JP2016094751A - 抵抗発生装置 - Google Patents

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万那 天野
Mana Amano
万那 天野
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Abstract

【課題】回転体の回転運動に対する抵抗の発生と解除を簡単な構造で達成することができる抵抗発生装置を提供する。
【解決手段】車両150に用いられる抵抗発生装置は、動力を受けたときに回転し、回転運動を回転体へ伝達する回転軸111と、固定部材4と、回転軸又は固定部材に設けられた突起5aと、突起を挟み込んで回転体の回転運動に対する抵抗を発生させる挟み込み手段3と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両に用いられる回転体の回転運動に対する抵抗を発生する抵抗発生装置に関する。
従来、車両には、バックドア、スウィングドア、スライドドア又は窓ガラスなどの開閉部材を開閉する駆動装置が設けられている。例えば、スピンドルパワーバックドアは、バックドア(後尾扉)を開閉する駆動装置を有する。駆動装置は、一端部に車体に連結される継ぎ手を有し、他端部に開閉部材に連結される継ぎ手を有する。駆動装置は、モータの動力やユーザの人力(動力)により回転するねじ付きスピンドル(回転体)と、ねじ付きスピンドルに螺合するスピンドルナットと、一端部がスピンドルナットに固定され、他端部が開閉部材に連結される継ぎ手に固定されるスピンドル管とを有する。
動力によりねじ付きスピンドルが回転すると、ねじ付きスピンドルの回転運動は、ねじ付きスピンドルとスピンドルナットとによりスピンドルナットの直線運動へ変換される。これにより、スピンドルナットに固定されたスピンドル管が直線的に移動して開閉部材が開閉する。また、駆動装置は、ユーザが開閉部材に手をかけて手動で開閉部材を開閉することができるように構成されている。駆動装置は、開閉部材が開いた状態を保持するために圧縮コイルばねを有する。圧縮コイルばねは、開閉部材の自重に釣り合った反力を発生することにより開閉部材の開状態を保持する。
従来のスピンドルパワーバックドアは、モータのコギングトルク及び歯車の抵抗を利用してバックドアを保持し、どの開度でもバックドアを自由に止められるフリーストップを実現している。モータのコギングトルク及び歯車の抵抗を利用してバックドアを保持しているので、重いバックドアの場合、保持力不足となり、バックドアが落ちてしまうという問題がある。ねじ付スピンドルのねじのリード長を小さくすれば、バックドアの保持力を上げることができる。しかし、ねじのリード長を小さくすると、バックドアの開閉速度が遅くなるという問題がある。
特許文献1の駆動装置は、風や雪などの外力が開閉部材に作用した場合でも開閉部材の開状態を保持するために、ねじ付きスピンドルの回転運動に対する抵抗を発生する抵抗発生装置が設けられている。特許文献1は、ねじ付きスピンドル及びスピンドルナットを有する駆動装置における抵抗発生装置を開示している。抵抗発生装置は、モータからの動力を受ける回転可能な動力受け部と、動力受け部の回転運動をねじ付きスピンドルへ伝達する出力部材と、動力受け部の周りを取り囲む中空円筒伝達要素と、中空円筒伝達要素を取り囲む固定部材と、固定部材の内周面に摩擦係合する第一ねじりコイルばねと、中空円筒伝達要素の内周面に摩擦係合する第二ねじりコイルばねとを有している。動力受け部の回転運動は、出力部材へ伝達される。
モータにより動力受け部が回転すると、動力受け部が第二ねじりコイルばねを巻き増し(付勢)して第二ねじりコイルばねの外径を小さくし第二ねじりコイルばねと中空円筒伝達要素との摩擦係合を弱める。これによって、動力受け部は、小さな抵抗で出力部材を回転し、開閉部材を開閉することができる。モータの回転が停止すると、固定部材と第一ねじりコイルばねとの摩擦係合及び中空円筒伝達要素と第二ねじりコイルばねとの摩擦係合により、開閉部材が開かれた開度で開閉部材の開状態が保持される。
一方、ユーザが手動で開閉部材に力をかけると、出力部材が第二ねじりコイルばねを巻き減らし(付勢)して第二ねじりコイルばねと中空円筒伝達要素との摩擦係合を強め、中空円筒伝達要素が回転される。中空円筒伝達要素の回転は、第一ねじりコイルばねを巻き増し(付勢)して第一ねじりコイルばねの外径を小さくし第一ねじりコイルばねと固定部材との摩擦係合を弱める。これによって、出力部材は、小さな抵抗で回転し、ユーザは手動で開閉部材を開閉することができる。
独国実用新案出願公開第202007015597号明細書
しかし、特許文献1においては、開閉部材を開閉するためにモータにより出力部材を回転するとき、第二ねじりコイルばねと中空円筒伝達要素との間の摩擦係合を完全には解除できないので、モータによる出力部材の回転運動に対する抵抗がゼロにならない。
また、第一及び第二ねじりコイルばねの直径の伸縮により摩擦抵抗を発生しているので、抵抗力が安定しないという問題がある。第一及び第二ねじりコイルばねの直径の伸縮により摩擦抵抗力を調整する場合、摩擦抵抗力の設定が困難である。第一及び第二ねじりコイルばねによる摩擦抵抗力の設定が困難であるため、開状態の開閉部材にわずかな外力が作用しただけで開閉部材が意図せずに閉じるおそれがあるという問題もある。さらに、モータにより出力部材を回転させるときでさえ、第二ねじりコイルばねが中空円筒伝達要素と摩擦係合しているので、モータの駆動力に損失を生じ、又は第二ねじりコイルばねが破損するおそれもある。
そこで、本発明は、回転体の回転運動に対する抵抗の発生と解除を簡単な構造で達成することができる抵抗発生装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の一実施例による車両に用いられる抵抗発生装置は、
動力を受けたときに回転し、回転運動を回転体へ伝達する回転軸と、
固定部材と、
前記回転軸又は前記固定部材に設けられた突起と、
前記突起を挟み込んで前記回転体の回転運動に対する抵抗を発生させる挟み込み手段と、
を備える。
本発明によれば、回転体の回転運動に対する抵抗の発生と解除を簡単な構造で達成することができる。
車両のバックドアに設けられた駆動装置を示す図。 駆動装置の斜視図。 駆動装置の断面図。 駆動装置停止時の抵抗発生装置の断面図。 抵抗発生装置の分解斜視図。 係合部材の拡大斜視図。 駆動装置駆動時の抵抗発生装置の断面図。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(駆動装置)
図1は、車両150のバックドア(開閉部材)200に設けられた駆動装置100を示す図である。本実施例において、駆動装置100は、いわゆるスピンドルパワーバックドア駆動ユニットである。しかし、駆動装置100は、車両のスウィングドア、スライドドア、窓ガラスなどの開閉部材を開閉するために用いてもよい。また、駆動装置100は、ドアの開閉に限らず、車両のシートを昇降させるために使用してもよい。
駆動装置100は、車両150の車体150Aの幅方向の両側で車体150Aとバックドア200との間に設けられている。駆動装置100の両端部に継ぎ手102及び104がそれぞれ設けられている。駆動装置100の一端部の継ぎ手102は、車体150Aに連結されている。駆動装置100の他端部の継ぎ手104は、バックドア200に連結されている。駆動装置100に内蔵されているモータ110(図3)により円筒状のカバー管106が円筒状のハウジング管107に対して相対移動することにより、バックドア200が開閉する。
図2は、駆動装置100の斜視図である。駆動装置100は、ハウジング管107と、ハウジング管107に入れ子式に嵌合されたカバー管106とを有する。カバー管106は、ハウジング管107に対して軸線方向に往復移動可能である。カバー管106及びハウジング管107は、伸縮自在管を構成している。ハウジング管107の端部に継ぎ手102が設けられている。カバー管106の端部に継ぎ手104が設けられている。電気ケーブル108は、ハウジング管107に収納されたモータ110(図3)へ電力を供給する。
図3は、駆動装置100の断面図である。図3(a)は、バックドア200を全閉したときの駆動装置100を示す図である。図3(b)は、バックドア200を全開したときの駆動装置100を示す図である。駆動装置100の駆動源としてのモータ110は、ハウジング管107に収納されている。モータ110の回転軸111は、抵抗発生装置1に連結されている。抵抗発生装置1は、減速機(遊星歯車)112に連結されて、モータ110の動力を減速機112へ伝達する。減速機112は、ねじ付きスピンドル(回転体)113に連結されている。抵抗発生装置1は、モータ1と減速機112との間に配置されている。減速機112は、抵抗発生装置1の回転速度を減速してネジ付きスピンドル113へ伝達する。抵抗発生装置1は、減速機112を介してモータ110の回転運動をねじ付きスピンドル113へ伝達する。
スピンドルナット114は、ねじ付きスピンドル113に螺合している。ねじ付きスピンドル113は、回転可能にハウジング管107により保持されている。ねじ付きスピンドル113は、円筒状のスピンドル管115に挿入されている。スピンドル管115の一端部は、スピンドルナット114に固定され、他端部は、継ぎ手104及びカバー管106に固定されている。
カバー管106の内部には、圧縮コイルばね116が収納されている。圧縮コイルばね116は、バックドア200が開かれたときに、バックドア200を開状態に保持するためにバックドア200の自重と釣り合うように付勢力が設定されている。なお、ここでいう「バックドア200の自重と釣り合う」は、バックドア200が任意の位置に開放されたときにバックドア200を当該任意の位置に保持できることを意味する。
モータ110が回転すると、抵抗発生装置1及び減速機112を介してねじ付きスピンドル113が回転する。ねじ付きスピンドル113の回転運動は、ねじ付きスピンドル113とスピンドルナット114との螺合によりスピンドルナット114及びスピンドル管115の直線運動へ変換される。スピンドルナット114及びスピンドル管115の直線運動により、カバー管106は、ハウジング管107に対して移動してバックドア200を開閉する。
バックドア200が全閉されているとき、図3(a)に示すように、スピンドルナット114は、ねじ付きスピンドル113の下部に位置し、カバー管106のほとんどの部分がハウジング管107を覆っている。すなわち、伸縮自在管は、縮んだ状態である。バックドア200を開くためにモータ110が回転すると、ねじ付きスピンドル113の回転によりスピンドルナット114が上方へ移動する。バックドア200が全開されると、図3(b)に示すように、スピンドルナット114は、ねじ付きスピンドル113の上部に位置し、カバー管106がハウジング管107に対して上方へ移動する。すなわち、伸縮自在管は、伸びた状態である。
カバー管106は、ハウジング管107に対して任意の位置に停止することができる。任意の位置に停止したカバー管106には、バックドア200の自重がかかるが、バックドア200の自重は、圧縮コイルばね116の付勢力と釣り合う。これによって、バックドア200は、任意の位置に停止可能である。駆動装置100は、バックドア200をどの開度でも自由に止められるフリーストップを実現するドア保持装置である。バックドア200に風などの不所望の外力が作用した場合や車両が傾斜面に停車しており、バックドア200の自重と圧縮コイルばね116の付勢力との釣り合いが崩れた場合、抵抗発生装置1は、バックドア200の開閉動作に対する抵抗を発生してバックドア200の位置を保持する。
(抵抗発生装置)
バックドア200が開いたときに、バックドア200が自重により閉じることを防止するために、駆動装置100には、圧縮コイルばね116が設けられている。しかし、バックドア200の開状態でバックドア200に風や雪などの負荷が作用した場合や、車両が傾斜面に停車しておりバックドア200の自重と圧縮コイルばね116の付勢力との釣り合いが崩れた場合、バックドア200が不所望に閉じるおそれがある。そこで、開かれたバックドア200にある程度の外力が作用してもバックドア200が閉じることがないように、駆動装置100には、抵抗発生装置1が設けられている。抵抗発生装置1は、電気的制御を必要とすることなく、バックドア200の作動状態に応じて、停止保持状態(保持力付与状態)と作動許容状態(保持力解除状態)とを機械的に切り替えることができる抵抗機構である。抵抗発生装置1は、バックドア200を任意の開度で停止させるときに抵抗(保持力)を発生してバックドア200を任意の開度で保持する機能と、モータ110によりバックドア200を開閉するときに抵抗を解除してモータ110の出力損失なくモータ110によるバックドア200の開閉を許容する機能とを有する。
図4は、モータ110と減速機112との間に配置された抵抗発生装置1の断面図である。図4(a)は、駆動装置100が停止しているときの抵抗発生装置1の縦断面図である。図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線に沿って取った横断面図である。図4(c)は、図4(b)のIVC−IVC線に沿って取った横断面図である。
抵抗発生装置1は、ハウジング管107内に収納される(図3)。抵抗発生装置1の入力側は、モータ110に連結されている。抵抗発生装置1の出力側は、減速機112に連結されている。モータ110の回転軸111は、抵抗発生装置1を貫通して延在している。回転軸111の先端部には、歯車11が固定されている。歯車11は、減速機112の歯車12に噛合する。モータ110は、高速で回転するので、回転軸111の歯車11は、高速で回転する。減速機112は、歯車11の回転速度を減速し、減速した回転速度でねじ付きスピンドル113を回転する。
図5は、抵抗発生装置1の分解斜視図である。抵抗発生装置1は、係合部材3、ケース(固定部材)4、一対の係止部材5及び圧縮ばね(弾性部材)6を有する。係合部材3は、断面がほぼ矩形状をしたほぼ四角柱の形状をしている。掴みばね7は、係合部材3に内蔵されている。ケース4は、ねじなどの締結部材でモータ110に固定される。ケース4は、モータ110の回転軸111の回りに配置されている。ケース4は、モータ110の回転軸111を通す穴4aと、係合部材3を収納するための収納部4bとが設けられている。収納部4bには、圧縮ばね6を受けるばね受け部4cが設けられている。係止部材5は、突起(ピン)5aと、突起5aの姿勢を保持するための保持部5bと、圧縮ばね6を受けるばね受け部5cとが設けられている。係合部材3は、ケース4の収納部4bに収納され、モータ110の回転軸111に固定される。係合部材3は、回転軸線Xの回りに回転可能である。係合部材3とケース4の間の収納部4b内に、係止部材5及び圧縮ばね6が収納される。圧縮ばね6は、ケース4のばね受け部4cと係止部材5のばね受け部5cとの間に配置され、保持される。係止部材5は、圧縮ばね6のばね力(付勢力)により係合部材3に圧接している。係止部材5の保持部5bは、収納部4bに形成された摺動面(案内面)4dにより半径方向へ摺動移動可能に保持されている。これによって、係合部材3の突起5aは、係合部材3に対して半径方向(回転軸線Xに垂直な方向)に移動可能である。
図6は、係合部材3の拡大斜視図である。図6(a)は、係合部材3の斜視図である。図6(b)は、掴みばね7の斜視図である。図6(c)は、掴みばね7が組み込まれた係合部材3の斜視図である。係合部材3は、反対向きの二面にそれぞれ開口3aが設けられている。また、係合部材3は、図6(a)に示すように、係合部材3の長手方向に貫通する軸穴3bが設けられている。軸穴3bにモータ110の回転軸111が圧入され、係合部材3は、回転軸111に固定される。係合部材3は、回転軸111と一体に回転する。なお、係合部材3は、ねじ、ピン、セレーションなどの固定部材によりモータ110の回転軸111に固定されてもよい。図6(b)に示すように、掴みばね7は、ほぼ矩形状の中空体である。掴みばね7の一辺に、二つの凸部7aと、二つの凸部7aの間に形成された凹部7bとが設けられている。図6(c)に示すように、係合部材3の開口3aのそれぞれに一対の掴みばね7が取り付けられている。一対の掴みばね7は、凹部7bを向い合せて配置されており、凹部7bの間に、係止部材5の突起5aを掴むための空間7cを画成している。
(抵抗発生装置の動作)
モータ110が停止してバックドア200が任意の位置に停止しているとき、抵抗発生装置1は、図4(a)に示す状態にある。図4(a)、図4(b)及び図4(c)に示すように、係止部材5の突起5aは、一対の掴みばね7により画成される空間7cへ入り込んで、一対の掴みばね7により挟み込まれている。係止部材5は、ケース4により回転しないように保持されている。従って、掴みばね7が突起5aを挟み込むことにより、抵抗発生装置1は、バックドア200を開状態に保持するための抵抗を発生する。
開状態にあるバックドア200に風や雪などの外的負荷がかかりバックドア200が開閉しようとすると、ねじ付きスピンドル113が回転しようとする。ねじ付きスピンドル113の回転運動は、減速機112を介して回転軸111及び係合部材3を回転させようとする。係合部材3が回転しようとするが、係合部材3の掴みばね7が係止部材5の突起5aを掴んでいるので、抵抗発生装置1は、ねじ付きスピンドル113の回転運動に対する抵抗を発生する。よって、抵抗発生装置1は、バックドア200の任意の位置での開状態を保持することができる。バックドア200の保持力としての抵抗は、摩擦力により発生するものではないので、保持力のばらつきを防止することができる。バックドア200の開状態を保持する保持力は、掴みばね7のバネ定数、寸法及び形状、突起5aの寸法および形状を変更することにより設定することができる。
一方、抵抗発生装置1が抵抗を発生している状態でもユーザがバックドア200に手をかけてバックドア200を開閉できるように、抵抗発生装置1の抵抗は設定されている。図7を参照して、ユーザがバックドア200に手をかけてバックドア200を開閉するときの抵抗発生装置1を説明する。図7は、駆動装置駆動時の抵抗発生装置1の断面図である。図7(a)は、駆動装置100が駆動しているときの抵抗発生装置1の縦断面図である。図7(b)は、図7(a)のVIIB−VIIB線に沿って取った横断面図である。ユーザがバックドア200に手をかけてバックドア200を開閉しようとすると、ねじ付きスピンドル113が回転しようとするので、減速機112、歯車11及び回転軸111を介して係合部材3が回転しようとする。ユーザの手によりある程度の力がバックドア200にかけられると、係止部材5の突起5aが掴みばね7から外れて、係合部材3が回転し始める。すなわち、回転軸111に所定値以上の回転トルクが作用すると、係止部材5による係合部材3の係止が解除される。突起5aは、係合部材3の側面に乗り上げ、係止部材5は、圧縮ばね6のばね力に抗して半径方向外方へ移動する。一旦、突起5aが掴みばね7から外れて係合部材3が回転し始めると、係合部材3が高速で回転するので、突起5aは、係合部材3及び掴みばね7上を摺動し、一対の掴みばね7の空間7cへ入り込まない。このように、手動でバックドア200を開閉する場合、係止部材5の突起5aが掴みばね7により挟み込まれることが無いので、抵抗発生装置1は、ほとんど抵抗を発生しない。
バックドア200を任意の位置で停止すると、係合部材3の回転も停止するので、突起5aは、一対の掴みばね7の空間7cへ入り込み、一対の掴みばね7により挟まれる。これによって、抵抗発生装置1は、ねじ付きスピンドル113の回転運動に対する抵抗を発生し、バックドア200の開状態を保持するための保持力を発生する。掴みばね7を内蔵した係合部材3は、回転軸111が停止したとき又は回転軸111が停止しようとして低速で回転しているときに係止部材5の突起5aを挟み込んで抵抗を発生させる挟み込み手段を構成する。
モータ110によりバックドア200を開閉するときの抵抗発生装置1の動作は、手動によりバックドア200を開閉するときと同様である。モータ110により回転軸111を回転すると、係合部材3が回転し、係止部材5の突起5aが掴みばね7から外れる。すなわち、回転軸111に所定値以上の回転トルクが作用すると、係止部材5による係合部材3の係止が解除される。突起5aは、係合部材3の側面に乗り上げ、係止部材5は、圧縮ばね6のばね力に抗して半径方向外方へ移動する。係合部材3が回転して、一旦、突起5aが掴みばね7から外れると、係合部材3が高速で回転するので、突起5aは、係合部材3及び掴みばね7上を摺動し、一対の掴みばね7の空間7cへ入り込まない。モータ110によりバックドア200を開閉する場合、係止部材5の突起5aが掴みばね7により挟み込まれることが無いので、抵抗発生装置1は、ほとんど抵抗を発生しない。モータ110を停止すると、係合部材3の回転も停止するので、突起5aは、一対の掴みばね7の空間7cへ入り込み、一対の掴みばね7により挟まれる。これによって、抵抗発生装置1は、ねじ付きスピンドル113の回転運動に対する抵抗を発生し、バックドア200の開状態を保持するための保持力を発生する。
本実施例においては、モータ110の回転軸111に掴みばね7を内蔵した係合部材3を固定し、突起5aを有する係止部材5を半径方向に移動可能にケース4により保持している。しかし、掴みばね7を内蔵した係合部材3を半径方向に移動可能にケース4により保持し、モータ110の回転軸111に突起5aを有する係止部材5を固定しても、同様の効果を奏することができる。
本実施例によれば、抵抗発生装置1は、バックドア200が開かれたときに、バックドア200の開位置を保持する保持抵抗を発生し、バックドア200の落下を防止することができる。ねじ付きスピンドル113のねじのリードを長く設定しても保持力不足とならないため、バックドア200の開閉速度を早くすることができる。また、抵抗発生装置1は、手動でバックドア200を開閉するときも抵抗を発生するので、ねじ付きスピンドル113のねじのリードを長く設定してもバックドア200の保持力を維持することができる。
本実施例によれば、モータ110の回転軸111は、動力を受ける動力受け部としての機能と、回転運動をねじ付きスピンドル113へ伝達するための出力部材としての機能とを有するので、抵抗発生装置1の部品点数を少なくすることができる。本実施例の抵抗発生装置1は、部品点数が少ないので、製造コストを低減することができる。
また、前述した実施例において、係合部材(動力受け部)は、モータの動力を受けているが、本発明は、これに限定されるものではなく、係合部材は、ユーザの人力(動力)を受けるように構成されていてもよい。また、前述した実施例において、バックドアを開閉する駆動装置に抵抗発生装置を使用する例を示したが、本発明による抵抗発生装置は、パワースライドドア駆動装置やスウィングドア駆動装置などのモータ駆動装置の動力伝達部、及びシート手動リフトやウィンドレギュレータなどの手動装置の動力伝達部に用いることもできる。抵抗発生装置は、開いたドア、閉じた窓又は持ち上げたシートが重力の作用で降下しないように、抵抗を発生することができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、その特徴事項から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
1・・・抵抗発生装置
3・・・係合部材(挟み込み手段)
4・・・ケース(固定部材)
5a・・・突起
111・・・回転軸
113・・・ねじ付きスピンドル(回転体)
150・・・車両

Claims (6)

  1. 車両に用いられる抵抗発生装置であって、
    動力を受けたときに回転し、回転運動を回転体へ伝達する回転軸と、
    固定部材と、
    前記回転軸又は前記固定部材に設けられた突起と、
    前記突起を挟み込んで前記回転体の回転運動に対する抵抗を発生させる挟み込み手段と、
    を備える抵抗発生装置。
  2. 前記回転軸に回転トルクが作用すると、前記挟み込み手段から前記突起が外れる請求項1に記載の抵抗発生装置。
  3. 前記突起は、前記回転軸の回転軸線に垂直な方向に移動可能である請求項1又は2に記載の抵抗発生装置。
  4. 前記挟み込み手段は、前記回転軸に固定された係合部材と、前記係合部材に保持された弾性部材とを有し、
    前記突起は、前記固定部材に移動可能に保持された係止部材に設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の抵抗発生装置。
  5. 前記挟み込み手段は、前記固定部材に保持された弾性部材を有し、
    前記突起は、前記回転軸に移動可能に保持された係止部材に設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の抵抗発生装置。
  6. 前記弾性部材は、前記回転軸の回転が停止したとき又は前記回転軸が停止するために低速になったとき、前記突起を挟み込む掴みばねである請求項4又は5に記載の抵抗発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107165524A (zh) * 2017-05-31 2017-09-15 芜湖莫森泰克汽车科技股份有限公司 一种汽车尾门电动撑杆电机固定结构

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