以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿および下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の取付位置を、上皿および下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報)を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数および第2保留記憶数を合算(合計)した形式で表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。合算保留記憶表示部18cでは、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示されることにより、保留記憶数が示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する表示する第1保留記憶表示部(第1保留記憶数の表示部)と第2保留記憶表示部(第2保留記憶数の表示部)とが設けられるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶表示部および第2保留記憶表示部のそれぞれでは、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示されることにより、保留記憶数が示される。
演出表示装置9の表示領域における所定縁部の近傍(ここでは、右側近傍)には、可動演出部材60が設けられている。可動演出部材60は、図3に示す可動演出部材用モータ128の回転駆動により、演出表示装置9側に下端部を支点として図1の左側に向かって傾動し、上端部が演出表示装置9における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成する。すなわち、可動演出部材60は、図3に示す可動演出部材用モータ128の回転駆動により、上下方向に延在する非傾動状態と、上記した傾動状態とに、変化可能である。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御基板80の出力ポート105には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ128を駆動するためのモータ駆動回路127に対して所定の駆動信号を伝送するための配線が接続されている。演出制御用CPU102は、出力ポート105を介してモータ駆動回路127に駆動指令信号を出力することにより、可動演出部材用モータ128を駆動して可動演出部材60を動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図6(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図6(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図6(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図6(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図6(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図6(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドという3つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、図7を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図7は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図7には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図7(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図7に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図7の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図7の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。また、「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動表示時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、2種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示している。さらに、通常大当りまたは確変大当りとなるときには、はずれとなるときには選択されることのない全回転リーチの変動パターンが設定されている。全回転リーチとは、演出表示装置9で変動表示される左,中,右の3つの演出図柄のうちの全図柄が大当り図柄の組合せで揃った状態で変動表示を行なう希少価値がある特別な変動パターンである。
はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「変動パターン」の欄に示された「第1スーパーリーチ はずれ (30秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動表示時間が30秒の第1スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図7のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図7(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図7(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図7のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図7(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ はずれ (30秒)」および「第2スーパーリーチ はずれ (40秒)」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図7(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜140に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「第1スーパーリーチ はずれ (30秒)」の変動パターンとすることが決定される。
なお、変動パターン種別が「通常」、「ノーマルリーチ」および「全回転リーチ」の場合は、対応する変動パターンが1種類のみ設けられている(ランダム3の1〜220の乱数値がすべて1つの変動パターンに割振られている)。しかし、各変動パターン種別に対して、「スーパーリーチ」の場合と同様に複数種類の変動パターンを設けてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図7(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図7(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図7(a),図7(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図7(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図7(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図7(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図7(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動表示時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動表示時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、通常変動の変動パターンとして、図7(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図7(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、変動表示時間が短い変動パターンが設定されている。このような高ベース状態での変動表示時間の短い通常変動を短縮変動と称する。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動表示時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動表示時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動表示時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図7(a)および図7(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図7(c)および図7(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図7(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図7(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。また、大当りとなるときには、全回転リーチの種別がスーパーリーチの種別等と比べて、低い割合で選択されるように設定されている。また、全回転リーチは、はずれ表示結果となる場合には選択されず、大当り表示結果となる場合にのみ選択される。つまり、全回転リーチでは、必ず表示結果が大当りとなる。このように、全回転リーチは大当りの際にもあまり実行されない希少価値が高い演出である。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。また、このような保留数短縮制御が実行される変動は、上述した短縮変動の概念に含まれる。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動表示時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動表示時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動表示時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図8に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図8のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図12参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)および大当り種別判定用乱数(ランダム1)等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数(ランダム4初期値決定用乱数等)、および、表示用乱数(ランダム2,3)を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図6で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図6に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図6(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図6(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図6(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターン等を先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果を予測することが可能となる。そして、後述するように、このような入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101は、先読み演出として、所定の保留記憶情報に基づく演出図柄の変動表示中に、その後の変動表示においてリーチ演出が実行されることを予告報知し、遊技者がリーチ演出の種類を選択可能となるリーチ選択演出を実行可能である。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み演出を実行する例を説明するが、低ベース状態中は第1特別図柄のみを対象として先読み演出を実行可能とし、高ベース状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み演出を実行可能とするようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。これにより、「はずれ」となることを示す図柄指定コマンドが始動入賞時に出力されることとなる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。これにより、大当りとなるときは、始動入賞時に、「通常大当り」、または、「確変大当り」となることを示す図柄指定コマンドが出力されることとなる。
次に、CPU56は、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターンを判定する(S226)。たとえば、この実施形態では、大当りとなるか否か、および、時短状態であるか否かに応じて、変動パターン種別を決定するために用いるテーブルが異なっているので、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ(時短状態に制御されるときにセットされるフラグ)のような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識し、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、変動パターン種別の判定結果に応じたEXTデータを変動種別コマンドに設定する処理を行なう(S227)。これにより、始動入賞時には、変動種別を示す変動種別コマンドが出力されることとなる。
なお、始動入賞時にS221により確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。そのため、S221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS222で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、大当りの判定対象となる保留記憶データについて、確変回数カウンタ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、大当り種別判定用乱数(ランダムR)を用いて大当り判定をするようにしてもよい。
また、始動入賞時に時短状態であるか否かを確認してもよい。このような場合には、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。よって、時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで時短状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時に判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定するようにしてもよい。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了するまえに、1回だけ、デモンストレーション表示を実行させるための客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理を実行するようにしてもよい。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図6(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラム、すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに記憶する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図14は、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出表示装置9に表示される演出を実行する際に用いる各乱数を示す説明図である。図14においては、乱数の種別、更新範囲および用途が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)SR1−1:演出図柄の左停止図柄決定用の乱数である。(2)SR1−2:演出図柄の中停止図柄決定用の乱数である。(3)SR1−3:演出図柄の右停止図柄決定用の乱数である。(4)SR2:リーチ選択演出の実行の有無を判定するための乱数である。(5)SR3:リーチ選択演出を実行するときにおけるリーチ選択演出の種類を決定するための乱数である。リーチ選択演出については後述する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図15は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(図14に示される演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、リーチ選択演出有無判定用のSR2、リーチ選択演出種類決定用のSR3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲(図14参照)内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、受信した変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動パターンコマンドは、変動表示時間の長さ、リーチ演出の有無、リーチ演出を実行するときのリーチ種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の種別)、および、変動表示結果(大当り、はずれ、大当りの種別)等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動表示時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
次に、図16を用いて、本実施の形態における演出表示装置9の表示画面の構成とリーチ選択演出とについて説明する。
図16に示すように、演出表示装置9における表示画面は、左変動表示領域91、中変動表示領域92、および、右変動表示領域93を含む。図中においては、演出図柄が変動中(図中下向きの矢印で示す)であることを示す。
演出表示装置9の表示画面の下部の表示領域に、合算保留記憶表示部18cが設けられる。合算保留記憶表示部18cでは、変動表示の開始条件が成立していない(すなわち、未消化の)保留記憶情報が最大8個並ぶ態様で保留表示9Hが行なわれる。さらに、合算保留記憶表示部18cの左側の表示領域には、演出表示装置9で実行される演出図柄の変動表示に対応して行なわれるアクティブ表示9AH(変動対応表示、消化時表示、今回表示等とも称する)を含む情報を表した特別画像を表示するアクティブ表示領域18d(アクティブ表示エリア、変動対応表示領域、消化時表示領域、消化時表示エリア、今回保留表示領域、今回保留表示エリア、アクティブ保留表示領域、アクティブ保留表示エリア、今回表示領域、今回表示エリア、消化時表示部等とも称する。)が設けられる。
本実施の形態においては、アクティブ表示領域18dでは、未消化の保留記憶情報のうち最も古い保留記憶情報について、変動表示の開始条件が成立して変動表示が開始されたことに応じ、当該保留記憶情報に対応する保留表示9Hが、合算保留記憶表示部18cからアクティブ表示領域18dに移動して、アクティブ表示9AHとなるような態様(保留表示9Hが一旦消去された後にアクティブ表示9AHとして出現するような態様でもよい)で、アクティブ表示9AHが行なわれる。
アクティブ表示領域18dにおけるアクティブ表示9AHは、合算保留記憶表示部18cで表示されていた保留表示9Hと対応関係があるが、合算保留記憶表示部18cに表示される他の保留表示9Hと区別可能な表示態様で表示される。具体的に、合算保留記憶表示部18cでは、球体を示す画像が保留表示9Hとして横並びに表示される。一方、アクティブ表示領域18dには、開口部(穴)を示す画像の上方で浮遊している状態の球体を示す画像がアクティブ表示9Hとして表示される。アクティブ表示9Hは、たとえば、対応する変動表示が終了するときに、開口部に落下する態様で表示されることに伴なって消去される。
図16(A)においては、現在実行中の変動表示に対応するアクティブ表示9AHがアクティブ表示領域18d内で表示されるとともに、3個の保留表示が合算保留記憶表示部18cに表示されている状態を示している。なお、アクティブ表示領域18dは、特に表示画面の左下部に限定して設けられるものではなく、表示画面中のいずれかの位置に配置されればよい。
たとえば、演出図柄の変動表示中に、3個の保留記憶が新たに発生した場合に、3個目の保留記憶に対応する変動表示においてリーチ演出が実行されることが決定された場合には、遊技者がリーチ演出を選択可能となるリーチ選択演出が実行されることが決定される場合がある。当該リーチ演出は、本実施の形態においては、たとえば、スーパーリーチ演出である。
リーチ選択演出は、リーチ演出が実行される保留記憶情報に対応する変動表示(以下、ターゲット変動と記載する)が開始するまでの間(たとえば、この例では、1個目の保留表示に対応する変動表示の実行中、および、2個目の保留表示に対応する変動表示の実行中)において、当該リーチ演出に対応付けられた複数の選択候補のうちのいずれか1つを遊技者の操作に応じて選択することを可能とする演出である。なお、リーチ選択演出は、複数回の変動表示に亘り実行可能な例に限らず、1回の変動表示においてのみ実行可能としてもよい。つまり、リーチ選択演出は、ターゲット変動が実行される前であれば、どのような時期に実行されてもよい。
以下に、リーチ選択演出が開始されてからリーチ演出の複数の選択候補から、遊技者の操作に応じて、実行するリーチ演出が選択されるまでの演出制御の流れについて説明する。リーチ選択演出においては、たとえば図21を用いて後述するような楽曲と動画像とを組合せた複数種類の演出(第1楽曲演出〜第4楽曲演出)を選択することが可能である。
たとえば、3個目の保留記憶に対応する変動表示においてスーパーリーチ演出のような特定のリーチ演出が実行されることが決定された場合には、アクティブ表示9AHと保留表示AHとのそれぞれの表示態様が変更される。具体的には、リーチ選択演出が実行されることが決定されると、図16(B)に示すように、アクティブ表示9AHと保留表示9Hとの両方について、球体を含む画像を表示する表示態様から六角形の枠を示す画像を表示する表示態様に変更される。このとき、アクティブ表示9AHに対応する六角形の枠は、保留表示9Hに対応する六角形の枠よりも大きく表示される。これにより、アクティブ表示9AHと保留表示9Hとが区別可能に表示される。
さらに、ターゲット変動の保留表示に対応する六角形の枠内には、複数種類の選択候補のうちいずれかの演出内容の一部をダイジェスト表示する演出が実行される。図16(B)で、ターゲット変動の保留表示に対応する六角形の枠内に表示される音符および「A」の文字を示す画像の表示は、楽曲Aが出力されるとともに所定の動画像Aが表示される第1楽曲演出の演出内容の一部をダイジェスト表示する演出が実行されることを示している。
また、図16(B)に示すように、表示画面の上部には、「Vコントローラで好きなリーチを予約!」という内容の文章が表示されることにより、遊技者によるスティックコントローラ122の操作を促進する演出が実行される。さらに、表示された文章の下側には、スティックコントローラ122を示す画像と、スティックコントローラ122の操作方向を示唆する矢印の画像と、人差し指でターゲット変動の保留表示を指し示す画像(以下、リーチ選択対象指定画像と呼ぶ)95とが表示される操作促進表示も実行される。リーチ選択対象指定画像95は、リーチ演出の種類の選択が可能な保留表示を遊技者に特定可能に報知するための画像である。
遊技者によってスティックコントローラ122が表示画面上で示唆された操作方向(左右方向)に傾倒操作された場合には、ターゲット変動の保留表示に対応する六角形の枠内に表示される選択候補が、所定の順番にしたがって変更される。たとえば、スティックコントローラ122が右方向に傾倒操作されたときには、演出第1楽曲演出→第2楽曲演出→第3楽曲演出→第4楽曲演出というように所定の順番にしたがって選択候補が変更される。一方、スティックコントローラ122が左方向に傾倒操作されたときには、第1楽曲演出→第4楽曲演出→第3楽曲演出→第2楽曲というように所定の逆順番にしたがって選択候補が変更される。
図16(C)においては、遊技者の操作により、楽曲Cが出力されるともに所定の動画像Cが表示される第3楽曲演出に変更された状態が示されている。ターゲット変動の保留表示に対応する六角形の枠内に表示される音符および「C」の文字を示す画像の表示は、第3楽曲演出の演出内容の一部をダイジェスト表示する演出が実行されることを示している。
この実施の形態では、ターゲット変動の変動表示が開始されるまでの間、リーチ選択演出において遊技者がリーチ演出の選択候補を選択することが可能である。したがって、図16(D)に示すように、図16(C)で示される変動表示が終了し、次の保留表示に対応する変動表示中においても、スティックコントローラ122の操作によってターゲット変動の保留表示に対応する六角形の枠内に表示される選択候補の演出内容の一部をダイジェスト表示する演出を他の選択候補のものに変更することが可能である。ターゲット変動の保留表示に対応する変動表示が実行されるときにターゲット変動の保留表示に対応する角形の枠内に表示されている演出が、遊技者の操作により選択されたリーチ演出として決定(確定)される。したがって、この実施の形態では、リーチ選択演出において遊技者が何らの操作もしなかったときには、デフォルト演出として、リーチ選択演出において最初にターゲット変動の保留表示に対応する六角形の枠内に表示される選択候補の演出(たとえば、第1楽曲演出)がターゲット変動で実行されるリーチ演出として決定(確定)される。
なお、ターゲット変動の直前の変動表示が終了したり、ターゲット変動の変動表示が開始されたり、あるいは、プッシュボタン120やトリガボタン125の操作がされたときに、選択候補の変更を不可能とし、リーチ演出の選択候補を決定(確定)してもよい。
次に、リーチ選択演出の演出制御タイミングについて図17を用いてより具体的に説明する。図17は、リーチ選択演出の演出制御例を示すタイミングチャートである。図17(A)は、保留記憶の発生と不発生とを示し、図17(B)は、変動表示の変動と停止とを示し、図17(C)は、リーチ選択演出の実行と停止とを示し、図17(D)は、選択されたリーチ演出の実行と停止とを示す。
図17の例では、たとえば、(A)および(B)に示すように、演出図柄が変動表示中であって保留記憶のない状態である場合に、連続して4個の保留記憶が発生した場合を想定する。
4個の保留記憶が発生すると、先読み判定によって各々の保留記憶においてリーチ演出の実行の有無が判定される。仮に4個目の保留記憶に対応する変動表示においてスーパーリーチ演出の実行が決定される場合は、図16(B)のように保留表示の表示態様が球体の画像を含む表示態様から六角形の枠の画像を含む表示態様に変更され、図17(C)に示すように4個目の保留記憶に対応する変動表示が開始されるまでの1個目〜3個目までの保留表示に基づく3回の変動表示中に図16(B)〜(D)のようなリーチ選択演出が実行されることが決定される。
これにより、図17(B)および(C)に示すように、保留記憶の1個目から3個目までの変動表示中において、リーチ選択演出が実行され、遊技者の操作に基づく選択候補の選択(選択変更)が受付けられる。そして、3個目の保留記憶に対応する変動表示が終了する時点においてリーチ演出の種類が確定される。その結果、図17(D)に示すように、4個目の保留記憶に対応する変動表示が開始した場合に、変動表示開始時からリーチ状態となる前のリーチ前変動を経て、リーチ状態となったときに、リーチ選択演出において選択された種類のリーチ演出が実行される。図16(B)および(C)は、図17における、1個目の保留記憶に対応する変動表示中の演出表示装置9の表示画面でリーチ選択演出が実行される演出状態に対応し、図16(D)は、図17における、2個目の保留記憶に対応する変動表示中の演出表示装置9の表示画面でリーチ選択演出が実行される演出状態に対応する。
以下に、上述したリーチ選択演出を実行するための演出制御基板80の具体的な構成あるいは演出制御用マイクロコンピュータ100の具体的な動作について説明する。
図18は、演出制御基板80側のデータ保持エリアおよび始動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図18(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図18(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、たとえば前述したSR1−1〜SR3のような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファのそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図18(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値(たとえば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。
このような格納領域については、始動入賞時に受信したコマンドを格納する領域として、図柄指定コマンドを格納する領域(図中「図柄指定」)、変動種別コマンドを格納する領域(図中「変動種別」)、始動入賞指定コマンドを格納する領域(図中「始動入賞指定」)、および、合計保留記憶数指定コマンドを格納する領域(図中「合計保留記憶数指定」)が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、合算保留記憶数指定コマンドという4つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。始動入賞演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。これにより、始動入賞があったときには、図中の「図柄指定」、「変動種別」、「始動入賞指定」、および、「合計保留記憶数指定」のそれぞれの領域に、受信したコマンドが格納される。
「図柄指定」の領域において、「C200」ははずれ表示結果を示し、「C201」は大当り表示結果を示す。「変動種別」の領域において、「C300」は通常変動パターンの種別を示し、「C301」はノーマルリーチの種別を示し、「C302」はスーパーリーチの種別を示し、「C303」は全回転リーチの種別を示す。「始動入賞指定」の領域において、「A401」は第1始動入賞を示し、「A402」は第2始動入賞を示す。「合計保留記憶数指定」の領域においては、「C001」〜「C008」により合算保留記憶数を示す。
始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および、合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図18(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる。図18(B)では、バッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
また、始動入賞時受信コマンドバッファには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に関するデータに対応して、次に示すようなリーチ選択演出情報を格納するための記憶領域が設けられている。
すなわち、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により、後述する先読み演出処理において、リーチ選択演出の実行の有無を示すデータと、リーチ選択演出の種類を示すデータと、選択後のリーチ演出の有無を示すデータと、選択後のリーチ演出の種類を示すデータとが所定の格納領域に格納される。
そのため、始動入賞時受信コマンドバッファには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に関するデータに対応して、リーチ選択演出の判定の有無、リーチ選択演出の有無、リーチ選択演出の種類、選択後のリーチ演出の有無、および、選択後のリーチ演出の種類に関するデータを記憶する領域が設けられている。
リーチ選択演出の判定の有無の格納領域には、図18(C)に示すような対応関係に従って、後述する図19に示されるリーチ選択演出有無判定テーブルに基づいてリーチ選択演出を実行することが決定されたときには、「1001(H)」がデータとして記憶され、リーチ選択演出を実行しないことが決定されたときには「1000(H)」がデータとして記憶される。
たとえば、バッファ番号「4」に対応する保留記憶の変動種別がスーパーリーチ演出に対応する変動パターンである場合には(変動種別のデータが「C302(H)」である場合には)、それ以前の保留記憶であるバッファ番号「1」〜「4」のリーチ選択演出の判定の有無のデータが「1001(H)」として記憶される(たとえば、「1000(H)」から変更される)。
リーチ選択演出の有無の格納領域には、図18(C)に示すような対応関係に従って、変動表示中にリーチ選択演出を実行する場合には、「2001(H)」がデータとして記憶され、変動表示中にリーチ選択演出を実行しない場合には、「2000(H)」がデータとして記憶される。
たとえば、リーチ選択演出を実行することが決定されたときには、リーチ演出が実行される保留記憶(バッファ番号)よりも前のバッファ番号「1」〜「3」のリーチ選択演出の有無のデータが「2001(H)」として記憶され(たとえば、「2000(H)」から変更される)、リーチ演出が実行される保留記憶であるバッファ番号「4」のリーチ選択演出の有無のデータが「2000(H)」として記憶される。
リーチ選択演出の種類の格納領域には、図18(C)に示すような対応関係に従って、後述する図20に示されるリーチ選択演出種類決定テーブルに基づいて第1リーチ選択演出を実行することが決定されたときには、「3001(H)」がデータとして記憶され、第2リーチ選択演出を実行することが決定されたときには、「3002(H)」がデータとして記憶される。リーチ選択演出を実行しないことが決定された場合には、リーチ選択演出種類無を示す「3000(H)」がデータとして記憶される。たとえば、リーチ演出が実行される保留記憶であるバッファ番号「4」のリーチ選択演出種類のデータとしてはリーチ選択演出種類無を示す「3000(H)」が記憶される。図21を用いて後述するように、第1リーチ選択演出と、第2リーチ選択演出とにおいては、選択可能なリーチ演出の種類が一部異なる。
選択後のリーチ演出の有無の格納領域には、図18(C)に示すような対応関係にしたがって、選択されたリーチ演出を実行する場合には、選択後のリーチ演出有を示す「4001(H)」がデータとして記憶され、選択されたリーチ演出を実行しない場合には、選択後のリーチ演出無を示す「4000(H)」がデータとして記憶される。
たとえば、選択後のリーチ演出が実行される保留記憶であるバッファ番号「4」の選択後のリーチ演出の有無のデータとしては選択後リーチ演出有を示す「4001(H)」が記憶され、選択後のリーチ演出が実行されない保留記憶であるバッファ番号「1」〜「4」の選択後のリーチ演出の有無のデータとしては選択後リーチ演出無を示す「4000(H)」が記憶される。
選択後リーチ演出種類の格納領域には、図18(C)に示すような対応関係にしたがって、後述する図21のリーチ選択演出候補テーブルに基づいて、楽曲Aを出力するとともに動画Aを表示する第1楽曲演出を実行することが決定されたときには、「5001(H)」がデータとして記憶される。また、楽曲Bを出力するとともに動画Bを表示する第2楽曲演出を実行することが決定されたときには、「5002(H)」がデータとして記憶される。さらに、楽曲Cを出力するとともに動画Cを表示する第3楽曲演出を実行することが決定されたときには、「5003(H)」がデータとして記憶される。そして、楽曲Dを出力するとともに動画Dを表示する第4楽曲演出を実行することが決定されたときには「5004(H)」がデータとして記憶される。また、リーチ選択演出を実行しない等、第1楽曲演出〜第4楽曲演出のうちいずれの演出も実行しないことが決定されたときには楽曲演出種類無を示す「5000(H)」がデータとして記憶される。
たとえば、リーチ選択演出において第3楽曲演出が選択された場合には、選択されたリーチ演出が実行されるターゲット変動の保留記憶であるバッファ番号「4」の選択後リーチ演出種類のデータとして第3楽曲演出を示す「5003(H)」が記憶される。また、ターゲット変動以外の保留記憶であるバッファ番号「1」〜「3」については、リーチ選択演出において選択されたリーチ演出が実行されないので、選択後リーチ演出種類のデータとして楽曲演出種類無を示す「5000(H)」が記憶される。
各保留記憶情報について、先読み判定に基づいて、リーチ選択演出情報に関する各格納領域にデータが記憶されると、変動表示を実行するときに、保留記憶として存在する各保留表示に対応するこれらのデータを確認または更新することにより、当該変動表示において、リーチ選択演出を実行するか否か、リーチ選択演出により選択されたリーチ演出を実行するか、および、リーチ選択演出、あるいは、リーチ選択演出により選択されたリーチ演出を実行するときの演出パターンを、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識することができる。
図18(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドに関するデータ、リーチ選択演出に関するデータ等の各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図18(B)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各データが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域において格納されている各データが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。
図18においては、リーチ選択演出に関する情報を始動入賞時受信コマンドバッファに格納する例を示した。しかし、これに限らず、始動入賞時受信コマンドバッファとは別に、各始動入賞記憶情報に対応してリーチ選択演出に関する情報を格納する領域を演出制御用データ保持エリア190に設けてもよい。
図19は、リーチ選択演出の実行の有無を選択するときに用いられるデータテーブルとしてのリーチ選択演出有無判定テーブルを表形式で示す図である。リーチ選択演出有無判定テーブルは、ROM102に記憶されている。
図19のテーブルにおいては、「リーチ選択演出有」と、「リーチ選択演出無」とのそれぞれに、リーチ選択演出有無判定用のSR2(0〜109)の合計110個の値が割振られている。SR2の割振りについては、説明を明確化するために、SR2の割振られた個数がテーブルに示されている。図19のリーチ選択演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出されたSR2の値が、「リーチ選択演出有」、および、「リーチ選択演出無」のうちのいずれに対応するかに基づいて、リーチ選択演出を実行するか否かが決定される。図19のリーチ選択演出有無判定テーブルでは、「リーチ選択演出あり>リーチ選択演出なし」という選択割合の関係で、データが設定されている。この実施の形態では、たとえば、スーパーリーチの変動表示が実行されるときに、図19のリーチ選択演出有無判定テーブルを用いて、リーチ選択演出を実行するか否かが判定される。
なお、スーパーリーチの変動表示が実行されるときには、リーチ選択演出を実行するか否かを判定せずに、必ずリーチ選択演出を実行するようにしてもよい。また、スーパーリーチ以外の特定のリーチ(たとえば、ロングリーチ、ノーマルリーチ等)であるときに、リーチ選択演出を実行可能(リーチ選択演出有無判定をするか否かに関わらず実行可能)としてもよい。また、リーチの種類に応じて、リーチ選択演出を実行する割合が異なるようにしてもよい(たとえば、スーパーリーチのときにはノーマルリーチのときよりもリーチ選択演出を実行すると決定する割合が高い等)。
図20は、リーチ選択演出を実行することが決定されたときに実行するリーチ選択演出の種類を選択するために用いられるデータテーブルとしてのリーチ選択演出種類決定テーブルを表形式で示す図である。リーチ選択演出種類決定テーブルとしては、ハズレ決定時に用いられる図20(A)のハズレ決定時リーチ選択演出種類決定テーブルと、大当り決定時に用いられる図20(B)の大当り決定時リーチ選択演出種類決定テーブルとがROM102に記憶され、ターゲット変動の表示結果の先読み判定結果に基づいて、いずれかのテーブルが選択されて用いられる。
図19のデータテーブルを用いて「リーチ選択演出あり」が選択決定され、リーチ選択演出を実行するときには、図20のデータテーブルを用いて、実行するリーチ選択演出の種類が、第1リーチ選択演出と、第2リーチ選択演出とのうちのいずれかに選択決定される。
図20(A)および(B)のそれぞれのテーブルにおいては、第1リーチ選択演出と、第2リーチ選択演出とのそれぞれに、リーチ選択演出種類決定用のSR3(0〜99)の合計100個の値が割振られている。SR3の割振りについても、SR2の割振りと同様に、説明を明確化するために、SR3の割振られた個数がテーブルに示されている。図20(A)および(B)のそれぞれのテーブルでは、所定のタイミングで抽出されたSR3の値が、第1リーチ選択演出、および、第2リーチ選択演出のいずれに対応するかに基づいて、実行するリーチ選択演出の種類が、第1リーチ選択演出と、第2リーチ選択演出とのうちいずれかに選択決定される。
図20(A)のハズレ決定時リーチ選択演出種類決定テーブルでは、「第1リーチ選択演出>第2リーチ選択演出」という割合の関係で、データが設定されている。図20(B)の大当り決定時リーチ選択演出種類決定テーブルでは、「第1リーチ選択演出<第2リーチ選択演出」という割合の関係で、データが設定されている。
図20(A)および(B)によれば、大当り表示結果となるときには、ハズレ表示結果となるときに比べて、第2リーチ選択演出が選択されて実行される割合が高い。これにより、第2リーチ選択演出が実行されたときに、遊技者の期待感を高めることができる。
図21は、第1リーチ選択演出の実行時あるいは第2リーチ選択演出の実行時において、リーチ選択演出における楽曲演出の選択候補を特定するために用いられるデータテーブルとしてのリーチ選択演出候補テーブルを表形式で示す図である。リーチ選択演出候補テーブルは、図21(A)の第1リーチ選択演出候補テーブルと、図21(B)の第2リーチ選択演出候補テーブルとがROM102に記憶されている。
第1リーチ選択演出が実行されるときにおいては、楽曲Aを出力するとともに動画Aを表示する第1楽曲演出を第1選択候補とし、楽曲Bを出力するとともに動画Bを表示する第2楽曲演出を第2選択候補とし、楽曲Cを出力するとともに動画Cを表示する第3楽曲演出を第3選択候補とする。
一方、第2リーチ選択演出においては、楽曲Bを出力するとともに動画Bを表示する第2楽曲演出を第1選択候補とし、楽曲Cを出力するとともに動画Cを表示する第3楽曲演出を第2選択候補とし、楽曲Dを出力するとともに動画Dを表示する第4楽曲演出を第3選択候補とする。第2楽曲演出および第3楽曲演出は、第1リーチ選択演出と第2リーチ選択演出とのどちらでも選択可能である。一方、第1リーチ選択演出が決定されたときには、遊技者は第4楽曲演出を選択できず、第2リーチ選択演出が決定されたときには、第1楽曲演出を選択できない。
図20に示したように、第2リーチ選択演出は、第1リーチ選択演出と比較して大当り表示結果となる期待度が高いため、遊技者は、リーチ選択演出において第4楽曲演出が選択可能となることによって、大当り表示結果となる期待度が高いことを認識することができる。
図22は、図15に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S700の先読み演出処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理においては、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700):リーチ選択演出等の先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等の処理を行なう。S700の具体的な処理内容については、図23を用いて後述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を演出図柄の停止図柄決定用の乱数に基づいて決定する。受信した変動パターンコマンドに対応して、演出図柄の変動表示時の演出パターンを選択し、実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。演出図柄変動開始処理(S801)においては、表示結果に応じて、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR3のうちから各種表示結果を決定するために必要な種類の乱数値を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。この実施の形態では、演出制御基板80の側において、左演出図柄(左図柄)決定用の乱数値SR1−1、中演出図柄(中図柄)決定用の乱数値SR1−2、右演出図柄(右図柄)決定用の乱数値SR1−3等のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数SR1−1〜SR3等のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、所定の数値範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。すなわち、抽出した乱数値と同じ数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブル(乱数値とはずれ図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。また、このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。このように決定された非リーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄が、リーチ状態を形成する各演出図柄(左,右演出図柄)の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出された乱数に対応する図柄が、最後に停止する演出図柄(中演出図柄)の停止図柄として決定される。このように決定されたリーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。たとえば、確変大当りとなるときには、確変大当りを想起させるような確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、通常大当りとなるときには、通常大当りを想起させるような通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。
確変大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された確変大当り図柄決定用テーブル(乱数値と確変大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの奇数図柄で揃った組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された確変大当り図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された通常大当り図柄決定用テーブル(乱数値と通常大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの偶数図柄で揃った組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された通常大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、確変状態指定コマンドに基づいて確変状態であることを認識でき、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、確変状態および時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
図23は、前述の先読み演出処理(S700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、その中に、変動種別がスーパーリーチ(第1スーパーリーチ、第2スーパーリーチ)であり、かつ、リーチ選択演出が未判定の保留記憶があるか否かを判定する(S711)。たとえば、変動種別の格納領域において「C302(H)」のデータが記憶され、かつ、リーチ選択演出判定有無の格納領域において「1000」のデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか否かを判定する。これにより、リーチ選択演出の実行の有無を判定する対象となる保留記憶があるか否かが確認される。
S711で、変動種別がスーパーリーチであり、かつ、リーチ選択演出が未判定の保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S711で、変動種別がスーパーリーチであり、かつリーチ選択演出が未判定の保留記憶があるときは、リーチ選択演出フラグがセットされているか否かを判定する(S712)。リーチ選択演出フラグは、リーチ選択演出が実行されるときにセットされるフラグであり、リーチ選択演出が実行中の期間において、複数のターゲット変動に基づいて、重複してリーチ選択演出が実行されることを回避するためにS719でセットされる。なお、リーチ選択演出フラグをセットせずに、リーチ選択演出が実行中の期間において、重複してリーチ選択演出が実行されるようにしてもよい。
S712でリーチ選択演出フラグがセットされていないときは、S713に進み、現在の合算保留記憶個数が2以上であるか否かを、合算保留記憶数指定コマンドにより特定される合算保留記憶数に基づいて確認する(S713)。S713では、保留記憶が1つしかないときは、リーチ選択演出を実行すると仮定したときに十分な演出期間が確保できないので、リーチ選択演出を実行すると仮定したときに、ある程度の演出期間が確保可能であるかどうかが確認される。
S713で現在の合算保留記憶個数が2以上であるときは、S714に進み、図19に示されるリーチ選択演出有無判定テーブルを用いてリーチ選択演出の有無を判定する(S714)。S714での判定結果に基づいて、「リーチ選択演出有」が決定されたか否かを判定する(S715)。
S715で「リーチ選択演出有」が決定された場合、すなわち、リーチ選択演出を実行する旨の決定がされたときは、S716に進み、図20に示されるリーチ選択演出種類決定テーブルを用いて、実行するリーチ選択演出の種類を選択決定する(S716)。次に、S717に進み、今回の再変動演出処理での判定対象の保留記憶よりも前の保留記憶について、リーチ選択演出有無の格納領域で「リーチ選択演出有」に対応するデータを記憶するとともに、リーチ選択演出種類の格納領域でS716で選択決定された種類に対応するデータを記憶する(S717)。たとえば、図18(B)を例にとれば、判定対象であるバッファ番号「4」の保留記憶よりも前の保留記憶に対応するバッファ番号「1」〜「3」のリーチ選択演出有無の格納領域において、「リーチ選択演出有」に対応するデータを記憶するとともに、「リーチ選択演出種類」の格納領域にS716における決定結果に対応するデータを記憶する。
その後、S718に進み、今回の再変動演出処理での判定対象の保留記憶について、リーチ選択演出判定有無の格納領域に「リーチ選択演出判定有」に対応するデータを記憶し、リーチ選択演出有無の格納領域に「リーチ選択演出無」に対応するデータを記憶し、リーチ選択演出種類の格納領域に「リーチ選択演出種類無」に対応するデータを記憶し、選択後リーチ演出有無の格納領域に「選択後リーチ演出有」に対応するデータを記憶し、選択後リーチ演出種類の格納領域にS716で選択決定した選択後リーチ演出種類に対応するデータを記憶する。そして、S719に進み、リーチ選択演出フラグをセットし(S719)、処理を終了する。
S712でリーチ選択演出フラグがセットされているときと、S713で現在の合算保留記憶個数が2以上でないときと、S715でリーチ選択演出有無の判定結果が「リーチ選択演出有」でないときとには、S720に進み、今回の先読み演出処理の判定対象の保留記憶について、リーチ選択演出判定有無の格納領域に「リーチ選択演出判定有」に対応するデータを記憶し、リーチ選択演出有無の格納領域に「リーチ選択演出無」に対応するデータを記憶し、リーチ選択演出種類の格納領域に「リーチ選択演出種類無」に対応するデータを記憶し、選択後リーチ演出有無の格納領域に「選択後リーチ演出無」に対応するデータを記憶し、選択後リーチ演出種類の格納領域に「選択後リーチ演出無」に対応するデータを記憶する。そして、処理を終了する。
図24は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、通常大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S601)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定する。
確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数のゾロ目の組合せ)を選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれか偶数のゾロ目の組合せ)を選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の通常大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、演出制御用CPU101は、演出パターンを設定するための演出設定処理を実行する(S616)。演出設定処理の詳細については、後述する。
次に、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに設定する(S617)。対応表示演出の内容もこの処理において設定される。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動表示が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連または滑りの演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。擬似連の変動表示においては、変動表示が一旦仮停止した後再変動表示することを1回または複数回行なうことにより、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示が行なわれる。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
演出制御用CPU101は、S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S622)。
図25は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理においては、まず、図18に示すような始動入賞時受信コマンドバッファに格納された各保留記憶情報におけるリーチ選択演出情報の格納領域のデータを確認することにより、今回の変動表示が「選択後リーチ演出有」と指定されたターゲット変動であるか否かを判定する(S680)。たとえば、今回の変動表示に対応する保留記憶としてバッファ番号「1」における選択後リーチ演出有無の格納領域に「4001(H)」のデータが記憶されている場合には、今回の変動表示が「選択後リーチ演出有」と指定されたターゲット変動であると判定する。一方、バッファ番号「1」における選択後リーチ演出有無の格納領域に「4000(H)」のデータが記憶されている場合には、今回の変動表示が「選択後リーチ演出有」と指定されたターゲット変動でないと判定する。
S680により今回の変動表示が「選択後リーチ演出有」と指定されたターゲット変動であると判定されたときは、S683に進み、選択後リーチ演出種類の格納領域に記憶された、選択されたリーチ演出種類に応じた演出パターンを設定する(S683)。たとえば、バッファ番号「1」における選択後リーチ演出種類の格納領域に記憶されたデータに基づいて演出パターンを設定する。その後、S684に進み、リーチ選択演出フラグをリセットし(S684)、処理を終了する。
一方、S680により今回の変動表示が「選択後リーチ演出有」と指定されたターゲット変動ではないと判定されたときは、S681に進み、今回の変動表示が「リーチ選択演出有」と指定された変動表示であるか否かを判定する。たとえば、バッファ番号「1」におけるリーチ選択演出有無の格納領域に「2001(H)」のデータが記憶されている場合には、今回の変動表示が「リーチ選択演出有」と指定された変動表示であると判定して、S682に進む。S682では、指定されたリーチ選択演出種類に応じた演出パターンを設定する。たとえば、バッファ番号「1」におけるリーチ選択演出種類の格納領域のデータに基づいて、指定されたリーチ選択演出種類に応じた演出パターンを設定する。
一方、S681で、今回の変動表示が「リーチ選択演出有」と指定された変動表示ではないと判定された場合には、(たとえば、バッファ番号「1」におけるリーチ選択演出有無の格納領域に「2000(H)」のデータが記憶されている場合には、)、S685に進む。
S685では、今回の変動表示の変動パターンが大当り表示結果となるスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。今回の変動表示の変動パターンが大当り表示結果となるスーパーリーチの変動パターンである場合(S685;Yes)、演出制御用CPU101は、スーパーリーチの演出の実行と、大当りとなるか否かを示唆する示唆演出の実行と、大当りとなることを報知する確定報知音の出力および役物である可動演出部材60の動作を含む報知演出の実行とを行なうための演出パターン(大当りスーパーリーチ時演出パターン)を設定する(S686)。大当りスーパーリーチ時演出パターンに従った演出内容の詳細については、図28(A)および図29を用いて詳述する。
ここでは、スーパーリーチの開始のタイミングから演出図柄の可変表示が終了して表示結果である停止図柄が導出表示される図柄確定のタイミングまでの演出パターン(大当りスーパーリーチ時演出パターン)が設定される。
なお、S686においては、演出制御用CPU101は、ボタン押下指示画像およびレバー操作指示画像の何れかを表示対象として選択するが、ボタン押下指示画像をレバー操作指示画像よりも高い割合(例えば、ボタン押下指示画像の選択比率7:レバー操作指示画像の選択比率3)で選択する。大当りスーパーリーチ時演出パターンを特定する情報は、RAM103内に記憶される。
一方、変動パターンが大当りとなるスーパーリーチの変動パターンでない場合(S685;No)、演出制御用CPU101は、主基板31からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが図7(a)および(b)で示したようなハズレとなるスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S687)。
変動パターンがハズレとなるスーパーリーチの変動パターンである場合(S687;Yes)、演出制御用CPU101は、スーパーリーチの演出の実行と、大当りとなるか否かを示唆する示唆演出の実行とを行なうための演出パターン(ハズレスーパーリーチ時演出パターン)を設定する(S688)。
ここでは、S686と同様、スーパーリーチの開始のタイミングから演出図柄の可変表示が終了して表示結果である停止図柄が導出表示される図柄確定のタイミングまでの演出パターン(ハズレスーパーリーチ時演出パターン)が設定される。ただし、S686と異なり、可変表示結果が「ハズレ」であるため、報知演出は実行されない。すなわち、ハズレスーパーリーチ時演出パターンに従って実行される演出のタイミングチャートは、大当りスーパーリーチ時演出パターンが設定される場合とは異なり、確定報知音の出力が実行されずにスーパーリーチ楽曲の出力が継続し、役物である可動演出部材60の通常動作が行なわれないものとなる。ハズレスーパーリーチ時演出パターンを特定する情報は、RAM103内に記憶される。
一方、変動パターンがハズレとなるスーパーリーチの変動パターンでない場合(S687;No)、演出制御用CPU101は、主基板31からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが全回転リーチの変動パターンであるか否かを判定する(S689)。
変動パターンが全回転リーチの変動パターンである場合(S689;Yes)、演出制御用CPU101は、全回転リーチの演出の実行と、大当りとなるか否かを示唆する示唆演出の実行と、確定報知音を出力せず、可動演出部材60の動作を含む報知演出の実行とを行なうための演出パターン(全回転リーチ時演出パターン)を設定する(S690)。全回転リーチ時演出パターンに従った演出内容の詳細については、図28(B)および図30を用いて詳述する。
ここでは、全回転リーチの開始のタイミングから演出図柄の可変表示が終了して表示結果である停止図柄が導出表示される図柄確定のタイミングまでの演出パターン(全回転リーチ時演出パターン)が設定される。
なお、S690においては、演出制御用CPU101は、ボタン押下指示画像およびレバー操作指示画像の何れかを表示対象として選択するが、レバー操作指示画像をボタン押下指示画像よりも高い割合(例えば、ボタン押下指示画像の選択比率3:レバー操作指示画像の選択比率7)で選択する。全回転リーチ時演出パターンを特定する情報は、RAM103内に記憶される。
S686、S688におけるスーパーリーチ時演出パターンの設定後、または、S690における全回転リーチ時演出パターンの設定後、演出制御用CPU101は、他の演出パターン(スーパーリーチ時演出パターンおよび全回転リーチ時演出パターン以外の演出の演出パターン)を設定する(S691)。演出パターンの設定においては、実行すべき演出を特定する情報がRAM103内に格納される。
また、主基板31からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが全回転リーチの変動パターンでない場合(S689;No)、演出制御用CPU101は、主基板31からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに応じた演出パターンを選択する(S692)。演出パターンの選択においては、実行すべき演出を特定する情報がRAM103内に記憶される。
次に、図22に示される演出図柄変動中処理(S802)の具体的な処理内容を説明する。図26は、演出図柄変動中処理を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動表示の実行時間を計時するためのタイマである変動表示時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843のN)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843のY)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。
次に、遊技者によるスティックコントローラ122等の操作に応じて、リーチ演出選択処理を実行するための操作演出処理が行なわれる(S846)。
次に、変動表示時間タイマの値に基づいて、変動表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動表示時間タイマがタイムアウトしていれば(S847でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動表示時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847N)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。図柄確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848のN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、図柄確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848のY)、S849に移行する。このように、変動表示時間タイマがタイムアウトしていなくても(S847のN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動表示を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動表示を終了させることができる。
図27は、操作演出処理(S846)を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、操作演出処理において、プロセスデータとして、リーチ選択演出を実行するデータが設定されているか否かを判断することにより、リーチ選択演出の実行設定時であるか否かを判定する(S900)。S900で、演出制御用CPU101は、リーチ選択演出の実行設定時でないと判断したときは、処理を終了する。
一方、S900で、演出制御用CPU101は、リーチ選択演出の実行設定時であると判断したときは、所定時間に設定された操作有効期間中であるか否かを判定する(S901)。操作有効期間中であるか否かは、変動表示の開始時からの経過時間を計時する変動表示時間タイマの計時値に基づいて判断される。
S901で、演出制御用CPU101は、操作有効期間中でないと判断したときは、処理を終了する。一方、S901で、演出制御用CPU101は、操作有効期間中であると判断したときは、リーチ選択演出の画像を演出表示装置9の表示画面に表示する処理を行なう(S902)。S902で表示されるリーチ選択演出の画像は、リーチ選択演出の実行中に背景として表示されるリーチ選択演出用背景画像と、リーチ選択演出の実行中に保留表示として表示されるリーチ選択演出用保留画像と、図16(B)で示したような「Vコントローラで好きなリーチを予約!」等の遊技者に所定の情報を報知するために表示されるリーチ選択予約メッセージ画像と、リーチ選択対象指定画像(図16に示されるリーチ選択対象指定画像95)と、選択候補の演出内容の一部をダイジェスト表示するためのリーチ選択候補画像等を含む。
S903では、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122による選択操作の操作検出があったか否かを判定する(S903)。演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122(傾倒方向センサユニット123)から入力される操作検出信号(右傾倒検出信号、左傾倒検出信号)に基づいて、操作対象であるスティックコントローラ122の操作検出があったか否かを判定する(S903)。
S903で操作対象についての操作検出があったときは、操作態様(右傾倒操作態様、左傾倒操作態様)に応じて、前述したように、演出表示装置9の表示画面に表示されるリーチ選択演出のリーチ選択候補画像を変更する処理が行なわれる(S904)。S904で、演出制御用CPU101は、たとえば、スティックコントローラ122が遊技者によって左右のいずれか一方に傾倒されたことが検出された場合に、リーチ選択演出中のターゲット変動の保留表示内に演出内容の一部がダイジェスト表示される選択候補を傾倒された方向に応じた順番で、傾倒された回数の分だけ変更する。
なお、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120やトリガボタン125が押されたことが検出された場合に、選択候補を所定の順番で、ボタンが押された回数の分だけ変更してもよい。あるいは、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120やトリガーホタン125が押されたことが検出された場合に、それ以降、スティックコントローラ122による選択候補の変更を許容しないようにしてもよい。S905では、演出制御用CPU101は、選択中のリーチ演出を特定するデータを、ターゲット保留の変動表示時に実行される演出を特定データとして、図18の選択後リーチ演出種類の格納領域に記憶する。これにより、遊技者によるスティックコントローラ122の操作に応じて、ターゲット変動におけるスーパーリーチのリーチ演出の種類を選択することが可能となる。
以下に、図28(A)を参照して、上述の大当りスーパーリーチ時演出パターンに従って実行されるリーチ演出について説明する。大当りスーパーリーチ時演出パターンに従って実行される演出のタイミングチャートは、図28(A)に示すものとなる。すなわち、まず、スーパーリーチの開始のタイミングにおいて、スーパーリーチ演出として、スピーカ27からスーパーリーチ用の楽曲(スーパーリーチ楽曲)の出力が開始されるとともに、演出表示装置9にスーパーリーチ用の演出画像が表示される。その後、所定のタイミングで、示唆演出として、演出表示装置9に、遊技者に対してプッシュボタン120の押下を指示するためのボタン押下指示画像またはスティックコントローラ122の操作を指示するレバー操作指示画像が表示される。
更に、ボタン押下指示画像またはレバー操作指示画像の表示が終了したタイミング(例えば、ボタン押下指示画像またはレバー操作指示画像の表示開始から所定時間経過したタイミング、あるいは、当該タイミングよりも前にプッシュボタン120の押下やスティックコントローラ122の操作が検出されたタイミング)で、スーパーリーチ楽曲の出力が停止されて、報知演出として、スピーカ27から確定報知音の出力が開始されるとともに、役物である可動演出部材60の通常動作が開始される。ここで、可動演出部材60の通常動作とは、可動演出部材60が先端の回転軸を中心に演出表示装置9の上面に回転移動する動作を示す。更に、確定報知音の出力および可動演出部材60の通常動作が終了したタイミングで、スピーカ27から再びスーパーリーチ楽曲の出力が開始されるとともに、演出表示装置9に確定図柄(停止図柄)画像の表示が開始され、図柄確定のタイミングまでスーパーリーチ楽曲の出力と確定図柄画像の表示とが継続される。
次に、図28(B)を参照して、全回転リーチ時演出パターンに従って実行される演出について説明する。全回転リーチ時演出パターンに従って実行される演出のタイミングチャートは、図28(B)に示すものとなる。すなわち、すなわち、まず、全回転リーチの開始のタイミングにおいて、全回転リーチ演出として、スピーカ27から全回転リーチ用の楽曲(全回転リーチ楽曲)の出力が開始されるとともに、演出表示装置9に全回転リーチ用の演出画像が表示される。その後、所定のタイミングで、示唆演出として、演出表示装置9に、遊技者に対してプッシュボタン120の押下を指示するためのボタン押下指示画像が表示される。
更に、ボタン押下指示画像またはレバー操作指示画像の表示が終了したタイミング(例えば、ボタン押下指示画像またはレバー操作指示画像の表示開始から所定時間経過したタイミング、あるいは、当該タイミングよりも前にプッシュボタン120の押下やスティックコントローラ122の操作が検出されたタイミング)で、役物である可動演出部材60の通常動作が開始される。更に、可動演出部材60の通常動作が終了したタイミングで、演出表示装置9に確定図柄(停止図柄)画像の表示が開始され、図柄確定のタイミングまで全回転リーチ楽曲の出力と確定図柄画像の表示とが継続される。
図28(A)のタイミングチャートと図28(B)のタイミングチャートとを比較すると、大当りスーパーリーチ時の演出では、スーパーリーチ楽曲の出力が中断し、確定報知音が出力される。一方、全回転リーチ時の演出では、確定報知音は出力されず、全回転リーチ楽曲の出力が全回転リーチの開始から図柄確定まで継続される。
図29は、スーパーリーチ時の演出の遷移を示す図である。まず、図28(A)に示す図29(A)のタイミング(スーパーリーチの開始のタイミング)において、演出制御用CPU101は、スーパーリーチの開始を示すスーパーリーチ用演出画像(オープニング画像)の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図29(A)に示すように、演出表示装置9にオープニング画像201aの表示を行なわせる。更に、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ楽曲の出力指令を音声出力基板70へ送出する。音声出力基板70は、出力指令に基づいて、図29(A)に示すように、スピーカ27にスーパーリーチ楽曲の出力を行なわせる。
その後、図28(A)に示す図29(B)のタイミングにおいて、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ中であることを示すスーパーリーチ用演出画像(スーパーリーチ中画像)の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図29(B)に示すように、演出表示装置9にスーパーリーチ中画像201bの表示を行なわせる。なお、スーパーリーチ楽曲の出力は継続される。
その後、図28(A)に示す図29(C)のタイミングにおいて、遊技者に対してプッシュボタン120の押下を指示するためのボタン押下指示画像を表示させる場合には、演出制御用CPU101は、ボタン押下指示画像の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図29(C)に示すように、演出表示装置9にスーパーリーチ中画像201cとともにボタン押下指示画像202aの表示を行なわせる。なお、スーパーリーチ楽曲の出力は継続される。一方、遊技者に対してスティックコントローラ122の操作を指示するためのレバー操作指示画像を表示させる場合には、演出制御用CPU101は、レバー操作指示画像の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図29(F)に示すように、演出表示装置9にスーパーリーチ中画像201cとともにレバー操作指示画像202bの表示を行なわせる。
その後、可変表示結果が「大当り」の場合には、図28(A)に示す図29(D)のタイミングにおいて、演出制御用CPU101は、遊技者のプッシュボタン120の押下やスティックコントローラ122の操作に応じて、役物である可動演出部材60に通常動作を行なわせるために、モータ駆動回路127を制御する。モータ駆動回路127は、演出制御用CPU101の制御に応じて可動演出部材用モータ128を駆動して、図29(D)に示すように可動演出部材60に通常動作を行なわせる。また、演出制御用CPU101は、可動演出部材60の通常動作に応じたスーパーリーチ用演出画像(役物動作画像)の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図29(D)に示すように、演出表示装置9に役物動作画像201dの表示を行なわせる。更に、演出制御用CPU101は、確定報知音の出力指令を音声出力基板70へ送出する。音声出力基板70は、出力指令に基づいて、図29(D)に示すように、スピーカ27に確定報知音の出力を行なわせる。
更に、可変表示結果が「大当り」の場合には、図28(A)に示す図29(E)のタイミングにおいて、演出制御用CPU101は、大当りの確定図柄画像の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図29(E)に示すように、演出表示装置9に大当りの確定図柄画像203の表示を行なわせる。更に、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ楽曲の出力指令を音声出力基板70へ送出する。音声出力基板70は、出力指令に基づいて、図29(E)に示すように、スピーカ27にスーパーリーチ楽曲の出力を行なわせる。
一方、可変表示結果が「ハズレ」の場合には、図29(D)および図29(E)の遷移とはならず、演出制御用CPU101は、ハズレの確定図柄画像の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図29(G)に示すように、演出表示装置9にハズレの確定図柄画像204の表示を行なわせる。なお、スーパーリーチ楽曲の出力は継続される。
図30は、全回転リーチ時の演出の遷移を示す図である。まず、図28(B)に示す図30(A)のタイミング(全回転リーチの開始のタイミング)において、演出制御用CPU101は、全回転リーチの開始を示す全回転リーチ用演出画像(オープニング画像)の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図30(A)に示すように、演出表示装置9にオープニング画像211aの表示を行なわせる。更に、演出制御用CPU101は、全回転リーチ楽曲の出力指令を音声出力基板70へ送出する。音声出力基板70は、出力指令に基づいて、図30(A)に示すように、スピーカ27に全回転リーチ楽曲の出力を行なわせる。
その後、図28(B)に示す図30(B)のタイミングにおいて、演出制御用CPU101は、全回転リーチ中であることを示す全回転リーチ用演出画像(全回転リーチ中画像)の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図30(B)に示すように、演出表示装置9に全回転リーチ中画像211bの表示を行なわせる。なお、全回転リーチ楽曲の出力は継続される。
その後、図28(B)に示す図30(C)のタイミングにおいて、演出制御用CPU101は、遊技者に対してプッシュボタン120の押下を指示するためのボタン押下指示画像の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図30(C)に示すように、演出表示装置9に全回転リーチ中画像211cとともにボタン押下指示画像212aの表示を行なわせる。なお、全回転リーチ楽曲の出力は継続される。
その後、図28(B)に示す図30(D)のタイミングにおいて、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の押下に応じて役物である可動演出部材60に通常動作を行なわせるために、モータ駆動回路127を制御する。モータ駆動回路127は、演出制御用CPU101の制御に応じて可動演出部材用モータ128を駆動して、図30(D)に示すように可動演出部材60に通常動作を行なわせる。また、演出制御用CPU101は、可動演出部材60の通常動作に応じた全回転リーチ用演出画像(役物動作画像)の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図30(D)に示すように、演出表示装置9に役物動作画像211dの表示を行なわせる。一方、可変表示結果が「大当り」の場合におけるスーパーリーチ時の演出とは異なり、確定報知音の出力は行なわれない。なお、報知演出として確定報知音の出力や可動演出部材60の動作以外の演出、例えば、画像の表示、枠LED28の発光等が行なわれる場合には、図30(D)のタイミングにおいて、画像の表示、枠LED28の発光等の演出も制限されるようにしてもよい。例えば、演出表示装置9には、通常は可動演出部材60の動作に応じた画像(エフェクト画像)が表示されるが、図30(D)のタイミングにおいてはエフェクト画像が表示されないようにしてもよい。このような制限が行なわれることで、遊技者は全回転リーチ中であることを視認しやすくなる。
更に、図28(B)に示す図30(E)のタイミングにおいて、演出制御用CPU101は、大当りの確定図柄画像の出力指令をVDP109へ送出する。VDP109は、出力指令に基づいて、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定し、図30(E)に示すように、演出表示装置9に大当りの確定図柄画像203の表示を行なわせる。なお、全回転リーチ楽曲の出力は継続される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図23のS714によりリーチ選択演出有の決定がされた、リーチ演出が実行される変動表示よりも前に行なわれる変動表示において遊技者によってリーチ演出の種類を選択できるリーチ選択演出が実行されるので、リーチ演出が実行される変動表示中にリーチ演出を選択可能とする場合よりも、遊技者によるリーチ演出の種類を選択するための時間を確保することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) リーチ選択演出において、図16(B)〜(D)に示される保留表示内に、選択されたリーチ演出の内容が特定可能な画像あるいは動画が表示されるため、選択候補の演出内容がどのような演出であるかを遊技者に事前に報知することができる。
(3) リーチ選択演出において、選択候補の演出内容の一部がダイジェスト表示されるので、選択可能なリーチ演出の選択候補の演出内容がどのような演出であるかを遊技者に事前に報知することができる。
(4) リーチ選択演出を開始するとともに、図16(A)に示すような球体を示す保留表示画像を、図16(B)〜(D)に示すようにターゲット変動の保留表示内に選択候補のリーチ演出を示す画像に変化させることにより、リーチ演出の対象となる変動表示を報知するとともに、選択されたリーチ演出候補の演出内容を遊技者に事前に報知することができる。
(5) リーチ選択演出において、図16(B)〜(D)に示すように、ターゲット変動の保留表示内に選択候補のリーチ演出の演出内容の一部を表示させることにより選択されたリーチ演出を特定可能としたので、リーチ演出の対象となる変動表示を報知するとともに、選択されたリーチ演出の選択候補の演出内容を遊技者に事前に報知することができる。
(6) リーチ選択演出において図20に示すように大当り決定時とはずれ決定時とで、第1リーチ選択演出と、第2リーチ選択演出との割合が異なり、図21に示すように第1リーチ選択演出では第4楽曲演出が選択されず、第2リーチ選択演出では第1楽曲演出が選択されない。すなわち、第1楽曲演出は、はずれ決定時の方が大当り決定時よりも選択されやすく、第4楽曲演出は、大当り決定時の方がはずれ決定時よりも選択されやすいので、リーチ選択演出の選択候補として、第4楽曲演出は、第1楽曲演出と比べて、選択されたときに大当りとなる期待度が高くなる。したがって、どのリーチ演出の種類が選択候補として選択可能となっているかについて遊技者に注目させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 全回転リーチの演出が実行されると、その後に可変表示結果は必ず「大当り」となる。したがって、全回転リーチの演出が実行されることにより、遊技者は報知演出が実行されるよりも前に可変表示結果は必ず「大当り」となることを認識可能である。このため、全回転リーチの演出が実行される場合には、報知演出の一部である確定報知音の出力が制限されることにより、その報知演出が全回転リーチの演出の妨げになることが防止され、遊技興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、確定報知音を出力するための音声出力基板70内の再生チャンネルについては特に限定していないが、特定の再生チャンネルが使用されるようにしてもよい。
図31は、音声出力基板70の構成図である。音声出力基板70(または音声出力基板70に構成される音声合成用IC)は、デコーダ131、音声データROM132、出力I/F(インタフェース)133等から構成される。この他、音声出力基板70は、各種の音を発生する音源回路や処理タイミングを決定するためのクロックを発生するタイミング発生回路等を備えてもよい。
デコーダ131は、演出制御基板80(演出制御用CPU101)からの指令(コマンド)により、圧縮された音声データを音声データROM132から読み出し、読み出した音声データをデコード(復号化、伸張)する。デコーダ131は、音声の再生チャンネルとして32チャンネル(再生チャンネル0〜31)を備え、独立した32種類の音声を同時再生可能である。なお、この実施の形態では、ステレオ音声を出力するために2つずつチャンネルがペアになっており、16種類のステレオ音声を同時に再生可能になっている。
音声データROM132は、演出等に使用する音声の音声データを圧縮して記憶する。なお、音声データは演出制御基板12のROMや他の記憶装置に記憶されていてもよい。
出力インタフェース133は、デコーダ131の各チャンネルにおいてデコード・再生された音声データをミックスする。そして、ミックスした音声データ(デジタルデータ)をアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してスピーカ27から出力する。
図32は、パチンコ遊技機1における演出等で使用する音声の種類の一例と、その音声の再生に使用するチャンネルと、の対応関係を示した図である。図32に示すBGMは、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動表示)中等に出力されるBGM(楽曲)である。図柄停止音は、演出図柄(飾り図柄)が停止する際に出力される音声である。変動開始音は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動表示)が開始される際に出力される音声である。予告演出(SU)は、変動中予告演出として演出内容が段階的に変化するステップアップ予告演出が実行されるときに出力される音声である。予告演出(セリフ)は、変動中予告演出として所定のセリフが出力されるセリフ予告演出が実行されるときに出力される音声(セリフ)である。確定報知音は、中の演出図柄(飾り図柄)が停止してから変動表示結果が「大当り」となることが確定するときに出力される音声である。ファンファーレは、大当り遊技状態開始時に出力される大当り遊技状態が開始すること報知するためのファンファーレの音声である。
楽曲は、大当り遊技状態において再生させる演出用の楽曲(大当り楽曲)である。この実施の形態では、大当り遊技状態において複数種類の楽曲が再生されるようになっている。
リーチ演出(BGM+セリフ)は、リーチ演出が実行されるときのBGMやリーチ演出におけるセリフの音声である。先読み予告演出は、先読み予告演出が実行されるときに出力される音声である。エラー音は、入賞エラー等の各種エラーが発生した場合に出力される音声である。
図32に示すように、BGMの再生には再生チャンネル0、1が使用され、図柄停止音の再生には再生チャンネル2、3が使用され、変動開始音の再生には再生チャンネル4、5が使用され、予告演出(SU)の音声の再生には再生チャンネル6、7が使用され、予告演出(セリフ)の音声の再生には再生チャンネル8、9が使用され、確定報知音の再生には再生チャンネル10、11が使用され、ファンファーレの再生には再生チャンネル12、13が使用され、楽曲の再生には再生チャンネル14、15が使用され、リーチ演出(BGM+セリフ)の音声の再生には再生チャンネル0、1が使用され、先読み予告演出の音声の再生には再生チャンネル20、21が使用され、エラー音の再生には再生チャンネル30、31が使用される。異なる再生チャンネルを使用する音声同士は同時に再生・出力が可能である。
図33および図34は、遊技の状態と各再生チャンネルから出力される音声の一例を示すタイムチャートであり、図33は可変表示結果(変動表示結果)が「大当り」となる際にスーパーリーチの演出が実行される場合の例、図34は全回転リーチが実行される場合の例を示す。なお、以下の制御は、演出制御用CPU120からの指令(コマンド)により、音声出力基板70において実行される。
可変表示結果が「大当り」となる際にスーパーリーチの演出が実行される場合、図33に示すように、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動表示)が開始されると、再生チャンネル0、1において演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動表示)中であることに対応したBGMの再生が開始される。また、このとき再生チャンネル4、5において変動開始音が再生される。
左、右、中の演出図柄(飾り図柄)が停止するときには、再生チャンネル2、3において図柄停止音が再生される。例えば、左、右に同じ演出図柄(飾り図柄)が停止したことに対応して、スーパーリーチ状態となった後には、再生チャンネル0、1においてスーパーリーチの演出内容に対応した音声(BGMやセリフ等)が再生される。図33に示す例では、時系列に沿って、スーパーリーチ演出に対応したBGMが継続的に再生されるとともに、所定のタイミングからリーチ演出に対応したセリフが再生されることを示している。また、スーパーリーチ状態となった後には、再生チャンネル10、11において確定報知音が再生される。
また、ステップアップ予告演出を実行する場合には、例えば可変表示(変動表示)の開始から中の演出図柄(飾り図柄)の停止までの任意のタイミングにおいて、予告演出(SU)の音声が再生チャンネル6、7において再生される。セリフ予告演出を実行する場合には、例えば可変表示の開始から右の演出図柄(飾り図柄)の停止まで(リーチとなるまで)の任意のタイミングにおいて、予告演出(セリフ)の音声が再生チャンネル8、9において再生される。
中の演出図柄(飾り図柄)が停止して可変表示結果(変動表示結果)が大当りとなり、大当り遊技状態を開始するときには、再生チャンネル12、13においてファンファーレ(大当り遊技状態が開始することを示す音声)が再生される。更に、大当り遊技状態においては、再生チャンネル0、1において大当り遊技状態の演出内容に対応した音声(効果音やセリフ等)が再生され、再生チャンネル14、15において大当り遊技状態の演出内容に対応した楽曲(大当り楽曲)が再生される。
一方、全回転リーチの演出が実行される場合には、可変表示結(変動表示結果)果が「大当り」となる際にスーパーリーチの演出が実行される場合とは異なる。すなわち、図33と図34と比較すると、全回転リーチの演出が実行される場合には、図34に示すように、全回転リーチ状態となった後、再生チャンネル10、11において確定報知音は再生されない。
上述したように、再生チャンネル10、11は確定報知音の出力のみに用いられている。このため、確定報知オンのタイミングや音量等の各種設定を、他の音を考慮することなく容易に設定することができる。
(2) 前述した実施の形態では、リーチ選択演出において、保留表示内に表示されるリーチ演出の選択候補は、演出内容の一部がダイジェスト表示されるとして説明したが、たとえば、楽曲が図35に示すように、楽曲がイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ(1番)、Aメロ、Bメロ、サビ(2番)、Aメロ、Bメロ、サビ(3番)で構成されている場合において、ダイジェスト表示として、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビのそれぞれに対応する画像(静止画像あるいは動画像)を順番に表示するものでもよいし、あるいは、ダイジェスト表示として、サビの動画を表示するものでもよいし、リーチ選択演出中に選択されているリーチ選択候補の楽曲のたとえば、サビ部分の音声を出力するものであってもよい。
(3) 前述した実施の形態では、始動入賞毎にリーチ演出の実行の有無を先読み判定して、リーチ選択演出を実行するものとしたが、擬似連の場合に再変動表示等でリーチ選択演出を実行してもよい。
(4) 前述した実施の形態では、リーチ選択演出の実行時において、第1リーチ選択演出候補が選択された場合には、第1楽曲演出〜第3楽曲演出を選択可能とし、第2リーチ選択演出候補が選択された場合には、第2楽曲演出〜第4楽曲演出を選択可能として説明しが、たとえば、リーチ選択演出の実行時においては、常に第1楽曲演出〜第4楽曲演出を選択可能としてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、リーチ選択演出においては、第1楽曲演出〜第4楽曲演出のうちのいずれかをリーチ演出として選択可能であるとして説明したが、たとえば、楽曲演出以外にも、リーチ演出として対戦が行なわれる場合には、リーチ選択演出において複数の対戦相手を選択候補として表示してもよいし、リーチ選択演出において互いに異なる種類の複数のリーチ演出(たとえば、楽曲リーチと、バトルリーチと、画面分割リーチと、ストーリーリーチ等)を選択候補として表示してもよい。
(6) 前述した実施の形態では、リーチ選択演出は、ターゲット変動の直前の変動表示が終了するまで変動表示が実行される期間毎に実行されるものとして説明したが、たとえば、ターゲット変動の直前の変動表示が終了するまでの複数の変動表示のうちの少なくともいずれかにおいて実行されてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、リーチ選択演出の実行中において、選択候補の数は固定されるものとして説明したが、たとえば、ターゲット変動が近づくにつれて(たとえば、予め定められた時間毎、あるいは、ターゲット変動前の変動表示毎に)選択候補の数を増加させるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、リーチ選択演出の実行中においては、遊技者のスティックコントローラ122の操作によって選択候補の表示を変更するものとして説明したが、たとえば、予め定められた時間毎に予め定められた順番で選択候補の表示を自動的に変更し、遊技者のプッシュボタン120あるいはトリガボタン125の操作に応じてリーチ演出を選択できるものとしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、リーチ選択演出の実行中においては、遊技者のスティックコントローラ122の操作によって選択候補の表示を変更するものとして説明したが、赤外線センサ、CCDセンサCMOSセンサのように、遊技者による所定の動作を検出できるセンサを用いて選択候補の表示を変更するものであってもよい。すなわち、遊技者による所定の操作行為(所定の動作)を、機械的、電気的、あるいは、磁気的に、検出できるものであればよい。このような、操作を検出可能な操作手段を操作することにより、複数の選択候補のうちの1つが選択されるようにすればよい。
(10) 前述した実施の形態では、リーチ選択演出において、リーチ演出の種類を遊技者によって変更できるものとして説明したが、たとえば、リーチ演出の種類を変更せずに、変動パターンに対応した変動時間の範囲内で、擬似連における仮停止回数(あるいは、擬似連における再変動回数)を遊技者によって変更できるようにしてもよい。この場合、決定された仮停止回数(あるいは、再変動回数)に対応するように仮停止間隔(あるいは、再変動間隔)が調整されてもよいし、決定された仮停止回数(あるいは、再変動回数)に対して予め組み合わせられたリーチ演出の種類が選択されてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、変動表示時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動表示時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動表示時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動表示時間に基づいて変動表示における演出制御を行
なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(12) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(13) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、次のように遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
(15) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供れる形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(16) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、および、5ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(17) 前述の実施形態では、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技が終了した後の遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)突然確変大当りを設けてもよい。また、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技が終了した後の遊技状態が変化しない大当りである小当りを設けてもよい。さらに、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じであるので、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行なわれると(突然確変大当り遊技または小当り遊技が行なわれると)、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できない。従って、遊技者は突然確変大当りの発生によって高確率状態(確変状態や確変時短状態)に制御されたか、小当りの発生によって低確率状態(通常状態や時短状態)に制御されたか、について認識することができないので、突然確変大当りの遊技や小当りの遊技が終了した後の遊技状態を、確変状態が潜伏しているかもしれないとの期待を持たせる遊技状態である潜伏状態(潜伏モード)という。また、潜伏状態において実際は確変状態に制御されている場合(遊技機内部では遊技状態が確変状態に制御されている場合)は潜伏確変状態ともいう。このような、潜伏確変状態を設けてもよい。このような突然確変大当りが設けられる場合には、図7に示した変動パターンの選択の振分けが、15ラウンドの確変大当り、および、通常大当りと異なるように設定してもよい。また、このような突然確変大当りが設けられる場合には、図8に示す演出制御コマンドのうちの確変状態指定コマンドを、確変大当り後の確変状態を指定する第1のコマンドと、突然確変大当り後の確変状態を指定する第2のコマンドとに分けて出力するようにしてもよい。このようにすれば、確変状態の由来の違いに応じて異なる演出制御(たとえば、背景画像を使い分ける、変動表示パターンの演出を使分ける等)を行なうことが可能となる。
(18) 前述の実施形態では、普通図柄が所定の当り図柄となったときに、通常の普通当りより、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数を多くし、遊技者に有利な開放態様で拡大開放制御が行なわれてもよい。
(19) 前述の実施形態では、保留記憶が入賞順に消化されていたが、第2識別情報(第2特別図柄)の可変表示を第1識別情報(第1特別図柄)の可変表示より優先して実行する遊技機に適用してもよい。
(20) 前述の実施形態では、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化する遊技機を説明した。このような遊技機であって、さらに、潜伏確変状態を有するとともに、通常の普通当りより遊技者に有利な開放態様で拡大開放制御(通常の普通当りより可変入賞球装置15の開放時間が長い制御)が行なわれ、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示より優先して実行する遊技機においては、第1特別図柄に100回転目の保留(高確率判定値で先読み予告を実行する予定の保留(実際に第1特別図柄1の100回転目の保留記憶を変化させてしまう保留でもよい))が記憶された後、通常の普通当りより遊技者に有利な開放態様で拡大開放制御が行なわれ、第2特別図柄に始動入賞があり、第2特別図柄による変動が100回転目の保留となることがある。このような場合には、第2特別図柄による変動が終了した後の第1特別図柄による変動は低確率で変動されることとなるため、第1特別図柄による保留(高確率判定値で先読み予告を実行する予定の保留)で先読み予告を実行すると、実際の変動を開始する際の演出より高期待度の保留予告となり、演出の整合が取れなくなるおそれがある(なお、このような場合に限らず、低ベース時であれば常に演出の整合が取れなくなるおそれがある)。そこで、このような場合において、第2特別図柄の変動表示が実行されている際は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄に対応する保留表示を視認し難い状態に制御(第1特別図柄に対応する保留表示を非表示にする)し、その後、第1特別図柄の変動の実行(第1特別図柄が所定回(たとえば、1回または複数回)実行されたこと)に基づいて第1特別図柄に対応する保留表示を視認し難い状態への制御を終了する(第1特別図柄に対応する保留表示を表示する)ようにしてもよい。このうような構成によれば、保留予告演出を実行する場合に、遊技の公平性を担保することができる。
(21) 前述した実施の形態では「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、例えば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値、100%を含む値、0%および100%を含まない値でもよい。
(22) 前述した実施の形態では、確変大当りとして、変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(23) 上記実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて表示される変動表示結果や変動表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の変動表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の変動表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、変動表示中に表示される特別図柄と、変動表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の変動表示として、例えば「−」を点滅させる表示を行ない、変動表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」等)を表示することも特別図柄の変動表示に含まれる。また、一種類の演出図柄(飾り図柄)を点滅表示又はスクロール表示すること等も演出図柄(飾り図柄)の変動表示に含まれる。普通図柄の変動表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すこと等も普通図柄の変動表示に含まれる。また、変動表示中に表示される演出図柄(飾り図柄)や普通図柄と、変動表示結果として表示される飾り図柄や演出図柄(飾り図柄)とは、異なるものであってもよい。
(24) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。