JP2016103391A - リチウムイオン二次電池用正極活物質ペーストの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質、導電助剤、結着材、有機溶媒からなる非水系正極活物質ペーストの簡易製造方法を提供する。【解決手段】超音波型分散機を用いて導電助剤、結着材のポリフッ化ビニリデン、有機溶媒のN−メチルピロリドンを主成分とする導電助剤分散ペーストを予め作製しておき、正極活物質と導電助剤分散ペーストを混合することにより正極活物質ペーストを製造する。導電助剤は、微粒子状炭素材料のアセチレンブラック、ケッチェンブラック、繊維状炭素材料のカーボンナノファイバー、気相成長炭素ファイバーのうちのいずれか一種以上であり、正極活物質は、LiZNi1-X-YCoXMYO2で(ただし、0.10≦x≦0.35、0≦y≦0.35、0.97≦z≦1.20、Mは添加元素であり、Mn、V、Mg、Mo、Nb、TiおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表されるリチウム複合酸化物のいずれか一種以上である。【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の正極活物質層を形成するために使用される正極活物質ペーストの製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池(以下、リチウムイオン電池)は、エネルギー密度が大きく、充放電のサイクル特性に優れるため、携帯機器等の電子機器を中心に広く使用されている。現在広く用いられている最も一般的なリチウムイオン電池は、図1に示すように、正極(正極集電体1、正極活物質層2)、負極(負極集電体6、負極活物質層5)、電解液4、セパレータ3の基本要素で構成されている。電極リード7(取出し電極)が取付けられた正極、及び負極は、これら電極間に電解質を保持できるセパレータ3を介在させた状態で電解液4に浸漬され、容器8(金属、プラスチックラミネート等)で覆われたセル構造を有している。
上記正極は、正極活物質、導電助剤、結着材(バインダー)等を主成分とする正極活物質層2が、正極集電体1(アルミニウム箔等)上に形成された構造を有している。
正極活物質層の形成は、通常、正極活物質、導電助剤、結着材、有機溶媒等を主成分とする正極活物質ペーストが用いられており、このペーストを正極集電体上に塗布・乾燥(必要に応じてプレス加工による緻密化)して行われている。
正極活物質ペーストとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着材をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒中に溶解させた溶液に、正極活物質と導電助剤を分散させた非水系ペーストが一般的に用いられている。
正極活物質には、通常、リチウムと遷移金属を含む複合酸化物が用いられており、具体的には、層状系材料のコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム酸化物(Li(Ni-Co-Al)O2)、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/32)、スピネル系材料のリチウム−マンガン酸化物(LiMn24)、オリビン系材料としてのリン酸鉄リチウム(LiFePO4)等が一般的である。さらに、高エネルギー化を目指して、高電圧(5V領域)で充放電を行うスピネル系材料のリチウム−マンガン−ニッケル酸化物(Li(Mn3/2Ni1/2)O4等)や、高容量を有する層状系材料の固溶体系(「過剰系」とも呼ばれる)マンガン含有リチウム複合酸化物(例えば、Li2MnO3−LiMO2[M:Ni、Mn、Co等])等の開発も進められている。
導電助剤には、通常、化学的ならびに電気化学的に安定で電子伝導性を有する炭素材料が用いられており、具体的には、微粒子状炭素材料のファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等、繊維状炭素材料のカーボンナノチューブ(CNT)、気相成長炭素ファイバー(VGCF)等があり、これらの炭素材料を単独で使用する場合もあるが、微粒子状炭素材料と繊維状炭素材料を組合せて使用するのが一般的である。
ところで、正極活物質ペーストの製造では、凝集力が強い導電助剤の分散性の良否がリチウムイオン電池の特性に大きく影響する。例えば、導電助剤の凝集塊がペースト中に残留すると、形成される正極活物質層の緻密性や表面平滑性などが損なわれ、電池特性の低下を引き起こす問題がある。
上記問題に対処して、特許文献1(特開平10−144302)には、リチウムイオン電池の負荷特性(レート特性)を改善するため、導電助剤と有機溶媒を混練した後、ボールミルを用いて導電助剤を分散する工程と、前記工程で得られたペーストに正極活物質と結着材を添加して混練する工程からなる製造方法、および導電助剤、結着材、有機溶媒を混練した後、ボールミルを用いて導電助剤を分散する工程と、前記工程で得られたペーストに正極活物質を添加して混練する工程からなる製造方法が記載されている。
また、特許文献2(特開2013−84397)には、リチウムイオン電池の高率充放電特性や低温環境での充放電特性を改善するため、高速回転せん断型装置を用いて導電助剤を有機溶媒に分散する工程、前記工程で得られたペーストに正極活物質と結着材を添加して混合する工程からなる製造方法が記載されている。
特開平10−144302公報 特開2013−84397公報
前述したように、正極活物質ペーストの製造においては、リチウムイオン電池の各種特性を確保するために、導電助剤を微細かつ均一に分散させる製造方法が求められている。
ボールミルやビーズミルなどのメディア型分散機を用いて導電助剤を分散する方法は、せん断力が強いため導電助剤を均一かつ微細に分散させることはできるが、メディア(ボール、ビーズ)や粉砕容器の摩耗による成分が正極活物質層に残留し、電池特性の低下を引き起こすことになり好ましくない。
高速回転せん断型分散機を用いて導電助剤を分散する方法については、メディアを使用しないため不純物の混入を避けることはできるが、特許文献2に記載されている導電助剤を有機溶媒に分散させる方法では、導電助剤の分散安定化に寄与する材料が含まれていないため凝集が起りやすく、凝集塊が正極活物質層に残留して緻密性や表面平滑性などが損なわれ、電池特性の低下を引き起こすことになり好ましくない。
発明者らは、このような状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、超音波型分散機を用いて導電助剤、結着材のポリフッ化ビニリデン、有機溶媒のN−メチル−2−ピロリドンの混合物を分散処理することで良好な分散性と分散安定性を兼ね備えた導電助剤分散ペーストが得られ、正極活物質と得られた導電助剤分散ペーストを混合することにより、導電助剤が微細に分散した均一な正極活物質層を形成する正極活物質ペーストが製造できることを見出したものである。
即ち、本発明の第1の発明は、リチウムイオン二次電池を構成する正極活物質層を形成するために使用される正極活物質ペーストの製造方法であって、超音波型分散機を用いて導電助剤、結着材、有機溶媒の混合物を分散処理して導電助剤分散ペーストを得る工程、正極活物質と前工程で得られた導電助剤分散ペーストを混合する工程からなることを特徴とする正極活物質ペーストの製造方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明における導電助剤が微粒子状炭素材料のアセチレンブラック、ケッチェンブラック、繊維状炭素材料のカーボンナノファイバー、気相成長炭素ファイバーのうちのいずれか一種以上であることを特徴とする正極活物質ペーストの製造方法である。
本発明の第3の発明は、第1または第2の発明における結着剤が、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチルのうちいずれか一種以上であることを特徴とする正極活物質ペーストの製造方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明における有機溶媒が、沸点が100℃〜250℃の範囲で粘度が20mPa・s以下であることを特徴とする正極活物質ペーストの製造方法である。
本発明の第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明における正極活物質がLiMO2、LiMPO4、Li2MSiO4(M:マンガン、コバルト、ニッケル、鉄の群から選ばれるいずれか一種以上の遷移金属)、LiYaMn2-a4(Y:コバルト、ニッケル;0≦a≦1)、Li2MnO3−LiMO2(M:マンガン、コバルト、ニッケルの群から選ばれるいずれか一種以上の遷移金属)で表されるリチウム複合酸化物のいずれか一種以上であることを特徴とする正極活物質ペーストの製造方法である。
本発明の正極活物質ペーストの製造方法によれば、超音波型分散機を用いて分散処理して得られる導電助剤、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドンを主成分とする導電助剤分散ペーストは良好な分散性と貯蔵安定性を有しているため、予め導電助剤分散ペーストを作製して保管しておくことにより、正極活物質と導電助剤分散ペーストを混合して簡便に正極活物質ペーストを製造することができる。
本発明に係る正極活物質ペーストは、導電助剤が微細に分散した均一な正極活物質層を形成できるため、リチウムイオン電池の特性向上に寄与するものである。
電解液系リチウムイオン電池の構造の一例を示す模式図である。 予備試験1で作製した導電助剤分散ペースト膜表面の電子顕微鏡像(SEM像)を示す図である。 予備試験2で作製した導電助剤分散ペースト膜表面の電子顕微鏡像(SEM像)を示す図である。 実施例1で作製した正極活物質ペースト膜(正極活物質層)の導電助剤膜部表面の電子顕微鏡像(SEM像)を示す図である。 実施例2で作製した正極活物質ペースト膜(正極活物質層)の導電助剤膜部表面の電子顕微鏡像(SEM像)を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の正極活物質ペーストの製造方法では、正極活物質と超音波型分散機を用いて導電助剤、結着材、有機溶媒を分散処理して得られる導電助剤分散ペーストを混合して簡便に正極活物質ペーストを製造することができる。
[導電助剤分散ペースト]
先ず、本発明で用いる導電助剤分散ペーストについて説明する。導電助剤分散ペーストは、超音波型分散機を用いて導電助剤、結着材のポリフッ化ビニリデン、有機溶媒のN−メチル−2−ピロリドンの混合物を分散処理することにより得ることができる。
(a)導電助剤
導電助剤は、電子伝導性を有する物質であればよく、微粒子状炭素材料のファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等、繊維状炭素材料のカーボンナノチューブ(CNT)、気相成長炭素ファイバー(商標VGCF)等を使用することができる。また、これらを混合して用いても良い。
導電助剤の含有量は、2重量%〜10重量%の範囲とするのが好ましい。導電助剤の含有量が2重量%未満であると正極活物質と混合して製造する正極活物質ペーストの粘度が低下してしまい、また10重量%より多くなると導電助剤の分散性が悪化するので好ましくない。
(b)結着材(バインダー)
結着材は、正極活物質、導電助剤、正極集電体などと結着して正極活物質層の形状を保持する物質であればよく、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等を使用することができる。これらの中でも比誘電率が高いポリフッ化ビニリデンを好適に使用することができる。
ポリフッ化ビニリデンの含有量は、1重量%〜5重量%の範囲とするのが好ましい。結着材の含有量が1重量%未満であると正極活物質、導電助剤、正極集電体との結着性が低下してしまい、5重量%より多いと正極活物質層を形成した時に電気化学反応を阻害して電池特性が損なわれるので好ましくない。
(c)有機溶媒
有機溶媒は、沸点が100℃〜250℃の範囲で粘度が20mPa・s以下の有機化合物を使用することができる。沸点が100℃未満であると超音波型分散機による分散処理中に揮発して組成ずれが生じてしまい、250℃より高いと形成する正極活物質層に残留してしまうので好ましくない。また、粘度が20mPa・sよりも高いと分散効率が低下して好ましくない。有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を好適に使用することができる。
有機溶媒の含有量は、85重量%〜97重量%の範囲とするのが好ましい。有機溶媒の含有量が85%未満であると導電助剤の分散効率が低下してしまい、97重量%よりも多いと正極活物質と混合して製造する正極活物質ペーストの粘度が低下してしまうので好ましくない。
(d)超音波型分散機
超音波型分散機は、定格出力が50W〜1200Wの超音波ホモジナイザーが市販されており、これらを選択して使用することができる。尚、超音波ホモジナイザーは、発振器、コンバーター、ホーンで構成され、ホーンを通して有機溶媒中に超音波振動を与えることで発生する微小な気泡(キャビテーション)を導電助剤に繰り返し衝突させて分散を行う方式のメディアレス型分散機である。
[正極活物質ペースト]
次に、本発明の正極活物質ペーストの製造方法について説明する。正極活物質ペーストは、正極活物質と前述の導電助剤分散ペーストを混合して製造することができる。
(a)正極活物質
正極活物質は、例えば、リチウムイオン電池用途では、リチウムイオンを離脱、吸着させ易く、多くのリチウムイオンを離脱、吸蔵させることが可能な物質であればよく、リチウム−コバルト酸化物(LiCoO2[コバルト酸リチウム]、LiCo24等)(LCOと呼ばれる。)、リチウム−ニッケル酸化物(LiNiO2[ニッケル酸リチウム]、LiNi24等)(LNOと呼ばれる。)、リチウム−マンガン酸化物(LiMnO2[マンガン酸リチウム]、LiMn24、Li2Mn24等)(LMOと呼ばれる。)、リチウム−マンガン−コバルト酸化物(LiMnCoO4、Li2MnCoO4等)、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト酸化物(Li(Ni-Mn-Co)O2、LiNi1/3Mn1/3Co1/32等)(NMCまたはNCMと呼ばれる。)、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム酸化物(Li(Ni-Co-Al)O2、LiNi0.8Co0.15Al0.052等)(NCAと呼ばれる。)、リチウム−マンガン−ニッケル酸化物(Li(Mn3/2Ni1/2)O4等)、固溶体系(過剰系)マンガン含有リチウム複合酸化物(例えば、Li2MnO3−LiMO2[M:Ni、Mn、Co等])、リチウム−チタン酸化物(Li4Ti512、LiTi24等)(LTOと呼ばれる。)、その他遷移金属を含むリチウム酸化物(Li2CuO2、LiCuO2、LiVO2、LiV24、LiCrO2、LiFeO2、LiTiO2、LiScO2、LiYO2、LiMnCrO4、LiNiVO4、LiCoVO4等)、各種遷移金属を含むリチウムリン酸塩(LiFePO4[リン酸鉄リチウム] (LFPと呼ばれる。)、LiCuPO4、LiNiPO4、LiCoPO4、LiMnPO4、Li2NiPO4F、Li2CoPO4F、Li2MnPO4F、Li2FePO4F、LiVOPO4、Li32(PO43等)、各種遷移金属を含むリチウムケイ酸塩(Li2MnSiO4、Li2FeSiO4、Li2CoSiO4、Li2NiSiO4等)、各種遷移金属の硫化物(TiS2、MoS2、FeS、FeS2、CuS、Ni32)、各種遷移金属の酸化物(Bi23、Bi2Pb25、CuO、V25、V613、Nb25等)等を使用することができる。また、これらを混合して用いても良い。
上記多くの正極活物質の中では、リチウムイオン電池用途では、層状系材料としてのコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム酸化物(Li(Ni-Co-Al)O2等)、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/32)、スピネル系材料としてのリチウム−マンガン酸化物(LiMn24)、オリビン系材料としてのリン酸鉄リチウム(LiFePO4)等が好適であり、一般的に用いられている。さらに、高エネルギー化を目指して開発が進められている、高電圧(5V領域)で充放電を行うスピネル系材料としてのリチウム−マンガン−ニッケル酸化物(Li(Mn3/2Ni1/2)O4等)や、高容量を有する層状系材料としての固溶体系(「過剰系」とも呼ばれる)マンガン含有リチウム複合酸化物(例えば、Li2MnO3−LiMO2[M:Ni、Mn、Co等])等も好適に用いることができる。
(b)正極活物質と導電助剤分散ペーストの混合方法
正極活物質と導電助剤分散ペーストの混合は、撹拌型分散機を使用して行うことができる。媒体型分散機、超音波型分散機、高速回転せん断型分産機、ミル型分散機、高速噴射型分散機等は、正極活物質に強い衝撃を加えてひび割れや割れなどが生じて電池特性の低下を引き起こすため好ましくない。
正極活物質ペーストの正極活物質の配合量は、30重量%〜80重量%の範囲とするのが好ましい。正極活物質の配合量が30重量%未満であるとペーストの粘度が低くなり塗工性が低下してしまうため好ましくなく、80重量%よりも多いと形成される正極活物質膜が正極集電体(アルミニウム箔等)から剥がれて電池特性が低下してしまうため好ましくない。
(c)正極活物質層の形成方法
正極活物質ペーストは、ダイコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ドクターブレードコーター等を用いて正極集電体(アルミニウム箔等)の上に塗布乾燥した後、必要に応じてプレス処理して正極活物質層を形成し、正極板として用いることができる。
以上のように、本発明に係るリチウムイオン電池用正極活物質ペーストの製造方法は、正極活物質と超音波型分散機を用いて導電助剤、結着材、有機溶媒を分散処理して得られる導電助剤分散ペーストを混合して簡便に正極活物質ペーストを製造することができる。
特に少量の正極活物質ペーストの製造が可能であることから、少量多品種のサンプル作製に優れた方法である。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[予備試験]
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質ペーストの製造に先駆けて、まず、導電助剤のアセチレンブラックと気相成長炭素ファイバー(昭和電工製:VGCF−H(登録商標))、結着材のKFポリマーL#1120(クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製(ポリフッ化ビニリデンを12.1重量%溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液))、有機溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(関東化学製)を用い、これらを超音波ホモジナイザーで分散処理して得られる導電助剤分散ペーストの分散性を評価した。尚、超音波ホモジナイザーは株式会社エムエステー製のUH−50型(出力50W、周波数20kHz、最大振幅40μm)を使用した。
(1)予備試験1
アセチレンブラック(0.25g)、KFポリマーL#1120(2.06g)、N−メチルピロリドン(3.44g)をガラス容器に入れ、超音波型分散機を用いて10分間分散処理し、アセチレンブラックを4.3重量%含有する導電助剤分散ペーストを得た。
得られた導電助剤分散ペーストを無アルカリガラス基板上にドクターブレード法(ギャップ200μm)で塗布した後、120℃の真空乾燥機に入れて1時間真空乾燥させてアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデンからなる導電助剤分散ペースト膜を作製した。作製した導電助剤分散ペースト膜の表面形状を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図2に示すように、アセチレンブラックが微細に分散した均一な表面形状であった。
(3)予備試験2
アセチレンブラック(0.25g)、気相成長炭素ファイバー(0.10g)、KFポリマーL#1120(2.03g)、N−メチル−2−ピロリドン(3.39g)をガラス容器に入れ、超音波ホモジナイザーを用いて10分間分散処理し、アセチレンブラックを4.3重量%、気相成長炭素ファイバーを1.7重量%含有する導電助剤分散ペーストを得た。
得られた導電助剤分散ペーストを無アルカリガラス基板上にドクターブレード法(ギャップ200μm)で塗布した後、120℃の真空乾燥機に入れて1時間真空乾燥させてアセチレンブラック、気相成長炭素ファイバー、ポリフッ化ビニリデンからなる導電助剤分散ペースト膜を作製した。作製した導電助剤分散ペースト膜の表面形状を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図3に示すようにアセチレンブラックと気相成長炭素ファイバーが微細に分散した均一な表面形状であった。
<実施例1>
[導電助剤分散ペースト]
アセチレンブラック(1.29g)、KFポリマーL#1120(10.78g)、N−メチルピロリドン(17.91g)をガラス容器に入れ、超音波ホモジナイザーを用いて30分間分散処理し、導電助剤にアセチレンブラックを4.3重量%含有する導電助剤分散ペーストを得た。
[正極活物質ペースト]
得られた導電助剤分散ペースト(1.12g)とNCA粉末(0.90g)をプラスチック容器に入れ、自転公転ミキサーを用いて2分間混合処理し、NCA粉末を44.6重量%、アセチレンブラックを2.4重量%含有する正極活物質ペーストを得た。
[成膜評価]
上記正極活物質ペーストを無アルカリガラス基板上にドクターブレード法(ギャップ200μm)で塗布した後、120℃の真空乾燥機に入れて1時間真空乾燥させてNCA粉末、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンからなる正極活物質ペースト膜(正極活物質層)を作製した。作製した正極活物質ペースト膜の導電助剤分散部分の表面形状を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、アセチレンブラックが微細に分散した均一な表面形状であった。
[電池特性評価]
また、上記正極活物ペーストをステンレス(SUS304)板上に塗布・乾燥・プレス加圧して作製した正極を用いたコインセル(正極活物質/電解液(セパレーター)/負極活物質(Li箔))で正極容量を測定したところ、194mAh/g(レート:0.05C)であった。
<実施例2>
[導電助剤分散ペースト]
アセチレンブラック(1.25g)、気相成長炭素ファイバー(0.45g)、KFポリマーL#1120(10.33g)、N−メチル−2−ピロリドン(17.47g)をガラス容器に入れ、超音波ホモジナイザーを用いて30分間分散処理し、アセチレンブラックを4.2重量%、気相成長炭素ファイバーを1.5重量%含有する導電助剤分散ペーストを得た。
[正極活物質ペースト]
作製してから室温で約2ヶ月保管した導電助剤分散ペースト(1.11g)とNCA粉末(0.90g)をプラスチック容器に入れ、自転公転ミキサーを用いて2分間混合処理し、NCA粉末を44.8重量%、アセチレンブラックを2.3重量%、気相成長炭素ファイバーを0.8重量%含有する正極活物質ペーストを得た。
[成膜評価]
上記正極活物質ペーストを無アルカリガラス基板上にドクターブレード法(ギャップ200μm)で塗布した後、120℃の真空乾燥機に入れて1時間真空乾燥させてNCA粉末、アセチレンブラック、気相成長炭素ファイバー、ポリフッ化ビニリデンからなる正極活物質ペースト膜(正極活物質層)を作製した。作製した正極活物質ペースト膜の表面形状を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、アセチレンブラックと気相成長炭素ファイバーが微細に分散した均一な表面形状であった。
[電池特性評価]
また、上記正極活物ペーストをステンレス(SUS304)板上に塗布・乾燥・プレス加圧して作製した正極を用いたコインセル(正極活物質/電解液(セパレーター)/負極活物質(Li箔))で正極容量を測定したところ、197mAh/g(レート:0.05C)であった。
<比較例1>
[導電助剤分散ペースト]
アセチレンブラック(0.50g)、N−メチル−2−ピロリドン(6.88g)を実施例1と同程度の割合にしてガラス容器に入れ、超音波ホモジナイザーを用いて30分間分散処理したが、導電助剤が分散されず、導電助剤分散ペーストを得ることができなかった。
<比較例2>
[導電助剤分散ペースト]
アセチレンブラック(39.5g)、気相成長炭素ファイバー(1.80g)、N−メチル−2−ピロリドン(8.82g)を実施例2と同程度の割合にしてガラス容器に入れ、超音波ホモジナイザーを用いて30分間分散処理したが、導電助剤が分散されず、導電助剤分散ペーストを得ることができなかった。
[本発明の評価]
各実施例と各比較例を比較すると、各実施例の超音波ホモジナイザーを用いて導電助剤、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドンを分散処理して得られた導電助剤分散ペーストと正極活物質を混合して正極活物質ペーストを作製した場合に、導電助剤が微細に分散した均一な正極活物質ペースト膜(正極活物質層)を形成できるのに対し、各比較例の超音波ホモジナイザーを用いて導電助剤、N−メチル−2−ピロリドンを各実施例と同程度の割合にして分散処理した場合には、導電助剤が分散されず、正極活物質ペーストが作製できないことがわかる。また、実施例2では室温で約2ヶ月保管した導電助剤分散ペーストを使用しているのもかかわらず、導電助剤が微細に分散した均一な表面形状を保持しており、本発明で用いる導電助剤分散ペーストは優れた貯蔵安定性を有していることがわかる。
1 正極集電体
2 正極活物質層
3 セパレータ
4 電解液
5 負極活物質層
6 負極集電体
7 電極リード(取出し電極)
8 容器

Claims (5)

  1. リチウムイオン二次電池を構成する正極活物質層を形成するために使用される正極活物質ペーストの製造方法において、超音波型分散機を用いて導電助剤、結着材、有機溶媒の混合物を分散処理して導電助剤分散ペーストを得る工程、正極活物質と前工程で得られた導電助剤分散ペーストを混合する工程からなることを特徴とする正極活物質ペーストの製造方法。
  2. 前記導電助剤が、微粒子状炭素材料のアセチレンブラック、ケッチェンブラック、繊維状炭素材料のカーボンナノファイバー、気相成長炭素ファイバーのうちのいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の正極活物質ペーストの製造方法。
  3. 前記結着剤が、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチルのうちいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の正極活物質ペーストの製造方法。
  4. 前記有機溶媒が、沸点が100℃〜250℃の範囲で粘度が20mPa・s以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の正極活物質ペーストの製造方法。
  5. 前記正極活物質が、LiMO2、LiMPO4、Li2MSiO4(M:マンガン、コバルト、ニッケル、鉄の群から選ばれるいずれか一種以上の遷移金属)、LiYaMn2-a4(Y:コバルト、ニッケル;0≦a≦1)、Li2MnO3−LiMO2(M:マンガン、コバルト、ニッケルの群から選ばれるいずれか一種以上の遷移金属)で表されるリチウム複合酸化物のいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の正極活物質ペーストの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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