JP2016098539A - Pc部材の目地部に充填される充填材の充填状況確認方法 - Google Patents

Pc部材の目地部に充填される充填材の充填状況確認方法 Download PDF

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Abstract

【課題】互いに接合されるPC部材同士の目地部に関し、目地部における面方向の内側について充填材の充填状況を確認できるようにする。
【解決手段】
下側柱部材5の接合面12及び上側柱部材4の接合面13から被覆電線21a〜21kの一端が突出され、各柱部材4,5の側面から被覆電線21a〜21kの他端側部分が延出されるように、被覆電線21a〜21kの一部を埋設して各柱部材4,5を作製する。各柱部材4,5の接合面12,13と仕口部材1の接合面とが近接されるように、各柱部材4,5及び仕口部材1を移動させ、接合面同士の間に充填空間を形成する。流動状態で導電性を有するグラウトGRを充填空間へ充填しつつ、複数の被覆電線21a〜21kに含まれる電圧印加用の被覆電線21aに対して電圧を印加し、充填検出用の被覆電線21c〜21kとの間の抵抗値(電気的特性)を測定装置31によって測定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、PC(プレキャストコンクリート)部材の目地部に充填される充填材の充填状況確認方法に関する。
PC部材を用いた架構式構造が知られている(例えば特許文献1を参照)。この架構式構造では、目地部(例えばPC柱部材とPC仕口部材の接合部分、PC梁部材とPC仕口部材の接合部分、PC柱部材同士の継手部分、PC梁部材同士の継手部分)に、グラウト等の充填材を充填している。
充填材の充填に際し、充填状況を目地部の外側から視認することは困難である。このため、従来は、多めの充填材を充填空間に充填する一方、余剰の充填材を充填空間から排出させ、排出された充填材に気泡が入っていないことに基づいて充填の完了を判断している。この方法では、充填材を無駄に消費してしまうという問題がある。
充填材の充填状況を外部から検出する方法として、特許文献2には、電極及びリード線が取り付けられた水溶性絶縁シートをコンクリート型枠内に配設し、打設されたコンクリートによる電極の導通を抵抗計やLEDで検知する方法が記載されている。また、特許文献3には、高抵抗素子を直列に接続した抵抗回路を型枠内に固定し、コンクリートの打設の進行に伴って変化する抵抗回路の電流に基づき、充填状況を外部から認識する方法が記載されている。
特許第3837390号公報 特許第2744400号公報 特許第2740438号公報
充填材の無駄な消費を抑制するため、PC部材同士の目地部における充填確認に、特許文献2や3に記載された技術を適用することが考えられる。しかしながら、これらの技術では電極や抵抗回路を型枠に固定しているため、目地部における面方向の内側については充填状況を確認することは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、PC部材間の目地部に関し、面方向の内側について充填材の充填状況を確認することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、互いに接合される第1PC部材と第2PC部材の目地部に充填される充填材の充填状況を確認する充填状況確認方法であって、前記第1PC部材の接合面と前記第2PC部材の接合面の少なくとも一方から被覆電線の一端が突出され、前記接合面から前記被覆電線の一端が突出された前記PC部材から当該被覆電線の他端側部分が外部に延出されるように、複数の前記被覆電線の一部分を埋設して前記接合面側のPC部材を作製するPC部材作製ステップと、前記第1PC部材の接合面と前記第2PC部材の接合面とが近接されるように、前記第1PC部材と前記第2PC部材の少なくとも一方を移動させ、これらの接合面同士の間に充填空間を形成するPC部材移動ステップと、流動状態で導電性を有する前記充填材を前記充填空間へ充填しつつ、複数の前記被覆電線に含まれる第1被覆電線に対して電圧を印加し、第2被覆電線との間の電気的特性を測定する特性測定ステップとを行うことを特徴とする。
本発明によれば、一端がPC部材の接合面に突出され、他端側部分が当該PC部材から延出された第1被覆電線と第2被覆電線との間の電気的特性が測定される。充填材は導電性を有するため、電気的特性は、被覆電線の端部まで充填材が充填されている場合と、充填されていない場合とで異なる。従って、電気的特性に基づき、充填材の充填状況を確認することができる。そして、被覆電線の一端が接合面から突出されているので、目地部における面方向の内側について充填材の充填状況を確認できる。
前述の充填状況確認方法において、前記第1被覆電線の一端は、前記充填空間へ前記充填材を注入するための注入路における前記充填空間側の開口近傍に突出され、前記第2被覆電線の一端は、前記第1PC部材と前記第2PC部材の間に配置される鉄筋の配置位置近傍に突出されることが好ましい。この方法では、充填材の充填不良が生じ易い鉄筋の配置位置近傍について充填材の充填状況を確認できる。
前述の充填状況確認方法において、複数の前記被覆電線は、前記第1被覆電線と対になって用いられ、一端が前記注入路における前記充填空間側の開口近傍であって前記第1被覆電線の近傍に突出され、他端側部分が前記PC部材の外部に延出された第3被覆電線を含み、前記特性測定ステップでは、前記充填材が前記第1被覆電線と前記第3被覆電線の組に接触することで電気的特性が変化した時点から、所定の判断基準時間が経過した後に電気的特性が変化した前記第2被覆電線について、破断あるいは被覆欠損がないと判断することが好ましい。この方法では、破断あるいは被覆欠損がない健全な被覆電線を測定対象にできる。
前述の充填状況確認方法において、前記PC部材作製ステップでは、確認用の被覆電線の他端側部分が前記PC部材の外部に延出されるように、当該確認用の被覆電線の一部分を埋設して前記接合面側のPC部材を作製し、前記確認用の被覆電線に対して電圧を印加し、前記第1被覆電線及び前記第2被覆電線との間の電気的特性を測定することで、前記第1被覆電線及び前記第2被覆電線について破断あるいは被覆欠損の有無を確認する破断等確認ステップを、前記特性測定ステップよりも前に行うことが好ましい。この方法では、充填材の充填に先立って破断等確認ステップが行われ、第1被覆電線及び前記第2被覆電線について破断あるいは被覆欠損の有無が確認される。このため、特性測定ステップでは健全な被覆電線を測定対象にして充填材の充填状況を確認できる。
また、本発明は、互いに接合される第1PC部材の接合面と第2PC部材の接合面との間に形成される充填空間に充填され、流動状態で導電性を有する充填材の充填状況を確認する充填状況確認システムであって、前記第1PC部材と前記第2PC部材の少なくとも一方として用いられ、前記接合面から被覆電線の一端が突出され、前記被覆電線の他端側部分が外部に延出されるように、複数の前記被覆電線の一部分を埋設して作製されたPC部材と、複数の前記被覆電線に含まれる第1被覆電線に対して電圧を印加し、第2被覆電線との間の電気的特性を測定する特性測定装置とを有することを特徴とする。
また、本発明は、互いに接合される第1PC部材の接合面と第2PC部材の接合面との間に形成される充填空間に充填され、流動状態で導電性を有する充填材の充填状況を確認する充填状況確認方法を行うべく、前記第1PC部材と前記第2PC部材の少なくとも一方として用いられるPC部材であって、前記接合面から被覆電線の一端が突出され、前記被覆電線の他端側部分が外部に延出されるように、複数の前記被覆電線の一部分を埋設して作製され、複数の前記被覆電線は、前記充填材の前記充填空間への充填時に電圧が印加される第1被覆電線と、前記第1被覆電線との間の電気的特性が測定される第2被覆電線とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、互いに接合されるPC部材同士の目地部に関し、目地部における面方向の内側について充填材の充填状況を確認できる。
(a)はプレキャストコンクリートの接合部を説明する斜視図、(b)は同じく部分断面図である。 (a)は下側柱部材の接合面におけるセンサ(被覆電線)の配置を説明する図、(b)は上側柱部材の接合面におけるセンサの配置を説明する図、(c)は下側柱部材におけるセンサの先端部を説明する断面図、(d)は上側柱部材におけるセンサの先端部を説明する断面図である。 上側柱部材を移動させている途中の様子を説明する図である。 モルタル(充填材)の充填作業を説明する図である。 充填完了後におけるセンサの余剰部分の切断を説明する図である。 測定装置の概要を説明する図である。 断線が生じているセンサによる導通状態を模式的に説明する図である。 確認試験用に作製した下側柱部材の接合面を撮影した写真である。 接合面から突出されたセンサの先端を撮影した写真である。 下側柱部材の側面から延出されたセンサ群及びコネクタを撮影した写真である。 確認試験の試験結果を示し、(a)は下側階における抵抗値の測定結果を示し、(b)は上側階における抵抗値の測定結果を示す。 充填確認処理の具体例を説明するフローチャート(その1)である。 充填確認処理の具体例を説明するフローチャート(その2)である。 他の実施形態における電圧印加用の被覆電線、及び、到達確認用の被覆電線の配置を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 他の実施形態における充填確認処理を説明するフローチャートである。 目地部が1つの場合の接合部を説明する断面図である。接合面の部分拡大図、(b)は部分拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、PC部材(プレキャストコンクリート部材)の接合部について説明する。図1(a)は、PC部材による架構式構造であって、柱梁接合部を示す斜視図であり、図1(b)は、柱梁接合部の断面図である。
図1(a)に示すように、この実施形態ではPC部材として、仕口部材1と、左側梁部材2と、右側梁部材3と、上側柱部材4と、下側柱部材5とを例示している。そして、左側梁部材2は、仕口部材1の左側面に接合され、右側梁部材3は、仕口部材1の右側面に接合されている。また、上側柱部材4は、仕口部材1の上面に接合され、下側柱部材5は、仕口部材1の下面に接合されている。
なお、この実施形態において、下側柱部材5と仕口部材1の間では、下側柱部材5が第1PC部材に相当し、仕口部材1が第2PC部材に相当する。同様に、上側柱部材4と仕口部材1との間では、仕口部材1が第1PC部材に相当し、上側柱部材4が第2PC部材に相当する。そして、後述するように、上側柱部材4と下側柱部材5のそれぞれには、複数本の被覆電線によって構成されたセンサ群が設けられている。
図1(b)に示すように、上側柱部材4の下面には、複数の鉄筋6が下方に向けて突設されている。図2(b)からも判るように、これらの鉄筋6は、上側柱部材4の縁よりも少し内側に入った位置に、平面視で略正方形状に配列されている。
上側柱部材4と下側柱部材5のつなぎ合わせは、これらの鉄筋6を介して行う。すなわち、上側柱部材4の下面から下方に突設された複数の鉄筋6を、仕口部材1に設けられた複数の鉄筋挿入孔7に挿入する。あわせて、仕口部材1の下面から下方に突出された鉄筋6の下側部分を、下側柱部材5の上面に設けられた鉄筋継手部8に挿入する。これにより、仕口部材1から下側柱部材5を貫いた状態で、上側柱部材4の鉄筋6が配置される。その際、接合面となる上側柱部材4の下面と仕口部材1の上面との間、及び、同じく接合面となる下側柱部材5の上面と仕口部材1の下面との間には若干の空間を形成する。
これらの空間は、グラウトGR(流動状態で導電性を有する充填材に相当する)が充填される充填空間となる。この充填空間に充填されたグラウトGRが固化して目地部11となる。すなわち、上側充填空間に充填されたグラウトGRが固化して上側目地部11Uとなり、下側充填空間に充填されたグラウトGRが固化して下側目地部11Lとなる。また、鉄筋挿入孔7や鉄筋継手部8における鉄筋6の周囲、下側柱部材5に設けられたグラウトGRの注入路9、及び、上側柱部材4に設けられたグラウトGRの排出路10にもグラウトGRが充填される。充填されたグラウトGRは固化し、鉄筋6を固定したり水の浸入を抑制したりする。
図2(a)に示すように、注入路9の上端開口は、下側柱部材5の接合面における面方向の中心付近に設けられている。このため、下側充填空間においてグラウトGRは、注入路9の上端開口から面方向の外側に拡がりつつ、鉄筋継手部8や鉄筋挿入孔7に流入する。図1(b)から理解できるように、下側充填空間及び鉄筋継手部8を満たした後、グラウトGRの一部は、鉄筋挿入孔7を上昇して上側充填空間に流入する。上側充填空間に流入したグラウトGRは、鉄筋挿入孔7から周囲に拡がってゆく。上側充填空間を満たすと、グラウトGRの一部は排出路10に流入する。図2(b)に示すように、排出路10の下端開口は、上側柱部材4の接合面における面方向の中心付近に設けられている。このため、上側充填空間に流入した充填材の一部は、面方向の中心に移動して排出路10に流入する。
仮に、各柱部材4,5の一辺が1m程度、各充填空間の高さが数cmであって、標準的な硬さのグラウトGRを標準的な圧力で供給した場合、下側充填空間がグラウトGRで満たされるまでの時間は概ね3〜4分、上側充填空間がグラウトGRで満たされるまでの時間は概ね14〜16分である。なお、グラウトGRの充填開始から各充填空間がグラウトGRで満たされるまでの時間に関し、標準的なサイズの柱部材4,5であれば実験的及び経験的に既知である。また、特殊なサイズの柱部材4,5であれば、例えば透明な模型を使用することで実験的に取得できる。
しかしながら、グラウトGRの充填を時間で管理した場合、実際に充填されたことを視認することはできない。そこで、本実施形態では、上側柱部材4と下側柱部材5のそれぞれにセンサ群を設け、これらのセンサ群を用いてグラウトGRの充填状況を確認している。以下、グラウトGRの充填状況の確認について、図1の架構式構造における柱部材4,5の接合手順に沿って説明する。
この接合手順では、まず、図2に示すように、センサ群20U,20Lが埋設された上側柱部材4と下側柱部材5を作製する(PC部材作製ステップ)。すなわち、鉄筋6やセンサ群20U,20Lを型枠内に配置した状態でコンクリートを打設して養生することで、上側柱部材4や下側柱部材5を作製する。
図2(a),(c)に示すように、下側柱部材5では上面が接合面12となる。このため、センサ群20Uを構成する各被覆電線21a〜21fの一端は、接合面12から数mm程度上方に突出され、他端側部分は下側柱部材5の側面の一個所に纏められて引き出される。すなわち、各被覆電線21a〜21fは、一端と他端側部分の間の部分が下側柱部材5に埋設されている。各被覆電線21a〜21fの一端では、撚り線や針金等の導体が露出されており、各被覆電線21a〜21fの他端にはコネクタ22Lが接続されている。このコネクタ22Lには、図4に示すように、測定装置31が有するケーブル32Lのコネクタ33Lが接続される。なお、測定装置31については後述する。
図2(a)に示すように、各被覆電線21a〜21fの一端は、鉄筋継手部8の近傍及び注入路9の上端開口の近傍に配置されている。ここで、近傍とは、鉄筋継手部8や注入路9の上端開口におけるグラウトGRの充填状態をモニター可能な範囲を意味する。本実施形態では、鉄筋継手部8や注入路9の上端開口からの距離で、概ね10〜15cm以内の範囲とする。なお、近傍の定義については、以下の説明において同様である。
各被覆電線21a〜21fについてさらに説明すると、注入路9の上端開口の近傍には、電圧を印加するための被覆電線21a(第1被覆電線)の一端が配置されている。また、上端開口の近傍であって、電圧印加用の被覆電線21aの近傍の位置には、グラウトGRの到達を確認するための被覆電線21b(第3被覆電線)の一端が配置されている。これらの被覆電線21a,21bは、対になって用いられる。すなわち、電圧印加用の被覆電線21aの一端と到達確認用の被覆電線21bの一端の両方にグラウトGRが接触すると、これらの被覆電線21a,21bが導通して電圧、電流、あるいは電気抵抗などの電気的特性が変化する。なお、本実施形態では電気抵抗を計測している。
図2(a)における左側上部、左側下部、右側上部、及び右側下部のそれぞれ、言い換えれば鉄筋6の配置位置近傍には、グラウトGRが充填されたことを検出するための被覆電線21c〜21f(第2被覆電線)の一端が配置されている。これらの被覆電線21c〜21fもまた電圧印加用の被覆電線21aと対になって用いられる。すなわち、電圧印加用の被覆電線21aの一端と充填検出用の被覆電線21c〜21fの一端のそれぞれにグラウトGRが接触することで、これらの被覆電線21a,21c〜21fが導通して電気的特性が変化する。
図2(b),(d)に示すように、上側柱部材4では下面が接合面13となる。このため、センサ群20Uを構成する各被覆電線21g〜21kの一端は接合面(下面)から数mm程度下方に突出され、他端側部分は上側柱部材4の側面の一個所に纏められて引き出される。そして、下側柱部材5の各被覆電線21a〜21fと同様に、各被覆電線21g〜21kの一端では導体が露出されており、他端にはコネクタ22Uが接続されている。
各被覆電線21g〜21kの配置について説明すると、排出路10の下端開口の近傍、及び、図2(b)における左側上部、左側下部、右側上部、及び右側下部のそれぞれ(すなわち鉄筋6の配置位置近傍)には、各被覆電線21g〜21kの一端が配置されている。これらの被覆電線21g〜21kは、充填検出用の被覆電線として機能する。すなわち、鉄筋挿入孔7と鉄筋6の隙間を上昇し、上側充填空間に到達したグラウトGRと接触することで、下側柱部材5に設けられた電圧印加用の被覆電線21aと導通し、電気的特性を変化させる。
上側柱部材4や下側柱部材5を作製したならば、上側柱部材4、下側柱部材5、及び仕口部材1を組み付ける(PC部材移動ステップ)。
ここでは、図3に示すように、鉄筋挿入孔7と鉄筋継手部8の面方向における位置をあわせて、下側柱部材5の上に仕口部材1を配置し、上側柱部材4を仕口部材1の上方から下降させる。そして、上側柱部材4に設けられた各鉄筋6を、仕口部材1の各鉄筋挿入孔7に挿通させ、さらに下側柱部材5の各鉄筋継手部8に挿入する。これにより、前述した様に、上側柱部材4の下面と仕口部材1の上面14との間、及び、下側柱部材5の上面と仕口部材1の下面との間に充填空間が形成される。
上側柱部材4等を組み付けたならば、充填空間にグラウトGRを充填する(充填材の充填ステップ)。
例えば、図4に示すように、上側柱部材4の下端外周と下側柱部材5の上端外周に沿って桟木15をあて、上側充填空間と下側充填空間における面方向外縁を区画する。また、各センサ群20U,20Lのコネクタ22U,22Lを測定装置31のコネクタ33U,33Lに接続し、抵抗値を測定できる状態にする。その後、下側柱部材5に設けられた注入路9からグラウトGRを注入する。注入されたグラウトGRは、下側充填空間に充填されるとともに、鉄筋継手部8や鉄筋挿入孔7に流入される。注入を継続すると、グラウトGRは、鉄筋挿入孔7を通じて上側充填空間に充填される。そして、上側充填空間が満たされると、余剰のグラウトGRが上側柱部材4に設けられた排出路10から排出される。
本実施形態では、グラウトGRの充填ステップにおいて、電圧印加用の被覆電線21aに電圧を印加しておき、充填の開始から終了までの期間に亘って、到達確認用の被覆電線21bや充填検出用の被覆電線21c〜21kとの間で抵抗値(電気的特性の一種)を測定している(特性測定ステップ)。そして、抵抗値の変化を測定することで、各充填空間におけるグラウトGRの充填状況が視認できなくても充填状況を確認できる。なお、この充填確認の確認については後で詳しく説明する。
グラウトGRを充填したならば、所定期間養生した後に桟木15を外す。また、図5に示すように、上側柱部材4及び下側柱部材5の各側面から延出されているセンサ群20U,20Lの他端側部分を根元から切断する。そして、切断後の各柱部材4,5の側面に対して塗装等を施して仕上げる。これにより、図1で説明したように、上側柱部材4と下側柱部材5柱部材が仕口部材1を介して接合される。
次に、各充填空間におけるグラウトGRの充填確認処理について説明する。まず、充填確認処理に使用される測定装置31について説明する。図4に示すように、測定装置31は、検査用電源33と、分圧抵抗34と、接続切換部35と、表示部36と、制御装置37と、検査開始スイッチ38を有している。
検査用電源33は、電圧印加用の被覆電線21aに印加される電圧を発生するための電源である。本実施形態では、電圧6Vの直流電源が用いられている。分圧抵抗34は、グラウトGRによる導通、非導通を検出するための分圧回路を形成するために用いられている。本実施形態では抵抗値が1MΩ〜数MΩの抵抗が用いられている。
接続切換部35は、センサ群20U,20Lを構成する複数の被覆電線21a〜21kを、電圧印加用の被覆電線、到達確認用の被覆電線、及び、充填検出用の被覆電線の何れかに使用するかを選択するものである。前述したように、初期状態においては、電圧印加用の被覆電線21a、到達確認用の被覆電線21b、及び、充填検出用の被覆電線21c〜21kとなるように設定されている。
また、この接続切換部35は、グラウトGRの充填確認処理で高速でスイッチングし、到達確認用の被覆電線21b、及び、充填検出用の被覆電線21c〜21kの間で1つの分圧抵抗34を共用させる機能も有する。なお、接続切換部35によるスイッチングに代えて、分圧抵抗34をそれそれの被覆電線21b〜21kに設けてもよい。
図6にも示すように、本実施形態の接続切換部35は、制御装置37からの選択信号により、各被覆電線21a〜21kの機能を選択したり、各被覆電線21b〜21kに分圧抵抗34を接続したりしている。表示部36は、測定装置31における各種の表示を行う部分である。例えば、センサ群20U,20Lに含まれる各被覆電線21b〜21kからの電圧値や、断線あるいは被覆欠損の有無を表示する。
制御装置37は、測定装置31における動作を制御する部分であり、接続切換部35の動作やセンサ群20U,20Lに含まれる到達確認用の被覆電線21bや充填検出用の被覆電線21c〜21kの電圧を取得する。また、制御装置37は、表示部36に対する表示制御も行う。なお、制御装置37には、グラウトGRの充填を行うポンプ(図示せず)が有する注入開始スイッチや注入完了スイッチの操作信号SWも入力されており、グラウトGRの注入開始タイミング及び注入完了タイミングを取得できる。検査開始スイッチ38は、検査を開始するときに操作されるスイッチであり、このスイッチを操作することで例えば検査用電源33からの直流電圧が電圧印加用の被覆電線21aに印加される。
この測定装置31では、前述したように、グラウトGRの充填に先立って電圧印加用の被覆電線21aに電圧を印加しておく。そして、この電圧印加用の被覆電線21aと、到達確認用の被覆電線21bや充填検出用の被覆電線21c〜21kとの間にグラウトGRが充填されると被覆電線同士が導通し、分圧抵抗34における接続切換部35側の電圧が上昇する。制御装置37は、分圧抵抗34における接続切換部35側の電圧を監視しており、電圧値に基づいてグラウトGRの充填状況を認識する。すなわち、電圧値がグランドレベルであれば非充填状態と認識し、電圧値が分圧抵抗34で規定される所定値以上であれば充填状態と認識する。その際、制御装置37は、到達確認用の被覆電線21b、及び充填検出用の被覆電線21c〜21kからの電圧値を個別に認識する。また、制御装置37は、測定結果を表示部36に表示させる。
ところで、到達確認用の被覆電線21bや充填検出用の被覆電線21c〜21kに関し、上側柱部材4や下側柱部材5の内部で断線あるいは被覆欠損が生じていると、グラウトGRが電圧印加用の被覆電線21aに接触したタイミングで、断線等が生じている被覆電線からの電圧が上昇することがある。一般に、工場で作製された上側柱部材4や下側柱部材5は、材齢が1〜2ヶ月程度で現場に搬入され施工されるが、この材齢ではコンクリートがいまだ導電性を有していることが原因と考えられる。すなわち、図7の例に示すように、充填検出用の被覆電線21cが途中で断線等していると、注入路9から充填空間16(下側充填空間16L)に流入したグラウトGRが電圧印加用の被覆電線21aに接触したタイミングで、両被覆電線21a,21cがグラウトGR及び符号Xで示すコンクリート部分を介して導通され、電圧が上昇してしまう。
このことを確認すべく確認試験を行った。この確認試験では、図8〜図10に示す下側柱部材5と図示しない上側柱部材4を作製した。これらの図において、先に説明したものについては、同じ符号を付して説明を省略する。作製に際し、一部の被覆配線については意図的に途中で断線させた。そして、被覆電線のそれぞれについて抵抗値を測定した。なお、この確認試験において、到達確認用の被覆電線21bは設けなかった。
図11に測定結果を示す。すなわち、図11(a)は、下側柱部材5に埋設された被覆電線で測定された抵抗値を示し、図11(b)は、上側柱部材4に埋設された被覆電線で測定された抵抗値を示す。これらの図から判るように、下側柱部材5及び上側柱部材4は7個ずつ作製した。また、測定時の材齢は7日から23日の範囲であった。この測定では、針金の周囲を絶縁被覆で覆った被覆電線を使用した。この測定結果において、被覆電線を紫、灰色、黒、黄色、赤、青、白、橙、緑、茶で表しているが、被覆電線21a,21c〜21kを識別するための被覆の色である。この確認試験では、意図的に断線させた被覆電線を6本混在させているが、これらの被覆電線についてはハッチングを施した枠内に抵抗値を記載した。
図11(a),(b)から判るように、断線していない健全な被覆電線では、抵抗値が1.1Ωから22Ωの範囲であり、平均が4.15Ωであった。これに対し、断線させた被覆電線の抵抗値は、それぞれ1.9MΩ、6.5MΩ、5.5MΩ、4.3MΩ、40MΩ、50MΩであった。このように、断線させた被覆電線でも抵抗値が数MΩ〜数十MΩであったことから、コンクリートが導電性を有していることが確認された。
次に、充填確認処理の具体的内容について説明する。ここで、図12及び図13は、充填確認処理の具体例を説明するフローチャートである。
図12に示すように、例示した充填確認処理では、最初に作業者が検査開始スイッチ38を操作する(S11)。これにより、電圧印加用の被覆電線21aに検査用電源33からの直流電圧が印加される。次に、制御装置37は、グラウトGRの注入開始前に、破断判定用の電圧閾値Vb以上の電圧を出力した被覆電線21b〜21kがあるか否かを判定する(S12)。ここで、電圧閾値Vb以上の電圧を出力した被覆電線があった場合、制御装置37は表示部36に対して制御信号を出力し、電圧印加用の被覆電線21aおよびその被覆電線が断線あるいは被覆欠損していることを示す表示を行わせる(S13)。また、制御装置37は、電圧閾値Vb以上の電圧を出力した被覆電線が到達確認用の被覆電線21bであるか否かを判定する(S14)。
そして、到達確認用の被覆電線21bが電圧閾値Vb以上の電圧を出力していた場合(S14でY)、制御装置37は、接続切換部35によって断線等していない1つの被覆電線を選択させ、電圧印加用の被覆電線として用いる(S15)。すなわち、選択した被覆電線に対し、検査用電源33からの直流電圧を印加させる。この場合、電圧印加用の被覆電線21a及び到達確認用の被覆電線21bは、以後の処理で使用しない。一方、到達確認用の被覆電線21bでなかった場合(S14でN)、制御装置37は、接続切換部35を制御して到達確認用の被覆電線21bを電圧印加用の被覆電線として用いる(S16)。この場合、電圧印加用の被覆電線21a及び断線等と判定された被覆電線は、以後の処理で使用しない。このようにして電圧印加用の電圧印加用の被覆電線を定めたならば、作業者は、グラウトGRの注入を行うポンプの注入開始スイッチを操作する(S17)。これにより、グラウトGRの注入路9への注入が開始される。
グラウトGRの注入開始前に電圧閾値Vb以上の電圧を出力した被覆電線がなかった場合(S12でN)、図13に示すように、作業者はポンプの注入開始スイッチを操作する(S21)。これにより、グラウトGRの注入路9への注入が開始される。制御装置37は、注入開始スイッチの操作の有無を監視しており、グラウトGRの注入が開始されたならば、その後の経過時間を計時する。そして、制御装置37は、グラウトGRの注入開始から注入路9の上端開口付近へのグラウトGRの到達予測時間T0(s)が経過するまでの間に、到達確認用の被覆電線21bから出力される電圧が、充填判定に用いる電圧閾値Vt以上になったか否かを判定する(S22)。ここで、到達確認用の被覆電線21bから出力される電圧が電圧閾値Vt以上になった場合(S22でY)、被覆電線の破断判定時間α(s)が経過する前に、充填検出用の被覆電線21c〜21kが導通したか否かを判定する(S23)。ここで、導通した被覆電線があった場合には(S23でY)、制御装置37は、その被覆電線を断線表示するように表示部36を制御するとともに、それ以外の充填検出用の被覆電線のみを検査対象にする(S24)。
グラウトGRの注入開始からグラウトGRの到達予測時間T0が経過しても、到達確認用の被覆電線21bから出力される電圧が電圧閾値Vt以上にならなかった場合(S22でN)、制御装置37は、さらに破断判定時間αが経過するまでの間に、電圧閾値Vt以上の電圧を出力した充填検出用の被覆電線があったか否かを判定する(S25)。ここで、条件を満たす充填検出用の被覆電線があった場合(S25でY)、制御装置37は、到達確認用の被覆電線21bを断線表示するよう表示部36を制御する(S26)。一方、条件を満たす充填検出用の被覆電線が無かった場合(S25でN)、制御装置37は、電圧印加用の被覆電線21aを断線表示するよう表示部36を制御する(S27)。そして、到達確認用の被覆電線21bを電圧印加用の被覆電線として用いる(S28)。
図12のS17でポンプの注入開始スイッチが操作された後、図13のS23で破断判定時間αの経過前に導通した充填検出用の被覆電線がなかった場合、すなわち破断あるいは被覆欠損がない健全な状態と判断された場合(S23でN)、S24で検査対象となる充填検出用の被覆電線を定めた後、S26で到達確認用の被覆電線21bを断線表示させた後、及び、S28で到達確認用の被覆電線21bを電圧印加用の被覆電線とした後、制御装置37は、検査対象となる充填検出用の被覆電線からの電圧を監視し、充填判定に用いる電圧閾値Vt以上になった被覆電線について、表示部36にグラウトGRが充填されたことを示す表示をさせる(S29)。その後、作業者は、適宜なタイミングでポンプの注入完了スイッチを操作する(S30)。注入完了スイッチの操作に連動して制御装置37は、グラウトGRの充填時間、断線あるいは被覆欠損と判定した被覆電線、グラウトGRが未充填であると判定した充填検出用の被覆電線を、表示部36に表示させる(S31)。
以上の処理を行うことで、下側柱部材5や上側柱部材4に埋設された被覆電線21a〜21kに、万一断線が生じても、断線等が生じた被覆電線については処理から除外することができ、正常な被覆電線を用いて充填の確認処理を行うことができる。
ところで、上記の実施形態では、グラウトGRの注入開始前における被覆電線21a〜21kの断線等を、電圧印加用の被覆電線21aに電圧を印加することで判定していたが、この構成に限られない。例えば図14(a),(b)に示すように、到達確認用の被覆電線21bに関し、他端側部分のみを下側柱部材5から延出させるように下側柱部材5に埋設し、この被覆電線21bを破断等確認時における電圧印加用の被覆電線として用いてもよい。
以下、このように構成した他の実施形態における充填確認処理を説明する。図15に示すように、この充填確認処理でも、最初に作業者が検査開始スイッチ38を操作する(S41)。これにより、この具体例では、到達確認用の被覆電線21bに検査用電源33からの直流電圧が印加される。この被覆電線21bの一端は下側柱部材5に埋設されているので、被覆電線21a,21c〜21kに断線や被覆欠損があれば、その被覆電線との間で導通が生じる。そこで、制御装置37は、グラウトGRの注入開始前に、破断判定用の電圧閾値Vb以上の電圧を出力した被覆電線があるか否かを判定する(S42)。このように、これらのS41,S42の処理は、到達確認用の被覆電線21bに対して電圧を印加し、電圧印加用の被覆電線21aや充填検出用の被覆電線21c〜21kとの間の電気的特性を測定することで、被覆電線21a,21c〜21kについて破断あるいは被覆欠損の有無を確認する破断等確認ステップに相当する。
ここで、電圧閾値Vb以上の電圧を出力した被覆電線があった場合、制御装置37は表示部36に対して制御信号を出力し、その被覆電線が断線していることを示す表示を行わせる(S43)。また、制御装置37は、電圧閾値Vb以上の電圧を出力した被覆電線が電圧印加用の被覆電線21aであるか否かを判定する(S44)。ここで、電圧印加用の被覆電線21aが断線している場合には(S44でY)、被覆電線21c〜21kの中から断線していないものを電圧印加用の被覆電線に定めて直流電圧を印加させる(S45)。また、S42で注入開始前に電圧閾値Vb以上の電圧を出力した被覆電線がなかった場合(S42でN)、又は、電圧印加用の被覆電線21aが断線していなかった場合には(S44でN)、制御装置37は、電圧印加用の被覆電線21aに検査用電源33からの直流電圧を印加させる(S46)。
S45で断線していない被覆電線21c〜21kを電圧印加用の被覆電線に定めた後、及び、S46で電圧印加用の被覆電線21aに直流電圧を印加させた後、作業者はポンプの注入開始スイッチを操作する(S47)。これにより、グラウトGRの注入路9への注入が開始される。その後は、先に説明した具体例と同じである。すなわち、制御装置37は、検査対象となる充填検出用の被覆電線からの電圧を監視し、充填判定に用いる電圧閾値Vt以上になった被覆電線について、表示部36にグラウトGRが充填されたことを示す表示をさせる(S48)。その後、作業者は、ポンプの注入完了スイッチを操作する(S49)。注入完了スイッチの操作に連動して制御装置37は、グラウトGRの充填時間、断線と判定した被覆電線、グラウトGRが未充填であると判定した充填検出用の被覆電線を、表示部36に表示させる(S50)。
以上の処理を行うことで、この具体例でも、下側柱部材5や上側柱部材4に埋設された被覆電線21a,21c〜21kに、万一断線が生じても、断線が生じた被覆電線については処理から除外することができ、正常な被覆電線を用いて充填の確認処理を行うことができる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
前述の実施形態では、下側目地部11Lと上側目地部11Uを有する接合部を例示したが、1つの目地部しか有していない接合部もある。例えば図16に示すように、このような接合部であっても、端部の鉄筋継手部8に注入路9´を通じてグラウトGRを注入し、排出路10´からグラウトを排出させることで、鉄筋継手部8や充填空間16にグラウトGRを充填できる。
前述の実施形態では、下側柱部材5に電圧印加用の被覆電線21aを設けていたが、上側柱部材4にも設けてもよい。また、下側目地部11Lに関し、仕口部材1の接合面に一端を下向きに突出させた被覆電線によって充填検出を行ってもよい。
また、接合対象となるPC部材に関し、前述の実施形態では上側柱部材4、仕口部材1、下側柱部材5を例示したが、これらに限定されるものではない。例えば、左側梁部材2、仕口部材1、右側梁部材3のつなぎ合わせに際しても同じ方法を採用できる。また、柱部材同士の接合や梁部材同士の接合についても同様である。加えて、これら以外のPC部材同士の接合についても同様である。要するに、互いに接合される第1PC部材と第2PC部材であれば、同じ方法を採用できる。
充填材に関し、前述の実施形態ではグラウトGRを例示したが、流動状態で導電性を有しPC部材に対して接着性を有するものであれば、他の種類の充填材であってもよい。
電気的特性に関し、前述の実施形態では抵抗値を例示したが、測定対象は他のものであってもよい。例えば、電圧であってもよいし、電流であってもよい。要するに、充填材の充填状態と非充填状態とで区別可能な特性であればよい。
被覆電線の他端側部分に関し、前述の実施形態では下側柱部材5の側面から延出させていたが、この構成に限定されるものではない。PC部材の種類によっては、接合面とは反対側から延出させることもあるし、接合面から延出させることもある。被覆電線の他端側部分に関しては、支障のない部位から延出させればよい。
1…仕口部材;2…左側梁部材;3…右側梁部材;4…上側柱部材;5…下側柱部材;6…鉄筋;7…鉄筋挿入孔;8…鉄筋継手部;9…注入路;10…排出路;11…目地部;11L…下側目地部;11U…上側目地部;12…下側柱部材の接合面;13…上側柱部材の接合面;14…仕口部材の上面(接合面);15…桟木;16…充填空間;16L…下側充填空間;20L…下側柱部材のセンサ群;20U…上側柱部材のセンサ群;21a,21m…電圧印加用の被覆電線;21b…到達確認用の被覆電線;21c〜21k…充填検出用の被覆電線;22L…下側柱部材側のコネクタ;22U…上側柱部材側のコネクタ;31…測定装置;32L,32U…測定装置のケーブル;33L,33U…測定装置のコネクタ;33…検査用電源;34…分圧抵抗;35…接続切換部;36…表示部;37…制御装置;38…検査開始スイッチ;GR…グラウト

Claims (6)

  1. 互いに接合される第1PC部材と第2PC部材の目地部に充填される充填材の充填状況を確認する充填状況確認方法であって、
    前記第1PC部材の接合面と前記第2PC部材の接合面の少なくとも一方から被覆電線の一端が突出され、前記接合面から前記被覆電線の一端が突出された前記PC部材から当該被覆電線の他端側部分が外部に延出されるように、複数の前記被覆電線の一部分を埋設して前記接合面側のPC部材を作製するPC部材作製ステップと、
    前記第1PC部材の接合面と前記第2PC部材の接合面とが近接されるように、前記第1PC部材と前記第2PC部材の少なくとも一方を移動させ、これらの接合面同士の間に充填空間を形成するPC部材移動ステップと、
    流動状態で導電性を有する前記充填材を前記充填空間へ充填しつつ、複数の前記被覆電線に含まれる第1被覆電線に対して電圧を印加し、第2被覆電線との間の電気的特性を測定する特性測定ステップとを行うことを特徴とする充填材の充填状況確認方法。
  2. 前記第1被覆電線の一端は、前記充填空間へ前記充填材を注入するための注入路における前記充填空間側の開口近傍に突出され、
    前記第2被覆電線の一端は、前記第1PC部材と前記第2PC部材の間に配置される鉄筋の配置位置近傍に突出されることを特徴とする請求項1に記載の充填材の充填状況確認方法。
  3. 複数の前記被覆電線は、前記第1被覆電線と対になって用いられ、一端が前記注入路における前記充填空間側の開口近傍であって前記第1被覆電線の近傍に突出され、他端側部分が前記PC部材の外部に延出された第3被覆電線を含み、
    前記特性測定ステップでは、前記充填材が前記第1被覆電線と前記第3被覆電線の組に接触することで電気的特性が変化した時点から、所定の判断基準時間が経過した後に電気的特性が変化した前記第2被覆電線について、破断あるいは被覆欠損がないと判断することを特徴とする請求項2に記載の充填材の充填状況確認方法。
  4. 前記PC部材作製ステップでは、確認用の被覆電線の他端側部分が前記PC部材の外部に延出されるように、当該確認用の被覆電線の一部分を埋設して前記接合面側のPC部材を作製し、
    前記確認用の被覆電線に対して電圧を印加し、前記第1被覆電線及び前記第2被覆電線との間の電気的特性を測定することで、前記第1被覆電線及び前記第2被覆電線について破断あるいは被覆欠損の有無を確認する破断等確認ステップを、前記特性測定ステップよりも前に行うことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の充填材の充填状況確認方法。
  5. 互いに接合される第1PC部材の接合面と第2PC部材の接合面との間に形成される充填空間に充填され、流動状態で導電性を有する充填材の充填状況を確認する充填状況確認システムであって、
    前記第1PC部材と前記第2PC部材の少なくとも一方として用いられ、前記接合面から被覆電線の一端が突出され、前記被覆電線の他端側部分が外部に延出されるように、複数の前記被覆電線の一部分を埋設して作製されたPC部材と、
    複数の前記被覆電線に含まれる第1被覆電線に対して電圧を印加し、第2被覆電線との間の電気的特性を測定する特性測定装置とを有することを特徴とする充填材の充填状況確認システム。
  6. 互いに接合される第1PC部材の接合面と第2PC部材の接合面との間に形成される充填空間に充填され、流動状態で導電性を有する充填材の充填状況を確認する充填状況確認方法を行うべく、前記第1PC部材と前記第2PC部材の少なくとも一方として用いられるPC部材であって、
    前記接合面から被覆電線の一端が突出され、前記被覆電線の他端側部分が外部に延出されるように、複数の前記被覆電線の一部分を埋設して作製され、
    複数の前記被覆電線は、前記充填材の前記充填空間への充填時に電圧が印加される第1被覆電線と、前記第1被覆電線との間の電気的特性が測定される第2被覆電線とを含むことを特徴とするPC部材。
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