JP2016098234A - 化学蓄熱材およびその製造方法 - Google Patents

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陽介 水谷
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佳大 岸田
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佳大 岸田
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Abstract

【課題】化学蓄熱装置の高性能化等を図れる新たな化学蓄熱材を提供する。
【解決手段】本発明の化学蓄熱材は、Mg、Mn、Fe、CoまたはNiの一種以上である金属元素(M)とBrまたはIの一種以上であるハロゲン元素(X)とからなる金属ハロゲン化物(MX)のジアンミン錯体(MX・2NH)であって、空間群Cmmmに属する結晶構造を有する特定構造金属ハロゲン化物ジアンミン錯体を含むことを特徴とする。このジアンミン錯体(MX・2NH)は、例えば、そのヘキサアンミン錯体(MX・6NH)からアンモニアを放出させる放出工程により製造される。結晶構造が空間群Cmmmに属するMgBr・2NHからなる化学蓄熱材を350℃未満に保持することにより、その化学蓄熱材の結晶構造を安定相である空間群Pbamへ相転位させることなく、安定した高出力を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属ハロゲン化物のアンミン錯体からなる化学蓄熱材とその製造方法に関する。
環境意識の高揚に伴い、省エネルギー化やエネルギー効率の向上を図る研究開発が盛んになされている。その一つに、蓄熱密度が大きく、保温しなくても長期間の蓄熱が可能な化学蓄熱材を用いた化学蓄熱システムが着目されている。これによると、各種の機器、機械、プラント等から生じる比較的低温な廃熱(または排熱)等も有効に活用し得る。
化学蓄熱システムは、化学蓄熱材と熱媒貯蔵材の間で熱媒(アンモニアまたは水等)を移動させることにより、蓄熱(吸熱)と放熱(発熱)を行う。このシステムの高効率化やコンパクト化を図るには、化学蓄熱材の蓄熱密度が単に高いのみならず、熱媒貯蔵材に整合した作動温度や作動圧力の下で、熱媒の効率的な吸蔵または放出が安定的になされることが求められる。
この化学蓄熱材には、従来、水との反応により水酸化物を形成する酸化カルシウム(生石灰)等が一般的に用いられていたが、最近では、より低温域で作動可能なアンモニア錯体(アンミン錯体)を形成する金属塩化物などが利用されつつある。その一例が下記の特許文献に記載されている。
特開2014−51972号公報
A. Leineweber et al., J. Solid State Chem. 147, 229-234 (1999) A. Leineweber et al., J. Solid State Chem. 152, 381-387 (2000)
特許文献1には、MgCl(化学蓄熱材)とNH(熱媒)の反応熱を利用してディーゼルエンジンの排出ガス浄化装置の暖気を行う旨が記載されている。具体的にいうと、MgClは、蓄熱時(吸熱時)にMgCl・2NH(塩化マグネシウムジアンミン錯体)となり、暖気を行う放熱時にMgCl・6NH(塩化マグネシウムヘキサアンミン錯体)となる。
もっとも、これまでの化学蓄熱材は、熱媒(NH、HO等)の配位数と発熱量の関係に着目されるのみであり、錯体となったときの結晶構造に着目されることはなかった。ちなみに、マグネシウム塩化物のジアンミン錯体であるMgCl・2NH の結晶構造が空間群Cmmmに属することと、MgBr・2NH の結晶構造が空間群Pbamに属することとは、化学蓄熱材と無関係に報告されている(非特許文献1参照)。
本発明は、このような実情を踏まえつつ、従来とは全く異なる発想の下、金属ハロゲン化物アンミン錯体の結晶構造に着目して、化学蓄熱装置の高性能化等を図れる新たな化学蓄熱材と、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、特定の金属ハロゲン化物の錯体(特にジアンミン錯体)は、結晶構造の相違により、化学蓄熱材としての特性(特に反応速度)が異なることを発見した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明が完成されるに至った。なお、本発明者が真摯に調査した限り、化学式(組成)が同一である金属ハロゲン化物のアンミン錯体が異なる結晶構造を取り得る旨の報告は殆どなく(Ni系アンミン錯体について上記の非特許文献2に記載がある程度)、少なくとも化学蓄熱材という視点から、そのような結晶構造に着目した提案等は皆無であった。
《化学蓄熱材》
(1)本発明の化学蓄熱材は、Mg、Mn、Fe、CoまたはNiの一種以上である金属元素(M)とBrまたはIの一種以上であるハロゲン元素(X)とからなる金属ハロゲン化物(MX)のジアンミン錯体(MX・2NH)であって、空間群Cmmmに属する結晶構造を有する特定構造金属ハロゲン化物ジアンミン錯体を含むことを特徴とする。
(2)本発明の化学蓄熱材は、空間群Cmmmに属する結晶構造を有する特定構造金属ハロゲン化物ジアンミン錯体(特定MX・2NH)からなることにより、結晶構造が他の空間群(Pbam等)に属する通常の金属ハロゲン化物ジアンミン錯体からなる場合よりも、アンモニアを吸収してヘキサアンミン錯体(MX・6NH)となるときの反応速度が高くなり得る。従って本発明の化学蓄熱材を用いることにより、化学蓄熱装置の出力低下を抑止して、安定した高出力等を得ることが可能となる。
(3)このように金属ハロゲン化物ジアンミン錯体の結晶構造の相違によって、アンモニアの吸収反応速度が異なる理由(特に、結晶構造が空間群Cmmmに属する場合に、その反応速度が向上する理由)は、必ずしも定かではないが、現状では次のように考えられる。文献1及び2に報告されているように、空間群Cmmmのジアンミン錯体の場合、配位するアンモニアと中心金属とを結ぶ線の向き(配位方向)が結晶内で平行である。一方、空間群Pbamのジアンミン錯体の場合、その配位方向が結晶内で揃わず、その半数が残りの半数に対して相互にほぼ垂直となっている。そして、ジアンミン錯体がアンモニアを吸収して生成するヘキサアンミン錯体は、中心金属と配位子の配位方向が結晶内で揃っている。従って、ジアンミン錯体からヘキサアンミン錯体への変化は、本発明の化学蓄熱材の場合のように配位方向が揃っている錯体間で生じるときに、配位方向が揃っていない錯体と揃っている錯体との間で生じるときよりも、反応速度が大きくなったと推測されている。
《化学蓄熱材の製造方法》
(1)上述した本発明の化学蓄熱材は、例えば、次のような本発明の製造方法により得られる。すなわち、本発明の化学蓄熱材の製造方法は、金属ハロゲン化物(MX)のヘキサアンミン錯体(MX・6NH)からアンモニアを放出させる放出工程を備え、空間群Cmmmに属する結晶構造を有する金属ハロゲン化物ジアンミン錯体(MX・2NH)が得られることを特徴とする。
(2)理由は定かではないが、MX・6NHからNHを放出させる過程を経ることにより、上述した空間群Cmmmに属する結晶構造のMX・2NH(特定構造金属ハロゲン化物ジアンミン錯体)が得られる。反応環境(圧力、温度)は、金属ハロゲン化物の種類に応じて適宜選択されるが、通常、放出工程は、MX・6NHを減圧雰囲気としてなされる。また、MX・6NH → MX・2NH +4NH は吸熱反応であるため、放出工程は加熱雰囲気でなされると、その反応の促進が図られて好ましい。
例えば、金属ハロゲン化物がMgBrである場合なら、放出工程は、0.01〜50kPaさらには0.1〜10kPaの減圧雰囲気でなされると好ましい。その圧力が過大では、反応促進を図れず、効率的にMgBr・2NH(空間群Cmmm)が得られない。また、その圧力が過小では、設備の大型化や急激な反応により却って収率低下(反応速度の低下)を招来して好ましくない。
また、金属ハロゲン化物がMgBrである場合、放出工程は、350℃未満、330℃以下、300℃以下、250℃以下さらには200℃以下でなされると好適である。放出工程時の温度が過大になると、マグネシウム臭化物ジアンミン錯体(MgBr・2NH)は、結晶構造が空間群Pbamに属する安定相となって好ましくない。放出工程時の下限温度は、反応促進を図る観点から、例えば、室温以上、50℃以上、100℃以上さらには150℃以上であると好ましい。
《その他》
(1)本発明は、上述した化学蓄熱材およびその製造方法としてのみならず、その化学蓄熱材を所望形状に成形等した化学蓄熱構造体、さらにはその化学蓄熱構造体を内蔵した反応器、その反応器を備えた化学蓄熱装置(システム)等としても把握できる。また、化学蓄熱構造体は、上述した化学蓄熱材のみならず、それを保持するバインダー、さらには、それらよりも熱伝導性に優れる高熱伝導材を含むものでもよい。なお、高熱伝導材である炭素繊維をバインダーとして使用してもよい。
(2)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値や数値範囲に含まれる任意の数値を適当に選択または抽出し、それらを新たな下限値または上限値として「a〜b」のような数値範囲を任意に新設し得る。
結晶構造が異なる各試料に係るMgBr・2NHを化学蓄熱材として用いたときの反応率の時間変化(反応速度)を示すグラフである。 各試料(MgBr・2NH)のX線回折パターンである。
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の内容を上述した本発明の構成として付加し得る。本明細書で説明する内容は、化学蓄熱材のみならず、その製造方法や化学蓄熱構造体にも適宜適用される。製造方法に関する構成は、プロダクトバイプロセスとして理解すれば物に関する構成になり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《特定構造金属ハロゲン化物ジアンミン錯体(特定MX・2NH)》
本発明に係る金属ハロゲン化物は、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)またはニッケル(Ni)の一種以上である金属元素(M)と、臭素(Br)またはヨウ素(I)の一種以上であるハロゲン元素(X)とからなる。
本発明に係る金属ハロゲン化物は、一種のM(カチオン)と一種のX(アニオン)がイオン結合した化合物である単金属塩の他、少なくともMまたはXの一方が複数からなり、それら元素(イオン)が原子レベルで複合化(イオン結合)した複金属塩でもよい。さらには、そのような単金属塩または複金属塩の二種以上が混在した混合金属塩でもよい。要するに、本発明に係る金属ハロゲン化物は、上述した金属元素(M)とハロゲン元素(X)からなり、ジアンミン錯体となったときの結晶構造が空間群Cmmmに属するものであればよい。
なお、あらゆる結晶は、一般的にその対称性から、7種類の結晶系、14種類のブラべー格子、32種類の点群、230種類の空間群に分類される。本発明でいう「Cmmm」は、その230種類に分類した空間群(立方晶系)の一つを示す。このような空間群は、「International Tables for Crystallography, Volume A」(国際結晶学会の監修・刊行)に基づく国際標準な表記である。結晶構造は、対象試料をX線回折により解析して特定される。
本発明の化学蓄熱材は、空間群Cmmmに属する結晶構造を有するMX・2NHを少なくとも一部に含めば足りる。例えば、化学蓄熱材の一部に、結晶構造が空間群Pbam(斜方晶系)等に属するMX・2NH等が含まれていてもよい。
金属ハロゲン化物ジアンミン錯体の一例であるMgBr・2NHの結晶構造が、アンモニア吸収反応の反応率の経時変化(反応速度)に影響する旨を示して、本発明をより具体的に説明する。
《試料の製造》
(1)金属ハロゲン化物原料(MX
先ず、金属ハロゲン化物原料となるMgBr (Sigma-Aldrich社製/品番:360074)を用意した。
(2)金属ハロゲン化物ヘキサアンミン錯体(MX・6NH
上記のMgBr(粉末)を、水分濃度1ppm以下の低湿度環境下で反応器(内容積約5cc)に充填して密封した。反応器をハンドメイドのジーベルツ型装置に接続し、反応器内を真空排気した。電気ヒータにより反応器の試料充填部を180℃に加熱し、各試料へ600kPaに加圧したNHを供給して、10分間以上保持した。こうしてMgBr・6NHを調製した。ここで用いた反応器はステンレス製で、アンモニアガスの供給脱気のためのバルブや圧力計を具備している。
(3)金属ハロゲン化物ジアンミン錯体(MX・2NH
反応器内の各試料粉末を180℃に保持しつつ、真空ポンプにより連続排気して、反応器内を1kPaとして、30分間保持した(放出工程)。こうして得られたMgBr・2NHを試料1とした。
また、その試料1を反応器内で、250℃で2時間保持して得られたMgBr・2NHを試料2とした。さらに、その試料1を反応器内で、350℃で2時間保持して得られたMgBr・2NHを試料C1とした。なお、本明細書では、このようなMgBr・2NHの加熱工程を適宜、アニールという。
《アンモニア吸収反応試験》
各試料(MgBr・2NH)を充填した充填部を180℃に加熱し、各試料へ600kPaに加圧したNHを供給してアンモニアを吸収させた。そして、このアンモニア吸収反応中における各試料の反応率と経過時間の関係を測定した。その結果を図1に示した。なお、このときのアンモニア吸収により、各試料は、MgBr・2NHからMgBr・6NHへ変化した。
なお、反応率は次のように算出した。先ず、予め、各試料(化学蓄熱材)の質量(モル数)に基づいて算出されるアンモニアの理論吸収量(ΔQth)を求めておく。次に、アンモニア吸収反応中に生じるアンモニア圧力の低下(ΔP)を測定し、その圧力低下に基づいて、その反応中に各試料が実際に吸収したアンモニアの吸収量(ΔQ)を算出する。この実際の吸収量を理論吸収量で除した値(ΔQ/ΔQth)を反応率とした。
ちなみに、本明細書でいう反応速度は、例えば、その反応率の時間変化率(1/s)として求めることができる。具体的には、反応開始から特定の反応率(反応率≒1となる反応終了時を含む)が得られるまでの経過時間の逆数を反応速度と考えても良いし、反応率と経過時間の関係を示す曲線(図1)について、特定時点における接線の傾きを反応速度と考えてもよい。
《結晶構造の測定》
上述したように、MgBr・6NHから180℃でNHを放出させた試料1の粉末(MgBr・2NH)と、それを250℃または350℃でアニールした試料2または試料C1の粉末(MgBr・2NH)とについて、X線回折測定を行った。こうして得られたX線回折パターンを図2に併せて示した。なお、測定は株式会社リガク製Ultima IVにより、CuKα線源を用いて、試料温度を室温として、大気圧のArガス雰囲気中で行った。
《評価》
図1から明らかなように、同組成(MgBr・2NH)からなる試料であっても、アンモニアを吸収する際の反応速度に大きな相違が生じることがわかった。具体的にいうと、180℃でNHを放出させた試料1と、それを250℃でアニールした試料2とは、共に高い反応速度を発揮した。しかし、350℃でアニールした試料C1は試料1または試料2よりも反応速度がかなり低いことがわかった。
このように同組成(MgBr・2NH)であっても、反応速度が異なる試料1および試料2と、試料C1とは、結晶構造が異なることが、図2からわかった。具体的にいうと、反応速度が高かった試料1および試料2は、空間群Cmmmに属する結晶構造を示すX線回折パターンが得られた。一方、反応速度が低かった試料C1は、アニール前には見られないピーク(黒色逆三角印)を示すX線回折パターンが得られ、その結晶構造が空間群Pbamに属することが明らかとなった。
《考察》
(1)以上のことから、空間群Cmmmに属する結晶構造を有する(特性)MgBr・2NHを化学蓄熱材として用いることにより、反応速度が大きくて高出力な化学蓄熱装置を得ることが可能となる。
また、その特定MgBr・2NHからなる化学蓄熱材の温度を、所定範囲内(350℃未満)で用いることにより、その結晶構造を空間群Cmmmから空間群Pbamへの相転位を抑止でき、その化学蓄熱材の高特性を安定的に確保することも可能となる。
(2)ちなみに、従来報告されていたMgBr・2NHの結晶構造は、安定相(空間群Pbam)のみであり、準安定相(空間群Cmmm)の存在や、所定温度以上の加熱(アニール)により結晶構造が変化する固相間の相転位が生じること等は、これまで全く知られていなかった。
このような状況は、広く、M:Mg、Mn、Fe、CoまたはNiの一種以上で、X:BrまたはIの一種以上とする特定のMX・2NHについても同様である。少なくとも、特定構造金属ハロゲン化物ジアンミン錯体(MX・2NH)に関して、準安定相(空間群Cmmm)の存在や固相間の相転位等を利用した化学蓄熱材については全く報告されていなかった。そして、このような特定構造金属ハロゲン化物ジアンミン錯体を化学蓄熱材とした場合も、MgBr・2NHを化学蓄熱材とした場合と同様に、高特性(反応速度、出力等)な化学蓄熱装置が得られると考えられる。

Claims (4)

  1. Mg、Mn、Fe、CoまたはNiの一種以上である金属元素(M)と、BrまたはIの一種以上であるハロゲン元素(X)とからなる金属ハロゲン化物(MX)のジアンミン錯体(MX・2NH)であって、空間群Cmmmに属する結晶構造を有する特定構造金属ハロゲン化物ジアンミン錯体を含むことを特徴とする化学蓄熱材。
  2. 前記金属ハロゲン化物は、MgBrである請求項1に記載の化学蓄熱材。
  3. 金属ハロゲン化物(MX)のヘキサアンミン錯体(MX・6NH)からアンモニアを放出させる放出工程を備え、
    空間群Cmmmに属する結晶構造を有する金属ハロゲン化物ジアンミン錯体(MX・2NH)が得られることを特徴とする化学蓄熱材の製造方法。
  4. 前記金属ハロゲン化物は、MgBrであり、
    前記放出工程は、350℃未満でなされる請求項3に記載の化学蓄熱材。
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