JP2016086153A - 電気化学デバイス - Google Patents

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武男 続木
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Abstract

【課題】低温特性と高温信頼性の双方が良好な電気化学デバイスを提供すること。
【解決手段】本発明の電気化学デバイス1は、容器10と、上記容器10内に設けられ、正極20及び負極30の電極層22及び32を有する蓄電素子Bと、上記容器10内に設けられ、主として環状エステル及び環状炭酸エステルを含む非水溶媒にリチウム塩を含む電解質が溶解され、上記環状エステル及び上記環状炭酸エステルよりも還元電位の高いスルホン酸エステル誘導体が添加された非水電解液とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、充放電可能な蓄電素子を内蔵した電気化学デバイスに関する。
電気化学デバイスとしては、電気二重層キャパシタ、レドックスキャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン電池等が知られている。特に、リチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタやレドックスキャパシタと同様の正極と、リチウムイオンを吸蔵可能な炭素系材料を用いた負極とを組み合わせることにより、エネルギー密度の高さと充放電の繰り返し可能回数の多さを両立している点で注目されている。
また、近年、リチウムイオンキャパシタには、低温状態における静電容量の維持及び高温状態(例えば85℃)における信頼性が、それぞれ求められている。
低温特性の改善に関して、例えば下記特許文献1には、γ−ブチロラクトンを含む非水電解液に添加剤としてビニレンカーボネートを添加することにより、負極表面に被膜を形成して低温特性を改善したリチウムイオンキャパシタが提案されている。
一方、高温信頼性の改善に関して、例えば下記特許文献2には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒を用いた電解液にメチレンビススルホネート誘導体を添加することにより、リチウムイオン電池のサイクル特性や短期間(24時間程度)の高温保持試験後の特性が改善できる電解液が提案されている。
特開2013−62329号公報 国際公開WO2012/017999号パンフレット
しかしながら、特許文献1で提案されるリチウムイオンキャパシタを用いても、高温状態でのγ−ブチロラクトンの還元分解を抑えることができないため、負極表面に形成された被膜がリチウムイオンの移動を阻害したり、還元分解時のガス発生によりセルの内圧が上昇したりする等、高温での信頼性に課題が残る。
また、特許文献2で提案される電解液を用いても、長期間に渡ってデバイスを高温で保持すると、負極表面の被膜の更なる形成や電解液の分解等が起こる等の問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、低温特性と高温信頼性の双方が良好な電気化学デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電気化学デバイスは、容器と、上記容器内に設けられ、正極及び負極の電極層を有する蓄電素子と、上記容器内に設けられ、主として環状エステル及び環状炭酸エステルを含む非水溶媒、リチウム塩を含む電解質、並びに上記環状エステル及び上記環状炭酸エステルよりも還元電位の高いスルホン酸エステル誘導体を含む非水電解液とを備えるものである。
上記構成において、上記環状エステルを、γ−ブチロラクトン(GBL)とすることができる。
上記構成において、上記環状炭酸エステルを、炭酸エチレン(EC)若しくは炭酸プロピレン(PC)又はその両方とすることができる。
上記構成において、上記非水溶媒における、上記環状炭酸エステルに対する上記環状エステルの体積比を1/9以上7/3以下にすることができる。
上記構成において、上記非水溶媒における、上記環状炭酸エステルに対する上記環状エステルの体積比を2/8以上6/4以下にすることができる。
上記構成において、上記スルホン酸エステル誘導体の添加量を、上記環状エステル、上記環状炭酸エステル及び上記電解質からなる電解液に対して0.1wt%以上5wt%以下相当とすることができる。
上記構成において、上記スルホン酸エステル誘導体の添加量を、上記環状エステル、上記環状炭酸エステル及び上記電解質からなる電解液に対して1wt%以上5wt%以下相当とすることができる。
上記構成において、上記容器がラミネートフィルムを備え、上記非水溶媒における上記環状炭酸エステルに対する上記環状エステルの体積比を3/7以上7/3以下とし、上記スルホン酸エステル誘導体の添加量を、上記環状エステル、上記環状炭酸エステル及び上記電解質からなる電解液に対して1wt%以上5wt%以下とすることができる。
上記構成において、上記電気化学デバイスを、リチウムイオンキャパシタとすることができる。
本発明によれば、低温特性および高温信頼性の双方が良好な電気化学デバイスを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態の電気化学デバイスの平面図 図1のA−A’断面図
以下、本発明をリチウムイオンキャパシタに具体化した一実施の形態を、図面に基づき説明する。図1は、本実施の形態における電気化学デバイス、より具体的にはリチウムイオンキャパシタ1を示す平面図であり、図2は図1のA−A’断面図である。
図1及び図2に示すとおり、本実施形態のリチウムイオンキャパシタ1では、正極20、負極30及びセパレータ40を有する蓄電素子Bが、容器10の内部に設けられ、さらに、一対の端子50及び60が、それぞれ正極20及び負極30に接続されるとともに、容器10の外部まで延接されている。また、非水電解液が、容器10の内部に封入され、正極20及び負極30の各電極層22及び32、又はセパレータ40に含浸されることにより、電極層22及び32に接触している。
[正極]
正極20は、例えば集電体21の表面に電極層22を形成した構造を有する。集電体21は、例えばアルミニウム箔を用いることができ、さらには孔空き箔であっても良い。電極層22は、電気二重層キャパシタやレドックスキャパシタの電極層に用いられる公知の材質及び構造を有していれば良く、例えばポリアセン(PAS)、ポリアニリン(PAN)、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等を含有し、電気二重層キャパシタ等の電極層に用いられる導電助剤やバインダー等の他の成分も必要に応じて含有している。
[負極]
負極30は、例えば集電体31の表面に電極層32を形成した構造を有する。集電体31は、例えば銅の金属箔を用いることができ、さらには孔空き箔であっても良い。電極層32は、例えば難黒鉛化炭素、グラファイト、錫酸化物、珪素酸化物等の活物質を含有し、カーボンブラックや金属粉末等の導電助剤や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)やスチレンブタジエンゴム(SBR)等のバインダーも必要に応じて含有している。
[セパレータ]
セパレータ40は、例えば、正極と負極の間に設けられることにより、これら両電極の接触に伴う短絡を防止し、また、その空孔内に電解液を保持させることにより電極間の導電経路を形成する。セパレータ40の材質としては、例えば、多孔性の、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素系樹脂等を用いることができる。
なお、図2においては、正極及び負極がそれぞれ1層で記載されているが、これに限定されるものではなく、適宜、複数層積層したり、捲回したりしても良い。
また、蓄電素子Bと非水電解液を容器10内に封入する際に、例えば、リチウム金属のシートを負極30と電気的に接続させると、リチウム金属シートのリチウムが非水電解液内に溶解するとともに、そのリチウムイオンが負極30の電極層にプレドープされる。これにより、充電前の状態で負極30の電位が正極20の電位に比べて例えば3V程度低くなる。
[非水電解液]
非水電解液は、以下の非水溶媒に電解質を溶解させて作製する。また、これに添加剤を加えることもできる。
(非水溶媒)
非水溶媒は、実質的には、環状エステルと環状炭酸エステルの混合溶媒である。環状エステルの具体例としては、γ−ブチロラクトン(GBL)やγ−バレロラクトン(GVL)等が挙げられ、特にGBLが、低融点・低粘度の点から好ましい。環状炭酸エステルの具体例としては、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ブチレン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(電解質)
電解質としては、リチウム塩、例えばLiPFが挙げられる。なお、電解質を含有させる量は、非水電解液1リットル中に0.5モル以上2モル以下が好ましい。
(添加剤)
添加剤として、非水溶媒の主成分(環状エステルや環状炭酸エステル)よりも還元電位の高いスルホン酸エステル誘導体を用いることができる。具体例としては、ビス(エタンスルホン酸)メチレン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸)メチレン等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。なお、添加剤は、非水溶媒の主成分に電解質を溶解させた電解液に対して、0.1wt%以上5wt%以下相当加えるのが好ましい。
なお、本発明の非水電解液には、0.1wt%〜5wt%の範囲で、他の添加剤が適宜添加されてもよい。
[容器]
容器の材質としては、ラミネートフィルムや金属等を用いることができる。特に、ラミネートフィルムを用いた容器は、ガス発生による厚みの変化が大きいため、本発明を用いる意義が大きい。また、その形態としては、袋状、箱状等、その用途に合わせて種々の変更が可能である。
[実施例及び比較例]
以下、本発明に係るリチウムイオンキャパシタの実施例及び比較例を挙げ、その実験結果を表1〜3に示す。
なお、溶媒および添加剤の還元電位は、作用極としてグラッシーカーボンを、参照極および対極としてLi金属を用いた3極式ビーカーセルをアルゴン雰囲気下のグローブボックス内で作製し、この三極式ビーカーセルに電解液を入れて、北斗電工株式会社製の電気化学測定システム「HZ−5000」で測定した。
[実施例1]
正極は、活物質としてPAS用い、市販のカルボキシメチルセルロース及びスチレンブタジエンゴムをバインダーとしてスラリーを調製し、それをアルミ箔上に塗布してシート状に作製した。負極は、活物質としてフェノール樹脂原料から成る難黒鉛化炭素を用い、カルボキシメチルセルロース及びスチレンブタジエンゴムをバインダーとしてスラリーを調製し、それを銅箔上に塗布してシート状に作製した。これらの電極間にセルロース系のセパレータを挟み、引出し端子を超音波溶接により集電体に取り付けた。作製した素子を約180℃で真空乾燥した後、負極にリチウム箔を貼りつけ、電極サイズにカットしてから容器に入れた。
さらに、GBL(キシダ化学株式会社製(LBG用)、還元電位は約0.8V(vs Li/Li))とEC(キシダ化学株式会社製(LBG用)、還元電位は約0.7V(vs Li/Li))の混合溶媒(体積比がGBL:EC=1:2)にLiPFを溶解した溶液(1.2mol/L)に対して、さらに添加剤としてビス(エタンスルホン酸)メチレン(和光純薬工業株式会社製、商品名「WEA−18」、還元電位は約1.2V(vs Li/Li))、表1〜3中では「ADD−1」と表記)を0.1wt%加えた電解液を作製し、当該電解液を容器に注入した後、シール材を用いて封止材を熱融着し、約20mm×26mmのサイズのセルを作製した。なお、封止材としてはナイロン/アルミ/CPP(無延伸ポリプロピレン)のラミネートフィルムを用いた。
[実施例2〜7]
添加剤の量を表1に示す通り、0.5〜10wt%に変更した以外は、実施例1と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[実施例8]
添加剤の種類をビス(エタンスルホン酸)メチレンからビス(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸)メチレン(和光純薬工業株式会社製、商品名「WEA−36」、還元電位は約1.2V(vs Li/Li))、表1中では「ADD−2」と表記)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[実施例9〜14]
添加剤の量を表1に示す通り、0.5〜10wt%に変更した以外は、実施例8と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[比較例1]
添加剤を加えない以外は、実施例1と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[評価方法]
実施例1〜14及び比較例1のリチウムイオンキャパシタを作製後、初期特性として、室温における静電容量及び内部抵抗を測定した。その後、−25℃の恒温槽中で30分間放置した後の静電容量を測定し、室温における静電容量に対する−25℃における静電容量の比を百分率で求めることにより、低温時の容量維持率を算出した。その値を表1の「容量維持率(−25℃)」として示す。
また、上記とは別に、85℃の恒温槽中で3.8Vの電圧で1000時間連続充電するフロート試験を行った。フロート試験後、セルを室温まで放冷し、静電容量、内部抵抗及びキャパシタ容器の厚み(T1)を測定し、初期特性に対する比を百分率で求めることにより、静電容量維持率、内部抵抗変化率及びセル厚み変化率をそれぞれ算出した。これらの値も表1の「フロート試験後」の下の「静電容量維持率」、「内部抵抗変化率」及び「セル厚み変化率」としてそれぞれ示す。
[評価結果]
(低温特性)
実施例1〜14及び比較例1において、低温での容量維持率がいずれも50%を超えており、実用に耐え得る低温特性である。但し、容量維持率が60%以上であるのがより好ましく、その場合、実施例1〜5及び実施例8〜12のように、添加剤の添加量を5%以下とするのがより好ましい範囲となる。
(高温信頼性)
フロート試験後の静電容量維持率、内部抵抗変化率及びセル厚み変化率については、実施例1〜14が、比較例1と比較して良好であった。特に添加剤の添加量が0.5wt%以上でフロート試験後の特性改善が明確に認められ、さらに1wt%以上では、内部抵抗変化率が150%未満となりより良好であった。但し、添加剤の添加量が5wt%を超えると大きな改善は見られず、むしろ初期の内部抵抗が高くなる点で不利であった。
Figure 2016086153
[実施例15〜24]
溶媒におけるGBLとECの体積比を、表2に示すとおり、10:0〜1:9に変更した以外は、実施例3と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[実施例25〜27]
溶媒をGBL、EC及びPC(キシダ化学株式会社製(LBG用)、還元電位は約0.8V(vs Li/Li))の混合溶媒とし、体積比を表2に示すとおりに変更した以外は、実施例3と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[比較例2及び3]
溶媒におけるECを鎖状炭酸エステルである炭酸ジメチル(DMC)に変更し、GBLとDMCの比を表2に示すとおりに変更した以外は、実施例3と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[比較例4及び5]
溶媒におけるECを鎖状炭酸エステルである炭酸エチルメチル(EMC)に変更し、GBLとEMCの比を表2に示すとおりに変更した以外は、実施例3と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[比較例6]
溶媒をEC及びEMCの混合溶媒とし、その体積比を5:5に変更した以外は、実施例3と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[比較例7]
溶媒をGBL、DMC、EC及びEMCの混合溶媒とし、その体積比を1:10:10:10に変更した以外は、実施例3と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[評価方法]
実施例15〜27及び比較例2〜7のリチウムイオンキャパシタを作製後、実施例1〜14及び比較例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表2にまとめる。
[評価結果]
(低温特性)
実施例15〜22、実施例25〜27及び比較例2〜7において、低温での容量維持率がいずれも50%を超えており、実用に耐え得る低温特性である。但し、容量維持率が60%以上であるのがより好ましく、その場合は、実施例15〜22、実施例25及び26のように、γ−ブチロラクトンと環状炭酸エステル(炭酸エチレン(EC)及び炭酸プロピレン(PC))の体積比を10:0〜3:7とするのがより好ましい範囲となる。
(高温信頼性)
フロート試験後の静電容量維持率、内部抵抗変化率及びセル厚み変化率については、γ−ブチロラクトンと環状炭酸エステルのいずれか一方の混合比が極端に少ないと、添加剤を加えても改善が見られなかった。すなわち、実施例16〜23及び実施例25〜27のように、γ−ブチロラクトンと環状炭酸エステルの混合比を、9:1〜2:8にするとより有利な結果が得られた。これは、環状炭酸エステルの混合比が極端に少ない場合は、添加剤を加えてもγ−ブチロラクトンの還元分解を抑制するための効果的な被膜が形成されず、γ−ブチロラクトンの混合比が極端に少ない場合には、電解質であるLiPFの熱分解が進行してしまうためであると考えられる。
一方、実施例18及び20と比較例2〜5とを比較すると、環状炭酸エステルの代わりに鎖状炭酸エステルを用いても、フロート信頼性は改善しない結果となった。これは、環状炭酸エステルの代わりに鎖状炭酸エステルを用いた場合は、添加剤を加えてもγ−ブチロラクトンの還元分解を抑制するための効果的な被膜が形成されないためであると考えられる。
また、溶媒の主成分として、炭酸エステル(炭酸エチレン(EC)及び炭酸エチルメチル(EMC))のみを用いた比較例6や、わずかにγ−ブチロラクトンを加えた比較例7の場合、添加剤を用いてもフロート信頼性の改善は見られなかった。これは、上記の理由により、電解質であるLiPFの熱分解が進行してしまうためであると考えられる。
上記の結果から、低温特性及び高温信頼性の双方を考慮した場合、γ−ブチロラクトンと環状炭酸エステルの体積比を、9:1〜3:7とするのがより好ましい範囲となる。
Figure 2016086153
[実施例28〜37]
溶媒におけるGBLとPCの体積比を、表3に示すとおり、10:0〜0:10に変更した以外は、実施例3と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
[評価方法]
実施例28〜37のリチウムイオンキャパシタを作製後、実施例1〜14及び比較例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表3にまとめる。
[評価結果]
(低温特性)
実施例15及び実施例28〜37において、低温での容量維持率がいずれも50%を超えており、実用に耐え得る低温特性である。但し、容量維持率が60%以上であるのがより好ましく、その場合、実施例15及び実施例28〜34のように、γ−ブチロラクトンと炭酸プロピレンの体積比を10:0〜3:7とするのがより好ましい範囲となる。
(高温信頼性)
実施例15および実施例28〜37において、γ−ブチロラクトンと炭酸プロピレンのいずれか一方の混合比が極端に少ないと、添加剤を加えてもフロート信頼性の改善は見られなかった。すなわち、実施例28〜35のように、γ−ブチロラクトンと炭酸プロピレンの混合比を9:1〜2:8とするとより有利な結果が得られた。これは、表2で考察した内容と同様であると考えられる。
さらに、γ−ブチロラクトンと環状炭酸エステルの体積比を8:2〜4:6にすることで、内部抵抗率を150%以下とすることができた。
また、γ−ブチロラクトンと環状炭酸エステルの体積比を7:3〜3:7にすることで、セル厚み変化率を150%以下とすることができた。
上記の結果から、低温特性及び高温信頼性の双方を考慮した場合、γ−ブチロラクトンと炭酸プロピレンの体積比を、9:1〜3:7とするのがより好ましい範囲となる。
さらに、内部抵抗変化率を特に重視する場合、γ−ブチロラクトンと環状炭酸エステルの体積比を8:2〜4:6とするのがより好ましい範囲となる。
また、容器の材質としてラミネートフィルムを用いた場合、セル厚み変化率の観点から、γ−ブチロラクトンと環状炭酸エステルの体積比を7:3〜3:7とするのがより好ましい範囲となる。
Figure 2016086153
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変更が可能である。
10 容器
20 正極
21 (正極)集電体
22 (正極)電極層
30 負極
31 (負極)集電体
32 (負極)電極層
40 セパレータ
50 正極端子
60 負極端子
B 蓄電素子

Claims (9)

  1. 容器と、
    前記容器内に設けられ、正極及び負極の電極層を有する蓄電素子と、
    前記容器内に設けられ、主として環状エステル及び環状炭酸エステルを含む非水溶媒、リチウム塩を含む電解質、並びに前記環状エステル及び前記環状炭酸エステルよりも還元電位の高いスルホン酸エステル誘導体を含む非水電解液と
    を備える電気化学デバイス。
  2. 前記環状エステルが、γ−ブチロラクトン(GBL)である
    請求項1に記載の電気化学デバイス。
  3. 前記環状炭酸エステルが、炭酸エチレン(EC)若しくは炭酸プロピレン(PC)又はその両方である
    請求項1又は2に記載の電気化学デバイス。
  4. 前記非水溶媒における、前記環状炭酸エステルに対する前記環状エステルの体積比が1/9以上7/3以下である
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  5. 前記非水溶媒における、前記環状炭酸エステルに対する前記環状エステルの体積比が2/8以上6/4以下である
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  6. 前記スルホン酸エステル誘導体の添加量が、前記環状エステル、前記環状炭酸エステル及び前記電解質からなる電解液に対して0.1wt%以上5wt%以下である
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  7. 前記スルホン酸エステル誘導体の添加量が、前記環状エステル、前記環状炭酸エステル及び前記電解質からなる電解液に対して1wt%以上5wt%以下である
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  8. 前記容器がラミネートフィルムを備え、
    前記非水溶媒における、前記環状炭酸エステルに対する前記環状エステルの体積比が3/7以上7/3以下であり、
    前記スルホン酸エステル誘導体の添加量が、前記環状エステル、前記環状炭酸エステル及び前記電解質からなる電解液に対して1wt%以上5wt%以下である
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  9. 前記電気化学デバイスがリチウムイオンキャパシタである
    請求項1から8のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
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JP2019169564A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 太陽誘電株式会社 リチウムイオンキャパシタ

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