JP2016086800A - アクアリウム水槽 - Google Patents

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【課題】魚類飼育水槽内の藻の発生を低減し、水槽内の頻繁な清掃の手間を省き、インテリアとしても優れたアクアリウム水槽を提供する。【解決手段】魚類飼育水槽2とは別に、貝類飼育槽5と貝類産卵槽7を備えた汚水処理槽3を設ける。魚類飼育水槽2と汚水処理槽3との間で水を循環させるポンプ装置12を設ける。魚類飼育水槽2内で発生する魚類の排泄物及び残餌などの汚物を水流と共に汚水処理槽3に移行させ、汚水処理槽3内の貝類Sに汚物を給餌することで濾過処理し、濾過処理されて乏栄養状態となった水を魚類飼育水槽2に環流させる、【選択図】図1

Description

本発明は、各種の鑑賞魚、その他貝類等の水棲生物を飼育、観察するために使用するアクアリウム水槽に関するものである。
鑑賞魚等の飼育水槽には様々な形態のものがあるが、アクアリウム水槽としてはガラス板又は透明樹脂製板で囲んで方形箱型に形成された水槽が主に使用されている。
また、水棲生物の飼育に用いられている餌料としては、配合餌料が用いられる。このため、その残餌や水棲生物の排泄物が沈殿し、ヘドロ状の汚泥となって堆積して水を汚染する原因となっている。
こうした水棲生物の飼育を水槽で行う場合、水の入れ替えをしない「閉鎖系」で行われるのが一般的である。そこで、水槽の底面に堆積した汚泥を外部に取出して濾過し、処理後の水を再度水槽に戻し利用する循環方式が採用されている。
すなわち、方形箱型の水槽においては、濾材を収納した濾過装置を設け、その上に砂利を敷き、エアポンプなどの水の循環装置を設けて水槽内の水を濾過装置を通して循環させるようになっている。
しかしながら、濾過だけでは、汚泥そのもの(大きな固体としての汚泥)は除去できるが、汚泥中に含まれる細菌等まで完全に除去することはできない。尚、塩素等の化学物質を使用することにより細菌等を除去する方法があるが、人間を含め生物には決して好ましい方法ではなく、pHの調整を含めた新たな水の浄化・殺菌方法が模索されている。
一方、従来の水槽は、単に自然光または室内照明の下で水槽内の魚類や水草を鑑賞するだけであるので、インテリアとしては装飾性に乏しいものであった。
従来、底面に老廃物等の排水機能をもつ畜養飼育水槽と、循環水槽を設置し、ポンプで一定量の飼料を混合した海水を紫外線照射装置で滅菌できるように配管したもの(特許文献1参照。)。光触媒処理をした水を用いて、魚貝類と水生又は陸生の植物とを同時に養殖、栽培する。魚貝類を養殖するための養殖槽と、水生又は陸生の植物を栽培するための栽培槽と、光触媒処理装置を有し、養殖槽、栽培槽および光触媒処理装置を配管で接続して、使用する水が循環するようにされているもの(特許文献2)。浄化すべき原水を汲み出してマイクロナノバルブ装置が設置された水槽に導入して、マイクロナノバルブによって処理水中の好気性微生物を活性化して、処理水中の藻類を硝酸性窒素に分解させ、マイクロナノバルブを含む処理水を、水草を定植した定植床を水中に配設した植物栽培槽に導入し、硝酸性窒素を水草に養分として吸収させる。(特許文献3)。海藻類と卵類を含有する二枚貝用飼料と植物プランクトンを併用して二枚貝に給餌する(特許文献4)。生菌状態の光合成細菌と貝肉、特に発電所等から回収される廃棄貝類の滅菌処理された貝肉とを含む水産用飼料(特許文献5参照。)等が提案されている。
また、光透過性を有するパネルで構成されるステンドグラス筺体の内部に照明装置を備えた装飾装置を上部に載置した鑑賞魚飼育水槽(特許文献6)や飼育水槽の上部に透明なフィルムから成る円錐台形状の傘を被せ、飼育水槽の下方から特殊な照明装置で照らして独特のムードが醸し出されるようにしたインテリア水槽(特許文献7)が提案されている。
特開平8−322420号公報 特開2001−190166号公報 特開2008−93624号公報 特開平8−140588号公報 特開2000−300811号公報 実用新案登録第3114382号公報 特開2001−74
飼育水槽の内部に汚泥が生じる一因は、飼育水中に窒素、リン酸及びカリが蓄積して水が富栄養化するためである。
そこで、濾過装置によって飼育する魚類の糞や残餌などを濾過し、水槽内の水を清澄に保つようにしているが、濾材に補集されたこれらの汚物は、水槽内で腐敗、分解されるので、その際に分解された肥料成分により藻が発生、繁茂するという問題なども発生する。また、濾過装置に補集された汚物もそこを流れる水流中で腐敗、分解されて循環水流中に溶出するので、水槽中の水が富栄養化することは避けられない。
藻は、水槽の内面や底面に敷いた砂利などに付着し、鑑賞価値を低減する上、水草の表面にも付着してその成長を阻害する。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、魚類飼育水槽内の藻の発生を低減し、水槽内の頻繁な清掃の手間を省き、インテリアとしても優れたアクアリウム水槽を提供することを目的とする。
このため本発明のアクアリウム水槽は、魚類飼育水槽とは別に、貝類飼育槽を具備した汚水処理槽を設け、魚類飼育水槽と汚水処理槽との間で水を循環させるポンプ装置を設け、魚類飼育水槽内で発生する魚類の排泄物及び残餌などの汚物を水流と共に汚水処理槽に移行させ、汚水処理槽の貝類飼育槽内の貝類に前記汚物を給餌することで濾過処理し、濾過処理されて乏栄養状態となった水を魚類飼育水槽に環流させることを第1の特徴とする。
また、魚類飼育水槽の上方に載置される汚水処理台の内部に設けられ、かつその内部に貝類を放流して飼育する貝類飼育槽と、貝類産卵槽とを備えた循環水路が形成された汚水処理槽と、前記汚水処理槽の内部に導水仕切板を設けて貝濾床を画成すると共に、一旦、貝濾床を通過した水を滝状に越流させる越流堰を設け、この越流堰をオーバーフローした水を底面の排水口を通して魚類飼育水槽に戻す環流排水槽から成ることを第2の特徴とする。
さらに、貝濾床に小石と砂を積層した砂濾床を付加したことを第3の特徴とする。
通常の濾過槽では、長期間の通水を通じて捕捉された魚類の餌、糞、これらを分解し増殖した細菌類、光合成により栄養塩類を摂取して増殖した微細藻類の蓄積などにより目詰まりを引き起こし、濾床の圧力損失が増大し、濾床の洗浄、交換といった作業が必要となる。
本発明では、貝類が目詰まりの原因となるこれらの物質を捕食すると共に、貝類が濾床内を適度に動き回り撹拌することで、砂濾床の目詰まりが防止され、長期にわたり十分な砂濾床による濾過機能を維持することができる。また、貝類は十分な餌を捕食しながら次第に増体し、河川床のような流れのある自然に近い環境下における本来の生態系の中で餌を捕食する姿を観察できるので、貝類の生態を理解する教材をしても有効である。
また、汚物を速やかに分解させるため、微生物の利用などが提案されているが、その分解が魚類を飼育する水槽内で行われる限りにおいて、藻の繁殖を防ぐことはできないが、汚物の分解成分を貝類の餌に使用することにより、余剰の肥料成分のみが水草や海草の肥料になる。すなわち植物や餌の量を適宜調整することにより、水質は良的に保全される。
このように構成すると、水槽内に肥料要素が微量に存在するとしても、それらは水草などに奪われるので、藻の発生が抑制される上、たとえ微量の藻が発生したとしても、幼苗のうちに動物性プランクトンなどに喫食されてしまうため、繁茂することができなくなる。そして、貝類により少量の藻は喫食されて消滅するので、水槽は一層綺麗になる。このため、水槽の内部が長期に渡り清澄に保たれるようになり、水槽内の清掃などの手入れ頻度が減る。
すなわち、魚類の排泄物から微生物の働きにより貝類の餌を作りと、貝類を飼育する槽とを画成して閉鎖系とし、さらに、その中で植物を栽培して水質を浄化させるビオトープ機能を発揮させるものである。つまり、アクアリウム水槽内を自然界と同様の環境にすることができ、魚類、貝類及び植物を天然に近い状態で飼育することができる。
また、一旦、貝濾槽に貯留された水を滝状に越流させる越流堰を設け、この越流堰をオーバーフローした水を底面の排水口を通して飼育水槽に戻す環流排水槽を設けることで、インテリアとしても高いアイキャッチ効果が発揮される。
本発明に係るアクアリウム水槽の一例を示す斜視図である。 本発明に係るアクアリウム水槽の水処理台を示す(a)は平面図、(b)は側面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のアクアリウム水槽は、図1及び図2に示すように、例えば、淡水であればメダカ(淡水性魚類)Fを飼育するための魚類養殖槽2と、この魚類養殖槽2上に載置されるマシジミ(淡水性貝類)Sを飼育するための貝類飼育槽5と、その産卵を観察し易く構成した貝類産卵槽4とから成る汚水処理槽3とこれらに水流(矢示する)の循環水路を備えた汚水処理台1と、揚水ポンプ12とにより概略構成されている。
アクアリウム水槽は、魚類飼育水槽2とは別に、貝類飼育槽5と貝類産卵槽7とを具備した汚水処理槽3を設け、魚類飼育水槽2と汚水処理槽3との間で水を循環させるポンプ装置12を設け、魚類飼育水槽2内で発生する魚類の排泄物及び残餌などの汚物を水流と共に汚水処理槽3に移行させ、貝濾床を兼ねた貝類飼育槽5内の貝類Sに前記汚物を給餌することで濾過処理し、さらに、貝類飼育槽5内に積層された小石層8aと砂層8bから成る砂濾床8に浸透通過させて濾過処理されて乏栄養状態となった水を魚類飼育水槽2に環流するようにされている。ここで、砂濾床8は水の濾過と貝類の生息を兼ね、その下部には小石(径10mmサイズ)を5cm程度の厚さに敷き、上部に砂(1mmサイズ)を3cm程度の厚さに敷いて積層して形成する。貝濾床としては、生育した貝S(マシジミであれば5mm以上のもの)を10匹程度投入する。
また、汚水処理台1の内部には、導水仕切板9で区画された貝類産卵槽4が設けられ、その内部に貝類Sを載置する複数の透孔7aが穿設された貝類載置床7が形成されている。この透孔7aは貝類S固定する窪みともなるし、産卵した卵を沈下させて回収するための沈下孔を兼ねている。すなわち、導水仕切板9で区画することで、水流をゆるやかな流れにして貝の卵の姿や産卵の様子を観察することが容易になる。尚、沈下した卵は卵移行口7bを通って貝類産卵槽4の底部に堆積される。堆積された卵は掬い取るか、又は、貝類産卵槽4の底部を開口可能にすることで外部に取り出し、別途孵化させることやその様子を観察することもできる。
貝類飼育槽5の導水排出側は、底側のみ通水可能にされた導水仕切板10により区画されて、導水仕切板10に任意の間隔を置いて隣接して、砂濾床8を浸透しながら通過した水を滝状に越流させる越流堰11が設けられ、この越流堰11をオーバーフローした水は環流排水槽6の底面の環流排水口1bを通して飼育水槽2に戻される。
すなわち、アクアリウム水槽は、汚水処理槽3の内部に導水仕切板9及び10を設けて、貝濾床を兼ねた貝類飼育槽5と貝類産卵槽7を区画することで、導水をゆるやかな流れに変化させて、河川床のような流れのある自然に近い環境下を再現し、貝Sが餌を捕食する姿や産卵の様子を観察できるので、貝類Sの生態を理解する教材をしても有効である。
メダカFを養殖するための魚類養殖槽2の水には残餌や魚類の排泄物が含まれているため、これらの不純物を取り除くために、魚類養殖槽2に微生物を投入する。すると、微生物の働きにより、残餌や魚類の排泄物が分解され貝類Sの餌が作られる。そして、この貝類Sの餌を含んだ水は、揚水ポンプ12を介して貝類飼育槽3へ流入せしめられ、魚類養殖槽2へ復水する。
また、魚類養殖槽2では、水草(植物)Gを栽培する。魚類養殖槽2内の水には残餌や魚類の排泄物から出たミネラル等の栄養分が含有されており、栄養価の高い水でもある。ここで、栽培する植物の種類は特に限定されるものではなく、水生の植物であっても、陸生の植物であってもよい。勿論、海水性のアクアリウムであれば海草となる。
このように本発明に係るアクアリウム水槽では、水の中で魚類の排泄物や残餌が発生しても、魚類飼育水槽2の水の中のみで有機物が腐敗、分解されることなく魚類飼育水槽2内の水が富栄養化することがない。
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。例えば、養殖する魚貝類の種類や栽培する植物の種類は特に限定するものではなく、いかなる水棲生物でも飼育が可能である。
また、汚水処理台1全体を透明材で作り、LED等で照明すると、夜間などは極めてファンタスティックなムードが醸成されることとなる。そこで、貝類飼育床7の透孔7a等に有色で透明な合成樹脂やガラスからなる小石や砂利などを載せておくと、更にインテリアとしての装飾性を高めることができる。
また、広告宣伝のためのディスプレイや、置物や飾りなどを載せておくと、特に人目を引き付けることができる。また、越流堰11から滝状にオーバーフローした水は広く膜状に拡がって流下する際に曝気されるので、水中の二酸化炭素やアンモニアなどの有害ガス成分が除去され、新鮮な酸素が補充されることになる。
以上、本発明は上記の如く構成したので、水交換や清掃を頻繁に行う必要が無く、長期に渡り鑑賞魚や貝類の飼育を楽しめるようになる。また、鑑賞用としても極めてインテリア性が高く設置場所を選ばない。また、自然界と同様のビオトープ機能を発揮させるものであり、自然科学を学習するための教材としても有用である。
1 汚水処理台
1a 揚水口
1b 処理水排出口
2 魚類飼育水槽
3 汚水処理槽
4 貝類産卵槽
5 貝類飼育槽(貝濾過床)
6 環流排水槽
7 貝類載置棚
7a 透孔(貝類載置及び卵沈下孔)
7b 卵移行口
8 砂濾床
8a 小石
8b 砂
9 導水仕切板
10 導水仕切板
11 越流堰板
12 循環ポンプ
12a揚水管
F 魚類
S 貝類
G 水草又は海草

Claims (3)

  1. 魚類飼育水槽とは別に、貝類飼育槽を具備した汚水処理槽を設け、魚類飼育水槽と汚水処理槽との間で水を循環させるポンプ装置を設け、魚類飼育水槽内で発生する魚類の排泄物及び残餌などの汚物を水流と共に汚水処理槽に移行させ、汚水処理槽の貝類飼育槽内の貝類に前記汚物を給餌することで濾過処理し、濾過処理されて乏栄養状態となった水を魚類飼育水槽に環流させることを特徴とするアクアリウム水槽。
  2. 魚類飼育水槽の上方に載置される汚水処理台の内部に設けられ、かつその内部に貝類を放流して飼育する貝類飼育槽と、貝類産卵槽とを備えた循環水路が形成された汚水処理槽と、前記汚水処理槽の内部に導水仕切板を設けて貝濾床を画成すると共に、一旦貝濾床を通過した水を滝状に越流させる越流堰を設け、この越流堰をオーバーフローした水を底面の排水口を通して魚類飼育水槽に戻す環流排水槽から成ることを特徴とする請求項1記載のアクアリウム水槽。
  3. 貝濾床に小石と砂を積層した砂濾床を付加したことを特徴とする請求項2記載のアクアリウム水槽。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109392808A (zh) * 2018-12-14 2019-03-01 徐州迈丰宠物用品有限公司 一种花园式水族过滤鱼缸
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