JP2016091603A - マイクロ波プラズマ処理装置 - Google Patents

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松本 直樹
Naoki Matsumoto
直樹 松本
孝博 仙田
Takahiro Senda
孝博 仙田
亮 孫
Liang Sun
亮 孫
吉川 潤
Jun Yoshikawa
潤 吉川
紘司 小山
Koji Koyama
紘司 小山
▲高▼橋 和樹
和樹 ▲高▼橋
Kazuki Takahashi
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Abstract

【課題】誘電体の外周面と、処理容器の側壁との間に設けられた隙間のずれに起因したプラズマの均一性の低下を抑制するマイクロ波プラズマ処理装置の提供。
【解決手段】マイクロ波プラズマ処理装置は、上部に開口を有する処理容器と、前記処理容器内を気密に塞ぎ、前記処理容器内にマイクロ波を導入する誘電体窓21と、凹部24aを形成し、誘電体窓21の外周面を凹部24aに収容支持する支持部材24と、誘電体窓21上に設けられ、誘電体窓21を介して前記処理容器内にマイクロ波を放射するスロットアンテナ板と、を備え、誘電体窓21の外周面と、凹部24aの表面のうち外周面と対向する表面との間に、距離L1が5mm以上100mm以下の範囲内である隙間21−1が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明の種々の側面及び実施形態は、マイクロ波プラズマ処理装置に関するものである。
マイクロ波により励起されたプラズマを用いるマイクロ波プラズマ処理装置がある。マイクロ波プラズマ処理装置では、処理容器の開口が誘電体によって塞がれる。また、マイクロ波プラズマ処理装置では、均一なプラズマを発生するように最適に配列された複数のスロットを有する平面状のスロットアンテナ板が誘電体上に設けられる。マイクロ波プラズマ処理装置は、スロットアンテナ板からプラズマ励起用のマイクロ波を放射し、放射されたマイクロ波を誘電体を介して処理容器内へ導入する。
なお、誘電体を処理容器に取り付けるための構造として、処理容器の側壁の上端部にリット(蓋体)の機能を有する支持部材に形成された凹部に誘電体の外周面を収容支持する構造が知られている。
特開2010−225396号公報
しかしながら、上述した従来技術では、誘電体の外周側面と、処理容器の側壁との間に設けられた隙間のずれに起因してプラズマの均一性が低下するという問題がある。
開示するマイクロ波プラズマ処理装置は、1つの実施態様において、上部に開口を有する処理容器と、前記処理容器内を気密に塞ぎ、前記処理容器内にマイクロ波を導入する誘電体と、凹部を形成し、前記誘電体の外周面を前記凹部に収容支持する支持部材と、前記誘電体上に設けられ、前記誘電体を介して前記処理容器内にマイクロ波を放射するスロットアンテナ板と、を備え、前記誘電体の前記外周面と、前記凹部の表面のうち前記外周面と対向する表面との間に、距離が5mm以上100mm以下の範囲内である隙間が設けられた。
開示するマイクロ波プラズマ処理装置の1つの態様によれば、誘電体の外周面と、処理容器の側壁との間に設けられた隙間のずれに起因したプラズマの均一性の低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、第1の実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置の構成を概略的に示す概略断面図である。 図2は、図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置に備えられるスロットアンテナ板を、板厚方向から見た図である。 図3は、第1の実施形態における誘電体窓、支持部材及び隙間を拡大して示す断面図である。 図4は、隙間の距離と、電子密度の分布の均一性との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。 図5は、隙間の距離のずれと、電子密度の均一性との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。 図6は、第2の実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置の構成を概略的に示す概略断面図である。 図7は、第2の実施形態における誘電体窓、支持部材及び隙間を拡大して示す断面図である。 図8は、隙間の距離のずれと、電子密度の均一性との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。
開示するマイクロ波プラズマ処理装置は、1つの実施形態において、上部に開口を有する処理容器と、処理容器内を気密に塞ぎ、処理容器内にマイクロ波を導入する誘電体と、凹部を形成し、誘電体の外周面を凹部に収容支持する支持部材と、誘電体上に設けられ、誘電体を介して処理容器内にマイクロ波を放射するスロットアンテナ板と、を備え、誘電体の外周面と、凹部の表面のうち外周面と対向する表面との間に、距離が5mm以上100mm以下の範囲内である隙間が設けられた。
また、開示するマイクロ波プラズマ処理装置は、1つの実施形態において、隙間の距離は、7mm以上50mm以下の範囲内である。
また、開示するマイクロ波プラズマ処理装置は、1つの実施形態において、上部に開口を有する処理容器と、処理容器内を気密に塞ぎ、処理容器内にマイクロ波を導入する誘電体と、第1の凹部と、該第1の凹部内において窪む第2の凹部とを形成し、誘電体の外周面を第1の凹部に収容支持する支持部材と、誘電体上に設けられ、誘電体を介して処理容器内にマイクロ波を放射するスロットアンテナ板と、を備え、誘電体の外周面と、第1の凹部の表面のうち外周面と対向する表面との間に第1の隙間が設けられ、誘電体の外周面と、第2の凹部の表面のうち外周面と対向する表面との間に第2の隙間が設けられた。
また、開示するマイクロ波プラズマ処理装置は、1つの実施形態において、第2の隙間の距離は、5mm以上100mm以下の範囲内である。
また、開示するマイクロ波プラズマ処理装置は、1つの実施形態において、第2の隙間の距離は、7mm以上50mm以下の範囲内である。
また、開示するマイクロ波プラズマ処理装置は、1つの実施形態において、誘電体の厚み方向に沿った第2の凹部の幅は、誘電体の厚みの1/3以上に設定される。
また、開示するマイクロ波プラズマ処理装置は、1つの実施形態において、誘電体の厚みは、真空中を伝播する電磁波の波長をλとすると、λ/4以上λ/2未満である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置11の構成を概略的に示す概略断面図である。図2は、図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置11に備えられるスロットアンテナ板20を、板厚方向から見た図である。なお、理解の容易の観点から、部材のハッチングを一部省略している。
図1及び図2に示すように、マイクロ波プラズマ処理装置11は、マイクロ波をプラズマ源とするプラズマ処理装置である。マイクロ波プラズマ処理装置11は、その内部で被処理基板Wにプラズマ処理を行う処理空間を有する処理容器12と、処理容器12内にプラズマ処理用のプロセスガス等を供給するガス供給機構13と、処理容器12内に設けられ、その上に被処理基板Wを保持する保持台14と、処理容器12の外部に接続して設けられ、プラズマ励起用のマイクロ波を発生させるマイクロ波発生器15と、マイクロ波発生器15により発生させたマイクロ波を処理容器12内に導入する導波管16および同軸導波管17と、同軸導波管17の下方端部に連結されており、同軸導波管17によって導入されたマイクロ波を径方向に伝播する誘電体からなる遅波板18と、遅波板18の下方側に配置されており、遅波板18によって伝播されたマイクロ波を放射するスロット19を複数有するスロットアンテナ板20と、スロットアンテナ板20の下方側に配置されており、スロット19から放射されたマイクロ波を処理容器12内に透過させる誘電体窓21と、マイクロ波プラズマ処理装置11全体を制御する制御部(図示せず)とを備える。制御部は、ガス供給機構13におけるガス流量、処理容器12内の圧力等、被処理基板Wをプラズマ処理するためのプロセス条件を制御する。なお、理解の容易の観点から、図1において、スロット19の開口形状を概略的に示している。
処理容器12は、被処理基板Wを収容可能な構成となっている。処理容器12は、保持台14の下方側に位置する底部22と、底部22の外周から上方向に延びる側壁23と含む。側壁23は、円筒状である。処理容器12の底部22には、排気用の排気孔25が設けられている。排気孔25には、排気管25aを介して排気装置25bが接続されている。排気装置25bは、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有している。排気装置25bにより、処理容器12の内部を所望の真空度まで減圧することができる。
側壁23の上端部は、開口を形成している。側壁23の上端部には、誘電体窓21を支持する支持部材24が設けられている。支持部材24は、側壁23の上端部の一部を構成する。支持部材24の内周側には、誘電体窓21の外周面を収容するための凹部24aが形成されている。
支持部材24は、誘電体窓21の外周面が支持部材24の凹部24aに収容された状態で側壁23の上端部の開口を塞ぐように処理容器12に気密に取り付けられている。誘電体窓21の外周面と、支持部材24の凹部24aの表面のうち誘電体窓21の外周面と対向する表面との間には、隙間21−1が設けられている。隙間21−1の距離の好ましい範囲については、後述する。
誘電体窓21と、支持部材24の凹部24aとの間には、Oリング31が介在している。誘電体窓21は、Oリング31を介して支持部材24の凹部24aに収容支持される。誘電体窓21及びOリング31によって、処理容器12は、完全に密封される。
側壁23には、開口部23aが形成される。開口部23aには、開口部23aを開閉するバルブ(ゲートバルブ)26が設けられる。マイクロ波プラズマ処理装置11は、ゲートバルブ26を開にして被処理基板Wを搬出入する。
保持台14は、円板状の被処理基板Wをその上に載置するようにして保持する。保持台14には、RF(radiofrequency)バイアス用の高周波電源43がマッチングユニット44および給電棒45を介して電気的に接続されている。このバイアス用高周波電源43は、被処理基板Wに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定の周波数、例えば、13.56MHzの高周波を後述する所定のパワーで出力する。マッチングユニット44は、バイアス用高周波電源43側のインピーダンスと、主に電極、プラズマ、処理容器12といった負荷側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を収容しており、この整合器の中に自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサ(図なし)が含まれている。
保持台14の上面には、静電チャック14aが設けられている。静電チャック14aは、被処理基板Wを静電吸着力で保持する。静電チャック14aは、絶縁膜14b及び電極14cを含んでいる。電極14cは、導電膜によって構成されており、絶縁膜14bの内部に埋め込まれている。電極14cには、直流電源14dがスイッチ14e及び被覆線14fを介して電気的に接続されている。静電チャック14aは、直流電源14dから印加される直流電圧により発生するクーロン力を用いて、被処理基板Wを吸着保持することができる。
マイクロ波発生器15は、中心導体(内導体)29aおよび外周導体(外導体)29bから構成される同軸導波管17およびモード変換器30を介して、マイクロ波を導入する導波管(矩形導波管)16の上流側に接続されている。同軸導波管17を構成し、いずれも円筒状である中心導体29aおよび外周導体29bは、径方向の中心を一致させ、中心導体29aの外径面と、外周導体29bの内径面との間隔を開けるようにして、図1中の紙面上下方向に延びるようにして配置される。
スロットアンテナ板20は、薄板状であって、例えば銅材にニッケルめっきした円板状である。スロットアンテナ板20の板厚方向の両面は、それぞれ平らである。スロットアンテナ板20には、板厚方向に貫通する複数のスロット19が複数設けられている。スロット19は、一方方向に長い第一のスロット19aと、第一のスロット19aと直交する方向に長い第二のスロット19bとが、隣り合って一対となるように形成されている。具体的には、隣り合う2つのスロット19a、19bが一対となって、略ハ字状となるように配置されて構成されている。すなわち、スロットアンテナ板20は、一方方向に延びる第一のスロット19aおよび一方方向に対して垂直な方向に延びる第二のスロット19bから構成されるスロット対32を有する構成である。なお、スロット対32の一例については、図2中の点線で示す領域で図示している。スロットアンテナ板20の径方向の中央には、貫通孔33が設けられている。スロットアンテナ板20は、径方向の中心を基準とした回転対称性を有する。
誘電体窓21は、略円板状であって、所定の板厚を有する。誘電体窓21は、たとえば石英やアルミナ等といった誘電体から構成されている。誘電体窓21は、下側を処理容器12の支持部材24の上に載せて、スロットアンテナ板20と共に固定部材(図示してない)で固定して取り付けられる。誘電体窓21の径方向の中央には、板厚方向、すなわち、図1中の紙面上下方向に貫通する貫通孔34が設けられている。貫通孔34は、上側領域の径が下側領域の径よりも大きくなるように形成されている。誘電体窓21のうち、マイクロ波プラズマ処理装置11に備えられた際にプラズマを生成する側となる下面35の径方向外側領域には、環状に連なり、誘電体窓21の板厚方向内方側、ここでは、図1における紙面上方向に向かってテーパ状に凹む誘電体窓凹部36が設けられている。また、誘電体窓凹部36より内側にデンプル状の溝を複数設けても良い。
処理容器12内には、ガス供給機構13によりプラズマ処理用のプロセスガスが供給される。マイクロ波プラズマ処理装置11においては、制御部により、被処理基板Wの温度が、例えば−20℃〜250℃の範囲で処理に適した温度に設定される。マイクロ波発生器15により発生させたマイクロ波は、同軸導波管17を通って、遅波板18に伝播され、スロットアンテナ板20に設けられた複数のスロット19から誘電体窓21に放射される。誘電体窓21を透過したマイクロ波は、誘電体窓21の直下に電界を生じさせ、処理容器12内にプラズマを生成させる。誘電体窓21の直下で生成されたプラズマは、誘電体窓21から離れる方向、すなわち、保持台14に向かう方向に拡散していく。そして、拡散したプラズマによって、保持台14に載置された被処理基板Wを含む領域に、プラズマ拡散領域が、形成される。被処理基板Wに対してプラズマエッチング等のプラズマ処理を行う。マイクロ波プラズマ処理装置11において処理に供されるマイクロ波プラズマは、比較的に低電子温度例えば1.0eV程度のプラズマを生成することができるため、被処理基板Wへのプラズマダメージを低減させることができる。また、上記した構成のスロットアンテナ板20および遅波板18を含む構成を、ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA:RadialLine Slot Antena)と呼称する。また、この構成は、被処理体に低ダメージで均一なプラズマ処理が可能である。
次に、処理容器12内にプラズマ処理用のプロセスガスを供給するガス供給機構13の構成について説明する。ガス供給機構13は、処理容器12内の中央に配置され、被処理基板Wの中央領域に向かってプロセスガスを供給するガス供給口37を有するセンターガス供給部材としてのインジェクター38と、上記の中央領域とは異なる周縁領域から径方向内側に向けてプロセスガスを噴出させて、被処理基板Wにプロセスガスを供給するガス供給口39を有するアウターガス流路40とを含む。
センターガス供給部材は、同軸導波管17を構成する中空状の中心導体29aの中空部分を、ガスの供給路としている。インジェクター38は、誘電体窓21の内方側に配置されている。具体的には、誘電体窓21に設けられた貫通孔34のうち、径の小さな下側領域は、インジェクター38におけるガス供給口37となり、径の大きな上側領域は、インジェクター38を載置するようにして受け入れる受け入れ凹部41となる。
アウターガス流路40は、処理容器12の側壁23に形成された流路である。アウターガス流路40は、導管40aを介してアウターガス供給源40bに接続されている。アウターガス供給源40bは、被処理基板Wを処理するための所定のプロセスガスを導管40aに供給する。
インジェクター38およびアウターガス流路40はそれぞれ、処理容器12外から処理容器12内にプラズマ処理用のプロセスガス等を供給する。すなわち、処理容器12内に供給されるプロセスガスは、インジェクター38によって被処理基板Wの中央領域に供給され、アウターガス流路40によって被処理基板Wの周縁領域に供給される。上記の制御部によって、インジェクター38およびアウターガス流路40から供給されるプロセスガスの種類や流量比を制御することが可能となっている。
次に、誘電体窓21の外周面と、支持部材24の凹部24aの表面のうち誘電体窓21の外周面と対向する表面との間に設けられた隙間21−1の距離の好ましい範囲について説明する。図3は、第1の実施形態における誘電体窓、支持部材及び隙間を拡大して示す断面図である。
図3に示すように、誘電体窓21の外周面と、支持部材24の凹部24aの表面のうち誘電体窓21の外周面と対向する表面との間に設けられた隙間21−1の距離L1は、5mm以上100mm以下であることが好ましい。これにより、誘電体窓21の下方で生成されるプラズマの電子密度の均一性が悪化することを抑制することが可能となる。
図4は、隙間21−1の距離と、電子密度の均一性との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。図4において、横軸は、隙間21−1の距離(mm)を示しており、縦軸は、被処理基板Wから5mmだけ上方の位置における中心から150mmの点の左右の電子密度の均一性(%)を示している。電子密度の均一性は、値が低いほど、均一性が良好であることを示している。
また、図4に示したシミュレーションで用いられるモデルは、図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置11に相当する2次元モデル(以下単に「2次元モデル」という)であるものとする。また、以下では、2次元モデルのうち、図1に示した左側の隙間21−1の距離と、右側の隙間21−1の距離とが等しい2次元モデルを「対称モデル」と呼ぶ。また、2次元モデルのうち、図1に示した左側の隙間21−1の距離と、右側の隙間21−1の距離とが異なる(1mmずれている)2次元モデルを「非対称モデル」と呼ぶ。図4に示したグラフのうち、グラフ101は、対称モデルを用いて算出された電子密度の均一性を示しており、グラフ102は、非対称モデルを用いて算出された電子密度の均一性を示している。なお、図4に示したシミュレーションでは、圧力=50mT及び処理ガス=Ar(アルゴン)が条件として用いられたものとする。
また、図4では、グラフ102上の3点の各々に対応する電子密度の分布を示すコンター図を併せて示している。コンター図は、色が濃いほど、電子密度が高いことを示している。
図4のシミュレーション結果に示すように、対称モデルを用いて算出された電子密度の均一性と比較して、非対称モデルを用いて算出された電子密度の均一性の値が悪化する。すなわち、隙間21−1の距離のずれに起因してプラズマの均一性が低下することが分かった。
また、図4のシミュレーション結果に示すように、隙間21−1の距離が増大するほど、非対称モデルを用いて算出された電子密度の均一性の値が改善されることが分かった。
また、図4のシミュレーション結果に示すように、隙間21−1の距離が増大するほど、対称モデルを用いて算出された電子密度の均一性と、非対称モデルを用いて算出された電子密度の均一性との差が狭くなった。すなわち、隙間21−1の距離のずれが存在する場合であっても、隙間21−1の距離を所定値以上に増大させることで、電子密度の均一性の低下を抑制することができることが分かった。発明者は、鋭意検討を重ねた結果、隙間21−1の距離が5mm以上100mm以下の範囲内である場合、より好ましくは、7mm以上50mm以下の範囲内である場合に、電子密度の均一性の低下が、予め定められた許容スペック内に抑制されることが分かった。
図5は、隙間21−1の距離のずれと、電子密度の分布の均一性との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。図5において、横軸は、図1に示した左側の隙間21−1の距離と、右側の隙間21−1の距離との間のずれ(mm)を示しており、縦軸は、被処理基板Wから5mmだけ上方、中心から150mmの点の左右の位置における電子密度の均一性(%)を示している。電子密度の分布の均一性は、値が低いほど、均一性が良好であることを示している。
また、図5に示したシミュレーションで用いられるモデルは、図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置11に相当する2次元モデル(以下単に「2次元モデル」という)であるものとする。図5に示したグラフのうち、グラフ201は、隙間21−1の距離が50mmである2次元モデルを用いて算出された電子密度の均一性を示しており、グラフ202は、隙間21−1の距離が1mmである2次元モデルを用いて算出された電子密度の均一性を示している。なお、図5に示したシミュレーションでは、圧力=50mT及び処理ガス=Ar(アルゴン)が条件として用いられたものとする。
図5のシミュレーション結果に示すように、隙間21−1の距離が1mmである場合と比較して、隙間21−1の距離が50mmである場合、電子密度の均一性の悪化が抑制された。
図4及び図5のシミュレーション結果から、隙間21−1の距離が5mm以上100mm以下である場合、より好ましくは、7mm以上50mm以下の範囲内である場合に、電子密度の均一性を、予め定められた許容スペック内に抑制することが可能となる。このため、本実施形態における隙間21−1の距離は、5mm以上100mm以下の範囲であることが好ましく、7mm以上50mm以下の範囲内であることがより好ましい。
ここで、誘電体窓21の外周面から隙間21−1に放出されるマイクロ波は、隙間21−1を伝播し、支持部材24の凹部24aの表面のうち誘電体窓21の外周面と対向する表面(誘電体の径内側)に反射し、反射波として誘電体窓21の内部を伝播する。反射波は可能な限り0がベストであるが、部材、構成上等により発生する。隙間21−1の距離が5mm未満である場合、隙間21−1におけるマイクロ波の伝播距離が不十分であるため、マイクロ波の反射波の位相ずれが増大し反射波が増加する場合がある。マイクロ波の反射波の位相ずれが増大すると、誘電体窓21の内部を伝播するマイクロ波の周対称性が損なわれる恐れがある。これに対して、本実施例のマイクロ波プラズマ処理装置11では、隙間21−1の距離が5mm以上である。そのため、隙間21−1におけるマイクロ波の伝播距離を増大させることができる。これにより、マイクロ波の反射波の位相ずれを緩和することができ、誘電体窓21の内部を伝播するマイクロ波の周対称性を向上することができる。
以上、第1の実施形態によれば、誘電体窓21の外周面と、処理容器12の側壁23の上端部としての支持部材24の凹部24aの表面のうち誘電体窓21の外周面と対向する表面との間に、距離が5mm以上100mm以下である隙間が設けられた。このため、第1の実施形態によれば、誘電体窓21の外周面と、処理容器12の側壁23との間に設けられた隙間のずれに起因したプラズマの均一性の悪化を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置11の構成を概略的に示す概略断面図である。図6において、図1と同じ符号を付した構成は、図1における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
図6に示すように、側壁23の上端部には、側壁23の上端部の一部を構成する支持部材24が設けられている。第2の実施形態における支持部材24の内周側には、誘電体窓21の外周面21aを収容するための凹部24aと、凹部24a内において窪む凹部24bが形成されている。つまり、支持部材24の凹部24aの開口面が誘電体窓21の外周面に対向するように形成される。
誘電体窓21は、誘電体窓21の外周面が支持部材24の凹部24aに収容された状態で側壁23の上端部の開口を塞ぐように処理容器12に取り付けられている。誘電体窓21の外周面と、支持部材24の凹部24aの表面のうち誘電体窓21の外周面と対向する表面との間には、隙間21−1が設けられ、かつ、誘電体窓21の外周面と、支持部材24の凹部24bの表面のうち誘電体窓21の外周面と対向する表面との間には、隙間21−2が設けられている。
ここで、隙間21−1の距離及び隙間21−2の距離の好ましい範囲について説明する。図7は、第2の実施形態における誘電体窓、支持部材及び隙間を拡大して示す断面図である。
図7に示すように、隙間21−1の距離L2は、通常、相対応面との接触しない程度、例えば誘電体窓21の径方向に沿った誘電体窓21の熱膨張を吸収するための所定の距離に設定される。例えば、隙間21−1の距離L2は、0.25mmに設定される。好ましくは、0.01〜1.00mmであり、より好ましくは、0.01〜0.5mmである。
また、隙間21−2の距離L3は、50mm以上100mm以下であることが好ましい。これにより、誘電体窓21の下方で生成されるプラズマの電子密度の均一性が悪化することを抑制することが可能となる。
ここで、隙間21−2の距離の好ましい範囲についてさらに詳細に説明する。図8は、隙間21−2の距離のずれと、電子密度の分布の均一性との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。図8において、横軸は、図6に示した左側の隙間21−2の距離と、右側の隙間21−2の距離との間のずれ(mm)を示しており、縦軸は、被処理基板Wから5mmだけ上方、中心から150mmの点の左右の位置における電子密度の均一性(%)を示している。電子密度の均一性は、値が低いほど、均一性が良好であることを示している。
また、図8に示したシミュレーションで用いられるモデルは、図6に示したマイクロ波プラズマ処理装置11に相当する2次元モデル(以下単に「2次元モデル」という)であるものとする。図8に示したグラフは、隙間21−2の距離が7.8mmである2次元モデルを用いて算出された電子密度の均一性を示している。なお、図8に示したシミュレーションでは、圧力=50mT及び処理ガス=Ar(アルゴン)が条件として用いられたものとする。
図8のシミュレーション結果に示すように、隙間21−2の距離が7.8mmである場合、隙間21−2の距離のずれが存在する場合であっても、電子密度の均一性を2%以下に抑制することができることが分かった。発明者は、鋭意検討を重ねた結果、隙間21−2の距離が5mm以上100mm以下の範囲内である場合、より好ましくは、7mm以上50mm以下の範囲内である場合に、電子密度の均一性の低下が、予め定められた許容スペック内に抑制されることが分かった。
ここで、誘電体窓21の厚み方向に沿った凹部24bの幅Wの好ましい範囲について説明する。マイクロ波が誘電体窓21の中を伝播する場合の最適な誘電体窓21の厚みは、λ/4以上λ/2未満が好ましい(ただし、λは、真空中を伝播する電磁波(マイクロ波)の波長である。)。より好ましくはλ/4±λ/8である。本実施形態では誘電体窓21の厚みを40mmとした。依って、誘電体窓21の厚み方向に沿った凹部24bの幅(開口部の幅)Wは、誘電体窓21の厚みのλ/4以上λ/2未満の1/3以上に設定されることが好ましい。より好ましくはλ/4±λ/8の1/3以上である。これにより、誘電体窓21の厚み方向に沿ったマイクロ波の位相ずれを抑制することができる。
以上、第2の実施形態によれば、誘電体窓21の外周面と、支持部材24の凹部24bの表面のうち誘電体窓21の外周面と対向する表面との間に、距離が5mm以上100mm以下、より好ましくは7mm以上50mm以下である隙間が設けられた。このため、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、誘電体窓21の外周面と、処理容器12の側壁23との間に設けられた隙間のずれに起因したプラズマの均一性の低下を抑制することができる。
なお、上記の実施形態においては、RLSAを採用することとしたが、これに限らず、マイクロ波をプラズマ源とする種々のマイクロ波プラズマ処理装置に適用することもできる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
11 マイクロ波プラズマ処理装置
12 処理容器
13 ガス供給機構
14 保持台
15 マイクロ波発生器
19 スロット
19a 第一のスロット
19b 第二のスロット
20 スロットアンテナ板
21 誘電体窓
21−1 隙間
21−2 隙間
22 底部
23 側壁
24 支持部材
24a 凹部
24b 凹部

Claims (7)

  1. 上部に開口を有する処理容器と、
    前記処理容器内を気密に塞ぎ、前記処理容器内にマイクロ波を導入する誘電体と、
    凹部を形成し、前記誘電体の外周面を前記凹部に収容支持する支持部材と、
    前記誘電体上に設けられ、前記誘電体を介して前記処理容器内にマイクロ波を放射するスロットアンテナ板と、
    を備え、
    前記誘電体の前記外周面と、前記凹部の表面のうち前記外周面と対向する表面との間に、距離が5mm以上100mm以下の範囲内である隙間が設けられたことを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
  2. 前記隙間の距離は、7mm以上50mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  3. 上部に開口を有する処理容器と、
    前記処理容器内を気密に塞ぎ、前記処理容器内にマイクロ波を導入する誘電体と、
    第1の凹部と、該第1の凹部内において窪む第2の凹部とを形成し、前記誘電体の外周面を前記第1の凹部に収容支持する支持部材と、
    前記誘電体上に設けられ、前記誘電体を介して前記処理容器内にマイクロ波を放射するスロットアンテナ板と、
    を備え、
    前記誘電体の前記外周面と、前記第1の凹部の表面のうち前記外周面と対向する表面との間に第1の隙間が設けられ、
    前記誘電体の前記外周面と、前記第2の凹部の表面のうち前記外周面と対向する表面との間に第2の隙間が設けられたことを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
  4. 前記第2の隙間の距離は、5mm以上100mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  5. 前記第2の隙間の距離は、7mm以上50mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項3又は4に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  6. 前記誘電体の厚み方向に沿った前記第2の凹部の幅は、前記誘電体の厚みの1/3以上に設定されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  7. 前記誘電体の厚みは、真空中を伝播する電磁波の波長をλとすると、λ/4以上λ/2未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018006256A (ja) * 2016-07-07 2018-01-11 東京エレクトロン株式会社 マイクロ波プラズマ処理装置
KR20180013326A (ko) * 2016-07-29 2018-02-07 세메스 주식회사 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법

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