JP2016095391A - 撮影装置および撮影用機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】支柱の一端部に搭載されたカメラを障害物にぶつけてしまった場合に、従来よりもカメラが受ける衝撃を和らげることができる技術を提供する。
【解決手段】本発明の撮影装置1は、細長い棒状の支柱2と、この支柱2の一端部に固定された雲台3と、この雲台3にナット部材9を用いて取り付けられたカメラ4と、を備える。雲台3の本体は、衝撃吸収材であるゴムで構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮影装置および撮影用機器に係り、特に、高所撮影に適した撮影装置および撮影用機器に関する。
近年、東日本大震災などをきっかけに建物施設の耐震性強化や定期点検が重要視されている。特に、体育館などの学校施設では、安全性の確保の観点から定期的な点検作業が行われている。一例を挙げると、体育館ではバスケットゴールの点検が行われている。
一般に、体育館に設置されるバスケットゴールの多くは天井吊り下げ式になっている。また、バスケットゴールの点検は、体育館の天井部分に取り付けられたフレーム部材とこれに支持されたバスケットゴール本体(ボードとリング)を対象に行われる。このため、バスケットゴールの点検箇所は、体育館の床面から5m以上の高所となる場合が多い。
このような高所の点検に際して、従来では、体育館の館内に足場を組んだり梯子を設置したりして、作業者が高所に登り、そこで点検を行っている。しかし、このような点検作業では、作業者が足場等から転落するなどの事故が発生するおそれがある。
そこで、高所の点検を安全に行うための技術が、たとえば、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の技術では、支柱本体を三脚部材で保持し、支柱本体の一端部(上端部)に搭載したカメラで高所の点検箇所を撮影することにより、作業者の安全を確保している。
特開2002−262133号公報
上記特許文献1に記載の技術では、高所点検のための装置を据え付けるべき場所に三脚部材を設置し、その三脚部材で保持した支柱本体を上方に伸ばすことにより、高所点検を行う構成になっている。このため、複数の箇所を点検する場合は、各々の点検箇所にあわせて装置の設置場所を移動したりカメラの向きを変えたりする必要があり、手間がかかる。そこで、三脚部材を使わずに、作業者が支柱を把持しながらカメラを点検箇所に近づけて撮影する方法もある。そうした場合、たとえば吊り下げ式のバスケットゴールの点検作業では、体育館の天井部分に取り付けられるフレーム部材が入り組んだ構造になっているため、撮影の邪魔になる障害物がカメラの周囲に存在する。このため、点検箇所を変えるときなどに誤ってカメラを障害物にぶつけてしまい、それが原因でカメラが故障してしまうことがある。
特に、点検箇所が高くなると、慎重に作業していても、カメラを障害物にぶつけやすい状況になる。その理由は主に3つある。第1の理由は、点検箇所が高くなると、それだけ支柱を長く伸ばす必要があり、これによって支柱を少し傾けただけでも高所にあるカメラが大きく動いてしまうからである。第2の理由は、カメラを搭載した支柱を長く伸ばすと、撮影装置全体の重心がカメラ側に移動するため、障害物との衝突によってカメラが受ける衝撃が相対的に大きくなるからである。第3の理由は、点検箇所が高くなると、作業者からカメラまでの距離が長くなり、カメラの位置を把握しにくくなるからである。
本発明の主な目的は、支柱の一端部に搭載されたカメラを障害物にぶつけてしまった場合に、従来よりもカメラが受ける衝撃を和らげることができる撮影装置および撮影用機器を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
支柱と、
前記支柱の一端部に固定された雲台と、
前記雲台に取り付けられたカメラと、
を備え、
前記雲台の本体が衝撃吸収材で構成されている
ことを特徴とする撮影装置である。
本発明の第2の態様は、
支柱と、
前記支柱の一端部にカメラを搭載するために前記支柱の一端部に固定された雲台と、
を備え、
前記雲台の本体が衝撃吸収材で構成されている
ことを特徴とする撮影用機器である。
本発明の第3の態様は、
前記雲台の本体は、
一端側が前記支柱に嵌合して固定され、他端側が前記支柱から突出して配置される軸部材と、
前記軸部材の他端側に嵌合して固定されるとともに、前記カメラを取り付けるための取付面を有するカメラ取付用部材と、を少なくとも有し、
前記軸部材および前記カメラ取付用部材が、共に前記衝撃吸収材で構成されている
ことを特徴とする上記第2の態様に記載の撮影用機器である。
本発明の第4の態様は、
前記衝撃吸収材がゴムである
ことを特徴とする上記第2または第3の態様に記載の撮影用機器である。
本発明の第5の態様は、
前記ゴムのJIS K 6253 デュロメーター硬さ試験 タイプA硬度が、30以上、70以下である
ことを特徴とする請求項上記第4の態様に記載の撮影用機器である。
本発明の第6の態様は、
前記雲台は、当該雲台に前記カメラを固定するためのカメラネジとして、前記雲台の本体の側面から突出するように第1のカメラネジと、前記雲台の本体の上端面から突出するように設けられた第2のカメラネジと、を備える
ことを特徴とする上記第2〜第5の態様のいずれかに記載の撮影用機器である。
本発明によれば、支柱の一端部に搭載されたカメラを障害物にぶつけてしまった場合に、従来よりもカメラが受ける衝撃を和らげることができる。
本発明の実施の形態に係る撮影装置の主要部の構成例を示すもので、図中(A)は撮影装置の正面図、(B)は撮影装置の側面図である。 本発明の実施の形態に係るカメラの構成例を示すもので、図中(A)はカメラの正面図、(B)はカメラの側面図である。 発明の実施の形態に係る雲台の分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る雲台の組立状態を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る雲台の組立途中の状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の実施の形態においては、次の順序で説明を行う。
1.撮影装置の構成
2.撮影装置の製造方法
3.実施の形態の効果
4.変形例等
<1.撮影装置の構成>
図1は本発明の実施の形態に係る撮影装置の主要部の構成例を示すもので、図中(A)は撮影装置の正面図、(B)は撮影装置の側面図である。
図示した撮影装置1は、大きくは、支柱2と、この支柱2の一端部に固定された雲台3と、この雲台3に取り付けられたカメラ4と、を備えている。このうち、支柱2および雲台3は、本発明における撮影用機器を構成するものである。また、カメラ4は、当該撮影用機器との組み合わせによって撮影装置1を構成するものである。カメラ4にはブラケット7が付属している。このブラケット7は、ナット部材9を用いて雲台3に固定されている。以下、撮影装置1の各構成部分について詳しく説明する。
(支柱)
支柱2は、たとえば、円筒形の細長い棒状に形成されている。支柱2は、たとえば、アルミニウムなどの金属(合金を含む)、あるいは硬質のプラスチックなどによって構成されている。支柱2の長さは、撮影の目的や対象物によって任意に設定することが可能である。また、支柱2は、支柱2の長さ(全長)を調整する長さ調整機構を備えていてもよい。長さ調整機構としては、図示はしないが、太さの異なる複数のパイプを回転ロック式のジョイント部材で相互に連結した多段階の伸縮式構造を採用することが可能である。支柱2に長さ調整機構を設けた場合は、保管時や運搬時などに支柱2を短く縮めて保管スペースを最小化することが可能となる。また、高所の点検の際には、支柱2を長く伸ばすことにより、点検箇所を撮影することが可能となる。このため、作業者の安全を確保することができる。
(雲台)
雲台3は、支柱2の一端部にカメラ4を搭載するために、支柱2の一端部に固定されている。ここで記述する支柱2の一端部とは、支柱2の長さ方向(以下、「中心軸方向」ともいう。)の一方の端部を意味する。支柱2の一端部は、たとえば支柱2をほぼ垂直に立ててカメラ4を高所に配置したときに、支柱2の上端部に相当する部分となる。雲台3の詳細については後述する。
(カメラ)
カメラ4は、静止画、動画などの画像を撮影する機能を有するものである。カメラ4で撮影した画像は、カメラ4が備える無線通信機能により、図示しないモニタ付きの受信機に表示されるとともに、必要に応じて、受信機の内部メモリや外部メモリに記録可能になっている。なお、カメラ4と受信機との間の通信は、無線通信に限らず、有線通信であってもよい。
図2は本発明の実施の形態に係るカメラの構成例を示すもので、図中(A)はカメラの正面図、(B)はカメラの側面図である。
カメラ4は、レンズ5と、このレンズ5を通して撮像する撮像素子(不図示)と、これらを保持する筐体6と、この筐体6に連結されたブラケット7と、を備える。レンズ5は、画質を優先して単焦点レンズになっている。ただし、必要に応じて、レンズ5をズームレンズにしてもよい。撮像素子は、たとえば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子、あるいはCCD(Charge Coupled Device)撮像素子などを用いて構成されるものである。撮像素子の有効画素数は、撮影の目的にもよるが、1000万画素以上であることが好ましい。特に、屋内施設や屋外施設の安全点検として、たとえば、構造物の腐食具合や、ボルト、ナット等の緩み具合、さらには亀裂の有無などを確認するために、所定の点検箇所を撮影する場合は、上述のように撮影素子の有効画素数を十分に確保して高精細な画像を得ることが望ましい。筐体6は、たとえば硬質のプラスチックによって構成されている。ブラケット7は、図示しないヒンジ機構により図中矢印方向に回動可能に支持されている。ブラケット7には取付用孔8が設けられている。取付用孔8は、縦方向に長い長孔になっている。
(雲台の詳細)
一般に、カメラの取り付けに使用される雲台の主要部(雲台の本体を含む)は、アルミニウムなどの金属や硬質のプラスチックなどで構成されている。そして、このような公知の雲台では、カメラ取付用の台座部分だけにコルクラバーやゴムシートなどを貼り付けた構成になっている。
これに対して、本実施の形態においては、雲台3の本体が、衝撃吸収材で構成されている。雲台3の本体とは、支柱2の一端部に雲台3を介してカメラ4を取り付ける場合に、雲台3の主要な部分を構成するものである。雲台3全体に占める体積比率を規定すると、雲台3の本体は、少なくとも30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上の体積比率を有する部分である。
衝撃吸収材の好適な例としては、弾性体であるゴムを挙げることができ、特に好ましくは硬質のゴムを挙げることができる。ここで、衝撃吸収材として用いるゴムの硬度を、JIS K 6253 デュロメーター硬さ試験 タイプA硬度で規定すると、30以上、70以下であることが好ましい。その理由は、当該ゴムの硬度が30未満では撮影時にブレ等が生じやすくなり、当該ゴムの硬度が70超では十分な衝撃吸収効果が得られにくくなるからである。
このような硬度の要件を満たすゴムの種類としては、たとえば、ブチルゴムなどを挙げることができる。
図3は本発明の実施の形態に係る雲台の分解斜視図であり、図4は本発明の実施の形態に係る雲台の組立状態を示す縦断面図である。
雲台3は、大きくは、軸部材31と、カメラ取付用部材32と、蓋部材33と、第1のカメラネジ34と、第2のカメラネジ35と、を備えた構成になっている。このうち、軸部材31、カメラ取付用部材32および蓋部材33は、雲台3の本体を構成しており、これらの構成部材のいずれもが衝撃吸収材(本形態例ではゴム)によって構成されている。また、第1のカメラネジ34は、雲台3の本体の側面から突出するように設けられている。第1のカメラネジ34は、たとえば、ステンレス製の1/4インチネジによって構成されている。1/4インチネジは、ネジ部の外径が1/4インチのネジであって、一般にカメラネジとして多用されている。第2のカメラネジ35は、雲台3の本体の上端面に突出するように設けられている。第2のカメラネジ35も、第1のカメラネジ34と同様にステンレス製の1/4インチネジによって構成されている。以下に、雲台3の各部の構成について更に詳しく説明する。
(軸部材)
軸部材31は、一端側が支柱2に嵌合して固定され、他端側が支柱2から突出して配置されるものである。軸部材31は、第1軸部36と第2軸部37とを一体に有している。第1軸部36は、軸部材31の一端側に位置し、第2軸部37は、軸部材31の他端側に位置している。第1軸部36は横断面円環状に形成され、第2軸部37は横断面略C字形に形成されている。また、第1軸部36の外周面と第2軸部37の外周面とは、互いに同心状に形成されている。
第1軸部36は、支柱2に嵌合して固定されるものである。第1軸部36は、支柱2の筒内に挿入(圧入)可能に構成されている。第1軸部36の中心軸上には横断面円形の軸孔38が形成されている。軸孔38は、第1軸部36を中心軸方向に貫通している。
第2軸部37は、第1軸部36を支柱2に嵌合し固定した状態で、支柱2の一端部から軸方向に突出して配置されるものである。第2軸部37は、カメラ取付用部材32と嵌合可能に構成されている。第2軸部37には溝部39が形成されている。第2軸部37は、円筒形の一部を軸部材31の中心軸方向に切り欠いた形態になっており、その切り欠き面40の一部を凹状にへこませた状態で溝部39が形成されている。切り欠き面40は、溝部39の両側に平面状に形成されている。溝部39は、軸部材31の中心軸方向に沿って横断面略半円形に形成されている。また、溝部39は、第1軸部36の軸孔38と同一の円周を形成している。ただし、これに限らず、溝部39の幅を必要に応じて部分的に幅広に形成してもよい。第1軸部36と第2軸部37の境界部には、段付き部41と突き当て面42が形成されている。段付き部41は、第1軸部36の外周面と第2軸部37の外周面との外径差によって形成されている。突き当て面42は、上述した切り欠き面40と直角をなす面であって、第1軸部36の一端面を形成している。
(カメラ取付用部材)
カメラ取付用部材32は、上述した軸部材31の他端側(第2軸部37)に嵌合して固定されるものである。カメラ取付用部材32は、横断面略D字形に形成されている。カメラ取付用部材32の内部には中空部45が形成されている。カメラ取付用部材32の外面は、上端面47と、下端面48と、側面49とによって構成されている。また、カメラ取付用部材32の側面49は、曲面部50と平面部51によって構成されている。このうち、平面部51は、カメラ4を取り付けるための取付面(以下、「取付面51」という。)になっている。取付面51には抜き孔52が形成されている。抜き孔52は、取付面51のほぼ中央部に形成されている。抜き孔52は、中空部45に連通するように、カメラ取付用部材32の肉厚部分を貫通する状態で正面視円形に形成されている。
(蓋部材)
蓋部材33は、カメラ取付用部材32の上端部を塞ぐように取り付けられるものである。蓋部材33は、カメラ取付用部材32の横断面形状に適合するように、横断面略C字形に形成されている。蓋部材33は、カメラ取付用部材32の中空部45に嵌合して固定されるようになっている。蓋部材33には、軸部材31の第2軸部37と同様に、横断面略半円形の溝部46が形成されている。
(第1のカメラネジ)
第1のカメラネジ34は、カメラ取付用部材32の側面49(取付面51)にカメラ4を固定するためのネジである。第1のカメラネジ34は、頭部53と雄ネジ部54とを一体に有している。第1のカメラネジ34の頭部53は、カメラ取付用部材32の中空部45内に配置される。第1のカメラネジ34の雄ネジ部54は、上述した抜き孔52を通して取付面51から垂直(横向き)に突出した状態に配置される。
(第2のカメラネジ)
第2のカメラネジ35は、カメラ取付用部材32の上端面47にカメラ4を固定するためのネジである。第2のカメラネジ35は、頭部55と雄ネジ部54とを一体に有している。第2のカメラネジ35の頭部55は、カメラ取付用部材32の中空部45内に配置される。第2のカメラネジ35の雄ネジ部56は、上述した蓋部材33の溝部46を通して、カメラ取付用部材32の上端面47および蓋部材33の上端面から垂直(上向き)に突出した状態に配置される。
<2.撮影装置の製造方法>
次に、本発明の実施の形態に係る撮影装置の製造方法について説明する。
本実施の形態に係る撮影装置1の製造方法は、大きくは、雲台の組立工程、撮影用機器の組立工程、カメラの取付工程に分かれる。以下、各工程について詳しく説明する。
(雲台の組立工程)
まず、第1のカメラネジ34にワッシャ57(図3参照)を装着する。次に、カメラ取付用部材32の内側(中空部45側)から第1のカメラネジ34の雄ネジ部54を抜き孔52に挿入することにより、雄ネジ部54を取付面51から突出させる。このとき、カメラ取付用部材32の中空部45が狭くて第1のカメラネジ34を挿入しづらい場合は、カメラ取付用部材32に外側から圧力を加えてカメラ取付用部材32全体を弾性変形させるとよい。また、カメラ取付用部材32の抜き孔52に第1のカメラネジ34の雄ネジ部54を挿入したら、カメラ取付用部材32の内面にワッシャ57が密着するように、第1のカメラネジ34の雄ネジ部54を外側に引き込む。
次に、軸部材31の第2軸部37にカメラ取付用部材32の中空部45を嵌合させる。このとき、カメラ取付用部材32の中空部45に第2軸部37を圧入により挿入する。また、軸部材31の突き当て面42がカメラ取付用部材32の下端面48に突き当たるまで、カメラ取付用部材32の中空部45に第2軸部37を押し込む。これにより、カメラ取付用部材32の中空部45内では、軸部材31の溝部39に第1のカメラネジ34の頭部53が嵌り込む状態になる。
次に、図5に示すように、カメラ取付用部材32の中空部45内に注射器60を用いて接着剤を塗布する。接着剤としては、たとえばビニール系接着剤を用いることができる。実際に接着剤を塗布するにあたっては、注射器60のシリンジ61に予め接着剤を収容しておき、注射器60のロッド操作によりニードル62の先端から接着剤を吐出させる。このとき、第1のカメラネジ34の頭部53が嵌り込んでいる軸部材31の溝部39に適量の接着剤を注入することにより、第1のカメラネジ34の頭部53を接着剤により軸部材31の溝部39に固定する。また、必要に応じて、カメラ取付用部材32の内面とこれに接する軸部材31の第2軸部37の外面との境界部に接着剤を塗布して浸透させる。これにより、カメラ取付用部材32と軸部材31とが接着剤により相互に固定される。
次に、蓋部材33の溝部46に第2のカメラネジ35の雄ネジ部56を嵌め入れる。第2のカメラネジ35の頭部55は、カメラ取付用部材32との位置的な干渉を避けるために、部分的に切り欠かれている。この頭部55の切り欠き部分は、雄ネジ部56を溝部46に嵌め入れたときに、溝部46両側の側面と略面一になるように配置する。
次に、第2のカメラネジ35の頭部55をカメラ取付用部材32の中空部45に対向させて、そのまま中空部45に蓋部材33を嵌合させる。このとき、中空部45に蓋部材33を圧入により挿入する。また、蓋部材33の上端面がカメラ取付用部材32の上端面47と略面一になるまで、カメラ取付用部材32の中空部45に蓋部材33を押し込む。これにより、雲台3の本体の上端面から第2のカメラネジ35の雄ネジ部56が垂直(上向き)に突出した状態になる。また、カメラ取付用部材32の中空部45に蓋部材33を挿入する前に、中空部45に露出している第2軸部37の頂部に上記同様に注射器を用いて適量の接着剤を注入しておく。これにより、カメラ取付用部材32、蓋部材33および第2のカメラネジ35が接着剤により相互に固定される。
以上で雲台3の組立工程が終了する。
(撮影用機器の組立工程)
撮影用機器の組立工程では、上述のようにして得られた雲台3を支柱2に取り付ける。その場合は、雲台3の本体下部に位置する軸部材31の第1軸部36を支柱2の上端部の開口に差し込む。このとき、第1軸部36に軸孔38が設けられていると、第1軸部36を中実構造(軸孔38のない構造)にした場合に比べて、第1軸部36を支柱2の筒内に挿入(嵌合)しやすくなる。その理由は、軸孔38の存在により、支柱2の開口形状にあわせて第1軸部36の外形を適度に変形させることが可能となるからである。軸部材31の第1軸部36を支柱2に挿入する場合は、予め第1軸部36の外面および支柱2の内面のうち少なくとも一方に接着剤を塗布しておく。これにより、支柱2と雲台3とが接着剤により相互に固定される。
なお、ここでは雲台3の組み立てを終えた後で、支柱2に雲台3を取り付けるものとしたが、これ以外にも、たとえば軸部材31を支柱2に固定した後に、雲台3を組み立てることも可能である。
(カメラの取付工程)
カメラの取付工程では、支柱2および雲台3からなる撮影用機器に対し、カメラ4を取り付ける。その場合は、雲台3の取付面51に次のようにカメラ4を取り付ける。まず、雲台3の取付面51から突出している第1のカメラネジ34の雄ネジ部54をブラケット7の取付用孔8に通す。次に、カメラ4のブラケット7を雲台3の取付面51に接触させるとともに、ブラケット7の下端部を雲台3の突き当て面42に突き当てる。そして、その状態のもとで第1のカメラネジ34の雄ネジ部54にナット部材9の雌ネジ部を螺合させて締め付ける。これにより、雲台3の取付面51にカメラ4が取り付けられる。
以上の工程により、支柱2の一端部に雲台3を用いてカメラ4が搭載される。
なお、雲台3に取り付け可能なカメラ4の仕様としては、ブラケット7を備えたものに限らない。たとえば、カメラ本体の底面部に雌ネジが設けられたカメラであれば、第2のカメラネジ35を用いて雲台3の上にカメラを取り付けることが可能である。その場合は、図示しないゴムシート付きの台座ネジを第2のカメラネジ35の雄ネジ部56に螺合させ、その台座ネジの上にカメラを搭載することになる。
<3.実施の形態の効果>
本発明の実施の形態によれば、以下に記述する効果の少なくとも一つが得られる。
本発明の実施の形態においては、カメラ4が取り付けられる雲台3の本体を衝撃吸収材で構成しているため、たとえば高所の点検箇所を撮影する際に、誤ってカメラ4を周囲の障害物などにぶつけてしまった場合でも、そのときの衝撃が雲台3の本体部分で吸収される。このため、従来よりもカメラ4が受ける衝撃を和らげることができる。したがって、支柱2の一端部に搭載されたカメラ4を障害物にぶつけてしまった場合でも、そのときの衝撃が和らげられることでカメラ4が故障しにくくなる。また、障害物の一例としてカメラ4を窓ガラスにぶつけてしまった場合にも、そのときの衝撃が雲台3によって吸収されるため、窓ガラスが破損しにくくなる。
また、雲台3の本体を構成する衝撃吸収材にゴムを用いた場合は、全方向からの衝撃に対して高い吸収効果が得られる。
また、衝撃吸収材に用いるゴムのJIS K 6253 デュロメーター硬さ試験 タイプA硬度を30以上、70以下とすれば、カメラ4で撮影するときのブレ等を適度に抑えつつ、高い衝撃吸収効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、雲台3の本体を、軸部材31、カメラ取付用部材32および蓋部材33といった複数の部材の組み合わせによって構成している。このため、たとえば、外径の異なる支柱2を使用する場合でも、カメラ取付用部材32と蓋部材33を共用としたまま、軸部材31の第1軸部36の外径を変更するだけで対応可能となる。
また、本発明の実施の形態においては、雲台3の本体の側面から突出するように第1のカメラネジ34を設けるとともに、雲台3の本体の上端面から突出するように第2のカメラネジ35を設けている。このため、ブラケット7等を具備するカメラ4とブラケット7等を具備しないカメラの両方に対応することができる。すなわち、ブラケット7等を具備するカメラ4については、第1のカメラネジ34を利用して雲台3に固定することができ、ブラケット7等を具備しないカメラについては、第2のカメラネジ35を利用して雲台3に固定することができる。
<4.変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施の形態においては、雲台3を支柱2に固定するにあたって、軸部材31の第1軸部36を支柱2の筒内に挿入したが、本発明はこれに限らず、第1軸部36を支柱2の外側に嵌合させる構成であってもよい。具体的には、第1軸部36の外径と軸孔38の内径をそれぞれ大きくし、支柱2を軸孔38に挿入することにより、軸部材31を支柱2の外側に嵌合させてもよい。さらにその場合は、必要に応じて、軸部材31の外周面をベルト等の締結具で締め付けるようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、カメラ取付用部材32に2つのカメラネジ(34,35)を設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、いずれか一方のカメラネジのみを備えた構成であってもよい。
また、上記実施の形態においては、複数の部材(31,32,33)を組み合わせて雲台3の本体を構成したが、本発明はこれに限らず、雲台3の本体を単一の部材からなる一体構造にしてもよい。その場合、雲台3の本体は、支柱2の一端部に嵌合固定される第1の本体部分と、カメラ4を取り付けるための第2の本体部分とを一体に備えたものとなる。そして、第2の本体部分にカメラネジが設けられ、このカメラネジを利用して雲台3にカメラを取付可能な構成となる。かかる構成においても、支柱2と雲台3との嵌合を容易に行えるように、第1の本体部分の中心軸上に軸孔を設けることが望ましい。
1…撮影装置
2…支柱
3…雲台
4…カメラ
31…軸部材
32…カメラ取付用部材
33…蓋部材
34…第1のカメラネジ
35…第2のカメラネジ

Claims (6)

  1. 支柱と、
    前記支柱の一端部に固定された雲台と、
    前記雲台に取り付けられたカメラと、
    を備え、
    前記雲台の本体が衝撃吸収材で構成されている
    ことを特徴とする撮影装置。
  2. 支柱と、
    前記支柱の一端部にカメラを搭載するために前記支柱の一端部に固定された雲台と、
    を備え、
    前記雲台の本体が衝撃吸収材で構成されている
    ことを特徴とする撮影用機器。
  3. 前記雲台の本体は、
    一端側が前記支柱に嵌合して固定され、他端側が前記支柱から突出して配置される軸部材と、
    前記軸部材の他端側に嵌合して固定されるとともに、前記カメラを取り付けるための取付面を有するカメラ取付用部材と、を少なくとも有し、
    前記軸部材および前記カメラ取付用部材が、共に前記衝撃吸収材で構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の撮影用機器。
  4. 前記衝撃吸収材がゴムである
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の撮影用機器。
  5. 前記ゴムのJIS K 6253 デュロメーター硬さ試験 タイプA硬度が、30以上、70以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の撮影用機器。
  6. 前記雲台は、当該雲台に前記カメラを固定するためのカメラネジとして、前記雲台の本体の側面から突出するように第1のカメラネジと、前記雲台の本体の上端面から突出するように設けられた第2のカメラネジと、を備える
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の撮影用機器。
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