JP2016100159A - 非水電解質二次電池用電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイレート充放電特性に優れ、なおかつ剥離強度が高い、非水電解質二次電池用電極を提供する。【解決手段】非水電解質二次電池用電極は、集電箔21と、集電箔21上に形成され、主表面MSを有する電極合材層22と、を備える。電極合材層22は、第1層22aと第2層22bとを含む。第1層22aは、集電箔21と接する。第2層22bは、第1層22aよりも主表面MSに近く配置される。第1層22aは、電極活物質および増粘材を含む造粒粒子に結着材を付着させてなる第1複合粒子8aから構成される。第2層22bは、造粒粒子に結着材および活性炭を付着させてなる第2複合粒子8bから構成される。【選択図】図2
Description
本発明は、非水電解質二次電池用電極に関する。
特開2008−140809号公報(特許文献1)には、噴霧乾燥造粒によって得られた造粒粒子、該造粒粒子よりも体積平均粒子径の小さい固体粒子で、該造粒粒子を被覆した複合粒子、ならびに該複合粒子を加圧成形することにより形成された活物質層(電極合材層)が開示されている。
電池のハイレート(大電流)充放電特性が制限される要因のひとつに、バインダーマイグレーションが挙げられる。「バインダーマイグレーション」とは、電極活物質、結着材(バインダー)および溶媒を含む塗料(「ペースト」、「スラリー」とも呼ばれる)を乾燥させる際に、結着材が溶媒とともに塗膜の表層へと移動し、表層に偏析する現象である。電極合材層の表層に抵抗成分である結着材(たとえば合成ゴム)が偏析した状態になると、リチウムイオン(Li+)の移動が阻害され、IV抵抗が増加する。これによりハイレート充放電特性が制限されるのである。さらに電極合材層の下層では、結着材が不足し、電極合材層が集電箔から剥離しやすくなる、すなわち電極合材層の剥離強度が低下するといった不具合もある。
バインダーマイグレーションの抑制には、塗料よりも溶媒量が少ない、造粒粒子から電極合材層を形成する方法が有効である(たとえば特許文献1を参照)。このとき造粒粒子の表面に活性炭を担持させると、ハイレート充放電特性をさらに向上させることができる。しかしながら、この構成では電極合材層の剥離強度が低くなりやすい。
ゆえに本発明は、ハイレート充放電特性に優れ、なおかつ剥離強度が高い、非水電解質二次電池用電極の提供を目的とする。
非水電解質二次電池用電極は、集電箔と、該集電箔上に形成され、主表面を有する電極合材層と、を備える。電極合材層は、第1層と第2層とを含む。第1層は、集電箔と接する。第2層は、第1層よりも主表面に近く配置される。第1層は、電極活物質および増粘材を含む造粒粒子に結着材を付着させてなる第1複合粒子から構成される。第2層は、造粒粒子に結着材および活性炭を付着させてなる第2複合粒子から構成される。
活性炭は、内部に細孔を有する多孔性材料である。造粒粒子の表面に活性炭を付着させると、活性炭がその内部に電解液を保持することから、電極活物質の周囲に電解液が豊富に存在する状態を実現することができる。これによりIV抵抗を低減することができる。他方、造粒粒子の表面に活性炭を付着させると、造粒粒子の表面において、接着成分(増粘材および結着材)が占める割合が相対的に減少する。そのため造粒粒子と集電箔との接着力が低下するものと考えられる。
上記の非水電解質二次電池用電極(以下、単に「電極」とも記す)は、少なくとも第1層と、第2層とを含む多層構造を有する。集電箔と接する第1層は、活性炭を付着させていない第1複合粒子から構成される。これにより電極合材層(第1層)の剥離強度が確保される。
ハイレート充放電では、対極と近い、電極合材層の表層における電極活物質の反応性が重要となる。上記の電極では、活性炭を付着させた第2複合粒子から構成される第2層が、表層の近くに配置されている。第2層は活性炭の作用によりIV抵抗が低い。よって上記の電極は優れたハイレート充放電特性を示すことができる。
上記によれば、ハイレート充放電特性に優れ、なおかつ剥離強度が高い、非水電解質二次電池用電極が提供される。
以下、本発明の一実施形態(以下「本実施形態」と記す)について説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。以下の説明では、負極への適用例を説明するが、本実施形態は正極に適用することもできる。
〔非水電解質二次電池用電極〕
図1は、本実施形態に係る負極(非水電解質二次電池用電極)の構成の一例を示す概略図である。図1に示される負極20は、集電箔21と、集電箔21上に形成され、主表面MSを有する負極合材層22(電極合材層)と、を備える。集電箔21は、たとえば銅(Cu)箔である。
図1は、本実施形態に係る負極(非水電解質二次電池用電極)の構成の一例を示す概略図である。図1に示される負極20は、集電箔21と、集電箔21上に形成され、主表面MSを有する負極合材層22(電極合材層)と、を備える。集電箔21は、たとえば銅(Cu)箔である。
図2は、負極合材層22の概略断面図である。図2に示されるように、負極合材層22は、第1層22aと第2層22bとを含む。第1層22aは、集電箔21と接している。第2層22bは、第1層22aよりも主表面MS側に配置されている。ここで図2では、負極合材層22が、第1層22aと第2層22bとからなる2層構造を示しているが、負極合材層22はこれら以外の層を含むこともできる。たとえば、第1層22aと、第2層22bとの間に第3層が形成されていてもよいし、第2層22bよりも主表面MS側に第4層が形成されていてもよい。
〔第1層〕
第1層22aは、集電箔21と接し、負極合材層22と集電箔21との剥離強度を確保する。第1層22aは、第1複合粒子8aから構成される。図3に示されるように、第1複合粒子8aは、負極活物質1(電極活物質)および増粘材2を含む造粒粒子3に、結着材4を付着させてなる。
第1層22aは、集電箔21と接し、負極合材層22と集電箔21との剥離強度を確保する。第1層22aは、第1複合粒子8aから構成される。図3に示されるように、第1複合粒子8aは、負極活物質1(電極活物質)および増粘材2を含む造粒粒子3に、結着材4を付着させてなる。
本実施形態において、電極活物質、増粘材および結着材には、従来公知の材料を使用することができる。負極活物質は、たとえば黒鉛等である。増粘材は、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)等である。結着材は、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)等である。第1複合粒子8aにおいて各成分の配合比(質量比)は、たとえば負極活物質:増粘材:結着材=100:1:2である。
〔第2層〕
第2層22bは、第1層22aよりも主表面MS側に配置され、ハイレート充放電特性の向上に寄与する。第2層22bは、第2複合粒子8bから構成される。図4に示されるように、第2複合粒子8bは、造粒粒子3に結着材4および活性炭5を付着させてなる。第2複合粒子8bにおいて各成分の配合比は、たとえば負極活物質:増粘材:結着材:活性炭=100:1:2:1である。活性炭の配合量は、負極活物質の質量に対して、0.3質量%以上5質量%以下とするとよい。0.3質量%未満であると、十分な量の電解液を保持できない場合があり、5質量%を超えると第2複合粒子8b同士の接着力が低下する場合もあるからである。
第2層22bは、第1層22aよりも主表面MS側に配置され、ハイレート充放電特性の向上に寄与する。第2層22bは、第2複合粒子8bから構成される。図4に示されるように、第2複合粒子8bは、造粒粒子3に結着材4および活性炭5を付着させてなる。第2複合粒子8bにおいて各成分の配合比は、たとえば負極活物質:増粘材:結着材:活性炭=100:1:2:1である。活性炭の配合量は、負極活物質の質量に対して、0.3質量%以上5質量%以下とするとよい。0.3質量%未満であると、十分な量の電解液を保持できない場合があり、5質量%を超えると第2複合粒子8b同士の接着力が低下する場合もあるからである。
活性炭の比表面積は、1000m2/g以上が好ましい。ハイレート充放電特性をいっそう向上させるためである。活性炭の比表面積は、より好ましくは1700m2/g以上3000m2/g以下である。ここで比表面積はBET法により測定された値を示している。以下の説明では、比表面積を「BET値」と記すこともある。
以上のように本実施形態の電極合材層(負極合材層)は、複合粒子から形成された層であり、塗料から形成された電極合材層とは異なる。電極合材層が複合粒子から形成されたものであることは、電極合材層の断面をSEM観察することより、確認することができる。このとき電極合材層を石垣に例えるならば、複合粒子はあたかも石垣を構成する石の如く、観察される。また断面のSEM観察において、EDX分析を併用することにより、結着材が略均一に分布していることも確認することができる。
以下、実施例を用いて本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔非水電解質二次電池の作製〕
以下のようにして試料No.1〜3に係る非水電解質二次電池用電極(負極)および非水電解質二次電池を作製した。ここでは試料No.1が実施例に相当する。
以下のようにして試料No.1〜3に係る非水電解質二次電池用電極(負極)および非水電解質二次電池を作製した。ここでは試料No.1が実施例に相当する。
〔試料No.1〕
1.負極の作製
次の材料を準備した
負極活物質:黒鉛
増粘材 :CMC
結着材 :SBR
活性炭 :比表面積(BET値)が1700m2/gのもの
溶媒 :水。
1.負極の作製
次の材料を準備した
負極活物質:黒鉛
増粘材 :CMC
結着材 :SBR
活性炭 :比表面積(BET値)が1700m2/gのもの
溶媒 :水。
黒鉛(100質量部)、CMC(1質量部)および水(44質量部)をプラネタリミキサで混合、造粒することにより、造粒粒子の集合体を得た。次いで同ミキサに、SBRの配合量が2質量部となるように、SBRの水分散液を投入して、さらに混合、造粒することにより、造粒粒子にSBRを付着させ、第1複合粒子の集合体を得た。第1複合粒子の集合体において、固形分比率(混合物において液体以外の成分が占める割合)は71質量%とした。第1複合粒子における固形分の配合比は、負極活物質:増粘材:結着材=100:1:2である。
上記の造粒粒子の集合体(第1複合粒子を製造する過程で得られたもの)と、SBRの水分散液と、活性炭(2質量部)とをプラネタリミキサで混合、造粒することにより、造粒粒子にSBRおよび活性炭を付着させ、第2複合粒子の集合体を得た。第2複合粒子の集合体において、固形分比率は71質量%とした。第2複合粒子における固形分の配合比は、負極活物質:増粘材:結着材:活性炭=100:1:2:2である。
図8に示される電極作製装置90のフィーダ95に、第1複合粒子の集合体を供給した。第1複合粒子の集合体をAロール91とBロール92との間で圧縮成形して、第1層22aを形成し、さらにBロール92とCロール93との間で、第1層22aを集電箔21(厚さ10μmのCu箔)の一方の主面に転写した。このとき第1層22aの幅は、仕切り部材94によって調整した。
同様に電極作製装置90のフィーダ95に、第2複合粒子の集合体を供給して、第2層を形成し、第1層の上に第2層を転写した。さらに乾燥炉を用いて、負極合材層(第1層および第2層)を乾燥した。ここで第1層と第2層の目付量(単位面積当たりの質量)は同じとした。
同様にして、集電箔21の他方の主面にも第1層および第2層を形成した。その後、所定の厚さ、寸法に加工することにより、試料No.1に係る負極20(図1を参照)を得た。本実験では、図1中、集電箔21が露出した部分Epの幅W21は20mm、負極合材層22の幅W22は101mmとした。
2.正極の作製
正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)、導電材(アセチレンブラック)および結着材(ポリフッ化ビニリデン)を溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)中で混練することにより、正極ペーストを得た。正極ペーストを集電箔11(厚さ20μmのAl箔)の両主面上に塗工、乾燥して正極合材層12を形成した。その後、所定の厚さ、寸法に加工して正極10(図5を参照)を得た。本実験では、図5中の集電箔11が露出した部分Epの幅W11は20mm、正極合材層12の幅W12は98mmとした。
正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)、導電材(アセチレンブラック)および結着材(ポリフッ化ビニリデン)を溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)中で混練することにより、正極ペーストを得た。正極ペーストを集電箔11(厚さ20μmのAl箔)の両主面上に塗工、乾燥して正極合材層12を形成した。その後、所定の厚さ、寸法に加工して正極10(図5を参照)を得た。本実験では、図5中の集電箔11が露出した部分Epの幅W11は20mm、正極合材層12の幅W12は98mmとした。
3.セパレータの準備
ポリプロピレン製微多孔膜(PP膜)と、ポリエチレン製微多孔膜(PE膜)とが、PP膜/PE膜/PP膜の順に積層された3層構造を有するセパレータ40を準備した。セパレータ40の幅寸法は104mmとした。
ポリプロピレン製微多孔膜(PP膜)と、ポリエチレン製微多孔膜(PE膜)とが、PP膜/PE膜/PP膜の順に積層された3層構造を有するセパレータ40を準備した。セパレータ40の幅寸法は104mmとした。
4.電極群の作製
セパレータ40を挟んで、正極10と負極20とを対向配置させ、巻回することにより楕円状の巻回体を得、該巻回体を扁平状に加圧成形することにより電極群80(図6を参照)を得た。
セパレータ40を挟んで、正極10と負極20とを対向配置させ、巻回することにより楕円状の巻回体を得、該巻回体を扁平状に加圧成形することにより電極群80(図6を参照)を得た。
5.電解液の準備
次の組成を有する電解液を準備した
[LiPF6(1.0mоl/L) EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]。
次の組成を有する電解液を準備した
[LiPF6(1.0mоl/L) EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]。
6.組み立て
電極群80を、有底角形の外装体50(縦90mm×幅150mm×奥行25mm、ケース側壁の厚さ1mm)に挿入し、各外部端子70,72と接続した。さらに外装体50に設けられた注液口から電解液と注入した。その後、注液口を封止し、内部を密閉した。こうして定格容量が25Ahである電池100(図7を参照)を得た。
電極群80を、有底角形の外装体50(縦90mm×幅150mm×奥行25mm、ケース側壁の厚さ1mm)に挿入し、各外部端子70,72と接続した。さらに外装体50に設けられた注液口から電解液と注入した。その後、注液口を封止し、内部を密閉した。こうして定格容量が25Ahである電池100(図7を参照)を得た。
〔試料No.2〕
上記の造粒粒子の集合体と、SBRの水分散液と、活性炭(1質量部)とをプラネタリミキサで混合、造粒することにより、造粒粒子にSBRおよび活性炭を付着させ、第2複合粒子の集合体を得た。この第2複合粒子における固形分の配合比は、負極活物質:増粘材:結着材:活性炭=100:1:2:1である。
上記の造粒粒子の集合体と、SBRの水分散液と、活性炭(1質量部)とをプラネタリミキサで混合、造粒することにより、造粒粒子にSBRおよび活性炭を付着させ、第2複合粒子の集合体を得た。この第2複合粒子における固形分の配合比は、負極活物質:増粘材:結着材:活性炭=100:1:2:1である。
この第2複合粒子の集合体から、単層の負極合材層を形成することにより、試料No.2に係る負極を得た。このとき負極合材層の目付量は、試料No.1における第1層の目付量と第2層の目付量との合計と同じとした。これらを除いては試料No.1と同様にして、電池を作製した。
〔試料No.3〕
負極合材層に含まれる各成分の配合比が、負極活物質:増粘材:結着材=100:1:2となるように配合し、水中で混練することにより、固形分比率が50質量%である負極ペーストを作製した。この負極ペーストを集電箔上に塗工、乾燥して負極合材層を形成することを除いては、試料No.2と同様にして、電池を作製した。
負極合材層に含まれる各成分の配合比が、負極活物質:増粘材:結着材=100:1:2となるように配合し、水中で混練することにより、固形分比率が50質量%である負極ペーストを作製した。この負極ペーストを集電箔上に塗工、乾燥して負極合材層を形成することを除いては、試料No.2と同様にして、電池を作製した。
〔評価〕
次のようにして各試料を評価した。
次のようにして各試料を評価した。
〔剥離強度の測定〕
「JIS Z 0237:粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して90°剥離試験を行い、負極合材層の剥離強度を測定した。結果を表1に示す。表1中、試料No.1および2の数値は、試料No.3での測定結果を「1.0」としたときの倍数比を示している。
「JIS Z 0237:粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して90°剥離試験を行い、負極合材層の剥離強度を測定した。結果を表1に示す。表1中、試料No.1および2の数値は、試料No.3での測定結果を「1.0」としたときの倍数比を示している。
〔マイグレーション指数の測定〕
負極合材層の厚さ方向における結着材の分布をマイグレーション指数により評価した。マイグレーション指数の測定、算出は次のようにして行った。負極から断面SEM観察用のサンプルを切り出し、クロスセクションポリッシャを用いて断面を清浄化した。次に臭素(Br)でSBRの二重結合を修飾した。SBRを修飾した後、該断面をSEM−EDXで面分析してBrのマッピングを行った。該断面を厚さ方向に2等分し、集電箔側を第1領域、負極合材層の主表面側を第2領域とし、第2領域におけるBrの検出強度の積算値を、第1領域におけるBrの検出強度の積算値で除することにより、マイグレーション指数を算出した。結果を表1に示す。マイグレーション指数は、その値が1.0に近い程、結着材の分布が均一であることを示している。また結着材が表層側(この測定では第2領域)に偏析していれば、マイグレーション指数は大きな値をとる。
負極合材層の厚さ方向における結着材の分布をマイグレーション指数により評価した。マイグレーション指数の測定、算出は次のようにして行った。負極から断面SEM観察用のサンプルを切り出し、クロスセクションポリッシャを用いて断面を清浄化した。次に臭素(Br)でSBRの二重結合を修飾した。SBRを修飾した後、該断面をSEM−EDXで面分析してBrのマッピングを行った。該断面を厚さ方向に2等分し、集電箔側を第1領域、負極合材層の主表面側を第2領域とし、第2領域におけるBrの検出強度の積算値を、第1領域におけるBrの検出強度の積算値で除することにより、マイグレーション指数を算出した。結果を表1に示す。マイグレーション指数は、その値が1.0に近い程、結着材の分布が均一であることを示している。また結着材が表層側(この測定では第2領域)に偏析していれば、マイグレーション指数は大きな値をとる。
〔下層合材の比表面積に対する、上層合材の比表面積の比〕
負極合材層の上層(主表面)側と、下層(集電箔)側とから、それぞれ負極合材を回収し、比表面積を測定した。上層合材の比表面積を下層合材の比表面積で除することにより、下層合材の比表面積に対する、上層合材の比表面積の比を算出した。結果を表1に示す。表1中、同数値は「上層BET÷下層BET」と記している。
負極合材層の上層(主表面)側と、下層(集電箔)側とから、それぞれ負極合材を回収し、比表面積を測定した。上層合材の比表面積を下層合材の比表面積で除することにより、下層合材の比表面積に対する、上層合材の比表面積の比を算出した。結果を表1に示す。表1中、同数値は「上層BET÷下層BET」と記している。
〔ハイレート充放電特性〕
25℃において電池を3.7Vまで充電した後、250Aの定電流で10秒間放電を行い、放電開始から10秒後の電圧降下量〔ΔV[V]〕を測定した。下記式(i):
IV抵抗[Ω]=ΔV[V]÷250[A]・・・(i)
により、初期IV抵抗を算出した。結果を表1に示す。表1中、試料No.1および2の数値は、試料No.3での測定結果を「1.0」としたときの倍数比を示している。
25℃において電池を3.7Vまで充電した後、250Aの定電流で10秒間放電を行い、放電開始から10秒後の電圧降下量〔ΔV[V]〕を測定した。下記式(i):
IV抵抗[Ω]=ΔV[V]÷250[A]・・・(i)
により、初期IV抵抗を算出した。結果を表1に示す。表1中、試料No.1および2の数値は、試料No.3での測定結果を「1.0」としたときの倍数比を示している。
さらに250A×10秒の放電と、12.5A×200秒の充電とを1サイクルとする、充放電サイクルを繰り返した。この試験では、放電からサイクルを開始し、電池電圧が下限到達電圧(2.5V)に達するまで充放電サイクルを繰り返した。サイクル後、上記と同様にしてIV抵抗を測定し、サイクル後IV抵抗を初期IV抵抗で除することにより、IV抵抗変化率を算出した。結果を表1に示す。この試験では、IV抵抗変化率の値が小さいほど、ハイレート充放電特性に優れることを示している。
〔低温サイクル(Li受け入れ性の評価)〕
CC−CV充電(CC電流値12.5A、CV電圧4.1V、終止電流0.1A)によって電池を満充電とした後、60℃に設定した恒温槽内で24時間保管した。24時間後、電池を恒温槽から取り出し、−15℃に設定された恒温槽内で、次のCC−CV充電およびCC放電を1サイクルとする充放電サイクルを5サイクル実行した
CC−CV充電(CC電流値50A、CV電圧4.1V、充電時間1.5時間)
CC放電 (CC電流値25A、終止電圧2.5V)
5サイクル後、電池を解体し、負極表面の状態を観察した。結果を表1に示す。この試験では、Li受け入れ性の低い試料ほど、負極表面にLiが析出した状態となる。なお「CC」とは「定電流」を、「CV」とは「定電圧」をそれぞれ示している。
CC−CV充電(CC電流値12.5A、CV電圧4.1V、終止電流0.1A)によって電池を満充電とした後、60℃に設定した恒温槽内で24時間保管した。24時間後、電池を恒温槽から取り出し、−15℃に設定された恒温槽内で、次のCC−CV充電およびCC放電を1サイクルとする充放電サイクルを5サイクル実行した
CC−CV充電(CC電流値50A、CV電圧4.1V、充電時間1.5時間)
CC放電 (CC電流値25A、終止電圧2.5V)
5サイクル後、電池を解体し、負極表面の状態を観察した。結果を表1に示す。この試験では、Li受け入れ性の低い試料ほど、負極表面にLiが析出した状態となる。なお「CC」とは「定電流」を、「CV」とは「定電圧」をそれぞれ示している。
〔結果と考察〕
1.試料No.3について
ペーストから電極合材層(単層)を形成した試料No.3では、マイグレーション指数が大きい値となっており、バインダーマイグレーションが発生していることが分かる。そのため電極合材層と集電箔との界面近傍で結着材が不足し、電極合材層の剥離強度が低くなっている。また結着材が表層へと移動する過程で、結着材が負極活物質を被覆してしまうため、上層合材の比表面積(BET値)が小さくなっている。そのため負極活物質の反応性が低下し、IV抵抗が高く、低温サイクル試験ではLiの析出がみられる。
1.試料No.3について
ペーストから電極合材層(単層)を形成した試料No.3では、マイグレーション指数が大きい値となっており、バインダーマイグレーションが発生していることが分かる。そのため電極合材層と集電箔との界面近傍で結着材が不足し、電極合材層の剥離強度が低くなっている。また結着材が表層へと移動する過程で、結着材が負極活物質を被覆してしまうため、上層合材の比表面積(BET値)が小さくなっている。そのため負極活物質の反応性が低下し、IV抵抗が高く、低温サイクル試験ではLiの析出がみられる。
2.試料No.2について
表面に活性炭を有する複合粒子から電極合材層(単層)を形成した試料No.2では、マイグレーション指数が1.0に近い値となっており、結着材の分布が改善されていることが分かる。また活性炭の作用により、IV抵抗も低く、ハイレート充放電特性に優れる結果となっている。しかし電極合材層と集電箔との界面近傍に活性炭が存在するために、電極合材層の剥離強度が十分ではない。
表面に活性炭を有する複合粒子から電極合材層(単層)を形成した試料No.2では、マイグレーション指数が1.0に近い値となっており、結着材の分布が改善されていることが分かる。また活性炭の作用により、IV抵抗も低く、ハイレート充放電特性に優れる結果となっている。しかし電極合材層と集電箔との界面近傍に活性炭が存在するために、電極合材層の剥離強度が十分ではない。
3.試料No.1について
表1から分かるように、活性炭を有しない複合粒子を下層とし、活性炭を有する複合粒子を上層とした、試料No.1では、ハイレート充放電特性および剥離強度を両立することができた。
表1から分かるように、活性炭を有しない複合粒子を下層とし、活性炭を有する複合粒子を上層とした、試料No.1では、ハイレート充放電特性および剥離強度を両立することができた。
以上の結果から、集電箔と、該集電箔上に形成され、主表面を有する電極合材層と、を備え、該電極合材層は、第1層と第2層とを含み、該第1層は、該集電箔と接し、該第2層は、該第1層よりも該主表面に近く配置され、該第1層は、電極活物質および増粘材を含む造粒粒子に結着材を付着させてなる第1複合粒子から構成され、該第2層は、該造粒粒子に該結着材および活性炭を付着させてなる第2複合粒子から構成される、非水電解質二次電池用電極(試料No.1)は、ハイレート充放電特性に優れ、剥離強度が高いことが実証できたといえる。
以上、本発明の一実施形態および実施例について説明したが、今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 負極活物質、2 増粘材、3 造粒粒子、4 結着材、5 活性炭、8a 第1複合粒子、8b 第2複合粒子、10 正極、11,21 集電箔、12 正極合材層、20 負極、22 負極合材層(電極合材層)、22a 第1層、22b 第2層、40 セパレータ、50 外装体、70,72 外部端子、80 電極群、90 電極作製装置、91,92,93 ロール、94 仕切り部材、95 フィーダ、100 電池、Ep 部分、MS 主表面、W11,W12,W21,W22 幅。
Claims (1)
- 集電箔と、
前記集電箔上に形成され、主表面を有する電極合材層と、を備え、
前記電極合材層は、第1層と第2層とを含み、
前記第1層は、前記集電箔と接し、
前記第2層は、前記第1層よりも前記主表面に近く配置され、
前記第1層は、電極活物質および増粘材を含む造粒粒子に結着材を付着させてなる第1複合粒子から構成され、
前記第2層は、前記造粒粒子に前記結着材および活性炭を付着させてなる第2複合粒子から構成される、非水電解質二次電池用電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014235725A JP2016100159A (ja) | 2014-11-20 | 2014-11-20 | 非水電解質二次電池用電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014235725A JP2016100159A (ja) | 2014-11-20 | 2014-11-20 | 非水電解質二次電池用電極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016100159A true JP2016100159A (ja) | 2016-05-30 |
Family
ID=56077344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014235725A Pending JP2016100159A (ja) | 2014-11-20 | 2014-11-20 | 非水電解質二次電池用電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016100159A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018101518A (ja) * | 2016-12-20 | 2018-06-28 | トヨタ自動車株式会社 | 電極板の製造方法 |
KR20230137408A (ko) | 2021-01-29 | 2023-10-04 | 가부시키가이샤 에네오스 마테리아루 | 전고체 이차 전지용 결합제, 전고체 이차 전지용 결합제 조성물, 전고체 이차 전지용 슬러리, 전고체 이차 전지용 고체 전해질 시트 및 그 제조 방법, 그리고 전고체 이차 전지 및 그 제조 방법 |
-
2014
- 2014-11-20 JP JP2014235725A patent/JP2016100159A/ja active Pending
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