以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(実施の形態1)
実施の形態1として、タッチ検出装置が、表示装置と一体化されたインセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明する。ここで、インセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置とは、タッチ検出装置に含まれる駆動電極および検出電極の少なくとも一方が、表示装置の液晶を介して対向する一対の基板間に設けられたタッチ検出機能付き液晶表示装置を意味する。実施の形態1においては、タッチ検出装置に含まれる駆動電極が、液晶を駆動する駆動電極としても用いられている場合を説明する。
<全体構成>
先ず、タッチ検出機能付き液晶表示装置1の全体構成の概要を、図1を用いて説明する。図1は、タッチ検出機能付き液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。タッチ検出機能付き液晶表示装置1は、液晶パネル(表示パネル)2、表示制御装置5、信号線セレクタ6、タッチ制御装置7およびゲートドライバ8を具備している。図1では、図面を見易くするために、液晶パネル2は、模式的に描かれており、液晶パネル部(表示パネル部)3とタッチ検出パネル部4を具備している。液晶パネル2の構成については、後で図3、図4、図5および図6を用いて説明する。
後述するが、これら液晶パネル部3とタッチ検出パネル部4は、駆動電極等一部の構成を共用している。液晶パネル部3には、ゲートドライバ8から走査信号Vs0〜Vspが供給され、さらに信号線セレクタ6を介して表示制御装置5から画像信号SLd(0)〜SLd(p)が供給され、画像信号SLd(0)〜VLd(p)に従った画像を表示する。タッチ検出パネル部4は、表示制御装置5から駆動信号Tx(0)〜Tx(p)が供給され、検出信号Rx(0)〜Rx(p)をタッチ制御装置7に出力する。
表示制御装置5は、制御部9および駆動回路10を有しており、駆動回路10は、画像信号を出力する信号線ドライバ11と駆動信号Tx(0)〜Tx(p)を出力する駆動電極ドライバ12とデコーダ回路20とを有している。制御部9は、制御端子Ttに供給されるタイミング信号および制御信号と、画像端子Tdに供給される画像信号とを受け、画像端子Tdに供給された画像信号に応じた画像信号Snを信号線ドライバ11に供給する。信号線ドライバ11は、制御部9から供給された画像信号Snを、特に制限されないが、時間的に多重化して、信号線セレクタ6へ出力する。すなわち、信号線ドライバ11の1個の出力端子を見た場合、2つの画像信号を、時間的にずらしながら、1個の端子から出力する。
また、制御部9は、時間的に多重化された画像信号を、信号線セレクタ6において、互いに異なる信号線へ振り分けるための選択信号SEL1、SEL2を信号線セレクタ6に供給する。信号線セレクタ6は、多重化して供給された画像信号を、選択信号SEL1、SEL2によって互いに異なる信号線へ振り分け、画像信号SLd(0)〜SLd(p)として、液晶パネル部3に供給する。信号線セレクタ6は、液晶パネル部3の近傍に配置されている。このように、画像信号を時間的に多重化することにより、表示制御装置5と液晶パネル部3とを電気的に接続する配線の数を低減することが可能となる。言い換えるならば、表示制御装置5と液晶パネル部3との間を接続する配線の幅を広くし、画像信号の遅延を低減することが可能となる。
制御部9は、制御端子Ttに供給されるタイミング信号および制御信号に基づいて、ゲートドライバ8にタイミング信号を供給する。ゲートドライバ8は、供給されたタイミング信号に基づいて、走査信号Vs0〜Vspを発生し、液晶パネル部3に供給する。ゲートドライバ8によって発生される走査信号Vs0〜Vspは、例えば走査信号Vs0からVspに向かって順次ハイレベルとなるようなパルス信号である。
駆動回路10内のデコーダ回路20は、タッチ制御装置7から供給される状態信号Status1、Status2を受け、状態信号Status1、Status2をデコードして、駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4を形成し、駆動電極ドライバ12へ供給する。駆動電極ドライバ12は、タッチ制御装置7から供給される駆動信号Tsig1〜Tsig4と駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4を受け、液晶パネル2に含まれている複数の駆動電極TL(i、i=0〜p:図3等参照)から、状態信号Status1、Status2によって指定される駆動電極TL(i)へ駆動信号Tsig1〜Tsig4を、駆動信号Tx(i)として供給する。
後で説明するが、状態信号Status1、Status2は、駆動電極TL(i、i=0〜p)に駆動信号Tsig1〜Tsig4が、駆動信号Tx(i)として供給される状態を指定する信号である。状態信号Status1、Status2によって状態が指定されるという観点で見た場合、状態信号Status1、Status2は、選択信号であると見なすことができる。この実施の形態1においては、状態信号Status1、Status2は、2個であるため、デコーダ回路20は、信号の論理値(電圧値)の組み合わせによって、4つの状態を表すことができる。言い換えるならば、4つの状態から1つを指定して、選択することができる。また、この実施の形態1においては、特に制限されないが、駆動信号Tsig1〜Tsig4は、4個である。
この実施の形態1に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1はインセルタイプであり、駆動電極TL(i)がタッチ検出の駆動と液晶の駆動とに兼用されている。すなわち、駆動電極TL(i)は、画像(映像)表示のときには、液晶を駆動するための電界を、後で述べる画素電極との間で形成するように機能し、タッチ検出のときには、タッチ検出用の駆動信号を伝達するように機能する。そのため、本明細書においては、以降、駆動電極TL(i)を共通電極TL(i)と称する。また、共通電極TL(i)が、タッチ検出用として機能する場合は、タッチ検出用であることを明示するために、タッチ検出駆動電極TL(i)と称することもある。
図1には、共通電極TL(i)に供給される信号のうち、タッチ検出用の駆動に用いられる駆動信号Tx(i)のみが示されている。液晶パネル部3における液晶の画像表示とタッチ検出パネル部4におけるタッチ検出とは、時間的に重ならないように、時分割で行われる。ここでは、画像を表示する期間を表示期間と称し、タッチ検出を行う期間をタッチ検出期間と称する。
画像表示を行う表示期間においては、駆動電極ドライバ12は、液晶を駆動するための駆動信号を液晶パネル2内の共通電極TL(i)に供給し、タッチ検出を行うタッチ検出期間においては、タッチ検出のための駆動信号Tx(i)を、液晶パネル2内の共通電極TL(i)に供給する。表示期間においては、制御部9から、駆動電極ドライバ12に対して、液晶を駆動するための駆動信号が、供給されることになるが、図1では図面が複雑になるのを避けるために、省略されている。勿論、駆動回路10に、タッチ検出のための駆動電極ドライバと液晶を駆動するための駆動電極ドライバとを、別々に設けるようにしてもよい。また、制御部9は、表示期間とタッチ検出期間とを識別するタッチ−表示同期信号TSHDを出力する。
タッチ制御装置7は、タッチ検出パネル部4からの検出信号Rx(0)〜Rx(p)を処理する検出信号処理部TSと、共通電極TL(i)を制御する駆動処理部DSと、検出信号処理部TSおよび駆動処理部DSを制御する制御部19とを具備している。ここで、検出信号処理部TSは、タッチ検出パネル部4がタッチされたか否かを検出し、タッチされていた場合、タッチされた位置の座標を求める処理を行う。また、駆動処理部DSは、タッチ検出パネル部4において、タッチを検出する領域を指定する処理と駆動信号Tsig1〜Tsig4を形成する処理を行う。
まず、検出信号処理部TSの概要について述べると、この検出信号処理部TSは、タッチ検出パネル部4からの検出信号Rx(0)〜Rx(p)を受信し、受信した検出信号Rx(0)〜Rx(p)を増幅するタッチ検出信号増幅部13と、タッチ検出信号増幅部13によって増幅されたアナログの検出信号をデジタル信号へ変換するアナログ/デジタル変換部(以下、A/D変換部と称する)14とを含んでいる。ここで、タッチ検出信号増幅部13は、受信した検出信号Rx(0)〜Rx(p)から高い周波数の成分(ノイズ成分)を取り除き、増幅動作を行う。また、検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、後で図2を用いて説明するが、共通電極TL(i)に供給される駆動信号に応答して発生する。そのため、A/D変換部14は、駆動信号に同期して、タッチ検出信号増幅部13からの増幅信号をサンプリングし、デジタル信号へ変換する。
図1には、駆動信号として、駆動信号Tx(i)と駆動信号Tsig1〜Tsig4とが示されているが、タッチ検出期間においては、駆動信号Tsig1〜Tsig4のいずれかが、駆動信号Tx(i)として、共通電極TL(i)に供給される。そのため、以下の説明においては、特に必要な場合を除き、タッチ検出駆動電極に供給される駆動信号を駆動信号Tsig1〜Tsig4として説明する。
検出信号処理部TSは、A/D変換部14による変換動作によって得られたデジタル信号を受信し、当該デジタル信号に対して信号処理を行う信号処理部15と、信号処理部15の処理によって得られた信号から、タッチした位置の座標を抽出する座標抽出部16とを有している。信号処理部15で行われる信号処理としては、A/D変換部14で行ったサンプリングの周波数よりも高い周波数のノイズ成分を取り除き、タッチ検出パネル部4におけるタッチの有無を検出する処理が含まれる。座標抽出部16により抽出されたタッチされた位置の座標は、制御部19へ供給される。この実施の形態1においては、共通電極TL(i)に、駆動信号を複数回供給し、駆動信号を供給する毎に発生する検出信号Rx(i)に基づいて、タッチされた位置の座標が抽出され、出力端子Toutから座標情報として出力される。
駆動処理部DSは、制御部19からの制御信号に応答して、共通電極TL(i)を駆動するための駆動信号Tsig1〜Tsig4を発生する駆動信号発生部17と、制御部19からの制御信号に応答して、状態信号(選択信号)Status1、Status2を発生する駆動領域指定部18とを備えている。
駆動信号発生部17は、制御部19からの制御信号に応答して、タッチ検出期間のとき、駆動信号Tsig1〜Tsig4を形成(発生)する。形成される駆動信号Tsig1〜Tsig4のそれぞれは、所定の周波数を有するクロック信号である。すなわち、駆動信号Tsig1〜Tsig4のそれぞれの電圧は、所定の周期で変化する。
駆動領域指定部18は、制御部19から供給される制御信号に従って、タッチ検出期間のとき、状態信号Status1、Status2を形成する。このとき、駆動領域指定部18において形成する状態信号Status1、Status2のそれぞれの論理値(電圧値)は、座標抽出部16から制御部19へ供給される処理結果に基づいて定められる。すなわち、制御部19は、座標抽出部16から供給された処理結果に基づいて、駆動領域指定部18が形成する状態信号Status1、Status2の論理値を指定する。
制御部19は、表示制御装置5の制御部9から出力されているタッチ−表示同期信号TSHDを受信し、このタッチ−表示同期信号TSHDがタッチ検出期間を表しているときに、駆動処理部DSが処理を行うように制御する。また、タッチ検出期間において、タッチ検出信号増幅部13が受信した検出信号Rx(0)〜Rx(p)を変換し、タッチした位置の座標が抽出されるように、A/D変換部14、信号処理部15および座標抽出部16を制御する。
<静電容量型タッチ検出(相互容量方式)の基本原理>
図2(A)〜(C)は、実施の形態1において用いられている静電容量型タッチ検出の基本原理を示す模式図である。図2(A)において、TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、液晶パネル2に設けられた共通電極であり、RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、タッチ検出パネル部4に設けられた検出電極である。図2(A)において、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、列方向に延在し、行方向に平行して配置されている。また、検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように、行方向に延在し、列方向に平行して配置されている。検出電極RL(0)〜RL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)との間に隙間が生じるように、検出電極RL(0)〜R(p)は、共通電極TL(0)〜TL(p)の上方に形成されている。
図2(A)において、12−0〜12−pのそれぞれは、駆動電極ドライバ12内に設けられている単位バッファを示している。すなわち、単位バッファ12−0〜12−pから、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)が出力される。また、13−0〜13−pのそれぞれは、タッチ検出信号増幅部13内の単位増幅部を示している。図2(A)において、実線の○で囲んだパルス信号は、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)となる駆動信号Tsig1〜Tsig4の電圧波形を示している。図2(A)では、駆動信号Tsig1の電圧波形のみが示されているが、駆動信号Tsig2〜Tsig4も同様な波形を有している。外部物体として、同図では、指がFGとして示されている。
状態信号Status1、Status2により指定された共通電極、この例では共通電極TL(2)に駆動信号Tsig1が駆動電極ドライバ12から駆動信号Tx(2)として供給される。共通電極TL(2)にクロック信号である駆動信号Tsig1を供給することにより、図2(B)に示すように、共通電極TL(2)と交差する検出電極RL(n)との間で電界が発生する。このとき、指FGが、液晶パネル2の共通電極TL(2)に近接している位置をタッチしていると、指FGと共通電極TL(2)との間でも電界が発生し、共通電極TL(2)と検出電極RL(n)との間で発生している電界が減少する。これにより、共通電極TL(2)と検出電極RL(n)との間の電荷量が減少する。その結果、図2(C)に示すように、駆動信号Tsig1の供給に応答して生じる電荷量は、指FGがタッチしているときは、タッチしていないときに比べてΔQだけ減少する。電荷量の差は、電圧の差として検出信号Rx(n)に表れ、タッチ検出信号増幅部13内の単位増幅部13−nに供給され、増幅される。
なお、図2(C)において、横軸は時間を示しており、縦軸は電荷量を示している。駆動信号Tsig1の立ち上がり、すなわち駆動信号Tx(2)の電圧の立ち上がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、上側に増加)し、駆動信号Tx(2)の電圧の立ち下がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、下側に増加)する。このとき、指FGのタッチの有無によって、増加する電荷量が変わる。また、この図面では、電荷量が、上側に増加した後、下側へ増加する前に、リセットが行われており、同様に、電荷量が下側へ増加した後、上側へ増加する前に、電荷量のリセットが行われている。このようにして、リセットされた電荷量を基準として、上下に電荷量が変化する。
状態信号Status1、Status2により指定した共通電極TL(0)〜TL(p)に、駆動信号Tsig1〜Tsig4を供給することにより、指定した共通電極と交差する複数の検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれから、それぞれの交差部分に近接した位置に指FGがタッチしているか否かに応じた電圧値を有する検出信号Rx(0)〜Rx(p)が出力されることになる。A/D変換部14(図1)は、指FGがタッチしているか否かにより、電荷量に差ΔQが生じている時刻において、検出信号Rx(0)〜Rx(p)のそれぞれをサンプリングし、デジタル信号へ変換する。
<モジュール>
図3(A)は、実施の形態1に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1を実装したモジュールの概略を示す平面図である。また、図3(B)は、図3(A)におけるB−B’の断面図である。
液晶パネル2は、同図において縦方向に延在し、横方向に並列的に配置された信号線SL(0)〜SL(p)と、これらの信号線SL(0)〜SL(p)の延在方向と同じ方向に延在する複数の共通電極TL(0)〜TL(p)とを具備している。すなわち、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれも、同図において縦方向に延在し、横方向に並列的に配置されている。なお、選択信号Vs0〜Vspが供給される走査線および検出信号Rx(0)〜Rx(p)を伝達する検出電極RL(0)〜RL(p)は、同図において、横方向に延在し、縦方向に並列的に配置されているが、図3(A)では省略されている。
図1で説明した表示制御装置5および信号線セレクタ6は、液晶パネル2の短辺側に配置されている。すなわち、表示制御装置5および信号線セレクタ6は、信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)と直交する方向に延在している。信号線セレクタ6は、液晶パネル2と同じ基板に形成されており、信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、信号線セレクタ6に接続されており、表示制御装置5から出力される画像信号および駆動信号は、信号線セレクタ6を介して液晶パネル2の信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)に供給されている。ここで、表示制御装置5から信号線セレクタ6へ供給される信号は、画像信号と、駆動信号と、選択信号である。液晶パネル2は、カラー表示を行うため、表示制御装置5から信号線セレクタ6へ供給される画像信号は、3原色に相当するR(赤)、G(緑)、B(青)の画像信号であり、同図ではR/G/Bとして示されている。また、同図では、駆動信号はTx(0)〜Tx(p)として示され、選択信号はSEL1、SEL2として示されている。
信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれは、ガラス基板であるTFT基板300の一主面に形成されている。図3に示したモジュールにおいては、1個の共通電極(例えば、共通電極TL(0))に対して、複数の信号線(例えば、信号線SL(0)0、SL(0)1)が対応しており、それぞれの信号線SL(0)0、SL(0)1は、画像信号R、G、Bに対応する3個の信号線を含んでいる。図3(B)には、信号線SL(0)0に含まれる画像信号R、G、Bに対応する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)と、信号線SL(1)に含まれる画像信号R、G、Bに対応する信号線SL(1)0(R)、SL(1)0(G)、SL(1)0(B)とが示されている。
ここで、本明細書で用いている、信号線の表記方法について説明をしておく。信号線SL(0)0(R)および信号線SL(1)0(R)を例にして説明すると、先ず()内の数字は、対応する共通電極の番号を示しており、次の数字は、対応する共通電極における画素の番号を示しており、()内の英字は、画素の三原色(R、G、B)を示している。すなわち、信号線SL(0)0(R)は、共通電極TL(0)に対応した信号線であり、0番目の画素で、三原色の赤に対応した画像信号を伝達する信号線を示している。同様に、信号線SL(1)0(R)は、共通電極TL(0)の隣に配置されたところの共通電極TL(1)に対応した信号線であり、0番目の画素で、三原色の赤に対応した画像信号を伝達する信号線を示している。そのため、図3(B)に示しているSL(1)1(R)およびSL(1)1(G)のそれぞれは、共通電極TL(1)に対応した信号線であり、1番目の画素の三原色の赤および緑に対応した画像信号を伝達する信号線を表していることになる。
図3(B)には、画像信号R、G、Bに対応する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)等の一主面と、TFT基板300の一主面には、さらに絶縁層301が形成され、絶縁層301上に共通電極TL(0)〜TL(p)が形成されている。これらの共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれには、補助電極SMが形成され、補助電極SMは、共通電極と電気的に接続され、共通電極の電気抵抗の低減を図っている。共通電極TL(0)〜TL(p)と補助電極SMの上面には、絶縁層302が形成され、絶縁層302の上面には画素電極LDPが形成されている。図3(B)において、CR、CB、CGのそれぞれは、カラーフィルタであり、カラーフィルタCR(赤)、CG(緑)、CB(青)と絶縁層302との間には液晶層303が挟まれている。ここで、画素電極LDPは、走査線と信号線との交点に設けられており、各画素電極LDPの上方に、それぞれの画素電極LDPに対応したカラーフィルタCR、CGあるいはCBが設けられている。各カラーフィルタCR、CG、CB間にはブラックマトリクスBMが設けられている。
図4は、検出電極RL(0)〜RL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)との関係を示す模式図である。図4(A)に示すように、カラーフィルタCR、CG、CBの上方面には、ガラス基板であるCFガラス基板400が設けられ、CFガラス基板400の上方面に、検出電極RL(0)〜RL(p)が形成されている。さらに、検出電極RL(0)〜RL(p)の上方には偏光板401が形成されている。なお、ここでは、図4(A)に示すように、同図において上側から目視される場合を例にしているため、上方面として述べているが、目視の方向が変わることにより、上方面は、下方面あるいは側方面となることは言うまでもない。また、図4(A)においては、検出電極RL(0)〜RL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)との間に形成される容量素子の電極が破線で描かれている。
図3(A)および図4(C)に示すように、信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、縦方向、すなわち長辺方向に延在し、横方向、すなわち短辺方向に並列に配置されている。これに対して、検出電極RL(0)〜RL(p)は、図4(B)に示すように、CFガラス基板400に設けられ、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように配置されている。すなわち、図4(B)において、横方向(短辺)に延在し、縦方向(長辺)に並列的に配置されている。この検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれからの検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、タッチ制御装置7へ供給される。
平面視で見た場合、図3(A)に示すように、信号線SL(0)〜SL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)は、平行して、延在していると見なすことができる。なお、ここで「平行して」とは、互いに一端から他端に亘るまで交わることなく延在することをいうのであって、一方の線の一部又は全部が他方の線に対して傾いた状態で設けられていたとしても、これらの線が一端から他端まで交わるものでなければ、この状態を「平行である」とする。
また、信号線セレクタ6および表示制御装置5を基点として、共通電極TL(0)〜TL(p)の配置を捉えた場合、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、基点である信号線セレクタ6および表示制御装置5から遠ざかる方向に延在していると見なすことができる。この場合、信号線SL(0)〜SL(p)も、基点である信号線セレクタ6および表示制御装置5から遠ざかる方向に延在していると見なすことができる。
なお、図4(A)では、図3(B)に示した信号線および画素電極LDPは省略されている。
(モジュールの全体構成)
図5は、タッチ検出機能付き液晶表示装置1を実装したモジュール500の全体構成を模式的に示す斜視図である。モジュール500においては、図3(B)で説明したように、液晶層303等を挟む様にして、CFガラス基板400が、TFT基板300に積層されている。図5においては、TFT基板300上に形成されている共通電極TL(0)〜TL(p)およびCFガラス基板400上に形成されている検出電極RL(0)〜RL(p)を明示するために、液晶層303等は省略されている。
この実施の形態1においては、図1で説明したタッチ制御装置7は、1個の半導体装置により構成されている。図5において、7は、図1に示したタッチ制御装置7を構成している半導体装置(以下、タッチ用半導体装置とも称する)を示している。タッチ用半導体装置7は、特に制限されないが、TFT基板300に固定されたフレキシブル基板501に固定されている。フレキシブル基板501には、コネクタ503が設けられており、このコネクタ503には、タッチ用のフレキシブル基板502の一方の端部が装着される。タッチ用のフレキシブル基板502の他方の端部は、CFガラス基板400に配置され、信号配線504を介して検出電極RL(0)〜RL(p)に電気的に接続されている。コネクタ501は、タッチ用半導体装置7の端子に接続されている。これにより、図1で説明したように、検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、タッチ用のフレキシブル基板502およびコネクタ503を介して、検出電極RL(0)〜RL(p)からタッチ用半導体装置7へ伝達される。
図1で説明した表示制御装置5は、特に制限されないが、1個の半導体装置(以下、ドライブ用半導体装置とも称する)と、複数の半導体素子とを組み合わせることにより構成されている。ここで述べている半導体素子は、後で説明するスイッチを構成する電界効果型トランジスタ(以下、MOSFETと称する)である。図5において、506は、図1で説明した表示制御装置5を構成するドライブ用半導体装置を示しており、TFT基板300に設けられている。この実施の形態1においては、ドライブ用半導体装置506は、Chip On Glass(COG)として形成されている。表示制御装置5を構成するために、ドライブ用半導体装置506と組み合わせられる半導体素子(MOSFET)は、この実施の形態1においては、モジュール500の小型化を図るために、ドライブ用半導体装置506とTFT基板300との間に挟まれるように、形成されている。すなわち、図5において、上面側からモジュール500を見たとき、ドライブ用半導体装置506によって、複数の半導体素子が覆われるように、半導体素子は配置されている。
表示制御装置5を構成するタッチ用半導体装置506および半導体素子は、フレキシブル基板501を介して、タッチ用半導体装置7の外部端子に電気的に接続されている。これにより、駆動信号Tsig1〜Tsig4および状態信号Status1、Status2が、タッチ用半導体装置7の外部端子から、表示制御装置を構成するタッチ用半導体装置506および半導体素子へ供給される。なお、図5においては、図1に示したゲートドライバ8および信号線セレクタ6は、省略されている。
図5においては、ドライバ用半導体装置506が1個の例を示しているが、勿論複数のドライバ用半導体装置を用いるようにしてもよいし、ドライバ用半導体装置506によって覆われるように配置されている半導体素子を、ドライバ用半導体装置506に内蔵させるようにしてもよい。
<液晶素子(画素)配列>
図6は、液晶パネル2の回路構成を示す回路図である。同図において、一点鎖線で示した複数個のSPixのそれぞれは、1個の液晶表示素子を示している。液晶表示素子SPixは、液晶パネル2において、行列状に配置され、液晶素子配列LCDを構成している。液晶素子配列LCDは、各行に配置され、行方向に延在する複数の走査線GL0〜GLpと、各列に配置され、列方向に延在する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)とを具備している。また、液晶素子配列LCDは、各列に配置され、列方向に延在する共通電極TL(0)〜TL(p)を有している。図6には、走査線GL0〜GL2と、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(1)0(R)、SL(1)0(G)、SL(1)0(B)と、共通電極TL(0)、TL(1)に関する液晶素子配列の部分が示されている。
図6においては、説明を容易にするために、共通電極TL(0)、TL(1)が、それぞれの列に配置されているように、示されているが、図3(A)および(B)において説明したように、複数の信号線に対して1個の共通電極が配置されているものと理解されたい。勿論、図6に示すように、液晶素子配列LCDのそれぞれの列に共通電極を配置してもよい。いずれにおいても、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、信号線と平行するように、液晶素子配列LCDの列に配置されている。
液晶素子配列LCDの行と列の交点に配置されたそれぞれの液晶表示素子SPixは、TFTガラス基板300に形成された薄膜トランジスタTrと、薄膜トランジスタTrのソースに一方の端子が接続された液晶素子LCとを具備している。液晶素子配列LCDにおいて、同じ行に配置された複数の液晶表示素子SPixの薄膜トランジスタTrのゲートは、同じ行に配置されている走査線に接続され、同じ列に配置された複数の液晶表示素子SPixの薄膜トランジスタTrのドレインは、同じ列に配置された信号線に接続されている。言い換えるならば、複数の液晶表示素子SPixが、行列状に配置され、各行には、走査線が配置され、走査線には、対応する行に配置された複数の液晶表示素子SPixが接続されている。また、各列には信号線が配置され、信号線には、対応する列に配置された液晶表示素子SPixが接続されている。また、同じ列に配置された複数の液晶表示素子SPixの液晶素子LCの他端は、列に配置された共通電極に接続されている。
図6に示した例で説明すれば、同図において、最上段の行に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのゲートは、最上段の行に配置された走査線GL0に接続されている。また、同図において、最も左側の列に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのドレインは、最も左側の列に配置された信号線SL(0)0(R)に接続されている。また、最も左側に列に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの液晶素子の他端は、図6においては、最も左側に配置された共通電極TL(0)に接続されている。先にも述べたように、1個の共通電極が、複数の信号線に対応している。そのため、図6に示した例では、共通電極TL(0)は、3列に対して共通の共通電極となっていると見なすことができる。
1個の液晶表示素子SPixが、先に述べた1個の副画素(サブ画素)に対応する。従って、3個の液晶表示素子SPixによって、R、G、Bの3原色の副画素が構成される。図6では、同じ行に、連続的に配置された3個の液晶表示素子SPixによって、1つの画素Pixが形成され、当該画素Pixにてカラーが表現されるものとなる。すなわち、図6において、600Rとして示されている液晶表示素子SPixが、R(赤)の副画素SPix(R)とされ、600Gとして示されている液晶表示素子SPixが、G(緑)の副画素SPix(G)とされ、600Bとして示されている液晶表示素子SPixが、B(青)の副画素SPix(B)とされる。そのために、600Rとして示されている副画素SPix(R)には、カラーフィルタとして赤色のカラーフィルタCRが設けられており、600Gの副画素SPix(G)には、カラーフィルタとして緑色のカラーフィルタCGが設けられており、600Bの副画素SPix(B)には、カラーフィルタとして青色のカラーフィルタCBが設けられている。
また、1つの画素を表す信号のうち、Rに対応する画像信号が、信号線セレクタ6から、信号線SL(0)0(R)に供給され、Gに対応する画像信号が、信号線セレクタ6から、信号線SL(0)0(G)に供給され、Bに対応する画像信号が、信号線セレクタ6から、信号線SL(0)0(B)に供給される。
各液晶表示素子SPixにおける薄膜トランジスタTrは、特に制限されないが、Nチャンネル型のMOSFETである。走査線GL0〜GLpには、例えばこの順番で順次ハイレベルとなるパルス状の走査信号Vs0〜Vsp(図1)が、ゲートドライバ8から供給される。すなわち、液晶素子配列LCDにおいて、上段の行に配置された走査線GL0から下段の行に配置された走査線GLpに向かって、走査線の電圧が、順次ハイレベルとなる。これにより、液晶素子配列LCDにおいて、上段の行に配置された液晶表示素子SPixから下段の行に配置された液晶表示素子SPixに向かって、液晶表示素子SPixにおける薄膜トランジスタTrが、順次オン状態となる。薄膜トランジスタTrがオン状態となることにより、そのとき信号線に供給されている画素信号が、オン状態の薄膜トランジスタを介して、液晶素子LCに供給される。液晶素子LCに供給された画素信号の値に従って、液晶素子LCにおける電界が変化し、その液晶素子LCを透過する光の変調が変わる。これにより、走査線GL0〜GLpに供給する走査信号Vs0〜Vspに同期して、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)に供給した画像信号に応じたカラー画像が、液晶パネル2に表示されることになる。
ここで、図3および図4に示したモジュールの配置と、図6に示した回路図との対応を述べておくと、次のようになる。液晶素子配列LCDは行に沿った2つの辺と列に沿った2つの辺とを有している。行に沿った2つの辺のうちの一方の辺に、図3および図4において示した信号線セレクタ6(図3)およびドライバ用半導体装置5(図4)が、配置される。すなわち、図6において、下側で、横方向に延在するように、信号線セレクタ6(図3)は、配置され、さらに信号線セレクタ6(図3)の下側にドライバ用半導体装置5(図4)が配置される。また、図1に示したゲートドライバ8は、液晶素子配列LCDの2つの列に沿った2辺にそれぞれ配置される。
1個の画素を構成する副画素の数が、3個の場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば上記RGBに加えて白(W)や黄色(Y)、又はRGBの補色(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のいずれか1色又は複数色を加えた副画素で1つの画素としてもよい。
1個の液晶表示素子が、1個のサブ画素に対応している。そのため、液晶表示素子をサブ画素と見なすことにより、液晶素子配列LCDは、画素配列と見なすこともできる。また、3個のサブ画素により1個の画素が構成されているため、液晶表示配列LCDは、行列状に配置された複数の画素により構成された画素配列とも見なすこともできる。
<液晶表示装置の構成の概要>
図7は、実施の形態1に係わる液晶表示装置の概略を示すブロック図である。同図において、700は、TFT基板300において共通電極TL(0)〜TL(p)が形成されている領域を示している。図7には、共通電極TL(0)〜TL(p)のうち、共通電極TL(0)〜TL(7)までの8本の共通電極が示されている。なお、この図7では、走査線GL0〜GLp、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)および検出電極RL(0)〜RL(p)は省略されている。
タッチ用半導体装置7は、タッチ検出期間において、駆動信号Tsig1〜Tsig4を出力する外部端子(駆動端子)として、4個の外部端子(駆動端子)TxP1〜TxP4を備えている。また、タッチ用半導体装置7は、タッチ検出期間において、状態信号Status1、Status2を出力するための外部端子として2個の外部端子StP1、StP2を備えている。タッチ検出期間において、4個の外部端子TxP1〜TxP4のそれぞれから、駆動信号Tsig1〜Tsig4が、出力され、駆動電極ドライバ12(図1)へ供給される。また、タッチ検出期間において、2個の外部端子StP1、StP2のそれぞれから、状態信号Status1、Status2がデコーダ回路20へ出力される。
この実施の形態1においては、特に制限されないが、ドライバ用半導体装置506が、図1に示した制御部9、信号線ドライバ11およびデコーダ回路20を含んでいる。図7には示していないが、駆動電極ドライバ12(図1)は、ドライバ用半導体装置506とTFT基板300との間に形成された半導体素子(MOSFET)によって、構成されている。この実施の形態1においては、駆動電極ドライバ12が、後で説明する選択回路TSC(第1選択回路)を含んでいる。説明の都合上、選択回路TSCは、図7に明示されているが、ドライバ用半導体装置506とTFT基板300との間に形成された半導体素子によって構成されているものと理解して頂きたい。また、図7において、共通電極TL(0)〜TL(7)およびドライバ用半導体装置506の配置は、実際の配置に合わせて描かれている。選択回路TSCとそれを覆うように設けられたドライバ用半導体装置506は、TFT基板300の短辺に沿った額縁に対応する領域に形成されている。
タッチ検出期間において、タッチ用半導体装置7から出力された状態信号Status1、Status2は、ドライバ用半導体装置506内のデコーダ回路20によってデコードされ、駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4が形成される。形成された駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4が、選択回路TSCに供給され、選択回路TSCは駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4によって制御される。選択回路TSCを制御すると言う観点で見た場合、駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4は、選択信号であると見なすことができる。
選択回路TSCは、互いに類似した構成を有する8個の単位選択回路UTS0〜UTS7を備えている。8個の単位選択回路UTS0〜UTS7のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(7)のそれぞれと1対1に対応している。例えば、単位選択回路UTS0は、共通電極TL(0)に対応し、単位選択回路UTS1は、共通電極TL(1)に対応している。以下同様にして、単位選択回路と共通電極とは、1対1に対応している。
駆動電極ドライバ12に含まれる選択回路TSCは、タッチ用半導体装置7の外部端子TxP1〜TxP4にそれぞれ接続された信号配線LTX1〜LTX4および電圧配線LVSを有している。この信号配線LTX1〜LTX4および電圧配線LVSも、実際の配置に合わせて描かれている。すなわち、信号配線LTX1〜LTX4および電圧配線LVSは、液晶素子配列LCD(図6)の行と平行して延在するように配置されている。
信号配線LTX1〜LTX4および電圧配線LVS、スイッチTS1〜TS4を、TFT基板300に設けられたディスプレイ表示用のテスト回路、例えばソース信号線のテスト回路と兼用することが好ましい。またこれらを含む選択回路TSCをドライバ用半導体装置と平面視で重畳するように重ねて配置することが好ましい。このようにすることで追加で設置する回路を減らせる他、額縁領域のレイアウトスペースを大幅に縮小することができる。
本実施形態においては、共通電極をソース信号線に平行な向きに延在するようにパターン分割させているため、パネルの上下方向から共通電極のタッチ駆動を行うことが可能な設計となっている。このため、タッチ用半導体装置から共通電極が制御できるとともに、額縁回路を低減させやすい設計となっている。
8個の単位選択回路UTS0〜UTS7のそれぞれは、それぞれに対応する共通電極TL(0)〜TL(7)と、信号配線LTX1〜LTX4と電圧配線LVSとの間に接続され、駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4の論理値に従って、対応する共通電極を信号配線LTX1〜LTX4または電圧配線LVSへ電気的に接続する。信号配線LTX1は、タッチ用半導体装置7の外部端子TxP1に接続され、信号配線LTX2は、タッチ用半導体装置7の外部端子TxP2に接続されている。以下、同様に、信号配線LTX3は、外部端子TxP3に、信号配線LTX3は、外部端子TxP4に接続されている。また、電圧配線LVSには、接地電圧Vsが供給されている。これにより、それぞれの単位選択回路UTS0〜UTS7には、信号配線LTX1〜LTX4を介して駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給され、電圧配線LVSを介して接地電圧Vsが供給される。
なお、この実施の形態1においては、行方向に延在する信号配線LTX1〜LTX4のそれぞれの両端が、タッチ用半導体装置7の外部端子TxP1〜TxP4に接続されている。これにより、信号配線LTX1〜LTX4における駆動信号Tsig1〜Tsig4の伝達が遅延するのを抑制することが可能とされている。また、電圧配線LVSについても、その両端が接地電圧Vsに接続されている。これにより、電圧配線LVSにおける接地電圧Vsの変動を抑制することが可能とされている。
<選択回路TSCの構成および動作>
図8は、デコーダ回路20(図1、図7)によるデコードを説明するための図である。図8において、Statusの欄は、状態信号Status1、Status2の論理値の組み合わせを示している。またTSW1〜TSW4のそれぞれは、状態信号Status1、Status2をデコードすることにより形成される駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4の電圧(ハイレベル=H、ロウレベル=L)を示している。
この実施の形態1においては、状態信号Status1、Status2のそれぞれの論理値が“0”、“0”のとき、デコーダ回路20によるデコード動作によって、駆動スイッチ信号TSW1がハイレベルH(論理値“1”)となり、駆動スイッチ信号TSW2〜TSW4のそれぞれがロウレベルL(論理値“0”)となる。同様に、デコーダ回路20によるデコード動作によって、状態信号Status1、Status2の論理値が“0”、“1”のときには、駆動スイッチ信号TSW2がハイレベルHとなり、残りの駆動スイッチ信号TSW1、TSW3およびTSW4はロウレベルLとなる。また、状態信号Status1、Status2の論理値が“1”、“0”のときには、駆動スイッチ信号TSW3がハイレベルHとなり、残りの駆動スイッチ信号TSW1、TSW2およびTSW4はロウレベルLとなる。さらに、態信号Status1、Status2のそれぞれの論理値が“1”、“1”のときには、駆動スイッチ信号TSW4がハイレベルHとなり、残りの駆動スイッチ信号TSW1〜TSW3はロウレベルLとなる。
駆動状態Driving Statusは、共通電極の駆動状態を示している。この実施の形態1においては、TFT基板300に配置された複数の共通電極TL(0)〜TL(7)が、全体または複数の領域に分割され、全体または分割された領域に対して、駆動信号が供給される。このような駆動信号の供給の状態が、共通電極の駆動状態として示されている。この実施の形態1においては、図7を例にすると、左側部分(共通電極TL(0)〜TL(3)を含む領域)、中央部分(共通電極TL(2)〜TL(5)を含む領域)および右側部分(共通電極TL(4)〜TL(7)を含む領域)に分割されている。勿論、全体は、共通電極TL(0)〜TL(7)を含む領域である。
図9は、図7に示した選択回路TSCの構成を詳しく示した回路図である。なお、図9においては、タッチ用半導体装置7およびドライブ用半導体装置506は、省略されている。また、図10〜図13のそれぞれは、図9に示した選択回路TSCと同じ回路を示しているが、駆動電極の駆動状態に応じたスイッチの状態が示されている。次に、図9〜図13を用いて、選択回路TSCの詳しい構成と動作を説明する。
先に述べたように、選択回路TSCは、複数の単位選択回路UTS0〜UTS7を有している。単位選択回路UTS0〜UTS7のそれぞれは、先に述べたように、互いに類似しているため、先ず単位選択回路UTS0を例にして構成を説明し、続いて、単位選択回路UTS0〜UTS7間の相違を説明する。
図9に示すように、単位選択回路UTS0は、それぞれ1対の端子を有し、選択信号の論理値に従って、1対の端子間を電気的に接続あるいは非接続とするスイッチTS1〜TS4を有している。特に制限されないが、選択信号が、例えば論理値“1”(ハイレベル)のとき、スイッチは1対の端子間を電気的に接続(導通、オン)し、選択信号が論理値“0”(ロウレベル)のとき、スイッチは1対の端子間を非接続(非導通、オフ)にする。特に制限されないが、スイッチTS1〜TS4はMOSFETにより構成されている。
スイッチTS1〜TS4のそれぞれの一方の端子は、対応する共通電極TL(0)に接続可能となっている。また、スイッチTS1には、駆動スイッチ信号TSW1が選択信号として供給され、スイッチTS2には、駆動スイッチ信号TSW2が選択信号として供給されている。さらに、スイッチTS3には、駆動スイッチ信号TSW3が選択信号として供給され、スイッチTSW4には、駆動スイッチ信号TSW4が選択信号として供給されている。これにより、スイッチTS1〜TS4は、それぞれに制御信号として供給されている駆動スイッチ信号SW1〜SW4の論理値に従って、導通または非導通となる。
単位選択回路UTS0においては、スイッチTS1およびTS2のそれぞれの他方の端子は、信号配線LTX1に接続され、スイッチTS3およびTS4のそれぞれの他方の端子は、電圧配線LVSに接続されている。これにより、単位選択回路UTS0は、駆動スイッチ信号TSW1またはTSW2が、論理値“1”のとき、駆動信号Tsig1を、対応する駆動電極TL(0)へ供給するようになる。一方、駆動スイッチ信号TSW3またはTSW4が、論理値“1”のとき、単位選択回路UTS1は、接地電圧Vsを、対応する駆動電極TL(0)へ供給することになる。
単位選択回路UTS1〜UTS7のそれぞれも、単位選択回路UTS0と同様に、それぞれの一方の端子が、対応する駆動電極TL(1)〜TL(7)に結合されたスイッチTS1〜TS4を有している。また、単位選択回路UTS0と同様に、スイッチTS1には、駆動スイッチ信号TSW1が選択信号として供給され、スイッチTS2には、駆動スイッチ信号TSW2が選択信号として供給され、スイッチTS3には、駆動スイッチ信号TSW3を選択信号として供給され、スイッチTS4には、駆動スイッチ信号TSW4が選択信号として供給されている。
単位スイッチUTS0〜UTS7の間で異なるのは、それぞれのスイッチTS1〜TS4の他方の端子が、異なる信号配線および電圧配線に接続されていることである。すなわち、単位選択回路UTS1におけるスイッチTS1の他方の端子は、信号配線LTX1に接続され、スイッチTS2の他方の端子は、信号配線LTX2に接続され、スイッチTS3およびTS4のそれぞれの他方の端子は、電圧配線LVSに接続されている。
また、単位選択回路UTS2におけるスイッチTS1の他方の端子は、信号配線LTX2に接続され、スイッチTS2の他方の端子は、信号配線LTX3に接続され、スイッチTS3の他方の端子は、信号配線LTX1に接続され、スイッチTS4の他方の端子は、電圧配線LVSに接続されている。単位選択回路UTS3におけるスイッチTS1の他方の端子は、信号配線LTX2に接続され、スイッチTS2の他方の端子は、信号配線LTX4に接続され、スイッチTS3の他方の端子は、信号配線LTX2に接続され、スイッチTS4の他方の端子は、電圧配線LVSに接続されている。
単位選択回路UTS4におけるスイッチTS1およびTS3の他方の端子は、信号配線LTX3に接続され、スイッチTS2の他方の端子は、電圧配線LVSに接続され、スイッチTS4の他方の端子は、信号配線LTX1に接続されている。単位選択回路UTS5におけるスイッチTS1の他方の端子は、信号配線LTX3に接続され、スイッチTS2の他方の端子は、電圧配線LVSに接続され、スイッチTS3の他方の端子は、信号配線LTX4に接続され、スイッチTS4の他方の端子は、信号配線LTX2に接続されている。
さらに、単位選択回路UTS6におけるスイッチTS1の他方の端子は、信号配線LTX4に接続され、スイッチTS2およびTS3の他方の端子は、電圧配線LVSに接続され、スイッチTS4の他方の端子は、信号配線LTX3に接続されている。単位選択回路UTS7におけるスイッチTS1およびTS4の他方の端子は、信号配線LTX4に接続され、スイッチTS2およびTS3の他方の端子は、電圧配線LVSに接続されている。
特に制限されないが、この実施の形態1においては、各共通電極TL(0)〜TL(7)間のピッチLpは、等しくなっている。すなわち、互いに隣接して配置された共通電極間の距離は、同じにされている。この実施の形態1においては、特に制限されないが、共通電極の中心線間の距離が、ピッチLpとして示されており、2mmとされている。
タッチ用半導体装置7から、論理値“0”、“0”の状態信号Status1、Status2が出力されると、図8に示したように、駆動スイッチ信号TSW1が、ハイレベル(論理値“1”)となり、残りの駆動スイッチ信号TSW2〜TSW4は、ロウレベル(論理値“0”)となる。これにより、図10に示すように、各単位選択回路UTS0〜UTS7のスイッチTS1が導通状態となり、残りのスイッチTS2〜TS4が非導通状態となる。そのため、単位選択回路UTS0およびUTS1は、信号配線LTX1に供給されている駆動信号Tsig1を、それぞれに対応する共通電極TL(0)、TL(1)へ伝達する。同様に、単位選択回路UTS2およびUTS3は、信号配線LTX2に供給されている駆動信号Tsig2を、それぞれに対応する共通電極TL(2)、TL(3)へ伝達し、単位選択回路UTS4およびUTS5は、信号配線LTX3に供給されている駆動信号Tsig3を、それぞれに対応する共通電極TL(4)、TL(5)へ伝達する。また、単位選択回路UTS6およびUTS7は、信号配線LTX4に供給されている駆動信号Tsig4を、それぞれに対応する共通電極TL(6)、TL(7)へ伝達する。
すなわち、駆動スイッチ信号TSW1が論理値“1”のときには、1つの駆動信号(例えば駆動信号Tsig1)が、互いに隣接して配置された2個の共通電極(例えば共通電極(TL(0)、TL(1))に対して、共通に伝達される。
駆動信号Tsig2についても、駆動スイッチ信号TSW1が論理値“1”のときには、単位選択回路UTS2〜UTS3を介して、互いに隣接して配置された共通電極TL(2)およびTL(3)へ伝達される。同様に、駆動信号Tsig3およびTsig4のそれぞれについても、駆動スイッチ信号TSW1が論理値“1”のときには、単位選択回路UTS4、UST5およびUTS6、UTS7を介して、互いに隣接して配置された共通電極TL(4)、TL(5)および共通電極TL(6)、TL(7)へ伝達される。
言い換えるならば、この実施の形態1においては、ピッチLpの2倍毎に、異なる駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給される。すなわち、図8において、駆動状態Driving Statusの欄に記載されているように、駆動信号は4mmピッチの間隔で供給された状態となる。この状態で、タッチ用半導体装置7が、4個の外部端子TxP1〜TxP4から駆動信号Tsig1〜Tsig4を出力することにより、8個の駆動電極TL(0)〜TL(7)全体に駆動信号を供給することが可能となる。すなわち、駆動電極の個数よりも少ない外部端子(駆動端子)で、全体のタッチ検出が可能となる。
状態信号Status1、Status2が、“0”、“1”のときには、駆動スイッチ信号TSW2はハイレベルとなり、残りの駆動スイッチ信号TSW1、TSW3およびTSW4は、ロウレベルとなる。駆動スイッチ信号TW2がハイレベルのときには、図11に示すように、それぞれの単位選択回路におけるスイッチTS2が導通状態となるため、単位選択回路UTS0は、駆動信号Tsig1を対応する共通電極TL(0)へ伝達し、単位選択回路UTS1は、駆動信号Tsig2を対応する共通電極TL(1)へ伝達し、単位選択回路UTS2は、駆動信号Tsig3を対応する共通電極TL(2)へ伝達し、単位選択回路UTS3は、駆動信号Tsig4を対応する共通電極TL(3)へ伝達する。このとき、単位選択回路UTS4〜UTS7のそれぞれは、接地電圧Vsを対応する共通電極TL(4)〜TL(7)へ伝達する。
すなわち、駆動スイッチ信号TSW2が論理値“1”とされたときには、図11において左側に配置され、互いに隣接して配置された4個の共通電極TL(0)〜TL(3)のそれぞれに、駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給されることになる。このとき、図11において、右側に配置され、互いに隣接して配置された4個の共通電極TL(4)〜TL(7)のそれぞれには、接地電圧Vsが供給されることになる。言い換えるならば、図11の左側においては、1ピッチLp(2mmピッチ)毎に、異なる駆動信号Tsig1〜Tsig4が、共通電極へ供給される。すなわち、図8において、駆動状態Driving Statusの欄に記載したように、駆動信号は2mmピッチで、左側部分(Partial L)へ供給される状態となる。
この時、接地電圧Vsが供給される右側部分の共通電極TL(4)〜TL(7)は、タッチ検出駆動の対象としないように設定することができる。
状態信号Status1、Status2が、“1”、“0”のときには、駆動スイッチ信号TSW3は論理値“1”となり、残りの駆動スイッチ信号TSW1、TSW2およびTSW4は、論理値“0”となる。駆動スイッチ信号TW3が論理値“1”のときには、図12に示すように、それぞれの単位選択回路におけるスイッチTS3が導通状態となるため、単位選択回路UTS2は、駆動信号Tsig1を対応する共通電極TL(2)へ伝達し、単位選択回路UTS3は、駆動信号Tsig2を対応する共通電極TL(3)へ伝達し、単位選択回路UTS4は、駆動信号Tsig3を対応する共通電極TL(4)へ伝達し、単位選択回路UTS5は、駆動信号Tsig4を対応する共通電極TL(5)へ伝達する。このとき、単位選択回路UTS0、UTS1、UTS6およびUTS7のそれぞれは、接地電圧Vsを対応する共通電極TL(0)、TL(1)、TL(6)およびTL(7)へ伝達する。
すなわち、駆動スイッチ信号TSW3が論理値“1”とされたときには、図12において中央に配置され、互いに隣接して配置された4個の共通電極TL(2)〜TL(5)のそれぞれに、駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給されることになる。このとき、図12において、左側および右側に配置され、互いに隣接して配置された4個の共通電極TL(0)、TL(1)およびTL(6)、TL(7)のそれぞれには、接地電圧Vsが供給されることになる。言い換えるならば、図12の中央においては、1ピッチLp(2mmピッチ)毎に、異なる駆動信号Tsig1〜Tsig4が、共通電極へ供給されることになる。すなわち、図8において、駆動状態Driving Statusの欄に記載したように、駆動信号は2mmピッチで、中央部分(Partial C)へ供給される状態となる。
この時、接地電圧Vsが供給される共通電極TL(0)、TL(1)、TL(6)、TL(7)は、タッチ検出駆動の対象としないように設定することができる。
次に、状態信号Status1、Status2が、“1”、“1”のときには、駆動スイッチ信号TSW4は論理値“1”となり、残りの駆動スイッチ信号TSW1〜TSW3は、論理値“0”となる。駆動スイッチ信号TW4が論理値“1”のときには、図13に示すように、それぞれの単位選択回路におけるスイッチTS4が導通状態となるため、単位選択回路UTS4は、駆動信号Tsig1を対応する共通電極TL(4)へ伝達し、単位選択回路UTS5は、駆動信号Tsig2を対応する共通電極TL(5)へ伝達し、単位選択回路UTS6は、駆動信号Tsig3を対応する共通電極TL(6)へ伝達し、単位選択回路UTS7は、駆動信号Tsig4を対応する共通電極TL(7)へ伝達する。このとき、図13において左側に配置された単位選択回路UTS0〜UTS3のそれぞれは、接地電圧Vsを対応する共通電極TL(0)〜TL(3)へ伝達する。
すなわち、駆動スイッチ信号TSW4が論理値“1”とされたときには、図13において右側に配置され、互いに隣接して配置された4個の共通電極TL(4)〜TL(7)のそれぞれに、駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給されることになる。このとき、図13において、左側に配置され、互いに隣接して配置された4個の共通電極TL(0)〜TL(3)のそれぞれには、接地電圧Vsが供給されることになる。言い換えるならば、図13の右側においては、1ピッチLp(2mmピッチ)毎に、異なる駆動信号Tsig1〜Tsig4が、共通電極へ供給されることになる。すなわち、図8において、駆動状態Driving Statusの欄に記載したように、駆動信号は2mmピッチで、右側部分(Partial R)へ供給される状態となる。
この時、接地電圧Vsが供給される左側部分の共通電極TL(0)〜TL(3)は、タッチ検出駆動の対象としないように設定することができる。すなわち、本発明では共通電極2本分のピッチで粗く全面を検出する全面検出モード(4mm PitchのDriving Status)と1本分の共通電極のピッチでパネルの一部分を細かく検出する部分検出モード(2mmのPartial R、C、LのDriving Status)とを実現することができ、検出結果に応じてこれらのタッチ検出モードの切り替えを行うことができる。
その結果タッチ検出速度の向上とタッチ検出精度の維持の両立を実現することができる。
タッチ検出期間において、タッチ用半導体装置7は、先ず、外部端子StP1、StP2から、論理値“0”、“0”を有する状態信号Status1、Status2を出力する。これにより、単位選択回路UTS0〜UTS7を有する選択回路TSCを介して、共通電極TL(0)〜TL(7)へ、駆動信号Tsig1〜Tsig4を供給することが可能な状態となる。この場合、この実施の形態1においては、互いに隣接して配置された2個の共通電極に対して、1個の駆動信号(例えば、Tsig1)が供給されることになる。そのため、図2において説明したように、駆動信号Tsig1の電圧の変化に応答して、検出電極RL(0)〜RL(p)における検出信号Rx(0)〜Rx(p)の電圧変化を検出することにより、共通電極TL(0)およびTL(1)の近傍がタッチされているか否かを検出することができる。
同様に、駆動信号Tsig2の電圧の変化に応答して、検出信号Rx(0)〜Rx(p)の変化を検出することにより、共通電極TL(2)およびTL(3)の近傍がタッチされているか否かを検出することができる。また、駆動信号Tsig3の電圧の変化に応答して、検出信号Rx(0)〜Rx(p)の変化を検出することにより、共通電極TL(4)およびTL(5)の近傍がタッチされているか否かを検出することができ、駆動信号Tsig4の電圧の変化に応答して、検出信号Rx(0)〜Rx(p)の変化を検出することにより、共通電極TL(6)およびTL(7)の近傍がタッチされているか否かを検出することができる。
このようにすることにより、タッチ用半導体装置7の外部端子TxP1〜TxP4の数よりも多い数の共通電極TL(0)〜TL(7)に対して、共通電極の近傍がタッチされているか否かの検出を行うことが可能である。
この実施の形態1においては、共通電極TL(0)〜TL(7)のいずれかの共通電極の近傍の位置がタッチされたことが検出された場合、検出された位置に応じて次の処理が行われる。すなわち、共通電極TL(0)〜TL(7)のうち、図7および図9において、左側に配置された共通電極TL(0)〜TL(3)の近傍がタッチされているか、右側に配置された共通電極TL(4)〜TL(7)の近傍がタッチされているか、中央に配置された共通電極TL(2)〜TL(5)の近傍がタッチされているかが判定される。この判定は、駆動スイッチ信号TSW1によって、各単位選択回路UTS0〜UTS7のそれぞれにおけるスイッチTS1を導通状態にして、駆動信号Tsig1〜Tsig4を、駆動電極TL(0)〜TL(7)へ供給したときの検出信号Rx(0)〜Rx(p)の変化により行うことができる。
すなわち、クロック信号である駆動信号Tsig1あるいはTsig2を、選択回路TSCを介して供給したときに、これに応答して発生する検出信号Rx(0)〜Rx(p)に信号の電圧変化が発生していれば、図7および図9において左側に配置された共通電極TL(0)〜TL(3)の近傍がタッチされていると判定することができる。また、クロック信号である駆動信号Tsig3あるいはTsig4を、選択回路TSCを介して供給したときに、これに応答して発生する検出信号Rx(0)〜Rx(p)に信号の変化が発生していれば、図7および図9において右側に配置された共通電極TL(4)〜TL(7)の近傍がタッチされていると判定することができる。同様に、駆動信号Tsig2あるいはTsig3を、選択回路TSCを介して供給したときに、これに応答して発生する検出信号Rx(0)〜Rx(p)に信号の変化が発生していれば、図7および図9において中央に配置された共通電極TL(2)〜TL(5)の近傍がタッチされていると判定することができる。この判定は、検出信号Rx(0)〜Rx(p)が供給されるタッチ用半導体装置7において行う。
このようにして、共通電極TL(0)〜TL(7)のうち、タッチされた近傍に配置されている共通電極を粗く判定したあと、タッチ用半導体装置7は、判定結果に従って、状態信号Status1、Status2の論理値を定める。
この実施の形態1においては、左側に配置された共通電極TL(0)〜TL(3)が、タッチされた位置の近傍に配置された共通電極を含んでいると判定した場合、タッチ用半導体装置7は、状態信号Status1、Status2の論理値を“1”、“0”にする。これにより、デコーダ回路20から、論理値“1”の駆動スイッチ信号TSW2が出力される。駆動スイッチ信号TSW2が論理値“1”となることにより、図11で説明したように、単位選択回路UTS0〜UTS3は、信号配線LTX1〜LTX4を対応する共通電極TL(0)〜TL(3)へ電気的に接続し、単位選択回路UTS4〜UTS7は、対応する共通電極TL(4)〜TL(7)を電圧配線LVSへ電気的に接続する。
単位選択回路UTS0〜UTS3が、対応する共通電極TL(0)〜TL(3)を電気的に信号配線LTX1〜LTX4へ接続した状態で、タッチ用半導体装置7は、例えば順次、クロック信号である駆動信号Tsig1〜Tsig4を、信号配線LTX1〜LTX4へ供給する。この駆動信号Tsig1〜Tsig4は、順次、共通電極TL(0)〜TL(3)に供給される。これにより、検出配線RL(0)〜RL(p)には、駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給されることにより、信号の変化が発生し、タッチされている位置を抽出することができる。すなわち、4個の駆動信号Tsig1〜Tsig4のうち、検出信号Rx(0)〜Rx(p)に信号の変化を起こさせた駆動信号を特定することにより、タッチされた位置の近傍に配置されている共通電極を特定し、検出信号Rx(0)〜Rx(p)のうち、信号が変化した検出信号を特定することにより、タッチされた位置の近傍に配置されている検出電極を特定することができる。
また、図7および図9において中央に配置された共通電極TL(2)〜TL(5)が、タッチされた位置の近傍に配置された共通電極を含んでいると判定した場合、タッチ用半導体装置7は、状態信号Status1、Status2の論理値を“0”、“1”にする。これにより、デコーダ回路20から、論理値“1”の駆動スイッチ信号TSW3が出力される。駆動スイッチ信号TSW3が論理値“1”となることにより、図12で説明したように、単位選択回路UTS2〜UTS5は、信号配線LTX1〜LTX4を対応する共通電極TL(2)〜TL(5)へ電気的に接続し、単位選択回路UTS0、UTS1、UTS6、UTS7は、対応する共通電極TL(0)、TL(1)、TL(6)、TL(7)を電圧配線LVSへ電気的に接続する。
単位選択回路UTS2〜UTS5が、対応する共通電極TL(2)〜TL(5)を電気的に信号配線LTX1〜LTX4へ接続した状態で、タッチ用半導体装置7は、例えば順次、クロック信号である駆動信号Tsig1〜Tsig4を、信号配線LTX1〜LTX4へ供給する。この駆動信号Tsig1〜Tsig4は、順次、共通電極TL(2)〜TL(5)に供給される。これにより、検出配線RL(0)〜RL(p)には、駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給されることにより、信号の変化が発生し、タッチされている位置を抽出することができる。すなわち、4個の駆動信号Tsig1〜Tsig4のうち、検出信号Rx(0)〜Rx(p)に信号の変化を起こさせた駆動信号を特定することにより、タッチされた位置の近傍に配置されている共通電極を特定し、検出信号Rx(0)〜Rx(p)のうち、信号が変化した検出信号を特定することにより、タッチされた位置の近傍に配置されている検出電極を特定することができる。
同様に、右側に配置された共通電極TL(4)〜TL(7)が、タッチされた位置の近傍に配置された共通電極を含んでいると判定した場合、タッチ用半導体装置7は、状態信号Status1、Status2の論理値を“1”、“1”にする。これにより、デコーダ回路20から、論理値“1”の駆動スイッチ信号TSW4が出力される。駆動スイッチ信号TSW4が論理値“1”となることにより、図13で説明したように、単位選択回路UTS4〜UTS7は、信号配線LTX1〜LTX4を対応する共通電極TL(4)〜TL(7)へ電気的に接続し、単位選択回路UTS0〜UTS3は、対応する共通電極TL(0)〜TL(3)を電圧配線LVSへ電気的に接続する。
単位選択回路UTS4〜UTS7が、対応する共通電極TL(4)〜TL(7)を電気的に信号配線LTX1〜LTX4へ接続した状態で、タッチ用半導体装置7は、例えば順次、クロック信号である駆動信号Tsig1〜Tsig4を、信号配線LTX1〜LTX4へ供給する。この駆動信号Tsig1〜Tsig4は、順次、共通電極TL(4)〜TL(7)に供給される。これにより、検出配線RL(0)〜Rl(p)には、駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給されることにより、信号の変化が発生し、タッチされている位置を抽出することができる。すなわち、4個の駆動信号Tsig1〜Tsig4のうち、検出信号Rx(0)〜Rx(p)に信号の変化を起こさせた駆動信号を特定することにより、タッチされた位置の近傍に配置されている共通電極を特定し、検出信号Rx(0)〜Rx(p)のうち、信号が変化した検出信号を特定することにより、タッチされた位置の近傍に配置されている検出電極を特定することができる。
このように、この実施の形態1においては、タッチされている位置の近傍に配置されている共通電極を粗く判定したあと、細かく判定を行い、共通電極の特定をしている。また、細かく判定を行う際に、この実施の形態1においては、2個の共通電極が、重なるように判定をしている。すなわち、共通電極TL(2)およびTL(3)は、左側に配置された共通電極TL(0)〜TL(3)から細かく判定するときと、中央に配置された共通電極TL(2)〜TL(5)から細かく判定するときの両方に含まれるようにされている。同様に、共通電極TL(4)およびTL(5)は、中央に配置された共通電極TL(2)〜TL(3)から細かく判定するときと、右側に配置された共通電極TL(4)〜TL(7)から細かく判定するときの両方に含まれるようにされている。このように、細かく判定する際に、重なる共通電極を設けることにより、タッチされた位置によって不検出となるのを防ぐことが可能となる。勿論、重なる共通電極は2個に限定されず、少なくとも1個あればよい。また、重なる共通電極を設けないようにしてもよい。重なる共通電極を設けないようにすることにより、駆動信号Tsig1〜Tsig4の数を同じ(4個)にした場合、共通電極の個数をさらに増やすことが可能である。
<液晶表示装置の要部構成>
図14は、実施の形態1に係わる液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。図14には、図9に示した選択回路TSCに加えて、共通電極TL(0)〜TL(7)と選択回路TSCとの間に接続されたレベルシフト&バッファLBが示されている。このレベルシフト&バッファLBは、選択回路TSCから供給される駆動信号に従って、共通電極TL(0)〜TL(7)を、交流的あるいは直流的に駆動する。駆動に際しては、供給されている駆動信号の電圧を変換して供給する。また、同図において縦方向に延在して配置されている共通電極TL(0)〜TL(7)を駆動することができるように、駆動能力を高めるようにバッファを有している。
選択回路TSCおよびレベルシフト&バッファLBは、特に制限されないが、図1に示した駆動電極ドライバ12に含まれ、図7に示したドライバ用半導体装置506に覆われるように、TFT基板300に形成されている。レベルシフト&バッファLBも、複数の単位レベルシフト&バッファ(以下、単位バッファと称する)ULB0〜ULBpにより構成されており、単位バッファULB0〜ULBpのそれぞれは、単位選択回路UTS0〜UTSpおよび共通電極TL(0)〜TL(p)に1対1に対応している。例えば、単位バッファULB0は、単位選択回路UTS0および共通電極TL(0)に対応しており、単位バッファULB7は、単位選択回路UTS7および共通電極TL(7)に対応している。図14においては、単位バッファULB0〜ULBpのうち、単位選択回路UTS0〜UTS7および共通電極TL(0)〜TL(7)に対応した単位バッファULB0〜ULB7のみが示されている。
単位バッファULB0〜ULBpのそれぞれは、互いに同様な構成を有している。単位バッファの構成例は、後で図15を用いて説明するが、単位バッファULB0〜ULBpのそれぞれは、対応する単位選択回路UTS0〜UTSpからの駆動信号を受信し、駆動信号に従って、対応する共通電極TL(0)〜TL(p)を駆動する。対応する単位選択回路から、タッチを検出する共通電極に対しては、クロック信号である駆動信号が、単位バッファに供給されるため、単位バッファは、交流的に共通電極を駆動することになる。一方、タッチを検出しない共通電極に対しては、例えば接地電圧Vsが、対応する単位選択回路から単位バッファへ供給されるため、単位バッファは、対応する共通電極に対して、直流的な電圧(接地電圧Vs)を供給することになる。
図14に示した単位選択回路UTS0〜UTS7は、図9に示した単位選択回路と同じであるため、その説明は省略する。
特に制限されないが、この実施の形態1においては、駆動信号Tsig1〜Tsig4を伝達する信号配線LTX1〜LTX4(図7)および駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4を伝達する信号配線は、液晶表示装置1の検査用にも用いられる。すなわち、検査用の信号配線とタッチを検出するために用いられる信号配線とが兼用されている。これにより、信号配線の増加による面積増加を抑制することが可能となる。
液晶表示装置1を検査するとき、特に制限されないが、制御部9(図1)が、駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4の代わりに、検査用スイッチ信号TTW1〜TTW4(図示せず)を、単位選択回路UTS0〜UTSp内のスイッチTS1〜TS4へ供給する。また、制御部9は、検査するとき、駆動信号Tsig1〜Tsig4の代わりに、検査用の検査信号を信号配線LTX1〜LTX4へ供給する。検査に際しては、検査用スイッチ信号TTW1〜TTW4のいずれかを、例えば論理値“1”にして、スイッチTS1〜TS4のいずれかを導通状態にする。これにより、導通状態にされたスイッチを介して、検査信号が、共通電極に供給されるようにすることが可能となる。また、検査信号は、共通電極ではなく、信号線SL(0)〜SL(p)に供給されるようにしてもよい。信号線SL(0)〜SL(p)に検査信号が供給されるようにすれば、検査の際に、検査信号に従った表示が、液晶表示装置1において表示されているか否かの検査を行うことが可能となる。
<液晶表示装置の構成>
図15は、液晶表示装置1の要部を示すブロック図である。同図には、図14で説明した単位バッファULB0、ULB1の詳細が示されている。また、図15には、単位バッファULB0、ULB1に関連する液晶パネル2の部分、信号線セレクタ6の部分も、模式的に示されている。模式的にではあるが、図15において、液晶パネル2、信号線セレクタ6および単位バッファULB0、ULB1の配置は、実際の配置に合わせて描かれている。また、図15には、図1では省略されていたが、第1表示/タッチ検出切換回路1500と第2表示/タッチ検出切換回路1501とが示されている。
第1表示/タッチ検出切換回路1500は、列に沿って延在する共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれの一端側に配置され、第2表示/タッチ検出切換回路1501は、延在する共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれの他端側に配置されている。すなわち、共通電極TL(0)〜TL(p)を挟むように、第1表示/タッチ検出切換回路1500と第2表示/タッチ検出切換回路1501が配置されている。第1表示/タッチ検出切換回路1500および第2表示/タッチ検出切換回路1501は、制御信号VCOMSELによって制御される複数のスイッチを有しており、表示期間においては、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに、所定の電圧VCOMDCを供給し、タッチ検出期間においては、共通電極と信号線SL(i)とを電気的に接続する。これにより、表示期間においては、列方向に延在する共通電極に対して、その両端から、所定の電圧VCOMDCが供給されることになり、表示期間において共通電極の電圧が変動するのを抑制することが可能となる。また、タッチ検出期間においては、信号線と共通電極とが電気的に並列的に接続されることになるため、共通電極での駆動信号の伝播遅延を低減することが可能となる。
ここで、制御信号VCOMSELは、特に制限されないが、制御部9(図1)によって形成される。例えば、制御部9は、タッチ検出期間において、制御信号VCOMSELを論理値“1”(ハイレベル)にし、表示期間において、制御信号VCOMSELを論理値“0”(ロウレベル)にする。このように、制御信号VCOMSELは、表示期間とタッチ検出期間を区別する制御信号であるため、タッチ−表示同期信号TSHDと同様に、タッチ−表示同期信号と見なすこともできる。
第1表示/タッチ検出切換回路1500は、複数の第1切換回路(図示せず)により構成されており、第2表示/タッチ検出切換回路1501も、複数の第2切換回路(図示せず)により構成されている。第1切換回路および第2切換回路のそれぞれの構成は、後で一例を説明するが、それぞれの共通電極TL(0)〜TL(p)に1対1に対応している。
図15には、図面を見易くするために、液晶素子配列LCD(図6)に配置された複数の液晶素子のうち、単位バッファULB0、ULB1に対応した列に配置され、2行分の液晶素子が示されている。すなわち、走査信号Vs0、Vs1が供給される2行分の液晶素子が示されている。
この実施の形態1においては、図15において横方向(液晶素子配列LCDにおいて、行方向)に配置された4個の画素に対して1個の共通電極が配置されている。図15に記載されている「R」、「G」、「B」のそれぞれは、副画素SPixを示している。従って、共通電極TL(0)は、図15において左側から4組の「R」、「G」、「B」に対して対応しており、同図において、縦方向(液晶素子配列において、列方向)に延在している。同様に、共通電極TL(1)は、図15において右側の4組の「R」、「G」、「B」に対応しており、縦方向(列方向)に延在している。
図15において、SP11〜SP16は、図1に示した駆動回路10内の信号線ドライバ11の端子を示している。図15に示すように、信号線ドライバ11の端子群SP11〜SP16は、複数組あり、それぞれの組の端子群SP11〜SP16は、1つの共通電極に対応する複数の画素の列、すなわち、行方向に配列された4個で、列方向に延在している複数の画素に対応している。例えば、図15において、左側に示されている組の端子群SP11〜SP16は、共通電極TL(0)に対応した複数の画素に対応している。これらの複数組の端子群SP11〜SP16には、制御部9から画像信号Snが、時分割で供給される。なお、図15では、図面が複雑になるのを避けるために、画像信号Snを1個の信号として示しているが、実質的に同時に複数の画像信号を供給することが可能となるように、複数の信号線であると理解されるべきものである。
第2表示/タッチ検出切換回路1501を介して、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、複数組の端子群SP11〜SP16または所定の電圧VCOMDCに接続される。第2表示/タッチ検出切換回路1501を構成する第2単位切換回路は、共通電極TL(0)〜TL(p)に1対1に対応しており、互いに同じ構成を有している、図15には、共通電極TL(0)および共通電極TL(1)にそれぞれ対応した2個の第2単位切換回路が示されている。第2単位切換回路は、それぞれ、共通ノードCと第1入出力ノードP1と第2入出力ノードP2を有するスイッチS31〜S36を有している。
スイッチS31〜S36のそれぞれには、制御信号VCOMSELが供給され、制御信号VCOMSELが論理値“1”のとき、共通ノードCが、入出力ノードP2に接続され、制御信号VCOMSELが論理値“0”のとき、共通ノードCが、入出力ノードP1に接続される。スイッチS31〜S36のそれぞれの入出力ノードP1は、所定の電圧VCOMDCが供給される電圧配線に接続され、入出力ノードP2は、対応する端子群SP11〜SP16内の端子に接続されている。また、スイッチS31〜S36のそれぞれの共通ノードCは、信号配線CTL1〜CTL6を介して、対応する共通電極TL(0)〜TL(p)に接続されている。図15に示した共通電極TL(0)を例にして説明すると、図15には、2個の第2単位切換回路が示されており、左側に示されている第2単位切換回路を構成するスイッチS31〜S36のそれぞれの共通ノードCは、信号配線CTL1〜CTL6を介して共通電極TL(0)に接続されている。
またこの左側に示されている第2単位切換回路を構成するスイッチS31〜S36のそれぞれの第1入出力ノードP1は、所定の電圧VCOMDCが供給される電圧配線に接続されている。一方、これらのスイッチS31〜S36のそれぞれの第2入出力ノードP2は、図15において左側に示されている端子群SP11〜SP16に接続されている。同様に、残りの第2単位切換回路も、対応する共通電極を、制御信号VCOMSELの論理値に従って、所定の電圧VCOMDCが供給される電圧配線または対応する端子群SP11〜SP16へ接続する。
図15には、図14に示した単位バッファULB0〜ULB7のうち、単位バッファULB0、ULB1の構成が、代表として示されている。単位バッファULB0〜ULB7のそれぞれは、同じ構成であるため、単位バッファULB0を例にして、その構成を説明する。単位バッファULB0は、インバータ回路IVと、スイッチS40〜S45と、スイッチS50〜55とを有している。インバータ回路IVと、スイッチS40〜S45には、この単位バッファULB0に1対1に対応した単位選択回路UTS0からの出力が供給され、スイッチS50〜S55には、インバータ回路IVの出力が供給されている。
スイッチS40〜S45のそれぞれは、1対のノードを有しており、対応する単位選択回路UTS0からの論理値に従って、1対のノード間を導通または非導通とする。スイッチS50〜S55のそれぞれも、1対のノードを有しており、インバータ回路IVからの論理値に従って、1対のノード間を導通または非導通とする。すなわち、スイッチS40〜S45とスイッチS50〜S55とは、対応する単位選択回路UTS0からの出力に従って、相補的に導通状態または非導通状態とされる。
ここで、スイッチS40〜S45のそれぞれの一方のノードは、所定の電圧TSVCOMが供給される電圧配線に接続され、それぞれの他方のノードは、対応する端子群SP11〜SP16内の端子に接続されている。また、スイッチS50〜S55の一方のノードは、所定の電圧VCOMDCが供給される電圧配線に接続され、それぞれの他方のノードは、対応する端子群SP11〜SP16内の端子に接続されている。例えば、単位バッファULB0を例にすると、この単位バッファULB0に対応する共通電極TL(0)が、タッチ検出期間に第2表示/タッチ検出切換回路1501を介して接続される端子群SP11〜SP16内の端子に、スイッチS40〜S45およびS50〜S55のそれぞれの他方のノードが接続されている。なお、表示期間においては、端子群SP11〜SP16に、ドライバ用半導体装置506から画像信号が供給され、共通電極TL(0)には、第2表示/タッチ検出切換回路1501を介して所定の電圧VCOMDCが供給される。すなわち、信号線と端子群SP11〜SP16は、タッチ検出と表示とにおいて兼用されている。
タッチ検出期間においては、対応する単位選択回路UTS0から、クロック信号である駆動信号が、単位選択回路UTS0の出力として、単位バッファULB0へ供給される。これにより、タッチ検出期間では、駆動信号に従って、スイッチS40〜S45とスイッチS50〜S55とが、相補的に導通/非導通となる。その結果として、タッチ検出期間においては、所定の電圧TSVCOMと所定の電圧VCOMDCとが、交互に、共通電極TL(0)へ供給されることになる。一方、タッチ検出期間において、共通電極TL(0)の近傍を検出しない場合には、接地電圧Vsが、対応する単位選択回路UTS0から単位バッファULB0へ供給される。そのため、この単位選択回路UTS0からの出力は、インバータ回路IVによって位相反転されて、スイッチS50〜S55に供給される。これにより、スイッチS50〜S55が導通状態となり、所定の電圧VCOMDCが、対応する共通電極TL(0)へ供給されることになる。
残りの単位バッファULB1〜ULBpについても、同様に、タッチ検出期間において、共通電極の近傍のタッチを検出する際には、対応する単位選択回路からクロック信号である駆動信号が供給されるため、対応する共通電極に対して、所定の電圧TSVCOMとVCOMDCとの間で電圧振幅が変化する信号が供給される。また、共通電極の近傍のタッチを検出しないときには、対応する単位選択回路から接地電圧Vsの出力が供給されるため、対応する共通電極に所定の電圧VCOMDCが供給される。
この実施の形態1においては、図9〜図13において説明したように、クロック信号である駆動信号を、連続して配置されている共通電極に対して順次供給するのではなく、共通電極を選んで、クロック信号である駆動信号を供給することが可能である。また、特に制限されないが、所定の電圧VCOMDCは、例えば接地電圧Vsであり、所定の電圧TSVOMは、0Vを超え、例えば6V以下の電圧とされる。そのため、タッチ検出期間において、近傍がタッチされているか否かを検出するために使われる共通電極には、接地電圧Vsと例えば6Vの電圧との間で、電圧が変化する駆動信号が供給されることになる。
信号線セレクタ6は、制御部9からの選択信号SEL1、SEL2によってオン/オフ制御される複数組のスイッチS11、S12およびスイッチS21、S22を有している。スイッチS11、S12とスイッチS21、S22とは、表示パネル2に画像を表示する際、相補的にオン/オフするように制御される。すなわち、スイッチS11とスイッチS12とが、選択信号SEL1によってオン状態にされているとき、スイッチS21、S22は、制御信号SEL2によってオフ状態とされる。反対に、スイッチS21、S22がオン状態にされているとき、スイッチS11、S12はオフ状態とされる。
時分割で、端子SP11〜SP16へ供給された画像信号は、スイッチS11、S12およびスイッチS21、S22によって、適切な信号線へ供給される。例えば、同図において最も左側に示した端子SP11には、特定の1つの画素における副画素SPix(R)に供給されるべき画像信号と、当該1つの画素における副画素SPix(B)に供給されるべき画像信号とが、時分割で供給される。また、当該端子SP11の隣の端子SP12には、当該1つの画素における副画素SPix(G)に供給されるべき画像信号と、当該1つの画素の右隣の画素における副画素SPix(R)に供給されるべき画像信号とが時分割で供給される。選択信号SEL2によって、スイッチS21とS22とがオン状態にされると共に、選択信号SEL1によって、スイッチS11とS12とがオフ状態にされると、端子SP11に供給されている画像信号は、信号線SL(0)0(R)に供給されると共に、端子SP12に供給されている画像信号は、スイッチS22を介して信号線SL(0)0(G)に供給される。
次に、選択信号SEL1によって、スイッチS11、S12がオン状態にされると共に、選択信号SEL2によって、スイッチS21とS22とがオフ状態にされると、端子SP11に供給されている画像信号は、信号線SL(0)0(B)に供給され、同時に、端子SP12に供給されている画像信号は、信号線SL(0)1(R)に供給される。
これにより、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)には、1画素に対応した3個の副画素の画像信号が供給されることになる。また、右隣の信号線SL(0)1(R)にも、画像信号が供給されることになる。図6に示したように信号線セレクタ6は、液晶パネル2に近接して配置されている。このように、時分割で画像信号を、駆動回路10から信号線セレクタ6に供給するようにしたことで、信号配線の数を低減させることが可能となる。言い換えるならば、当該信号配線の幅を大きくし、当該信号配線での画像信号の遅延を低減することが可能となる。なお、図15では、図面が複雑になるのをさけるために、信号線SL(0)0(R)は、※1で示しており、信号線SL(0)0(G)は、※2で示しており、信号線SL(0)0(B)は、※3で示しており、信号線SL(0)1(R)は、※4で示している。
第1表示/タッチ検出切換回路1500を構成する複数の第1切換回路のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに1対1で対応している。複数の第1切換回路のうち、図15には、共通電極TL(0)、TL(1)に対応した第1切換回路のみが示されている。複数の第1切換回路も互いに同じ構成を有しているため、ここでは共通電極TL(0)に対応する第1切換回路を代表として、その構成および動作を説明する。共通電極TL(0)に対応する第1切換回路は、制御信号VCOMSELによってスイッチ制御されるスイッチS100〜S103およびスイッチS110〜S121と、共通配線CMLとを備えている。
共通配線CMLは、対応する共通電極TL(0)に接続されている。スイッチS100〜S103のそれぞれは、所定の電圧VCOMDCが供給される電圧配線と、共通配線との間に並列的に接続されている。また、スイッチS110〜S121のそれぞれは、共通配線CMLと対応する信号線との間に接続されている。例えば、スイッチS110は、共通配線CMLと、信号線SL(0)0(R)との間に接続され、スイッチS111は、共通配線CMLと、信号線SL(0)0(G)との間に接続され、スイッチS112は、共通配線CMLと、信号線SL(0)0(B)との間に接続され、スイッチS113は、共通配線CMLと、信号線SL(0)1(R)との間に接続されている。
スイッチS100〜S103と、スイッチS110〜S121とは、制御信号VCOMSELによって、相補的に導通/非導通となるように制御される。この場合、タッチ検出期間においては、スイッチS110〜S121のそれぞれが導通状態となり、スイッチS100〜S103のそれぞれは非導通状態となるように制御される。一方、表示期間においては、スイッチS110〜S121のそれぞれが非導通状態となり、スイッチS100〜S103のそれぞれは導通状態となるように制御される。これにより、タッチ検出期間においては、スイッチS110〜S121のそれぞれを介して、信号線が共通配線CMLに接続されることになり、共通電極TL(0)の一方の端部において、複数の信号線と共通電極TL(0)とが電気的に接続されることになり、共通電極TL(0)での駆動信号の伝搬遅延を抑制することが可能となる。また、表示期間においては、スイッチS100〜S103のそれぞれを介して、共通電極TL(0)に所定の電圧VCOMDCが供給されることになり、共通電極TL(0)の電圧変動を抑制することが可能となる。
この実施の形態1によれば、表示パネル2に配置される共通電極TL(0)〜TL(p)の数に比べて、タッチ用半導体装置7に設けられている駆動信号出力用の外部端子TxP1〜TxP4の個数を少なくすることが可能である。これにより、液晶表示装置の小型化が可能となる。また、状態信号Status1、Status2および駆動信号Tsig1〜Tsig4によって、任意の共通電極へ駆動信号を供給することが可能であるため、粗く検出したあと、検出結果に従って細かく検出を行うことが可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1においては、実施の形態1と異なるタッチ検出方式が採用されている。先ず、この実施の形態2において採用されているタッチ検出方式について、その原理を説明する。
<静電容量型タッチ検出(自己容量方式)の基本原理>
図16(A)〜(C)は、自己容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための説明図である。図16(A)において、TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、列方向に延在し、行方向に並列的に配置された共通電極であり、RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように配置された検出電極である。検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように、行方向に延在し、列方向に並列的に配置されている。また、共通電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)は、平面視においては、交差して見えるが、互いに電気的に接触しないように、共通電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)との間には、絶縁層が介在している。
ここでは、説明の都合上、TL(0)〜TL(p)を共通電極とし、RL(0)〜RL(p)を検出電極とするが、共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれには、駆動信号が供給され、共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)から検出信号が出力される。そのため、外部物体のタッチを検出すると言う観点で見た場合には、共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)は、ともに検出電極であると見なすことができる。
自己容量方式のタッチ検出においては、共通電極TL(0)〜TL(p)を用いた検出原理も、検出電極RL(0)〜RL(p)を用いた検出原理も同じである。以下、図16(B)および(C)の説明においては、共通電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)とを、纏めて検出電極とする。
検出電極(共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p))のそれぞれには、接地電圧との間で寄生容量が存在する。外部物体として、例えば指FGが、検出電極の近傍をタッチすると、図16(B)に示すように、検出電極と指FGとの間で電界が発生する。言い換えるならば、指FGが近接することにより、検出電極と接地電圧との間に接続される容量が増加する。そのため、図16(B)において、○で囲んだように、電圧がパルス状に変化する駆動信号を、検出電極に供給すると、検出電極と接地電圧との間に蓄積される電荷量が、検出電極の近傍をタッチしているか否かによって変化する。
図16(C)には、指FGが、検出電極の近傍をタッチしているか否かにより、検出電極に蓄積される電荷量の変化が示されている。指FGが検出電極の近傍をタッチした場合、検出電極に接続される容量が増加するため、パルス状の駆動信号を、検出電極に供給したとき、検出電極に蓄積される電荷量が、タッチしていない場合に比べてΔQだけ増加する。図16(C)において、横軸は時間を示し、縦軸は電荷量を示している。また、図16(C)において破線は、タッチしたときの電荷量の変化を示している。駆動信号を検出電極に供給したときに、その検出電極に蓄積されている電荷量の差ΔQを検出することによって、検出電極の近傍がタッチされているか否かの検出をすることが可能となる。
<タッチ制御装置の構成>
図17は、タッチ制御装置(タッチ用半導体装置)の構成を示すブロック図である。図17には、図1に示したタッチ制御装置(タッチ用半導体装置)7と異なる部分のみが示されている。実施の形態2におけるタッチ用半導体装置1600においては、図1に示したタッチ検出増幅部13の代わりにタッチ検出信号増幅部1601が設けられている。図1に示したA/D変換部14、信号処理部15、座標抽出部16、駆動信号発生部17、駆動領域指定部18および制御部19は、実施の形態1と同様である。そのため、図16においては、A/D変換部14、信号処理部15、座標抽出部16および制御部19は、省略されている。また、図17において、TxP1(IO)〜TxP4(IO)のそれぞれは、外部端子を示している。実施の形態1においても、図7に示したように、4個の外部端子TxP1〜TxP4が設けられていたが、この実施の形態2においては、4個の外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)は、入出力に共通な外部端子(共通端子)とされている。すなわち、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)は、入力用の外部端子として機能するとともに、出力用の外部端子としても機能する。
図1では省略していたが、図17では、制御部19から駆動信号発生部17および駆動領域指定部18へ供給される制御信号Tc1、Tc2が明示されている。また、駆動信号発生部17には、クロック信号φが供給されていることも明示されている。駆動信号発生部17は、制御部19からの制御信号Tc1に従って、駆動信号Tsig1〜Tsig4を形成する。すなわち、クロック信号φを、制御信号Tc1によって指定された駆動信号Tsig1〜Tsig4として形成する。具体的には、制御信号Tc1によって駆動信号Tsig1が指定された場合、クロック信号φを駆動信号Tsig1として形成し、制御信号Tc1によって駆動信号Tsig2が指定された場合、クロック信号φを駆動信号Tsig2として形成する。同様に、制御信号Tc1によって駆動信号Tsig3が指定された場合、クロック信号φを駆動信号Tsig3として形成し、制御信号Tc1によって駆動信号Tsig4が指定された場合、クロック信号φを駆動信号Tsig4として形成する。この場合、指定されていない駆動信号については、それらの駆動信号を例えば接地電圧Vsにする。さらに、制御信号Tc1によって、駆動信号Tsig1〜Tsig4のそれぞれが指定された場合には、クロック信号φを駆動信号Tsig1〜Tsig4として、駆動信号発生部17は形成する。
駆動信号発生部17により形成された駆動信号Tsig1〜Tsig4は、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)へ供給され、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)から出力される。すなわち、この期間においては、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)は、出力端子として機能する。
タッチ検出信号増幅部1601は、信号配線LTX1〜LTX4からの検出信号TxD1〜TxD4を、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)を介して受信し、共通電極の近傍がタッチされているか否かにより生じる電荷量の変化を電圧の変化として増幅し、図1に示したA/D変換部14へ出力する。すなわち、この期間においては、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)は、入力端子として機能する。
外部端子TxP1(IO)は、駆動信号Tsig1を出力する出力端子および検出信号TxD1を受信する入力端子として機能し、外部端子TxP2(IO)は、駆動信号Tsig2を出力する出力端子および検出信号TxD2を受信する入力端子として機能する。同様に、外部端子TxP3(IO)は、駆動信号Tsig3を出力する出力端子および検出信号TxD3を受信する入力端子として機能し、外部端子TxP4(IO)は、駆動信号Tsig4を出力する出力端子および検出信号TxD4を受信する入力端子として機能する。すなわち、この実施の形態2において、駆動信号を出力する外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)の個数は、4個であり、検出信号を受信する外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)の個数も4個である。図17では、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)が、入出力端子とされているが、それぞれ、出力用の外部端子と入力用の外部端子を4個ずつ設けるようにしてもよい。
駆動領域指定部18は、制御部19から供給される制御信号Tc2に従って、図8で説明したような状態信号Status1、Status2を形成し、外部端子StP1、StP2から出力する。
外部入出力端子TxP1(IO)は、図14に示した信号配線LTX1に接続され、外部入出力端子TxP2(IO)は、信号配線LTX2に接続され、外部入出力端子TxP3(IO)は、信号配線LTX3に接続され、外部入出力端子TxP4(IO)は、信号配線LTX4に接続される。また、外部端子StP1およびStP2は、実施の形態1と同様に、デコーダ回路20(図7)に接続され、駆動領域指定部18により形成された状態信号Status1、Status2は、デコーダ回路20によりデコードされる。このデコードにより、実施の形態1と同様に、駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4が形成され、駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4は、図7に示されているように、各単位選択回路UTS0〜UTS7のスイッチTS1〜TS4へ、スイッチ制御信号として供給される。
<液晶表示装置の構成>
この実施の形態2においては、レベルシフト&バッファLB(図14)の構成が、実施の形態1と異なっている。すなわち、レベルシフト&バッファLBを構成する複数の単位バッファの構成が、実施の形態1と異なっている。
図18は、この実施の形態2に係わる液晶表示装置1の要部を示すブロック図である。図18は、図15と同様に、図14に示した単位バッファの構成をより詳しく示している。図18に示した液晶表示装置の要部は、図15に示した液晶表示装置の要部と類似している。そのため、ここでは、図15と異なる部分を主に説明し、同じ部分について原則説明を省略する。
図15と図18との間で異なる部分は、レベルシフト&バッファLBを構成する複数の単位バッファの構成である。また、この実施の形態2においては、自己容量方式のタッチ検出が採用されており、タッチ用半導体装置7の外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)が入出力端子とされており、タッチ検出期間においては、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)から、信号配線LTX1〜LTX4に対して駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給される。この駆動信号の供給に応答して、その近傍がタッチされた共通電極における電圧の変化が、信号配線LTX1〜LTX4を介して、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)へ伝えられ、タッチ用半導体装置7内のタッチ検出信号増幅部1601(図17)により増幅される。
図18の説明に戻って、液晶表示装置1の構成を説明する。図18には、図15と同様に、複数の単位バッファのうち、共通電極TL(0)、TL(1)に対応する単位バッファULB0、ULB1のみが示されている。レベルシフト&バッファLBを構成する複数の単位バッファの構成は、互いに同じであるため、図18に示した単位バッファULB0を代表として、説明する。
共通電極TL(0)に対応した単位バッファULB0は、自己容量方式を示す制御信号SelfENを受け、位相反転した制御信号を出力するインバータ回路IV2と、インバータ回路IV2の出力によってスイッチ制御されるスイッチS60〜S65と、制御信号SelfENによってスイッチ制御されるスイッチS70〜S75とを備えている。特に制限されないが、制御信号SelfENは、制御部9(図1)により形成される。制御部9は、自己容量方式のタッチ検出期間のとき、制御信号SelfENを論理値“1”(ハイレベル)にし、表示期間のときには、制御信号SelfENを論理値“0”(ロウレベル)にする。
単位バッファULB0に含まれるスイッチS60〜S65およびS70〜S75のそれぞれは、1対のノードと制御ノードとを有しており、制御ノードに論理値“1”の制御信号が供給されることにより、1対のノード間を導通状態とし、論理値“0”の制御信号が供給されることにより、1対のノード間を非導通状態とする。スイッチS70〜S75のそれぞれの1対のノードのうちの一方のノードは、ノードN1に接続され、他方のノードは、対応する端子群SP11〜SP16内の端子に接続されている。また、スイッチS60〜S65のそれぞれの1対のノードのうちの一方のノードは、所定の電圧VCOMDCが供給される電圧配線に接続され、他方のノードは、対応する端子群SP11〜SP16内の端子に接続されている。さらに、ノードN1には、対応する単位選択回路UTS0の出力と接続されている。ノードN1は、駆動信号を入力する入力ノードおよび検出信号を出力する出力ノードとして機能するため、入出力ノードと見なすとこができる。
制御信号SelfENを論理値“1”にして、自己容量方式のタッチ検出期間が指定されると、単位バッファULB0内のスイッチS60〜S65のそれぞれの制御ノードには、インバータ回路IV2によって位相差反転された制御信号SelfENが供給されるため、スイッチS60〜S65のそれぞれは非導通状態となる。これに対し、スイッチS70〜S75のそれぞれの制御ノードには、論理値“1”の制御信号SelfENが供給されるため、スイッチS70〜S75のそれぞれは導通状態となる。これにより、入出力ノードN1は、スイッチS70〜S75のそれぞれを介して、端子群SP11〜SP16に電気的に接続される。
タッチ検出期間においては、状態信号Status1、Status2に従って、単位選択回路UTS0内のスイッチTS1〜TS4のいずれか1個が導通状態にされる。これにより、単位選択回路UTS0を介して、信号配線LTX1または電圧配線LVS(図14)が、単位バッファULB0の入出力ノードN1に電気的に接続され、さらに対応する端子群SP11〜SP16に電気的に接続されることになる。
タッチ検出期間においては、例えば、共通電極TL(0)をタッチ検出用に用いるために、状態信号Status1、Status2により、単位選択回路UTS0内のスイッチTS1またはTS2が導通状態にされ、駆動信号発生部17(図17)が、クロック信号φを駆動信号Tsig1として形成し、入出力端子TxP1(IO)へ供給する。これにより、駆動信号Tsig1(クロック信号φ)が、信号配線LTX1に供給され、信号配線LTX1における駆動信号Tsig1は、単位選択回路UTS0および単位バッファULB0を介して、共通電極TL(0)に対応する端子群SP11〜SP16に供給され、さらに共通電極TL(0)に伝達される。
共通電極TL(0)にクロック信号φである駆動信号Tsig1が伝達されると、この駆動信号Tsig1の電圧変化に応答して、共通電極TL(0)における電圧が、変化する。この変化は、先に図16で説明したように、共通電極TL(0)の近傍がタッチされているか否かにより変化量が異なる。
近傍がタッチされているか否かによって生じる、共通電極TL(0)における電圧変化は、この共通電極TL(0)に対応する端子群SP11〜SP16に伝達される。端子群SP11〜SP16に伝達された電圧変化は、単位バッファUTL0内のスイッチS70〜S75のそれぞれを介して、ノードN1へ伝達される。さらにノードN1に伝達された電圧変化は、単位選択回路UTS0内のスイッチTS1またはTS2を介して、信号配線LTX1へ伝達され、さらにタッチ制御装置7の外部端子TxP1(IO)へ伝達される。
外部端子TxP1(IO)へ伝達された電圧変化は、タッチ検出信号増幅部1601(図17)に入力され、増幅されて、A/D変換部4へ供給される。これにより、共通電極TL(0)の近傍がタッチされているか否かの検出を行うことが可能となる。
特に制限されないが、図17に示されているように、タッチ検出信号増幅部1601には、駆動信号発生部17から制御信号が供給されている。駆動信号発生部17が、クロック信号φを駆動信号Tsig1として形成したタイミングが、制御信号によってタッチ検出信号増幅部1601へ通知される。特に制限されないが、タッチ検出信号増幅部1601は、この通知されたタイミングから所定時間経過したタイミングで、外部入出力端子TxP1(IO)における電圧変化を検出する。これにより、駆動信号Tsig1に応答して生じた検出信号(電圧変化)を、タッチ検出信号増幅部1601は、増幅を行うことが可能とされている。
共通電極TL(0)を、タッチ検出用に用いない場合には、状態信号Status1、Status2により、単位選択回路UTS0内のスイッチTS3またはTS4が導通状態とされる。これにより、タッチ検出期間において、共通電極TL(0)には、単位選択回路UTS0および単位バッファULB0を介して、電圧配線LVSが電気的に接続されることになり、共通電極TL(0)には接地電圧Vsが供給されることになる。
図18に示した単位バッファUTS1および図示しない単位バッファUTS2〜UTSpのそれぞれも、上記した動作を行う。これにより、実施の形態1と同様に、粗く検出を行い、その後で細かく検出を行う。
タッチ検出期間において、粗く検出を行う場合、図10および図18に示すように、例えば共通電極TL(0)は、単位選択回路UTS0および単位バッファULB0を介して信号配線LTX1に接続され、共通電極TL(1)は、単位選択回路UTS1および単位バッファULB1を介して信号配線LTX1に接続されることになる。すなわち、互いに近接して配置された共通電極TL(0)とTL(1)とが、同じ信号配線LTX1に接続され、さらに同じ外部端子TxP1(IO)に接続されることになる。駆動信号発生部17(図17)により形成された駆動信号Tsig1(クロック信号φ)は、互いに近接して配置された共通電極TL(0)およびTL(1)に伝達される。
共通電極TL(0)あるいはTL(1)の近傍がタッチされていると、駆動信号Tsig1が供給されたとき、タッチの有無に応じて共通電極TL(0)あるいはTL(1)の電圧変化量が変わる。共通電極TL(0)あるいはTL(1)における電圧変化量の変化が、信号配線LTX1の電圧変化量の変化として現れる。すなわち、信号配線LTX1の電圧変化量は、共通電極TL(0)における電圧変化量と共通電極TL(1)における電圧変化量との合成として表れる。信号配線LTX1における電圧変化量の変化が外部端子TxP1(IO)に伝達され、タッチ検出信号増幅部1601(図17)で増幅されることになる。
粗く検出を行う場合、残りの共通電極、例えば図10では、共通電極TL(2)とTL(3)、TL(4)とTL(5)、TL(6)とTL(7)は、同じ信号配線LTX2、LTX3、LTX4に接続され、これらに信号配線LTX2〜LTX4を用いて、上記した信号配線LTX1と同様に駆動信号Tsig2、Tsig3、Tsig4の伝達と、電圧変化量の伝達が行われる。この場合、自己容量方式であるため、信号配線LTX1〜LTX4に対して、実質的に同時に、駆動信号Tsig1〜Tsig4を供給し、実質的に同時に電圧変化の検出を行うことが可能である。
一方、タッチ検出期間において、細かく検出を行う場合、例えば左側の領域を検出する図11を例にすると、次のようになる。すなわち、信号配線LTX1は、単位選択回路UTS0および単位バッファULB0を介して、共通電極TL(0)に接続され、信号配線LTX2は、単位選択回路UTS1および単位バッファULB1を介して、共通電極TL(1)に接続される。同様に、信号配線LTX3は、単位選択回路UTS2および単位バッファULB2を介して、共通電極TL(2)に接続され、信号配線LTX4は、単位選択回路UTS3および単位バッファULB3を介して、共通電極TL(3)に接続される。
この場合、駆動信号発生部17によって、クロック信号φを駆動信号Tsig1〜Tsig4として形成し、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)へ供給する。これにより、クロック信号φである駆動信号Tsig1〜Tsig4は、対応する信号配線LTX1〜LTX4に伝達され、対応する共通電極TL(0)〜TL(3)へ供給されることになる。共通電極TL(0)〜TL(3)へ駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給されることにより、それぞれの近傍がタッチされているか否かに応じた電圧変化量の変化が、共通電極TL(0)〜TL(3)に発生し、信号配線LTX1〜LTX4を介して、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)へ伝達され、タッチ検出信号増幅部1601により増幅される。これによって、共通電極TL(0)〜TL(3)のいずれの近傍がタッチされているかを検出することが可能となる。中央の領域を検出する図12あるいは左側の領域を検出する図13の場合も同様にして、検出することが可能となる。
なお、図18に示したスイッチS31〜S36のそれぞれは、タッチ検出期間においては、共通ノードCは、第2ノードP2に接続されている。また、図18に示したスイッチS100〜S103は、タッチ検出期間、非導通状態とされ、スイッチS110〜S121は、導通状態とされている。さらに、タッチ検出期間においては、制御部9は、選択信号SEL1、SEL2を論理値“1”にし、スイッチS11、S12、S21およびS22はともに導通状態にされる。図18には、このタッチ検出期間の状態が示されている。
共通電極TL(0)〜TL(p)を、検出電極とする場合を説明したが、図16において説明した検出電極RL(0)〜RL(p)に対しても、選択回路TSCと同様の選択回路、レベルシフタ&バッファLBと同様のレベルシフタ&バッファ、駆動信号発生部17と同様の駆動信号発生部、タッチ検出信号増幅部1601と同様のタッチ検出信号増幅部、駆動領域指定部18と同様の駆動領域指定部、およびデコーダ回路20と同様のデコーダ回路を設ける。これにより、自己容量検出方式を用いて、検出電極RL(R)〜RL(p)についても、粗く検出を行い、その後で細かい検出を行う。
粗い検出と細かい検出とを、駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)の両方の対して行うことにより、タッチされた位置の座標を抽出することができる。この場合、駆動電極TL(0)〜TL(p)からタッチの検出をするための回路ブロックと、検出電極RL(0)〜RL(p)からタッチの検出をするための回路ブロックとを兼用するようにしてもよい。例えば、駆動電極TL(0)〜TL(p)からタッチの検出と、検出電極RL(0)〜RL(p)からタッチの検出とが、時間的に分けて行うようにすれば、回路ブロックの兼用を図ることが可能となる。
この実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、駆動信号を出力する外部端子の個数を、共通電極の個数に比べて少なくすることが可能であり、タッチ用半導体装置1600の小型化を図ることができる。さらに、この実施の形態2においては、駆動信号タッチ検出期間において、駆動信号に応答して発生する検出信号を入力する外部端子の個数を、共通電極の個数よりも少なくすることができるため、タッチ用半導体装置1600の更なる小型化を図ることが可能となる。これにより、液晶表示装置の小型化を図ることが可能となる。
単位選択回路UTS0〜UTSpにより構成された選択回路STCを、駆動信号Tsig1〜Tsig4を共通電極へ供給するときと、駆動信号Tsig1〜Tsig4の供給に応答して発生した検出信号を外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)へ供給するときの両方において用いる例を説明したが、これに限定されない。すなわち、駆動信号Tsig1〜Tsig4を共通電極へ供給するときに用いる選択回路と、駆動信号Tsig1〜Tsig4の供給に応答して発生した検出信号を外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)へ供給するときに用いる選択回路とを別々に設けるようにしてもよい。この場合、前者の選択回路を第1選択回路とし、後者の選択回路を第2選択回路とし、駆動信号を供給するタイミングで、第1選択回路が動作し、共通電極における電圧変化量を検出するタイミングで、第2選択回路が動作するようにすればよい。このように、第1選択回路と第2選択回路と分けて考えた場合、実施の形態2として説明した選択回路STCは、第1選択回路と第2選択回路の両方の機能を有していると見なすことができる。
(実施の形態3)
図19は、実施の形態3に係わる液晶表示装置1の要部を示すブロック図である。この実施の形態3においては、タッチ検出の方式として、図2を用いて説明した相互容量方式と図16を用いて説明した自己容量方式とを、切り替えて適用することが可能とされる。図19に示している液晶表示装置1の構成は、実施の形態2で説明した図18の液晶表示装置の構成と類似している。そのため、ここでは、図18との相違点を主に説明する。
実施の形態3に係わる液晶表示装置と図18に示した液晶表示装置との間で異なる点は、レベルシフト&バッファLBの構成である。すなわち、レベルシフト&バッファLBを構成する複数の単位バッファの構成が異なっている。実施の形態3に係わる液晶表示装置1におけるレベルシフト&バッファLBは、実施の形態2と同様に、複数の単位バッファULB0〜ULBpにより構成されており、それぞれの単位バッファの構成は互いに同じ構成を有している。図19には、複数の単位バッファULB0〜ULBpのうち、共通電極TL(0)、TL(1)に対応する単位バッファULB0、ULB1のみが示されている。ここでは、単位バッファULB0を代表として、その構成および動作を説明する。
単位バッファULB0は、2個のロジック回路LG1、LG2と、それぞれ1対のノードと制御ノードとを有するスイッチS60〜S65と、それぞれ1対のノードと制御ノードとを有するスイッチS70〜S75と、それぞれ1対のノードと制御ノードとを有するスイッチS70〜S75とを備えている。
ロジック回路LG1は、2入力アンド回路と、自己容量方式を指定する制御信号SelfENを位相反転し、2入力アンド回路の一方の入力に供給するインバータ回路(2入力アンド回路の入力に付された○印)とを有している。このロジック回路LG1の出力は、スイッチS60〜S65のそれぞれの制御ノードに供給されている。また、スイッチS60〜S65のそれぞれの一方のノードは、所定の電圧TSVCOMが供給される電圧配線に接続され、スイッチS60〜S65のそれぞれの他方のノードは、対応する端子群SP11〜SP16内の端子に接続されている。これらのスイッチS60〜S65のそれぞれは、ロジック回路LG1の出力に従って、1対のノード間を導通あるいは非導通とする。すなわち、ロジック回路LG1の出力が論理値“1”のときには、スイッチS60〜S65のそれぞれは、1対のノード間を導通させ、論理値が“0”のときには、スイッチS60〜S65のそれぞれは、1対のノード間を非導通とする。
ロジック回路LG2は、2入力アンド回路と、制御信号SelfENを位相反転し、2入力ナンドの一方の入力に供給するインバータ回路(2入力アンド回路の入力に付された○印)とを有している。ロジック回路LG2の出力は、スイッチS70〜S75のそれぞれの制御ノードに供給されている。また、スイッチS70〜S75のそれぞれの一方のノードは、所定の電圧VCOMDCが供給される電圧配線に接続され、スイッチS70〜S75のそれぞれの他方のノードは、対応する端子群SP11〜SP16内の端子に接続されている。これらのスイッチS70〜S75のそれぞれは、ロジック回路LG2の出力に従って、1対のノード間を導通あるいは非導通とする。すなわち、ロジック回路LG2の出力が論理値“1”のときには、スイッチS70〜S75のそれぞれは、1対のノード間を導通させ、論理値が“0”のときには、スイッチS70〜S75のそれぞれは、1対のノード間を非導通とする。
スイッチS80〜S85のそれぞれの制御ノードには、制御信号SelfENが供給され、スイッチS80〜S85のそれぞれの一方のノードは、ノードN1に共通に接続され、スイッチS80〜S85のそれぞれの他方のノードは、対応する端子群SP11〜SP16内の端子に接続されている。これにより、スイッチS80〜S85のそれぞれは、制御信号SelfENが論理値“1”のとき、導通状態となり、制御信号SelfENが論理値“0”のとき、非導通状態となる。
また、ロジック回路LG1におけるアンド回路の他方の入力は、ノードN1に接続され、ロジック回路LG2におけるアンド回路の他方の入力は、インバータ回路(2入力アンド回路の入力に付された○印)を介してノードN1に接続されている。ノードN1には、実施の形態2と同様に、対応する単位選択回路UTS0の出力が接続されている。これにより、対応する単位選択回路UTS0の出力は、ロジック回路LG1内のアンド回路の他方の入力ノードおよびスイッチS80〜S85のそれぞれの一方のノードに供給されることになる。また、ロジック回路LG2内のアンド回路の他方の入力ノードには、位相反転された単位選択回路UTS0の出力が供給されることになる。
制御信号SelfENは、実施の形態2と同様に制御部9によって形成してもよいが、この実施の形態3においては、タッチ制御装置1により形成される。また、この実施の形態3においては、制御信号SelfENの論理値“0”は、タッチ検出方式として、図2で説明した相互容量方式を採用することを指定し、制御信号SelfENの論理値“1”は、タッチ検出方式として、図16で説明した自己容量方式を採用することを指定する。
タッチ検出期間において、制御信号SelfENが論理値“1”にされていると、ロジック回路LG1におけるアンド回路およびロジック回路LG2におけるアンド回路のそれぞれの一方の入力には、○印で示されたインバータ回路により位相反転された制御信号SelfENが供給される。そのため、ロジック回路LG1およびロジック回路LG2のそれぞれの出力は論理値“0”となる。これにより、スイッチS60〜S65およびスイッチS70〜S75は非導通状態となる。一方、スイッチS80〜S85の制御ノードには、論理値“1”の制御信号SelfENが供給されるため、スイッチS80〜S85のそれぞれは導通状態となる。これにより、共通電極TL(0)は、単位バッファULB0におけるノードN1に電気的に接続される。残りの単位バッファULB1〜ULBpも同様に、制御信号SelfENが論理値“1”にされると、対応する共通電極TL(1)〜TL(p)をノッドN1に電気的に接続する。
このように、制御信号SelfENを論理値“1”にすることにより、タッチ検出期間において、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、対応する単位バッファULB0〜ULBpにおけるノードN1に電気的に接続されることになる。実施の形態2において述べたように、図17に示した駆動信号発生部17、タッチ検出信号増幅部1601および外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)を設けることによって、自己容量方式で、タッチの有無を検出することが可能となる。この場合、検出電極RL(0)〜RL(p)についても、図19で説明したレベルシフト&バッファLBと同様な回路ブロック等を設けることにより、タッチされた位置の座標を抽出することが可能となる。
一方、タッチ検出期間において、制御信号SelfENが論理値“0”にされると、ロジック回路LG1におけるアンド回路およびロジック回路LG2におけるアンド回路のそれぞれの一方の入力には、論理値“0”が供給されることになる。そのため、ロジック回路LG1およびロジック回路LG2のそれぞれの出力は、ノードN1における論理値に従って変化する。すなわち、ノードN1における論理値が“1”であれば、ロジック回路LG1の出力は、論理値“1”となり、ロジック回路LG2の出力は、論理値“0”となる。反対に、ノードN1における論理値が“0”であれば、ロジック回路LG1の出力は、論理値“0”となり、ロジック回路LG2の出力は、論理値“1”となる。これにより、スイッチS60〜S65およびスイッチS70〜S75は、ノードN1における論理値に従って、相補的に導通/非導通状態となる。一方、スイッチS80〜S85の制御ノードには、論理値“0”の制御信号SelfENが供給されるため、スイッチS80〜S85のそれぞれは非導通状態となる。
これにより、共通電極TL(0)には、ノードN1における論理値(電圧値)に従って、スイッチS60〜S65またはS70〜S75を介して、所定の電圧TSVCOMまたはVCOMDCが供給される。残りの単位バッファULB1〜ULBpも同様に、制御信号SelfENが論理値“0”にされると、対応する共通電極TL(1)〜TL(p)にノッドN1における論理値、すなわち電圧に従って、所定の電圧TSVCOMまたはVCOMDCを供給する。
単位バッファULB0〜ULBpのそれぞれにおけるノードN1には、対応する単位選択回路UTS0〜UTSpの出力が供給される。そのため、図1に示したタッチ検出信号増幅部13を設け、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)から駆動信号Tsig1〜Tsig4を、信号配線LTX1〜LTX4へ出力し、状態信号Status1、Status2により、選択回路TSCを制御することにより、実施の形態1で述べた相互容量方式で、タッチの有無を検出し、タッチされた位置の座標を抽出することが可能となる。
この実施の形態3によれば、タッチ検出方式として、自己容量方式と相互容量方式を切り替えることが可能となる。
<タッチ検出方法>
図20は、タッチ検出方法を示すフローチャート図である。図20に示す処理は、特に制限されないが、タッチ用半導体装置において実行される。ここでは、実施の形態3で説明した液晶表示装置1を用いたタッチ検出方法を説明する。
先ず、ステップSS1において、タッチ検出の処理が起動される。起動されると、制御部19(図1)は、ステップSS2の処理(TSW1選択、4mmピッチでSelf駆動)を実行する。このステップSS2で行われる処理は次の通りである。
先ず、処理部19は、駆動領域指定部18に対して、駆動スイッチ信号TSW1を論理値“1”にするような状態信号Status1、Status2を出力させる。すなわち、駆動領域指定部18が、論理値“1”、“1”の状態信号Status1、Status2を出力するように指示する。また、制御部19は、検出方式を指定する制御信号SelfENを論理値“1”として出力する。さらに、制御部19は、駆動信号発生部17に対して、クロック信号φを駆動信号Tsig1〜Tsig4として形成し、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)へ出力するように指示する。
これにより、選択回路TSCを構成する単位選択回路UTS0〜UTS7のそれぞれにおいて、スイッチTS1が、図10に示すように導通状態となる。また、制御信号SelfENが論理値“1”とされることにより、レベルシフト&バッファLBを構成する複数の単位バッファULB0〜ULB7におけるスイッチS80〜S85が導通状態となる。これにより、駆動信号Tsig1は、共通電極TL(0)、TL(1)へ供給され、駆動信号Tsig2は、共通電極TL(2)、TL(3)へ供給され、駆動信号Tsig3は、共通電極TL(4)、TL(5)へ供給され、駆動信号Tsig4は、共通電極TL(6)、TL(7)へ供給される。
共通電極TL(0)〜TL(7)のそれぞれにおいては、駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給されることにより、その近傍がタッチされているか否かに応じた電位変化量が発生する。発生した電圧変化量は、信号配線LTX1〜LTX4において合成され、合成された電圧変化量が、タッチ用半導体装置の外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)へ伝達される。伝達された電圧変化量は、タッチ検出信号増幅部1601(図17)で増幅される。増幅された電圧変化量は、A/D変換部14(図1)、信号処理部15(図1)および座標抽出部16で処理され、処理結果が制御部19へ供給される。
この場合、特に制限されないが、制御部19へ供給される処理結果は、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)のいずれかへ伝達された電圧変化量が、タッチされたことを示す値に到達しているか否かを示すタッチ検出結果と、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)のいずれの外部端子へ伝達された電圧変化量が、タッチされたことを示す値に到達しているかを示す粗い検出位置結果を含んでいる。制御部19は、処理結果に含まれているタッチ検出結果に基づいて、検出あるいは非検出の判定を行う。すなわち、タッチ検出結果が、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)に伝達された電圧変化量のいずれもが、タッチされたことを示す値に到達していないことを示していれば、非検出と判定する。一方、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)へ伝達された電圧変化量が、タッチされたことを示す値に到達していれば、検出と判定する。非検出と判定した場合、再び、ステップSS2を実行し、検出と判定した場合、ステップSS3を実行する。すなわち、検出と判定するまで、ステップSS2が繰り返される。
ステップSS3において、制御部19は、処理結果に含まれている粗い検出位置結果に基づいて、物体位置検出の処理を行う。この処理において、制御部19は細かく検出する領域を特定する。すなわち、粗い検出位置結果が、外部端子TxP1(IO)または/およびTxP2(IO)に伝達された電圧変化量が、タッチされたことを示す値に到達していることを表していた場合、制御部19は、次に行う細かい検出の対象として、左側の領域を対象とすると判定する(左側検出)。粗い検出位置結果が、外部端子TxP2(IO)または/およびTxP3(IO)に伝達された電圧変化量が、タッチされたことを示す値に到達していることを表していた場合、制御部19は、次に行う細かい検出の対象として、中央の領域を対象とすると判定する(中央検出)。また、粗い検出位置結果が、外部端子TxP3(IO)または/およびTxP4(IO)に伝達された電圧変化量が、タッチされたことを示す値に到達していることを表していた場合、制御部19は、次に行う細かい検出の対象として、右側の領域を対象とすると判定する(右側検出)。
左側検出の場合、次にステップSS4(TSW2選択、2mmピッチで左側Mutual駆動)を実行する。ステップSS4において、制御部19は、制御信号SelfENを論理値“0”にする。また、制御部19は、論理値“1”、“0”の状態信号Status1、Status2を駆動領域指定部18が出力するように、指示を行う。さらに、制御部19は、駆動信号発生部17に対して、クロック信号φを、例えば駆動信号Tsig1からTsig4の順に、駆動信号として形成するように指示する。これにより、クロック信号φである駆動信号Tsig1〜Tsig4の順に、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)から出力され、信号配線LTX1〜LTX4の順に伝達される。
状態信号Status1、Status2が、論理値“1”、“0”となることにより、図11に示すように、単位選択回路UTS0〜UTS7のそれぞれにおけるスイッチTS2が導通状態となる。これにより、駆動信号Tsig1〜Tsig4が、単位選択回路UTS0〜UTS3を介して、単位バッファULB0〜ULB3に供給される。単位バッファULB0〜ULB3のそれぞれにおいては、供給された駆動信号Tsig1〜Tsig4(クロック信号φ)の電圧変化に従って、スイッチS60〜S65とスイッチS70〜S75とが相補的に導通/非導通状態となる。これにより、駆動信号Tsig1〜Tsig4の電圧変化に同期して、所定の電圧TSVOMまたは所定の電圧VCOMDCが交互に供給されることになる。また、駆動信号Tsig1〜Tsig4の順で、クロック信号φとなるように、駆動信号発生部17が形成するため、共通電極TL(0)〜TL(3)の順で、駆動電極の電圧が交番的な変化を開始する。
駆動電極TL(0)の電圧が変化を開始したタイミングで、検出電極RL(0)〜RL(p)に発生する電位変化量(検出信号Rx(0)〜Rx(p):図1)を、タッチ検出信号増幅部13で増幅する。また、タッチ検出信号増幅部13は、駆動電極TL(1)の電圧が変化を開始したタイミングで、検出電極RL(0)〜RL(p)における検出信号Rx(0)〜Rx(p)を増幅し、駆動電極TL(2)の電圧が変化を開始したタイミングで、検出電極RL(0)〜RL(p)における検出信号Rx(0)〜Rx(p)を増幅する。同様に、タッチ検出信号増幅部13は、駆動電極TL(3)の電圧が変化を開始したタイミングで、検出電極RL(0)〜RL(p)における検出信号Rx(0)〜Rx(p)を増幅する。
それぞれ増幅された検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、A/D変換部14、信号処理部15で処理が行われ、座標抽出部16に供給される。座標抽出部16では、例えば駆動信号発生部17において駆動信号Tsig1〜Tsig4を形成したタイミングと、A/D変換部14および信号処理部15で処理された検出信号とに基づいて、タッチされた位置(物体位置)の座標を抽出して、座標情報として、外部端子Toutから出力する。これにより、ステップSS3において、左側にタッチされた領域があると粗く検出した場合、細かく検出が行われ、タッチされた位置の座標が抽出される。座標の抽出が完了すると、再び、ステップSS2が実行される。
ステップSS4において、単位選択回路UTS0〜UTS3を除く単位選択回路UTS4〜UTS7のそれぞれは、接地電圧Vsを対応する単位バッファULB4〜ULB7へ供給する。接地電圧Vsが供給された単位バッファULB4〜ULB7のそれぞれにおいては、スイッチS70〜S75が導通状態となるため、これらの単位バッファに接続された共通電極には、ステップSS4で処理が行われている期間、所定の電圧VCOMDCが供給されることになる。
特に制限されないが、ステップSS4において、駆動信号発生部17が、駆動信号Tsig1〜Tsig4を順次形成する際、クロック信号φを所定期間、駆動信号Tsig1として形成し、次に所定時間、クロック信号φを駆動信号Tsig2として形成し、その後、所定時間、クロック信号φを駆動信号Tsig3として形成し、さらに、所定時間、クロック信号φを駆動信号Tsig4として形成する。すなわち、各駆動信号間で、クロック信号となっている期間が重ならないように形成される。
次に、ステップSS3において、中央検出とされた場合、次にステップSS5(TSW3選択、2mmピッチで中央Mutual駆動)を実行する。ステップSS5において、制御部19は、制御信号SelfENを論理値“0”にする。また、制御部19は、論理値“0”、“1”の状態信号Status1、Status2を駆動領域指定部18が出力するように、指示を行う。さらに、制御部19は、ステップSS4と同様に、駆動信号発生部17に対して、クロック信号φを、駆動信号Tsig1からTsig4の順に、駆動信号として形成するように指示する。これにより、クロック信号φである駆動信号Tsig1〜Tsig4の順に、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)から出力され、信号配線LTX1〜LTX4の順に伝達される。
状態信号Status1、Status2が、論理値“0”、“1”の場合には、図8に示したように、駆動スイッチ信号TSW3が論理値“1”となる。これにより、図12に示すように、単位選択回路UTS0〜UTS7のそれぞれにおけるスイッチTS3が導通状態となる。その結果、左側検出の場合とは異なり、駆動信号Tsig1〜Tsig4のそれぞれは、単位選択回路UTS2〜UTS5のそれぞれを介して、それぞれの単位選択回路に対応した単位バッファULB2〜ULB5のそれぞれに供給されることになる。左側検出の場合と同様に、駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給された単位バッファULB2〜ULB5のそれぞれにおいては、供給される駆動信号の電圧変化に同期して、スイッチS60〜S65およびS70〜S75が相補的に動作する。これにより、単位バッファULB2〜ULB5に対応した共通電極TL(2)〜TL(5)に、所定の電圧TSVCOMおよびVCOMDCが交互に供給される。
左側検出の場合と同様に、駆動信号Tsig1〜Tsig4は、この順にクロック信号φとなるため、共通電極TL(2)〜TL(5)の順に、その電圧が変化する。これにより、検出電極RL(0)〜RL(p)には、共通電極TL(2)と検出電極RL(0)〜RL(p)との交差部分の近傍がタッチされているか否かに応じた電圧変化量が発生し、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、タッチ検出信号増幅部13へ供給される。以降順次、共通電極TL(3)との交差部分に関する検出信号RL(0)〜RL(p)、共通電極TL(4)との交差部分に関する検出信号RL(0)〜RL(p)、共通電極TL(5)との交差部分に関する検出信号RL(0)〜RL(p)が、タッチ検出信号増幅部13へ供給される。これにより、左側検出の場合と同様に、細かい検出が行われ、タッチされた位置の座標が抽出されて、出力される。タッチされた位置の座標が出力されると、再びステップSS2が実行される。
また、ステップSS3において、右側検出とされた場合、次にステップSS6(TSW4選択、2mmピッチで右側Mutual駆動)を実行する。ステップSS6においても、制御部19は、制御信号SelfENを論理値“0”にする。また、制御部19は、論理値“1”、“1”の状態信号Status1、Status2を駆動領域指定部18が出力するように、指示を行う。さらに、制御部19は、ステップSS4と同様に、駆動信号発生部17に対して、クロック信号φを、駆動信号Tsig1からTsig4の順に、駆動信号として形成するように指示する。これにより、クロック信号φである駆動信号Tsig1〜Tsig4の順に、外部端子TxP1(IO)〜TxP4(IO)から出力され、信号配線LTX1〜LTX4の順に伝達される。
状態信号Status1、Status2が論理値“1”、“1”の場合には、図8に示したように、駆動スイッチ信号TSW4が論理値“1”となる。これにより、図13に示すように、単位選択回路UTS0〜UTS7のそれぞれにおけるスイッチTS4が導通状態となる。その結果、左側検出および中央検出の場合とは異なり、駆動信号Tsig1〜Tsig4のそれぞれは、単位選択回路UTS4〜UTS7のそれぞれを介して、それぞれの単位選択回路に対応した単位バッファULB4〜ULB7のそれぞれに供給されることになる。左側検出および中央検出の場合と同様に、駆動信号Tsig1〜Tsig4が供給された単位バッファULB4〜ULB7のそれぞれにおいては、供給される駆動信号の電圧変化に同期して、スイッチS60〜S65およびS70〜S75が相補的に動作する。これにより、単位バッファULB4〜ULB7に対応した共通電極TL(4)〜TL(7)に、所定の電圧TSVCOMおよびVCOMDCが交互に供給される。
左側検出および中央検出の場合と同様に、駆動信号Tsig1〜Tsig4は、この順にクロック信号φとなるため、共通電極TL(4)〜TL(7)の順に、その電圧が変化する。これにより、検出電極RL(0)〜RL(p)には、共通電極TL(5)と検出電極RL(0)〜RL(p)との交差部分の近傍がタッチされているか否かに応じた電圧変化量が発生し、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、タッチ検出信号増幅部13へ供給される。以降順次、共通電極TL(5)との交差部分に関する検出信号RL(0)〜RL(p)、共通電極TL(6)との交差部分に関する検出信号RL(0)〜RL(p)、共通電極TL(7)との交差部分に関する検出信号RL(0)〜RL(p)が、タッチ検出信号増幅部13へ供給される。これにより、左側検出および中央検出の場合と同様に、細かい検出が行われ、タッチされた位置の座標が抽出されて、出力される。タッチされた位置の座標が出力されると、再びステップSS2が実行される。
このように、ステップSS2およびステップSS3は、タッチされている領域を含み、この領域よりも大きな第1領域を、粗く検出する第1検出工程と見なすことができる。また、ステップSS4〜SS6は、粗く検出する第1検出工程により検出された第1領域に配置されている共通電極へ駆動信号を供給して、タッチされている近傍の領域に配置された共通電極を、細かく検出する第2検出工程と見なすことができる。
ここでは、粗い検出を自己容量方式で行い、細かい検出を相互容量検出方式で行うようにしている。しかしながら、粗い検出および細かい検出の両方を、自己容量方式あるいは相互容量方式で行うようにしてもよい。粗い検出および細かい検出の両方を自己容量方式で行う場合、図1に示したタッチ検出信号増幅部13を設けなくても済む。また、粗い検出および細かい検出の両方を相互容量方式で行う場合、図17に示したタッチ検出信号増幅部1601を設けなくても済む。そのため、タッチ用半導体装置の小型化を図ることが可能となる。
一方、図20に示すように、粗い検出を自己容量方式で行い、細かい検出を相互容量検出方式で行うようにすると、粗い検出の際には、検出電極RL(0)〜RL(p)の電位変化量を検出する必要がないため、検出に関する制御の簡略化を図ることが可能となる。また、粗い検出を自己容量方式により実行する場合、実質的に同時に、駆動信号を全面の駆動電極に供給し、全面の検出を、実質的に同時に行うことが可能である。これにより、粗い検出の高速化を図ることも可能である。
(実施の形態4)
図21(A)〜(D)は、実施の形態4に係わる液晶表示装置の構成を示す模式図である。この実施の形態4においては、実施の形態1〜3において説明した4個の駆動信号Tsig1〜Tsig4が、8個の駆動信号Tsig1〜Tsig8(図示せず)とされている。また、共通電極は、TL(0)〜TL(15)の16個とされている。駆動スイッチ信号は、実施の形態1〜3と同様に、TSW1〜TSW4の4個である。
図21(A)〜(D)において、7は、実施の形態1〜3において説明したタッチ用半導体装置であり、この実施の形態4においても1個の半導体装置である。タッチ用半導体装置7のブロック内に示されたP1〜P8のそれぞれは、外部端子を示しており、タッチ検出期間において、駆動信号Tsig1〜Tsig8を出力する。なお、図21に示したタッチ用半導体装置7では、状態信号Status1、Status2を出力する外部端子は省略されている。また、図面を見易くするために、選択回路TSCおよびレベルシフト&バッファLBも省略されている。
状態信号Status1、Status2の論理値の組み合わせに従って、実施の形態1〜3と同様に、駆動スイッチ信号TSW1〜TSW4が形成される。図20に示したタッチ検出方法と同様に、粗く検出を行う場合、駆動スイッチ信号TSW1が論理値“1”となり、細かく左側検出を行う場合、駆動スイッチ信号TSW2が論理値“1”となる。また、細かく中央検出を行う場合、駆動スイッチ信号TSW3が論理値“1”となり、細かく右側検出を行う場合、駆動スイッチ信号TSW4が論理値“1”となる。
図21(A)には、状態信号Status1、Status2によって、駆動スイッチ信号TSW1が論理値“1”となったとき、すなわち粗く検出を行うときの、駆動信号Tsig1〜Tsig8と共通電極TL(0)〜TL(15)との関係が示されている。例えば、液晶パネル2に形成されている共通電極の個数が、図21に示されている16個であった場合、液晶パネル2の全面を粗く検出することに該当する。
全面を粗く検出するとき、選択回路TSCにより、それぞれの外部端子P1〜P8は、互いに隣接して配置された2個の共通電極に電気的に接続される。図21(A)を例にすると、外部端子P1は、共通電極TL(0)と、この共通電極TL(0)に隣接して配置された共通電極TL(1)に接続される。同様に、外部端子P2は、共通電極TL(2)とTL(3)に接続され、外部端子P3は、共通電極TL(4)とTL(5)に接続され、外部端子P4は、共通電極TL(6)とTL(7)に接続され、外部端子P5は、共通電極TL(8)とTL(9)に接続される。また、外部端子P6は、共通電極TL(10)とTL(11)に接続され、外部端子P7は、共通電極TL(12)とTL(13)に接続され、外部端子P8は、共通電極TL(14)とTL(15)に接続される。
それぞれの外部端子P1〜P8を、互いに隣接する2個の共通電極へ接続した状態で、クロック信号である駆動信号Tsig1〜Tsig8を、それぞれの外部端子P1〜P8から出力する。これにより、共通電極TL(0)〜TL(15)のそれぞれは、駆動信号Tsig1〜Tsig8の電圧変化に従って電圧が変化する。このとき、タッチに応じて発生する電位変化量を、実施の形態1で説明した相互容量(Mutual)方式あるいは実施の形態2で説明した自己容量(Self)方式で検出する。
粗く検出を行った結果、左側の領域に配置されている共通電極の近傍がタッチされていると判定された場合、図21(B)に示す状態にする。すなわち、状態信号Status1、Status2を論理値“1”、“0”にする。これにより、選択回路TSCは、タッチ半導体装置7の外部端子P1〜P8のそれぞれを、共通電極TL(0)〜TL(7)に接続する。このように接続した状態で、外部端子P1〜P8から共通電極TL(0)〜TL(7)へ駆動信号Tsig1〜Tsig8を供給する。この場合、図20で説明したように、クロック信号が、順次駆動信号Tsig1〜Tsig8となるようにする。駆動信号Tsig1〜Tsig8の電圧が変化することにより、共通電極TL(0)〜TL(7)の電圧が変化し、タッチの有無に応じて生じる電位変化量を、例えば実施の形態1で説明した相互容量方式で検出する。これにより、駆動電極TL(0)〜TL(7)のいずれの近傍がタッチされたかを検出することが可能となる。タッチされた位置の検出が完了したら、再び、図21(A)の状態へ戻る。図21においては、この2つの状態の遷移が矢印A1で示されている。
また、粗く検出を行った結果、中央の領域に配置されている共通電極の近傍がタッチされていると判定された場合、図21(C)に示す状態にする。すなわち、状態信号Status1、Status2を論理値“0”、“1”にする。これにより、選択回路TSCは、タッチ半導体装置7の外部端子P1〜P8のそれぞれを、共通電極TL(4)〜TL(11)に接続する。このように接続した状態で、外部端子P1〜P8から共通電極TL(4)〜TL(11)へ駆動信号Tsig1〜Tsig8を供給する。この場合も、駆動信号Tsig1〜Tsig8の順で、クロック信号となるようにする。駆動信号Tsig1〜Tsig8の電圧が変化することにより、共通電極TL(4)〜TL(11)の電圧が変化し、タッチの有無に応じて生じる電位変化量を、例えば実施の形態1で説明した相互容量方式で検出する。これにより、駆動電極TL(4)〜TL(11)のいずれの近傍がタッチされたかを検出することが可能となる。タッチされた位置の検出が完了したら、再び、図21(A)の状態へ戻る。図21においては、この2つの状態の遷移が矢印A2で示されている。
さらに、粗く検出を行った結果、右側の領域に配置されている共通電極の近傍がタッチされていると判定された場合、図21(C)に示す状態にする。すなわち、状態信号Status1、Status2を論理値“1”、“1”にする。これにより、選択回路TSCは、タッチ半導体装置7の外部端子P1〜P8のそれぞれを、共通電極TL(8)〜TL(15)に接続する。このように接続した状態で、外部端子P1〜P8から共通電極TL(8)〜TL(15)へ駆動信号Tsig1〜Tsig8を供給する。この場合も、駆動信号Tsig1〜Tsig8の順で、クロック信号となるようにする。駆動信号Tsig1〜Tsig8の電圧が変化することにより、共通電極TL(8)〜TL(15)の電圧が変化し、タッチの有無に応じて生じる電位変化量を、例えば実施の形態1で説明した相互容量方式で検出する。これにより、駆動電極TL(8)〜TL(15)のいずれの近傍がタッチされたかを検出することが可能となる。タッチされた位置の検出が完了したら、再び、図21(A)の状態へ戻る。図21においては、この2つの状態の遷移が矢印A3で示されている。
また、図21(B)で述べたように左側の領域の検出を行った後、図21(C)で述べたように中央の領域の検出を行うようにしてもよい。反対に、図21(C)で述べたように中央の領域の検出を行った後、図21(B)で述べたように左側の領域の検出を行ってもよい。この状態の遷移は、図21では矢印B1で示されている。
同様に、図21(D)で述べたように右側の領域の検出を行った後、図21(C)で述べたように中央の領域の検出を行うようにしてもよい。反対に、図21(C)で述べたように中央の領域の検出を行った後、図21(B)で述べたように右側の領域の検出を行ってもよい。この状態の遷移は、図21では矢印B2で示されている。
このようにすることにより、粗い検出を行う状態に戻らずに、細かい検出を継続して行うことが可能となり、検出の高速化を図ることが可能である。例えば、タッチの操作が、左側の領域から中央の領域へ移動することが推定される場合等で有効である。また、このように、細かい検出間を遷移した後は、矢印A1、A2またはA3で示されているように、図21(A)の粗い検出の状態へ遷移するようにすればよい。
以上述べたように、粗い検出は、互いに隣接して配置された複数(2個)の共通電極に1個の駆動信号が供給することにより行われる。そのため、互いに隣接した複数の共通電極を1個の共通電極と見なして、駆動信号を供給して、粗い検出を行っていると見なすことができる。また、言い換えるならば、粗い検出の際には、外部端子は、互いに隣接した複数の共通電極に対して共通端子であると見なすことができる。この場合、互いに隣接した共通電極を1個の共通電極と見なすため、粗い検出が可能となる。また、共通端子であるため、タッチ用半導体装置の外部端子の個数を、共通電極の個数よりも少なくすることが可能であり、小型化を図ることが可能となる。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例および修正例に想到し得るものであり、それら変形例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
例えば、実施の形態においては、共通電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)は、列方向に延在し、行方向に配置されている場合を説明したが、行方向および列方向は、見る視点により変化する。見る視点を変えて、共通電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)が、行方向に延在し、列方向に配置されている場合も本発明の範囲に含まれるものである。
本発明では、自己容量方式の実施形態に代表されるように、駆動信号発生部17により形成された駆動信号Tsig1〜Tsig4が、タッチ用半導体装置7または1600の外部端子から出力され、選択回路TSCおよびレベルシフタ&バッファLBを介して共通電極に供給されるように説明した。また、相互容量方式の実施形態に代表されるように駆動信号発生部17により形成された駆動信号Tsig1〜Tsig4を選択回路TSCを介して、レベルシフタ&バッファLBに供給し、レベルシフタ&バッファLBで、選択される共通電極に供給される駆動電圧を形成するようにしてよい。すなわち、本発明のタッチ制御装置はタッチ検出駆動の対象となる共通電極を選択する選択回路TSCを介してタッチ検出駆動電極に直接的または間接的に駆動電圧を供給することができる。
すなわち本発明においてはタッチ制御装置から制御される選択回路TSCを介して、選択回路TSCにより選択されるタッチ検出モードにおいて選択されるタッチ検出駆動電極に、タッチ制御装置から駆動信号が直接的または間接的に出力される。
これらをタッチ制御装置から得られるタッチ検出結果と連動させることでタッチ検出速度の向上、タッチ検出精度の維持、駆動電力の低減、額縁領域のレイアウトスペースの低減が実現できる。
また、実施の形態では、タッチ検出機能付き液晶表示装置を例として説明したが、これに限定されるものではなく、タッチ検出機能付きOLED表示装置にも適用することが可能である。