JP2016088646A - ヤーンガイド、芯糸供給装置、及び紡績機 - Google Patents

ヤーンガイド、芯糸供給装置、及び紡績機 Download PDF

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Abstract

【課題】安価に製造することができるヤーンガイド、並びにこれを備えた芯糸供給装置及び紡績機を提供する。
【解決手段】ヤーンガイド60は、円環状を呈する円環部62と、円環部62の中心軸AXに沿った方向から見たときに、当該円環部62の内側に位置する取付部64と、円環部62と取付部64とが中心軸AXに沿った方向において離間して位置するように、円環部62と取付部64とを連結する連結部66と、を備え、円環部62、取付部64及び連結部66が線状部材で形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ヤーンガイド、芯糸供給装置、及び紡績機に関する。
紡績機の一種として、芯糸を芯として紡績糸を生成する機械が知られている。芯糸は、当該芯糸が筒状のボビンに巻き付けられたパッケージから解舒され、紡績機の紡績装置に供給される。パッケージから芯糸が解舒される際、芯糸がボビンの長手方向の端部(解舒側端部)に接触することがある。この場合、芯糸がボビンに引っ掛かる等して芯糸が良好に解舒されないことがある。そこで、ボビンの解舒側端部には、解舒された芯糸がボビンに接触しないように芯糸をガイドするヤーンガイドが取り付けられることがある。例えば、特許文献1に記載のヤーンガイドは、ボビンの解舒側端部の内周面に圧接される樹脂製のキャップベースと、キャップベースに連結された円環状のガイド部材と、を備えている。
実開平2−007255号公報
しかしながら、上記従来のヤーンガイドは、ベースキャップが樹脂で形成されているため、製造コストが割高になる。そのため、従来は、ヤーンガイドを安価で製造することが困難であった。
本発明は、安価に製造することができるヤーンガイド、並びにこれを備えた芯糸供給装置及び紡績機を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るヤーンガイドは、糸がボビンに巻き付けられたパッケージにおいてボビンに取り付けられるヤーンガイドであって、円環状を呈する円環部と、円環部の中心軸に沿った方向から見たときに、当該円環部の内側に位置する取付部と、円環部と取付部とが中心軸に沿った方向において離間して位置するように、円環部と取付部とを連結する連結部と、を備え、円環部、取付部及び連結部が線状部材で形成されている。
この構成では、線状部材によって円環部、取付部及び連結部が形成されるため、樹脂等を用いていない。したがって、ヤーンガイドを安価に製造することができる。
ヤーンガイドにおいて、取付部は、パッケージにおけるボビンの端部に挿入され、ボビンに取り付けられる。取付部と中心軸に沿った方向において離間する円環部は、取付部がボビンに取り付けられると、ボビンの端部に位置する。これにより、パッケージから解舒される糸は、円環部によって、ボビンの端部に接触することが防止される。したがって、ヤーンガイドは、解舒された糸がボビンの端部に接触することを防止でき、良好な糸の供給を実現できる。
一実施形態においては、円環部、取付部及び連結部は、1本の線状部材で形成されていてもよい。この構成により、各部を接続する加工が不要となるので、ヤーンガイドの製造コストの低減をより一層図ることができる。
一実施形態においては、円環部、取付部及び連結部は、線状部材を曲げ加工することにより形成されていてもよい。このように、曲げ加工という一般的な加工方法を用いて形成するため、ヤーンガイドの製造コストの低減をより一層図ることができる。
一実施形態においては、取付部は、中心軸に沿った方向から見たときに、円環部と同心で且つ円環部よりも直径が小さい仮想円上に位置していてもよい。一般的に、ボビンの端部の内周面は、円形状を呈している。取付部を仮想円上に位置する形状とすることにより、ボビンの内周面と取付部との接触面積を確保できる。その結果、ボビンに対してヤーンガイドを良好に取り付けることができる。
一実施形態においては、取付部は、円弧状を呈していてもよい。この構成により、取付部の外径が変化するように取付部を弾性変形させることが可能となる。したがって、ヤーンガイドをボビンに取り付ける際、取付部を弾性変形させることで、取付部をボビンの端部に容易に挿入することができる。
一実施形態においては、円環部は、線状部材が1周以上巻かれて形成されており、当該線状部材が重なる部分を有していてもよい。この構成により、円環部と連結部との間に糸が挟まる隙間が形成されない。したがって、解舒された糸が引っ掛かることを抑制できる。
一実施形態においては、円環部は、連結部に接続された第1端部と、線状部材の延在方向における当該第1端部の反対側で且つ他の部分に接続されない第2端部と、を有し、第2端部は、円環部の径方向に沿って内側を向くように折り曲げられていてもよい。この構成により、解舒された糸が円環部に引っ掛かることが抑制される。
一実施形態においては、連結部は、円環部に接続され、円環部の内側において当該円環部の径方向に沿って延びる第1部分と、当該第1部分に接続され、中心軸に沿って延びると共に取付部に接続された第2部分と、を有していてもよい。この構成により、取付部をボビンに取り付けるときに、連結部が取り付けの妨げとならない。
一実施形態においては、第1部分と第2端部とのそれぞれは、中心軸に直交する直線に沿って延在しており、同一直線上に位置していてもよい。これにより、ヤーンガイドの軽量化を実現しつつ、剛性を確保できる。
一実施形態においては、線状部材は、ステンレス鋼製又は鉄製であってもよい。この構成により、糸との接触による摩耗を抑制できる。
本発明の他側面に係る芯糸供給装置は、芯糸が巻き付けられたパッケージを取り付ける準備位置と、パッケージから芯糸を供給する解舒位置とにおいてパッケージを保持する保持部と、パッケージから解舒された芯糸を供給する供給ユニットと、を備え、保持部は、上記のヤーンガイドが芯糸の解舒側に取り付けられたパッケージを保持する。
この構成では、ヤーンガイドが取り付けられたパッケージから芯糸が解舒されるため、芯糸の良好な供給が実現できる。
本発明の他側面に係る紡績機は、上記の芯糸供給装置と、繊維束をドラフトするドラフト装置と、芯糸を芯として繊維束に撚りを与えて紡績糸を生成する空気紡績装置と、紡績糸をパッケージに巻き取る巻取装置と、を備える。
この構成では、芯糸供給装置において、ヤーンガイドが取り付けられたパッケージから良好に糸が解舒される。したがって、芯糸供給装置から空気紡績装置に対して、芯糸を良好に供給できる。その結果、品質の良い紡績糸を生成することができる。
本発明によれば、ヤーンガイドを安価に製造することができる。
一実施形態に係る紡績機の正面図である。 図1に示す紡績機の紡績ユニットの側面図である。 芯糸パッケージの芯糸ボビンにヤーンガイドが取り付けられた状態を示す図である。 ヤーンガイドの斜視図である。 ヤーンガイドの正面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、紡績機1は、複数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、第1エンドフレーム4と、第2エンドフレーム5と、を備えている。複数の紡績ユニット2は、一列に配列されている。各紡績ユニット2は、紡績糸Yを生成して巻取パッケージPに巻き取る。ある紡績ユニット2で紡績糸Yが切断されたり、何らかの理由で紡績糸Yが切れたりした場合、糸継台車3は、当該紡績ユニット2で糸継動作を行う。第1エンドフレーム4には、紡績ユニット2の各部において空気の旋回流等を発生させるための空気供給源及び/又は紡績ユニット2の各部において吸引流を発生させるための吸引源等が収容されている。
第2エンドフレーム5には、紡績ユニット2の各部に動力を供給するための駆動モータ等が収容されている。第2エンドフレーム5には、機台制御装置Eと、表示部Dと、入力キーKと、が設けられている。機台制御装置Eは、紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。表示部Dは、紡績ユニット2の設定内容及び/又は状態に関する情報等を表示することができる。オペレータが入力キーKを用いて適宜の操作を行うことにより、紡績ユニット2の設定作業を行うことができる。表示部Dは、タッチパネルディスプレイであってもよい。この場合、入力キーKは、タッチパネルディスプレイに表示される形態であってもよい。
以下の説明では、スライバS、繊維束F及び紡績糸Yの走行経路において、スライバSが供給される側を上流側といい、紡績糸Yが巻き取られる側を下流側という。糸継台車3に対して紡績糸Yが走行する側を前側といい、その反対側を後側という。本実施形態では、複数の紡績ユニット2の配列方向に延在する作業通路(図示省略)が紡績機1の前側に設けられている。オペレータは、作業通路から各紡績ユニット2の操作及び監視等を行うことができる。
図1及び図2に示されるように、各紡績ユニット2は、上流側から順に、ドラフト装置6及び芯糸供給装置7と、空気紡績装置8と、紡績糸監視装置9と、テンションセンサ10と、糸貯留装置11と、ワキシング装置12と、巻取装置13と、を備えている。これらの装置は、上流側が機台高さ方向において上側となるように(すなわち、下流側が機台高さ方向において下側となるように)、機台フレームによって直接的に又は間接的に支持されている。
ユニットコントローラ15は、所定数の紡績ユニット2ごとに設けられており、紡績ユニット2の動作を制御する。ユニットコントローラ15は、機台制御装置Eから出力される情報(信号)に基づいて、紡績ユニット2の動作を制御する。
ドラフト装置6は、スライバSをドラフトする。ドラフト装置6は、スライバSの走行方向において上流側から順に、バックローラ対16と、サードローラ対17と、ミドルローラ対18と、フロントローラ対19と、を有している。各ローラ対16,17,18,19は、ボトムローラと、トップローラと、を有している。ボトムローラは、第2エンドフレーム5に設けられた駆動モータ又は各紡績ユニット2に設けられた駆動モータにより回転駆動される。ミドルローラ対18のトップローラに対しては、エプロンベルト18aが設けられている。ミドルローラ対18のボトムローラに対しては、エプロンベルト18bが設けられている。
芯糸供給装置7は、芯糸パッケージ(パッケージ)CPから芯糸Cを解舒して、ドラフト装置6に芯糸Cを供給する。より詳細には、芯糸供給装置7は、ミドルローラ対18とフロントローラ対19との間から、繊維束Fの走行経路上に芯糸Cを供給する。これにより、芯糸Cは、繊維束Fと共に空気紡績装置8に供給される。
空気紡績装置8は、芯糸Cを芯として、ドラフト装置6でドラフトされた繊維束Fに空気の旋回流によって撚りを与えて紡績糸Yを生成する。紡績糸監視装置9は、空気紡績装置8と糸貯留装置11との間において、走行する紡績糸Yの情報を監視して、監視した情報に基づいて糸欠陥の有無を検出する。紡績糸監視装置9は、糸欠陥を検出した場合、糸欠陥検出信号をユニットコントローラ15に送信する。紡績糸監視装置9は、糸欠陥として、例えば、紡績糸Yの太さ異常及び/又は紡績糸Yに含有されている異物を検出する。紡績糸監視装置9は、糸切れ等も検出する。
テンションセンサ10は、空気紡績装置8と糸貯留装置11との間において、走行する紡績糸Yのテンションを測定し、テンション測定信号をユニットコントローラ15に送信する。紡績糸監視装置9及び/又はテンションセンサ10の検出結果に基づきユニットコントローラ15が異常有りと判断した場合、紡績ユニット2において、紡績糸Yが切断される。具体的には、空気紡績装置8への空気の供給が停止されて、紡績糸Yの生成が中断されることにより、紡績糸Yが切断される。或いは、別途設けられたカッターにより紡績糸Yが切断されるようにしてもよい。
ワキシング装置12は、糸貯留装置11と巻取装置13との間において、紡績糸Yにワックスを付与する。
糸貯留装置11は、空気紡績装置8と巻取装置13との間において、紡績糸Yの弛みを取る。糸貯留装置11は、空気紡績装置8から紡績糸Yを安定して引き出す機能、糸継台車3による糸継動作時等に空気紡績装置8から送り出される紡績糸Yを滞留させて紡績糸Yが弛むのを防止する機能、及び糸貯留装置11よりも下流側の紡績糸Yのテンションの変動が空気紡績装置8に伝わるのを防止する機能を有している。
巻取装置13は、紡績糸YをボビンBに巻き取って巻取パッケージPを形成する。巻取装置13は、クレードルアーム21と、巻取ドラム22と、トラバースガイド23と、を有している。クレードルアーム21は、ボビンBを回転可能に支持する。クレードルアーム21は、支軸24によって揺動可能に支持されており、ボビンBの表面又は巻取パッケージPの表面を巻取ドラム22の表面に適切な圧力で接触させる。第2エンドフレーム5に設けられた駆動モータ(図示省略)が、複数の紡績ユニット2の巻取ドラム22を一斉に駆動する。これにより、各紡績ユニット2において、ボビンB又は巻取パッケージPが巻取方向に回転させられる。
各紡績ユニット2のトラバースガイド23は、複数の紡績ユニット2で共有されるシャフト25に設けられている。第2エンドフレーム5の駆動モータがシャフト25を巻取ドラム22の回転軸方向に往復駆動することによって、回転するボビンB又は巻取パッケージPに対してトラバースガイド23が紡績糸Yを所定幅でトラバースする。
糸継台車3は、ある紡績ユニット2において紡績糸Yが切断されたり、何らかの理由で紡績糸Yが切れたりした場合、当該紡績ユニット2まで走行して、糸継動作を行う。糸継台車3は、糸継装置26と、サクションパイプ27と、サクションマウス28と、を有している。サクションパイプ27は、支軸27aによって回動可能に支持されており、空気紡績装置8からの紡績糸Yを捕捉して糸継装置26に案内する。サクションマウス28は、支軸28aによって回動可能に支持されており、巻取装置13からの紡績糸Yを捕捉して糸継装置26に案内する。糸継装置26は、案内された紡績糸Y同士の糸継ぎを行う。糸継装置26は、空気を用いる糸継装置、種糸を用いるピーサー、又は紡績糸Yを機械的に継ぐノッター等である。
続いて、芯糸供給装置7について説明する。図2に示されるように、芯糸供給装置7は、芯糸パッケージ保持部50と、芯糸供給ユニット51と、芯糸案内部52と、を備えている。
芯糸パッケージ保持部50は、芯糸パッケージCPを保持する。芯糸パッケージCPは、芯糸ボビンCBに芯糸Cが巻き付けられて形成されている。芯糸Cとしては、例えば、マルチフィラメント糸が用いられている。しかし、芯糸Cの種類としては、マルチフィラメント糸以外の糸(例えば、モノフィラメント糸、又は、加工系の糸)を用いてもよい。芯糸ボビンCBは、円筒形状を呈している。芯糸ボビンCBは、例えば、樹脂又は紙で形成されている。
芯糸パッケージ保持部50は、芯糸パッケージCPを支持する支持体54を有する。支持体54は、棒状の部材であり、芯糸パッケージCPの芯糸ボビンCBに挿入され、芯糸パッケージCPが抜けないように保持する。芯糸パッケージ保持部50は、芯糸パッケージCPを、準備位置(図2において2点鎖線で示す位置)と、解舒位置(図2において実線で示す位置)との2つの位置で保持する。
準備位置は、芯糸パッケージCPを芯糸パッケージ保持部50に取り付ける位置である。準備位置では、支持体54は、上下方向に沿って延在する。これにより、芯糸パッケージCPを、支持体54に対して下方から挿し込むことで装着することができる。解舒位置は、芯糸パッケージCPから芯糸Cを解舒する位置である。解舒位置では、支持体54は、水平方向に沿って延在する。解舒位置で保持された芯糸パッケージCPの長手方向の一端部側から芯糸Cが解舒される。
芯糸供給ユニット51は、芯糸パッケージCPからガイドローラ53を介して供給された芯糸Cに張力を付与する機能、芯糸Cに弛みを付与する機能、及び芯糸C(芯糸Cの糸端)を送り出す機能を有している。芯糸案内部52は、芯糸Cをドラフト装置6に案内する筒状の部材である。
図2及び図3に示されるように、芯糸パッケージCPには、ヤーンガイド60が取り付けられている。ヤーンガイド60は、芯糸パッケージCPから解舒された芯糸Cが芯糸ボビンCBの端部に接触しないように芯糸Cをガイドする。図3〜図5に示されるように、ヤーンガイド60は、ガイド部(円環部)62と、取付部64と、連結部66と、を備えている。ヤーンガイド60は、1本の線状部材によってガイド部62、取付部64及び連結部66が形成された一体成形物である。ヤーンガイド60は、1本の線形部材を例えば曲げ加工することにより形成されている。線状部材は、例えば、ステンレス鋼製又は鉄製であり、断面が円形状を呈している。
ガイド部62は、芯糸Cをガイドする。ガイド部62は、円環状を呈している。ガイド部62は、線状部材が1周以上巻かれて形成されており、線状部材が重なる部分を有している。本実施形態では、ガイド部62は、線状部材が1周半巻かれており、線状部材が半周重なっている。線状部材の重なる部分は、互いに接触又は近接している。ガイド部62の直径D1は、芯糸ボビンCBの直径D3よりも大きい(D1>D3)。ガイド部62は、連結部66に接続される第1端部62aと、線状部材の延在方向における第1端部62aの反対側で且つ他の部分に接続されない第2端部62bと、を有している。第2端部62bは、ガイド部62の内側に、ガイド部62の径方向に沿って折り曲げられている。
取付部64は、芯糸ボビンCBに取り付けられる。取付部64は、円弧状を呈している。取付部64は、ガイド部62の中心軸AXに沿った方向(図5に示す状態)から見たときに、ガイド部62の内側に位置している。具体的には、取付部64は、ガイド部62と同心で且つガイド部62よりも直径の小さい仮想円VC上に位置している。取付部64の直径D2は、芯糸ボビンCBの内径D4と同等(D2=D4)、又は、芯糸ボビンCBの内径D4よりも僅かに大きい(D2>D4)。
取付部64は、連結部66に接続される第1端部64aと、線状部材の延在方向における第1端部64aの反対側で且つ他の部分に接続されない第2端部64bと、を有している。第1端部64aと第2端部64bとの間には、所定の間隔が設けられている。取付部64は、弾性変形可能に形成されている。具体的には、取付部64は、第1端部64aに第2端部64bが近づく(第1端部64aと第2端部64bとの間隔が小さくなる)ように弾性変形可能に形成されている。取付部64の直径は、弾性変形により小さくなる。
連結部66は、ガイド部62と取付部64とを連結している。連結部66は、ガイド部62の中心軸AXに沿った方向においてガイド部62と取付部64とが離間して位置するように、ガイド部62と取付部64とを連結している。連結部66は、第1部分66aと、第2部分66bと、を有している。第1部分66aは、ガイド部62の径方向に沿って延在しており、ガイド部62の内側に位置している。図5に示されるように、第1部分66aと第2端部62bとは、中心軸AXに直交する直線Lに沿って同一直線上に配置されている。すなわち、第1部分66aと第2端部62bとは、対向する位置に配置されている。第1部分66aは、一端部がガイド部62の第1端部62aに接続されており、他端部が第2部分66bに接続されている。
第2部分66bは、ガイド部62の中心軸AXに沿った方向に延在している。すなわち、第2部分66bと第1部分66aとは、略垂直を成している。第2部分66bは、一端部が第1部分66aに接続されており、他端部が取付部64の第1端部64aに接続されている。
上記構成を有するヤーンガイド60は、図3に示されるように、芯糸パッケージCPの芯糸ボビンCBに取り付けられる。具体的には、ヤーンガイド60は、芯糸ボビンCBの端部に取付部64が挿入されることによって、芯糸ボビンCBに取り付けられる。取付部64を挿入するときには、取付部64を弾性変形させることが好ましい。これにより、取付部64を芯糸ボビンCBの端部にスムーズに挿入することができる。上述のように、取付部64の直径D2は、芯糸ボビンCBの内周面Wの内径D4と略同等、又は、内周面Wの内径D4よりも僅かに大きい。したがって、取付部64の外周部が、芯糸ボビンCBの内周面Wに当接する。これにより、ヤーンガイド60は、芯糸ボビンCBに取り付けられる。取付部64が芯糸ボビンCBの端部に取り付けられたとき、連結部66の第2部分66bは、内周面Wに沿っている。
取付部64が固定されると、ガイド部62は、芯糸ボビンCBの端部側に位置する。ガイド部62の直径D1は、芯糸ボビンCBの直径D3よりも大きい。そのため、芯糸Cは、図2に示されるように、芯糸パッケージCPから解舒されてガイドローラ53に供給されるときに、例えば弛んだ場合であっても、ガイド部62に接触する。したがって、ガイド部62によって、芯糸Cが芯糸ボビンCBの端部に接触することが防止される。
以上説明したように、本実施形態に係るヤーンガイド60では、線状部材によってガイド部62、取付部64及び連結部66が形成されるため、樹脂等を用いていない。したがって、ヤーンガイド60を安価に製造することができる。また、ヤーンガイド60は、線状部材のみで構成されているため、軽量化を図ることができる。
本実施形態では、ガイド部62、取付部64及び連結部66は、1本の線状部材で形成されている。この構成により、各部を接続する加工が不要となるので、ヤーンガイド60の製造コストの低減をより一層図ることができる。
本実施形態では、ガイド部62、取付部64及び連結部66を、線状部材を曲げ加工することにより形成している。このように、曲げ加工という一般的な加工方法を用いて形成するため、ヤーンガイド60の製造コストの低減をより一層図ることができる。
本実施形態では、取付部64は、中心軸AX沿った方向から見たときに、ガイド部62と同心で且つガイド部62よりも直径が小さい仮想円VC上に位置している。芯糸ボビンCBの端部の内周面Wは、円形状を呈している。取付部64を仮想円VC上に位置する形状とすることで、芯糸ボビンCBの内周面Wと取付部64との接触面積を確保できる。その結果、芯糸ボビンCBに対してヤーンガイド60を良好に取り付けることができる。
本実施形態では、取付部64は、円弧状を呈している。この構成により、取付部64の直径D2が変化するように取付部64を弾性変形させることが可能となる。したがって、ヤーンガイド60を芯糸ボビンCBに取り付ける際、取付部64を弾性変形させることで、取付部64を芯糸ボビンCBの端部に容易に挿入できる。
本実施形態では、ガイド部62は、線状部材が1周半巻かれて形成されており、当該線状部材が重なる部分を有している。この構成により、ガイド部62と連結部66との間に芯糸Cが挟まる隙間が形成されない。したがって、解舒された芯糸Cが引っ掛かることが抑制される。
本実施形態では、ガイド部62は、連結部66に接続された第1端部62aと、線状部材の延在方向における第1端部62aの反対側で且つ他の部分に接続されない第2端部62bと、を有している。第2端部62bは、ガイド部62の内側を向くように折り曲げられている。この構成により、解舒された芯糸がガイド部62に引っ掛かることがより一層抑制される。
本実施形態では、連結部66は、ガイド部62に接続され、ガイド部62の内側に向かって延びる第1部分66aと、第1部分66aに連設され、中心軸AXに沿って延びると共に取付部64に接続された第2部分66bと、を有している。この構成により、取付部64を芯糸ボビンCBに取り付けるときに、連結部66が取り付けの妨げとならない。
本実施形態では、第1部分66aと第2端部62bとは、中心軸AXに直交する直線Lに沿って延在しており、同一直線上に位置している。これにより、ヤーンガイド60の軽量化を実現しつつ、剛性を確保できる。
本実施形態では、線状部材は、ステンレス鋼製又は鉄製である。この構成により、芯糸Cとの接触による摩耗を抑制できる。
上記のように、ヤーンガイド60は、芯糸パッケージCPから解舒された芯糸Cが芯糸ボビンCBの端部に接触することを防止できる。特に、芯糸ボビンCBが紙管である場合には、端部の表面が粗いことがある。この場合、芯糸Cが芯糸ボビンCBの端部に接触すると、芯糸Cが端部に引っ掛かり、芯糸Cが解舒されないおそれがある。ヤーンガイド60は、芯糸Cが芯糸ボビンCBの端部に接触することを防止できるため、芯糸ボビンCBが紙管である場合に特に有効である。
本発明は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、芯糸パッケージCPの芯糸ボビンCBにヤーンガイド60を取り付ける形態を一例に説明した。しかし、ヤーンガイド60は、その他のパッケージ(例えば、織機で用いる緯糸パッケージ)のボビンに取り付けられてもよい。
上記実施形態では、ヤーンガイド60の取付部64が円弧状を呈している形態を一例に説明した。しかし、取付部64の形状は、円弧状に限定されない。取付部は、例えば、多角形形状(三角形状又は四角形状等)であってもよい。取付部は、芯糸ボビンCBの内周面Wに当接して固定される形状であれば、いかなる形状であってもよい。
上記実施形態では、ヤーンガイド60が1本の線状部材によって形成されている形態を一例に説明した。しかし、線状部材によって形成されたガイド部62、取付部64及び連結部66がそれぞれ接合された構成であってもよい。言い換えると、ヤーンガイド60が、2本以上の線状部材によって形成されていてもよい。
上記実施形態では、ガイド部62において、線状部材が1周半巻かれた形態を一例に説明した。しかし、ガイド部は、少なくとも、線状部材が重なる部分を有していれはよい。
上記紡績機1では、機台高さ方向において、上側で供給された紡績糸Yが下側で巻き取られるように各装置が配置されていた。しかし、下側で供給された糸が上側で巻き取られるように各装置が配置されていてもよい。
上記紡績機1では、ドラフト装置6のボトムローラの少なくとも一つ及びトラバースガイド23が、第2エンドフレーム5からの動力によって(すなわち、複数の紡績ユニット2共通で)駆動されていた。しかし、紡績ユニット2の各部(例えば、ドラフト装置6、空気紡績装置8、及び巻取装置13等)が紡績ユニット2ごとに独立して駆動されてもよい。
紡績糸Yの走行経路において、テンションセンサ10が紡績糸監視装置9の上流側に配置されてもよい。ユニットコントローラ15は、1つの紡績ユニット2ごとに設けられてもよい。紡績ユニット2において、ワキシング装置12、テンションセンサ10及び紡績糸監視装置9は、省略されてもよい。巻取装置13は、紡績ユニット2ごとに設けられた駆動モータによって駆動されてもよい。
図1では、紡績機1は、チーズ形状の巻取パッケージPを巻き取るように図示されているがコーン形状のパッケージを巻き取ることも可能である。コーン形状のパッケージの場合、糸のトラバースにより糸の弛みが発生するが、当該弛みは、糸貯留装置11で吸収することができる。
1…紡績機、6…ドラフト装置、7…芯糸供給装置、8…空気紡績装置、13…巻取装置、60…ヤーンガイド、62…ガイド部(円環部)、62a…第1端部、62b…第2端部、64…取付部、66…連結部、66a…第1部分、66b…第2部分、AX…中心軸、C…芯糸(糸)、CB…芯糸ボビン、CP…芯糸パッケージ、L…直線、Y…紡績糸。

Claims (12)

  1. 糸がボビンに巻き付けられたパッケージにおいて前記ボビンに取り付けられるヤーンガイドであって、
    円環状を呈する円環部と、
    前記円環部の中心軸に沿った方向から見たときに、当該円環部の内側に位置する取付部と、
    前記円環部と前記取付部とが前記中心軸に沿った方向において離間して位置するように、前記円環部と前記取付部とを連結する連結部と、を備え、
    前記円環部、前記取付部及び前記連結部が線状部材で形成されている、ヤーンガイド。
  2. 前記円環部、前記取付部及び前記連結部は、1本の前記線状部材で形成されている、請求項1に記載のヤーンガイド。
  3. 前記円環部、前記取付部及び前記連結部は、前記線状部材を曲げ加工することにより形成されている、請求項2に記載のヤーンガイド。
  4. 前記取付部は、前記中心軸に沿った方向から見たときに、前記円環部と同心で且つ前記円環部よりも直径が小さい仮想円上に位置している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヤーンガイド。
  5. 前記取付部は、円弧状を呈している、請求項4に記載のヤーンガイド。
  6. 前記円環部は、前記線状部材が1周以上巻かれて形成されており、当該線状部材が重なる部分を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヤーンガイド。
  7. 前記円環部は、前記連結部に接続された第1端部と、前記線状部材の延在方向における当該第1端部の反対側で且つ他の部分に接続されない第2端部と、を有し、
    前記第2端部は、前記円環部の径方向に沿って内側を向くように折り曲げられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヤーンガイド。
  8. 前記連結部は、前記円環部に接続され、前記円環部の内側において当該円環部の径方向に沿って延びる第1部分と、当該第1部分に接続され、前記中心軸に沿って延びると共に前記取付部に接続された第2部分と、を有する、請求項7に記載のヤーンガイド。
  9. 前記第1部分と前記第2端部とのそれぞれは、前記中心軸に直交する直線に沿って延在しており、同一直線上に位置している、請求項8に記載のヤーンガイド。
  10. 前記線状部材は、ステンレス鋼製又は鉄製である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヤーンガイド。
  11. 芯糸が巻き付けられたパッケージを取り付ける準備位置と、前記パッケージから前記芯糸を解舒する解舒位置とにおいて前記パッケージを保持する保持部と、
    前記パッケージから解舒された前記芯糸を供給する供給ユニットと、を備え、
    前記保持部は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のヤーンガイドが前記芯糸の解舒側に取り付けられた前記パッケージを保持する、芯糸供給装置。
  12. 請求項11に記載の芯糸供給装置と、
    繊維束をドラフトするドラフト装置と、
    前記芯糸を芯として前記繊維束に撚りを与えて紡績糸を生成する空気紡績装置と、
    前記紡績糸をパッケージに巻き取る巻取装置と、を備える、紡績機。
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