図1に示すように、遊技場Hには、複数の島構造H1が設けられ、各島構造H1に複数(例えば、20台)のパチンコ遊技機Pが設置され、また、場内を照らす複数の照明灯H2を有する照明設備と、場内に各種アナウンスや音楽を流す複数のスピーカH3を有する音響設備と、場内の遊技者に各種掲示を行う電光掲示板H4が設けられている。
更に、遊技場Hには、場内を演出する為の複数のミラーボールH5、複数のスポットライトH6、複数のスモークマシンH7、複数の可動物H8等の演出設備が設けられている。これらの機器H1〜H8はホールコンピュータHCに電気的に接続されており、実施例1では、これらの機器H1〜H8及びホールコンピュータHCが、遊技場Hに多数のパチンコ遊技機Pとは別に装備される遊技場演出装置H9を構成している。
さて、遊技場Hに設置された多数のパチンコ遊技機Pの中に、本発明に係るパチンコ遊技機1が複数(例えば、40台)含まれている。例えば、40台のパチンコ遊技機1は、仮想線で図示した設置エリアH10において、3つの島構造H1にわたって、1列10台として4列になり、1列目目と2列目のパチンコ遊技機1が対向し、3列目と4列目のパチンコ遊技機1が対向するように設置されている。
次に、パチンコ遊技機1について説明する。
図2、図3に示すように、パチンコ遊技機1には、島構造H1に取り付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、この窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部に、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4と透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、貯留皿5に遊技者が操作可能な演出ボタンSW6aと十字ボタンSW6bとエンターボタンSW6c(「SW」はスイッチを意味する)とを有する演出操作装置6が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6 秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され、その下流端(上端)から遊技領域4aの上部に導入される。
図3、図4に示すように、遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10、開閉式の第2始動口11aを有する始動口装置11、1対のゲート12、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13、複数の一般入賞口14が、夫々遊技球が通過(入球・入賞)可能に図示の配置で設けられている。第1始動口10、1対のゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、1対のゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有し、第2始動口11aは、開閉部材11b及び第2始動口SOL11dによって、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有し、大入賞口13aは、開閉部材13b及び大入賞口SOL13dによって、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
遊技球が入賞口10,11a,13a,14の何れかに入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数(数個〜10数個)の遊技球が賞球として貯留皿5に払出される。遊技球が始動口10,11aの何れかに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選に当選した場合、大入賞口13aが開放する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選に当選した場合、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
遊技領域4aに発射された遊技球は、入賞口10,11a,13a,14の何れかに入賞すると、そこから遊技領域4a外へ排出されて回収され、また、入賞口10,11a,13a,14の何れにも入賞しないと、最終的に、遊技領域4aの下端部に設けた排出口9から遊技領域4a外へ排出されて回収される。
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示器16及び可動役物17(演出役物17)が装備されている。センタ役物15は、その枠体15aが遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、この枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。
画像表示器16は、画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ役物15の枠体15aの内側を通して視認可能に配置され、この画像表示器16には主に遊技演出が表示される。可動役物17は、画像表示器16に表示される所定の遊技演出の一環として作動して、役物部材17aを画像表示器16の画面前側において遊技盤4と平行な方向へ移動させる。
可動役物17において、可動部材17aは、例えば、鳥の顔及び首を模した形状に形成されて、その長さ方向基端部分がセンタ役物15に対して回動自在に支持され、図3に実線で示すように、画像表示器16の画面右端側において略鉛直姿勢になって初期位置となり、図3に仮想線で示すように、その初期位置から左回りに約90度回動させて略水平姿勢になって特定位置となる。
可動役物17は、後述の特定演出に関連して、その特定演出の開始時の第1タイミングになったときと、その特定演出の終了時の第2タイミングになったときに、役物部材17aを特定位置(図3仮想線)以外の位置(例えば、初期位置(図3実線))から特定位置(図3仮想線)へ一時的に移動させることで特定態様で作動する。
可動役物17には、役物部材17aが特定位置へ移動したこと、つまり可動役物17の特定態様での作動を検知可能な役物検出SW18a(検知手段18a)が付設されている。この役物検出SW18aは、役物部材17a又はその駆動系の一部に設けられた被検出部を、役物部材17aが特定位置へ移動したときに検出できるものである。
尚、可動役物17は、例えば、後述の図柄変動演出や特別遊技演出において、前記の第1,第2タイミング以外のタイミングで作動する場合があるが、その際は、役物部材17aを特定位置(図3仮想線)へは移動させることのない態様で作動し、つまり、役物検出SW18aにより可動役物17の特定態様での作動は検知されない。
尚、他のSW類として、遊技領域4aに発射された遊技球を検出する発射球検出SW18b、排出口9から排出された遊技球を検出する排出球検出SW18c、開閉扉3の開放を検出する扉開放検出SW18d、遊技領域4aに発生した磁気を検出する複数の磁気検出SW18e等が設けられている。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特別図柄表示器19a、第2特別図柄表示器19b、普通図柄表示器19c、第1特別図柄保留ランプ19d、第2特別図柄保留ランプ19e、普通図柄保留ランプ19fを備えている。
第1特別図柄表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特別図柄保留ランプ19dには第1特別図柄保留数が表示され、その第1特別図柄保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特別図柄表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特別図柄保留ランプ19eには第2特別図柄保留数が表示され、その第2特別図柄保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特別図柄保留数が1以上の場合、第2特別図柄保留数が0の場合には、第1特別図柄保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特別図柄保留数が1以上の場合、第1特別図柄保留数に関わらず、第2特別図柄保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普通図柄表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普通図柄保留ランプ19fには普通図柄保留数が表示され、その普通図柄保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普通図柄保留数が1以上の場合、普通図柄保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図4に示すように、制御装置20は、遊技制御基板21、払出制御基板22、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25を備え、これら制御基板21〜25に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板23は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板21のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、1対のゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14a、役物検出SW18a、発射球検出SW18b、排出球検出SW18c、扉開放検出SW18d、複数の磁気検出SW18eからの信号、払出制御基板22からの制御情報を受けて情報処理を行い、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板22、演出制御基板23に制御情報を出力し、外部出力基板26からホールコンピュータHCへ遊技機情報を出力する。
払出制御基板22のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報、払出球検出SW22b、球有り検出SW22c、満タン検出SW22dからの信号を受けて情報処理を行い、払出モータ22aを制御し、遊技制御基板21に制御情報を出力する。演出制御基板23のコンピュータは、遊技制御基板21、画像制御基板24、ランプ制御基板25からの制御情報、演出操作装置6(演出ボタンSW6a、十字ボタンSW6b、エンターボタンSW6c)からの信号を受けて情報処理を行い、画像制御基板24、ランプ制御基板25に制御情報を出力する。
画像制御基板24のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて情報処理を行い、遊技演出用の画像表示器16、スピーカ27を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。ランプ制御基板25のコンピュータは、可動役物17(原点SW)からの信号、演出制御基板23からの制御情報を受けて情報処理を行い、遊技演出用の枠ランプ28a、盤ランプ28b、可動役物17(電動モータ)を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。
可動役物17には、前記の原点SWとして、役物部材17aが初期位置(図3実線)に位置していることを検出する第1の原点SWと、役物部材17aが特定位置(図3仮想線)に位置していることを検出する第2の原点SWが付設されている。尚、役物検出SW18aと前記の第2の原点SWとを1つの共通のSWとし、その共通のSWからの信号が遊技制御基板21とランプ制御基板25の両方へ出力される構成にしてもよい。或いは、前記の共通のSWからの信号が遊技制御基板21へ出力されると、それと同等の信号が遊技制御基板21からランプ制御基板25へ出力される構成にしてもよい。
ここで、パチンコ遊技機1の電源投入時の処理の一部として、ランプ制御基板25のコンピュータが、可動役物17の可動部材17aを初期位置→特定位置→初期位置へと移動させるように前記の電動モータを制御して、前記の原点SWにより可動役物17が正常に作動したか(可動部材17aが初期位置→特定位置→初期位置へと移動したか)否かを判断するが、遊技制御基板21のコンピュータが、前記判断を役物検出SW18aを用いて行うことができ、その場合、役物検出SW18aにより可動部材17aが特定位置へ移動したことが検知されず、可動役物17が正常に作動していないと判断すると、その旨を示す遊技機情報を外部出力基板26からホールコンピュータHCに出力することもできる。
図5に示すように、遊技制御基板21の主にコンピュータにより、図示の各手段30〜36,42〜45,50,55が構成されている。
乱数更新手段30は、特別遊技を行うか否かを判定する為の16ビット構成の所謂ハード乱数である大当り乱数を、設定範囲(0 〜65535 )内で微小時間(0.1 μs )毎に順次更新し、また、特別遊技を行う場合に大当り図柄を判定(決定)する為の8 ビット構成の所謂ソフト乱数である大当り図柄乱数を、設定範囲(0 〜199 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新する。更に、特別遊技を行わない場合にリーチ状態にするか否かを判定する為のリーチ乱数と、特別図柄の変動パターン(変動時間)を判定(決定)する為の変動パターン乱数とを、夫々設定範囲(0 〜99)内で微小時間毎に順次更新する。
図柄情報取得手段31は、遊技球が第1始動口10に入賞したときに第1特別図柄保留数が4未満の場合に乱数取得条件が成立して、乱数更新手段30により更新された大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を1組の第1特別図柄情報として取得する。また、遊技球が第2始動口11aに入賞したときに第2特別図柄保留数が4未満の場合に乱数取得条件が成立して、乱数更新手段30により更新された大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を1組の第2特別図柄情報として取得する。
図柄情報取得手段31により取得された特別図柄情報が特別図柄情報記憶手段32に記憶(保留)され、特別図柄情報記憶手段32に記憶されている第1特別図柄情報の数が第1特別図柄保留数となり、特別図柄情報記憶手段32に記憶されている第2特別図柄情報の数が第2特別図柄保留数となる。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1,第2特別図柄保留数の何れかが1以上の場合、特別図柄を変動開始させる始動条件が成立して、この始動条件の成立毎に、特別図柄情報記憶手段32に記憶されている特別図柄情報が、順次1ずつ特別図柄情報判定手段33による判定に供して、特別図柄情報記憶手段32から消去(保留消化)される。ここで、複数の特別図柄情報が保留されている場合、それら複数の特別図柄情報は、図柄情報取得手段31により取得された順番で前記判定に供して保留消化され、但し、第1,第2特別図柄情報の両方が保留されている場合には、第2特別図柄情報が第1特別図柄情報よりも優先して前記判定に供して保留消化される。
特別図柄情報判定手段33において、大当り判定手段33aは、前記始動条件の成立により保留消化された当該特別図柄情報の大当り乱数に基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行うか否かを判定し、図柄判定手段33bは、大当り判定手段33aより大当り遊技を行うと判定された場合、当該特別図柄情報の大当り図柄乱数に基づいて、停止表示させる大当り図柄を判定(選択)して、当該大当り遊技中の大入賞口13aの開放パターン、つまり有利度合いの異なる複数種類の大当り遊技の何れを行うかを決定すると共に、当該大当り遊技終了後の遊技状態を決定する。
大当り判定手段33aは、具体的に、図6に示す大当り判定テーブルを用いて、「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」が設定されている場合には、約1/320 の割合(低確率)で、また、「潜確遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定されている場合には、約10/320の割合(高確率)で、当該特別図柄情報の大当り乱数が大当り特定値と一致すると、大入賞口13aを開放する特別遊技である大当り遊技を行うと判定する。また、設定されている遊技状態に関わらず、約3/320 の割合で、当該特別図柄情報の大当り乱数が小当り特定値と一致すると、特別遊技の一種である小当り遊技を行うと判定する。
図柄判定手段33bは、具体的に、大当り判定手段33aにより大当り遊技を行うと判定された場合、複数種類の大当り図柄(図7に示す大当り図柄A〜D,a〜c)の何れかを選択し、小当り遊技を行うと判定された場合、小当り図柄を選択し、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行わないと判定された場合、ハズレ図柄を選択する。大当り図柄の選択について、当該特別図柄情報が第1特別図柄情報である場合は、図7に示す第1図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行い、当該特別図柄情報が第2特別図柄情報である場合は、図7に示す第2図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。
特別図柄情報判定手段33において、リーチ判定手段33cは、大当り判定手段33aにより大当り遊技を行うと判定された場合、基本的に大当りになることを期待させるリーチ状態にするが、大当り判定手段33aにより大当り遊技を行わないと判定された場合、当該特別図柄情報のリーチ乱数に基づいて、大当りになることを期待させるリーチ状態にするか否かを判定する。
特別図柄情報判定手段33において、変動パターン判定手段33dは、大当り判定手段33a、図柄判定手段33bによる判定結果に基づいて選択された図柄(大当り図柄A〜D,a〜c、小当り図柄、ハズレ図柄の何れか)、リーチ判定手段33cによる判定結果(リーチ状態にするか否か)、変動パターン乱数等に基づいて、特別図柄の変動パターン(変動時間)を判定(決定)する。変動パターン判定手段33dが特別図柄の変動パターンを決定する具体的な処理については後で説明する。
特別図柄表示制御手段34は、第1特別図柄情報が保留消化されたことを契機に第1特別図柄の変動表示を開始させ、第2特別図柄情報が保留消化されたことを契機に第2特別図柄の変動表示を開始させ、変動パターン判定手段33dにより決定された変動パターンで特別図柄を変動表示させて、つまり当該変動パターンで規定される変動時間、特別図柄を変動表示させた後に、大当り判定手段33a、図柄判定手段33bによる判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
大当り判定手段33aにより大当り遊技を行うと判定された場合には、図柄判定手段33bにより選択された大当り図柄A〜D,a〜cの何れかを停止表示させ、小当り遊技を行うと判定された場合には、小当り図柄を停止表示させ、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄を停止表示させる。
特別遊技実行手段35は、大当り判定手段33aにより特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行うと判定された場合、特別図柄表示制御手段34により、当該判定結果を示す判定図柄、つまり図柄判定手段33bにより選択された判定図柄(大当り図柄A〜D,a〜c、小当り図柄の何れか)が停止表示された後、その判定図柄に応じた開放パターンで大入賞口13aを開放する遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行う。
図8に示すように、大当り遊技中の大入賞口13aの開放パターンは、大当り図柄の種類に応じて、16R長期開放、8R長期開放、8R短期開放(「R」はラウンドを意味する)の何れに設定され、小当り遊技中の大入賞口13aの開放パターンは、大当り図柄C,D,b,cに対応する開放パターンと同様に、8R短期開放に設定される。
具体的に、16R長期開放では、大入賞口13aが16Rに亙って開閉され、各ラウンドは、大入賞口13aを開放して開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するR終了条件が成立すると、大入賞口13aを閉塞して終了する。8R長期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、16R長期開放と同様のR終了条件が成立すると終了する。8R短期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば0.1 秒経過するR終了条件が成立すると終了する。
事前判定手段36は、特別図柄情報記憶手段32に記憶されている特別図柄情報(即ち、後に特別図柄情報判定手段33による判定に供される特別図柄情報)に基づいて、具体的には、図柄情報取得手段31により特別図柄情報が取得された際、その特別図柄情報に対して、特別図柄情報判定手段33(大当り判定手段33a、図柄判定手段33b、リーチ判定手段33c、変動パターン判定手段33d)による判定と同等の判定(即ち、特別遊技を行うか否かの判定、大当り図柄A〜D,a〜c、小当り図柄、ハズレ図柄の決定、リーチ状態にするか否かの判定、特別図柄の変動パターンの決定)を事前に行う。
一方、乱数更新手段30は、補助遊技を行うか否かを判定する為の8 ビット構成のソフト乱数である当り乱数を、設定範囲(0 〜199 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新し、また、補助遊技を行うと判定した場合に当り図柄を判定(決定)する為の8 ビット構成の所謂ソフト乱数である当り図柄乱数を、設定範囲(0 〜9 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新する。
図柄情報取得手段31は、遊技球がゲート12を通過したときに普通図柄保留数が4未満の場合に乱数取得条件が成立して、乱数更新手段30により更新された当り乱数、及び当り図柄乱数を1組の普通図柄情報として取得する。図柄情報取得手段31により取得された普通図柄情報が普通図柄情報記憶手段42に記憶(保留)され、普通図柄情報記憶手段42に記憶されている普通図柄情報の数が普通図柄保留数となる。
普通図柄が変動停止状態で、普通図柄保留数が1以上の場合、普通図柄を変動開始させる始動条件が成立して、この始動条件の成立毎に、普通図柄情報記憶手段42に記憶されている普通図柄情報が、順次1ずつ普通図柄情報判定手段43による判定に供して、普通図柄情報記憶手段42から消去(保留消化)される。ここで、複数の普通図柄情報が保留されている場合、それら複数の普通図柄情報は、図柄情報取得手段31により取得された順番で前記処理に供して保留消化される。
普通図柄情報判定手段43において、当り判定手段43aが、前記始動条件の成立により保留消化された当該普通図柄情報の当り乱数に基づいて、遊技者に有利な補助遊技を行うか否かを判定し、補助遊技を行うと判定した場合、図柄判定手段43bが、当該普通図柄情報の当り図柄乱数に基づいて、停止表示させる当り図柄を判定(選択)して、当該補助遊技中の第2始動口11aの開放パターン、つまり有利度合いの異なる複数種類の補助遊技の何れを行うかを決定する。
具体的に、当り判定手段43aは、図9に示すように、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」(「低作動モード」)が設定されている場合には、1/10の割合で、また、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」(「高作動モード」)が設定されている場合には、10/10 の割合で、補助遊技を行うと判定し、補助遊技を行うと判定すると、図柄判定手段43bは、図10に示すように、複数種類の当り図柄(当り図柄a,b)の何れかを図示の選択率により選択し、補助遊技を行わないと判定すると、ハズレ図柄を選択する。
普通図柄表示制御手段44は、普通図柄情報が保留消化されたことを契機に普通図柄の変動表示を開始させ、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」(「低作動モード」)が設定されている場合には、12秒間、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」(「高作動モード」)が設定されている場合には、0.5 秒間、普通図柄を変動表示させた後、普通図柄判定情報手段43による判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
補助遊技実行手段45は、当り判定手段43aにより補助遊技を行うと判定された場合、普通図柄表示制御手段44により、当該判定結果を示す判定図柄、つまり図柄判定手段43bにより選択された判定図柄(当り図柄a,bの何れか)が停止表示された後、その判定図柄に応じた開放パターンで第2始動口11aを開放する遊技者に有利な補助遊技を行う。具体的に、図9、図10に示すように、補助遊技中の第2始動口11aの開放パターンは、当り図柄の種類、及び遊技状態(作動モード)に応じて図示のように設定される。
遊技状態制御手段50は、複数種類の遊技状態(図11に示す「通常遊技状態」「時短遊技状態」「潜確遊技状態」「確変遊技状態」)の何れかを択一的に設定し、その遊技状態で遊技を制御する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には「通常遊技状態」を設定する。
図11に示すように、「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」が設定された場合、大当り判定手段33aにより大当り遊技を行うと判定される大当り確率が低確率(図6に示す約1/320 )に設定され、「潜確遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定された場合、大当り確率が高確率(図6に示す約10/320)に設定される。また、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」が設定された場合、第2始動口11aを作動させる第2始動口作動モードとして、第2始動口11aを開状態に作動させ難い低作動モードに設定され、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定された場合、第2始動口11aを開状態に作動させ易い高作動モードが設定される。
尚、図9に示すように、低作動モードが設定されると、補助遊技を行うと判定される当り確率が1/10、普通図柄の変動時間が12秒、補助遊技中の第2始動口11aの始動口開放パターンが0.1 秒×1 回又は0.1 秒×1 回+5.6 秒×1 回に設定され、高作動モードが設定されると、当り確率が10/10 、普通図柄の変動時間が0.5 秒、始動口開放パターンが1.0 秒×6 回又は2.0 秒×3 回に設定される。
遊技状態制御手段50は、特別遊技実行手段35により大当り遊技が行われた場合、その大当り遊技終了後の遊技状態を図8に示すように設定変更する。大当り図柄A,Bの何れかが停止表示されて、所謂「確変大当り」になった場合、また、大当り図柄Cが停止表示されて、所謂「突確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「確変遊技状態」を設定し、その後、特別図柄が変動表示された回数(特別図柄変動回数)が10000 回を超えると、「確変遊技状態」から「通常遊技状態」へ設定変更する。
大当り図柄Dが停止表示されて、所謂「突潜大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「潜確遊技状態」を設定し、その後、特別図柄変動回数が10000 回を超えると、「潜確遊技状態」から「通常遊技状態」へ設定変更する。但し、「通常遊技状態」以外の遊技状態(「潜確遊技状態」又は「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」)からは「突確大当り」となり、当該大当り遊技終了後に「確変遊技状態」を設定し、その後、特別図柄変動回数が10000 回を超えると、「確変遊技状態」から「通常遊技状態」へ設定変更する。
大当り図柄aが停止表示されて、所謂「時短大当り」になった場合、また、大当り図柄bが停止表示されて、所謂「突時大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「時短遊技状態」を設定し、その後、特別図柄変動回数が20回又は40回又は60回を超えると、「時短遊技状態」から「通常遊技状態」へ設定変更する。
大当り図柄cが停止表示されて、所謂「突通大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「通常遊技状態」を設定する。小当り図柄が停止表示されて、所謂「小当り」になった場合、当該小当り遊技終了後に当該小当り遊技開始前の遊技状態を設定する(即ち、遊技状態を設定変更しない)。
ここで、前記の変動パターン判定手段33dが特別図柄の変動パターンを決定する具体的な処理について説明する。特別図柄の変動パターンを決定するために、複数の変動パターン決定テーブルが存在し、変動パターン判定手段33dは、現在の遊技状態に対応する変動パターン決定テーブルを用いて、大当り判定手段33a、図柄判定手段33bによる判定結果(判定図柄)、リーチ乱数(リーチ判定手段33cによる判定結果)、変動パターン乱数、及び第1,第2特別図柄保留数等に基づいて変動パターンを決定する。
「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」が設定されている場合には、図12に示す通常/潜確遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いて、また、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定されている場合には、図13に示す時短/確変遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いて、変動パターンを決定する。
図12に示す通常/潜確遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いた場合、第1特別図柄の変動パターンについては、大当りとなる場合、その判定図柄(大当り図柄)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン1〜4(変動時間;30,40,50,20 秒)の何れかを決定し、小当りとなる場合、変動パターン5(変動時間;20秒)を決定し、ハズレとなる場合、リーチ乱数、保留数(第1特別図柄保留数)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン6〜9(変動時間;10,5,30,40秒)の何れかを決定する。
第2特別図柄の変動パターンについては、大当りとなる場合、その判定図柄(大当り図柄)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン1〜4(変動時間;30,40,50,20 秒)の何れかを決定し、小当りとなる場合、変動パターン5(変動時間;20秒)を決定し、ハズレとなる場合、リーチ乱数、変動パターン乱数に応じて、変動パターン7〜9(変動時間;5,30,40 秒)の何れかを決定する。
図13に示す時短/確変遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いた場合、第1特別図柄の変動パターンについては、大当りとなる場合、その判定図柄(大当り図柄)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン1〜3(変動時間;30,40,50秒)の何れかを決定し、小当りとなる場合、変動パターン10(変動時間;30秒)を決定し、ハズレとなる場合、変動パターン11(変動時間;25秒)を決定する。
第2特別図柄の変動パターンについては、大当りとなる場合、その判定図柄(大当り図柄)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン1〜3(変動時間;30,40,50秒)の何れかを決定し、小当りとなる場合、変動パターン10(変動時間;30秒)を決定し、ハズレとなる場合、保留数(第2特別図柄保留数)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン12,13,14(変動時間;22,2,15 秒)の何れかを決定する。
外部出力処理手段55は、各種SW10a,11c,12a,13c,14a、18a〜SW18eから受ける信号、及び払出制御基板22から受ける制御情報に基づいて、複数の遊技機情報を夫々複数の外部出力端子26aにより外部出力基板26からホールコンピュータHCへ出力させ得る(図4参照)。尚、外部出力処理手段55及び複数の外部出力端子26aを有する外部出力基板26により、遊技機情報を遊技機1外部へ出力する外部出力手段が構成されている。
具体的に、図14に示すように、出力可能な遊技機情報は複数あり、複数の外部出力端子26aにおいて、外部出力端子1では、遊技球が遊技領域4aへ発射される(発射球検出SW17aで遊技球が検出される)毎に球発射信号を出力し、外部出力端子2では、遊技球が第1,第2始動口10,11aの何れかに入賞する(第1,第2始動口SW10a,11cの何れかで遊技球が検出される)毎に球入賞信号を出力し、外部出力端子3では、賞球が10個得られる毎に賞球信号を出力し、外部出力端子4では、第1,第2特別図柄の何れかが変動表示される毎に特別図柄変動信号を出力する。
外部出力端子5では、特別遊技が行われる毎に特別遊技信号を、また、補助遊技が行われる毎に補助遊技信号を出力し、外部出力端子6では、開閉扉3が開放される(扉開放検出SW17cにより開閉扉3の開放が検出される)と扉開放信号を出力し、外部出力端子7では、セキュリティに関し、複数の異常のうち少なくとも1つの異常が発生する(例えば、磁気検出SW18eにより遊技領域4aに発生した磁気が検出される)と異常信号を出力し、外部出力端子8では、可動役物17が特定態様で作動する(役物検出SW18aにより可動役物17の特定態様での作動が検知される)と役物作動信号を出力する。
ここで、役物作動信号は、後述の特定演出に関係する特定遊技機情報であり、外部出力処理手段55は、役物検出SW18aにより可動役物17の特定態様での作動が検知されると、その検知情報としての役物作動信号を、この役物作動信号の出力専用に設けた1の外部出力端子8により出力可能に構成されている。尚、実施例1では、電源投入時の可動役物17の作動時は、可動部材17aが特定位置へ移動したことが役物検出SW18aにより検知されても、役物作動信号が出力されないものとする。
図5に示すように、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25のコンピュータにより、所定の演出機器70(画像表示器16、可動役物17、スピーカ27、ランプ28a,28b)に演出を行わせる演出制御手段60が構成され、その演出制御手段60が、図柄変動演出制御手段61、特別遊技演出制御手段62、保留表示制御手段63、先読み演出制御手段64、RTC演出制御手段65を備えている。
図柄変動演出制御手段61は、特別図柄情報判定手段33による判定結果に基づいて、特別図柄表示制御手段34により特別図柄表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに、当該特別図柄の変動パターン(変動パターン判定手段33dにより決定された変動パターン)に対応する図柄変動演出を、複数種類の図柄変動演出(図15(a)に示す図柄変動演出1,2,3・・・n)の中から選択して行わせる。
図16に示すように、図柄変動演出では、基本的に、画像表示器16に、(1)3組の演出図柄列16aが変動開始した後、先ず、(2)左側の演出図柄16a-1として「X」が変動停止し、次に、(3)右側の演出図柄16a-2として「Y」が変動停止し、最後に、(4)中央の演出図柄16a-3として「Z」が変動停止するように表示され、これら3つの停止図柄列「XZY」が、大当り判定手段33a、図柄判定手段33bによる判定結果を示す組み合わせ表示態様になる。
例えば、変動時間が比較的短い変動パターンに対応する図柄変動演出では、(3)「X」と「Y」が異なる演出図柄で停止して非リーチ状態になり、その後、(4)「Z」が停止して、「XZY」がハズレ表示態様になると、大当り及び小当り非当選になる。一方、変動時間が比較的長い変動パターンに対応する図柄変動演出では、(3)「X」と「Y」が同じ演出図柄で停止してリーチ状態になり、その後、発展演出、或いは、発展演出に移行しないノーマルリーチ演出が行われる。
発展演出、ノーマルリーチ演出は、夫々、大当りとなる大当り期待度が異なる複数の演出態様の何れかで行われ、発展演出、ノーマルリーチ演出の終了を以て、(4)「Z」が「X」「Y」と異なる演出図柄で停止して、「XZY」がハズレ表示態様になると、大当り及び小当り非当選になり、「XZY」が小当り表示態様になると、小当り当選になり、「Z」が「X」「Y」と同じ演出図柄で停止して、「XZY」が大当り表示態様になると、大当り当選になる。
ここで、図柄変動演出制御手段61は、可動役物17の作動を伴う図柄変動演出において、可動役物17を決められたタイミングで決められた態様で作動させるが、ここでの可動役物17の作動は、役物部材17aを特定位置(図3に仮想線)まで移動させないものとなり、つまり可動役物17を特定態様で作動させない。
特別遊技演出制御手段62は、特別遊技実行手段35により特別遊技が行われているときに、特別図柄表示制御手段35により当該特別遊技の開始にあたって停止表示された大当り図柄(小当り図柄)の種類に応じて、図15(b)に示す複数の特別遊技演出(特別遊技演出1,2,3・・・n)の中から選択した特別遊技演出を行わせ、特別遊技演出(特別遊技)の終盤に、図15(c)に示す複数のエンディング演出(エンディング演出1,2,3・・・n)の中から選択したエンディング演出を行わせる。
ここで、特別遊技演出制御手段62は、可動役物17の作動を伴う特別遊技演出又はエンディング演出において、可動役物17を決められたタイミングで決められた態様で作動させるが、ここでの可動役物17の作動は、役物部材17aを特定位置(図3に仮想線)まで移動させないものとなり、つまり可動役物17を特定態様で作動させない。
保留表示制御手段63は、特別図柄情報記憶手段32に第1特別図柄情報が記憶されている場合、その第1特別図柄保留数と相当数の第1保留図柄を画像表示器16に表示させ、特別図柄情報記憶手段32に第2特別図柄情報が記憶されている場合、その第2特別図柄保留数と相当数の第2保留図柄を画像表示器16に表示させる。
先読み演出制御手段64は、事前判定手段36による判定結果に基づいて、先読み演出を行うか否かを判定し、先読み演出を行うと判定した場合に、その先読み演出の対象とされた特別図柄情報に対して、その特別図柄情報が消化される前から、大当り期待度を高め得る先読み演出を行わせる。
例えば、先読み演出としては、図柄変動演出制御手段61が、特別図柄の複数変動にわたって、先読み演出を行わない際に表示する通常の背景画像とは異なる先読み背景画像を表示させて、保留されている特別図柄情報に基づいて大当りになることを遊技者に期待させる先読みゾーン演出を行わせたり、保留表示制御手段63が、先読み演出を行わない際に表示する通常の保留図柄とは異なるデザイン(例えば色、形)の先読み保留図柄を表示させたりする。
ここで、演出制御手段60と演出機器70が演出手段に相当し、演出制御手段60のRTC演出制御手段65によって特定演出を実行可能にしている。
RTC演出制御手段65は、RTCを用いて、図17(1)に示すように、パチンコ遊技機1の電源投入時、つまり演出制御基板23のコンピュータ起動時(パチンコ遊技機1の電源投入時を基準とする所定のタイミング)から所定時間おきに定期的に(例えば、30分毎に)特定演出を数分間にわたって行わせる。
RTC演出制御手段65は、特定演出を実行する毎に、この特定演出に関連して、特定演出の開始時の第1タイミング(開始時を基準とする所定のタイミング)になったときと、その特定演出の終了時の第2タイミング(終了時を基準とする所定のタイミング)になったときに、可動役物17を特定態様で作動させる。ここで、特定演出において、第1,第2タイミング以外のタイミングでは、可動役物17を特定態様で作動させないが、可動役物17を特定態様以外の態様で作動させることができる。
特定演出は、楽曲を映像と音声で再生する演出であり、つまり、楽曲映像が画像表示器16に表示され、楽曲音声がスピーカ27から出力される。ここで、画像制御基板24のコンピュータにおいて、図18に示すように、不揮発性の記憶手段24aに複数の楽曲(楽曲1,2,3・・・n(複数の楽曲データ))が収録されており、特定演出として、予め決められたスケジュールに基づいて、記憶手段24aに収録されている複数の楽曲の中から1の楽曲が選択され再生される。
このスケジュールについては、例えば、記憶手段24aに収録された各楽曲に対して、その楽曲の再生予定日(他の楽曲の再生予定日とラップしない日)に関する情報が付随的に記憶されており、その情報に基づいて管理されている。このスケジュールによって、例えば、図18に示すように、楽曲1の再生予定日は2014年10月1 日〜10月7 日に、楽曲2の再生予定日は2014年10月8 日〜10月14日に、楽曲3の再生予定日は2014年10月15日〜10月21日に決められ、現在日が再生予定日に該当する1の楽曲が選択再生される。
特定演出(楽曲再生)は、図柄変動演出及び特別遊技演出(エンディング演出)に対して独立した演出であり、図柄変動演出又は特別遊技演出が行われているときに、特定演出を行わせる場合、また、特定演出が行われているときに、図柄変動演出又は特別遊技演出を行わせる場合、基本的に、図柄変動演出と特定演出の両方、又は、特別遊技演出と特定演出の両方を行わせる。
ここで、図柄変動演出と特定演出の両方、又は、特別遊技演出と特定演出の両方を行わせる際の表示に関しては、図19に示すように、画像表示器16に、区画された第1,第2表示領域16b,16cを設定し、これら第1,第2表示領域16b,16cの一方(例えば、小さな第1表示領域16b)に図柄変動演出又は特別遊技演出を表示させ、他方(例えば、大きな第2表示領域16c)に特定演出を表示させる。但し、図柄変動演出又は特別遊技演出の演出態様に応じて、図柄変動演出又は特別遊技演出を表示させる領域を第1,第2表示領域16b,16cの一方から他方へ切り換えてもよい。
ここで、遊技場Hに設置され複数のパチンコ遊技機1において、前記の複数の楽曲とそのスケジュールとを同一にし、これら複数のパチンコ遊技機1の電源を同時に投入することにより、同一楽曲を再生する特定演出が同期して定期的に実行される。
次に、遊技場演出装置H9について説明する。
図20(1)示すように、遊技場演出装置H9において、ホールコンピュータHCが、複数の照明灯H2、複数のスピーカH3、電光掲示板H4、複数のミラーボールH5、複数のスポットライトH6、複数のスモークマシンH7、複数の可動物H8を制御し、複数のパチンコ遊技機P(1)から遊技機情報を入力し処理可能に構成されている。
図19(2)に示すように、ホールコンピュータHCは、遊技場H内の演出を機器H2〜H8に行わせる遊技場演出制御手段80を備え、その遊技場演出制御手段80において、特定遊技場演出制御手段81が、複数のパチンコ遊技機1の演出制御手段60及び演出機器70による特定演出(楽曲再生)と同期させて、その特定演出を盛り上げる特定遊技場演出を実行可能である演出同期実行手段を構成している。
特定遊技場演出制御手段81は、複数のパチンコ遊技機1から特定演出(楽曲再生)に関係する特定遊技機情報として、図14に示す役物作動信号を外部出力端子8(26a)から入力可能に構成され、入力された役物作動信号に基づいて、特定演出と同期させて特定遊技場演出を実行する。
具体的には、特定遊技場演出制御手段81は、図17(2)に示すように、特定遊技場演出を実行していない状態で、複数のパチンコ遊技機1のうち指定の1又は複数(全て)のパチンコ遊技機1から役物作動信号が入力されると、特定遊技場演出を開始させ、特定遊技場演出を実行している状態で、指定の1又は複数(全て)のパチンコ遊技機1から役物作動信号が入力されると、特定遊技場演出を終了させる。
特定遊技場演出制御手段81は、特定遊技場演出を、遊技場Hの複数のパチンコ遊技機1が設置された設置エリアH10の周辺のみで行わせる。但し、遊技場Hの設置エリアH10の周辺以外で行わせること、また、遊技場Hの全体で行わせることもできる。そして、特定遊技場演出を行わせるために、照明灯H2、スピーカH3、電光掲示板H4、ミラーボールH5、スポットライトH6、スモークマシンH7、可動物H8の少なくとも1つに対して、通常制御と異なる特殊制御を実行する。
例えば、特定遊技場演出を実行しない通常制御では、照明灯H2を点灯させ、ミラーボールH5、スポットライトH6、スモークマシンH7、可動物H8を作動させないが、特定遊技場演出を実行する特殊制御では、照明灯H2を消灯させ、ミラーボールH5、スポットライトH6、スモークマシンH7、可動物H8を作動させる。
以上説明したパチンコ遊技機1、遊技場演出装置H9の作用、効果について説明する。
複数のパチンコ遊技機1の電源を同時に投入することにより、これら複数のパチンコ遊技機1において、同一楽曲を再生する特定演出が同期して定期的に実行されるため、その特定演出の実行時には、遊技場H内、特に複数のパチンコ遊技機1の設置エリアH10の周辺では、コンサート会場に似た雰囲気になって、パチンコ遊技機1での遊技、更には遊技場H内を盛り上げる演出効果を得ることができる。
更に、特定演出を実行する毎に、特定演出の開始時に可動役物が特定態様で作動されるので、その可動役物の特定態様での作動を検知して、役物作動信号をホールコンピュータHCに出力することができ、特定演出の終了時に可動役物が特定態様で作動されるので、その可動役物の特定態様での作動を検知して、役物作動信号をホールコンピュータHCに出力することができる。
遊技場演出装置H9では、ホールコンピュータHCが、特定遊技場演出を行わせていないとき、役物作動信号を入力すると、特定遊技場演出を開始させ、特定遊技場演出を行わせているとき、役物作動信号を入力すると、特定遊技場演出を終了させるようにして、特定遊技場演出を特定演出と同期させて行わせるので、複数のパチンコ遊技機1による特定演出を盛り上げることができ、パチンコ遊技機1での遊技、更には遊技場H内を一層盛り上げる演出効果を得ることができる。
また、遊技場演出装置H9では、特定演出の実行時間(楽曲再生に要する時間)が、再生する楽曲によって変化する場合でも、その特定演出の終了時に役物作動信号を入力することができるので、特定演出の終了に合わせて特定遊技場演出を確実に終了させることができる。
尚、前記実施例を部分的に次のように変更可能である。
(1)外部出力処理手段55は、所定の遊技又はセキュリティに関する遊技機情報を遊技機1外部へ出力する外部出力端子26a(図14に示す外部出力端子1〜7の何れか)を用いて、役物作動信号(特定遊技機情報)を出力可能に構成されてもよい。この場合、役物作動信号を、使用する外部出力端子26aで元々出力するようになっている所定の遊技又はセキュリティに関する遊技機情報(信号)と識別可能な信号態様で出力する。前記実施例のように、役物作動信号の出力専用の外部出力端子8(26a)を設ける必要がなく、既存の外部出力端子26aを有効に活用することができる。
(2)遊技場演出装置H9において、ホールコンピュータHCは、パチンコ遊技機1から役物作動信号を受けて、特定遊技場演出を開始させると、その開始時からの時間を計時し、特定演出(楽曲再生)の実行時間に対応する時間が経過すると、特定遊技場演出を終了させる。パチンコ遊技機1において、特定演出の終了時に役物作動信号を遊技場演出装置H9へ出力する、つまりは可動役物18を特定態様で作動させる必要がなくなる。
(3)RTC演出制御手段65は、特定演出を実行する毎に、特定演出の開始時の第1タイミングになったときに、可動部材17aを特定位置(図3に仮想線)以外の位置(初期位置等)から特定位置へ移動させて、その後、特定演出の終了時の第2タイミングになるまで特定位置に保持し、第2タイミングになったときに、可動部材17aを特定位置から特定位置以外の位置(初期位置等)へ移動させるように、可動役物17を特定態様で作動させる。外部出力処理手段55は、役物検出SW18aにより可動部材17aが検知されると、役物作動信号が出力され、その後、可動部材17aが検知されなくなると、役物作動信号が再度出力され、ホールコンピュータHCが、これら役物作動信号に基づいて、特定遊技場演出を開始/ 終了させることで特定演出と同期させて行わせる。
次に、前記実施例を部分的に変更した他の実施例について説明する。