傾斜方向へ案内することができる。よって、流下する遊技球がレバー部材502に衝突することを抑制して、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。
特に、上流側壁3281の傾斜角度は、レバー部材502の傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度に設定される。即ち、レバー部材502の案内面502aは、上流側壁3281の案内面(内壁面)をその下降傾斜方向へ延長した延長線よりも下方に位置する。よって、上流側壁3281の案内面に沿って遊技球を転動させることで、上流側壁3281の下降傾斜方向へ遊技球を案内して、流下する遊技球をより確実にレバー部材502に衝突し難くすることができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動をより確実に抑制できる。
また、第3上流側壁3283は、その案内面(内壁面)が断面直線状に形成されると共に、その直線の延長線上に上流側壁3281が位置するので、上皿通路261側から下皿通路262の上流側開口262aへ流下する遊技球であって、第3上流側壁3283に達した遊技球を、第3上流側壁3283により上流側壁3281へ案内することができる。よって、流下する遊技球がレバー部材502に直接衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。更に、第3上流側壁3283から上流側壁3281へ遊技球が案内されると、次いで、その遊技球を上流側壁3281の案内面(内壁面)に沿ってその下降傾斜方向へ案内する(転動させる)ことができるので、上述したように、上流側壁3281の傾斜角度がレバー部材502の傾斜角度よりも緩やかとされる効果を利用して、流下する遊技球がレバー部材502に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。
上述したように、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔は、少なくともレバー部材502が図40に示す初期位置にある状態では、2個の遊技球の直径の和よりも小さい。一方、レバー部材502が所定数(8個)の遊技球に押圧され、スイッチ部材504を作動させる作動位置まで揺動された状態では、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔が、2個の遊技球の直径の和と同等となるように設定される。
このように、本実施の形態においても、第1実施の形態の場合と同様に、初期位置では、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔を2個の遊技球の直径の和よりも狭くしておくことで、所定数(8個)の遊技球が貯留される過程において、レバー部材502を確実に揺動させて、検出精度の向上を図ることができる。一方、作動位置(所定数(8個)の遊技球がレバー部材502と第2分流側壁292との間に貯留された状態)では、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間に2個の遊技球が並列に同じ高さ位置で収まるので、遊技球が千鳥状に貯留される場合と比較して、貯留された遊技球の郡の高さを抑制して、スペース効率の向上を図ることができる。
この場合、レバー部材502は、付勢部材503の付勢力に抗してスイッチ部材504側へ揺動されスイッチ部材504を作動させ、作動位置(所定数(8個)の遊技球がレバー部材502と第2分流側壁292との間に貯留された状態)に配置された後、更にスイッチ部材504側への可動域を備えるので、遊技球が第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間で付勢部材503の付勢力によりバランスして球詰まりが発生することを抑制することができる。即ち、遊技球が第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間で付勢部材503の付勢力によりバランスしたとしても、レバー部材502が更にスイッチ部材504側(付勢部材503の付勢力に抗する側)への可動域を備えることで、例えば、それらバランスした遊技球へ向けて他の遊技球が流下することをきっかけとして、レバー部材503をスイッチ部材504側へ揺動させ、バランスを解除することができる。
下皿通路3262は、上流側壁3281と第2上流側壁3282とが略平行とされ、それら両側壁3281,3282の間の対向面間隔が、通路方向に沿って略一定とされると共に、その対向面間隔は、作動位置にあるレバー部材502の案内面502aと第2分流側壁292との間の対向面間隔と略同一とされる。
よって、レバー部材502の案内面502aと第2分流側壁292との対向面に所定数(8個)の遊技球が貯留され、スイッチ部材504が作動されてから(満タン検知センサ59が所定数の遊技球の存在を検出して検出状態となってから)、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(8個)が、上流側壁3281と第2上流側壁3282との間に更に貯留され、その後、下皿33から遊技球が排出されることで、かかる区間(上流側壁3281及びレバー部材502と第2上流側壁3282及び第2分流側壁292との間)を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを回避することができる。
ここで、満タン検知センサ59の配設位置は、上述したように、スイッチ部材504が作動されてから、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(8個)を、少なくとも下皿通路3262の上流側開口3262aよりも下方に貯留可能な位置とされる。これにより、下皿通路3262と上皿通路3261との両通路に接続され通路幅が広くなる分流通路263まで遊技球が貯留されることを回避できる。よって、下皿34からの遊技球の排出に伴って、下皿通路3262に貯留された遊技球が流下する場合に、通路幅が広い分流通路263に貯留された遊技球が、分流通路263よりも通路幅の狭い下皿通路3262に流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避できる。
詳細には、満タン検知センサ59の配設位置は、スイッチ部材504が作動されてから、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(8個)を、下皿通路3262の第3上流側壁3283の下流端(即ち、第3上流側壁3283と第2上流側壁3282との接続部)よりも下方に貯留可能な位置とされる。これにより、下皿34からの遊技球の排出に伴って、下皿通路3262に貯留された遊技球が流下する場合に、通路幅が広い上流側壁3281及び第3上流側壁3283の間に貯留された遊技球が、それら上流側壁3281及び第3上流側壁3283の間の通路幅よりも通路幅の狭い上流側壁3281及び第2上流側壁3282の間の通路を流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記第1から第3実施の形態において、満タン検知センサを遊技領域PEの下端よりも上方とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の位置を基準とすることは当然可能である。他の基準位置としては、例えば、遊技盤80の下端やアウト口の下端が例示される。
上記第1から第3実施の形態では、上皿33と下皿34とが上下に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら上皿33と下皿34とが左右にずれて配置されることは当然可能である。即ち、上皿33に対し、下皿34が斜め右下(又は斜め左下)に配置されても良い。或いは、上皿33と下皿34とが同じ高さ位置において左右に並設されても良い。
上記第1から第3実施の形態では、満タン用処理(図30)において、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力している場合に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力しなくなると、第1満タンカウンタエリアを「0」クリアすると共に、第2満タンカウンタエリアに約2msec周期で1加算する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力している場合に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力しなくなっても、第1満タンカウンタエリアを「0」クリアせず(即ち、第1満タンカウンタエリアの値を維持しつつ)、第2満タンカウンタエリアに約2msec周期で1加算するように構成しても良い。
同様に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力していない場合に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力すると、第2満タンカウンタエリアを「0」クリアすると共に、第1満タンカウンタエリアに約2msec周期で1加算する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力していない場合に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力しても、第2満タンカウンタエリアを「0」クリアせず(即ち、第2満タンカウンタエリアの値を維持しつつ)、第1満タンカウンタエリアに約2msec周期で1加算するように構成しても良い。
上記第1実施の形態から第3実施の形態では、払出制御基板322のRAM333の満タンカウンタエリア371に第1満タンカウンタエリアと第2満タンカウンタエリアとを設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら第1満タンカウンタエリアと第2満タンカウンタエリアとを1のカウンタエリアとして構成しても良い。
即ち、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力している期間を計測するためのカウンタとして、第1満タンカウンタエリアを設け、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない期間を計測するためのカウンタとして、第2満タンカウンタエリアを設けたが、これら各期間をそれぞれ別のカウンタにより計測するのではなく、両期間を1のカウンタ(以下「第3カウンタエリア」と称す)により計測するように構成しても良い。
この場合には、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力している期間は、第3カウンタエリアに約2msec周期で1加算する一方、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない期間は、第3カウンタエリアから約2msec周期で1減算する。これにより、満タン検知センサ59が検出状態にある期間および検出状態にない期間を適正に計測して、下皿34が満タンとなっているか否かの判定精度を高めることができる。
なお、満タン用処理(図30)の処理においては、S1602及びS1605の処理を、第3カウンタエリアから1減算する処理に置き換え、S1609及びS1610の処理を、第3カウンタエリアに1加算する処理に置き換えれば良い。また、S1606の処理では、1000であるかを判断する対象を、第2満タンカウンタエリアから第3カウンタエリアに置き換え、S1612及びS1615の処理では、250及び1000であるかを判断する対象を、第1満タンカウンタエリアから第3カウンタエリアに置き換えれば良い。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、遊技に伴い遊技球を払い出す払出装置と、その払出装置から払い出される遊技球を貯留する第1皿と、その第1皿で余剰となった遊技球を貯留する第2皿と、前記第1皿に遊技球を流下させる第1通路と、前記第2皿に遊技球を流下させる第2通路と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記第1通路へ流下させると共に第1通路内に遊技球が貯留された場合に払出装置から払い出された遊技球を前記第2通路へ流下させる分流通路と、前記第2通路の中途に配設されその配設箇所における遊技球により検出状態とされる検出センサと、その検出センサの検出結果に基づいて前記第2皿が満タンになったかを判定する判定手段と、その判定手段により前記第2皿が満タンであると判定された場合に前記払出装置からの遊技球の払い出しを停止させる停止手段と、を備えた遊技機において、前記判定手段は、前記検出センサが検出状態となってから少なくとも所定の期間の経過後に、前記第2皿が満タンであると判定し、前記検出センサの配設位置は、前記遊技領域の下端よりも上方であって、かつ、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を少なくとも前記第2通路および分流通路に貯留可能な位置とされることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、検出センサの配設位置が遊技領域の下端よりも上方とされるので、かかる検出センサの配設スペースを確保し易くでき、その分、第2通路を配設する際の自由度が制限されることを抑制できる。その結果、遊技領域を拡大することができる。一方で、このように検出センサを遊技領域の下端よりも上方に配設すると、検出センサから払出装置までの距離を十分に確保することが困難となるが、検出センサの配設位置が、検出センサが検出状態となってから判定手段により第2皿が満タンであると判定されるまでの間に払出装置から払い出される遊技球を少なくとも第2通路および分流通路に貯留可能な位置とされるので、払出装置の破損を防止できる。
遊技機1において、前記検出センサの配設位置は、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を、前記第2通路内に貯留可能な位置とされることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、遊技機1の奏する効果に加え、検出センサの配設位置は、検出センサが検出状態となってから判定手段により第2皿が満タンであると判定されるまでの間に払出装置から払い出される遊技球を、第2通路内に貯留可能な位置とされるので、第2通路と第1通路との両通路に接続され通路幅が広くなる分流通路まで遊技球が貯留されることを回避できる。よって、第2通路から玉箱等への遊技球の排出に伴って、通路幅が広い分流通路に貯留された遊技球が、分流通路よりも通路幅の狭い第2通路に流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避することができるという効果がある。
遊技機1又は2において、前記検出センサは、前記第2通路の側壁の一部を形成すると共に上流側部分が軸支され前記第2通路側またはその逆側へ向けて揺動可能に形成されるレバー部材と、前記レバー部材を前記第2通路側へ向けて付勢する付勢部材と、その付勢部材の付勢力に抗して前記レバー部材が前記逆方向へ揺動されることで作動されるスイッチ部材とを備えることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、遊技機1又は2の奏する効果に加え、第2通路の側壁の一部を形成するようにレバー部材を配設する必要がある場合でも、レバー部材は、上流側部分が軸支され第2通路側またはその逆側へ向けて揺動可能とされるので、例えば、レバー部材の下流側部分が軸支される場合や、レバー部材をスライド移動させる構造の場合と比較して、遊技球をスムーズに流下させつつ、第2通路に貯留された遊技球によりレバー部材を揺動し易くして、スイッチ部材を確実に作動させることができる。また、例えば、レバー部材を重力により垂下させる(即ち、付勢部材を省略する)構成も考えられるが、レバー部材を第2通路側へ向けて付勢する付勢部材を備えることで、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材が作動される或いは作動が解除されることを抑制できる。
遊技機3において、前記第2通路は、前記レバー部材に対面する側壁である対面側壁を備え、その対面側壁と前記レバー部材との間の対向面間隔が、少なくとも前記レバー部材が初期位置にある状態では、下流側ほど小さくされることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、遊技機3の奏する効果に加え、対面側壁とレバー部材との間の対向面間隔が、少なくともレバー部材が初期位置にある状態では、下流側ほど小さくされるので、第2通路の側壁の一部を形成するようにレバー部材を配設する必要がある場合でも、第2通路に貯留された遊技球によりレバー部材を揺動し易くして、スイッチ部材を確実に作動させることができる。
遊技機4において、前記対面側壁は、鉛直方向に延設され、前記レバー部材は、前記対面側壁に対面する断面直線状の案内面を備えると共に、そのレバー部材の初期位置は、下流側部分ほど前記対面側壁に前記案内面が近接する傾斜状態とされることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、遊技機4の奏する効果に加え、対面側壁が鉛直方向に延設されると共に、レバー部材の初期位置が下流側部分ほど対面側壁に案内面が近接する傾斜状態とされることで、対面側壁とレバー部材の案内面との間の対向面間隔が、レバー部材が初期位置にある状態で、下流側ほど小さくされるので、第2通路に貯留された遊技球によりレバー部材を揺動し易くして、スイッチ部材を確実に作動させることができる。即ち、レバー部材の案内面が傾斜状態とされることで、レバー部材の案内面に作用する遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材を揺動させる力として利用できるので、レバー部材を効率的に揺動させることができる。
遊技機3から5のいずれかにおいて、前記第2通路は、前記レバー部材の上流側に連なる上流側壁を備え、前記レバー部材は、前記付勢部材の付勢力により前記第2通路側へ向けて揺動される場合に、そのレバー部材の上流側部分が前記第2通路の上流側壁に当接されることで、前記揺動が規制され、前記初期位置に保持されることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、遊技機3から5のいずれかの奏する効果に加え、上流側壁がレバー部材の上流側に連なるので、レバー部材の上流側に段差が形成されず、遊技球をスムーズに流下させることができる。この場合、付勢部材に付勢されたレバー部材は、その上流側部分が上流側壁に当接されることで、揺動が規制され、初期位置に保持される。即ち、上流側壁が、レバー部材を初期位置に保持するための部材も兼用し、レバー部材を初期位置に保持するための部材を別途設けることを不要とできるので、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機3から6のいずれかにおいて、前記付勢部材の付勢力は、前記対面側壁とレバー部材との間に少なくとも2個以上の遊技球が貯留された場合に、前記付勢部材の付勢力に抗して前記レバー部材が前記逆方向へ揺動され前記スイッチ部材を作動させる大きさに設定されることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、遊技機3から6のいずれかの奏する効果に加え、付勢部材の付勢力は、対面側壁とレバー部材との間に少なくとも2個以上の遊技球が貯留された場合に、付勢部材の付勢力に抗してレバー部材が逆方向へ揺動されスイッチ部材を作動させる大きさに設定されるので、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材が作動される或いは作動が解除されることを抑制して、検出精度の向上を図ることができる。
遊技機7において、前記レバー部材は、前記対面側壁に対面する断面直線状の案内面を備え、前記スイッチ部材を作動させるために必要とされる数の遊技球が対面側壁と案内面との間に貯留されるように、前記案内面の長さが設定されることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、遊技機7の奏する効果に加え、スイッチ部材を作動させるために必要とされる数の遊技球が対面側壁と案内面との間に貯留されるように、案内面の長さが設定されるので、遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材を揺動させる力として、レバー部材の案内面に効率的に作用させることができる。よって、所定数の遊技球が貯留された際にレバー部材を確実に揺動させることができ、その結果、スイッチ部材を作動させる信頼性の向上を高めることができる。また、案内面が断面直線状に形成されるので、各遊技球の重量を、レバー部材を揺動させるための力成分として有効に利用できる。なお、案内面の長さは、スイッチ部材を作動させるために必要とされる数の遊技球の内の最下方の遊技球の最外径部から最上方の遊技球の最外径部までが、案内面に対応する領域に収まれば足りる趣旨である。
遊技機3から8のいずれかにおいて、前記第1通路と第2通路とが並設されると共に、前記第2通路を挟んで前記第1通路と反対側に前記検出センサが配設されることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、遊技機3から8のいずれかの奏する効果に加え、第1通路と第2通路とが並設されるので、これら両通路を区画する側壁を共通化して、部品点数の削減を図ることができる。その結果、製品コストの削減を図ることができる。また、第2通路を挟んで第1通路と反対側に検出センサが配設されるので、第2通路と第1通路との間に検出センサを配設する場合と比較して、構造を簡素化することができ、その結果、検出センサの大きさの自由度および両通路の取り回しの自由度を確保することができる。
遊技機3から9のいずれかにおいて、前記第2通路は、前記レバー部材の上流側に連なると共に下流側へ向けて下降傾斜して形成される上流側壁を備えることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、遊技機3から9のいずれかの奏する効果に加え、レバー部材の上流側に連なる上流側壁が、下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、上流側壁により下降傾斜方向へ遊技球を案内して、流下する遊技球がレバー部材に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。
遊技機10において、前記レバー部材は、少なくとも初期位置にある状態では、下流側へ向けて下降傾斜されており、前記上流側壁の傾斜角度が前記レバー部材の傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度に設定されることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、遊技機10の奏する効果に加え、少なくとも初期位置ではレバー部材が下流側へ向けて下降傾斜されており、そのレバー部材の傾斜角度よりも上流側壁の傾斜角度が緩やかな傾斜角度に設定されるので、上流側壁により下降傾斜方向へ案内された遊技球を、より確実にレバー部材に衝突し難くすることができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。
遊技機3から11のいずれかにおいて、前記第2通路は、前記レバー部材に対面する側壁である対面側壁を備え、その対面側壁と前記レバー部材との間の対向面間隔が、少なくとも前記レバー部材が初期位置にある状態では、n個の遊技球の直径の和よりも小さく、かつ、前記レバー部材が前記スイッチ部材を作動させる状態では、n個の遊技球の直径の和と同等となるように設定されることを特徴とする遊技機12。
遊技機12によれば、遊技機3から11のいずれかの奏する効果に加え、対面側壁と前記レバー部材との間の対向面間隔が、少なくともレバー部材が初期位置にある状態では、n個の遊技球の直径の和よりも小さく、かつ、レバー部材がスイッチ部材を作動させる状態では、n個の遊技球の直径の和と同等となるように設定されるので、検出精度の向上を図りつつ、スペース効率の向上も図ることができる。即ち、対向側壁とレバー部材との間の対向面間隔を狭くしておくことで、所定数の遊技球が貯留される過程において、レバー部材を確実に揺動させて、検出精度の向上を図ることができる一方、所定数の遊技球が貯留された状態では、対面側壁とレバー部材との間に遊技球が並列に同じ高さ位置で収まるので、遊技球が千鳥状に貯留される場合と比較して、貯留された遊技球の郡の高さを抑制して、スペース効率の向上を図ることができる。なお、nは1以上の自然数とする。
遊技機3から12のいずれかにおいて、前記レバー部材は、前記付勢部材の付勢力に抗して前記逆方向へ揺動され前記スイッチ部材を作動させた後に、更に前記逆方向への可動域を備えることを特徴とする遊技機13。
遊技機13によれば、遊技機3から12のいずれかの奏する効果に加え、レバー部材は、付勢部材の付勢力に抗して逆方向へ揺動されスイッチ部材を作動させた後に、更に逆方向への可動域を備えるので、遊技球が対面側壁とレバー部材との間でバランスして球詰まりが発生することを抑制することができる。即ち、遊技球が対面側壁とレバー部材との間で付勢部材の付勢力によりバランスしたとしても、レバー部材が更に逆方向への可動域を備えることで、例えば、それらバランスした遊技球へ向けて他の遊技球が流下することをきっかけとして、レバー部材を逆方向へ揺動させ、バランスを解除することができる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記検出センサの配設位置は、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を、前記第2通路の上流側開口よりも下方に貯留可能な位置とされ、前記第2通路は、前記遊技球が貯留される上限位置から前記検出センサまでの区間の通路幅が略一定とされることを特徴とする遊技機14。
遊技機14によれば、遊技機1から13のいずれかの奏する効果に加え、検出センサの配設位置は、検出センサが検出状態となってから判定手段により第2皿が満タンであると判定されるまでの間に払出装置から払い出される遊技球を、第2通路の上流側開口よりも下方に貯留可能な位置とされるので、第2通路と第1通路との両通路に接続され通路幅が広くなる分流通路まで遊技球が貯留されることを回避できる。よって、第2通路から玉箱等への遊技球の排出に伴って、通路幅が広い分流通路に貯留された遊技球が、分流通路よりも通路幅の狭い第2通路に流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避することができる。更に、第2通路は、遊技球が貯留される上限位置から検出センサまでの区間の通路幅が略一定とされるので、かかる区間を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを抑制することができる。
遊技機3から14のいずれかにおいて、前記レバー部材は、少なくとも初期位置にある状態では、下流側へ向けて下降傾斜されており、前記第2通路は、前記レバー部材の上流側に連なると共に下流側へ向けて下降傾斜して形成される上流側壁と、その上流側壁と同じ方向に傾斜しつつ対面する第2上流側壁と、を備えることを特徴とする遊技機15。
遊技機15によれば、遊技機3から14のいずれかの奏する効果に加え、レバー部材の上流側に連なる上流側壁が、下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、上流側壁により下降傾斜方向へ遊技球を案内して、流下する遊技球がレバー部材に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。また、第2上流側壁が上流側壁と同じ方向に傾斜しつつ対面するので、上流側壁および第2上流側壁が対面する区間の通路幅を略一定とすることができる。よって、かかる区間を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを回避することができる。
遊技機15において、前記第1通路と第2通路とが並設されると共に、前記第2通路を挟んで前記第1通路と反対側に前記検出センサが配設され、前記第2通路は、前記第2上流側壁の上流側に位置すると共に前記上流側開口に連なり、下流側へ向けて下降傾斜して形成される第3上流側壁を備えることを特徴とする遊技機16。
遊技機16によれば、遊技機15の奏する効果に加え、第2上流側壁の上流側に位置し上流側開口に連なる第3上流側壁が、下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、第1通路内が満タンとなったことに伴って、遊技球を第2通路の上流側開口へ流下させる場合には、第3上流側壁の下降傾斜を利用して、遊技球をスムーズに流下させることができる。
遊技機16において、前記第3上流側壁は、断面直線状に形成されると共に、その直線の延長線上に前記上流側壁が位置することを特徴とする遊技機17。
遊技機17によれば、遊技機16の奏する効果に加え、第3上流側壁が、断面直線状に形成されると共に、その直線の延長線上に上流側壁が位置するので、第1通路側から第2通路の上流側開口へ流下する遊技球を、第3上流側壁により上流側壁へ案内することができ、流下する遊技球がレバー部材に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。更に、第3上流側壁から上流側壁へ遊技球が案内されると、次いで、その遊技球を上流側壁の下降傾斜方向へ案内することができるので、かかる遊技球がレバー部材に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。
遊技機16又は17において、前記第2通路は、前記第3上流側壁に対面する側壁である第4対面側壁を備え、その第4対面側壁が鉛直に延設されることを特徴とする遊技機18。
遊技機18によれば、遊技機16又は17の奏する効果に加え、第3上流側壁に対面する側壁である第4対面側壁が鉛直に延設されるので、例えば、第3上流側壁と平行に傾斜させるような場合と比較して、構造を簡素化することができるので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機18において、前記検出センサの配設位置は、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を、前記第2通路の第3上流側壁の下流端よりも下方に貯留可能な位置とされることを特徴とする遊技機19。
遊技機19によれば、遊技機18の奏する効果に加え、第4対面側壁を鉛直に延設することで、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる一方で、第3上流側壁と第4対面側壁との間の通路幅が略一定とはならない(上流側ほど通路幅が広くなる)ため、貯留された遊技球が流下する際には、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生する。これに対し、遊技機19では、第2通路に遊技球が貯留される上限位置が、第3上流側壁の下流端よりも下方とされるので、流下する遊技球が、通路幅が窄まる箇所を通過することを回避して、球詰まりの発生を抑制することができる。
遊技機1から19のいずれかにおいて、前記検出センサの検出状態をカウント値によって記憶するタイマ手段と、定期的に実行され、前記検出センサのスイッチ部材が前記レバー部材により作動されている場合に前記タイマ手段の値に固定値を加算する一方、前記スイッチ部材が前記レバー部材により作動されていない場合には前記タイマ手段の値を維持する更新手段と、を備え、前記判定手段は、前記更新手段による加算の結果、前記タイマ手段の値が第1の所定値に達した場合に、前記第2皿が満タンになったと判定することを特徴とする遊技機20。
遊技機20によれば、遊技機1から19のいずれかの奏する効果に加え、検出センサのスイッチ部材がレバー部材により作動されている場合にタイマ手段の値に固定値を加算する一方、スイッチ部材がレバー部材により作動されていない場合にはタイマ手段の値を維持し、タイマ手段の値が第1の所定値に達した場合に、第2皿が満タンになったと判定するので、例えば、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材が誤作動される或いは作動が誤解除される場合でも、第2皿が満タンか否かの判定の精度を確保することができる。
遊技機20において、遊技を制御する主制御手段と、その主制御手段からの指示に基づいて前記払出装置を制御すると共に前記判定手段および停止手段を有する払出制御手段と、を備え、前記判定手段は、電源投入時には、前記タイマ手段の値が第2の所定値に達した場合に、前記第2皿が満タンになったと判定し、前記更新手段により前記タイマ手段の値が初期値から前記第2の所定値まで更新されるのに要する時間が、前記主制御手段が電源投入時に立ち上がるまでの時間よりも長くされることを特徴とする遊技機21。
遊技機21によれば、遊技機20の奏する効果に加え、電源投入時には、タイマ手段の値が第2の所定値に達した場合に、第2皿が満タンになったと判定手段により判定され、そのタイマ手段の値が初期値から第2の所定値まで更新されるのに要する時間が、主制御手段が電源投入時に立ち上がるまでの時間よりも長くされるので、主制御手段の立ち上がりを待って、払出制御手段による払出装置の制御を行うことができる。よって、電源投入時において、第2皿が満タンになっている場合に、主制御手段からの指示に基づいて払出装置を払出制御手段により適切に制御することができる。
遊技機21において、前記更新手段により前記タイマ手段の値が初期値から前記第1の所定値まで更新されるのに要する時間が、前記主制御手段が電源投入時に立ち上がるまでの時間よりも短くされることを特徴とする遊技機22。
遊技機22によれば、遊技機21の奏する効果に加え、更新手段によりタイマ手段の値が初期値から第1の所定値まで更新されるのに要する時間が、主制御手段が電源投入時に立ち上がるまでの時間よりも短くされるので、電源投入時ではない状態において、検出センサが検出状態となってから判定手段により第2皿が満タンであると判定されるまでの間(即ち、タイマ手段の値が初期値から第1の所定値まで更新されるのに要する時間)に払出装置から払い出される遊技球を必要最小限とすることができる。その結果、第2通路の必要長さを必要最小限として、その配設の自由度を高めることができる。
遊技機1から19のいずれかにおいて、遊技を制御する主制御手段と、その主制御手段からの指示に基づいて前記払出装置を制御すると共に前記判定手段および停止手段を有する払出制御手段と、を備え、前記払出制御手段は、電源投入時には、前記主制御手段が立ち上がるまでの間、前記第2皿が満タンになったと前記判定手段が判定することを禁止する手段を備えることを特徴とする遊技機23。
遊技機23によれば、遊技機1から19のいずれかの奏する効果に加え、払出制御手段は、電源投入時には、主制御手段が立ち上がるまでの間、第2皿が満タンになったと判定手段が判定することを禁止する手段を備えるので、主制御手段の立ち上がりを待って、払出制御手段による払出装置の制御を行うことができる。よって、電源投入時において、第2皿が満タンになっている場合に、主制御手段からの指示に基づいて払出装置を払出制御手段により適切に制御することができる。
10 パチンコ機(遊技機)
80 遊技盤
PE 遊技領域
33 上皿(第1皿)
34 下皿(第2皿)
224 払出装置
261 上皿通路(第1通路)
261a,3261a 上皿通路の上流側開口
262 下皿通路(第2通路)
262a,3262a 上皿通路の上流側開口
263 分流通路
272 第2鉛直側壁(対面側壁)
281,2281,3281 上流側壁
282,3282 第2上流側壁
283,3283 第3上流側壁
2284 対面傾斜側壁(対面側壁)
292 第2分流側壁(対面側壁、第4対面側壁)
59 満タン検知センサ(検出センサ)
502 レバー部材
502a 案内面
503 付勢部材
504 スイッチ部材
本発明は、パチンコ機等に代表される遊技機に関するものである。
遊技球を使用して遊技を行う遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機は、いわゆる特別遊技状態という大当たり状態が発生すると、短時間に多量の賞球が払い出される場合がある。払い出された賞球は、上皿および下皿に貯留される。
大当たり状態が発生し、多量の賞球が短時間に払い出される場合、上皿および下皿に貯留された遊技球を球箱等に排出しなければ、上皿および下皿に対して賞球を払い出せなくなるため、払出装置が故障するという深刻な事態を招く。
従って、下皿が満タンになったことを検出する検出センサが払出通路の中途に設けられており、この検出センサがオンされると、払出装置の動作を停止させ、それ以上の賞球の払い出しが行われないようにすると共に、下皿から遊技球を球箱等へ排出するように、音声や表示装置への表示により報知するものが一般的である。
特開2003−180924号公報
しかしながら、上記のようなパチンコ機では、近年、遊技領域の拡大が要請されているが、遊技領域の拡大は、検出センサを、従来のように、下皿の近傍に設けることを困難とさせ、検出センサの配設位置を払出装置に近づかせるため、両者の間の距離が短くなる。そのため、下皿が満タンであるかの判定精度を確保することが困難となり、それに伴う不具合が発生するおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技領域を拡大しつつ、下皿の満タン状態を好適に検出することができると共に、それに伴う不具合等が発生することを抑制することができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、遊技に伴い遊技球を払い出す払出装置と、その払出装置から払い出される遊技球を貯留する第1皿と、その第1皿で余剰となった遊技球を貯留する第2皿と、前記第1皿に遊技球を流下させる第1通路と、前記第2皿に遊技球を流下させる第2通路と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記第1通路へ流下させると共に第1通路内に遊技球が貯留された場合に払出装置から払い出された遊技球を前記第2通路へ流下させる分流通路と、前記第2通路の中途に配設されその配設箇所における遊技球により検出状態とされる検出センサと、その検出センサの検出結果に基づいて前記第2皿が満タンになったかを判定する判定手段と、その判定手段により前記第2皿が満タンであると判定された場合に前記払出装置からの遊技球の払い出しを停止させる停止手段と、を備えたものであり、前記判定手段は、前記検出センサが検出状態となってから少なくとも所定の期間の経過後に、前記第2皿が満タンであると判定し、前記検出センサの配設位置は、前記遊技領域の下端よりも上方であって、かつ、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を少なくとも前記第2通路および分流通路に貯留可能な位置とされる。
本発明によれば、遊技領域を拡大しつつ、下皿の満タン状態を好適に検出することができると共に、それに伴う不具合等が発生することを抑制することができる。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 内枠の背面図である。 裏パックユニットの正面図である。 ベース部における払出通路及び遊技球分配部を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。 満タン検知センサの動作を説明するためのベース部の断面図である。 満タン検知センサの動作を説明するためのベース部の断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御基板のCPUによるNMI割込み処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技球の払出に関する電気的構成を示すブロック図である。 第1入力ポートの構成を説明するための説明図である。 (a)は賞球用カウンタエリアを説明するための説明図であり、(b)はコマンド記憶エリアを説明するための説明図である。 (a)は賞球数記憶エリアを説明するための説明図であり、(b)は貸球数記憶エリアを説明するための説明図であり、(c)は払出個数カウンタエリアを説明するための説明図であり、(d)は賞球テーブル記憶エリアを説明するための説明図である。 主制御基板のCPUによる読み込み処理を示すフローチャートである。 読み込み処理の処理内容を説明するための説明図である。 情報判定処理を示すフローチャートである。 入力状態監視処理を示すフローチャートである。 前扉枠開放信号監視処理を示すフローチャートである。 賞球許可信号監視処理を示すフローチャートである。 払出用出力処理を示すフローチャートである。 賞球コマンド出力処理を示すフローチャートである。 払出制御基板のCPUによるメイン処理を示すフローチャートである。 入力時割込み処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 満タン用処理を示すフローチャートである。 球無用処理を示すフローチャートである。 賞球設定処理を示すフローチャートである。 貸球設定処理を示すフローチャートである。 払出個数設定処理を示すフローチャートである。 払出制御処理を示すフローチャートである。 払出状態設定処理を示すフローチャートである。 賞球許可信号設定処理を示すフローチャートである。 賞球許可信号に対する賞球コマンドの出力の様子を説明するためのタイムチャートである。 第2実施の形態における払出通路及び遊技球分配部を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。 第3実施の形態における払出通路及び遊技球分配部を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように前扉枠14は内枠13における前面側のほぼ全域を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述するPEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、上方が円弧状に湾曲し、下方が下窄まりの台形形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。
より詳しくは、前扉枠14は、窓部21を囲むようにして設けられたガラスホルダ27を有している。ガラスホルダ27は、前扉枠14の背面から後方に張り出しており、窓部21の左右の縁部に沿って上下に延びる縦ホルダ部27a,27bとそれら両縦ホルダ部27a,27bの下端部を繋いで左右に延びる横ホルダ部27cとを有してなる。各ホルダ部27a〜27cには、前後に並設された2条の溝部が形成されている。縦ホルダ部27a,27bの溝部は上方及び互いに向き合う側(すなわち窓部21の中央側)に開放されており、横ホルダ部27cの溝部は、上方に開放されているとともに、両縦ホルダ部27a,27bの溝部に対して連なっており、それら各溝部に対してガラス22が嵌まることで、遊技領域PEが内外2重に覆われた状態となっている。
図1に示すように窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部24に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置224より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル40が設けられている。遊技球発射ハンドル40が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部225に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図2右側)には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図2の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤受け部材63が上下方向に複数並設されている。これら鉤受け部材63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図2の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部75が形成されている。遊技盤収容部75は、樹脂ベース70の背面側(後方)に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部75の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口、可変入賞装置、作動口、スルーゲート及び可変表示ユニット等がそれぞれ設けられている。一般入賞口、可変入賞装置及び作動口に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
可変入賞装置は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニットは遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に一対の作動口が配置されている。より詳しくは、作動口は、一方の作動口を上側、他方の作動口を下側として上下に並設されている。可変表示ユニット及び作動口は、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット及び作動口を遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
可変表示ユニットは、作動口への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置を備えている。図柄表示装置は、液晶ディスプレイ(表示画面)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面においては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。なお、表示画面における表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニットは、図柄表示装置を囲むようにして形成されたセンターフレームを備えている。センターフレームの上部には、第1特定ランプ部及び第2特定ランプ部が設けられている。また、センターフレームの上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部が設けられている。下側の保留ランプ部は、図柄表示装置及び第1特定ランプ部に対応しており、遊技球が作動口を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部は、第2特定ランプ部に対応しており、遊技球がスルーゲートを通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
ここで、樹脂ベース70における遊技盤収容部75の下方には、遊技球発射ハンドル40の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。より詳しくは、樹脂ベース70において遊技盤収容部75の下方には遊技球発射機構110を設置する発射機構設置部79が形成されている。なお、遊技球発射ハンドル40は、前扉枠14に設けられる。
発射機構設置部79に設置された遊技球発射機構110は、内枠13の回動先端寄りに位置している。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイドと、同ソレノイドによって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レールと、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送り機構と、それら各種構成が装着されているベースプレートとを主要な構成として備えており、同ベースプレートが樹脂ベース70に対してネジ止めされることで内枠13に対して一体化されている。
遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド)は、後述する電源及び発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源及び発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイドの出力軸が伸縮方向、すなわち発射レールのレール方向に移動し、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域PE、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域区画部材480と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール及び外レールからなり、それら両レールによって挟まれた領域によって遊技球の誘導通路が形成されている。誘導通路は、発射レールの先端側(内枠13の回動先端側)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイドの動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レールの先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レールは、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レールに沿って、すなわち外レールに接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
誘導レール100は、遊技球発射ハンドル40が遊技球を遊技領域PEに到達させることができる程度に操作された場合に、すなわち遊技球発射ハンドル40の操作量が第1の規定量を超えた場合に、発射レールから打ち出された遊技球が当該誘導レール100の入口部分104、詳しくは外レールにおいて発射レールの延長上に位置する特定部位に着地するように形成されている。
外レールは、その特定部位における接線の向きが発射レールのレール方向と略同一となるように形成されている。発射された遊技球の移動方向と、特定部位の接線方向を揃えることにより、遊技球の着地によって生じる衝撃を低減するとともに同遊技球の跳ね返りを抑え、誘導レール100によるそれら遊技球の円滑な誘導を可能としている。
なお、外レールは、当該外レールを遊技盤80に対して固定する固定手段として複数の固定ピンを備えている。固定ピンは外レールに沿って配設されており、それら固定ピンの間に上記特定部位が設定されている。これにより、特定部位での外レールの若干の撓み変形(弾性変形)を許容し、同特定部位に遊技球が着地した際の衝撃を低減することが可能となっている。
誘導レール100及び発射レールは、同誘導レール100の入口部分104と発射レールの先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100は、同誘導レール100の入口部分104(詳しくは特定部位)と発射レールの先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レールとの間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レールの左方には、樹脂ベース70を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有してなり、それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側下皿通路52が配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路からの遊技球の流出を規制するシャッタが設けられている。シャッタは、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース70によって支持されている。また、樹脂ベース70にはシャッタを阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタが阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタが許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図3は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図3の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース70の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
樹脂ベース70における遊技盤収容部75の底部分(後述する対向板部251)には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された中央開口76が形成されており、その中央開口76が遊技盤収容部75に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口76を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニットを遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース70の中央開口76を通じて同樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置と、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース70の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板324を具備しており、音声ランプ制御基板324が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口,可変入賞装置,上作動口,下作動口の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口に入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲートを通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図4に基づき裏パックユニット15について説明する。図4は裏パックユニット15の正面図である。
図4に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニットを囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板256が設けられている。外部端子板256には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214(図4では一方のみを図示)が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた払出通路226を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33又は下皿34に振り分けるための機能を有し、裏パック201の前面側の内側(図4左側)の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、外側(図4右側)の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板322が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板321が収容されており、当該基板321により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル40の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、図示しないRAM消去スイッチを押しながら電源スイッチ247を操作すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次いで、図5を参照して、下皿34の満タンを検出する機構について説明する。図5は、ベース部211における払出通路226及び遊技球分配部225を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。
図5に示すように、遊技球分配部225には、上皿通路261と、その上皿通路261に並設される下皿通路262と、それら上皿通路261及び下皿通路261の上流側開口261a,261bと払出通路226の下流側開口226aとの間を接続する分流通路263とが形成され、下皿通路262の中途には、満タン検知センサ59が配設される。
なお、遊技球分配部225は、その通路厚み(図5紙面垂直方向寸法)が一定寸法とされ、遊技球の直径よりも若干大きくされる。また、上皿通路261の下流側は、内枠13の本体側上皿通路を介して上皿33に通じ、下皿通路262の下流側は、内枠13の本体側下皿通路を介して下皿通路に通じている。
上皿通路261は、鉛直方向(図5上下方向)に延設される第1鉛直側壁271と、その第1鉛直側壁271に平行に延設される第2鉛直側壁272とにより、直線状の通路として形成される。なお、上皿通路261は、その通路幅(図5左右方向寸法)が遊技球の直径の2倍よりも若干大きく形成される。
第1鉛直側壁271の上流側には、円弧状に湾曲すると共にその円弧中心を上皿通路261側に有して形成される湾曲側壁273が連なる。第2鉛直側壁272の上流側には、下流側へ向けて下降傾斜して形成される傾斜側壁274が連なる。これら湾曲側壁273の上流側端部と傾斜側壁274の上流側端部との間に、上皿通路261の上流側開口261aが形成される。
払出通路226は、上皿通路261側へ向けて傾斜して形成されると共に、分流通路263の一方側(上皿通路261側)に偏って位置する。よって、湾曲側壁273及び傾斜側壁274の形状と合わさることで、払出通路226から流下する遊技球を、上皿通路261内へ確実に流下させることができると共に、上皿通路261の上流側開口261aまで遊技球が貯留された場合には、払出通路226から流下する遊技球を、下皿通路262内へスムーズに流下させることができる。
なお、湾曲側壁273の上流側には、鉛直方向(図5上下方向)に延設される第1分流側壁291が連なり、その第1分流側壁291の上流側には、払出通路226の一方(図5左側)の側壁が連なる。
下皿通路262は、逆S字状に湾曲する通路として形成される。即ち、下皿通路262は、一方(図5右側)の側壁が、満タン検知センサ59のレバー部材502と、そのレバー部材502の上流側に位置すると共に下流側へ向けて下降傾斜する上流側壁281と、その上流側壁281の上流側に連なり鉛直方向に延設される第2分流側壁292とから形成され、他方(図5左側)の側壁が、上述した第2鉛直側壁272と、その第2鉛直側壁272の中途から分岐すると共に上流側壁281に対して略平行を保ちつつ上流側へ向けて上昇傾斜する第2上流側壁282と、その第2上流側壁282の上流側を傾斜側壁274の上流側に接続すると共に下流側へ向けて下降傾斜する第3上流側壁283とから形成される。
なお、第3上流側壁283の上流側端部と第2分流側壁292との間に、下皿通路262の上流側開口262aが形成される。上流側壁281と第2上流側壁282との間の対向面間隔は、遊技球の直径の2倍よりも若干大きな寸法に設定される。また、第2分流側壁292は、払出通路226の下流側開口226aよりも上方となる位置まで鉛直に延設される。
分流通路263は、第1分流側壁291と第2分流側壁292とにより、直線状の通路として形成され、上皿通路261及び下皿通路262の上流側開口261a,262aを含んで形成される。よって、上皿通路261の上流側開口261aまで遊技球が貯留された場合には、払出通路226から流下する遊技球は下皿通路262へ分流され、下皿通路262内に貯留される。
満タン検知センサ59は、下皿通路262の中途に配設されその配設箇所における遊技球の有無を検出するためのセンサ装置であり、遊技領域PEの下端よりも上方(図5上側)に配置される。そのため、遊技領域PEが大型化し、また、各種制御基板が多数配設されたパチンコ機10においても、満タン検知センサ59の配設スペースを確保することができる。その結果、前扉側下皿通路52や遊技球分配部225を配設する際の自由度が制限されることを抑制できる。
一方で、このように満タン検知センサ59を遊技領域PEの下端よりも上方に配設すると、払出装置224までの距離を十分に確保することが困難となるが、本実施の形態では、満タン検知センサ59が遊技球の存在を検出してから(満タン検知センサ59が検出状態となってから)下皿33が満タンであると判定されるまでの間に払出装置224から払い出される遊技球を、少なくとも下皿通路262及び分流通路263内に貯留可能とされるので、払出装置224まで遊技球が達して、その払出モータ等が破損することを防止できる。
ここで、本実施の形態では、上皿通路261と下皿通路262とが並設されるので、これら両通路を区画する側壁(第2鉛直側壁272の下流側)を共通化して、部品点数の削減を図ることができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。この場合、下皿通路262を挟んで上皿通路261と反対側に満タン検知センサ59が配設されるので、下皿通路262と上皿通路261との間に満タン検知センサ59を配設する場合と比較して、構造を簡素化することができると共に、限られたスペースを有効に活用することができる。即ち、下皿通路262を逆S字状に形成する場合に、そのデッドスペースとなる箇所を有効に活用できる。
満タン検知センサ59は、軸501と、その軸501に軸支され下皿通路262側またはその逆側へ向けて揺動可能とされるレバー部材502と、そのレバー部材502を下皿通路262側へ向けて付勢する付勢部材503と、その付勢部材503の付勢力に抗してレバー部材502が下皿通路262の逆側へ揺動されることで作動されるスイッチ部材504とを備える。
レバー部材502は、下皿通路262の側壁の一部を形成する板状の基部と、その基部の上流側に位置すると共に基部に交差する方向へ延設され軸502により軸支される上流側部分とを備え、これら基部と上流側部分とから断面L字状に形成される。
なお、レバー部材502の基部は、下皿通路262側の面が断面直線状の平坦面(以下「案内面502a」と称す)として形成され、その案内面502aの幅(図5紙面垂直方向寸法)は、下皿通路262の通路厚み(図5紙面垂直方向寸法)よりも若干小さくされる。
レバー部材502は、案内面502aが第2鉛直側壁272に対面すると共に、図5に示す初期位置においては、下流側部分(軸501による軸支位置と反対側)ほど第2鉛直側壁272に案内面502aが近接する傾斜状態とされる。よって、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔が、図5に示す初期位置において、下流側ほど小さくされるので、下皿通路262に貯留された遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。即ち、レバー部材502の案内面502aが傾斜状態とされることで、レバー部材502の案内面502aに作用する遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502をスイッチ部材504側(図5右側)へ向けて揺動させる力として利用できるので(図6及び図7参照)、レバー部材502を効率的に揺動させることができる。
付勢部材503は、金属製のコイルスプリングとして形成され、レバー部材502における基部の裏面側(案内面502aの反対側の面)とバネ受け505との間に弾性的に圧縮変形された状態で装着される。よって、レバー部材502は、付勢部材503の弾性回復力により、軸501を揺動中心として、下皿通路262側へ向けて付勢される。
ここで、付勢部材503により付勢されたレバー部材502は、その基部の上流側の端面(図5上側面)が、上流側壁281の下流側の端面に当接されることで、下皿通路262側への揺動が規制され、図5に示す初期位置に保持される。
このように、レバー部材502の案内面502aを上流側壁281に連ねることができるので、レバー部材502の上流側(即ち、案内面502aと上流側壁281との間)に段差が形成されることを回避して、遊技球をスムーズに流下させることができる。
また、上流側壁281が、遊技球を案内する壁部としての役割だけでなく、レバー部材502を初期位置に保持するための部材としての役割も兼用することで、レバー部材502を初期位置に保持するための部材を別途設けることを不要とできる。よって、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
なお、付勢部材503は、レバー部材502の裏面側から突出する棒状の突出棒502bに一端側が外嵌されると共に、筒状に形成されたバネ受け505に他端側が内嵌される。これにより、付勢部材503の脱落が防止される。
このように、下皿通路262の側壁の一部を形成するように満タン検知センサ59のレバー部材502を配設する必要がある場合でも、レバー部材502は、上流側部分が軸501により軸支され、下皿通路262側またはその逆側へ向けて揺動可能とされるので、例えば、レバー部材502の下流側部分が軸支される場合や、レバー部材502をスライド移動させる構造とする場合と比較して、遊技球をスムーズに流下させつつ、下皿通路262に貯留された遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。また、例えば、上流側部分を軸501に軸支させる構造上、レバー部材502を重力により垂下させる(即ち、付勢部材503を省略する)構成も考えられるが、レバー部材502を下皿通路262側へ向けて付勢する付勢部材503を備えることで、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材504が作動される或いは作動が解除されることを抑制できる。
付勢部材503の付勢力は、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間に、複数個(本実施の形態では8個)の遊技球が貯留された場合に、レバー部材502を付勢部材503の付勢力に抗してスイッチ部材504側へ揺動させ、スイッチ部材504を作動させる大きさに設定される。よって、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材504が作動される或いは作動が解除されることを抑制できるので、検出精度の向上を図ることができる。
なお、レバー部材502がスイッチ部材504を作動させる位置まで揺動されると、第2鉛直側壁272に対して、レバー部材502の案内面502aが略平行となり、それら第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間に、2個の遊技球が並列に配置可能となる(図7参照)。即ち、対向面間隔が遊技球の直径の略2倍となる。
この場合、レバー部材502の案内面502aは、その長手方向寸法が遊技球の直径の略4倍とされる。即ち、レバー部材502は、付勢部材503の付勢力に抗して揺動する(スイッチ部材504を作動させる)ために必要とされる数(8個)の遊技球が、第2鉛直側壁272と案内面502aとの間に貯留されるように、その案内面502aの長手方向寸法が設定される。よって、所定数(8個)の遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502を揺動させる力として、レバー部材502の案内面502aに効率的に作用させることができるので、所定数の遊技球が貯留された際にレバー部材502を確実に揺動させることができ、その結果、スイッチ部材504を作動させる信頼性の向上を高めることができる。また、案内面502aが断面直線状に形成されるので、各遊技球の重量を、レバー部材502を揺動させるための力成分として有効に利用できる。
スイッチ部材504は、所定間隔を隔てつつ対向して配置される発光部と受光部とを備え(図5では受光部または発光部の一方のみを図示)、発光部からの光が、レバー部材502の裏面側から突出する遮光部502cにより遮られたことを、受光部で検出することによって、レバー部材502の位置を検出するフォトセンサとして構成される。
次いで、図6及び図7を参照して、満タン検知センサ59により下皿34の満タンを検出する動作について説明する。図6及び図7は、満タン検知センサ59の動作を説明するためのベース部211の断面図であり、図5の断面図に対応する。
図6に示すように、上皿33が満タンとなり、上皿通路261の上流側開口261aまで遊技球が貯留された状態で、払出装置224から遊技球が払い出されると、その払い出された遊技球は、分流通路263内で分流され、下皿通路262の上流側開口262aから下皿通路262内へ流下される。下皿34が満タンになると、下皿通路262内に遊技球が次第に貯留され、満タン検知センサ59に達する。
図6に示す状態から更に遊技球が払い出され、図7に示すように、満タン検知センサ59のレバー部材502と第2鉛直側壁272との間に所定数(本実施の形態では8個)の遊技球が貯留されると、その遊技球の重量により押圧されたレバー部材502が、下皿通路262とは逆側(スイッチ部材504側)へ向けて揺動され、スイッチ部材504を作動させる。これにより、後述するように、第1満タンカウンタの加算処理が行われ、この検知状態が約0.5secに亘って継続した場合に、下皿34が満タンであると判定される。
下皿通路262の上流側開口262aには、上皿通路261の上流側開口261aに連なると共に下流側へ向けて下降傾斜する第3上流側壁283が設けられている。よって、上皿通路261内が満タンとなり、払出装置224から払い出された遊技球が、上皿通路261側から下皿通路262の上流側開口262aへ流下する場合には、第3上流側壁283の下降傾斜を利用して、遊技球をスムーズに流下させることができる。
レバー部材502の上流側に連なる上流側壁281は、その案内面(内壁面)が断面直線状に形成されると共に、その直線が下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、下皿通路262の上流側開口262aから流下する遊技球を、上流側壁281によりその上流側壁281の下降傾斜方向へ案内することができる。よって、流下する遊技球がレバー部材502に衝突することを抑制して、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。
この場合、レバー部材502も、少なくとも初期位置にある状態では、下流側へ向けて下降傾斜されるが、上流側壁281の傾斜角度は、レバー部材502の傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度に設定される。即ち、レバー部材502の案内面502aは、上流側壁281の案内面(内壁面)をその下降傾斜方向へ延長した延長線よりも下方に位置する。よって、上流側壁281の案内面に沿って遊技球を転動させることで、上流側壁281の下降傾斜方向へ遊技球を案内して、流下する遊技球をより確実にレバー部材502に衝突し難くすることができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動をより確実に抑制できる。
また、第3上流側壁283は、その案内面(内壁面)が断面直線状に形成されると共に、その直線の延長線上に上流側壁281が位置するので、上皿通路261側から下皿通路262の上流側開口262aへ流下する遊技球を、第3上流側壁283により上流側壁281へ案内することができる。よって、流下する遊技球がレバー部材502に直接衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。更に、第3上流側壁283から上流側壁281へ遊技球が案内されると、次いで、その遊技球を上流側壁281の案内面(内壁面)に沿ってその下降傾斜方向へ案内する(転動させる)ことができるので、上述したように、上流側壁281の傾斜角度がレバー部材502の傾斜角度よりも緩やかとされる効果を利用して、流下する遊技球がレバー部材502に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。
上述したように、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔は、少なくともレバー部材502が図6に示す初期位置にある状態では、2個の遊技球の直径の和よりも小さい。一方、レバー部材502が所定数(8個)の遊技球に押圧され、スイッチ部材504を作動させる図7に示す作動位置まで揺動された状態では、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔が、2個の遊技球の直径の和と同等となるように設定される。
このように、図6に示す初期位置では、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔を2個の遊技球の直径の和よりも狭くしておくことで、所定数(8個)の遊技球が貯留される過程(図6の状態から図7の状態へ遷移する過程)において、レバー部材502を確実に揺動させて、検出精度の向上を図ることができる。一方、図7に示す作動位置(所定数(8個)の遊技球が貯留された状態)では、第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間に2個の遊技球が並列に同じ高さ位置で収まるので、遊技球が千鳥状に貯留される場合と比較して、貯留された遊技球の郡の高さを抑制して、スペース効率の向上を図ることができる。
この場合、レバー部材502は、付勢部材503の付勢力に抗してスイッチ部材504側へ揺動されスイッチ部材504を作動させ、図7に示す作動位置(所定数(8個)の遊技球が貯留された状態)に配置された後、更にスイッチ部材504側への可動域を備えるので、遊技球が第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間で付勢部材503の付勢力によりバランスして球詰まりが発生することを抑制することができる。即ち、遊技球が第2鉛直側壁272とレバー部材502の案内面502aとの間で付勢部材503の付勢力によりバランスしたとしても、レバー部材502が更にスイッチ部材504側(付勢部材503の付勢力に抗する側)への可動域を備えることで、例えば、それらバランスした遊技球へ向けて他の遊技球が流下することをきっかけとして、レバー部材503をスイッチ部材504側へ揺動させ、バランスを解除することができる。
下皿通路262は、上流側壁281と第2上流側壁282とが略平行とされ、それら両側壁281,282の間の対向面間隔が、通路方向に沿って略一定とされると共に、その対向面間隔は、図7に示す作動位置にあるレバー部材502の案内面502aと第2鉛直側壁272との間の対向面間隔と略同一とされる。
よって、レバー部材502の案内面502aと第2鉛直側壁272との対向面に所定数(8個)の遊技球が貯留され、スイッチ部材504が作動されてから(満タン検知センサ59が所定数の遊技球の存在を検出して検出状態となってから)、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(本実施の形態では8個)が、上流側壁281と第2上流側壁282との間に更に貯留され、その後、下皿33から遊技球が排出されることで、かかる区間(上流側壁281及びレバー部材502と第2上流側壁282及び第2鉛直側壁272との間)を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを回避することができる。
ここで、満タン検知センサ59の配設位置は、上述したように、スイッチ部材504が作動されてから、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(本実施の形態では8個)を、少なくとも下皿通路262の上流側開口262aよりも下方に貯留可能な位置とされる。これにより、下皿通路262と上皿通路261との両通路に接続され通路幅が広くなる分流通路263まで遊技球が貯留されることを回避できる。よって、下皿34からの遊技球の排出に伴って、下皿通路262に貯留された遊技球が流下する場合に、通路幅が広い分流通路263に貯留された遊技球が、分流通路263よりも通路幅の狭い下皿通路262に流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避できる。
詳細には、満タン検知センサ59の配設位置は、スイッチ部材504が作動されてから、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(本実施の形態では8個)を、下皿通路262の第3上流側壁283の下流端(即ち、第3上流側壁283と第2上流側壁282との接続部)よりも下方に貯留可能な位置とされる。これにより、第3上流側壁283と第2分流側壁292との間の通路幅を一定とする必要がないので、第2分流側壁292を鉛直に延設させることができる。よって、第2分流側壁292を傾斜させる場合と比較して、構造を簡素化できるので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図8のブロック図に基づいて説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図8では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、CPU311、ROM312及びRAM313の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321から記憶保持用電力が供給されて情報が記憶保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他センサ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御回路302に停電信号を送信する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球などの払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。なお、CPU331、ROM332及びRAM333の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電入時用電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電入時用電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部321aは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル40の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板321には、電断時用電源部321cが搭載されている。電断時用電源部321cはコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部321aから供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部321cから放電され主制御基板301のRAM313に対して記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部321cから記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ちなみに、電断時用電源部321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源部は、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、電源及び発射制御基板321には、上記電断時用電源部321cとは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源及び発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御回路302などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置を制御する。
次に、図柄表示装置の表示内容について、説明する。図柄表示装置には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。そして、図柄表示装置には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。図柄表示装置には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置162内のCPU311は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部の発光色の設定や、図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU311内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM313の所定領域に設定されたカウンタ用エリアに適宜格納される。RAM313には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置の図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、図柄表示装置に関しては、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のエリア値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU311に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM313の前後外れリーチ図柄エリア、前後外れ以外リーチ図柄エリア及び完全外れ図柄エリアの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄エリア、前後外れ以外リーチ図柄エリア及び完全外れ図柄エリアの何れかのエリア値が取得される。
なお、図示は省略するが、第2特定ランプ部の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタが用いられる。第2図柄乱数カウンタは、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプ乱数カウンタは定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲートを通過したことが検知された時に取得される。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される各制御処理を図10〜図14のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグを格納し、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグが格納されていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
次に、タイマ割込み処理について図11のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入賞口センサ152a〜152c、カウントセンサ153、作動口センサ154a,154b及びゲートセンサ155等といった遊技球の入賞に関するセンサからの信号読み込み処理を実行する。信号読み込み処理の詳細については後に説明する。
その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、図12のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、RAM313の作動口フラグ格納エリアに作動口フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口に入賞したと判定すると、続くステップS302において、第1特定ランプ部及び図柄表示装置の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS303に進み、作動保留球数Nを1加算する。なお、ステップS303の処理後に作動口フラグを消去する。続くステップS304では、前記ステップS203で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM313の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(音声ランプ制御基板324等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば500msec程度待機する。
続くステップS402では、ステップS401の立ち上げ処理後から許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。1sec経過していない場合にはステップS402の処理を再度実行する。この時間の測定は、ステップS402の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS402にて否定判定してから再度ステップS402の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が10000回となることで、ステップS401の立ち上げ処理後から1sec経過したと判定する。なお、時間の測定の具体的な構成は任意であり、例えばリアルタイムクロックを用いて時間の測定を行うようにしてもよい。ステップS402にて1sec経過したと判定した場合には、ステップS403に進む。
ステップS403では、RAM313のアクセスを許可する。その後、ステップS404では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS405ではRAM313の停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS406ではRAM判定値を算出し、続くステップS407では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS408〜S409の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS408〜S409の処理に移行する。
ステップS408では、RAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS409ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS410にて払出制御基板322に初期コマンドを出力するとともに、ステップS411にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。払出制御基板322のCPU331では主制御基板301から初期コマンドを入力することで、主制御基板301との通信が正常に行われていることを認識する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS412にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS410にて初期コマンドを出力するとともにステップS411にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S509の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS511,S512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。続くステップS502では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理では、左・中・右図柄列のいずれかの更新時期か否かを判定し、更新時期となった図柄列の外れ図柄カウンタCL,CM,CRを更新する。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、重複することなく1回の通常処理で1つずつ順に更新され、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。そして、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組合せである場合、前後外れ以外リーチ図柄の組合せである場合、リーチとならない完全外れ図柄の組合せである場合には、その組合せがそれぞれに対応したエリア内に格納される。なお、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せである場合には、そのまま更新処理を終了する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後は、ステップS503にて第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定し、さらに大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。なお、この際、第1図柄における大当たり図柄の種類及び大当たり図柄の組合せの停止ラインも決定し、停止図柄コマンドとして設定する。また、大当たりが発生しないと判定された場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて第1図柄における外れ図柄の組合せの態様を決定する。かかる場合に、上記外れ図柄カウンタ更新処理にて更新されエリア内に格納された図柄の組合せを停止図柄コマンドとして設定する。さらに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、第1特定ランプ部に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。さらに、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1図柄におけるリーチ種別やその大まかな図柄変動態様を決定し、変動態様コマンドとして設定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS504にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS505では、第2特定ランプ部に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、既に取得されている第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、下作動口に付随する電動役物が所定時間開放される。
ちなみに、本パチンコ機10では、特別遊技状態の一種として、電動役物が開放状態となる単位時間当たりの頻度が高くなる頻度向上状態が設定されている。頻度向上状態では、下作動口への入賞が発生し易くなる。換言すれば、電動役物が開放状態となる単位時間当たりの頻度を高くする手段を有しており、当該手段により頻度が高められている状態では遊技者は下作動口への入賞が発生し易くなるという利益が得られる。
頻度向上状態の具体的な内容としては、大当たり状態終了後の予め定められた遊技回数(図柄表示装置における図柄の変動表示回数)又は次回の大当たりが発生するまで継続するものであり、頻度向上状態では、電動役物を開放状態とするか否かの抽選間隔が通常遊技状態(頻度向上状態ではない状態)よりも短くなるとともに、抽選において当選となった場合には電動役物が開放状態となる回数が通常遊技状態よりも多くなり、且つ開放状態となった場合の継続時間が通常遊技状態よりも長くなる。なお、頻度向上状態における条件として上記全てのものが成立している必要はなく、いずれか1つの条件又は所定の組合せの条件が成立する構成としてもよい。また、頻度向上状態における開放状態当選とするか否かの確率は、通常遊技状態における確率と同一に設定されているが、通常遊技状態よりも高く設定されていてもよい。
ステップS505の後は、ステップS506にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板321の発射制御部321bから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS506の後は、ステップS507にて入力状態監視処理を実行し、ステップS508にて払出用出力処理を実行する。これらの処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS509にて、RAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS510にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS511では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。また、ステップS512では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。
一方、ステップS509にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS513以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS513では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS514にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS515にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技球の払出に関する電気的構成>
次に、遊技球の払出に関する電気的構成及び処理構成について詳細に説明する。先ず、電気的構成について、図15のブロック図を参照しながら説明する。図15では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御基板301と払出制御基板322とはハーネスなどの電気配線(信号線)を介して電気的に接続されており、主制御基板301から払出制御基板322に指令情報としてのコマンドが出力されるとともに、払出制御基板322から主制御基板301には各種の電気信号が出力される。
主制御基板301のCPU311は第1入力ポート(第1入力部)351と第2入力ポート(第2入力部)352とを備えており、これら入力ポート351,352において払出制御基板322からの電気信号を入力するとともに各種センサ等からの電気信号を入力する。ここで、第1入力ポート351の構成を、図16を用いて説明する。図16は、第1入力ポート351を説明するための説明図である。
第1入力ポート351は、各入力情報を格納するための信号入力用バッファBを備えている。信号入力用バッファBは、1バイトで構成されており、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。これら第0ビットD0〜第7ビットD7は、それぞれ異なる信号出力元との間に信号経路が形成されており、これら信号出力元から入力した信号に基づいて情報が格納される。
詳細には、第0ビットD0は下作動口センサ154bとの間に信号経路が形成されており、第1ビットD1は上作動口センサ154aとの間に信号経路が形成されており、第2ビットD2はカウントセンサ153との間に信号経路が形成されており、第3ビットD3はゲートセンサ155との間に信号経路が形成されており、第4ビットD4は第1入賞口センサ152aとの間に信号経路が形成されており、第5ビットD5は第2入賞口センサ152bとの間に信号経路が形成されており、第6ビットD6は第3入賞口センサ152cとの間に信号経路が形成されており、第7ビットD7は払出制御基板322との間に信号経路が形成されている。なお、この第7ビットD7には、払出制御基板322から出力される賞球許可信号が入力される。この賞球許可信号の詳細については後に説明する。
下作動口センサ154b、上作動口センサ154a、カウントセンサ153、ゲートセンサ155及び各入賞口センサ152a〜152cは、上述したように、遊技領域を流下し下作動口、上作動口、可変入賞装置、一般入賞口及びスルーゲートを通過した遊技球を検知するためのものであり、遊技球を検知していない間はHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している間はLOWレベル信号を出力するよう構成されている。但し、主制御基板301は反転回路を有している。したがって、第0ビットD0〜第6ビットD6には、対応するセンサ154b,154a,153,155,152a〜152cからHIレベル信号が出力されている間は「0」の情報(データ0)が格納され、LOWレベル信号が出力されている間は「1」の情報(データ1)が格納される。
なお、上記センサ152〜155が遊技球を検知していない間はLOWレベル信号を出力するとともに遊技球を検知している間はHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とし、さらには第0ビットD0〜第6ビットD6には、対応するセンサ152〜155からLOWレベル信号が出力されている間は「0」が格納され、HIレベル信号が出力されている間は「1」が格納されるようにする。
一方、賞球許可信号については反転回路の対象となっておらず、賞球許可信号について払出制御基板322からLOWレベル信号が出力されている間は第7ビットD7に「0」が格納され、HIレベル信号(これが、本パチンコ機10において賞球許可信号に相当する)が出力されている間は第7ビットD7に「1」が格納される。
主制御基板301のCPU311では、第1入力ポート351の各ビットD0〜D7に格納された情報に基づいて入賞の有無(遊技領域に設けられ通過検知対象の通過部を遊技球が通過したか否か)などを判定する。また、第2入力ポート352は、図示による説明は省略するが、第1入力ポート351と同様に1バイトで構成されており、各ビットには前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217からの電気信号や払出制御基板322から出力される信号のうち上記賞球許可信号以外の信号などが入力される。つまり、第2入力ポート352の各ビットにはCPU311において処理を実行する上で用いられる何らかの信号が入力される。
なお、前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217から出力された電気信号は、電源及び発射制御基板321と払出制御基板322とに中継された後に主制御基板301に入力される。この場合、払出制御基板322においては、これら前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217からの電気信号を中継するだけであり、払出制御基板322のCPU331には入力されない。これは電源及び発射制御基板321についても同様である。また、第1入力ポート351及び第2入力ポート352に代えて、第1入出力ポート及び第2入出力ポートを備え、CPUにおいて入出力が適宜変更される構成としてもよい。
また、第1入力ポート351及び第2入力ポート352がCPU311ではなく、ドライバICとしてCPU311のチップとは別に主制御基板301に設置された構成としてもよい。この場合、CPU311は、単一の入力ポート又は入出力ポートを有する構成とすればよい。
主制御基板301のRAM313の構成について説明する。なお、以下の説明では、図17を適宜参照する。図17はRAM313の構成を説明するための説明図である。
主制御基板301のRAM313には個別に情報を記憶する手段としての賞球用カウンタエリア361が設けられている。賞球用カウンタエリア361には、図17に示すように、15個賞球用カウンタエリア361aと、10個賞球用カウンタエリア361bと、4個賞球用カウンタエリア361cと、3個賞球用カウンタエリア361dとが設けられている。
ここで、本パチンコ機10には既に説明したように、賞球用入球部(又は賞払出用通過部)として、一般入賞口、可変入賞装置、上作動口及び下作動口が設けられており、各賞球用入球部ごとに入球に対する賞球個数(払い出される遊技球の個数)が異なっている。具体的には、一般入賞口に入球した場合の賞球個数は10個であり、可変入賞装置に入球した場合の賞球個数は15個であり、上作動口に入球した場合の賞球個数は3個であり、下作動口に入球した場合の賞球個数は4個である。
当該構成において、15個賞球用カウンタエリア361aは可変入賞装置への入球に対する15個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(可変入賞装置への入球に対する15個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、10個賞球用カウンタエリア361bは一般入賞口への入球に対する10個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(一般入賞口への入球に対する10個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、4個賞球用カウンタエリア361cは下作動口への入球に対する4個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(下作動口への入球に対する4個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、3個賞球用カウンタエリア361dは上作動口への入球に対する3個賞球をあと何回行うかを記憶するものである(上作動口への入球に対する3個賞球の未実施回数を記憶するものである)。各賞球用カウンタエリア361a〜361dは、それぞれ1バイトで構成されており、賞球の未実施回数を最大で255回まで覚えることができる。
なお、上記賞球個数パターンは一例であり、各個数は任意である。また、賞球数のパターンも上記の4種類に限定されることはなく、2種類、3種類又は5種類以上であってもよい。また、各賞球用カウンタエリア361a〜361dは1バイトに限定されることはなく、2バイト又は3バイト以上であってもよい。さらには各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶可能な賞球の未実施回数は、最大で255回であることは必須ではなく、複数回が記憶可能であれば、255回よりも少なく又は多くてもよい。
主制御基板301のCPU311では、上記各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている情報(賞情報)に基づいて、入賞発生の有無を判定し、入賞発生有りと判定した場合にはその入賞の種類に対応した賞球コマンドを払出制御基板322に出力する。
ここで、賞球コマンドの情報形態について図17(b)を用いて説明する。
賞球コマンドは、主制御基板301のROM312のコマンド記憶エリア312aに予め記憶されている。賞球コマンドとしては、15個賞球コマンドと、10個賞球コマンドと、4個賞球コマンドと、3個賞球コマンドとが設定されている。15個賞球用カウンタエリア361aに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には15個賞球コマンドが出力され、10個賞球用カウンタエリア361bに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には10個賞球コマンドが出力され、4個賞球用カウンタエリア361cに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には4個賞球コマンドが出力され、3個賞球用カウンタエリア361dに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には3個賞球コマンドが出力される。
各賞球コマンドは2バイトで構成されている。すなわち、各賞球コマンドは上位情報と下位情報とを備えており、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。つまり、上位情報と下位情報とは同数のビット数で構成されている。これら上位情報及び下位情報のうち、上位情報には払出制御基板322のCPU331において本コマンドが賞球コマンドであることを特定するための情報が設定されており、下位情報には払出制御基板322のCPU331において本賞球コマンドの賞球数の情報が設定されている。
各賞球コマンドの具体的な情報形態は図17(b)に示すとおりである。この場合に、任意の一の賞球コマンドは、上位情報と下位情報との加算を演算した場合の1バイトからなる情報の形態が16進数で「FF」となるように設定されている。例えば、15個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11110000」となっており、下位情報が「00001111」となっている。そして、これらの加算を演算すると、「11111111」となる。また、3個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11111100」となっており、下位情報が「00000011」となっている。そして、これらの加算を演算すると、「11111111」となる。賞球コマンドが上記のような情報形態となっていることにより、払出制御基板322のCPU331では、主制御基板301から入力した賞球コマンドが正常か否かの判定を行うことができるようになっている。
また、主制御基板301のRAM313には、図15に示すように、前回用エリア362及び前々回用エリア363が設けられている。これらのエリア362,363は、主制御基板301のCPU311において第1入力ポート351に格納された情報に基づいて入賞の有無を判定する場合に用いられる。
その他、主制御基板301のRAM313には、前扉枠カウンタエリア364、賞球許可カウンタエリア365及び各種フラグ格納エリア366が設けられている。前扉枠カウンタエリア364は、主制御基板301のCPU311において前扉枠14の開閉の有無を判定する場合に用いられる。また、賞球許可カウンタエリア365は、主制御基板301のCPU311において賞球許可信号に関する処理を実行する上で用いられる。また、各種フラグ格納エリア366は、主制御基板301のCPU311において各種の制御処理を実行する上で用いられる。
払出制御基板322は払出装置224と電気的に接続されており、払出制御基板322のCPU331は、払出モータ257に駆動信号を出力するとともに、払出球検知センサ258から遊技球の検知の有無を示す電気信号を入力する。また、払出制御基板322は球貸用接続端子板249を介して球貸装置Yと電気的に接続されており、払出制御基板322のCPU331は、球貸装置Yとの間で電気信号の入出力を行うことで貸球の制御を実行する。
また、払出制御基板322のCPU331は、満タン検知センサ59及び球無検知センサ223aから電気信号を入力し、下皿34が満タン状態となっているか否かの特定や、タンク221が球無状態となっているか否かの特定を行う。これら満タン検知センサ59及び球無検知センサ223aのうち満タン検知センサ59から出力された電気信号は、電源及び発射制御基板321に中継された後に払出制御基板322に入力される。なお、払出制御基板322のCPU331は、下皿34が満タン状態となっているか否かの特定結果を主制御基板301のCPU311に出力する。これにより、下皿34が満タン状態となっているか否かを主制御基板301のCPU311において把握することができるようになっている。
払出制御基板322のRAM333の構成について説明する。なお、以下の説明では、図18を適宜参照する。図18はRAM333の構成を説明するための説明図である。
払出制御基板322のRAM333には満タンカウンタエリア371が設けられている。満タンカウンタエリア371は、払出制御基板322のCPU331において下皿34が満タン状態であるか否かを特定する上で用いられる。また、払出制御基板322のRAM333には球無カウンタエリア372が設けられている。球無カウンタエリア372は、払出制御基板322のCPU331においてタンク221が球無状態であるか否かを特定する上で用いられる。また、払出制御基板322のRAM333にはコマンド格納エリア373が設けられている。コマンド格納エリア373は、主制御基板301のCPU311から入力した賞球コマンドを一時的に格納しておく上で用いられる。
また、払出制御基板322のRAM333には賞球数記憶エリア374が設けられている。賞球数記憶エリア374は、図18(a)に示すように複数のビット(8ビット)が列状に並べられてなる1バイトで構成されており、各ビットには「0」(データ0又は無情報)又は「1」(データ1又は有情報)が設定される。そして、賞球数記憶エリア374は、払出制御基板322のCPU331において賞球コマンドを解析することで特定した賞球数の情報を記憶しておくための機能を有している。この場合、賞球数の情報(賞球数情報又は賞払出数情報)は、所定の遊技媒体数の範囲内において各ビットのデータ1の設定パターンと遊技媒体数とが1対1で対応した情報である。具体的には、下位のビット(図18(a)において右端のビット)から上位のビット(図18(a)において左端のビット)に向けて予め定められた順序(右側のビットから左側のビットに向けて)で各ビットに「1」(データ1又は有情報)が設定され、上位側のビットに「1」が設定されているほど対応する賞球数が大きい数となるように2進数で表される情報である。
ここで、賞球コマンドから賞球数の情報を特定する場合には、払出制御基板322のROM332に設けられた賞球テーブル記憶エリア332aが参照される。賞球テーブル記憶エリア332aには、図18(d)に示すように、主制御基板301のCPU311から入力する賞球コマンドと、賞球数との対応関係が記憶されている。
また、払出制御基板322のRAM333には貸球数記憶エリア375が設けられている。貸球数記憶エリア375は、図18(b)に示すように1バイトで構成されており、払出制御基板322のCPU331において球貸装置Yから入力した貸球数の情報を記憶しておくための機能を有している。また、払出制御基板322のRAM333には払出個数カウンタエリア376が設けられている。払出個数カウンタエリア376は、図18(c)に示すように1バイトで構成されており、払出制御基板322のCPU331において遊技球の払出を実行する上での実行エリアとしての機能を有する。
なお、賞球数記憶エリア374、貸球数記憶エリア375及び払出個数カウンタエリア376は、1バイトに限定されることはなく、2バイト又は3バイト以上であってもよい。また、これら各エリア374〜376が同一のバイト数である必要はない。
その他、払出制御基板322のRAM333には各種フラグ格納エリア377が設けられている。各種フラグ格納エリア377は、払出制御基板322のCPU331において各種の制御処理を実行する上で用いられる。
なお、払出制御基板322のRAM333には、上記各エリア371〜377の他に、主制御基板301のCPU311からコマンドを入力した場合にそのコマンドを一時的に格納しておくためのリングバッファが設けられている。リングバッファは複数の記憶領域を備えているとともに、読み込みポインタと読み出しポインタとが設定されている。読み込みポインタに基づき各記憶領域にコマンドが順次読み込まれていくとともに、読み出しポインタに基づき各記憶領域に記憶されたコマンドが順次読み出されていく。
電源及び発射制御基板321の電入時用電源部321aからの電力は、主制御基板301のCPU311のVCC端子、及び払出制御基板322のCPU331のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が行われている状況において、各CPU311,331にて各種制御処理が実行されるとともに、各RAM313,333にて情報の記憶保持が行われる。
また、電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のCPU311のVBB端子に供給される。つまり、電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のRAM313に供給されるが、払出制御基板322のRAM333には供給されない。VBB端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において、主制御基板301のRAM313にて情報の記憶保持が行われる。なお、既に説明したように、電入時用電源部321a及び電断時用電源部321cから主制御基板301のCPU311に供給される電力は、停電監視回路303にて中継される。また、払出制御基板331のVBB端子(図示略)は、アースされている又はいずれの電気配線とも接続されていない。
<遊技球の払出に関する処理構成であって主制御基板301のCPU311における処理構成>
次に、遊技球の払出に関する、主制御基板301のCPU311における処理構成について説明する。なお、以下の説明において、カウンタエリアの値とは、バイト単位で構成されたカウンタエリアの値を仮想的に10進数で表現した値のことをいう。
<読み込み処理>
先ず、タイマ割込み処理(図11)のステップS201にて実行される読み込み処理について、図19のフローチャート及び図20の説明図を参照しながら説明する。
読み込み処理では、先ずステップS601にて、第1入力ポート351の情報を今回入力情報として取得する処理を実行する。当該処理について詳細に説明する。CPU311には今回用レジスタ(演算用の今回記憶手段)381が設けられている(図20参照)。この今回用レジスタ381は、第1入力ポート351と同一のビット数で構成されている。つまり、今回用レジスタ381は1バイトで構成されている。ステップS601の処理では、第1入力ポート351の第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている「0」又は「1」の情報を、今回用レジスタ381における上記第0〜第7ビットD0〜D7に対応する各ビットに格納する。
例えば、下作動口センサ154b、カウントセンサ153、第2入賞口センサ152b及び賞球許可信号がONとなっており、それ以外がOFFとなっている場合には、今回用レジスタ381に記憶されている今回入力情報の情報形態は図20(a)に示すように、「10100101」となる。
続くステップS602では、今回入力情報のマスク処理を実行する。このマスク処理では、主制御基板301のROM312に予め記憶された入力情報用マスクと、今回用レジスト381に記憶されている今回入力情報との論理積を演算(AND処理)し、その演算後の情報を今回用レジスタ381に更新する。具体的には、入力情報用マスクは、「01111111」となっている。つまり、入力情報用マスクは、今回入力情報のうち、入賞の有無の情報を格納するビット以外のビットを「0」クリアするためのマスクである。したがって、ステップS602の処理を実行した後は、入賞の有無の情報とは無関係である賞球許可信号の情報に対応したビット(第7番目のビット)が「0」クリアされる。
例えば、図20の例においては、ステップS602の処理後における今回入力情報の情報形態は図20(b)に示すように、「00100101」となる。
続くステップS603では、RAM313の前回用エリア362に記憶されている情報を前回入力情報として取得するとともに、及びRAM313の前々回用エリア363に記憶されている情報を前々回入力情報として取得する処理を実行する。
ここで、前回入力情報とは、前回の読み込み処理において、第1入力ポート351に格納されていた情報のことをいい、前々回入力情報とは、前々回の読み込み処理において、第1入力ポート351に格納されていた情報のことをいう。但し、上記のとおりステップS602の処理が実行されているため、入賞の有無の情報とは無関係である情報については「0」クリアされている。
ステップS603の処理について詳細に説明する。CPU311には、今回用レジスタの他に、前回用レジスタ(演算用の前回記憶手段)382が設けられているとともに、前々回用レジスタ(演算用の前々回記憶手段)383が設けられている。前回用レジスタ382は、今回用レジスタ381及びRAM313の前回用エリア362と同一のビット数で構成されている。つまり、前回用レジスタ382は1バイトで構成されている。また、前々回用レジスタ383は、今回用レジスタ381、前回用レジスタ382及びRAM313の前々回用エリア363と同一のビット数で構成されている。つまり、前々回用レジスタ383は1バイトで構成されている。ステップS603の処理では、前回用エリア362の各ビットに格納されている「0」又は「1」の情報を、前回用レジスタ382における対応する各ビットに格納する。また、前々回用エリア363の各ビットに格納されている「0」又は「1」の情報を、前々回用レジスタ383における対応する各ビットに格納する。
例えば、前回の読み込み処理において、下作動口センサ154b、カウントセンサ153、第2入賞口センサ152b及び第3入賞口センサ152cがONとなっており、それ以外がOFFとなっていた場合には、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報の情報形態は図20(c)に示すように、「01100101」となる。また、前々回の読み込み処理において、第2入賞口センサ152bがONとなっており、それ以外がOFFとなっていた場合には、前々回用レジスタ383に記憶されている前々回入力情報の情報形態は図20(d)に示すように、「00100000」となる。
続くステップS604では、次回用書き込み処理を実行する。次回用書き込み処理では、次回の読み込み処理のために、RAM313の前回用エリア362及び前々回用エリア363を更新する処理を実行する。つまり、前回用エリア362の情報を、今回用レジスタ381に記憶されている情報に更新するとともに、前々回用エリア363の情報を、前回用レジスタ382に記憶されている情報に更新する。
続くステップS605では、前々回入力情報の反転処理を実行する。具体的には、前々回用レジスタ383の各ビットの値を反転させる。例えば、前々回入力情報が図20(d)に示すように「00100000」である場合には、反転させた情報は図20(e)に示すように「11011111」となる。
続くステップS606では、ステップS605にて反転させた前々回用レジスタ383の情報と、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS605にて反転させた前々回用レジスタ383の情報と、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報との論理積を演算する。そして、その演算結果の情報を、前回用レジスタ382の情報として更新する。
例えば、反転させた情報が図20(e)に示すように「11011111」であり、前回入力情報が図20(c)に示すように「01100101」である場合には、ステップS606にてAND処理した結果の情報は図20(f)に示すように「01000101」となる。
なお、演算結果の情報を、前々回用レジスタ383の情報として更新してもよい。但し、この場合、ステップS607の処理では、前々回用レジスタ383に記憶されている情報を用いる必要がある。
続くステップS607では、ステップS606にてAND処理した結果の情報と、今回用レジスタ381に記憶されているマスク処理後の今回入力情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS606にて得た前回用レジスタ382の情報と、ステップS602にて得た今回用レジスタ381の情報との論理積を演算する。そして、その演算の結果を、今回用レジスタ381の情報として更新する。
例えば、ステップS606にて得た前回用レジスタ382の情報が図20(f)に示すように「01000101」であり、ステップS602にて得た今回用レジスタ381の情報が図20(b)に示すように「00100101」である場合には、ステップS607にてAND処理した結果の情報は図20(g)に示すように「00000101」となる。
続くステップS608では、情報判定処理を実行する。ここで、情報判定処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
情報判定処理では、先ずステップS701にて、今回用レジスタ381の第0ビットW0に入賞情報があるか否か、すなわち、第0ビットW0に「1」が格納されているか否かを判定する。第0ビットW0に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS703に進む。第0ビットW0に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS702にて第1格納処理を実行した後に、ステップS703に進む。第1格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における4個賞球用カウンタエリア361cの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第0ビットW0に入賞情報があるということは、下作動口への入賞が発生したことを意味するからである。
ちなみに、第1格納処理では、RAM313の作動口フラグ格納エリア(抽選契機情報記憶手段)に作動口フラグ(抽選契機情報)を格納する。この作動口フラグは、上述した始動入賞処理(図12)において下作動口への入賞が発生したか否かを判定する上で用いられる。なお、作動口として上作動口及び下作動口の2つが設けられているため、作動口フラグ格納エリアは各作動口に1対1で対応させて設けられている。つまり、抽選契機情報記憶手段として第1抽選契機情報記憶手段と第2抽選契機情報記憶手段とが設けられている。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第0ビットW0に「1」が格納されているため、4個賞球用カウンタエリア361cの値を1加算する。また、作動口フラグを格納する。
続くステップS703では、今回用レジスタ381の第1ビットW1に入賞情報があるか否か、すなわち、第1ビットW1に「1」が格納されているか否かを判定する。第1ビットW1に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS705に進む。第1ビットW1に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS704にて第2格納処理を実行した後に、ステップS705に進む。第2格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における3個賞球用カウンタエリア361dの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第1ビットW1に入賞情報があるということは、上作動口への入賞が発生したことを意味するからである。ちなみに、第2格納処理では、RAM313における上作動口に対応した作動口フラグ格納エリアに作動口フラグを格納する。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第1ビットW1に「0」が格納されているため、3個賞球用カウンタエリア361dの値の加算は行わない。また、作動口フラグの格納は行わない。
続くステップS705では、今回用レジスタ381の第2ビットW2に入賞情報があるか否か、すなわち、第2ビットW2に「1」が格納されているか否かを判定する。第2ビットW2に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS707に進む。第2ビットW2に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS706にて第3格納処理を実行した後に、ステップS707に進む。第3格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における15個賞球用カウンタエリア361aの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第2ビットW2に入賞情報があるということは、可変入賞装置への入賞が発生したことを意味するからである。ちなみに、第3格納処理では、RAM313に設けられた大入賞口フラグ格納エリア(特別入賞情報記憶手段)に大入賞口フラグ(特別入賞情報)を格納する。この大入賞口フラグは、上述した大入賞口開閉処理(図14のステップS504)において可変入賞装置への入賞が発生したか否かを判定する上で用いられる。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第2ビットW2に「1」が格納されているため、15個賞球用カウンタエリア361aの値を1加算する。
続くステップS707では、今回用レジスタ381の第3ビットW3に入賞情報があるか否か、すなわち、第3ビットW3に「1」が格納されているか否かを判定する。第3ビットW3に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS709に進む。第3ビットW3に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS708にて第4格納処理を実行した後に、ステップS709に進む。第4格納処理では、RAM313に設けられたスルーフラグ格納エリアにスルーフラグを格納する。このスルーフラグは、上述した第2特定ランプ部制御処理(図14のステップS505)においてスルーゲートを遊技球が通過したか否かを判定する上で用いられる。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第3ビットW3に入賞情報があるということは、スルーゲートを遊技球が通過したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第3ビットW3に「0」が格納されているため、スルーフラグの格納は行わない。
続くステップS709では、今回用レジスタ381の第4ビットW4に入賞情報があるか否か、すなわち、第4ビットW4に「1」が格納されているか否かを判定する。第4ビットW4に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS711に進む。第4ビットW4に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS710にて第5格納処理を実行した後に、ステップS711に進む。第5格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における10個賞球用カウンタエリア361bの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第4ビットW4に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口のうちの1の一般入賞口への入賞が発生したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第4ビットW4に「0」が格納されているため、10個賞球用カウンタエリア361bの値の加算は行わない。
続くステップS711では、今回用レジスタ381の第5ビットW5に入賞情報があるか否か、すなわち、第5ビットW5に「1」が格納されているか否かを判定する。第5ビットW5に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS713に進む。第5ビットW5に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS712にて第5格納処理を実行した後に、ステップS713に進む。第5格納処理については、既に説明したとおりである。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第5ビットW5に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口のうちの1の一般入賞口への入賞が発生したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第5ビットW5に「0」が格納されているため、10個賞球用カウンタエリア361bの値の加算は行わない。
続くステップS713では、今回用レジスタ381の第6ビットW6に入賞情報があるか否か、すなわち、第6ビットW6に「1」が格納されているか否かを判定する。第6ビットW6に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのまま本情報判定処理を終了する。第6ビットW6に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS714にて第5格納処理を実行した後に、情報判定処理を終了する。第5格納処理については、既に説明したとおりである。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第6ビットW6に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口のうちの1の一般入賞口への入賞が発生したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図20(g)に示すように「00000101」である場合には、第6ビットW6に「0」が格納されているため、10個賞球用カウンタエリア361bの値の加算は行わない。
以上のように、本パチンコ機10では、一般入賞口、可変入賞装置、上作動口、下作動口及びスルーゲートといった通過部(遊技領域に設けられた賞球用入球部と非賞球用ゲート部とを含めたもの)における入賞発生の有無の判定は、予め定められた周期(具体的には、2msec)で実行される読み込み処理において第1入力ポート351を確認することにより行われる。
この場合に、入賞発生有りと判定される条件(以下、入賞判定条件ともいう)は、複数回として設定された基準連続回数の範囲内において、球検知センサから遊技球を検知していない旨を示す非検知情報が出力されていることが確認された後に、球検知センサから遊技球を検知している旨を示す検知情報が出力されていることが複数回として設定された入賞基準回数だけ連続して確認された場合となっている。具体的には、図20に示すように、本パチンコ機10では基準連続回数が3回として設定されており、各種演算処理の前の状態で、前々回用レジスタ383の第0ビットに非検知情報である「0」が格納されており、前回用レジスタ382の第0ビットに検知情報である「1」が格納されており、今回用レジスタ381の第0ビットに検知情報である「1」が格納されている場合に、各種演算処理後の今回用レジスタ381の第0ビットW0には入賞情報である「1」が格納されている。
上記入賞判定条件とすることで、CPU311において入賞の発生を正確に把握することができる。つまり、遊技球を検知する各種センサ152〜155が所定の検知範囲を有しているのに対して、CPU311の処理実行タイミングはセンサ152〜155が遊技球の検知を開始してから終了するまでの間に多数回発生するように設定されている。そうすると、1回の入賞の発生に対して既に入賞有りの判定をしたにも関わらず、その後もCPU311において検知情報を確認することで、再度、入賞有りの判定をしてしまうことが懸念される。これに対して、上記入賞判定条件では判定基準数回数の範囲内において非検知情報の後に検知情報を確認する必要があるため、1回の入賞の発生に対して入賞有りの判定を1度行った後に、その入賞について再度、入賞有りの判定をすることがない。
図20の場合を例にとって説明すると、第2入賞口センサ152bの検知結果に対応した各レジスタ381〜383の第5ビットには、各種演算処理の前の状態で全てに「1」が格納されている。この場合、前回及び今回において検知情報を確認することとなるが、前々回においても検知情報を確認しているため、入賞発生有りとは判定されない。ちなみに、これは前々回入力情報の各ビットを反転させた上で、各入力情報の論理積を演算するという比較的負荷の少ない処理にて実現されている。
また、検知情報が入賞基準回数連続して確認されることを入賞判定条件として設定したことにより、ノイズなどによって第1入力ポート351のビットD0〜D7に単発的に検知情報が格納されたとしても、それに対してCPU311が入賞有りと判定しないようにすることができる。
図20の場合を例にとって説明すると、第3入賞口センサ152cの検知結果に対応した前回用レジスタ382の第6ビットには、各種演算処理の前の状態で、「1」が格納されている。しかしながら、今回用レジスタ381及び前々回用レジスタ383の第6ビットには、各種演算処理の前の状態で、「0」が格納されている。この場合、前回用レジスタ382の第6ビットには、ノイズなどの原因で「1」が格納されていることとなり、CPU311において入賞有りとは判定されない。ちなみに、これは前々回入力情報の各ビットを反転させた上で、各入力情報の論理積を演算するという比較的負荷の少ない処理にて実現されている。
また、第1入力ポート351及び各レジスタ381〜383は同一のバイト単位で構成されており、それらには入賞判定用の球検知センサ152〜155からの情報が全て入力される。そして、入賞発生の有無の判定に際しては、各レジスタ381〜383のバイト単位の入力情報について各種演算処理が実行される。これにより、各球検知センサ152〜155について、入賞発生の有無を判定するための入賞情報の生成をまとめて行うことができる。パチンコ機10においては、同一の遊技領域内に一般入賞口、可変入賞装置、上作動口、下作動口及びスルーゲートが設置されているとともに、遊技領域を多数の遊技球が同時に流下することとなるため、各通過部への入賞が同時に発生することがある。この場合に入賞情報の生成を行うための処理を、各球検知センサ152〜155ごとに個別に行わなければならないとすると、その処理負荷は相当過大なものとなってしまう。また、例えば、入賞判定用のカウンタを設け、読み込み処理が実行される度にカウントすることで入賞情報の生成を行う構成を想定すると、上記カウンタを各球検知センサ152〜155ごとに個別に設け、読み込み処理を実行する度に全てのカウンタの加算及びリセット用の処理を実行する必要が生じる。これに対して、本構成によれば、入賞情報の生成をまとめて行うことができるため、CPU311の処理負荷及び記憶容量の増加を抑えつつ、上記優れた効果を得ることができる。
また、第1入力ポート351には、球検知センサ152〜155からの信号だけでなく払出制御基板322からの賞球許可信号も入力するようにした。本パチンコ機10では球検知センサ152〜155の数が7個であるのに対して、第1入力ポート351は8ビットで構成されている。そうすると、第1入力ポート351において1ビット分、入賞判定用以外の領域として使用することが可能であり、当該ビットに対して賞球許可信号を入力することでその領域を有効活用することができる。この場合に、読み込み処理においてはステップS602にて今回入力情報のマスク処理が実行されるため、入賞発生の有無の判定に際してはその賞球許可信号の情報を無視することができる。
<入力状態監視処理>
次に、通常処理(図14)のステップS507にて実行される入力状態監視処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
入力状態監視処理では、先ずステップS801にて、第2入力ポート352から入力情報を取得する。具体的には、CPU311に設けられた1バイト単位の汎用レジスタに、第2入力ポート352の入力情報を格納する。
続くステップS802では、遊技球の払出に関して異常が発生しているか否かを特定するための払出異常信号監視処理を実行する。詳細には、払出異常信号監視処理では、払出制御基板322から異常信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、払出異常の発生を主制御基板301のCPU311において特定する。そして、払出異常の発生を特定した場合には、音声ランプ制御基板324に払出異常コマンド(払出異常情報)を出力し、異常報知を実行させる。この異常報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板256を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に異常信号を出力するようにしてもよい。なお、ここでいう払出異常には、タンク221の球無状態や、払出装置224の故障などが含まれる。
続くステップS803では、下皿34が満タン状態となっているか否かを特定するための満タン信号監視処理を実行する。詳細には、満タン信号監視処理では、払出制御基板322から満タン信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、下皿34が満タン状態であることを主制御基板301のCPU311において特定する。そして、下皿34が満タン状態であることを特定した場合には、音声ランプ制御基板324に満タン状態コマンド(満タン状態情報)を出力し、満タン報知を実行させる。この満タン報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板256を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に満タン信号を出力するようにしてもよい。
続くステップS804では、本体枠13が開放状態となっているか否かを特定するための本体枠開放信号監視処理を実行する。詳細には、本体枠開放信号監視処理では、本体枠開放スイッチ217から本体枠開放信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、本体枠13が開放状態であることを主制御基板301のCPU311において特定する。そして、本体枠13が開放状態であることを特定した場合には、音声ランプ制御基板324に本体枠開放状態コマンド(本体開放報知用情報)を出力し、本体開放報知を実行させる。この本体開放報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板256を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に本体開放信号を出力するようにしてもよい。
その後、ステップS805にて前扉枠開放信号監視処理を実行するとともに、ステップS806にて賞球許可信号監視処理を実行した後に、本入力状態監視処理を終了する。
<前扉枠開放信号監視処理>
次に、上記ステップS805の前扉枠開放信号監視処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、前扉枠開放信号監視処理は、(1)前扉枠14が閉鎖状態であることが特定された後であって当該閉鎖状態が継続されている場合の処理、(2)前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでの処理、(3)前扉枠14が開放状態であることが特定された後であって当該開放状態が継続されている場合の処理、(4)前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態であることが特定されるまでの処理、に大別される。そこで、これら状況の処理を個別に説明する。
先ず、上記(1)の前扉枠14が閉鎖状態であることが特定された後であって当該閉鎖状態が継続されている場合の処理について説明する。
先ずステップS901では、前扉枠14が開放状態であることを示す前扉枠開放信号を入力している旨の前扉枠開放情報が汎用レジスタに格納されているか否かを判定する。今回は前扉枠14が閉鎖状態である場合であるため、ステップS901にて否定判定をし、ステップS902に進む。
ステップS902では、RAM313の前扉枠カウンタエリア364における第1前扉枠カウンタエリア(開放特定契機把握用手段)に、開放特定基準回数を格納する。具体的には、前扉枠カウンタエリア364に「3」を格納する。第1前扉枠カウンタエリアは、閉鎖状態の前扉枠14が開放状態となった場合に、CPU311において前扉枠14が開放状態となったことを特定する場合に用いられるカウンタである。
続くステップS903では、RAM313の前扉枠カウンタエリア364における第2前扉枠カウンタエリア(閉鎖特定契機把握用手段)が「0」となっているか否かを判定する。第2前扉枠カウンタエリアは、開放状態の前扉枠14が閉鎖状態となった場合に、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態となったことを特定する場合に用いられるカウンタである。当該第2前扉枠カウンタエリアは、前扉枠14が閉鎖状態となったことを特定した後は、「0」の状態で維持される。したがって、前扉枠14が閉鎖状態であることが特定された後であって当該閉鎖状態が継続されている場合には、第2前扉枠カウンタエリアは「0」であり、ステップS903にて肯定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
次に、上記(2)の前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでの処理について説明する。
今回は前扉枠14が開放状態である場合であるため、ステップS901に肯定判定をし、ステップS911に進む。ステップS911では、RAM313の第2前扉枠カウンタエリアに、閉鎖特定基準値情報を格納する。具体的には、第2前扉枠カウンタエリアに「250」を格納する。
続くステップS912では、第1前扉枠カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。今回は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでの処理であるため、前扉枠14が閉鎖状態の場合にステップS902にて第1前扉枠カウンタエリアに格納された開放特定基準値情報が未だ「0」となっていない状態である。したがって、ステップS912にて否定判定をし、ステップS913に進む。
ステップS913では、第1前扉枠カウンタエリアの値を1減算する。続くステップS914では、第1前扉枠カウンタエリアの値が「0」か否かを判定する。つまり、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでは、前扉枠開放信号監視処理が実行される度に第1前扉枠カウンタエリアの値が1減算される。また、前扉枠開放信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。また、前扉枠14が閉鎖状態の場合には、ステップS902にて第1前扉枠カウンタエリアに「3」が格納される。したがって、ステップS914では、前扉枠14が開放操作され閉鎖状態から開放状態となった時点(前扉枠開放スイッチ78から前扉枠開放信号が出力された時点)から12msecが経過したか否かを判定していることとなる。
第1前扉枠カウンタエリアの値が「0」でない場合には、ステップS914にて否定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。第1前扉枠カウンタエリアの値が「0」である場合には、ステップS914にて肯定判定をし、ステップS915に進む。ステップS915では、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、ステップS916に進む。
ステップS916では、前扉枠開放フラグ格納エリア(前面体開放情報記憶手段)に前扉枠開放フラグ(前面体開放情報)を格納する。これにより、CPU311において前扉枠14が開放状態であることが特定される。続くステップS917では、RAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグを格納する。これにより、CPU311において前扉枠14が開放状態であることを特定したタイミングであることが特定される。続くステップS918では、前扉枠開放コマンドをセットする。当該前扉枠開放コマンドは、後述する払出用出力処理にて払出制御基板322に出力され、払出制御基板322のCPU331では前扉枠開放コマンドを入力することで、前扉枠14が開放状態であることを特定する。
その後、ステップS910ではサブコマンド設定処理を実行する。サブコマンド設定処理では、音声ランプ制御基板324に前扉枠開放状態コマンド(前面体開放報知用情報)を出力し、前面体開放報知を実行させる。この前面体開放報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板256を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に前面体開放信号を出力するようにしてもよい。その後、本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
以上のように、本パチンコ機10では、CPU311の汎用レジスタに前扉枠開放情報が格納されていたとしても、前扉枠14が開放状態となったと即座に判定することはなく、複数回として設定された開放特定基準回数だけ連続して前扉枠開放情報が確認された場合、すなわち、開放特定基準期間に亘って前扉枠開放情報が確認された場合に、前扉枠14が開放状態となったと判定する。これにより、前扉枠14が開放状態ではないにも関わらず、ノイズなどにより第2入力ポート352又は汎用レジスタに前扉枠開放情報が格納された場合に、CPU311において前扉枠14が開放状態となったと特定してしまうことが防止される。
本パチンコ機10では、前扉枠14に対して窓部21、上皿33及び下皿34が一体化されていることに伴って、前扉枠14が開放された場合には遊技球の払出を停止するようにしている。払出を停止しないと本体枠13の開閉部材124の位置から払出装置224の位置まで遊技球が連なり、払出装置224の故障が懸念されるからである。この場合に、実際には前扉枠14が開放状態となっていないにも関わらず、CPU311において前扉枠14が開放状態であると特定されるのは好ましくない。また、ノイズ等の影響で前扉枠開放コマンドが払出制御基板322に出力されると、それを解除するためのコマンドは出力されない。そうすると遊技球の払出が停止された状態が維持され続けてしまうこととなり、遊技者に不利益を及ぼしてしまうおそれがある。これに対して、本構成によれば、このような不都合が発生する可能性を低減することができる。
次に、上記(3)の前扉枠14が開放状態であることが特定された後であって当該開放状態が継続されている場合の処理について説明する。
今回は前扉枠14が開放状態である場合であるため、ステップS901にて肯定判定をし、ステップS911に進み、RAM313の第2前扉枠カウンタエリアに「250」を格納する。続くステップS912では、第1前扉枠カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。今回は前扉枠14が開放状態であることが特定された後であって当該開放状態が継続されている場合であるため、第1前扉枠カウンタエリアが「0」の状態が維持されている。したがって、ステップS912にて肯定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
次に、上記(4)の前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態であることが特定されるまでの処理について説明する。
今回は前扉枠14が閉鎖状態である場合であるため、ステップS901にて否定判定をし、ステップS902に進み、RAM313の第1前扉枠カウンタエリアに「3」を格納する。
続くステップS903では、RAM313の第2前扉枠カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。今回は、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態が特定されるまでの処理であるため、前扉枠14が開放状態の場合にステップS911にて第2前扉枠カウンタエリアに格納された閉鎖特定基準回数が未だ「0」となっていない状態である。したがって、ステップS903にて否定判定をし、ステップS904に進む。
ステップS904では、第2前扉枠カウンタエリアの値を1減算する。続くステップS905では、第2前扉枠カウンタエリアの値が「0」か否かを判定する。つまり、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態であることが特定されるまでは、前扉枠開放信号監視処理が実行される度に第2前扉枠カウンタエリアの値が1減算される。また、前扉枠開放信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。また、前扉枠14が開放状態の場合には、ステップS911にて第2前扉枠カウンタエリアに「250」が格納される。したがって、ステップS905では、前扉枠14が閉鎖操作され開放状態から閉鎖状態となった時点(前扉枠開放スイッチ78からの前扉枠開放信号の出力が停止された時点)から1secが経過したか否かを判定していることとなる。
第2前扉枠カウンタエリアの値が「0」でない場合には、ステップS905にて否定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。第2前扉枠カウンタエリアの値が「0」である場合には、ステップS905にて肯定判定をし、ステップS906に進む。ステップS906では、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、ステップS907に進む。
ステップS907では、前扉枠開放フラグ格納エリアに格納されている前扉枠開放フラグを消去する。これにより、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態であることが特定される。続くステップS908では、RAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグを格納する。これにより、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態であることを特定したタイミングであることが特定される。続くステップS909では、前扉枠閉鎖コマンドをセットする。当該前扉枠閉鎖コマンドは、後述する払出用出力処理にて払出制御基板322に出力され、払出制御基板322のCPU331では前扉枠閉鎖コマンドを入力することで、前扉枠14が閉鎖状態であることを特定する。
その後、ステップS910ではサブコマンド設定処理を実行する。今回のサブコマンド設定処理では、音声ランプ制御基板324に前扉枠閉鎖状態コマンド(前面体閉鎖報知用情報)を出力し、前面体開放報知を終了させる。その後、本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
以上のように、本パチンコ機10では、CPU311の汎用レジスタから前扉枠開放情報が消去されたとしても、前扉枠14が閉鎖状態となったと即座に判定することはなく、複数回として設定された閉鎖基準連続回数だけ連続して前扉枠開放情報のない状態が確認された場合、すなわち、閉鎖特定基準期間に亘って前扉枠開放情報のない状態が確認された場合に、前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。これにより、前扉枠14が閉鎖状態となっていないにも関わらず、ノイズなどにより第2入力ポート352又は汎用レジスタから前扉枠開放情報が消去された場合に、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態となったと特定してしまうことが防止される。
本パチンコ機10は前扉枠14が開放状態となると遊技球の払出が停止されるとともに前扉枠14が閉鎖状態となると遊技球の払出が再開される構成であるため、実際には前扉枠14が閉鎖状態となっていないにも関わらず、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態であると特定されるのは好ましくない。また、ノイズ等の影響で前扉枠閉鎖コマンドが払出制御基板322に出力されると、前扉枠14が開放状態であるにも関わらず遊技球の払出が再開されてしまうこととなる。そうすると、本体枠13の開閉部材124の位置から払出装置224の位置まで遊技球が連なり、払出装置224の故障が懸念される。これに対して、本構成によれば、このような不都合が発生する可能性が低減される。
また、前扉枠14が閉鎖されたと特定されるまでの期間(具体的には、1sec)は、開放されたと判定されるまでの期間(具体的には、12msec)よりも長くなっている。これは、以下の理由による。つまり、本パチンコ機10では、既に説明したように、前扉枠14に対して窓部21、上皿33及び下皿34が一体化されていることに伴って、上記のとおり前扉枠14が開放された場合には遊技球の払出を停止するようにしている。払出を停止しないと本体枠13に設けられた開閉部材124の位置から払出装置224の位置まで遊技球が連なり、払出装置224の故障が懸念されるからである。したがって、前扉枠14が開放された場合には払出装置224からの遊技球の払出を極力早い段階で停止する必要がある。その一方、前扉枠14を開放状態から閉鎖状態とする場合、例えば、前扉枠14と本体枠13との間に遊技球が挟まった場合などには、前扉枠14の開閉を繰り返し行うことが考えられる。この場合に、前扉枠14が閉鎖されたと特定されるまでの期間が短いと、繰り返し開閉される度に、払出装置224に設けられた払出モータ257の駆動の開始及び停止を繰り返す必要が生じ、球詰まりや払出モータ257の故障の原因となりかねない。これに対して、上記構成とすることにより、このような不都合が発生する可能性が低減される。
また、入賞発生の有無の判定については、図19及び図20に示すように、バイト単位の各入力情報を演算することにより行うようにしたのに対して、前扉枠14が開放状態となったか否かの判定及び閉鎖状態となったか否かの判定に関しては前扉枠カウンタエリア364を用いて開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の経過を判定することにより行うようにした。これは以下の理由による。つまり、本パチンコ機10では、開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の方が入賞発生有りと判定されるまでの期間よりも長く設定されている。この場合に、前扉枠14の開放状態及び閉鎖状態の判定に関して入賞発生有無の判定方法を適用すると、今回用レジスタ381といった判定用の記憶領域を多く設ける必要が生じる。そうすると記憶容量の極端な増大化を招くこととなり、好ましくない。特に、CPU311のレジスタの記憶容量は比較的小さいため、当該レジスタを用いて行うことは困難である。さらには、読み込み処理(図19)のステップS604に示すように情報のシフト処理を行う必要があるため、判定用の記憶領域を多く設けると、それだけシフト処理に際しての処理負荷が増大してしまう。これに対して、開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の経過の判定に関して、前扉枠カウンタエリア364を用いるようにすることで、開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の経過の判定を良好に行うことができる。
なお、ステップS804の本体枠開放信号監視処理では、本体枠13の開放状態及び閉鎖状態の特定を行うための具体的な処理内容の説明を省略したが、基本的に前扉枠開放信号監視処理と同様の処理を実行する。
<賞球許可信号監視処理>
次に、上記ステップS806の賞球許可信号監視処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず賞球許可信号について説明する。
本パチンコ機10では、既に説明したように、電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のRAM313に供給されるが、払出制御基板322のRAM333には供給されない。当該構成とすることにより、電断時用電源部321cの小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からのパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は全て消去されてしまう(破壊されてしまう)。この場合、従来のパチンコ機のように未払出の賞球数の情報を全て払出制御基板322のRAM333に記憶しておく構成とすると、未払出の賞球数がある状況でパチンコ機10への電力供給が停止された場合にはその未払出の賞球数の全てが払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、未払出の賞球情報は基本的に主制御基板301のRAM313の賞球用カウンタエリア361に記憶し、主制御基板301のCPU311は払出制御基板322のCPU331から賞球許可信号を入力している場合に当該CPU331に対して賞球コマンドを出力する。そして、払出制御基板322のCPU331では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶される賞球数の情報が、最大でも、1回の入賞に対する最大賞球数(15個賞球)と、後述する許可基準数との和となるように賞球許可信号の出力開始タイミング及び出力停止タイミングを設定する。なお、この許可基準数は、1回の入賞に対する最小賞球数又はそれ未満となっている。これにより、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電力供給が停止されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。つまり、賞球許可信号とは、主制御基板301のCPU311において賞球コマンドの出力タイミングを特定するために、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に出力される情報である。
さて、賞球許可信号監視処理では先ずステップS1001にて、賞球許可信号を入力している旨の賞球許可情報が第1入力ポート351の第7ビットD7に格納されているか否かを判定する。なお、賞球許可信号監視処理に際して、第1入力ポート351の情報をCPU311の汎用レジスタや専用レジスタに格納する構成としてもよく、この場合、そのレジスタに賞球許可情報が格納されているか否かを判定する構成とする。
賞球許可情報が格納されている場合には、ステップS1002にて、主制御基板301のRAM311の賞球許可カウンタエリア(許可契機把握用手段)365に格納されている値が「5」であるか否かを判定する。賞球許可カウンタエリア365とは、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されている場合に、それが払出制御基板322から実際に賞球許可信号が出力されていることに起因して格納されたものか、ノイズなどの原因により格納されたものかをCPU311において特定するためのものである。
賞球許可カウンタエリア365の値が「5」以上の場合には、ステップS1002にて肯定判定をし、そのまま本賞球許可信号監視処理を終了する。一方、賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、ステップS1002にて否定判定をし、ステップS1003に進む。ステップS1003では、賞球許可カウンタエリア365の値を1加算した後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。
ここで、賞球許可信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。したがって、払出制御基板322から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、約4msec周期で賞球許可カウンタエリア365の値が1加算される。また、ステップS1002の処理が実行されることにより、払出制御基板322からの賞球許可信号の出力が継続されている状況であっても賞球許可カウンタエリア365の値が「5」以上となった場合には、当該賞球許可カウンタエリア365の値の加算処理は実行しない。
また、ステップS1002にて、賞球許可情報が格納されていないと判定した場合には、ステップS1004にて賞球許可カウンタエリア365の値を「0」クリアした後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。つまり、払出制御基板322から賞球許可信号が出力されていない状況では、賞球許可カウンタエリア365の値は「0」に維持される。
<払出用出力処理>
次に、通常処理(図14)のステップS508にて実行される払出用出力処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。払出用出力処理とは、主制御基板301のCPU301から払出制御基板322のCPU332に各種コマンドを出力するための処理である。
払出用出力処理では、先ずステップS1101にて、主制御基板301のRAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠状態変化フラグが格納されている場合には、ステップS1102にて前扉枠状態変化フラグを消去するとともに、ステップS1103にて前扉枠開放コマンド又は前扉枠閉鎖コマンドを払出制御基板322に出力した後に本払出用出力処理を終了する。
一方、ステップS1101において、RAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグが格納されていない場合には否定判定をし、ステップS1104に進む。ステップS1104では、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、そのまま払出用出力処理を終了する。
前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、ステップS1105にて、RAM313の賞球許可カウンタエリア365の値が出力許可基準回数としての「5」となっているか否かを判定する。ここで、上記のとおり、賞球許可カウンタエリア365の値は、払出制御基板322のCPU331から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、約4msec周期で1加算される。また、賞球許可カウンタエリア365の値は、払出制御基板322のCPU331からの賞球許可信号の出力が停止された場合には「0」クリアされる。したがって、ステップS1105では、払出制御基板322のCPU331からの賞球許可信号の出力が継続して出力許可継続期間としての20msecとなったか否かを判定している。
賞球許可カウンタエリア365の値が「5」でない場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。賞球許可カウンタエリア365の値が「5」である場合には、ステップS1106にて、RAM313の賞球用カウンタエリア361における各種カウンタエリア361a〜361dのいずれかに賞球情報が記憶されているか否かを判定する。いずれにも賞球情報が記憶されていない場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。
各種賞球用カウンタエリア361a〜361dのいずれかに賞球情報が記憶されている場合には、ステップS1107にて賞球許可カウンタエリア365の値を「0」クリアする。その後、ステップS1108にて賞球コマンド出力処理を実行し、本払出用出力処理を終了する。
ここで、賞球コマンド出力処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1201では、RAM313の15個賞球用カウンタエリア361aの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、15個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS1202にて、15個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、15個賞球用カウンタエリア361aの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS1201において、15個賞球用カウンタエリア361aの値が「0」である場合には、ステップS1203に進む。ステップS1203では、RAM313の4個賞球用カウンタエリア361cの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、4個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS1204にて、4個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、4個賞球用カウンタエリア361cの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS1203において、4個賞球用カウンタエリア361cの値が「0」である場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では、RAM313の3個賞球用カウンタエリア361dの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、3個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS1206にて、3個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、3個賞球用カウンタエリア361dの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS1205において、3個賞球用カウンタエリア361dの値が「0」である場合には、ステップS1207に進む。ステップS1207では、10個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、10個賞球用カウンタエリア361bの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
以上のように、主制御基板301のCPU311は、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されたとしても、払出制御基板322において賞球コマンドの出力が許可されたと即座に特定することはなく、複数回として設定された出力許可基準回数だけ連続して賞球許可情報が確認された場合、すなわち、出力許可基準期間である20msecに亘って賞球許可信号が出力されている状態が確認された場合に、賞球コマンドの出力が許可されたと特定する(出力許可状態であると特定する)。そして、賞球コマンドの出力が許可されたと特定することで、払出制御基板322のCPU331に1回の入賞に対応した1個の賞球コマンドを出力する。このように出力許可基準期間が設定されていることにより、既に説明したように、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されている場合に、それが払出制御基板322から賞球許可信号が出力されていることに起因して格納されたものか、ノイズなどの原因により格納されたものかをCPU311において特定することができる。よって、ノイズなどの原因で賞球許可情報が格納された場合に、それに対して賞球コマンドが出力されてしまうことを阻止することができる。
特に、後述するように払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374には、予め定められた最大基準数を超える賞球数を記憶することができないようになっている。この場合に、ノイズなどの原因で賞球許可情報が格納され、それに対して賞球コマンドが出力されてしまうと、その賞球コマンドに対応した賞球数は実際に払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に不利益を及ぼすこととなってしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を防止することができる。
ここで、入賞発生の有無の判定については、図19及び図20に示すように、バイト単位の各入力情報を演算することにより行うようにしたのに対して、賞球コマンドを出力するか否かの判定に関しては賞球許可カウンタエリア365を用いて出力許可基準期間の経過を判定することにより行うようにした。これは以下の理由による。つまり、本パチンコ機10では、出力許可基準期間の方が入賞発生有りと判定されるまでの期間よりも長く設定されている。この場合に、賞球許可信号に関して入賞発生有無の判定方法を適用すると、今回用レジスタ381といった判定用の記憶領域を多く設ける必要が生じる。そうすると記憶容量の極端な増大化を招くこととなり、好ましくない。特に、CPU311のレジスタの記憶容量は比較的小さいため、当該レジスタを用いて行うことは困難である。さらには、読み込み処理(図19)のステップS604に示すように情報のシフト処理を行う必要があるため、判定用の記憶領域を多く設けると、それだけシフト処理に際しての処理負荷が増大してしまう。これに対して、出力許可基準期間の経過の判定に際しては、賞球許可カウンタエリア365を用いるようにすることで、出力許可基準期間の経過の判定を良好に行うことができる。
また、払出用出力処理(図25)においてステップS1104の処理が実行されることにより、前扉枠14が開放状態の場合には賞球許可信号を入力している期間が出力許可基準期間に達しているとしても賞球コマンドは出力されない。本パチンコ機10では、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払出は停止される。この場合、前扉枠14が開放状態である場合に賞球コマンドを出力しないようにすることで、遊技球の払出が停止されている状況において新たに賞球コマンドが出力されないようにすることが可能となる。
本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまうため、遊技球の払出が停止されている状況において賞球コマンドが出力されると、前扉枠14を開放状態としたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。なお、前扉枠14が開放状態の場合に賞球コマンドの出力を禁止することは必須の構成ではなく、前扉枠14が開放状態の場合に賞球コマンドを出力するようにしてもよい。
また、賞球コマンド出力処理(図26)においては、複数種類設定された賞球情報についてコマンド出力に関して以下のように優先度を設定した。つまり、(1)15個賞球情報→(2)4個賞球情報→(3)3個賞球情報→(4)10個賞球情報の順序で優先度を設定した((1)が最も優先度が高く、(4)が最も優先度が低い)。
本パチンコ機10では、主制御基板301のRAM313の賞球用カウンタエリア361a〜361dは、1バイトで構成されており、記憶可能な賞球情報の数には上限があり、各上限数は一定となっている。その一方、前扉枠14が開放状態となった場合のように、賞球コマンドの出力が禁止されることがある。これに対して、上記のように賞球コマンドの出力に関して優先度を設定することで、入賞が発生したにも関わらずその入賞に対応した賞球情報が賞球用カウンタエリア361a〜361dに加算されないまま消去されてしまうといった不都合が発生する可能性が低減される。
つまり、一般入賞口、可変入賞装置、上作動口及び下作動口のうち、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高いのは、可変入賞装置→下作動口→上作動口→一般入賞口である(可変入賞装置の可能性が最も高く、一般入賞口の可能性が最も低い)。そして、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高いものほど、上記のような不都合が発生する可能性が高いと言える。これに対して、上記のように優先度を設定することで、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高い入賞に対応した賞球情報から優先して賞球コマンドとして出力されることとなり、上記のような不都合が発生する可能性が低減される。
なお、可変入賞装置は、大当たり状態の場合に開放状態となるものであり、開放状態となると短時間で多数の入賞が発生する。また、下作動口は、頻度向上状態の場合に開放状態となるものであり、開放状態となると短時間で多数の入賞が発生する。但し、開放状態となった場合の単位時間当たりの入賞数は、可変入賞装置の方が多くなっている。また、上作動口は、常に入賞が可能な状態となっているが、可変入賞装置や下作動口のように入賞をサポートする部材は不具備であり、可変入賞装置や下作動口が開放状態となった場合の単位時間当たりの入賞数は、これら可変入賞装置及び下作動口よりも上作動口の方が少なくなっている。さらには、一般入賞口は、常に入賞が可能な状態となっているが、釘により上作動口よりも入賞しづらい状態となっている。
<払出制御基板322のCPU331における処理構成>
次に、払出制御基板322のCPU331における処理構成について説明する。かかるCPU331の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力により起動される入力時割込み処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
メイン処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS1301では、電源投入に伴う初期設定を実行する。続くステップS1302では、初期表示処理を実行する。初期表示処理では、払出制御基板322に設けられた7セグ表示器242aに初期表示として「0」を表示させる。
続くステップS1303では、RAMアクセスを許可すると共に、ステップS1304で外部割込みベクタの設定を行う。その後、ステップS1305にてRAM333の全領域を「0」にクリアし、ステップS1306にてCPU周辺デバイスの初期設定を行う。続くステップS1307では割込みを許可する。以上のステップS1301〜ステップS1307の一連の処理が払出制御基板322のCPU331における立ち上げ処理に該当し、当該立ち上げ処理が完了するまでに、例えば300msecを要する。なお、この立ち上げ処理に要する時間は300msecに限定されることはなく、主制御基板301のCPU311において立ち上げ処理に要する時間よりも短いのであれば任意である。
その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで、ステップS1307の処理を繰り返し実行する。なお、このようにステップS1307の割込み許可の設定処理を繰り返し実行することで、仮にノイズ等の影響で割込み許可の設定が解除されて不許可の設定となったとしても、割込み許可の状態に再度設定しなおすことができる。
<入力時割込み処理>
次に、払出制御基板322のCPU331により実行される入力時割込み処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、入力時割込み処理は、上記のとおり主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力により起動されるものである。この場合に、CPU311から入力したコマンドは、払出制御基板322のRAM333に設けられたリングバッファに一時的に記憶されている。入力時割込み処理では、リングバッファに記憶されているコマンドを読み出し、その読み出したコマンドに対応した処理を実行する。
なお、払出制御基板322は、主制御基板301のCPU311からのコマンド(初期コマンド、賞球コマンド、前扉枠開放コマンド、或いは、前扉枠閉鎖コマンド)の入力前は、コマンド未受信状態に設定されており、主制御基板301のCPU311からコマンドが入力されると、コマンド未受信状態が解除されて、コマンド受信状態に設定される。
さて、入力時割込み処理では、先ずステップS1401にて入力したコマンドが初期コマンドか否かを判定する。初期コマンドである場合には、ステップS1402にて初期表示解除処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。初期表示解除処理では、7セグ表示器242aにおける初期表示を終了させる。
入力したコマンドが初期コマンドでない場合には、ステップS1403にて賞球コマンドか否かを判定する。賞球コマンドである場合には、ステップS1404にてコマンド格納処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。コマンド格納処理では、払出制御基板322のRAM333のコマンド格納エリア373に、今回入力した賞球コマンドを格納する。
入力したコマンドが賞球コマンドでない場合には、ステップS1405にて前扉枠開放コマンドか否かを判定する。前扉枠開放コマンドである場合には、ステップS1406にてRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリア(払出側の前面体開放情報記憶手段)に前扉枠開放フラグ(払出側の前面体開放情報)を格納した後に、本入力時割込み処理を終了する。
入力したコマンドが前扉枠開放コマンドでない場合には、ステップS1407にて前扉枠閉鎖コマンドか否かを判定する。前扉枠閉鎖コマンドである場合には、ステップS1408にてRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリアから前扉枠開放フラグを消去した後に、本入力時割込み処理を終了する。前扉枠開放コマンドでない場合には、そのまま本入力時割込み処理を終了する。
なお、入力時割込み処理の処理内容を、後述するタイマ割込み処理においてコマンド判定処理として実行し、入力時割込み処理ではリングバッファへのコマンドの読み込みのみを行う構成としてもよい。
<タイマ割込み処理>
次に、払出制御基板322のCPU331により例えば2msec毎に起動されるタイマ割込み処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1501にて状態復帰スイッチ245をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。その後、ステップS1502にて下皿34の満タン状態に関する処理として満タン用処理を実行し、ステップS1503にてタンク221の球無状態に関する処理として球無用処理を実行し、ステップS1504にて賞球数の設定に関する処理として賞球設定処理を実行し、ステップS1505にて貸球の設定に関する処理として貸球設定処理を実行し、ステップS1506にて払出個数の設定に関する処理として払出個数設定処理を実行し、ステップS1507にて遊技球の払出に関する処理として払出制御処理を実行し、ステップS1508にて賞球許可信号の設定に関する処理として賞球許可信号設定処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
以下、ステップS1502の満タン用処理、ステップS1503の球無用処理、ステップS1504の賞球設定処理、ステップS1505の貸球設定処理、ステップS1506の払出個数設定処理、ステップS1507の払出制御処理及びステップS1508の賞球許可信号設定処理を詳細に説明する。
<満タン用処理>
先ずステップS1502の満タン用処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。満タン用処理では、遊技球分配部225に設けられた満タン検知センサ59の検知結果に基づいて下皿34が満タン状態か否かが判定され各種処理が実行される。そして、満タン検知センサ59にて遊技球が検知されていない場合にはステップS1602以降の処理が実行され、遊技球が検知されている場合にはステップS1609以降の処理が実行される。以下の説明では、便宜上、ステップS1609以降の処理を説明した後にステップS1602以降の処理を説明する。
満タン用処理において先ずステップS1601では、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、払出制御基板322のCPU331の入力ポートに満タン検知信号を入力している旨を示す満タン検知情報が格納されているか否かを判定する。
満タン検知信号を入力している場合には、ステップS1609にて、払出制御基板322のRAM333の満タンカウンタエリア371における第2満タンカウンタエリアを「0」クリアする。第2満タンカウンタエリアは、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力していない期間を計測するためのカウンタである。その後、ステップS1610にて、満タンカウンタエリア371における第1満タンカウンタエリアの値を1加算する。第1満タンカウンタエリアは、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力している期間を計測するためのカウンタである。
ステップS1610の後は、ステップS1611にてコマンド未受信状態であるか否かを判定する。上述したように、払出制御基板322は、主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力前は、コマンド未受信状態に設定されており、コマンドの入力により、コマンド未受信状態が解除されて、コマンド受信状態に設定される。
よって、コマンド未受信状態ではない場合には、ステップS1612にて第1満タンカウンタエリアが、電源投入時ではない状態に対応したカウント値としての「250」となっているか否かを特定する。
ここで、本満タン用処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、タイマ割込み処理は上記のとおり2msec周期で起動される。よって、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力している場合には第1満タンカウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1612では満タン検知信号を約0.5sec(非電源投入時期間)に亘って継続しているか否かを判定している。
第1満タンカウンタエリアが「250」の場合には、下皿34が満タン状態であると特定しステップS1613に進む。つまり、下皿34が満タン状態である場合には遊技球分配部255内にて遊技球が並ぶため、満タン検知センサ59によって遊技球が継続して検知され満タン検知信号の出力が継続される。そして、この状態で約0.5secが継続することにより、下皿34が満タン状態であると特定される。このように、下皿34が満タン状態であると特定される期間を0.5secと設定したのは、当該期間が極端に長いと払出装置224の位置まで遊技球が連なり払出モータ257などが故障してしまうおそれがあるからであり、当該期間が極端に短いと下皿34が満タン状態でないにも関わらず満タン状態であると特定されるおそれがあるからである。
一方、ステップS1612にて、第1満タンカウンタエリアの値が「250」でない場合には、満タン検知センサ59によって遊技球を継続して検知しているが、下皿34が満タンであると特定すべき期間に達していない状態であるので、そのまま本満タン用処理を終了する。
ステップS1613では、RAM333の各種フラグ格納エリア377における満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定する。満タンフラグが格納されている場合には、そのまま本満タン用処理を終了する。満タンフラグが格納されていない場合には、ステップS1614にて満タンフラグを格納するとともに満タン状態に設定した後に本満タン用処理を終了する。満タン状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に満タン信号の出力が開始されるとともに、満タン状態が設定されている間は満タン信号の出力状態が維持される。
一方、ステップS1611にてコマンド未受信状態である場合には、ステップS1615にて第1満タンカウンタエリアが、電源投入時の状態に対応したカウント値としての「1000」となっているか否かを特定する。
上記の通り、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力している場合、第1満タンカウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1615では満タン検知信号を約2.0sec(電源投入時期間)に亘って継続しているか否かを判定している。
第1満タンカウンタエリアが「1000」の場合には、下皿34が満タン状態であると特定しステップS1616に進む。つまり、下皿34が満タン状態である場合には遊技球分配部255内にて遊技球が並ぶため、満タン検知センサ59によって遊技球が継続して検知され満タン検知信号の出力が継続される。そして、この状態で約2.0secが継続することにより、下皿34が満タン状態であると特定される。このように、下皿34が満タン状態であると特定される期間を2.0secと設定したのは、当該期間が極端に短いと、主制御基板301が立ち上がっていない状態であるにも関わらず、下皿34が満タン状態であると特定されるおそれがあるからである。
一方、ステップS1615にて、第1満タンカウンタエリアの値が「1000」でない場合には、満タン検知センサ59によって遊技球を継続して検知しているが、下皿34が満タンであると特定すべき期間に達していない状態であるので、そのまま本満タン用処理を終了する。
ステップS1616では、RAM333の各種フラグ格納エリア377における満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定する。満タンフラグが格納されている場合には、そのまま本満タン用処理を終了する。満タンフラグが格納されていない場合には、ステップS1614にて満タンフラグを格納するとともに満タン状態に設定し、本満タン用処理を終了する。満タン状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に満タン信号の出力が開始されるとともに、満タン状態が設定されている間は満タン信号の出力状態が維持される。
ステップS1601にて満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない場合には、ステップS1602にて第1満タンカウンタエリアを「0」クリアし、ステップS1605にて第2満タンカウンタエリアを1加算する。その後、ステップS1606にて第2満タンカウンタエリアが「1000」となっているか否かを判定する。ここで、第2満タンカウンタエリアは、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない場合には約2msec周期で1加算される。よって、ステップS1606では満タン検知信号を入力していない状態が継続して約2.0secとなっているか否かを判定している。
第2満タンカウンタエリアが「1000」でない場合にはそのまま本満タン用処理を終了する。一方、第2満タンカウンタエリアが「1000」である場合には、ステップS1607にてRAM333の満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定する。満タンフラグが格納されていない場合にはそのまま本満タン用処理を終了する。満タンフラグが格納されている場合には、ステップS1608にて満タンフラグを消去するとともに満タン解除状態を設定した後に本満タン用処理を終了する。満タン解除状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への満タン信号の出力が停止されるとともに、満タン解除状態が設定されている間は満タン信号の出力停止状態が維持される。
ここで、ステップS1606にて満タン検知センサ59からの満タン検知信号の出力が停止されてから約2.0sec経過するのを待ってステップS1608の処理を実行するようにしたことで、ノイズなどの影響で実際には満タン検知センサ59の検知範囲に遊技球が待機しているのに満タン状態が解除されたと判定されないようにことができる。
なお、ステップS1606、ステップS1612及びステップS1615において、それぞれ判定値以上であるか否かを判定する構成としてもよい。
<球無用処理>
次に、ステップS1503の球無用処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。球無用処理では、ケースレール223に設けられた球無検知センサ223aの検知結果に基づいてタンク221が球無状態か否かが判定され各種処理が実行される。そして、球無検知センサ223aにて遊技球が検知されている場合にはステップS1702以降の処理が実行され、遊技球が検知されていない場合にはステップS1708以降の処理が実行される。以下の説明では、便宜上、ステップS1708以降の処理を説明した後にステップS1702以降の処理を説明する。
球無用処理において先ずステップS1701では、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、払出制御基板322のCPU331の入力ポートに球無検知信号を入力している旨を示す球無検知情報が格納されているか否かを判定する。
球無検知信号を入力している場合には、ステップS1708にて、払出制御基板322のRAM333の球無カウンタエリア372における第2球無カウンタエリアを「0」クリアする。第2球無カウンタエリアは、球無検知センサ223aから球無検知信号を継続して入力していない期間を計測するためのカウンタである。その後、ステップS1709にて、球無カウンタエリア372における第1球無カウンタエリアの値を1加算する。第1球無カウンタエリアは、球無検知センサ223aから球無検知信号を継続して入力している期間を計測するためのカウンタである。
ステップS1709の後は、ステップS1710にて第1球無カウンタエリアが第1球無特定基準期間に対応したカウント値としての「5000」となっているか否かを特定する。ここで、本球無用処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、タイマ割込み処理は上記のとおり2msec周期で起動される。よって、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力している場合には第1球無カウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1710では球無検知信号を約10sec(第1球無特定基準期間)に亘って継続しているか否かを判定している。
第1満球無カウンタエリアが「5000」の場合には、タンク221が球無状態であると特定しステップS1711に進む。つまり、タンク221が球無状態である場合にはケースレール223内にて遊技球が並ばなくなるため、球無検知センサ223aによって遊技球が継続して検知されなくなり球無検知信号の出力が継続される。そして、この状態で約10secが継続することにより、タンク221が球無状態であると特定される。
ステップS1711では、RAM333の球無フラグ格納エリア(球無状態情報記憶手段)に球無フラグ(球無状態情報)が格納されているか否かを判定する。球無フラグが格納されている場合には、そのまま本球無用処理を終了する。球無フラグが格納されていない場合には、ステップS1712にて球無フラグを格納するとともに球無状態に設定した後に本球無用処理を終了する。球無状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に払出異常信号の出力が開始されるとともに、球無状態が設定されている間は払出異常信号の出力状態が維持される。
一方、ステップS1710にて、第1球無カウンタエリアの値が「5000」でない場合には、ステップS1713にて第1球無カウンタエリアが第2球無特定基準期間に対応したカウント値としての「500」となっているか否かを判定する。上述したとおり、第1球無カウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1713では球無検知信号を継続して約1.0sec(第2球無特定基準期間)入力しているか否かを判定している。
第1球無カウンタエリアが「500」でない場合にはそのまま本球無用処理を終了する。第1球無カウンタエリアが「500」である場合には、タンク221が球無状態であるおそれがあると特定し、ステップS1714に進む。ステップS1714では、RAM333の球無低速フラグ格納エリア(球無低速情報記憶手段)に球無低速フラグ(球無低速情報)を格納する。その後、本球無用処理を終了する。
球無低速フラグが格納されることにより、CPU331では後述するように払出モータ257の払出速度の設定を、それまでの通常周期(具体的には、60msec間隔で遊技球を払い出す)から低速周期(具体的には、800msec間隔で遊技球を払い出す)に変更する。
このように払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えるのは以下の理由による。すなわち、タンク221においては球詰まりが発生することがある。これに対して、タンク221には、上記球詰まりが発生した際に当該球詰まりを解消すべく、タンク221を振動させるための振動モータが設けられている。球詰まりが重度のものでなければ、振動モータによりタンク221を振動させることで当該球詰まりは解消する。そして、この球詰まりの解消は10sec以内に完了するものと考えられる。
当該事情において、球無検知センサ223aにて遊技球を検知していない期間が第1球無特定基準期間である約1.0secが経過した時点で、払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えることで、払出装置224の回転体256よりも上流側に待機している遊技球が全てなくなってしまう前のタイミングで球詰まりが解消される可能性が高められる。払出装置224の回転体256よりも上流側に待機している遊技球が全てなくなってしまうと、再度、タンク221側から回転体256に向けて遊技球が補充された際に、その遊技球がケースレール223を通じて落下し回転体256に直接衝突することとなり、回転体256の故障の発生等が懸念される。これに対して、上記のように払出速度を低速周期に切り換えることで、このような不都合が発生する可能性が低減される。
球無用処理の説明に戻り、ステップS1701にて球無検知センサ223aから球無検知信号を入力していない場合には、ステップS1702にて第1球無カウンタエリアを「0」クリアする。その後、ステップS1703にて、第2球無カウンタエリアを1加算する。その後、ステップS1704にて第2球無カウンタエリアが「1500」となっているか否かを判定する。ここで、第2球無カウンタエリアは、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力していない場合には約2msec周期で1加算される。よって、ステップS1704では球無検知信号を入力していない状態が継続して約3.0secとなっているか否かを判定している。
第2球無カウンタエリアが「1500」でない場合にはそのまま本球無用処理を終了する。一方、第2球無カウンタエリアが「1500」である場合には、ステップS1705にてRAM333の球無低速フラグ格納エリアから球無低速フラグを消去する。球無低速フラグが消去されることにより、CPU331では基本的に払出モータ257の払出速度の設定を、低速周期から通常周期に変更する。
続くステップS1706では、RAM333の球無フラグ格納エリアに球無フラグが格納されているか否かを判定する。球無フラグが格納されていない場合にはそのまま本球無用処理を終了する。球無フラグが格納されている場合には、ステップS1707にて球無フラグを消去するとともに球無解除状態を設定した後に本球無用処理を終了する。球無解除状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への払出異常信号の出力が停止されるとともに、球無解除状態が設定されている間は払出異常信号の出力停止状態が維持される。
ここで、ステップS1704にて球無検知センサ223aからの球無検知信号の出力が停止されてから約3.0sec経過するのを待ってステップS1705及びステップS1707の処理を実行するようにしたことで、ノイズなどの影響で実際には球無検知センサ223aの検知範囲に遊技球が待機していないのに球無状態が解除されたと判定されないようにことができる。
<賞球設定処理>
次に、ステップS1504の賞球設定処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。賞球設定処理では、主制御基板301のCPU331から入力した賞球コマンドから賞球数を特定し、その特定した賞球数を払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374に加算する処理が実行される。
賞球設定処理では先ずステップS1801にて、RAM333のコマンド格納エリア373に賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。賞球コマンドが格納されていない場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。賞球コマンドが格納されている場合には、ステップS1802に進む。
ステップS1802では、賞球コマンド用の演算処理を実行する。ここで、既に説明したように賞球コマンドは、3個賞球コマンド、4個賞球コマンド、10個賞球コマンド、15個賞球コマンドの4種類が設定されており、これら各賞球コマンドは、図17(b)に示すように、上位情報と下位情報とからなる2バイトで構成されている。そして、各賞球コマンドは、上位情報と下位情報との加算を演算した場合の1バイトからなる情報の形態が「FF」となるように設定されている。ステップS1802では、RAM333のコマンド格納エリア373に格納されている賞球コマンドについて、上記加算の演算を実行する。なお、加算の演算結果は、CPU331の汎用レジスタに格納される。
続くステップS1803では、コマンド格納エリア373に格納されている賞球コマンドを消去する。続くステップS1804では、ステップS1802にて演算した結果が正常であるか否かを判定する。具体的には、16進数で「FF」となっているか否かを判定する。「FF」となっている場合には、今回の賞球コマンドが正常なものであることを意味するため、ステップS1805に進む。
一方、「FF」となっていない場合には、今回の賞球コマンドは、主制御基板301のCPU311から払出制御基板322のCPU331へのコマンド伝送経路の途中でノイズ等の影響で書き換えられてしまったことを意味するため、そのまま本賞球設定処理を終了する。この場合、今回の賞球コマンドは、賞球数の情報としてRAM333の賞球数記憶エリア374に加算されることなく消去される。これにより、ノイズ等の影響で賞球コマンドが書き換えられてしまった場合に、遊技ホール等が受ける被害を低減することができる。つまり、賞球コマンドは下位情報が賞球数の情報に相当しているが、当該下位情報が書き換えられ、例えば、本来なら賞球数が3個であるはずなのに賞球数が100個となってしまうおそれがある。これに対して、上記のように当該賞球コマンドを賞球数の情報としてRAM333の賞球数記憶エリア374に加算しないようにすることで、上記ノイズ等で書き換えられてしまった情報が加算されなくなり、遊技ホール等が受ける被害が低減される。
ちなみに、上記のように賞球コマンドの加算の演算結果が16進数で「FF」とならなかった場合には、予め定められた補正用賞球数をRAM333の賞球数記憶エリア374に加算するようにしてもよい。この補正用賞球数としては、例えば、入賞に対する賞球数として実際に設定されているもののうちの最大賞球数(本パチンコ機10では15個)とする構成が考えられる。この場合、賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に遊技者が不利益を受けないようにすることができる。また、入賞に対する賞球数として設定されているもののうちの最小賞球数(本パチンコ機10では3個)とする構成が考えられる。この場合、賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に遊技者の不利益に対して、最低限の補償をすることができる。さらには、入賞に対する賞球数として設定されているもののうちの平均賞球数とする構成としてもよく、この平均賞球数とする場合、遊技状態毎に異なる補正用賞球数を設定しておいてもよい。
賞球設定処理の説明に戻り、ステップS1805では、賞球数特定処理を実行する。具体的には、ROM332の賞球テーブル記憶エリア332aに記憶されている情報に基づいて、今回入力した賞球コマンドがいずれの賞球数に対応しているかを特定する。この場合、賞球コマンドの下位情報と賞球テーブル記憶エリア332aとが照らし合わされ、賞球数の特定が行われる。ここで特定された賞球数は、賞球コマンドの情報に代えて、CPU331の汎用レジスタに格納される。
ここで、ノイズ等の影響で賞球コマンドの情報が賞球テーブル記憶エリア332aのいずれの情報とも一致しないことがある。これに対処すべく、賞球数特定処理では、賞球コマンドの下位情報における2進数の情報から賞球数を特定する構成としてもよい。また、本構成において、特定した賞球数が最大遊技媒体数である15個以上である場合には、15個とし、14個〜10個である場合には10個とし、9個〜4個である場合には4個とし、3個〜1個である場合には3個とする構成としてもよい。
続くステップS1806では、加算時マスク処理を実行する。当該加算時マスク処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が予め定められた加算時修正用賞球数以下となるように論理積の演算を実行する。
ここで、後述するように払出制御基板322のCPU331は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数としての3個以下となることで賞球許可信号の出力を開始し、それに対する賞球コマンドを主制御基板301のCPU311から入力して賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が4個以上となることにより賞球許可信号の出力を停止する。したがって、主制御基板301のCPU311から賞球コマンドを入力し、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報を加算する際には、賞球数記憶エリア374に記憶されている許可基準数以下(具体的には、3個以下)となっているはずである。
但し、パチンコ機10においては様々なタイミングでノイズ等が発生する可能性があり、払出制御基板322のCPU331において賞球許可信号の出力を開始してから賞球数の加算処理を実行するまでに賞球数記憶エリア374の情報が書き換えられてしまうおそれがある。そして、例えば、賞球数記憶エリア374の情報が本来は3個であったのに対して、131個などに書き換えられてしまった場合には遊技ホールに多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、ステップS1806の加算時マスク処理では、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が加算時修正用賞球数としての3個以下となるように論理積の演算を実行する。なお、本構成では、加算時修正用賞球数は、許可基準数と一致している。
具体的には、払出制御基板322のROM332には、賞球数記憶エリア374と同一のバイト単位である1バイトで構成された加算時修正用情報が予め記憶されている。加算時修正用情報は、「00000011」となっている。これを10進数で表すと「3」である。加算時マスク処理では、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報をCPU331におけるマスク処理用の専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報について上記加算時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を、賞球数記憶エリア374に記憶させる。
この場合、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が3個に相当する「00000011」である場合には、加算時修正用情報との論理積の演算結果は「000000011」となり3個のままである。また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が2個に相当する「00000010」である場合には、加算時修正用情報との論理積の演算結果は「00000010」となり2個のままである。このように賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持されるのは、1個及び0個の場合も同様である。つまり、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数以下である場合には、加算時マスク処理の前に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持される。
一方、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた3個に相当する賞球数の情報(「00000011」)についてノイズ等の影響で最上位のビットに「1」(データ1)が設定され、131個に相当する「10000011」となることが考えられる。この場合であっても、加算時修正用情報との論理積の演算を行うことで、「00000011」となる。この情報は、ノイズにより書き換えられる前に記憶されていた賞球数の情報と同一である。
以上のように、賞球数の加算を行う場合に、ノイズの影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が許可基準数を超えていたとしても、それを許可基準数以下であってノイズの影響で書き換えられてしまう前の情報に戻すことが可能となる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できるとともに、遊技者が不利益を被ってしまうことも抑制できる。
賞球設定処理の説明に戻り、ステップS1806にて加算時マスク処理を実行した後は、ステップS1807にて加算すべき賞球数の情報、すなわち、ステップS1805にて特定した賞球数の情報が1以上か否かを判定する。加算すべき賞球数の情報が「0」である場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。加算すべき賞球数の情報が「0」でない場合には、ステップS1808に進む。
ステップS1808では、上記加算すべき賞球数の情報が「16」未満であるか否かを判定する。加算すべき賞球数の情報が「16」以上である場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。加算すべき賞球数の情報が「16」未満である場合には、ステップS1809に進む。上記のようにステップS1807及びステップS1808の処理を実行することにより、加算すべき賞球数の情報が異常である場合には、それを無効化することができる。
続くステップS1809では、賞球数の加算処理を実行する。当該加算処理では、ステップS1805にて特定した賞球数の情報を、ステップS1806の加算時マスク処理後の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報に加算する。
続くステップS1810では、ステップS1809にて加算処理を実行した後の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が、払出制御基板322のROM332に予め記憶された賞球数記憶エリア374の上限賞球数を超えているか否かを判定する。具体的には、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が「19」以上であるか否かを判定する。
賞球数の情報が「19」未満である場合には、そのままステップS1812に進む。賞球数の情報が「19」以上である場合には、ステップS1811に進む。ステップS1811では、加算後修正処理を実行する。具体的には、賞球数記憶エリア374の賞球数の情報を「18」に修正する。これにより、ノイズ等の影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が上限賞球数を超えている場合には、それを上限賞球数に修正することができる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、上限賞球数を超えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、上限賞球数に修正することで、遊技者が不利益を被ってしまうこともない。
なお、ステップS1806、ステップS1807、ステップS1808及びステップS1811の各処理を実行することで、賞球数の異常を入念に解消することができる。但し、これら全ての処理を実行することは必須のことではなく、例えば、ステップS1807及びステップS1808の処理を実行しなくともよい。この場合であっても、ステップS1806及びステップS1811の処理が実行されることで、賞球数の異常を解消することができる。
続くステップS1812では、RAM333の賞球低速フラグ格納エリア(賞球低速情報記憶手段)に賞球低速フラグ(賞球低速情報)が格納されているか否かを判定する。賞球低速フラグとは、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が、払出制御基板322のROM332に予め記憶された切換基準数(具体的には、「2」)となった場合に格納され、切換基準数を超えることにより消去されるフラグである。
ここで、本パチンコ機10は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合には、払出モータ257の払出速度の設定をそれまでの通常周期から低速周期に変更するように構成されている。これは以下の理由による。つまり、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されていない状況では、払出モータ257の駆動は停止される。この場合に、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生すると、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止を繰り返し行う必要が生じる。払出モータ257の駆動開始には払出モータ257の駆動状態を維持する場合よりも大きな駆動力を必要とするため、上記のように払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われることは好ましくない。これに対して、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合に、払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えることで、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生したとしても、切換基準数の賞球を低速周期で実行している間に次の入賞が発生する可能性が高まり、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われてしまう可能性が低減される。
なお、払出モータ257の払出速度を常に低速とする構成も考えられるが、この場合、遊技球の払出速度が慢性的に遅くなり、遊技者にとっては入賞が発生したにも関わらずそれに対する賞球を受けるのに相当な時間を要することとなり好ましくない。
ステップS1812にて、賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されていない場合には、そのままステップS1814に進む。一方、賞球低速フラグが格納されている場合には、ステップS1813にて賞球低速フラグ格納エリアから賞球低速フラグを消去した後に、ステップS1814に進む。賞球低速フラグが消去されることで、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となることで低速周期に設定された払出モータ257の払出速度が通常周期に復帰することとなる。
ステップS1814では、エラーフラグの消去処理を実行する。エラーフラグは、例えば、主制御基板301のCPU311から解析不能なコマンドを入力した場合等に格納されるフラグである。当該エラーフラグは、賞球コマンドを正常に入力し、その賞球コマンドに対する賞球設定処理が実行されることで、ステップS1814にて消去される。ステップS1814にてエラーフラグの消去処理を実行した後は本賞球設定処理を終了する。
<貸球設定処理>
次に、ステップS1505の貸球設定処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。貸球設定処理では、球貸用接続端子板249を通じて球貸装置Yから入力した貸球要求信号に基づいて貸球数を特定し、その特定した貸球数を払出制御基板322のRAM333の貸球数記憶エリア375に加算する処理が実行される。
貸球設定処理では先ずステップS1901にて、RAM333の貸球状態フラグ格納エリア(貸球状態情報記憶手段)に貸球状態フラグ(貸球状態情報)が格納されているか否かを判定する。貸球状態フラグは、払出制御基板322のCPU331において、球貸装置Yからの貸球要求信号の入力待機状態であるか否かを特定する上で用いられるフラグであり、入力待機状態となることで格納され、貸球要求信号を受ける必要がなくなった場合に消去される。
貸球状態フラグが格納されていない場合には、ステップS1902〜ステップS1906の貸球状態設定用処理を実行し、貸球状態フラグが格納されている場合には、ステップS1907〜ステップS1911の貸球状態中処理を実行する。
貸球状態設定用処理では、先ずステップS1902にて、球貸装置Yから接続確認用信号及び貸球待機信号を入力しているか否かを判定する。接続確認用信号は、球貸装置Yにおいて払出制御基板322との間で通信可能な状態を示す信号である。また、貸球待機信号は、球貸装置Yに未払出の貸球の情報が保持されている(具体的には、未払出の貸球の情報が記憶保持されたカードが球貸装置Yに挿入されている)状況において、球貸操作装置36の球貸ボタン37が操作されていることを、払出制御基板322にて把握させるための信号である。なお、接続確認用信号を不具備としてもよい。
接続確認用信号及び貸球待機信号のいずれか一方でも入力していない場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。一方、接続確認用信号及び貸球待機信号の両方を入力している場合には、ステップS1903にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態とは、前扉枠開放状態、下皿満タン状態、タンク球無状態又は払出装置異常状態のいずれかに該当している状態のことである。
当該判定は、前扉枠開放状態についてはRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定することで行われ、下皿満タン状態についてはRAM333の満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定することで行われ、タンク球無状態についてはRAM333の球無フラグ格納エリアに球無フラグが格納されているか否かを判定することで行われ、払出装置異常状態についてはRAM333の払出装置異常フラグ格納エリアに払出装置異常フラグが格納されているか否かを判定することで行われる。
払出エラー状態である場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。払出エラー状態でない場合には、ステップS1904にて払出動作中か否かを判定する。具体的には、払出モータ257が停止中か否かを判定する。貸球状態フラグが格納されていない状況であって払出モータ257が動作中である状況は、賞球の払出が実行されている状況であることを意味する。つまり、ステップS1904では賞球動作中であるか否かを判定していると言える。
払出動作中である場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。払出動作中でない場合には、ステップS1905にて貸球許可信号の出力状態を設定する。これにより、払出制御基板322のCPU331から球貸装置Yに貸球許可信号の出力が開始され、球貸装置Yでは貸球許可信号を入力することで、球貸ボタン37の1回の操作に基づく貸球要求信号の出力を行う。その後、ステップS1906にてRAM333の貸球状態フラグ格納エリアに貸球状態フラグを格納した後に、本貸球設定処理を終了する。なお、球貸装置Yは、貸球待機信号を出力した後に所定の期間(例えば、2sec)に亘って貸球許可信号を入力しなかった場合には、球貸ボタン37の操作がなかったものとして扱う。
ステップS1907〜ステップS1911の貸球状態中処理では、先ずステップS1907にて、球貸装置Yから貸球要求信号を入力しているか否かを判定する。貸球要求信号は球貸装置Yから貸球の払出を要求する場合に出力される信号である。貸球要求信号を入力していない場合には、そのままステップS1909に進む。貸球要求信号を入力している場合には、ステップS1908にて、RAM333の貸球数記憶エリア375への加算処理を実行した後に、ステップS1909に進む。当該加算処理では、100円分に相当する25個に相当する貸球数の情報を貸球数記憶エリア375に加算する。つまり、球貸装置Yは、貸球状態においては球貸操作に応じて貸球要求信号を定期的に出力し、払出制御基板322のCPU331は貸球要求信号を入力するごとに予め定められた単位数に相当する貸球数の情報を貸球数記憶エリア375に加算する。
ステップS1909では、球貸装置Yから終了信号を入力しているか否かを判定する。終了信号は、一の球貸操作が行われ貸球要求信号が5回出力された場合に出力される信号であり、一の球貸操作に対する貸球要求信号の出力が終了したことを払出制御基板322のCPU331において認識させるための信号である。終了信号を入力していない場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。終了信号を入力している場合には、ステップS1910にてRAM333の貸球状態フラグ格納エリアから貸球状態フラグを消去するとともに、ステップS1911にて貸球許可信号の出力停止状態を設定した後に、本貸球設定処理を終了する。
以上のように、払出制御基板322のCPU331は、球貸装置Yから貸球待機信号を入力している状況において、払出エラー状態でなく且つ払出動作中でない場合に、貸球状態に設定される。特に、払出動作中においては貸球状態への設定が行われないようにすることで、賞球の払出が実行されている間は仮に球貸操作装置36において球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることができる。
賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われた場合に当該球貸を優先させる構成を想定すると、払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されているにも関わらず、賞球の払出を停止させる必要が生じる。この場合に、パチンコ機10が電源遮断状態となると、既に説明したように払出制御基板322のRAM333に電断時用電力が供給されないことに伴って、賞球数の情報は消去されてしまう。その一方、球貸装置Yは独自に情報の電断時保持機能を有している(すなわち、未払出の貸球の情報はカードにて記憶保持される)ため、賞球の払出が実行されている状況では球貸装置Yから貸球要求信号を入力しないようにすることで、貸球数の情報は球貸装置Yにて保持され、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても貸球数の情報が消去されることはない。上記事情において、賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることで、賞球数の情報が実際に払い出されないまま消去されてしまうことが防止される。
<払出個数設定処理>
次に、ステップS1506の払出個数設定処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。払出個数設定処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374又は貸球数記憶エリア375に記憶されている情報を、遊技球の払出に際しての実行エリアであるRAM333の払出個数カウンタエリアに格納する処理が実行される。
払出個数設定処理では先ずステップS2001にて、払出設定時マスク処理を実行する。当該払出設定時マスク処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が予め定められた払出時修正用賞球数以下となるように論理積の演算を実行する。
ここで、後述するように払出制御基板322のCPU331は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下となることで賞球許可信号の出力を開始し、それに対する賞球コマンドを主制御基板301のCPU311から入力して賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が不許可基準数としての4個以上となることにより賞球許可信号の出力を停止する。また、本パチンコ機10では、1の入賞に対する最大賞球数は15個となっている。上記構成においては、賞球数記憶エリア374の上限賞球数は、許可基準数と入賞対応最大賞球数との和である18個となる。
但し、パチンコ機10においては様々なタイミングでノイズ等が発生する可能性があり、賞球設定処理(図32)にてRAM333の賞球数記憶エリア374に賞球数の情報を設定した後であってその賞球数分の遊技球の払出が完了する前の段階で賞球数記憶エリア374の情報が書き換えられてしまうおそれがある。そして、例えば、賞球数記憶エリア374の情報が本来は10個であったのに対して、131個などに書き換えられてしまった場合には遊技ホールに多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、ステップS2001の払出設定時マスク処理では、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が払出時修正用賞球数としての31個以下となるように論理積の演算を実行する。
具体的には、払出制御基板322のROM332には、賞球数記憶エリア374と同一のバイト単位である1バイトで構成された払出時修正用情報が予め記憶されている。払出時修正用情報は、「00011111」となっている。これを10進数で表すと「31」である。払出設定時マスク処理では、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報をCPU331におけるマスク処理用の専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報について上記払出時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を、賞球数記憶エリア374に記憶させる。
この場合、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が17個に相当する「00010001」である場合には、払出時修正用情報との論理積の演算結果は「00010001」となり17個のままである。また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が5個に相当する「00000101」である場合には、払出時修正用情報との論理積の演算結果は「00000101」となり5個のままである。このように賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持されるのは、上限賞球数である18個以下全てについて同様である。
一方、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がノイズ等の影響で書き換えられ、131個に相当する「10000011」となったとしても、払出時修正用情報との論理積の演算を行うことで「00000011」となる。
以上のように、払出個数カウンタエリア376への設定を行う場合に、ノイズの影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が払出時修正用情報を超えていたとしても、それを払出時修正用情報以下とすることができる。よって、遊技ホールが多大な不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、上限賞球数を超えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、払出時修正用情報と論理積の演算をした数となるため、遊技者が不利益を被ってしまうことも抑制できる。
ちなみに、タイマ割込み処理は払出制御基板322のCPU331により2msec毎に起動され、払出設定時マスク処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行される。したがって、払出設定時マスク処理は、2msec毎に実行されることとなる。つまり、払出設定時マスク処理は、定期的に実行されることとなる。また、遊技球の払出は基本的に60msec周期で実行されるのに対して、払出設定時マスク処理は上記のとおり2msec毎に実行される。したがって、遊技球が払い出される場合、1個の遊技球が払い出されるまでに払出設定時マスク処理は複数回実行されることとなり、ノイズの影響を良好に低減することができる。また、払出設定時マスク処理は、遊技球の払出が実行されている状況か否かに関係なく実行される。
払出個数設定処理の説明に戻り、続くステップS2002では、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作とは、タンク221に貯留されている遊技球をパチンコ機10外部に排出するための動作のことをいう。
ここで、球抜き動作の手順について説明する。先ず島設備からタンク221への補給を止める。その後、前扉枠14を開放状態とし、可変入賞装置内に多数の遊技球を手で入れる。その後、前扉枠14を閉鎖状態とすることで、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に賞球許可信号が出力されるのに応じて主制御基板301のCPU311から払出制御基板322のCPU331に賞球コマンドが出力され、払出装置224による遊技球の払出が実行される。
その後、タンク221に貯留されている遊技球が無くなることで、球無検知センサ223aから球無検知信号が出力され、払出装置224による遊技球の払出が停止される。この場合に、ケースレール223に設けられた球抜き操作スイッチ223bを操作することで、払出制御基板322のCPU331において球抜き状態に設定される。具体的には、RAM333の球抜き状態フラグ格納エリアに球抜き状態フラグを格納する。これにより、球無検知センサ223aから球無検知信号が出力されている状況であっても払出装置224による遊技球の払出が再開され、球抜き操作スイッチ223bよりも下流側であって払出装置224の払出モータ257の位置まで連なっている遊技球の排出が行われる。そして、当該遊技球の排出が行われることで、タンク221の球抜きが完了する。この際、球抜き状態の設定が解除される。すなわち、RAM333の球抜き状態フラグ格納エリアに格納されている球抜き状態フラグが消去される。
ステップS2002では、上記球抜き状態が設定されているか否かを判定する。球抜き状態が設定されていない場合には、ステップS2003にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態については既に説明したとおりである。払出エラー状態である場合には、そのまま本払出個数設定処理を終了する。これにより、払出エラー状態において遊技球の払出が実行されることが阻止される。
払出エラー状態でない場合には、ステップS2004にてリトライ動作中か否かを判定する。リトライ動作とは、払出装置224において遊技球の球詰まりが発生した場合などにおいて回転体256を通常とは逆に回転させたりする処理である。リトライ動作中である場合にはそのまま本払出個数設定処理を終了し、リトライ動作中でない場合にはステップS2005に進む。
ステップS2005では、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中とは、RAM333の貸球状態フラグ格納エリアに貸球状態フラグが格納されている状態、又はRAM333の貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されている状態のことをいう。貸球状態フラグが格納されている又は貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されている場合には、ステップS2006にて、貸球数記憶エリア375の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
一方、貸球状態フラグが格納されておらず且つ貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されていない場合には、ステップS2007にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。また、ステップS2002において、球抜き状態が設定されている場合にも、ステップS2007にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
<払出制御処理>
次に、ステップS1507の払出制御処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。払出制御処理では、RAM333の払出個数カウンタエリア376に記憶されている情報に基づいて遊技球の払出を行う処理が実行される。
払出制御処理では先ずステップS2101にて、払出状態設定処理を実行する。ここで、払出状態設定処理について図36のフローチャートを参照しながら説明する。
払出状態設定処理では、先ずステップS2201にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態については既に説明したとおりである。払出エラー状態である場合には、ステップS2206にて、払出モータ257を停止状態に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。これにより、払出制御基板322のCPU331から払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、払出装置224による遊技球の払出が停止される。なお、既に遊技球の払出が停止されている場合にはその状態が維持される。
ステップS2201にて、払出エラー状態でない場合には、ステップS2202にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値が「0」か否かを判定する。払出個数カウンタエリア376の値が「0」である場合には、払出を実行すべき遊技球が存在しないことを意味するため、ステップS2206にて払出モータ257を停止状態に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。
ステップS2202にて、払出個数カウンタエリア376の値が「0」でない場合には、ステップS2203にて、RAM333のいずれかの低速フラグ格納エリアに低速フラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、満タン低速フラグ格納エリアに満タン低速フラグが格納されているか否かを判定し、球無低速フラグ格納エリアに球無低速フラグが格納されているか否かを判定し、賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されているか否かを判定する。
いずれの低速フラグも格納されていない場合には、ステップS2205にて、払出モータ257の払出速度を通常周期に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。払出モータ257の払出速度が通常周期に設定されることで、払出装置224から60msec毎に1個の遊技球が払い出される。なお、既に通常周期に設定されている場合にはその状態が維持される。
一方、いずれかの低速フラグが格納されている場合には、ステップS2204にて、払出モータ257の払出速度を低速周期に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。払出モータ257の払出速度が低速周期に設定されることで、払出装置224から800msec毎に1個の遊技球が払い出される。なお、既に低速周期に設定されている場合にはその状態が維持される。
払出制御処理(図35)の説明に戻り、ステップS2101にて払出状態設定処理を実行した後は、ステップS2102に進む。ステップS2102では、払出装置224の払出球検知センサ258にて遊技球を検知しているか否かを判定する。具体的には、払出球検知センサ258から払出球検知信号を入力しているか否かを判定する。この判定は、払出球検知信号の入力継続期間が払出検知継続期間に達しているか否かを判定することにより行われる。払出球検知信号を入力していない場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。払出球検知信号を入力している場合には、ステップS2103に進む。
ステップS2103では、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中でない場合には、ステップS2104〜ステップS2108の賞球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。一方、貸球動作中である場合には、ステップS2109〜ステップS2110の貸球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。
賞球用減算処理では、先ずステップS2104にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の値を1減算し、続くステップS2105にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値を1減算する。その後、ステップS2106では、賞球数記憶エリア374の値が「2」以下か否かを判定する。「2」以下でない場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。「2」以下である場合には、ステップS2107にて、RAM333の賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されているか否かを判定する。賞球低速フラグが格納されている場合にはそのまま本払出制御処理を終了し、賞球低速フラグが格納されていない場合にはステップS2108にて賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグを格納した後に本払出制御処理を終了する。
また、貸球用減算処理では、先ずステップS2109にて、RAM333の貸球数記憶エリア375の値を1減算し、続くステップS2110にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値を1減算した後に、本払出制御処理を終了する。
<賞球許可信号設定処理>
次に、ステップS1508の賞球許可信号設定処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。賞球許可信号設定処理では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力停止及び出力開始の設定を行う処理が実行される。
賞球許可信号設定処理では、先ずステップS2301にて、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下か否かを判定する。4個以上である場合には、ステップS2307にて賞球不許可状態(出力不許可状態)の設定をした後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球不許可状態の設定について具体的には、RAM333の賞球許可状態フラグ格納エリア(賞球許可情報記憶手段又は出力許可情報記憶手段)に賞球許可状態フラグ(賞球許可情報又は出力許可情報)が格納されている場合に、その賞球許可状態フラグを消去して、賞球許可信号の出力を停止する(賞球許可信号を出力するための出力手段からの賞球許可信号の出力を停止させる)。賞球許可状態フラグが消去されている状態では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力が停止され、その状態が維持される。
なお、本パチンコ機10では、賞球許可信号が出力されている状態がHIレベル信号の出力状態であるため、賞球許可信号の出力が停止されている状態はLOWレベル信号の出力状態となる。但し、賞球許可信号が出力されている状態がLOWレベル信号の出力状態とした場合には、賞球許可信号の出力が停止されている状態をHIレベル信号の出力状態としてもよい。さらには、賞球許可信号の出力が停止されている状態を、当該信号経路について何ら信号が出力されていない状態としてもよい。
一方、ステップS2301にて、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下である場合には、ステップS2302にて、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作中でない場合には、ステップS2303にて、払出エラー状態か否かを判定する。
払出エラー状態である場合には、ステップS2307にて賞球不許可状態を設定した後に本賞球許可信号設定処理を終了する。このように払出エラー状態である場合に賞球不許可状態を設定することで、払出エラー状態では賞球許可信号の出力が停止され、賞球コマンドの出力が禁止される。
既に説明したように、払出エラー状態では遊技球の払出が停止される。また、本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまう。したがって、払出エラー状態において賞球コマンドが出力されると、払出エラー状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、払出エラー状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
ステップS2303において、払出エラー状態でない場合には、ステップS2304にて、RAM333の満タン低速フラグ格納エリアに満タン低速フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2305では、RAM333の球無低速フラグ格納エリアに球無低速フラグが格納されているか否かを判定する。
満タン低速フラグ又は球無低速フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS2307にて賞球不許可状態を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。このように満タン低速状態又は球無低速状態である場合に賞球不許可状態を設定することで、満タン低速状態又は球無低速状態では賞球許可信号の出力が停止され、賞球コマンドの出力が禁止される。
既に説明したように、満タン低速状態又は球無低速状態は、その後、払出エラー状態となる可能性が高い場合にその前段階として設定される状態である。そして、払出エラー状態では遊技球の払出が停止される。また、本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまう。したがって、払出エラー状態において賞球コマンドが出力されると、払出エラー状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、払出エラー状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成のように、払出エラー状態となる可能性が高いと判定した段階で、賞球許可信号の出力を停止して賞球コマンドの出力を禁止することで、払出エラー状態となる前に賞球コマンドの出力を禁止することができ、上記のような不都合が発生する可能性が飛躍的に低減される。
ステップS2304にて満タン低速フラグが格納されておらず、さらにはステップS2305にて球無低速フラグが格納されていない場合には、ステップS2306にて賞球許可状態(出力許可状態)を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。また、ステップS2303にて球抜き動作中である場合にも、ステップS2306にて賞球許可状態を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球許可状態の設定について具体的には、RAM333の賞球許可状態フラグ格納エリアに賞球許可状態フラグが格納されていない場合に、賞球許可状態フラグを格納し、賞球許可信号の出力を開始する(賞球許可信号を出力するための出力手段からの賞球許可信号の出力を開始させる)。賞球許可状態フラグが格納されている状態では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力が開始され、その状態が維持される。つまり、球抜き動作中でない状態においては、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下であり、さらには払出エラー状態、満タン低速状態及び球無低速状態でない場合に、賞球許可信号の出力が継続される。
<賞球許可信号に対する賞球コマンドの出力の様子について>
次に、賞球許可信号に対する賞球コマンドの出力の様子について、図38のタイムチャートを参照して説明する。なお、以下のタイムチャートを用いた説明では、主制御基板301のCPU311を主側CPU311といい、払出制御基板322のCPU331を払出側CPU331という。また、主制御基板301のRAM313を主側RAM313といい、払出制御基板322のRAM333を払出側RAM333という。また、図38を用いた説明においては、説明の便宜上、複数種ある入賞のうち4個賞球に対応した入賞のみが発生するものとする。
先ず、単発的に入賞が発生する場合について説明する。
払出側CPU331から主側CPU311に既に賞球許可信号が出力されている状況において、t1のタイミングで入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に4個の賞球数の情報が記憶されて許可基準数を超えること(不許可基準数に達すること)により賞球許可信号の出力が停止されるとともに、遊技球の払出が開始される。
その後、t2のタイミングで1個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となる。これにより、賞球許可信号の出力が開始される。その後、t3のタイミングで1個の遊技球の払出がさらに実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は切換基準数の2個となる。これにより、払出モータ257の払出速度がそれまでの通常周期から低速周期に切り換えられる。その後、t4のタイミングまでに2個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は0個となる。これにより、払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、賞球の払出が終了される。
次に、単発的な入賞が発生した後に、払出モータ257の払出速度が低速周期である状況で再度、入賞が発生する場合について説明する。
払出側CPU331から主側CPU311に既に賞球許可信号が出力されている状況において、t5のタイミングで入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に4個の賞球数の情報が記憶されて許可基準数を超えることにより賞球許可信号の出力が停止されるとともに、遊技球の払出が開始される。
その後、t6のタイミングで1個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となる。これにより、賞球許可信号の出力が開始される。その後、t7のタイミングで1個の遊技球の払出がさらに実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は切換基準数の2個となる。これにより、払出モータ257の払出速度がそれまでの通常周期から低速周期に切り換えられる。
その後、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が0個とならない範囲内であるt8のタイミングで、新たな入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に4個の賞球数の情報が記憶されて許可基準数を超えることにより賞球許可信号の出力が停止されるとともに、切換基準数を超えることにより払出モータ257の払出速度が低速周期から通常周期に復帰される。
次に、入賞が連続して発生した場合について説明する。
上記のようにt8のタイミングで、新たな入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は、それまで記憶されていた賞球数に対して新たな賞球数が加算されることで5個となる。
その後、t9のタイミングまでに2個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となる。これにより、賞球許可信号の出力が開始される。この場合に、t9のタイミングまでに入賞が連続して発生しており、主側RAM313には4個賞球の情報が複数記憶されている。その後、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングであるt10のタイミングで、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。また、t11のタイミングで払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。その後、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングであるt12のタイミングで、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。
つまり、主側RAM313に既に賞球情報が記憶されている状況において、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となり賞球許可信号の出力が開始された場合には、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングで主側CPU311から払出側CPU331に賞球コマンドが出力され、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数を超えることとなる。
これは以下の理由による。払出モータ257の通常周期による払出速度は60msec間隔で1個の遊技球の払出が実行されるように設定されている。これに対して、払出側CPU331において、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となり賞球許可信号の出力が開始されるまでに要する時間は、タイマ割込み処理の実行時間の範囲内である2msecの範囲内である。また、主側CPU311において、賞球許可信号の入力に基づいて賞球コマンドの出力が許可されていると特定される賞球コマンドが出力されるまでに要する時間は20msec〜24msecの範囲内である。また、払出側CPU331において、主側CPU311から賞球コマンドを入力し、その賞球コマンドに対応した賞球数の情報が払出側RAM333に加算されるまでに要する時間は、タイマ割込み処理の実行時間の範囲内である2msecの範囲内である。その他、賞球許可信号及び賞球コマンドの伝送に要する時間や処理時間の誤差等を含めても、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となってから、その後の賞球コマンドの入力により払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数を超えるまでに要する時間は最大でも40msec程度である。これは1個の遊技球の払出が実行されるまでに要する時間である60msecよりも短い。すなわち、主側RAM313に既に賞球情報が記憶されている状況において賞球許可信号の出力が開始された場合には、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングで賞球コマンドが出力され払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数を超えるように、主側CPU311及び払出CPU331における賞球に関する処理時間が設定されている。
また、以上のような構成において、払出側CPU331から主側CPU311への賞球許可信号の出力開始契機となる許可基準数は、払出モータ257の払出速度を通常周期から低速周期へ切り換える契機となる切換基準数よりも、遊技球1個分多く設定されている。これにより、主側RAM313に賞球情報が複数記憶されている状況においては、それら賞球情報に対応した各賞球コマンドの出力が全て実行されるまでは、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が切換基準数に達することはない。よって、払出側CPU331から主側CPU311へ賞球許可信号を出力するとともに、それに対して主側CPU311から払出側CPU331へ1回の入賞に対応した1個の賞球コマンドのみを出力するようにした構成において、主側RAM313に賞球情報が記憶されているにも関わらず払出モータ257の払出速度が通常周期から低速周期に切り換えられてしまうことを防止することができ、遊技球の払出を円滑に行うことができる。
図38の説明に戻り、その後、t13のタイミングで払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。また、t14のタイミングで1個の遊技球の払出がさらに実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は切換基準数の2個となり、払出モータ257の払出速度がそれまでの通常周期から低速周期に切り換えられる。その後、t15のタイミングで払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は0個となり、払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、賞球の払出が終了される。
次いで、図39を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、初期位置におけるレバー部材502が傾斜して配置される場合を説明したが、第2実施の形態におけるレバー部材502は、初期位置において鉛直方向に沿って配置される。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図39は、第2実施の形態における払出通路226及び遊技球分配部2225を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。
第2実施の形態では、第1実施の形態の場合と同様に、レバー部材502が上流側壁2281によって、下皿通路2262側への揺動が規制されることで、初期位置に保持される。この場合、上流側壁2281は、第1実施の形態における上流側壁281よりも、下流側の端面が下方に位置する。そのため、付勢部材503により付勢されたレバー部材502は、その基部の上流側の端面(図39上側面)が、上流側壁2281の下流側の端面に当接されることで、案内面502aを鉛直方向(図39上下方向)に沿わせた姿勢となる初期位置に保持される。
下皿通路2262には、レバー部材502の案内面502aに対面して位置すると共に下流側へ向けて下降傾斜する対面傾斜側壁2284と、レバー部材502の下流側に位置すると共に対面傾斜側壁2284と略平行に傾斜する下流側壁2285とが配設される。なお、下流側壁2285は、レバー部材502がスイッチ部材504を作動させる位置まで揺動した場合に、その下流側壁2285の案内面(内壁面)がレバー部材502の案内面502aに対して面一(段差を有さず且つ平行)となるように形成される。
このように、図39に示す初期位置において、レバー部材502を鉛直方向に沿う姿勢で保持する形態であっても、対面傾斜側壁2284を配設することで、かかる対面傾斜側壁2284と案内面502aとの対向面間隔が下流側ほど小さくなる状態とすることができる。よって、対面傾斜側壁2284とレバー部材502との間に所定数(8個)の遊技球が貯留された状態において、それら遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。即ち、対面傾斜側壁2284が傾斜状態とされることで、遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502をスイッチ部材504側(図39右側)へ向けて揺動させる力として、レバー部材502の案内面502aに作用させることができるので、レバー部材502を効率的に揺動させることができる。
なお、レバー部材502が作動位置に配置された状態において、対面傾斜側壁2284と案内面502aとの間の対向面間隔は、上流側壁2281と第2上流側壁284との間の対向面間隔と略同一とされ、対面傾斜側壁2284と下流側壁2285との間の対向面間隔とも略同一とされる。そのため、対面傾斜側壁2284とレバー部材502との間に所定数(8個)の遊技球が貯留され、スイッチ部材504が作動されてから(満タン検知センサ59が所定数の遊技球の存在を検出して検出状態となってから)、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(本実施の形態では8個)が、上流側壁2281と第2上流側壁282との間に更に貯留され、その後、下皿33から遊技球が排出されることで、かかる区間(上流側壁2281及びレバー部材502と第2上流側壁282及び対面傾斜側壁2284との間)を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを回避することができる。
次いで、図40を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、下皿通路262を挟んで上皿通路261の反対側に満タン検知センサ59が配設される場合を説明したが、第3実施の形態における満タン検知センサ59は、上皿通路261と下皿通路3262との間に配設される。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図40は、第3実施の形態における払出通路226及び遊技球分配部3225を部分的に拡大して図示する部分拡大断面図である。
第3実施の形態では、下皿通路3262が、略く字状に屈曲する通路として形成される。即ち、下皿通路3262は、一方(図40左側)の側壁が、満タン検知センサ59のレバー部材502と、そのレバー部材502の上流側に位置すると共に下流側へ向けて下降傾斜する上流側壁3281とから形成され、他方(図40右側)の側壁が、鉛直方向に延設される第2分流側壁292と、その第2分流側壁292の中途から分岐すると共に上流側壁3281に対して略平行を保ちつつ上流側へ向けて上昇傾斜する第2上流側壁3282と、その第2上流側壁282の上流側を第2分流側壁292の中途に接続すると共に下流側へ向けて下降傾斜する第3上流側壁3283とから形成される。
なお、第3上流側壁3283の上流側端部と上流側壁3281の上流側端部との間に、下皿通路3262の上流側開口3262aが形成される。上流側壁3281と第2上流側壁3282との間の対向面間隔は、遊技球の直径の2倍よりも若干大きな寸法に設定される。
満タン検知センサ59は、第1実施の形態の場合と同様に、下皿通路3262の中途であって、遊技領域PEの下端よりも上方(図40上側)に配置されることで、遊技領域PEが大型化し、また、各種制御基板が多数配設されたパチンコ機10においても、満タン検知センサ59の配設スペースを確保することができる。その結果、前扉側下皿通路52や遊技球分配部225を配設する際の自由度が制限されることを抑制できる。
また、第1実施の形態の場合と同様に、満タン検知センサ59が遊技球の存在を検出してから(満タン検知センサ59が検出状態となってから)下皿33が満タンであると判定されるまでの間に払出装置224から払い出される遊技球を、少なくとも下皿通路3262及び分流通路263内に貯留可能とされるので、払出装置224まで遊技球が達して、その払出モータ等が破損することを防止できる。
レバー部材502は、その案内面502aが第2分流側壁292に対面すると共に、図40に示す初期位置においては、下流側部分(軸501による軸支位置と反対側)ほど第2分流側壁292に案内面502aが近接する傾斜状態とされる。よって、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔が、図40に示す初期位置において、下流側ほど小さくされるので、下皿通路3262に貯留された遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。即ち、レバー部材502の案内面502aが傾斜状態とされることで、レバー部材502の案内面502aに作用する遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502をスイッチ部材504側(図40左側)へ向けて揺動させる力として利用できるので、レバー部材502を効率的に揺動させることができる。
付勢部材503により付勢されたレバー部材502は、その基部の上流側の端面(図40上側面)が、上流側壁3281の下流側の端面に当接されることで、下皿通路3262側への揺動が規制され、図40に示す初期位置に保持される。
このように、レバー部材502の案内面502aを上流側壁3281に連ねることができるので、レバー部材502の上流側(即ち、案内面502aと上流側壁3281との間)に段差が形成されることを回避して、遊技球をスムーズに流下させることができる。
また、上流側壁3281が、遊技球を案内する壁部としての役割だけでなく、レバー部材502を初期位置に保持するための部材としての役割も兼用することで、レバー部材502を初期位置に保持するための部材を別途設けることを不要とできる。よって、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
本実施の形態のように、上皿通路3261と下皿通路3262との間に満タン検知センサ59を配設する形態において、下皿通路3262の側壁の一部を形成するように満タン検知センサ59のレバー部材502を配設する場合でも、レバー部材502は、上流側部分が軸501により軸支され、下皿通路262側またはその逆側へ向けて揺動可能とされるので、例えば、レバー部材502の下流側部分が軸支される場合や、レバー部材502をスライド移動させる構造とする場合と比較して、遊技球をスムーズに流下させつつ、下皿通路262に貯留された遊技球によりレバー部材502を揺動し易くして、スイッチ部材504を確実に作動させることができる。
また、本実施の形態においても、例えば、上流側部分を軸501に軸支させる構造上、レバー部材502を重力により垂下させる(即ち、付勢部材503を省略する)構成も考えられるが、レバー部材502を下皿通路3262側へ向けて付勢する付勢部材503を備えることで、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材504が作動される或いは作動が解除されることを抑制できる。
付勢部材503の付勢力は、第1実施の形態の場合と同様に、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間に、複数個(8個)の遊技球が貯留された場合に、レバー部材502を付勢部材503の付勢力に抗してスイッチ部材504側へ揺動させ、スイッチ部材504を作動させる大きさに設定される。よって、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材504が作動される或いは作動が解除されることを抑制できるので、検出精度の向上を図ることができる。
なお、レバー部材502がスイッチ部材504を作動させる位置まで揺動されると、第2分流側壁292に対して、レバー部材502の案内面502aが略平行となり、それら第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間に、2個の遊技球が並列に配置可能となる。即ち、対向面間隔が遊技球の直径の略2倍となる。
また、レバー部材502の案内面502aは、その長手方向寸法が遊技球の直径の略4倍とされる。よって、第1実施の形態の場合と同様に、所定数(8個)の遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材502を揺動させる力として、レバー部材502の案内面502aに効率的に作用させることができるので、所定数の遊技球が貯留された際にレバー部材502を確実に揺動させることができ、その結果、スイッチ部材504を作動させる信頼性の向上を高めることができる。また、案内面502aが断面直線状に形成されるので、各遊技球の重量を、レバー部材502を揺動させるための力成分として有効に利用できる。
上皿33が満タンとなり、上皿通路261の上流側開口261aまで遊技球が貯留された状態で、払出装置224から遊技球が払い出されると、その払い出された遊技球は、分流通路263内で分流され、下皿通路3262の上流側開口3262aから下皿通路3262内へ流下される。下皿34が満タンになると、下皿通路3262内に遊技球が次第に貯留され、満タン検知センサ59に達する。
遊技球が更に払い出され、満タン検知センサ59のレバー部材502と第2分流側壁292との間に所定数(8個)の遊技球が貯留されると、その遊技球の重量により押圧されたレバー部材502が、下皿通路3262とは逆側(スイッチ部材504側)へ向けて揺動され、スイッチ部材504を作動させる。これにより、後述するように、第1満タンカウンタの加算処理が行われ、この検知状態が約0.5secに亘って継続した場合に、下皿34が満タンであると判定される。
下皿通路3262の上流側開口3262aには、上皿通路261の上流側開口261aに連なると共に下流側へ向けて下降傾斜する上流側壁3281が設けられている。よって、上皿通路261内が満タンとなり、払出装置224から払い出された遊技球が、上皿通路261側から下皿通路3262の上流側開口3262aへ流下する場合には、上流側壁3281の下降傾斜を利用して、遊技球をスムーズに流下させることができる。即ち、第3実施の形態では、上流側壁3281が、第1実施の形態における第3上流側壁283と同じ機能を有する。
この場合、上流側壁3281は、その案内面(内壁面)が断面直線状に形成されると共に、その直線が下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、下皿通路3262の上流側開口263aから流下する遊技球を、上流側壁3281によりその上流側壁281の下降傾斜方向へ案内することができる。よって、流下する遊技球がレバー部材502に衝突することを抑制して、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。
特に、上流側壁3281の傾斜角度は、レバー部材502の傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度に設定される。即ち、レバー部材502の案内面502aは、上流側壁3281の案内面(内壁面)をその下降傾斜方向へ延長した延長線よりも下方に位置する。よって、上流側壁3281の案内面に沿って遊技球を転動させることで、上流側壁3281の下降傾斜方向へ遊技球を案内して、流下する遊技球をより確実にレバー部材502に衝突し難くすることができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動をより確実に抑制できる。
また、第3上流側壁3283は、その案内面(内壁面)が断面直線状に形成されると共に、その直線の延長線上に上流側壁3281が位置するので、上皿通路261側から下皿通路262の上流側開口262aへ流下する遊技球であって、第3上流側壁3283に達した遊技球を、第3上流側壁3283により上流側壁3281へ案内することができる。よって、流下する遊技球がレバー部材502に直接衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。更に、第3上流側壁3283から上流側壁3281へ遊技球が案内されると、次いで、その遊技球を上流側壁3281の案内面(内壁面)に沿ってその下降傾斜方向へ案内する(転動させる)ことができるので、上述したように、上流側壁3281の傾斜角度がレバー部材502の傾斜角度よりも緩やかとされる効果を利用して、流下する遊技球がレバー部材502に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材504の誤作動を抑制できる。
上述したように、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔は、少なくともレバー部材502が図40に示す初期位置にある状態では、2個の遊技球の直径の和よりも小さい。一方、レバー部材502が所定数(8個)の遊技球に押圧され、スイッチ部材504を作動させる作動位置まで揺動された状態では、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔が、2個の遊技球の直径の和と同等となるように設定される。
このように、本実施の形態においても、第1実施の形態の場合と同様に、初期位置では、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間の対向面間隔を2個の遊技球の直径の和よりも狭くしておくことで、所定数(8個)の遊技球が貯留される過程において、レバー部材502を確実に揺動させて、検出精度の向上を図ることができる。一方、作動位置(所定数(8個)の遊技球がレバー部材502と第2分流側壁292との間に貯留された状態)では、第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間に2個の遊技球が並列に同じ高さ位置で収まるので、遊技球が千鳥状に貯留される場合と比較して、貯留された遊技球の郡の高さを抑制して、スペース効率の向上を図ることができる。
この場合、レバー部材502は、付勢部材503の付勢力に抗してスイッチ部材504側へ揺動されスイッチ部材504を作動させ、作動位置(所定数(8個)の遊技球がレバー部材502と第2分流側壁292との間に貯留された状態)に配置された後、更にスイッチ部材504側への可動域を備えるので、遊技球が第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間で付勢部材503の付勢力によりバランスして球詰まりが発生することを抑制することができる。即ち、遊技球が第2分流側壁292とレバー部材502の案内面502aとの間で付勢部材503の付勢力によりバランスしたとしても、レバー部材502が更にスイッチ部材504側(付勢部材503の付勢力に抗する側)への可動域を備えることで、例えば、それらバランスした遊技球へ向けて他の遊技球が流下することをきっかけとして、レバー部材503をスイッチ部材504側へ揺動させ、バランスを解除することができる。
下皿通路3262は、上流側壁3281と第2上流側壁3282とが略平行とされ、それら両側壁3281,3282の間の対向面間隔が、通路方向に沿って略一定とされると共に、その対向面間隔は、作動位置にあるレバー部材502の案内面502aと第2分流側壁292との間の対向面間隔と略同一とされる。
よって、レバー部材502の案内面502aと第2分流側壁292との対向面に所定数(8個)の遊技球が貯留され、スイッチ部材504が作動されてから(満タン検知センサ59が所定数の遊技球の存在を検出して検出状態となってから)、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(8個)が、上流側壁3281と第2上流側壁3282との間に更に貯留され、その後、下皿33から遊技球が排出されることで、かかる区間(上流側壁3281及びレバー部材502と第2上流側壁3282及び第2分流側壁292との間)を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを回避することができる。
ここで、満タン検知センサ59の配設位置は、上述したように、スイッチ部材504が作動されてから、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(8個)を、少なくとも下皿通路3262の上流側開口3262aよりも下方に貯留可能な位置とされる。これにより、下皿通路3262と上皿通路3261との両通路に接続され通路幅が広くなる分流通路263まで遊技球が貯留されることを回避できる。よって、下皿34からの遊技球の排出に伴って、下皿通路3262に貯留された遊技球が流下する場合に、通路幅が広い分流通路263に貯留された遊技球が、分流通路263よりも通路幅の狭い下皿通路3262に流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避できる。
詳細には、満タン検知センサ59の配設位置は、スイッチ部材504が作動されてから、下皿33が満タンと判定されるまでの期間(0.5sec)に払い出される遊技球(8個)を、下皿通路3262の第3上流側壁3283の下流端(即ち、第3上流側壁3283と第2上流側壁3282との接続部)よりも下方に貯留可能な位置とされる。これにより、下皿34からの遊技球の排出に伴って、下皿通路3262に貯留された遊技球が流下する場合に、通路幅が広い上流側壁3281及び第3上流側壁3283の間に貯留された遊技球が、それら上流側壁3281及び第3上流側壁3283の間の通路幅よりも通路幅の狭い上流側壁3281及び第2上流側壁3282の間の通路を流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記第1から第3実施の形態において、満タン検知センサを遊技領域PEの下端よりも上方とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の位置を基準とすることは当然可能である。他の基準位置としては、例えば、遊技盤80の下端やアウト口の下端が例示される。
上記第1から第3実施の形態では、上皿33と下皿34とが上下に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら上皿33と下皿34とが左右にずれて配置されることは当然可能である。即ち、上皿33に対し、下皿34が斜め右下(又は斜め左下)に配置されても良い。或いは、上皿33と下皿34とが同じ高さ位置において左右に並設されても良い。
上記第1から第3実施の形態では、満タン用処理(図30)において、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力している場合に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力しなくなると、第1満タンカウンタエリアを「0」クリアすると共に、第2満タンカウンタエリアに約2msec周期で1加算する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力している場合に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力しなくなっても、第1満タンカウンタエリアを「0」クリアせず(即ち、第1満タンカウンタエリアの値を維持しつつ)、第2満タンカウンタエリアに約2msec周期で1加算するように構成しても良い。
同様に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力していない場合に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力すると、第2満タンカウンタエリアを「0」クリアすると共に、第1満タンカウンタエリアに約2msec周期で1加算する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力していない場合に、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力しても、第2満タンカウンタエリアを「0」クリアせず(即ち、第2満タンカウンタエリアの値を維持しつつ)、第1満タンカウンタエリアに約2msec周期で1加算するように構成しても良い。
上記第1実施の形態から第3実施の形態では、払出制御基板322のRAM333の満タンカウンタエリア371に第1満タンカウンタエリアと第2満タンカウンタエリアとを設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら第1満タンカウンタエリアと第2満タンカウンタエリアとを1のカウンタエリアとして構成しても良い。
即ち、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力している期間を計測するためのカウンタとして、第1満タンカウンタエリアを設け、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない期間を計測するためのカウンタとして、第2満タンカウンタエリアを設けたが、これら各期間をそれぞれ別のカウンタにより計測するのではなく、両期間を1のカウンタ(以下「第3カウンタエリア」と称す)により計測するように構成しても良い。
この場合には、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力している期間は、第3カウンタエリアに約2msec周期で1加算する一方、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない期間は、第3カウンタエリアから約2msec周期で1減算する。これにより、満タン検知センサ59が検出状態にある期間および検出状態にない期間を適正に計測して、下皿34が満タンとなっているか否かの判定精度を高めることができる。
なお、満タン用処理(図30)の処理においては、S1602及びS1605の処理を、第3カウンタエリアから1減算する処理に置き換え、S1609及びS1610の処理を、第3カウンタエリアに1加算する処理に置き換えれば良い。また、S1606の処理では、1000であるかを判断する対象を、第2満タンカウンタエリアから第3カウンタエリアに置き換え、S1612及びS1615の処理では、250及び1000であるかを判断する対象を、第1満タンカウンタエリアから第3カウンタエリアに置き換えれば良い。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、遊技に伴い遊技球を払い出す払出装置と、その払出装置から払い出される遊技球を貯留する第1皿と、その第1皿で余剰となった遊技球を貯留する第2皿と、前記第1皿に遊技球を流下させる第1通路と、前記第2皿に遊技球を流下させる第2通路と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記第1通路へ流下させると共に第1通路内に遊技球が貯留された場合に払出装置から払い出された遊技球を前記第2通路へ流下させる分流通路と、前記第2通路の中途に配設されその配設箇所における遊技球により検出状態とされる検出センサと、その検出センサの検出結果に基づいて前記第2皿が満タンになったかを判定する判定手段と、その判定手段により前記第2皿が満タンであると判定された場合に前記払出装置からの遊技球の払い出しを停止させる停止手段と、を備えた遊技機において、前記判定手段は、前記検出センサが検出状態となってから少なくとも所定の期間の経過後に、前記第2皿が満タンであると判定し、前記検出センサの配設位置は、前記遊技領域の下端よりも上方であって、かつ、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を少なくとも前記第2通路および分流通路に貯留可能な位置とされることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、検出センサの配設位置が遊技領域の下端よりも上方とされるので、かかる検出センサの配設スペースを確保し易くでき、その分、第2通路を配設する際の自由度が制限されることを抑制できる。その結果、遊技領域を拡大することができる。一方で、このように検出センサを遊技領域の下端よりも上方に配設すると、検出センサから払出装置までの距離を十分に確保することが困難となるが、検出センサの配設位置が、検出センサが検出状態となってから判定手段により第2皿が満タンであると判定されるまでの間に払出装置から払い出される遊技球を少なくとも第2通路および分流通路に貯留可能な位置とされるので、払出装置の破損を防止できる。
遊技機1において、前記検出センサの配設位置は、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を、前記第2通路内に貯留可能な位置とされることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、遊技機1の奏する効果に加え、検出センサの配設位置は、検出センサが検出状態となってから判定手段により第2皿が満タンであると判定されるまでの間に払出装置から払い出される遊技球を、第2通路内に貯留可能な位置とされるので、第2通路と第1通路との両通路に接続され通路幅が広くなる分流通路まで遊技球が貯留されることを回避できる。よって、第2通路から玉箱等への遊技球の排出に伴って、通路幅が広い分流通路に貯留された遊技球が、分流通路よりも通路幅の狭い第2通路に流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避することができるという効果がある。
遊技機1又は2において、前記検出センサは、前記第2通路の側壁の一部を形成すると共に上流側部分が軸支され前記第2通路側またはその逆側へ向けて揺動可能に形成されるレバー部材と、前記レバー部材を前記第2通路側へ向けて付勢する付勢部材と、その付勢部材の付勢力に抗して前記レバー部材が前記逆方向へ揺動されることで作動されるスイッチ部材とを備えることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、遊技機1又は2の奏する効果に加え、第2通路の側壁の一部を形成するようにレバー部材を配設する必要がある場合でも、レバー部材は、上流側部分が軸支され第2通路側またはその逆側へ向けて揺動可能とされるので、例えば、レバー部材の下流側部分が軸支される場合や、レバー部材をスライド移動させる構造の場合と比較して、遊技球をスムーズに流下させつつ、第2通路に貯留された遊技球によりレバー部材を揺動し易くして、スイッチ部材を確実に作動させることができる。また、例えば、レバー部材を重力により垂下させる(即ち、付勢部材を省略する)構成も考えられるが、レバー部材を第2通路側へ向けて付勢する付勢部材を備えることで、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材が作動される或いは作動が解除されることを抑制できる。
遊技機3において、前記第2通路は、前記レバー部材に対面する側壁である対面側壁を備え、その対面側壁と前記レバー部材との間の対向面間隔が、少なくとも前記レバー部材が初期位置にある状態では、下流側ほど小さくされることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、遊技機3の奏する効果に加え、対面側壁とレバー部材との間の対向面間隔が、少なくともレバー部材が初期位置にある状態では、下流側ほど小さくされるので、第2通路の側壁の一部を形成するようにレバー部材を配設する必要がある場合でも、第2通路に貯留された遊技球によりレバー部材を揺動し易くして、スイッチ部材を確実に作動させることができる。
遊技機4において、前記対面側壁は、鉛直方向に延設され、前記レバー部材は、前記対面側壁に対面する断面直線状の案内面を備えると共に、そのレバー部材の初期位置は、下流側部分ほど前記対面側壁に前記案内面が近接する傾斜状態とされることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、遊技機4の奏する効果に加え、対面側壁が鉛直方向に延設されると共に、レバー部材の初期位置が下流側部分ほど対面側壁に案内面が近接する傾斜状態とされることで、対面側壁とレバー部材の案内面との間の対向面間隔が、レバー部材が初期位置にある状態で、下流側ほど小さくされるので、第2通路に貯留された遊技球によりレバー部材を揺動し易くして、スイッチ部材を確実に作動させることができる。即ち、レバー部材の案内面が傾斜状態とされることで、レバー部材の案内面に作用する遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材を揺動させる力として利用できるので、レバー部材を効率的に揺動させることができる。
遊技機3から5のいずれかにおいて、前記第2通路は、前記レバー部材の上流側に連なる上流側壁を備え、前記レバー部材は、前記付勢部材の付勢力により前記第2通路側へ向けて揺動される場合に、そのレバー部材の上流側部分が前記第2通路の上流側壁に当接されることで、前記揺動が規制され、前記初期位置に保持されることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、遊技機3から5のいずれかの奏する効果に加え、上流側壁がレバー部材の上流側に連なるので、レバー部材の上流側に段差が形成されず、遊技球をスムーズに流下させることができる。この場合、付勢部材に付勢されたレバー部材は、その上流側部分が上流側壁に当接されることで、揺動が規制され、初期位置に保持される。即ち、上流側壁が、レバー部材を初期位置に保持するための部材も兼用し、レバー部材を初期位置に保持するための部材を別途設けることを不要とできるので、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機3から6のいずれかにおいて、前記付勢部材の付勢力は、前記対面側壁とレバー部材との間に少なくとも2個以上の遊技球が貯留された場合に、前記付勢部材の付勢力に抗して前記レバー部材が前記逆方向へ揺動され前記スイッチ部材を作動させる大きさに設定されることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、遊技機3から6のいずれかの奏する効果に加え、付勢部材の付勢力は、対面側壁とレバー部材との間に少なくとも2個以上の遊技球が貯留された場合に、付勢部材の付勢力に抗してレバー部材が逆方向へ揺動されスイッチ部材を作動させる大きさに設定されるので、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材が作動される或いは作動が解除されることを抑制して、検出精度の向上を図ることができる。
遊技機7において、前記レバー部材は、前記対面側壁に対面する断面直線状の案内面を備え、前記スイッチ部材を作動させるために必要とされる数の遊技球が対面側壁と案内面との間に貯留されるように、前記案内面の長さが設定されることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、遊技機7の奏する効果に加え、スイッチ部材を作動させるために必要とされる数の遊技球が対面側壁と案内面との間に貯留されるように、案内面の長さが設定されるので、遊技球の重量(重力方向荷重)を、レバー部材を揺動させる力として、レバー部材の案内面に効率的に作用させることができる。よって、所定数の遊技球が貯留された際にレバー部材を確実に揺動させることができ、その結果、スイッチ部材を作動させる信頼性の向上を高めることができる。また、案内面が断面直線状に形成されるので、各遊技球の重量を、レバー部材を揺動させるための力成分として有効に利用できる。なお、案内面の長さは、スイッチ部材を作動させるために必要とされる数の遊技球の内の最下方の遊技球の最外径部から最上方の遊技球の最外径部までが、案内面に対応する領域に収まれば足りる趣旨である。
遊技機3から8のいずれかにおいて、前記第1通路と第2通路とが並設されると共に、前記第2通路を挟んで前記第1通路と反対側に前記検出センサが配設されることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、遊技機3から8のいずれかの奏する効果に加え、第1通路と第2通路とが並設されるので、これら両通路を区画する側壁を共通化して、部品点数の削減を図ることができる。その結果、製品コストの削減を図ることができる。また、第2通路を挟んで第1通路と反対側に検出センサが配設されるので、第2通路と第1通路との間に検出センサを配設する場合と比較して、構造を簡素化することができ、その結果、検出センサの大きさの自由度および両通路の取り回しの自由度を確保することができる。
遊技機3から9のいずれかにおいて、前記第2通路は、前記レバー部材の上流側に連なると共に下流側へ向けて下降傾斜して形成される上流側壁を備えることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、遊技機3から9のいずれかの奏する効果に加え、レバー部材の上流側に連なる上流側壁が、下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、上流側壁により下降傾斜方向へ遊技球を案内して、流下する遊技球がレバー部材に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。
遊技機10において、前記レバー部材は、少なくとも初期位置にある状態では、下流側へ向けて下降傾斜されており、前記上流側壁の傾斜角度が前記レバー部材の傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度に設定されることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、遊技機10の奏する効果に加え、少なくとも初期位置ではレバー部材が下流側へ向けて下降傾斜されており、そのレバー部材の傾斜角度よりも上流側壁の傾斜角度が緩やかな傾斜角度に設定されるので、上流側壁により下降傾斜方向へ案内された遊技球を、より確実にレバー部材に衝突し難くすることができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。
遊技機3から11のいずれかにおいて、前記第2通路は、前記レバー部材に対面する側壁である対面側壁を備え、その対面側壁と前記レバー部材との間の対向面間隔が、少なくとも前記レバー部材が初期位置にある状態では、n個の遊技球の直径の和よりも小さく、かつ、前記レバー部材が前記スイッチ部材を作動させる状態では、n個の遊技球の直径の和と同等となるように設定されることを特徴とする遊技機12。
遊技機12によれば、遊技機3から11のいずれかの奏する効果に加え、対面側壁と前記レバー部材との間の対向面間隔が、少なくともレバー部材が初期位置にある状態では、n個の遊技球の直径の和よりも小さく、かつ、レバー部材がスイッチ部材を作動させる状態では、n個の遊技球の直径の和と同等となるように設定されるので、検出精度の向上を図りつつ、スペース効率の向上も図ることができる。即ち、対向側壁とレバー部材との間の対向面間隔を狭くしておくことで、所定数の遊技球が貯留される過程において、レバー部材を確実に揺動させて、検出精度の向上を図ることができる一方、所定数の遊技球が貯留された状態では、対面側壁とレバー部材との間に遊技球が並列に同じ高さ位置で収まるので、遊技球が千鳥状に貯留される場合と比較して、貯留された遊技球の郡の高さを抑制して、スペース効率の向上を図ることができる。なお、nは1以上の自然数とする。
遊技機3から12のいずれかにおいて、前記レバー部材は、前記付勢部材の付勢力に抗して前記逆方向へ揺動され前記スイッチ部材を作動させた後に、更に前記逆方向への可動域を備えることを特徴とする遊技機13。
遊技機13によれば、遊技機3から12のいずれかの奏する効果に加え、レバー部材は、付勢部材の付勢力に抗して逆方向へ揺動されスイッチ部材を作動させた後に、更に逆方向への可動域を備えるので、遊技球が対面側壁とレバー部材との間でバランスして球詰まりが発生することを抑制することができる。即ち、遊技球が対面側壁とレバー部材との間で付勢部材の付勢力によりバランスしたとしても、レバー部材が更に逆方向への可動域を備えることで、例えば、それらバランスした遊技球へ向けて他の遊技球が流下することをきっかけとして、レバー部材を逆方向へ揺動させ、バランスを解除することができる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記検出センサの配設位置は、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を、前記第2通路の上流側開口よりも下方に貯留可能な位置とされ、前記第2通路は、前記遊技球が貯留される上限位置から前記検出センサまでの区間の通路幅が略一定とされることを特徴とする遊技機14。
遊技機14によれば、遊技機1から13のいずれかの奏する効果に加え、検出センサの配設位置は、検出センサが検出状態となってから判定手段により第2皿が満タンであると判定されるまでの間に払出装置から払い出される遊技球を、第2通路の上流側開口よりも下方に貯留可能な位置とされるので、第2通路と第1通路との両通路に接続され通路幅が広くなる分流通路まで遊技球が貯留されることを回避できる。よって、第2通路から玉箱等への遊技球の排出に伴って、通路幅が広い分流通路に貯留された遊技球が、分流通路よりも通路幅の狭い第2通路に流下する際に、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生することを回避することができる。更に、第2通路は、遊技球が貯留される上限位置から検出センサまでの区間の通路幅が略一定とされるので、かかる区間を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを抑制することができる。
遊技機3から14のいずれかにおいて、前記レバー部材は、少なくとも初期位置にある状態では、下流側へ向けて下降傾斜されており、前記第2通路は、前記レバー部材の上流側に連なると共に下流側へ向けて下降傾斜して形成される上流側壁と、その上流側壁と同じ方向に傾斜しつつ対面する第2上流側壁と、を備えることを特徴とする遊技機15。
遊技機15によれば、遊技機3から14のいずれかの奏する効果に加え、レバー部材の上流側に連なる上流側壁が、下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、上流側壁により下降傾斜方向へ遊技球を案内して、流下する遊技球がレバー部材に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。また、第2上流側壁が上流側壁と同じ方向に傾斜しつつ対面するので、上流側壁および第2上流側壁が対面する区間の通路幅を略一定とすることができる。よって、かかる区間を遊技球が流下する際に、球詰まりが発生することを回避することができる。
遊技機15において、前記第1通路と第2通路とが並設されると共に、前記第2通路を挟んで前記第1通路と反対側に前記検出センサが配設され、前記第2通路は、前記第2上流側壁の上流側に位置すると共に前記上流側開口に連なり、下流側へ向けて下降傾斜して形成される第3上流側壁を備えることを特徴とする遊技機16。
遊技機16によれば、遊技機15の奏する効果に加え、第2上流側壁の上流側に位置し上流側開口に連なる第3上流側壁が、下流側へ向けて下降傾斜して形成されるので、第1通路内が満タンとなったことに伴って、遊技球を第2通路の上流側開口へ流下させる場合には、第3上流側壁の下降傾斜を利用して、遊技球をスムーズに流下させることができる。
遊技機16において、前記第3上流側壁は、断面直線状に形成されると共に、その直線の延長線上に前記上流側壁が位置することを特徴とする遊技機17。
遊技機17によれば、遊技機16の奏する効果に加え、第3上流側壁が、断面直線状に形成されると共に、その直線の延長線上に上流側壁が位置するので、第1通路側から第2通路の上流側開口へ流下する遊技球を、第3上流側壁により上流側壁へ案内することができ、流下する遊技球がレバー部材に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。更に、第3上流側壁から上流側壁へ遊技球が案内されると、次いで、その遊技球を上流側壁の下降傾斜方向へ案内することができるので、かかる遊技球がレバー部材に衝突することを抑制することができる。その結果、スイッチ部材の誤作動を抑制できる。
遊技機16又は17において、前記第2通路は、前記第3上流側壁に対面する側壁である第4対面側壁を備え、その第4対面側壁が鉛直に延設されることを特徴とする遊技機18。
遊技機18によれば、遊技機16又は17の奏する効果に加え、第3上流側壁に対面する側壁である第4対面側壁が鉛直に延設されるので、例えば、第3上流側壁と平行に傾斜させるような場合と比較して、構造を簡素化することができるので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機18において、前記検出センサの配設位置は、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を、前記第2通路の第3上流側壁の下流端よりも下方に貯留可能な位置とされることを特徴とする遊技機19。
遊技機19によれば、遊技機18の奏する効果に加え、第4対面側壁を鉛直に延設することで、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる一方で、第3上流側壁と第4対面側壁との間の通路幅が略一定とはならない(上流側ほど通路幅が広くなる)ため、貯留された遊技球が流下する際には、通路幅が窄まる箇所で、遊技球が固まって、球詰まりが発生する。これに対し、遊技機19では、第2通路に遊技球が貯留される上限位置が、第3上流側壁の下流端よりも下方とされるので、流下する遊技球が、通路幅が窄まる箇所を通過することを回避して、球詰まりの発生を抑制することができる。
遊技機1から19のいずれかにおいて、前記検出センサの検出状態をカウント値によって記憶するタイマ手段と、定期的に実行され、前記検出センサのスイッチ部材が前記レバー部材により作動されている場合に前記タイマ手段の値に固定値を加算する一方、前記スイッチ部材が前記レバー部材により作動されていない場合には前記タイマ手段の値を維持する更新手段と、を備え、前記判定手段は、前記更新手段による加算の結果、前記タイマ手段の値が第1の所定値に達した場合に、前記第2皿が満タンになったと判定することを特徴とする遊技機20。
遊技機20によれば、遊技機1から19のいずれかの奏する効果に加え、検出センサのスイッチ部材がレバー部材により作動されている場合にタイマ手段の値に固定値を加算する一方、スイッチ部材がレバー部材により作動されていない場合にはタイマ手段の値を維持し、タイマ手段の値が第1の所定値に達した場合に、第2皿が満タンになったと判定するので、例えば、流下する遊技球からの影響により誤ってスイッチ部材が誤作動される或いは作動が誤解除される場合でも、第2皿が満タンか否かの判定の精度を確保することができる。
遊技機20において、遊技を制御する主制御手段と、その主制御手段からの指示に基づいて前記払出装置を制御すると共に前記判定手段および停止手段を有する払出制御手段と、を備え、前記判定手段は、電源投入時には、前記タイマ手段の値が第2の所定値に達した場合に、前記第2皿が満タンになったと判定し、前記更新手段により前記タイマ手段の値が初期値から前記第2の所定値まで更新されるのに要する時間が、前記主制御手段が電源投入時に立ち上がるまでの時間よりも長くされることを特徴とする遊技機21。
遊技機21によれば、遊技機20の奏する効果に加え、電源投入時には、タイマ手段の値が第2の所定値に達した場合に、第2皿が満タンになったと判定手段により判定され、そのタイマ手段の値が初期値から第2の所定値まで更新されるのに要する時間が、主制御手段が電源投入時に立ち上がるまでの時間よりも長くされるので、主制御手段の立ち上がりを待って、払出制御手段による払出装置の制御を行うことができる。よって、電源投入時において、第2皿が満タンになっている場合に、主制御手段からの指示に基づいて払出装置を払出制御手段により適切に制御することができる。
遊技機21において、前記更新手段により前記タイマ手段の値が初期値から前記第1の所定値まで更新されるのに要する時間が、前記主制御手段が電源投入時に立ち上がるまでの時間よりも短くされることを特徴とする遊技機22。
遊技機22によれば、遊技機21の奏する効果に加え、更新手段によりタイマ手段の値が初期値から第1の所定値まで更新されるのに要する時間が、主制御手段が電源投入時に立ち上がるまでの時間よりも短くされるので、電源投入時ではない状態において、検出センサが検出状態となってから判定手段により第2皿が満タンであると判定されるまでの間(即ち、タイマ手段の値が初期値から第1の所定値まで更新されるのに要する時間)に払出装置から払い出される遊技球を必要最小限とすることができる。その結果、第2通路の必要長さを必要最小限として、その配設の自由度を高めることができる。
遊技機1から19のいずれかにおいて、遊技を制御する主制御手段と、その主制御手段からの指示に基づいて前記払出装置を制御すると共に前記判定手段および停止手段を有する払出制御手段と、を備え、前記払出制御手段は、電源投入時には、前記主制御手段が立ち上がるまでの間、前記第2皿が満タンになったと前記判定手段が判定することを禁止する手段を備えることを特徴とする遊技機23。
遊技機23によれば、遊技機1から19のいずれかの奏する効果に加え、払出制御手段は、電源投入時には、主制御手段が立ち上がるまでの間、第2皿が満タンになったと判定手段が判定することを禁止する手段を備えるので、主制御手段の立ち上がりを待って、払出制御手段による払出装置の制御を行うことができる。よって、電源投入時において、第2皿が満タンになっている場合に、主制御手段からの指示に基づいて払出装置を払出制御手段により適切に制御することができる。
<その他>
<手段>
技術的思想1の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、遊技に伴い遊技球を払い出す払出装置と、その払出装置から払い出される遊技球を貯留する第1皿と、その第1皿で余剰となった遊技球を貯留する第2皿と、前記第1皿に遊技球を流下させる第1通路と、前記第2皿に遊技球を流下させる第2通路と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記第1通路へ流下させると共に第1通路内に遊技球が貯留された場合に払出装置から払い出された遊技球を前記第2通路へ流下させる分流通路と、前記第2通路の中途に配設されその配設箇所における遊技球により検出状態とされる検出センサと、その検出センサの検出結果に基づいて前記第2皿が満タンになったかを判定する判定手段と、その判定手段により前記第2皿が満タンであると判定された場合に前記払出装置からの遊技球の払い出しを停止させる停止手段と、を備えたものであり、前記判定手段は、前記検出センサが検出状態となってから少なくとも所定の期間の経過後に、前記第2皿が満タンであると判定し、前記検出センサの配設位置は、前記遊技領域の下端よりも上方であって、かつ、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を少なくとも前記第2通路および分流通路に貯留可能な位置とされる。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記検出センサの配設位置は、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を、前記第2通路内に貯留可能な位置とされる。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記検出センサは、前記第2通路の側壁の一部を形成すると共に上流側部分が軸支され前記第2通路側またはその逆側へ向けて揺動可能に形成されるレバー部材と、前記レバー部材を前記第2通路側へ向けて付勢する付勢部材と、その付勢部材の付勢力に抗して前記レバー部材が前記逆方向へ揺動されることで作動されるスイッチ部材とを備える。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記第2通路は、前記レバー部材に対面する側壁である対面側壁を備え、その対面側壁と前記レバー部材との間の対向面間隔が、少なくとも前記レバー部材が初期位置にある状態では、下流側ほど小さくされる。
<効果>
本技術的思想によれば、遊技領域を拡大しつつ、下皿の満タン状態を好適に検出することができると共に、それに伴う不具合等が発生することを抑制することができる。
10 パチンコ機(遊技機)
80 遊技盤
PE 遊技領域
33 上皿(第1皿)
34 下皿(第2皿)
224 払出装置
261 上皿通路(第1通路)
261a,3261a 上皿通路の上流側開口
262 下皿通路(第2通路)
262a,3262a 上皿通路の上流側開口
263 分流通路
272 第2鉛直側壁(対面側壁)
281,2281,3281 上流側壁
282,3282 第2上流側壁
283,3283 第3上流側壁
2284 対面傾斜側壁(対面側壁)
292 第2分流側壁(対面側壁、第4対面側壁)
59 満タン検知センサ(検出センサ)
502 レバー部材
502a 案内面
503 付勢部材
504 スイッチ部材

Claims (4)

  1. 遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、遊技に伴い遊技球を払い出す払出装置と、その払出装置から払い出される遊技球を貯留する第1皿と、その第1皿で余剰となった遊技球を貯留する第2皿と、前記第1皿に遊技球を流下させる第1通路と、前記第2皿に遊技球を流下させる第2通路と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記第1通路へ流下させると共に第1通路内に遊技球が貯留された場合に払出装置から払い出された遊技球を前記第2通路へ流下させる分流通路と、前記第2通路の中途に配設されその配設箇所における遊技球により検出状態とされる検出センサと、その検出センサの検出結果に基づいて前記第2皿が満タンになったかを判定する判定手段と、その判定手段により前記第2皿が満タンであると判定された場合に前記払出装置からの遊技球の払い出しを停止させる停止手段と、を備えた遊技機において、
    前記判定手段は、前記検出センサが検出状態となってから少なくとも所定の期間の経過後に、前記第2皿が満タンであると判定し、
    前記検出センサの配設位置は、前記遊技領域の下端よりも上方であって、かつ、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を少なくとも前記第2通路および分流通路に貯留可能な位置とされることを特徴とする遊技機。
  2. 前記検出センサの配設位置は、前記検出センサが検出状態となってから前記判定手段により前記第2皿が満タンであると判定されるまでの間に前記払出装置から払い出される遊技球を、前記第2通路内に貯留可能な位置とされることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記検出センサは、前記第2通路の側壁の一部を形成すると共に上流側部分が軸支され前記第2通路側またはその逆側へ向けて揺動可能に形成されるレバー部材と、前記レバー部材を前記第2通路側へ向けて付勢する付勢部材と、その付勢部材の付勢力に抗して前記レバー部材が前記逆方向へ揺動されることで作動されるスイッチ部材とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記第2通路は、前記レバー部材に対面する側壁である対面側壁を備え、その対面側壁と前記レバー部材との間の対向面間隔が、少なくとも前記レバー部材が初期位置にある状態では、下流側ほど小さくされることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
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