JP2016091639A - 膜−電極接合体および燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】最大出力に優れる膜−電極接合体および燃料電池を提供すること。【解決手段】膜−電極接合体16は、アニオン交換膜4と、アニオン交換膜4を挟んで対向配置され、燃料が供給される燃料側電極2、および、酸素が供給される酸素側電極3とを備え、燃料側電極2は、アノード触媒およびアニオン交換樹脂を含有し、アノード触媒は、非貴金属またはその合金からなる触媒粒子であり、アノード触媒に対するアニオン交換樹脂の質量割合が、0.03以上0.10以下であり、酸素側電極3は、カソード触媒およびアニオン交換樹脂を含有し、燃料側電極2に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量が、酸素側電極3に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量よりも低い。【選択図】図1
Description
本発明は、膜−電極接合体および燃料電池に関する。
固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)に採用される電極として、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜の一方の面に接合された燃料側の電極層と、電解質膜の他方の面に接合された空気側の電極層とを備える膜−電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)が知られている。
膜−電極接合体は、1つの発電単位(単セル)として形成されており、複数の膜−電極接合体が、セパレータを介して積層されることにより、膜−電極接合体を積み重ねたスタック構造の燃料電池が組み立てられる。
このような燃料電池に備えられる膜−電極接合体として、例えば、固体高分子電解質膜として、アニオン成分が移動可能なアニオン交換膜を備え、燃料側電極として、NiZn合金およびアイオノマーを含有する電極インクから形成されるアノード触媒層を備え、酸素側電極として、コバルトポリピロールカーボンを含有する電極インクから形成されるカソード触媒層を備える膜−電極接合体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、このような膜−電極接合体としては、さらなる発電性能の向上、特に最大出力の向上が要求されている。
そこで、本発明の目的は、優れた最大出力を発揮することができる膜−電極接合体およびそれを用いた燃料電池を提供することにある。
本発明の膜−電極接合体は、アニオン交換膜と、前記アニオン交換膜を挟んで対向配置され、燃料が供給される燃料側電極、および、酸素が供給される酸素側電極とを備え、前記燃料側電極は、アノード触媒およびアニオン交換樹脂を含有し、前記アノード触媒は、非貴金属またはその合金からなる触媒粒子であり、前記アノード触媒に対する前記アニオン交換樹脂の質量割合が、0.03以上0.10以下であり、前記酸素側電極は、カソード触媒およびアニオン交換樹脂を含有し、前記燃料側電極に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量が、前記酸素側電極に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量よりも低いことを特徴としている。
また、本発明の膜−電極接合体では、前記アニオン交換膜は、アニオン伝導性のグラフト鎖を有することが好適である。
また、本発明の膜−電極接合体では、前記アニオン交換膜は、アニオン伝導性のグラフト鎖を有するポリオレフィンであることが好適である。
また、本発明の膜−電極接合体では、前記ポリオレフィンの重量平均分子量が100万以上のポリエチレンであることが好適である。
本発明の燃料電池は、上述の記載の膜−電極接合体と、前記燃料側電極と対向配置され、燃料を供給する燃料供給部材と、前記酸素側電極と対向配置され、酸素を供給する酸素供給部材とを備えることを特徴としている。
本発明の膜−電極接合体を用いれば、最大出力に優れる燃料電池を得ることができる。
図1において、燃料電池1は、固体高分子形燃料電池であって、複数の燃料電池セルSを備えており、これらの燃料電池セルSが積層されたスタック構造(セル積層体15(後述))として形成されている。
なお、図1においては、図解しやすいように1つの燃料電池セルSを取り出して示している。
燃料電池セルSは、膜−電極接合体16(以下、「MEA」と略記する。)を備えている。MEA16は、アニオン交換膜4と、アニオン交換膜4を挟んで対向配置され、燃料(後述)が供給される燃料側電極2、および、酸素が供給される酸素側電極3とを備えている。
アニオン交換膜4は、アニオン成分(例えば、水酸化物イオン(OH−)など)が移動可能な媒体であれば特に限定されず、例えば、アニオン交換樹脂から形成されている。アニオン交換樹脂は、アニオン伝導性の官能基(アニオン伝導性基)を有する固体高分子電解質(アイオノマー)である。
アニオン伝導性基としては、例えば、4級アンモニウム基、4級ピリジウム基などが挙げられ、好ましくは、4級アンモニウム基が挙げられる。
4級アンモニウム基としては、例えば、トリエチルアミン単位を有する4級アンモニウム塩基(−N+(C2H5)3)、n−ブチルジメチルアミン単位を有する4級アンモニウム塩基(−N+(CH3)2C4H9)が挙げられる。好ましくは、トリエチルアミン単位を有する4級アンモニウム塩基(−N+(C2H5)3)が挙げられる。これにより、アニオン交換膜4の水易動度が向上し、水を酸素側電極3に効率的に移動することができるため、発電性能がより一層良好となる。
アニオン伝導性基に対するカウンターイオンとしては、例えば、水酸化物イオン(OH−)、炭酸水素イオン(HCO3 −)が挙げられ、好ましくは、炭酸水素イオンが挙げられる。これにより、アニオン交換膜4のイオン交換に伴う膨潤を抑制し、アニオン交換膜4の安定性が良好となる。
このようなアニオン交換樹脂としては、例えば、公知または市販品が挙げられる。具体的には、セレミオン(旭硝子社製)、ネオセプタ(アストム社製)などが挙げられる。
アニオン交換樹脂は、好ましくは、アニオン伝導性のグラフト鎖を有する。具体的には、アニオン交換樹脂は、好ましくは、ポリマー基体にアニオン伝導性のグラフト鎖をグラフト重合することにより得られる固体高分子電解質である。
ポリマー基体は限定されないが、好ましくは、ポリオレフィンが挙げられ、より好ましくは、超高分子量ポリオレフィンが挙げられる。
超高分子量ポリオレフィンとしては、例えば、超高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリプロピレンなどが挙げられ、入手容易性などの観点から、好ましくは、超高分子量ポリエチレンが挙げられる。
超高分子量ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)は、例えば、100万以上、好ましくは、150万以上、より好ましくは、200万以上であり、また、例えば、400万以下である。
重量平均分子量が上記範囲のポリオレフィンを用いることにより、アニオン交換膜4のアルカリ耐久性、燃料遮断性(特にアルカリ燃料遮断性)、機械的強度、寸法安定性が良好なため、燃料電池の最大出力をより一層向上させることができる。
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。具体的には、ポリマー基体を溶媒(例えば、o−ジクロロベンゼン)に必要に応じて加熱しながら溶解させ、得られた溶液に対してGPC測定を実施すればよい。なお、重量平均分子量は、標準ポリスチレンに基づく換算である。また、溶液を調製する際にポリマー基体の不溶部分が発生した場合は、溶媒に溶解した成分に対する測定結果を、そのポリマー基体の重量平均分子量とする。
アニオン伝導性のグラフト鎖としては、上記したアニオン伝導性基を有していれば限定的でないが、好ましくは、炭素−炭素不飽和結合を有するモノマー(炭素−炭素不飽和モノマー)の重合体にアニオン伝導性基を導入して得られる基が挙げられる。特に好ましくは、グラフト鎖は、アニオン伝導性基をグラフト鎖の側鎖として有する。
炭素−炭素不飽和モノマーとしては、例えば、炭素−炭素不飽和結合(好ましくは、ビニル基などのエチレン性不飽和基)を有していれば限定的でないが、アニオン伝導性基の導入の容易性から、好ましくは、ハロゲン化アルキル基を有する炭素−炭素不飽和モノマーが挙げられる。
ハロゲン化アルキル基を有する炭素−炭素不飽和モノマーとしては、例えば、ハロゲン化アルキルスチレンなどが挙げられる。ハロゲン化アルキルスチレンとしては、例えば、クロロメチルスチレン、クロロエチルスチレン、クロロプロピルスチレン、クロロブチルスチレン、ブロモメチルスチレン、ブロモエチルスチレン、ブロモプロピルスチレン、ブロモブチルスチレン、ヨウ化メチルスチレン、ヨウ化エチルスチレン、ヨウ化プロピルスチレン、ヨウ化ブチルスチレンなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
アニオン伝導性のグラフト基を有するアニオン交換樹脂は、例えば、ポリマー基体に放射線を照射する工程(照射工程)、放射線が放射されたポリマー基体に炭素−炭素不飽和モノマーをグラフト重合して、ポリマー基材にグラフト鎖を付与する工程(重合工程)、および、グラフト鎖にアニオン伝導性基を導入する工程(第1導入工程)により、製造することができる。
照射工程では、ポリマー基体に放射線を照射する。
ポリマー基体の形状は限定的でなく、例えば、フィルム状(シート状)、粒状、塊状などが挙げられ、好ましくは、フィルム状が挙げられる。これにより、アニオン交換樹脂の製造後において、樹脂の膜成形工程を必要とせずに、アニオン交換膜4として用いることができる。
ポリマー基体がフィルム状である場合、その膜厚は、例えば、10〜100μmである。
放射線としては、例えば、α線、β線、γ線、電子線、紫外線などの電離放射線が挙げられ、好ましくは、電子線が挙げられる。
放射線の照射線量は、例えば、1〜400kGyである。
重合工程では、放射線が照射されたポリマー基材に、炭素−炭素不飽和モノマーをグラフト重合する。これにより、ポリマー基材にグラフト鎖が導入される。
重合工程は、公知の方法に従って実施すればよく、例えば、固液二相系にて実施する方法が挙げられる。具体的には、炭素−炭素不飽和モノマーを含有する溶液(液相)に、放射線が照射されたポリマー基体(固相)を接触させることにより、グラフト重合を進行させる。
接触方法としては、例えば、炭素−炭素不飽和モノマーを含有する溶液にポリマー基体を浸漬する方法が挙げられる。
接触時間は、例えば、10分〜12時間である。
反応温度(すなわち、溶液温度)は、例えば、0℃以上、好ましくは、40℃以上であり、また、例えば、100℃以下、好ましくは、80℃以下である。
溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、例えば、フェノール、クレゾールなどのフェノール類が挙げられる。なお、炭素−炭素不飽和モノマーが常温液状の場合は、溶媒は不要とすることができる。
必要に応じて、グラフト重合を阻害する溶存酸素を除去するために、グラフト重合に先立って、溶液に対して窒素ガスなどの不活性ガスによるバブリングを実施する。
また、必要に応じて、グラフト重合後、ポリマー基体を適量の溶剤で洗浄し、乾燥する。
第1導入工程では、グラフト鎖にアニオン伝導性基を導入する。これにより、アニオン伝導性のグラフト基を有するアニオン交換樹脂が得られる。
第1導入工程は、公知の方法に従って実施すればよく、例えば、グラフト鎖がハロゲン化アルキル基を有する場合は、アミンとの反応による4級化処理によって、アニオン伝導性基をグラフト鎖に導入することができる。
アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルジメチルアミンなどのトリアルキルアミン、例えば、ピリジン、イミダゾールなどの芳香族系アミンなどが挙げられる。
第1導入工程では、必要により、溶媒をさらに添加して、その溶媒中で実施してもよい。
溶媒としては、特に限定されないが、好ましくは、得られるアニオン交換樹脂が溶解しない溶媒が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、アセトンが挙げられる。これにより、反応終了後、アニオン交換樹脂を溶媒と容易に濾別できる。
グラフト率は、例えば、50%以上、好ましくは、80%以上であり、また、例えば、200%以下、好ましくは、150%以下である。
グラフト率は、式「{(グラフト重合後の質量)−(グラフト重合前の質量)}/(グラフト重合前の質量)×100(%)」により求めることができる。すなわち、ポリマー基体の質量に対する、グラフト重合により導入されたグラフト鎖の質量の比がグラフト率である。なお、膜質量は、いずれも乾燥状態における質量である。
なお、ハロゲン化アルキル基とアミンとを反応させて、グラフト鎖にアニオン伝導性基を導入した場合、得られるアニオン交換樹脂のカウンターイオンは、一般的に、塩化物イオンとなる。
アニオン交換樹脂は、必要に応じて、カウンターイオンを交換する工程(交換工程)を実施してもよい。これにより、所望のカウンターイオンを有するアニオン交換樹脂が得られる。
交換工程は、交換するカウンターイオンに応じて公知の方法に従って実施すればよく、例えば、炭酸水素イオンに交換する場合は、アニオン交換樹脂を水などの溶媒中に浸漬して、炭酸ガスにてガスバブリングする。
交換されるカウンターイオンが塩化物イオンである場合は、好ましくは、まず塩化物イオンを水酸化物イオンに交換した後に、水酸化物イオンを炭酸水素イオンに交換する。これにより、燃料電池セルSの内部においてアニオン交換膜4がイオン交換に伴って膨潤することを抑制し、安定した状態のアニオン交換膜4を得ることができる。
具体的には、アニオン交換樹脂を、水酸化物の水溶液中に浸漬させて、カウンターイオンを水酸化物イオンに交換した後に、水酸化物イオン交換のアニオン交換樹脂を、二酸化炭素ガスでバブリングする。
水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
必要に応じて、各イオン交換を実施した後に、アニオン交換樹脂を純水などで洗浄してもよい。
必要に応じて、アニオン交換樹脂に公知の成形方法を実施することにより、フィルム状のアニオン交換膜4が得られる。
アニオン交換膜4の膜厚は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
燃料側電極(アノード)2は、例えば、アノード触媒およびアニオン交換樹脂を含有するアノード触媒組成物から形成されている。
アノード触媒は、非貴金属またはその合金からなる触媒粒子である。
非貴金属は、貴金属以外の金属であって、例えば、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表(IUPAC Periodic Table of the Elements(version date 22 June 2007)に従う。)第8〜10(VIII)族元素、例えば、銅(Cu)、亜鉛(Zn)などが挙げられる。好ましくは、鉄族元素が挙げられ、より好ましくは、Niが挙げられる。
合金は、上記非貴金属の合金であり、好ましくは、NiZn合金が挙げられる。
これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
アノード触媒の平均粒子径(1次粒子径、測定方法:走査型電子顕微鏡)は、例えば、10nm以上、好ましくは、20nm以上であり、また、例えば、20μm以下、好ましくは、10μm以下である。
燃料側電極2におけるアニオン交換樹脂は、アニオン成分(例えば、水酸化物イオン(OH−)など)が移動可能な媒体であれば特に限定されず、例えば、アニオン伝導性の官能基(アニオン伝導性基)を有する固体高分子電解質(アイオノマー)である。
燃料側電極2におけるアニオン伝導性基としては、アニオン交換膜4で上記したものと同様のものが挙げられ、好ましくは、4級アンモニウム基が挙げられ、より好ましくは、n−ブチルジメチルアミン単位を有する4級アンモニウム塩基(−N+(CH3)2C4H9)が挙げられる。
燃料側電極2におけるアニオン伝導性基に対するカウンターイオンとしては、アニオン交換膜4で上記したものと同様のものが挙げられ、好ましくは、炭酸水素イオンが挙げられる。これにより、アニオン交換樹脂のイオン交換に伴う膨潤を抑制し、燃料側電極2の安定性が良好となる。
燃料側電極2におけるアニオン交換樹脂としては、アニオン交換膜4で上記したものと同様のものが挙げられるが、好ましくは、スチレン系エラストマーにアニオン伝導性基が導入されたスチレン系エラストマー型アニオン交換樹脂が挙げられる。これにより、アノード触媒への結着性、アニオン伝導性基の導入容易性や高密度化に優れる。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、ハードブロック(スチレン部)とソフトブロック(エラストマー部)とからなるブロック共重合体を用いることができる。具体的には、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−(ブタジエン/ブチレン)−スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン−(エチレン/ブチレン)−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−(エチレン/プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体(SEP)、スチレン−(エチレン−エチレン/プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEEPS)などが挙げられる。好ましくは、SEBS、SIBS、SEPSが挙げられ、より好ましくは、SEBSが挙げられる。
スチレン系エラストマーのスチレン部の質量割合は、例えば、スチレン系エラストマー全体の10%以上、好ましくは、25%以上であり、また、例えば、70%以下、好ましくは、55%以下である。これにより、アニオン交換樹脂の機械的特性、電気的特性がより一層良好となる。
スチレン系エラストマー型アニオン交換樹脂は、好ましくは、エラストマー型アニオン交換樹脂の芳香族環にアニオン伝導性基を有している。より具体的には、その芳香族環に、アルキル鎖を介して、アニオン伝導性基を有している。アルキル鎖は、例えば、炭素素数1〜4のアルキル鎖であり、例えば、メチレン基、ジメチレン基などが挙げられる。
スチレン系エラストマー型アニオン交換樹脂は、例えば、スチレン系エラストマーの芳香族環にハロゲン化アルキル基を置換する工程(置換工程)、および、ハロゲン化アルキル基にアニオン伝導性基を導入する工程(第2導入工程)により、製造することができる。
置換工程において、ハロゲン化アルキル基(R−X)のハロゲンとしては、例えば、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素などが挙げられ、好ましくは、臭素、塩素が挙げられる。ハロゲン化アルキル基は、例えば、クロロメチル基、2−クロロエチル基、4−ブロモブチル基が挙げられ、好ましくは、クロロメチル基が挙げられる。
スチレン系エラストマーの芳香族環にハロゲン化アルキル基を置換する一例として、ハロゲン化アルキル基がクロロメチル基である場合は、スチレン系エラストマーとクロロメチル化剤とを触媒下で反応させることにより、スチレン系エラストマーの芳香族環にクロロメチル基を置換することができる。
クロロメチル化剤は、例えば、クロロメチルメチルエーテル、1,4−ビス(クロロメトキシ)ブタン、1−クロロメトキシ−4−クロロブタン、ホルムアルデヒド−塩化水素、パラホルムアルデヒド−塩化水素が挙げられ、好ましくは、クロロメチルメチルエーテルが挙げられる。
触媒は、例えば、塩化スズ、塩化亜鉛などが挙げられる。
触媒の添加量は、例えば、スチレン系エラストマー100質量部に対して、0.01質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上であり、また、例えば、30質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。
反応温度は、例えば、25℃以上、好ましくは、35℃以上であり、例えば、120℃以下、好ましくは、80℃以下である。
触媒種、触媒の添加量、反応温度などを適宜調整することにより、ハロゲン化アルキル基の置換量、ひいては、アニオン交換樹脂のイオン交換容量を調整することができる。また、反応時間を調整し、適宜NMRなどで反応率を追跡して反応停止させることによってもイオン交換容量を調整することができる。
置換工程では、必要に応じて、有機溶媒をさらに添加して、スチレン系エラストマーを有機溶媒に溶解してもよい。有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン含有炭化水素などが挙げられる。
第2導入工程は、第1導入工程で例示したグラフト鎖がハロゲン化アルキル基を有する場合による4級化処理と同様の方法により実施することができる。
これにより、スチレン系エラストマー型アニオン交換樹脂が得られる。
必要に応じて、アニオン交換樹脂に対して交換工程を実施してもよい。交換工程は、アニオン交換膜4で上記した方法と同様の方法が挙げられる。
燃料側電極2に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量(IEC)は、酸素側電極3(後述)に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量よりも低く、例えば、0.1mmol/g以上、好ましくは、0.3mmol/g以上であり、また、例えば、1.0mmol/g以下、好ましくは、0.8mmol/g以下である。
イオン交換容量は、カウンターイオンを塩化物イオンに交換することにより、塩化物イオン型アニオン交換樹脂(質量:W[g])を得、次いで、この塩化物イオン型アニオン交換樹脂を硝酸ナトリウム水溶液中に浸漬することにより、カウンターイオンを硝酸イオンに交換して、塩化物イオンを遊離し、次いで、この遊離した塩化物イオン量(A[mol])を滴定により定量して、以下の式により算出することにより測定することができる。
イオン交換容量(IEC)[mmol/g]=A[mol]×1000/W[g]
アノード触媒に対するアニオン交換樹脂の質量割合(アニオン交換樹脂/アノード触媒)は、0.03以上、好ましくは、0.04以上であり、また、0.10以下、好ましくは、0.08以下である。上記質量割合が上記上限を上回ると、燃料電池の最大出力が低下する。一方、上記質量割合が上記下限を下回ると、燃料側電極2が脆くなり、燃料側電極2がアニオン交換膜4や燃料供給部材5から剥離して、燃料電池の性能が低下する。
アノード触媒組成物は、アノード触媒およびアニオン交換樹脂以外に、公知の添加剤を含有することもできる。
燃料側電極2の形成では、例えば、アノード触媒組成物(アノード触媒およびアニオン交換樹脂)を、有機溶媒に分散させた燃料側電極インクを調製する。その燃料側電極インクを、アニオン交換膜4の一方面に、公知の方法(例えば、スプレー法、ダイコーター法など)により塗布し、乾燥させることにより、薄膜状の電極膜としてアニオン交換膜4の一方面に形成させる。
燃料側電極インクは、例えば、アノード触媒およびアニオン交換樹脂を有機溶媒に混合し、超音波処理などの公知の撹拌方法によって撹拌混合することにより調製される。具体的には、アノード触媒および有機溶媒を超音波処理にて撹拌混合して、触媒液を調製する。一方、アニオン交換樹脂を有機溶媒に溶解して、アニオン交換樹脂溶液を調製する。次いで、触媒液とアニオン交換樹脂溶液とを混合し、超音波処理にて撹拌混合する。これにより、燃料側電極インクが調製される。
有機溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4の低級モノアルコール、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、これらの混合溶媒などが挙げられる。
燃料側電極2の厚み(乾燥後)は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
アノード触媒の燃料側電極2に対する含有量は、例えば、0.01〜5mg/cm2である。
酸素側電極(カソード)3は、例えば、カソード触媒およびアニオン交換樹脂を含有するカソード触媒組成物から形成されている。
カソード触媒としては、アノード触媒で上記した触媒粒子と同様のものが挙げられる。好ましくは、鉄族元素が挙げられ、より好ましくは、Coが挙げられる。
また、カソード触媒は、例えば、錯体形成有機化合物および/または導電性高分子とカーボンとからなる複合体に、触媒粒子が担持されている触媒を用いることもできる。
錯体形成有機化合物は、触媒粒子の金属原子に配位することによって、当該金属原子と錯体を形成する有機化合物であって、例えば、ピロール、ポルフィリン、テトラメトキシフェニルポルフィリン、ジベンゾテトラアザアヌレン、フタロシアニン、コリン、クロリン、フェナントロリン、サルコミンなどの錯体形成有機化合物またはこれらの重合体が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ピロールの重合体(ポリピロール)、フェナントロリン、サルコミンが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
導電性高分子としては、上記錯体形成有機化合物と重複する化合物もあるが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリトリフェニルアミン、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン、ポリイソチアナフテン、ポリピリジンジイル、ポリチエニレン、ポリパラフェニレン、ポリフルラン、ポリアセン、ポリフラン、ポリアズレン、ポリインドール、ポリジアミノアントラキノンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、
ポリピロールが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
ポリピロールが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
酸素側電極3に含有されるアニオン交換樹脂は、燃料側電極2と同様のアニオン交換樹脂が挙げられる。
酸素側電極3に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量(IEC)は、燃料側電極2に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量よりも高く、例えば、0.8mmol/g以上、好ましくは、1.0mmol/g以上であり、また、例えば、2.0mmol/g以下、好ましくは、1.5mmol/g以下である。
酸素側電極3に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量と、燃料側電極2に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量との差は、例えば、0.3mmol/g以上、好ましくは、0.5mmol/g以上であり、また、例えば、1.5mmol/g以下、好ましくは、1.0mmol/g以下である。
カソード触媒に対するアニオン交換樹脂の質量割合(アニオン交換樹脂/カソード触媒)は、例えば、0.05以上、好ましくは、0.10以上であり、また、例えば、1.00以下、好ましくは、0.80以下である。
酸素側電極3は、例えば、カソード触媒組成物(カソード触媒およびアニオン交換樹脂)を、有機溶媒に分散させた酸素側電極インクを調製する。その酸素側電極インクを、アニオン交換膜4の他方面(燃料側電極2が形成している面とは反対側面)に、公知の方法(例えば、スプレー法、ダイコーター法など)により塗布し、乾燥させることにより、薄膜状の電極膜としてアニオン交換膜4の他方面に形成される。
酸素側電極インクは、例えば、カソード触媒およびアニオン交換樹脂を有機溶媒に混合し、ボールミルなどの公知の撹拌方法によって撹拌混合することにより調製される。具体的には、アニオン交換樹脂を有機溶媒に溶解したアニオン交換樹脂溶液を調製し、アニオン交換樹脂溶液にカソード触媒を添加して、ボールミルにて撹拌混合する。次いで、固形分濃度を調製するために、有機溶媒をさらに添加する。これにより、酸素側電極インクが調製される。
酸素側電極3の厚み(乾燥後)は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、150μm以下である。
カソード触媒の酸素側電極3に対する含有量は、例えば、0.01〜5mg/cm2である。
これによって、MEA16、つまり、アニオン交換膜4と、アニオン交換膜4を挟む燃料側電極2および酸素側電極3とは、一体的に形成されている。
燃料電池セルSは、MEA16に加えて、燃料供給部材5と酸素供給部材6とをさらに備えている。
燃料供給部材5は、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面が、燃料側電極2におけるアニオン交換膜4と接触している表面とは反対側の表面に、対向接触されている。そして、この燃料供給部材5には、燃料側電極2に液体燃料(後述)を供給し、燃料側電極2の全体に液体燃料(後述)を接触させるための燃料流路7が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。
つまり、燃料電池セルSにおいて、燃料流路7が燃料側電極2に対向配置されている。なお、この燃料流路7は、その上流側端部および下流側端部に、燃料供給部材5を貫通する燃料供給口8および燃料排出口9がそれぞれ連続して形成されている。具体的には、上流側端部(図1における紙面下側)に燃料供給口8が形成され、下流側端部(図1における紙面上側)に燃料排出口9が形成されている。
また、酸素供給部材6も、燃料供給部材5と同様に、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面が、酸素側電極3におけるアニオン交換膜4と接触している表面とは反対側の表面に、対向接触されている。そして、この酸素供給部材6にも、酸素側電極3に酸素を供給し、酸素側電極3の全体に酸素(空気)を接触させるための酸素流路10が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。
つまり、燃料電池セルSにおいて、酸素流路10が酸素側電極3に対向配置されている。なお、この酸素流路10にも、その上流側端部および下流側端部に、酸素供給部材6を貫通する酸素供給口11および酸素排出口12がそれぞれ連続して形成されている。具体的には、上流側端部(図1における紙面上側)に酸素供給口11が形成され、下流側端部(図1における紙面下側)に酸素排出口12が形成されている。
燃料電池セルSの最大出力は、例えば、170mW/cm2以上、好ましくは、180mW/cm2以上であり、また、例えば、300mW/cm2以下である。最大出力の測定方法は実施例にて後述する。
そして、燃料電池1は、図1に示されるように、燃料電池セルSが複数積層されるスタック構造として形成されている。そのため、燃料供給部材5および酸素供給部材6は、図示されていないが、両面に燃料流路7および酸素流路10が形成されるセパレータとして構成(兼用)される。
なお、図1には表われていないが、燃料電池1には、導電性材料によって形成される集電板が備えられており、燃料電池1で発生した起電力は、集電板に備えられた端子から外部に取り出される。
また、試験的(モデル的)には、燃料供給部材5と酸素供給部材6とを、外部回路13によって接続し、その外部回路13に電圧計14を介在させることにより、燃料電池1で発生する電圧を計測することもできる。
また、図示しないが、セル積層体15においては、必要に応じて、燃料供給部材5および酸素供給部材6とともに、公知のガス拡散層などを積層することができ、また、必要に応じて、ガスケットなどを設けることもできる。
次に、燃料電池1の発電について説明する。
燃料電池1では、酸素流路10に酸素(空気)が供給されるとともに、燃料流路7に、燃料化合物を含む液体燃料が供給されることによって、発電が行われる。
この燃料電池1において、燃料流路7に供給される液体燃料としては、例えば、燃料化合物としてメタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン類などを含む液体燃料が挙げられ、好ましくは、ヒドラジン類を含む液体燃料などが挙げられる。ヒドラジン類を含む液体燃料として、具体的には、ヒドラジン類の水溶液が挙げられる。ヒドラジン類としては、例えば、無水ヒドラジン(NH2NH2)、水加ヒドラジン(NH2NH2・H2O)、トリアザン(NH2NHNH2)、テトラザン(NH2NHNHNH2)などが挙げられる。
また、液体燃料には、添加剤として、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物などが添加することができる。添加剤の添加量は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、燃料は、上述した燃料化合物をそのまま供給してもよいし、例えば、水および/またはアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール)などの溶液として供給してもよい。この場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、燃料化合物の種類によっても異なるが、例えば、1〜90質量%、好ましくは、1〜30質量%である。
そして、燃料電池1における発電を、より具体的に説明すると、酸素供給部材6の酸素流路10に酸素(空気)を供給しつつ、燃料供給部材5の燃料流路7に上記した燃料を供給すれば、酸素側電極3においては、次に述べるように、燃料側電極2で発生し、外部回路13を介して移動する電子(e−)と、水(H2O)と、酸素(O2)とが反応して、水酸化物イオン(OH−)を生成する。生成した水酸化物イオン(OH−)は、アニオン交換膜4を、酸素側電極3から燃料側電極2へ移動する。そして、燃料側電極2においては、アニオン交換膜4を通過した水酸化物イオン(OH−)と、燃料とが反応して、電子(e−)が生成する。生成した電子(e−)は、燃料供給部材5から外部回路13を介して酸素供給部材6に移動され、酸素側電極3へ供給される。このような燃料側電極2および酸素側電極3における電気化学的反応によって、起電力が生じ、発電が行われる。
例えば、燃料としてヒドラジン(NH2NH2)を用いた場合には、上記反応は、燃料側電極2、酸素側電極3および全体として、次の反応式(1)〜(3)で表すことができる。
(1) NH2NH2+4OH−→4H2O+N2+4e− (燃料側電極)
(2) O2+2H2O+4e−→4OH− (酸素側電極)
(3) NH2NH2+O2→2H2O+N2 (全体)
なお、この燃料電池1の運転条件は、特に限定されないが、例えば、燃料側電極2側の加圧が100kPa以下、好ましくは、50kPa以下であり、酸素側電極3側の加圧が100kPa以下、好ましくは、50kPa以下として設定される。また、燃料電池セルSの温度が30℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下として設定される。
(1) NH2NH2+4OH−→4H2O+N2+4e− (燃料側電極)
(2) O2+2H2O+4e−→4OH− (酸素側電極)
(3) NH2NH2+O2→2H2O+N2 (全体)
なお、この燃料電池1の運転条件は、特に限定されないが、例えば、燃料側電極2側の加圧が100kPa以下、好ましくは、50kPa以下であり、酸素側電極3側の加圧が100kPa以下、好ましくは、50kPa以下として設定される。また、燃料電池セルSの温度が30℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下として設定される。
従来から、固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)において、固体高分子電解質膜としてカチオン交換膜(プロトン交換膜)を用いたカチオン交換型PEFCが広く研究されている。このカチオン交換型PEFCは、燃料側電極および酸素側電極に、高価かつ被毒により出力が低下しやすい白金触媒が使用される。
これに対し、本発明のMEA16を備える燃料電池1は、固体高分子電解質膜としてアニオン交換膜4を用いたアニオン交換型の固体高分子型PEFCである。このアニオン交換型PEFCは、カチオン交換型PEFCと発電原理(電気化学反応)が異なるため、燃料側電極2および酸素側電極3に、非貴金属などの触媒粒子を用いて発電することが可能であり、さらに、ヒドラジン、アルコールなどの液体燃料(アルカリ液体燃料)を用いることができる。特に、ヒドラジンを用いると、高出力であり、かつ発電原理上CO2の発生を防止することできる。
ところで、アニオン交換膜4は、上記発電原理から明らかなように、酸素側電極3に水の補給が必須である。水の補給としては、加湿装置などの補機を酸素側電極側に設置する方法以外に、クロスリークを利用した方法、すなわち、燃料側電極2で生成される水をアニオン交換膜4を通じてバランス良く酸素側電極3に輸送する方法が検討される。
本発明の燃料電池1は、この技術思想に基づいて、最大出力を向上させたものである。
すなわち、本発明の燃料電池1に用いられるMEA16では、燃料側電極2において、アノード触媒およびアニオン交換樹脂を含有し、アノード触媒は、非貴金属またはその合金からなる触媒粒子であり、アノード触媒に対するアニオン交換樹脂の質量割合(アニオン交換樹/アノード触媒粒子)が、0.03以上0.10以下である。
このため、バインダーであるアニオン交換樹脂が、触媒粒子表面を過度に被覆せずに、かつ、燃料側電極2内部に適度な空隙が存在するように、触媒粒子を結着して、燃料側電極(アノード触媒層)2を形成することができる。よって、燃料側電極2内部における燃料供給性、および、水・窒素排出性を良好にすることができる。
また、燃料側電極2に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量が、酸素側電極3に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量よりも低い。
このため、燃料側電極2に含有されるアニオン交換樹脂よりも、酸素側電極3に含有されるアニオン交換樹脂の方に、相対的に水が保持され易くなる。
したがって、これらの燃料側電極2内部の適度な空隙、電極間の相対的な水の保持性などにより、燃料側電極2内部から酸素側電極3への水の移動が適度に促進されるため、上記電気反応が効率的に行われ、最大出力が優れると推察される。
そして、このような燃料電池1の用途としては、例えば、自動車、船舶、航空機などにおける駆動用モータの電源、携帯電話機などの通信端末における電源などが挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
(アニオン交換膜の作製)
窒素雰囲気下にて、ポリエチレンフィルム(超高分子量ポリエチレン、Mw:154万、膜厚25μm)の一方面に向かって電子線を照射した。照射条件は、照射線量90kGy、加速電圧250kVとした。
窒素雰囲気下にて、ポリエチレンフィルム(超高分子量ポリエチレン、Mw:154万、膜厚25μm)の一方面に向かって電子線を照射した。照射条件は、照射線量90kGy、加速電圧250kVとした。
次いで、炭素−炭素不飽和モノマーとして4−(クロロメチル)スチレン(常温液体)550gを用意し、これを窒素ガスでバブリングすることにより、モノマー液体内の酸素を除去した。その後、70℃に昇温したモノマー液体中に、電子線を照射したポリエチレンフィルムを30分浸漬させることにより、グラフト重合を進行させた。
次いで、グラフト重合後のポリエチレンフィルムをモノマー液体から取り出し、80℃の乾燥機で乾燥することにより、グラフト膜を得た。得られたグラフト膜のグラフト率は、100%であった。
グラフト率は、式「{(グラフト重合後の膜質量)−(グラフト重合前の膜質量)}/(グラフト重合前の膜質量)×100(%)」により求めた。なお、膜質量は、いずれも乾燥状態における質量とした。
次いで、グラフト膜を、トリエチルアミン(アルドリッチ社製)中に室温で12時間浸漬することにより、グラフト鎖のクロロメチル基とトリエチルアミンとによる4級化処理を実施した。
次いで、4級化処理したアニオン交換膜を、濃度1MのKOH水溶液に2時間浸漬してイオン交換した。その後、純水中で30分炭酸ガスバブリングした。これにより、カウンターイオンが炭酸水素イオン(HCO3 −)である4級アンモニウム基を有するアニオン交換膜(膜厚35μm)を得た。
(アニオン交換樹脂溶液Aの調製)
スチレン−(エチレン/ブチレン)−スチレンブロック共重合体(SEBS)(スチレン部の質量が共重合体全体の質量の30%)40g、クロロメチルメチルエーテルを360g、および、クロロホルム100gを混合し、窒素気流下で撹拌して、SEBSを溶解させた。このSEBS溶液に塩化亜鉛(ZnCl2)0.32gを添加し、窒素気流下、液温40℃にて撹拌しながら反応させた。1時間経過後、反応溶液を大量のメタノール中に滴下した。析出した固形物を濾別し、乾燥させて、アニオン交換樹脂前駆体(クロロメチル基が置換されたSEBS)を得た。
スチレン−(エチレン/ブチレン)−スチレンブロック共重合体(SEBS)(スチレン部の質量が共重合体全体の質量の30%)40g、クロロメチルメチルエーテルを360g、および、クロロホルム100gを混合し、窒素気流下で撹拌して、SEBSを溶解させた。このSEBS溶液に塩化亜鉛(ZnCl2)0.32gを添加し、窒素気流下、液温40℃にて撹拌しながら反応させた。1時間経過後、反応溶液を大量のメタノール中に滴下した。析出した固形物を濾別し、乾燥させて、アニオン交換樹脂前駆体(クロロメチル基が置換されたSEBS)を得た。
得られたアニオン交換樹脂前駆体10.00g、n−ブチルジメチルアミン100gおよびアセトン300gを混合し、室温で3日間撹拌することにより、クロロメチル基とn−ブチルジメチルアミンとによる4級化処理した。次いで、固体物を濾別し、固体物を0.5N塩酸に添加し、1時間撹拌した後、濾別した。これにより、カウンターイオンがClイオンであるアニオン交換樹脂を得た。
得られたClイオン型アニオン交換樹脂を大過剰の0.5N水酸化ナトリウム水溶液に添加し、室温で1日間撹拌して、カウンターイオンがOHイオンであるアニオン交換樹脂を得た。次いで、OHイオン型アニオン交換樹脂を純水に添加し、二酸化炭素バブリングを3時間実施し、乾燥した。これにより、カウンターイオンが炭酸水素イオン(HCO3 −)である4級アンモニウム基を有するアニオン交換樹脂Aを得た。
得られた炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂Aを、テトラヒドロフランと1−プロパノールとの混合溶媒(テトラヒドロフラン:1−プロパノール=7:3(質量比))に溶解させることにより、炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂Aの溶液(アニオン交換樹脂溶液A、固形分2質量%)を調製した。
(イオン交換容量の測定)
炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂Aのイオン交換容量を下記の方法により測定したところ、0.51mmol/gであった。
炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂Aのイオン交換容量を下記の方法により測定したところ、0.51mmol/gであった。
炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂Aを、塩化ナトリウム水溶液(3mol/L)中に1日以上浸漬し、カウンターイオンをClイオンに交換した。得られたClイオン型アニオン交換樹脂を80℃雰囲気下で1時間乾燥後、質量W[g]を測定した。
乾燥後のClイオン型アニオン交換樹脂を、60℃の1N硝酸ナトリウム水溶液に24時間浸漬させて、カウンターイオンを硝酸イオンに交換した。0.05N硝酸銀水溶液を用いて、電位差滴定装置(平沼産業社製、商品名「COM−2500」)にて、遊離したClイオン量A[mol]を滴定により定量して、イオン交換容量(IEC)[mmol/g]を以下の式により求めた。
イオン交換容量(IEC)[mmol/g]=A[mol]×1000/W[g]
(アニオン交換樹脂溶液Bの調製)
塩化亜鉛の添加量を0.32gから1.70gに変更した以外は、アニオン交換樹脂溶液Aの調製と同様の方法を実施して、炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂Bの溶液(アニオン交換樹脂溶液B、固形分2質量%)を調製した。
塩化亜鉛の添加量を0.32gから1.70gに変更した以外は、アニオン交換樹脂溶液Aの調製と同様の方法を実施して、炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂Bの溶液(アニオン交換樹脂溶液B、固形分2質量%)を調製した。
炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂Bのイオン交換容量は、1.22mmol/gであった。
実施例1
(燃料側電極インク1の調製)
Ni粒子(アノード触媒、日興リカ社製、商品名「#210」)および混合溶媒(テトラヒドロフラン:1−プロパノール=7:3(質量比))を、触媒:混合溶媒=10:100(質量比)となるように混合し、超音波処理を10分間実施することにより、触媒液を得た。次いで、触媒液およびアニオン交換樹脂溶液Aを、アニオン交換樹脂:触媒=5:100(質量比)となるように混合し、3分間超音波処理を実施した。これにより、燃料側電極インク1(触媒濃度7.62質量%)を調製した。
(燃料側電極インク1の調製)
Ni粒子(アノード触媒、日興リカ社製、商品名「#210」)および混合溶媒(テトラヒドロフラン:1−プロパノール=7:3(質量比))を、触媒:混合溶媒=10:100(質量比)となるように混合し、超音波処理を10分間実施することにより、触媒液を得た。次いで、触媒液およびアニオン交換樹脂溶液Aを、アニオン交換樹脂:触媒=5:100(質量比)となるように混合し、3分間超音波処理を実施した。これにより、燃料側電極インク1(触媒濃度7.62質量%)を調製した。
(酸素側電極インクの調製)
コバルトポリピロールカーボン(カソード触媒、北興化学工業社製、商品名「D8L001」)およびアニオン交換樹脂溶液Bを、アニオン交換樹脂:触媒=33:100(質量比)となるように混合し、5mmφのジルコニアボールを備える遊星型ボールミルにて撹拌混練することにより、均一に分散したペーストを得た。次いで、ペーストに、混合溶媒を添加して、固形分濃度を調整した。これにより、酸素側電極インク(触媒濃度2.22質量%)を調製した。
コバルトポリピロールカーボン(カソード触媒、北興化学工業社製、商品名「D8L001」)およびアニオン交換樹脂溶液Bを、アニオン交換樹脂:触媒=33:100(質量比)となるように混合し、5mmφのジルコニアボールを備える遊星型ボールミルにて撹拌混練することにより、均一に分散したペーストを得た。次いで、ペーストに、混合溶媒を添加して、固形分濃度を調整した。これにより、酸素側電極インク(触媒濃度2.22質量%)を調製した。
(膜−電極接合体の製造)
アニオン交換膜の一方面に燃料側電極インク1を、触媒量が2.6mg/cm2となるようにスプレー塗布および乾燥して、燃料側電極(厚み30μm)を形成した。
アニオン交換膜の一方面に燃料側電極インク1を、触媒量が2.6mg/cm2となるようにスプレー塗布および乾燥して、燃料側電極(厚み30μm)を形成した。
次いで、アニオン交換膜の他方面に酸素側電極インクを、触媒量が1mg/cm2となるようにスプレー塗布および乾燥して、酸素側電極(厚み50μm)を形成した。
これにより、実施例1の膜−電極接合体を製造した。
実施例2
(燃料側電極インク2の調製)
アニオン交換樹脂:触媒=3:100(質量比)となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク2を調製した。
(燃料側電極インク2の調製)
アニオン交換樹脂:触媒=3:100(質量比)となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク2を調製した。
(膜−電極接合体の製造)
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク2を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、実施例2の膜−電極接合体を製造した。
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク2を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、実施例2の膜−電極接合体を製造した。
実施例3
(燃料側電極インク3の調製)
Ni粒子の代わりにNi87Zn13粒子(アノード触媒、NiZn合金(Ni:Zn=87:13(モル比))、Cabot社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク3を調製した。
(燃料側電極インク3の調製)
Ni粒子の代わりにNi87Zn13粒子(アノード触媒、NiZn合金(Ni:Zn=87:13(モル比))、Cabot社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク3を調製した。
(膜−電極接合体の製造)
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク3を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、実施例3の膜−電極接合体を製造した。
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク3を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、実施例3の膜−電極接合体を製造した。
比較例1
(燃料側電極インク4の調製)
アニオン交換樹脂溶液Aの代わりにアニオン交換樹脂溶液Bを用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク4を調製した。
(燃料側電極インク4の調製)
アニオン交換樹脂溶液Aの代わりにアニオン交換樹脂溶液Bを用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク4を調製した。
(膜−電極接合体の製造)
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク4を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、比較例1の膜−電極接合体を製造した。
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク4を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、比較例1の膜−電極接合体を製造した。
比較例2
(燃料側電極インク5の調製)
アニオン交換樹脂溶液Aの代わりにアニオン交換樹脂溶液Bを用い、かつ、アニオン交換樹脂:触媒=11:100(質量比)となるように調整した以外は、実施例1同様の方法を実施して、燃料側電極インク5を調製した。
(燃料側電極インク5の調製)
アニオン交換樹脂溶液Aの代わりにアニオン交換樹脂溶液Bを用い、かつ、アニオン交換樹脂:触媒=11:100(質量比)となるように調整した以外は、実施例1同様の方法を実施して、燃料側電極インク5を調製した。
(膜−電極接合体の製造)
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク5を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、比較例2の膜−電極接合体を製造した。
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク5を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、比較例2の膜−電極接合体を製造した。
比較例3
アニオン交換樹脂:触媒=11:100(質量比)となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク6を調製した。
アニオン交換樹脂:触媒=11:100(質量比)となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク6を調製した。
(膜−電極接合体の製造)
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク6を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、比較例3の膜−電極接合体を製造した。
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク6を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、比較例3の膜−電極接合体を製造した。
比較例4
アニオン交換樹脂:触媒=2:100(質量比)となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク7を調製した。
アニオン交換樹脂:触媒=2:100(質量比)となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法を実施して、燃料側電極インク7を調製した。
(膜−電極接合体の製造)
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク7を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、比較例1の膜−電極接合体を製造しようとした。
燃料側電極インク1の代わりに燃料側電極インク7を用いた以外は、実施例1と同様の方法を実施して、比較例1の膜−電極接合体を製造しようとした。
しかし、アニオン交換膜の一方面に形成した燃料側電極が脆く、崩壊したため、膜−電極接合体を製造できなかった。
(最大出力の測定)
各実施例および各比較例の膜−電極接合体の燃料側電極に燃料供給部材を積層し、酸素側電極に酸素供給部材を積層し、燃料電池を製造した。
各実施例および各比較例の膜−電極接合体の燃料側電極に燃料供給部材を積層し、酸素側電極に酸素供給部材を積層し、燃料電池を製造した。
この燃料電池の最大出力を下記の方法に従って測定した。すなわち、燃料側電極側には、水加ヒドラジン1mol/dm3−1N−KOH水溶液を、2mL/minの速度、110kPa・absの供給圧で供給し、酸素側電極側には、空気を0.5L/minの速度、160kPa・absの供給圧で供給した。セル運転温度は80℃とした。電子負荷装置により電流掃引時の電圧値をプロットし、電流と電圧の積が最大となる値を電極面積で除した値を最大出力とした。結果を表1に示す。
1 燃料電池
2 燃料側電極
3 酸素側電極
4 アニオン交換膜
16 膜−電極接合体
2 燃料側電極
3 酸素側電極
4 アニオン交換膜
16 膜−電極接合体
Claims (5)
- アニオン交換膜と、
前記アニオン交換膜を挟んで対向配置され、燃料が供給される燃料側電極、および、酸素が供給される酸素側電極と
を備え、
前記燃料側電極は、アノード触媒およびアニオン交換樹脂を含有し、
前記アノード触媒は、非貴金属またはその合金からなる触媒粒子であり、
前記アノード触媒に対する前記アニオン交換樹脂の質量割合が、0.03以上0.10以下であり、
前記酸素側電極は、カソード触媒およびアニオン交換樹脂を含有し、
前記燃料側電極に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量が、前記酸素側電極に含有されるアニオン交換樹脂のイオン交換容量よりも低いことを特徴とする、膜−電極接合体。 - 前記アニオン交換膜は、アニオン伝導性のグラフト鎖を有することを特徴とする、請求項1に記載の膜−電極接合体。
- 前記アニオン交換膜は、アニオン伝導性のグラフト鎖を有するポリオレフィンであることを特徴とする、請求項2に記載の膜−電極接合体。
- 前記ポリオレフィンの重量平均分子量が100万以上のポリエチレンであることを特徴とする、請求項3に記載の膜−電極接合体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の膜−電極接合体と、
前記燃料側電極と対向配置され、燃料を供給する燃料供給部材と、
前記酸素側電極と対向配置され、酸素を供給する酸素供給部材と
を備えることを特徴とする、燃料電池。
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