JP2016091581A - 空間光変調装置及び空間光変調方法 - Google Patents

空間光変調装置及び空間光変調方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1つの空間光変調装置を用いるだけで、光の複素振幅を任意に変調すると共に、光の利用効率を高め、且つ、解像度の高い光情報を記録し、再生する。
【解決手段】入力光に複数の固定位相を付与する位相付与部と、個別画素に割り当てられた位相値が偏角となる複素数値の絶対値または偏角を変調する光変調部と、を備え、複数の個別画素21の一定範囲に存在する個別画素群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素30が構成され、個別画素群を構成する各個別画素21の複素数値の和を前記仮想画素の複素振幅変調率と擬制する空間光変調装置及びこの空間光変調装置を用いた空間光変調方法で解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、空間光変調装置及び空間光変調方法に関し、さらに詳しくは、1つの空間光変調装置だけを用いて光情報の記録及び再生を行うことができる空間光変調装置及び空間光変調方法に関する。
ホログラムを利用したホログラフィックメモリは、光学的に情報を記録すると共に記録された情報を再生する方法の1つである。近年、ホログラフィックメモリは、流通する情報量の増大に伴って、従来から存在する、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc、HD−DVD(High−Definition Digital Versatile Disc)、BD(Blue−ray Disc)等の情報記録媒体に代わる情報記録媒体として研究されている。
ホログラムを利用した情報の記録は、情報を持った信号光と情報を持たない参照光とを互いに干渉させて情報記録媒体に照射することによって情報をホログラムとして情報記録媒体に記録することによって行う。情報の再生は、参照光を情報記録媒体に照射することによって行っている。信号光に情報を持たせる際、2次元データを光波に載せるために、空間光変調装置が用いられている。
こうしたホログラムを利用した情報の記録及び再生は、記録及び再生することができる情報の容量を増大させる様々な手法が研究されている。空間光変調装置を利用したページデータの多値化は、容量を増大させる1つの手法である。
特許文献1によって提案されている光情報記録再生装置は、多値度を高めることを目的としている。この光情報記録再生装置は、2つの光束を対向させて光情報記録媒体中の同一箇所に集光させ、2つの光束の干渉により生じる定在波を記録する光情報記録再生装置である。この光情報記録再生装置は、2つの光束の少なくとも一方の位相を変調する位相変調手段と、光情報記録媒体に2つの光束のいずれか一方を照射することによって生成される再生光を、光源から生成される再生用参照光と干渉させ、互いに干渉の位相が異なる3つ以上の干渉光を同時に生成する干渉光学系と、3つ以上の干渉光を検出する検出器と、記検出器の出力から位相変調手段による位相変調を復調する復調器と、を備えている。
また、特許文献2により提案されているホログラフィックメモリ再生装置は、直交振幅変調信号を利用している。このホログラフィックメモリ再生装置は、第1の参照光をホログラフィックメモリに照射して、第1のホログラムの回折光を生成するホログラム回折光生成部と、第1のホログラムの回折光と干渉しうる第2の参照光の位相を変化させるとともに、第1のホログラムの回折光と前記位相を変化させた第2の参照光とから第2のホログラムを生成するホログラム生成部と、第2のホログラムの強度分布を検出する検出部と、強度分布に基づいて空間位相変調信号または空間直交振幅変調信号を復調する処理部と、を有している。
その他、記録及び再生することができる情報の容量を増大させる手法として、1つの空間光変調素子にホログラムを表示することによって、任意の複素振幅を得る方法がある。
特開2011−76695号公報 国際公開第WO2012/053198号公報
しかしながら、直交振幅変調を行うためには、複素振幅を任意に変調する必要がある。複素変調を任意に変調するには2つの自由度が必要であるため、2つの空間変調素子が必要になる。また、2つの空間光変調素子の間は、結像関係にしなければならない。そのため、精密な光学設計が必要になり、装置の構造が複雑になると共に装置が大型化する。
一方、1つの空間光変調素子にホログラムを表示することによって、任意の複素振幅を得る方法は、ホログラムからの回折光を利用するため、光の利用効率が低いだけでなく、解像度が低下する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、(1)1つの空間光変調装置又は1つの空間光振幅変調装置を用いるだけで、光の複素振幅を任意に変調することができ、(2)光の利用効率が高く、且つ、解像度の高い光情報を記録し、再生することができる空間光変調装置及び空間光変調方法を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係る空間光変調装置は、入力光に複数の固定位相を付与する位相付与部と、個別画素に割り当てられた前記位相値が偏角となる複素数値の絶対値または偏角を変調する光変調部と、を備え、複数の前記個別画素の一定範囲に存在する個別画素群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素が構成され、前記個別画素群を構成する各個別画素の複素数値の和を前記仮想画素の複素振幅変調率と擬制していることを特徴とする。
この発明によれば、複数の個別画素の一定範囲に存在する個別画素群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素が構成され、個別画素群を構成する各個別画素の複素数値の和を仮想画素の複素振幅変調率と擬制しているので、1つの空間光変調装置を用いるだけで、光情報の記録及び再生を行うことができる。特に、光変調部において振幅または位相の変調度を二段階として個別画素に割り当てられた複素数値を変調しても仮想画素の複素振幅変調率を任意に設定できるので、迅速な複素振幅変調を行うことができる。さらに、ページデータを多値化することができるので、ホログラフィックメモリの容量を増大することができる。
本発明に係る空間光変調装置において、前記仮想画素は、各々が1つまたは複数の個別画素で構成される2行2列の4つの要素画素で構成され、前記位相付与部及び前記光変調部は、前記仮想画素の縦方向又は横方向に並んだ前記要素画素に、相互に独立した第1複素数値と第2複素数値とを割り当てると共に、前記第1複素数値が割り当てられた前記要素画素と対角をなす位置の前記要素画素に、前記第1複素数値との和が実数値となる第3複素数値を割り当て、前記第2複素数値が割り当てられた前記要素画素と対角をなす位置の前記要素画素に、前記第2複素数値との和が虚数値となる第4複素数値を割り当てていることを特徴とする。
具体的には、1つまたは複数の前記個別画素が要素画素を構成し、前記個別画素に前記位相付与部における固定位相値と前記光変調部における位相値との和を偏角とする複素数値を割り当て、1つまたは複数の前記個別画素に割り当てられた複素数値の総和の複素数値を割り当て、前記第1複素数値と第3複素数値の和が実数値、前記第2複素数値と第4複素数値の和が虚数値となるように割り当てている。
または、1つまたは複数の前記個別画素が要素画素を構成し、前記個別画素に前記位相付与部における固定位相値を偏角とし、前記光変調部における振幅変調率を絶対値とする複素数値を割り当て、1つまたは複数の前記個別画素に割り当てられた複素数値の総和の複素数値を割り当て、前記第1複素数値と第3複素数値の和が実数値、前記第2複素数値と第4複素数値の和が虚数値となるように割り当てている。
この発明によれば、仮想画素を上記のように構成すると共に、仮想画素を構成する各要素画素に、複素数値を上記のように割り当てているので、仮想画素を構成する要素画素の2つの複素数値を相互に独立に割り当てるだけで、残りの2つの複素数値を割り当てることができる。
(2)上記課題を解決するための本発明に係る空間光変調方法は、書き込み情報に基づいて、入力光を変調して出力する空間光変調装置を利用し、前記入力光に複数の固定位相を付与する固定位相付与工程と、複数の前記固定位相の位相値を、複数の個別画素に個別に割り当てる割り当て工程と、複数の前記個別画素の一定範囲に存在する個別画素群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素を構成する仮想画素構成工程と、前記個別画素に割り当てられた前記位相値が偏角となる複素数値の絶対値または偏角を変調する光変調工程と、前記個別画素の複素数値の和を前記仮想画素の複素振幅変調率と擬制する擬制複素振幅構成工程と、を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、複数の個別画素の一定範囲に存在する個別画素群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素が構成され、個別画素群を構成する各個別画素の複素数値の和を仮想画素の複素振幅変調率と擬制しているので、1つの空間光変調装置を用いるだけで、複素振幅で表現された光情報の記録及び再生を行うことができる。特に、光変調工程において振幅または位相の変調度を二段階として個別画素に割り当てられた複素数値を変調しても仮想画素の複素振幅変調率を任意に設定できるので、迅速な複素振幅変調を行うことができる。さらに、ページデータを多値化することができるので、ホログラフィックメモリの容量を増大することができる。
本発明に係る空間光変調方法において、前記仮想画素構成工程は、各々が1つまたは複数の個別画素で構成される2行2列の4つの要素画素で1つの前記仮想画素を構成し、前記位相付与工程は、前記第1複素数値との和が実数値となる第3複素数値を付与すると共に、前記第2複素数値との和が虚数値となる第4複素数値を付与し、前記割り当て工程は、前記仮想画素の縦方向又は横方向に並んだ前記個別画素に相互に独立した第1複素数値と第2複素数値とを割り当て、前記第1複素数値が割り当てられた前記要素画素と対角をなす位置の前記要素画素に前記第3複素数値を割り当てると共に、前記第2複素数値が割り当てられた前記要素画素と対角をなす位置の前記要素画素に前記第4複素数値を割り当てている。
具体的には、前記仮想画素構成工程は、各々が1つまたは複数の個別画素で構成される要素画素を構成し、前記割り当て工程は、前記個別画素に前記位相付与工程における固定位相値と前記光変調部における位相値との和を偏角とする複素数値を割り当て、1つまたは複数の前記個別画素に割り当てられた複素数値の総和の複素数値を割り当て、前記第1複素数値と第3複素数値の和が実数値、前記第2複素数値と第4複素数値の和が虚数値となるように割り当てている。
または、前記仮想画素構成工程は、各々が1つまたは複数の個別画素で構成される要素画素を構成し、前記割り当て工程は、前記個別画素に前記位相付与工程で付与された固定位相値を偏角とし、前記光変調工程における振幅変調率を絶対値とする複素数値を割り当て、1つまたは複数の前記個別画素に割り当てられた複素数値の総和の複素数値を割り当て、前記第1複素数値と第3複素数値の和が実数値、前記第2複素数値と第4複素数値の和が虚数値となるように割り当てている。
この発明によれば、仮想画素を上記のように構成すると共に、割り当て工程において仮想画素を構成する各要素画素に、複素数値を上記のように割り当てているので、仮想画素を構成する要素画素の2つの複素数値を相互に独立に割り当てるだけで、残りの2つの複素数値を割り当てることができる。
本発明によれば、(1)1つの空間光変調装置又は1つの空間光振幅変調装置を用いるだけで、光の複素振幅を任意に変調することができ、(2)光の利用効率が高く、且つ、解像度の高い光情報を記録し、再生することができる。
本発明に係る空間光変調装置の1つの構成例を説明するための説明図である。 空間光変調装置に形成された個別画素及び仮想画素を説明するための説明図である。 1つの仮想画素の複素振幅を4つの要素画素22の偏角をパラメータにした複素数値によって任意の実部と虚部とで表した複素平面図である。 図1に示した空間光変調装置を利用した光情報記録再生装置の一例の概要を示す構成図である。 図4に示した光情報記録再生装置の信号光生成部として機能する空間光変調装置の概略図である。 偏光ビームスプリッタまたは偏光ビームスプリッタ及び1/4波長板を組み合わせた空間光変調装置に形成された個別画素21、要素画素22及び仮想画素を説明するための説明図である。 1つの仮想画素の複素振幅を4つの要素画素22の実部軸の正負方向の値、虚部軸の正負方向の値によって任意の実部と虚部とで表した複素平面図である。 数値シミュレーションに用いたページデータを表現するために空間光変調装置に与える位相画像の一例である。 図8に示したページデータをレンズで絞り込んだ集光パターンを説明するための説明図である。 従来の空間光変調方法におけるレンズで入力光を絞った集光パターンを説明するための説明図である。 本発明の空間光変調装置を用いて位相変調した場合のヒストグラムである。 従来の空間光変調方法で位相変調した場合のヒストグラムである。 比較のための従来法による数値シミュレーションに用いたページデータを表現するため振幅変調用の空間光変調装置に与える強度画像の一例である。 比較のための従来法による数値シミュレーションに用いたページデータを表現するため位相変調用の空間光変調装置に与える位相画像の一例である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面のみに限定されるものではない。
[空間光変調装置の基本構成]
本発明に係る空間光変調装置1は、入力光を空間的に変調して2次元複素振幅分布を形成するデバイスであり、位相付与部17、電極12,16、配向膜13,15及び位相変調部として機能する液晶層14を備えている。位相付与部及び光変調部は複数の個別画素21を形成する。位相付与部17は、入力光に付与する複数の固定位相値を複数の個別画素21に個別に割り当てる。光変調部は、位相付与部17によって割り当てられた位相値を偏角とした複素数値の絶対値又は偏角を任意に変えることによって光の複素振幅を変調する。光変調部は、個別画素21に割り当てられた位相値を0からπの間で変調する。また、空間光変調装置1では、複数の個別画素21を1画素と擬制することによって1つの仮想画素30が構成される。そして、空間光変調装置1では、個別画素21の複素数値の和を仮想画素30の複素振幅変調率と擬制している。
この空間光変調装置1は、この空間光変調装置のアドレス部に書き込まれた書き込み情報に基づいて、入力光に付与する複数の固定位相値を個別画素に個別に割り当てる固定位相付与工程と、個別画素に割り当てられた固定位相値を偏角とした複素数値の絶対値または偏角を任意に変えることによって光の複素振幅を変調する光変調工程と、複数の個別画素の一定範囲に存在する個別画素群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素を構成する仮想画素構成工程と、個別画素の複素数値の和を仮想画素の複素振幅と擬制する擬制複素振幅構成工程と、を実施する。
本発明に係る空間光変調装置1によれば、第1に、1つの空間光位相変調機構又は1つの空間光振幅変調機構を用いるだけで、光の複素振幅を任意に変調することができ、第2に、光の利用効率が高く、且つ、解像度の高い光情報を記録し、再生することができるという特有の効果を奏する。
以下、空間光変調装置1の具体的な構成につて、図面を適宜に参照して説明する。
空間光変調装置1は、入力光の複素振幅を変調して出力光として出力している。図1は、空間光変調装置1の構成の一例を示している。図1に示した空間光変調装置1は、液晶層14を一対の配向膜13,15で挟み込み、さらに、一対の配向膜13,15の外側から個別画素ごとに独立した一対の電極12,16で配向膜13,15を挟み込んだ構造を有する光変調部から構成されている。また、空間光変調装置1は、位相付与部として機能する位相板17を備えている。
なお、空間光変調装置1は、位相付与部、光変調部を備えていれば、図1に示す構成例には限定されない。
具体的に、空間光変調装置1は、7層構造をなしている。空間光変調装置1は、図1の最下層をなす基板11を備えている。図1において、基板11の上側には、下層部から上層部に向かって、第1電極12、配向膜13、位相変調部としての液晶層14、配向膜15、第2電極16及び位相付与部としての位相板17が積層されている。基板11は、1枚のシリコン基板又は透過性をもつガラス基板、サファイア基板等により構成されている。なお、基板11が最下層に存在することは、説明の便宜上、図1を用いて説明するためであり、空間光変調装置1は、使用状態に応じて向きを適宜に変更して使用される。
(第1電極及び第2電極)
電極は、第1電極12と第2電極16とによって構成されている。第1電極12は、複数の画素電極により構成されている。これらの画素電極は、透明電極が用いられている。各画素電極は、基板11の一面側で縦方向と横方向とに等間隔に配置され、複数の行と複数の列とを形成している。第2電極16も、第1電極12と同様に複数の画素電極により構成されている。第2電極16を構成する複数の画素電極は、第1電極12を構成している複数の画素電極が配置された位置に対応して配置されている。第2電極16を構成する各画素電極は、透過性基板を用いて透過型空間光変調装置として用いる場合は透明電極であり、シリコン基板を用いて反射型空間光変調器として用いる場合は不透明電極としてもよい。
第1電極12を構成する個々の画素電極及び第2電極16を構成する個々の画素電極は、各個別画素21に対応しており、この空間光変調装置1に複数の個別画素21を画定させている。すなわち、第1電極12及び第2電極16は、下記の液晶層14と協働し、光変調部を構成している。
(液晶層及び配向膜)
液晶層14は、各個別画素21の複素振幅の位相を変調させる。この液晶層14は、複屈折性を有する液晶分子を含んでいる。この液晶層14において、液晶層14に含まれる液晶分子は、第1電極12と第2電極16との間に印加される電圧により生じる電場の影響を受けて、印加された電圧の大きさに応じて回転する。液晶層14の両側に配置された配向膜13,15は、液晶層14に含まれる液晶分子を配向させる。
配向膜13,15に挟まれた液晶層14に光が入射した場合、液晶層14に形成された電場に対し平行な光の成分には、液晶分子の傾斜角に応じた位相差が発生する。入力光は、液晶層14のこうした現象によって、電極により画定される個別画素21毎に位相が変調される。
(位相板)
位相板17は、入力光に対して位相値を付与する位相付与部として機能する。位相板17は、結晶位相板17と光学ガラス位相板17とのどちらも用いることができる。また、位相板17は、光変調部と接着している必要はなく、光変調部の画素と位相版17の画素が光学的に結像関係にあればよい。
以上の構成を有する空間光変調装置1は、位相付与部である位相板17が入力光に対して所定の位相を個々の個別画素21毎に付与し、液晶層14が位相板17により付与された個別画素21毎の位相値をさらに変調させている。
また、図1の構成例における空間光変調装置1は、図5に示すように偏光ビームスプリッタを組み合わせるか、又は偏光ビームスプリッタ及び1/4波長板を組み合わせることによって、光変調部において振幅を変調することもできる。
空間光変調装置1の具体的な作用について詳細に説明する。
この空間光変調装置1は、上述した仮想画素構成工程において、図2に示すように、画定された個別画素21を複数の個別画素21群に区分けする。そして、区分けされた複数の個別画素群を1つの要素画素22と擬制する。さらに、図2に示すように、画定された要素画素22を2行2列の要素画素22の群に区分けする。そして、区分けされた2行2列の要素画素22を1つの仮想画素30と擬制する。
位相付与部である位相板17は、仮想画素30の縦方向又は横方向に並んだ要素画素22に、相互に独立した第1固定位相値C1と第2固定位相値C2とを割り当てる。また、位相板17は、第1固定位相値C1が割り当てられた要素画素22と対角をなす位置の要素画素22に、第1固定位相値C1にπを減じた第3固定位相値C3を割り当て、第2固定位相値C2が割り当てられた要素画素22と対角をなす位置の要素画素22に、第2固定位相値C2に3π/2を減じた第4固定位相値C4を割り当てている。
具体的に、位相板17は、第1固定位相値C1が割り当てられた要素画素22における複素数値の実部が正となる範囲、第2固定位相値C2が割り当てられた要素画素22における複素数値の虚部が正となる範囲、第3固定位相値C3が割り当てられた要素画素22における複素数値の実部が負となる範囲、第4固定位相値C4が割り当てられた要素画素22における複素数値の虚部が正となる範囲に限定する。そのため、固定位相値C1は、2πの整数倍とする。また、2つ固定位相値C1,C2のうち、一方の固定位相値を、例えば、第1固定位相値C1とし、他方の固定位相値を、例えば、第2固定位相値C2とする。
空間光変調装置1は、第1電極12と第2電極16とに電圧を印加し、液晶層14に電場を形成することによって、位相を変調する。位相を変調する範囲は、0からπである。第1固定位相値C1に0からπの値を加えた位相値を第1位相値φ1、第2固定位相値C2に0からπの値を加えた位相値を第2位相値φ2、第3固定位相値C3に0からπの値を加えた位相値を第3位相値φ3、第4固定位相値C4に0〜πの値を加えた位相値を第4位相値φ4とする。
第1位相値φ1と第2位相値φ2とは、2行2列の要素画素22からなる仮想画素30の行(横方向)又は列(縦方向)に並んだ要素画素22にそれぞれ割り当てられる。図2に示した例では、第1位相値φ1が1行1列の位置に配置された要素画素22に割り当てられている。また、第2位相値φ2が1行2列の位置に配置された要素画素22に割り当てられている。
なお、第1位相値φ1と第2位相値φ2とは、2行2列の要素画素22からなる仮想画素30の行(横方向)又は列(縦方向)に並んだ位置に配置された要素画素22にそれぞれ割り当てられていれば、図2に示した位置の要素画素22の割り当てることには限定されない。
また、位相板17及び液晶層14は、第1位相値φ1に−1を掛けて得られる値を第3位相値φ3として付与すると共に、第2位相値φ2に−1を掛けて得られる値からπを加えた値である第4位相値φ4を付与する。
位相値φ1と位相値φ3との関係、及び位相値φ2とφ位相値φ4との関係を式で表すと、(式1)のように表すことができる。
第3位相値φ3は、第1位相値φ1が割り当てられた要素画素22と対角をなす位置の要素画素22に割り当てられる。図2に示した例では、第1位相値φ1が割り当てられた1行1列の位置に配置された要素画素22と対角をなす2行2列の位置に配置された要素画素22に、第3位相値φ3は配置される。これに対し、第4位相値φ4は、第2位相値φ2が割り当てられた要素画素22と対角をなす位置の要素画素22に割り当てられる。図2に示した例では、第2位相値φ2が割り当てられた1行1列の位置に配置された要素画素22と対角をなす2行1列の位置に配置された要素画素22に、第4位相値φ4は配置される。
空間光変調装置1は、図2に示した要素画素22の一定範囲に存在する要素画素22群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素30を構成する。具体的には、図2に示した複数の要素画素22のうち、太枠で囲んだ2行2列の要素画素22群を1画素と擬制して仮想画素30を構成する。そして、各要素画素22の複素数値の和を1つの仮想画素30の複素振幅と擬制する。各要素画素22の複素振幅は一定であるので、Aを定数とした場合、各要素画素22の複素数値の和は、次の(式2)により求めている。
第1位相値φ1と第3位相値φ3との関係、及び第2位相値φ2と第4位相値φ4との関係は、(式1)で表すことができるので、1つの仮想画素30の複素振幅は、第1位相値φ1及び第2位相値φ2の2つの位相値によって、任意の実部と虚部とで表すことができる。
図3は、1つの仮想画素30の複素振幅を任意の実部と虚部とで表したグラフを示している。図3の横軸は実部軸であり、縦軸は虚部軸である。図3は、実部軸と虚部軸とからなる座標軸に単位円を描き、この単位円上に複素振幅の座標をプロットし、原点からのベクトルとして表している。なお、この図3に示すように、第1位相値φ1と第3位相値φ3とは、実部軸に対して対称をなしている。また、第1位相値φ1と第3位相値φ3とは、実部軸に対して対称をなしている。
図3に表した各位相値に対応するベクトルは、位相値を0からπの間で変調させることによって、原点を中心にして回転する。
この現象は、(式3)から(式6)により表すことができる。
この空間光変調装置1では、第1位相値φ1と第3位相値φ3とを2行2列の要素画素22からなる要素画素22の群の対角をなす位置に割り当て、(式1)で表すことができる関係を持たせている。同様に、この空間光変調装置1では、第2位相値φ2と第4位相値φ4とを2行2列の要素画素22からなる要素画素22の群の対角をなす位置に割り当て、(式1)で表すことができる関係を持たせている。そのため、光変調部において要素画素22の位相を0からπの範囲で変調させるだけで、仮想画素30の複素数値のすべての範囲をカバーすることができる。なお、光変調部において要素画素22の位相を0から2πの範囲で変調できれば、位相板17の役割を兼ねることもでき、位相板17は必ずしも必要でなくなる。
空間光変調装置1を図5に示すように偏光ビームスプリッタと組み合わせるか、又は偏光ビームスプリッタ及び1/4波長板と組み合わせて使用した場合、空間光変調装置1の光変調部は、第1電極12と第2電極16とに電圧を印加し、液晶層14に電場を形成することによって、振幅を変調する。すなわち位相板17によって付与された固定位相値を偏角とした複素数値の絶対値を変調する。第1固定位相値C1を偏角とした複素数値を第1複素数値U1、第2固定位相値C2を偏角とした複素数値を第2複素数値U2、第3固定位相値C3を偏角とした複素数値を第3複素数値U3、第4固定位相値C4を偏角とした複素数値を第4複素数値U4とする。また、第1複素数値の絶対値を第1振幅値A1、第2複素数値の絶対値を第2振幅値A2、第3複素数値の絶対値を第3振幅値A3、第4複素数値の絶対値を第4振幅値A4とする。
第1複素数値U1と第2複素数値U2とは、2行2列の要素画素22からなる仮想画素30の行(横方向)又は列(縦方向)に並んだ要素画素22にそれぞれ割り当てられる。図6に示した例では、第1複素数値U1が1行1列の位置に配置された要素画素22に割り当てられている。また、第2複素数値U2が1行2列の位置に配置された要素画素22に割り当てられている。
なお、第2複素数値U1と第2複素数値U2とは、2行2列の個別画素21からなる仮想画素30の行(横方向)又は列(縦方向)に並んだ位置に配置された要素画素22にそれぞれ割り当てられていれば、図6に示した位置の要素画素22の割り当てることには限定されない。
また、位相板17及び液晶層14は、第1複素数値U1と第3複素数値U3との和が実数値になるように設定すると共に、第2複素数値U2と第4複素数値U4との和が虚数値になるように設定する。
複素数値U1と振幅値A1、複素数値U2と振幅値A2、複素数値U3と振幅値A3及び複素数値U4と振幅値A4の関係を式で表すと、(式7)から(式10)のように表すことができる。
第3複素数値U3は、第1複素数値U1が割り当てられた要素画素22と対角をなす位置の要素画素22に割り当てられる。図2に示した例では、第1複素数値U1が割り当てられた1行1列の位置に配置された要素画素22と対角をなす2行2列の位置に配置された要素画素22に、第3複素数値φ3は配置される。これに対し、第4複素数値U4は、第2複素数値U2が割り当てられた要素画素22と対角をなす位置の要素画素22に割り当てられる。図6に示した例では、第2複素数値U2が割り当てられた1行1列の位置に配置された要素画素2と対角をなす2行1列の位置に配置された要素画素22に、第4複素数値U4は配置される。
偏光ビームスプリッタ103と組み合わせるか、又は偏光ビームスプリッタ103及び1/4波長板102を組み合わせた空間光変調装置1は、図6に示した要素画素22の一定範囲に存在する要素画素22群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素30を構成する。具体的には、図6に示した複数の要素画素22のうち、太枠で囲んだ2行2列の要素画素22群を1画素と擬制して仮想画素30を構成する。そして、各要素画素22の複素数値の和を1つの仮想画素30の複素振幅変調率と擬制する。各要素画素22の複素振幅の和は、次の(式11)により求めている。
(式11)のように第1振幅値A1と第2振幅値A2の差によって任意の実部、第3振幅値A3と第4振幅値A4の差によって任意の虚部を表すことができる。
図7は、1つの仮想画素30の複素振幅を任意の実部と虚部とで表した複素平面図を示している。図7の横軸は実部軸であり、縦軸は虚部軸である。図7は、第1複素数値U1を示す座標を実部軸上の正の範囲にプロットし、第2複素数値U2を示す座標を虚部軸上の正の範囲にプロットし、第3複素数値U3を示す座標を実部軸上の負の範囲にプロットし、第4複素数値U4を示す座標を虚部軸上の負の範囲にプロットし、それぞれ原点からのベクトルとして表している。
偏光ビームスプリッタまたは偏光ビームスプリッタ及び1/4波長板を組み合わせたこの空間光変調装置1では、実部を成す第1複素数値U1と第3複素数値U3とを2行2列の要素画素22からなる要素画素22群の対角をなす位置に割り当て、(式7)に示されるように複素振幅変調率の実部を担っている。同様に、この空間光変調装置1では、第2複素数値U2と第4複素数値U4とを2行2列の要素画素22からなる要素画素22群の対角をなす位置に割り当て、(式7)に示されるように複素振幅変調率の虚部を担っている。そのため、振幅を変調させるだけで、仮想画素30の複素数値のすべての範囲をカバーすることができる。
液晶層の液晶分子として強誘電性のものを用いると、高速度に振幅または位相を変調することが可能となる。ただし、1つの個別画素21において、二段階の変調しか行うことができず、階調度は2となる。そのため、要素画素22を複数の個別画素21で構成し、各個別画素21で表現可能な振幅値または位相値を独立に設定することによって、階調度を増やすことができる。
具体例として、偏光ビームスプリッタ103を有する空間光変調装置1または偏光ビームスプリッタ103及び1/4波長板102を組み合わせた空間光変調装置1において、要素画素22が2行2列の4つの個別画素21で構成されていた場合、要素画素22に割り当てられる振幅値を構成するための個別画素21に割り当てられる4つの振幅値の最低値を0、最大値をそれぞれ1、2、4、8のいずれかとなるように電極12、16に印加する電圧を設定する。第1振幅値A1と第3振幅値A3のいずれか一方だけを0以外になるようにすると、実部は、±1、±3、±5、±7、±9、±11、±13、±15の16通りの値をとりうる。同様に、第2振幅値A2と第4振幅値A4のいずれか一方だけを0以外になるようにすると、虚部は、±1、±3、±5、±7、±9、±11、±13、±15の16通りの値をとりうる。よって、複素平面上で実部及び虚部ともに2刻みの値となる計256通りの値をとる256階調となる。
次に、空間光変調装置1を利用した光情報記録再生装置100の概要を図4及び図5を参照して説明する。
この光情報記録再生装置100は、図4に示すように、信号光を生成する記録光生成部120と、この記録光生成部120によって生成された信号光を照射するための照射部160と、この照射部160によって照射された信号光と参照光とによって形成される干渉縞の明暗を光学異方性分布又は屈折率分布として記録する情報記録媒体170と、この情報記録媒体170に形成された干渉縞を撮像する撮像部180とを備えている。
記録光生成部120は、記録用レーザー光を出力するレーザー照射部110と、レーザー照射部110から照射されたレーザー光から信号光を生成する信号光生成部101と、この信号光生成部101によって生成された信号光の空間周波数をフィルタリングする空間周波数フィルタリング機構140とを備えている。
レーザー照射部110は、レーザー光源111と、1/2波長板112と、2つのコリメータレンズ113,115と、空間フィルタ114とから構成されている。なお、レーザー光源111は、直線偏光を出力する光源である。1/2波長板112は、波長板の入射面内に光学軸を配置することで、光学軸に平行な偏光成分と垂直な偏光成分に分離し、その屈折率差によって位相差をπだけ生じさせている。その結果、直線偏光の偏光方位を任意に調整することができる。任意の偏光方位に調整された直線偏光は、コリメータレンズ113、空間フィルタ114及びコリメータレンズ115によって形成されるビームエクスパンダによってビーム径が拡大されて出力されている。
このレーザー照射部110と信号光生成部101との間には、ミラー116と、ビームスプリッタ130とを備えている。ビームスプリッタ130は、レーサー照射部110から照射されたレーザー光を参照光と信号光とを分離している。
参照光の光路は、ガルバノミラー117、リレーレンズ118及びミラー150を備えている。ビームスプリッタ130から出力された参照光は、ガルバノミラー117によって反射され、次いで、リレーレンズ118によって集光されその後、ミラー150で反射されて照射部160に入射される。照射部160は、記録時には信号光及び参照光を情報記録媒体170に照射し、再生時には、参照光を記録媒体に照射する。
一方、信号光の光路は、信号光生成部101及び空間周波数フィルタリング機構140を備えている。
信号光生成部101は、図5に示すように、1つの空間光変調装置1と、偏光ビームスプリッタ103と、必要に応じて設けられる1/4波長板とを備えている。信号光生成部101を構成する空間光変調装置1は、例えば、図1に示したように、基板11、第1電極12と第2電極16とからなる電極、電極の間に配置された一対の配向膜13,15、及び配向膜13,15の間に配置された液晶層14を備えている。また、この空間光変調装置1は、位相板17を備えている。なお、空間光変調装置1の詳細は既に説明したので、ここでは説明を省略する。
空間周波数フィルタリング機構140は、一対のフーリエ変換レンズ141,143と空間フィルタ142とを有している。信号光は、フーリエ変換レンズ141によって空間フィルタ142の位置に焦点が合わされている。そして、信号光は、空間フィルタ142の位置で信号光の空間周波数分布に対応するパターンとなり、空間フィルタ142とフーリエ変換レンズ143とを通過することによって、空間周波数フィルタリングされた信号光になる。
照射部160は、情報の記録時には、参照光と感光性を有する情報記録媒体170に信号光生成部101によって生成された信号光とを照射することによって情報を光学異方性分布又は屈折率分布して記録する情報記録媒体170に記録する光学系として機能する。一方、照射部160は、情報の再生時には、感光性を有し、かつ光学異方性分布又は屈折率分布として情報が記録された情報記録媒体170に参照光を照射する光学系として機能する。
情報記録媒体170は、感光性を有し、照射部160と撮像部180との間に配置される。感光性を有する情報記録媒体170のうち、偏光感受性を有さないホログラフィック記録用の情報記録媒体170としては、光重合性高分子材料などが知られている。一方、感光性を有する情報記録媒体170のうち、偏光感受性を有する偏光ホログラフィック記録用の情報記録媒体170の材料としては、アゾベンゼン系材料、軸選択的光反応性分子添加ポリマー、光架橋性高分子液晶などが知られている。
記録した情報は、ホログラムに記録時の参照光と同一方向から再生照明光を照射することによって再生される。このとき、ホログラムから再生信号光が発生する。
撮像部180は、撮像素子を用いて、再生照明光と複素振幅抽出用参照光とを重ね合わせた状態で撮像するシステムである。この撮像部180は、記録時に位相変調を行った信号光と同一の位相変調情報をもつと参照光との干渉縞を2次元画像として撮影するように構成されている。なお、撮像素子としては、例えば、CCDやCMOS等を用いることができる。
空間光変調装置1を利用した光情報記録再生装置100において、空間光変調装置1で複素振幅変調を行った場合、複素振幅は、時間的位相シフト法によって検出することができる。また、仮想画素30の各要素画素22に割り当てた第1位相値φ1から第4位相値φ4、又は第1複素数値U1から第4複素数値U4の位置関係を考慮に入れることによって、複素振幅は、空間的位相シフト法によって検出することもできる。さらに、複素振幅は、空間周波数を2行2列の要素画素22を1つの仮想画素30とした場合のナイキスト周波数に制限した場合に、複素振幅を完全に再生させることができる。
[数値シミュレーション例]
空間光変調装置1を用いて複素振幅で二次元符号化したページデータを、空間周波数フィルタリングを行って記録したことを想定し、再生信号の複素振幅を複素平面上の二次元ヒストグラムとして表す数値シミュレーションを行った。数値シミュレーションは、複素振幅で二次元符号化した64値のページデータを位相変調することにより行った。なお、空間光変調装置1を用いて複素振幅変調を行った場合と従来の方法とを比較するために、2つの空間光変調装置を用い、振幅及び位相を独立に変調させる方法で二次元符号化した64値のページデータを用いて行った。
図8は、数値シミュレーションに用いた64値のページデータを表現するために空間光変調装置1に与える画像例である。図13と図14は、振幅と位相を独立に変調するために従来の2つの空間光変調装置に与える画像例である。図13が振幅を二乗した強度画像、図14が位相画像である。図9は、空間光変調装置1を用いたときのレンズで入力光を絞った集光パターンを示している。図9の符号40は、空間周波数フィルタリングを行うナイキスト開口を表している。一方、図10は、従来の方法におけるレンズで入力光を集光した集光パターンを示している。なお、図10の符号40も空間周波数フィルタリングを行うナイキスト開口を表している。
数値シミュレーションの結果は、複素平面における二次元ヒストグラムとして表した。図11は、空間光変調装置1を用いた場合のヒストグラムを示し、図12は、従来の方法におけるヒストグラムを示している。
図11のヒストグラムでは、8行1列、7行2列、6行3列、4行4列、及び1行8列の位置の画素が特に明るく表されている。同様に、図12のヒストグラムでは、8行1列、7行2列、6行3列、4行4列、及び1行8列の位置の画素が特に明るく表されている。また、他の画素についても、図11のヒストグラムと図12のヒストグラムとは、ほぼ同様に表されている。図11と図12との比較から分かるように、空間光変調装置1のヒストグラムと従来の方法のヒストグラムとの間には、殆ど差がない。
この実験結果から、空間光変調装置1は、ホログラフィックメモリに十分に適用することができることが判明した。特に、空間光変調装置1は、光変調部に2段階であれば振幅または位相を高速変調可能な強誘電性液晶を充填した液晶層14を用いても、複数の個別画素21から要素画素22を構成すればナイキスト開口のサイズを変えることなく階調度を上げることができるので、従来の方法に比べて有効である。
1 空間光変調装置
11 基板
12 第1電極(光変調部)
13 配向膜(光変調部)
14 液晶層(光変調部)
15 配向膜(光変調部)
16 第2電極(光変調部)
17 位相板(位相付与部)
21 個別画素
22 要素画素
30 仮想画素
40 ナイキスト開口
100 光情報記録再生装置
101 信号光生成部
110 レーザー照射部
111 レーザー光源
112 1/2波長板
113,115 コリメータレンズ
114 空間フィルタ
116 ミラー
117 ガルバノミラー
118 リレーレンズ
120 記録光生成部
130 ビームスプリッタ
140 空間周波数フィルタリング機構
141,143 フーリエ変換レンズ
142 空間フィルタ
150 ミラー
160 照射部
170 情報記録媒体
180 撮像部

Claims (8)

  1. 入力光に複数の固定位相を付与する位相付与部と、
    個別画素に割り当てられた前記位相値が偏角となる複素数値の絶対値又は偏角を変調する光変調部と、を備え、
    複数の前記個別画素の一定範囲に存在する個別画素群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素が構成され、
    前記個別画素群を構成する各個別画素の複素数値の和を前記仮想画素の複素振幅変調率と擬制していることを特徴とする空間光変調装置。
  2. 前記仮想画素は、各々が1つまたは複数の個別画素で構成される2行2列の4つの要素画素で構成され、
    前記位相付与部及び前記光変調部は、前記仮想画素の縦方向又は横方向に並んだ前記要素画素に、相互に独立した第1複素数値と第2複素数値とを割り当てると共に、
    前記第1複素数値が割り当てられた前記要素画素と対角をなす位置の前記要素画素に、前記第1複素数値との和が実数値となる第3複素数値を割り当て、
    前記第2複素数値が割り当てられた前記要素画素と対角をなす位置の前記要素画素に、前記第2複素数値との和が虚数値となる第4複素数値を割り当てている、請求項1に記載の空間光変調装置。
  3. 1つまたは複数の前記個別画素は、要素画素を構成し、
    前記個別画素に前記位相付与部における固定位相値と前記光変調部における位相値との和を偏角とする複素数値を割り当て、
    1つまたは複数の前記個別画素に割り当てられた複素数値の総和の複素数値を割り当て、
    前記第1複素数値と第3複素数値の和が実数値、前記第2複素数値と第4複素数値の和が虚数値となるように割り当てている請求項1に記載の空間光変調装置。
  4. 1つまたは複数の前記個別画素は、要素画素を構成し、
    前記個別画素に前記位相付与部における固定位相値を偏角とし、前記光変調部における振幅変調率を絶対値とする複素数値を割り当て、
    1つまたは複数の前記個別画素に割り当てられた複素数値の総和の複素数値を割り当て、
    前記第1複素数値と第3複素数値の和が実数値、前記第2複素数値と第4複素数値の和が虚数値となるように割り当てている請求項1に記載の空間光変調装置。
  5. 書き込み情報に基づいて、入力光を変調して出力する空間光変調装置を利用し、
    前記入力光に複数の固定位相を付与する位相付与工程と、
    複数の前記固定位相の位相値を、複数の個別画素に個別に割り当てる割り当て工程と、
    複数の前記個別画素の一定範囲に存在する個別画素群を1画素として擬制することによって1つの仮想画素を構成する仮想画素構成工程と、
    前記個別画素に割り当てられた前記位相値が偏角となる複素数値の絶対値または偏角を変調する光変調工程と、
    前記個別画素の複素数値の和を前記仮想画素の複素振幅変調率と擬制する擬制複素振幅構成工程と、を備えていることを特徴とする空間光変調方法。
  6. 前記仮想画素構成工程は、各々が1つまたは複数の個別画素で構成される2行2列の4つの要素画素で1つの前記仮想画素を構成し、
    前記位相付与工程は、前記第1複素数値との和が実数値となる第3複素数値を付与すると共に、前記第2複素数値との和が虚数値となる第4複素数値を付与し、
    前記割り当て工程は、前記仮想画素の縦方向又は横方向に並んだ前記個別画素に相互に独立した第1複素数値と第2複素数値とを割り当て、前記第1複素数値が割り当てられた前記要素画素と対角をなす位置の前記要素画素に前記第3複素数値を割り当てると共に、前記第2複素数値が割り当てられた前記要素画素と対角をなす位置の前記要素画素に前記第4複素数値を割り当てている、請求項5に記載の空間光変調方法。
  7. 前記仮想画素構成工程は、各々が1つまたは複数の個別画素で構成される要素画素を構成し、
    前記割り当て工程は、前記個別画素に前記位相付与工程で付与された固定位相値を偏角とし、前記光変調工程における振幅変調率を絶対値とする複素数値を割り当て、
    1つまたは複数の前記個別画素に割り当てられた複素数値の総和の複素数値を割り当て、
    前記第1複素数値と第3複素数値の和が実数値、前記第2複素数値と第4複素数値の和が虚数値となるように割り当てている請求項5に記載の空間光変調方法。
  8. 前記仮想画素構成工程は、各々が1つまたは複数の個別画素で構成される要素画素を構成し、
    前記割り当て工程は、前記個別画素に前記位相付与工程で付与された固定位相値を偏角とし、前記光変調工程における振幅変調率を絶対値とする複素数値を割り当て、
    1つまたは複数の前記個別画素に割り当てられた複素数値の総和の複素数値を割り当て、
    前記第1複素数値と第3複素数値の和が実数値、前記第2複素数値と第4複素数値の和が虚数値となるように割り当てている請求項5に記載の空間光変調方法。
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