JP2016098227A - 発泡性固形状組成物の製造方法 - Google Patents

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【課題】炭酸塩とタンパク質の安定性が保たれた発泡性固形状組成物の製造方法の提供。【解決手段】次の工程(1)及び(2):(1)炭酸塩とタンパク質の混合物を造粒し、造粒物を得る工程、(2)得られた造粒物と有機酸を混合する工程を含む、発泡性固形状組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性固形状組成物の製造方法に関する。
炭酸塩と有機酸の中和反応により炭酸ガスが発生する仕組みを利用した固形状の製品が数多く上市されている。例えば、入浴剤、洗浄剤、経口投与製剤等が知られている。これらは水に投入すると、また、口内の唾液に触れると発泡し、崩壊が促される。
しかし、炭酸塩と有機酸が共存すると、保存中の吸湿等によって中和反応が生じてしまい、包装容器が膨張したり、形状が崩壊したりする。
そこで、炭酸塩と有機酸の接触を防止するために、例えば、炭酸塩とポリエチレングリコールを混合し、造粒した後、この造粒物に有機酸を混合して圧縮成型する方法(特許文献1)、また反対に、有機酸と水溶性バインダーと非イオン界面活性剤を混合し、造粒した後、この造粒物に炭酸塩を混合する方法(特許文献2)等が提案されている。
特開2012−236825号公報 特開2012−158588号公報
従来技術のように、造粒により炭酸塩又は有機酸のいずれか一方を水溶性バインダーで被覆して直接の接触を防げば、発泡性成分の安定化を図れると考えられた。しかしながら、本発明者らが検討したところ、かかる技術によっても経時的に炭酸塩の含量が低下する場合があることが判明した。
また一方で、本発明者らがタンパク質と発泡性成分とを含む固形状組成物を開発しようとしたところ、経時的にタンパク質が変性し、更に変色が生じる場合があり、保存安定性に課題があることも判明した。
本発明は、かかる実情に鑑み、炭酸塩とタンパク質の安定性が保たれた発泡性固形状組成物の製造方法を提供することに関する。
本発明者らは、発泡性固形状組成物の安定化について検討したところ、炭酸塩とタンパク質を一緒に造粒物に含有させ、この造粒物に有機酸を混合することにより、経時的な炭酸塩の含量低下を抑えられる上に、タンパク質の変性と変色も抑えられ、安定性が保たれた固形状組成物とすることができることを見出した。
すなわち、本発明は、次の工程(1)及び(2):
(1)炭酸塩とタンパク質の混合物を造粒し、造粒物を得る工程、
(2)得られた造粒物と有機酸を混合する工程
を含む、発泡性固形状組成物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、
造粒部と有機酸部とを含む発泡性固形状組成物であって、
前記造粒部には炭酸塩とタンパク質とが前記有機酸部よりも多く存在し、
前記有機酸部には有機酸が前記造粒部よりも多く存在する、
発泡性固形状組成物を提供するものである。
本発明によれば、発泡性成分とタンパク質の経時安定性を高めることができ、保存後も色の変化が少なく且つ発泡性成分とタンパク質による効果が期待される発泡性固形状組成物を得ることができる。
本発明の発泡性固形状組成物の製造方法は、炭酸塩とタンパク質の混合物を造粒し、造粒物を得る工程(1)と、得られた造粒物と有機酸を混合する工程(2)を含む。
〔工程(1)〕
本発明の工程(1)は、炭酸塩とタンパク質の混合物を造粒し、造粒物を得る工程である。
本発明で用いられる炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、発生する泡の食感が良好な点から、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましく、炭酸水素ナトリウムが更に好ましい。
発泡性固形状組成物中の炭酸塩の含有量は、風味、物性の点から、2〜25質量%(以下、単に「%」とする)であるのが好ましく、更に4〜20%、更に8〜20%であることが好ましい。
本発明で用いられるタンパク質は、乳タンパク質、卵タンパク質、コラーゲンなどの動物性タンパク質、大豆タンパク質、エンドウタンパク質、小麦タンパク質、米タンパク質などの植物性タンパク質、それらの加水分解物や酵素分解物等が挙げられる。なかでも、植物性タンパク質が好ましく、更に穀物由来タンパク質、更に小麦タンパク質、更に小麦アルブミンが好ましい。
小麦アルブミンは、小麦の胚乳部に由来するアルブミンファミリーに属する水可溶性タンパク質である。小麦アルブミンは、高いα−アミラーゼ阻害活性を有する点から、電気泳動の移動度が0.19の小麦アルブミン(0.19小麦アルブミンともいう)を多く含有することが好ましい。なお、ここでの電気泳動の移動度とは、試料をDavisの方法(Annals of the NewYork Academy of Science,121,404−427,1964)に従って、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた際の移動度をさす。
タンパク質は、公知の方法を採用して、例えば植物から抽出することにより得ることが可能であり、抽出条件も適宜設定することできる。小麦アルブミンの小麦からの抽出法としては、例えば、特開平9−172999号公報に記載のアミラーゼ阻害物質の調整法を用いることができる。
また、市販品を用いてもよい。
発泡性固形状組成物中のタンパク質の含有量は、炭酸塩の保存安定性の点から、10〜70%であるのが好ましく、更に30〜60%であることが好ましい。
炭酸塩とタンパク質の混合物における、炭酸塩とタンパク質の含有質量比[タンパク質/炭酸塩]は、タンパク質の種類によるものの、炭酸塩及びタンパク質の保存安定性の点から、1〜7であるのが好ましく、更に3〜6であることが好ましい。
炭酸塩とタンパク質の混合物には、更に水溶性バインダーを含有させるのが、溶解性の点から好ましい。
水溶性バインダーとしては、澱粉、α化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、アセチル化澱粉、架橋処理澱粉、デキストリンなどの澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコールなどのポリビニル誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルキレンオキシド重合体、プルラン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、澱粉類、セルロース誘導体が、造粒物の溶解性の点、造粒物の製造性の点から好ましい。
水溶性バインダーの使用量は、バインダー毎に性質の相違があるので一概にはいえないが、できるだけ少量でバインダー効果が発現するものを使用するのが好ましく、その場合、水溶性バインダーの含有量は、発泡性固形状組成物中に0.5〜5%であることが好ましく、更に1〜3%であることが好ましい。
また、炭酸塩とタンパク質の混合物には、必要に応じて許容される担体を配合することができる。なかでも、造粒物の製造性の点から、賦形剤を配合するのが好ましい。
賦形剤としては、有機系賦形剤又は無機系賦形剤が挙げられ、有機系賦形剤としては、例えば、乳糖、蔗糖、麦芽糖、ブドウ糖、トレハロース、結晶セルロース等の糖、マルチトール、還元麦芽糖水アメ、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、還元パラチノース等の糖アルコールが挙げられる。
無機系賦形剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等が挙げられる。なかでも、風味、食感の点から、有機系賦形剤が好ましく、更に糖アルコールが好ましく、更にマルチトール、エリスリトール、キシリトールが好ましく、更にマルチトールが好ましい。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。糖アルコールは、無水物、水和物のいずれでもよい。
発泡性固形状組成物中の賦形剤の含有量は、造粒物の製造性の点から、10〜50%が好ましく、更に15〜40%が好ましい。
炭酸塩とタンパク質の混合物を造粒する方法は、乾式法と湿式法とに大別されるが、湿式法が好ましい。造粒法としては、例えば、押し出し造粒法、破砕造粒法、転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法等が挙げられる。
造粒時の温度は、タンパク質変性を防止する点から、90℃以下が好ましい。
造粒後、必要に応じて整粒してもよい。
造粒物の含水率(造粒物全体の質量に対する水の質量の比率)は、保存安定性の点から、0.5〜6%が好ましく、1〜5%がより好ましく、更に1.5〜4%が好ましい。
また、造粒物の粒度は求める用途によって適宜決定することができる。一般的に、造粒物の平均粒子径は、50〜1000μmが好ましく、100〜500μmが更に好ましい。
〔工程(2)〕
本発明の工程(2)は、工程(1)で得られた造粒物と有機酸を混合する工程である。
本発明で用いられる有機酸としては、可食性の酸を使用することができる。例えば、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、酢酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、アジピン酸等の有機酸が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、発生する泡の食感が良好な点から、クエン酸又はリンゴ酸が好ましく、更にクエン酸が好ましい。
有機酸は別途造粒して、炭酸塩とタンパク質を含む前記造粒物と混合してもよい。
発泡性固形状組成物中の有機酸の含有量は、5.5〜50%、更に8〜30%、更に10〜22%であることが風味、物性の点から好ましい。
発泡性固形状組成物においては、有機酸と炭酸塩の当量比[有機酸の当量/炭酸塩の当量]が、0.7〜4であるのが風味、物性の点から好ましく、更に0.8〜2であることが好ましい。尚、本発明において、前記「当量比」とは、発泡性固形状組成物に含まれる有機酸の当量を炭酸塩の当量で除した値である。
発泡性固形状組成物には、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、ミネラル(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、クロム、セレン、マンガン、モリブデン、銅、ヨウ素、リン、カリウム、ナトリウム)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、葉酸及びそれらの塩、又はそれらのエステル)、甘味料(例えば、フルクトース、グルコース、ガラクトース、キシロース、タガトース等の単糖、例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルツロース、カップリングシュガー等の少糖、サッカリン、スクラロース、アセスルファムカリウム等の合成甘味料)、有機酸以外の酸味料、香料、着色料、保存料等を適宜含有させることができる。これらは、工程(1)において造粒物を製造する際に配合してもよいし、工程(2)において有機酸と共に配合してもよい。また、両工程で配合してもよい。
かくして得られる発泡性固形状組成物は、口内又は水の存在下で炭酸ガスを発生するものである。その形態としては、例えば、室温(15〜25℃)で固形状のものであれば特に限定されないが、例えば、カプセル剤、顆粒剤、散剤、錠剤、丸剤等が挙げられる。なかでも、1回あたり少量で摂取可能な点、摂取が簡便な点から、発泡錠である錠剤又は散剤が好ましく、チュアブル錠であることが更に好ましい。
このような剤型の組成物を調製するには、必要に応じて、前記賦形剤やその他許容される担体、例えば、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化澱粉、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、メチルセルロース、硬化油)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素)、矯味剤(例えば、ステビア、アスパルテーム)、香料、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、被膜剤、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
発泡錠を調製する場合は、工程(1)で得られた造粒物と有機酸を混合する工程(2)の後に、圧縮して成形する工程を行うことができる。圧縮成形方法は、特に限定されず、ロータリー打錠機、油圧プレス機、単発打錠機等を用いることができる。
打錠時の圧縮成形圧は、成形物の硬度維持、崩壊性等の点から、例えば100〜4000kg/cm2である。
発泡錠の含水率(発泡錠全体の質量に対する水の質量の比率)は、打錠性、保存安定性の点から、0.5〜6%が好ましく、1〜5%がより好ましく、更に1.5〜4%が好ましい。
発泡錠の形状としては、円形錠もしくは楕円形、長円形、四角形等の面形を有する各種異形錠であってもよい。
また、発泡錠の1錠当りの重量は、0.05g以上とするのが簡便性及び有効性の点で好ましい。
本発明の方法により、経時的な炭酸塩の含量低下とタンパク質の変性を抑制することができる。
発泡性固形状組成物の炭酸塩残存率は、例えば、密閉遮光下55℃、相対湿度10%の条件で3日間保存した場合、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上である。
また、例えば、密閉遮光下40℃、相対湿度75%の条件で2か月間保存した場合、発泡性固形状組成物の小麦アルブミン残存率は、好ましくは85%以上、より好ましくは87%以上である。
また、本発明の方法により、経時的な変色を抑制することができる。例えば、密閉遮光下55℃・相対湿度10%で3日間保存した場合、実施例記載の方法で測定される色差(ΔE)を好ましくは4以下、更に2以下に抑制することができる。
本発明の発泡性固形状組成物は、炭酸塩と小麦アルブミン等のタンパク質を有機酸部よりも多く含む造粒部と、有機酸を造粒部よりも多く含む有機酸部とを有することで、炭酸塩と有機酸との接触が抑制されると同時に小麦アルブミン等のタンパク質が何らかの緩衝作用を起こし炭酸塩の反応が抑制される。また、小麦アルブミン等のタンパク質と有機酸との接触が抑制されると同時に炭酸塩の何らかの緩衝作用によりタンパク質の変性が抑制される。その結果、継時的な炭酸塩の含量低下とタンパク質の変性、継時的な変色を抑制することができる。
〔原料〕
小麦アルブミン:小麦アルブミンNA−1(タンパク質含量90%)、日清ファルマ株式会社
炭酸水素ナトリウム:炭酸水素ナトリウム、和光純薬株式会社
クエン酸:無水クエン酸 80MP、扶桑化学工業株式会社
マルチトール:粉末マルチトールG3、三菱商事フードテック株式会社
澱粉:トウモロコシデンプン、和光純薬工業株式会社
HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業株式会社
〔分析方法〕
(1)炭酸水素ナトリウム残存率の測定
50mLメスシリンダーに30mLの蒸留水を加え、そこにアルミ三方袋に密封した状態の発泡錠を静かに沈め、その時の体積を求めた。保存前の初期品と55℃、相対湿度10%で保存した保存品の体積差から発生した二酸化炭素量を25℃、常圧で求め、反応した炭酸水素ナトリウム量を算出し、炭酸水素ナトリウム残存率を求めた。
(2)0.19小麦アルブミン残存率の測定
発泡錠1.0gを0.1%トリフルオロ酢酸水溶液100mLに溶解し、下記に示す条件の高速液体クロマトグラフィーに供して、クロマトグラム中の0.19アルブミンのピーク面積を測定した。一方、発泡錠の代わりに、0.19アルブミン標準品(純度28.5%)を同じ条件下に高速液体クロマトグラフィーに供してクロマトグラム中の0.19アルブミンのピーク面積を測定し、発泡錠中の0.19小麦アルブミン含量を算出した。
保存前の初期品と保存品の0.19小麦アルブミン含量の差から0.19小麦アルブミン残存率を求めた。
<クロマトグラフィー条件>
カラム:充填材:YMC−PAC C8
サイズ:4.6mmφ×250mm
温度:50℃
流速:0.8mL/分
検出:280nmにおける吸光度
移動相:A液;0.1%トリフルオロ酢酸水溶液
B液;80%アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸
(3)色差(ΔE)
発泡錠の色をKONICA MINOLTA カラーリーダーCR−13を用いて測定した。
保存前の初期品と保存品の色の差を色差(ΔE)とした。
〔発泡錠の調製〕
実施例1〜2
表1に記載の配合組成で、先ず炭酸水素ナトリウム、小麦アルブミン、マルチトールを混合した。この混合物を流動層造粒機に仕込み、澱粉又はHPMCの水溶液を噴霧して、湿式造粒、乾燥を経て含水率3%、平均粒子径150μmの造粒物を得た。次いで、この造粒物に表1に記載の配合組成でクエン酸、スクラロース、微粒二酸化ケイ素及びステアリン酸カルシウムを加えて混合後、ロータリー打錠機を用い圧縮成形して1000mgの発泡錠を得た。
比較例1
小麦アルブミンを混合せず、マルチトールの量を変更した以外は実施例1と同様にして発泡錠を得た。
比較例2
炭酸水素ナトリウムの代わりにクエン酸を混合した以外は実施例1と同様にして造粒物を得た。次いで、この造粒物に表1に記載の配合組成で炭酸水素ナトリウム、スクラロース、微粒二酸化ケイ素及びステアリン酸カルシウムを加えて混合後、ロータリー打錠機を用い圧縮成形して発泡錠を得た。
〔評価方法〕
実施例1〜2及び比較例1〜2で製造した発泡錠をそれぞれ60mm×60mmアルミ三方袋に密封した状態で55℃×相対湿度10%の条件で保存し、初期を100%とした時の3日後の炭酸水素ナトリウム残存率、及び色差(ΔE)を求めた。
また、発泡錠を60mm×60mmアルミ三方袋に密封した状態での状態で40℃×相対湿度75%の条件で保存し、初期を100%とした時の2カ月後の小麦アルブミン残存率を求めた。なお、評価は3つのサンプルの平均値とし、小麦アルブミンとして、0.19小麦アルブミンを指標とした。
結果を表1に示す。
Figure 2016098227
表1より明らかなように、小麦アルブミンを混合せずに炭酸塩を造粒した比較例1の発泡錠は、経時的な炭酸塩の含量低下が認められた。また、小麦アルブミンと有機酸の混合物を造粒した比較例2の発泡錠は、経時的な炭酸塩の含量低下と小麦アルブミンの含量低下が認められた上に、変色した。
これに対して、実施例1〜2の発泡錠は、炭酸塩及び小麦アルブミン両方の安定性が高いことが確認された。また、発泡錠の変色も抑えられた。

Claims (7)

  1. 次の工程(1)及び(2):
    (1)炭酸塩とタンパク質の混合物を造粒し、造粒物を得る工程、
    (2)得られた造粒物と有機酸を混合する工程
    を含む、発泡性固形状組成物の製造方法。
  2. 工程(1)において、更に水溶性バインダーを混合する請求項1記載の発泡性固形状組成物の製造方法。
  3. 水溶性バインダーが澱粉類又はセルロース誘導体である請求項2記載の発泡性固形状組成物の製造方法。
  4. タンパク質が植物性タンパク質である請求項1〜3のいずれか1項記載の発泡性固形状組成物の製造方法。
  5. 工程(2)で得られた造粒物と有機酸の混合物を圧縮成形する工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の発泡性固形状組成物の製造方法。
  6. 発泡性固形状組成物がチュアブル錠である請求項5記載の発泡性固形状組成物の製造方法。
  7. 造粒部と有機酸部とを含む発泡性固形状組成物であって、
    前記造粒部には炭酸塩とタンパク質とが前記有機酸部よりも多く存在し、
    前記有機酸部には有機酸が前記造粒部よりも多く存在する、
    発泡性固形状組成物。
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