JP2016098390A - 電子部品用金属材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高耐久はんだ濡れ性が得られる比較的安価な電子部品用金属材料を提供する。【解決手段】電子部品用金属材料は、ステンレス鋼基材上に形成されたNiとSnとで構成された下層と、下層上に設けられたAgとSnとで構成された上層とを備え、下層の厚みが0.01μm以上0.20μm未満であり、上層の厚みが0.04μm以上であり、下層中のNi原子濃度が80at%未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品用金属材料及びその製造方法に関する。
近年、PCカード、コンパクト・フラッシュメモリカード、SDメモリカード、メモリースティック等のコンパクトで大きな容量で持ち運びの容易なカード状の情報記憶媒体が広く用いられている。カード状の情報記憶媒体は、カードコネクタによりパソコン等の電子機器に実装される。このカードコネクタのうち、金属製のガイドカバーが設けられているものがある。これは表面に帯電した電荷を放電するために導電体で、なおかつ基板のグランドと電気的接合する必要がある。このため、金属板をプレス加工で打ち抜きおよび曲げ加工を行い、ガイドカバーの形状にした後に、基板にはんだ付けで固定している。
また、これらのカードコネクタが用いられる電気製品のパソコン、PDA、デジタルカメラ等ではそのMPUが発生する熱により高温になるため、放熱特性が要求されるようになっている。現在は、MPUに導電性の高い銅合金のヒートシンクを設けたり、ファンで強制冷却をしたり、ヒートパイプで熱を伝達したりして放熱している。しかしながら、機器の小型化・高密度化もあいまって、充分な放熱を行うことが難しくなってきており、本来高熱になっては望ましくないキーボードや筐体が高温になることもある。このため、筐体の開口部となるカードカバー部の放熱機能はこれまでより重要になっている。
ところが、カードコネクタには、現在は安価で強度の高いステンレス鋼が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。ステンレス鋼は金属のなかでも導電率が低いため、熱伝導も悪く、放熱機能としては充分ではない。さらにステンレス鋼でははんだ付け性が悪いため、電気接合のための基板へのはんだ付けが実施しにくい欠点がある。これを回避するために、はんだ付け部に部分的に錫もしくは錫合金めっきを施す必要があった。
特開2003−109694号公報
しかしながら、はんだ付け部に錫もしくは錫合金めっきを施した場合、電子部品用金属材料を長期保管するとはんだ濡れ性が劣化する場合があった。そしてこの劣化を避けるためには、化学的に安定なAuめっきが錫もしくは錫合金めっきの代わりとして用いられて電子部品用金属材料を提供しているが、高価なAuを使うためコストが高いという問題があった。
本発明者は、鋭意検討の結果、ステンレス鋼基材上に所定の金属を用いて、上下二層の合金層をそれぞれ所定の厚みで形成することで、高耐久はんだ濡れ性が得られる比較的安価な電子部品用金属材料が得られることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、ステンレス鋼基材上に形成されたNiとSnとで構成された下層と、前記下層上に設けられたAgとSnとで構成された上層とを備え、前記下層の厚みが0.01μm以上0.20μm未満であり、前記上層の厚みが0.04μm以上であり、前記下層中のNi原子濃度が80at%未満である電子部品用金属材料である。
本発明の電子部品用金属材料は一実施形態において、前記上層の算術平均粗さRaが0.3μm未満である。
本発明の電子部品用金属材料は別の一実施形態において、最表面から深さ方向に厚み5nmまでの領域を除いた前記上層において、Ag原子濃度(at%)>Sn原子濃度(at%)を満たす。
本発明の電子部品用金属材料は更に別の一実施形態において、最表面から深さ方向に厚み5nmまでの領域を除いた前記上層において、9×Sn原子濃度(at%)>Ag原子濃度(at%)>Sn原子濃度(at%)を満たす。
本発明は別の一側面において、ステンレス鋼基材上に厚み0.005μm以上0.100μm未満のNiを成膜してNi皮膜を形成する工程と、前記Ni皮膜上に厚み0.03μm以上0.30μm未満のAgを成膜してAg皮膜を形成する工程と、前記Ag皮膜上に厚み0.02μm以上0.30μm未満のSnを成膜してSn皮膜を形成する工程と、前記Sn皮膜を形成した後、熱処理を行うことで、前記ステンレス鋼基材上にNiとSnとで構成され且つNi原子濃度が80at%未満である下層と、前記下層上に設けられたAgとSnとで構成された上層とを形成する工程とを含む本発明の電子部品用金属材料の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、ステンレス鋼基材上に厚み0.005μm以上0.100μm未満のNiを成膜してNi皮膜を形成する工程と、前記Ni皮膜上に厚み0.02μm以上0.30μm未満のSnを成膜してSn皮膜を形成する工程と、前記Sn皮膜上に厚み0.03μm以上0.30μm未満のAgを成膜してAg皮膜を形成する工程と、前記Ag皮膜を形成した後、熱処理を行うことで、前記ステンレス鋼基材上にNiとSnとで構成され且つNi原子濃度が80at%未満である下層と、前記下層上に設けられたAgとSnとで構成された上層とを形成する工程とを含む本発明の電子部品用金属材料の製造方法である。
本発明によれば、高耐久はんだ濡れ性が得られる比較的安価な電子部品用金属材料を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電子部品用金属材料の構成を示す断面模式図である。 実施例12に係るXPS分析結果である。
以下、本発明の実施形態に係る電子部品用金属材料について説明する。図1に示すように、実施形態に係る電子部品用金属材料10は、ステンレス鋼基材11上に下層12が形成され、下層12上に上層13が形成されている。
<電子部品用金属材料の構成>
(ステンレス鋼基材)
ステンレス鋼基材11としては特に限定されないが、例えば、現在一般的に使われているガイドカバー用材料、具体的にはSUS304等を用いることができる。
(上層)
上層13はAgとSnとで構成される。上層13は耐熱性、耐硫化性及び高耐久はんだ濡れ性に優れた皮膜である。上層13の厚みは0.04μm以上である。上層13の厚みが0.04μm未満であるとはんだ濡れ性が悪い。後述するようにAgとSnの各めっき厚みの条件を制御すると上層13の条件厚みは0.50μm程度となる。上層13の厚みは、好ましくは0.10μm以上であり、より好ましくは0.20μm以上である。
上層13へは、はんだ濡れ性の向上を目的とし、Pを5at%以下まで添加することも可能である。
本発明では、「上層」は、「最表面からAg濃度が最大を示した後深さ方向に50at%となるまでの領域の範囲」である。
(下層)
下層12はNiとSnとで構成される。下層12はめっき後に熱処理を施すことで上層13とステンレス鋼基材との間に形成される。NiはSnと合金層を形成することでNi濃度が低くなり、ニッケルアレルギー問題の懸念が低減する。下層12の厚みは、0.01μm以上0.20μm未満である。下層12の厚みが0.01μm未満であると、密着性が悪くなるという問題が生じる。また、下層12の厚みが0.20μmを超えると、ニッケルアレルギーの問題が生じる。下層12の厚みは、好ましくは0.05μm以上0.15μm未満である。
下層12へはニッケルアレルギーの問題を避けるために、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、B、P、Sn、Znを合計30at%まで添加することも可能である。
本発明では、下層は、「Ag濃度が最大を示した後深さ方向に50at%となるところから深さ方向にFeの原子濃度が50at%となるまでの領域の範囲」である。なお、当該Feはステンレス鋼基材に由来するものである。
(皮膜中の原子濃度)
また、最表面から深さ方向に厚み5nmまでの領域を除いた上層において、Ag原子濃度(at%)>Sn原子濃度(at%)を満たすのが好ましい。このような構成により、はんだ濡れ性が良好となる。また、最表面から深さ方向に厚み5nmまでの領域を除いた上層において、9×Sn原子濃度(at%)>Ag原子濃度(at%)>Sn原子濃度(at%)を満たすのがより好ましい。このような構成により、更にAgの硫化を抑制することができる。なお、最表面から深さ方向に厚み5nmまでの領域は、Snめっき後、表面に酸化錫が直ちに形成し、熱処理してもこの酸化錫の形態は変化しないため、Sn濃度>Ag濃度となる領域が存在する。また、下層中のNiの原子濃度が80at%未満であることが好ましく、60at%未満であるのがより好ましく、40at%未満であるのが更により好ましい。下層中のNiの原子濃度が80at%以上であるとニッケルアレルギーの問題が懸念される場合がある。
<電子部品用金属材料の製造方法>
次に、実施形態に係る電子部品用金属材料の製造方法について説明する。
まず、ステンレス鋼基材11上に厚み0.005μm以上0.100μm未満のNiを成膜してNi皮膜を形成する。Niはステンレス鋼基材11上に密着性のよいAg及びSnめっきをするためとステンレス鋼基材11の構成金属がめっき皮膜に拡散してくるのを防止するために用いられる。Niめっきの厚みが0.005μm未満であると、密着性の良いAg及びSnめっき皮膜が得られない。なおステンレス鋼基材の構成金属は、銅系基材の構成金属と比較して拡散速度が遅く拡散が遅い。よってステンレス鋼基材の拡散を防止するためは銅系基材よりもNiめっき厚みが薄くても良い。一方Niめっきの厚みが0.100μmより厚くなると、めっき後に熱処理をしてもめっき皮膜にNi濃度が高い部分が存在し、この濃度が高い電子部品用金属材料を使用することでニッケルアレルギーの問題が生じる懸念がある。
次に、Ni皮膜上に厚み0.03μm以上0.30μm未満のAgを成膜してAg皮膜を形成する。Agを含む貴金属は、金属の中では比較的耐熱性を有するという特徴がある。またこれら金属は、後述するSnと化合物を形成してSnの酸化膜形成を抑制し、はんだ濡れ性を向上させる。なおAgは他の貴金属と比較すると安価であり、導電率が高いという特徴がある。Agの厚みが0.03μm未満であると耐熱性が悪くはんだ濡れ性が劣化する。一方Agの厚みが0.30μmよりも厚いと、めっき後に熱処理してもAgが全てAgとSnの合金層を形成せず、Ag濃度が比較的高い部分が存在し、耐硫化試験をするとAgが変色する場合がある。
次に、Ag皮膜上に厚み0.02μm以上0.30μm未満のSnを成膜してSn皮膜を形成する。Snは塩素ガス、亜硫酸ガス、硫化水素ガス等のガスに対する耐ガス腐食性に優れ、Agの硫化を防ぐ働きがある。Snの厚みが0.02μm未満であるとAgの硫化を抑制する効果が弱く、Agが硫化する場合がある。Snの厚みが0.30μmを超えると、めっき後に熱処理してもSnが全てAgとSnの合金層を形成せず、Sn濃度が比較的高い部分が存在してウィスカが発生する場合がある。
次に、Sn皮膜を形成した後、熱処理を行うことで、前記ステンレス鋼基材上にNiとSnとで構成され且つNi原子濃度が80at%未満である下層と、下層上に設けられたAgとSnとで構成された上層とを形成する。AgとSnの合金層を設けるためには、このように、めっき後の熱処理を施すことが必要である。なお、この熱処理については、処理条件(温度×時間)は適宜選択できる。なお熱処理を施す場合にはSnの融点以上の温度で行った方がAgとSnの合金層を形成しやすい。
上記熱処理を施した後に、耐ガス腐食性及びはんだ濡れ性を向上させる目的で後処理を施しても良い。後処理によって上層の酸化が抑制されて、耐ガス腐食性及びはんだ濡れ性等の耐久性が向上する。具体的な後処理としてはインヒビターを用いた、リン酸塩処理、潤滑処理、シランカップリング処理等がある。なおこの後処理の有無及び処理条件については限定されない。
なお、めっきの順番は、上記実施形態では、ステンレス鋼基材11上にNiめっきを施し、その後Agめっき、Snめっきの順に形成したが、これに限られず、ステンレス鋼基材11上にNiめっきを施し、その後Snめっき、Agめっきの順に形成してもよい。AgめっきとSnめっきとは、どちらの順に施しても熱処理をすれば同じ本発明の皮膜構造が得られる。
<電子部品用金属材料の特性>
(上層の表面粗さ)
上層13の算術平均粗さRaが0.3μm未満であることが好ましい。上層の算術平均粗さが0.3μm以上であると、密着性が悪い場合がある。上層13の算術平均粗さRaは、より好ましくは0.20μm未満であり、更により好ましくは0.10μm未満であり、典型的には0.08〜0.18μmである。
<電子部品用金属材料の用途>
本発明の電子部品用金属材料の用途は特に限定しないが、例えば電子部品用金属材料を接点部分に用いたカードコネクタ等の電子部品などが挙げられる。
以下、本発明の実施例及び比較例を共に示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
実施例及び比較例として、表1に示す種類及び算術平均粗さRaのステンレス鋼基材を準備し、当該Raを有する表面側に電解脱脂、酸洗を行った後、Niめっき、Agめっき、Snめっきをそれぞれ表1に示す順(第1めっき〜第3めっき)で形成した後、熱処理及び後処理を行った。当該ステンレス鋼基材の構成及び電解脱脂、酸洗、Niめっき、Agめっき、Snめっき、熱処理、後処理の詳細は以下の通りである。
(ステンレス鋼基材)
ステンレス鋼基材:SUS304(Fe−18質量%Cr−8質量%Ni)、厚み0.30mm
(電解脱脂)
めっき液:アルカリ脱脂浴
液温:60℃
電流密度:3A/dm2(材料を陽極にしての電解)
(酸洗)
めっき液:硫酸浴
液温:常温
電流密度:10A/dm2(材料を陰極にしての電解)
(第1めっき:Niめっき)
めっき液:ウッド浴(塩酸+塩化ニッケル浴)
液温:常温
電流密度:4A/dm2
(第2、3めっき:Agめっき)
めっき液:ストライク浴(+厚付け浴)※シアン浴
めっき温度:常温
電流密度:0.2〜0.5A/dm2
(第2、3めっき:Snめっき)
めっき液:メタンスルホン酸浴
めっき温度:40℃
電流密度:4A/dm2
(熱処理)
熱処理はホットプレートにサンプルを置き、ホットプレートの表面が所定の温度になったことを確認して実施した。
(後処理)
めっき液:リン酸エステル系液
めっき温度:60℃
〔陽極電解(2V、定電圧電解)〕
上述のようにして形成したサンプルについて、以下の各測定を行った。
(Ni、Ag及びSnめっきの厚み)
Ni、Ag及びSnめっきの厚みは、蛍光X線膜厚計(日立ハイテクサイエンス製 SFT9550X)で測定した。測定は任意の5点について評価し平均化した。
(上層及び下層の構造[組成]の決定及び厚み)
上層及び下層の構造の決定及び厚み測定は、XPS(X線光電子分光)分析によるDepth分析で行った。分析した元素は、Ag、Sn、Fe及びNiである。これら元素を指定元素とする。また、指定元素の合計を100%として、各元素の濃度(at%)を分析した。厚みは、SiO2換算の距離に対応する。XPS装置は、アルバック・ファイ株式会社製5600MC(検出面積800μmΦ)を用いた。
測定は、任意の3点について評価を行って平均化した。
なお上層は、最表面からAg濃度が最大を示した後深さ方向に50at%となるまでの領域の範囲とした。一方下層はAg濃度が最大を示した後深さ方向に50at%となるところから深さ方向にFeの原子濃度が50at%となるまでの領域の範囲とした。
(上層の算術平均粗さRa)
上層の算術平均粗さRaは、触針式表面形状測定装置DektakXT−Sを用いて測定した。なお、測定条件は次の通りとした。
触針半径:12.5μm
触針圧:3mg
測定距離:1000μm
測定時間:20s
また、上記サンプルについて、以下の各評価を行った。
(密着性)
密着性は、得られた各試験片の金めっき表面に1mm間隔で碁盤の目を罫書き、テープ剥離試験を実施した。また、各試験片を任意に180°曲げて元の状態に戻し、曲げ部のテープ剥離試験を行った。剥離が全くない場合を○とし、一部でもある場合には×とした。
(ニッケルアレルギー)
ニッケルアレルギーは、欧州規格EN1811によるニッケルの溶出量検査で評価した。50mm×50mmサイズのサンプルを人工汗に浸し、30℃の恒温槽で1週間浸漬した時の溶出量をICP発光分析法で確認した。この試験でニッケルの溶出量が0.5μg/cm2/week以下であった場合は、ニッケルアレルギーの懸念がないとし評価を○とした。溶出量が0.5μg/cm2/weekよりも多い場合は、ニッケルアレルギーの懸念があるとし評価を×とした。
〔人工汗:乳酸50g、塩化ナトリウム100gを900mLの水に溶かしこみ、更に水を加え1Lにする。〕
(はんだ濡れ性)
はんだ濡れ性はめっき後とPCT(105℃×不飽和100%RH×8h)後のサンプルをそれぞれ評価した。ソルダーチェッカ(レスカ社製SAT−5000)を使用し、フラックスとして市販の25%ロジンメタノールフラックスを用い、メニスコグラフ法にてはんだ濡れ時間を測定した。はんだはSn−3Ag−0.5Cu(250℃)を用いた。サンプル数は5個とし、各サンプルの最小値から最大値の範囲を採用した。目標とする特性は、ゼロクロスタイム1秒(s)以下である。ゼロクロスタイムが目標に達した場合を○、目標に達さなかった場合は×とした。
(耐硫化試験)
耐硫化試験は、下記の試験環境で評価した。耐硫化試験の評価は、環境試験を終えた試験後のサンプルの外観である。なお、目標とする特性は、外観が変色していないことである。評価は外観が変化しなかった場合を○、変化した場合は×とした。
硫化水素ガス腐食試験
硫化水素濃度:10ppm
温度:40℃
湿度:80%RH
曝露時間:96h
サンプル数:5個
(ウィスカ)
ウィスカは、JEITA RC−5241の荷重試験(球圧子法)にて評価した。すなわち、各サンプルに対して荷重試験を行い、荷重試験を終えたサンプルをSEM(JEOL社製、型式JSM−5410)にて100〜10000倍の倍率で観察して、ウィスカの発生状況を観察した。荷重試験条件を以下に示す。
球圧子の直径:Φ1mm±0.1mm
試験荷重:2N±0.2N
試験時間:120時間
サンプル数:10個
評価はウィスカが1本も発生しなかった場合は○、ウィスカが発生した場合は×とした。
Figure 2016098390
(評価結果)
実施例1〜12は高耐久はんだ濡れ性を有する電子部品用金属材料であった。
比較例1は、Niめっき及び下層の厚みが目標よりも薄かったので、密着性が悪かった。
比較例2は、Niめっき及び下層の厚みが目標よりも厚かったので、ニッケルアレルギーの評価が×であった。
比較例3は、Agめっきが目標よりも薄かったので、はんだ濡れ性が悪かった。
比較例4は、Agめっきが目標よりも薄かったので、PCT後のはんだ濡れ性が悪かった。
比較例5は、Snめっきが目標よりも薄かったので、耐硫化性が悪かった。
比較例6は、Snめっきが目標よりも厚かったので、ウィスカが発生した。
比較例7は、上層が目標よりも薄かったので、耐硫化性が悪かった。
また、図2に実施例12に係るXPS分析結果を示す。図2より、Niの最大濃度は55at%、最表面から深さ方向に厚み5nmまでの領域を除いた前記上層がAg濃度>Sn濃度、更に好ましくは9×Sn濃度>Ag濃度>Sn濃度であることが分かる。
10 電子部品用金属材料
11 基材
12 下層
13 上層

Claims (6)

  1. ステンレス鋼基材上に形成されたNiとSnとで構成された下層と、前記下層上に設けられたAgとSnとで構成された上層とを備え、
    前記下層の厚みが0.01μm以上0.20μm未満であり、
    前記上層の厚みが0.04μm以上であり、
    前記下層中のNi原子濃度が80at%未満である電子部品用金属材料。
  2. 前記上層の算術平均粗さRaが0.3μm未満である請求項1に記載の電子部品用金属材料。
  3. 最表面から深さ方向に厚み5nmまでの領域を除いた前記上層において、Ag原子濃度(at%)>Sn原子濃度(at%)を満たす請求項1又は2に記載の電子部品用金属材料。
  4. 最表面から深さ方向に厚み5nmまでの領域を除いた前記上層において、9×Sn原子濃度(at%)>Ag原子濃度(at%)>Sn原子濃度(at%)を満たす請求項3に記載の電子部品用金属材料。
  5. ステンレス鋼基材上に厚み0.005μm以上0.100μm未満のNiを成膜してNi皮膜を形成する工程と、
    前記Ni皮膜上に厚み0.03μm以上0.30μm未満のAgを成膜してAg皮膜を形成する工程と、
    前記Ag皮膜上に厚み0.02μm以上0.30μm未満のSnを成膜してSn皮膜を形成する工程と、
    前記Sn皮膜を形成した後、熱処理を行うことで、前記ステンレス鋼基材上にNiとSnとで構成され且つNi原子濃度が80at%未満である下層と、前記下層上に設けられたAgとSnとで構成された上層とを形成する工程と、
    を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子部品用金属材料の製造方法。
  6. ステンレス鋼基材上に厚み0.005μm以上0.100μm未満のNiを成膜してNi皮膜を形成する工程と、
    前記Ni皮膜上に厚み0.02μm以上0.30μm未満のSnを成膜してSn皮膜を形成する工程と、
    前記Sn皮膜上に厚み0.03μm以上0.30μm未満のAgを成膜してAg皮膜を形成する工程と、
    前記Ag皮膜を形成した後、熱処理を行うことで、前記ステンレス鋼基材上にNiとSnとで構成され且つNi原子濃度が80at%未満である下層と、前記下層上に設けられたAgとSnとで構成された上層とを形成する工程と、
    を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子部品用金属材料の製造方法。
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