JP2016097367A - 除湿用熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ないエネルギーで室内の結露を防止できる除湿を実現する除湿用熱交換器を提供する。【解決手段】除湿用熱交換器1は、対向する第1端部21および第2端部22を有する立体状の本体部2と、第1端部21から第2端部22に向けて室内空気を移動させる複数の室内空気通路3と、第2端部22から第1端部21に向けて外気を移動させる複数の外気通路4と、を備え、複数の室内空気通路3のそれぞれの少なくとも一部と、複数の外気通路4のそれぞれの少なくとも一部とは、本体部の厚み方向および幅方向の少なくとも一部で隣接し、外気の温度である外気温度は、室内空気の温度である室内空気温度より低く、外気温度は、複数の室内空気通路3を移動する室内空気を、外気通路4を移動する外気によって、露点温度に冷却する。【選択図】図3

Description

本発明は、室内の空気の除湿を行う熱交換器に関する。
農業用のビニールハウス、ガラスハウス、植物工場などの戸外に設置されて様々な植物を育成する設備が多くの場所で活用されている。このようなビニールハウス、ガラスハウス、植物工場などの植物育成設備は、内部の温度を上げて様々な植物を育成することを目的としている。
例えば、特定の野菜や果物は、いわゆる戸外の露地栽培の場合には、野菜や果物などの本来特性に基づき、季節や栽培地を選ぶ必要がある。例えば、苺などは一定の気温を必要とするので、冬季や寒冷地では露地栽培で育成することは難しい。他の野菜や果物も同様である。一方で、我が国のみならず、様々な地域に人口が分布している状態では、これら野菜や果物の本来特製に応じた地域および季節のみでの育成では、食品供給や植物供給が不十分となりうる。
このような植物本来の特性に依存せず、食品供給や植物供給を制御できるように、上述のビニールハウス、ガラスハウス、植物工場などが用いられる。これらの植物育成設備は、自然光の取り込みとそれに伴う室内の温度上昇を利用して、植物の育成を早めたり、露地栽培での育成が困難な季節でも育成を可能としたりできる。もちろん、温度上昇させるだけでなく、温度の一定範囲への制御や風雨からの防御との目的も達成できる。
植物育成装置は、このような目的のために、寒冷地や冬季(あるいは中間期)においても使用される。ここで、ビニールハウスやガラスハウスなどの自然光による温室効果だけでは、植物等の育成には不十分であることがある。この場合には、植物育成装置内部で、暖房が用いられて室内の温度を上昇させることが行われる。この温度上昇によって、育成対象植物が必要とする温度を実現できる。
しかしながら、植物育成装置内部で暖房を使用する場合は、外気温が低い(植物の育成にとって相対的に低い状態。すなわち、暖房後の室内の温度を基準として、外気温が低いとの状態)ことによる温度差で、植物育成装置内部で結露が生じることがある。いわゆる、ビニールハウスやガラスハウスの内部は、湿度を有しているが、室内の温度と外気温との温度差が生じることで、室内の湿度が露点温度による結露となるからである。
このような結露は、植物育成装置内部の内面に付着する。この付着した結露が水滴として落ち、育成中の野菜や果物などに落下して付着することがある。この場合には、水滴落下の衝撃で野菜や果物に傷が生じてしまい、商品価値が下がり、出荷不能になることもある。
あるいは、植物そのものに結露が付いてしまい、野菜、果物あるいは生花に傷が生じたり色落ちが生じたりしてやはり商品価値が下がってしまう。このように、寒冷地や冬季やその前後の気温の低い時期に、植物育成装置内部で暖房を使う必要がある場合には、結露による問題を解消する必要がある。
この結露は、植物育成装置内部と外部との気温差が大きくなる場合であって、外気温が内部の温度よりも低い場合に生じる。このため、冬季以外でも内部の温度を高くして外気温が低くて温度差が大きくなる場合には、結露が生じる。この場合にも、結露による問題が生じる。
また、ビニールハウスやガラスハウスなどの植物育成装置だけでなく、工場、クリーンルーム、コンピュータールーム、実験室、恒温室などにおいても、室内の温度を一定に保つ必要がある。このような室内も、冬季などになると外気温が下がってしまうことにより、室内の温度を一定に保つことが難しくなることがある。この場合には、当然ながら室内で暖房を動作させて外気温に引きずられないように室内の温度を一定に維持することが行われる。
このような温度を一定に保つ必要のある室内においても、暖房を使用して室内の温度が外気温よりも高くなると共に外気温との差が大きくなると、室内に結露が生じうる。工場、クリーンルーム、コンピュータールーム、実験室、恒温室などの内部には、精密機器や電子機器が設置されており、結露によってこれらが故障したり劣化したりすることもある。
このように、冬季のように外気温が下がる季節において、室内に暖房(温度上昇をさせる装置)を使用する必要がある場合に、低い外気温との気温差によって結露が生じることに基づく、様々な問題がある。
このような結露を生じさせないようにするためには、室内気温と外気温との差分を大きくしないことが考えられる。しかしながら、外気温を制御することはできず、この手法を選択することは困難である。
別の手法として、室内の暖房装置に除湿機能を持たせることで、結露しないように室内を除湿する手法も考えられる。しかしながら、室内内部で除湿機能を有する除湿装置を動作させても、除湿装置は、外気温度による露点を利用した除湿を行っていたものとは異なる。このため、除湿をしすぎてしまう(当然に湿度が下がりすぎて露点への到達が生じにくいので結露はしない)こともある。除湿しすぎる場合には、植物育成装置であれば、地面が乾燥したり植物が乾燥したりして、育成を阻害することにもなりかねない。工場やクリーンルームなどでは、作業者の作業環境が悪くなってしまう問題も生じうる。
逆に、除湿装置では、除湿が不足することもあり得る。この場合には、除湿はしていても、結局室内気温と外気温との差分に基づいて生じる露点温度での結露を防止できない可能性がある。
これらの除湿装置は、室内温度と外気温との差分による露点温度を計算して考慮することができない。このため、結局露点となって結露を生じさせないためには、過剰な除湿を行うしかない。逆に過剰な除湿を行えない場合には、除湿をしていても結露が生じてしまう問題が残る。
このような状況で、外気を利用した除湿についての技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2012−30192号公報 特開昭54−60752号公報
特許文献1は、室内側空気と室外側空気を各々循環させて熱交換させる熱交換素子2を備えて室内側空気を除湿する除湿装置1であって、熱交換素子2に室内側空気を送る室内側送風機9を室内側風路5内の熱交換素子2の上流側に設け、熱交換素子2に室外側空気を送る室外側送風機10を室外側空気を送る室外側送風機10を室外側風路内の熱交換素子2の下流側に設けた除湿装置を、開示する。
特許文献1は、湿度を含んだ室内の空気を、室内の空気より温度の低い外気で冷却する熱交換素子を用いることで、室内空気の湿度を低下させる。外気は温度が低く、この低い温度の外気で室内空気を熱交換素子で露点に変化させて、室内空気が含む湿度を液化して脱水して除湿ができる。
ここで、特許文献1に開示される熱交換素子は、特許文献1の図1に示されるように、互いに直交する方向から室内空気と外気とを取り込む。この直交する方向から送り込まれた温度の高い室内空気と温度の低い外気とが直交するように接触する。この接触によって、室内空気は外気によって冷却されて露点温度に下がる。
しかしながら、外気は熱交換素子2を通過する際に入り口から出口に向けて温度を上昇させてしまう。温度の高い室内空気と直交して接触するために、入り口付近で温度移動が起こり始め、出口に到達する際には、温度の低かった外気も温度が上昇してしまう。
ところが、特許文献1の熱交換素子は、この外気と直交する方向から室内空気が送り込まれる。直交する方向から送り込まれる室内空気は、熱交換素子内部において、外気が入る入り口側を通る空気と、外気の出口側に近い方向を通る空気とを有する。このとき、上述の通り特許文献1の熱交換素子2では、出口側での外気の温度が上がってしまう。この温度上昇によって、外気の出口側に略平行に沿って移動する室内空気は、温度差が不十分となって露点に到達できなくなる。
この結果、熱交換素子2に送り込まれた室内空気は、その一部のみしか露点に達せず、湿度を十分に除湿できない。結果として、十分に除湿できないままの室内空気が、再び室内に戻されてしまう。ここで、十分な除湿の基準は外気温によって室内空気が内部で結露しないレベルである。このレベルがまさしく、熱交換素子で外気温を用いて露点となって湿度が液化して水滴として排出されるレベルである。
特許文献1の熱交換素子は上述したように、熱交換素子に送り込まれる室内空気の内、直交して送り込まれる外気の出口付近では露点に達することができず(理論的に、外気の本来温度ではなくなっているので、出口付近で外気が本来温度よりも挙がっていることで外気は、室内空気を露点まで冷却させることができない)、熱交換素子に送り込まれる空気の一部は必ず露点での除湿がなされないままである。
この外気温度で露点に達するべき空気の一部を除湿(脱水)できないままに、特許文献1の熱交換素子は、室内に空気を戻すことになる。これが連続的に繰り返されるので、室内の空気の一部は常に外気温で露点してしまう湿度を残した状態である。結局、特許文献1の熱交換素子は、室内の結露を防止することができない問題を有している。
特許文献2は、高湿度の空気を有する室内にダクトを介して連結された結露排水型除湿装置において、ダクトに連結された除湿部が複数の冷媒貯留室を莉引接して重層されており、各冷媒貯留室を槓子する除湿ダクトの一端がダクトに連結すると共に、他端が排水口を有する排水部に連結されてなることを特徴とする除湿装置を、開示する。
特許文献2の除湿装置は、室内空気をダクトを介して排出しつつ、このダクトを複数の層になった冷媒貯留室を貫通させて、冷媒によってダクト内部の室内空気を除湿することを目的としている。
しかしながら、冷媒を用いることで、高コストとなりかつ装置も複雑となる。これらの複雑性によって、除湿装置全体が高コストとなる。加えて、熱交換を冷媒によって行うことで、外気によって結露する露点を基準とした室内の除湿を実現することができない問題がある。もちろん、冷媒による冷却除湿では、外気を利用することは全くないので、除湿のためのエネルギー効率が悪い問題もある。
以上のように従来技術では、室内温度より低い外気温によって生じる室内の結露を防止するための、室内空気の確実かつ省エネルギーでの除湿ができない問題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、少ないエネルギーで室内の結露を防止できる除湿を実現する除湿用熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の除湿用熱交換器は、対向する第1端部および第2端部を有する立体状の本体部と、
第1端部から第2端部に向けて室内空気を移動させる複数の室内空気通路と、
第2端部から第1端部に向けて外気を移動させる複数の外気通路と、を備え、
複数の室内空気通路のそれぞれの少なくとも一部と、複数の外気通路のそれぞれの少なくとも一部とは、本体部の厚み方向および幅方向の少なくとも一部で隣接し、
外気の温度である外気温度は、室内空気の温度である室内空気温度より低く、
外気温度は、複数の室内空気通路を移動する室内空気を、外気通路を移動する外気によって、露点温度に冷却する。
本発明の除湿用熱交換器は、外気を利用して室内空気の温度を外気を基準とする露点温度に低下させる。この露点への温度低下によって、室内空気を結露させて、除湿を実現できる。この外気での露点を基準とする除湿によって、室内空気が、外気によって結露することが防止できる。
また、本発明の除湿用熱交換器は、室内空気および外気とが対向する側から略平行に送り込まれる。この結果、外気の出口での温度が高くなっても、送り込まれる室内空気の位置による外気の温度のばらつきがなくなる。この結果、送り込まれる室内空気の全体が、温度のばらつきのない外気によって一様に冷却されて室内空気全体を、外気温度を基準として除湿を行える。
送り込まれた室内空気全体が、一様に除湿できることで、室内に送り返される室内空気は、外気を基準とした除湿がなされた湿度の空気に維持される。この結果、室内での外気温度による結露が防止できる。
従来技術における熱交換器の模式図である。 本発明の熱交換器の模式図である。 本発明の実施の形態1における除湿用熱交換器の斜視図である。 本発明の実施の形態1における除湿用熱交換器での除湿状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における本体部の正面図である。 本発明の実施の形態1における本体部の正面図である。 本発明の実施の形態2における除湿用熱交換器の斜視図である。 本発明の実施の形態2における除湿用熱交換器をビニールハウスに適用した模式図である。
本発明の第1の発明に係る除湿用熱交換器は、対向する第1端部および第2端部を有する立体状の本体部と、
第1端部から第2端部に向けて室内空気を移動させる複数の室内空気通路と、
第2端部から第1端部に向けて外気を移動させる複数の外気通路と、を備え、
複数の室内空気通路のそれぞれの少なくとも一部と、複数の外気通路のそれぞれの少なくとも一部とは、本体部の厚み方向および幅方向の少なくとも一部で隣接し、
外気の温度である外気温度は、室内空気の温度である室内空気温度より低く、
外気温度は、複数の室内空気通路を移動する室内空気を、外気通路を移動する外気によって、露点温度に冷却する。
この構成により、外気を利用するだけで、除湿対象の設備内部の室内空気を除湿できる。特に、除湿においては、設備内部で外気によって結露する露点温度を基準とするので、除湿された室内空気は、設備に戻されても結露しにくくなる。
本発明の第2の発明に係る除湿用熱交換器では、第1の発明に加えて、室内空気は、設備の外気によって結露する可能性のある設備の室内の空気であり、外気は、設備の外側に存在する空気である
この構成により、除湿対象の設備内部の室内空気を、設備外部の外気で除湿できる。この除湿により、設備内部は外気との温度差による結露を防止できる。
本発明の第3の発明に係る除湿用熱交換器では、第1または第2の発明に加えて、複数の室内空気通路のそれぞれを移動する室内空気は、隣接する複数の外気通路のそれぞれと熱的に接触して、外気は、室内空気を露点温度に冷却する。
この構成により、外気によって露点温度に達するレベルにまで、室内空気が冷却される。この露点温度に達するレベルまでの冷却により、室内空気は外気での結露と同じ基準での余分な水分を液化させて排出できる。
本発明の第4の発明に係る除湿用熱交換器では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、複数の室内空気通路のそれぞれと、複数の外気通路のそれぞれは、本体部の内部で略平行である。
この構成により、外気通路を移動する外気は、効率よく室内空気通路を移動する室内空気を冷却できる。
本発明の第5の発明に係る除湿用熱交換器では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、複数の室内空気のそれぞれと、複数の外気通路のそれぞれは、本体部の厚み方向および幅方向の少なくとも一方で、交互に配列される。
この構成により、複数の室内空気通路のそれぞれに、複数の外気通路のそれぞれが熱的に確実に接触できる。この接触により、確実に室内空気通路を移動する室内空気が冷却される。
本発明の第6の発明に係る除湿用熱交換器では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、複数の外気通路のそれぞれを移動する外気は、移動の出口となる第1端部において、所定範囲の温度上昇に収まる。
この構成により、外気通路のそれぞれでの温度上昇に大きなばらつきが生じず、冷却ができない室内空気通路が生じることが防止できる。
本発明の第7の発明に係る除湿用熱交換器では、第6の発明に加えて、複数の外気通路のそれぞれを移動する外気は、移動の入り口となる第2端部において略同一以下の温度であり、移動の出口となる第1端部において略同一の温度である。
この構成により、外気通路のそれぞれを移動する外気の温度が、不均一にばらつくことが少ない。
本発明の第8の発明に係る除湿用熱交換器では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、複数の室内空気通路のそれぞれを移動する室内空気は、移動の出口となる第2端部において、複数の外気通路に送り込まれる外気の最も温度の低い状態と熱的に接触することで、露点温度となる。
この構成により、外気で結露するレベルの温度を基準とした露点温度への室内空気の冷却が可能となる。
本発明の第9の発明に係る除湿用熱交換器では、第8の発明に加えて、複数の室内空気通路のそれぞれを移動する室内空気は、第1端部から第2端部に移動するにつれ、次第に温度が低くなる外気通路を移動する外気との熱的な接触を継続することで徐々に室内空気温度を低下させて、第2端部付近で露点温度に低下させる。
この構成により、室内空気通路を移動する室内空気は、移動の終わる出口付近で、露点温度に到達できる。
本発明の第10の発明に係る除湿用熱交換器では、第9の発明に加えて、第2端部において、複数の室内空気通路のそれぞれを移動した室内空気は、すべての室内空気通路において露点温度となる。
この構成により、複数の室内空気通路の全てにおいて、露点温度への冷却が実現できる。
本発明の第11の発明に係る除湿用熱交換器では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、露点温度となった室内空気で結露した水滴を排出する、水滴排出口を、更に備える。
この構成により、露点温度に達して液化した余分な水分は、適切に排出される。
本発明の第12の発明に係る除湿用熱交換器では、第2から第11のいずれかの発明に加えて、複数の室内空気通路の入り口それぞれに、設備の室内の空気を送り込む室内空気導入部と、複数の室内空気通路の出口のそれぞれからの室内空気を集合して設備の室内に戻す室内空気排出部と、を更に備える。
この構成により、設備側に、室内空気の取り込みと排出を揃えることができる。また、集中的に取り込んだ室内空気を複数の室内空気通路に分配することができる。更には、複数の室内空気通路を移動した室内空気をまとめて排出できる。
本発明の第13の発明に係る除湿用熱交換器では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、複数の外気通路の入り口のそれぞれに、設備の外部の空気を送り込む外気導入部と、複数の外気通路の出口のそれぞれからの外気を集合して、設備の外部に排出する外気排出部と、を更に備える。
この構成により、設備と逆側に、外気の導入と排出を揃えることができる。また、集中的に取り込んだ外気を複数の外気通路に分配することができる。更には、複数の外気通路を移動した外気を集中して排出することができる。
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。
(従来技術との根本的相違)
まず、特許文献1に開示されるような従来技術での熱交換器の問題点を説明して、本発明の熱交換器との違いを説明する。
(従来技術の熱交換器の根本的問題)
図1は、従来技術における熱交換器の模式図である。従来技術の熱交換器200は、本体部201に対して、室内空気と外気とが直交する方向から送り込まれる。直交する方向のそれぞれから送り込まれた室内空気と外気とは、本体部201内部に設けられたそれぞれ用の通路を移動する。
すなわち、図1では本体部201の内部に、室内空気の入り口210から出口211に向けて、室内空気が移動する室内空気通路202が形成されている。同様に、外気の入り口220から出口221に向けて外気が移動する外気通路203が形成されている。室内空気は、矢印Aの方向に室内空気通路202を移動する。一方、外気は、矢印Bの方向に外気通路203を移動する。ここで、図1において矢印A、矢印Bが複数として表されているのは、室内空気通路202および外気通路203のそれぞれが、複数の個数設けられていることを示している。
本体部201の入り口210に送り込まれた室内空気は、矢印Aに従って、それぞれの室内空気通路202を出口211に向けて移動する。同様に、本体部201の入り口220に送り込まれた外気は、それぞれの外気通路203を出口221に向けて移動する。この移動において、室内空気よりも温度の低い外気は、直交する交点のそれぞれにおいて点接触による熱的な接触を行う。例えば、ある外気通路203を移動する外気は、この外気通路203と交差する室内空気通路202との交点のみにおいて、熱的な接触を行う。他の外気通路203を基準とする場合も同様である。
このように、従来技術の熱交換器200は、本体部201の内部で、外気と室内空気は交点においてのみ点接触での熱的な接触をするに過ぎない。このため、まず本体部201全体での外気と室内空気との熱的な接触効率が悪い。ここで、室内空気は、外気よりも高い温度を有して入り口210から室内空気通路202に送り込まれる。外気との熱的な接触により、出口211付近に近づくにつれて室内空気は、その温度を下げていく。このため、枠で囲んだ範囲212で、露点に達することが求められる。この範囲212で露点に達して、結露した上で、室内空気が含む湿度の一部が水分として排出されることが求められる。この水分の排出によって、入り口210に送り込まれた室内空気の湿度が低下するからである。
しかしながら、外気は、外気通路203を入り口220から出口221に移動する間に、直交方向から順々の多段に送り込まれる室内空気との熱的な接触を繰り返す。ある外気通路203に着目すると、入り口220から入った後で、最初の段の室内空気通路202と交差し、次の段の室内空気通路202と交差し、更に次の段の室内空気通路202と交差し、と順々に室内空気との熱的な点接触を繰り返す。
この熱的な点接触の繰り返しにより、当然ながら出口221付近に近づくと、外気の温度は高くなっている。図1の枠で囲んだ領域222は、送り込まれた外気の温度が上昇してしまっている領域である。この領域222では、送り込まれた外気の温度が上がってしまい、室内空気との熱的な接触によって、室内空気を十分に冷却できない(室内空気の熱を奪えない)状態となる。
この結果、領域222に対応する範囲にある室内空気通路202を移動する室内空気は、この領域222以外に対応する範囲にある室内空気通路202を移動する室内空気に比較して、冷却が不十分となってしまう。この結果、この領域222に対応する範囲にある室内空気通路202を移動する室内空気は、露点に達することができない。
図1においては、範囲212と領域222とが重なる部分での出口211において、室内空気通路202を移動してきた室内空気は結露できず、除湿されないままとなってしまう。
図1に示されるように、室内空気は、複数の室内空気通路202の一部のみでしか露点に達せず、本体部201に送り込まれた室内空気の一部しか除湿されない。この除湿は、除湿を目的とする室内が外気によって室内で結露しないレベルへの除湿を目的としている。外気通路203に送り込まれる外気によって、本体部201に送り込まれる室内空気の一部のみしか除湿されない状況では、室内での結露を防止することが、理論的にできないことになってしまう。
従来技術での直交方式での熱交換器200は、室内空気の入り口210、出口211、外気の入り口220、出口221のそれぞれを、立体形状の各側面を利用できるメリットはある。このため、製造は容易である。しかしながら、上述の通り、室内空気の一部のみしか除湿できず、設備の室内を外気によって結露させないとの目的を達成できない。
従来技術における熱交換器200は、除湿を目的とするよりも、温度制御を目的としていたり、室内の一定の除湿ができればよく室内での結露を生じさせないことを考慮していなかったりする。このため、図1を用いて説明したような問題点を残したままである。
温度と露点を一例として、従来技術の熱交換器200での問題を説明する。例えば、上述のように室内空気の初期値が、温度が20℃で湿度が70%であるとする。この場合の理論値では、露点温度は14℃であり、室内空気が室内空気通路3を移動する間に、外気通路203の外気との熱的な接触により14℃まで冷却されれば、露点に達して湿度を水分として排出できる。
ここで、20℃で湿度70%の室内空気が室内空気通路202に入り、14℃の外気温度の外気が外気通路203に入るとする。室内空気通路202および外気通路203は、図1のように複数である。
図1に、外気温度を示している。入り口220から入った段階での外気温度は、すべての外気通路203において14℃である。しかしながら、入り口220から出口221に移動する間に外気温度は上昇してしまい、出口221付近では外気温度は18℃くらいに上がってしまう。
ここで、室内空気通路202のそれぞれは、図1において上から下まで複数の通路である。すなわち、複数の室内空気通路202の出口211においても、図1の左側の上の方では、外気温度は14℃程度であるが、左側の下の方では外気温度は18℃くらいに上がっている。すなわち、複数の室内空気通路202の出口211において、接触する外気通路203の場所によっては、外気温度が露点に到達するのに十分な14℃の場所もあるが、露点に達することのできない温度の場所もある。この場所が、上述した範囲212と領域222との重複する部分である。このエリアでは、室内空気通路202の出口211付近での外気温度が上がってしまい、室内空気が露点に達することができない。
(本発明の熱交換器の根本的な相違)
本発明は、立体形状の本体部の対向する第1端部および第2端部において、第1端部を室内空気の入り口と外気の出口に兼用し、第2端部を、室内空気の出口と外気の入り口に兼用する。
図2は、本発明の熱交換器の模式図である。図1で示される従来技術の熱交換器200と異なり、本発明の熱交換器1は、立体形状の本体部2において、対向する第1端部21と第2端部22のみを、室内空気の入り口、出口および外気の入り口、出口に使用している。
室内空気は、第1端部21から本体部2に送り込まれて、第2端部22から出る。このとき、本体部2内部に設けられた複数の室内空気通路3(矢印Cは、この複数の室内空気通路3を模式的に示している)を、室内空気は移動する。一方、外気は、第2端部22から本体部2に送り込まれて、第1端部21から出る。このとき、本体部2内部に設けられた複数の外気通路4(矢印Dは、この複数の外気通路4を模式的に示している)を、外気は移動する。ここで、複数の室内空気通路3のそれぞれと複数の外気通路4のそれぞれとは、互いに独立しており、それぞれを移動する室内空気と外気とが混合することはない。
室内空気通路3と外気通路4とは、間接的に熱的な接触を行える。この結果、室内空気通路3を移動する室内空気は、外気通路4を移動する外気と熱的に接触する。矢印Cと矢印Dとは、この室内空気と外気との熱的な接触を示している。
ここで、図1との比較から明らかな通り、図2に示される本発明の熱交換器1は、矢印Cと矢印Dとが隣接するように線状にて接触している。すなわち、室内空気通路3を移動する室内空気と外気通路4を移動する外気とは、線状で熱的に接触する。点接触に過ぎない従来技術の熱交換器200よりも、室内空気と外気との熱的な接触効率が高い。結果として、外気によって室内空気が冷却される度合いも高くなり、室内空気は、室内空気通路3を移動して出口である第2端部22に到達する際に、確実に露点に達しやすくなる。
次に、室内空気を基準として考えると、図2において枠で囲んだ領域50が、室内空気が露点に到達して湿度を水分に液化してほしい領域である。この領域50は、室内空気通路3の出口付近である。入り口となる第1端部21側から送り込まれた室内空気が、室内空気通路3を移動する間に、外気通路4を第2端部22から第1端部21に向けて移動する外気との熱的な接触により、徐々に冷却される。
加えて、室内空気通路3の出口側は、外気通路4の入り口側に対応し、送り込まれる外気が最も温度が低い状態である。すなわち、徐々に冷やされて室内空気通路3の出口側に到達した室内空気は、出口付近で最も温度の低い状態である外気によって冷却される。この結果、領域50で確実に結露して湿度を水分に変えて排出できる。
熱交換器1においても、外気通路4を移動する外気は、移動に伴ってじょじょにその温度を上昇させる。すなわち、外気通路4の入り口である第2端部22側に比較して、出口である第1端部21側での外気の温度は上昇する。しかし、すべての外気通路4のそれぞれで一様に温度が上昇するので、室内空気通路3の位置の違いによる外気温度の違いが生じない。
当然に、室内空気通路3の出口となる第2端部22側でも、室内空気通路3のそれぞれにおいて、外気通路4での外気の温度は一様である。
以上のように、複数の室内空気通路3のそれぞれにおいて、入り口から出口にかけての移動での各位置において、熱的に接触する外気通路4の外気の温度が、ばらつくことがない。この結果、本体部2に設けられる複数の室内空気通路3のそれぞれに送り込まれる室内空気全体は、一様に露点に達して除湿される。この除湿の基準も、外気通路4に入ってくる領域50での外気の本来の温度での露点に基づく。この結果、設備の室内内部での外気による結露が生じない理論的な除湿が実現できる。
図1での従来技術の熱交換器200では、範囲222と領域212とが重複する範囲にある室内空気通路202では、露点に到達できない。すなわち、従来技術の熱交換器200では、露点に到達できず除湿できない室内空気通路202が残って、本体部201に送り込まれる室内空気の一部しか、外気による露点を基準とした除湿が行えなかった。
これに対して、本発明の熱交換器1は、複数の室内空気通路3のすべてで露点に達する。結果として、本体部2に送り込まれる室内空気のすべてが、外気による露点を基準とした除湿がなされる。このように本体部2に送り込まれる室内空気のすべてが除湿されて設備の室内に戻されることが繰り返されることで、設備内部は、外気による結露を生じさせないで済む。すなわち、除湿の目的である結露防止を達成できる。
例えば、上述のように室内空気の初期値が、温度が20℃で湿度が70%であるとする。この場合の理論値では、露点温度は14℃であり、室内空気が室内空気通路3を移動する間に、外気通路4の外気との熱的な接触により14℃まで冷却されれば、露点に達して湿度を水分として排出できる。
図2のように、領域50のすべてに係る室内空気通路3の出口付近では、外気通路4のすべてにおける外気は、14℃の温度を有している。外気通路4によってこの14℃の温度のばらつきはほとんどない。この結果、すべての室内空気通路3の出口付近では、この14℃の外気と熱的に接触して露点に達する。
もちろん、外気通路4を第2端部22から第1端部21側に移動する外気は、徐々に温度を上げていくが、その温度上昇も一様である。例えば、複数の外気通路4の出口のそれぞれでの外気温度は、18℃に上昇しているとする。これを、室内空気通路3の移動側に合せてみる。第1端部21側から、複数の室内空気通路3のそれぞれに送り込まれた室内空気は、温度が20℃で湿度が70%の状態である。この段階で熱的に接触する外気通路4の外気温度は18℃であり、温度差は2℃である。この2℃の温度差に基づいて、第1端部21付近では、室内空気通路3の室内空気は温度を下げ始める。
次いで、複数の室内空気通路3を移動した室内空気が室内空気通路3の真ん中付近に達すると、室内空気は17℃くらいに下がっている。この時の同じ位置での外気通路4の外気温度は、15℃〜16℃くらいであり、やはり2℃程度の温度差を有している。この2℃程度の温度差によって、真ん中付近を移動する室内空気は、更に冷却されていく。
更に複数の室内空気通路3を移動して出口付近に室内空気は到達する。領域50の付近である。この出口付近では、複数の外気通路4のそれぞれに14℃の外気が送り込まれた直後であるので、この14℃の外気温度に合せて、14℃付近まで室内空気が冷却される。この結果、すべての室内空気通路3の出口における室内空気は露点に達することができる。
このように、本発明の熱交換器1は、従来技術の熱交換器200とは、根本的に仕組みも構造も結果も異なる。この根本的な相違によって、本来の最終目的である、設備の室内が、外気によって結露しない湿度に抑えるための除湿を、本発明の熱交換器1は、実現できる。従来技術の熱交換器200は、既述した通り、理論的にこの設備の室内が、外気によって結露しない湿度に抑えるための除湿を実現できない。
(全体概要)
まず、本発明の実施の形態1における除湿用熱交換器の全体概要について説明する。図3は、本発明の実施の形態1における除湿用熱交換器の斜視図である。図3は、除湿用熱交換器1の一例の形態を示しており、基本的な構成、機能、特性が同じであれば、図1以外の形状、形態を有していることも問題ない。
除湿用熱交換器1は、本体部2と、室内空気通路3と、外気通路4とを備える。
本体部2は、対向する第1端部21と第2端部22とを有する立体状(立体形状)を有する。本体部2は、除湿用熱交換器1の基本的な骨格を形成する。本体部2は、金属、合金、樹脂、木材、セラミックス、強化紙材、あるいはこれらの組み合わせの素材で形成されればよい。また、図3では、本体部2は、直方体の外形を有しているが、立方体でも、別の立体状であってもよい。本体部2は、後述する室内空気通路3と外気通路4とのそれぞれの入り口と出口に対応する端部を、第1端部21と第2端部22として有する。この第1端部21と第2端部22とは、相互に対向する。すなわち、図1、図2で説明したように、実施の形態1における除湿用熱交換器1の本体部2は、対向する第1端部21と第2端部22とで、その熱交換を実現できる。
室内空気通路3は、除湿対象となる設備内部の室内空気を取り込んで、第1端部21から第2端部22に向けて、室内空気を移動させる通路である。図3において、本体部2の第1端部21から第2端部22への内部に、複数の室内空気通路3が設けられている。すなわち、複数の室内空気通路3のそれぞれは、本体部2の第1端部21から第2端部22に向けて設けられた内部の貫通路である。
複数の室内空気通路3のそれぞれは、設備からの室内空気を取り込んで、第1端部21から第2端部22に向けて移動させる。このため、室内空気通路3は、第1端部21側の室内空気通路入り口31と、第2端部22側の室内空気通路出口32とを有する。この室内空気通路入り口31から室内空気通路出口32に向けて、室内空気通路3は、室内空気を移動させる。このとき、複数の室内空気通路3の全てが、室内空気を移動させることができないことがあってもよい。室内空気の取り込み状態によっては、複数の室内空気通路3の内のいずれかは、室内空気を移動させない状態になりうることもありうる。
複数の外気通路4は、除湿対象となる設備の外部の空気である外気を取り込んで、第2端部22から第1端部21に向けて、外気を移動させる通路である。図3において、本体部2の第2端部22から第1端部21への内部に、複数の外気通路4が設けられている。すなわち、複数の外気通路4のそれぞれは、本体部2の第2端部22から第1端部21に向けて設けられた内部の貫通路である。
複数の外気通路4のそれぞれは、設備の外部から外気を取り込んで、第2端部22から第1端部21に向けて移動させる。すなわち、室内空気通路3における室内空気の移動方向と逆方向に沿った移動である。複数の外気通路4のそれぞれは、この外気の移動のために、第2端部22側の外気通路入り口41と、第1端部21側の外気通路出口42とを有する。複数の外気通路4のそれぞれは、この外気通路入り口41から取り込んだ外気を、内部の貫通路を移動させて、外気通路出口42から排出できる。
もちろん、室内空気通路3の場合と同じく、外気の取り込み状態などによって、複数の外気通路4の全てが、外気を移動させることが出来ないこともあり得る。
なお、図3においては、図の見易さのために、室内空気通路3および外気通路4のいずれかにおいて本体部2の内部を貫通している状態を、省略して示している。
ここで、複数の室内空気通路3のそれぞれの少なくとも一部と、複数の外気通路4のそれぞれの少なくとも一部とは、本体部2の厚み方向および幅方向の少なくとも一部で隣接する。図3では、第1端部21から第2端部22に沿った方向において、室内空気通路3のそれぞれと外気通路4のそれぞれとが、幅方向で隣接している。特に、複数の室内空気通路3のそれぞれと、複数の外気通路4のそれぞれとが、交互に並んでいる。この交互に並ぶことで、複数の室内空気通路3の一つと複数の外気通路4の一つとは、相互に第1端部21から第2端部22に沿って隣接している状態である。
この隣接によって、室内空気通路3と外気通路4とは、熱的な接触が可能となっている。言い換えれば、室内空気通路3を移動する室内空気と、外気通路4を移動する外気とは、熱的に接触できる。これは、図3のように複数の室内空気通路3のそれぞれと複数の外気通路4のそれぞれとが交互に並んでいる。このような構造の場合には、室内空気通路3のそれぞれは、外気通路4のそれぞれと熱的に接触できる。結果として、交互に並んだそれぞれの通路の境界で、室内空気と外気とが、熱的に接触できる。
ここで、外気通路4の外気通路入り口41に入る外気の温度である外気温度は、室内空気通路3の室内空気通路入り口31に入る室内空気の温度である室内空気温度よりも低い。図1、図2を用いて説明したように、実施の形態1における除湿用熱交換器1は、設備内部の室内空気の温度が、外気よりも高い場合での、外気を用いた効率的かつ低コストの除湿を目的としている。このことから、当然に、除湿用熱交換器1で使用される外気温度は、上記の状態においては、室内空気温度よりも低い。
この温度差によって、外気通路4を移動する外気は、室内空気通路3を移動する室内空気を、露点温度に冷却する。この露点温度への冷却によって、室内空気通路3を移動して室内空気通路出口32に到達する室内空気は、結露して、外気を基準として結露するレベルの余分な水分が、液化して排出される。
室内空気通路出口32からは、図4に示されるように、露点に達して液化した余分な水分100が排出される。図4は、本発明の実施の形態1における除湿用熱交換器での除湿状態を示す斜視図である。室内空気通路出口32で、液化した水分100が、排出されている状態を示している。
図4における矢印αは、室内空気通路3での室内空気の移動方向を示している。同様に図4における矢印βは、外気通路4での外気の移動方向を示している。室内空気と外気とは、矢印α、矢印βのように相互に対向しつつ並列して移動する。
ここで、室内空気は、上述の通り設備の外気によって結露する可能性のある設備の内部の室内空気である。外気は、この設備の外部に存在する空気である。除湿用熱交換器1は、この室内空気と外気とをそれぞれ本体部2の異なる端部から取り込んで、外気を利用して室内空気の結露する余分な水分を除去して除湿する。
次に、各部の詳細について説明する。
(本体部)
本体部2は、内部に貫通路である室内空気通路3と外気通路4とを備える、除湿用熱交換器1の基本要素である。ここで、本体部2は、対向する第1端部21と第2端部22とを備えている。このため、対向する第1端部21と第2端部22を有することのでき、内部に貫通路である室内空気通路3と外気通路4とを含むことのできる立体形状を有していることが好ましい。
ここで、第1端部21と第2端部22とが対向しているとは、略平行に対向していることに限定されるのではなく、それぞれの延長線が交差する状態での対向も含む。すなわち、本体部2は、第1端部21から第2端部22にかけて湾曲した状態での立体形状であってもよい。
また、第1端部21と第2端部22とのそれぞれは、室内空気通路入り口31、室内空気出口32、外気通路入り口41、外気通路出口42のそれぞれを有する。このため、本体部2は、少なくとも上述のように対向する第1端部21と第2端部22とを有する立体形状である必要がある。
本体部2は、内部に貫通路である室内空気通路3と外気通路4とを備えるので、一体形成された立体の内部が後からくりぬかれるようにしてこれらの室内空気通路3と外気通路4とを備えてもよい。あるいは、貫通路であるこれらが形成されるように、部材のパーツが組み合わされることで、室内空気通路3と外気通路4とを備える立体形状として形成されてもよい。
本体部2は、内部に備える室内空気通路3および外気通路4の形状や個数、あるいは配置に対応した形状を有していることも好適である。このため、高さや幅などは、室内空気通路3と外気通路4の構成や配置等によって、定められれば良い。
なお、本体部2は、種々の素材で形成されればよいが、室内空気通路3と外気通路4とが熱的に接触する部分においては、熱伝導率の高い素材であることが好ましい。逆に、外周においては、取り込んだ外気の外気温度が上昇しすぎないように、熱伝導率の低い素材が用いられてもよい。
(室内空気通路と外気通路)
複数の室内空気通路3のそれぞれは、第1端部21から第2端部22に向けて、本体部2内部を貫通する通路である。室内空気通路3は、第1端部21側の室内空気通路入り口31と、第2端部22側の室内空気通路出口32とを有する。除湿対象の設備内部の室内空気が、室内空気通路入り口31に送り込まれる。送り込まれた室内空気は、この室内空気通路入り口31から、室内空気通路出口32に向けて、移動する。
図4の矢印αが、この室内空気の移動経路である。この移動を補助するために、室内空気通路入り口31付近に室内空気を送り込む送風ファンや加圧器などが備えられていることも好適である。これは、本体部2の外部に設けられたり、除湿用熱交換器1の外部に設けられたりしてもよい。
また、室内空気通路3での室内空気通路の矢印αに沿った移動を促進するために、室内空気通路出口32付近に、排出ファンや加圧器などが備えられることも、同様に好適である。これらも、本体部2の外部に設けられたり、除湿用熱交換器1の外部に設けられたりしてもよい。
複数の外気通路4のそれぞれは、第2端部22から第1端部21に向けて、本体部2内部を貫通する通路である。すなわち、外気通路4のそれぞれは、室内空気通路3に沿った方向に貫通する通路であり、外気の移動経路は、矢印βで示されるように室内空気の移動経路と逆向きである。
外気通路4は、第2端部22側の外気通路入り口41と第1端部21側の外気通路出口42とを備える。室内空気通路3を移動する室内空気を露点温度まで冷却する外気を、外気通路入り口41は、取り込む。この取り込まれた外気は外気通路4を移動して、外気通路出口42から排出される。この外気通路4内部での外気の移動に伴って、外気通路4と熱的に接触する室内空気通路3を移動する室内空気を冷却する。
ここで、外気通路4には、設備の外部の外気が取り込まれる。この取り込みを補助するために、外気通路入り口41付近に外気を送り込む送風ファンや加圧器などが備えられていることも好適である。これは、本体部2の外部に設けられたり、除湿用熱交換器1の外部に設けられたりしてもよい。
同様に、外気通路4での外気の矢印βに沿った移動を促進するために、外気通路出口42付近に、排出ファンや加圧器などが備えられることも好適である。これらも、本体部2の外部に設けられたり、除湿用熱交換器1の外部に設けられたりすればよい。
(室内空気通路と外気通路との構成)
複数の室内空気通路3のそれぞれと、複数の外気通路4のそれぞれは、本体部2内部で略平行であることも好適である。例えば、図3に示される除湿用熱交換器1では、複数の室内空気通路3のそれぞれと、複数の外気通路4のそれぞれは、本体部2内部で略平行である。
略平行であることで、室内空気通路3と外気通路4とを含む本体部2の製造が容易となるメリットがある。また、室内空気通路3での室内空気の移動、外気通路4での外気の移動がスムーズとなるメリットがある。
また、室内空気通路3と外気通路4とは、熱的に接触する。室内空気通路3と外気通路4とが略平行であることで、室内空気通路3のそれぞれと外気通路4のそれぞれとの間隔が、移動方向において一定になりやすい。間隔が略一定であることで、移動経路全体に渡って、相互に隣接する室内空気通路3と外気通路4との間隔が一定になりやすい。この結果、室内空気と外気との熱的な接触が、移動経路全体に渡って生じることになる。
この経路全体に渡っての熱的な接触により、室内空気が外気によって冷却される冷却効率が高まる。
ここで、複数の室内空気通路3のそれぞれと、複数の外気通路4のそれぞれは、本体部2の厚み方向および幅方向の少なくとも一方で、交互に配置されることが適当である。図5は、本発明の実施の形態1における本体部の正面図である。本体部2を第1端部21もしくは第2端部22のいずれかから見た状態を示している。
本体部2に設けられる複数の室内空気通路3のそれぞれと、複数の外気通路4のそれぞれは、幅方向に交互に並んでおり、高さ方向においては1列である。このように交互に並ぶことで、一つの室内空気通路3には一つの外気通路4が熱的に接触することが、すべての室内空気通路3において実現できる。このため、一つの外気通路4を移動する外気による室内空気の冷却エネルギーが、略均一に分散されて、図2を用いて説明した露点温度への冷却メカニズムが、発揮されやすい。
もちろん、例えば2つの室内空気通路3と2つの外気通路4が並ぶ構成であったり、他の構成であったりしてもよい。
また、図6に示されるように室内空気通路3と外気通路4とは、高さ方向に2列(あるいはそれ以上)として構成されてもよい。この場合には、除湿用熱交換器1において除湿処理できる室内空気の単位量が増えるメリットがある。図6は、本発明の実施の形態1における本体部の正面図である。
図6のように2列に並ぶ場合には、幅方向においても、室内空気通路3のそれぞれと外気通路4のそれぞれとが交互に並びつつ高さ方向においても、室内空気通路3のそれぞれと外気通路4のそれぞれとが交互に並んでもよい。こうすることで、ある室内空気通路3の高さ方向および幅方向のそれぞれに外気通路4が配置されることになる。この配置によって、ある室内空気通路3を移動する室内空気が、幅、高さ方向の周囲に配置される外気通路4によって、効率的に冷却される。
(室内空気の露点温度への冷却)
除湿用熱交換器1は、図2を用いて説明したメカニズムにより、複数の室内空気通路3のすべてを移動する室内空気を、外気通路4を移動する外気によって、確実に露点温度に冷却する。
図3、図4に示されるように、室内空気通路入り口31のそれぞれに、除湿対象の設備の室内空気が送り込まれる。外気通路入り口41のそれぞれに、設備外部の外気が送り込まれる。第1端部21と第2端部22と対向する逆側のそれぞれから、室内空気と外気のそれぞれが送り込まれる。
矢印βに沿って、外気通路4のそれぞれにおいて、外気は移動する。この外気通路4のそれぞれは、図2のように隣接する室内空気通路3のそれぞれと熱的に接触する。この熱的な接触によって、外気通路4のそれぞれを移動する外気は、外気通路入り口41に入った際の外気温度よりも高い温度を有する、室内空気通路入り口31に入った際の室内空気温度によって、温度が徐々に上昇する。
しかしながら、外気通路4を移動して外気通路出口42に到達する外気は、室内空気通路入り口31での室内空気の室内空気温度以上に上昇することはない。図2で説明したメカニズムに対応する除湿用熱交換器1の構成によって、複数の外気通路4の全ては、室内空気通路3に沿っている。この結果、複数の外気通路4のそれぞれは、隣接する複数の室内空気通路3のそれぞれとの熱的な接触により、温度が上昇する。
このため、外気は、上述の通り、外気通路出口42と同一端面にある室内空気通路入り口31の室内空気温度までの温度上昇に収まる。特に、すべての外気通路4において同様である。言い換えれば、複数の外気通路4を移動して外気通路出口42に到達した外気は、室内空気通路入り口31での室内空気温度と略同一もしくはそれ以下の温度である。
これらの結果、複数の外気通路4のそれぞれでの外気の温度上昇は、いずれかの外気通路4のみが室内空気温度以上となることがなくなる。この結果、外気通路4のそれぞれで、室内空気の冷却度合いがばらつくことは減少する。最終的には、複数の室内空気通路3のそれぞれを移動する室内空気は、すべて露点温度まで冷却される。
室内空気通路入り口31から送り込まれる室内空気は、室内空気通路出口32に移動する間に、外気通路4を移動する外気との熱的な接触により、冷却される。移動の最終で室内空気通路出口32で接触する外気は、除湿対象の設備の室内空気を結露させる露点温度を有している。この露点温度である外気との熱的な接触により、室内空気通路出口32では、それまでの冷却と合せて、室内空気が露点温度に確実に冷却される。
この冷却によって、室内空気出口32では、外気による露点温度を基準とした余分な水分が、室内空気から液化して除去される。この除去によって、除湿対象の設備の室内空気は、結露しない基準に合せて除湿される。特に、この露点温度への冷却および除湿は、本体部2が備えるすべての室内空気通路3において実現される。
これは、従来技術である図1の構成での問題点を解決している。図2でのメカニズムで説明した通りである。
以上、実施の形態1の除湿用熱交換器1は、室内空気を外気で結露しないレベルまで、外気を利用することで除湿できる。除湿において外気を利用するので、無駄なエネルギーを必要としない。加えて、熱交換器1の構成によって、外気の温度上昇が不均一になりにくく、室内空気を均一に冷却して除湿することができる。
なお、室内空気通路3への室内空気の取り込み速度は、設備の外気の温度である外気温度に基づいて変化させられてもよい。例えば、外気温度が相対的に高い場合(例えば、所定値よりも高い場合や外気温度の温度曲線に比例した関係で)には、室内空気通路3への室内空気の取り込み速度が、相対的に遅くされる。このとき、室内空気通路3への取り込み速度は、外気温度の値に比例させて遅くさせればよい。
逆に、外気温度が相対的に低い場合には、室内空気通路3への室内空気の取り込み速度が相対的に早くされる。いずれの場合も、外気温度を所定値で区分して、室内空気の取り込み速度を段階的に変化させてもよいし、外気温度に比例させて、室内空気の取り込み速度を連続的に変化させてもよい。
これらは、室内空気通路3と外気通路4との熱的な接触による室内空気の露点温度への冷却を、確実に行うためである。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。実施の形態2では、種々の追加的工夫等について説明する。
(水滴排出口)
除湿用熱交換器1は、外気によって室内空気が結露して生じる水滴を排出する水滴排出口を備えることも好適である。
図4においては、室内空気通路出口32に、水滴排出口が設けられることが適当である。水滴排出口は、例えば、水滴が室内空気通路3に詰まりにくいように、先端に誘導する構造体を備えているなどでもよい。例えば、ベロのような誘導体が室内空気通路出口32に設けられることで、結露した水滴が排出されやすくなることが好適である。
また、水滴排出口は、複数の室内空気通路出口32のそれぞれに設けられてもよいし、まとめて設けられてもよい。
(室内空気通路と外気通路の入り口と出口)
本体部2は、複数の室内空気通路3と外気通路4とを備える。ここで、図4に示されるように、室内空気通路3と外気通路4とは、対向する方向から略平行に形成される。すなわち、室内空気通路3を移動する室内空気と、外気通路4を移動する外気とは、相互に対向しながら移動する。
ここで、除湿用熱交換器1は、図4に示されるように、第1端部21に複数の室内空気通路3の入り口である室内空気通路入り口31が並んでおり、第2端部22に複数の外気通路4の入り口である外気通路入り口41が並んでいる構成でもよい。
すなわち、図4のように、第1端部21には、室内空気通路入り口31と外気通路出口42の全てが並んだ状態となる。同様に、第2端部22には、室内空気通路出口32と外気通路入り口41の全てが並んだ状態となる。
一方で、室内空気は、除湿対象の設備から室内空気通路入り口31に送り込まれ、室内空気通路出口32から設備に送り返される。本体部2は、設備を基準にある位置におかれる。このため、本体部2の第1端部21ないしは第2端部22は、設備に対して近い側と遠い側の逆側に位置することになる。
このように設備に対して逆側の位置になる第1端部21と第2端部22とのそれぞれで、室内空気の入りと出が生じることは不便であることもある。室内空気は、設備から本体部2に届き、本体部2から設備に戻る以上、室内空気の入りと出とは、設備側に揃っていることが適当だからである。
これは、外気通路4と外気との関係においても同様である。外気は、設備と別の方向から取り込まれて排出される。このため、外気通路入り口41と外気通路出口42も、同じ方向に揃っていることが適当である。
図7は、本発明の実施の形態2における除湿用熱交換器の斜視図である。本体部2の内部では、矢印αに示されるように室内空気通路3に沿って室内空気が移動する。同様に、本体部2の内部では、矢印βに示されるように外気通路4に沿って外気が移動する。室内空気と外気との移動経路は、実施の形態1で説明した通りである。
ここで、図7に示される除湿用熱交換器1は、室内空気通路入り口31につながる室内空気導入部300と、室内空気通路出口32につながる室内空気排出部310とを備える。これらが設けられることによって、除湿用熱交換器1では、設備の方向側に、室内空気を実際に室内空気通路3に送り込む室内空気導入部300と、除湿後の室内空気を設備に戻す室内空気排出部310とを、並べることができる。
同様に、図7に示される除湿用熱交換器1は、外気通路入り口41につながる外気導入部400と、外気通路出口42につながる外気排出部410を備える。これらが設けられることによって、除湿用熱交換器1では、設備と逆側に、外気を実際に外気通路4に送り込む外気導入部400と、使用後の外気を外部に排出する外気排出部410とを、並べることができる。
さらに、除湿用熱交換器1の一方側(設備側)に、室内空気の導入と排出を集中させ、除湿用熱交換器1の逆側に、外気の導入と排出を集中させることができる。一方で、除湿用熱交換器1の本体部2の内部では、矢印α、矢印βに示されるように、実施の形態1で説明した通りの、室内空気通路3での室内空気の移動と、外気通路4での外気の移動とが行われる。
図7において、設備から取り出された室内空気は、矢印Fに従って、室内空気導入部300から本体部2へ送り込まれる。室内空気導入部300は、本体部2内部で、複数の室内空気通路3に室内空気を分配して送り込む。その後、室内空気通路3のそれぞれが、矢印αに沿って室内空気を移動させる。この移動において、並列して逆方向に移動する外気によって冷却される。そのあと、室内空気通路3の出口から、室内空気排出部310に室内空気は移動する。室内空気排出部310は、矢印Gに沿って除湿後の室内空気を排出する。
この排出の際に、室内空気排出部310から、結露した水分も排出されてもよい。
一方で、図7において、設備と逆側から外気が矢印Hに従って、外気導入部400に送り込まれる。外気導入部400は、本体部2内部に外気を送り込む。本体部2内部に送り込まれた外気は、本体部2内部の複数の外気通路4を、矢印βに沿って移動する。この移動の後で、外気通路4のそれぞれから集合されて、外気は、外気排出部410から外部に排出される。最終的には、外気排出部410から矢印Iに沿って、外気を外部に排出する。
このような空気の移動経路によって、実施の形態1で説明した除湿用熱交換器1の機能を実現しつつ、設備を基準とした室内空気と外気との導入と排出とを、効率化できる。特に、集中的な導入と排出により、室内空気通路3や外気通路4での空気の移動を、スムーズにすることもできる。
なお、室内空気導入部300、室内空気排出部310、外気導入部400、外気排出部410のそれぞれは、空間的に分離した状態である。
(ビニールハウスへの適用)
図8は、本発明の実施の形態2における除湿用熱交換器をビニールハウスに適用した模式図である。
ビニールハウス110は除湿対象の設備の一例である。ビニールハウスやガラスハウスといった植物育成設備などは、外部に設置された上で、外気に直接的にさらされる。加えて、コンクリートなどの外壁ではなく、ビニールやガラスによる外壁を有する状態であるので、外気温度が低い場合には、内部が結露しやすい。特に、寒冷地や寒冷期においては、植物の育成のために内部では暖房などの加熱が行われる。この加熱によってビニールハウス110内部の室内空気の温度は上昇する。この上昇によって、外気温度と室内空気温度の差が大きくなり、外気による結露が、ビニールハウス110の内面に付着しやすい。
ビニールハウス110には、室内空気を除湿用熱交換器1に送る送出経路と、除湿用熱交換器1からの室内空気を戻す戻し経路とが設けられる。この経路に従って、図8に示されるようにビニールハウス110から室内空気が、除湿用熱交換器1との間で交換される。
除湿用熱交換器1の外部には、ケース500が設けられてもよい。ケース500は、物理的に完全なケースではなく、除湿用熱交換器1を固定しつつ、室内空気や外気の取り込みおよび排出を行う機能を格納できればよい。このため、除湿用熱交換器1で除湿の終わった室内空気をビニールハウス110に戻す送風ファン320が設けられる。更には、冷却に使用された外気を外部に排出する排出ファン420が設けられる。
これらの送風ファン320、排出ファン420によって、除湿用熱交換器1での除湿の終わった室内空気のビニールハウス110への戻しや、外気の排出がスムーズに行われる。この結果、室内空気の本体部2への取り込みおよび外気の本体部2への取り込みもスムーズに行われる。
ビニールハウス110の室内空気が、送出経路に従って除湿用熱交換器1に送り込まれる。合せて、外部の外気が除湿用熱交換器1に送り込まれる。送り込まれた室内空気と外気のそれぞれは、実施の形態1で説明した通りの移動をおこなう。この移動によって、室内空気は外気による露点温度に達して、余分な水分100が排出される。
これが繰り替えさえることで、ビニールハウス110の室内空気が、外気によって結露することを継続的に防止できる。結果として、ビニールハウス110内部での結露によって生じる植物等への悪影響などを防止できる。
以上、実施の形態1〜2で説明された除湿用熱交換器は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 除湿用熱交換器
2 本体部
21 第1端部
22 第2端部
3 室内空気通路
31 室内空気通路入り口
32 室内空気通路出口
4 外気通路
41 外気通路入り口
42 外気通路出口
100 水分
110 ビニールハウス
300 室内空気導入部
310 室内空気排出部
400 外気導入部
410 外気排出部

Claims (15)

  1. 対向する第1端部および第2端部を有する立体状の本体部と、
    前記第1端部から前記第2端部に向けて室内空気を移動させる複数の室内空気通路と、
    前記第2端部から前記第1端部に向けて外気を移動させる複数の外気通路と、を備え、
    前記複数の室内空気通路のそれぞれの少なくとも一部と、前記複数の外気通路のそれぞれの少なくとも一部とは、前記本体部の厚み方向および幅方向の少なくとも一部で隣接し、
    前記外気の温度である外気温度は、前記室内空気の温度である室内空気温度より低く、
    前記外気温度は、前記複数の室内空気通路を移動する室内空気を、前記外気通路を移動する外気によって、露点温度に冷却する、除湿用熱交換器。
  2. 前記室内空気は、設備の外気によって結露する可能性のある前記設備の室内の空気であり、
    前記外気は、前記設備の外側に存在する空気である、請求項1記載の除湿用熱交換器。
  3. 前記複数の室内空気通路のそれぞれを移動する室内空気は、隣接する前記複数の外気通路のそれぞれと熱的に接触して、前記外気は、前記室内空気を露点温度に冷却する、請求項1または2記載の除湿用熱交換器。
  4. 前記複数の室内空気通路のそれぞれと、前記複数の外気通路のそれぞれは、前記本体部の内部で略平行である、請求項1から3のいずれか記載の除湿用熱交換器。
  5. 前記複数の室内空気のそれぞれと、前記複数の外気通路のそれぞれは、前記本体部の厚み方向および前記幅方向の少なくとも一方で、交互に配列される、請求項1から4のいずれか記載の除湿用熱交換器。
  6. 前記複数の外気通路のそれぞれを移動する前記外気は、移動の出口となる前記第1端部において、所定範囲の温度上昇に収まる、請求項1から5のいずれか記載の除湿用熱交換器。
  7. 前記複数の外気通路のそれぞれを移動する前記外気は、移動の入り口となる第2端部において略同一以下の温度であり、移動の出口となる前記第1端部において略同一以下の温度である、請求項6記載の除湿用熱交換器。
  8. 前記複数の室内空気通路のそれぞれを移動する前記室内空気は、移動の出口となる第2端部において、前記複数の外気通路に送り込まれる前記外気の最も温度の低い状態と熱的に接触することで、露点温度となる、請求項1から7のいずれか記載の除湿用熱交換器。
  9. 前記複数の室内空気通路のそれぞれを移動する前記室内空気は、第1端部から第2端部に移動するにつれ、次第に温度が低くなる前記外気通路を移動する前記外気との熱的な接触を継続することで徐々に室内空気温度を低下させて、第2端部付近で露点温度に低下させる、請求項8記載の除湿用熱交換器。
  10. 前記第2端部において、前記複数の室内空気通路のそれぞれを移動した前記室内空気は、すべての前記室内空気通路において露点温度となる、請求項9記載の除湿用熱交換器。
  11. 前記露点温度となった前記室内空気で結露した水滴を排出する、水滴排出口を、更に備える、請求項1から10のいずれか記載の除湿用熱交換器。
  12. 前記複数の室内空気通路の入り口それぞれに、前記設備の室内の空気を送り込む室内空気導入部と、
    前記複数の室内空気通路の出口のそれぞれからの前記室内空気を集合して前記設備の室内に戻す室内空気排出部と、を更に備える、請求項2から11のいずれか記載の除湿用熱交換器。
  13. 前記複数の外気通路の入り口のそれぞれに、前記設備の外部の空気を送り込む外気導入部と、
    前記複数の外気通路の出口のそれぞれからの前記外気を集合して、前記設備の外部に排出する外気排出部と、を更に備える、請求項1から12のいずれか記載の除湿用熱交換器。
  14. 前記室内空気導入部、前記室内空気排出部、前記外気導入部および前記外気排出部のそれぞれは、空間的に分離している、請求項12または13記載の除湿用熱交換器。
  15. 前記設備の外側の外気温度に基づいて、前記室内空気通路に取り込まれる前記室内空気の取り込み速度が変化し、
    前記外気温度が相対的に高い場合には、前記室内空気通路に取り込まれる取り込み速度が遅くなり、
    前記外気温度が相対的に低い場合には、前記室内空気通路に取り込まれる取り込み速度が速くなる、請求項3から14のいずれか記載の除湿用熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022163594A1 (ja) * 2021-01-29 2022-08-04 日東電工株式会社 植物育成システム

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