JP2016101731A - 三次元造形装置および三次元造形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】橋構造をサポート材なしに形成することができる三次元造形装置および三次元造形方法を提供する。【解決手段】溶解した樹脂をヘッド部から吐出して樹脂層を形成し、該樹脂層を積層して三次元造形物を作製するとともに、高さが略一致した2つの成形物に、サポート材を用いることなく平面を架けた橋構造を形成するようにした三次元造形装置であって、橋構造における平面の第1層目を、ヘッド部から樹脂を吐出する速度たる樹脂吐出速度が、ヘッド部の移動速度たるヘッド移動速度より遅い状態で、所定の方向に延長したライン状の成形物たるラインを複数形成するよう制御し、該平面の第2層目を、所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成するよう制御し、該平面の第3層目を、所定の方向に延長したラインを複数形成するよう制御する制御手段を有するようにしたものである。【選択図】 図3
Description
本発明は、三次元造形装置および三次元造形方法に関し、さらに詳細には、熱溶解積層法により三次元造形物を作製する三次元造形装置および三次元造形方法に関する。
従来より、作成する三次元造形物の形状を表す三次元データに基づいて、フィラメント樹脂が供給されるヘッドから、当該フィラメント樹脂を溶解して吐出し、吐出した樹脂を積層して三次元造形物を作製する技術が知られている。
即ち、こうした三次元造形装置は、熱可塑性樹脂を線状に加工したフィラメント樹脂が供給され、該供給されたフィラメント樹脂を溶解して吐出するヘッドと、ヘッドから溶解された樹脂が積層して三次元造形物が作成されるテーブルとが、XYZ直交座標系におけるX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の三軸方向に相対的に移動自在に配設され、このヘッドから断面画像データに基づいて、溶解した樹脂をテーブル上に吐出する。こうした樹脂は、吐出されると冷却されて固化して樹脂層を形成し、こうした断面画像データに基づく樹脂層を積み重ねて三次元造形物を作製するようにしている。
ところで、こうした三次元造形装置においては、例えば、高さが略一致する2つの成形物に架かる平面(図1(c)を参照する。)を形成する際には、2つの成形物の間に、ヘッドから吐出された樹脂を支えるためのサポート材を形成するようにしていた(図1(a)(b)を参照する。)。なお、本願明細書においては、図1(c)に示すような、高さが略一致する2つの成形物に平面を架けた構造を「橋構造」と称することとする。
このため、三次元造形装置では、橋構造が多い三次元造形物を作製する際には、三次元造形物としての形状以外のサポート材を形成しなければならず、こうしたサポート材の形成により樹脂消費用が多くなり、コスト高を招来するとともに、サポート材の除去に手間がかかることが問題点として指摘されていた。
こうした問題を解決する手段として、空冷手段などにより吐出後の樹脂を急冷し、吐出した樹脂が垂れ下がる前に当該樹脂を固化するようにした技術が知られている。
しかしながら、こうした技術は、ヘッドの近傍に設けられた空冷装置から、ヘッドから吐出された樹脂に直接風が当てられるため、風力や樹脂の急冷により樹脂が歪んで固化してしまうことがあり、安定して、正確に三次元造形物を作製することができないという新たな問題点が生じていた。
なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、橋構造をサポート材なしに形成することができる三次元造形装置および三次元造形方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、高さが略一致する2つの成形物に架ける平面を3層以上の樹脂層を積層して形成するようにし、ヘッドから吐出する樹脂の吐出速度(以下、「樹脂吐出速度」と称する。)をヘッドの移動速度(以下、「ヘッド移動速度」と称する。)より遅くしてベースとなる第1層目を形成し、この第1層目上に樹脂層を積層するようにした。
このとき、第1層目については、所定の方向に沿って樹脂を吐出してライン状の成形物(以下、「ライン」と称する。)を複数形成するようにした。
また、第2層目については、上記所定の方向と交差する方向に樹脂を吐出して複数のラインを形成するようにした。
さらに、第3層目については、上記所定の方向に沿って樹脂を吐出して複数のラインを形成するようにした。
なお、第4層目以降の各層については、樹脂吐出速度やラインの形成方向について特に限定されるものではなく、他の造形部分と同様にして形成することとなる。
即ち、本発明による三次元造形装置は、溶解した樹脂をヘッド部から吐出して樹脂層を形成し、該樹脂層を積層して三次元造形物を作製するとともに、高さが略一致した2つの成形物に、サポート材を用いることなく平面を架けた橋構造を形成するようにした三次元造形装置であって、上記橋構造における平面の第1層目を、上記ヘッド部から樹脂を吐出する速度たる樹脂吐出速度が、上記ヘッド部の移動速度たるヘッド移動速度より遅い状態で、所定の方向に延長したライン状の成形物たるラインを複数形成するよう制御し、該平面の第2層目を、上記所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成するよう制御し、該平面の第3層目を、上記所定の方向に延長したラインを複数形成するよう制御する制御手段を有するようにしたものである。
また、本発明による三次元造形装置は、断面画像データに基づいて、溶解した樹脂をヘッド部から吐出して樹脂層を形成し、該樹脂層を積層して三次元造形物を作製する三次元造形装置において、作製する三次元造形物の形状を表す三次元データにおいて、高さが略一致した2つの成形物に平面を架けた橋構造が形成される箇所を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された全ての上記橋構造について、2つの上記成形物同士の間隔および2つの上記成形物に架かる平面の厚さを測定する測定手段と、上記三次元データにおいて、上記測定手段により測定された上記間隔が所定の範囲内にあり、かつ、上記測定手段により測定された上記厚さが上記断面画像データの間隔を表す層ピッチの値の3倍以上である上記橋構造を除く、サポート材が必要な部分にサポート材を生成する生成手段と、上記生成手段によりサポート材が生成された上記三次元データに基づいて、サポート材が形成されていない上記橋構造における平面の第1層目は、上記ヘッド部から樹脂を吐出する速度たる樹脂吐出速度が、上記ヘッド部の移動速度たるヘッド移動速度より遅い状態で、所定の方向に延長したライン状の成形物たるラインを複数形成し、該平面の第2層目は、上記所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成し、該平面の第3層目は、上記所定の方向に延長したラインを複数形成するように制御するよう、上記断面画像データを作成する作成手段とを有するようにしたものである。
また、本発明による三次元造形装置は、上記第2層目および上記第3層目を形成する際には、上記樹脂吐出速度を上記ヘッド移動速度より速くするようにしたものである。
また、本発明による三次元造形装置は、上記した三次元造形装置において、上記第1層目における上記樹脂吐出速度は、上記ヘッド移動速度の42.5〜85.1%であるようにしたものである。
また、本発明による三次元造形装置は、上記した三次元造形装置において、上記所定の範囲とは、20〜100mmであるようにしたものである。
また、本発明による三次元造形装置は、上記した三次元造形装置において、上記第1層目における隣り合うライン間の間隔は、1mmであるようにしたものである。
また、本発明による三次元造形方法は、溶解した樹脂をヘッド部から吐出して樹脂層を形成し、該樹脂層を積層して三次元造形物を作製する三次元造形装置により、高さが略一致した2つの成形物に、サポート材を用いることなく平面を架けた橋構造を形成するようにした三次元造形方法であって、上記橋構造における平面の第1層目を、上記ヘッド部から樹脂を吐出する速度たる樹脂吐出速度が、上記ヘッド部の移動速度たるヘッド移動速度より遅い状態で、所定の方向に延長したライン状の成形物たるラインを複数形成する工程と、上記橋構造における平面の第2層目を、上記所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成する工程と、上記橋構造における平面の第3層目を、上記所定の方向に延長したラインを複数形成するよう制御する工程とを上記三次元造形装置が実行するようにしたものである。
また、本発明による三次元造形方法は、三次元造形装置により、断面画像データに基づいて、溶解した樹脂をヘッド部から吐出して樹脂層を形成し、該樹脂層を積層して三次元造形物を作製する三次元造形方法において、作製する三次元造形物の形状を表す三次元データにおいて、高さが略一致した2つの成形物に平面を架けた橋構造が形成される箇所を検出する検出工程と、上記検出工程で検出された全ての上記橋構造について、2つの上記成形物同士の間隔および2つの上記成形物に架かる平面の厚さを測定する測定工程と、上記三次元データにおいて、上記測定工程で測定された上記間隔が所定の範囲内にあり、かつ、上記測定手段により測定された厚さが上記断面画像データの間隔を表す層ピッチの値の3倍以上である上記橋構造を除く、サポート材が必要な部分にサポート材を生成する生成工程と、上記生成工程でサポート材が生成された上記三次元データに基づいて、サポート材が形成されていない上記橋構造における平面の第1層目は、上記ヘッド部から樹脂を吐出する速度たる樹脂吐出速度が、上記ヘッド部の移動速度たるヘッド移動速度より遅い状態で、所定の方向に延長したライン状の成形物たるラインを複数形成し、該平面の第2層目は、上記所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成し、該平面の第3層目は、上記所定の方向に延長したラインを複数形成するように制御するよう、上記断面画像データを作成する作成工程とを上記三次元造形装置が実行するようにしたものである。
また、本発明による三次元造形方法は、上記第2層目および上記第3層目を形成する際には、上記樹脂吐出速度を上記ヘッド移動速度より速くするようにしたものである。
また、本発明による三次元造形方法は、上記した三次元造形方法において、上記第1層目における上記樹脂吐出速度は、上記ヘッド移動速度の42.5〜85.1%であるようにしたものである。
また、本発明による三次元造形方法は、上記した三次元造形方法において、上記所定の範囲とは、20〜100mmであるようにしたものである。
また、本発明による三次元造形方法は、上記した三次元造形方法において、上記第1層目における隣り合うライン間の間隔は、1mmであるようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、橋構造をサポート材なしに形成することができるという優れた効果を奏するものである。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による三次元造形装置および三次元造形方法の実施の形態の一例を詳細に説明することとする。
まず、図2には、本発明による三次元造形装置の概略構成説明図が示されている。
この図1に示す三次元造形装置10は、筐体12内部に、供給されたフィラメント樹脂200を溶解して吐出するヘッド14と、上面16aにおいてヘッド14から吐出される樹脂により三次元造形物が作成されるテーブル16とが配設されている。
なお、この三次元造形装置10の全体の動作は、マイクロコンピューター50により制御される。
より詳細には、筐体12は、基台部材12−3の左方側端部において立設する側方部材12−1と、基台部材12−3の右方側端部において立設する側方部材12−2と、基台部材12−3の後方側端部において立設する後方部材12−4と、基台部材12−3と対向して配設される上方部材12−5とにより前方側が開口した略箱状体となっており、前方側の開口部には、透明な蓋部(図示せず。)が着脱自在に配設される。
従って、筐体12は、蓋部(図示せず。)を取り外すことにより、筐体12内部の空間が筐体12外部の空間と連通して開状態となり、蓋部(図示せず。)を取り付けることにより、筐体12内部の空間が筐体12外部の空間と遮断されて閉状態となる。
そして、蓋部(図示せず。)を取り外して筐体12を開状態として、テーブル16の上面16aにおいて作成された三次元造形物の取り出しなどが行われ、蓋部(図示せず。)を取り付けて筐体12を閉状態として、ヘッド14からテーブル16の上面16aに溶解した樹脂を吐出して三次元造形物の作製が行われる。
ヘッド14は、筐体12内部において、側方部材12−1、12−2を連結するように配設された一対のガイドレール22に移動自在に配設された移動部材24の前面に、Z軸方向に移動自在に配設されている。
即ち、ヘッド14は、移動部材24の前面において、例えば、Z軸方向に延長されたガイドレール(図示せず。)に移動自在に配設され、マイクロコンピューター50の制御により、ヘッド14に設けられたモーター(図示せず。)を駆動して、ヘッド14を当該ガイドレールに沿ってZ軸方向において上方側および下方側に移動することとなる。
なお、移動部材24は、側方部材12−1、12−2を連結するようにX軸方向に延長された一対のガイドレール22に移動自在に配設されており、マイクロコンピューター50の制御により移動部材24に設けられたモーター(図示せず。)を駆動して、X軸方向において左方側および右方側に移動する。
従って、移動部材24に配設されたヘッド14は、Z軸方向へ移動可能であるとともに、移動部材24を介してX軸方向にも移動可能な構成となっている。
そして、筐体12の後方部材12−4の後方側には、フィラメント樹脂200が巻き付けられたスプール202が配設されており、このスプール202から巻き解かれたフィラメント樹脂200がヘッド14に供給される。なお、フィラメント樹脂200は、例えば、ヘッド14内に設けられた搬送機構(図示せず。)により搬送され、この搬送機構によるフィラメント樹脂の搬送速度は、マイクロコンピューター50により制御される。
また、ヘッド14に搬送されたフィラメント樹脂200は、ヘッド14内に設けられた加熱装置(図示せず。)により加熱されることで溶解されて、ヘッド14に設けられたノズル14−1から吐出される。なお、加熱装置(図示せず。)によるフィラメント樹脂200を加熱する温度は、マイクロコンピューター50により制御される。
つまり、このヘッド14は、マイクロコンピューター50の制御による、断面画像データおよび各種設定された吐出パラメータなどに基づいて、ノズル14−1から溶解した樹脂を吐出するようになされている。
なお、断面画像データとは、作成する三次元造形物の形状を表す三次元データを、Z軸方向における所定の間隔ごとに分割したときの断面形状を表すデータである。
ここで、ヘッド移動速度とは、上記したようにヘッド14の移動速度であるが、本発明による三次元造形装置10では、ヘッド14とテーブル16とは後述するように相対的な位置関係が三次元で変化するようになされているため、テーブル16に対するヘッド14の移動速度ということとなる。
また、ヘッド14のノズル14−1の径は、フィラメント樹脂200の径より小さくなるよう設計されている。
テーブル16は、筐体12の基台部材12−3の上面にY軸方向に延長して設けられた一対のガイドレール26上に、移動自在に配設されている。
また、テーブル16には、モーター(図示せず。)が配設されており、マイクロコンピューター50の制御によりこのモーターを駆動することによって、テーブル16を一対のガイドレール26に沿ってY軸方向において前方側および後方側に移動することとなる。
これにより、ヘッド14とテーブル16との相対的な位置関係が三次元で変化するようになる。
マイクロコンピューター50は、三次元造形装置10の全体の動作を制御するとともに、作製する三次元造形物の形状を表す三次元データ(以下、「作製する三次元造形物の形状を表す三次元データ」を、単に「三次元データ」と称する。)に基づいて断面画像データを作成するとともに、作成された断面画像データに基づいて三次元造形物を作成する制御を行う。
ここで、図3を参照しながら、マイクロコンピューター50の機能的構成について説明する。
この図3に示すマイクロコンピューター50は、後述する断面画像データ作成部56で作成された断面画像データなどに基づいて、三次元造形装置10の各構成部材の動作を制御する制御部52と、断面画像データや各種の設定データなどを記憶する記憶部54と、入力された三次元データに基づいて断面画像データを作成する断面画像データ作成部56とを有して構成される。
より詳細には、制御部52は、入力された断面画像データや各種の設定データなどに基づいて、モーター(図示せず。)を駆動して、移動部材24のX軸方向への移動、ヘッド14のZ軸方向への移動、テーブル16のY軸方向への移動、ヘッド14からの樹脂の吐出など、各構成部材の動作の制御を行う。
記憶部54は、作業者によって設定されるパラメータ等の各種の設定データ、入力された三次元データ、断面画像データ作成部56で作成された断面画像データなどの各種のデータを記憶する。
断面画像データ作成部56は、三次元データにおいて橋構造を検出する検出部60と、検出した橋構造における平面の長さおよび厚さを測定する測定部62と、三次元データにおいてサポート材を生成し、サポート材が形成された三次元データを作成するサポート材生成部64と、サポート材が形成された三次元データから断面画像データを作成する作成部66とを有して構成されている。
検出部60は、入力された三次元データにおいて、橋構造を形成する箇所を検出することとなる。即ち、三次元データにおいて、高さが略一致する2つの成形物に平面を架けた橋構造となる部分を検出する。
測定部62は、検出部60で検出された全ての橋構造について、その橋構造における平面の長さおよび平面の厚さを測定することとなる。即ち、橋構造における2つの成形物に相当する部材同士の間隔および橋構造における平面の厚さを測定する。
サポート材生成部64は、まず、三次元データに基づいて、演算処理により三次元モデルの形状を正確に作製するためのサポート材を生成する。
なお、三次元データにサポート材を生成するための演算処理については、従来より公知の技術を用いることができるため、その詳細な説明は省略することとする。
このとき、サポート材生成部64は、演算処理によりサポート材を形成した三次元データにおいて、測定部62で測定した2つの成形物同士の間隔が所定の範囲内にあり、かつ、平面の厚さが所定の値以上となる橋構造には、サポート材を生成することなく、サポート材が形成された三次元データを作成する。
即ち、このサポート材生成部64において作成されるサポート材が形成された三次元データは、測定部62で測定した2つの成形物同士の間隔が所定の範囲内にあり、かつ、平面の厚さが所定の値以上となる橋構造にはサポート材が形成されていないものとなる。
なお、上記した所定の厚さとは、作業者より入力される層ピッチ(隣り合う断面画像データとの間隔を表す)の値を3倍した値となる。
そして、サポート材が形成された三次元データは、作成部66に出力される。
作成部66は、サポート材生成部64から出力されたサポート材が形成された三次元データから断面画像データを作成する。
即ち、サポート材が形成された三次元データを、Z軸方向において所定の間隔ごとにXY平面で分割することにより、断面画像データを作成する。
なお、Z軸方向においてXY平面で分割する所定の間隔については、隣り合う断面画像データとの間隔を表す層ピッチとして作業者により設定される。
また、作成された断面画像データにおけるサポート材が設けられていない橋構造における平面の厚さは層ピッチの3倍以上の値であるため、当該平面は少なくとも3層以上を積層して形成されることとなる。
そして、橋構造における平面の第1層目については、樹脂吐出速度がヘッド移動速度より遅い状態で、2つの成形物同士に架かるように、所定の方向に延長したラインを複数形成する。このとき、形成したライン間のピッチ幅(つまり、隣り合うライン間の間隔である。)は一定とする(図4(a)を参照する。)。
また、橋構造における平面の第2層目については、樹脂吐出速度がヘッド移動速度より速い状態で、第1層目上に所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成する(図4(b)(c)(d)を参照する。)。
なお、「樹脂吐出速度がヘッド移動速度より速い」とは、橋構造における平面以外の他の構造を造形する際の樹脂吐出速度と一致あるいは同程度とする。
また、第2層目において形成される複数のラインは、図4(b)に示すように、ラインを山谷形状となるように形成してもよいし、図4(c)に示すように、第1層目において形成された複数のラインと直交するようにラインを形成するようにしてもよいし、図4(d)に示すように、第1層目において形成された複数のラインと所定の角度で交差するようにラインを形成するようにしてもよい。
さらに、橋構造における平面の第3層目については、樹脂吐出速度がヘッド移動速度より速い(第2層目と同様である。)状態で、所定の方向に延長したラインを複数形成する。このとき、形成したライン間のピッチ幅は、一定とし、第1層目におけるライン間のピッチ幅より小さい値とする。
なお、第4層目以降の各層については、樹脂吐出速度やラインの形成方向について特に限定されるものではなく、他の造形部分と同様にして形成される。
以上の構成において、本発明による三次元造形装置10により三次元造形物を作製する場合には、まず、入力された三次元データから断面画像データの作成を行う。
三次元造形装置10では、作業者により、図示しない操作子が操作されて、断面画像データの作成が指示されると、断面画像データ作成処理が開始される。
ここで、図5には、本発明による三次元造形装置10における断面画像データ作成処理の詳細な処理内容が示されたフローチャートが示されており、この断面画像データ作成処理が開始されると、まず、検出部60により、予め入力されている三次元データにおいて、橋構造を形成している部分を検出する(ステップS502)。
即ち、ステップS502の処理においては、高さが略一致する2つの成形物に平面を架けた構造となる部分を、全て検出することとなる。
次に、測定部62により、検出した橋構造における平面の長さおよび厚さを測定する(ステップS504)。
即ち、このステップS504の処理においては、高さが略一致する2つの成形物に相当する部材同士の間隔および当該2つの成形物に架かる平面の厚さを測定することとなる。
その後、サポート材生成部64により、三次元データに基づいて、サポート材が形成された三次元データを作成する(ステップS506)。
即ち、このステップS506の処理においては、演算処理により三次元データにサポート材を生成する。このとき、ステップS504の処理で測定した2つの成形物同士の間隔が所定の範囲内にあり、かつ、平面の厚さが所定の値以上である橋構造については、サポート材を生成しない。
そして、作成されたサポート材が形成された三次元データは、作成部66に出力されることとなる。
作成部66に、サポート材が形成された三次元データが出力されると、作成部66により、断面画像データを作成し(ステップS508)、断面画像データ作成処理を終了する。
即ち、このステップS508の処理においては、サポート材が形成された三次元データを、Z軸方向において所定の間隔ごとにXY平面で分割して、断面画像データを作成する。
その後、作業者により、図示しない操作子が操作されて、三次元造形物の作製の開始が指示されると、制御部52により、断面画像データに基づいて三次元造形物が作成されることとなる。
次に、本願発明者が上記した本発明による三次元造形装置10を用いて行った実験結果について詳細に説明する。
(1)実験1
まず、第1層目を形成するための最適な樹脂吐出速度を取得するための実験結果について説明する。
まず、第1層目を形成するための最適な樹脂吐出速度を取得するための実験結果について説明する。
この実験では、縦40mm、横5mm、高さ20mmの成形物を2つ用意し、この成形物同士の間隔を20、40、60、80、100mmとし(図6を参照する。)、この成形物同士の間隔の異なる5つの条件においてそれぞれ、ヘッド14へのフィラメント樹脂200の送り速度(以下、「樹脂送り速度」と称する。)を0、20、40、60、80、100、120、140、160、180mm/minとして樹脂送り速度を変えたときに形成されたラインの形状について目視にて観察した。
なお、成形物の間隔、樹脂送り速度以外の各条件については、以下の通りである。
フィラメント樹脂の径:1.75mm
ヘッドのノズルの径:0.4mm
フィラメント樹脂:ABS樹脂
フィラメント樹脂の加熱温度:250℃
ヘッド移動速度:1800mm/min
積層ピッチ:0.4mm
フィラメント樹脂の径:1.75mm
ヘッドのノズルの径:0.4mm
フィラメント樹脂:ABS樹脂
フィラメント樹脂の加熱温度:250℃
ヘッド移動速度:1800mm/min
積層ピッチ:0.4mm
なお、積層ピッチとは、樹脂層を積層するピッチ幅であり、断面画像データを作成するときに、三次元データを分割した間隔と一致する。
この実験の結果を図7に示す。この実験結果では、樹脂送り速度が0mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mmでは、2つの成形物の間においてラインが垂れずにつながって形成されており、成形物同士の間隔が40mm、60mm、80mm、100mmでは、2つの成形物の間でラインが途中で消失していた。
樹脂送り速度が20mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、40mm、60mmでは、2つの成形物の間においてラインが伸びているが切れて形成されており、成形物同士の間隔が80mmでは、2つの成形物の間でラインが消失しており、成形物同士の間隔が100mmでは、2つの成形物の間でラインが切れていた。
樹脂送り速度が40mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、40mm、60mm、80mm、100mmで、2つの成形物の間においてラインが垂れずにほぼ真っ直ぐに繋がって形成されていた。
樹脂送り速度が60mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、40mm、60mm、80mm、100mmで、2つの成形物の間においてラインが垂れずにほぼ真っ直ぐに繋がって形成されていた。
樹脂送り速度が80mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、40mm、60mm、80mm、100mmで、2つの成形物の間においてラインが垂れずにほぼ真っ直ぐに繋がって形成されていた。
樹脂送り速度が100mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、40mm、60mm、80mm、100mmで、2つの成形物の間においてラインがほぼ真っ直ぐに繋がって形成されていたが、成形物近傍において1〜2mm垂れ下がっていた。
樹脂送り速度が120mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、40mm、60mm、80mm、100mmで、2つの成形物の間においてラインが垂れた状態で繋がって形成されていた。
樹脂送り速度が140mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、40mm、60mm、80mm、100mmで、2つの成形物の間においてラインが垂れた状態で繋がって形成されていた。
樹脂送り速度が160mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、40mm、60mm、80mm、100mmで、2つの成形物の間においてラインが垂れた状態で繋がって形成されていた。
樹脂送り速度が180mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、40mm、60mm、80mm、100mmで、2つの成形物の間においてラインが垂れた状態で繋がって形成されていた。
即ち、この実験結果から、樹脂送り速度が40〜80mm/minのときは、成形物同士の間隔がいずれの条件でもラインが垂れることなく繋がって形成されていた。また、樹脂送り速度が120mm/minを以上となると、成形物同士の間隔がいずれの条件でも樹脂が垂れ下がってしまっていた。
従って、第1層目を形成する際には、樹脂送り速度が40〜80mm/minが適当な値となる。
ここで、樹脂吐出速度は、下記の式により算出される。
T=Q・φ1
Q=φ2・f
T:樹脂吐出速度(mm/min)
φ1:ノズル断面積(mm2)
Q:1秒間の樹脂の吐出量(mm3/min)
φ2:フィラメント樹脂の断面積(mm2)
f:樹脂送り速度(mm/min)
T=Q・φ1
Q=φ2・f
T:樹脂吐出速度(mm/min)
φ1:ノズル断面積(mm2)
Q:1秒間の樹脂の吐出量(mm3/min)
φ2:フィラメント樹脂の断面積(mm2)
f:樹脂送り速度(mm/min)
なお、1秒間の樹脂の吐出量とは、ノズル14−1から吐出する樹脂の1秒間の吐出量であり、フィラメント樹脂の断面積とは、溶解前の線状のフィラメント樹脂200の断面積である。
そして、各樹脂送り速度における樹脂送り速度は、図8に示すようになる。
即ち、樹脂送り速度が0mm/minのときは、樹脂吐出速度が0mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の0%となる。
樹脂送り速度が20mm/minのときは、樹脂吐出速度が383mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の21.3%となる。
樹脂送り速度が40mm/minのときには、樹脂吐出速度が766mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の42.5%となる。
樹脂送り速度が60mm/minのときには、樹脂吐出速度が1148mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の63.8%となる。
樹脂送り速度が80mm/minのときには、樹脂吐出速度が1531mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の85.1%となる。
樹脂送り速度が100mm/minのときには、樹脂吐出速度が1914mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の106.3%となる。
樹脂送り速度が120mm/minのときには、樹脂吐出速度が2297mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の127.6%となる。
樹脂送り速度が140mm/minのときには、樹脂吐出速度が2680mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の148.9%となる。
樹脂送り速度が160mm/minのときには、樹脂吐出速度が3063mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の170.1%となる。
樹脂送り速度が180mm/minのときには、樹脂吐出速度が3445mm/minとなり、この樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の191.3%となる。
従って、この実験結果からは、第1層目を形成する際に適当と判断された樹脂送り速度に基づいて、第1層目を形成する際の適当な樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の42.5%〜85.1%となる。
また、樹脂送り速度が100mm/min以下のときには、樹脂送り速度が速いほど吐出される樹脂が太くなっていたが、図5に示すように、樹脂送り速度が100mm/minを超えると、樹脂の太さに大きな変化はなかった。
これは、樹脂送り速度が100mm/min以下のときは、ヘッド移動速度よりも樹脂吐出速度が遅いため、樹脂が引っ張られて細くなったと考えられる。
(2)実験2
次に、橋構造における平面を形成するための最適な条件を取得するための実験結果について説明する。
次に、橋構造における平面を形成するための最適な条件を取得するための実験結果について説明する。
(2−1)空冷の有無について
まず、3層の橋構造における平面を形成する際に、空冷した場合と空冷しない場合とを行って、形成した平面を目視により観察し、空冷による造形物への影響を検討した。
まず、3層の橋構造における平面を形成する際に、空冷した場合と空冷しない場合とを行って、形成した平面を目視により観察し、空冷による造形物への影響を検討した。
橋構造において、縦40mm、横5mm、高さ20mmの成形物を2つ用意し、この成形物同士の間隔を20、40、60、80、100mmとし、この成形物同士の間隔の異なる5つの条件においてそれぞれ平面を形成した。
また、第1層目は、樹脂送り速度を60mm/minとし、第2層目および第3層目は、樹脂送り速度を120mm/minとした。
さらに、第1層目のライン間のピッチを1mmとし、第3層目のライン間のピッチ幅を0.5mmとした。第2層目については、ラインを山谷形状に形成し、頂点間のピッチ幅を2mmとした(図4(b)を参照する。)。
また、この実験におけるその他の各条件については、以下の通りである。
フィラメント樹脂の径:1.75mm
ヘッドのノズルの径:0.4mm
フィラメント樹脂:ABS樹脂
フィラメント樹脂の加熱温度:250℃
ヘッド移動速度:1800mm/min
積層ピッチ:0.4mm
フィラメント樹脂の径:1.75mm
ヘッドのノズルの径:0.4mm
フィラメント樹脂:ABS樹脂
フィラメント樹脂の加熱温度:250℃
ヘッド移動速度:1800mm/min
積層ピッチ:0.4mm
この実験の結果を図9に示す。この実験結果では、成形物同士の間隔が20mmのときには、問題なく(つまり、表面に凹凸や歪みを形成することなく)橋構造における平面を形成することができ、空冷の有無による差異は見られなかった。
成形物同士の間隔が40mmのときには、第2層目の端部がわずかに下がっていたが、形成された平面における表面は問題なく形成することができており、ほぼ問題なく橋構造を形成することができ、空冷の有無による差異は見られなかった。
成形物同士の間隔が60mmのときには、第2層目の端部における下がりが大きくなるとともに、形成された平面における表面がやや歪んでおり、こうした歪みは、空冷しない場合よりも空冷した場合の方が大きかった。
成形物同士の間隔が80mmのときには、第2層目の端部における下がりがさらに大きくなり、空冷しない場合には、形成された平面の表面は少し歪んでいる程度であったが、空冷した場合には、形成された平面の表面は歪みが大きく、第3層目が第2層目に接着していない部分が多くあった。
成形物同士の間隔が100mmのときには、第2層目の端部における下がりがさらに大きくなり、空冷しない場合には、形成された平面の表面は少し歪んでる程度であったが、空冷した場合には、形成された平面の表面は歪みが大きく、第3層目と第2層目とが完全に分離した状態であった。
上記した実験結果から、空冷した場合には、樹脂が収縮するのが速く、蓄積される応力が大きくなるために、造形中に徐々に形状が歪む傾向にあることが考察される。
なお、成形物同士の間隔が60mmのときでは、形成された平面の表面に多少の歪みが見られたが、この程度の歪みは問題ない範囲と考えられる。
従って、この実験結果から、橋構造を形成する際には、空冷を行わない方がよいことが示された。
(2−2)第1層目のライン間のピッチ幅について
次に、第1層目のライン間のピッチ幅を変えて、3層の橋構造における平面を形成し、形成した橋構造の平面を目視により観察して、第1層目の適当なライン間のピッチを検討した。なお、この実験では、空冷を行わない。
次に、第1層目のライン間のピッチ幅を変えて、3層の橋構造における平面を形成し、形成した橋構造の平面を目視により観察して、第1層目の適当なライン間のピッチを検討した。なお、この実験では、空冷を行わない。
橋構造において、縦40mm、横5mm、高さ20mmの成形物を2つ用意し、この成形物同士の間隔を20、60、100mmとした。
また、第1層目は、樹脂送り速度を60mm/minとし、第2層目および第3層目は、樹脂送り速度を120mm/minとした。
さらに、第1層目は、ライン間のピッチ幅を0.5、1、5mmの3種類に変更し、各ピッチ幅で形成した第1層目上に、山谷形状で頂点間のピッチ幅を2mmで第2層目を形成するとともに、ライン間のピッチ幅を0.5mmで第3層目を形成した。
なお、その他の条件については、上記した空冷の有無について検討した際の条件と同じ条件とする。
この実験の結果を図10に示す。この実験結果では、第1層目のライン間のピッチ幅が0.5mmのときには、成形物同士の距離が20mm、60mmでは形成された平面における表面は問題なく形成されたが、成形物同士の距離が100mmでは形成された平面の表面に凹凸が形成された。また、成形物同士の距離が60mm、100mmでは第1層目と第2層目とが接着していない部分があった。
第1層目のライン間のピッチ幅が1mmのときには、成形物同士の距離が20mmでは問題なく橋構造の平面が形成され、成形物同士の距離が60mmでは形成された平面の表面に問題とならない程度の歪みがあり、成形物同士の距離が100mmでは形成された平面の表面が少し歪んでいた。
第1層目のライン間のピッチ幅が5mmのときには、成形物同士の距離が20mm、60mm、100mmのどの条件でも第1層目のラインがない部分から第2層目および第3層目のラインが垂れ下がってしまい、形成された平面の表面が凹凸形状に形成された。また、成形物同士の距離が100mmでは第1層目の一部が切れ落ち、第2層目が垂れ下がっている箇所があった。
上記した実験結果に示すように、第1層目におけるライン間のピッチ幅が大きくなると、ライン間で第2層目および第3層目の樹脂が垂れ下がってしまい、形成された平面における表面には凹凸が形成されてしまっていた。
従って、この実験結果から、第1層目における適当なライン間のピッチ幅は、1mmとなることが示された。
ここで、ライン間のピッチ幅が0.5mmのときは、ライン間のピッチ幅が1mmのときと同様に、橋構造における平面を形成することができたが、ラインを形成している最中に、その直前に形成されたラインにノズル14−1が当接してしまう部分があった。
こうしたことから、ライン間のピッチ幅については、ノズル14−1の外側の直径などを考慮して設定する必要がある。
(2−3)第1層目における樹脂送り速度について
次に、第1層目を形成する際に、樹脂送り速度を40、60、80、100、120mm/minの5つの条件とし、3層の橋構造における平面を形成し、形成した橋構造の平面を目視により観察して、第1層目の適当な樹脂送り速度を検討した。なお、この実験では、空冷を行わない。
次に、第1層目を形成する際に、樹脂送り速度を40、60、80、100、120mm/minの5つの条件とし、3層の橋構造における平面を形成し、形成した橋構造の平面を目視により観察して、第1層目の適当な樹脂送り速度を検討した。なお、この実験では、空冷を行わない。
橋構造において、縦40mm、横5mm、高さ20mmの成形物を2つ用意し、この成形物同士の間隔を20、60、100mmとした。
また、第1層目のライン間のピッチ幅は1mmとし、第2層目のラインは山谷形状で頂点間のピッチ幅を2mm、第2層目を形成する際の樹脂送り速度を120mm/minとし、第3層目のライン間のピッチ幅は0.5mm、第3層目を形成する際の樹脂送り速度を120mm/minとした。
なお、その他の条件については、上記した空冷の有無について検討した際の条件と同じ条件とする。
この実験の結果を図11に示す。この実験結果では、樹脂送り速度が40mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mm、60mm、100mmの全ての条件で、ライン部分が何箇所か切れており、成形物同士の間隔が60mm、100mmでは特に切れたラインが多く、端部でラインが垂れ下がって平面が崩れていた。
樹脂送り速度が60mmのときには、成形物同士の間隔が20mmでは問題なく(つまり、表面に凹凸や歪みを形成することなく)橋構造の平面が形成でき、成形物同士の間隔が60mm/minのときには、形成された平面の表面には問題とならない程度の歪みがあり、成形物同士の距離が100mmでは、形成された平面の表面は少し歪んでいた。
樹脂送り速度が80mm/minでは、成形物同士の間隔が20mmでは問題なく橋構造の平面が形成でき、成形物同士の間隔が60mmでは、端部に切れている部分があったが、樹脂送り速度60mm/minにおける成形物同士の間隔が60mmのときに形成された平面と同程度の平面が形成され、成形物同士の間隔が100mmでは、樹脂送り速度60mm/minにおける成形物同士の間隔が100mmのときに形成された平面よりも、平面における表面の歪みや第1層目の接着具合がやや悪くなっていた。
樹脂送り速度が100mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mmでは問題なく橋構造の平面が形成でき、成形物同士の間隔が60mm、100mmでは平面が垂れ下がって形成され、第1層目の接着具合は、樹脂送り速度が80mm/minにおける成形物同士の間隔が60mm、100mmのときに形成された平面よりも悪い。
樹脂送り速度が120mm/minのときには、成形物同士の間隔が20mmでは平面が垂れ下がって形成され、成形物同士の間隔が60mm、100mmでは平面を形成することができなかった。
上記した実験結果から、第1層目における適当な樹脂送り速度は、60mm/min(つまり、樹脂吐出速度がヘッド移動速度の63.8%)となることが示された。
上記した(2−1)、(2−2)および(2−3)の実験結果から、サポート材を用いることなく橋構造を形成する適当な条件としては、空冷を行わず、第1層目のライン間ピッチ幅を1mmとし、第1層目の樹脂送り速度を60mm/minとなる。
また、こうした適正条件により、サポート材を用いることなく橋構造を形成する場合には、成形物同士の間隔が40mmまでは、形成された平面の表面に歪みがほぼない状態で形成することが可能であり、それ以上の長さ(つまり、60mm、80mm、100mmである。)であっても、形成された平面の表面に多少の歪みが認められるが、問題のない平面を形成することが可能である。
(2−4)成形物の高さが異なる場合
ここで、上記した実験結果から得られた、サポート材を用いることなく橋構造の平面を形成する適当な条件下において、高さの異なる2つ成形物に平面を架けて橋構造を形成することが可能であるか否かを確認した。
ここで、上記した実験結果から得られた、サポート材を用いることなく橋構造の平面を形成する適当な条件下において、高さの異なる2つ成形物に平面を架けて橋構造を形成することが可能であるか否かを確認した。
なお、高さの異なる2つの成形物に架ける平面の傾斜が大きい場合には、樹脂層を積層することで造形することが可能であるため、本実験においては、下記の条件とした。
橋構造において、縦40mm、横5mm、高さ20mmの成形物および縦40mm、横5mm、高さ25mmの成形物を2つ用意し、この成形物同士の間隔を60mmとした。
また、第1層目のライン間のピッチ幅を1mm、第1層目を形成する際の樹脂送り速度を60mm/minとし、第2層目のラインは山谷形状で頂点間のピッチ幅を2mm、第2層目を形成する際の樹脂送り速度を120mm/minとし、第3層目のライン間のピッチ幅を0.5mm、第3層目を形成する際の樹脂送り速度を120mm/minとした。
なお、異なる高さの成形物に平面を架けるため、この平面は傾斜することとなる。従って、ノズル14−1を斜め方向に移動することとなるが、このとき、ノズル14−1が高い成形物に接触することを防ぐために、高い成形物側において、所定の距離だけ平行に移動させるようにした(図12を参照する。)。
そして、本実験においては、この所定の距離を1mmおよび2mmとして、サポート材を用いることなく平面を形成することが可能であるか否かを確認した。
その結果、所定の距離を1mmとした場合および所定の距離を2mmとした場合の双方において、サポート材を用いることなく平面を成形することができた。
なお、所定の距離を1mmとした場合には、高い成形物側において、第1層目のラインが切れている箇所が数カ所あった。
(3)実験3
上記した実験1および実験2においては、フィラメント樹脂200としてABS樹脂を用いて実験を行ったが、上記した実験1および実験2で取得した実験結果を、フィラメント樹脂200としてPLA樹脂を用いた場合に適用可能であるか否かの検証を行った。
上記した実験1および実験2においては、フィラメント樹脂200としてABS樹脂を用いて実験を行ったが、上記した実験1および実験2で取得した実験結果を、フィラメント樹脂200としてPLA樹脂を用いた場合に適用可能であるか否かの検証を行った。
(3−1)PLA樹脂における樹脂搬送速度と温度との関係について
フィラメント樹脂200を加熱する温度(以下、「樹脂加熱温度」と称する。)を160、170、180、190、200、210、220、230、240、250℃とし、各樹脂加熱温度において、樹脂送り速度を10mm/minずつ上げ、各樹脂加熱温度における最大樹脂送り速度およびそのときの樹脂の吐出量を検証する。
フィラメント樹脂200を加熱する温度(以下、「樹脂加熱温度」と称する。)を160、170、180、190、200、210、220、230、240、250℃とし、各樹脂加熱温度において、樹脂送り速度を10mm/minずつ上げ、各樹脂加熱温度における最大樹脂送り速度およびそのときの樹脂の吐出量を検証する。
この実験の結果を図13(a)(b)に示す。なお、この図13(a)(b)においては、樹脂送り速度として示された値は、その樹脂加熱温度において樹脂を吐出することができた樹脂送り速度の最大値であり、吐出量として示された値は、樹脂送り速度が最大のときに吐出された樹脂の吐出量である。
この実験結果では、樹脂加熱温度160℃、170℃、180℃のときには、樹脂が吐出しなかった。
樹脂加熱温度190℃のときには、最大樹脂送り速度が80mm/minとなり、そのときの吐出量が3.21mm3/sとなった。
樹脂加熱温度が200℃のときには、最大樹脂送り速度が100mm/minとなり、そのときの吐出量が4.01mm3/sとなった。
樹脂加熱温度が210℃のときには、最大樹脂送り速度が140mm/minとなり、そのときの吐出量が5.61mm3/sとなった。
樹脂加熱温度が220℃のときには、最大樹脂送り速度が180mm/minとなり、そのときの吐出量が7.22mm3/sとなった。
樹脂加熱温度が230℃のときには、最大樹脂送り速度が200mm/minとなり、そのときの吐出量が8.02mm3/sとなった。
樹脂加熱温度が240℃のときには、最大樹脂送り速度が500mm/minとなり、そのときの吐出量が20.04mm3/sとなった。
樹脂加熱温度が250℃のときには、最大樹脂送り速度が500mm/minとなり、そのときの吐出量が20.04mm3/sとなった。
上記した実験結果から、樹脂加熱温度が240℃以上のときには、樹脂送り速度を500mm/minまで上げることができた。
また、樹脂加熱温度を250℃以上に上げても樹脂が焦げるようなことはなかった。
なお、フィラメント樹脂200としてABS樹脂を用いた場合には、樹脂加熱温度が250℃のときには、最大樹脂送り速度は160mm/minとなる。従って、フィラメント樹脂200としてPLA樹脂を用いた場合に、上記した最大樹脂送り速度を満たすには、樹脂加熱温度を220℃以上とする必要がある。
(3−2)PLA樹脂による橋構造の形成について
2つの成形物を作成し、2つの成形物にサポート材を用いることなく平面を形成することが可能であるか否かを検証した。
2つの成形物を作成し、2つの成形物にサポート材を用いることなく平面を形成することが可能であるか否かを検証した。
橋構造において、縦40mm、横5mm、高さ20mmの成形物を2つ用意し、この成形物同士の間隔を20、40、60、80、100mmとし、この成形物同士の間隔の異なる5つの条件においてそれぞれ平面を形成した。
また、第1層目を形成する際の樹脂送り速度を60mm/min、第1層目のライン間のピッチ幅を1mmとし、第2層目のラインを山谷形状とし、このときの頂点間のピッチ幅を2mmとし、第3層目のライン間のピッチ幅を0.5mmとした。
なお、その他の条件としては、下記の通りである。
フィラメント樹脂の径:1.75mm
ヘッドのノズルの径:0.4mm
フィラメント樹脂:PLA樹脂
フィラメント樹脂の加熱温度:220℃
ヘッド移動速度:1800mm/min
積層ピッチ:0.4mm
空冷:あり
フィラメント樹脂の径:1.75mm
ヘッドのノズルの径:0.4mm
フィラメント樹脂:PLA樹脂
フィラメント樹脂の加熱温度:220℃
ヘッド移動速度:1800mm/min
積層ピッチ:0.4mm
空冷:あり
この実験の結果を図14に示す。この実験結果では、成形物同士の間隔が20mmのときには、問題なく(つまり、表面に凹凸や歪みを形成することなく)橋構造における平面を形成することができた。
成形物同士の間隔が40mmのときには、第1層目の端部の一つが切れていたが、橋構造における平面は問題なく形成することができた。
成形物同士の間隔が60mmのときには、第1層目は垂れ下がることなく形成されていたが、形成された平面の表面には凹凸が形成されていた。
成形物同士の間隔が80mmのときには、第1層目の端部の一つが切れていたが、垂れ下がることなく形成されていた。形成された平面の表面には凹凸が形成されていた。
成形物同士の間隔が100mmのときには、第1層目がやや垂れ下がって形成され、形成された平面の表面には凹凸が形成されていた。
上記した実験結果から、形成される平面では、成形物同士の間隔が長くなると、ABS樹脂と比較して(ABS樹脂における実験結果については、図9を参照する。)第1層目のラインが垂れ下がり易くなる。これは、ABS樹脂の方が収縮率が大きいため、第1層目におけるラインの弛みを収縮により解消していると考えられる。
なお、成形物同士の間隔が40mm以下であれば、形成された平面の表面に凹凸や歪みが形成されず、問題なく橋構造における平面を形成することができた。また、成形物同士の間隔が80mm以下であれば、成形された平面を垂れ下がらずに形成することができた。
ここで、(3−1)および(3−2)の実験結果から、PLA樹脂は、樹脂加熱温度が190℃異様であれば吐出することができ、250℃を超えた場合でも樹脂が焦げる等の不具合を発生しないため、使用可能な温度範囲が広いことが示された。
なお、樹脂加熱温度が高い状態で使用する場合には、樹脂が冷える(固化する)まで時間がかかってしまう。このため、冷える(固化する)前に樹脂層が積層されると、当該樹脂層を支えることができず崩れやすくなり、変形しやすくなる。
また、ABS樹脂と同じ条件で使用するのであれば、樹脂加熱温度は220℃程度がよく、さらに吐出量を増やしたい場合には、樹脂加熱温度を250℃まで上げるなどして対応することができる。
以上において説明したように、本発明による三次元造形装置10は、高さが略一致した2つの成形物に平面を架けた橋構造を形成する際に、当該平面を少なくとも3層以上の樹脂層を積層して形成するようにした。
このとき、第1層目については、樹脂吐出速度がヘッド移動速度より遅い状態で、2つの成形物に架かるように、所定の方向に延長したラインを複数形成するようにした。また、第2層目については、樹脂の吐出速度がヘッド移動速度より速い状態で、第1層目上に所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成するようにした。さらに、第3層目については、樹脂吐出速度がヘッド移動速度より速い状態で、所定の方向に延長したラインを複数形成するようにした。なお、第4層目以降の各層については、他の造形部分と同様にして形成される。
また、橋構造における2つの成形物同士の間隔は20〜100mmが好ましく、第1層目における樹脂吐出速度は、ヘッド移動速度の42.5〜85.1%とするようにした。
これにより、本発明よる三次元造形装置10においては、サポート材を用いることなく、橋構造を形成することができるようになる。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記した実施の形態においては、ヘッド14がX軸方向およびZ軸方向に移動するようにし、テーブル16がY軸方向に移動するようにして、ヘッド14とテーブル16との位置関係が三次元で変化するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、テーブル16が固定され、ヘッド14がX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動するような構成としてもよいし、ヘッド14が固定され、テーブル16がX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動するような構成としてもよく、ようは、ヘッド14とテーブル16との位置関係が三次元で変化するような構成であれば、どのような構成であってもよい。
(2)上記した実施の形態においては、サポート材が形成された三次元データを作成し、作成したサポート材が形成された三次元データに基づいて断面画像データを作成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、三次元造形装置10に表示手段を設け、サポート材が形成された三次元データを表示するようにし、作業者は、表示されたサポート材が形成された三次元データにおいて、サポート材を削除したり、サポート材を新たに作成するなどの編集処理を行うことが可能な構成としてもよい。
(3)上記した実施の形態においては、第2層目および第3層目を形成する際には、樹脂吐出速度がヘッド移動速度より速くなるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、第2層目および第3層目を形成する際には、樹脂吐出速度がヘッド移動速度より遅くなるようにしてもよい。
(4)上記した実施の形態ならびに上記した(1)および(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、溶解したフィラメント樹脂を積層して三次元造形物を作製する三次元造形装置として用いて好適である。
10 三次元造形装置、12 筐体、14 ヘッド、16 テーブル、24 移動部材、56、断面画像データ作成部、60 検出部、62 測定部、64 サポート材生成部、66 作成部、200 フィラメント樹脂、202 スプール
Claims (12)
- 溶解した樹脂をヘッド部から吐出して樹脂層を形成し、該樹脂層を積層して三次元造形物を作製するとともに、高さが略一致した2つの成形物に、サポート材を用いることなく平面を架けた橋構造を形成するようにした三次元造形装置であって、
前記橋構造における平面の第1層目を、前記ヘッド部から樹脂を吐出する速度たる樹脂吐出速度が、前記ヘッド部の移動速度たるヘッド移動速度より遅い状態で、所定の方向に延長したライン状の成形物たるラインを複数形成するよう制御し、該平面の第2層目を、前記所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成するよう制御し、該平面の第3層目を、前記所定の方向に延長したラインを複数形成するよう制御する制御手段を有する
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 断面画像データに基づいて、溶解した樹脂をヘッド部から吐出して樹脂層を形成し、該樹脂層を積層して三次元造形物を作製する三次元造形装置において、
作製する三次元造形物の形状を表す三次元データにおいて、高さが略一致した2つの成形物に平面を架けた橋構造が形成される箇所を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された全ての前記橋構造について、2つの前記成形物同士の間隔および2つの前記成形物に架かる平面の厚さを測定する測定手段と、
前記三次元データにおいて、前記測定手段により測定された前記間隔が所定の範囲内にあり、かつ、前記測定手段により測定された前記厚さが前記断面画像データの間隔を表す層ピッチの値の3倍以上である前記橋構造を除く、サポート材が必要な部分にサポート材を生成する生成手段と、
前記生成手段によりサポート材が生成された前記三次元データに基づいて、サポート材が形成されていない前記橋構造における平面の第1層目は、前記ヘッド部から樹脂を吐出する速度たる樹脂吐出速度が、前記ヘッド部の移動速度たるヘッド移動速度より遅い状態で、所定の方向に延長したライン状の成形物たるラインを複数形成し、該平面の第2層目は、前記所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成し、該平面の第3層目は、前記所定の方向に延長したラインを複数形成するように制御するよう、前記断面画像データを作成する作成手段と
を有することを特徴とする三次元造形装置。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
前記第2層目および前記第3層目を形成する際には、前記樹脂吐出速度を前記ヘッド移動速度より速くする
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 請求項1、2または3のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
前記第1層目における前記樹脂吐出速度は、前記ヘッド移動速度の42.5〜85.1%である
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
前記所定の範囲とは、20〜100mmである
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
前記第1層目における隣り合うライン間の間隔は、1mmである
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 溶解した樹脂をヘッド部から吐出して樹脂層を形成し、該樹脂層を積層して三次元造形物を作製する三次元造形装置により、高さが略一致した2つの成形物に、サポート材を用いることなく平面を架けた橋構造を形成するようにした三次元造形方法であって、
前記橋構造における平面の第1層目を、前記ヘッド部から樹脂を吐出する速度たる樹脂吐出速度が、前記ヘッド部の移動速度たるヘッド移動速度より遅い状態で、所定の方向に延長したライン状の成形物たるラインを複数形成する工程と、
前記橋構造における平面の第2層目を、前記所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成する工程と、
前記橋構造における平面の第3層目を、前記所定の方向に延長したラインを複数形成するよう制御する工程と
を前記三次元造形装置が実行する
ことを特徴とする三次元造形方法。 - 三次元造形装置により、断面画像データに基づいて、溶解した樹脂をヘッド部から吐出して樹脂層を形成し、該樹脂層を積層して三次元造形物を作製する三次元造形方法において、
作製する三次元造形物の形状を表す三次元データにおいて、高さが略一致した2つの成形物に平面を架けた橋構造が形成される箇所を検出する検出工程と、
前記検出工程で検出された全ての前記橋構造について、2つの前記成形物同士の間隔および2つの前記成形物に架かる平面の厚さを測定する測定工程と、
前記三次元データにおいて、前記測定工程で測定された前記間隔が所定の範囲内にあり、かつ、前記測定手段により測定された厚さが前記断面画像データの間隔を表す層ピッチの値の3倍以上である前記橋構造を除く、サポート材が必要な部分にサポート材を生成する生成工程と、
前記生成工程でサポート材が生成された前記三次元データに基づいて、サポート材が形成されていない前記橋構造における平面の第1層目は、前記ヘッド部から樹脂を吐出する速度たる樹脂吐出速度が、前記ヘッド部の移動速度たるヘッド移動速度より遅い状態で、所定の方向に延長したライン状の成形物たるラインを複数形成し、該平面の第2層目は、前記所定の方向と交差する方向に延長したラインを複数形成し、該平面の第3層目は、前記所定の方向に延長したラインを複数形成するように制御するよう、前記断面画像データを作成する作成工程と
を前記三次元造形装置が実行する
ことを特徴とする三次元造形方法。 - 請求項7または8のいずれか1項に記載の三次元造形方法において、
前記第2層目および前記第3層目を形成する際には、前記樹脂吐出速度を前記ヘッド移動速度より速くする
ことを特徴とする三次元造形方法。 - 請求項7、8または9のいずれか1項に記載の三次元造形方法において、
前記第1層目における前記樹脂吐出速度は、前記ヘッド移動速度の42.5〜85.1%である
ことを特徴とする三次元造形方法。 - 請求項7、8、9または10のいずれか1項に記載の三次元造形方法において、
前記所定の範囲とは、20〜100mmである
ことを特徴とする三次元造形方法。 - 請求項7、8、9、10または11のいずれか1項に記載の三次元造形方法において、
前記第1層目における隣り合うライン間の間隔は、1mmである
ことを特徴とする三次元造形方法。
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KR20210034844A (ko) * | 2019-09-23 | 2021-03-31 | 하이젠모터 주식회사 | 3차원 형상 재료 적층을 위한 공급장치 및 그 제어방법 |
WO2023238546A1 (ja) * | 2022-06-10 | 2023-12-14 | 株式会社神戸製鋼所 | 積層造形方法及び積層造形装置並びにプログラム |
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2014
- 2014-11-28 JP JP2014242097A patent/JP2016101731A/ja active Pending
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WO2023238546A1 (ja) * | 2022-06-10 | 2023-12-14 | 株式会社神戸製鋼所 | 積層造形方法及び積層造形装置並びにプログラム |
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