JP2016089209A - コバルトの分離方法 - Google Patents

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浩志 林
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千春 所
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Abstract

【課題】超硬工具廃棄物などのコバルト含有物から効率よくコバルトを分離し回収する方法を提供する。
【解決手段】コバルト含有廃棄物に炭素材料を加えて850℃以上、非酸化性雰囲気下で還元焙焼し、該焙焼物をスラリーにし、該スラリーに含まれるコバルトを磁気選別することを特徴とするコバルトの分離方法であって、好ましくは、コバルト含有廃棄物が超硬品廃棄物の酸化焙焼物からタングステンを浸出分離した残渣であり、還元焙焼物を粉砕して分散剤を加えたスラリーにし、磁束密度1000ガウス程度の磁力で磁気選別するコバルトの分離方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、超硬品廃棄物などのコバルト含有物から効率よくコバルトを分離する方法に関する。本発明によれば、タングステンを含む超硬品の廃棄物などから効率よくコバルトを分離し回収することができる。
コバルトは我が国において資源が乏しく、大部分を外国に依存しており、廃棄物等からコバルトを回収して再利用することが求められている。例えば、超硬品の製造工程から排出されるはスラッジや超硬品の廃棄物などには合金成分の炭化タングステン(WC)や結合材成分のコバルト(Co)が含まれている。また、一般にリチウムイオン二次電池の正極材にはリチウム酸コバルトが用いられており、この二次電池廃棄物にもコバルトが含まれている。
リチウムイオン二次電池等の廃棄物からコバルトを回収する方法として、該廃棄物を600℃以上、好ましくは還元雰囲気下で焙焼してコバルトを金属コバルトや酸化コバルトにし、この金属コバルトや酸化コバルトを磁石に吸着させて非磁性物から分離し、これを酸溶解して水酸化コバルトにして回収し、あるいは溶媒抽出してコバルトを回収する方法が知られている(特許文献1:特開平10−46266号公報)。
しかし、超硬品の廃棄物や製造工程の排水スラッジには、コバルトと共に合金成分のタングステンが含まれており、特許文献1の処理方法に基づいてこれを最初から還元焙焼してコバルト化合物を磁気選別するのはタングステン等の非磁性成分が多いため効率が劣るなどの問題がある。さらに、特許文献1の処理方法は、二次電池廃棄物の焙焼アッシュ中から磁石を用いてコバルトを磁気選別する方法であり、粉体から磁気選別するのは効率が劣る。
一方、超硬品の廃棄物や製造工程の排水スラッジの処理方法として、これらの廃棄物や排水スラッジを酸化焙焼した後に、アルカリ溶液を加えてタングステンを浸出させる方法が知られている(特許文献2:特開2011−47013号公報)。この処理方法ではタングステン浸出液を固液分離した残渣にコバルトが含まれているが、残渣中のコバルトを分離して回収する方法は示されていない。ちなみに、該残渣中のコバルトを回収する方法として、例えば、該残渣を酸溶解した後に、水酸化コバルトを沈澱化して回収する方法や、溶媒抽出によってコバルトを回収する方法を適用できるが、工程が冗長で酸に由来する排液処理が面倒であり、また、回収したコバルトをメタルにするには電解等の処理が必要になり処理コストが嵩む問題がある。
特開平10−46266号公報 特開2011−47013号公報
本発明は、従来の処理方法における上記問題を解消したものであり、超硬品の廃棄物や製造工程の排水スラッジなどのコバルト含有物から効率よくコバルトを分離し回収する方法を提供する。
本発明は、以下の構成を有するコバルトの分離回収方法である。
〔1〕コバルト含有廃棄物に炭素材料を加えて850℃以上、非酸化性雰囲気下で還元焙焼し、該焙焼物をスラリーにし、該スラリーに含まれるコバルトを磁気選別することを特徴とするコバルトの分離方法。
〔2〕コバルト含有廃棄物がコバルト含有残渣であり、該コバルト含有残渣は超硬品廃棄物を酸化焙焼し、この焙焼物にアルカリ溶液を加えて該焙焼物に含まれるタングステンを浸出させ、このタングステン含有浸出液を固液分離したコバルト含有残渣である上記[1]に記載するコバルトの分離方法。
〔3〕コバルト含有廃棄物に、C/Coモル比1〜1.5になるように、炭素材料を加え、900℃〜1000℃で還元焙焼する上記[1]または上記[2]に記載するコバルトの分離方法。
〔4〕還元焙焼物を100μm以下に解砕・粉砕した後に、分散剤としてアニオン性化合物系の分散剤を加えた固形分濃度1質量%〜10質量%のスラリーにする上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するコバルトの分離方法。
〔5〕磁束密度500〜3000ガウス(G)でコバルトの磁気選別を行う上記[1]〜上記[4]の何れかに記載するコバルトの分離方法。
〔具体的な説明〕
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、コバルト含有廃棄物に炭素材料を加えて850℃以上、非酸化性雰囲気下で還元焙焼し、該焙焼物をスラリーにし、該スラリーに含まれるコバルトを磁気選別することを特徴とするコバルトの分離方法である。
コバルト含有廃棄物は、例えば、超硬品廃棄物を酸化焙焼し、この焙焼物にアルカリ溶液を加えて該焙焼物に含まれるタングステンを浸出させ、このタングステン含有浸出液を固液分離して得たコバルトを含む浸出残渣である。
以下、本発明について、コバルト含有廃棄物として超硬品廃棄物のコバルト含有浸出残渣を用いる場合を一例にして説明する。なお、本発明の処理方法は超硬品廃棄物のコバルト含有浸出残渣を用いる場合に限らない。
上記超硬品廃棄物は、超硬品の製造工程で生じる排水スラッジや使用済み超硬工具などの超硬品の廃棄物などを云う。これらの超硬品廃棄物には合金成分の炭化タングステンと共に結合成分のコバルトが含まれている。また、一般に排水スラッジには濾過性を高めるために珪藻土が添加されているので珪藻土のシリカ成分が含まれている。
上記超硬品廃棄物からコバルトを分離回収する本発明の処理例を図1に示す。
〔酸化焙焼工程〕
超硬品廃棄物を大気下(酸化雰囲気)で焙焼する。超硬品廃棄物を酸化焙焼することによって、付着している有機物が分解して除去される。また、超硬品廃棄物に含まれている炭化タングステンは酸化して三酸化タングステン(WO)になり、炭素は炭酸ガスになって系外に出る。また、コバルトはタングステンの一部と化合してタングステン酸コバルト(CoWO)になる。一般に、上記排水スラッジを酸化焙焼すると、この焙焼物には概ね三酸化タングステンが25〜35質量%、タングステン酸コバルトが15〜20質量%、シリカ分が25〜50質量%含まれている。
酸化焙焼の焙焼温度は300℃〜1100℃が適当であり、600℃〜900℃が好ましい。焙焼温度が300℃より低いとタングステンの酸化に長時間を必要とし、一方、1100℃より高くても酸化時間はあまり変わらず加熱コストが嵩む。
〔アルカリ浸出工程〕
酸化焙焼物を解砕し、アルカリ溶液を添加してタングステン成分を溶出させる。アルカリ溶液としては水酸化ナトリウム溶液などを用いることができる。アルカリ溶液の添加量は焙焼物に含まれるタングステン成分を溶出させるのに十分な量が好ましく、液性は概ねpH13以上の強アルカリ性が好ましい。また液温はタングステン酸コバルト(CoWO)の分解を促すために140℃以上が好ましい。
酸化焙焼物に含まれる三酸化タングステン(WO)は水酸化ナトリウムと反応してタングステン酸ナトリウム(NaWO)を生じて液中に溶出する。また、酸化焙焼物に含まれるタングステン酸コバルト(CoWO)は水酸化ナトリウムと反応してタングステン酸ナトリウム(NaWO)と水酸化コバルト(Co(OH))を生成する。また、酸化焙焼物に含まれるシリカ(SiO)は水酸化ナトリウムと反応して珪酸ナトリウム(NaSiO)を生成して液中に溶出する。
〔固液分離工程〕
タングステンを含有する上記アルカリ浸出物を固液分離して、固形分の水酸化コバルトを含む浸出残渣を回収する。
上記浸出残渣は強アルカリ性液から固液分離されたものであり、付着水にNaOHを多量に含んでいる。これをそのまま還元焙焼すると、残留するNaOやNaO・SiOが溶融状態になり、コバルトを取り込んでしまうので後の磁選に影響を及ぼす。特に、処理物にSiが含まれる場合は好ましくない。そこで、洗浄水が中性付近になるまで上記残渣を洗浄してNaOやNaO・SiOをできるだけ除去するのが好ましい。
〔還元焙焼〕
上記残渣に炭素材料を加えて850℃以上、好ましくは900℃以上で、約1時間〜約1.5時間、非酸化性雰囲気下、例えばアルゴンガス雰囲気下で、還元焙焼を行う。炭素材料は炭素粉末などを用いればよい。炭素材料の添加量は水酸化コバルトの大部分が金属コバルトに還元されるようにC/Coモル比1〜1.5程度が好ましい。炭素材料の添加量がC/Coモル比=0.5以下、焙焼温度が800℃以下では、水酸化コバルトの大部分は酸化コバルト(CoO、Co)になり、金属コバルトまで還元されない。酸化コバルトは磁性が弱く、磁気選別によって回収するのが難しい。
炭素材料を加えた上記残渣を、好ましくは900℃以上で、非酸化性雰囲気下の還元焙焼を行うことによって、水酸化コバルトの大部分が金属コバルトに還元され、焙焼温度が1000℃であれば水酸化コバルトのほぼ全量が金属コバルトに還元される。
〔スラリー化〕
上記還元焙焼の後に該焙焼物を、100μm以下に解砕・粉砕し、この粉砕物に水および分散剤を加えてスラリーにする。粉砕物をスラリーにすることによって金属コバルトの微粒が均一に分散され、磁選効果を高めることができる。粉砕物が粒状体であると金属コバルトの微粒の分散が不均一であるため、磁気選別による分離効果が低い。
上記焙焼粉砕物のスラリーは固形分濃度1質量%〜10質量%が好ましい。該固形分濃度が1質量%より少ないと磁選回数あたりの磁着量が少なくなるので磁選回数の増加を招く。一方、スラリーの固形分濃度が10質量%より多いと、スラリー中の固体の分散性が不均一になり、磁気分離の分離性に影響を及ぼすので好ましくない。
上記焙焼粉砕物のスラリーは分散剤を加えたものが好ましい。分散剤はアニオン性化合物の分散剤のうち、リン酸塩系分散剤であるのが好ましく、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、オルトリン酸ナトリウムなどを使用することができる。分散剤の添加量は例えば上記粉砕物の0.1〜2.0%程度であればよい。
〔磁気選別〕
上記スラリーに磁気を当てて金属コバルトを分離する。例えば、上記スラリーを磁場に通過させて金属コバルトを磁場に吸着させ、吸着されずに磁場を通過する非磁着物と分離する。あるいは、上記スラリーの液中ないし液面で磁石を移動させて該磁石に金属コバルトを磁着させ、スラリー中の非磁着物と分離する。
磁気選別の磁束密度は磁束密度500〜3000ガウス(G)程度が好ましい。磁束密度がこれより大きな高勾配磁選では巻き込み量が多くなるのでコバルトの分離効果が低下する。上記磁束密度の比較的弱い磁力(低勾配)のハンドマグネットを用いた簡易な磁気選別によってコバルトの分離効果を高めることができる。具体的には、上記磁束密度を有する比較的弱い磁力(低勾配)のハンドマグネットを上記スラリー中に入れ、あるいは上記スラリー液面に設置し、スラリー全体にわたって該マグネットを移動して金属コバルトを磁着させた後に、該マグネットを引き上げて金属コバルトを回収し、この操作を磁着物が無くなるまで繰り返す。
上記磁気選別によって、例えば、出発原料(コバルト含有浸出残渣)に含まれているコバルトの約70質量%以上を分離回収することができる。
本発明の分離方法は、コバルト含有廃棄物を還元焙焼して該焙焼物をスラリーにし、該スラリーに含まれるコバルトを磁気選別する方法であり、従来のようなコバルトを酸溶解する方法ではないので、水の使用量が大幅に少なく、従って排液量を格段に低減することができる。
本発明の分離方法は、還元焙焼物を粉砕してスラリーにするので、金属コバルトの微粒がスラリーに均一に分散するため高い磁選効果を得ることができる。さらに、ハンドマグネットなどの適度な比較的弱い磁力(低勾配)の磁選を行うことによって、コバルト以外の巻き込み量が少なく、コバルトの分離効果を高めることができる。
超硬品廃棄物からコバルトを分離回収する本発明の処理例を示す工程図。
以下、本発明の実施例を示す。なお、XAFS分析は高エネルギー加速器研究機構の装置を用いた。
〔実施例1〕
超硬工具の製造工程から排出されたスラッジを大気中にて700℃で2時間焙焼し、この焙焼物を濃度160g/Lの苛性ソーダ溶液に混合して80℃で2時間浸漬した。このスラリーを濾過・洗浄して回収した残渣を原料として用いた。残渣の成分を表1に示す。
この残渣10gに炭素粉1.1g(C/Coモル比1)を加え、アルゴンガス雰囲気下、800℃、900℃、1000℃でおのおの1時間、還元焙焼した。焙焼前の残渣および焙焼物のXAFS分析によるコバルトの形態変化を表2に示す。
表2に示すように、焙焼温度が800℃では酸化コバルト(CoO)が主成分であり、金属コバルトまで還元されない。焙焼温度が900℃になるとコバルトの還元が進み、コバルトの約半分が金属コバルトになる。さらに焙焼温度が1000℃ではコバルトのほぼ全量が金属コバルトに還元される。
還元焙焼温度1000℃の焙焼物25gを100μm以下に粉砕し、これに純水500mLと分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)2.5gを加えて撹拌してスラリー(固体濃度5質量%)にした。このスラリーに磁束密度1000ガウスのハンドマグネットを入れ、スラリー全体にわたって移動して磁着物を回収し、回収した磁着物を洗浄した。この操作を磁着物が無くなるまで繰り返し磁着物18.3gを得た。非磁着物は6.3gであった。還元焙焼物、該磁着物および非磁着物の成分を表3に示す。
上記処理によるコバルトの磁着物への分配率は98.3%、コバルトの総合分離効率は47.3%であった。なお、分配率および総合分離効率は次式(A)(B)によって定めた。
(A) Co分配率=磁着物のCo重量/(磁着物のCo重量+非磁着物のCo重量)×100
(B) 総合分離効率=(磁着物のCo重量/原料中Co重量−磁着物のCo以外成分の重量/原料中のCo以外成分の重量)×100
Figure 2016089209
Figure 2016089209
Figure 2016089209
〔実施例2〕
実施例1の表1と同様の残渣30gに炭素粉3.1g(C/Coモル比1)を加え、アルゴンガス雰囲気下、850℃で1時間、還元焙焼した。この焙焼物25gを100μm以下に粉砕して純水500mLと分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)2.5gを加えて撹拌してスラリー(パルプ濃度10質量%)にした。このスラリーに磁束密度1000ガウスのハンドマグネットを入れ、スラリー全体にわたって移動して磁着物を回収し、回収した磁着物を洗浄した。この操作を磁着物が無くなるまで繰り返し、磁着物15.7gを得た。非磁着物は8.9gであった。還元焙焼物、磁着物、および非磁着物の成分を表4に示す。上記処理によるコバルトの磁着物への分配率は75.5%、コバルトの総合分離効率は21.4%であった。還元焙焼温度850℃でコバルトについて高い分配率と総合分離効率が得られた。
Figure 2016089209
〔実施例3〕
実施例1と同様の残渣を用い、該残渣に加える炭素粉の量(C/Coモル比)を表5に示すように調整し、焙焼温度を1000℃にした以外は実施例1と同様にして還元焙焼とスラリーの調整および磁気選別を行った。この結果を表5に示した。表5に示すように、C/Coモル比が1、1.5の試料は水酸化コバルトの殆どが金属コバルトに還元されるので、コバルトの分配率および総合分離効率が高い。一方、C/Coモル比が0.5の試料は水酸化コバルトが金属コバルトに十分に還元されず、またC/Coモル比が2.0の試料は添加炭素分が多くなるのでので、コバルトの分配率および総合分離効率が低下する。従って、上記残渣に加える炭素粉の量(C/Coモル比)は1〜1.5が好ましい。
Figure 2016089209
〔実施例4〕
実施例1の焙焼温度1000℃の焙焼物を実施例1と同様にしてスラリーにし、表6に示す磁束密度でスラリーに含まれる磁着物を回収し、該磁着物を洗浄した。この操作を磁着物が無くなるまで繰り返した。この結果を表6に示した。表6に示すように、磁束密度が500〜3000ガウスではコバルトの分配率および総合分離効率が高いが、磁束密度400ガウスでは磁着力が弱いため磁着物が少なくなり、一方、磁束密度3500ガウスでは巻き込み量が多くなるので、コバルトの分配率および総合分離効率が低下する。従って、磁気選別の磁束密度は500〜3000ガウスが好ましい。
Figure 2016089209
〔実施例5〕
実施例1の焙焼温度1000℃の焙焼物を50μm程度、または500μm程度に粉砕した以外は実施例1と同様にしてスラリーにして磁気選別を行った。該焼成物を50μm程度に粉砕したものは実施例1とほぼ同様のコバルトの分配率および総合分離効率が得られた。一方、該焼成物を500μm程度に粉砕したものはコバルト分配率57.3%、コバルト総合分離効率10.9%であった。
〔比較例1〕
実施例1の表1と同様の残渣に炭素粉を加えずにアルゴンガス雰囲気下、300℃で1時間、還元焙焼した。焙焼物のコバルトは水酸化コバルト3質量%、四酸化三コバルト97質量%であった。この焙焼物25gに分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)2.5gを加えて撹拌し、パルプ濃度5質量%のスラリーにした。このスラリーを磁束密度1000ガウスの湿式磁選機に通過させて磁着物4.3gを回収した。非磁着物は20.3gであった。還元焙焼物、磁着物、および非磁着物の成分を表5に示す。上記処理によるコバルトの磁着物への分配率は18.0%、コバルトの総合分離効率は0.6%であった。
還元焙焼において炭素材料を加えず、焙焼温度も低いのでコバルトの殆どが四酸化三コバルトであるため、コバルトの分配率および総合分離効率が大幅に低い。
Figure 2016089209
〔比較例2〕
実施例1の表1と同様の残渣に炭素粉を加えずにアルゴンガス雰囲気下、1000℃で1時間、還元焙焼した。この焙焼物25gに分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)2.5gを加えて撹拌し、パルプ濃度5質量%のスラリーにした。このスラリーを磁束密度1000ガウスの湿式磁選機に通過させて磁着物6.8gを回収した。非磁着物は17.8gであった。還元焙焼物、磁着物、および非磁着物の成分分析を比較例1と同様に行い、コバルトの分配率と総合分離効率を算出した。その結果、上記処理によるコバルトの磁着物への分配率は27.7%、コバルトの総合分離効率は0.4%であった。
比較例1よりも還元焙焼温度は高いが、炭素粉を加えないのでコバルトの分配率および総合分離効率が低い。

Claims (5)

  1. コバルト含有廃棄物に炭素材料を加えて850℃以上、非酸化性雰囲気下で還元焙焼し、該焙焼物をスラリーにし、該スラリーに含まれるコバルトを磁気選別することを特徴とするコバルトの分離方法。
  2. コバルト含有廃棄物がコバルト含有残渣であり、該コバルト含有残渣は超硬品廃棄物を酸化焙焼し、この焙焼物にアルカリ溶液を加えて該焙焼物に含まれるタングステンを浸出させ、このタングステン含有浸出液を固液分離したコバルト含有残渣である請求項1に記載するコバルトの分離方法。
  3. コバルト含有廃棄物に、C/Coモル比1〜1.5になるように、炭素材料を加え、900℃〜1000℃で還元焙焼する請求項1または請求項2に記載するコバルトの分離方法。
  4. 還元焙焼物を100μm以下に解砕・粉砕した後に、分散剤としてアニオン性化合物系の分散剤を加えた固形分濃度1質量%〜10質量%のスラリーにする上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するコバルトの分離方法。
  5. 磁束密度500〜3000ガウス(G)でコバルトの磁気選別を行う上記[1]〜上記[4]の何れかに記載するコバルトの分離方法。



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