JP2016103868A - 電線被覆テープの貼着装置及び貼着方法 - Google Patents

電線被覆テープの貼着装置及び貼着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小型軽量で、安価に量産でき、取り扱いも容易な電線被覆テープの貼着装置と、貼着方法を提供する。【解決手段】電線被覆テープの貼着装置1は、装置本体2、テープ支持部材3、テープ供給部材4、テープ押さえ部材5を具備する。装置本体2は、電線Wに着脱可能に装着され、電線Wの軸方向前方へ移動する。テープ支持部材3は、装置本体2に固定され、粘着テープTの巻回体Rを支持する。テープ供給部材4は、テープ支持部材3に取り付けられ、装置本体2の移動に応じて粘着テープTを電線W上に、それの軸線方向後方へ向けて送り出す。テープ押さえ部材5は、装置本体2の後方に所定間隔を置いて連結され、電線Wの表面上に送り出される粘着テープTの移動方向左右両側部を移動に応じて漸次電線Wの外周に沿って巻き込む。それによって、粘着テープTを電線Wの全周に圧接させて電線Wを被覆するように貼着させる。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄塔間に架設された電線への被覆テープの貼着装置と貼着方法に関し、特に、旧架空送電線を撤去して新架空送電線に張り替える際に、旧架空送電線へ被覆テープを貼着する装置と貼着方法に関する。
工業地帯や臨海地域では、既設の送電線路に防食電線が使用されていること多い。古い防食電線では、これに使用されている防食グリスにアスベストが含まれていることがある。このような電線の張り替え工事においては、電線撤去作業時に、アスベストの飛散防止対策が必要となる。アスベストの飛散防止対策の一つとして、防食電線を粘着テープで被覆する方法がとられている。
上記のような対策を実行するために、架空送電線に粘着テープを巻き付ける装置が提案されている(例えば特許文献1)。このテープ巻付装置は、電線上に装着され、電線の軸を中心として回転しながら電線の軸方向に移動する装置本体と、装置本体に固定され、粘着テープを電線の軸に対して傾斜して支持するテープ支持部材と、テープ支持部材に回転可能に取り付けられ、装置本体の移動に応じて電線に粘着テープを供給する粘着テープ供給部材と、テープ支持部材を装置本体に固定すると共に、粘着テープの電線に対する傾斜角度を調整する角度調整機構と、装置本体を電線に支持する支持構造を有し、且つ粘着テープの巻付ピッチを変更する巻付ピッチ変更機構とを備える。
特開2011−188688号公報
上記従来のテープ巻付装置は、装置本体が、電線の軸を中心として回転しながら電線の軸方向に移動する機構を有すること等に起因して、機構が比較的複雑で、大重量となり、取り扱いも容易でないという問題点がある。
したがって、本発明は、簡易な構成で、小型軽量であり、必要に応じて安価に量産でき、取り扱いも容易な電線被覆テープの貼着装置と、貼着方法を提供することを目的としている。
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の電線被覆テープの貼着装置1は、鉄塔間に架設された電線Wに、当該電線Wの全周を被覆可能な幅寸法を有する粘着テープTを電線Wの軸線方向に貼着して電線Wを被覆する装置である。このテープの貼着装置1は、装置本体2と、テープ支持部材3と、テープ供給部材4と、テープ押さえ部材5とを具備する。装置本体2は、電線Wに着脱可能に装着され、電線Wの軸方向前方へ移動する。テープ支持部材3は、装置本体2に固定され、粘着テープTの巻回体Rを支持する。テープ供給部材4は、テープ支持部材3に取り付けられ、装置本体2の移動に応じて粘着テープTを電線W上に、それの軸線方向後方へ向けて送り出す。テープ押さえ部材5は、装置本体2の後方に所定間隔を置いて連結され、テープ供給部材4によって電線Wの表面上に送り出される粘着テープTにおける装置本体2の移動方向左右両側部を移動に応じて漸次電線Wの外周に沿って巻き込む。それによって、粘着テープTを電線Wの全周に圧接させて電線Wを被覆するように貼着させる。
本発明の電線被覆テープの貼着方法は、上記貼着装置1を使用して行う方法である。
本発明の電線被覆テープの貼着装置1は、電線W上を、その軸線方向に移動するという単純な動作のみにより、電線Wを被覆するテープTを貼り付けていくものであるから、取り扱いが容易で、操作に熟練を要しない。装置は極めて簡易な構造で、小型軽量であり、安価に量産できる。
本発明に係る貼着装置の概略的斜視図である。 図1の貼着装置の前部の正面図である。 図1の貼着装置におけるテープ押さえ部材の正面図である。 図1の貼着装置におけるテープ押さえ部材の底面図である。
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
電線被覆テープの貼着装置1は、鉄塔間に架設された電線Wに、その全周を被覆可能な幅寸法を有する粘着テープTを軸線方向に貼着して電線Wの全周を被覆するものである。粘着テープTは、粘着面とその反対側の背面とを具備し、巻心に巻かれた巻回体Rとして貼着装置1に装着される。
貼着装置1は、装置本体2と、テープ支持部材3と、テープ供給部材4と、テープ押さえ部材5とを具備する。
装置本体2は、電線W上に着脱可能に装着され、例えば、電線W上に掛けられた図示しない宙乗り機に引かれて電線Wの軸方向前方(図1において矢印方向)へ移動する。装置本体2は自走式であってもよい。
図示の実施例において、装置本体2は、電線W上への装着時に電線Wに対しほぼ垂直に配置される垂直支持板6と、垂直支持板6の一側面から直角に、ほぼ水平に電線W上へ延出するローラ支持板7とを具備する。ローラ支持板7には、電線Wの上面を転動する走行ローラ8、装置本体2の進行方向に対して電線Wを左右に挟むように配置される一対の垂直ガイドローラ9、電線Wの下面側に配置される水平ガイドローラ10が支持される。水平ガイドローラ10は、ローラ支持板7から電線Wの左右両側を垂直に下方へ延出する一対のねじ棒11間に、軸受け体12を介して着脱自在に支持される。垂直支持板6の前端部には、ターンバックルを介在させた第1の引き手金具13の一端が枢支される。
テープ支持部材3は、装置本体2の垂直支持板6に固定され、粘着テープTの巻回体Rを回転自在に支持する。図示の実施例において、テープ支持部材3は、垂直支持板6の一側面に固定される概略矩形の枠体14と、この枠体14に水平に架設されるテープ支軸15とを具備する。枠体13は、内側にテープ巻回体Rを着脱自在に保持できるように開閉可能で、前方を上方に向けるように傾斜して垂直支持板6に固定され、上端部が第2の引き手金具24により、第1の引き手金具13の先端部に結合される。テープ支軸15は、電線Wの上方に位置して電線Wの軸線に対して直交方向に水平に支持され、枠体14の内側においてテープ巻回体Rを回転自在に支持する。
テープ供給部材4は、テープ支持部材3に取り付けられ、粘着テープTの幅方向の中央付近の粘着面を電線Wの表面(図示の実施例において上面)に接着させるように、粘着テープTの背面を押圧しながら、装置本体2の移動に応じてテープ巻回体Rから粘着テープTを電線W上に送り出す。
図示の実施例において、テープ供給部材4は、枠体14の後部に下方へ延出するように取り付けられた軸受け板16と垂直支持板6との間に架設された水平の押さえローラ17を具備する。押さえローラ17は、テープ支持部材3の後部下方に位置して、テープ支軸15と平行に配置され、装置本体2の移動に応じて粘着テープTの背面を電線Wの上面に向かって押圧しながら、電線W上を転動する。
テープ押さえ部材5は、装置本体2の後方に所定間隔を置いて連結され、テープ供給部材4によって電線Wの上に供給され、中央部が電線Wの上面に貼着された粘着テープTの左右両側部を本体2の移動に応じて漸次電線Wの外周に沿って巻き込み、電線Wの全周に圧接させる。それによって、粘着テープTを電線Wの全周に、これを被覆するように貼着させる。
図示の実施例において、テープ押さえ部材5は、互いに屈折可能に枢着された2本の連結ロッド18a、18bにより、枠体14の後部に連結される第1ないし第4の4つの把持部材19,20,21,22を具備する。4つの把持部材19,20,21,22は、弾性合成樹脂製で、前後方向に相互間隔を置いて後部連結ロッド18bに固定される。把持部材19,20,21,22は、電線Wの外周に沿うように湾曲し、前記粘着テープの左右両側部を電線の外周に沿って湾曲させつつ、電線の外周に押し付けるように粘着テープの背面に摺接する摺接面を有する。前方の3つの把持部材19,20,21は、進行方向に対して左右一対の弾性押圧片19a,19b,20a,20b,21a,21bを具備する。
第1の把持部材19の一対の弾性押圧片19a,19bは、断面概略円弧状で、上部で互いに連続する左右対称形状のもので、電線Wの上面に中央部が貼着された粘着テープTの左右両側部を上方から押さえて、徐々に下方に湾曲させ、電線Wの左右側面の途上位置まで圧接させる寸法に形成される。弾性押圧片19a,19bは、それぞれ進行にしたがって、粘着テープTの中央部から徐々に左右両側部の外側へ接触部を広げるように前方の端縁が傾斜面19c,19dとなっている。
第2の把持部材20の一対の弾性押圧片20a,20bは、第1の把持部材19によって電線Wの側面の途上まで貼着された粘着テープTの左右両側部を電線Wのさらに下方側面まで湾曲させて電線Wに圧着させる寸法に形成される。弾性押圧片20a,20bは、断面概略円弧状で、上部で互いに連続し、前方の端縁が傾斜面20c,20dとなっており、左右のものが非対称形状である。一方の弾性押圧片20aの下端縁20eは、電線Wの裏面(下面)位置に到達しない位置で終結しているのに対し、他方の弾性押圧片20bの下端縁20fは、電線Wの裏面(下面)位置を越える位置で終結している。したがって、弾性押圧片20bは、粘着テープTの進行方向左側部を電線Wの裏面を越える位置まで電線Wの外周に圧接させ、これに貼着させる。
第3の把持部材21の一対の弾性押圧片21a,21bは、第2の把持部材20によって電線Wの側面の途上まで貼着された粘着テープTの左右両側部を電線Wのさらに下方側面まで湾曲させて電線Wに圧着させる寸法に形成される。すなわち、弾性押圧片21a,21bも、断面概略円弧状で、上部で互いに連続し、前方の端縁が傾斜面21c,21dとなっており、これも左右のものが非対称形状である。一方の弾性押圧片21aの下端縁21eは、電線Wの裏面(下面)位置を越える位置で終結しているのに対し、他方の弾性押圧片21bの下端縁20fは、電線Wの裏面(下面)位置に到達しない位置で終結位置に到達しない位置で終結している。したがって、弾性押圧片21aは、粘着テープTの進行方向右側部を電線Wの裏面を越える位置まで電線Wの外周に圧接させ、先に接着されている左側部の縁部に重ねてこれに貼着させる。
第4の把持部材22の弾性押圧片は、第3の把持部材21によって電線Wに貼着された粘着テープTの全体を電線Wの全周に圧接させる寸法の単一の円筒形に形成される。
図1に示すように、第1ないし第3の把持部材19,20,21には、各一対の弾性押圧片19a・19b,20a・20b,21a・21bによる電線Wの外周に対する接触圧力を調整するためのピンチ部材23を装着することができる。
なお、図示しないが、テープ支持部材3、テープ供給部材4、テープ押さえ部材5を電線Wの下面側に設けて、テープTを電線Wの下面側から貼着する構成とすることもできる。
電線被覆テープの貼着装置1を用いて架設電線Wに粘着テープTを貼着する作業は以下のように行われる。
装置本体2に設けられた粘着テープの巻回体Rをテープ支持部材3に支持する。装置本体2の水平ガイドローラ10を軸受け体12と共に、ねじ棒11から外し、ねじ棒11間に電線Wを導入し再び装着する。走行ローラ8と押さえローラ17を電線Wの上に乗せ、引き手金具13,24を図示しない前方の宙乗り機に接続する。粘着テープの巻回体Rから粘着テープTを引き出し、押さえローラ17に掛け、さらに先端部の所定長さ部分を電線Wに貼着して係止する。装置1を前方へ走行させると、自動的にテープTが引き出され、電線W上に供給される。テープTは、押さえローラ17により、順次電線Wの上面へ圧接され、粘着面の幅方向中央部が電線Wの上面に貼着される。この段階で、テープTは、中央部のみが電線Wの上面に貼着され、左右両側部は電線Wから浮いた状態にある。さらに装置が進行すると、粘着テープTの左右両側部が、テープ押さえ部材5により、漸次電線Wの外周に沿って巻き込まれ、第4の把持部材22が通過する段階では、全周にわたって電線Wに圧接されることになる。これによって、電線Wの全周が、テープTにより被覆される。
1 貼着装置
2 装置本体
3 テープ支持部材
4 テープ供給部材
5 テープ押さえ部材
6 垂直支持板
7 ローラ支持部材
8 走行ローラ
9 垂直ガイドローラ
10 水平ガイドローラ
11 ねじ棒
12 軸受け体
13 第1の引き手金具
14 枠体
15 テープ支軸
16 軸受け板
17 押さえローラ
18 連結ロッド
19 第1の把持部材
20 第2の把持部材
21 第3の把持部材
22 第4の把持部材
23 ピンチ部材
24 第2の引き手金具

Claims (7)

  1. 鉄塔間に架設された電線に、当該電線の全周を被覆可能な幅寸法を有する粘着テープを電線の軸線方向に貼着して電線を被覆するテープの貼着装置であって、
    前記電線に着脱可能に装着され、電線の軸線方向前方へ移動する装置本体と、
    前記装置本体に固定され、前記粘着テープの巻回体を支持するテープ支持部材と、
    前記テープ支持部材に取り付けられ、前記装置本体の移動に応じて前記粘着テープを電線上に、それの軸線方向後方へ向けて送り出すテープ供給部材と、
    前記装置本体の後方に所定間隔を置いて連結され、テープ供給部材によって電線の表面上に送り出される粘着テープにおける装置本体の移動方向左右両側部を移動に応じて漸次電線の外周に沿って巻き込むように電線の全周に圧接させて貼着させるテープ押さえ部材と、を具備すること特徴とする電線被覆テープの貼着装置。
  2. 前記テープ支持部材は、前記粘着テープ巻回体の巻心を電線の軸線に対して直交させて枢支するテープ支軸を具備し、
    前記テープ供給部材は、前記粘着テープの幅方向の中央付近の粘着面を前記電線の表面に接着させるように、粘着テープの背面を押圧する押圧部材を具備し、
    前記テープ押さえ部材は、前記テープ供給部材によって前記電線の表面上に中央部が貼着された粘着テープにおける装置本体の移動方向左右両側部の背面に摺接する摺接面を具備することを特徴とする請求項1に記載の電線被覆テープの貼着装置。
  3. 前記テープ供給部材の押圧部材は、前記電線の外周に接するように前記テープ支軸と平行に前記テープ支持部材に軸支され、前記粘着テープ巻回体から引き出される前記粘着テープを電線の外周との間に挟み粘着テープの中央部を電線の表面に接着させるように転動する押さえローラであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電線被覆テープの貼着装置。
  4. 前記テープ押さえ部材は、前記電線の外周に沿うように湾曲し、前記粘着テープの左右両側部を前記電線の外周に沿って湾曲させつつ、電線の外周に押し付けるように粘着テープの背面に摺接する摺接面を有する一対の弾性押圧片を具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電線被覆テープの貼着装置。
  5. 前記テープ押さえ部材は、前記電線上に貼着された粘着テープの背面側に沿うように前記装置本体から後方へ延びる連結ロッドと、この連結ロッドの軸線方向に相互間隔を置いて当該連結ロッドに取り付けられる複数の把持部材とを具備し、
    前記把持部材は、それぞれ前記一対の弾性押圧片を備えることを特徴とする請求項4に記載の電線被覆テープの貼着装置。
  6. 前記テープ押さえ部材は、前方から後方に向かって並ぶ第1ないし第4の4つの前記把持部材を具備し、
    前記第1の把持部材の一対の弾性押圧片は、中央部が前記電線の表面に貼着された前記粘着テープの左右両側部を電線の左右側面の途上位置まで圧接させる寸法に形成され、
    前記第2の把持部材の一対の弾性押圧片のうちの一方は、前記第1の把持部材によって前記電線の左右側面の途上位置まで貼着された前記粘着テープの左又は右側部を電線の裏面位置まで圧接させる寸法に形成され、一対の弾性押圧片のうちの他方は、粘着テープの他側部を電線の裏面に至らない側面の途上位置まで圧接させる寸法に形成され、
    前記第3の把持部材の一対の弾性押圧片のうちの一方は、前記第2の把持部材によって前記電線の側面の途上位置まで貼着された前記粘着テープの前記他側部を電線の裏面位置まで圧接させる寸法に形成され、
    前記第4の把持部材の前記弾性押圧片は、前記第3の把持部材によって前記電線に貼着された前記粘着テープを電線の全周に圧接させる寸法の単一の円筒形に形成されることを特徴とする請求項5に記載の電線被覆テープの貼着装置。
  7. 鉄塔間に架設された電線を粘着テープで被覆する被覆テープの貼着方法であって、
    装置本体に装着された粘着テープ巻回体の巻心を前記電線の軸線に対して直交方向に支持し、
    前記装置本体を前記電線に支持すると共に、前記粘着テープ巻回体から引き出された前記粘着テープの幅方向の中央部を電線の表面に貼着するように圧接させ、
    前記装置本体を前記電線の軸線方向前方に移動させ、装置本体の移動に応じて前記粘着テープの中央部を電線の表面に貼着しつつ、当該粘着テープを電線の表面に供給し、
    前記電線の表面上に中央部が貼着された粘着テープにおける前記装置本体の移動方向左右両側部を、装置本体の後方に連結されたテープ押さえ部材により、移動に応じて漸次電線の外周に沿って巻き込み、電線の全周に圧接させて貼着させることを特徴とする電線被覆テープの貼着方法。
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