JP2016098134A - ガラス金属積層体 - Google Patents

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Naoki Okahata
直樹 岡畑
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Takashi Shibuya
崇 澁谷
美砂 松野
Misa Matsuno
美砂 松野
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Keisuke Hanashima
圭輔 花島
高野 芳伸
Yoshinobu Takano
芳伸 高野
暢彦 竹下
Nobuhiko Takeshita
暢彦 竹下
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Abstract

【課題】従来よりも密着性の高いガラス金属積層体を提供する。【解決手段】ガラス金属積層体であって、ガラス基板と、該ガラス基板の第1の表面上に設けられた金属層とを有し、前記第1の表面において、算術平均粗さRaは5nm以上であり、前記第1の表面は、根元部分の少なくとも一部が先端部分に比べて内方にくびれた凸状部を有する、ガラス金属積層体。【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス金属積層体に関する。
めっき法はプリント配線板の製造等に広く使用されているが、高い密着性を得るためにめっき前に基板の粗面化処理が行われるのが一般的である。しかしガラス基板を用いる場合にこのような粗面化処理を施すと、ガラス基板の透明性が損なわれる。また粗面化処理により形成される凹凸が大きいため、処理されたガラス基板を配線用基板等に用いる場合には、配線の低抵抗化が困難である。このため近年では基板の粗面化処理を行わない各種金属のめっき法を用いた、ガラス金属積層体の作製が検討されてきた。
特許文献1には、ガラス基板を酸性のエッチング液に浸漬することで密着性の高いめっき膜を形成する方法が記載されている。また、特許文献2には、金属元素の基板への結合を促進するために、基板表面を有機溶媒または水性溶液中での熱反応によって処理する方法が記載されている。
特開2014−143251号 特表2010−538159号
前述のように、ガラス基板を水溶液中に浸漬するウェットプロセス(以下、単にウェットプロセスともいう)や触媒や活性化剤を用いたガラス基板の化学的修飾により、ガラスと金属との密着性の高いガラス金属積層体を得ることができる。
しかしながら、従来のウェットプロセスによるガラス基板表面の粗面化では、ガラス基板の表面は凹状になるため、密着性は十分に向上しない。また、化学的修飾のみによっては、ガラス基板の表面積があまり大きくならず、やはり密着性は十分に向上しない。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、ガラスと金属との密着性の高いガラス金属積層体を提供することを目的とする。
本発明では、ガラス金属積層体であって、第1の表面を有するガラス基板と、前記第1の表面上に設けられた金属層とを有し、前記第1の表面において、算術平均粗さRaは5nm以上であり、前記第1の表面は、根元部分の少なくとも一部が先端部分に比べて内方にくびれた凸状部を有するガラス金属積層体が提供される。
本発明によれば、ガラスと金属との密着性の高いガラス金属積層体を提供することができる。
本発明の一実施形態によるガラス金属積層体に適用され得るガラス基板の断面を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態によるガラス金属積層体の断面を模式的に示した拡大図である。 本発明の一実施形態によるガラス金属積層体の製造方法を模式的に示したフロー図である。 本発明の一実施形態によるガラス金属積層体の製造方法により製造されたガラス金属積層体の断面を模式的に示した拡大図である。 例3において使用した凹凸基板Bの第1の表面における断面SEM写真である。 例3において使用した凹凸基板Bの第1の表面における表面SEM写真である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されることはない。また、本発明の範囲を逸脱することなく、以下の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
(特異凸状部)
ここで、図1を参照して、本発明の一実施形態によるガラス金属積層体におけるガラス基板の第1の表面に形成される特異凸状部およびその効果について説明する。図1には、本実施形態によるガラス金属積層体に適用され得るガラス基板の断面を模式的に示す。
図1に示すように、このガラス基板10は、ナノメートルオーダーの多数の凸状部50を有する第1の表面12を有する。そして、これらの凸状部50の中には、特異凸状部が含まれる。特異凸状部とは、凸状部50のうち、根元部分の少なくとも一部が、先端部分に比べて内方にくびれた形状である部分を意味する。
例えば、図1に示した例では、2つの特異凸状部51、52が認められる。このうち特異凸状部51は、根元部分の一方の側(右側)が内方にくびれている。一方、特異凸状部52は、根元部分の両方の側が内方にくびれており、いわゆるネック部53を有する。ネック部53とは、第1の表面12に形成された凸状部50において、上部に比べて断面が小さくなっている下側部分、いわゆる狭窄部を意味する。
本実施形態では、2つの特異凸状部51、52を区別するため、特に、特異凸状部52を、ネック部53を有する特異凸状部という場合がある。
なお、凸状部50におけるネック部53の有無は、以下のように判断できる。すなわち、図1に示すように、ガラス基板10に対して、一つの凸状部(例えば特異凸状部52)の最も径が小さくなっている部分(P点)を通るように、ガラス基板10の厚さ方向に平行な直線L1を引く。この直線L1が、P点より上部(第1の表面12からより遠ざかる方向)で特異凸状部52と交差する場合、その特異凸状部52は、ネック部53を有すると判断できる。
このような特異凸状部51、52を有する第1の表面12は、例えば、ガラス基板10を高温のフッ化水素ガス(HFガス)でエッチング処理することにより、形成することができる。
特異凸状部51、52を有する第1の表面12上に金属層を形成した場合、アンカー効果により該金属層とガラス基板10との間の密着性を高めることができる。
特に、第1の表面12に形成された、特異凸状部51、52を含む微細な凹凸に、金属層を構成する金属材料が空間を設けることなく充填された場合、ガラス基板10と金属層の間で、アンカー効果が顕著となり極めて良好な密着性を得ることができる。
このように、本実施形態によるガラス金属積層体では、特異凸状部51、52を含む微細な凹凸を有する第1の表面12の存在により、ガラス基板10と金属層の間に、アンカー効果による有意に高い密着性を得ることができる。特に、第1の表面12がネック部53を有する特異凸状部52を有する場合、アンカー効果が顕著となり、ガラス基板10と金属層の間で、極めて良好な密着性を得ることができる。
(ガラス金属積層体)
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態によるガラス金属積層体について詳しく説明する。
図2には、本実施形態によるガラス金属積層体(以下、ガラス金属積層体100という)の断面を模式的に示す。
図2に示すように、ガラス金属積層体100は、ガラス基板110と、金属層140とを有する。
ガラス基板110は、第1の表面112および第2の表面114を有する。ガラス基板110の第1の表面112は、ナノメートルオーダーの多数の凹凸を有し、これらの中には、特異凸状部151、152が含まれる。
また、ガラス基板110の第1の表面112において、算術平均粗さRaは5nm以上である。算術平均粗さRaは、1994 JIS B0601に基づいて測定することができる。算術平均粗さRaが大きいほど、ガラス基板110の第1の表面112と金属層140との間におけるアンカー効果が顕著になり、密着性が向上する。
ガラス基板110の第1の表面112において、最大高さ粗さRzは50nm以上であることが好ましい。最大高さ粗さRzは、2001 JIS B0601に基づいて測定することができる。最大高さ粗さRzが大きいほど、ガラス基板110の第1の表面112と金属層140との間におけるアンカー効果が顕著になり、密着性が向上する。
なお、ネック部153の、ガラス基板110の厚さ方向と垂直な方向における断面の最大寸法は、例えば50nm〜400nmの範囲である。
ガラス金属積層体100において、金属層140は、ガラス基板110の第1の表面112の上に直接設けられる。なお、ガラス基板110と金属層140の間の密着性は、例えば、後述する例1に示すような方法で測定することができる。特に、例1の方法で測定される密着強度は、0.8kg/mm以上であることが好ましい。
(各構成部材の仕様について)
次に、図2に示したようなガラス金属積層体100を構成する各部材の仕様等について、詳しく説明する。
(ガラス基板110)
ガラス基板110の寸法および組成等は、特に限られない。ガラス基板110は、例えば、0.05mm〜10mmの厚さを有しても良い。また、ガラス基板110は、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、および無アルカリガラス等を用いてもよい。
前述のように、ガラス基板110の第1の表面112は、多数の微細な凹凸を有する。より具体的には、ガラス基板110の第1の表面112において、算術平均粗さRaは5nm以上である。例えば、算術平均粗さRaは、5nm〜50nmの範囲であり、10nm〜45nmの範囲であっても良い。
また、最大高さ粗さRzは50nm以上であることが好ましい。例えば、最大高さ粗さRzは、50nm〜500nmの範囲であり、例えば、80nm〜300nmの範囲であっても良い。
また、前述のように、ガラス基板110の第1の表面112は、特異凸状部151、152を有する。このような第1の表面112を有するガラス基板110は、例えば、高温のガラス基板110の第1の表面112を、フッ化水素(HF)ガスでエッチング処理することにより製造することができる。
なお、後述するように、ガラス基板110をHFガスでエッチング処理した際に、第1の表面112に柱状結晶物が生成される場合がある。柱状結晶物は、例えば、全長が30nm〜100nmの範囲であり、最大幅が1nm〜50nmの範囲であり、アスペクト比が1〜10の範囲である。この柱状結晶物は、ガラス基板110を構成するガラス成分で構成され、ガラス基板110を、HFガスを用いて、比較的強い条件下(例えば、エッチング温度が500℃以上、およびHFガス濃度が2体積%以上など)でエッチング処理した際に形成される傾向にある。従って、この柱状結晶物の有無を、HFガスによるエッチング処理条件の強弱の判定の目安として使用することができる。また、この柱状析出物は第1の表面112と結合しているため、それ自体も特異凸状部51、52と同様に、密着性を高める効果を奏する。
なお、ガラス基板110は、化学強化処理されても良い。通常の場合、化学強化処理は、ガラス基板110に、前述のような特徴を有する第1の表面112を形成した後に実施される。
ここで、化学強化処理(法)とは、アルカリ金属を含む溶融塩中にガラス基板を浸漬させ、ガラス基板の最表面に存在する原子径の小さなアルカリ金属(イオン)を、溶融塩中に存在する原子径の大きなアルカリ金属(イオン)と置換する技術の総称を言う。化学強化処理(法)では、処理されたガラス基板の表面には、処理前の元の原子よりも原子径の大きなアルカリ金属(イオン)が配置される。このため、ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成することができ、これによりガラス基板の強度が向上する。
例えば、ガラス基板がナトリウム(Na)を含む場合、化学強化処理の際、このナトリウムは、溶融塩(例えば硝酸塩)中で、例えばカリウム(K)と置換される。あるいは、例えば、ガラス基板がリチウム(Li)を含む場合、化学強化処理の際、このリチウムは、溶融塩(例えば硝酸塩)中で、例えばナトリウム(Na)および/またはカリウム(K)と置換されても良い。
また、ガラス基板110の第1の表面112は、1%以下のヘイズ、例えば、0.9%以下のヘイズを有しても良い。この場合、透明性が向上する。
(金属層140)
ガラス金属積層体100に含まれる金属層140の種類は、特に限られない。金属層140は、例えば、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウム、鉄、パラジウム、白金、クロム、錫、コバルト、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、カドミウム、インジウム、アンチモン、オスミウム、イリジウム、水銀、タリウム、鉛、ビスマスなどや、それらの合金とすることができる。中でも金属層140の抵抗率を低くしたい場合には、金属層140が金、銀、銅、アルミニウム、鉄からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属を50質量%以上含むことが好ましい。また、耐腐食性を高めたい場合には、金属層140がニッケル、金、白金からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属を50質量%以上含むことが好ましい。
また、金属層140を後述する電解めっき処理により設ける場合、金属層140が銅、金、銀、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属を50質量%以上含むことが好ましい。
また、本実施形態では金属層をガラス基板に設けるが、必ずしも金属層でなくとも本発明の効果は奏される。従って、金属層の代わりに、例えば、ゲルマニウムやヒ素などを含む半導体の層や、金属酸化物の層などを設けることができる。
(ガラス金属積層体の製造方法)
次に、本発明の一実施形態によるガラス金属積層体の製造方法の一例について説明する。なお、ここでは、一例として、図2に示したようなガラス金属積層体100を例に、その製造方法について説明する。従って、各部材を参照する際には、図2に示した参照符号を使用する。
図3には、ガラス金属積層体100の製造方法のフローを模式的に示す。
図3に示すように、ガラス金属積層体100の製造方法は、
(i)ガラス基板を準備するステップ(ステップS110)と、
(ii)ガラス基板に、特異凸状部を含む、ナノメートルオーダーの多数の凹凸を有する第1の表面を形成するステップ(ステップS120)と、
(iii)ガラス基板を化学強化処理するステップ(ステップS130)と、
(iv)前記ガラス基板の第1の表面に、金属層を設けるステップ(S140)と、
を有する。
なお、ステップS130は、必須の工程ではなく、省略しても良い。
以下、各工程について説明する。
<ステップS110>
まず、ガラス金属積層体100のガラス部分となるガラス基板110が準備される。
前述のように、ガラス基板110の組成は、特に限られない。また、ガラス基板110の寸法および形状は、特に限られない。例えば、ガラス基板110の厚さは、0.05mm〜10mmの範囲であっても良い。
<ステップS120>
次に、ステップS110で準備したガラス基板110に、前述のような特徴を有する第1の表面112が形成される。あるいは、ステップS110で準備したガラス基板110の第1の表面112が、前述のような特徴を示すように加工される。
第1の表面112の形成方法は、特に限られない。例えば、ガラス基板110を高温のHFガスでエッチング処理することにより、前述のような特徴を有する第1の表面112を形成しても良い。
特に、HFガスによるエッチング処理の場合、例えば、HFガス濃度(例えば0.1体積%〜10体積%)、エッチング時のガラス基板110の温度(以下、エッチング温度という)(例えば400℃〜800℃)、およびエッチング時間(例えば1秒〜数分)などのエッチング条件を変化させることにより、ナノメートルオーダーの凹凸の寸法および形態などを制御することが可能になる。特に、比較的強いエッチング処理条件(例えば、エッチング温度が500℃以上、およびHFガス濃度が2体積%以上など)を選定することにより、ネック部153を有する特異凸状部152の存在確率を増加させることができる。なお、この場合、前述の柱状結晶物が生成する可能性も高くなる。
<ステップS130>
次に、第1の表面112を有するガラス基板110が化学強化処理される。これにより、ガラス基板110の強度が向上する。ただし、この工程は、必須の工程ではなく、省略しても良い。また、この工程は、ステップS120の前に実施しても良い。
化学強化処理の条件は、特に限られず、一般的な化学強化処理条件を適用しても良い。
化学強化処理に使用される溶融塩の種類としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、および塩化カリウム等の、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属硫酸塩、およびアルカリ金属塩化物塩などが挙げられる。これらの溶融塩は、単独で用いても、複数種を組み合わせて用いても良い。
化学強化処理温度(溶融塩の温度)は、使用される溶融塩の種類によっても異なるが、例えば、350℃〜550℃の範囲であっても良い。
化学強化処理は、例えば、350℃〜550℃の溶融硝酸カリウム塩中に、ガラス基板110を2分〜20時間程度浸漬することにより、実施しても良い。経済的かつ実用的な観点からは、350〜500℃、1〜10時間で実施されることが好ましい。
なお、例えば、ミラーなどへの適用を想定した場合、ステップS110〜ステップS130を経て調製されたガラス基板110のヘイズは、好ましくは1%以下である。
また、ステップS110〜ステップS130を経て調製されたガラス基板110の第1の表面112の400nm〜700nmの波長域における光の平均反射率は、好ましくは1.5%以下であり、より好ましくは1.0%以下である。なお、ステップS120を経ないガラス基板110の第1の表面112の可視光域における光の平均反射率は、一般的に約4.0%である。
<ステップS140>
次に、ガラス基板110の第1の表面112上に、金属層140が設けられる。金属層140は、通常、ガラス基板110の第1の表面112を覆うように、一様に層状に設けられる。(不図示)しかしながら、金属層140を設ける前に第1の表面112の一部を保護膜などで保護することにより、第1の表面112上に一様でない金属層140を設けることもできる。
金属層140を設ける方法は、特に限られない。金属層140は、例えば、めっき処理法や、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法などにより、ガラス基板110の第1の表面112に設置されても良い。特に、めっき処理法では、ガラス基板110の第1の表面112に存在する微細な空間、例えば特異凸状部152のネック部153の周囲にまで、金属層140を構成する金属材料を十分に充填することができる。従って、この方法で金属層140を形成した場合、ガラス基板110と金属層140の間の密着性がよりいっそう向上する。めっき処理は、例えば、以下に代表して示す、無電解めっき処理や電解めっき処理などにより行うことができる。
(無電解めっき処理)
ここで、図4を参照して、本発明の一実施形態によるガラス金属積層体の製造方法により製造されたガラス金属積層体について説明する。図4には、本発明の一実施形態によるガラス金属積層体の製造方法により製造されたガラス金属積層体の断面を模式的に示す。
無電解めっき処理は、例えば、ガラス基板110を無電解金属めっき液に浸漬することにより行われる。無電解めっき処理によれば、絶縁体であるガラス基板110の第1の表面112上に導電性の無電解金属めっき層142を形成することができるため、後述する電解めっき処理をガラスに対して行うことができるようになる。
無電解めっき処理により得られる無電解金属めっき層142の厚さは、0.05μm〜5μmであることが好ましい。0.05μm以上であれば、後述する電解めっき処理における下地導電膜としての機能を有し、5μm以下であれば生産性が向上する。無電解めっき処理は、第1の表面112の凹凸に起因する無電解金属めっき層142の厚さのばらつきを電解めっき処理よりも減らすことができるため、好ましい。
無電解金属めっき液は、無電解金属めっき層142として形成したい金属の塩を含むことが好ましい。金属の塩としては、例えば、硫酸銅(II)、硫酸ニッケル(II)、シアン化金(I)カリウム、亜硫酸金(I)ナトリウム、などが挙げられる。中でも硫酸ニッケルは、生成した無電解金属めっき層142とガラス基板110の第1の表面112との密着性を高めやすいため、好ましい。
また、無電解金属めっき液は、還元剤としてホルムアルデヒド(ホルマリン)、グリオキシル酸、次亜リン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、アスコルビン酸、チオ尿素、ヒドロキノン、ジメチルアミノボラン、またはヒドラジンを含むことが好ましい。還元剤は、自身が酸化されるときに放出する電子によって無電解金属めっき液中の金属イオンを還元し、無電解金属めっき層142を形成する。
さらに、無電解金属めっき液は、錯化剤としてエチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)やイミノ二酢酸、クエン酸などを含むことが好ましい。その他、必要に応じて水酸化ナトリウムなどのpH調整剤、グルコン酸、酒石酸などの緩衝剤、ヨウ素酸などの安定剤、などの添加剤を無電解金属めっき液に含ませることもできる。
無電解めっき処理の反応促進のために、例えば、最初に薄いニッケルの無電解金属めっき層を形成してから、その上に銅の無電解金属めっき層を形成することもできる。また、同じく無電解めっき処理の反応促進のために、硫酸銅を含む無電解めっき液に微量のニッケルイオンを添加することもできる。
無電解めっき処理を行う温度としては、無電解ニッケルめっきの場合は60〜95℃が好ましい。また、無電解金属めっき液のpHとしては無電解ニッケルめっきの場合は4.0〜6.0の範囲が好ましい。
(電解めっき処理)
電解めっき処理は、例えば、陽極と、陰極であるガラス基板110(無電解金属めっき層142)を電解金属めっき液に浸漬し、外部電源から陽極と陰極の間に電圧を印加することにより行われる。
電解めっき処理により得られる電解金属めっき層144の厚さは、配線板の仕様に応じて決定されるが、例えば、5μm〜100μmである。5μm以上であれば、電解金属めっき層144が安定的に形成されるため配線等に使用することが可能であり、100μm以下であれば生産性が向上する。
陽極は、電解金属めっき層144として形成したい金属を含むことが好ましい。金属としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、錫、金、銀などが挙げられる。中でも銅は、配線に用いた場合に比抵抗が低いことや、作業工程の自由度が高いことから好ましい。
電解金属めっき液は、電解金属めっき層144として形成したい金属の塩を含むことが好ましい。金属の塩としては、例えば、硫酸銅(II)、ホウフッ化銅、シアン化銅、ピロリン酸銅などが挙げられる。中でも硫酸銅(II)は、ガラス基板110の第1の表面112との密着性を高めやすいため、好ましい。また、電解金属めっき液は、電気伝導度を増大させたり、陽極を溶解しやすくするために、硫酸、塩酸などを含むことが好ましい。その他、必要に応じてブドウ糖やシクロデキストリンなどの糖類やゼラチンなどのたんぱく質類、フェノール系化合物などの添加剤を電解金属めっき液に含ませることもできる。
電解めっき処理を行う温度としては、20〜60℃が好ましい。外部電源が陽極と陰極の間に流す電流の電流密度は0.3〜6Adm−2の範囲が好ましい。
以上の工程により、図4に示したようなガラス金属積層体100を製造することができる。
(ガラス金属積層体の適用例)
次に、前述のような特徴を有する本実施形態によるガラス金属積層体の一適用例について説明する。
ガラスインターポーザーは、直径が数十μm〜数百μmの開口部を有するガラス基板に対して、金属層(銅めっき層)を積層することにより構成される。ガラス基板は第1の表面、第2の表面と、それらを接続する少なくとも一つの開口部(貫通孔)を有し、該開口部の側面上には銅めっき層が積層される。第1の表面および第2の表面は、ガラス基板の表面のうち最も大きな面積を有する2つの面を意味する。
この場合、ガラス基板と金属層の間に接着材を使用しなくても、両者の間に、良好な密着性を得ることができる。この結果、微細な開口部の内部にも金属層を設けて三次元的な回路を形成することができ、回路基板の微細化が可能になる。
以上、本実施形態によるガラス金属積層体の適用例について説明した。ただし、本発明によるガラス金属積層体が、その他の用途にも適用可能であることは、当業者には明らかである。
次に、本発明による実施例について説明する。
(例1)
以下の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプルを作製した。
まず、縦約50mm×横約12.5mm×厚さ約0.5mmの寸法を有する無アルカリガラス基板(旭硝子社製、製品名:AN100)を準備した。次に、このガラス基板の一方の主表面(第1の表面)に対して、高温のHFガスによるエッチング処理を行った。エッチング処理の温度は、580℃とし、エッチングガスとして、窒素+3.1vol%HFの混合ガスを使用した。エッチング時間は、10秒とした。
得られた凹凸基板Aにおいて、第1の表面の表面粗さを測定した。表面粗さRaおよびRzの測定には、走査型プローブ顕微鏡(SPI3800N:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を使用し、JIS B0601(2001年)に基づいて実施した。測定は、カバーガラスの2μm四方の領域に対して、取得データ数1024×1024として実施した。測定の結果、算術平均粗さRaは32nmであった。
ヘイズメータ(HZ−2:スガ試験機社製)を用いて、凹凸基板Aのヘイズ(濁り度)を測定した。ヘイズの測定は、JIS K7361−1に基づいて実施した。光源には、C光源を使用した。測定の結果、ヘイズは、0.1%であり、十分に低い値が得られた。
また、分光光度計(島津製作所社製、型番UV−3100PC)を用いて、凹凸基板Aの400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率(以下、単に平均反射率ともいう)を測定した。測定の結果、平均反射率は、0.9%であり、十分に低い値が得られた。
次に、凹凸基板Aに無電解めっき処理および電解めっき処理により金属層を設けて、ガラス金属積層体のサンプル(以下、サンプルA1という)を作製した。まず、凹凸基板Aを無電解ニッケルめっき液に浸漬することにより無電解めっき処理を行い、凹凸基板A上に無電解ニッケルめっき層を形成した。得られた無電解ニッケルめっき層の厚さは、0.6μmであった。
無電解めっき処理に続いて電解めっき処理を行い、無電解ニッケルめっき層上に電解銅めっき層を形成した。電解めっき処理は、陽極を銅版、陰極を凹凸基板A(無電解ニッケルめっき層)としてそれぞれ電解銅めっき液に浸漬し、外部電源から陽極と陰極の間に電圧を印加することにより行った。得られた電解銅めっき層の厚さは、10μmであった。
得られたサンプルA1を用いて、凹凸基板Aと金属層の間の密着性評価試験および密着強度の測定を行った。密着性評価は、1mm角の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、粘着テープによる剥離を確認するクロスカットテストにより行った。また、外観目視により、フクレ等の有無及び変色などの不良を確認した。密着強度の測定は、サンプルA1の凹凸基板Aの上に銅線をはんだ付けした後、その銅線を基板平面に対して垂直方向に引っ張り、サンプルA1が破損した際の強度を測定することにより実施した。測定の結果、サンプルA1の密着強度は、2.99kg/mmと見積もられた。
以下の表1の(例1)の欄には、凹凸基板Aのエッチング処理条件、凹凸基板Aの第1の表面の表面粗さ、凹凸基板Aのヘイズ、密着強度およびサンプルA1の密着性評価試験結果などをまとめて示した。また、表1の(例2)〜(例10)の欄には、後述する例2〜例10におけるガラス基板の第1の表面の表面粗さ、ガラス基板のヘイズ、密着強度およびサンプルA2の密着性評価試験結果などもまとめて示した。
Figure 2016098134
(例2)
例1の場合と同様の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプル(以下、サンプルA2という)を作製した。ただし、この例2では、ガラス基板に対してエッチング処理を実施せず、準備したガラス基板をそのまま使用した。
ガラス基板の第1の表面における算術平均粗さRaは0.2nmであった。また、ガラス基板のヘイズは、0.1%未満であり、400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率は4.4%であった。得られたサンプルA2を用いて、前述の密着性評価試験を実施した。その結果、金属層はガラス基板から容易に剥離され、両者の間には、良好な密着性が生じていないことがわかった。
例1と例2における密着強度試験結果および密着性評価試験結果の比較から、例1におけるサンプルA1では、ガラスと金属層の間に良好な密着性が得られることが確認された。
(例3)
以下の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプルを作製した。
まず、縦約50mm×横約12.5mm×厚さ約0.5mmの寸法を有するアルミノシリケートガラス基板(旭硝子社製、製品名:Drangontrail(登録商標))を準備した。次に、このガラス基板の一方の主表面(第1の表面)に対して、例1の場合と同様の方法により、高温のHFガスによるエッチング処理を行った。次に、このガラス基板を化学強化処理した。化学強化処理は、ガラス基板全体を、410℃の硝酸カリウム溶融塩中に浸漬することにより実施した。処理時間は、2時間とした。これにより、第1の表面がエッチング処理された化学強化処理ガラス基板(以下、凹凸基板Bという)が得られた。
図5には、凹凸基板Bの第1の表面における断面SEM写真の一例を示す。また、図6には、凹凸基板Bの第1の表面における表面SEM写真を示す。これらの図から、凹凸基板Bの第1の表面には、多数の微細な凹凸が形成されており、その中には、前述の特異凸状部が多数含まれていることがわかる。また、これらの図には、アスペクト比が2から5の範囲の柱状結晶物も多数認められた。
得られた凹凸基板Bにおいて、例1の場合と同様に、第1の表面の表面粗さを測定した結果、算術平均粗さRaは20nmであった。また、凹凸基板Bのヘイズ(濁り度)と400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率を測定した結果、ヘイズは0.5%、平均反射率は1.3%であり、十分に低い値が得られた。
次に、例1の場合と同様の方法により、凹凸基板Bに金属層を設けて、ガラス金属積層体のサンプル(以下、サンプルB1という)を作製した。得られたサンプルB1を用いて、凹凸基板Bと金属層の間の密着強度の測定を行った測定の結果、密着強度は、3.01kg/mmと見積もられた。
(例4)
例3の場合と同様の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプル(以下、サンプルB2という)を作製した。ただし、この例4では、ガラス基板に対してエッチング処理を実施せず、準備したガラス基板をそのまま使用した。
ガラス基板の第1の表面における算術平均粗さRaは0.2nmであった。また、ガラス基板のヘイズは、0.1%未満であり、400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率は4.4%であった。得られたサンプルB2を用いて、前述の密着性評価試験を実施した。その結果、金属層はガラス基板から容易に剥離され、両者の間には、良好な密着性が生じていないことがわかった。
例3と例4における密着強度試験結果および密着性評価試験結果の比較から、例3におけるサンプルB1では、ガラスと金属層の間に良好な密着性が得られることが確認された。
(例5)
以下の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプルを作製した。
まず、縦約50mm×横約12.5mm×厚さ約0.5mmの寸法を有するソーダライムガラス基板(旭硝子社製、製品名:AS)を準備した。次に、このガラス基板の一方の主表面(第1の表面)に対して、例1の場合と同様の方法により、高温のHFガスによるエッチング処理を行った。これにより、第1の表面がエッチング処理されたガラス基板(以下、凹凸基板Cという)が得られた。
得られた凹凸基板Cにおいて、例1の場合と同様に、第1の表面の表面粗さを測定した結果、算術平均粗さRaは23nmであった。また、凹凸基板Cのヘイズ(濁り度)と400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率を測定した結果、ヘイズは0.2%、平均反射率は0.8%であり、十分に低い値が得られた。
次に、例1の場合と同様の方法により、凹凸基板Cに金属層を設けて、ガラス金属積層体のサンプル(以下、サンプルC1という)を作製した。得られたサンプルC1を目視で確認したところ、凹凸基板Cと金属層は密着しており、剥離していなかった。
(例6)
例5の場合と同様の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプル(以下、サンプルC2という)を作製した。ただし、この例6では、ガラス基板に対してエッチング処理を実施せず、準備したガラス基板をそのまま使用した。
ガラス基板の第1の表面における算術平均粗さRaは0.2nmであった。また、ガラス基板のヘイズは、0.1%未満であり、400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率は4.4%であった。得られたサンプルC2を目視で確認したところ、金属層はガラス基板から剥離しており、両者の間には、良好な密着性が生じていないことがわかった。
例5と例6における密着性評価試験結果の比較から、例5におけるサンプルC1では、ガラスと金属層の間に良好な密着性が得られることが確認された。
(例7)
以下の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプルを作製した。
まず、縦約50mm×横約12.5mm×厚さ約0.5mmの寸法を有する無アルカリガラス基板(旭硝子社製、製品名:AN100)を準備した。次に、このガラス基板の一方の主表面(第1の表面)に対して、例1の場合と同様の方法により、高温のHFガスによるエッチング処理を行った。これにより、第1の表面がエッチング処理されたガラス基板(以下、凹凸基板Dという)が得られた。
得られた凹凸基板Dにおいて、例1の場合と同様に、第1の表面の表面粗さを測定した結果、算術平均粗さRaは32nmであった。また、凹凸基板Dのヘイズ(濁り度)と400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率を測定した結果、ヘイズは0.1%、平均反射率は0.9%であり、十分に低い値が得られた。
次に、凹凸基板Dに金属層を設けて、ガラス金属積層体のサンプル(以下、サンプルD1という)を作製した。まず、凹凸基板Dを無電解銅めっき液に浸漬することにより無電解めっき処理を行い、凹凸基板D上に無電解銅めっき層を形成した。無電解めっき処理に続いて、例1の場合と同様の方法により電解めっき処理を行い、無電解銅めっき層上に電解銅めっき層を形成した。得られた電解銅めっき層の厚さは、5μmであった。得られたサンプルD1を用いて、凹凸基板Dと金属層の間の密着強度の測定を行った測定の結果、密着強度は、2.80kg/mmと見積もられた。
(例8)
例7の場合と同様の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプル(以下、サンプルD2という)を作製した。ただし、この例8では、ガラス基板に対してエッチング処理を実施せず、準備したガラス基板をそのまま使用した。
ガラス基板の第1の表面における算術平均粗さRaは0.2nmであった。また、ガラス基板のヘイズは、0.1%未満であり、400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率は4.4%であった。得られたサンプルD2を用いて、前述の密着性評価試験を実施した。その結果、金属層はガラス基板から容易に剥離され、両者の間には、良好な密着性が生じていないことがわかった。前述の密着強度の測定を行った結果、密着強度は0.37kg/mmであった。
例7と例8における密着強度試験および密着性評価試験結果の比較から、例7におけるサンプルD1では、ガラスと金属層の間に良好な密着性が得られることが確認された。
(例9)
以下の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプルを作製した。
まず、縦約50mm×横約12.5mm×厚さ約0.5mmの寸法を有するソーダライムガラス基板(旭硝子社製、製品名:AS)を準備した。次に、このガラス基板の一方の主表面(第1の表面)に対して、例1の場合と同様の方法により、高温のHFガスによるエッチング処理を行った。これにより、第1の表面がエッチング処理されたガラス基板(以下、凹凸基板Eという)が得られた。
得られた凹凸基板Eにおいて、例1の場合と同様に、第1の表面の表面粗さを測定した結果、算術平均粗さRaは23nmであった。また、凹凸基板Eのヘイズ(濁り度)と400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率を測定した結果、ヘイズは0.2%、平均反射率は0.8%であり、十分に低い値が得られた。
次に、凹凸基板Eに金属層を設けて、ガラス金属積層体のサンプル(以下、サンプルE1という)を作製した。まず、例1の場合と同様の方法により、凹凸基板E上に無電解ニッケルめっき層を形成した。得られた無電解ニッケルめっき層の厚さは、2μmであった。無電解めっき処理に続いて置換めっき処理を行い、無電解ニッケルめっき層上に金めっき層を設けた。得られた金めっき層の厚さは、0.05μmであった。得られたサンプルE1を用いて、凹凸基板Eと金属層の間の密着強度の測定を行った測定の結果、密着強度は、0.81kg/mmと見積もられた。
(例10)
例9の場合と同様の方法により、ガラスに金属層を設けたサンプル(以下、サンプルE2という)を作製した。ただし、この例10では、ガラス基板に対してエッチング処理を実施せず、準備したガラス基板をそのまま使用した。
ガラス基板の第1の表面における算術平均粗さRaは0.2nmであった。また、ガラス基板のヘイズは、0.1%未満であり、400nm〜700nmの波長領域における光の平均反射率は4.4%であった。得られたサンプルE2を用いて、前述の密着性評価試験を実施した。その結果、金属層はガラス基板から容易に剥離され、両者の間には、良好な密着性が生じていないことがわかった。
例9と例10における密着強度試験および密着性評価試験結果の比較から、例9におけるサンプルE1では、ガラスと金属層の間に良好な密着性が得られることが確認された。
本発明は、例えばガラス基板を使用したプリント基板等に利用することができる。
10 ガラス基板
12 第1の表面
50 凸状部
51、52 特異凸状部
53 ネック部
100 ガラス金属積層体
110 ガラス基板
112 第1の表面
114 第2の表面
140 金属層
142 無電解金属めっき層
144 電解金属めっき層
150 凸状部
151、152 特異凸状部
153 ネック部

Claims (11)

  1. ガラス金属積層体であって、
    第1の表面を有するガラス基板と、
    前記第1の表面上に設けられた金属層とを有し、
    前記第1の表面において、算術平均粗さRaは5nm以上であり、
    前記第1の表面は、根元部分の少なくとも一部が先端部分に比べて内方にくびれた凸状部を有する、ガラス金属積層体。
  2. 前記凸状部は、ネック部を有する、請求項1に記載のガラス金属積層体。
  3. 前記ガラス基板の前記第1の表面において、ヘイズは1%以下である、請求項1または2に記載のガラス金属積層体。
  4. 前記ガラス基板の前記第1の表面において、400nm〜700nmの波長域における平均反射率は、1.5%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス金属積層体。
  5. 前記金属層は、金、銀、銅、アルミニウム、鉄からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属を50質量%以上含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス金属積層体。
  6. 前記金属層は、前記ガラス基板の前記第1の表面上に設けられる厚さ0.05〜5μmの無電解金属めっき層と、前記無電解金属めっき層上に設けられる厚さ5〜100μmの電解金属めっき層とを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス金属積層体。
  7. 前記ガラス基板は、ソーダライムガラスまたは無アルカリガラスまたはアルミノシリケートガラスである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス金属積層体。
  8. 前記ガラス基板は、化学強化処理されたソーダライムガラスまたはアルミノシリケートガラスである、請求項7に記載のガラス金属積層体。
  9. 前記第1の表面は、前記ガラス基板をフッ化水素ガスでエッチング処理することにより形成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のガラス金属積層体。
  10. 前記第1の表面は、全長が30nm〜100nmの範囲であり、最大幅が1nm〜50nmの範囲の柱状結晶物を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のガラス金属積層体。
  11. 前記ガラス基板は、前記第1の表面に対向する第2の表面と、前記第1の表面と前記第2の表面とを接続する少なくとも1つの開口部とを有し、
    前記金属層は、前記ガラス基板の前記開口部の側面上に設けられている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のガラス金属積層体。
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