本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「ロングリーチ」「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、本実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に30秒未満の開放を複数回繰り返す場合があってもよい。この場合、1回の単位遊技での複数回の開放に亘る総開放時間は30秒以下としてもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。
単位遊技は、1回の単位遊技で大入賞口20を長時間(最大約30秒間)開放させる長開放単位遊技と、1回の単位遊技で大入賞口20を短時間(約0.2秒間)しか開放させない短開放単位遊技を含む。長開放単位遊技では9球以上の入球が十分に期待でき、十分な賞球(これを「出玉」ともいう)の獲得を期待できる一方、短開放単位遊技では大入賞口20にほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい。
本実施例のぱちんこ遊技機100は、16回の長開放単位遊技で構成される第1の特別遊技(「高利益16R大当り」「高利益16R特別遊技」ともいう)と、4回の長開放単位遊技と12回の短開放単位遊技で構成される第2の特別遊技(「低利益16R大当り」「低利益16R特別遊技」ともいう)と、4回の長開放単位遊技で構成される第3の特別遊技(「4R大当り」「4R特別遊技」ともいう)が実行されうる。高利益16R大当りと低利益16R大当りを総称する場合、「16R大当り」「16R特別遊技」ともいう。
なお、短開放単位遊技のみを所定回数(2回や4回等)繰り返す短縮特別遊技をさらに設けてもよい。本実施例に照らし合わせると、16回の短開放単位遊技で構成される第1の短縮特別遊技と、4回の短開放単位遊技で構成される第2の短縮特別遊技とを備えてもよい。また、短縮特別遊技では、開始デモ時間および/または終了デモ時間を設けなくてもよい。加えて、所定条件下では、開始デモ時間および/または終了デモ時間を通常より短くしてもよい。その例として、(1)時短中(開放延長機能作動中)において短くする、(2)特定の大当り(例えば短縮特別遊技)では、通常の大当り(例えば長開放単位遊技を含む特別遊技)よりも短くする、等が挙げられる。この(1)(2)の条件はアンド条件としてもよい。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を所定回数(2回や4回等)繰り返すので、外観上は短縮特別遊技と同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。以下、特に断らずに入球容易状態という場合、特別図柄の時短も含むこととする。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、一般入賞口33、第1作動口31、第2作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。言い換えれば、後述の保留制御手段240において新たに或る保留が生起した場合に、当該或る保留に係る図柄変動開始条件を充足する前であっても、当該或る保留(すなわち第1始動口11または第2始動口12への入球)に対応して第1抽選手段211または第2抽選手段212が取得した抽選値に係る事前判定(すなわち事前当否判定、事前図柄判定、事前パターン判定)の情報を演出決定手段303へ送信する。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。その一方、第2の遊技では小当りは発生せず、すなわち第2当否判定手段222が取得する当否抽選値は小当りに対応付けられていない。変形例として、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値の一部が小当りに対応付けられてもよく、また、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすいよう当否判定テーブルが設定されてもよい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否判定手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜65535」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「6」「9」「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「6」が大当りに対応し、「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「6」は大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う高利益16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜34」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜69」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う低利益16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「35〜69」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「70〜104」に対応付けられる。種類「2」と「3」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合はそれぞれ「70〜104」「105〜139」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合はそれぞれ「105〜174」「175〜209」に対応付けられる。
種類「4」〜「6」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合はそれぞれ「140〜174」「175〜209」「210〜255」に対応付けられる。第2図柄抽選値の場合は、種類「4」のみ「210〜255」に対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
確変を伴う種類「0」〜「3」には、入球容易状態の終期であり、いわゆる電チューサポートの終期として、次回の大当り発生が対応付けられる。その一方、確変を伴わない種類「4」には、入球容易状態の終期として、大当り終了後における30回の図柄変動終了が対応付けられる。言い換えれば、特別遊技終了から30回の図柄変動が終了するまでの期間が入球容易状態の継続期間として定められている。種類「5」「6」には入球容易状態の終期として、それぞれ大当り終了後における20回、10回の図柄変動終了が対応付けられている。このように、第1始動口11への入球を契機とする第1の遊技よりも、第2始動口12への入球を契機とする第2の遊技の方が、出玉獲得期待量が多い特別遊技へ移行されやすく、確変へ移行されやすく、入球容易状態が長く継続されやすい。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、種類「9」は当否判定結果が小当りの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「6」「9」「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは12秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは3秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
図4に戻り、普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選または第2当否抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選または第2当否抽選に対する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。言い換えれば、第1抽選手段211または第2抽選手段212により取得された抽選値に係る図柄の変動開始条件を充足していない場合、特図保留手段241は、変動開始条件を充足するまで当該抽選値を保留として一時的に記憶する。
特図保留手段241は、第1当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶し、第2当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。すなわち特別遊技制御手段260は、第1特別図柄表示装置41に第1特別図柄51が大当り態様で停止表示された場合、または第2特別図柄表示装置42に第2特別図柄52が大当り態様で停止表示された場合に、その大当り態様の種類に応じた特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、長開放単位遊技を16回繰り返す高利益16R大当りと、長開放単位遊技を4回繰り返し、短開放単位遊技を12回繰り返す低利益16R大当りと、長開放単位遊技を4回繰り返す4R大当りがある。長開放単位遊技では、大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。短開放単位遊技では大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。また小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を4回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.8秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。
特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴わない通常大当りの図柄であった場合、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させるが、確変状態へは移行させない。そして、当該図柄に対応付けられた期間、例えば図柄変動回数が30回、20回、10回のいずれかに到達するまで時短状態および入球容易状態を継続させる。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、第1蓄積量記憶手段500、第2蓄積量記憶手段502、操作検出手段504を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。また演出決定手段303は、予告決定テーブルと予告種類テーブルを参照して、複数種類の変動パターンのうち特定の変動パターンがメイン基板200において選択された場合にその旨を示唆する予告演出の実行を決定する。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
操作検出手段504は、演出ボタン109や十字キー110に対して遊技者が入力した操作内容を検出する。例えば、どのボタンやキーが押されたかを検出する。第1蓄積量記憶手段500は、後述の予兆蓄積演出における小玉の蓄積量を示すデータを記憶する。第2蓄積量記憶手段502は、後述の予兆蓄積演出で発生した余り玉の蓄積量を示すデータを記憶する。なお余り玉は、予兆蓄積演出で蓄積した小玉であり、その蓄積量が5個に達しなかったために後述の特殊モードへ移行されず、特殊モードへの移行の観点では無駄になってしまった小玉を意味する。本実施例では、小玉や余り玉の蓄積量の単位を「個数」とするが、体積や重さ等の別の尺度・単位であってもよいことはもちろんである。
本実施例の演出表示装置60の詳細な構成を説明する。演出表示装置60は、演出的な内容を表示するための複数の表示画面を有し、遊技領域81の略中央に設けられる第1画面に加えて、第1画面の上に重なるように配置可能とされる第2画面を有する。第1画面および第2画面はそれぞれ液晶ディスプレイなどで構成される。第1画面は、第2画面と比較して相対的に大きな表示領域を有しており、遊技に係る演出の主内容が表示される「メイン液晶」ということもできる。一方、第2画面は、第1画面と比較して相対的に小さな表示領域を有し、第1画面に表示される演出を盛り上げるための補助的な演出内容が表示される「サブ液晶」ということもできる。本実施例では、このような複数の表示画面を組み合わせて一体的な演出を表示する。
演出表示装置60が備える第1画面と第2画面の配置関係について説明する。図10は、第1画面561と、第2画面562R、562L(以下、総称して第2画面562ともいう)の配置関係を模式的に示す図である。図10(a)は、第1画面561および第2画面562を正面から見た図であり、図10(b)は、第1画面561および第2画面562を上から見た図である。第2画面562は、第1画面561の上に重なるように配置され、遊技者から見て第2画面562が手前側、第1画面561が奥側となるように配置される。第1画面561のうち第2画面562に重なった一部範囲は、第2画面562の裏に隠されるため、遊技者から視認できない状態、または、視認困難な状態となる。第2画面562は、左右方向に移動可能に構成されており、第1画面561に対する配置が変化しうる。したがって、第2画面562は、可動式画面または「可動サブ液晶」ということができる。なお、本図では、第1画面561の上に全体が重なった第2画面562を実線で示し、第1画面561の上に一部が重なった第2画面562を破線で示している。
図11は、第1画面561と第2画面の配置関係の別の例を模式的に示す図である。図11(a)は、第1画面561および第2画面562を正面から見た図であり、図11(b)は、第1画面561および第2画面562を上から見た図である。本図は、第2画面562が第1画面561の上に重なっていない状態を示しており、第2画面562Rが第1画面561の右側に位置し、第2画面562Lが第1画面561の左側に位置している状態を示している。また、第2画面562Lおよび第2画面562Rは、第1画面561に対して角度を有するように配置され、第2画面562Rの右端側および第2画面562Lの左端側がそれぞれ手前側に迫り出すように配置される。これにより、第1画面561と二つの第2画面562は、三面鏡のような構成を有する立体的な表示画面を形成する。
図10および図11に示したように、第2画面562は、第1画面561の上に重なって配置される重複状態と、第1画面561の上に重ならずに配置される非重複状態の大きく2種類の配置をとりうる。第2画面562の配置は、予め定められた表示パターンデータにより定義される。演出制御手段304は、表示パターンデータに基づいて第2画面562の位置を変化させる駆動装置を制御し、第2画面562の配置を変える。これにより、表示パターンデータに含まれる演出表示過程に合わせて第2画面562の位置を変化させ、演出表示装置60の表示内容と第2画面562の動きとが一体となった演出を表示することができる。
以下、本実施例のぱちんこ遊技機100における演出表示の特徴を説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機100では、演出表示装置60(第1画面561、第2画面562L、第2画面562R)に表示させる演出的な内容として、特別遊技への移行期待度(以下「大当り期待度」ともいう)が相対的に低いことを示す通常モードの演出内容と、特別遊技への移行期待度が相対的に高いことを示す特殊モードの演出内容を含む。
通常モードの演出内容と、特殊モードの演出内容のいずれも種々の変動演出・予告演出を含み、例えばいずれのモードも、ライオン等のキャラクタを表示させる演出、複数のキャラクタによるバトル演出、擬似連続変動演出(以下「擬似連」ともいう)等を含む。ただし、演出用のオブジェクトに適用される外観態様、例えば世界観、モチーフ、背景、色づかい、キャラクタの状態、装飾図柄61の態様等は、通常モードよりも特殊モードの方が、大当り期待度が高いことを示す態様(以下「覚醒態様」ともいう)で表示される。特殊モードの演出態様は、通常モードの演出態様をランクアップ・ステップアップさせたものとも言える。
本実施例では、便宜上、通常モード、特殊モードと記載するが、通常モードは、特別遊技移行期待度が相対的に低いことの意、特殊モードは、特別遊技移行期待度が相対的に高いことの意、としてもよい。一例として、ある予告演出・リーチ演出を第1の予告演出とし、第1の予告演出に係る予告演出・リーチ演出と系統が同じであるものの、第1の予告演出よりも特別遊技移行期待度が高い第2の予告演出があるとする。ここで系統は、遊技者から見た外観の種類であってもよく、例えば、ステップアップ予告系統、先読み背景系統、群予告系統、スーパーリーチ系統であってもよい。
ステップアップ予告系統の場合、ステップアップの1段階目が第1の予告演出で、ステップアップの5段階目が第2の予告演出であってもよい。また、群予告系統の場合、5匹の群れが第1の予告演出で、10匹の群れが第2の予告演出であってもよい。また、スーパーリーチ系統の場合、特別遊技移行期待度10%を示すリーチが第1の予告演出で、特別遊技移行期待度50%を示すリーチが第2の予告演出であってもよい。この第1の予告演出を通常モードに係る演出と定義し、第2の予告演出を特殊モードに係る演出と定義してもよい。
擬似連は、1回の当否判定の結果を示す1回の図柄変動表示中に、外観上擬似的に複数回の図柄変動が実行されているように見せる変動パターン・変動演出パターンを用いた演出である。例えば擬似連では、標準的な1回の図柄変動が、図柄の仮停止(半停止)状態を挟みつつ、擬似的に複数回なされているかのように表示される。
特殊モードの予告演出(以下「特殊予告演出」ともいう)では、各種演出用のオブジェクト(例えば背景、キャラクタ等)の覚醒態様として、通常モードの予告演出(以下「通常予告演出」ともいう)よりも緊張感を高めた態様の形状・模様・色彩(以下まとめて「外観」ともいう)や、派手な外観、遊技者の注目を集めやすい外観等を使用してもよい。また特殊予告演出では、通常予告演出で登場する味方キャラクタの覚醒態様として、より強力な外観、例えば敵キャラクタとのバトルで勝利を十分に期待できる外観で表示させてもよい。なお、同じモードにおける複数種類の演出オブジェクト間では、外観態様が共通するように設計されることが望ましい。
本実施例のぱちんこ遊技機100では、通常モードから特殊モードへの移行を示唆する演出として予兆蓄積演出を表示させる。予兆蓄積演出は、複数回の図柄変動に亘って、演出表示装置60の画面内の所定位置に予兆オブジェクトを蓄積していく形式で表示する演出である。予兆オブジェクトは、ぱちんこ遊技機100における演出のステップアップの契機となるものとして画面表示される要素、アイテム、インジケータとも言える。本実施例の予兆オブジェクトは画面上で球の形状に表示され、以下、「小玉」「大玉」という。予兆蓄積演出において小玉の蓄積量が所定量に達したことを契機に、小玉よりも大きい形状の大玉を蓄積する。それとともに通常予告演出から、特殊予告演出としての「覚醒演出」を表示させるよう切り替える。本実施例において大玉の蓄積条件、言い換えれば通常モードから特殊モードへの移行条件、さらに言い換えれば覚醒演出の実行条件となる小玉の蓄積量は5個である。
変形例として、覚醒演出は、特定の高期待度演出(例えばスーパーリーチや、大当り確定演出等)への発展契機として用いてもよい。すなわち、覚醒演出の用途は特殊モードへの移行に限定されず、覚醒演出自体(例えばその内容)が特別遊技移行期待度が高いことを示唆・報知するものであってもよい。また、覚醒演出が出現することで、ある高期待度演出の発生が略確定的になるようにしてもよい。この場合、目標図柄変動に係る事前当否判定結果が大当りであれば、外れの場合よりも高確率にて覚醒演出を表示させてもよく、また、予兆蓄積演出における小玉の蓄積数を5個に到達させるよう決定してもよい。
図12は、予兆蓄積演出および覚醒演出を示す。図12(a)では、装飾図柄61の変動表示とともに、通常予告演出として、味方キャラクタ520と敵キャラクタ522のバトル演出を表示する状態を示している。図12(a)は予兆蓄積演出も示しており、小玉オブジェクト510を3個蓄積し、大玉オブジェクト512を0個蓄積した状態を示している。小玉オブジェクト510の蓄積量が5個に達すると、大玉オブジェクト512が蓄積されるとともに、覚醒シャッター演出が実行されて、覚醒予告演出に切り替わる。
図12(b)は覚醒シャッター演出を示す。覚醒シャッター演出では、第2画面562Lと第2画面562Rが、シャッターのように第1画面561を覆い隠すように動作する。それとともに、第2画面562Lと第2画面562Rに覚醒モードへの移行を示すメッセージを表示する。第2画面562Lと第2画面562Rは合体後すぐに離れて、覚醒シャッター演出実行前の位置に戻り、第1画面561が再度表に現れる。覚醒シャッター演出が終了すると、第1画面561、第2画面562L、第2画面562Rは覚醒演出を表示する。
図12(c)は覚醒演出を示す。図12(c)では、図12(a)の味方キャラクタ520が覚醒し、弱そうな外観の子ライオンから、強そうな外観の親ライオンへ変化している。演出決定手段303は、当該図柄変動に係る当否判定結果が大当りの場合、当該図柄変動における予告演出パターンとして味方キャラクタ520がバトルに勝利するパターンを選択する。したがって、味方キャラクタ520が敵キャラクタ522とのバトルに勝利すると大当りが発生するため、覚醒演出により大当り発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。
図12では、予告演出に登場するキャラクタを覚醒態様に変化させるキャラクタ覚醒演出を示したが、本実施例の覚醒演出では、キャラクタ以外の様々な演出要素を覚醒態様へ変化させうる。本実施例の覚醒演出は、画面の背景色や世界観、演出用オブジェクトのモチーフ等を覚醒態様に変化させるステージ覚醒を含む。また、擬似連時の演出内容、例えば、変動表示する装飾図柄61や、装飾図柄61と組み合わせるキャラクタ等の絵柄、擬似連とともに表示する予告内容(例えばキャラクタ)等を覚醒態様に変化させる擬似連覚醒を含む。また、リーチ時の演出内容、例えば、変動表示する装飾図柄61の態様や、装飾図柄61と組み合わせるキャラクタ等の絵柄、リーチ変動とともに表示する予告内容(例えばキャラクタ)等を覚醒態様に変化させるリーチ覚醒を含む。
予兆蓄積演出および覚醒演出を表示させる構成を詳細に説明する。演出決定手段303は、メイン基板200による事前判定の結果を示す事前判定情報をメイン基板200から受信する。演出決定手段303は、事前判定情報(例えば事前パターン判定結果)を参照し、所定の開始条件を満たすと判定した場合に、予め定められた確率にて予兆蓄積演出の実行を決定する。
本実施例における予兆蓄積演出の開始条件は、特図保留手段241において生起した保留に係る抽選値に対応する将来の図柄変動パターンが、ノーマルリーチ以上の大当り期待度を示すパターン(例えばノーマルリーチ・ロングリーチ・スーパーリーチ)である場合に充足される。上記の生起した保留に係る抽選値に対応する将来の図柄変動であり、相対的に大当り期待度が高い図柄変動を「目標図柄変動」「高期待変動」ともいう。予兆蓄積演出は、目標図柄変動より前に実行される図柄変動である1つ以上の途中図柄変動から目標図柄変動に亘り実行される。なお開始条件は、目標図柄変動以前の途中図柄変動に関する事前判定情報が大当りでない、言い換えれば、事前当否判定結果が外れであることを更なる条件として充足されてもよい。
演出決定手段303は、予兆蓄積演出の実行を決定した場合に、複数回の図柄変動に亘る小玉の蓄積手順を決定する。具体的には、1つ以上の途中図柄変動と目標図柄変動のそれぞれにおいて蓄積させる小玉数を決定する。各図柄変動における小玉数を決定することは、途中図柄変動から目標図柄変動に亘る複数回の図柄変動期間中に演出態様を特殊モードへ移行させるか否かを決定することと言え、また、特殊モードへ移行させる場合にどの図柄変動で移行させるかのタイミングを決定することと言える。
なお、特殊モードへの移行は大当りの期待度が高いことを示すものである。したがって、演出決定手段303は、目標図柄変動に係る事前判定情報(例えば事前当否判定結果)を参照し、目標図柄変動が大当りである場合は相対的に高確率で、かつ、目標図柄変動が外れの場合は相対的に低確率で、予兆蓄積演出における最終的な小玉蓄積量が5個に達するように各図柄変動における小玉蓄積個数を決定する。その一方、目標図柄変動が大当りである場合は相対的に低確率で、かつ、目標図柄変動が外れの場合は相対的に高確率で、予兆蓄積演出における最終的な小玉蓄積量が5個に未達になるように各図柄変動における小玉蓄積個数を決定する。
事前パターン判定の結果が特定の結果である場合のバリエーションを説明する。例えば、目標図柄変動に係る事前当否判定結果が外れであっても事前パターン判定結果が第1パターンである場合、言い換えれば、事前パターン判定結果が外れパターンのうち第1パターンである場合、目標図柄変動の結果は外れになるが、事前パターン判定結果が第1パターンでない場合よりも高確率で小玉蓄積量が5個に到達するよう決定してもよい。また、目標図柄変動に係る事前当否判定結果が外れであって事前パターン判定結果が第1パターンとは異なる第2パターンである場合、言い換えれば、事前パターン判定結果が外れパターンのうち第2パターンである場合、事前パターン判定結果が第2パターンでない(もしくは第1パターンである)場合よりも高確率で小玉蓄積量が5個未満になるよう決定してもよい。また、小玉蓄積量が100%の確率にて5個未満になるよう決定してもよい。第1パターンは、リーチが成立するパターンであってもよく、図柄変動時間が相対的に長いパターンであってもよい。また第2パターンは、リーチが非成立のパターンであってもよく、図柄変動時間が相対的に短いパターンであってもよい。
演出表示制御手段305は、途中図柄変動から目標図柄変動に亘って予兆蓄積演出を表示させる。そして、途中図柄変動と目標図柄変動それぞれの実行中に、演出決定手段303により予め決定された個数の小玉を蓄積させていく。具体的には図12で示したように、演出表示制御手段305は、獲得したことを示す態様で小玉オブジェクト510を表示させ、例えば獲得した小玉に対応する小玉オブジェクト510を点灯させていく。演出表示制御手段305は、演出決定手段303により予め決定されたタイミング(途中図柄変動または目標図柄変動中)において、小玉が5個に到達するように予兆蓄積演出の表示を制御する。また演出表示制御手段305は、予兆蓄積演出で蓄積した小玉の個数を示す情報を第1蓄積量記憶手段500に格納する。
演出決定手段303は、1つ以上の途中図柄変動と目標図柄変動のそれぞれにおいて蓄積する小玉数として0または1以上の数を決定する。したがって、途中図柄変動における予兆蓄積演出では、小玉および大玉の蓄積態様が維持され、または有利態様へ変化する。すなわち、小玉および大玉の蓄積数が維持され、または増加する。目標図柄変動における予兆蓄積演出では、小玉および大玉の蓄積態様が維持され、または有利態様へ変化するだけでなく、不利態様へ変化する場合もある。すなわち、小玉および大玉の蓄積数が維持され、または増加しうるとともに、最終的に小玉が5個に未達の場合はそれまでの小玉の蓄積がクリアされて0に戻る。途中図柄変動では、小玉の蓄積数が5個に未達であっても、小玉の蓄積がクリアされることはなく、次の図柄変動に引き継がれる。なお、小玉の蓄積個数が5個に達して覚醒演出が実行される場合、また、大当りが発生した場合、小玉の蓄積はクリアされる。
演出決定手段303は、1つ以上の途中図柄変動と目標図柄変動のそれぞれに対する変動開始コマンドをメイン基板200から受信した場合に、小玉の蓄積個数が5個に達する以前の図柄変動の演出内容として通常予告演出のパターンデータを選択する。その一方、小玉の蓄積個数が5個に達する図柄変動の演出内容として覚醒演出のパターンデータを選択する。覚醒演出のパターンデータは、図柄変動中に小玉が5個に到達する時点で、予告内容(演出用の各種オブジェクト)を覚醒態様に変化させることを定めたものである。この覚醒演出のパターンデータは、覚醒シャッター演出の実行態様、例えば、第2画面562Lおよび第2画面562Rの開閉パターンも定める。また、演出決定手段303は、小玉の蓄積個数が5個に達した以降に開始される図柄変動の演出内容として、開始時点から予告内容が覚醒態様である覚醒演出のパターンデータを選択する。
演出決定手段303は、図柄変動開始時に、当該図柄変動で実行する予告演出の大まかな枠組(以下「親ルート」ともいう)をまず決定する。親ルートは予告演出の大分類とも言え、例えば、擬似連予告、ステップアップ予告、コメント予告、バトル予告、群予告等を含む。演出決定手段303は、親ルートを決定後、親ルートが規定する枠組の中での予告の詳細(以下「子ルート」ともいう)を決定する。子ルートは、例えば、小玉を2個獲得する群予告、小玉を3個獲得する擬似連予告等を含む。子ルートは予告演出パターンそのものとも言える。
ここで、或る親ルートに属する子ルートに、1〜5個の小玉の獲得パターンの全てが網羅されていない場合もある。例えば、予兆蓄積演出の実行決定時に、目標図柄変動では小玉を3個獲得することを事前決定した場合に、目標図柄変動で選択されうる親ルートのうち群予告には子ルートとして小玉を3個獲得する群予告演出パターンが用意されていないこともある。
これに対処するため、本実施例における各予告演出パターンには、小玉獲得用の演出を表示(カットイン等)させるための時間(1〜2秒程度、以下「小玉獲得用時間」ともいう)が予め設けられている。選択した親ルートに、事前決定された個数の小玉を獲得する子ルートが存在しない場合、演出決定手段303は、選択した子ルートにより生じる小玉の不足分を獲得する予告演出(以下「小玉獲得用特殊予告」ともいう)を実行するように決定する。なお、演出決定手段303は、事前決定された小玉数の全てを獲得する内容の小玉獲得用特殊予告を選択してもよく、その場合は、小玉を獲得しない子ルートを選択してもよい。
演出表示制御手段305は、途中図柄変動に対する変動開始コマンドをメイン基板200から受信した場合、また、目標図柄変動に対する変動開始コマンドをメイン基板200から受信した場合に、装飾図柄61の変動表示とともに、演出決定手段303により決定された通常予告演出のパターンデータにしたがって通常予告演出を表示させる。または、装飾図柄61の変動表示とともに、演出決定手段303により決定された覚醒演出のパターンデータにしたがって覚醒演出を表示させる。演出表示制御手段305は、通常予告演出と覚醒演出の表示に並行して、予兆蓄積演出を表示させる。なお、演出決定手段303により小玉獲得用特殊予告の実行が決定された場合、子ルートに設けられた小玉獲得用時間に小玉獲得用特殊予告を表示させる。
本実施例の予兆蓄積演出では、小玉の蓄積数が5個に到達するタイミングが、複数タイミング存在する。具体的には、1回の予兆蓄積演出の実行期間に含まれる途中図柄変動と目標図柄変動のいずれにおいても小玉の蓄積数が5個に到達する可能性があり、すなわち途中図柄変動と目標図柄変動のいずれにおいても覚醒演出が表示される可能性がある。演出決定手段303は、予兆蓄積演出の実行を決定して、各図柄変動における小玉蓄積数を決定する際に、目標図柄変動に係る事前当否判定結果が大当りを示す場合、20%の確率で途中図柄変動中に小玉の蓄積個数を5個に到達させるよう決定してもよい。また、60%の確率で目標図柄変動中に小玉の蓄積個数を5個に到達させるよう決定してもよく、残り20%の確率で小玉の蓄積個数を最終的に5個に未達にするよう決定してもよい。
また演出決定手段303は、予兆蓄積演出の実行を決定し、各図柄変動における小玉蓄積数を決定する際に、事前当否判定結果が外れを示す場合、5%の確率で途中図柄変動中に小玉の蓄積個数を5個に到達させるよう決定してもよい。また、10%の確率で目標図柄変動中に小玉の蓄積個数を5個に到達させるよう決定してもよく、残り85%の確率で小玉の蓄積個数を最終的に5個に未達にするよう決定してもよい。実際には、演出決定手段303が各図柄変動における小玉蓄積数を決定する際に参照する小玉蓄積個数決定テーブルにおいて、途中図柄変動における小玉蓄積数と選択確率の対応関係と、目標図柄変動における小玉蓄積数と選択確率の対応関係が、上記の確率になるよう設定されてもよい。
具体例として、予兆蓄積演出が、途中図柄変動1、途中図柄変動2、途中図柄変動3、目標図柄変動に亘り実行されるとする。そのとき、途中図柄変動1にて小玉が3個蓄積され、途中図柄変動2にて小玉が2個蓄積された場合、途中図柄変動2の変動表示の途中で、通常予告演出から覚醒演出への切替を表示してもよい。また、途中図柄変動3の変動表示開始時の演出として、通常予告演出から覚醒演出への切替を表示してもよい。すなわち、少なくとも途中図柄変動2以降の途中図柄変動3と目標図柄変動では、変動表示の開始時から覚醒演出を表示させてもよい。
なお、途中図柄変動中に小玉の蓄積個数を5個に到達させる場合、演出決定手段303は、その後の途中図柄変動では小玉を蓄積しないように各図柄変動の小玉蓄積数を決定する。途中図柄変動において一旦覚醒演出(特殊モード)へ移行すれば、大当り発生に対する遊技者の期待感を高めるという演出の目的は達成されたと言え、あとは目標図柄変動での演出内容や大当り発生有無に遊技者を集中させることが望ましいと考えられるからである。
図13および図14は、予兆蓄積演出のパターンを示す。予兆蓄積演出で蓄積される予兆オブジェクトとしての小玉および大玉について、これらの図で示す値は、各タイミングで獲得する個数ではなく、各タイミングで蓄積されている総数を示している。
図13のガセパターンは、予兆蓄積演出を実行するものの予兆オブジェクトの蓄積量が覚醒演出への移行条件を満たさないパターンである。この例では、途中図柄変動においていわゆる先読み演出を表示させ(例えば先読みを示すランプの点灯や、先読みを示すオブジェクトの表示)、小玉を1つ蓄積する。次の目標図柄変動では、変動開始当初の予告演出(以下「当該予告」という)において小玉を1つ蓄積し、ノーマルリーチ中予告において小玉を1つ獲得する。そして、小玉を3個獲得した状態のまま図柄変動が終了する。言い換えれば、リーチを経て外れとなる。なお、複数回の途中図柄変動を経て目標図柄変動が実行されてもよいことはもちろんである。
図柄変動の終了に伴い、演出表示制御手段305は、それまで画面に表示させた蓄積状態の小玉オブジェクト510(3個)をクリアする。例えば、画面上で点灯させた3個の小玉オブジェクト510を消灯状態に切り替える。演出表示制御手段305は、それまで第1蓄積量記憶手段500に記録した小玉の蓄積数(3個)をクリアするとともに、その蓄積数を第2蓄積量記憶手段502に記録する。すなわち、画面上クリアした小玉であり、第1蓄積量記憶手段500に記録していた小玉を余り玉として、それまでの小玉の蓄積数を第2蓄積量記憶手段502に蓄積していく(ストックしていく)。なお、予兆蓄積演出にて蓄積した小玉オブジェクト510をクリアするタイミングは、図柄変動の終了時に制限されず、目標図柄変動内の予め定められたタイミングであってよい。例えば、図柄変動停止の所定時間前であってもよい。
目標図柄変動においてリーチ状態を経て外れが確定するガセパターンでは、外れ確定時にそれまで蓄積した小玉をクリアする。その一方、途中図柄変動では仮にリーチ状態を経て外れが確定してもそれまで蓄積した小玉をクリアせずに、次回の図柄変動における予兆蓄積演出へ引き継ぐ。したがって、或る図柄変動においてリーチ状態を経て外れが確定した場合に、画面上の小玉オブジェクト510がクリアされなければ、高期待変動が残っていることとなり、大当り発生への遊技者の期待感を高めることができる。
ただし、実際は途中図柄変動であるのに目標図柄変動であると遊技者に誤認させないようにするため、途中図柄変動がリーチにならない変動パターン、または、所定時間未満(例えばリーチ演出を実行可能な変動時間未満)の変動パターンである場合に、予兆蓄積演出を実行可能とすることが望ましい。例えば、途中図柄変動がリーチになる場合は、条件が満たされないよう予兆蓄積演出の開始条件が定められてよく、また、予兆蓄積演出の選択確率が0%であるよう予告種類テーブルが定められてもよい。また、予兆蓄積演出を実行する場合に、途中図柄変動がリーチにひもづく変動パターンであっても、演出決定手段303はリーチ演出を非表示とすることを決定してもよく、演出表示制御手段305はリーチ演出の表示を抑制してもよい。
図13のキャラクタ覚醒パターンは、図12で示したように、通常予告演出で表示したキャラクタを覚醒状態へ変化させるパターンである。この例では、途中図柄変動において小玉を1つ蓄積する。次の目標図柄変動において、当該予告とノーマルリーチ中予告で小玉を1つずつ蓄積する。そして発展演出(例えばノーマルリーチからロングリーチへの発展を示唆する内容の予告演出)で小玉を2つ獲得する。その結果、小玉の蓄積数が5個に達したため大玉を1つ蓄積し、大玉の蓄積を契機に覚醒シャッター演出〜キャラクタ覚醒演出を実行する。
演出表示制御手段305は、覚醒演出の表示に伴い、画面上での小玉および大玉の蓄積をクリアして0に戻すとともに、第1蓄積量記憶手段500に記録した小玉の蓄積個数もクリアして0に戻す。この例では覚醒演出を表示させるため、クリアした小玉数を第2蓄積量記憶手段502に蓄積することはしない。なお、小玉5個が蓄積され、大玉が蓄積された場合、その後に必ず覚醒演出を実行するが、大玉の蓄積から、覚醒シャッター演出の開始までには、図柄変動時間や予告演出パターンに応じてタイムラグが生じてもよい。
図13のリーチ覚醒パターンは、リーチ状態の装飾図柄61や、装飾図柄61に付加されるキャラクタ等の絵柄、リーチ中の予告内容を覚醒状態へ変化させるパターンである。より具体的には、リーチ覚醒パターンは、リーチ成立前の演出内容を、リーチ成立とともに、またはリーチ成立後に覚醒態様へ変化させる(昇格させる、ランクアップさせる)パターンである。この例では、途中図柄変動において小玉を1つ蓄積する。次の目標図柄変動において、当該予告、ノーマルリーチ中予告、発展演出、ロングリーチ中予告で小玉を1個ずつ蓄積する。ロングリーチ中のタイミングにて小玉が5個貯まるため「リーチ覚醒」となる。つまり、小玉が5個貯まったリーチ中のタイミングに応じて大玉1個を蓄積し、大玉の蓄積を契機に覚醒シャッター演出〜リーチ覚醒演出を実行する。
図14のステージ覚醒&リーチ覚醒パターンは、途中図柄変動中の特殊モードへの移行を含むパターンである。1回目の途中図柄変動において小玉を5個蓄積し、大玉を1個蓄積する。その結果、2回目の途中図柄変動では、その開始時に覚醒シャッター演出を実行し、通常の先読み予告に代えて、覚醒態様の先読み予告を表示させる。例えば、背景やキャラクタ等を含む各種演出オブジェクトを覚醒態様としたステージ覚醒演出を表示させる。演出表示制御手段305は、覚醒態様の先読み演出を表示させる時点で、小玉および大玉のストックをクリアする。
目標図柄変動では、当該予告で小玉を1個蓄積し、ノーマルリーチ中予告と発展演出で小玉を2個ずつ蓄積する。その結果、小玉を5個蓄積したため大玉を1個蓄積し、大玉の蓄積を契機に覚醒シャッター演出〜リーチ覚醒演出を実行する。この例では、途中図柄変動の時点で既にステージ覚醒演出を表示しているため、目標図柄変動におけるリーチ覚醒演出では、通常の覚醒態様よりもさらに大当りの期待度が高いことを示す覚醒態様にて各種演出オブジェクトを表示してもよい。また、目標図柄変動内で2回大玉を獲得するように表示させてもよい。
このように途中図柄変動の時点で覚醒演出へ移行させることにより、目標図柄変動より前に覚醒演出をいち早く表示し、すなわち、大当りの期待度が高いことをいち早く遊技者へ示唆するため、遊技者に安心感を早く提供しやすくなる。また、遊技者の意外感を喚起し、予兆蓄積演出の単調化を回避できる。なお、ステージ覚醒&リーチ覚醒パターンのように、複数タイミングで別の種類の覚醒演出を表示するパターン、およびそれを実現するための小玉蓄積態様は、目標図柄変動に係る事前当否判定結果が大当りを示す場合にのみ選択してもよく、すなわち、大当り確定のパターンであってもよい。これにより、途中図柄変動にて覚醒演出が表示された時点で、仮に目標図柄変動で別の種類の覚醒演出が表示されれば大当り確定となり、遊技者の期待感を一層高めることができる。
図14の擬似連覚醒パターン(1)では、途中図柄変動において小玉を2個蓄積する。次の目標図柄変動において、当該予告で小玉を1個蓄積し、装飾図柄61の変動が仮停止した時に小玉を2個蓄積する。その結果、小玉5個を蓄積したため大玉を1個蓄積し、大玉の蓄積を契機に、覚醒シャッター演出〜擬似連覚醒演出を実行する。
図14の擬似連覚醒パターン(2)は、小玉獲得用特殊演出を実行するパターンである。ここでは、途中図柄変動での小玉獲得個数を1個、目標図柄変動での小玉獲得個数を4個に決定されたこととする。また、親ルートの擬似連演出パターンとして、擬似連覚醒パターン(1)で示したように小玉を3個獲得する子ルートは用意されているが、小玉を4個獲得する子ルートは設けられていないこととする。この場合、演出決定手段303は、予告演出パターンに予め設けられた小玉獲得用時間に、不足分の小玉(ここでは1個)を獲得する小玉獲得用特殊演出を実行することを決定する。
図14の擬似連覚醒パターン(2)では、途中図柄変動において小玉を1個蓄積する。次の目標図柄変動において、既存の小玉3個獲得用の擬似連演出パターンにしたがって、当該予告で小玉を1個蓄積し、仮停止時に小玉を2個蓄積する。その後、予め設けられた小玉獲得用時間において不足分の小玉1個を蓄積する。その結果、小玉5個を蓄積したため大玉を1個蓄積し、大玉の蓄積を契機に覚醒シャッター演出〜擬似連覚醒演出を実行する。
図14の擬似連覚醒パターン(2)では、目標図柄変動中の小玉獲得用特殊演出を示したが、途中図柄変動においても同様に小玉獲得用特殊演出を実行する。このように、事前決定された小玉数を既存の子ルートでは蓄積できない場合、その不足分を小玉獲得用特殊演出で補う。これにより、可能性のある小玉の蓄積数の全てに対応する子ルートを設けなくても、小玉の蓄積数と覚醒演出実行有無との整合性を維持できる。すなわち、演出の整合性と実装の容易性を両立させることができる。
なお、演出表示制御手段305は、図柄変動開始時に演出決定手段303により小玉獲得用特殊演出の実行が決定された場合に、当該図柄変動の変動パターン(および/または演出パターン)に対応したタイミングにて小玉獲得用特殊演出を実行してもよい。または、演出決定手段303は、当該図柄変動の変動パターン(および/または演出パターン)に対応したタイミングにて小玉獲得用特殊演出を実行することを決定してもよい。例えば、変動時間が13秒であれば、左図柄列の図柄(装飾図柄61)が停止するタイミングであってもよい。また、変動時間が7秒であれば、全図柄停止直前のタイミングであってもよい。また、擬似連パターンであれば、図柄(装飾図柄61)の仮停止表示のタイミングであってもよい。
本実施例のぱちんこ遊技機100では、複数回の図柄変動に亘って予兆オブジェクト(小玉)を蓄積していき、予告内容のランクアップ(通常予告から覚醒予告)契機とすることで、予告内容を段階的にランクアップさせていく予告演出の実行期間に亘って演出の多様化を実現できる。例えば、本実施例の予兆蓄積演出では、覚醒予告への移行が、いわゆる先読みの対象となった目標図柄変動、すなわち少なくともノーマルリーチ以上の相対的に大当りの期待度が高い変動に伴う演出だけでなく、目標図柄変動前の途中図柄変動に伴う演出においても発生しうる。これにより、ランクアップの発生タイミングの画一化・遊技性の単調化を回避し、飽きが来にくい遊技性を実現できる。
次に、「特定演出」の表示頻度を通常時よりも高めた通常遊技の演出モードである「特定頻出モード」について説明する。
本実施例の特定演出は、特定頻出モード以外の通常遊技(以下「通常頻度モード」ともいう)中には非常に低い確率でしか選択されない変動演出、予告演出であり、典型的には大当り発生時に稀に選択されうるプレミア演出である。変形例として、特定演出は、事前判定情報にもとづくいわゆる先読み演出であってもよい。また特定演出は、特定頻出モード以外では選択されない(選択確率0%)の変動演出、予告演出であってもよい。
既述であるが、演出表示制御手段305は、目標図柄変動内の所定タイミング到達時点で小玉の蓄積量が5個未満である場合、予兆蓄積演出において蓄積したことを示す態様で表示させた小玉オブジェクト510をクリアする。それとともに、クリアした小玉を、余り玉として第2蓄積量記憶手段502に蓄積させる。例えば、図13のガセパターンで生じた余り玉を第2蓄積量記憶手段502にストックする。演出表示制御手段305は、例えば今回の予兆蓄積演出で蓄積された小玉3個をクリアした場合、第2蓄積量記憶手段502に記録された前回までの予兆蓄積演出で生じた余り玉の個数を3増加させる。
演出決定手段303は、第2蓄積量記憶手段502に記憶された余り玉の個数が、特殊モードへの移行閾値となる小玉数(本実施例では5個)より多い所定数(本実施例では30個)に達した場合、通常遊技中の演出モードを通常頻度モードから特定頻出モードへ移行させる。典型的に余り玉の個数が上記所定数に到達するのは、予兆蓄積演出がガセパターン(図13)で終了し、すなわち目標図柄変動が外れで終了したときである。したがって、上記の通常頻度モードは、通常予告演出を表示する演出モードを含む。また、特定頻出モードの終了条件、言い換えれば通常頻度モードへの復帰条件は、小玉に係る条件ではなく、特定頻出モードにおける図柄変動が所定回数(本実施例では50回)終了したことである。演出決定手段303は、特定頻出モードにおける図柄変動回数が終了条件を満たすと、特定頻出モードから通常頻度モードへ戻す。
演出決定手段303は、予告演出の決定基準を切り替えることにより、通常頻度モード〜特定頻出モード間の移行を実現する。具体的には、演出決定手段303は、通常頻度モード用の予告種類テーブル(以下「通常予告種類テーブル」という)と、特定頻出モード用の予告種類テーブル(以下「特定予告種類テーブル」という)を保持する。演出決定手段303は、特定頻出モードへの移行条件の充足を検出すると、通常予告種類テーブルに代えて、特定予告種類テーブルを参照して予告演出の内容を決定する。同様に、演出決定手段303は、特定頻出モードの終了条件の充足を検出すると、特定予告種類テーブルに代えて、通常予告種類テーブルを参照して予告演出の内容を決定する。後述するように、特定予告種類テーブルでは、プレミア演出の選択確率が通常予告種類テーブルにおける選択確率より高く設定される。
また演出決定手段303は、特定予告種類テーブルとして、特定頻出モードにおいて実行された図柄変動回数に対応する複数の特定予告種類テーブルを保持する。本実施例では、プレミア演出の選択確率が相対的に低い第1特定予告種類テーブルと、プレミア演出の選択確率が相対的に高い第2特定予告種類テーブルを保持する。変形例として、プレミア演出の選択傾向が互いに異なる3つ以上の特定予告種類テーブルを保持してもよい。本実施例では、演出決定手段303は、特定頻出モードの前半、具体的には図柄変動回数が1回〜30回の間、第1特定予告種類テーブルを参照する。また、特定頻出モードの後半、具体的には図柄変動回数が31回〜50回の間、第2特定予告種類テーブルを参照する。
各予告種類テーブルにおけるプレミア演出選択確率の設定例を示す。以下の確率は、プレミア演出を実行可能な変動時間を定めた特別図柄の変動パターンがメイン基板200により選択されたことを前提とする。例えば、通常予告種類テーブルでは、外れ時のプレミア演出選択確率が0.5%、大当り時のプレミア演出選択確率が5%に設定されてもよい。第1特定予告種類テーブルでは、外れ時のプレミア演出選択確率が3%、大当り時のプレミア演出選択確率が30%に設定されてもよい。第2特定予告種類テーブルでは、外れ時のプレミア演出選択確率が6%、大当り時のプレミア演出選択確率が70%に設定されてもよい。
変形例として、特定頻出モードにおいて選択されうる予告演出は、大当り変動の前半(例えば変動開始から30秒)よりも後半(例えば変動終了前10秒や、スーパーリーチの終盤)に特定演出(例えばプレミア演出)が出現しやすいよう構成されてもよい。例えば、通常頻度モードにおいて選択されうる予告演出パターンは、リーチ成立前もしくは大当り変動前半でのプレミア演出発生率1%、リーチ成立後もしくは大当り変動後半でのプレミア演出発生率1%になるよう設定されてもよい。これに対し、特定頻出モードにおいて選択されうる予告演出パターンは、リーチ成立前もしくは大当り変動前半でのプレミア演出発生率2%、リーチ成立後もしくは大当り変動後半でのプレミア演出発生率10%になるよう設定されてもよい。
なお、演出決定手段303は、特定頻出モード中も、事前判定情報に基づいて各図柄変動における小玉蓄積数を決定する。そして、小玉蓄積量が5個に達すると特殊モードへ移行させる。この点では、通常頻度モードの通常遊技と同じである。ただし、特定頻出モードでは、目標図柄変動において小玉蓄積量が5個に未達となって小玉をクリアしても、クリアした小玉を余り玉としてカウントしない。言い換えれば、特定頻出モードに滞在中は、予兆蓄積演出で生じた余り玉をストックしない。
図15は、特定頻出モードに係る演出内容を模式的に示す。図15(a)は、通常頻度モードの通常遊技中に予兆蓄積演出が実行されている状態を示している。ここでは目標図柄変動の実行中とする。余り玉インジケータ514は、予兆蓄積演出で生じた余り玉の蓄積量を示すインジケータであり、第1画面561に表示される。図15(a)では余り玉インジケータ514をカウンタとして表示させているが、小玉オブジェクト510と同様に30個の余り玉オブジェクトの点灯有無により余り玉の蓄積量を示してもよい。演出表示制御手段305は、第2蓄積量記憶手段502に記憶された余り玉の蓄積数(図15(a)では15個)を余り玉インジケータ514に表示させる。
第2画面562Lと第2画面562Rは、第1画面561の両端の一部と重なる位置に配置される。演出表示制御手段305は、余り玉インジケータ514を第2画面562Rにより覆い隠される位置であり、遊技者から視認困難な位置に表示させる。ただし、第2画面562Rが図中右に動いた場合や、遊技者が第2画面562Rの裏を覗き込めば、余り玉インジケータ514の値を確認できる。このように、余り玉インジケータ514を遊技者から視認困難な位置に表示させることで、遊技者の注目を、予兆蓄積演出における小玉オブジェクト510の蓄積状況へ集めやすくなる。
図15(b)は、図15(a)の目標図柄変動が停止した状態を示している。小玉オブジェクト510の蓄積量が5個に未達であったため、演出表示制御手段305は、点灯させた3つの小玉オブジェクト510をクリア(消灯)する。それとともに、クリアした小玉オブジェクト510の個数を余り玉インジケータ514の値に加算する。演出表示制御手段305は、予兆蓄積演出がガセパターンとなるたびに、その予兆蓄積演出で生じた余り玉数を余り玉インジケータ514の値に加算していく。
余り玉インジケータ514の値がその上限値、すなわち特定頻出モードへの移行閾値である30に近づくと、言い換えれば、余り玉の蓄積数と30との差が所定範囲内になると、演出表示制御手段305は、特定頻出モードへの移行が近いことを示す所定の移行示唆オブジェクトを表示させる。例えば、演出表示制御手段305は、余り玉の蓄積量が26以上になった場合(すなわち1回の予兆蓄積演出のガセパターンで上限に達しうる状況になった場合)に、移行示唆オブジェクトを表示させてもよい。演出表示制御手段305は、余り玉インジケータ514の近傍位置であり、第2画面562Rによって隠されない、ユーザが視認しやすい位置に、「もうすぐMAX」等のメッセージを移行示唆オブジェクトとして表示させてもよい。
図15(c)は、余り玉の蓄積量が上限に達した状態を示している。演出表示制御手段305は、余り玉の蓄積量が上限に達すると、その旨を報知する最大蓄積インジケータ516を表示させる。また、演出決定手段303は、余り玉の蓄積量が上限に達した以降の図柄変動であり、所定時間以上(本実施例では12秒以上)の変動表示がなされる変動パターンにもとづく最初の図柄変動実行時に、特定頻出モードへの移行有無を遊技者に選択させるためのメッセージを演出表示制御手段305を介して表示させる。ある程度の変動時間が確保される図柄変動中にメッセージを表示させることで、遊技者の操作入力時間を確保する。
演出決定手段303は、特定頻出モードへの移行を指示する遊技者の操作入力が操作検出手段504により検出されると、特定頻出モードへ移行させる。すなわち、演出決定手段303は、余り玉の蓄積量が上限に達した以降の図柄変動において所定条件が満たされた場合、すなわち、所定時間以上の図柄変動が実行され、かつ、遊技者により特定頻出モードへの移行が選択された場合に、通常遊技の演出態様を特定頻出モードへ移行させる。
上記の所定時間以上の変動表示がなされる変動パターンは、いわゆる「通常変動」と呼ばれる、当該変動開始条件充足時の保留数に対応した最頻出外れ変動であることが望ましい。また、その中でも、所定時間以上の変動パターン、例えば、保留3個以上で短縮変動となる場合は保留0〜2個時の通常変動であることがさらに望ましい。これは、所定時間以上という条件だけであれば、120秒等に及ぶスーパーリーチも含むことになるが、このようなスーパーリーチ中に選択メッセージを出力することは、大当りか否かが遊技者にとって最重要の関心事項であるぱちんこ遊技機にはそぐわないからである。つまり、遊技者にとって優先されるべきは予告演出やリーチ演出であり、比較的大当り期待度が高い演出が出現しやすい(と遊技者が期待すると想定される)図柄変動である場合は、選択メッセージを出力しないことが望ましいからである。
図15(d)は、特定頻出モードへの移行後の状態を示している。演出表示制御手段305は、プレミア演出の出現率が高まったことを示すメッセージと、特定頻出モードの残り期間を示す残り期間情報518を表示させる。また演出表示制御手段305は、第2蓄積量記憶手段502が保持する余り玉の蓄積量の情報を初期値0に戻すとともに、余り玉インジケータ514の値も初期値0に戻す。なお、遊技者が特定頻出モードへ移行しないことを指示入力した場合も同様に、余り玉の蓄積量を初期値0に戻す。
また、選択メッセージを、1回の図柄変動だけでなく、複数の図柄変動で表示させてもよい。つまり、初めて選択メッセージを表示させた際に遊技者が選択し損ねた場合の保険として、その後の図柄変動においても特定頻出モードへの移行機会を残してもよい。この場合、移行条件が満たされた状態を上記複数の図柄変動が終了するまでは維持することが望ましく、例えば、上記複数の図柄変動が終了した場合に、余り玉の蓄積量を初期値0に戻すことが望ましい。
なお特定頻出モードでは、ぱちんこ遊技機100が出力するBGM(BackGround Music)を遊技者が任意に選択し、設定することができる。図15(d)に示すように、演出表示制御手段305はBGM選択画面519を表示させる。音声制御手段306は、BGMの変更を指示する遊技者の操作入力が操作検出手段504により検出されると、スピーカ108から出力させるBGMを、遊技者により選択されたBGMへ切り替える。
これまでの遊技機の予告演出として、例えば大当りを報知するための所定のメータを表示させ、そのメータが上限に達した場合に大当り確定を報知するメータ予告演出では、最終的に大当りとならなければ、それまでのメータの上昇過程は意味のないものとなり、却って遊技者の期待感を大きく損なってしまうこともあった。本実施例の遊技機では、予兆オブジェクト(小玉)の蓄積量が特殊モードへの移行条件を充足しない場合でも、その蓄積量を別途カウントして、プレミア演出が相対的に選択されやすい特定頻出モードへ移行されうる。このように、特殊モードへの移行の観点では無駄になった予兆オブジェクトの蓄積を、特定頻出モードへの移行契機として活用することで、遊技の多様化を実現し、また、特殊モードへの移行失敗により生じる遊技の興趣低下を抑制しやすくなる。
次に、特別遊技中の演出である「特殊特別遊技演出」を説明する。特殊特別遊技演出は、少なくとも特別遊技の開始時点では特別遊技に係る利益態様を遊技者に報知せず、秘匿する演出である。特殊特別遊技演出では、大当り前の予兆蓄積演出で生じた余り玉を、特別遊技(大当り)に係る利益態様の報知に活用する。
演出決定手段303は、一部の特別図柄に基づく大当りが発生した場合に、特別遊技中の演出として、特殊特別遊技演出の実行を決定する。演出表示制御手段305は、特殊特別遊技演出の実行が決定された場合に、特殊特別遊技演出の演出パターン、具体的には
少なくとも特別遊技の開始時点において特別遊技に係る利益態様を確定的に報知する内容を含まない演出パターンにしたがって特殊特別遊技演出を演出表示装置60に表示させる。すなわち、演出表示制御手段305は、少なくとも特別遊技の開始時点では、特別遊技に係る利益態様を確定的に報知する情報を演出表示装置60に表示することを抑制する。
本実施例において特殊特別遊技演出の契機となる大当りを以下に示す。
特別図柄「1」に基づく大当り:
確変を伴う低利益16R大当り、5R以降は短開放単位遊技、入球容易状態は次回大当りまで継続
特別図柄「2」「3」に基づく大当り:
確変を伴う4R大当り、入球容易状態は次回大当りまで継続
特別図柄「4」に基づく大当り:
確変を伴わない4R大当り、入球容易状態の終期は30回の図柄変動終了
特別図柄「5」に基づく大当り:
確変を伴わない4R大当り、入球容易状態の終期は20回の図柄変動終了
特別図柄「6」に基づく大当り:
確変を伴わない4R大当り、入球容易状態の終期は10回の図柄変動終了
演出決定手段303は、上記の特別図柄に基づく大当りの場合、所定の開示条件が充足されるまでは、特殊特別遊技演出において、特別遊技に係る利益態様の報知を抑制する。そして開示条件が充足された場合に、特殊特別遊技演出において、特別遊技に係る利益態様を報知させる。また演出決定手段303は、開示条件の充足度合いを示す情報を保持し、特殊特別遊技演出において、開示条件の充足度合いを表示させる。
本実施例では、特殊特別遊技演出が対象とする特別遊技に係る利益態様を、特別遊技終了後の確変移行の有無と、入球容易状態(時短)の継続期間の少なくともいずれかとする。変形例として、特殊特別遊技演出が対象とする特別遊技に係る利益態様は、特別遊技中または特別遊技終了後の通常遊技において遊技者が獲得しうる他の利益態様であってもよい。例えば、入球容易状態への移行有無、潜伏確変の期待度、特別遊技の単位遊技数であってもよい。
演出決定手段303は、予兆蓄積演出実行中の大当り変動において小玉蓄積量が5個未満であった場合、つまり予兆蓄積演出で余り玉が発生した場合、上記大当り変動終了後に実行される特殊特別遊技演出にて、その余り玉の量に応じて、特殊特別遊技演出における開示条件の少なくとも一部を充足済であると判定する。予兆蓄積演出で余り玉が発生する場合は、典型的には、小玉の蓄積量が5個に達せず、特殊モードへ移行しないまま(覚醒演出を表示しないまま)、大当りが発生した場合である。演出表示制御手段305は、演出決定手段303の判定結果に応じて、特殊特別遊技演出の開始時点で、開示条件の少なくとも一部が充足済であることを示す情報を表示させる。
特殊特別遊技演出における開示条件は、所定の演出オブジェクト(後述の肉オブジェクト524)を所定個数獲得した場合に充足される。開示条件を充足する個数は、特殊モードへの移行条件である小玉の蓄積個数(本実施例では5個)よりも多い数に設定される(本実施例では10個)。
図16は、特殊特別遊技演出に係る演出内容を示す。図16(a)は、予兆蓄積演出における目標図柄変動にて大当りが発生した状態を示す。ここでは3個の小玉オブジェクト510が蓄積されているが、覚醒演出を経ずに大当りが発生したこととする。演出決定手段303は、3個の余り玉の発生を検出する。
図16(b)は特殊特別遊技演出を示す。演出表示制御手段305は、特殊特別遊技演出において肉メータ526を表示し、演出ボタン109や十字キー110の操作により肉オブジェクト524を獲得することを遊技者に指示するメッセージを表示する。肉メータ526は、遊技者が複数の単位遊技に亘って獲得した肉オブジェクト524を蓄積表示する領域であり、蓄積数の上限は10個である。演出表示制御手段305は、特殊特別遊技演出において肉メータ526を表示し、遊技者の操作に応じて獲得された肉オブジェクト524を肉メータ526に蓄積表示していく。
演出表示制御手段305は、特殊特別遊技演出の開始時に、演出決定手段303により検出された余り玉に応じた個数の肉オブジェクト524を獲得済の態様で肉メータ526に表示させる。図16(b)では、図16(a)の余り玉と同数の肉オブジェクト524を獲得済としたが、変形例として同数でなくてもよい。例えば、演出決定手段303は、余り玉の所定割合(例えば半分)の数の肉オブジェクト524を獲得済として決定してもよい。
図16(c)も特殊特別遊技演出を示す。同図は、特別遊技の4ラウンド目に肉オブジェクト524の蓄積数が上限の10に達した状況を示している。演出表示制御手段305は、特別遊技の終了後に確変状態へ移行することを確定的に示す確変インジケータ528を点灯表示させることにより、確変状態への移行を遊技者へ報知する。
肉オブジェクト524の蓄積数が10に達して確変状態への移行を報知した場合、演出決定手段303は、特別遊技終了後の通常遊技において、確変状態であることを明示的に表示することを決定する。例えば、確変を示すメッセージを画面上に表示させてもよく、確変を示す所定のランプを点灯させてもよい。その一方、肉オブジェクト524の蓄積数が10に未達である場合、演出決定手段303は、特別遊技終了後の通常遊技において、確変状態の有無を示唆または報知することを抑制するよう演出を制御する。いわゆる潜伏確変の状態に移行させる。ただし、確変を伴わない大当りにおける入球容易状態の最大継続期間は図柄変動30回であるため、入球容易状態が図柄変動30回を超えて継続する場合、遊技者は確変状態であると判別できる。
特殊特別遊技演出では、肉メータ526における肉オブジェクト524の蓄積数が10に未達の場合、最終ラウンド終了時における肉オブジェクト524の蓄積数(「最終蓄積数」という)に応じて、特別遊技終了後の入球容易状態の継続期間の期待度を異ならせる。具体的には、演出決定手段303は、肉オブジェクト524の最終蓄積数が0〜3個の場合、特別遊技終了後の通常遊技においてダチョウをモチーフとした予告演出パターンを選択し、肉オブジェクト524の最終蓄積数が4〜5の場合、特別遊技終了後の通常遊技においてゴリラをモチーフとした予告演出パターンを選択する。予告演出のモチーフがダチョウまたはゴリラの場合の、入球容易状態の最低保障回数は図柄変動10回である。ただし、図柄変動10回を超えて入球容易状態が継続する可能性は、ゴリラ>ダチョウとする。例えば、演出決定手段303は、入球容易状態が10回を超える場合(本実施例では20回以上の場合)、ゴリラモチーフの予告演出パターンを、ダチョウモチーフの予告演出パターンより高確率で選択してもよい。
また演出決定手段303は、肉オブジェクト524の最終蓄積数が6〜7個の場合、特別遊技終了後の通常遊技においてゾウをモチーフとした予告演出パターンを選択し、肉オブジェクト524の最終蓄積数が8〜9の場合、特別遊技終了後の通常遊技においてライオンをモチーフとした予告演出パターンを選択する。予告演出のモチーフがゾウの場合の、入球容易状態の最低保証回数は図柄変動20回であり、ライオンの場合は図柄変動30回である。
演出決定手段303は、特別遊技開始時に肉オブジェクト524の最終蓄積数を決定する。演出決定手段303は、大当りに係る特別図柄が「1」「2」であれば最終蓄積数を10とする。この場合、演出決定手段303は、ユーザの操作に応じてほぼ確実に肉オブジェクト524を蓄積させていき、確変インジケータ528を点灯させるよう特殊特別遊技演出を制御する。ただし、ユーザが操作を行わない場合等、例外的に肉オブジェクト524の蓄積数が10に未達である場合は、不図示の確変報知役物を作動させる等のいわゆる逆転演出・復活演出を実行して、特別遊技終了後の通常遊技では確変状態であることを遊技者に報知する。この場合、4R大当りであれば4R終了後の終了デモにて、また、低利益16R大当りであれば5R以降の短開放中に報知してもよい。また、4R目に、それまで遊技者が操作入力をしたにも関わらず肉オブジェクト524を10個獲得できなかった場合は、上記と同様の報知(逆転演出・復活演出)を実行してもよい。
大当りに係る特別図柄が「3」〜「6」の場合、抽選により各特別図柄に対して予め定められた確率にて、肉オブジェクト524の最終蓄積数を、余り玉数〜9個の範囲で決定する。すなわち、大当りに係る特別図柄が「3」〜「6」の場合、特別遊技後の通常状態は潜伏状態(潜伏確変または通常状態)へ移行する。ただし、特別図柄が「5」(入球容易状態の継続期間が図柄変動20回)の場合は、最終蓄積数を余り玉数〜7個の範囲で決定する。すなわち予告演出のモチーフをダチョウ、ゴリラ、ゾウのいずれかにするよう決定する。また、特別図柄が「6」(入球容易状態の継続期間が図柄変動10回)の場合は、最終蓄積数を余り玉数〜5個の範囲で決定する。すなわち予告演出のモチーフをダチョウ、ゴリラのいずれかにするよう決定する。なお、特別図柄が「3」(確変移行)の場合は、最終蓄積数が高いものほど高確率で選択してもよい。
このように、肉オブジェクト524の最終蓄積数が10に未達であっても、最終蓄積数が多いほど入球容易状態の最低保障回数が長くなり、遊技者にとっては、最終蓄積数が多いほど潜伏確変の期待度が高くなる。また、予兆蓄積演出で生じた余り玉を肉オブジェクト524へ変換する。そのため遊技者に、大当り発生時の小玉残数が多いほど最終蓄積数は多くなるような印象を抱かせ、大当り発生時の小玉残数が多いほど潜伏確変の期待度が高く、言い換えれば、特別遊技に係る大きな利益態様を得られるような期待感を抱かせ、小玉獲得の興趣を高めることができる。
本実施例では、予兆オブジェクトの蓄積量を特殊モード演出への移行条件充足のためにだけ活用するだけでなく、大当りに係る遊技者の利益を特別遊技中の演出において報知する条件充足のためにも活用する。したがって、予兆オブジェクトの蓄積量が所定量に達せず、特殊モードへ移行されずに当りとなった場合でも、予兆オブジェクトを蓄積したことは無駄にならず、その蓄積量に応じて当りに係る遊技者の利益が報知されやすくなる。このように、遊技者にとって予兆オブジェクトを蓄積することに多様な意義を持たせて、演出の多様化を実現し、飽きが来にくい遊技性を実現できる。
図17は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本基本構成ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図18は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出表示制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出表示制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御表示手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本基本構成では、演出表示制御装置313のハードウェア構成として、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出表示制御装置313に含まれる表示CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出表示制御装置313に含まれる表示RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出表示制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本基本構成では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出表示制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出表示制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出表示制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が表示CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が表示RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出表示制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出表示制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図19は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図20は、図19におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図21は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。タイマの値をメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値をデクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図22は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図23は、図22におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図17のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図24は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図18のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図25は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図26は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図27は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図28は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図29は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。本実施例では、同調演出期間中でなく、もしくは同調演出期間中でも遊技状態が優先モードであれば、装飾図柄の変動演出を演出表示装置60のメイン表示領域570に表示させる。その一方、同調演出期間中であり、かつ、遊技状態が優先モードでなければ、装飾図柄の変動演出を第2画面562Rに縮小表示させる。
図30は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。本実施例では、特別遊技の演出は、同調演出期間か否かに関わらず、演出表示装置60のメイン表示領域570に表示する。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図31は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
図32は、予兆蓄積演出に係る演出の過程を示すフローチャートである。本図は、図27のS770の予告演出表示処理に対応する。予兆蓄積演出の実行中でなく(S1000のN)、予兆蓄積演出の開始条件を充足する場合(S1002のY)、演出決定手段303は、複数回の図柄変動に亘る小玉の蓄積手順を決定する(S1004)。予兆蓄積演出を実行中であれば(S1000のY)、S1002およびS1004の処理をスキップする。目標図柄変動でなく、途中図柄変動であれば(S1006のN)、途中図柄変動演出処理を実行する(S1008)。目標図柄変動であれば(S1006のY)、目標図柄変動演出処理を実行する(S1010)。予兆蓄積演出の開始条件が満たされなければ(S1002のN)、以降をスキップして本図の処理を終了する。なお、変動演出処理と記載したが、図柄変動中の演出に限らず、図柄変動にひもづく他の演出に関する処理も含む。例えば、大当り変動である場合、特別遊技中の演出に関する処理も含む。
図33は、図32のS1008の途中図柄変動演出処理を詳細に示すフローチャートである。特殊モードへの移行条件、すなわち覚醒演出の開始条件を満たしていない場合、本実施例では予兆蓄積演出における小玉の蓄積量が5個に未達であれば(S1020のN)、演出決定手段303は、通常モード用の予告演出パターンを選択する(S1022)。S1022で選択したパターンでは、図32のS1004で決定した個数の小玉を蓄積できない場合、例えば、図32のS1004で決定した個数の小玉を蓄積可能な予告演出パターンが存在しない場合(S1024のN)、小玉獲得用特殊演出の実行をさらに決定する(S1026)。S1022で選択したパターンにより、図32のS1004で決定した個数の小玉を蓄積可能な場合、例えば、図32のS1004で決定した個数の小玉を蓄積可能な予告演出パターンが存在する場合(S1024のY)、S1026の処理をスキップする。
演出表示制御手段305は、通常モードの予告演出を表示する(S1028)。それとともに演出表示制御手段305は、予兆蓄積演出を表示させ、前回までの図柄変動で蓄積された小玉に加えて、図32のS1004で当該図柄変動に対して予め決定された個数(0〜5個)の小玉を蓄積態様で表示させる(S1030)。演出表示制御手段305は、小玉の蓄積量が5個に達すると、大玉を蓄積態様で表示させる。当該図柄変動中に小玉の蓄積量が5個に達して大玉を1つ蓄積すると(S1032のY)、演出表示制御手段305は、予兆蓄積演出で蓄積表示した小玉および大玉をクリアする(S1034)。それとともに演出表示制御手段305は、それまでの通常予告演出に代えて覚醒演出を表示させる(S1036)。
小玉の蓄積量が5個に未達であれば(S1032のN)、S1034およびS1036の処理をスキップする。また、図柄変動開始時点で既に小玉の蓄積量が5個に到達済であれば(S1020のY)、S1022〜S1034の処理をスキップして覚醒演出を表示させる(S1036)。本図には不図示だが、覚醒シャッター演出は、覚醒演出への移行時に一度実行する。すなわち、或る途中図柄変動内で通常予告演出から覚醒演出へ切り替える場合は、当該途中図柄変動において一度覚醒シャッター演出を実行する。また、或る途中図柄変動終了時に小玉の蓄積量が5個に達した場合、次の途中図柄変動開始時または目標図柄変動開始時に一度覚醒シャッター演出を実行する。
実際には、途中図柄変動の開始時に、演出決定手段303は、図32のS1004で決定された蓄積手順に基づいて当該図柄変動で小玉蓄積量が5個に達することを識別した場合、特別図柄の変動時間に整合する演出時間の予告演出パターンであり、通常予告演出〜予兆蓄積演出における小玉蓄積(5個に到達)〜覚醒シャッター演出〜覚醒演出を含む1つの予告演出パターンを選択してもよい。演出表示制御手段305は、選択された1つの予告演出パターンにしたがって、通常予告演出や予兆蓄積演出、覚醒シャッター演出、覚醒演出のそれぞれを記録した画像データを再生していくことで、通常予告演出〜覚醒演出を表示させてもよい。目標図柄変動についても同様である。
図34は、図32のS1010の目標図柄変動演出処理を詳細に示すフローチャートである。本図のS1040〜S1050の処理は、図33のS1020〜S1030の処理と同じであるため説明を省略する。当該図柄変動中に小玉の蓄積量が5個に達して大玉を1つ蓄積すると(S1052のY)、予兆蓄積演出で蓄積表示した小玉および大玉をクリアし(S1054)、覚醒予告処理を実行する(S1056)。小玉の蓄積量が5個に未達であれば(S1052のN)、通常予告処理を実行する(S1058)。
S1056の覚醒予告処理について説明する。ここでは、説明を分かり易くするため、大当りの発生という事象を織り交ぜて説明する。演出表示制御手段305は、覚醒予告演出を表示させ、図柄変動が停止するまで、覚醒予告演出の表示を継続する。図柄変動が停止し、停止図柄が大当り態様である場合、特別遊技が開始される。停止図柄が外れ態様であれば、特別遊技は開始されない。
図35は、図34のS1058の通常予告処理を詳細に示すフローチャートである。図柄変動が停止するまで(S1070のN)、通常予告演出の表示を継続する。図柄変動が停止し(S1070のY)、停止図柄が大当り態様である場合(S1072のY)、予兆蓄積演出で蓄積表示した小玉をクリアし(S1074)、特別遊技制御手段260は特別遊技を開始する(S1076)。上記停止図柄が特定態様であり、すなわち停止図柄が特殊特別遊技演出の契機となる特別図柄であり(S1078のY)、かつ予兆蓄積演出で余り玉が生じた場合(S1080のY)、演出決定手段303は、余り玉数に応じた肉オブジェクトを獲得済とすることを決定する(S1082)。余り玉が生じてなければ(S1080のN)、S1082の処理をスキップする。なお、ここでの余り玉は、S1074でクリアされるまでに蓄積された小玉である。
演出表示制御手段305は、特殊特別遊技演出の表示を開始し、演出決定手段303の決定したがって、余り玉数に応じた個数の肉オブジェクトを獲得済の態様で表示させる(S1084)。演出決定手段303は、遊技者の操作に応じて、予め決定した獲得予定数まで肉オブジェクトを獲得するよう特殊特別遊技演出の表示内容を制御する。肉オブジェクトの獲得数が上限の10個に達すると(S1086のY)、演出表示制御手段305は、特別遊技終了後に確変移行される旨を特別遊技中の演出内で報知する(S1088)。肉オブジェクトの獲得数が上限の10個に未達であれば(S1086のN)、S1088の処理をスキップする。この場合、大当り時の停止図柄、言い換えれば、大当りに係る特別図柄が確変を伴うものであれば、特別遊技終了後にいわゆる潜伏確変の状態になる。大当り時の停止図柄が、特殊特別遊技演出の契機となる特別図柄でなければ(S1078のN)、S1080〜S1088の処理をスキップして本図の処理を終了する。
停止図柄が大当り態様でなければ(S1072のN)、予兆蓄積演出で蓄積表示した小玉をクリアし、第1蓄積量記憶手段500に記録した小玉の蓄積量も消去する(S1090)。予兆蓄積演出で余り玉が生じた場合(S1092のY)、特定頻出モードに滞在中でなければ(S1094のN)、演出表示制御手段305は、余り玉を余り玉インジケータ514に蓄積表示する。また、演出表示制御手段305は、第1蓄積量記憶手段500から消去した小玉の蓄積量を、第2蓄積量記憶手段502に余り玉の蓄積量として記録する(S1096)。特定頻出モードに滞在中であれば(S1094のY)、S1096の処理をスキップする。予兆蓄積演出で余り玉が生じなければ(S1092のN)、S1094およびS1096の処理をスキップする。なお、ここでの余り玉は、S1090でクリアされるまでに蓄積された小玉である。
図36は、特定頻出モードに係る演出の過程を示すフローチャートである。演出決定手段303は、余り玉インジケータ514に蓄積表示した余り玉が30個に到達し、言い換えれば、第2蓄積量記憶手段502に記憶された余り玉の蓄積数が30個に到達したか否かを監視する。演出決定手段303は、余り玉の蓄積数が30個に到達したことを検出した場合(S1100のY)、次回の図柄変動の変動表示時間(例えば変動開始コマンドで指定された変動パターンが示す変動時間)が12秒以上であるか否かを判定する。次回の図柄変動時間が12秒以上であれば(S1102のY)、演出決定手段303は、特定頻出モードへの移行有無を遊技者に選択させるための選択画面の表示を決定し、演出表示制御手段305は、その選択画面を表示させる(S1104)。
特定頻出モードへ移行しないことを指示する操作が入力された場合、もしくは、特定頻出モードへの移行を指示する操作が所定時間内に未入力であった場合(S1106のN)、演出表示制御手段305は、余り玉インジケータ514に蓄積表示した余り玉と、第2蓄積量記憶手段502に記憶された余り玉の蓄積数をクリアし(S1108)、本図の処理を終了する。特定頻出モードへの移行を指示する操作が所定時間内に入力された場合(S1106のY)、演出表示制御手段305は、余り玉インジケータ514に蓄積表示した余り玉と、第2蓄積量記憶手段502に記憶された余り玉の蓄積数をクリアする(S1110)。演出決定手段303は、予告演出の決定基準を、通常予告種類テーブルから特定予告種類テーブルへ切り替える(S1112)。
演出決定手段303は、特定予告種類テーブルを参照して図柄変動に伴う予告演出を決定することにより、プレミア演出の表示頻度を高めるよう特定頻出モードにおける演出内容を決定する(S1114)。特定頻出モードへの移行後、図柄変動回数が50回に到達するまで(S1116のN)、特定頻出モードを維持する。特定頻出モードへの移行後、図柄変動回数が50回に到達すると(S1116のY)、演出決定手段303は、予告演出の決定基準を、特定予告種類テーブルから通常予告種類テーブルへ戻すことにより、特定頻出モードを終了する(S1118)。余り玉が30個に未達であり(S1100のN)、または、次回の図柄変動時間が12秒未満であれば(S1102のN)、以降をスキップして本図の処理を終了する。
本図には不図示だが、演出決定手段303は、特定頻出モードへの移行時点では、予告演出決定基準を、プレミア演出選択確率が相対的に低い第1特定予告種類テーブルへ切り替える。また、特定頻出モードへの移行後、図柄変動回数が50回より小さい所定回数(例えば30回または40回)に達した場合に、予告演出決定基準を、プレミア演出選択確率が相対的に高い第2特定予告種類テーブルへ切り替える。これにより、特定頻出モードの後半では、前半に比べてプレミア演出が表示されやすくなり、特定頻出モードの遊技性を多様化でき、また、飽きが生じにくい遊技性を実現できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
上記実施例では言及していないが、第1蓄積量記憶手段500は小玉を6個以上蓄積可能な構成であってもよく、画面上の小玉オブジェクト510も色を2段階に変える等により、6個以上の蓄積状態を示す態様で表示可能であってもよい。例えば、目標図柄変動における所定タイミングになるまでは、小玉の蓄積数が5個に達して特殊モードへ移行した場合も、それまでに蓄積した小玉をクリアせずに、小玉の蓄積を継続してもよい。図14に示したステージ覚醒&リーチ覚醒パターンの場合は、目標図柄変動における発展演出での小玉蓄積数を10個として、2段階目のリーチ覚醒演出を実行してもよい。
上記実施例では、目標図柄変動において小玉の蓄積態様を不利態様に変化させる例として、小玉蓄積数が5個に未達の場合に、それまで蓄積した小玉をクリアすることを示した。変形例として、演出決定手段303は、目標図柄変動において小玉の蓄積数を減少させることを決定可能であってもよい。なお、最終的に小玉蓄積数を5個に到達させる場合に、演出決定手段303は、目標図柄変動において一旦小玉の蓄積数を減少させつつ、その後に小玉の蓄積数を増加させるよう決定してもよいことはもちろんである。この態様によると、特殊モードへの移行に対する遊技者の期待感と不安感を交錯させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記実施例では言及していないが、演出決定手段303は、予兆蓄積演出において小玉の蓄積数が5個未満であっても、所定の特殊移行条件を満たす場合は、通常モードから特殊モードへの移行を決定してもよい。演出決定手段303は、複数回の図柄変動に亘る予兆蓄積演出の実行中に、図柄変動毎に所定の特殊移行抽選を実行し、その抽選に当選した場合に特殊移行条件が満たされたとして、通常モードから特殊モードへの移行を決定してもよい。演出表示制御手段305は、演出決定手段303の決定に応じて、画面上に蓄積表示した大玉オブジェクト512の個数が5個未満のときに、覚醒シャッター演出〜覚醒演出を実行してもよい。
特殊移行条件の充足条件となる特殊移行抽選の当選確率は例えば0.5%でもよい。また、予兆蓄積演出における小玉蓄積数が多いほど特殊移行条件が充足されやすく設計されてもよく、小玉蓄積数が多いほど特殊移行抽選の当選確率が高く設定されてもよい。例えば、当選確率は、小玉蓄積数1個であれば0.1%、小玉蓄積数2個であれば0.3%、小玉蓄積数3個であれば0.6%、小玉蓄積数4個であれば1%に設定されてもよい。通常モードから特殊モードへ例外的な移行が発生する可能性を設けることで、遊技者の意外感を喚起でき、また遊技の一層の多様化を図ることができる。
上記実施例では、予兆蓄積演出が実行される図柄変動において、事前に決定された小玉数を蓄積する予告演出パターンを選択しない場合(例えば事前に決定された小玉数を蓄積する予告演出パターンが存在しない場合)、小玉獲得用特殊演出を実行して、小玉蓄積の不足分を補うこととした。変形例として、小玉獲得用特殊演出を実行しない構成としてもよい。この結果、予兆蓄積演出において、事前に決定された小玉数を蓄積することができないことが生じうる。演出決定手段303は、小玉の蓄積手順決定時に、小玉蓄積数を5個に到達させることを決定した場合、すなわち通常モードから特殊モードへの移行を決定していた場合は、小玉蓄積数が5個に未達であっても、本来5個に到達すべき図柄変動において通常モードから特殊モードへ移行させてもよい。通常モードから特殊モードへ例外的な移行が発生する可能性を設けることで、遊技者の意外感を喚起でき、また一層の遊技の多様化を図ることができる。また、小玉獲得用特殊演出の実装が不要になり、遊技機の実装を容易化できる。
上記実施例では言及していないが、通常頻度モードから特定頻出モードへの移行タイミングの近傍では、演出決定手段303は、事前判定情報(例えば事前パターン判定結果)にもとづく先読み処理の実行を抑制してもよい。この抑制期間は、予兆蓄積演出の実行期間中であって、かつ、第2蓄積量記憶手段502における余り玉の蓄積数と、今回の予兆蓄積演出での余り玉の発生有無(小玉の蓄積数から判定可能)とに基づいて、今回の予兆蓄積演出終了時に余り玉の蓄積数が30個に到達すると判定される場合でもよい。また、予兆蓄積演出の実行期間中であって、かつ、第2蓄積量記憶手段502における余り玉の蓄積数が所定数以上(例えば26個以上)の場合でもよい。通常頻度モードから特定頻出モードへの移行に伴い、プレミア演出の選択確率が大幅に上昇する等、演出傾向が大きく変化するため、先読み演出の信頼性が低下するためである。
同様に、特定頻出モードから通常頻度モードへの移行タイミングの近傍では、演出決定手段303は、事前判定情報(例えば事前パターン判定結果)にもとづく先読み処理の実行を抑制してもよい。この抑制期間は、特定頻出モードにおける42回目の図柄変動終了以降であってもよい。特定頻出モードから通常頻度モードへの移行により、プレミア演出の選択確率が大幅に低下する等、演出傾向が大きく変化するため、先読み演出の信頼性が低下するためである。なお先読み抑制期間を、特定頻出モードにおける42回目の図柄変動終了以降とする上記例は、保留の上限である8番目の保留が特定頻出モードでの変動に収まることを勘案した例である。
上記実施例においては、図7(b)で示したように外れ図柄を1種類としたが、外れ図柄を2種類以上設けてもよい。ここでは外れ図柄Aと外れ図柄Bの2つを設ける例を示すが、外れ図柄の実際の個数に制約はなく、3つ以上の外れ図柄のそれぞれを複数種類のいずれに対応付けてもよい。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、外れ図柄の種類に応じて、変動パターンの選択傾向を異ならせてもよい。例えば、外れ図柄Bでは特定の変動パターン(例えば覚醒演出の契機となりうる予兆蓄積演出にひもづく変動パターン)を、外れ図柄Aの場合より高確率で選択してもよい。また、外れ図柄Bの場合は上記特定の変動パターンを選択可能である一方、外れ図柄Aの場合は選択しない構成としてもよい。そのために、変動パターンテーブルは、外れ図柄Bである場合の上記特定の変動パターンの選択確率を、外れ図柄Aである場合の選択確率よりも高く定めてもよく、また、外れ図柄Aである場合の選択確率は0に設定されてもよい。
この態様によると、外れ図柄Bに関する事前図柄判定を行いさえすれば、外れ図柄Bに対応する保留に係る図柄変動を目標図柄変動とする予兆蓄積演出の実行可否を決定することができる。言い換えれば、事前図柄判定結果が外れ図柄Aを示す場合、その外れ図柄Aに対応する事前パターン判定結果の先読みは不要になる。つまり、外れ変動に対する先読みの実行契機を、外れ図柄の種類によって判別することができる。
上記実施例とは異なり、予兆蓄積演出の実行を決定したときに、複数回の図柄変動に亘る小玉の蓄積手順(何変動目に何個の小玉を獲得するか)を親ルートとして決定してもよい。言い換えれば、1つ以上の途中図柄変動と目標図柄変動のそれぞれにおいて蓄積させる小玉数を親ルートとして決定してもよい。また、1つ以上の途中図柄変動と目標図柄変動それぞれの開始時に、当該図柄変動で実行する予告演出の大まかな枠組と、その枠組の中での予告の詳細を子ルートとして決定してもよい。子ルートとして決定した予告が親ルートで決定した個数の小玉を獲得できないものである場合、また、子ルートとして決定した予告が小玉を獲得しない(例えば表示上の不都合や不整合を生じる)所定の予告種類である場合、子ルートとして決定した予告を表示させ、言い換えれば、予定数の小玉を獲得できない(または小玉獲得数が0の)予告を表示させてもよい。そして、図柄変動内の予め定められた小玉獲得用時間(例えばリーチ成立時や図柄変動停止時)に、補完的に小玉を獲得する小玉獲得用特殊演出を表示させてもよい。このように、子ルートとしてそもそも小玉を獲得できない予告を選択しうる場合であっても、小玉獲得用特殊演出を表示することによって親ルートで決定した小玉蓄積量に整合させることができる。
第2蓄積量記憶手段502に個数を記憶させ、また、余り玉インジケータ514に蓄積表示させる余り玉に関する変形例を説明する。小玉が5個貯まって覚醒演出が表示されると、蓄積された小玉は覚醒演出への移行タイミングでクリアされるが、覚醒演出を経て目標図柄変動における外れが確定した場合、クリアされた5個の小玉を余り玉として第2蓄積量記憶手段502および余り玉インジケータ514に蓄積してもよい。また、大当りの発生を契機に、それまで第2蓄積量記憶手段502および余り玉インジケータ514に蓄積した小玉をクリアしてもよい。また逆に、大当りが発生しても、それまで第2蓄積量記憶手段502および余り玉インジケータ514に蓄積した小玉を維持してもよい。
上記実施例では言及していないが、小玉や大玉に複数の属性を設け、それらの属性に応じて蓄積の可能性や、覚醒演出の発生可能性、発展先、ランクアップ度合いを示唆または報知してもよい。例えば、小玉の表示態様を複数種類設けてもよい。複数種類の表示態様の例として、白色の小玉、青色の小玉、緑色の小玉、赤色の小玉等を設けてもよい。この場合、5個未満の蓄積がなされている小玉に関する表示態様(例えば色)の種類に応じて、5個まで到達する期待度を異ならせ、また、目標図柄変動に係る大当り期待度を異ならせることが好適である。
一例として、演出決定手段303は、予兆蓄積演出の実行を決定し、小玉蓄積量を5個に到達させることを決定した場合(または目標図柄変動が大当りの場合)、小玉の色の選択確率として高い方から、赤>緑>青>白の順にいずれかを選択してもよい。また、小玉蓄積量を5個に未達とすることを決定した場合(または目標図柄変動が外れの場合)、小玉の色の選択確率として高い方から、白>青>緑>赤の順にいずれかを選択してもよい。また、複数変動に亘る予兆蓄積演出の途中で、例えば1回目の途中図柄変動から2回目の途中図柄変動に切り替わる際に、最終的な小玉蓄積量(または目標図柄変動が大当りか否か)に応じて、小玉の色を再選択し、小玉の表示色を更新してもよい。同様に、覚醒演出への移行期待度、ランクアップ度合い(より高期待度の演出への移行可能性)を小玉や大玉の表示態様により示唆または報知してもよい。
上記の実施例においては、第1の抽選および第2の抽選の双方の当否判定結果を事前判定結果としてメイン基板200からサブ基板300へ送信する例を説明した。変形例としては、第1の抽選または第2の抽選のいずれかの当否判定結果のみを事前判定結果としてメイン基板200からサブ基板300へ送信する構成としてもよい。
本明細書または特許請求の範囲において、「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウエア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウエア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
演出表示装置は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。
演出表示装置は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、遊技盤上の7セグメントLEDにて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
尚、以上の実施例において示した構成に基づき、以下のような概念を抽出(列記)することができる。但し、以下に列記する概念はあくまで一例であり、これら列記した概念の結合や分離(上位概念化)は勿論のこと、以上の実施例において示した更なる構成に基づく概念を、これら概念に付加してもよい。
(概念1)
遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選値取得の契機となる始動入賞口と、図柄を変動表示および停止表示可能な図柄表示装置と、取得された抽選値に係る図柄の変動開始条件を充足していない場合、変動開始条件を充足するまで当該抽選値を保留として一時記憶する保留制御手段と、図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、図柄表示装置に停止表示された停止図柄が所定態様であった場合、遊技者にとって有利な特別遊技を実行し得る特別遊技制御手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出的な内容として、特別遊技への移行期待度が相対的に低いことを示す通常予告演出と、特別遊技への移行期待度が相対的に高いことを示す特殊予告演出を含む複数種類の演出内容の中からいずれかを選択する演出決定手段と、演出決定手段により選択された演出内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備える。或る保留が生起した場合、当該或る保留に係る図柄の変動開始条件を充足する前に、当該或る保留に対応する抽選値に係る事前判定の情報である事前判定情報を演出決定手段へ送信可能なように構成され、演出決定手段は、或る抽選値に関する事前判定情報が所定の内容であることが判明した場合、当該或る抽選値に係る高期待変動より前の1以上の途中図柄変動から高期待変動に亘って画面内の所定位置に所定の予兆オブジェクトを蓄積していく形式で表示する予兆蓄積演出の実行を決定し、予兆蓄積演出は、予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となるか否かによって特殊予告演出の発生を示唆する演出であり、演出表示制御手段は、途中図柄変動から高期待変動に亘って予兆蓄積演出を表示させ、予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトを蓄積させていき、予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となる前の演出内容として通常予告演出が表示され、予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となった後の演出内容として特殊予告演出が表示され、途中図柄変動においては、予兆オブジェクトの蓄積態様が維持もしくは有利態様への変化を行う一方、高期待変動においては、予兆オブジェクトの蓄積態様が維持もしくは有利態様への変化を行うだけでなく不利態様への変化も行い、予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となるタイミングが、複数タイミング存在する。
演出表示制御手段は、高期待変動中の予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となったことを契機に、高期待変動に係る演出内容を、通常予告演出から特殊予告演出へ切り替えて表示させ、途中図柄変動中の予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトの蓄積量が所定量に到達した場合、その到達を契機に、途中図柄変動に係る演出内容を、通常予告演出から特殊予告演出へ切り替えて表示させてもよい。
(概念2)
遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選値取得の契機となる始動入賞口と、図柄を変動表示および停止表示可能な図柄表示装置と、取得された抽選値に係る図柄の変動開始条件を充足していない場合、変動開始条件を充足するまで当該抽選値を保留として一時記憶する保留制御手段と、図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、図柄表示装置に停止表示された停止図柄が所定態様であった場合、遊技者にとって有利な特別遊技を実行し得る特別遊技制御手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出的な内容として、特別遊技への移行期待度が相対的に低いことを示す通常モードの演出内容と、特別遊技への移行期待度が相対的に高いことを示す特殊モードの演出内容を含む複数種類の演出内容の中からいずれかを選択する演出決定手段と、演出決定手段により選択された演出内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備える。或る保留が生起した場合、当該或る保留に係る図柄の変動開始条件を充足する前に、当該或る保留に対応する抽選値に係る事前判定の情報である事前判定情報を演出決定手段へ送信可能なように構成され、演出決定手段は、或る抽選値に関する事前判定情報が所定の内容であることが判明した場合、当該或る抽選値に係る高期待変動より前の1以上の途中図柄変動から高期待変動に亘って画面内の所定位置に所定の予兆オブジェクトを蓄積していく形式で表示する予兆蓄積演出の実行を決定し、予兆蓄積演出は、予兆オブジェクトの蓄積量が第1の所定量に到達するか否かによって通常モードから特殊モードへの移行を示唆する演出であり、演出決定手段は、予兆蓄積演出における予兆オブジェクトの蓄積手順を決定し、演出表示制御手段は、途中図柄変動から高期待変動に亘って予兆蓄積演出を表示させ、演出決定手段により決定された蓄積手順にしたがって予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトを蓄積させていき、演出決定手段は、予兆オブジェクトの蓄積量が第1の所定量に到達前の演出内容として通常モードの演出内容を選択し、到達後の演出内容として特殊モードの演出内容を選択し、演出表示制御手段は、高期待変動中の予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトの蓄積量が第1の所定量に到達した場合、その到達を契機に、高期待変動に係る演出内容を、通常モードの演出内容から特殊モードの演出内容へ切り替えて表示させ、途中図柄変動中の予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトの蓄積量が第1の所定量に到達した場合、その到達を契機に、途中図柄変動に係る演出内容を、通常モードの演出内容から特殊モードの演出内容へ切り替えて表示させ、高期待変動中の予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトの蓄積量が、高期待変動内の所定タイミング到達時点で第1の所定量に未達である場合、それまで予兆蓄積演出にて蓄積させた予兆オブジェクトをクリアし、クリアされた予兆オブジェクトの数が、第1の所定量より多い第2の所定量に到達した場合、到達後の図柄変動に係る演出内容として特定演出を選択する確率を到達前より高める。
演出表示制御手段は、高期待変動中の予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトの蓄積量が第1の所定量に未達である場合、高期待変動に係る演出内容を通常モードの演出内容のまま維持し、高期待変動が終了することを契機に、それまで予兆蓄積演出にて蓄積させた予兆オブジェクトをクリアしてもよい。演出決定手段は、クリアされた予兆オブジェクトの数をカウントし、その数が第2の所定量に到達した場合、到達後の図柄変動に係る演出内容として所定の稀少演出を選択する確率を到達前より高めるよう切り替えてもよい。
(概念3)
遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選値取得の契機となる始動入賞口と、図柄を変動表示および停止表示可能な図柄表示装置と、取得された抽選値に係る図柄の変動開始条件を充足していない場合、変動開始条件を充足するまで当該抽選値を保留として一時記憶する保留制御手段と、図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、図柄表示装置に停止表示された停止図柄が所定態様であった場合、その態様の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技を実行し得る特別遊技制御手段と、特別遊技の終了後の通常遊技において通常状態よりも遊技者にとって有利な状態である特定遊技状態へ移行させる特定遊技制御手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出的な内容として、特別遊技への移行期待度が相対的に低いことを示す通常モードの演出内容と、特別遊技への移行期待度が相対的に高いことを示す特殊モードの演出内容を含む複数種類の演出内容の中からいずれかを選択する演出決定手段と、演出決定手段により選択された演出内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備える。或る保留が生起した場合、当該或る保留に係る図柄の変動開始条件を充足する前に、当該或る保留に対応する抽選値に係る事前判定の情報である事前判定情報を演出決定手段へ送信可能なように構成され、演出決定手段は、或る抽選値に関する事前判定情報が所定の内容であることが判明した場合、当該或る抽選値に係る高期待変動より前の1以上の途中図柄変動から高期待変動に亘って画面内の所定位置に所定の予兆オブジェクトを蓄積していく形式で表示する予兆蓄積演出の実行を決定し、予兆蓄積演出は、予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となるか否かによって通常モードから特殊モードへの移行を示唆する演出であり、演出決定手段は、予兆蓄積演出における予兆オブジェクトの蓄積手順を決定し、演出表示制御手段は、途中図柄変動から高期待変動に亘って予兆蓄積演出を表示させ、演出決定手段により決定された蓄積手順にしたがって予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトを蓄積させていき、演出決定手段は、予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となる前の演出内容として通常モードの演出内容を選択し、予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となった後の演出内容として特殊モードの演出内容を選択し、演出表示制御手段は、高期待変動中の予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となった場合、その到達を契機に、高期待変動に係る演出内容を、通常モードの演出内容から特殊モードの演出内容へ切り替えて表示させ、途中図柄変動中の予兆蓄積演出にて予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様となった場合、その到達を契機に、途中図柄変動に係る演出内容を、通常モードの演出内容から特殊モードの演出内容へ切り替えて表示させ、停止図柄の所定態様は複数種類存在し、その種類に応じて特別遊技に係る利益態様が異なり得るよう構成されており、特別遊技中の演出として、所定の開示条件が充足されるまでは特別遊技に係る利益態様の報知を抑制し、開示条件が充足された場合に特別遊技に係る利益態様を報知する演出であって、開示条件の充足度合いを表示する特殊特別遊技演出の表示を決定可能であり、特別遊技中の演出として特殊特別遊技演出を表示させる場合に、当該特別遊技への移行契機となった高期待変動内の所定タイミング到達時点で予兆オブジェクトの蓄積態様が所定態様とならなかった場合は、当該蓄積態様に応じて開示条件の少なくとも一部が充足済であることを表示させる。
演出表示制御手段は、演出決定手段により特殊特別遊技演出が選択された場合に、特別遊技中の演出として特殊特別遊技演出を表示させ、それまで予兆蓄積演出にて蓄積させた予兆オブジェクトをクリアするとともに、それまでの予兆オブジェクトの蓄積量に応じて、開示条件の少なくとも一部が充足済であることを表示させてもよい。