次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技媒体としてパチンコ球(遊技球)を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠(第1枠)11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠(第2枠)12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する固定始動入賞部30の固定始動口31または可変入球装置100の各可変始動口102,103へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置17(図柄表示手段)が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の遊技領域21と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された装飾枠としての前枠(第3枠)13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護板13bが窓口13aを覆うよう配設されており、遊技盤20を前側から目視可能な状態で保護している。また、前記前枠13における窓口13aの下方位置には、パチンコ球を貯留可能な球受け皿14,15が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14,15を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上球受け皿14および下球受け皿15が上下の位置関係で組み付けられている。なお、前記上下の球受け皿14,15の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、1つの球受け皿14,15のみを備える構成とすることもできる。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域21に向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域21へのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているがこれに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置17やドットマトリックス式の表示装置等の各種飾図を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が配置されている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設されており、該案内レール22により画成される略円形の遊技領域21内にパチンコ球が入球可能な複数の入球部(固定始動口31および変入球装置の各可変始動口102,103)が設けられて、前記打球発射装置により遊技領域21に発射されたパチンコ球が入球部に入球することにより遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤20設置部品が取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口23が開設されている。後述するように実施例の遊技盤20には、遊技盤20設置部品として枠状装飾体25、固定始動入賞部30、可変入球装置100、特別入賞部40、ゲート部33等が配設されている。
前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール22で囲まれた遊技領域21の略中央に、センター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられている。前記枠状装飾体25は、前後に開口する枠状に形成されて、遊技盤20の裏側の図柄表示装置17の表示部を前面側から視認し得るようになっている。すなわち、実施例の遊技盤20に画成される遊技領域21は、打ち出されたパチンコ球が前記枠状装飾体25の左側部を流下してアウト口23に至る第1球流下経路21aと、当該打ち出されたパチンコ球が枠状装飾体25の右側部を流下してアウト口23に至る第2球流下経路21bとに枠状装飾体25により区画されており、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することにより、パチンコ球が第1球流下経路21aを流下する遊技形態およびパチンコ球が第2球流下経路21bを流下する遊技形態の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。また、前記遊技領域21は、前記枠状装飾体25の下方位置において第1および第2球流下経路21a,21bが合流するようになっており、当該第1および第2球流下経路21a,21bが合流する領域に、前記アウト口23が位置するようになっている。なお、第1および第2球流下経路21a,21bを完全に左右に分断するよう設けて、第1および第2球流下経路21a,21b毎にアウト口23を設けるようにしてもよい。そして、前記遊技盤20における遊技領域21(第1および第2球流下経路21a,21b)に多数の遊技釘26が設けられており、遊技領域21を流下する過程で遊技釘26に接触したパチンコ球の流下方向が不規則に変化させるよう構成されている。なお、枠状装飾体25は、前後に開口する形態に限らず、当該開口の全部または一部を透明板等で塞ぐ形態とすることも可能である。
(第1球流下経路21aの入球部について)
図2に示すように、実施例の遊技盤20には、パチンコ球が入球可能な入球部30が前記第1球流下経路21aに設けられている。この第1球流下経路21aには、遊技領域21(第1球流下経路21a内)で入球口31が常に開口する入球部30が設けられており、遊技領域21に打ち出されて第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が当該常時開口する入球部30の入球口31に一定の確率で入球し得るようになっている。ここで、入球口31が常時開口する第1球流下経路21aの入球部30に入球したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ75に検出されるよう構成されており(図11参照)、当該球検出センサ75がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを特図当り判定(後述)を行う判定条件および賞球の払出条件として設定されている。そこで、以下の説明では、第1球流下経路21aに設けられた入球口が常時開口する入球部を固定始動入賞部30と指称し、当該固定始動入賞部30の入球口を固定始動口31と指称すると共に、固定始動入賞部30に入球したパチンコ球を検出する球検出センサを固定始動検出センサ75と指称するものとする。
また、前記固定始動入賞部30の固定始動口31は、遊技盤20の裏側に設けられた球排出通路(図示せず)に連通するよう構成されており、当該固定始動口31に入球したパチンコ球が球排出通路を介して遊技盤20の外部に排出されるよう構成されている。そして、この球排出通路に固定始動検出センサ75が配設されており、球排出通路を介して排出される過程で固定始動検出センサ75がパチンコ球を検出し得るようになっている。なお、実施例の固定始動入賞部30は、前記枠状装飾体25の下方位置において遊技盤20の左右方向の略中央に位置に、遊技盤20の前面側に突出すると共に前記固定始動口31が上方に開口する樋形状に形成されている。そして、前記第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が固定始動口31に入球し得る一方で、遊技盤20に設けられた前記枠状装飾体25や遊技釘26により、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が固定始動口31に入球する割合よりも、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が固定始動口31へ入球する割合が低くなるよう構成されている。実施例では、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球の固定始動口31への入球が略不可能となるよう構成されている。
(第2球流下経路21bの入球部について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、パチンコ球が入球可能な入球部33,130,161,162が前記第2球流下経路21bに設けられている。この第2球流下経路21bには、遊技領域21(第2球流下経路21b内)で入球口34が常に開口する入球部33が設けられており、遊技領域21に打ち出されて第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が当該常時開口する入球部33の入球口34に一定の確率で入球し得るようになっている。ここで、入球口34が常時開口する第2球流下経路21bの入球部33に入球したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ76に検出されるよう構成されており(図11参照)、当該球検出センサ75がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを普図当り判定(後述)を行う判定条件として設定されている。また、前記第2球流下経路21b内で入球口34が常に開口する入球部33は、当該第2球流下経路21b内で球出口が常に開口するよう形成されて、当該入球部33の入球口34に入球したパチンコ球がそのまま球出口から通出して第2球流下経路21bを流下するようになっている。そこで、以下の説明では、当該第1球流下経路21aの入球部をゲート部33と指称し、当該ゲート部33の入球口をゲート入口34と指称すると共に、ゲート部33に入球したパチンコ球を検出する球検出センサをゲートセンサ76と指称するものとする。なお、前記ゲート部33は、前記枠状装飾体25の右側方位置に、遊技盤20の前面側に突出すると共にゲート入口34およびゲート出口が上下に連通する門型に形成されて、当該遊技盤20の前面側に突出するゲート部33に前記ゲートセンサ76が配置されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球のみがゲート部33のゲート入口34に入球し得るよう構成されている。また、前記ゲート部33は、遊技盤20の前面側に突出したゲートセンサ76を装飾する装飾部やゲートセンサ76を保護する保護部としての機能を具有している。
(可変入球装置100について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20の第2球流下経路21bには、前記ゲート部33とは別に、パチンコ球が入球する入球口101,102,103を開閉可能な開閉部材131,165,166を備えた可変入球部130,161,162を有する可変入球装置(可変入球ユニット)100が設けられている。前記可変入球装置100は、図3〜図5に示すように、前記可変入球部として、電気的に作動されるソレノイド(電動式駆動手段)135が開閉部材131に接続してソレノイドの駆動に伴い開閉部材131が開閉動作する第1の可変入球部130と、該第1の可変入球部130の入球口101に入球したパチンコ球との物理的な接触に伴い作動されて開閉部材165,166の開閉状態を切り替え可能な第2の可変入球部161,162とを備えており、各対応の開閉部材131,165,166の開閉状態に応じて、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が第1の可変入球部130や第2の可変入球部161,162に入球し得るよう構成されている。このように、実施例の遊技盤20には、電気的に作動される第1の可変入球部130と、該電気的に作動する第1の可変入球部130に入球したパチンコ球により機械的に作動される第2の可変入球部161,162とが設けられている。
ここで、前記第2の可変入球部161,162に入球したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ77,78に検出されるよう構成されており(図11参照)、当該球検出センサ77,78がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを特図当り判定(後述)を行う判定条件および賞球の払出条件として設定されている。そこで、以下の説明では、前記第2の可変入球部の開閉作動契機となる第1の可変入球部を可変作動入球部130と指称し、当該可変作動入球部130の入球口を作動口101と指称すると共に、特図当り判定を行う判定条件および賞球の払出条件となる第2の可変入球部を可変始動入賞部161,162と指称し、当該可変始動入賞部161,162の入球口を可変始動口102,103と指称し、当該可変始動入賞部161,162に入球したパチンコ球を検出する球検出センサを可変始動検出センサ77,78と指称する。また、前記可変入球装置100には、複数(実施例では2つ)の可変始動入賞部161,162が設けられており、上側に位置する可変始動入賞部を第1可変始動入賞部161と指称すると共に、下側に位置する可変始動入賞部を第2可変始動入賞部162と指称して、可変始動入賞部161,162を区別すると共に、第1可変始動入賞部161に対応した可変始動検出センサを第1可変始動検出センサ77と指称すると共に、第2可変始動入賞部162に対応した可変始動検出センサを第2可変始動検出センサ78と指称する場合がある。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記固定始動検出センサ75、第1および第2可変始動検出センサ77,78の何れかがパチンコ球を検出した検出信号がメイン制御基板60へ入力された場合に、所定数(実施例では3個)の賞球を払い出させるようメイン制御基板60に設けられたメイン制御CPU60aが図示しない球払出装置を制御するよう設定されている。また、前記固定始動検出センサ75、第1および第2可変始動検出センサ77,78によるパチンコ球の検出に伴って各種入賞情報(後述する各種乱数情報)がメイン制御CPU60aに取得され、この取得した情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて特図表示部50A,50B(後述)において特図変動表示が実行されると共に、前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、所定の当り表示(特定表示)となる図柄が確定停止表示されると共に、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果として、該図柄表示装置17に所定の当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(特図当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞部40を所定の開放条件で開放して、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、遊技が行われる過程において所定条件(具体的には特図当り判定において当りの判定結果となること)が成立することで、有利遊技状態(特図当り遊技が付与された状態)となるよう構成されている。
なお、実施例の可変入球装置100は、前記枠状装飾体25の右下方位置に、前記ゲート部33の下方に位置するよう設けられており、該ゲート部33を通過したパチンコ球が前記可変作動入球部130や第1および第2可変始動入賞部161,162に入球し得るよう構成されている(図2参照)。そして、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が可変作動入球部130や第1および第2可変始動入賞部161,162に入球し得る一方で、遊技盤20に設けられた前記枠状装飾体25や遊技釘26により、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が可変作動入球部130や各可変始動入賞部161,162に入球する割合よりも、前記第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が可変作動入球部130や各可変始動入賞部161,162へ入球する割合の方が低くなるよう構成されている。実施例では、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球の可変作動入球部130や第1および第2可変始動入賞部161,162への入球が略不可能となるよう構成されている。
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部40(特別入賞手段)は、図2に示すように、遊技領域21に開口する入球口としての特別入賞口41(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉部材(開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図11参照)の駆動に伴って開閉部材43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉部材43が前後方向へ揺動することで特別入賞口41を開閉するよう構成されており、該開閉部材43により特別入賞口41が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞部40には、前記特別入賞口41に入球したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ79(図11参照)が設けられている。前記特別入賞検出センサ79は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ79からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記固定始動入賞部30または可変始動入賞部161,162へのパチンコ球の入球を契機として特別入賞部40を開放する当り遊技が付与される場合に、当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。ここで、前記特別入賞部40は、前記固定始動入賞部30の下方位置に配置されると共に、前記第1および第2球流下経路21a,21bが合流する合流領域21cに位置するよう構成されており、第1および第2球流下経路21a,21bの何れを流下するパチンコ球であっても、開閉部材43の開閉状態に応じて、特別入賞部40の特別入賞口41に入球し得るよう構成されている。
(可変入球装置100)
前記可変入球装置100は、図3〜図5に示すように、遊技盤20に固定される本体部材105に、前記可変作動入球部130、第1および第2の可変始動入賞部161,162の夫々が配設されて、当該本体部材105が遊技盤20の前面から固定される。そして、本体部材105の上部位置に可変作動入球部130および通路振分部150が配置され、本体部材105の下部位置に第2可変始動入賞部162が配置され、該可変作動入球部130および第2可変始動入賞部162の間に位置するよう第1可変始動入賞部161が配置されている。
ここで、前記本体部材105は、前記遊技盤20の前面側に取り付けられる取付ベース部106と、該取付ベース部106の前面側に配設されたカバー部108とを備えている。そして、前記本体部材105の外周面に、パチンコ球が通過可能な大きさで遊技領域21(第2球流下経路21b)内に開口する開口部(具体的には球流入口110a、球流出口110b、第1可変始動口102、第2可変始動口103、第2のアウト口104)が外周面の複数箇所に開設されると共に、前記取付ベース部106の適宜位置に、パチンコ球が通過可能な大きさで前後に貫通する通孔(具体的には作動口101、第1取込口115a、第2取込口116a)が複数箇所に開設されている。
具体的に、図3に示すように、実施例の可変入球装置100には、本体部材105の上部に1つの開口部110aが形成されると共に、遊技領域21(第2球流下経路21b)に露出する左側部に4つの開口部102,103,104,110bが形成されている。そして、前記本体部材105の上部に形成された開口部110aと、当該本体部材105の左側部の上部位置に形成された開口部110bとを連通する通出通路110が前記本体部材105に形成されて、前記取付ベース部106に形成された通孔101が通出通路110内で開口するよう構成されている。この通出通路110に開口する通孔は、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材(開閉部材)131の作動により開閉されるようになっている。すなわち、通出通路110に開口するよう設けられた通孔が、前記可変作動入球部130の作動口101となっており、可変作動入球部130の作動口開閉部材131の開放に伴って、パチンコ球が作動口101に入球し得るようになっている。なお、以下の説明において、本体部材105の上部に形成された開口部を球流入口110aと指称し、本体部材105の左側部の上部位置に形成された開口部を球流出口110bと指称して区別する場合がある。すなわち、遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下する過程で球流入口110aを通過したパチンコ球が通出通路110に流入すると共に、当該通出通路110を通過するパチンコ球が前記可変作動入球部130の作動状態に応じて作動口101に入球するか、或いは球流出口110bから遊技領域21(第2球流下経路21b)に通出するよう構成されている。なお、前記球流入口110aは、前記ゲート部33の球出口と上下に整列する位置に設けられており、当該ゲート部33を通過したパチンコ球が、球流入口110aに高い確率で通入して通出通路110に導入されるようになっている。
また前記本体部材105には、図3に示すように、本体部材105の左側部に形成された開口部102と、取付ベース部106の第1可変始動入賞部161の配設位置に形成された通孔(第1取込口115a)とを連通する第1取込通路115が設けられていると共に、本体部材105の左側部に形成された開口部103と前記取付ベース部106の第2可変始動入賞部162の配設位置に形成された通孔(第2取込口116a)とを連通する第2取込通路116が設けられている。なお、実施例では、前記球流出口110bの下方に隣接して位置する開口部102に前記第1取込通路115が連通し、前記本体部材105の左側部の最下方に位置する開口部103に前記第2取込通路116が連通するよう構成されている。なお、前記本体部材105には、前記第1取込口115aの下方位置に隣接して第2のアウト口104が形成されると共に、当該第2のアウト口104および遊技盤20の裏側に開口する球出口を連通するアウト通路119が形成されており、当該第2のアウト口104を通過したパチンコ球がアウト通路119を介して遊技盤20の外部に排出されるようになっている。
ここで、図3に示すように、前記第1取込通路115に対応する開口部102は、前記第1可変始動入賞部161の第1始動口開閉部材(開閉部材)165により開閉されると共に、前記第2取込通路116に対応する開口部103は、前記第2可変始動入賞部162の第2始動口開閉部材(開閉部材)166により開閉されるよう構成されている。すなわち、第1取込通路115に対応した開口部が第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102として機能し、第1始動口開閉部材165の開放に伴ってパチンコ球が第1可変始動入賞部161に入賞可能となると共に、第2取込通路116に対応した開口部が第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103として機能し、第2始動口開閉部材166の開放に伴ってパチンコ球が第2可変始動入賞部162に入賞可能となるようになっている。
(第1および第2可変始動入賞部161,162について)
前記第1可変始動入賞部161は、図3に示すように、前記第1可変始動口102を閉鎖する閉鎖位置(図3の実線参照)および該第1可変始動口102を開放する開放位置(図3の二点鎖線参照)に変位可能な前記第1始動口開閉部材(開閉部材)165と、前記作動口101を介して前記第1の分岐経路145を通過するパチンコ球が接触し得るよう構成されてパチンコ球の接触に伴い作動する第1作動機構(図示せず)と、前記第1可変始動口102に入賞したパチンコ球が接触し得るよう構成されてパチンコ球の接触に伴い作動する第2作動機構(図示せず)とを備えている。そして、第1始動口開閉部材165が閉鎖位置にある状態において、前記作動口101に入球したパチンコ球が第1作動機構に接触することで、第1始動口開閉部材165が閉鎖位置から開放位置に変位すると共に、第1始動口開閉部材165が開放位置にある状態において、第1可変始動口102に入賞したパチンコ球が第2作動機構に接触することで、第1始動口開閉部材165が開放位置から閉鎖位置に変位するよう構成されている。
同様に、前記第2可変始動入賞部162は、図3に示すように、前記第2可変始動口103を閉鎖する閉鎖位置(図3の実線参照)および該第2可変始動口103を開放する開放位置(図3の二点鎖線参照)に変位可能な前記第2始動口開閉部材166と、前記作動口101を介して前記第2の分岐経路146を通過するパチンコ球が接触し得るよう構成されてパチンコ球の接触に伴い作動する第1作動機構(図示せず)と、前記第2可変始動口103に入賞したパチンコ球が接触し得るよう構成されてパチンコ球の接触に伴い作動する第2作動機構(図示せず)とを備えている。そして、第2始動口開閉部材166が閉鎖位置にある状態において、前記作動口101に入球したパチンコ球が第1作動機構に接触することで、第2始動口開閉部材166が閉鎖位置から開放位置に変位すると共に、第2始動口開閉部材166が開放位置にある状態において、第2可変始動口103に入賞したパチンコ球が第2作動機構に接触することで、第2始動口開閉部材166が開放位置から閉鎖位置に変位するよう構成されている。すなわち、第1および第2可変始動入賞部161,162は、作動口101または対応の可変始動口102,103を通過したパチンコ球との接触により始動口開閉部材165,166が開閉動作する機械式の入賞部として構成されている。
(可変作動入球部130について)
前記可変作動入球部130は、図3、図5に示すように、前記作動口101を閉鎖する閉鎖位置および該作動口101を開放する開放位置に変位可能な作動口開閉部材131と、該作動口開閉部材131を駆動する電動式駆動手段としての第1ソレノイド135と、当該第1ソレノイド135を作動口開閉部材131に連繋接続する第1連繋部136とを備え、第1ソレノイド135が駆動制御することで作動口開閉部材131が開放位置および閉鎖位置に変位するようされる。なお、図5(a)には、作動口開閉部材131が開放位置に変位した状態を示してある。すなわち、前記第1ソレノイド135の駆動に伴って作動された作動部が前記作動口開閉部材131を閉鎖位置および開放位置に変位させることで、前記通出通路110を流下するパチンコ球の作動口101への入球が許容された状態と、入球が阻止された状態とに切り替わるよう構成されている。なお、作動口開閉部材131が作動口101を閉鎖する状態としては、当該作動口開閉部材131により作動口101が完全に塞がれて前記通出通路110に開口しない状態である必要はなく、パチンコ球が入球不能となるよう作動口101が塞がれた状態であれば、作動口101が通出通路110に開口している状態であってもよい。なお、前記作動口開閉部材131は、前後方向に進退し得るよう前記本体部材105に支持されており、前記閉鎖位置において前記取付ベース部106より後方へ退避すると共に、前記開放位置において作動口101を介して取付ベース部106より前方へ突出するよう構成され、当該開放位置において通出通路110を通過するパチンコ球を受け止めて作動口101へ誘導するようになっている。
また、前記可変入球装置100には、図5(a)に示すように、前記作動口101に連通する導入通路143が設けられると共に、当該導入通路143を通過するパチンコ球を検出する球検出センサ147が配設されている。前記導入通路143に設けられた球検出センサ147は、前記メイン制御基板60に電気的に配線接続されており、当該球検出センサ147からの検出信号が入力されることで、作動口101へのパチンコ球の入球が発生したことをメイン制御CPU60aが認識し得るようになっている。なお、以下の説明では、前記導入通路143を通過するパチンコ球を検出する球検出センサを、入球検出センサ147と指称する場合がある。
また、前記可変入球装置100には、図3〜図5に示すように、前記入球検出センサ147の下流側において、第1可変始動入賞部161に連通する第1の分岐経路145および第2可変始動入賞部162に連通する第2の分岐経路146が設けられている。そして、前記導入通路143が第1および第2可変始動入賞部161,162に分岐する分岐位置に、当該導入通路143を通過したパチンコ球を第1または第2可変始動入賞部161,162の何れかへ振り分ける通路振分部150が設けられ、作動口101に入球して入球検出センサ147に検出されたパチンコ球が通路振分部150によって第1または第2可変始動入賞部161,162の何れかへ誘導されるようになっている。なお、前記通路振分部150は、パチンコ球を第1の分岐経路145へ通出させる第1振分位置(図5(b)の実線)およびパチンコ球を第2の分岐経路146へ通出させる第2振分位置(図5(b)の二点鎖線)に変位可能な振分体(振分手段)151と、該振分体151を駆動する電動式駆動手段としての第2ソレノイド152とを備えており、第2ソレノイド152を駆動制御することで振分体151が第1振分位置および第2振分位置に移動するようになっている。また、第1の分岐経路145を通過するパチンコ球を検出する第1通過検出センサ(球検出センサ)85および第2の分岐経路146を通過するパチンコ球を検出する第2通過検出センサ(球検出センサ)86が設けられており、当該通過検出センサ85,86の夫々がメイン制御基板60に配線接続されている(図11参照)。すなわち、各通過検出センサ85,86がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることで、各通過検出センサ85,86に対応した分岐経路145,146の可変始動入賞部161,162の作動を、メイン制御基板60が把握し得るようになっている。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域21外の右下部位置)には、図2に示すように、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56および状態表示部58が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(表示手段)50A,50Bは、前記固定始動口31、第1または第2可変始動口102,103への入賞(各始動口に対応の検出センサ75,77,78による球検出)を契機として行われる特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する第1の図柄表示手段としての表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記固定始動口31または第1可変始動口102への入賞を契機として変動表示(以下特図変動表示という場合がある)を開始する第1特図表示部50Aと、第2可変始動口103への入賞を契機として特図変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部(LEDランプ)により構成されている。そして、前記固定始動口31または第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する特図変動表示が行われて、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して表示態様を可変し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス表示器、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、特図当り判定の結果が特図当りとなる判定結果か否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記各特図表示部では、LEDランプの点灯位置により特図当りを認識し得る特図当り表示(特図当り図柄)としての特図と、特図はずれを認識し得るはずれ表示結果としての特図とが表示可能に構成されて、特図当り判定の判定結果に応じて1つの特図が特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。すなわち、実施例の第1および第2特図表示部50A,50Bでは、8つのLEDの発光態様にて特図当り判定の判定結果(特図当りまたは特図はずれ)を表示するようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
ここで、特図当りとは条件装置の作動を伴う遊技状態である。条件装置とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置である。ここで、役物連続作動装置は、特別電動役物(実施例では特別入賞部40)を連続して作動させることができる特別の装置であって、条件装置が作動する場合に役物連続作動装置が作動可能となるよう構成されている。すなわち、前記特図当り判定の判定が特図当り遊技を生起させる判定結果である場合に前記条件装置が作動可能となると共に、役物連続作動装置が作動可能となるよう構成されている。具体的には、特図変動表示で特図当りが発生(特図当り図柄の停止表示)した場合に条件装置が作動するよう構成されており、特図当りが発生(特図当り図柄の停止表示)することで、条件装置の作動および非作動を識別可能するための特定のフラグ(役物連続作動フラグ)が条件装置の作動を識別可能な第1状態(オン)に設定されるようになっている。そして、役物連続作動フラグが第1状態(オン)に設定されることにより前記役物連続作動装置が作動されて、特別電動役物(特別入賞部40)の連続作動が可能となる。すなわち、実施例では、条件装置の作動と同時に役物連続作動装置が作動すると共に、当該役物連続作動装置の作動以後に特別電動役物(特別入賞部40)を作動して特図当り遊技(具体的には後述するラウンド遊技R)が開始するよう構成されている。また、前記メイン制御CPU60aは、前記条件装置が作動した状態(役物連続作動フラグがオン)の場合には特図当り判定を実行しないよう構成されて、特図当り遊技に重複して当選しないようになっている。一方で、条件装置が作動しないとは、非作動を識別可能な第2状態(オフ)に役物連続作動フラグが設定されていることを意味する。なお、条件装置としては、前述したフラグのようにソフトウェア的に切り替えられるものであってもよく、また電気的にオンオフされるスイッチ手段であってもよい。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記固定始動口31、第1または第2可変始動口102,103の何れかにパチンコ球が入賞した際に取得される入球情報としての入賞情報(後述する特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の記憶数(保留数)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記固定始動口31または第1可変始動口102にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報(第1の始動保留情報)として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2可変始動口102にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報(第2の始動保留情報)として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、固定始動口31または第1可変始動口102の何れかにパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2可変始動口103へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、隣接した複数(実施例では2つ)のLEDランプから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ76のパチンコ球の検出(ゲート材33のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示手段である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサ76のパチンコ球の検出(ゲート部材33のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する第2の図柄変動演出としての変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では2種類)の普図を表示するようになっており、前記普図表示部55では、LEDランプの点灯位置により普図当りを認識し得る普図当り表示(普図当り図柄)としての普図と、普図はずれを認識し得るはずれ表示結果としての普図とが表示可能に構成されて、普図当り判定の判定結果に応じて1つの普図が普図表示部55に確定停止表示される。すなわち、実施例の普図表示部55では、2つのLEDの発光態様にて普図当り判定の判定結果(普図当りまたは普図はずれ)を表示するようになっている。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部33をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部(LEDランプ)により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部33をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56のLEDランプが一方から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56のLEDランプが一方から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(確変について)
また、実施例のパチンコ機10は、特図当り判定の判定結果が条件装置を作動可能な判定結果である場合に、特図当り遊技とは異なる特定状態として遊技者に有利な特典遊技状態を付与し得るよう構成されている。具体的には、特図当り判定の判定結果が条件装置を作動可能な判定結果である場合に、当該条件装置の作動に伴って作動される役物連続作動装置の作動が終了することで、特図当り遊技の後述するエンディング時間ED(終了待機時間)の間から遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与し得るようになっている。実施例では、役物連続作動装置の作動終了と同時に第1特典遊技状態を付与し得るよう構成されている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞頻度を、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加可能となる状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り判定が当りの判定結果(当選)となる確率(当選確率)を低確率(例えば、1/399)から高確率(例えば、1/60)に変動することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機の発生割合を高くすることができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を付与された遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。また、確変状態が付与されていない通常の遊技状態(低確率状態)を非確変状態というものとする。このように、確変状態が付与されると、特図当り遊技の当選確率が高確率に変動して特図当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
ここで、前記確変状態は、所定の確変状態付与条件(第1特典遊技状態付与条件)が満たされることを条件として付与することが決定され、当該確変状態を付与することを決定した場合に、所定の確変移行条件(第1特典遊技状態移行条件)が満たされることを条件として確変状態に移行するよう構成されている。実施例では、確定停止表示された特図当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄であることを条件(確変状態付与条件)として確変状態を付与することが決定されるよう構成されている。すなわち、特図当り遊技の終了後に確変状態が付与される特図当り遊技が確変特図当り遊技であり、確変状態が付与されない特図当り遊技が非確変特図当り遊技となる。また、実施例では、確変状態が付与される場合には、特図当り遊技のエンディング時間EDの間から次の特図当り遊技が付与されるまでの間継続して確変状態が付与される。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)が行われる毎に非確変状態に移行させるか確変状態を維持するかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選した場合に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、特図当り判定の判定結果が条件装置を作動可能な判定結果である場合に、当該条件装置の作動に伴って作動される役物連続作動装置の作動が終了することで、特図当り遊技の後述するエンディング時間ED(終了待機時間)の間から遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態を付与し得るようになっている。実施例では、役物連続作動装置の作動終了と同時に第2特典遊技状態を付与し得るよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、役物連続作動装置の作動終了と同時に第1特典遊技状態および第1特典遊技状態の何れかまたは両方を付与し得るようになっている。ここで、第2特典遊技状態としては、作動口開閉部材131により開閉される前記作動口101へのパチンコ球の入賞頻度を、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態と較べて増加可能となる入球容易状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り判定に伴う普図当りとなる確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての作動口101を開放する作動口開閉部材131の開放時間を増やすこと、により作動口101へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての作動口101を開放する作動口開閉部材131の開放時間を増やすに際しては、作動口開閉部材131の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また作動口開閉部材131の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせてある。また、以下の説明では、第2特典遊技状態を付与された遊技状態を、便宜的に「変短状態」というものとする。すなわち、変短状態は、作動口101へのパチンコ球の入球率が向上した入球容易状態である。なお、実施例の変短状態では、特図当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率低確率(実施例では、1/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させるよう設定されている。
ここで、前記変短状態は、所定の変短状態付与条件(第2特典遊技状態付与条件)が満たされることを条件として付与することが決定され、当該変短状態を付与することを決定した場合に、所定の変短移行条件(第2特典遊技状態移行条件)が満たされることを条件として変短状態に移行するよう構成されている。実施例では、確定停止表示された特図当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄であることを条件(変短状態付与条件)として変短状態を付与することが決定されるよう構成されている。すなわち、特図当り遊技のエンディング時間EDの間から特図当り遊技の終了後に変短状態が付与される特図当り遊技が変短特図当り遊技であり、変短状態が付与されない特図当り遊技が非変短特図当り遊技となる。ここで、確変状態を付与する確変状態付与条件と、変短状態を付与する変短状態付与条件とは、同一の条件とすることもでき、また異なる条件とすることもできる。実施例では、確変状態付与条件および変短状態付与条件が同時に成立する特図当り図柄(特図1または特図2)が定められると共に、確変状態付与条件および変短状態付与条件の一方(実施例では変短状態付与条件)のみが成立する特図当り図柄(特図1または特図2)が定められている。また、実施例では、変短状態が付与される場合には、確定停止表示された特図当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄に応じて、変短状態が付与される期間が異なるよう構成されている。具体的には、確変状態付与条件および変短状態付与条件が同時に成立する場合には、確変状態が付与される間継続して変短状態が付与されるよう構成され、変短状態付与条件のみが成立する場合には、特図当り遊技の終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して変短状態が付与されるよう構成されている。
(特図当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される特図当り遊技について説明する。特図当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに特図当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されて特図当り遊技の開始を示す演出を実行可能なオープニング時間OPと、オープニング時間OPの経過後に行われて特別入賞部40の開閉部材43が開閉作動される規定ラウンド数(実施例では16ラウンド)のラウンド遊技Rと、特図当り遊技の終了を示す演出を実行可能なエンディング時間EDとにより構成されている。ここで、前記オープニング時間OPおよびエンディング時間EDは、前記特別入賞部40の開閉部材43が閉鎖状態に保持される時間である。すなわち、オープニング時間OPは、特別入賞部40が開放を開始するまでの開放待機時間として設定されている。また、エンディング時間EDは、特別電動役物としての特別入賞部40の最終の開放作動が終了した後に当該特別入賞部40の開閉部材43を閉鎖状態に保持する終了待機時間として設定されている。ここで、オープニング時間OPは、特図当り遊技の種類に関わらず同じ時間を設定するようにしてもよく、特図当り遊技の種類毎に異なる時間を設定するようにしてもよい。同様に、エンディング時間EDは、特図当り遊技の種類に関わらず同じ時間を設定するようにしてもよく、特図当り遊技の種類毎に異なる時間を設定するようにしてもよい。また、エンディング時間EDの間は、メイン制御CPU60aが新たな特図当り判定を実行しないよう構成されており、特図当り判定の実行を契機とした遊技の進行を待機させる待機時間として設定されている。
そして、前記ラウンド遊技Rにおいて、決定された特図当り遊技の種類に応じて定められた作動パターンに基づいて前記特別入賞部40の開閉部材43を開放状態および閉鎖状態に開閉させるようメイン制御基板60のCPU60aが作動制御されるよう構成され、当該ラウンド遊技Rにおいて特別入賞口41への入賞が可能となるようになっている。1回のラウンド遊技Rは、特別入賞口41に規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技Rの開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、特図当り遊技における各ラウンド遊技Rの間は、所定時間だけ開閉部材43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
ここで、前記ラウンド遊技Rにおける開閉部材43の作動パターンは、パチンコ球を所定の発射間隔(例えば、100個のパチンコ球が1分間に発射される間隔)で連続的に発射した場合に、前記閉鎖状態から開放状態へ変位して更に閉鎖状態に復帰するまでの1回の往復動作においてラウンド遊技Rに定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開閉部材43を開放状態に継続保持する長時間動作と、該長時間動作よりも開閉部材43を開放状態に継続保持する時間が短く、開閉部材43の1回の往復動作においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な時間または入賞可能な開放時間であっても規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な時間だけ開閉部材43を開放状態に継続保持する短時間動作とを適宜に組み合わせて構成されている。すなわち、1回のラウンド遊技Rにおいて特別入賞部40の開閉部材43を作動させる作動パターンとして、長時間動作のみで開閉部材43を作動させる作動パターンと、長時間動作および短時間動作を組み合わせて開閉部材43を作動させる作動パターンと、短時間動作のみで開閉部材43を作動させる作動パターンとが設定することが可能である。実施例では、開閉部材43に長時間動作のみを行わせる第1のラウンド遊技Rと、開閉部材43に短時間動作のみを行わせる第2のラウンド遊技Rとが設定されて、特図当り遊技の種類毎に、第1および第2のラウンド遊技Rの何れか一方または両方を規定ラウンド数分だけ組み合わせてある。
また、特図当り遊技では、オープニング時間OP、ラウンド遊技Rおよびエンディング時間EDを利用して、後述する統括制御基板65の制御に基づいて特図当り遊技の種類に応じた特図当り遊技演出を行うよう構成されている。なお、特図当り遊技演出は、前記図柄表示装置17で行われる表示演出や、音出力手段(スピーカ19)から出力される音による演出、発光演出手段(ランプ装置18等)の発光による演出を組み合わせて行うことができる。なお、ランプ装置18は、中枠12や前枠13等のパチンコ機10の枠部材に配設されたものや、遊技盤20に配設されたものがある。また、可動体を有する可動演出手段を備える構成にあっては、当該可動体の動作による演出を特図当り遊技演出に組み合わせることができる。ここで、特図当り遊技演出として、特図当り遊技の開始を識別可能な演出が行われるオープニング演出や、特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を狙うことができる期間であることを識別可能な演出が行われるラウンド演出や、特図当り遊技の終了を識別可能な演出が行われるエンディング演出が、特図当り遊技の種類に応じて行われる。なお、このオープニング演出は、オープニング時間OPの開始(特図当り遊技の開始)に合わせて開始され、エンディング演出は、エンディング時間EDの終了(特図当り遊技の終了)に合わせて終了されるようになっている。ここで、オープニング演出やラウンド演出、エンディング演出の夫々は、演出の境目を区別し得る演出内容である必要はなく、連続した映像のように共通した演出を実行することで演出の境目を区別し得ないようにすることも可能である。
(特図当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図6に示すように、条件装置の作動を伴う特図当り遊技に当選した場合(特図当り遊技を生起する当りの判定結果である場合)に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の特図当り遊技の中から1つの特図当り遊技がメイン制御CPU60aにより決定され、その決定された特図当り遊技が付与される。ここで、複数種類の特図当り遊技の内で何れの特図当り遊技が付与されるかは、特図当り判定に当選した際に決定される特図当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。すなわち、条件装置の作動を伴う特図当り遊技には、特別入賞部40の作動態様や特図当り遊技の終了後に遊技者に付与される特典(付加価値)が異なる複数種類が設定されており、特図当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて選択されるようになっている。
(固定始動口31または第1可変始動口102への入賞に基づく特図当り図柄について)
前記固定始動口31または第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り判定が当りとなる判定結果(以下、単に肯定判定という)の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の特図当り図柄の中から1つの特図当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、固定始動口31または第1可変始動口102へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の特図当り図柄(図柄A〜図柄C)の中から1つの特図当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機10では、固定始動口31または第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り判定が肯定判定の場合に、70%の割合で特図当り図柄としての図柄Aが選択され、15%の割合で特図当り図柄としての図柄Bが選択され、15%の割合で特図当り図柄としての図柄Cが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した特図当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第1の特図当り遊技について)
前記図柄Aに対応した第1の特図当り遊技は、第1の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される特図当り図柄として設定されている。また、前記図柄Aに対応した第1の特図当り遊技は、第1の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第1開閉動作パターンP1で動作させる特図当り図柄として設定される。また、前記第1の特図当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド特図当り遊技である。この第1の特図当り遊技では、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技Rは、ラウンド遊技Rの開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する長時間動作を開閉部材43に行わせるよう設定されている。一方で、第1の特図当り遊技における5ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技Rは、ラウンド遊技Rの開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放させるものの、4ラウンド目までに開閉部材43に行わせる前記長時間動作よりも特別入賞口41の開放時間が短くなる短時間動作を開閉部材43に行わせるよう設定されている。すなわち、第1の特図当り遊技における1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技Rは、1回のラウンド遊技Rに定められた規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定され、5ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技Rは、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定されている。
具体的に実施例では、第1の特図当り遊技では、1ラウンド目(1R)〜4ラウンド目(4R)の1回のラウンド遊技Rのラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技Rにおいて前記開閉部材43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、5ラウンド目(5R)〜16ラウンド目(16R)の1回のラウンド遊技Rのラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、第1の特図当り遊技では、ラウンド間インターバル時間(Int)が「2.0(秒)」に設定されている。そして、第1の特図当り遊技では、オープニング時間OPとして「10.0(秒)」が設定され、エンディング時間EDとして「11.0(秒)」が夫々設定されている。すなわち実施例において、第1の特図当り遊技は、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技Rにおけるパチンコ球の入賞により500個前後の賞球を獲得し得る形態で特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
(第2の特図当り遊技について)
前記図柄Bに対応した第2の特図当り遊技は、第2の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される特図当り図柄として設定されている。また、前記図柄Bに対応した第2の特図当り遊技は、第2の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させる特図当り図柄として設定される。また、前記第2の特図当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド特図当り遊技である。この第2の特図当り遊技の各ラウンド遊技Rにおける開閉部材43の開閉動作は、前述した第1の特図当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち、第2の特図当り遊技では、オープニング時間OPとして「10.0(秒)」が設定されると共に、エンディング時間EDとして「11.0(秒)」が夫々設定されており、16回のラウンド遊技Rにおいて第1の特図当り遊技と同様に長時間動作または短時間動作を開閉部材43に行わせるよう構成されている。従って、実施例では、第2の特図当り遊技は、第1の特図当り遊技と同様に500個前後の賞球を獲得し得る形態で前記特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成されている。このように、図柄Aおよび図柄Bは、対応する特図当り遊技終了後の普図当りの当選に伴う前記可変作動入球部130の作動口開閉部131の開閉動作パターンが異なった特図当り図柄として設定されている。
(第3の特図当り遊技について)
前記図柄Cに対応した第3の特図当り遊技は、第3の特図当り遊技の後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される特図当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図柄C(第3の特図当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間として、当該第3の特図当り遊技の後に所定回数(具体的には10回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計数)が実行される期間に設定されている。また、前記図柄Cに対応した第3の特図当り遊技は、第3の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させる特図当り図柄として設定される。また、前記第3の特図当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド特図当り遊技である。この第3の特図当り遊技の各ラウンド遊技Rにおける開閉部材43の開閉動作は、前述した第1の特図当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち、第3の特図当り遊技では、オープニング時間OPとして「10.0(秒)」が設定されると共に、エンディング時間EDとして「11.0(秒)」が夫々設定されており、16回のラウンド遊技Rにおいて第1の特図当り遊技と同様に長時間動作または短時間動作を開閉部材43に行わせるよう構成されている。従って、実施例では、第3の特図当り遊技は、第1の特図当り遊技と同様に当該第3の特図当り遊技において500個前後の賞球を獲得し得る形態で前記特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
(第2可変始動口103への入賞に基づく特図当り図柄について)
前記第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の特図当り図柄の中から1つの特図当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、第2可変始動口103へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の特図当り図柄(図柄a〜図柄c)の中から1つの特図当り図柄を決定するよう設定される。更に、実施例のパチンコ機10では、70%の割合で特図当り図柄としての図柄aが選択され、15%の割合で特図当り図柄としての図柄bが選択され、15%の割合で特図当り図柄としての図柄cが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお前述した特図当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第4の特図当り遊技について)
前記図柄aに対応した第4の特図当り遊技は、第4の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される特図当り図柄として設定されている。また、図柄aに対応した第4の特図当り遊技は、第4の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させる特図当り図柄として設定される。また、前記第4の特図当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド特図当り遊技である。この第4の特図当り遊技では、1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技Rはラウンド遊技Rの開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間動作を開閉部材43に行わせるよう設定されている。すなわち、第4の特図当り遊技における1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技Rは、1回のラウンド遊技Rに定められた規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定されている。
具体的に、第4の特図当り遊技では、1ラウンド目(1R)〜16ラウンド目(16R)の1回のラウンド遊技Rのラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技Rにおいて前記開閉部材43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。そして、第4の特図当り遊技では、オープニング時間OPとして「10.0(秒)」が設定され、エンディング時間EDとして「11.0(秒)」が夫々設定されている。すなわち実施例において、第4の特図当り遊技は、1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技Rにおけるパチンコ球の入賞により2000個前後の賞球を獲得し得る形態で特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
(第5の特図当り遊技について)
前記図柄bに対応した第5の特図当り遊技は、第5の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される特図当り図柄として設定されている。また、図柄bに対応した第5の特図当り遊技は、第5の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させる特図当り図柄として設定される。また、前記第5の特図当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド特図当り遊技である。この第5の特図当り遊技では、1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技Rはラウンド遊技Rの開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する短時間動作を開閉部材43に行わせるよう設定されている。ここで、第5の特図当り遊技における1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技Rは、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で開閉部材43が開放動作するよう設定されている。具体的に、第5の特図当り遊技では、1ラウンド目(1R)〜16ラウンド目(16R)の1回のラウンド遊技Rのラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。そして、第5の特図当り遊技では、オープニング時間OPとして「0.004(秒)」が設定されると共に、エンディング時間EDとして「5.0(秒)」が夫々設定されている。すなわち実施例において、第5の特図当り遊技は、1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてパチンコ球が略入賞が不可能で賞球を殆ど獲得し得ない形態(例えば0〜50個程度)で特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成される。
(第6の特図当り遊技について)
前記図柄cに対応した第6の特図当り遊技は、第6の特図当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与されない特図当り遊技として設定されている。また、前記図柄cに対応した第6の特図当り遊技は、第6の特図当り遊技の後に次の特図当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第3開閉動作パターンP3で動作させる特図当り図柄として設定される。また、前記第6の特図当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド特図当り遊技である。この第6の特図当り遊技の各ラウンド遊技Rにおける開閉部材43の開閉動作は、前述した第5の特図当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち、第6の特図当り遊技では、オープニング時間OPとして「0.004(秒)」が設定されると共に、エンディング時間EDとして「5.0(秒)」が夫々設定されており、16回のラウンド遊技Rにおいて第5の特図当り遊技と同様に短時間動作のみを開閉部材43に行わせるよう構成されている。従って、実施例では、第6の特図当り遊技は、第5の特図当り遊技と同様に当該第6の特図当り遊技において賞球を殆ど獲得し得ない形態(例えば0〜50個程度)で特別入賞部40の開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
すなわち、実施例のパチンコ機10は、決定された特図当り遊技の種類に応じて、特図当り遊技後に遊技可能な複数種類の遊技状態が設定されている。すなわち、確変状態および変短状態が付与されると共に作動口開閉部材131が第1開閉動作パターンP1で動作する第1の特図当り遊技後に遊技可能な遊技状態と、確変状態および変短状態が付与されると共に作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2で動作する第2,第4および第5の特図当り遊技後に遊技可能な遊技状態と、確変状態および変短回数10回の変短状態が付与されると共に作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2で動作する第3の特図当り遊技後に遊技可能な遊技状態と、確変状態および変短状態が付与されず、作動口開閉部材131が第3開閉動作パターンP3で動作する第6の特図当り遊技後に遊技可能な遊技状態とが設定されている。ここで、第3開閉動作パターンP3は、確変状態および変短状態が付与されていない状態で作動口開閉部材131が動作される動作パターンであり、第3の特図当り遊技後に付与された10回の変短回数の図柄変動演出が行われた後にも、作動口開閉部材131が第3開閉動作パターンP3で動作するよう構成される。
(可変作動入球部130および通路振分部150の駆動制御について)
前記メイン制御CPU60aは、普図当りに伴って作動口101に入球したパチンコ球を通出させる第1または第2の分岐経路145,146を決定するよう構成されている。具体的には、普図当りに伴う可変作動入球部130の作動口開閉部材131の動作態様(開閉動作パターンP1〜P3)をメイン制御CPU60aが決定することで、前記作動口101に入球したパチンコ球が第1の分岐経路145および第2の分岐経路146の何れかに振り分けられるよう構成されている。ここで、作動口101に入球したパチンコ球が第1の分岐経路145および第2の分岐経路146の何れの通路に振り分けられるかは、前記可変入球装置100の前記振分領域にパチンコ球が到来するタイミングと、そのタイミングにおける通路振分部150の振分体151の動作位置とにより定まる。そこで、通路振分部150の振分体151の動作態様と、メイン制御CPU60aが決定する可変作動入球部130の作動口開閉部材131の動作態様との関係について、説明する。
(通路振分部150における振分体151の動作について)
前記通路振分部150は、普図当りに伴って一定の動作パターンで前記第1振分位置および第2振分位置に振分体151が変位するよう前記メイン制御CPU60aにより駆動制御される。具体的に、図12に示すように、普図当りに当選した場合には、普図当りとなる普図変動表示が終了してから所定の作動タイミングにおいて振分体151を第1振分位置から第2振分位置に変位させ、第2振分位置への変位から所定の時間(第1振分時間TZ1)の経過後に、当該振分体151を第2振分位置から第1振分位置に変位させ、普図当りとなる普図変動表示が終了してから所定の時間(第2振分時間TZ2)の経過後に、当該振分体151を第1振分位置から第2振分位置に変位させると共に、普図当りとなる普図変動表示が終了してから所定の時間(第3振分時間TZ3)の経過後に、当該振分体151を第2振分位置から第1振分位置に変位させるよう構成されている。すなわち、普図当りとなる普図変動表示が終了してから、振分体151が第1振分位置にあるタイミングで前記分岐位置まで到来したパチンコ球が、第1の分岐経路145へ振り分けられ、通路振分部150の振分体151が第2振分位置にあるタイミングで分岐位置まで到来したパチンコ球が、第2の分岐経路146へ振り分けられる。ここで、実施例では、普図当りとなった場合に普図変動表示が終了してから所定の開放待機時間(例えば500ミリ秒)が経過したタイミングが、作動タイミングに設定されている。
また、前記第1振分時間TZ1は、第1振分位置から第2振分位置への振分体151の変位(作動タイミング)と同時に作動口101に入球したパチンコ球が分岐位置まで移動するのに必要な時間よりも短い時間に設定されている。すなわち、振分体151の作動タイミングと同時に作動口101に入球したパチンコ球は、実質的に前記第2の分岐経路146へ移動不能となっており、第1振分時間TZ1の経過に伴って第1位置に変位した振分体151により第1の分岐経路145へ振り分けられるようになっている。すなわち、通路振分部150は、実質的に、普図当りに伴って第1の分岐経路145へのパチンコ球の振分動作を行った後に、第2の分岐経路146へのパチンコ球の振分動作を行うよう前記メイン制御CPU60aにより駆動制御される。
(可変作動入球部130における作動口開閉部材131の動作について)
前記メイン制御CPU60aは、前述のように、決定された特図当り図柄の種類(特図当り遊技の種類)に応じて、可変作動入球部130の作動口開閉部材131の動作態様を定めた開閉動作パターンP1〜P3を決定するよう構成されている。すなわち、特図当り遊技後に普図当りに当選した際には、前回の特図当りに伴って決定された開閉動作パターンP1〜P3に基づいて可変作動入球部130の作動口開閉部材131が動作されるようになっている。ここで、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を開閉動作させる開閉動作パターンP1〜P3として、作動口101に入球したパチンコ球が前記第1の分岐145および第2の分岐経路146に振り分けられる割合(可能性)が異なる複数種類の開閉動作パターンP1〜P3が設定されている。なお、メイン制御CPU60aは、決定された特図当り図柄の種類(特図当り遊技の種類)だけでなく、特図当り遊技後の遊技状態が確変状態および変短状態が付与されていない状態への切り替わりに応じて可変作動入球部130の作動口開閉部材131の動作態様として第3開閉動作パターンP3を決定するようになっている。
実施例では、作動口開閉部材131の開放動作に伴い作動口101に入球したパチンコ球が第1の分岐経路145に振り分けられる割合の高い第1開閉動作パターンP1および第3開閉動作パターンP3と、作動口開閉部材131の開放動作に伴い作動口101に入球したパチンコ球が第2の分岐経路146に振り分けられる割合の高い第2開閉動作パターンP2とが設定されている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、作動口101に入球したパチンコ球を通出させる分岐通路を決定する通出通路決定手段としての機能を備えている。なお、第1開閉動作パターンP1および第3開閉動作パターンP3に基づいて作動口開閉部材131が開閉動作した場合に作動口101に入球した全てのパチンコ球が、第1の分岐経路145に振り分けられるようにしてもよく、また作動口101へのパチンコ球の入球タイミングによって第1および第2の分岐経路145,146の何れかに振り分けられると共に第1の分岐経路145へ振り分けられる可能性が高くなるようにしてもよい。同様に、第2開閉動作パターンP2に基づいて作動口開閉部材131が開閉動作した場合に作動口101に入球した全てのパチンコ球が、第2の分岐経路146に振り分けられるようにしてもよく、また作動口101へのパチンコ球の入球タイミングによって第1および第2の分岐経路145,146の何れかに振り分けられると共に第2の分岐経路146へ振り分けられる可能性が高くなるようにしてもよい。
(第1開閉動作パターンP1について)
前記第1開閉動作パターンP1は、図12に示すように、普図当りに当選した場合には、普図当りとなるとなる普図変動表示が終了してから所定の作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第1作動口開放時間TA1の経過後に作動口開閉部材131を開放位置から閉鎖位置に変位させて普図当り終了まで閉鎖位置に保持する動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。すなわち、第1開閉動作パターンP1では、普図当りに当選した際に、第1作動口開放時間TA1の開放動作を作動口開閉部材131に1回行わせるよう設定されている。ここで、第1開閉動作パターンP1における前記作動タイミングは、普図当りとなる普図変動表示が終了してから前記通路振分部150の振分体151を、第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
前記第1作動口開放時間TA1は、前記第1振分時間TZ1よりも長く、かつ第2振分時間TZ2よりも短く設定されて、第1作動口開放時間TA1の経過した時点において、当該振分体151が第2振分位置に変位しているようになっている。そして、第2振分時間TZ2と第1作動口開放時間TA1との時間差TRは、第1作動口開放時間TA1が経過する直前に作動口101に入球したパチンコ球が分岐位置まで移動するのに必要な時間よりも長い時間に設定されている。すなわち、実施例では、第1開閉動作パターンP1に基づいて可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開閉動作した際に、作動口101に入球したパチンコ球が分岐位置まで移動した時点で前記振分体151が第1振分位置に位置するよう可変作動入球部130および通路振分部150が駆動制御され、作動口101に入球した全てのパチンコ球が、第1の分岐経路145に振り分けられるようになっている。なお、第1作動口開放時間TA1は、所定の打ち出し間隔で連続して遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球が作動口101に入球可能な時間に設定され、実施例では第1作動口開放時間TA1を「2.0秒」に設定してある。すなわち、第1開閉動作パターンP1は、前記通路振分部150の振分体151が少なくとも第1振分位置にある状態で作動口開閉部材131が開放位置に変位する第1の開放動作態様である。
(第2開閉動作パターンP2について)
前記第2開閉動作パターンP2は、図12に示すように、普図当りに当選した場合には、普図当りとなる普図変動表示が終了してから所定の作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第2作動口開放時間TB1の経過後に作動口開閉部材131を開放位置から閉鎖位置に変位させ、普図当りが開始してから第2作動口開放時間TB2の経過後に作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、普図当りが開始してから第3作動口開放時間TB3の経過後に作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させて普図当り終了まで閉鎖位置に保持する動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。ここで、実施例では、普図当りとなる普図変動表示が終了してから第2作動口開放時間TB2の経過後に、所定の打ち出し間隔で連続して遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球が作動口101に入球可能な第4作動口開放時間TB4となる複数回(実施例では3回)の開閉動作を作動口開閉部材131に行わせるようになっている。すなわち、第2開閉動作パターンP2では、普図当りに当選した際に、第2作動口開放時間TB1の開放動作を作動口開閉部材131が1回行うと共に、第4作動口開放時間TB4の開放動作を作動口開閉部材131が3回行うよう設定されている。ここで、第2開閉動作パターンP2における前記作動タイミングは、普図当りとなる普図変動表示が終了してから前記通路振分部150の振分体151を、第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
前記第2作動口開放時間TB1は、第2開閉動作パターンP2に基づく閉鎖位置から開放位置へ作動口開閉部材131の変位と同時に作動口101に入球したパチンコ球が分岐位置まで移動するのに必要な時間よりも短い時間に設定されている。より具体的には、第2作動口開放時間TB1は、前記第1振分時間TZ1と同じ時間に設定されており、作動口101の開放と同時に入球したパチンコ球は、実質的に前記第2の分岐経路146へ振り分けられることなく第1の分岐経路145へ振り分けられるようになっている。また、第2作動口開放時間TB2は、当該第3作動口開放時間TB3の経過に伴って作動口開閉部材131が開放位置に変位するのと同時に作動口101に入球したパチンコ球が分岐位置まで移動した際に、前記振分体151が第2振分位置に変位している時間に設定されている。より具体的には、第2作動口開放時間TB2は、前記第2振分時間TZ2と同じ時間に設定されており、第2作動口開放時間TB2の経過に伴う作動口101の開放と同時に入球したパチンコ球が、前記第2の分岐経路146へ振り分けられるようになっている。すなわち、実施例では、第2開閉動作パターンP2に基づいて可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開閉動作した際に、作動口101に入球したパチンコ球が分岐位置まで移動した時点の多くで前記振分体151が第2振分位置に位置するよう可変作動入球部130および通路振分部150が駆動制御され、作動口101に入球した殆どのパチンコ球が、第2の分岐経路146に振り分けられるようになっている。なお、第4作動口開放時間TB4は、所定の打ち出し間隔で連続して遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球が作動口101に入球可能な時間に設定され、実施例では第4作動口開放時間TB4を「1.6秒」に設定してある。すなわち、第2開閉動作パターンP2は、前記通路振分部150の振分体151が少なくとも第2振分位置にある状態で作動口開閉部材131が開放位置に変位する第2の開放動作態様とされている。
(第3開閉動作パターンP3について)
前記第3開閉動作パターンP3は、図12に示すように、普図当りに当選した場合には、普図当りとなる普図変動表示が終了してから所定の作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第5作動口開放時間TC1の経過後に作動口開閉部材131を開放位置から閉鎖位置に変位させて普図当り終了まで閉鎖位置に保持する動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。すなわち、第3開閉動作パターンP3では、普図当りに当選した際に、第5作動口開放時間TC1の開放動作を作動口開閉部材131に1回行わせるよう設定されている。ここで、第3開閉動作パターンP3における前記作動タイミングは、普図当りが開始してから前記通路振分部150の振分体151を、第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
前記第5作動口開放時間TC1は、第3開閉動作パターンP3に基づく閉鎖位置から開放位置へ作動口開閉部材131の変位と同時に作動口101に入球したパチンコ球が分岐位置まで移動するのに必要な時間よりも短い時間に設定されている。より具体的には、第5作動口開放時間TC1は、前記第1振分時間TZ1(第2作動口開放時間TB1)と同じ時間に設定されており、作動口101の開放と同時に入球したパチンコ球は、実質的に前記第2の分岐経路146へ振り分けられることなく第1の分岐経路145へ振り分けられるようになっている。すなわち、第3開閉動作パターンP3は、前記通路振分部150の振分体151が少なくとも第1振分位置にある状態で作動口開閉部材131が開放位置に変位する第1の開放動作態様である。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、特図当り判定の肯定判定(当りの当選)に伴って特図当り図柄として図柄Aが決定された場合には、前記第1の特図当り遊技後の遊技において第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り遊技(すなわち第1〜第3の特図当り遊技)が発生する可能性が高く、特図当り図柄として図柄Bが決定された場合には、前記第2の特図当り遊技後の遊技において第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り遊技(すなわち第4〜第6の特図当り遊技)が発生する可能性が高くなるよう構成されている。また、特図当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って特図当り図柄として図柄Cが決定された場合には、前記第3の特図当り遊技後の遊技において変短状態が付与されている間(第3の特図当り遊技の終了後の10回の図柄変動演出が行われるまでの間)は、第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り遊技(すなわち第4〜第6の特図当り遊技)が発生する可能性が高く、変短状態の付与が終了した後は、固定始動口31へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り遊技(すなわち第1〜第3の特図当り遊技)が発生する可能性が高くなるようになっている。
更に、特図当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って特図当り図柄として図柄aまたは図柄bが決定された場合には、前記第4の特図当り遊技または第5の特図当り遊技後の遊技において第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り遊技(すなわち第4〜第6の特図当り遊技)が発生する可能性が高く、特図当り図柄として図柄cが決定された場合には、前記第6の特図当り遊技後の遊技において、固定始動口31へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り遊技(すなわち第1〜第3の特図当り遊技)が発生する可能性が高くなるようになっている。すなわち、特図当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って決定される特図当り図柄の種類によって、当該特図当り遊技後の遊技においてパチンコ球が固定始動口31、第1および第2可変始動口102,103へ入賞する入賞割合を変化させることで、次に発生する特図当り遊技の種類が変動するようになっている。
このように、実施例のパチンコ機10では、普図当りの当選を契機(ゲート部33へのパチンコ球の入球を契機)として開放動作する作動口開閉部材131の開放時間に比べて、大当りの当選(第1または第2可変始動口102,103へのパチンコ球の入賞を契機)として開放動作する前記始動口開閉部材165,166の少なくとも1つの開放態様における開放時間の方が長くなるよう前記各第1ソレノイド135および特別入賞ソレノイド42が駆動されるようになっている。
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図11に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60(メイン制御手段)と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70,72,73とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70,72,73に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカの音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカからの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図11に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記固定始動検出センサ75、第1可変始動検出センサ77、第2可変始動検出センサ78、特別入賞検出センサ79、ゲートセンサ76、入球検出センサ147等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示部50A,50B、普図表示部55等の各表示部が接続されて、各センサの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示部の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記可変作動入球部130の第1ソレノイド135、通路振分部150の第2ソレノイド152および特別入賞部40に設けられた特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイドの駆動制御が行われるようになっている。
メイン制御CPU60aは、固定始動口31、第1可変始動口102、第2可変始動口103へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には固定始動検出センサ75、第1または可変始動検出センサ77,78がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが検出センサ75,77,78の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34,35の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記固定始動口31、第1可変始動口102、第2可変始動口103にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の特図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する特図記憶領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して図柄変動演出(特図変動表示)を実行させるよう設定されている。
特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として特図当り遊技を発生するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、特図当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、当りを示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。また、前記特図当り図柄としての特図1および特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される特図当り遊技の種類が特定されるようになっている。実施例では、特図当り遊技の種類毎に特図当り遊技後に確変状態および変短状態を付与するか、或いはこれらを付与しないかが対応して定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。また、特図当り遊技の種類毎に、特図当り遊技後の可変作動入球部130の作動口開閉部材131の開閉動作パターンP1〜P3が対応して定められており、特図決定用乱数が開閉動作パターンP1〜P3を決定する乱数としても機能する。
また、演出実行判定用乱数は、前述した特図当り判定における判定結果が否定となった場合に(特図当りに当選しなかったはずれの場合に)、特図当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン決定用乱数は、図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間を特定する特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン決定用乱数として、「0」〜「228」の全229通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。すなわち、特図変動パターン決定用乱数に基づいて1つの特図変動パターンが特定されることで、特図変動表示の変動時間に合わせて実行可能な図柄変動演出の演出内容が大雑把に決定される。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数や特図決定用乱数、特図変動パターン決定用乱数等の入賞情報は、固定始動口31、第1および第2可変始動口102,103の何れかにパチンコ球が入賞したこと(より具体的には固定始動検出センサ75、第1および第2可変始動検出センサ77,78の何れかがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、固定始動口31、第1可変始動口102、第2可変始動口103へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は共通して使用され、各始動口31,102,103への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、メイン制御CPU60aは、ゲート部33をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ76の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ76の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサ76をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として作動口101の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、普図決定用乱数は、普図当り判定の結果に応じて普図表示部55に確定停止表示させる普図を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、普図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。普図決定用乱数の各値には、普図はずれを示す1種類の普図表示に対応する乱数と、普図当りを示す100種類の普図表示に対応する乱数とが設定されており、該普図決定用乱数の値により、普図表示部55に確定停止表示される普図が特定されるようになっている。前記普図変動パターン振分用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部33をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン振分用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す特図当り判定値が記憶されている。特図当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて当りか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、固定始動口31または第1可変始動口102、第2可変始動口103の何れかにパチンコ球が入賞した際に取得した特図当り判定用乱数が特図当り判定値と一致した場合(特図当り判定が肯定の判定結果の場合)に、図柄変動演出の終了後に特図当り遊技を付与することが決定される一方、特図当り判定用乱数が特図当り判定値と一致しない場合(特図当り判定が否定の判定結果の場合)に、図柄変動演出の終了後に特図当り遊技を付与しないことが決定される。ここで、特図当り判定値は、特図当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっており、非確変状態よりも確変状態の場合に当りとなる確率(特図当り判定用乱数と特図当り判定値との一致確率)が高くなるよう設定される。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定が肯定の判定結果の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した特図当りを示す101種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、特図当り判定の結果が否定の場合に、特図当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行することを決定するか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「240」までの全241通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行することをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
(特図変動パターンについて)
また、メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の特図当り用の特図変動パターン(当り特図変動パターン)と、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターン(リーチはずれ特図変動パターン)と、リーチ演出が行われない通常はずれ用の特図変動パターン(はずれ特図変動パターン)とが設けられている。なお、特図当り用の特図変動パターンは、特図当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、通常はずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、特図当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
そして、メイン制御ROM60bには、特図当り判定や演出実行判定の結果に応じて決定可能な特図変動パターンに対して特図変動パターン決定用判定値を割り当てた特図変動パターン決定テーブルが設定されており、取得された特図変動パターン決定用乱数の値と一致する特図変動パターンをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。また、メイン制御ROM60bには、普図決定用判定値が記憶されている。普図決定用判定値は、普図当り判定の結果が肯定の場合に、普図表示部55に確定停止表示させる普図を、普図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、普図決定用判定値には、前述した普図当りを示す100種類の普図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、普図決定用判定値の夫々に個別に普図が対応付けられている。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図11に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記統括制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図11に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、固定始動口31、第1または第2可変始動口102,103への入賞を契機として当りとするか(当り遊技を生起させるか)を判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技(特図当り遊技)の中から付与する当り遊技を決定する当り遊技決定手段および決定した当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、特図当りが発生する場合(当り判定が肯定の判定結果の場合)に、特図当り遊技が発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与可能な確変付与決定手段として機能するよう構成されている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、特図当り遊技が発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、入球口(作動口101)へパチンコ球が入球する確率が高確率となる変短状態(入球容易状態)を付与可能な入球容易状態付与決定手段として機能し、入球容易状態を付与する場合に変短状態を付与する期間を決定する付与期間決定手段として機能すると共に、決定された付与期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定の判定結果の場合に、始動入賞部への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態や変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。言い換えると、メイン制御CPU60aは、特図当り判定(当り判定)の判定が条件装置を作動可能な判定結果(当りの判定結果)である場合に、遊技者に有利な特典遊技状態(第1特典遊技状態または第2特典遊技状態)を付与可能な特典遊技状態付与手段として機能するよう構成されている。また、前記メイン制御RAM60cは、固定始動口31または第1可変始動口102に入賞したパチンコ球を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段および前記第2可変始動口103に入賞したパチンコ球を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図7に示すように、固定始動口31または第1可変始動口102にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、固定始動口31または第1可変始動口102に対応する検出センサ75,77がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合に、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2可変始動口103にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2可変始動口103に対応する第2可変始動検出センサ78がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合に、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図8に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または特図当り遊技中(すなわちエンディング時間EDの経過前)であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図9に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に特図当り判定の判定結果が肯定となる確率は、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率よりも低くなるよう設定される。そして、ステップB22における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(特図当り遊技を発生させる場合には)、特図当りとなる変動であることを示す特図当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで特図当り図柄を決定することになる。特図当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて特図当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(特図当り遊技を発生させない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB26)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB26の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB27)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてリーチはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB28)。なお、リーチ演出とは、同一飾図が2つ揃って残りの1つが変動中となる演出に限らず、特定の図柄変動が行われる状態を含むものである。
また、ステップB26での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB29)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB30)。
ここで、ステップB25,B28,B30において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB31)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2可変始動口103への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、固定始動口31または第1可変始動口102への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を読み込む。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を読み込んだ後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図10に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に特図当り判定の判定結果が肯定となる確率は、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率よりも低くなるように設定されている。そして、ステップB32における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(特図当り遊技が発生する場合には)、特図当りとなる変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグ(すなわち確変フラグ、変短フラグ)を設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて特図当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
また、ステップB32の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(特図当り遊技を発生させない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB36)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB36の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB37)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてリーチはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB38)。
また、ステップB36での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB39)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB40)。
ここで、ステップB35,B38,B40において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB41)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が特図当り図柄の場合には、特図当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう飾図が決定される。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、図柄停止コマンドが統括制御CPU65aから入力されることで、飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されることで、飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報に基づいて、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄表示装置17で行わせる図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
(特図当り遊技が付与される場合について)
特図当り遊技に関する制御について説明する。メイン制御CPU60aは、前記特図当り判定の判定結果が条件装置を作動可能な判定結果である場合(すなわち、特図当り判定の判定が特図当りの判定結果の場合)には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、特別入賞部40を連続して作動させる特図当り遊技の制御を開始する。具体的に、図13に示すように、前記特図当り判定の判定が特図当りとなる判定結果の場合には、前記特図表示部50A,50Bで行われる特図変動表示の結果として特図当りを認識し得る特図当り表示(特図当り図柄)が停止表示されることで、役物連続作動フラグが第1状態に設定されて、内部的に条件装置を作動させる。実施例では、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に特図当りフラグが「1」に設定されているか否かをメイン制御CPU60aが判定し、特図当りフラグが「1」に設定されている場合に役物連続作動フラグが第1状態似設定されて内部的に条件装置が作動される。なお、特図当り判定の判定が特図当りとなる判定結果の場合は特図当り遊技処理を終了して、次の特図開始処理が行われる。
図13に示すように、内部的に条件装置が作動されると、メイン制御RAM60bに設けられたラウンドカウンタが初期化されると共に、当該メイン制御RAM60bに設けられた入賞球数カウンタがクリア(「0」にセット)される。そして、条件装置が作動することにより役物連続作動装置が作動されて、特別電動役物としての特別入賞部40の作動が許容されるようになる。ここで、役物連続作動装置は、前記条件装置が作動すると同時あるいは条件装置が作動するよりも後のタイミングで作動される。具体的には、役物連続作動フラグが第1状態に設定されることで、条件装置と併せて役物連続作動装置が作動されるようにすることができる。ここで、同時とは、厳密な意味において完全に同じタイミングであることを意味するものではなく、制御プログラムの実行上に生ずるタイムラグは許容されることは当然であり、所定周期(実施例では4ms)で実行されるメイン制御CPU60aの制御周期において数周期のずれが存在することは許容される。また、条件装置が作動された後に、ラウンドカウンタを初期化すると共に入賞球数カウンタをクリアしたタイミングで役物連続作動装置が作動される場合も同時に含まれる。ここで、ラウンドカウンタは、特図当り遊技が行われる際に実行されたラウンド遊技Rの回数を計数(カウント)するものであり、当該ラウンドカウンタの値が規定ラウンド数に達することを条件として役物連続作動装置が停止されて、特別入賞部40の作動が規制されて特別入賞口41が閉鎖状態に保持されるようになっている。具体的には、ラウンドカウンタの値が規定ラウンド数に達すると同時に、役物連続作動装置が停止するよう構成される。すなわち、特別電動役物としての特別入賞部40の最終の開放作動が停止するのと同時に役物連続作動装置が作動を終了するようになっている。
前記入賞球数カウンタは、特図当り遊技の各ラウンド遊技Rにおいて特別入賞口41に入賞したパチンコ球を計数(カウント)するものであり、各ラウンド遊技Rに定められたラウンド遊技時間が経過する前に入賞球数カウンタの値が各ラウンド遊技Rに定められた規定個数に達した場合に、1回のラウンド遊技Rが終了するようになっている。また、入賞球数カウンタは、各ラウンド遊技Rが開始する前にクリア(「0」にセット)されるようになっている。なお、入賞球数カウンタは、特別入賞検出センサ44からパチンコ球の検出信号が入力される毎にメイン制御CPU60aが更新するようになっている。
前記メイン制御CPU60aが、特図変動表示が終了して条件装置が作動すると共に役物連続作動装置が作動することで、タイマ手段(図示しない)が特図当り遊技の種類に応じた所定のオープニング時間OPを計時し、オープニング時間OPが経過するまで開閉部材43を待機状態に保持するよう特別入賞ソレノイド42を駆動制御する(図13参照)。そして、オープニング時間OPの経過後に、規定数のラウンド遊技Rが開始される。すなわち、実施例では、第1〜第4の特図当り遊技の場合には、10秒のオープニング時間OPの経過後に1ラウンド目のラウンド遊技Rが開始され、第5または第6の特図当り遊技の場合には、0.004秒のオープニング時間OPの経過後に1ラウンド目のラウンド遊技Rが開始される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rでは、特図当り遊技の種類に応じたラウンド遊技時間(25秒または0.04秒)をタイマ手段が計測すると共に、特図当り遊技の種類に応じた開閉動作で開閉部材43を開閉動作させて特別入賞口41を開放するよう特別入賞ソレノイド42がメイン制御CPU60aにより駆動制御される。すなわち、実施例では、ラウンド終了条件(ラウンド遊技時間の経過または入賞球数カウンタの計数(入賞球数)が規定個数に到達)が満たされるまで開閉部材43を開放状態へ変位させて特別入賞口41を開放するよう特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、ラウンド終了条件が満たされることで開閉部材43を閉鎖状態へ変位させて1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了するようになっている。これにより、ラウンド遊技時間が25秒に設定された第1〜第4の特図当り遊技において規定個数の入賞が可能となり、ラウンド遊技時間が0.04秒に設定された第5または第6の特図当り遊技において入賞が殆ど生ずることなく1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、ラウンド間インターバル時間(2.0秒)が経過するまで開閉部材43を閉鎖状態に保持するよう特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、ラウンド間インターバル時間の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目以降は、1ラウンド目と同様に、特図当り遊技の種類に応じた各ラウンド目のラウンド遊技時間(25秒または0.04秒)をタイマ手段が計測して、特図当り遊技の種類に応じて定められた動作で開閉部材43を開閉動作させて特別入賞口41を開放し、ラウンド終了条件が満たされた場合に開閉部材43を閉鎖状態へ変位させて特別入賞口41を閉鎖する動作が、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間インターバル時間を挟んで規定ラウンド数(実施例では16ラウンド)まで繰り返される。
そして、図13に示すように、特図当り遊技における特別入賞部40の最終回(規定ラウンド数目のラウンド遊技R)の作動が停止すると、当該特別入賞部40の作動停止と同時に前記役物連続作動装置の作動が停止される。また、実施例のパチンコ機10では、特図当り遊技における特別入賞部40の最終回(16ラウンド目のラウンド遊技)の作動停止と同時に役物連続作動フラグが第2状態に設定されるよう構成されており、当該役物連続作動装置の作動停止と同時に条件装置の作動をメイン制御CPU60aが停止させるようになっている。そして、特図当り遊技の規定ラウンド数目のラウンド遊技Rが終了すると、特図当り遊技の種類に応じて定められたエンディング時間EDをタイマ手段が計測して、当該エンディング時間EDが経過するまで開閉部材43を閉鎖状態に保持するよう特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、当該時間の経過に伴って特図当り遊技が終了する。
また、実施例のパチンコ機10では、特図当り遊技の規定ラウンド数(実施例では16ラウンド目)となる最終のラウンド遊技R(特別入賞部40の最終回の作動)が終了して役物連続作動装置が作動を停止した場合に、メイン制御CPU60aが特図当り遊技におけるエンディング時間EDの間(すなわち特図当り遊技の終了時)から特典遊技状態を付与するよう構成されている。すなわち、固定始動口31、第1可変始動口102または第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づいて第1〜第5の特図当り遊技が付与された場合には、各特図当り遊技の規定ラウンド数目(実施例では16ラウンド目)のラウンド遊技Rが終了して役物連続作動装置が作動を停止することで、特典遊技状態として変短状態が付与されて、特図当り遊技におけるエンディング時間EDが行われている間から変短状態となるようになっている。このように、実施例のパチンコ機10は、特図当り遊技が付与された場合にはエンディング時間EDの間から変短状態が付与されるようになっており、当該エンディング時間EDにおいて普図当り判定が行われることで、作動口101へのパチンコ球の入賞頻度を高め得るようになっている。また、固定始動口31または第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞に基づいて第1の特図当り遊技または第2の特図当り遊技が付与された場合、および第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づいて付与された第4または第5の特図当り遊技の何れかが付与された場合には、各特図当り遊技の規定ラウンド数目(実施例では16ラウンド目)のラウンド遊技Rが終了して役物連続作動装置が作動を停止することで、メイン制御CPU60aが特典遊技状態として確変状態を付与するよう構成されており、特図当り遊技におけるエンディング時間EDが行われている間から確変状態となるよう構成されている。
すなわち、実施例では、第1、第2、第4および第5の特図当り遊技の何れかが付与された場合には、役物連続作動装置の作動停止に伴って確変状態および変短状態が夫々付与され、第3の特図当り遊技の何れかが付与された場合には、役物連続作動装置の作動停止に伴って変短状態が夫々付与される一方で、第6の特図当り遊技の何れかが付与された場合には、役物連続作動装置の作動停止に伴って確変状態および変短状態の両方が付与されないようになっている。
また、役物連続作動装置の作動停止に伴って変短状態が夫々付与される場合には、当該変短状態において普図当りに当選した際に、特図当り遊技により決定された開閉動作パターンP1〜P3に基づいて可変作動入球部130の作動口開閉部材131が動作される。すなわち、第1の特図当り遊技が付与されることに伴って役物連続作動装置の作動が停止した場合には、当該役物連続作動装置の作動停止以後に普図当りに当選することで、可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第1開閉作動パターンP1で動作され、第2〜第5の特図当り遊技の何れかが付与されることに伴って役物連続作動装置の作動が停止した場合には、当該役物連続作動装置の作動停止以後に普図当りに当選することで、可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第2開閉作動パターンP2で動作されるよう構成されている。また、第6の特図当り遊技が付与されることに伴って役物連続作動装置の作動が停止した場合には、当該役物連続作動装置の作動停止以後に普図当りに当選することで、可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第3開閉作動パターンP3で動作されるようになっている。なお、第3の特図当り遊技後に10回の図柄変動演出(特図変動表示)が行われた後には、作動口開閉部材131が第3開閉動作パターンP3で動作される。
(特典遊技状態の付与開始タイミング)
ここで、実施例のパチンコ機10では、特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与される場合に、メイン制御CPU60aにより決定された特図当り遊技の種類に応じて特典遊技状態が付与される付与開始タイミングを異ならせるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10には、役物連続作動装置の作動停止と同時(エンディング時間EDが開始すると同時)に特典遊技状態が付与される特図当り遊技と、役物連続作動装置の作動が停止してから(エンディング時間EDが開始してから)エンディング時間EDが経過する前までの間に特典遊技状態が付与される特図当り遊技とが設定されている。
ここで、実施例のパチンコ機10は、特図当り遊技の終了時(エンディング時間EDの開始以後であってエンディング時間EDの経過前)に、特典遊技状態(確変状態および変短状態)を付与するか否かを示す遊技状態設定フラグをメイン制御CPU60aが設定可能な記憶領域がメイン制御RAM60cに定められており、当該メイン制御RAM60cの遊技状態設定フラグが特定の状態に設定されることで、メイン制御CPU60aが特典遊技状態(確変状態および変短状態)の付与を開始するよう構成されている。具体的には、特典遊技状態として確変状態を付与するか否かを示す確変状態設定フラグと、特典遊技状態として変短状態を付与するか否かを示す変短状態設定フラグとを個別に設定可能な記憶領域がメイン制御RAM60cに設けられており、確変状態設定フラグが特定の状態(オン)に設定されることで確変状態が付与され、変短状態設定フラグが特定の状態(オン)に設定されることで変短状態が付与されるよう構成されている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、特図当り遊技の終了時(待機時間の開始以後であって待機時間が経過する前)に当該特図当り遊技とは異なる特定状態(確変状態や変短状態)を設定可能な遊技状態設定手段としてするものである。
なお、確変状態設定フラグは、非確変状態への移行条件が満たされた場合にメイン制御CPU60aが非特定の状態(オフ)に設定するよう構成されており、当該確変状態設定フラグが非特定の状態に設定されることで確変状態の付与が終了(非確変状態へ移行)する。実施例では、特図当りが発生(特図当り図柄の停止表示)することで、確変状態設定フラグが非特定の状態に設定されるようになっている。また、変短状態設定フラグは、非変短状態への移行条件が満たされた場合にメイン制御CPU60aが非特定の状態(オフ)に設定するよう構成されており、当該変短状態設定フラグが非特定の状態に設定されることで変短状態の付与が終了(非変短状態へ移行)する。実施例では、変短状態が付与される期間が経過するか(所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるか)または特図当りが発生(特図当り図柄の停止表示)することで、変短状態設定フラグが非特定の状態に設定されるようになっている。
具体的には、図14に示すように、第1の特図当り遊技が決定された場合には、役物連続作動装置の作動停止後(エンディング時間EDの開始後)に所定時間(例えば5秒)経過したタイミングでメイン制御CPU60aが遊技状態設定フラグ(確変状態設定フラグおよび変短状態設定フラグの夫々)を特定の状態(オン)に設定することで、特典遊技状態(確変状態および変短状態)の付与が開始されるよう設定されている。また、第2〜第5の特図当り遊技が決定された場合には、役物連続作動装置の作動が停止すると同時(エンディング時間EDの開始と同時)のタイミングでメイン制御CPU60aが遊技状態設定フラグ(確変状態設定フラグや変短状態設定フラグ)を特定の状態(オン)に設定することで、特典遊技状態(確変状態や変短状態)の付与が開始されるよう設定されている。すなわち、変短状態において作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2に基づいて動作されることにより第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り遊技が発生する可能性が高くなる第1の特図当り遊技が決定された場合には、役物連続作動装置の作動が停止することで速やかに特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与されるよう構成されて、エンディング時間EDが行われている間に第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞を発生させ易くしてある。
(特典遊技状態の付与報知について)
また、実施例のパチンコ機10は、特図当り遊技の規定ラウンド数目(実施例では16ラウンド目)のラウンド遊技Rが終了(役物連続作動装置が停止)するのに伴って特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与される場合に、特図当り遊技のエンディング時間EDが経過する前に報知手段17,18,19を作動させることで、当該特図当り遊技を契機として特典遊技状態が付与されることを報知し得るよう構成されている。言い換えると、特別電動役物としての特別入賞部40の最終回の作動が停止して役物連続作動装置が停止するのに伴って特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与される場合に、特図当り遊技のエンディング時間EDが経過する前に当該特典遊技状態の付与を報知可能に構成されている。ここで、実施例のパチンコ機10には、前記報知手段として図柄表示装置17、スピーカ18およびランプ装置19を備えており、これら装置17,18,19を単独または複合して作動させることで特典遊技状態の付与を報知するようになっている。すなわち、実施例では、前述のように特図当り遊技におけるエンディング時間EDの間(すなわちエンディング時間EDが経過する前)から特典遊技状態が付与されると共に、当該エンディング時間EDが終了するよりも前のタイミングで報知手段17,18,19による報知を行うことで、当該報知時点で特典遊技状態が既に付与されていること、報知と同時に特典遊技状態が付与されること、または報知後であってエンディング時間EDが経過する前に特典遊技状態が付与されることを遊技者に認識させ得るようになっている。なお、以下の説明では、エンディング時間EDが経過する前に行われる特典遊技状態の付与に関する報知を、特典遊技状態報知と指称する場合がある。
(特典遊技状態報知の可否の決定について)
実施例では、図15に示すように、メイン制御CPU60aにより決定された特図当り遊技の種類に応じて、特図当り遊技を契機とする特典遊技状態の付与を報知する(特典遊技状態報知の実行)か、または報知しない(特典遊技状態報知の不実行)かを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。ここで、実施例のパチンコ機10に設定された特典遊技状態が付与される第1〜第5の特図当り遊技は、当該特典遊技状態が付与されることを報知可能な特図当り遊技として設定されて、特典遊技状態が付与されない第6の特図当り遊技は、当該特典遊技状態が付与されることを報知しない特図当り遊技として設定されている。また、特典遊技状態が付与される第1〜第5の特図当り遊技の一部を、当該特典遊技状態が付与されることを報知可能な特図当り遊技とすると共に、第1〜第5の特図当り遊技の残りを特典遊技状態が付与されることを報知しない特図当り遊技とに分けるようにしてもよい。例えば、第2〜第5の特図当り遊技を報知可能な特図当り遊技とし、第1の特図当り遊技を報知しない特図当り遊技とするようにしてもよい。このように、特図当り遊技の種類により特典遊技状態の付与を報知するか否かを一義的に決定するようにした場合は、特典遊技状態の付与が報知されるか否かで特図当り遊技の種類を識別することができる。
また、前記報知決定手段としての統括制御CPU65aは、当り遊技決定手段としてのメイン制御CPU60aにより決定された特図当り遊技の種類に応じて、前記報知手段による報知の実行可否を決定するよう構成されている。すなわち、実施例の統括制御CPU65aは、特典遊技状態付与手段としてのメイン制御CPU60aが特典遊技状態を付与する場合に、当該特典遊技状態の付与を報知するか否かを決定する報知決定手段として機能するよう構成されている。具体的には、図15に示すように、前記第1〜第5の特図当り遊技の内で、メイン制御CPU60aにより所定の特図当り遊技(実施例では第1〜第3および第5の特図当り遊技)が決定された場合に、特典遊技状態報知を行うか、当該特典遊技状態報知を行わないかを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。そして、メイン制御CPU60aにより特定の特図当り遊技(実施例では第4の特図当り遊技)が決定された場合に、特典遊技状態報知を行うことを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。また、統括制御CPU65aが特典遊技状態報知を行うことを決定する割合は、メイン制御CPU60aにより決定された特図当り遊技の種類に応じて定められる。実施例では、第1の特図当り遊技が決定された場合に統括制御CPU65aが5%の確率で特典遊技状態報知の実行を決定し、第2の特図当り遊技が決定された場合に統括制御CPU65aが80%の確率で特典遊技状態報知の実行を決定し、第3の特図当り遊技が決定された場合に統括制御CPU65aが40%の確率で特典遊技状態報知の実行を決定し、第5の特図当り遊技が決定された場合に統括制御CPU65aが30%の確率で特典遊技状態報知の実行を決定するよう設定されている。なお、統括制御CPU65aが特典遊技状態報知を行うことを決定する割合は、前述したものに限られるものではないことは当然である。
実施例では、変短状態において第2開閉動作パターンP2に基づいて作動口開閉部材131が作動されることを特定する特図当り遊技(すなわち第2〜第5の特図当り遊技)がメイン制御CPU60aにより決定された場合に、変短状態において第1開閉動作パターンP1に基づいて作動口開閉部材131が作動されることを特定する特図当り遊技(すなわち第1の特図当り遊技)が決定された場合と比べて、特典遊技状態報知が実行され易くなるよう構成されている。また、変短状態において第2開閉動作パターンP2に基づいて作動口開閉部材131が作動されることを特定する特図当り遊技の場合には、当該特図当り遊技に伴って獲得可能な賞球が多い(利益が大きい)特図当り遊技がメイン制御CPU60aにより決定された場合に、特典遊技状態報知が実行され易くなるよう構成されている。なお、統括制御CPU65aによる特典遊技状態報知の実行および不実行に関する決定は、メイン制御CPU60aから特図当り遊技の開始を指示する制御信号が統括制御CPU65aに入力されることを契機として、統括制御RAM65cから乱数を統括制御CPU65aが取得して、当該乱数の値が特図当り遊技の種類毎に予め定められた特典遊技状態報知の実行判定値と一致するか否かを判定することによって行うことができる。
具体的に、実施例では、第1〜第3または第5の特図当り遊技に対しては、当該特図当り遊技の決定に伴って統括制御CPU65aにより取得された乱数値が所定の割合(5%、80%、40%または30%)で一致するよう特典遊技状態報知の実行判定値の設定数が定められ、第4の特図当り遊技に対しては、当該特図当り遊技の決定に伴って統括制御CPU65aにより取得された乱数値が全て一致するよう特典遊技状態報知の実行判定値の設定数が定められている。なお、第6の特図当り遊技は、特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与されないことから、メイン制御CPU60aにより第6の特図当り遊技が決定された場合には、統括制御CPU65aが特典遊技状態報知の不実行を決定するようになっている。すなわち、第6の特図当り遊技に対しては特典遊技状態報知の実行判定値の設定数が「0」とされており、当該特図当り遊技が決定された場合には、統括制御CPU65aにより取得された乱数値が特典遊技状態報知の実行判定値と一致しないようになっている。
(特典遊技状態の報知タイミングについて)
また、実施例のパチンコ機10では、図16に示すように、特典遊技状態の付与を報知することを決定した場合に、メイン制御CPU60aにより決定された特図当り遊技の種類に応じて特典遊技状態報知を実行する報知タイミングを異ならせるよう構成されて、特図当り遊技の種類に応じた報知タイミングで特典遊技状態報知を実行させるよう統括制御CPU65aが制御をするようになっている。すなわち、特典遊技状態報知を実行する報知タイミングを異ならせることで、特図当り遊技に対する関心を高めている。このように、統括制御CPU65aは、特典遊技状態の付与を報知することを決定した場合に、特典遊技状態報知を実行する報知タイミングを決定する報知タイミング決定手段として機能するよう構成されている。
具体的に実施例では、図16に示すように、役物連続作動装置の作動停止以後(エンディング時間EDの開始以後)に特典遊技状態の報知を実行可能な特図当り遊技と、役物連続作動装置の作動停止と同時(エンディング時間EDが開始すると同時)に特典遊技状態の報知を実行可能な特図当り遊技と、役物連続作動装置の作動停止以前(エンディング時間EDの開始以前)に特典遊技状態の報知を実行可能な特図当り遊技とが設定されている。より詳細には、第1の特図当り遊技に対しては、役物連続作動装置の作動停止後(エンディング時間EDの開始後)から所定時間(例えば5秒)が経過した報知タイミングと、役物連続作動装置の作動停止と同時(エンディング時間EDが開始すると同時)の報知タイミングとが設定されて、何れかの報知タイミングで統括制御CPU65aが特典遊技状態の報知を実行させ得るよう構成されている。そして、第2および第4の特図当り遊技に対しては、役物連続作動装置の作動停止前(エンディング時間EDの開始前)の報知タイミングと、役物連続作動装置の作動停止と同時(エンディング時間EDが開始すると同時)の報知タイミングとが設定されて、当該何れかの報知タイミングで統括制御CPU65aが特典遊技状態の報知を実行させ得るよう構成されている。また、第3および第5の特図当り遊技に対しては、役物連続作動装置の作動停止と同時(エンディング時間EDが開始すると同時)の報知タイミングが設定されて、当該報知タイミングで統括制御CPU65aが特典遊技状態の報知を実行させ得るよう構成されている。
すなわち、実施例において特典遊技状態の付与を報知することを決定した場合には、特典遊技状態の付与開始タイミングと同時または当該付与開始タイミングより前となるタイミングにおいて統括制御CPU65aが特典遊技状態の付与を報知するよう構成されている。ここで、役物連続作動装置の作動停止前(エンディング時間EDの開始前)の報知タイミングとしては、条件装置が作動した後のタイミングであれば、オープニング時間OPの間であったり、ラウンド遊技Rの実行のタイミングであったり、ラウンド遊技Rの間のラウンド間インターバルの間であってもよい。実施例では、第2の特図当り遊技の場合には、開閉部材43に短時間動作を行われせる5ラウンド目のラウンド遊技の開始と同時に特典遊技状態の報知を実行し得るよう構成され、第4の特図当り遊技の場合には、当該特図当り遊技の最終のラウンド遊技R(すなわち16ラウンド目)の開始と同時に特典遊技状態の報知を実行可能によう構成されている。なお、特典遊技状態の報知タイミングとしては、前述したものに限られるものではないことは当然である。
そして、メイン制御CPU60aにより第1、第2または第4の特図当り遊技が決定された状態で、統括制御CPU65aが特典遊技状態の付与を報知することを決定した場合には、特典遊技状態報知を実行する報知タイミングを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。実施例では、第1の特図当り遊技が決定された場合には、役物連続作動装置の作動停止後(エンディング時間EDの開始後)から所定時間(例えば5秒)が経過した報知タイミングで特典遊技状態報知を実行することを70%の確率で統括制御CPU65aが決定すると共に、役物連続作動装置の作動停止と同時(エンディング時間EDが開始すると同時)の報知タイミングで特典遊技状態報知を実行することを30%の確率で統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、第1の特図当り遊技に伴って特典遊技状態の付与を報知する場合には、最終のラウンド遊技Rが終了(エンディング時間EDが開始)してから所定時間が経過した報知タイミングで特典遊技状態報知が実行されやすくなっている。
また、第2または第4の特図当り遊技が決定された場合には、役物連続作動装置の作動停止前(エンディング時間EDの開始前)の報知タイミングで特典遊技状態報知を実行することを50%の確率で統括制御CPU65aが決定すると共に、役物連続作動装置の作動停止と同時(エンディング時間EDが開始すると同時)の報知タイミングで特典遊技状態報知を実行することを50%の確率で統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、第2の特図当り遊技が決定された場合にエンディング時間EDが開始すると同時の報知タイミングで特典遊技状態報知が実行される割合(具体的には40%)は、第3の特図当り遊技が決定された場合にエンディング時間EDが開始すると同時の報知タイミングで特典遊技状態報知が実行される割合(具体的には40%)と同等になるよう設定されている。
なお、統括制御CPU65aによる報知タイミングの決定は、メイン制御CPU60aから特図当り遊技の開始を指示する制御信号が統括制御CPU65aに入力されることを契機として、統括制御RAM65cから乱数を統括制御CPU65aが取得して、当該乱数の値が特図当り遊技の種類毎に予め定められた報知タイミングの実行判定値と一致するか否かを判定することによって行うことができる。ここで、各特図当り遊技に応じて決定可能な報知タイミング毎に報知タイミングの実行判定値の割当て数を変更することで、統括制御CPU65aが決定する報知タイミングの割合を変更することが可能である。
(特典遊技状態の報知の態様について)
また、実施例のパチンコ機10では、図15に示すように、特典遊技状態の付与を報知することを決定した場合に、メイン制御CPU60aにより決定された特図当り遊技の種類に応じて報知手段17,18,19が特典遊技状態の付与を報知する際の報知態様を異ならせるよう構成されて、特図当り遊技の種類に応じた報知態様で特典遊技状態報知を実行させるよう統括制御CPU65aが報知手段17,18,19を制御するようになっている。なお、特典遊技状態の付与を報知する際に、報知手段としての図柄表示装置17、スピーカ18およびランプ装置19の夫々を制御する表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73に対して統括制御基板65(統括制御CPU65a)が制御信号を出力することで、所定のタイミングおよび報知態様で特典遊技状態の付与を報知し得るようになっている。すなわち、統括制御CPU65aは、特典遊技状態の付与を報知することを決定した場合に、特典遊技状態報知を実行する報知態様を決定する報知態様決定手段として機能するよう構成されている。
実施例の統括制御ROM65bには、特典遊技状態の付与を報知する際に、前記報知手段としての各装置17,18,19を作動させるタイミングおよび作動内容を定めた報知パターンが複数種類設定されている。そして、メイン制御CPU60aにより決定された特図当り遊技の種類に応じて複数種類の報知パターンから1つの報知パターンを統括制御CPU65aが決定することで、特図当り遊技の種類に応じた報知態様で特典遊技状態報知を実行させ得るようになっている。ここで、報知パターンは、図柄表示装置17に表示させる表示内容、スピーカ18から出力させる音およびランプ装置19を発光させる発光態様(発光色や点灯位置・点灯消灯の順序等)を特定するものである。すなわち、特典遊技状態の付与を報知する際に報知パターンに従って統括制御CPU65aが表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73に対して制御信号を出力することで、当該報知パターンに基づいた所定のタイミングおよび報知態様で特典遊技状態の付与を報知し得るようになっている。図柄表示装置17に表示させる表示内容、スピーカ18から出力させる音およびランプ装置19を発光させる発光態様の全てが報知パターン毎に異なる必要はなく、報知パターン毎に少なくとも何れか1つを異ならせることで、報知態様の違いを識別し得るようにすることができる。実施例では、図柄表示装置17に表示させる表示内容、スピーカ18から出力させる音およびランプ装置19を発光させる発光態様の全てを複数種類の報知パターン毎に異ならせることで、特典遊技状態の付与を報知する報知態様を特図当り遊技の種類毎に際立たせている。
ここで、実施例の統括制御ROM65bには、第1の特図当り遊技に対応する第1の報知パターンと、第2、第4および第5の特図当り遊技に対応する第2の報知パターンと、第3の特図当り遊技に対応する第3の報知パターンとが設定されている。すなわち、第1〜第5の特図当り遊技が決定されると共に特典遊技状態の付与を報知することが決定された場合に、決定された特図当り遊技に応じて第1〜第3の報知パターンの何れかを統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、第1の報知パターンに基づく報知態様で報知手段17,18,19が作動されることで、特典遊技状態として確変状態および変短状態の付与を遊技者が識別し得ると共に、普図当りに伴って前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第1開閉動作パターンP1で動作されることを遊技者が識別し得るよう構成されている。また、第2の報知パターンに基づく報知態様で報知手段17,18,19が作動されることで、特典遊技状態として確変状態および変短状態の付与を遊技者が識別し得ると共に、普図当りに伴って前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2で動作されることを遊技者が識別し得るよう構成されている。そして、第3の報知パターンに基づく報知態様で報知手段17,18,19が作動されることで、所定回数(具体的には10回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計数)が実行されるまでの間だけ特典遊技状態として変短状態が付与されることを遊技者が識別し得ると共に、普図当りに伴って前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2で動作されることを遊技者が識別し得るよう構成されている。このように、実施例の報知パターンは、特典遊技状態の付与だけでなく、作動口開閉部材131の開閉動作パターンを報知するようになっている。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
前記遊技盤20の遊技領域21(第1球流下経路21a)に打ち出されたパチンコ球が固定始動入賞部30の固定始動口31へ入賞することを契機とした特図当り判定の当選、および遊技盤20の遊技領域21(第1球流下経路21a)に打ち出されたパチンコ球が第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102へ入賞することを契機とした特図当り判定の当選に伴って、第1〜第3の特図当り遊技の何れかがメイン制御CPU60aにより決定され、特図当り遊技が実行されることで、決定された特図当り遊技(第1〜第3の特図当り遊技)の種類に応じた変短回数の変短状態が付与される。また、遊技盤20の遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球が第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103へ入賞することを契機とした特図当り判定の当選に伴って、第4〜第6の特図当り遊技の何れかがメイン制御CPU60aにより決定され、特図当り遊技が行われることで、決定された特図当り遊技(第4〜第6の特図当り遊技)の種類に応じた変短回数の変短状態が付与される。そして、この特図当り遊技の種類に応じて、特図当り遊技後の遊技において普図当りに当選した場合に可変作動入球部130の作動口開閉部材131を開閉動作させる開閉動作パターンP1〜P3が決定される。遊技盤20の遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球がゲート部33を通過すると、ゲートセンサ76によるパチンコ球の検出を契機として通過検出情報としての各種乱数がメイン制御CPU60aにより取得される。そして、取得した普図当り判定用乱数に基づいて普図当りを生起するか否かをメイン制御CPU60aが決定すると共に、普図変動表示が行われた結果、当該普図当り判定の結果に応じた普図が普図表示部55に確定停止表示される。普図当り判定が肯定判定の場合には、通路振分部150の振分体151が作動されると共に、特図当り遊技の当選に伴って決定された開閉動作パターンP1〜P3に基づいて前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開閉動作される。
ここで、第1の特図当り遊技後の遊技では、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第1開閉動作パターンP1に基づいて開閉動作するようメイン制御CPU60aにより駆動制御されるから、作動口101に入球したパチンコ球が通路振分部150の振分体151により第1の分岐経路145に振り分けられる。なお、第3の特図当り遊技後の変短状態が終了した後(10回の図柄変動演出が行われた後)の遊技および第6の特図当り遊技後の遊技では、変短状態が付与されておらず作動口101は開放され難いものの、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第3開閉動作パターンP3に基づいて開閉動作するようメイン制御CPU60aにより駆動制御されるから、第1開閉動作パターンP1で動作される場合と同様に作動口101に入球したパチンコ球が通路振分部150の振分体151により第1の分岐経路145に振り分けられる。
第1の分岐経路145に振り分けられたパチンコ球は、前記第1可変始動入賞部161へ導かれて、当該第1可変始動入賞部161の第1作動機構に接触し、第1作動機構に対するパチンコ球の接触に伴って第1始動口開閉部材165を閉鎖位置から開放位置に変位することで、第1可変始動口102が開放される。そして、前記第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102の開放に伴って当該第1可変始動口102に入賞したパチンコ球は、前記可変入球装置100に形成された第1取込通路115を通過する過程において、第1取込通路115に臨んだ第1可変始動入賞部161の第2作動機構にパチンコ球が接触し、これに伴って第1始動口開閉部材165が開放位置から閉鎖位置に変位することで、第1可変始動口102が閉鎖される。また、第1可変始動口102に入賞したパチンコ球は、前記第1取込通路115を通過して排出される過程で前記第1可変始動検出センサ77により検出される。すなわち、第1可変始動入賞部161は、前記作動口101に入球して第1の分岐経路145を通過するパチンコ球との物理的な接触により作動されることで第1始動口開閉部材165が閉鎖位置から開放位置へ変位すると共に、第1可変始動口102に入賞して第1取込通路115を通過するパチンコ球との物理的な接触により作動されることにより第1始動口開閉部材165が開放位置から閉鎖位置へ変位される。
また、第2〜第5の特図当り遊技後の変短状態が付与された遊技では、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2に基づいて開閉動作するようメイン制御CPU60aにより駆動制御されて、作動口101に入球した殆どのパチンコ球が通路振分部150の振分体151により第2の分岐経路146に振り分けられる。そして第2の分岐経路146に振り分けられたパチンコ球が前記第2可変始動入賞部162へ導かれることで、前述した第1可変始動入賞部161と同様に、当該第2可変始動入賞部162における第1作動機構にパチンコ球が接触し、前記第2始動口開閉部材166が閉鎖位置から開放位置へ揺動して第2可変始動口103が開放される。そして、前記第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103の開放に伴って当該第2可変始動口103に入賞したパチンコ球は、前記可変入球装置100に形成された第2取込通路116を通過する過程において、第2取込通路116に臨んだ第2可変始動入賞部162の第2作動機構にパチンコ球が接触し、これに伴って第2始動口開閉部材166が開放位置から閉鎖位置に変位することで、第2可変始動口103が閉鎖される。また、第2可変始動口103に入賞したパチンコ球は、前記第2取込通路116を通過して排出される過程で前記第2可変始動検出センサ78により検出される。すなわち、第2可変始動入賞部162は、前記作動口101に入球して第2の分岐経路146を通過するパチンコ球との物理的な接触により作動されることで第2始動口開閉部材166が閉鎖位置から開放位置へ変位すると共に、第2可変始動口103に入賞して第2取込通路116を通過するパチンコ球との物理的な接触により作動されることにより第2始動口開閉部材166が開放位置から閉鎖位置へ変位される。
このように、普図当りに際して、第1ソレノイド135の駆動により可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開放動作するのに伴って作動口101に入球したパチンコ球が、当該作動口101に連通する第1の分岐経路145または第2の分岐経路146を通過する過程で、各分岐経路に対応する可変始動入賞部161,162の第1作動機構に接触することにより、当該可変始動入賞部161,162の始動口開閉部材165,16の開閉状態が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。そして、第1始動口開閉部材165や第2始動口開閉部材166が開放位置にある状態では、パチンコ球が開放した第1可変始動口102や第2可変始動口103に入賞することで、当該始動口開閉部材165,166を閉鎖動作することにより、可変作動入球部130や第1可変始動入賞部161、第2可変始動入賞部162に対する遊技者の関心を高めることができる。すなわち、前記第1始動口開閉部材165や第2始動口開閉部材166が閉鎖位置にある状態では、普図当りに伴って開放した作動口101にパチンコ球が入球した際に、当該作動口101に入球したパチンコ球が振り分けられる経路に応じて、第1始動口開閉部材165や第2始動口開閉部材166を開放動作させ得るから、当該可変作動入球部130と、当該可変作動入球部130の開閉動作に関連して作動される可変始動入賞部161,162とによって新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、普図当りに伴って開放される作動口101に連通する球通路を、複数の分岐経路(すなわち第1および第2の分岐経路145,146)に分岐させて、少なくとも何れかの分岐経路に可変始動入賞部161,162の第1作動機構が臨むよう構成することで、可変作動入球部130および可変始動入賞部161,162を用いた新たな遊技性を創出して遊技の興趣を高めることが可能となる。また、実施例の可変入球装置100では、第1の分岐経路145に第1可変始動入賞部161における第1作動機構が臨み、第2の分岐経路146に第2可変始動入賞部162における第1作動機構が臨むように構成したから、作動口101に入球したパチンコ球が通過する分岐経路に応じて第1始動口開閉部材165を作動させたり、第2始動口開閉部材166を作動させたりすることができる。すなわち、前記作動口101に入球したパチンコ球が通過する分岐経路に応じて開閉状態が切り替わる可変始動入賞部161,162が変化する。すなわち、従来のパチンコ機では、普図当りに伴って開放される入賞口が定まっているのに対して、実施例のパチンコ機10では、普図当りに伴って開放される入賞口を変化させることができるから、可変作動入球部130および複数の可変始動入賞部161,162(具体的には第1および第2可変始動入賞部161,162)により新たな遊技性を創出することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、変短状態において、可変作動入球部130を第1または第2開閉動作パターンP1,P2に基づいて駆動制御することで、作動口101に入球したパチンコ球を当該開閉動作パターンP1〜P2に応じた特定の分岐経路(第1または第2の分岐経路145,146)に通出させるよう通路振分部150の振分体151がパチンコ球を振り分けることができるから、作動口101に入球したパチンコ球が通出する分岐経路を所定の条件で切り替えることが可能となる。実施例では、特図当り遊技の種類に応じて、特図当り遊技後に可変作動入球部130が駆動制御される開閉動作パターンP1〜P2を決定することで、パチンコ球が通出する分岐経路が切り替わり得るよう構成したことで、発生する特図当り遊技の種類に対する遊技者の関心を一段と高めて、遊技の興趣を向上することに繋がる。このように、変短状態が付与される特図当り遊技の種類に応じて、作動口開閉部材131を第1開閉動作パターンP1(第1の開放動作態様)および第2開閉動作パターンP2(第2の開放動作態様)により動作させることで、作動口101に入球したパチンコ球が通出する分岐経路を適宜に調整することができる。
また、前記第1および第2の分岐経路145,146には、各対応の分岐経路を通過するパチンコ球を検出する第1および第2通過検出センサ85,86を設けるようにしたから、可変作動入球部130の作動口101に入球した後にパチンコ球が通過する経路をメイン制御CPU60aが正確に識別することができる。また、前記導入通路143にパチンコ球を検出する入球検出センサ147を設けて、前記振分体151により第1および第2の分岐経路145,146に振り分けられる前に、可変作動入球部130の作動口101に入球したパチンコ球を入球検出センサ147で検出するよう構成したことで、作動口101へのパチンコ球の入球をメイン制御CPU60aが正確に識別することができる。また、上流側の入球検出センサ147による検出と、下流側の第1または第2通過検出センサ85,86による検出の時間差により、作動口101に入球したパチンコ球の球詰まり等の不具合を早期に発見することができる。
また、実施例のパチンコ機10では、作動口101へ入球したパチンコ球の第1作動機構に対する物理的な接触を契機として開放する第1可変始動入賞部161や第2可変始動入賞部162の可変始動口102,103にパチンコ球が入賞することで、特図当り判定の契機となる可変始動検出センサ77,78で検出されるように構成し、当該特図当り判定に当選することで、特別入賞部40の開閉部材43が開放動作するよう構成してあるから、該可変始動口102,103へパチンコ球の入賞が可能となる可変作動入球部130の作動口101へのパチンコ球の入球や、当該可変作動入球部130に入球した後のパチンコ球による第1可変始動入賞部161や第2可変始動入賞部162の作動に対する関心を高めることができ、可変作動入球部130および可変始動入賞部161,162を利用した新たな遊技性を創出して遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、固定始動口31へのパチンコ球の入賞を契機として開放動作する前記可変始動入賞部161,162の作動口開閉部材131の開放時間(すなわち普図当りに伴う作動口101の開放時間)に比べて、第1または第2可変始動口102,103へのパチンコ球の入賞を契機として開放動作する前記特別入賞部40の開閉部材43の開放時間(すなわち特図当り遊技に伴う特別入賞口41の開放時間)の方が基本的に長く多数の賞球の獲得が期待できるから、可変作動入球部130に入球したパチンコ球により可変始動入賞部161,162の始動口開閉部材165,166が作動されることへの関心を高めることができる。なお、実施例では、第1または第2可変始動口102,103へのパチンコ球の入賞を契機として第1〜4の特図当り遊技(すなわち、開閉部材43が開閉動作される少なくとも1つ以上の開放態様)が決定された場合に、前記特別入賞部40の開閉部材43の開放時間が長くなるよう設定され、多数の賞球を獲得する機会が与えられる。
ここで、実施例のパチンコ機10では、特別入賞部40を作動させる特図当り遊技が付与される場合に、当該特別入賞部40の最終回の作動終了(最終回のラウンド遊技Rの終了)と同時または特別入賞部40の最終回の作動が終了してからエンディング時間EDが経過するまで(実施例では最終回の作動が終了してから5秒後)に、特典遊技状態として確変状態や変短状態が特図当り遊技の種類に応じて付与される。このように、各特図当り遊技に定められた規定ラウンド数の最終のラウンド遊技Rが行われた後に特別入賞部40が開放されないエンディング時間EDが設定された構成にあって、当該エンディング時間EDの間から特典遊技状態を付与することにより、特図当り遊技の最終のラウンド遊技Rが終了(特別入賞部40の最終回の作動が終了)した後に対する遊技の関心を高めることができる。すなわち、特別入賞部40へパチンコ球が入賞する期待感が消失してから間を開けずに遊技者に有利な特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与されることで、特別入賞部40の作動が終了した後も遊技に対する関心を失わせることなく遊技の興趣を高めることができる。また、エンディング時間EDの間から遊技者に有利な特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与されることで、遊技が間延びするのを防ぐと共に遊技意欲を高めて、エンディング時間EDの間も中断することなく継続した遊技を促すことができる。
実施例では、第1、第2、第4または第5の特図当り遊技が付与された場合には、特別入賞部40の最終回の作動の終了以後(役物連続作動装置の作動以後)に、エンディング時間EDの間から特典遊技状態として確変状態および変短状態の夫々が付与される。すなわち、パチンコ機10において付与可能な遊技状態中で、最も遊技者に有利な遊技状態(確変状態かつ変短状態)がエンディング時間EDの間から付与されることにより、当該エンディング時間EDの間から次に特図当り遊技が生起されることへ遊技者の関心を向けることができ、特別入賞部40へパチンコ球が入賞する期待感の消失に伴って遊技に対する興趣が低下するのを効果的に防止することができる。ここで、第1の特図当り遊技が付与された場合には、特別入賞部40の最終回の作動が終了してから所定時間(実施例では5秒)が経過した後に特典遊技状態として確変状態および変短状態の夫々が付与される。すなわち、第1の特図当り遊技では、特別入賞部40へパチンコ球が入賞する期待感が消失してから特典遊技状態が付与されるまでに時間を空けることで、特典遊技状態の付与が開始されることに対する遊技者の関心を高めることができる。また、第2、第4または第5の特図当り遊技が付与された場合には、特別入賞部40の最終回の作動の終了と同時(役物連続作動装置の作動と同時)に特典遊技状態として確変状態および変短状態の夫々が付与される。すなわち、これら第2、第4または第5の特図当り遊技では、特別入賞部40へパチンコ球が入賞する期待感が消失すると同時(エンディング時間EDの開始と同時)に、次の特図当り遊技が生起されることへ遊技者の関心を向けることができる。
ここで、実施例では、第2〜第5の特図当り遊技の何れかが付与された場合には、変短状態において第2開閉動作パターンP2に基づいて可変作動入球部130の作動口開閉部材131が動作されるよう構成されており、作動口開閉部材131の開放動作に伴い作動口101に入球したパチンコ球が第2の分岐経路146に振り分けられて第2可変始動口103が開放される割合が高くなるよう構成されている。すなわち、第2〜第5の特図当り遊技の何れかが付与されることで、第2可変始動口103へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り遊技(すなわち第4〜第6の特図当り遊技)が発生する可能性が高くなる。このように、第2〜第5の特図当り遊技の何れかが付与された場合に、第1可変始動口102へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り遊技(すなわち第1〜第3の特図当り遊技)よりも有利な(具体的には多数の賞球の獲得期待が高い)特図当り遊技が次回の特図当り遊技として付与される期待感が高くなるようにしてあるから、エンディング時間EDの間から特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与されることに対する関心を高めることができる。
また、実施例では、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の夫々がメイン制御RAM60cに記憶されている場合に、第2特図始動保留情報に基づいた特図当り判定が優先して行われるよう構成されている。すなわち、第2特図始動保留情報に基づいた特図当り判定が優先して行われると共に、第1特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起される場合に比べて第2特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起される場合の方が遊技者に与える利益(獲得可能な賞球数)が大きくなるようになっている。従って、第1〜第5の特図当り遊技の何れかが付与された場合には、エンディング時間EDの間から特典遊技状態として変短状態が付与されるようにしたことで、特図当り遊技が終了する前(エンディング時間EDの間)にメイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の記憶数を増やす機会が与えられ、エンディング時間EDの間に遊技が間延びすることなく遊技意欲を高めて、遊技の興趣を向上することができる。
特に実施例では、第3の特図当り遊技が付与された場合には、特別入賞部40の最終回の作動の終了と同時(役物連続作動装置の作動と同時)に、エンディング時間EDの間から特典遊技状態として所定の変短回数(実施例では10回)の変短状態のみが付与されると共に、当該変短状態においては作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2に基づいて作動されるよう構成されている。従って、第3の特図当り遊技が付与された場合には、第2可変始動口103への入賞期待が高められる特典遊技状態(変短状態)をエンディング時間EDの間から付与することで、当該変短回数が経過するまでに第2可変始動口103へより多くのパチンコ球が入賞することへの期待感を高めることができる。
また、実施例では、特図当り遊技に伴って特典遊技状態が付与される場合に、特図当り遊技におけるエンディング時間EDが経過する前に報知手段17,18,19を利用して特典遊技状態の付与を報知し得るよう構成したから、当該特典遊技状態の付与を遊技者に気づかせることができ、特別入賞部40の作動が終了した後の遊技の興趣を高めることができる。更に、付与された特図当り遊技の種類に応じて報知手段17,18,19を利用して特典遊技状態の付与を報知するか報知しないかを統括制御CPU65aが決定することで、遊技のバリエーションを高めることができる。また、報知手段17,18,19による報知の有無によって特図当り遊技の種類の絞り込みや推測が可能となるとなるから、特図当り遊技に対する遊技者の関心を高めることができる。例えば、実施例のパチンコ機10であれば、第1特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起されて特典遊技状態の付与が報知された場合には、当該生起された特図当り遊技の可能性として、第2の特図当り遊技、第3の特図当り遊技、第1の特図当り遊技の順で高いことを遊技者に気づかせることができる。また、第2特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起されて特典遊技状態の付与が報知されない場合には、当該生起された特図当り遊技の可能性として、第6の特図当り遊技、第5の特図当り遊技の順で高いことを遊技者に気づかせることができる。
そして、報知手段17,18,19による報知の有無と特図当り遊技における特別入賞部40における開閉部材43の動作とを組み合わせて推測することで、特図当り遊技の種類をより細かく絞り込むことができるから、報知手段17,18,19による報知の有無や特別入賞部40の動作に対する遊技者の関心をより一層高めることができる。例えば、実施例のパチンコ機10であれば、第2特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起された場合に、特典遊技状態の付与が報知された場合に、特別入賞部40の動作によって第4の特図当り遊技または第5の特図当り遊技の何れであるかを遊技者に気づかせることができる。一方で、第1特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起された場合には、特別入賞部40の動作によって第1〜第3の特図当り遊技の何れであるかを遊技者が判別し得ないから、特典遊技状態の付与が報知されることへの遊技者の関心を一層高めることができる。
また、実施例では、特典遊技状態の付与を報知手段17,18,19により報知することを決定した場合に、当該報知手段17,18,19による報知タイミングを変化させ得るようにしたから、特典遊技状態の付与が報知されるタイミングを画一化することなく、遊技のバリエーションを高めることができる。また、特典遊技状態の付与をエンディング時間EDが開始する前(実施例では最終回のラウンド遊技Rの間)に特典遊技状態の付与を報知し得るようにしたことで、ラウンド遊技Rが行われる最中から特典遊技状態が付与される期待感を与えることができる。また、特典遊技状態の付与を報知手段17,18,19により報知することを決定した場合に、当該特典遊技状態が付与される以前に報知手段17,18,19が報知するようにすることで、特典遊技状態が付与されているにも関わらず報知されないことによる不信感を与えることはない。
更に、特図当り遊技の種類に応じて前記報知手段17,18,19が報知するタイミングを異ならせるようにしたから、当該報知手段17,18,19により特典遊技状態の付与が報知されるタイミングにより付与された特図当り遊技の種類の絞り込みや推測が可能となるとなるから、特図当り遊技に対する遊技者の関心を高めることができる。例えば、実施例のパチンコ機10であれば、第1特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起された場合に、エンディング時間EDが開始するより前に報知されることで、第2の特図当り遊技であることを遊技者に気づかせることができると共に、エンディング時間EDが開始した後に報知されることで、第1の特図当り遊技であることを遊技者に気づかせることができる。また実施例では、第1特図始動保留情報に基づいて第1〜第3の特図当り遊技の何れかが決定される割合や当該第1〜第3の特図当り遊技が決定された際の報知タイミングの決定割合、第1〜第3の特図当り遊技が決定された場合に特典遊技状態の付与の報知が実行される割合の関係から、第1特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起された場合に、エンディング時間EDの開始と同時に報知されることで、第1の特図当り遊技である可能性よりも第2の特図当り遊技または第3の特図当り遊技の何れかである可能性が高いことを遊技者に気づかせることができる。
そして、第2特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起された場合に、エンディング時間EDが開始するより前に報知されることで、第4の特図当り遊技であることを遊技者に気づかせることができる。また実施例では、第4の特図当り遊技が決定される割合や当該第4の特図当り遊技が決定された際の報知タイミングの決定割合、第5の特図当り遊技が決定された場合に特典遊技状態の付与の報知が行われる割合の関係から、第2特図始動保留情報に基づいて特図当り遊技が生起された場合に、エンディング時間EDの開始と同時に報知されることで、第4の特図当り遊技または第5の特図当り遊技の何れかであると共に、第4の特図当り遊技である可能性が高いことを遊技者に気づかせることができる。
また、実施例では、特典遊技状態の付与を報知手段17,18,19により報知することを決定した場合に、当該報知手段17,18,19による報知態様を変化させ得るようにしたから、特典遊技状態の付与が報知される際の内容が画一化するのを防止して、遊技のバリエーションを高めることができる。更に、特図当り遊技の種類に応じて統括制御CPU65aが決定する報知パターンを異ならせて、前記報知手段17,18,19が報知する報知態様を特図当り遊技の種類に応じて異ならせるようにしたから、当該報知手段17,18,19により報知される内容により付与された特図当り遊技の種類の絞り込みや推測が可能となるから、特図当り遊技に対する遊技者の関心を高めることができる。例えば、実施例のパチンコ機10であれば、第1の報知パターンに基づいて特典遊技状態の付与が報知された場合には、第1の特図当り遊技であることを遊技者に気づかせることができ、第2の報知パターンに基づいて特典遊技状態の付与が報知された場合には、第2、第4または第5の特図当り遊技の何れかであることを遊技者に気づかせることができると共に、第3の報知パターンに基づいて特典遊技状態の付与が報知された場合には、第3の特図当り遊技であることを遊技者に気づかせることができる。
このように、実施例のパチンコ機10では、特典遊技状態の付与を報知手段17,18,19により報知することを決定した場合に、特図当り遊技の種類に応じて報知手段17,18,19により特典遊技状態の付与が報知される報知タイミングを異ならせると共に、当該報知手段17,18,19により報知される報知態様を異ならせるようにすることで、報知タイミングおよび報知態様を総合した特図当り遊技の種類の絞り込みや推測が可能となる。すなわち、エンディング時間EDが経過する前に特典遊技状態の付与を報知手段17,18,19により単純に報知するだけでなく、当該報知タイミングや報知内容から特図当り遊技を推測する遊技性を創出することができる。
(別実施例)
次に、別実施例のパチンコ機について説明する。なお、別実施例に係るパチンコ機の構成は、前述した実施例に係るパチンコ機と基本的に同じなので、同一の構成に関しては同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
別実施例に係るパチンコ機10では、特図当り遊技が付与された場合に条件装置が停止されるタイミングが前述した実施例に係るパチンコ機と相違している。すなわち、別実施例に係るパチンコ機10では、図17に示すように、特図当り遊技における特別入賞部40の最終回(規定ラウンド数目のラウンド遊技R)の作動が停止すると、前述した実施例に係るパチンコ機と同様に、当該特別入賞部40の作動停止と同時に役物連続作動装置の作動が停止されて、特図当り遊技の種類に応じて定められたエンディング時間EDをタイマ手段が計測する。そして、エンディング時間EDが経過するまで開閉部材43を閉鎖状態に保持するよう特別入賞ソレノイド42が駆動制御され、当該エンディング時間EDの経過に伴って役物連続作動フラグが第2状態に設定されて、条件装置の作動をメイン制御CPU60aが停止させるようになっている。すなわち、別実施例に係るパチンコ機10では、エンディング時間EDが経過することで条件装置の作動が停止されて、当該条件装置の作動終了に伴って特図当り遊技が終了するよう構成されている。
また、別実施例に係るパチンコ機10では、役物連続作動装置の作動停止と同時(エンディング時間EDが開始すると同時)にメイン制御CPU60aが変短状態を付与すると共に、前記条件装置の作動終了と同時(エンディング時間EDが経過すると同時)にメイン制御CPU60aが確変状態を付与するよう構成されている。すなわち、別実施例のパチンコ機10では、特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与される場合に、メイン制御CPU60aにより決定された特図当り遊技の種類に応じて特典遊技状態としての変短状態が付与される付与開始タイミングを異ならせる一方で、特典遊技状態としての確変状態が付与される付与開始タイミングは特図当り遊技の種類に関わらず一定(条件装置の作動終了と同時)のタイミングとなるよう構成されている。そして、別実施例に係るパチンコ機10では、特別電動役物としての特別入賞部40の最終回の作動が停止して役物連続作動装置が停止するのに伴って特典遊技状態(確変状態や変短状態)が付与される場合に、特図当り遊技のエンディング時間EDが経過する前に当該特典遊技状態としての変短状態の付与を報知可能に構成される。なお、特典遊技状態の付与報知に関しては、前述した実施例と変わりがないことから、説明を省略する。
このように、別実施例に係るパチンコ機10では、特別入賞部40を作動して前記特図当り遊技が開始した場合に、当該特別入賞部40の最終回の作動終了後と同時に特典遊技状態(変短状態)が付与されるようにすることで、特図当り遊技において当該特別入賞部40の最終回の作動終了後に設けられたエンディング時間EDの間から特典遊技状態として変短状態を付与することができる。これにより、前述した実施例に係るパチンコ機10と同様に、特別入賞部40の作動終了後の遊技の興趣を高めることができる。また、エンディング時間EDの間から特典遊技状態(変短状態)が付与されることで、遊技が間延びするのを防ぐことができ、中断することなく継続して遊技を行うことができる。
また、別実施例に係るパチンコ機10では、役物連続作動装置の作動停止と同時(エンディング時間EDが開始すると同時)に変短状態が付与されることで、特別入賞部40の作動終了後の遊技の興趣を高められると共に、条件装置の作動停止(エンディング時間EDの経過と同時)に伴い特図当り遊技が終了した場合には、特図当り遊技の種類に応じて確変状態が更に付与される。すなわち、特別入賞部40の作動終了からエンディング時間EDが経過するまで(特図当り遊技が終了するまで)の間に、遊技状態を段階的に変化させることができるから、遊技者の関心を徐々に高めて遊技の興趣を高めることに繋がる利点がある。また、前記条件装置が作動する間に変短状態を先に付与して、その後に確変状態を付与するよう構成したから、変短状態の間に可変始動口103への入賞が発生した場合に、当該変短状態での可変始動口103への入賞を契機とした特図当り判定を確変状態下で確実に行うことができ、変短状態および確変状態の付与開始タイミングをずらしたとしても不都合が生じることはない。
(変更例)
なお、遊技機としては、前述したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、当り遊技(特図当り遊技)における終了待機時間の間から特典遊技状態としての確変状態および変短状態の夫々を付与するよう構成したが、確変状態および変短状態の何れか一方のみを付与するようにしてもよい。また、確変状態および変短状態が付与される付与開始タイミングを異ならせてもよい。すなわち、例えば終了待機時間の開始と同時に変短状態(または確変状態)を付与すると共に、終了待機時間の開始から所定時間が経過することで確変状態(または変短状態)を付与するようにしてもよい。ここで、確変状態および変短状態が個別に付与される場合に、当該確変状態および変短状態の付与開始タイミングは、当り遊技(特図当り遊技)の種類毎に設定することができる。
(2) 実施例では、特典遊技状態を付与するタイミング(付与開始タイミング)を当り遊技(特図当り遊技)の種類に応じて定めて、当り遊技(特図当り遊技)毎に異ならせ得るよう構成したが、当り判定(特図当り判定)が行われる時点での遊技状態に応じて特典遊技状態の付与開始タイミングを異ならせるようにすることもできる。例えば、図18に示すように、同じ種類の特図当り遊技(図18では、第1、第2または第4の特図当り遊技)が決定された場合に、特図当り判定の時点(特図当り遊技の付与が決定された時点)における遊技状態が確変状態であるか、非確変状態であるかに応じて特典遊技状態の付与開始タイミングを設定することで実現できる。なお、図18では、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて特典遊技状態の付与開始タイミングを設定したが、遊技状態が変短状態であるか否かに応じて付与開始タイミングを設定するようにしてもよく、また確変状態・非確変状態および変短状態・非変短状態を組み合わせた遊技状態に応じて付与開始タイミングを設定することも可能である。すなわち、特典遊技状態が付与される場合に、当り判定が行われる時点での遊技状態と、決定された当り遊技(特図当り遊技)の種類との少なくとも何れかに応じて特典遊技状態の付与開始タイミングを異ならせるようにすることが可能である。
(3) 実施例では、特典遊技状態を付与する場合に報知手段が報知するタイミングを当り遊技(特図当り遊技)の種類に応じて定めて、当り遊技(特図当り遊技)毎に異ならせ得るよう構成したが、当り判定(特図当り判定)が行われる時点での遊技状態に応じて特典遊技状態を付与する場合に報知手段が報知するタイミングを異ならせるようにすることもできる。例えば、図19に示すように、同じ種類の特図当り遊技(図19では、第1、第2または第4の特図当り遊技)が決定された場合に、特図当り判定の時点(特図当り遊技の付与が決定された時点)における遊技状態が確変状態であるか、非確変状態であるかに応じて特典遊技状態の付与を報知する報知タイミングを設定することで実現できる。なお、図19では、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて報知タイミングを設定したが、遊技状態が変短状態であるか否かに応じて報知タイミングを設定するようにしてもよく、また確変状態・非確変状態および変短状態・非変短状態を組み合わせた遊技状態に応じて報知タイミングを設定することも可能である。また、図19では、遊技状態に応じて報知タイミングが一義的に定まるよう設定したが、実施例のように遊技状態に応じて複数の報知タイミングから報知タイミングを決定するようにすることも可能である。すなわち、特典遊技状態が付与される場合に、当り判定が行われる時点での遊技状態と、決定された当り遊技(特図当り遊技)の種類との少なくとも何れかに応じて報知タイミングを異ならせるようにすることが可能である。
(4) 実施例では、特典遊技状態を付与する場合に報知手段が報知する報知態様(報知パターン)を当り遊技(特図当り遊技)の種類に応じて定めて、当り遊技(特図当り遊技)毎に異ならせ得るよう構成したが、当り判定(特図当り判定)が行われる時点での遊技状態に応じて特典遊技状態を付与する場合に報知手段が報知する報知態様(報知パターン)を異ならせるようにすることもできる。例えば、図19に示すように、同じ種類の特図当り遊技(図19では、第1または第2の特図当り遊技)が決定された場合に、特図当り判定の時点(特図当り遊技の付与が決定された時点)における遊技状態が確変状態であるか、非確変状態であるかに応じて特典遊技状態の付与を報知する報知態様(報知パターン)を設定することで実現できる。なお、図19では、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて報知態様(報知パターン)を設定したが、遊技状態が変短状態であるか否かに応じて報知態様(報知パターン)を設定するようにしてもよく、また確変状態・非確変状態および変短状態・非変短状態を組み合わせた遊技状態に応じて報知態様(報知パターン)を設定することもできる。すなわち、特典遊技状態が付与される場合に、当り判定が行われる時点での遊技状態と、決定された当り遊技(特図当り遊技)の種類との少なくとも何れかに応じて報知態様(報知パターン)を異ならせるようにすることが可能である。
(5) ここで、実施例では、当り遊技の種類に応じて報知態様(報知パターン)が一義的に定まるよう設定したが、当り遊技の種類毎に決定可能な報知態様(報知パターン)を複数定めて、当り遊技に応じて決定可能な複数種類の中から1つの報知態様(報知パターン)を決定するようにすることも可能である。同様に、遊技状態に応じて複数の報知態様(報知パターン)から報知態様(報知パターン)を決定するようにすることも可能である。
(6) なお、特典遊技状態を付与する場合に報知手段が報知する報知態様を定めた報知パターンとして第1〜第3の報知パターンを設定する例を示したが、これに限られるものではなく、1種類の報知パターンのみを設定するようにしてもよく、2或いは4種類以上の報知パターンを設定することも可能である。
(7) 実施例では、特典遊技状態を付与する場合に報知手段により特典遊技状態の付与を報知するか否か(報知の実行可否)を当り遊技(特図当り遊技)の種類に応じて定めて、当り遊技(特図当り遊技)毎に異ならせ得るよう構成したが、当り判定(特図当り判定)が行われる時点での遊技状態に応じて特典遊技状態を付与する場合に報知の実行可否を異ならせるようにすることもできる。例えば、図19に示すように、同じ種類の特図当り遊技(図19では、第1〜第3の特図当り遊技)が決定された場合に、特図当り判定の時点(特図当り遊技の付与が決定された時点)における遊技状態が確変状態であるか、非確変状態であるかに応じて報知の実行可否の割合を設定することで実現できる。なお、図19では、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて報知の実行可否の割合を設定したが、遊技状態が変短状態であるか否かに応じて報知の実行可否の割合を設定するようにしてもよく、また確変状態・非確変状態および変短状態・非変短状態を組み合わせた遊技状態に応じて報知の実行可否の割合を設定することも可能である。また、遊技状態や特図当り遊技の種類に応じて報知の実行可否の割合を替える構成とせずに、遊技状態や特図当り遊技の種類に応じて報知の実行可否が一義的に定まるよう設定してもよい。すなわち、特典遊技状態が付与される場合に、当り判定が行われる時点での遊技状態と、決定された当り遊技(特図当り遊技)の種類との少なくとも何れかに応じて報知の実行可否を決定するようにすることが可能である。
(8) また実施例では、特典遊技状態が付与される以前に当該特典遊技状態の付与を報知し得るよう構成したが、特典遊技状態が付与された後に特典遊技状態の付与を報知するよう構成してもよい。
(9) 遊技領域に対して第1の入球口を閉鎖する閉鎖位置および該第1の入球口を開放する開放位置に電動式駆動手段の駆動に伴って変位可能な第1の開閉部材を有する第1の可変入球部としての可変作動入球部を1つ備える構成を示したが、これに限られるものではなく、第1の可変入球部を2つ以上備えるよう構成してもよい。
(10) 遊技領域に対して第2の入球口を閉鎖する閉鎖位置および該第2の入球口を開放する開放位置に遊技球の接触に伴って機械的に変位可能な第2の開閉部材を有する第2の可変入球部としての可変始動入賞部を2つ備える構成を示したが、これに限られるものではなく、第2の可変入球部を1つ或いは3つ以上備えるようにしてもよい。
(11) 第2の可変入球部として、第2の入球口への入球が特図変動表示の開始条件および賞球の払出条件となる可変始動入賞部として用いた例を示したが、これに限られるものではない。例えば、第2の入球口への入球により特図変動表示の開始条件のみが成立するよう構成したり、賞球の払出条件のみが成立するようにしてもよい。また、第2の入球口への入球により普図変動表示の開始条件が成立するようにしてもよい。
(12) 電動式駆動手段の駆動に伴い開放した第1の入球口(作動口)に入球した遊技球との接触に伴い第2の可変入球部における第2の開閉部材を開放させるよう構成したが、当該遊技球との接触に伴い第2の開閉部材を閉鎖させるよう構成することも可能である。
(13) 実施例では、第1の入球口に入球した遊技球を何れかの分岐経路に振り分ける振分手段として、電動式駆動手段の駆動により振分体が作動する通路振分部を設けたが、これに限られるものではなく、球転動部を転動する遊技球の勢いや転動方向により自然に何れかの分岐通路に振り分けられる構成を採用することもできる。例えば、すり鉢状に形成した球転動部の底面に複数の通孔を形成した所謂クルーンとも称される球転動部を振分手段として採用したり、一定方向に延在すると共に延在方向に離間する複数箇所に球排出部を設けた所謂ステージ状の球転動部を振分手段として採用することも可能であり、その他遊技球の流下方向を複数に振分可能な従来公知の振分手段を採用可能である。
(14) 実施例では、複数の第2の可変入球部(第1および第2可変始動入賞部)に遊技球が入球した際に付与され得る特典(具体的には特図当り遊技の種類)を異ならせたが、複数の第2の可変入球部に遊技球が入球した際に同じ特典を付与され得るようにすることも可能である。
(15) 実施例では、第1の可変入球部および第2の可変入球部を備えた可変入球ユニットを遊技盤に配設するようにしたが、第1の可変入球部や第2の可変入球部を個別に遊技盤に配設するようにしてもよい。また、第1の可変入球部や第2の可変入球部の他に、遊技領域に対して第3の球入口(特別入賞口)を閉鎖する閉鎖位置および該第3の球入口を開放する開放位置に変位可能な第3の開閉部材を有する第3の可変入球部(特別入賞部)を可変入球ユニットに設けるようにしてもよく、また遊技領域を流下する遊技球が通過可能な第4の球入口(ゲート部)を可変入球ユニットに備えるようにしてもよい。
(16) 実施例では、第2の可変入球部(可変始動入賞部)に対して第2の開閉部材(始動口開閉部材)を1つ備える構成を示したが、第2の開閉部材を2つ備えるようにしてもよい。具体的には、実施例の第2の開閉部材(始動口開閉部材)を左右対称に形成して、この左右対象な第2の開閉部材(始動口開閉部材)を第2の作動部材の右側方に隣接して配置すると共に、第2の作動部材に設けられた右端部側の閉鎖保持部および閉鎖作動部を用いて、右側の第2の開閉部材(始動口開閉部材)を閉鎖位置に保持したり、開放位置から閉鎖位置に変位させることで簡単に実現できる。なお、右側の第2の開閉部材(始動口開閉部材)の開閉動作は、左側の第2の開閉部材(始動口開閉部材)の開閉動作と同じであることから、詳細な説明は省略する。
(17) 実施例では、第1の可変入球部として第1の開閉部材(作動口開閉部材)が前後方向に移動する形態の可変入球部を採用したが、第2の可変入球部に設けた第2の開閉部材(始動口開閉部材)のように第1の開閉部材が左右方向に揺動する形態としたり、第3の可変入球部(特別入賞部)における第3の開閉部材(開閉扉)のように第1の開閉部材が前後方向に揺動する形態とすることも当然可能である。同様に、第2の可変入球部として第2の開閉部材(始動口開閉部材)が左右方向に揺動する形態の可変入球部を採用したが、第1の可変入球部に設けた第1の開閉部材(作動口開閉部材)のように第2の開閉部材が前後方向に移動する形態としたり、第3の可変入球部(特別入賞部)における第3の開閉部材(開閉扉)のように第2の開閉部材が前後方向に揺動する形態とすることも当然可能である。
(18) 実施例では、第1の可変入球部における第1の開閉部材(作動口開閉部材)の開放動作態様として、第1〜第3開閉動作パターンP1〜P3を設定した場合で説明したが、これに限られるものではなく、振分手段(振分体)が少なくとも第1振分位置にある状態で開放位置に変位する第1の開放動作態様と、該振分手段(振分体)が少なくとも第2振分位置にある状態で開放位置に変位する第2の開放動作態様とで動作するよう電動式駆動手段により駆動されるよう構成すればよい。なお、電動式駆動手段としてはソレノイドに限られるものではなく、モータその他従来公知の各種駆動手段を採用可能であることは当然である。ここで、第1の開放動作態様としては、第1の入球口(作動口)に入球した遊技球が特定の分岐通路(実施例では第2の分岐流入通路)へ振り分けられる割合よりも、他の分岐通路(実施例では第1の分岐流入通路)へ振り分けられる割合の方が高くなる開放動作態様であり、第2の開放動作態様としては、第1の入球口(作動口)に入球した遊技球が特定の分岐通路(実施例では第2の分岐流入通路)へ振り分けられる割合の方が、他の分岐通路(実施例では第1の分岐流入通路)へ振り分けられる割合よりも高くなる開放動作態様であればよい。例えば、実施例では、第1振分時間TZ1だけ振分手段としての通路振分部150の振分体151を第1振分位置から第2振分位置に変位させるよう設定して、第1の開放動作態様としての第1開閉動作パターンP1または第3開閉動作パターンP3で第1の開閉部材(作動口開閉部材131)を開閉動作させた際に、当該振分体151が第2振分位置にある状態においても第1の開閉部材(作動口開閉部材131)が開放位置に変位するよう構成したが、当該第1振分時間TZ1の動作を省略して第1の開閉部材(作動口開閉部材131)が開放位置に変位する間継続して振分体151を第1振分位置に位置させるようにしてもよい。同様に、前記第1振分時間TZ1と同じ時間に設定された第2作動口開放時間TB1の開放動作を第1の開閉部材(作動口開閉部材131)に1回行わせるよう第2の開放動作態様としての第2開閉動作パターンP2を設定したが、当該第2作動口開放時間TB1の動作を省略することも可能である。
(19) また第1の開放動作態様で開閉動作された第1の開閉部材(作動口開閉部材131)の総開放時間と、第2の開放動作態様で開閉動作された第1の開閉部材(作動口開閉部材131)の総開放時間とを同じ時間に設定することもできる。この場合は、第1の開閉部材(作動口開閉部材131)の開放動作に伴う第1の入球口(作動口101)への遊技球の入球機会を均等にすることができる。例えば具体的に、実施例において、「(第1作動口開放時間TA1)=(第2作動口開放時間TB1)+(第4作動口開放時間TB4)×3」とすることで、実現可能である。
(20) 実施例では、第1〜第6の大当り遊技における規定ラウンド数を同一回数(すなわち16ラウンド)に設定し、大当り遊技毎の開閉扉の開閉動作を異ならせることで、各大当り遊技に伴って獲得可能な賞球数を変化させるようにしたが、これに限られるものではなく、大当り遊技における規定ラウンド数を異ならせることで、大当り遊技に伴って獲得可能な賞球数を変化させるようにしてもよい。例えば、実施例において、第1〜第3の大当り遊技における規定ラウンド数を「4回」に設定するようにしてもよい。この場合には、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド報知ランプを設けることで、遊技者に大当り遊技に伴って行われるラウンド遊技の回数を報知することができる。一方、実施例のように、大当り遊技における規定ラウンドを同一回数に設定することで、当選した大当り遊技の規定ラウンド数をラウンド報知ランプで報知するようにしても、大当り遊技に伴って獲得可能な賞球数を秘匿することができる。
(21) また実施例の可変入球装置において、上側に位置する可変始動入賞部を第1可変始動入賞部とし、下側に位置する可変始動入賞部を第2可変始動入賞部としたが、これに限られるものではない。すなわち、実施例の可変入球装置において、下側に位置する可変始動入賞部を第1可変始動入賞部とし、上側に位置する可変始動入賞部を第2可変始動入賞部として、当該第1可変始動入賞部に対応する可変始動口へ遊技球が入球して対応の球検出センサが検出することを契機として取得される入賞情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、固定始動口への遊技球の入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合と同じ種類の大当り図柄(実施例では第1〜第3の大当り遊技)を決定可能に構成し、第1可変始動入賞部に対応する可変始動口へ遊技球が入球して対応の球検出センサが検出することを契機として取得される入賞情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、これと異なる種類の大当り図柄(実施例では第4〜第6の大当り遊技)を決定可能に構成してもよい。この場合には、第1の大当り遊技の終了後に前記可変作動入球部の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させるよう設定し、第2〜第5の大当り遊技の終了後に可変作動入球部の作動口開閉部材を第1開閉動作パターンP1で動作させるよう設定することにより、第1可変始動入球部および第2可変始動入球部に対して実施例と同様の通路振分が可能となる。
(22) メイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(23) また、統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして、統括制御手段(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(24) 演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(25) 実施例では、電動式駆動手段の駆動に伴い開閉部材が作動される第1の可変入球部(可変作動入球部130)の第1の入球口(作動口)に入球した遊技球を、遊技球の接触に伴って開閉部材が機械的に作動される第2の可変入球部(可変始動入賞部161,162)へ誘導されるよう構成したが、これに限られるものではない。すなわち、電動式駆動手段の駆動に伴い開閉部材が作動される第1の可変入球部の入球口に遊技球が入球すること(球検出センサにより遊技球が検出されること)を契機として、当り(特図当り)か否か当り判定を行う判定条件が満たされるようにしてもよい。すなわち、電動式駆動手段の駆動に伴い開閉部材が作動される第1の可変入球部を、当り判定(特図当り判定)が行われる可変始動入賞部とすることができる。この場合には、遊技球の接触に伴って開閉部材が機械的に作動される第2の可変入球部は省略されて、可変始動入賞部としての第1の可変入球部の入球口に入球(入賞)した遊技球の排出経路に球検出センサが配設される。
(26) また実施例では、特別入賞部の開閉部材を開閉移動させる短時間動作として、ラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な時間だけ開閉部材を開放状態に継続保持するようにしたが、これに限られるものではない。すなわち、1回のラウンド遊技において1回の開放動作(往復動作)を開閉部材に行わせる場合に当該1回の開放動作でラウンド遊技に定められた規定個数の遊技球が入賞可能な時間だけ開閉部材を開放状態に継続保持する動作を長時間動作として、当該長時間動作と比べて開閉部材を開放状態に継続保持する時間が短い動作を短時間動作とすることもできる。すなわち、特別入賞部の開閉部材に短時間動作を行わせた際に、ラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞し得るようにしてもよい。
(27) 実施例では、始動検出手段の検出を契機として当り遊技を発生させるか否かの当り判定を行うよう構成されたパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機(回胴式遊技機)等の各種遊技機を採用し得る。
例えば、スロットマシン機(回胴式遊技機)は、前方へ開口する箱状の筐体に、当該筐体の前方開口を塞ぐ前扉が開閉可能に備えられ、図柄が配列された複数の回転体が前側から視認し得るように筐体内部に配設されている。そして、所定の遊技媒体(パチンコ球や遊技メダル)を所定の遊技可能数だけ投入された状態で遊技者が開始操作手段の操作を行うことを契機に回転体が回転して図柄変動が開始すると共に、変動ゲーム図柄変動において成立可能な入賞役(有利遊技状態)に関する当否に関連した当否判定(当り判定)を行い、所定の停止操作手段の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止制御を実行し、停止した図柄の組合せによって所定の入賞役が成立することで遊技媒体の払出等の遊技利益が付与される有利遊技状態が付与されるよう制御される遊技機である。このようなスロットマシン機では、前記複数の回転体とは別に、各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置等の演出表示装置が備えられて、当否判定に基づく演出を表示したり、演出用の飾り図柄(飾図)を変動表示させ得るよう構成される。スロットマシン機のより具体的な構成を説明すると、外周部に識別情報としての複数の図柄が表示された複数のリール(回転体)を有する表示装置において、複数(例えば3つ)のリールに表示されている図柄(特別図柄)を有効ライン上に揃えることにより、所定数のパチンコ球やメダルを獲得する遊技が行われる。
具体的なスロットマシンでは、操作手段としてのスタートレバーの操作を契機として当当否判定が行われると共に各リールが夫々回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止操作手段としてのストップボタンの操作タイミングに応じてリールが停止するよう構成される。そして、全てのリールの回転(図柄変動)が停止したときに導出された表示結果(有効ライン上の図柄の並び順序等)が所定の入賞役を成立させる表示結果と合致するかを制御CPUが判定(入賞判定)し、当該入賞判定の結果に基づいて入賞役が成立した場合に、入賞役(有利遊技状態)の成立を示す入賞役設定フラグ(有利遊技状態設定フラグ)を成立した入賞役の種類に応じて制御CPUが特定の状態に設定して、入賞役設定フラグが設定されるのに伴って成立した入賞役に関する制御処理を制御CPUが実行するよう構成される。そして、入賞役に関する制御処理を終了時に遊技媒体の投入やスタートレバーの操作受付を禁止する待機期間を計時する待機タイマが設定されて、待機タイマによる計時が待機期間を経過する間は、遊技の進行が停止するようになっている。
ここで、前記入賞役としては、所定数の遊技媒体(例えば10枚の遊技メダル)の払い出しを行う子役等とも称される遊技媒体の払出入賞役や、通常の遊技において成立しない特殊な払出役を所定回数だけ成立させ得るボーナスゲームとも称される特別入賞役や、特定状態を付与することを決定する特殊入賞役等が設定される。ここで、特定状態としては、遊技媒体を投入(消費)することなく再遊技(リプレイ遊技)が可能なリプレイ役の成立確率が高確率になるリプレイタイム(RT)とも称される遊技状態や、遊技者によるストップボタンの操作時点でリールの回転が停止されるチャレンジタイム(CT)とも称される遊技状態等を設定することが可能である。そして、入賞役として特殊入賞役(有利遊技状態)が成立した場合には、当該特殊入賞役に関する制御処理において前記待機時間の間(待機時間の開始以後であって待機時間が経過する前)から特定状態を付与することを示す特定状態フラグを制御CPUが設定し得るよう構成されて、待機時間の間から特定状態を付与することができる。そして、前記特定状態の付与をする場合に、当該特定状態を付与することを前記演出表示装置において報知するようにすることができる。
すなわち、このようなスロットマシン機では、開始操作手段が操作されることを判定条件の成立を契機として当り判定を実行する制御手段が当り判定手段として機能する。また、外周部に識別情報としての複数の図柄が表示された複数のリール(回転体)が、当り判定手段の判定結果を示す特別図柄を変動および停止表示する特別図柄表示部として機能し、当り判定手段の判定結果に応じた特別図柄を特別図柄表示部に停止表示させるよう前記特別図柄表示手段としての複数のリール(回転体)の表示を制御する制御手段が特別図柄表示制御手段として機能している。
また、実施例からは次のような技術的思想を把握することができる。
請求項1に記載の構成を含む遊技機に関して、
遊技球を検出可能な球検出手段(76)と、
前記球検出手段(76)の検出を契機として第2の当り判定を実行する第2の当り判定手段(60a)と、
前記第2の当り判定手段(60a)による第2の当り判定が当りとなる判定結果の場合に、入球口(101)に対する遊技球の入球確率が高くなるよう可変する可変入球部(130)とを備え、
前記特別入賞部(40)に対して入賞可能な流下経路を流下する遊技球を前記球検出手段(76)が検出し得るよう構成されると共に、遊技状態として前記可変入球部(130)へ遊技球が入球する確率が高確率となる入球率向上状態が設定され、
前記当り遊技における終了待機時間(ED)の間から前記特典遊技状態付与手段(60a)が前記入球率向上状態を付与し得るよう構成されたことを要旨とする。
このように、可変入球部を入球確率が高くなるよう可変させる契機となる球検出手段により、特別入賞部に対して入賞可能な流下経路を流下する遊技球を検出するよう構成すると共に、当り遊技における終了待機時間の間から入球率向上状態を付与することで、特別入賞部の入賞口が閉鎖された後には、可変入球部の開放機会を与えることができる。このため、遊技が間延びするのを防ぐことができ、遊技を中断することなく継続することができる。