JP2016098013A - ラミネート紙容器 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明にかかるラミネート紙容器は、前記底部材の容器内面において、少なくともポリプロピレン単独重合体を含む樹脂層が積層されていることが好適である。
図2(a)に示すように、胴部材12の内面側には、紙基材12aから順に、(A)ポリプロピレン単独重合体を含む樹脂層12b、(B)プロピレン−エチレン共重合体を含む樹脂層12cが順に積層されている。なお、胴部材12の外面側には、ポリプロピレン単独重合体を含む層12bが積層されている。また、図2(b)に示すように、底部材の内面側にもポリプロピレン単独重合体層14bが積層されている。
(A)ポリプロピレン単独重合体層
本実施形態の胴部材12を構成しているラミネート紙には、紙基材12aの内面側に、該紙基材12aへと隣接するように(A)ポリプロピレン単独重合体層12bが積層されている。紙基材層12aへと直接(A)ポリプロピレン単独重合体層12bが積層されていることで、成形加工時、特に板状のラミネート紙を丸めて円筒状の胴部材を形成する工程や、胴部材の上端部を外側にカールさせる工程等において、紙基材層と樹脂層との剥離を生じ難い。なお、(A)ポリプロピレン単独重合体の融点は約165℃であり、分子量は特に限定されるものではないが、メルトフローレートとして5〜60g/10minの範囲であることが望ましい。また、(A)樹脂層は、ポリプロピレン単独重合体のみによって形成されていてもよく、あるいは30質量%以下、望ましくは10質量%以下の範囲であれば、その他のポリマー(例えば、ポリエチレン等)を混合したブレンドポリマーによって形成されていてもよい。
また、前記(A)ポリプロピレン単独重合体層12bの内面側には、さらに(B)プロピレン−エチレン共重合体層12cが積層されている。この(B)プロピレン‐エチレン共重合体層12cが容器の最も内面側に設けられていることで、胴部材を丸めた端部同士を加熱溶着したり、あるいは胴部材と底部材を加熱溶着した場合に、溶着部分において優れた接着強度を得ることができる。(B)プロピレン−エチレン共重合体は、プロピレンモノマー単位とエチレンモノマー単位とを有する共重合体であって、例えば、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−エチレン−1−ブテンターポリマー等が挙げられる。なお、(B)プロピレン−エチレン共重合体の融点は約135〜150℃であり、分子量は特に限定されるものではないが、メルトフローレートとして5〜60g/10minの範囲であることが望ましい。また、(B)樹脂層は、これらプロピレン‐エチレン共重合体のみによって形成されていてもよく、あるいは30質量%以下、望ましくは10質量%以下の範囲であれば、その他のポリマー(例えば、ポリエチレン等)を混合したブレンドポリマーによって形成されていてもよい。
本実施形態の底部材14を構成しているラミネート紙には、紙基材14aの内面側に、ポリプロピレン単独重合体層14bが積層されている。底部材14の容器内面側に積層される樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリプロピレン単独重合体を用いることが望ましい。例えば、電子レンジ等に使用するラミネート紙容器においては、特に食品と接触する底部において耐熱性が要求されるもの、底部材の内面にポリプロピレン単独重合体を積層することで優れた耐熱性を発揮することができる。加えて、ポリプロピレン単独重合体は、胴部材の最内面に積層されたプロピレン−エチレン共重合体と親和性が高いため、胴部材12と底部材14とを加熱溶着した際、溶着部分において優れた接着強度を得ることができる。
紙基材へと樹脂を積層する方法としては、従来公知の手段を用いればよいが、例えば、溶融押出ラミネート法が挙げられる。また、本発明の胴部材へと使用するラミネート紙のように、紙基材へと複数の樹脂を積層する場合、共押出ラミネート法によって同時に紙基材上へと樹脂を押し出して積層してもよい。紙基材の表面へと積層される樹脂層の膜厚は、通常、10〜100μmの範囲である。膜厚が10μm未満であると、ピンホールが発生する場合があり、100μmを超えると、不経済であるほか、容器の組み立てに支障が生じる場合がある。紙基材としては、100〜400g/m2の範囲の坪量のものが好ましい。また、ラミネート特性を改善するため、紙基材へと樹脂をラミネートする際、さらにコロナ放電照射処理あるいはオゾン吹付処理等を行なってもよい。
図3(b)に示すように、本実施形態の胴部材12の端部同士の加熱溶着部では、胴部材の一方の端部にスカイブヘミング加工がなされており、最内層の(B)プロピレン−エチレン共重合体層12c同士が対面するように重ね合わせられ、加熱溶着されている。ここで、スカイブヘミング加工は、主に紙コップ等の紙容器製品の分野において公知の処理方法である。すなわち、スカイブヘミング加工では、板状の積層体の端部から所定の長さ(数mm〜数cm程度)、一方の面から厚みの半分を剥ぎ取って(スカイブ)、剥ぎ取り面が内側になるように折り返す(ヘミング)ことによって、紙基材の端部が露出しないように保護するとともに、積層体の端部において両面の層が一致するようにされている。このため、本実施形態の胴部材12の端部同士の加熱溶着部分では、図3(a),(b)に示すように、最内層のプロピレン‐エチレン共重合体12c同士が加熱溶着されており、この溶着部分において非常に優れた接着強度が得られる。なお、例えば、本実施形態の胴部材12の一方の端部にスカイブヘミング加工がなされていない場合、外面に積層されたポリプロピレン単独重合体層12bと最内面に積層されたプロピレン−エチレン共重合体層12cとの間で加熱溶着されることになるものの、これらの樹脂の組み合わせにおいても良好な接着強度が得られる。他方、図3(c)に示すように、本実施形態の胴部材12と底部材14との接合部では、胴部材12の最内層のプロピレン−エチレン共重合体層12cと底部材14の内層のポリプロピレン単独重合体層14bとの間で加熱溶着されており、これらの樹脂の組み合わせにより、この溶着部分においても良好な接着強度が得られる。
最初に、本発明者らは、ポリプロピレン(PP)ホモポリマーを積層したラミネート紙とプロピレン−エチレン−1−ブテン(PEB)ターポリマーを積層したラミネート紙を用い、これらを各種組み合わせにて加熱溶着した際の溶着部分の接着強度について評価した。
なお、試験に用いたPPホモポリマー(PHA03A:サンアロマー社製)を分析したところ、アイソタクチックホモポリプロピレンに低密度ポリエチレンを約20質量%程度混合したブレンドポリマーであった。
なお、試験に用いたPEBターポリマー(FL02C:日本ポリプロ社製)を分析したところ、構成モノマー比(モル比)がプロピレン:エチレン:1−ブテン=91.7:6.6:1.7のPEB共重合体に低密度ポリエチレンを約10質量%程度混合したブレンドポリマーであった。
結果を下記表1及び図4に示す。
つづいて、本発明者らは、上記試験において加熱溶着後の接着強度の良好であったPEBターポリマー/紙と、さらにPEBターポリマーと紙基材との間にPPホモポリマー層を挟んだPEBターポリマー/PPホモポリマー/紙を作成し、これらの各ラミネート紙の樹脂層と紙基材層との間の剥離強度について評価した。
上記試験にて用いたPEBターポリマー/紙と同様にして作成した。
PEBターポリマー/PPホモポリマー/紙
坪量300g/m2の原紙の表面に、コロナ放電処理を行ないながら押出ラミネート機のTダイより、原紙側から順に、ポリプロピレンホモポリマー(PHA03A:サンアロマー社製;融点164℃,MFR42g/10min,密度0.9g/cm3)とプロピレン−エチレン−1−ブテンターポリマー(FL02C:日本ポリプロ社製,融点138℃,MFR20g/10min,密度0.9g/cm3)を285℃で共押出し、チルロールにより冷却しながら加圧して、ポリプロピレンホモポリマーを30μm、プロピレン−エチレン−1−ブテンターポリマーを厚さ40μmとなるように積層した。また、もう一方の表面に単層のポリプロピレンホモポリマーを厚さ20μmとなるように積層し、PEBターポリマー/PPホモポリマー/紙を得た。
○:樹脂層に紙基材層の繊維が付着して剥離し、紙層が破壊されていた(剥離強度大)。
×:樹脂層と紙基材層が綺麗に剥離し、紙層が破壊されていなかった(剥離強度小)。
結果を下記表2に示す。また、PEBターポリマー/紙の剥離後の写真を図5,6に、PEBターポリマー/PPホモポリマー/紙の剥離後の写真を図7,8に示す。なお、図6,8において、(a)は紙基材層、(b)は樹脂層の拡大写真である。
胴部材用ラミネート紙として上記PEBターポリマー/PPホモポリマー/紙、底部材用ラミネート紙として、上記PPホモポリマーラミネート紙を用いた。
底部材用のラミネート紙は円形に、胴部材用のラミネート紙は扇形になるように打抜型を用いて打ち抜き、それぞれ円形ブランク、扇形ブランクとした。胴部材に用いる扇型ブランクは、予め一方の端部に、図3(b)に示したようにスカイブヘミング加工を施した。扇形ブランクの丸めた両端を、紙容器成形機により溶着面温度が140〜240℃となるように熱風を送風して加熱溶着し、下方へとテーパー状に縮径された円筒状に成形した。その後、図3(c)に示したように、円筒の上端部にカール加工を施して外巻きのカール部分を形成し、円筒下端部には略180°内側方向に折り曲げられた折り返し部分を形成した。他方、底部材に用いる円形ブランクには、その周縁部を略直角に折り曲げて屈曲部分を形成した。底部材の屈曲部分を、胴部材の折り返し部分に挟みこみ、紙容器成形機により溶着面温度が140〜240℃となるように熱風を送風して加熱溶着し、底部材と胴部材とを一体化して、実施例1のラミネート紙容器(口径144mm,高さ75mm)を得た。
胴部材用ラミネート紙及び底部材用ラミネート紙として、いずれも上記PEBターポリマー/PPホモポリマー/紙を用いたほかは、上記実施例1と同様にして、実施例2のラミネート紙容器を得た。
12 胴部
14 底部
Claims (3)
- 少なくとも容器内面となる面に樹脂層が設けられたラミネート紙基材からなり、その丸めた両端を重ね合わせて加熱溶着した筒状の胴部材と、少なくとも容器内面となる面に樹脂層が設けられたラミネート紙基材からなり、前記胴部材の下端へと加熱溶着された板状の底部材とを有するラミネート紙容器であって、
前記胴部材の容器内面側に、
紙基材と隣接する層として(A)ポリプロピレン単独重合体を含む樹脂層と、
最も内側の層として(B)プロピレンモノマー単位とエチレンモノマー単位とを有する共重合体を含む樹脂層と
が積層されている
ことを特徴とするラミネート紙容器。 - 前記胴部材の容器内面に積層された(B)層が、モノマー全量中、プロピレンモノマーを50モル%以上有する共重合体を含むことを特徴とするラミネート紙容器。
- 前記底部材の容器内面に、少なくともポリプロピレン単独重合体を含む樹脂層が積層されていることを特徴とするラミネート紙容器。
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