JP2016087139A - 血管三次元モデル表示装置、方法、及びプログラム - Google Patents

血管三次元モデル表示装置、方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】カテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて、カテーテル操作に適した表示アングルで三次元血管画像を表示する血管三次元モデル表示装置、方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】予め撮影され再構成された血管301の三次元モデル300上の任意の注目点を取得する注目点取得部101と、取得された注目点に基づき、血管の三次元モデルより注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する血管構造抽出部102と、抽出された血管構造に関する情報に基づき、所定領域の血管構造が、分岐部320、狭窄部420、又は、動脈瘤部520のいずれの状態であると判定する血管状態判定部103と、判定された血管構造の状態に応じて血管の三次元モデルを表示する表示アングルを決定する表示アングル決定部104と、決定された表示アングルからの血管の三次元モデルを表示する表示部105と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、医用画像撮影装置で撮影された血管構造の三次元画像を表示する血管三次元モデル表示装置、方法、及びプログラムに関するものである。
従来の三次元血管画像の表示方法としては、利用者によって選択された血管像中の動脈瘤候補に対して最適なアングルから投影した画像を表示するものがあった(例えば、特許文献1参照)。図2は、前記特許文献1に記載された従来の三次元血管画像表示のためのデータ処理装置20の機能ブロック構成図を示すものである。
図2において、動脈瘤候補特定部201は、三次元血管画像の中から動脈瘤候補を特定する。最適アングル画像表示部202は、特定された候補の中から利用者によって選択された動脈瘤候補に対して、予め定められた基準に基づいて最適なアングルから投影された画像を表示する。後処理部203では、利用者からの指示に基づいて投影アングルの変更が行われる。動脈瘤の診断において、動脈瘤の大きさは、動脈瘤が悪性か否かを判定するための重要な項目である。従って、前記予め定められた基準とは、具体的には、血管三次元モデルを決められた観察方向、すなわち、アングルから投影する際に、動脈瘤を通る投影線の数が最も多くなるアングル、すなわち動脈瘤が最も大きく見えるアングルが、最適な表示アングルであるという基準に基づいている。
特許第5209270号公報
しかしながら、前記従来の技術では、動脈瘤の画像診断を行う際には適用され得るが、血管カテーテル検査又は治療中においてリアルタイムに三次元血管画像を表示する場合には、カテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて三次元血管画像を表示することができず、前記従来の技術の方法を適用することは困難である。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、カテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて、利用者の手動操作を介すことなく、血管カテーテル検査又は治療中のカテーテルの操作に適した表示アングルで三次元血管画像を表示する血管三次元モデル表示装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の血管三次元モデル表示装置は、血管の三次元モデルを表示する血管三次元モデル表示装置であって、
予め撮影され再構成された前記血管の三次元モデル上の任意の注目点を取得する注目点取得部と、
前記注目点取得部で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する血管構造抽出部と、
前記血管構造抽出部で抽出された前記血管構造に関する情報に基づき、前記所定領域の血管構造が、前記血管が複数に分岐する分岐部、前記血管の一部が狭窄する狭窄部、又は、前記血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部のいずれの状態であると判定する血管状態判定部と、
前記血管状態判定部で判定された前記血管構造の状態に応じて前記血管の三次元モデルを表示する表示アングルを決定する表示アングル決定部と、
前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する表示部と、
を備える。
これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、コンピュータプログラム並びにシステム、方法及びコンピュータプログラムの任意の組み合わせにより実現してもよい。
本発明の前記態様の血管三次元モデル表示装置、方法、及びプログラムによれば、カテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて、治療の流れを妨げることなく、血管カテーテル検査又は治療中のカテーテル操作に適した表示アングルで三次元血管画像を表示することができる。
本発明の第1実施形態における血管三次元モデル表示装置の機能ブロック構成図 従来の三次元血管画像表示のためのデータ処理装置の機能ブロック構成図 血管分岐部における三次元血管画像の最適な表示アングルを説明する模式図 血管狭窄部における三次元血管画像の最適な表示アングルを説明する模式図 血管動脈瘤部における三次元血管画像の最適な表示アングルを説明する模式図 本発明の第1実施形態にかかる血管三次元モデル表示装置の注目点取得部の機能ブロック構成図 注目点取得部の注目点取得方法を説明する模式図 前記血管三次元モデル表示装置の血管構造抽出部における血管構造抽出データを説明する模式図 前記血管三次元モデル表示装置の血管構造抽出部における血管構造抽出データを説明する模式図 前記血管三次元モデル表示装置の血管状態判定部における血管状態判定方法を説明する模式図 前記血管三次元モデル表示装置の血管状態判定部における血管状態判定方法を説明する模式図 前記血管三次元モデル表示装置の血管状態判定部における血管状態判定方法を説明する模式図 前記血管三次元モデル表示装置の表示アングル決定部において注目点が存在する血管の軸線を回転軸とする場合を説明する模式図 表示アングル決定部において最新のX線透視装置のCアームの回転軸に合わせる場合を説明する模式図 前記血管三次元モデル表示装置の処理動作を示すフローチャート 前記血管三次元モデル表示装置の血管状態判定部の処理動作を示すフローチャート 前記血管三次元モデル表示装置の表示アングル決定部の処理動作を示すフローチャート 本発明の第2実施形態における血管三次元モデル表示装置における視点変換を説明する模式図 本発明の第2実施形態における血管の軸線が通る平面を基準平面とした場合の視点変換を説明する模式図 本発明の第2実施形態における血管三次元モデル表示装置の機能ブロック構成図 前記血管三次元モデル表示装置の重畳画像生成部の機能ブロック構成図 重畳画像生成部の処理動作を示すフローチャート 重畳画像生成部において生成された重畳画像の例を説明するため、視点変換された視点変換画像の例を示す図 重畳画像生成部において、最適な表示アングルで表示された三次元血管画像の例を示す図 重畳画像生成部において、重ね合わせた重畳画像の例を示す図
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、血管の三次元モデルを表示する血管三次元モデル表示装置であって、
予め撮影され再構成された前記血管の三次元モデル上の任意の注目点を取得する注目点取得部と、
前記注目点取得部で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する血管構造抽出部と、
前記血管構造抽出部で抽出された前記血管構造に関する情報に基づき、前記所定領域の血管構造が、前記血管が複数に分岐する分岐部、前記血管の一部が狭窄する狭窄部、又は、前記血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部のいずれの状態であると判定する血管状態判定部と、
前記血管状態判定部で判定された前記血管構造の状態に応じて前記血管の三次元モデルを表示する表示アングルを決定する表示アングル決定部と、
前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する表示部と、
を備える血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、カテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて、治療の流れを妨げることなく、血管カテーテル検査又は治療中のカテーテル操作に適した表示アングルで三次元血管画像を表示することができる。
本発明の第2態様によれば、前記表示アングル決定部は、
前記注目点を含む前記血管の軸線を回転軸とし、
前記回転軸から所定の半径距離を有する軌道を算出し、
算出された前記軌道上の所定の距離間隔毎に、前記軌道上から前記血管の三次元モデルの投影画像をそれぞれ生成し、
生成された複数の前記投影画像と、前記血管状態判定部より判定された前記血管構造の状態とを基に、前記血管の三次元モデルを表示する前記表示アングルを決定する、
第1の態様に記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、前記血管の軸線に直交するアングルで表示することにより、前記血管の分岐部、狭窄部、又は、動脈瘤部の状態をより認識しやすいアングルで表示することができる。
本発明の第3態様によれば、前記表示アングル決定部は、
前記所定領域の血管構造が前記分岐部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記所定領域の血管構造に相当する血管の面積が最大である投影画像を決定し、
決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
第2の態様に記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、前記分岐部において、分岐した血管の重複を減らし、分岐した血管が分離して見えるアングルを、表示アングルと決定することができる。
本発明の第4態様によれば、前記表示アングル決定部は、
前記所定領域の血管構造が前記分岐部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記血管の分岐度が最大である投影画像を決定し、ここで、前記分岐度は、前記血管が分岐点で分岐した第1の血管と第2の血管とにおいて、前記分岐点から所定距離の地点での前記第1の血管と前記第2の血管との距離であり、
決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
第2の態様に記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、前記分岐部において、分岐した血管の重複を減らし、分岐した血管が分離して見えるアングルを、表示アングルと決定することができる。
本発明の第5態様によれば、前記表示アングル決定部は、
前記所定領域の血管構造が前記狭窄部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記所定領域の血管構造に相当する血管の面積が最小である投影画像を決定し、
決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
第2から4の態様のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、前記狭窄部において、狭窄した血管径の変化が大きくなり、狭窄の認識が容易になるアングルを、表示アングルと決定することができる。
本発明の第6態様によれば、前記表示アングル決定部は、
前記所定領域の血管構造が前記狭窄部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記血管の一部の狭窄度が最大である投影画像を決定し、ここで、前記狭窄度は、前記投影画像における前記血管の軸線に垂直な線分を前記血管の幅とした場合、前記投影画像における前記所定領域の血管構造に相当する血管の幅のうち最小幅に対する最大幅の割合であり、
決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
第2から4の態様のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、前記狭窄部において、狭窄度が最大になり、狭窄の認識が容易になるアングルを、表示アングルと決定することができる。
本発明の第7態様によれば、前記表示アングル決定部は、
前記所定領域の血管構造が前記動脈瘤部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記所定領域の血管構造に相当する血管の面積が最大である投影画像を決定し、
決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
第2から6の態様のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、前記動脈瘤部において、血管と動脈瘤との重複を減らし、血管と動脈瘤が分離して見えるアングルを、表示アングルと決定することができる。
本発明の第8態様によれば、前記表示アングル決定部は、
前記所定領域の血管構造が前記動脈瘤部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記血管の一部の動脈瘤の径が最大である投影画像を決定し、
決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
第2から6の態様のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、前記動脈瘤部において、動脈瘤の径が最大となり、動脈瘤の認識が容易になるアングルを、表示アングルと決定することができる。
本発明の第9態様によれば、前記注目点取得部は、
前記血管の三次元モデルに対する初期注目点を入力する器具先端位置入力部と、
前記血管の三次元モデルの形成に使用するX線透視装置から最新のCアーム角度情報を取得するCアーム角度取得部と、
前記X線透視装置からX線透視画像を随時取得する透視像取得部と、
前記透視像取得部で取得した前記X線透視画像からX線透視画像上での器具先端の位置を検出する器具先端位置検出部と、
前記器具先端位置入力部で設定された前記初期注目点と、前記Cアーム角度取得部で取得された前記Cアーム角度情報と、前記器具先端位置検出部で検出された前記X線透視画像上での前記器具先端の位置とを用いて、前記血管の三次元モデル上における器具先端の位置を推定する器具先端位置推定部と、
を備えて、
前記注目点取得部は、前記器具先端位置推定部で推定された前記血管の三次元モデル上における前記器具先端の位置を前記の注目点として取得する、
第1〜8の態様のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、カテーテルの進行に応じて、前記注目点を自動的に追跡することが可能となる。
本発明の第10態様によれば、前記表示アングル決定部は、
前記血管の三次元モデルの形成に使用するX線透視装置のCアームの回転軸に基づいて所定半径の軌道を算出し、前記血管の三次元モデルを再投影したX線画像を前記軌道上の所定角度間隔で生成し、前記X線画像の中から前記表示アングルを決定する、第1の態様に記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、現在の前記X線透視画像の観察方向と前記血管三次元モデルの観察方法が同一回転軸となるため、観察者(術者)にとって両画像の位置関係が直感的に把握しやすい表示アングルを決定することができる。
本発明の第11態様によれば、前記表示部は、
前記血管の三次元モデルを画像表示する際に、最新の前記注目点位置を前記血管の三次元モデル上にマーキングして表示する、第1〜10の態様のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、表示されている三次元モデル上における前記注目点位置を観察者が把握することが可能となる。
本発明の第12態様によれば、前記表示アングル決定部により決定された表示アングルから表示予定の前記血管の三次元モデルと、前記表示アングルに視点変換されたX線透視画像とを重畳した画像を生成する重畳画像生成部をさらに備えて、
前記表示部は、前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する代わりに、前記重畳画像生成部で生成された画像を表示する、第1〜11の態様のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、前記血管とカテーテルもしくはガイドワイヤーの両方を同時に、お互いの位置関係等を確認しながら観察することが可能となる。
本発明の第13態様によれば、前記重畳画像生成部は、
前記血管構造抽出部で算出した注目血管の軸線ベクトルと位置とに関する血管軸線情報を取得する血管軸線情報取得部と、
前記血管の三次元モデルの形成に使用するX線透視装置から最新のCアーム角度情報を取得するCアーム角度取得部と、
前記血管軸線情報取得部で取得した前記血管軸線情報と、前記Cアーム角度取得部で取得した前記Cアーム角度情報とに基づいて、器具基準平面を決定する基準平面決定部と、
前記X線透視装置からX線透視画像を随時取得する透視像取得部と、
前記表示アングル決定部で決定された表示アングルを取得する表示アングル取得部と、
前記基準平面決定部で決定された前記器具基準平面から前記表示アングル取得部で取得した前記表示アングルへ、前記透視像取得部で取得した前記X線透視画像を視点変換する視点変換部と、
前記視点変換部で視点変換された視点変換画像と、前記表示アングル決定部で決定された前記アングルで表示した三次元血管画像とを重畳した画像を生成する画像合成部と、
を備えて、
前記表示部は、前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する代わりに、前記画像合成部で生成された画像を表示する、第12の態様に記載の血管三次元モデル表示装置を提供する。
前記態様によれば、カテーテル操作に適した前記表示アングルで、前記血管とカテーテルもしくはガイドワイヤーの両方を同時に、お互いの位置関係等を確認しながら観察することが可能となる。
本発明の第14態様によれば、血管の三次元モデルを表示する血管三次元モデル表示方法であって、
予め撮影され再構成された前記血管の三次元モデル上の任意の注目点を注目点取得部で取得し、
前記注目点取得部で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する血管構造抽出部と、
前記血管構造抽出部で抽出された前記血管構造に関する情報に基づき、前記所定領域の血管構造が、前記血管が複数に分岐する分岐部、前記血管の一部が狭窄する狭窄部、又は、前記血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部のいずれの状態であると血管状態判定部で判定し、
前記血管状態判定部で判定された前記血管構造の状態に応じて前記血管の三次元モデルを表示する表示アングルを表示アングル決定部で決定し、
前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示部で表示する、血管三次元モデル表示方法。
前記態様によれば、カテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて、治療の流れを妨げることなく、血管カテーテル検査又は治療中のカテーテル操作に適した表示アングルで三次元血管画像を表示することができる。
本発明の第15態様によれば、血管の三次元モデルを表示する血管三次元モデル表示プログラムであって、
コンピュータを、
予め撮影され再構成された前記血管の三次元モデル上の任意の注目点を取得する注目点取得部と、
前記注目点取得部で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する血管構造抽出部と、
前記血管構造抽出部で抽出された前記血管構造に関する情報に基づき、前記所定領域の血管構造が、前記血管が複数に分岐する分岐部、前記血管の一部が狭窄する狭窄部、又は、前記血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部のいずれの状態であると判定する血管状態判定部と、
前記血管状態判定部で判定された前記血管構造の状態に応じて前記血管の三次元モデルを表示する表示アングルを決定する表示アングル決定部と、
前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する表示部と、
して機能させるための血管三次元モデル表示プログラムを提供する。
前記態様によれば、カテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて、治療の流れを妨げることなく、血管カテーテル検査又は治療中のカテーテル操作に適した表示アングルで三次元血管画像を表示することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(発明の基礎となった知見)
前記従来の技術では、動脈瘤の画像診断を行う際には適用され得るが、血管カテーテル検査又は治療中においてリアルタイムに三次元血管画像を表示する場合には、カテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて三次元血管画像を表示することができず、前記従来の技術の方法を適用することは困難である。
以下にその理由を述べる。
血管カテーテル検査又は治療中にカテーテル又はそれに先立って挿入するガイドワイヤー等を病変部まで挿入する際、術者(又は操作者)が最も注目している部分は、カテーテル等の先端部とその近傍の血管形状とである。術者が最も気をつけることは、血管又は病変部の内壁を傷つけないようにすることである。そのため、例えば、カテーテル等の先端が動脈瘤の近傍にある場合、血管又は病変部の内壁を傷つけないために、血管三次元モデルを観察する上で最適な表示アングルとは、動脈瘤が最も大きく見えるアングルではなく、動脈瘤の付け根部分が血管又は動脈瘤自体と最も分離して見えるアングルとなる。すなわち、動脈瘤の画像診断時とカテーテル操作時とでは、最適な表示アングルの基準が異なるということができる。
更に、カテーテル等を病変部まで挿入する際には、幾つもの血管分岐を通過せねばならず、また病変部は動脈瘤だけではなく、血管の狭窄が存在することも有り得る。そのため、カテーテル等の先端が、血管の分岐又は狭窄又は動脈瘤のどの近傍にあるかにより、術者に適した最適な表示アングルの基準も変化する。
従って、従来技術の方法では、動脈瘤を最も大きく表示できる表示アングルが最適であるという基準に基づいてしか表示できず、血管カテーテル検査又は治療中にカテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて、最適な表示アングルで表示することができないという課題を有していた。
血管カテーテル検査又は治療中における三次元血管画像の最適な表示とは、カテーテル等の進行状況、すなわちその先端付近の血管状態(例えば、分岐部又は狭窄部、動脈瘤部等)に応じて、その血管状態が重複なく、最も分離して認識できるアングルから表示することである。ただし、本明細書では、最適な表示アングルとは、最も分離して認識できるアングルに限定されるものではなく、最も分離して認識できるアングルを含む所定角度範囲(術者から見て表示が許容される範囲)をも意味するものとする。
図3、図4、及び図5は、それぞれ、血管分岐部320、血管狭窄部420、及び血管動脈瘤部520における三次元血管画像の最適な表示アングルを説明する図である。
図3において、カテーテル302の先端が血管301内に存在しており、血管三次元モデルデータ300は、カテーテル302の先端を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出したデータである。また、図3の(A)〜(E)は、それぞれのアングル(A)〜(E)から当該血管301を観察したときの血管画像であり、図中の303〜307は当該血管画像中における血管領域である。
図3の血管分岐部320においてカテーテル302を進める際に、術者が最も気をつけることは、カテーテル302の先端が、自らの意図する血管301の軸方向に正しく向かっているか否か、更には血管301内に正しく進入しているか否かということである。前記状態を術者が直感的に認識するには、図3の(A)及び(E)のように、分岐した血管320aが奥行き方向に重なって見えると、認識が困難になる。一方、図3の(C)のように、分岐した血管320aがカテーテル302が進んできた血管320bから分離して見えると、認識が容易になる。従って、血管分岐部320においては、分岐した血管320aが血管320bから最も分離して見えるアングルが、最適な表示アングルとなる。
図4においても、同様に、カテーテル402の先端が血管401内に存在しており、血管三次元モデルデータ400は、カテーテル402の先端を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出したデータである。また、図4の(A)〜(E)は、それぞれのアングルから当該血管を観察したときの血管画像であり、図中の403〜407は当該血管画像中における血管領域である。
図4の血管狭窄部420において、カテーテル402を狭窄部分を通過させる際に、術者が最も気をつけることは、狭窄した血管401の内壁にカテーテル402が接触することによって、血管401の内壁を傷つけないようにすることである。前記状態を術者が直感的に認識するためには、図4の(A)及び(E)のように、血管径の変化が小さいと、狭窄の認識が困難になる。一方、図4の(C)のように、血管径の変化が大きいと、狭窄の認識が容易になる。従って、血管狭窄部420においては、血管径の変化が大きく、血管狭窄部420が最も細く見えるアングルが、最適な表示アングルとなる。
図5においても、同様に、カテーテル502の先端が血管501に存在しており、血管三次元モデルデータ500は、カテーテル502の先端を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出したデータである。また、図5の(A)〜(E)は、それぞれのアングルから当該血管501を観察したときの血管画像であり、図中の503〜507は当該血管画像中における血管領域である。
図5の血管動脈瘤部520において、カテーテル又は塞栓術のためのコイルを動脈瘤部520へ進める際に、術者が最も気をつけることは、血管501と動脈瘤部520の付け根部分(図5の参照符号508)以外の血管内壁にカテーテル又はコイルが接触することによって、血管501の内壁を傷つけないようにすることである。前記状態を術者が直感的に認識するためには、図5の(A)及び(E)のように、血管501と血管動脈瘤部520の付け根部分が血管501又は血管動脈瘤部520と重なって見えると、認識が困難になる。一方、図5の(C)のように、前記付け根部分が血管501又は血管動脈瘤部520と重複することなく見えると、認識が容易になる。従って、血管動脈瘤部520においては、血管動脈瘤部520の付け根部分が血管501又は血管動脈瘤部520と最も分離して見えるアングルが、最適な表示アングルとなる。
上述の通り、カテーテルの進行に伴う様々な血管状態に応じて、カテーテル操作を行うための最適な表示アングルで血管画像を提供することによって、より安全でより迅速な血管カテーテル治療を支援することができる。このような効果を奏するすための第1実施形態における血管三次元モデル表示装置10を、以下に詳細に説明する。
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態にかかる血管三次元モデル表示装置及び方法について具体的に説明する。
<構成>
図1は、本発明の第1実施形態における血管三次元モデル表示装置10の機能ブロック構成図である。血管三次元モデル表示装置10は、注目点取得部101と、血管構造抽出部102と、血管状態判定部103と、表示アングル決定部104と、表示部105とを備える。血管三次元モデル表示装置10に、さらに、血管三次元モデルデータ記憶装置11とX線透視装置12とを備えて、血管三次元モデル表示システム90を構成している。
<注目点取得部101>
注目点取得部101は、血管三次元モデルデータ記憶装置11から血管三次元モデルを取得し、前記血管三次元モデル上の任意の注目点を取得する。ここで、血管三次元モデルデータ記憶装置11は、X線透視装置12、例えば、X線CT装置又はMRI装置などによって事前に撮影され、復元された血管三次元モデルを記憶している。具体的には、血管三次元モデルデータ記憶装置11は、例えばCPUのレジスタ、キャッシュ、RAM、又は、ROM等の記憶装置によって実現される。
注目点取得部101は、術者(又は操作者)が、血管三次元モデルに対して任意に設定した注目点を取得しても良い。例えば、術者が、液晶表示部などの表示部105で表示された血管三次元モデルに対して、コンピュータのマウス、キーボード、あるいは画面上でのタッチパネルなどを用いて指定することによって、注目点を取得することもできる。
注目点取得部101は、カテーテル又はガイドワイヤー等の器具の先端位置を注目点として取得しても良い。この場合について、図6及び図7を用いて説明する。図6は注目点取得部101の機能ブロック構成図であり、図7は注目点取得部101の注目点取得方法を示す概念図である。図7において、701は血管三次元モデルデータを示し、702は当該モデルデータ701上の血管領域を示している。また、703は前記血管三次元モデルデータ701と同一座標系における、後述するX線発生部12aの位置を示し、704は前記X線発生部12aから同一座標系上の後述するX線検出部12bに投影されたX線画像を示している。さらに、705は前記X線画像704における血管内に挿入されたカテーテル又はガイドワイヤー等の器具を示している。
図6に示すように、注目点取得部101は、器具先端位置入力部601と、Cアーム角度取得部602と、透視像取得部603と、器具先端位置検出部604と、器具先端位置推定部605とを備えて構成している。
器具先端位置入力部601では、術者が、表示部105で表示された血管三次元モデルに対して、コンピュータのマウス、キーボード、あるいは画面上でのタッチパネルなどを用いて、カテーテル先端が存在している箇所を注目点として入力するように促す。これは、血管カテーテル治療において、カテーテルが最初に血管内に挿入されたタイミングで行っても良く、又はその後の任意のタイミングで入力を行うように促しても良い。任意の時点において器具先端位置入力部601で設定された初期注目点の例を、図7の点Tsに示す。以後、注目点をカテーテルの進行に応じて、自動的に追跡する方法を述べる。
Cアーム角度取得部602は、最新(又は、Cアーム角度取得部602でCアーム角度情報を取得する時点。)のCアーム角度情報をX線透視装置12から取得する。X線透視装置12は、X線発生部12aと、X線検出部12bと、Cアーム12cとを備えている。Cアーム角度情報とは、具体的には、最新のX線発生部12aの位置及び角度と、最新のX線検出部12bの位置及び角度と、それらが向かい合うベクトルを示す情報と、Cアーム12cの回転軸のベクトルを示す情報とで構成される。ここで、X線透視装置12とは、被験者の撮影対象部位に対してX線発生部12aから放射線を照射してX線検出部12bで検出して撮影されたX線透視像、又は、造影剤を注入した際に撮影された血管造影像を取得する手段である。X線透視装置12は、高電圧を用いてX線を発生するX線発生部12aと、X線発生部12aから照射されて被験者を透過したX線を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を出力するX線検出部12bとを有しており、X線発生部12aはCアーム12cの片方の一端に、X線検出部12bはそれに相対するCアーム12cのもう片方の一端に備え付けられている。X線検出部12bは、例えば、X線をデジタルデータに変換して出力するFPD(Flat Panel Detector)として構成されている。また、X線透視装置12は、Cアーム12c又は被験者の寝台の移動を所定の制限の基で支持する支持機構部(図示せず)を有している。
透視像取得部603は、前記X線画像(X線透視画像)704をX線透視装置12からリアルタイムに(又は随時)取得する。
器具先端位置検出部604は、前記透視像取得部603で取得したX線画像704からX線画像704上での器具の一例のカテーテル705の先端の位置(u,v)を検出する。任意の時点において器具先端位置検出部604で検出されたカテーテル705の先端の位置(u,v)の例を、図7の点Pnに示す。
器具先端位置推定部605は、器具先端位置入力部601で設定された初期注目点Tsと、Cアーム角度取得部602で取得されたCアーム角度情報と、器具先端位置検出部604で検出されたX線画像704上でのカテーテル705の先端の位置Pn(u,v)とを用いて、血管三次元モデルデータ701上におけるカテーテル先端の位置Tn(x,y,z)を推定する。以下に、その推定方法について説明する。
血管三次元モデルデータ701上におけるカテーテル先端の位置Tn(x,y,z)は、X線画像704上でのカテーテル705の先端の位置Pn(u,v)とCアーム角度情報中のX線発生部の位置703とを結ぶ直線706上に存在している。更に、カテーテル先端位置Tn(x,y,z)は、血管三次元モデルデータ701上の血管領域702内に存在している。従って、直線706と血管領域702とが交差する点が、カテーテル先端位置Tn(x,y,z)となる。もし直線706と血管領域702とが交差する点が複数存在する場合は、器具先端位置入力部601で設定された初期注目点Tsから血管経路を辿って各交差点までの経路長を器具先端位置推定部605で計算し、器具先端位置推定部605において、その経路長が最も短い交差点が、カテーテル先端位置Tn(x,y,z)となる。また、経路長を器具先端位置推定部605で計算する際、初期注目点Tsからではなく、直前に推定したカテーテル先端位置Tn1(x,y,z,t1)からの経路長を器具先端位置推定部605で計算して、その経路長が最も短い交差点を、次のカテーテル先端位置Tn2(x,y,z,t2)としても良い。本手法により、注目点をカテーテルの進行に応じて、自動的に追跡することが可能となる。
<血管構造抽出部102>
血管構造抽出部102は、前記注目点取得部101で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより、前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する。
図8A及び図8Bに、血管構造抽出部102における血管構造抽出データを説明する模式図を示す。血管構造抽出部102は、図8Aに示すように、前記注目点802に基づき、前記血管三次元モデル上のx軸方向、y軸方向、及びz軸方向に予め決められた所定領域の血管三次元モデルデータ801を抽出してもよい。例えば、血管構造抽出部102は、注目点802を中心にx軸方向、y軸方向、及びz軸方向に各々±3cmの範囲を所定領域としてもよい。また、図8Bに示すように、血管構造抽出部102は、前記注目点805が存在する血管の軸線806を回転軸とする、所定領域の血管三次元モデルデータ804を抽出してもよい。更に、術者によって、表示部に表示された当該所定領域の血管三次元モデルデータを見ながら、例えばコンピュータのマウス、キーボード、あるいは画面上でのタッチパネルなどを用いて当該所定領域を変更してもよい。前記x軸方向、y軸方向、及び、z軸方向は、それぞれ、X線透視装置12の寝台の縦方向、横方向、及び、寝台平面に垂直方向である。
ここで、抽出対象となる血管三次元モデルデータ801又は804は、前記注目点802又は805から血管経路を辿って所定の経路長以内(例えば6cm以内)の血管である。これによって、最新の注目点とは距離が離れている部分のデータ、すなわち、最新の注目点とは関係が薄い部分の血管三次元モデルデータを、後段の血管状態判定部103及び表示アングル決定部104の処理から除外することができる。
<血管状態判定部103>
血管状態判定部103は、前記血管構造抽出部102で抽出された前記血管三次元モデルデータに基づき、前記所定領域の血管構造が、血管が複数に分岐する分岐部、血管の一部が狭窄する狭窄部、血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部、又はそれ以外の通常部のいずれの状態であるかを判定する。ここで、少なくとも、血管状態判定部103は、分岐部、狭窄部、又は、動脈瘤部のいずれの状態であるかを判定できればよい。血管状態判定部103が分岐部、狭窄部、及び、動脈瘤部のいずれの状態でもないと判定すれば、通常部の状態であると判定していると推定してもよいからである。
図9A〜図9Cに、血管状態判定部103における血管状態判定方法を説明する模式図を示す。図9A、図9B、及び図9Cは、それぞれ分岐部、狭窄部、動脈瘤部の血管三次元モデルデータを示している。血管状態判定部103は、前記血管構造抽出部102で抽出された、前記注目点が存在する血管の所定領域の前記血管三次元モデルデータを取得する。血管状態判定部103は、取得された前記血管三次元モデルデータから前記注目点が存在する血管の軸線に垂直な方向の血管構造断面図を取得する。ここで、血管状態判定部103における前記血管構造断面図のスライス幅は、X線CT装置等で一般的に撮影される0.6mmを初期設定値としてもよく、術者によって任意に設定してもよい。
一例として、図9Aに例示する分岐部の場合、血管三次元モデルデータの下側の血管構造断面図911において、前記注目点が存在する血管領域R911は1つである。血管三次元モデルデータの中間部での血管構造断面図912においても、血管領域R912は1つである。ところが、血管三次元モデルデータの上側の血管構造断面図913においては、血管領域R913は2つに分離している。従って、血管構造断面図911,912,913におして血管領域数が変化していると血管状態判定部103で判定できることから、前記血管三次元モデルデータは分岐部であると血管状態判定部103で判定することができる。ここで、血管状態判定部103は、内部記憶部103Rに、血管三次元モデルデータにおける分岐部の三次元位置T91を記憶する。なお、一般的にX線CT装置で血管撮影(CTアンギオ撮影)される3次元ボリュームデータの場合、各ボクセルのCT値で血管領域か否かを判別することができる。CT値とは、X線吸収値のことである。血管を撮影する場合、血管には、静脈から間接的に又はカテーテルを介して直接的に造影剤が注入されるので、CT値が大きくなり、血管領域を判別することができる。
図9Bに例示する狭窄部の場合、血管三次元モデルデータの下側の血管構造断面図921における前記注目点が存在する血管領域R921の面積から、血管三次元モデルデータの中間部での血管構造断面図922における血管領域R922の面積が急激に小さくなっている。従って、血管構造断面図における血管領域面積が所定割合以上(例えば5割以上)に減少していると血管状態判定部103で判定できることから、前記血管三次元モデルデータは狭窄部であると血管状態判定部103で判定することができる。ここで、血管状態判定部103は、内部記憶部103Rに、血管領域面積が最も減少した断面図における血管領域の重心を、血管三次元モデルデータにおける狭窄部の三次元位置T92として記憶する。
図9Cに例示する動脈瘤部の場合、血管三次元モデルデータの下側の血管構造断面図931における前記注目点が存在する血管領域R931の面積から、血管三次元モデルデータの中間部での血管構造断面図932における血管領域R932の面積が一旦大きくなり、血管三次元モデルデータの上側の血管構造断面図933における血管領域R933の面積が元の血管領域R931の面積と同程度に戻っている。従って、血管構造断面図における血管領域面積が所定割合以上(例えば2割以上)に増加した後に元の面積に戻ったと血管状態判定部103で判定できる場合、前記血管三次元モデルデータは動脈瘤部であると血管状態判定部103で判定することができる。ここで、血管状態判定部103は、内部記憶部103Rに、血管領域面積が最も増加した断面図における血管領域の重心を、血管三次元モデルデータにおける動脈瘤部の三次元位置T93として記憶する。
上述した血管状態は単独とは限らず、例えば分岐部と動脈瘤部とが併存する場合もある。分岐部と、狭窄部と、動脈瘤部とのうちのいずれか2つ以上が併存している場合は、最新の注目点から各部の三次元位置(図9A〜図9CのT91、T92、T93)までの血管経路長が最も短い方のいずれか1つの血管状態を優先して血管状態判定部103で判定する。
また、上述した分岐部と、狭窄部と、動脈瘤部とのいずれの状態でもなかった場合は、通常部と判定する。すなわち、血管構造断面図において血管領域数が変化せず、血管構造断面図における血管領域面積の前記所定割合以上(例えば5割以上)に減少せず、かつ、血管構造断面図における血管領域の面積が前記所定割合以上(例えば2割以上)に大きくならない場合は、通常部と血管状態判定部103で判定する。ここで、血管状態判定部103は、内部記憶部103Rに、血管三次元モデルデータにおける通常部の三次元位置を記憶する。なお、通常部でも、他の部と同様に、三次元位置を設定する。
<表示アングル決定部104>
表示アングル決定部104は、前記血管状態判定部103で判定された前記血管構造の状態に応じて、前記血管三次元モデルデータを表示する、好ましい表示アングル、例えば、最適な表示アングルを決定する。
以下、これについて、図10、図11、前述した図3、図4、及び、図5を用いて詳細を説明する。
表示アングル決定部104は、注目点が存在する血管の軸線を回転軸として最適な表示アングルを決定する場合と、最新のX線透視装置12のCアーム12cの回転軸に合わせて最適な表示アングルを決定する場合とがある。
注目点が存在する血管の軸線を回転軸とする場合の模式図を図10に示して、これを説明する。1001は血管構造抽出部102で抽出された血管三次元モデルデータ、1002は注目点である。また、1003は注目点1002が存在する血管の軸線を示している。表示アングル決定部1004は、血管の軸線1003を回転軸として、それに直交する所定半径の軌道1004を算出し、血管三次元モデルデータ1001を再投影した際のX線画像(投影画像)1005を、軌道1004上の所定角度間隔(例えば1度毎)又は所定の距離間隔で生成し、生成された当該X線画像群を解析することにより、最適な表示アングル1006を決定する。以下に、当該解析方法を述べる。
まず、血管状態判定部103で判定された血管構造の状態が分岐部である場合、図3に示す通り、分岐した血管が最も分離して見えるアングルが、最適な表示アングルとなる。従って、図3の(A)〜(E)のX線画像群の血管領域303〜307の面積が最大となるアングル(図3の(C))を、最適な表示アングルとする。又は、X線画像において分岐度が最大となるアングルを最適な表示アングルとしても良い。これについて、図3を用いて、以下に説明する。前記血管三次元モデルデータ上において、T1(x1,y1,z1)は血管分岐点を示している。また、T2(x2,y2,z2)及びT3(x3,y3,z3)は、前記血管分岐点T1(x1,y1,z1)から第1の血管320bと第2の血管320aとにおける所定距離の地点を示している。前記血管分岐点T1、地点T2、地点T3が再投影されたX線画像上における点を、それぞれ、P1(u1,v1)、P2(u2,v2)、P3(u3,v3)とする。ここで、分岐した血管320aが最も分離して見えるアングルとは、点P2(u2,v2)と点P3(u3,v3)との間の距離308、すなわち分岐度が、最も大きくなっているアングルであると考えることができる。従って、X線画像において、血管分岐点T1から所定距離の地点T2、T3での前記第1の血管320bと前記第2の血管320aとの距離が最大となるアングルを、最適な表示アングルとしても良い。
次に、血管状態判定部103で判定された血管構造の状態が狭窄部である場合、図4に示す通り、血管径の変化が大きく、血管狭窄部420が最も細く見えるアングルが、最適な表示アングルとなる。従って、図4の(A)〜(E)のX線画像群の血管領域403〜407の面積が最小となるアングル(図4の(C))を、最適な表示アングルとする。又は、X線画像において狭窄度が最大となるアングルを最適な表示アングルとしても良い。図4を用いて、以下に説明する。Dmax(A)〜(E)は、前記X線画像における前記血管401の軸線に垂直な線分を前記血管401の幅とした場合、前記X線画像における所定領域の血管構造に相当する血管401の幅のうちの最大幅を示している。同様に、Dmin(A)〜(E)は、前記X線画像における所定領域の血管構造に相当する血管401の幅のうちの最小幅を示している。ここで、血管径の変化が大きく、血管狭窄部420が最も細く見えるアングルとは、前記最小幅(Dmin)に対する前記最大幅(Dmax)の割合である狭窄度が最も大きくなっているアングルであると考えることができる。従って、X線画像において、前記狭窄度が最大となるアングルを、最適な表示アングルとしても良い。
最後に、血管状態判定部103で判定された血管構造の状態が動脈瘤部である場合、図5に示す通り、動脈瘤520の付け根部分が血管501又は動脈瘤520と最も分離して見えるアングルが、最適な表示アングルとなる。従って、図5の(A)〜(E)のX線画像群の血管領域503〜507の面積が最大となるアングル(図5の(C))を、最適な表示アングルとする。又は、X線画像において動脈瘤分離度が最大となるアングルを、最適な表示アングルとしても良い。図5を用いて、以下に説明する。前記血管三次元モデルデータ上において、Tc(xc,yc,zc)は動脈瘤520の重心を示している。図3の(C)において前記重心Tcが再投影されたX線画像上における点をPc(uc,vc)とする。ここで、血管501と動脈瘤520とが最も分離して見えるアングルとは、前記血管501の軸線509と前記動脈瘤重心Pcとの距離(動脈瘤の径)510、すなわち動脈瘤分離度が最も大きくなっているアングルであると考えることができる。従って、X線画像において、前記動脈瘤分離度が最大となるアングルを、最適な表示アングルとしても良い。なお、本明細書では、一例として、前記距離510を動脈瘤の径として定義している。
また、上述した分岐部320、狭窄部420、動脈瘤部520のいずれの状態でもない通常部の場合は、最新の表示アングルを最適な表示アングルとする。
図11に、最新のX線透視装置12のCアーム12cの回転軸に合わせる場合を説明する模式図を示す。1101は血管構造抽出部102で抽出された血管三次元モデルデータ、1102は注目点を示している。また、1103はX線透視装置12から取得したCアーム12cの回転軸を示している。表示アングル決定部104は、X線透視装置12からCアーム12cの回転軸1103の情報を取得し、Cアーム12cの回転軸1103に直交する所定半径の軌道1104を算出し、血管三次元モデルデータ1101を再投影した際のX線画像1105を、軌道1104上の所定角度間隔(例えば1度毎)で生成し、生成された当該X線画像群を解析することにより最適な表示アングル1106を決定する。当該解析方法は、図10を用いて上述した通り、血管の軸線を回転軸とする場合と同様である。
一般的に、血管の軸線を回転軸とする方法は、血管が最も分離して観察できるという利点を有する。一方、最新のX線透視装置12のCアーム12cの回転軸に合わせる方法は、最新のX線透視画像の観察アングルと血管三次元モデルデータの観察方法とが同一回転軸となるため、術者にとって両画像の位置関係が直感的に把握しやすくなるという利点を有する。どちらの方法を採用するかは、術者によって、切替情報を表示アングル決定部104に入力することにより、表示アングル決定部104で切り替え可能である。
<表示部105>
表示部105は、液晶表示装置などで構成され、前記表示アングル決定部104で決定された表示アングルで、血管三次元モデルデータを画像表示する。なお、血管三次元モデルデータを画像表示する際に、最新の注目点位置を矢印又は丸印などでマーキングしてもよい。
表示方法は、X線透視装置12の例であるX線CT装置又はMRI装置で一般的な方法を用いて表示する。例えば、術者が観察するアングルから見て、最初に存在するボクセルのみを三次元表示するサーフェイスレンダリングでもよく、又は、ボクセル濃度値(CT装置ではCT値、MRI装置では信号強度)について、一定の範囲内で、グレイスケール化(256色)して三次元表示するボリュームレンダリングでもよい。又は、術者が観察するアングルから見て、その直線上のボクセルにおける最高の濃度値を投影して表示するMIP法(MAXIMUM INTENSITY PROJECTION)でもよい。又は、術者が観察するアングルから見て、その直線上のボクセルにおける最低の濃度値を投影して表示するMINIP法(MINIMUM INTENSITY PROJECTION)でもよく、又は、術者が観察するアングルから見て、その直線上のボクセルにおける積分値を表示するレイサム法でもよい。
なお、表示部105は、表示部105自体として、画面を有しなくてもよい。この場合、表示部105は、血管三次元モデル表示装置10の外部の表示装置を介して三次元画像を表示してもよい。
<動作>
次に、以上のように構成された血管三次元モデル表示装置10の各種動作について説明する。
図12は、第1実施形態における血管三次元モデル表示装置10の処理動作を示すフローチャートである。
まず、注目点取得部101は、血管三次元モデルデータ記憶装置11から予め撮影され再構成された血管の三次元モデル上の注目点を取得する(ステップS1201)。
続いて、血管構造抽出部102は、注目点取得部101で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより、前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する(ステップS1202)。
更に、血管状態判定部103は、血管構造抽出部102で抽出された前記血管構造に関する情報に基づき、前記所定領域の血管構造が、血管が複数に分岐する分岐部、血管の一部が狭窄する狭窄部、血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部、又はそれ以外の通常部のいずれの状態であるかを判定する(ステップS1203)。
そして、表示アングル決定部104は、血管状態判定部103で判定された前記血管構造の状態に応じて、前記血管の三次元モデルを表示する最適な表示アングルを決定する(ステップS1204)。
最後に、表示部105は、表示アングル決定部104で決定された最適な表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する(ステップS1205)。
当該処理動作は、注目点が変更される度に、あるいは、X線透視装置12から新たなX線画像を取得する度に実施される。
次に、図13及び図14を用いて、血管状態判定部103及び表示アングル決定部104の処理動作をさらに詳細に説明する。
図13は、血管状態判定部103の処理動作を示すフローチャートである。
まず、血管構造抽出部102で抽出された、前記注目点が存在する血管の所定領域の前記血管三次元モデルデータを血管状態判定部103で取得する(ステップS1301)。
次に、取得された前記血管三次元モデルデータから前記注目点が存在する血管の軸線に垂直な方向の複数の血管構造断面図を血管状態判定部103で取得する(ステップS1302)。
続いて、複数の血管構造断面図における血管領域数の変化の有無から、前記血管三次元モデルデータが分岐部であるか否かの判定を血管状態判定部103で行う(ステップS1303)。
前記血管三次元モデルデータが分岐部であると血管状態判定部103で判定した場合は、分岐部の位置情報を血管状態判定部103の内部記憶部103Rで保持する。続いて、複数の血管構造断面図における血管領域面積の所定割合以上の減少の有無から、前記血管三次元モデルデータが狭窄部であるか否かの判定を血管状態判定部103で行う(ステップS1304)。
前記血管三次元モデルデータが狭窄部であると血管状態判定部103で判定した場合は、狭窄部の位置情報を血管状態判定部103の内部記憶部103Rで保持する。続いて、血管構造断面図における血管領域面積の所定割合以上の増加の有無とその後の減少の有無から、前記血管三次元モデルデータが動脈瘤部であるか否かの判定を血管状態判定部103で行う(ステップS1305)。
前記血管三次元モデルデータが動脈瘤部であると血管状態判定部103で判定した場合は、動脈瘤部の位置情報を血管状態判定部103の内部記憶部103Rで保持する。
最後に、分岐部か狭窄部か動脈瘤部かのいずれか1つであったと血管状態判定部103で判定した場合は、その結果を、血管状態判定部103による血管構造状態の判定結果とする。一方、いずれでもない場合は通常部と血管状態判定部103で判定し、更に、複数に該当したと血管状態判定部103で判定した場合は、血管状態判定部103において、最新の注目点から各部の三次元位置までの血管経路長が最も短い状態を優先して、血管状態判定部103による判定結果とする(ステップS1306)。
図14は、表示アングル決定部104の処理動作を示すフローチャートである。
まず、予め設定された内容に基づいて、血管の軸線を回転軸とするか、最新のX線透視装置のCアームの回転軸に合わせるかを表示アングル決定部104で決定する(ステップS1401)。
次に、決定された回転軸に直交する所定半径の軌道を表示アングル決定部104で算出する(ステップS1402)。
続いて、血管三次元モデルデータを再投影した際のX線画像を、前記軌道上の所定角度間隔で表示アングル決定部104で生成する(ステップS1403)。
続いて、血管状態判定部103で判定した血管状態に応じて、処理を分岐する(ステップS1404)。
血管状態が分岐部であると血管状態判定部103で判定した場合、生成したX線画像群の血管領域の面積が最大となるアングルを最適な表示アングルとして、表示アングル決定部104で選択する(ステップS1405)。
血管状態が狭窄部であると血管状態判定部103で判定した場合、生成したX線画像群の血管領域の面積が最小となるアングルを最適な表示アングルとして、表示アングル決定部104で選択する(ステップS1406)。
血管状態が動脈瘤部であると血管状態判定部103で判定した場合、生成したX線画像群の血管領域の面積が最大となるアングルを最適な表示アングルとして、表示アングル決定部104で選択する(ステップS1407)。
血管状態が通常部であると血管状態判定部103で判定した場合、最新の表示アングルを最適な表示アングルとして、表示アングル決定部104で選択する(ステップS1408)。
<効果等>
以上のように、第1実施形態によれば、血管三次元モデル表示装置10は、カテーテルの進行に伴う様々な血管状態の変化に応じて、治療の流れを妨げることなく(利用者の手動操作を介すことなく)、血管カテーテル検査又は治療中のカテーテル操作に適した表示アングルで三次元血管画像を表示することができる。その結果、血管三次元モデル表示装置10は、術者が注目している三次元血管画像の視認性を向上させることができ、カテーテル操作において利便性を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる血管三次元モデル表示装置及び方法について具体的に説明する。第2実施形態では、三次元血管画像とX線透視画像とを最適な表示アングルで重畳表示する場合について説明する。
X線透視画像に三次元血管画像を重畳表示する従来方式として、3Dロードマップ画像表示が知られている(例えば、特許文献2:特開2008−183221公報)。具体的には、予め撮影及び再構成した三次元血管モデルデータに基づいて、最新のCアーム角度から観察した際の三次元血管画像を生成し、最新のCアーム角度から透視されるX線透視画像上にリアルタイムに重ね合わせて表示する方式である。この方式により、カテーテル又はガイドワイヤーが映し出された最新のX線透視画像と三次元血管画像を両方同時に、お互いの位置関係等を確認しながら観察することが可能となる。しかしながら、左記方式では最新のCアーム角度にのみ合わせた重畳画像に限定されるため、第1実施形態で説明した通り、最新のCアーム角度がカテーテル操作にとって必ずしも最適な表示アングルであるとは限らないという課題を有している。
従って、第2実施形態では、最新のCアーム位置から透視されるX線透視画像を、第1実施形態で説明した最適な表示アングルに視点変換して、三次元血管画像と重ね合わせることによって、最適な表示アングルでの重畳表示を行う方法について説明する。
始めに、第2実施形態で用いる視点変換の手法について説明する。図15にように、三次元平面1501上の点Xを二つのアングルから撮影した場合に、それぞれ撮影された透視像1502中の平面の点x及び透視像1503中の平面の点x’間の関係は、以下のような平面射影変換と呼ばれる変換式で表すことができる。
[数1]
変換式: λx’=Hx

ここで、H(太字)は平面射影変換行列であり、3×3行列である。点xと点x’はそれぞれ(u,v,1)、(u’,v’,1)と表すことができる。平面射影変換行列H(太字)は、予め三次元形状が既知である校正器具等を用いたカメラ校正によって、算出され得る。また、λは、定数倍の不定性を示す実数である。視点変換を行う場合には、透視像に平面射影変換行列をかけることで、視点変換画像を生成することができる(非特許文献1:佐藤淳、コンピュータビジョン−視覚の幾何学−、p36・p50、1999、コロナ社)。但し、平面射影変換はある基準の平面を介した変換であるため、基準平面(図15における三次元平面1501)内のみ成立する関係であり、基準平面以外に位置する三次元座標上の被写体では画像に歪み等が生じて、正しく変換されないことが知られている。
ここで、対象形状が血管構造の場合について考える。血管構造は、本来、三次元形状をしているが、ある時点において、注目点が存在する血管に限定すると、平面に近似することができる。図16を用いてその理由を説明する。
図16は、注目点が存在する血管の軸線を通る平面を基準平面とした場合の、視点変換を説明する模式図である。本明細書では、この血管の軸線を通る平面を、カテーテル基準平面、又は、基準平面と呼ぶ。図16において、1601は血管内に挿入されたカテーテルもしくはガイドワイヤーを示し、1602は注目点が存在する血管の軸線を示している。また、1603はX線透視装置12から取得したCアーム12cの回転軸を示し、1604は血管の軸線を通るカテーテル基準平面(器具基準平面)を示している。また、1605はCアーム12cの回転軸1603に直交するCアーム12cの軌道を示し、1606はX線透視装置12から取得したX線透視画像を示している。また、1607は当該X線透視画像1606における前記カテーテル基準平面1604の投影像を示し、1608は当該X線透視画像1606における前記カテーテルもしくはガイドワイヤー1601の投影像を示している。また、1609はX線透視画像1606から最適な表示アングルに視点変換された視点変換画像を示し、1610は当該視点変換画像1609における前記カテーテル基準平面の投影像を示している。また、1611は当該視点変換画像1609における前記カテーテルもしくはガイドワイヤー1601の投影像を示している。
カテーテルもしくはガイドワイヤー1601の先端を注目点とする場合、カテーテルもしくはガイドワイヤー1601は血管内に存在していると考えられるため、当該血管の軸線1602を回転軸とするカテーテル基準平面1604の近傍にカテーテルもしくはガイドワイヤー1601の先端付近も存在していることになる。従って、カテーテル基準平面1604を介してX線透視画像1606から最適な表示アングルである視点変換画像1609へ平面射影変換することによって、変換によって発生するカテーテルもしくはガイドワイヤー1601の形状の歪みを最小限に抑えた視点変換画像1609を生成することができる。
そして、第1実施形態で説明した、三次元血管モデルデータを最適な表示アングルで表示した三次元血管画像と、前記視点変換画像1609とを重ね合わせて表示することにより、術者は、カテーテル操作に最適な表示アングルで、血管とカテーテルもしくはガイドワイヤー1601との両方を同時に、お互いの位置関係等を確認しながら観察することが可能となる。
<構成>
<重畳画像生成部106>
図17は、第2実施形態における血管三次元モデル表示装置100の機能ブロック構成図である。血管三次元モデル表示装置100は、注目点取得部101と、血管構造抽出部102と、血管状態判定部103と、表示アングル決定部104と、表示部105と、重畳画像生成部106とを備える。図17において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。よって、第1実施形態と異なる点(重畳画像生成部106など)について、主として、以下に説明する。
重畳画像生成部106は、最適な表示アングルで表示した三次元血管画像と、最適な表示アングルに視点変換されたX線透視画像とを重ね合わせた重畳画像を生成する。これについて、図18及び図20A〜図20Cを用いて詳しく説明する。図18は、重畳画像生成部106の機能ブロック構成図であり、図20A〜図20Cは、重畳画像の例を示す図である。
図18に示すように、重畳画像生成部106は、血管軸線情報取得部1801と、Cアーム角度取得部1802と、基準平面決定部1803と、透視像取得部1804と、表示アングル取得部1805と、視点変換部1806と、画像合成部1807とを備えて構成している。
図18の血管軸線情報取得部1801は、血管構造抽出部102で算出した注目血管の軸線ベクトルと位置とに関する血管軸線情報を取得する。
Cアーム角度取得部1802は、最新のCアーム角度情報(X線検出部12bの位置及び角度)をX線透視装置12から取得する。Cアーム角度取得部1802は、図6のCアーム角度取得部602と同様の機能を有する。
基準平面決定部1803は、前記血管軸線情報取得部1801で取得した注目血管の軸線ベクトルと位置とに関する血管軸線情報と、前記Cアーム角度取得部1802で取得したCアーム角度情報におけるX線検出部12bの位置及び角度から、カテーテル基準平面(器具基準平面)1604を決定する。
透視像取得部1804は、X線透視画像1606をX線透視装置12からリアルタイムに(随時)取得する。透視像取得部1804は、図6の透視像取得部603と同様の機能を有する。
表示アングル取得部1805は、前記表示アングル決定部104で決定された三次元血管モデルの最適な表示アングルを取得する。
視点変換部1806は、前記基準平面決定部1803で決定されたカテーテル基準平面1604から、前記表示アングル取得部1805で取得した表示アングルへ、前記透視像取得部1804で取得したX線透視画像1606を視点変換する。
画像合成部1807は、前記視点変換部1806で視点変換された視点変換画像1609と、前記表示アングル決定部104で決定された最適な表示アングルで表示した三次元血管画像とを重ね合わせた重畳画像を生成する。生成された重畳画像は、表示部105で表示できる。すなわち、表示アングル決定部104で決定された表示アングルからの血管の三次元モデルを表示する代わりに、画像合成部1807で生成された画像を表示する。図20Aに視点変換された視点変換画像の例を示し、図20Bに最適な表示アングルで表示された三次元血管画像の例を示し、図20Cに重ね合わせた重畳画像の例を示す。
<動作>
次に、以上のように構成された重畳画像生成部106の動作について説明する。
図19は、重畳画像生成部106の処理動作を示すフローチャートである。図19と上述の図16とを用いて、重畳画像生成部106の処理動作を詳細に説明する。
まず、ステップS1901では、血管構造抽出部102で算出された注目血管の血管軸線情報(注目血管の軸線ベクトルと位置)を重畳画像生成部106の血管軸線情報取得部1801で取得する(図16中の軸線1602を参照。)。
次いで、ステップS1902では、X線透視装置12からCアーム角度情報を重畳画像生成部106のCアーム角度取得部1802で取得する。
次いで、ステップS1903では、前記注目血管の血管軸線情報と前記Cアーム角度情報におけるX線検出部12bの位置及び角度とから、カテーテル基準平面(図16中のカテーテル基準平面1604を参照。)を重畳画像生成部106の基準平面決定部1803で決定する。ここで、カテーテル基準平面1604は、前記注目血管の軸線1602を回転軸とし、前記X線検出部12bと最も正対する向きを当該基準平面1604であると、重畳画像生成部106の基準平面決定部1803で決定する。
次いで、ステップS1904では、表示アングル決定部104で決定された表示アングルを重畳画像生成部106の表示アングル取得部1805で取得する。
次いで、ステップS1905では、ステップS1903で決定したカテーテル基準平面と、前記Cアーム角度情報におけるX線検出部12bの位置及び角度と、ステップS1904で決定された表示アングルの相対的な位置関係に該当する平面射影変換行列を、予め算出していた複数の中から重畳画像生成部106の視点変換部1806で選択する。
次いで、ステップS1906では、重畳画像生成部106の視点変換部1806において、ステップS1905で選択した平面射影変換行列を用いて、X線透視装置12から透視像取得部1804を介して取得したX線透視画像(図16中のX線透視画像1606を参照。)を最適な表示アングルの視点変換画像(図16中の視点変換画像1609を参照。)へ変換する。これに伴い、X線透視画像1606中のカテーテルもしくはガイドワイヤー1601(図16中の透視画像1606におけるカテーテルもしくはガイドワイヤー1601の投影像1608を参照。)が視点変換画像1609中のカテーテルもしくはガイドワイヤー1601(図16中の視点変換画像1609におけるカテーテルもしくはガイドワイヤー1601の投影像1611参照。)に重畳画像生成部106の視点変換部1806で変換されることになる。
最後に、ステップS1907では、ステップS1906で生成した視点変換画像1609と、最適な表示アングルで表示した三次元血管画像とを重畳した画像を、重畳画像生成部106の画像合成部1807で生成する。生成された重畳画像は、表示部105で表示できる。
<効果等>
以上のように、第2実施形態によれば、血管三次元モデル表示装置100は、血管カテーテル検査又は治療中のカテーテル操作に最適な表示アングルで三次元血管画像とX線透視像とを重畳表示することができる。その結果、血管三次元モデル表示装置100は、術者の視認性を更に向上させることができ、カテーテル操作において利便性を更に向上させることができる。
なお、本発明を第1〜第2実施形態及び変形例に基づいて説明してきたが、本発明は、前記の第1〜第2実施形態及び変形例に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
前記各血管三次元モデル表示装置の一部又は全部は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各部は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、前記実施形態又は変形例における血管三次元モデル表示装置を構成する要素の一部又は全部を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、血管の三次元モデルを表示する血管三次元モデル表示プログラムであって、
コンピュータを、
予め撮影され再構成された前記血管の三次元モデル上の任意の注目点を取得する注目点取得部と、
前記注目点取得部で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する血管構造抽出部と、
前記血管構造抽出部で抽出された前記血管構造に関する情報に基づき、前記所定領域の血管構造が、前記血管が複数に分岐する分岐部、前記血管の一部が狭窄する狭窄部、又は、前記血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部のいずれの状態であると判定する血管状態判定部と、
前記血管状態判定部で判定された前記血管構造の状態に応じて前記血管の三次元モデルを表示する表示アングルを決定する表示アングル決定部と、
前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する表示部と、
して機能させるための血管三次元モデル表示プログラムである。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスク、磁気ディスク、又は、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の1つの態様にかかる血管三次元モデル表示装置、方法、及びプログラムは、カテーテル操作に最適な表示アングルで三次元血管画像を表示する機能有し、血管カテーテル造影検査及び治療時に有用である。また、本発明の別の態様にかかる血管三次元モデル表示装置、方法、及びプログラムは、最適な表示アングルで三次元血管画像とX線透視像とを重畳表示する機能をも有し、血管カテーテル造影検査および治療時に有用である。
10、100 血管三次元モデル表示装置
11 血管三次元モデルデータ記憶装置
12 X線透視装置
12a X線発生部
12b X線検出部
12c Cアーム
90 血管三次元モデル表示システム
101 注目点取得部
102 血管構造抽出部
103 血管状態判定部
103R 血管状態判定部の内部記憶部
104 表示アングル決定部
105 表示部
106 重畳画像生成部
300 血管三次元モデルデータ
301 血管
302 カテーテル
303〜307 血管画像中における血管領域
308 点P2と点P3との間の距離
320 血管分岐部
320a 分岐した血管
320b カテーテルが進んできた血管
400 血管三次元モデルデータ
401 血管
402 カテーテル 403〜407 血管画像中における血管領域
420 血管狭窄部
500 血管三次元モデルデータ
501 血管
502 カテーテル
503〜507 血管画像中における血管領域
508 血管と動脈瘤の付け根部分
509 血管の軸線
510 血管の軸線と動脈瘤重心との距離
520 血管動脈瘤部
509 血管の軸線
510 血管の軸線と動脈瘤重心との距離
601 器具先端位置入力部
602、1802 Cアーム角度取得部
603、1804 透視像取得部
604 器具先端位置検出部
605 器具先端位置推定部
701 血管三次元モデルデータ
702 モデルデータ上の血管領域
703 血管三次元モデルデータと同一座標系におけるX線発生部の位置
704 X線発生部から同一座標系上のX線検出部に投影されたX線画像
705 X線画像における血管内に挿入されたカテーテル又はガイドワイヤー等の器具
706 X線画像上でのカテーテル先端の位置Pn(u,v)とCアーム角度情報中のX線発生部の位置とを結ぶ直線
801、804 血管三次元モデルデータ
802、805 注目点
806 軸線
911、912、913、921、922、923、931、932、933 血管構造断面図
1001 血管三次元モデルデータ
1002 注目点
1003 注目点が存在する血管の軸線
1004 血管の軸線の回転軸に直交する所定半径の軌道
1005 血管三次元モデルデータを再投影した際のX線画像
1006 最適な表示アングル
1101 血管構造抽出部で抽出された血管三次元モデルデータ
1102 注目点
1103 X線透視装置から取得したCアームの回転軸
1104 Cアームの回転軸に直交する所定半径の軌道
1105 血管三次元モデルデータを再投影した際のX線画像
1106 最適な表示アングル
1501 三次元平面
1502 透視像
1503 透視像
1601 血管内に挿入されたカテーテルもしくはガイドワイヤー
1602 注目点が存在する血管の軸線
1603 Cアームの回転軸
1604 血管の軸線を通るカテーテル基準平面
1605 Cアームの回転軸に直交するCアームの軌道
1606 X線透視画像
1607 X線透視画像におけるカテーテル基準平面の投影像
1608 X線透視画像におけるカテーテルもしくはガイドワイヤーの投影像
1609 X線透視画像から最適な表示アングルに視点変換された視点変換画像
1610 視点変換画像におけるカテーテル基準平面の投影像
1611 視点変換画像におけるカテーテルもしくはガイドワイヤーの投影像
1801 血管軸線情報取得部
1803 基準平面決定部
1805 表示アングル取得部
1806 視点変換部
1807 画像合成部
R911、R912、R913、R921、R922、R923、R931、R932、R933 血管領域
T91、T92、T93 分岐部、狭窄部、動脈瘤部の三次元位置

Claims (15)

  1. 血管の三次元モデルを表示する血管三次元モデル表示装置であって、
    予め撮影され再構成された前記血管の三次元モデル上の任意の注目点を取得する注目点取得部と、
    前記注目点取得部で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する血管構造抽出部と、
    前記血管構造抽出部で抽出された前記血管構造に関する情報に基づき、前記所定領域の血管構造が、前記血管が複数に分岐する分岐部、前記血管の一部が狭窄する狭窄部、又は、前記血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部のいずれの状態であると判定する血管状態判定部と、
    前記血管状態判定部で判定された前記血管構造の状態に応じて前記血管の三次元モデルを表示する表示アングルを決定する表示アングル決定部と、
    前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する表示部と、
    を備える血管三次元モデル表示装置。
  2. 前記表示アングル決定部は、
    前記注目点を含む前記血管の軸線を回転軸とし、
    前記回転軸から所定の半径距離を有する軌道を算出し、
    算出された前記軌道上の所定の距離間隔毎に、前記軌道上から前記血管の三次元モデルの投影画像をそれぞれ生成し、
    生成された複数の前記投影画像と、前記血管状態判定部より判定された前記血管構造の状態とを基に、前記血管の三次元モデルを表示する前記表示アングルを決定する、
    請求項1に記載の血管三次元モデル表示装置。
  3. 前記表示アングル決定部は、
    前記所定領域の血管構造が前記分岐部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記所定領域の血管構造に相当する血管の面積が最大である投影画像を決定し、
    決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
    請求項2に記載の血管三次元モデル表示装置。
  4. 前記表示アングル決定部は、
    前記所定領域の血管構造が前記分岐部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記血管の分岐度が最大である投影画像を決定し、ここで、前記分岐度は、前記血管が分岐点で分岐した第1の血管と第2の血管とにおいて、前記分岐点から所定距離の地点での前記第1の血管と前記第2の血管との距離であり、
    決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
    請求項2に記載の血管三次元モデル表示装置。
  5. 前記表示アングル決定部は、
    前記所定領域の血管構造が前記狭窄部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記所定領域の血管構造に相当する血管の面積が最小である投影画像を決定し、
    決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
    請求項2から4のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置。
  6. 前記表示アングル決定部は、
    前記所定領域の血管構造が前記狭窄部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記血管の一部の狭窄度が最大である投影画像を決定し、ここで、前記狭窄度は、前記投影画像における前記血管の軸線に垂直な線分を前記血管の幅とした場合、前記投影画像における前記所定領域の血管構造に相当する血管の幅のうち最小幅に対する最大幅の割合であり、
    決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
    請求項2から4のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置。
  7. 前記表示アングル決定部は、
    前記所定領域の血管構造が前記動脈瘤部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記所定領域の血管構造に相当する血管の面積が最大である投影画像を決定し、
    決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
    請求項2から6のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置。
  8. 前記表示アングル決定部は、
    前記所定領域の血管構造が前記動脈瘤部であると前記血管状態判定部で判定された場合、前記複数の前記投影画像より、前記投影画像における前記血管の一部の動脈瘤の径が最大である投影画像を決定し、
    決定された前記投影画像が生成された前記軌道上の地点から前記血管の三次元モデルを見たアングルを前記表示アングルと決定する、
    請求項2から6のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置。
  9. 前記注目点取得部は、
    前記血管の三次元モデルに対する初期注目点を入力する器具先端位置入力部と、
    前記血管の三次元モデルの形成に使用するX線透視装置から最新のCアーム角度情報を取得するCアーム角度取得部と、
    前記X線透視装置からX線透視画像を随時取得する透視像取得部と、
    前記透視像取得部で取得した前記X線透視画像からX線透視画像上での器具先端の位置を検出する器具先端位置検出部と、
    前記器具先端位置入力部で設定された前記初期注目点と、前記Cアーム角度取得部で取得された前記Cアーム角度情報と、前記器具先端位置検出部で検出された前記X線透視画像上での前記器具先端の位置とを用いて、前記血管の三次元モデル上における器具先端の位置を推定する器具先端位置推定部と、
    を備えて、
    前記注目点取得部は、前記器具先端位置推定部で推定された前記血管の三次元モデル上における前記器具先端の位置を前記の注目点として取得する、
    請求項1〜8のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置。
  10. 前記表示アングル決定部は、
    前記血管の三次元モデルの形成に使用するX線透視装置のCアームの回転軸に基づいて所定半径の軌道を算出し、前記血管の三次元モデルを再投影したX線画像を前記軌道上の所定角度間隔で生成し、前記X線画像の中から前記表示アングルを決定する、請求項1に記載の血管三次元モデル表示装置。
  11. 前記表示部は、
    前記血管の三次元モデルを画像表示する際に、最新の前記注目点位置を前記血管の三次元モデル上にマーキングして表示する、請求項1〜10のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置。
  12. 前記表示アングル決定部により決定された表示アングルから表示予定の前記血管の三次元モデルと、前記表示アングルに視点変換されたX線透視画像とを重畳した画像を生成する重畳画像生成部をさらに備えて、
    前記表示部は、前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する代わりに、前記重畳画像生成部で生成された画像を表示する、請求項1〜11のいずれか1つに記載の血管三次元モデル表示装置。
  13. 前記重畳画像生成部は、
    前記血管構造抽出部で算出した注目血管の軸線ベクトルと位置とに関する血管軸線情報を取得する血管軸線情報取得部と、
    前記血管の三次元モデルの形成に使用するX線透視装置から最新のCアーム角度情報を取得するCアーム角度取得部と、
    前記血管軸線情報取得部で取得した前記血管軸線情報と、前記Cアーム角度取得部で取得した前記Cアーム角度情報とに基づいて、器具基準平面を決定する基準平面決定部と、
    前記X線透視装置からX線透視画像を随時取得する透視像取得部と、
    前記表示アングル決定部で決定された表示アングルを取得する表示アングル取得部と、
    前記基準平面決定部で決定された前記器具基準平面から前記表示アングル取得部で取得した前記表示アングルへ、前記透視像取得部で取得した前記X線透視画像を視点変換する視点変換部と、
    前記視点変換部で視点変換された視点変換画像と、前記表示アングル決定部で決定された前記アングルで表示した三次元血管画像とを重畳した画像を生成する画像合成部と、
    を備えて、
    前記表示部は、前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する代わりに、前記画像合成部で生成された画像を表示する、請求項12に記載の血管三次元モデル表示装置。
  14. 血管の三次元モデルを表示する血管三次元モデル表示方法であって、
    予め撮影され再構成された前記血管の三次元モデル上の任意の注目点を注目点取得部で取得し、
    前記注目点取得部で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する血管構造抽出部と、
    前記血管構造抽出部で抽出された前記血管構造に関する情報に基づき、前記所定領域の血管構造が、前記血管が複数に分岐する分岐部、前記血管の一部が狭窄する狭窄部、又は、前記血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部のいずれの状態であると血管状態判定部で判定し、
    前記血管状態判定部で判定された前記血管構造の状態に応じて前記血管の三次元モデルを表示する表示アングルを表示アングル決定部で決定し、
    前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示部で表示する、血管三次元モデル表示方法。
  15. 血管の三次元モデルを表示する血管三次元モデル表示プログラムであって、
    コンピュータを、
    予め撮影され再構成された前記血管の三次元モデル上の任意の注目点を取得する注目点取得部と、
    前記注目点取得部で取得された前記注目点に基づき、前記血管の三次元モデルより前記注目点を含む所定領域の血管構造に関する情報を抽出する血管構造抽出部と、
    前記血管構造抽出部で抽出された前記血管構造に関する情報に基づき、前記所定領域の血管構造が、前記血管が複数に分岐する分岐部、前記血管の一部が狭窄する狭窄部、又は、前記血管の一部に動脈瘤を有する動脈瘤部のいずれの状態であると判定する血管状態判定部と、
    前記血管状態判定部で判定された前記血管構造の状態に応じて前記血管の三次元モデルを表示する表示アングルを決定する表示アングル決定部と、
    前記表示アングル決定部で決定された前記表示アングルからの前記血管の三次元モデルを表示する表示部と、
    して機能させるための血管三次元モデル表示プログラム。
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