JP2016101925A - 自動三輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディファレンシャルギヤおよびアクティブサスペンションを用いることなくコーナリング性能を高めることができる自動三輪車を提供する。【解決手段】ハンドルの回動操作により車体がカーブを曲がる際、左右の各後輪と路面との間にスリップが生じないという仮定の下において、操舵角検出手段にて検出されたハンドルの操舵角θに応じて得られる、外輪に必要とされる、内輪に対する回転数比である外輪必要回転数比R0に対し、走行速度Vが所定速度V1以上であり、かつ、操舵角θが所定角度θ1以上であるとき、当該走行速度Vおよび操舵角θに応じた付加回転数比Rd1を付加し、その付加後の回転数比Rにて、外輪を、駆動手段にて駆動する制御部を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、自動三輪車(以下単に三輪車ともいう)に関するものである。
自動三輪車は、二輪車に比べて荷物の積載量を大きくすることができ、また、停止時の安定性もよい点で二輪車よりも優れている。四輪車と比べると、荷物の積載量は小さくなるが、小回りがきく点で四輪車よりも三輪車の方が優れている。
したがって、三輪車は、狭い街中等で、ビール、灯油等の重量物や、二輪車には積めないほど嵩張る畳等の荷物の運搬、配達に最適である。
このため、1950年代から60年代にかけて、比較的大型(例えば、全高150cm程度、全幅120cm程度、全長250cm程度)の自動三輪車がよく利用されていた。しかし、当時の自動三輪車はコーナリング性能がよくなかったために、その後ほとんど利用されなくなった。
そこで、本件出願人は、自動三輪車の上記利点に着目し、すでに、コーナリング性能の向上を図った自動三輪車を提案している(特許文献1)。同文献の符号を借りて説明すると、この自動三輪車は、車体(10)と、この車体(10)に取り付けられていて、ハンドル(11)により操舵される1つの前輪(12)と、車体(10)に搭載されたエンジン(13)により駆動される左右一対の後輪(14L、14R)と、エンジン(13)の動力を一対の後輪(14L、14R)にそれぞれ伝達するディファレンシャルギヤボックス(15)および動力伝達機構(チェーン21等)を備えかつ左右の後輪(14L、14R)をそれぞれ車体(10)に対して揺動可能に支持する左右一対のスイングアーム(20L、20R)と、これらスイングアーム(20L、20R)をそれぞれ車体(10)に懸架する左右一対のアクティブサスペンション(30L、30R)と、車体(10)の走行速度を検出する速度センサ(40)と、ハンドル(11)の操舵角を検出する操舵角検出センサ(41)と、速度センサ(40)にて検出された車体(10)の速度と、操舵角検出センサ(41)にて検出されたハンドル(11)の操舵角とに基づき、ハンドル(11)の操舵方向側のアクティブサスペンションを収縮させるとともに反対側のアクティブサスペンションを伸張させ、かつ、前記操舵角が大きいほど、また前記速度が大きいほど、左右のアクティブサスペンションの伸縮量を大きくする制御部(50)とを備えている。
この自動三輪車は、ハンドルを例えば右に切って右に曲がる際、制御部の作動で、ハンドルの操舵方向側(この例の場合右側)のアクティブサスペンションが収縮するとともに反対側のアクティブサスペンションが伸張する。したがって、車体は右側に傾斜することとなる。また、前記ハンドルの操舵角が大きいほど、車体の速度が大きいほど、前記左右のアクティブサスペンションの伸縮量が大きくなるので、それだけ車体が大きく傾くこととなる。
したがって、コーナリング性能が向上する。
しかし、この自動三輪車では、ディファレンシャルギヤボックス(15)やアクティブサスペンション(30L、30R)が必要であるため、構造が複雑化するという難点がある。
また、本件出願人は、低速旋回時のハンドル操作性を向上させるべく、ハンドルとともに回動するハンドル軸と、前輪の舵角を決める舵軸との間に、ハンドル軸の回動角を増大させて舵軸を回動させる回動角度増大機構を設けた自動三輪車を提案している(特許文献2)。同文献の符号を借りて説明すると、この自動三輪車は、左右一対の後輪(14L、14R)をそれぞれ駆動する左右一対の駆動手段(13L、13R)と、ハンドル(11)の操舵角を検出する操舵角検出手段と、車体(10)の走行時または旋回時に、操舵角検出手段にて検出されたハンドル11の操舵角が所定角度以内のときは、駆動手段(13L、13R)にて左右一対の後輪(14L、14R)を両輪とも正転または逆転させる通常モードで駆動し、操舵角検出手段にて検出されたハンドル(11)の操舵角が所定角度を超えたときは、左右一対の後輪のうちハンドル(11)が切られた側の後輪を停止または逆転させ他方の後輪を正転させる旋回モードで駆動する制御部(50)とを備えている。
したがって、この自動三輪車によると、低速時での旋回性能が向上し、しかもその際のハンドル操作が容易であるという効果が得られる。
しかし、この自動三輪車では、通常走行にてカーブする際のコーナリング性能については、特には考慮されていなかった。
特開2006−327244号公報 特開2009−248887号公報
前輪が1輪、後輪が2輪の旧来の自動三輪車では、アンダーステアが強いため、これがコーナリング性能の低下の一因となっていた。
前述した特許文献1の自動三輪車では、ディファレンシャルギヤおよびアクティブサスペンションでコーナリング性能を高めたが、構造が複雑化するという難点があった。
特許文献2の自動三輪車では、通常走行にてカーブする際のコーナリング性能については、特には考慮されていなかったため、アンダーステアを感じ、車体の過渡的な初期ロール量も増えて旋回及び車線変更時に車体がふらついた感じになるという難点があった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ディファレンシャルギヤおよびアクティブサスペンションを用いることなくコーナリング性能を高めることができる自動三輪車を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の自動三輪車は、車体と、この車体に取り付けられていて、ハンドルにより操舵される1つの前輪と、前記車体の後方において駆動される左右一対の後輪と、前記左右一対の後輪をそれぞれ駆動する左右一対の駆動手段と、前記ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記車体の走行速度を検出する速度検出手段と、を備えた自動三輪車であって、
前記ハンドルの回動操作により車体がカーブを曲がる際、前記左右の各後輪と路面との間にスリップが生じないという仮定の下において、前記操舵角検出手段にて検出されたハンドルの操舵角に応じて得られる、左右の後輪のうちの前記カーブの外側に位置する後輪である外輪に必要とされる、前記カーブの内側に位置する後輪である内輪に対する回転数比である外輪必要回転数比に対し、
前記走行速度が所定速度以上であり、かつ、前記操舵角が所定角度以上であるとき、当該走行速度および操舵角に応じた付加回転数比を付加し、その付加後の回転数比にて、前記外輪を、前記駆動手段にて駆動する制御部を備えていることを特徴とする。
ハンドルの回動操作により車体がカーブを曲がる際、前記左右の各後輪と路面との間にスリップが生じないと仮定すると、左右の後輪のうちのカーブの外側に位置する後輪である外輪に必要とされる、カーブの内側に位置する後輪である内輪に対する回転数比(外輪必要回転数比)は、ハンドルの操舵角と、後輪同士間の距離とから算出することができる。
したがって、カーブを曲がる際、各後輪と路面との間にスリップが生じないという条件下、例えば、車両の走行速度が非常にゆっくりとした徐行速度程度であるという条件下であれば、上述した外輪必要回転数比にて、前記外輪を、前記駆動手段にて駆動することによって、車両を良好に走行させることができる。
しかし、車両の走行速度が所定速度以上となり、かつ、操舵角が所定角度以上になると、各後輪と路面との間にはスリップが生じ、遠心力で車両がカーブの外側に振られる(アンダーステアとなる)ので、上述した外輪必要回転数比にて外輪を駆動したのでは、アンダーステアを打ち消す事ができない。
これに対し、この発明の自動三輪車によれば、走行速度が所定速度以上であり、かつ、操舵角が所定角度以上であるときには、前記制御部により、前記外輪必要回転数比に対し、当該走行速度および操舵角に応じた付加回転数比が付加され、その付加後の回転数比にて、外輪が駆動手段にて駆動されるので、付加回転数比の分だけ外輪が余分に回転することとなる。
この付加回転数比の分の外輪の回転は、車両にヨーモーメントを発生させ、車両の回頭性を向上させ、結果としてアンダーステア感を低減させる。
したがって、この発明の自動三輪車によれば、ディファレンシャルギヤおよびアクティブサスペンションを用いることなくコーナリング性能を高めることができる。
望ましくは、前記制御部は、前記走行速度が所定速度以上であり、かつ、左方向または右方向へのハンドル操作による操舵角が前記所定角度以上となったとき、その時点から前記ハンドルの当該方向への操作が終わる時点まで、前記付加回転数比に対してさらに第2の付加回転数比を付加する構成とする。
このように構成すると、運転手がハンドルを切り始めた略直後から後輪に対し、前記第2の付加回転数比による、より強いヨーモーメントを発生させることができる。これにより、ハンドル切り遅れ感を抑え、ニュートラルステア感覚で安定して旋回できるようになる。
本発明に係る自動三輪車の一実施の形態を示す概略図で、(a)は平面図、(b)は側面図((a)の正面図)。 (a)は操舵角θと、外輪必要回転数比R0と、付加回転数比Rd1と、付加後の回転数比Rとの関係の一例を示すグラフ、(b)は車速Vと付加回転数比Rd1との関係の一例を示すグラフ、(c)はハンドル操作時間Tと、外輪必要回転数比R0と、付加回転数比Rd1と、第2の付加回転数比Rd2と、付加後の回転数比Rとの関係の一例を示すグラフ。 制御部を含むシステム全体の一例を示す図。 (a)(b)は作用説明図。
以下、本発明に係る自動三輪車の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示す自動三輪車1は、車体10と、この車体10に取り付けられていて、ハンドル11により操舵される1つの前輪12と、車体10の後方において駆動される左右一対の後輪14L、14Rと、左右一対の後輪14L、14Rをそれぞれ駆動する左右一対の駆動手段13L、13Rと、ハンドル11の操舵角θを検出する操舵角検出手段21と、車体10の走行速度Vを検出する速度検出手段22と、制御部30とを備えている。
制御部30は、ハンドル11の回動操作により車体10がカーブを曲がる際、左右の各後輪14L、14Rと路面との間にスリップが生じないという仮定の下において、操舵角検出手段21にて検出されたハンドル11の操舵角θに応じて得られる、左右の後輪14L、14Rのうちの前記カーブの外側に位置する後輪である外輪(右カーブの場合の左後輪14L、左カーブの場合の右後輪14R)に必要とされる、前記カーブの内側に位置する後輪である内輪(右カーブの場合の右後輪14R、左カーブの場合の左後輪14L)に対する回転数比である外輪必要回転数比R0に対し、
前記走行速度Vが所定速度V1以上であり、かつ、前記操舵角θが所定角度θ1以上であるとき、当該走行速度Vおよび操舵角θに応じた付加回転数比Rd1(図2参照)を付加し、その付加後の回転数比Rにて、前記外輪を、前記駆動手段にて駆動する。
ハンドル11の回動操作により車体10がカーブを曲がる際、左右の各後輪14L、14Rと路面との間にスリップが生じないと仮定すると、外輪に必要とされる、内輪に対する回転数比(外輪必要回転数比)R0は、ハンドル11の操舵角θと、後輪同士間の距離とから算出することができる。なお、例えば図2(a)に示すように、外輪必要回転数比R0は、ハンドル11の操舵角θに比例する。
したがって、カーブを曲がる際、各後輪と路面との間にスリップが生じないという条件下、例えば、車両の走行速度Vが非常にゆっくりとした徐行速度程度(時速5Km程度)であるという条件下であれば、上述した外輪必要回転数比R0にて、外輪を、駆動手段にて駆動することによって、車両を良好に走行させることができる。
すなわち、内輪の1回転に対し、外輪を1×R0回転させることによって車両を良好に走行させることができる。
しかし、車両の走行速度Vが所定速度V1(例えば時速5Km)以上となり、かつ、操舵角θが所定角度θ1(例えば5度)以上になると、各後輪と路面との間にはスリップが生じ、遠心力で車両がカーブの外側に振られる(アンダーステアとなる)ので、上述した外輪必要回転数比R0にて外輪を駆動したのでは、アンダーステアを打ち消す事ができない。
これに対し、この実施の形態の自動三輪車1によれば、例えば図2(a)(b)に示すように、走行速度Vが所定速度V1以上であり、かつ、操舵角θが所定角度θ1以上であるときには、制御部30により、外輪必要回転数比R0に対し、当該走行速度Vおよび操舵角θに応じた付加回転数比Rd1が付加され、その付加後の回転数比R(=R0+Rd1)にて、外輪が駆動手段にて駆動されるので、付加回転数比Rd1の分だけ外輪が余分に回転することとなる。
すなわち、内輪の1回転に対し、外輪は1×R=1×(R0+Rd1)回転することとなる。
この付加回転数比Rd1の分の外輪の回転は、車両にヨーモーメントを発生させ、車両の回頭性を向上させ、結果としてアンダーステア感を低減させる。
したがって、この自動三輪車1によれば、ディファレンシャルギヤおよびアクティブサスペンションを用いることなくコーナリング性能を高めることができる。
この点についてさらに説明する。
一般に、車両の直進安定性を確保するためには、車両基本特性はアンダーステアに設定しスタビリティを確保することが望ましい。しかし、自動三輪車において、仮に上記付加回転数比Rd1を付加した制御を行わないとしたならば、車両の走行速度Vが所定速度以上となり、かつ、操舵角θが所定角度以上になると、ハンドルを切った直後に遠心力で車体が過渡的にカーブの外側に振られるという現象(過渡的ロール)が強く生じる。そのため、舵の効きが悪く、ハンドルを切ってから車両が回頭し始めるまでの時間遅れが大きくなり、運転者に違和感を与えることとなる。
これに対し、この発明の自動三輪車によると、回頭トルクを時間的に制御し、また車速に応じた制御にすることもできるので、車両特性と、使用条件に応じて、最適化することで良好な運動性能を実現できる。
また、自動三輪車においては、カーブを曲がる際、例えば図4(a)に示すように、左にハンドルを切ると、右前方よりブレーキBfが掛かるのと同じ状態になり、車体が右前方へノーズダイブして、転倒しやすくなるおそれがある。
そこで、この実施の形態の自動三輪車1では、制御部30は、ハンドル11の回動操作により車体10がカーブを曲がる際、左右の各後輪14L、14Rと路面との間にスリップが生じないという仮定の下において、操舵角検出手段21にて検出されたハンドル11の操舵角θに応じて得られる、前記カーブの内側に位置する後輪である内輪(右カーブの場合の右後輪14R、左カーブの場合の左後輪14L)に対する回転数比である外輪必要回転数比R0を得るのに必要な左右後輪の駆動トルクT0(図4(a)参照)に対し、
走行速度Vが所定速度以上であり、かつ、前記操舵角θが所定角度以上であるとき、当該走行速度Vおよび操舵角θに応じて、外輪(例えば図2(b)における14R)については、付加トルクT1を付加し、その付加後のトルク(T0+T1)にて駆動し、内輪(例えば図2(b)における14L)については、減速用トルクT2を減じて、その低減後のトルク(T0−T2)にて駆動する。
このようなトルクの増減は、前述した内外輪の回転数に反映される。
すなわち、この自動三輪車1によれば、ディファレンシャルギヤおよびアクティブサスペンションを用いることなくコーナリング性能およびコーナリングの安定性を高めることができる。
制御部30は、走行速度Vが所定速度V1以上であり、かつ、左方向または右方向へのハンドル操作による操舵角θが所定角度θ1以上となったとき、その時点T1(図2(c)参照)からハンドル11の当該方向(例えば右方)への操作が終わる時点T2まで、前記付加回転数比Rd1に対してさらに第2の付加回転数比Rd2を付加する構成とする。
このように構成すると、運転手がハンドル11を切り始めた略直後から後輪に対し、前記第2の付加回転数比Rd2による、より強いヨーモーメントを発生させることができる。これにより、ハンドル11切り遅れ感を抑え、ニュートラルステア感覚で安定して旋回できるようになる。
図1に示すように、ハンドル11には、回動角度増大機構11eを介し、一対のフロントフォーク16の下端に前輪12が設けられている。回動角度増大機構11eはハンドル11の回動角を増大させて前輪12を回動させる機構である。この回動角度増大機構11eは、前記特許文献2記載のものと同一の構成とすることができる。
ハンドル11に回動角増大機構を設けると、ハンドル11の回動操作が重たくなるが、上記のように第2の付加回転数比Rd2を付加する構成とすると、運転手がハンドル11を切り始めた略直後から後輪に対し、前記第2の付加回転数比Rd2による、より強いヨーモーメントを発生させることができるので、ハンドル11の回動操作を軽くすることができる。
なお、図2(c)において、T3はハンドル11を回動させていた状態から戻し始めた時点(例えば右に切っていたハンドルを中立位置に戻し始めた時点)を示しており、T4はハンドル11が中立位置(θ=0)に戻った時点を示している。前述したように、外輪必要回転数比R0はハンドル11の操舵角θに比例するから、図4に示す曲線R0は操舵角θに置き換えることも可能である。
この自動三輪車1は、比較的大型(例えば、全高150cm程度、全幅120cm程度、全長250cm程度)の自動三輪車である。
車体10の前部には、運転席10a、ハンドル11、アクセル、ブレーキ、シフトレバー等(図示せず)が配置された運転室10bが設けられており、運転席10aに座ったドライバーによって自動三輪車1が走行操作される。
シフトレバーは公知のシフトレバーで構成でき、例えば、駐車時(パーキング)に駆動輪をロックさせるパーキング状態「P」、駆動輪を逆転させるリバース状態「R」、駆動輪に駆動力を掛けないニュートラル状態「N」、駆動輪を正転させるドライブ状態「D」等を選択できるように構成されている。
したがって、この自動三輪車1は、基本的には、通常のオートマチック4輪車と同様に運転することができる。
車体10の後部には、荷台10cが設けられている。
後輪14L、14Rをそれぞれ駆動する左右一対の駆動手段13L、13Rは、例えば公知のインホイールモータで構成できる。また、左右の駆動モータでそれぞれ動力伝達機構を介して後輪を駆動する構成とすることもできる。
図3は、この自動三輪車全体の制御システムの一例を示すシステム図である。
同図において、31はバッテリーパックであり、メイン(走行用)の電池(例えばリチウムイオン電池)とその各セル毎にチェックしているBMS(Battery management system)とを有している。
32はOBC(On Board Charge)であり、外部電源(AC100Vや200V)から前記バッテリーパック31の電池に充電するための充電回路である。バッテリーパック31とOBC32との間には、電池電流を検出する微小抵抗と保護用のヒューズやON/OFF制御するリレーが挿入されている。
33はVCU(Vehicle controller unit)であり、運転者が操作するスイッチ・ペダルなどや表示機類と操作状況を受けながら車体の状況に応じ各部分の動作を決める制御手段である。VCU33と各部分は信号線などで接続されている。
このVCU33に、前述した操舵角検出手段21と速度検出手段22とが接続されており、それらの検出結果に基づいて、VCU33は、前記左右一対の駆動手段(モーター)13L、13Rを、その駆動・制御回路(インバータ・コントローラ)を介して前述したように駆動する。VCU33と左右一対の駆動手段(モーター)13L、13Rの制御回路とは、CAN(control area network)で接続されている。操舵角検出手段21は公知の角度センサで構成でき、速度検出手段22は公知の速度センサで構成することができる。
この実施の形態における操舵角検出手段21は、フォトセンサー式エンコーダで構成し、光学処理によって、操舵方向(左右方向)の判別と位角度の検出とを行う。このように構成すると、変位量(角度)と変位方向(左右)とを瞬時に正確に検出できるので、この情報をVCU33に入力する事により、遅滞なく左右駆動モーター13L,13Rに正確な出力制御情報を反映させて左右個別の駆動力制御を良好に行うことができる。また、フォトセンサー式エンコーダは、可変抵抗方式や電磁効果方式のものと比較して、対電磁ノイズ耐性にすぐれており、経時変化によるニュートラルポイントや出力信号の劣化が殆どみられないという利点も有している。
34はDC/DCコンバータであり、走行用の高圧電源から補機電池に繋がれている。DC/DCコンバータ34は、通常の状態での補機電池の充電回路である。補機電池はDC/DCコンバータ34を介し、バッテリーパック31または外部電源から(OBC経由で)充電される。
補機電池はメイン電池の状態によらず車の状況を確認できるようにするために独立して接地された小型電池であり、一般的な車用鉛電池で構成することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
1 自動三輪車
10 車体
11 ハンドル
12 前輪
13(L,R) 駆動手段
14(L,R) 後輪
21 操舵角検出手段
22 速度検出手段
30 制御部
θ 操舵角
V 車速
R0 外輪必要回転数比
Rd1 付加回転数比
Rd2 第2の付加回転数比
R 付加後の回転数比

Claims (2)

  1. 車体と、この車体に取り付けられていて、ハンドルにより操舵される1つの前輪と、前記車体の後方において駆動される左右一対の後輪と、前記左右一対の後輪をそれぞれ駆動する左右一対の駆動手段と、前記ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記車体の走行速度を検出する速度検出手段と、を備えた自動三輪車であって、
    前記ハンドルの回動操作により車体がカーブを曲がる際、前記左右の各後輪と路面との間にスリップが生じないという仮定の下において、前記操舵角検出手段にて検出されたハンドルの操舵角に応じて得られる、左右の後輪のうちの前記カーブの外側に位置する後輪である外輪に必要とされる、前記カーブの内側に位置する後輪である内輪に対する回転数比である外輪必要回転数比に対し、
    前記走行速度が所定速度以上であり、かつ、前記操舵角が所定角度以上であるとき、当該走行速度および操舵角に応じた付加回転数比を付加し、その付加後の回転数比にて、前記外輪を、前記駆動手段にて駆動する制御部を備えていることを特徴とする自動三輪車。
  2. 前記制御部は、前記走行速度が所定速度以上であり、かつ、左方向または右方向へのハンドル操作による操舵角が前記所定角度以上となったとき、その時点から前記ハンドルの当該方向への操作が終わる時点まで、前記付加回転数比に対してさらに第2の付加回転数比を付加することを特徴とする請求項1記載の自動三輪車。
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