JP6488725B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−230714号公報 特開2012−196533号公報 特開2008−253457号公報
「CRぱちんこAKB48」、パチンコ必勝本CLIMAX2012年9月号、株式会社綜合図書、2012年9月1日、p.6−11
所定の時刻に遊技店内の複数の同機種遊技台が一斉に同じ演出を実行するものが知られている(例えば、特許文献2、3、非特許文献1参照)。これら一斉に表示する演出は、図柄変動に係る演出と並行して表示されるものであり、演出間で調整が必要になることがある。本発明者は、一斉に表示する演出の実行中における図柄変動に係る演出の表示方法において、演出効果を高めるための改善の余地があると考えた。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、一斉に表示する演出の実行中における図柄変動に係る演出について、改善された表示方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいた当否判定を実行する当否判定手段と、当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンから当否判定の結果に応じていずれかを選択する変動パターン決定手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、演出決定手段により決定された演出的な内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、現在の時間を示す情報を出力する時計手段と、を備える。演出決定手段は、時計手段により出力された情報が所定の内容となったことを契機とする所定タイミングに開始する時計同調演出を演出表示装置に表示させる決定をし、図柄変動中か否かに関わらず時計同調演出の表示を開始させ、演出決定手段は、図柄変動に係る演出として大当り発生の期待度が高いことを示す予告であって時計同調演出の表示期間においては大当り発生を確定的に報知する予告である特殊予告を表示させるか否かを所定の基準に応じて決定し、所定の基準は、当否判定の結果が外れの場合も特殊予告を表示させる決定をし得る第1の基準と、当否判定の結果が外れの場合は特殊予告を表示させる決定をし得ない第2の基準を含む。演出決定手段は、図柄変動に係る演出として特殊予告を表示させるとした場合に特殊予告の表示タイミングが時計同調演出の表示期間内になるか否かに応じて、特殊予告の表示決定基準として第1の基準または第2の基準を選択する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、一斉に表示する演出の実行中における図柄変動に係る演出について、改善された表示方法を提供することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出表示制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図12におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図15におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが表示CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 第1画面と第2画面の配置関係を模式的に示す図である。 第1画面と第2画面の配置関係の別の例を模式的に示す図である。 図柄変動と時計同調演出の非同期性を示すタイムチャートである。 同調演出期間の近傍で実行される図柄変動のパターンを示す図である。 同調演出期間の近傍で実行される図柄変動のパターンを示す図である。 時計同調演出表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 第1変形例での時計同調演出表示の過程を示すフローチャートである。 同調演出期間の近傍で実行される図柄変動のパターンを示す図である。 同調演出期間の近傍で実行される図柄変動のパターンを示す図である。
<前提技術>
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放とする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もなく、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、一般入賞口33、第1作動口31、第2作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否判定手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
図4に戻り、普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選または第2当否抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選または第2当否抽選に対する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。第1当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶し、第2当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
計時手段307は、時計手段とも言え、時間に関する情報を生成する計時回路である。具体的には計時手段307は、電源投入時からの時間を計測して、その計測結果を示す情報を出力するタイマ回路である。例えば、電源投入を契機として、所定のカウンタの値を増加させていくことにより、電源投入時からの時間を計測してもよい。変形例として、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。この場合、計時手段307は現在時刻の情報を出力してもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。計時手段307の出力情報を用いた時計同調演出については後述する。
図10は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図11は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出表示制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出表示制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御表示手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出表示制御装置313のハードウェア構成として、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出表示制御装置313に含まれる表示CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出表示制御装置313に含まれる表示RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出表示制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出表示制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出表示制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出表示制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が表示CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が表示RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出表示制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出表示制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図12は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図13は、図12におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図14は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。タイマの値をメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値をデクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図16は、図15におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図15のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図17は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図16のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図18は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図19は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図20は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図21は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図22は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図23は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図24は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
<実施例>
本実施例においては、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
現在、所定の時刻に遊技店内の複数の同機種遊技台が一斉に同じ演出(以下「時計同調演出」と呼ぶ。)を実行するものが知られている。また遊技機の中には、時計同調演出の実行期間内外問わず表示されうる予告演出であり、時計同調演出の実行期間内に表示される場合は大当り発生を確定的に報知する予告演出(以下「特殊予告」と呼ぶ。)を設けたものがある。
特殊予告は大当り発生に対する遊技者の期待感を高めるために効果的であるが、時計同調演出の実行期間付近では特殊予告の表示機会が著しく制限される。そのため、時計同調演出の実行期間付近では特殊予告による演出効果が十分に発揮されるとは言い難かった。そこで本実施例では、時計同調演出の実行期間内に表示されることで大当り発生を確定的に報知する特殊予告について、時計同調演出の実行期間付近における表示機会の拡充を実現する遊技機を提案する。
本実施例におけるぱちんこ遊技機100は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいた当否判定を実行する当否判定手段と、当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンから当否判定の結果に応じていずれかを選択する変動パターン決定手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、演出決定手段により決定された演出的な内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、現在の時間を示す情報を出力する時計手段と、を備える。演出決定手段は、時計手段により出力された情報が所定の内容となったことを契機とする所定タイミングに開始する時計同調演出を演出表示装置に表示させる決定をし、図柄変動中か否かに関わらず時計同調演出の表示を開始させ、演出決定手段は、図柄変動に係る演出として大当り発生の期待度が高いことを示す予告であって時計同調演出の表示期間においては大当り発生を確定的に報知する予告である特殊予告を表示させるか否かを所定の基準に応じて決定し、所定の基準は、当否判定の結果が外れの場合も特殊予告を表示させる決定をし得る第1の基準と、当否判定の結果が外れの場合は特殊予告を表示させる決定をし得ない第2の基準を含む。演出決定手段は、図柄変動に係る演出として特殊予告を表示させるとした場合に特殊予告の表示タイミングが時計同調演出の表示期間内になるか否かに応じて、特殊予告の表示決定基準として第1の基準または第2の基準を選択する。
図柄の変動パターンには、図柄変動に係る演出として特殊予告を表示させる場合の表示タイミングを示す情報が対応付けられ、演出決定手段は、変動パターン決定手段により選択された変動パターンにしたがって、図柄変動に係る演出として特殊予告を表示させるとした場合の特殊予告の表示タイミングを識別してもよい。
例えば、サブ基板300は、特別図柄の複数の変動パターンと、装飾図柄の複数の変動演出パターンとの対応関係を保持し、各変動演出パターンについて、特殊予告を表示可能な時間位置(タイミング)が予め定められてよい。また、各変動演出パターンと特殊予告を表示可能なタイミングとの対応関係を保持してもよい。また、変動演出パターンにおいて装飾図柄のリーチ成立タイミング(いわゆる図柄テンパイタイミング)が定められ、そのリーチ成立タイミングから所定時間経過時点(2秒後等)が特殊予告の表示可能タイミングとして予め定められていてもよい。演出決定手段は、特別図柄の変動パターンまたはその変動パターンに応じて選択した変動演出パターンにしたがって、特殊予告を表示させるとした場合の表示タイミングを識別してもよい。
演出決定手段は、図柄変動に係る演出として特殊予告を表示させるとした場合に特殊予告の表示タイミングが時計同調演出の表示期間外であれば、第1の基準を選択し、特殊予告の表示タイミングが時計同調演出の表示期間内であれば、第2の基準を選択してもよい。時計同調演出は、その導入部分として表示される準備演出と、準備演出の後に主要部分として表示される本演出と、で構成されてもよい。演出決定手段は、特殊予告の表示タイミングが、準備演出の表示期間外かつ本演出の表示期間外であれば第1の基準を選択し、準備演出の表示期間内または本演出の表示期間内であれば第2の基準を選択してもよい。
演出決定手段は、時計同調演出の表示を決定した場合に、特別図柄の変動やその変動に係る演出(例えば装飾図柄の変動演出)を表示中か否かに関わらず予め定められた所定の態様で前記時計同調演出の表示を開始させてもよい。演出決定手段は、時計同調演出の開始時に、図柄変動に係る演出を表示中であっても、時計同調演出を優先する態様にて時計同調演出の表示を開始してもよい。例えば、時計同調演出の表示を、相対的に目立つ態様・注目されやすい態様(例えば広い領域に、目立つ色彩等)で開始してもよい。その一方、図柄変動に係る演出の表示を、相対的に目立たない態様・注目されにくい態様(例えば狭い領域に、目立たない色彩等)に切り替えてもよい。
特殊予告は、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させることで大当りの前兆を示唆する演出であってもよく、例えば群予告演出であってもよい。特殊予告は、数十秒程度の比較的長時間表示される予告演出であってもよいが、好適には数秒程度の比較的短時間表示される予告演出である。
本実施例のぱちんこ遊技機100によると、時計同調演出の実行期間内に特殊予告が表示されると大当り確定という遊技性を維持しつつ、時計同調演出の実行期間付近における特殊予告の表示機会を拡充することができる。例えば、図柄変動終了時が時計同調演出の表示期間内か否かに応じて特殊予告の表示決定基準を選択する構成と比較して、特殊予告の表示頻度を高めることができる。また、時計同調演出の実行期間の少なくとも一部を含む期間に実行された図柄変動演出にて特殊予告を表示させた場合に、その図柄変動終了まで大当りか否かの判別を困難にして、遊技者の期待感を維持させやすくなる。
時計同調演出は、その導入部分として表示される準備演出と、準備演出の後に主要部分として表示される本演出と、で構成されてもよい。演出決定手段は、図柄変動に係る演出として特殊予告を表示させるとした場合に特殊予告の表示タイミングが本演出の表示期間内であれば、第2の基準を選択し、特殊予告の表示タイミングが準備演出の表示期間内であれば、当否判定の結果に関わらず特殊予告を表示させる決定をし得ない第3の基準を選択してもよい。
第3の基準は、当否判定結果が大当りか外れかに関わらず、特殊予告を表示対象として選択する確率を0%に定めたテーブルであってもよい。準備演出は、例えば本演出開始までの残り時間を示すカウントダウンを表示するものであり、遊技者にとって時計同調演出なのか否かの判別が難しい場合もある。そのため、準備演出表示中に特殊予告を表示させた場合に、大当りが確定なのか否かで遊技者の混乱を招くことも考えられる。そこで、特殊予告の表示可能タイミングが準備演出期間中であれば、第3の基準を選択し、特殊予告の表示を抑制することで、遊技者の混乱を招く可能性を排除できる。
図柄変動の開始から特殊予告表示までの時間は、準備演出の表示時間未満になるよう構成され、演出決定手段は、時計同調演出の表示期間外に図柄変動に係る演出を決定する場合に、当該図柄変動の開始から特殊予告表示までの時間が、時計同調演出開始までの時間より長ければ、特殊予告の表示タイミングが準備演出の表示期間内であると判定してもよい。この態様によると、図柄変動の開始から特殊予告表示までの時間が、時計同調演出開始までの時間より長い場合、特殊予告の表示タイミングが本演出の表示期間内になることはない。したがって、特殊予告の表示タイミングが準備演出中か否かの判定、例えば特殊予告の表示決定基準として第3の基準を選択すべきか否かの判定が容易になり、その判定機能の実装が容易になる。例えばプログラム量が低減され、保守も容易になる。
演出表示装置は、複数個の装飾図柄の停止図柄組合せにより当否判定の結果が示唆されるものであり、演出決定手段は、装飾図柄の変動表示態様が、複数個の装飾図柄があと一つ揃えば有利な状態へ移行しうる状態であるリーチ状態になった場合に、特殊予告表示までの時間が時計同調演出開始までの時間より短ければ第1の基準を選択する一方、特殊予告表示までの時間の方が長ければ第2の基準を選択してもよい。
この態様によると、特殊予告の表示決定するタイミングが、装飾図柄のリーチが成立したタイミングになる。これにより、図柄変動開始時における各種抽選や計算の処理量を低減でき、図柄変動開始時にディレイが生じることを抑制できる。なお、演出表示装置は、画面上に複数の領域が設定され、各領域に装飾図柄が個別に変動表示され、複数個の装飾図柄の停止図柄組合せにより当否判定の結果が示唆されるものであってもよい。
(演出表示装置60の構成)
演出表示装置60は、演出的な内容を表示するための複数の表示画面を有し、遊技領域81の略中央に設けられる第1画面に加えて、第1画面の上に重なるように配置可能とされる第2画面を有する。第1画面および第2画面はそれぞれ液晶ディスプレイなどで構成される。第1画面は、第2画面と比較して相対的に大きな表示領域を有しており、遊技に係る演出の主内容が表示される「メイン液晶」ということもできる。一方、第2画面は、第1画面と比較して相対的に小さな表示領域を有し、第1画面に表示される演出を盛り上げるための補助的な演出内容が表示される「サブ液晶」ということもできる。本実施例では、このような複数の表示画面を組み合わせて一体的な演出を表示する。
演出表示装置60が備える第1画面と第2画面の配置関係について説明する。図25は、第1画面561と、第2画面562R、562L(以下、総称して第2画面562ともいう)の配置関係を模式的に示す図である。図25(a)は、第1画面561および第2画面562を正面から見た図であり、図25(b)は、第1画面561および第2画面562を上から見た図である。第2画面562は、第1画面561の上に重なるように配置され、遊技者から見て第2画面562が手前側、第1画面561が奥側となるように配置される。第1画面561のうち第2画面562に重なった一部範囲は、第2画面562の裏に隠されるため、遊技者から視認できない状態、または、視認困難な状態となる。第2画面562は、左右方向に移動可能に構成されており、第1画面561に対する配置が変化しうる。したがって、第2画面562は、可動式画面または「可動サブ液晶」ということができる。なお、本図では、第1画面561の上に全体が重なった第2画面562を実線で示し、第1画面561の上に一部が重なった第2画面562を破線で示している。
図26は、第1画面561と第2画面の配置関係の別の例を模式的に示す図である。図26(a)は、第1画面561および第2画面562を正面から見た図であり、図26(b)は、第1画面561および第2画面562を上から見た図である。本図は、第2画面562が第1画面561の上に重なっていない状態を示しており、第2画面562Rが第1画面561の右側に位置し、第2画面562Lが第1画面561の左側に位置している状態を示している。また、第2画面562Lおよび第2画面562Rは、第1画面561に対して角度を有するように配置され、第2画面562Rの右端側および第2画面562Lの左端側がそれぞれ手前側に迫り出すように配置される。これにより、第1画面561と二つの第2画面562は、三面鏡のような構成を有する立体的な表示画面を形成する。
図25および図26に示したように、第2画面562は、第1画面561の上に重なって配置される重複状態と、第1画面561の上に重ならずに配置される非重複状態の大きく2種類の配置をとりうる。第2画面562の配置は、予め定められた表示パターンデータにより定義される。演出制御手段304は、表示パターンデータに基づいて第2画面562の位置を変化させる駆動装置を制御し、第2画面562の配置を変える。これにより、表示パターンデータに含まれる演出表示過程に合わせて第2画面562の位置を変化させ、演出表示装置60の表示内容と第2画面562の動きとが一体となった演出を表示することができる。なお、時計同調演出が実行される同調演出期間中、第2画面562は、図26で示したような非重複状態の配置となる。
(時計同調演出)
演出決定手段303は、計時手段307により生成、出力された情報が所定の内容となったことを契機とする所定タイミングに開始する時計同調演出を実行する。例えば、ぱちんこ遊技機100の電源が投入されてから、1時間後、6時間後、11時間後が、時計同調演出の開始タイミング、言い換えれば、同調演出期間の開始タイミングに対応付けられている。演出決定手段303は、計時手段307から出力された時間情報が、電源投入から1時間、6時間、11時間のいずれかを示すか否かを判定し、各開始タイミングに至った場合に時計同調演出の開始を決定する。変形例として、計時手段307が現在時刻の情報を出力する場合、演出決定手段303は、計時手段307から出力された現在時刻が予め定められた所定時刻になったことを契機に時計同調演出を実行してもよい。このように時計同調演出は、時間、または時間の計測に同調する演出であり、「時間同調演出」「計時同調演出」とも言える。また複数の遊技台が一斉に実行する演出であり、「一斉演出」「複数台同調演出」とも言える。
時計同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。本実施例での同調演出期間は10分である。演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が、時計同調演出の開始タイミングから所定時間が経過したことを示す内容になった場合に、時計同調演出の終了を決定する。この所定時間は、予め定められた時計同調演出の実行期間、すなわち同調演出期間の長さであってもよく、例えば10分であってもよい。また、所定時間が経過したことを示す内容は、(時計同調演出の開始タイミング+10分)を示す内容であってもよい。
時計同調演出は、例えば所定の楽曲を演奏する動画を所定の時刻に再生する演出であってもよい。時計同調演出を再生する契機となる時刻は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時刻であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、遊技店ごとに遊技店員によって時刻を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ時計同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時刻を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時刻となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ時計同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲が流れることでその場でライブ演奏がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。時計同調演出はホールの複数台に亘る一斉演出とも言える。
図27は、図柄変動と時計同調演出の非同期性を示すタイムチャートである。第1時間軸350においては複数の図柄変動期間360〜374を示す。ここでの図柄変動は第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動と、装飾図柄61の変動演出を含む。ここでは便宜上、リーチなしの外れ変動が連続している場合を示す。第2時間軸352は、時計同調演出の期間を示す時間軸である。図示しないぱちんこ遊技機100の電源投入タイミングで時間計測を開始し、電源投入時から1時間後、6時間後、11時間後のそれぞれに設定された同調時刻から10分間の時計同調演出を実行する。
本実施例の時計同調演出は、所定の楽曲を演奏する動画等、一斉演出の主要コンテンツを表示する本演出と、時計同調演出の導入として時計同調演出の開始を示唆する内容等を表示する準備演出の両方を含む。時計同調演出を実行する期間である10分間の同調演出期間においては、始めに同調時刻から所定時間の準備演出(例えば1分)が表示された後で本演出が表示される。準備演出は、同調時刻(S400)から本演出開始までのカウントダウンを表示させる映像および音声の出力であり、そのカウントダウンの終わりとともに本演出の映像出力に移る(S402)。同調時刻から10分が経過したときに本演出が終了する(S404)。
同調演出期間と並行して第1時間軸350に示すように図柄変動表示が非同期で実行される。本図の例では同調時刻(S400)が図柄変動期間362の最中に生じているが、同調時刻のタイミングと同期して図柄変動表示を中断させるわけでもなければ、同調時刻のタイミングと同期して新たな図柄変動表示を開始させるわけでもない。ただし、同調時刻までは演出表示装置60の画面全体を使って表示させていた図柄変動演出を、同調時刻のタイミングで画面のいずれかの領域(例えば画面右隅等)に移動して縮小し、S400からS404までの同調演出期間では画面右隅に小さく図柄変動表示をする。
本実施例の演出決定手段303は、同調時刻に装飾図柄の変動演出を第1画面561(もしくは第1画面561および第2画面562)に表示中であれば、装飾図柄の変動演出を第2画面562Lまたは第2画面562Rでの縮小表示に切り替えることを決定する。それとともに演出決定手段303は、準備演出の表示を第1画面561で開始することを決定する。演出表示制御手段305は、演出決定手段303の決定にしたがって、同調演出期間中、準備演出および本演出を相対的に大きいサイズで第1画面561に表示させる。その一方、装飾図柄の変動演出(および図柄変動に伴う予告演出)を相対的に小さいサイズで第2画面562Lまたは第2画面562Rに表示させる。同調演出期間が終了すると、演出決定手段303および演出表示制御手段305は、本演出の表示を終了させるとともに、装飾図柄の変動演出表示位置を第1画面561(もしくは第1画面561および第2画面562)に戻す。
このような時計同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、遊技店における同じ遊技台が設置された一角(いわゆる「遊技島」ともいう)は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調時刻を迎えることとなり、一斉に同時進行で時計同調演出を実行することになる。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
(特殊予告の表示制御)
既述したように、本実施例の特殊予告は、図柄変動中に表示され、同調演出期間の内外を問わず表示されうる共通の予告演出である。また、大当り発生の期待度が高いことを示す予告演出であり、特に同調演出期間においては大当り発生を確定的に報知する予告演出である。外れにも関わらず同調演出期間中に特殊予告を表示させると演出に齟齬が生じるため、同調演出期間の内外で特殊予告の表示決定基準を切り替える必要がある。本実施例の演出決定手段303は、特殊予告の表示決定基準として、第1の基準である第1予告種類テーブルと、第2の基準である第2予告種類テーブルを保持する。
第1予告種類テーブルは、通常時の予告種類テーブルと言え、当否判定結果が大当りの場合に、特殊予告を表示対象として選択する確率を相対的に高く定める(例えば10%)。その一方、当否判定結果が外れの場合の特殊予告選択確率を相対的に低く定める(ただし0%より大きく、例えば0.2%〜0.3%)。したがって、第1予告種類テーブルを参照する場合には、当否判定結果が大当りか、外れかに関わらず特殊予告の表示を決定し得る。ただし、大当り時の特殊予告選択確率は、外れ時の特殊予告選択確率より大きいため、特殊予告の表示は、大当りの期待度が高いことを示すことになる。なお、メイン基板200の第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が、当否判定結果が大当りの場合に特殊予告が含まれる(言い換えれば特殊予告を表示する)変動パターンを選択する確率と、当否判定結果が外れの場合に特殊予告が含まれる変動パターンを選択する確率との大小関係も同様である。具体的な選択確率は上記と同じ値(例えば前者が10%、後者が0.2%〜0.3%)に定められてもよい。
第2予告種類テーブルは、同調演出期間用の予告種類テーブルと言え、当否判定結果が大当りの場合に特殊予告を表示対象として選択する確率を相対的に高く定める(例えば20%)。その一方、当否判定結果が外れの場合の特殊予告選択確率を0%に定める。したがって、第2予告種類テーブルを参照する場合には、当否判定結果が大当りの場合に限り特殊予告の表示を決定し得る。言い換えれば、当否判定結果が外れの場合は特殊予告の表示を決定し得ない。なお、第1予告種類テーブルおよび第2予告種類テーブルには、特殊予告以外の予告演出の選択確率も定められてよいが、本実施例では特殊予告に着目し、特殊予告以外の予告演出については説明を省略する。
図28は、同調演出期間の近傍で実行される図柄変動のパターンを示す。ここでの図柄変動は装飾図柄61の変動演出とするが、装飾図柄61の変動演出は第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動に対応するものであり、特別図柄の変動に読み替えることもできる。本図の通常演出表示状態は時計同調演出の表示期間外であり、言い換えれば、同調演出期間外の遊技状態を示す。準備演出表示状態は準備演出表示中の遊技状態を示し、本演出表示状態は本演出表示中の遊技状態を示す。
図28の各パターンの矢印は、図柄変動の開始から終了までの期間を示す。変動演出パターン(特別図柄の変動パターンでもよい)には、図柄変動終了タイミング(Tb)と特殊予告発生可能タイミング(Ta)が予め対応付けられている。言い換えれば、TbとTaが予め定められている。これらのタイミングは、図柄変動演出期間中の時間位置と言え、図柄変動開始からの経過時間を示すデータであってもよい。Taは、図柄変動に係る予告演出として特殊予告を表示させることが可能な時間位置とも言える。変形例として、リーチ成立の所定時間前または所定時間後がTaとされてもよく、またノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出へ発展する所定時間前がTaとして定められてもよい。
ここで、本実施例とは異なる構成として、図柄変動の終了タイミングを基準として特殊予告の表示決定基準を切り替えることも考えられる。すなわち、図28のTbが同調演出期間外であれば、特殊予告の表示決定基準として第1予告種類テーブルを選択し、Tbが同調演出期間内であれば第2予告種類テーブルを選択する構成も考えられる。
この構成の場合、パターン1では第1予告種類テーブルを選択するため、Ta−1では当否判定結果が大当りか外れかにかかわらず特殊予告が表示されうる。その一方、パターン2では第2予告種類テーブルを選択するため、Ta−1とTa−2のいずれについても当否判定結果が大当りでなければ特殊予告は表示されない。パターン3のTa−1、Ta−2、Ta−3についても同様である。したがって、同調演出期間中に特殊予告が表示されると大当り確定という前提は維持できるが、同調演出期間近傍での特殊予告の表示機会が著しく制限されてしまう。
これに対し、本実施例の演出決定手段303は、図柄変動停止時が同調演出期間内か否かに関わらず、当該図柄変動における特殊予告の発生タイミングが同調演出期間内か否かに基づいて、特殊予告の表示決定基準を切り替える。具体的には、演出決定手段303は、装飾図柄61の複数の変動演出パターンと特殊予告発生可能タイミング(Ta−1〜Ta−n)の対応関係を予め保持する。演出決定手段303は、図柄変動開始時に、第1変動パターン決定手段231により決定された第1特別図柄51の変動パターン、または、第2変動パターン決定手段232により決定された第2特別図柄52の変動パターンに対応する装飾図柄61の変動演出パターンを選択し、選択した変動演出パターンに対応付けられたTa−1〜Ta−nを識別する。
演出決定手段303は、予め定められた同調演出期間の情報、例えば電源投入後1、6、11時間経過時点を始期とし、その10分後を終期と定めた情報を保持する。演出決定手段303は、計時手段307から出力された時間情報と、同調演出期間情報(始期)にしたがって、同調演出期間の開始タイミングを識別する。例えば、時間情報が電源投入後5時間59分30秒を示す場合、同調演出期間の開始タイミングを30秒後と識別する。演出決定手段303は、同調演出期間の開始タイミングと、Ta−1〜Ta−nそれぞれのタイミングに基づいて、Ta−1〜Ta−nそれぞれが同調演出期間内であるか否かを判定する。
演出決定手段303は、選択した変動演出パターンに対応するTa−1〜Ta−nのそれぞれについて、同調演出期間内であれば特殊予告の表示決定基準として第2予告種類テーブルを選択し、同調演出期間外であれば第1予告種類テーブルを選択する。例えば、図28のパターン2の場合、Ta−1については第1予告種類テーブルを参照して特殊予告の表示有無を決定し、Ta−2については第2予告種類テーブルを参照して特殊予告の表示有無を決定する。またパターン3の場合、Ta−1については第1予告種類テーブルを参照し、Ta−2とTa−3については第2予告種類テーブルを参照する。このように、1つの変動演出パターンに複数の特殊予告発生可能タイミングが存在する場合、特殊予告発生可能タイミングごとに特殊予告の表示有無を決定する。したがって、演出決定手段303は、特殊予告の表示有無に加えて表示タイミングを決定すると言える。
このように、パターン2のTa−1、パターン3のTa−1では、当否判定結果が外れであっても特殊予告が表示される可能性があり、同調演出期間中に特殊予告が表示されると大当り確定という前提を維持しつつ、同調演出期間付近での特殊予告の表示機会を拡充することができる。また、パターン2のTa−1で特殊予告が表示され、Ta−2で特殊予告が表示されない場合、または、パターン3のTa−1で特殊予告が表示され、Ta−2およびTa−3で特殊予告が表示されない場合、大当り確定ではないが大当りの可能性が残り、図柄変動停止時まで遊技者の期待感を煽ることができる。
図29も、同調演出期間の近傍で実行される図柄変動のパターンを示す。演出決定手段303は、計時手段307から出力された時間情報と、同調演出期間情報(終期)にしたがって、同調演出期間の終了タイミングを識別する。例えば、時間情報が電源投入後6時間9分30秒を示す場合、同調演出期間の終了タイミングを30秒後と識別する。演出決定手段303は、同調演出期間の終了タイミングと、Ta−1〜Ta−nそれぞれのタイミングに基づいて、Ta−1〜Ta−nそれぞれが同調演出期間内であるか否かを判定する。
演出決定手段303は、図29のパターン4およびパターン5の場合、第1予告種類テーブルを参照してTa−1における特殊予告の表示有無を決定する。またパターン6の場合、第2予告種類テーブルを参照してTa−1における特殊予告の表示有無を決定する。このように、図柄変動開始時が同調演出期間内でも、特殊予告発生可能タイミングが同調演出期間外であれば第1予告種類テーブルを選択する。したがって、パターン5のTa−1では当否判定結果が外れでも特殊予告が表示される可能性がある。すなわち、同調演出期間中に特殊予告が表示されると大当り確定という前提を維持しつつ、同調演出期間付近での特殊予告の表示機会を拡充することができる。
またパターン6のように、図柄変動終了時が同調演出期間外でも、特殊予告発生可能タイミングが同調演出期間内であれば第2予告種類テーブルを選択する。したがって、パターン6のTa−1では、当否判定結果が大当りである場合に特殊予告が表示される可能性があり、外れであれば特殊予告は表示され得ない。これにより、同調演出期間中の特殊予告表示で大当り確定という前提を維持し、遊技者に混乱を与えることを防止できる。
本実施例のぱちんこ遊技機100の動作について、主に前提技術との差分を説明する。
図30は、時計同調演出表示の過程を示すフローチャートである。本図のフローは、通常遊技、特別遊技、小当り遊技のいずれの期間においても繰り返し実行される。演出決定手段303は、計時手段307から出力された時間情報に基づいて同調演出期間の開始タイミングに至ったか否かを判定する。同調演出期間の開始タイミングに未達であれば(S1000のN)、S1002以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。
同調演出期間の開始タイミングに至ったことを検出すると(S1000のY)、演出決定手段303は、装飾図柄61の変動を第2画面562Rで縮小表示するよう切り替えることを決定するとともに準備演出の表示開始を決定する。演出表示制御手段305は、演出決定手段303の決定にしたがって、装飾図柄61の変動を第2画面562Rで縮小表示させるとともに(S1002)、準備演出の映像表示を第1画面561で開始する(S1004)。予め定められた準備演出表示期間(例えば60秒)が未経過であれば(S1006のN)、S1004に戻り、準備演出の表示を継続する。
演出決定手段303は、準備演出表示期間が終了したことを検出すると(S1006のY)、準備演出の終了と本演出の表示開始を決定する。演出表示制御手段305は、準備演出の映像表示を終了させ、本演出の映像表示を第1画面561で開始する(S1008)。演出決定手段303は、計時手段307から出力された時間情報に基づいて同調演出期間の終了タイミングに至ったか否かを判定する。同調演出期間の終了タイミングに未達であれば(S1010のN)、S1008に戻り、本演出の表示を継続する。
演出決定手段303は、同調演出期間の終了タイミングに至ったことを検出すると(S1010のY)、本演出の終了を決定するとともに図柄変動表示を通常態様に戻すよう決定する。演出表示制御手段305は、第1画面561での本演出の表示を終了させる(S1012)。それとともに演出表示制御手段305は、装飾図柄61の変動を第1画面561で表示するよう切り替え、変動演出の表示態様も通常の態様に戻す(S1014)。
図31は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。本図のS750〜S754、S766〜S776の処理は図22に関連して説明済であるため、説明を適宜省略する。
演出決定手段303は、S754で決定した変動演出パターンにしたがって特殊予告発生可能タイミング(Ta)を識別する(S756)。演出決定手段303は、Taが同調演出期間外であれば(S758のN)、特殊予告表示決定基準として第1予告種類テーブルを選択し(S760)、Taが同調演出期間内であれば(S758のY)、特殊予告表示決定基準として第2予告種類テーブルを選択する。Taが複数存在する場合、Ta毎に特殊予告表示決定基準を選択する。演出決定手段303は、選択した特殊予告表示決定基準と当否判定結果にしたがって、Taにおける特殊予告の表示有無を決定する。すなわち、今回の図柄変動における特殊予告の表示有無と表示タイミングを決定し、その決定結果を反映して予告演出の設定を実行する(S764)。演出決定手段303が特殊予告の表示を決定した場合、演出表示制御手段305は、S770の処理として、演出決定手段303が決定した表示タイミングにて特殊予告を演出表示装置60に表示させる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
第1変形例を説明する。
上記実施例では、時計手段により出力された情報が所定の内容となったことを契機とする所定タイミングに開始する時計同調演出を演出表示装置に表示させる決定をし、図柄変動中か否かに関わらず時計同調演出の表示を開始させた。変形例として、時計同調演出の表示タイミングに至った場合、言い換えれば、同調演出期間に到達したことを検出した場合に、図柄変動中か否かに応じて時計同調演出の表示を開始させてもよい。また、特別図柄の変動やその変動に係る演出(例えば装飾図柄の変動演出)を表示中か否かに応じた態様で時計同調演出の表示を開始させてもよい。例えば、演出決定手段は、時計同調演出開始時の表示態様を、その時点で図柄変動に係る演出を表示中か否かに依存して決定してもよい。例えば、図柄変動に係る演出を表示中の場合、当該演出の表示を、相対的に目立つ態様・注目されやすい態様(例えば広い領域に、目立つ色彩等)で継続させてもよい。その一方、時計同調演出の表示を、相対的に目立たない態様・注目されにくい態様(例えば狭い領域に、目立たない色彩等)で開始してもよい。
具体的には、演出決定手段303は、同調時刻において装飾図柄61の変動演出を第1画面561(もしくは第1画面561および第2画面562)に表示中であれば、第2画面562Lまたは第2画面562Rにおいて縮小した態様での準備演出の表示開始を決定する。演出表示制御手段305は、第1画面561(もしくは第1画面561および第2画面562)における通常態様での装飾図柄61の変動演出表示(および図柄変動に伴う予告演出)を継続させつつ、第2画面562Lまたは第2画面562Rにおいて縮小態様での準備演出の表示を開始する。
この場合、同調演出期間に装飾図柄61の変動演出が一旦終了すると、上記実施例と同様に、準備演出および本演出を相対的に大きいサイズで第1画面561に表示させるよう切り替える。それとともに、装飾図柄61の変動演出(および図柄変動に伴う予告演出)を相対的に小さいサイズで第2画面562Lまたは第2画面562Rに表示させるよう切り替える。
なお、同調演出期間の終了時点において装飾図柄61が変動演出中であれば、その変動演出の表示態様を維持しつつ、本演出の表示(例えばエンディングの表示等)も継続してもよい。そして装飾図柄61の変動演出が一旦終了したことを契機として、本演出の表示を終了させるとともに、装飾図柄の変動演出表示位置を第1画面561(もしくは第1画面561および第2画面562)に戻してもよい。
同調演出期間付近における特殊予告の表示制御は上記実施例と同様であり、すなわち、図柄変動における特殊予告の発生タイミングが同調演出期間内か否かに基づいて、特殊予告の表示決定基準を切り替える。ただし、上記のように本演出の終了と図柄変動の終了を同期させる場合、図柄変動の開始タイミングが同調演出期間内であれば、特殊予告の表示タイミングも同調演出期間内になるため、特殊予告の表示タイミングが同調演出期間内か否かの判定をスキップして、常に第2予告種類テーブルを選択してもよい。第1変形例の構成でも上記実施例と同様の効果を奏し、すなわち、時計同調演出の実行期間内に特殊予告が表示されると大当り確定という遊技性を維持しつつ、時計同調演出の実行期間付近における特殊予告の表示機会を拡充することができる。
図32は、第1変形例での時計同調演出表示の過程を示すフローチャートである。本図は図30に対応し、図30に関連して説明済の内容は適宜省略する。
同調演出期間の開始タイミングに未達であれば(S1020のN)、S1022以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。演出決定手段303は、同調演出期間の開始タイミングに至ったことを検出し(S1020のY)、その時点で装飾図柄61の変動演出が通常態様で表示中であれば(S1022のY)、その変動演出の表示態様を維持しつつ、準備演出を通常より縮小した態様で表示させる(S1024)。装飾図柄61の変動演出が通常態様で表示中でなければ(S1022のN)、演出決定手段303は、装飾図柄61の変動表示を縮小態様とするよう制御するとともに、準備演出を通常態様で表示させるよう制御する(S1026)。
予め定められた準備演出の表示期間が未経過であれば(S1028のN)、S1022に戻り、準備演出の表示を継続する。演出決定手段303は、準備演出の表示期間が終了し(S1028のY)、その時点で装飾図柄61の変動演出が通常態様で表示中であれば(S1030のY)、その変動演出の表示態様を維持しつつ、本演出を通常より縮小した態様で表示させる(S1032)。装飾図柄61の変動演出が通常態様で表示中でなければ(S1030のN)、演出決定手段303は、装飾図柄61の変動表示を縮小態様とするよう制御するとともに、本演出を通常態様で表示させるよう制御する(S1034)。なお、上記のS1022のNおよびS1030のNは、変動演出が縮小態様で表示中、または、変動演出が未実行である場合に充足される。
同調演出期間の終了タイミングに未達であれば(S1036のN)、S1030に戻り、本演出の表示を継続する。演出決定手段303は、同調演出期間の終了タイミングに至り(S1036のY)、その時点で装飾図柄61の変動演出が表示中であれば(S1038のY)、その変動演出の表示態様を維持しつつ、本演出の表示(例えば一斉演出のエンディング表示)を継続させる。演出決定手段303は、装飾図柄61の変動演出が一旦終了したことを契機に(S1038のN)、本演出を終了させ(S1040)、以降の装飾図柄61の変動演出を通常態様で表示させるよう制御する(S1042)。
第2変形例を説明する。
演出決定手段303は、特殊予告の表示決定基準として第1予告種類テーブル、第2予告種類テーブルのいずれとも異なる第3予告種類テーブルをさらに保持してもよい。第3予告種類テーブルは、特殊予告禁止テーブルとも言え、当否判定結果が大当りか外れかに関わらず、特殊予告の選択確率を0%に定める。特殊予告以外の予告演出については0%より大きい選択確率を定めてよいことはもちろんである。
本変形例の演出決定手段303は、図柄変動開始時に、装飾図柄61の変動演出パターンに基づき特殊予告発生可能タイミング(Ta)を識別し、Taが同調演出期間外か、準備演出表示期間内か、本演出期間内かを識別する。例えば、図柄変動開始時である現時点からTaまでの時間が、現時点から同調演出期間開始時点までの時間未満であれば、Taが同調演出期間外と判定してもよい。また、現時点からTaまでの時間が、現時点から同調演出期間開始時点までの時間以上であり、かつ、現時点から(同調演出期間開始時点までの時間+準備演出表示時間)以下であれば、Taが準備演出表示期間内であると判定してもよい。また、現時点からTaまでの時間が、現時点から(同調演出期間開始時点までの時間+準備演出表示時間)より大きければ、Taが本演出表示期間内であると判定してもよい。
演出決定手段303は、Taが本演出表示期間内であれば、特殊予告表示決定基準として第2予告種類テーブルを選択する。その一方、Taが準備演出表示期間内であれば第3予告種類テーブルを選択する。これにより、図柄変動の停止時に示す当否判定結果に関わらず準備演出表示期間中における特殊予告の表示を抑制できる。なお実施例と同様に、Taが複数存在すれば、Ta毎に準備演出期間中かの判定と、特殊予告表示決定基準の選択を実行する。以降の変形例でも同様である。
第3変形例を説明する。
上記実施例では、本演出期間と同様に準備演出表示期間についても、特殊予告が表示されれば大当り発生が確定することとした。変形例として、本演出表示期間中に特殊予告が表示されると大当り発生が確定する一方、準備演出表示期間中に特殊予告が表示されても大当り発生は確定しない構成としてもよい。言い換えれば、準備演出表示状態を通常演出表示状態と同じ扱いとし、外れであっても特殊予告が表示され得る構成としてもよい。演出決定手段303は、Taが本演出表示期間内であれば、特殊予告表示決定基準として第2予告種類テーブルを選択し、Taが準備演出表示期間内であれば第1予告種類テーブルを選択してもよい。言い換えれば、Taが本演出表示期間外であれば、準備演出表示期間内か否かに関わらず第1予告種類テーブルを選択してもよい。
第4変形例を説明する。
本変形例では、装飾図柄61の複数の変動演出パターン(第1特別図柄51または第2特別図柄52の複数の変動パターンとしてもよい)について、図柄変動開始タイミング(Tc)から特殊予告発生可能タイミング(Ta)までが共通の一定時間に予め定められる。この一定時間を「特殊予告発生所要時間」と呼ぶ。さらに特殊予告発生所要時間は、準備演出表示期間よりも短い時間(例えば40秒)に定められる。演出決定手段303は、図柄変動開始時に、特殊予告発生所要時間と、現時点から同調演出期間開始時点までの時間とを比較し、前者の方が長ければ、Taが準備演出表示期間内であると判定する。
図33は、同調演出期間の近傍で実行される図柄変動のパターンを示す。パターン7では、Tcにおいて(図柄変動開始タイミングから特殊予告発生可能タイミングまでの時間<図柄変動開始タイミングから同調演出期間開始タイミングまでの時間)となるため、Taが同調演出期間外と判定し、第1予告種類テーブルを選択する。パターン8では、Tcにおいて(図柄変動開始タイミングから特殊予告発生可能タイミングまでの時間>図柄変動開始タイミングから同調演出期間開始タイミングまでの時間)となるため、Taが準備演出表示期間内と判定する。この場合、実施例に記載したように第2予告種類テーブルを選択してもよく、第2実施例に記載したように第3予告種類テーブルを選択してもよい。なおパターン9、10については、実施例と同様の方法でTaが同調演出期間内と識別し、第2予告種類テーブルを選択してもよい。
本変形例の構成によると、通常演出表示状態〜準備演出表示状態〜本演出表示状態の3区間に跨って、特殊予告発生所要時間(Tc〜Ta、すなわち図柄変動開始タイミングから特殊予告発生可能タイミングまでの時間)が継続することがなく、Taが存在する区間の識別が容易になる。例えば、通常演出表示状態で図柄変動が開始される場合に、Taが通常演出表示状態か、準備演出表示状態かを簡単な比較処理で判別できる。これにより、特殊予告発生可能タイミング(Ta)が準備演出表示期間内か否かの判定が必要な場合に、その判定処理の実装を容易化できる。第4変形例の構成は、上記第2変形例や第3変形例との組み合わせにも好適である。
第5変形例を説明する。
本変形例では、装飾図柄61のリーチ成立〜特殊予告発生までの時間の長さに基づいて特殊予告表示決定基準を選択する。図34は、同調演出期間近傍で実行される図柄変動のパターンを示す。本変形例では、装飾図柄61の複数の変動演出パターン(第1特別図柄51または第2特別図柄52の複数の変動パターンとしてもよい)について、リーチ成立タイミング(Td)から特殊予告発生可能タイミング(Ta)までが共通の一定時間に予め定められる。この一定時間を「特殊予告発生所要時間」と呼ぶ。なおTdは、装飾図柄61のテンパイタイミングとも言える。
本変形例の演出決定手段303は、図柄変動開始時点では、特殊予告表示有無を決定しない。なお、リーチ成立前までの図柄変動演出では、特殊予告の選択確率が0の予告種類テーブルを参照して、特殊予告以外の予告演出を表示させてもよい。演出決定手段303は、通常演出表示状態中に装飾図柄61のリーチが成立した場合に、その事実を検出する。例えば、演出決定手段303は、計時手段307が出力する時間情報に基づいて図柄変動開始からの経過時間を測定してもよい。そして、図柄変動開始からの経過時間が、図柄変動開始時に選択した装飾図柄61の変動演出パターンで定められたリーチ成立タイミングに達した場合に、リーチが成立したと判定してもよい。
演出決定手段303は、通常演出表示状態において装飾図柄61のリーチが成立した場合に、特殊予告発生所要時間と、現時点(Td)から同調演出期間開始時点までの時間とを比較する。図34のパターン11のように、同調演出期間開始時点までの時間の方が長ければ(すなわちリーチ成立タイミングから特殊予告発生可能タイミングまでの時間<リーチ成立タイミングから同調演出期間開始タイミングまでの時間であれば)、演出決定手段303は、特殊予告表示決定基準として第1予告種類テーブルを選択する。Taが同調演出期間前になるからである。その一方、パターン12のように、特殊予告発生所要時間が同調演出期間開始時点までの時間以上であれば(すなわちリーチ成立タイミングから特殊予告発生可能タイミングまでの時間≧リーチ成立タイミングから同調演出期間開始タイミングまでの時間であれば)、演出決定手段303は第2予告種類テーブルを選択する。Taが同調演出期間内になるからである。
本変形例の構成によると、上記実施例が奏する効果に加えて以下の効果を奏する。すなわち、図柄変動開始時点で特殊予告の表示有無を決定することが不要になり、様々な抽選処理や計算処理を実行すべき図柄変動開始時の処理量を低減できる。また、先読み処理を実行する場合には、先読みの結果によって特殊予告の表示可否が決まる場合がある。例えば、先読みの結果に応じて特定の演出を表示させる場合に、その演出との整合性によって予め表示を決定していた特殊予告の表示を抑制すべき場合がある。本変形例のように特殊予告表示有無の決定タイミングを遅らせることで、特殊予告表示有無の決定結果が無駄になってしまうことを回避しやすくなる。なお、第5変形例を、準備演出表示期間中に特殊予告の表示を抑制する第2変形例と組み合わせてもよいことはもちろんである。
第6変形例を説明する。
上記実施例では言及していないが、第1予告種類テーブルおよび第2予告種類テーブルの個数に制限はない。例えば、第1予告種類テーブルと第2予告種類テーブルのそれぞれについて、当否判定結果が大当り時に参照すべき大当り用テーブルと、外れ時に参照すべき外れ用テーブルを設けてもよい。また、予告演出の種類毎、予告演出の予め定められたグループ毎にテーブルを設けてもよい。また、特殊予告の表示決定に関する専用のテーブルを設けてもよい。
第7変形例を説明する。
上記実施例では、時計同調演出の開始タイミングを電源投入後1時間、6時間、11時間としたが、異なるタイミングでもよい。例えば、1)電源投入後、第1の時間(例えば60分)が経過するたびに時計同調演出を開始してもよい。2)第2の時間(例えば30分)を設け、電源投入後、第1の時間経過時に開始、さらに第2の時間経過時に開始、さらに第1の時間経過時に開始、さらに第2の時間経過時に開始・・・と交互に繰り返してもよい。3)所定タイミングで決定した第3の時間(不定期)が経過するたびに時計同調演出を開始してもよい。例えば、電源投入時、電源投入後に所定時間経過時、時計同調演出終了時等の予め定められたタイミングで、次回の時計同調演出の開始タイミングを抽選等により決定してもよい。また、時計同調演出の開始時に準備演出を実行せず、本演出を表示させてもよく、特に3)の場合、遊技者に一層の意外感を抱かせるために好適である。
第8変形例を説明する。
上記実施例の時計同調演出とは異なる時間軸の演出であり、言い換えれば、時計同調演出の周期(以下「第1周期」と呼ぶ。)とは異なる周期(以下「第2周期」と呼ぶ。)で繰り返し実行すべき演出(以下「第2時計同調演出」と呼ぶ。)を表示させてもよい。例えば、上記実施例の時計同調演出は電源投入後、1時間、6時間、11時間経過後に表示することとしたが、第2時計同調演出は、日や週の単位(周期)で内容が更新され、また変更され、展開されていく演出であってもよい。第2時計同調演出は、特定の日付や特定の曜日、また特定の週の特定の曜日になった場合に表示されるものであってもよく、1日の予め定められた時刻に表示されるものであってもよい。演出決定手段303は、内部電源を用いた常時計時手段(リアルタイムクロック)としての計時手段307から出力された時間情報にもとづいて、当日の第2時計同調演出の表示有無や表示タイミング、演出内容を決定してもよい。
一部既述したように、演出決定手段303は、第2時計同調演出として、その実行のたびに徐々に進展する内容の予告演出を表示させてもよい。この場合、第2時計同調演出は、表示内容が徐々に解禁されていく解禁演出とも言える。例えば、画面表示されるキャラクタが徐々に増加していく映像を表示する演出であってもよく、アニメ等の予め定められた一連のストーリーが徐々に進展していく映像を表示する演出であってもよい。
第9変形例を説明する。
上記実施例の特殊予告は、同調演出期間の内外いずれでも発生しうる予告演出としたが、実施例の特殊予告に代えて、または実施例の特殊予告とともに、同調演出期間内にのみ発生しうる予告演出(以下「限定特殊予告」とも呼ぶ。)を設けてもよい。この場合、第1予告種類テーブルでは限定特殊予告の選択確率を0%に設定し、第2予告種類テーブルでは限定特殊予告の選択確率を0%より大きい値(例えば5%)に設定する。なお、限定特殊予告は、実施例の特殊予告と同様に、同調演出期間で表示されることで大当り発生を確定的に報知する予告演出であってもよい。
実施例の特殊予告と同様に、装飾図柄61の各変動演出パターンには限定特殊予告の発生可能タイミングが対応付けられる。演出決定手段303は、装飾図柄61の変動演出パターンにしたがって限定特殊予告の発生可能タイミングを識別し、そのタイミングが同調演出期間内か否かを判定する。演出決定手段303は、限定特殊予告の発生可能タイミングが同調演出期間外であれば、限定特殊予告の表示決定基準として第1予告種類テーブルを選択する。その一方、限定特殊予告の発生可能タイミングが同調演出期間内であれば第2予告種類テーブルを選択する。
これにより、図28で示すように、図柄変動開始が通常演出表示状態の場合に、限定特殊予告の発生可能タイミングが通常演出表示状態中(パターン2のTa−1)であれば限定特殊予告の表示を抑制する。また、限定特殊予告の発生可能タイミングが同調演出期間内(パターン2のTa−2)であれば限定特殊予告の表示を可能にする。また図29で示すように、図柄変動開始が同調演出期間内の場合に、限定特殊予告の発生可能タイミングが通常演出表示状態中(パターン5のTa−1)であれば限定特殊予告の表示を抑制する。また、限定特殊予告の発生可能タイミングが同調演出期間内(パターン6のTa−1)であれば限定特殊予告の表示を可能にする。
第10変形例を説明する。
演出決定手段303は、時計同調演出として、原則は他の遊技機と共通の演出(例えば同じアーティストや同じ楽曲の演出)を表示させるが、所定の条件が充足された場合に、その共通演出の一部を差替えた遊技機個別の演出を表示させてもよい。共通演出を差替えた部分を「個別演出」と呼ぶこととする。個別演出は、世界観やモチーフ、背景、キャラクタ等、主要な部分は共通演出と同一でありつつ、表示内容の一部を変更したものでもよい。例えば、1つのオブジェクト(キャラクタの持ち物等の各種アイテム)の形状や色彩を変更したものであってもよい。また、共通演出には出現しないオブジェクト(キャラクタやアイテム等)を追加したものであってもよい。個別演出は、通常の時計同調演出とは異なる感じを遊技者に抱かせる演出という意味で違和感演出とも言える。
同調演出期間における個別演出の実行条件は、少なくとも一部が同調演出期間に実行される図柄変動に係る当否判定結果が所定の結果になったことであってもよい。例えば、遊技者にとって有利な当否判定結果、典型的には大当りになったことでもよい。また、大当りの中でも特に遊技者に有利な大当り、例えば確変および/または入球容易状態への移行を伴う大当りになったことでもよい。また、通常遊技中であるが内部的には確変状態であること(いわゆる潜伏確変状態)を条件にしてもよい。
またサブ基板300は遊技機固有の個別情報であり、遊技機毎に異なる固有情報を保持してもよい。演出決定手段303は、その個別情報に基づいて当該遊技機に対応する個別演出を表示させてもよい。例えば、個別演出として、共通演出にも表示されるアイテムの色を変更する場合、個別情報に基づいて各遊技機で異なる色に変更してもよい。また、個別情報に基づいた周期で個別演出を表示させてもよく、この場合、遊技機毎に個別演出の実行周期が異なってもよい。また、個別情報を保持する場合は、その個別情報に基づいた周期で時計同調演出を表示させてもよく、この場合、遊技機毎に時計同調演出の実行周期が異なってもよい。
第11変形例を説明する。
演出決定手段303は、同調演出期間中の図柄変動に伴う装飾図柄61の変動演出および予告演出として、同調演出期間外の装飾図柄61の変動演出および予告演出とは傾向が異なる変動演出および予告演出を表示させてもよい。傾向が異なるとは、特定の変動演出や特定の予告演出の表示頻度が異なることでもよい。そのために、演出決定手段303は、同調演出期間外(すなわち通常演出表示状態)用のパターンテーブルと予告決定テーブル、予告種類テーブルを保持し、これらとは別に、同調演出期間内(すなわち準備演出表示状態および本演出表示状態)用のパターンテーブルと予告決定テーブル、予告種類テーブルをさらに保持してもよい。同調演出期間外用のテーブルと、同調演出期間内用のテーブルとでは、選択候補の選択確率が異なるよう設定されてよい。また、それぞれのテーブルには、内容が異なる選択候補が設定されてもよい。例えば、変動態様が異なる変動演出パターンや、異なる予告内容を表示する予告演出パターンが設定されてもよい。
第12変形例を説明する。
本変形例は、上記実施例および変形例の各基本構成を原則として含むものとし、これら基本構成と相違する特徴を中心に以下説明する。本変形例における時計同調演出は、通常遊技中も特別遊技中も実行され得るものであり、特に通常遊技中に実行される時計同調演出と特別遊技中に実行される時計同調演出とでは示唆する利益が異なり得る。また、時計同調演出の種類は多岐にわたり、実行契機の違いによって実行される時計同調演出の種類および内容も異なる。
本変形例の時計同調演出には複数台同期演出と個別展開演出とがあり、それぞれ異なる契機で実行される。以下、メイン演出表示装置60aは、実施例の第1画面561に対応し、サブ演出表示装置60bは、実施例の第2画面562に対応する。
複数台同期演出における本演出は、複数台で一斉に同じ映像や楽曲または音声を同時並行的に出力する演出であり、スピーカ108で出力する音声のみによって演出内容を表現する音声演出、メイン演出表示装置60aに表示させるメイン演出、サブ演出表示装置60bに表示させるサブ演出を含む。この本演出は、音声演出、メイン演出、サブ演出の順で実行される一連の演出として構成される。
音声演出は、例えば後続の演出内容を説明するアナウンス音声のみで表現する内容や、メイン演出表示装置60a、サブ演出表示装置60bへの画像表示を伴わずに楽曲再生のみで表現する内容で構成される。音声演出が実行される場合、メイン演出表示装置60aやサブ演出表示装置60bで表示される演出に伴う音声に優先して音声演出としての音声がスピーカ108から出力される。音声演出を優先する手法として、他の演出の音声、例えば通常の予告演出で出力される音声の音量を小さくするなどの制御によって音声演出を聞き取りやすくする。メイン演出は、音声演出の終了後に実行され、例えばメイン演出表示装置60aに表示させる楽曲演奏場面や歌唱場面の映像およびスピーカ108で出力する楽曲等の音声で構成される。メイン演出表示装置60aでメイン演出が表示される間、サブ演出表示装置60bでは各遊技台の個別の遊技状況に応じて装飾図柄61が変動表示中の遊技台と変動停止中の遊技台が混在する。メイン演出においては、サブ演出表示装置60bで表示される演出に伴う音声に優先してメイン演出としての音声がスピーカ108から出力される。サブ演出は、例えばメイン演出の終了後の締めくくりとしてサブ演出表示装置60bに表示させる内容であって、メイン演出が終了したことや次の機会に実行される複数台同期演出の内容を説明する内容である。サブ演出の間はすでに装飾図柄61の変動表示はサブ演出表示装置60bでの表示からメイン演出表示装置60aでの表示に戻されている。サブ演出においても、サブ演出に伴う音声に優先してメイン演出表示装置60aで表示される演出に伴う音声がスピーカ108から出力されるが、変形例としてはサブ演出としての音声を優先的にスピーカ108から出力させてもよい。
メイン演出として表示する映像や出力する楽曲の候補は複数種類が用意されるが、そのうち演出決定手段303が選択できる候補の対象は一部の種類に限定されてもよい。その場合、選択できる対象を定期的に拡大するために、例えば解禁条件として「1週間」といった期間を設定しておき、その経過期間が過ぎるたびに選択できる対象に1種類ずつ追加してもよい。あるいは、第1の解禁条件としての経過期間が過ぎるまで第1の楽曲のみが選択でき、第1の解禁条件としての経過期間が過ぎたときに第1の楽曲と異なる第2の楽曲のみが選択できるように切り替えることとしてもよい。さらに第2の解禁条件としての経過期間が過ぎたときに第1の楽曲と第2の楽曲の双方とも選択できるように切り替えることとしてもよい。ただし、メイン演出のみにこの解禁条件が適用されるとともに、音声演出およびサブ演出は日ごとに別の演出に切り替えられることとしてもよい。
[個別展開演出]
個別展開演出は、複数種類の演出内容のうち同じ種類の演出内容を複数の遊技台で並行して表示しつつ遊技台ごとに異なる演出過程が表示され得る演出である。また、複数台同期演出として用意される複数種類の第1演出のいずれとも演出内容が異なる複数種類の第2演出を複数の遊技台で並行して表示しつつ遊技台ごとに異なる演出過程が表示され得る演出である。例えば、第2演出として複数種類のミニゲームが用意され、隣接して設置された複数の遊技台で同じ種類のミニゲーム演出が個別展開演出の期間において実行される。その一方、ミニゲームによって得られる演出表示の結果(例えば勝敗や得点)が遊技台によって異なる。ミニゲームとしては、例えばスポーツやレースなどの競技を模した演出や、くじ引き、クイズ、カード遊びなどのゲームを模した演出などがある。個別展開演出の種類には、演出ボタン109や十字キー110の押下といった、遊技者によるボタン操作を伴う演出種類とボタン操作を伴わない演出種類とがあってもよく、ボタン操作を伴う演出にも操作頻度が異なる複数の演出種類があってもよい。ボタン操作を伴う個別展開演出を実行する場合、その間に並行して選択され得る予告演出としては、ボタン操作を伴う予告演出の選択を回避するか、ボタン操作を伴わない予告演出の出現率を個別展開演出の非実行時と比べて高めておくことが好ましい。また、ボタン操作を伴わない個別展開演出の場合、付与する得点の大きさを決定するにあたって遊技者の操作が関与しない代わりに、後述する遊技台識別情報に基づいて付与する得点を決定する仕様としてもよい。また、後述する演出カスタマイズの内容に応じて個別展開演出の内容を決定してもよい。
個別展開演出は、その導入部分として表示される準備演出と、準備演出の後に主要部分として表示される本演出と、で構成される。現在時刻が所定の第2の時刻となったことを契機とする所定タイミングにて個別展開演出の準備演出を開始し、その準備演出の終了に続いて個別展開演出の本演出を開始する。したがって、個別展開演出における準備演出と本演出は互いに演出実行期間が重複せず、また複数台同期演出と個別展開演出もまた互いに演出実行期間が重複しない。例えば、個別展開演出として複数種類のミニゲームのうちいずれかが実行されるが、実行のたびに前回とは異なる種類のミニゲームが実行される。なお、変形例として個別展開演出における準備演出の最後と本演出の冒頭が部分的に重複するように構成してもよい。第2の時刻は、例えば毎正時半(毎正時の30分後)であってもよいし、毎正時半から準備演出の所要時間を遡った時刻でもよく、少なくとも上記の第1の時刻とは異なる時刻である。
個別展開演出における準備演出は、台間移動演出として表示される。台間移動演出は、遊技台ごとに設定された演出順序に応じたタイミングで演出の少なくとも一部を実行することにより、所定の移動演出オブジェクトが複数の遊技台の演出表示装置60をその演出順序にしたがって移動するように見せる演出である。移動演出オブジェクトは、隣接する複数の遊技台の演出表示装置60の画面にまたがる大きさの演出オブジェクトであって同時に2台以上の演出表示装置60の画面に表示されるタイミングもあり、画面水平方向にて右から左または左から右の方向へ流れるように表示される。例えば、移動演出オブジェクトとして「バトル開始」の文字列が右の遊技台である第1のぱちんこ遊技機から左の遊技台である第4のぱちんこ遊技機に向けて水平方向に移動する。なお、移動演出オブジェクトは、例えば人物や動物などの特定のキャラクタや特定の図形を象った絵柄で構成される一つのオブジェクトまたは複数のオブジェクトの集合であってもよく、また、移動演出オブジェクトは複数の遊技台にまたがるほどの大きさでなくともよい。
個別展開演出における本演出は、遊技台ごとに演出過程を経て表示された結果に応じて演出上の利益を遊技者に付与するミニゲームの演出である。ここでいう演出上の利益は、入賞口への入賞に応じて付与される賞球、大当り、確変、時短といった、遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益である。例えば、ミニゲームの結果としてゲームの得点を遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
[台間移動演出の設定]
本変形例のサブ基板300は、演出設定手段508を含む。演出設定手段508は、台間移動演出における当該遊技台の演出順序およびその移動範囲を特定するための識別情報を保持する。電源投入時に遊技店員により演出ボタン109または十字キー110などの操作入力手段を用いた特定の操作がなされた場合に、演出設定手段508は台間移動演出の設定画面を演出表示装置60に表示させ、遊技店員による識別情報の入力を受け付ける。設定画面では、台間移動演出における当該遊技台の演出順序が何番目であるかを示す遊技台識別情報の入力を受け付ける。遊技台識別情報は、遊技島における遊技台の位置を示すいわば位置情報として用いられる。例えば、遊技島の片側にある一列において当該遊技台が端から3番目に設置されている場合、番号「3」を示す遊技台識別情報を遊技店員が入力できる。このように遊技台ごとに端から番号「1」「2」「3」のように順番に遊技台識別情報を入力することで、その遊技台識別情報に示される番号の順序で移動演出オブジェクトが表示される。なお、操作入力手段の変形例として、ぱちんこ遊技機100の背面側に設けるディップスイッチを用いて演出順序や移動範囲等の設定を可能としてもよい。
設定画面では、さらに台間移動演出における移動演出オブジェクトの移動範囲、すなわち演出順序の範囲ないし演出が実行される遊技台の範囲となる遊技台の数を示す移動範囲識別情報の入力を受け付ける。例えば、一つの列に設置された複数の遊技台の数でもよいし、通路を挟んで対面する二つの列に設置された複数の遊技台の数でもよい。移動範囲識別情報は、その移動範囲内にあるすべての遊技台についても共通の値としてそれぞれの遊技台に設定しておく。対面する二つの列に設置された複数の遊技台を移動範囲とする場合、その移動範囲を周回するように移動演出オブジェクトを移動させる演出としてもよく、複数周にわたってその移動範囲を周回させてもよい。例えば、一つの列に設置された4台の遊技台に対して右端から順に遊技台識別情報が「1」「2」「3」「4」と設定されている場合を想定する。この場合、これらの遊技台に共通の移動範囲識別情報として「4」と設定することにより、右から左へ4台分にわたって台間移動演出を実行した後、再び遊技台識別情報「1」の遊技台から台間移動演出が再開される、といった移動を実現できる。変形例では、移動範囲の設定が不要となる仕様として、移動範囲を示す上限値があらかじめ定められていてもよい。このように遊技台識別情報と移動範囲識別情報により、台間移動演出のトータルの演出時間や演出終期としての演出順序の上限値などが定まる。また、設定画面では、台間移動演出の始点や終点となる遊技台の番号の入力を受け付けてもよいし、移動演出オブジェクトの移動方向を示す値の入力を受け付けてもよい。台間移動演出の始点や終点は日時に応じて変更されるように設定してもよい。さらに、台間移動演出における移動演出オブジェクトの周回数や、移動方向の反転の有無の入力を受け付けてもよい。
演出決定手段303は、あらかじめ登録された遊技台識別情報および移動範囲識別情報等の設定に基づいて台間移動演出の演出順序およびその移動範囲を特定するとともに、その特定した演出順序に応じたタイミングで台間移動演出の少なくとも一部を実行する決定をする。すなわち、移動演出オブジェクトが移動する演出を複数の隣接した遊技台において順番に実行する場合、遊技台ごとにその実行タイミングが異なることとなる。したがって、台間移動演出の一部を構成する移動演出オブジェクトの移動場面を遊技台ごとにそれぞれの演出順序に基づいて定められるタイミングにて表示する。例えば、複数の遊技台をまたがるように移動演出オブジェクトが所定の一定速度で横切るものと仮定する。その上で、ある遊技台において画面右端より移動演出オブジェクトが移動開始して隣の遊技台の画面右端に差し掛かるまでa秒を要する場合、遊技台ごとの移動演出オブジェクトの移動表示開始タイミングは、台間移動演出を開始する時刻bにa秒×(演出順序−1)を足した時刻となる。なお、台間移動演出の実行中において保留された抽選値のいずれかが大当りに該当することが事前判定で判明した場合、台間移動演出の実行状況に応じて定まる所定タイミングで、後述する特殊時計同調演出に切り替えてもよい。逆に、大当りに該当する抽選値に対応する図柄変動の表示中または保留された抽選値のいずれかが大当りに該当することが事前判定で判明している状況下で台間移動演出を実行する契機となった場合、その遊技台における台間移動演出の部分的な演出実行タイミングにて後述する特殊時計同調演出を実行する。
[特殊時計同調演出]
演出決定手段303は、所定の遊技上の利益付与が予定されている状況下では、その遊技上の利益付与が予定されていない状況下でなされる通常の時計同調演出の演出内容とは部分的に外観上の差異がある特殊時計同調演出を時計同調演出として表示させる決定をすることができる。本変形例における特殊時計同調演出は第1基本構成において説明した特殊時計同調演出とおおむね同様であるが、本変形例では通常遊技中に大当りが保留されているなどの遊技上の利益付与が予定されている状況下だけでなく、特別遊技中に遊技上の利益付与が予定されている状況下にも実行される。すなわち、時計同調演出は遊技状態にかかわらず実行でき、通常遊技中に特殊時計同調演出を実行する場合に遊技者に示唆する利益種別と特別遊技中に特殊時計同調演出を実行する場合に遊技者に示唆する利益種別とが異なり得るよう構成される。例えば、特別遊技中において、保留抽選値のいずれかが大当りに該当していわゆる連チャンが確定している状況、第2〜4基本構成のように現在の特別遊技の単位遊技数が事後的に増加したように見せる報知の実行が決定されている状況、特別遊技後の遊技状態が確変状態へ事後的に昇格する旨の報知の実行が決定されている状況などである。ここで、通常遊技中に特殊時計同調演出を実行するのは、表示中の図柄変動に係る抽選値が大当りを示す場合、または、現在保留中の抽選値の中に大当りを示すものが含まれている場合である。したがって、これらの特殊時計同調演出は、大当りとなって特別遊技への移行が予定されていることを示唆ないし報知する役割を持つ。特別遊技中に実行する特殊時計同調演出は、遊技機の機種によって以下の(1)〜(4)のような役割を果たす。(1)確変の機能を搭載する機種であって特別遊技への移行前に確変有無の確定的な報知をしない機種の場合、特別遊技中に実行する特殊時計同調演出は、確変無しから確変有りへ昇格したかのごとく演出する確変昇格演出のようにその大当りが確変を伴うことを確定的に報知する役割を持つ。(2)時短の機能を搭載する機種であって特別遊技への移行前に時短有無の確定的な報知をしない機種の場合、時短付与演出としてその大当りが時短を伴うことを確定的に報知する役割を持つ。(3)第4基本構成にいう継続演出(いわゆるラウンドアップボーナスとも呼ばれる)の機能を搭載する機種の場合、所定ラウンドの単位遊技中に実行される特殊時計同調演出は、それ以降における継続演出の成功を確定的に報知する役割を持つ。(4)実行中の特別遊技の終了後に図柄変動予定の保留抽選値(特別遊技開始時点で保留されていた抽選値および特別遊技中に保留された抽選値)に大当りを示す抽選値が含まれていて再度の大当りが確定している状況の場合、特別遊技中に実行される特殊時計同調演出は、再度の大当り発生を確定的に報知する役割を持つ。この場合、実行中の特定遊技を含めて少なくとも2回分の特別遊技が実行されることを確定的に報知するともいえる。なお、第4基本構成にいう「継続演出の表示を伴わない通常特別遊技」における時計同調演出は、演出表示装置60の画面隅に縮小表示されたりサブ演出表示装置60bで表示されたりするのではなく、メイン演出表示装置60aで優先的に表示される。一方、第4基本構成にいう「継続演出の表示を伴う特殊特別遊技」における時計同調演出では、逆に、メイン演出表示装置60aでの優先的な演出ではなく、画面隅に縮小表示されたりサブ演出表示装置60bで表示されたり、あるいは表示そのものが省略されたりする、優先度の低い演出とされる。これは、継続演出や継続演出での成功を示唆する演出において期待感を煽る演出の実効性を高めることが好ましいためである。
演出決定手段303は、特殊時計同調演出を表示させる決定をした場合、その特殊時計同調演出として、個別展開演出であるミニゲームにおいて付与される演出上の利益が通常において付与される演出上の利益の範囲を超える変更を加えた演出を表示させる決定をする。例えば、通常の時計同調演出としてのミニゲームの結果では0〜99点の2桁範囲でしか得点を付与しないところ、特殊時計同調演出としてのミニゲームの結果では100点以上という3桁範囲の高得点を付与するように変化させることにより、演出内容において部分的に外観上の差異が生じるようにする。
その他の部分的な外観上の差異としては、例えば時計同調演出としてカウントダウンを表示する場合にそのカウントダウンを途中で停止することにより外観上の差異を生む特殊時計同調演出としてもよい。また例えば、時計同調演出として台間移動演出を実行する場合にその移動演出オブジェクトをその遊技台の画面では停止表示させることにより外観上の差異を生む特殊時計同調演出としてもよい。
本明細書または特許請求の範囲において、「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウエア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウエア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
これに関連し、実施例に記載の第1予告種類テーブルと第2予告種類テーブルは、単一のテーブルとして構成されてもよく、例えば、第1予告種類テーブルのデータと第2予告種類テーブルのデータの両方が1つのテーブルに格納されてもよい。演出決定手段303は、特殊予告の表示有無を決定する場合に、特殊予告の発生可能タイミングに応じて、1つのテーブル内で参照するデータを切り替えてもよい。すなわち、請求項に記載の第1の基準と第2の基準は、複数のテーブルにより実現されてもよく、1つのテーブルにより実現されてもよい。また、特殊予告の発生可能タイミングに応じて、第1の基準に対応する特殊予告表示有無の決定アルゴリズム、または、第2の基準に対応する特殊予告表示有無の決定アルゴリズムを選択する等のプログラム構造で実現されてもよい。
演出表示装置は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。
演出表示装置は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、遊技盤上の7セグメントLEDにて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
60 演出表示装置、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 221 第1当否判定手段、 222 第2当否判定手段、 231 第1変動パターン決定手段、 232 第2変動パターン決定手段、 260 特別遊技制御手段、 303 演出決定手段、 305 演出表示制御手段、 307 計時手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
    前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいた当否判定を実行する当否判定手段と、
    前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
    前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンから前記当否判定の結果に応じていずれかを選択する変動パターン決定手段と、
    演出的な内容が表示される演出表示装置と、
    前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
    前記演出決定手段により決定された前記演出的な内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
    時間情報を出力する時計手段と、
    を備え、
    前記演出決定手段は、前記時計手段により出力された時間情報が所定の内容となったことを契機とする所定タイミングに開始する時計同調演出を前記演出表示装置に表示させる決定をし、図柄変動中か否かに関わらず前記時計同調演出の表示を開始させ、
    前記演出決定手段は、図柄変動に係る演出として大当り発生の期待度が高いことを示す予告であって前記時計同調演出の表示期間においては大当り発生を確定的に報知する予告である特殊予告を表示させるか否かを所定の基準に応じて決定し、
    前記所定の基準は、前記当否判定の結果が外れの場合も前記特殊予告を表示させる決定をし得る第1の基準と、前記当否判定の結果が外れの場合は前記特殊予告を表示させる決定をし得ない第2の基準を含み、
    前記演出決定手段は、前記時計同調演出の表示期間の開始前に変動開始した図柄変動に係る演出として前記特殊予告の表示タイミングが前記時計同調演出の表示期間内である場合は、前記特殊予告の表示決定基準として前記第2の基準を用いて前記特殊予告の表示有無を決定し、前記時計同調演出の表示期間の開始前に変動開始した図柄変動に係る演出としての前記特殊予告の表示タイミングが前記時計同調演出の表示期間前である場合は、前記特殊予告の表示決定基準として前記第1の基準を用いて前記特殊予告の表示有無を決定することを特徴とする弾球遊技機。
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